JP2014194038A - 植毛用水分散型樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)成分:CH2=C(R1)−COO−R2[R1は、水素原子又はメチル基、R2は、単環式アルキル基である]で示される単量体及びその他の不飽和単量体を含む単量体混合物を重合して得られる共重合体を含む水分散型樹脂組成物、(B)成分:塩素化ポリオレフィンの水分散型樹脂組成物、及び(C)成分:エポキシ系シランカップリング剤を含む植毛用水分散型樹脂組成物である。この植毛用水分散型樹脂組成物は、高温密着性に優れ、耐摩耗性、塗工性、貯蔵安定性等の総合的な性能にも優れる。
【選択図】なし
Description
CH2=C(R1)−COO−R2 (1)
[化学式(1)において、R1は、水素原子又はメチル基、R2は、単環式アルキル基である。]及びその他の不飽和単量体を含む単量体混合物を重合して得られる共重合体を含む水分散型樹脂組成物、及び(B)成分:塩素化ポリオレフィンの水分散型樹脂組成物を含む植毛用水分散型樹脂組成物が、更に特定のシランカップリング剤を添加すると、プライマー処理がされていないポリオレフィン製の基材にパイルを植毛することができる植毛用水分散型樹脂組成物として使用でき、更に、その樹脂組成物は高温密着性に優れ、耐摩耗性、塗工性、貯蔵安定性等の総合的な性能にも優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
下記(A)成分、(B)成分および(C)成分を含むことを特徴とする植毛用水分散型樹脂組成物を提供する。
(A)成分:化学式(1)で示される単量体(a)
CH2=C(R1)−COO−R2 (1)
[化学式(1)において、R1は、水素原子又はメチル基、R2は、単環式アルキル基である。]及びその他の不飽和単量体を含む単量体混合物を重合して得られる共重合体を含む水分散型樹脂組成物、
(B)成分:塩素化ポリオレフィンの水分散型樹脂組成物
(C)成分:エポキシ系シランカップリング剤。
さらに、本発明は他の態様において、単量体(a)は、シクロヘキシル(メタ)アクリレートである植毛用水分散型樹脂組成物を提供する。
また、本発明は好ましい態様において、(A)成分と(B)成分との固形分100重量部に対し、(C)成分の固形分が0.1〜1.0重量部である植毛用水分散型樹脂組成物を提供する。
さらに、本発明に係る植毛用水分散型樹脂組成物は、造膜助剤を含むことができる。
CH2=C(R1)−COO−R2 (1)
[化学式(1)において、R1は、水素原子又はメチル基、R2は、単環式アルキル基である。]及びその他の不飽和単量体を含む単量体混合物を重合して得られる共重合体を含んで成る。
ここで「触媒」及び「乳化剤」の種類、並びにそれらの濃度、さらに反応温度、反応時間及び攪拌速度等の重合反応条件は、目的とする本発明の植毛用水性樹脂組成物の特性によって適宜選択され得る。
ここで「重合性乳化剤」とは、重合性の官能基を有し、かつ、水性媒体と単量体混合物とのエマルジョンを形成できる乳化剤として機能し得る化合物をいう。そのような化合物として、例えば、スルホン酸基、スルホネート基、硫酸エステル基又はエチレンオキサイド基を有するエチレン性炭素原子間二重結合を有する化合物、並びにそれらの混合物を例示できる。さらに、上記重合性乳化剤のスルホン酸基又はスルホネート基の対カチオンとして、アンモニウムイオン、カリウムイオン及びナトリウムイオンが好ましい。
[算出式(1)において、Tgは、共重合体の理論Tg、Cnは、n番目の単量体nが単量体混合物中に含まれる重量割合、Tgnは、n番目の単量体nのホモポリマーのTg、nは、共重合体を構成する単量体の数であり、正の整数。]
グリシジル系シランカップリング剤は、グリシドキシ基を有するもので、具体的には、3−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジエトキシシランが例示される。
これらのエポキシ系シランカップリング剤は、単独で又は組み合わせて用いることができる。本発明に係る植毛用水分散型樹脂組成物では、(C)エポキシ系シランカップリング剤としては、グリシジル系シランカップリング剤が好ましく、グリシジル系シランカップリング剤の中でも、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。
本発明では、植毛用水分散型樹脂組成物は、造膜助剤を含むことができる。造膜助剤は、本発明に係る植毛用樹脂組成物の製造のいずれの過程で加えてもよく、例えば、(A)〜(C)成分を配合した後に添加されてよく、3成分を配合する前に(A)〜(C)成分のいずれかに含まれていてもよい。予め、(A)成分若しくは(B)成分に造膜助剤が含まれる場合、例えば、乳化重合により(A)水分散型樹脂組成物、(B)水分散型樹脂組成物を得た後、造膜助剤を(A)もしくは(B)成分に配合することが好ましい。
TI=粘度(6rpm)/粘度(60rpm) (2)
本発明に係る植毛用水分散型樹脂組成物は、ポリオレフィン製等の基材に植毛するために使用して、例えば、ピラー、グローブボックス、コンソールボックス、コインボックス及び眼鏡ボックス等の(植毛された)自動車内装部品及びガラスチャンネル等のその他の(植毛された)自動車部品等を製造するために好適に使用することができる。
1.
下記(A)成分、(B)成分および(C)成分を含むことを特徴とする植毛用水分散型樹脂組成物。
(A)成分:下記化学式(1)で示される単量体(a)
CH2=C(R1)−COO−R2 (1)
[化学式(1)において、R1は、水素原子又はメチル基、R2は、単環式アルキル基である。]及びその他の不飽和単量体を含む単量体混合物を重合して得られる共重合体を含む水分散型樹脂組成物、
(B)成分:塩素化ポリオレフィンの水分散型樹脂組成物
(C)成分:エポキシ系シランカップリング剤。
2.
自動車内装部品を製造するための上記1に記載の植毛用水分散型樹脂組成物。
3.
単量体(a)は、シクロヘキシル(メタ)アクリレートである上記1または2に記載の植毛用水分散型樹脂組成物。
4.
(A)成分と(B)成分との固形分100重量部に対し、(C)成分の固形分が0.1〜1.0重量部である上記1〜3のいずれかに記載の植毛用水分散型樹脂組成物。
5.
さらに、造膜助剤を含む上記1〜4のいずれかに記載の植毛用水分散型樹脂組成物。
単量体(a)として
シクロヘキシルメタクリレート(以下「CHMA」ともいう);
その他の不飽和単量体として
2−エチルヘキシルアクリレート(以下「2EHA」ともいう);
スチレン(以下「St」ともいう);
メチルメタクリレート(以下「MMA」ともいう);
アクリロニトリル(以下「AN」ともいう);
メタクリル酸(以下「MAA」ともいう);及び架橋剤
3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(以下「KBM502」ともいう)
を用いた。
<ガラス転移温度(Tg)>
(A)成分に含まれる「共重合体のガラス転移温度(Tg)」は、共重合体の理論Tgの算出式(1)を用いて計算して求めた。
1/Tg=C1/Tg1+C2/Tg2+・・・+Cn/Tgn (1)
[Tgは共重合体の理論Tg、Cnはn番目の単量体nが単量体混合物中に含まれる重量割合、Tgnはn番目の単量体nのホモポリマーのTg、nは共重合体を構成する単量体の数であり正の整数を示す。]
また、(A)成分の「濃度」及び(B)成分の「濃度」は、上述の「固形分」を得る際に、(A)成分及び(B)成分を105℃で3時間加熱する前の質量に対する(A)成分及び(B)成分の加熱後(固形分)の質量の百分率として求めた。
植毛用水分散型樹脂組成物の粘度は、JIS K5400に記載された「回転粘度計法」に準拠して行い、回転粘度計、容器、温度計及び恒温水槽を使用した。「回転粘度計」として、JIS K7117に規定された単一円筒回転粘度計であるSB型回転式粘度計を用い、スピンドルNo.4を使用した。水温を30℃前後に設定できる「恒温水槽」を使用した。
恒温水槽を用いて、30℃に保った容器内の樹脂組成物内にて、スピンドルを60rpmで回転させ、樹脂組成物の抵抗によって生じたローターの回転の遅れを目盛板に指示し、粘度を求めた。尚、(A)成分の粘度は、上述の樹脂組成物の粘度測定と同様な方法を用いて行った。
植毛用水分散型樹脂組成物のTIは、上述の粘度測定において、スピンドルを6rpmで回転させた以外は、同様の方法で得られた粘度(以下「粘度(6rpm)」ともいう)を上述のスピンドルを60rpmで回転させて得た粘度(以下「粘度(60rpm)」ともいう)で除することによって得た。このTIの計算式(2)を以下に示す。
TI=粘度(6rpm)/粘度(60rpm) (2)
得られた植毛用水分散型樹脂組成物は、樹脂組成物の塗工性、形成される塗膜と基材との密着性、植毛して形成される塗膜の耐摩耗性及び樹脂組成物の貯蔵安定性を評価した。
樹脂組成物の塗工性は、樹脂組成物を霧状にポリオレフィン製の基材に吹き付けるスプレー性を試験することで評価した。塗工性は、基材に全体的にむらなく均一な厚さで、組成物を塗工できている場合を◎、基材に全体的にほぼ均一な厚さで組成物を塗工できている場合を〇、全体的に不均一であり、塗膜の厚さにむらが有る場合、もしくは塗膜の厚さが目標とする厚さに達しない場合×とした。
植毛用水分散型樹脂組成物から形成される塗膜と基材との密着性は、JIS K5400に記載された碁盤目テープ法に準拠する碁盤目試験を行い評価した。即ち、作製した試験片上の塗膜を貫通して、ポリオレフィン製の素地面に達する切り傷を基盤目状に付け、この基盤目の上に粘着テープを張った。テープを剥がした後の塗膜の付着状態を目視によって観察した。カットの交差点においても全く剥れを認めなかった場合を◎(評価点数が10に対応する)、カットの線及びカットの交差点においてわずかに剥れがある(5%未満)が、全体的な剥れはない場合を〇(評価点数が8に対応する)、カットの線に沿って部分的又は全体的に剥れが有る(35%未満)場合を△(評価点数が6及び4に対応する)、全体的に大きな剥れが生じている(35%以上)場合を×(評価点数が2及び0に対応する)とした。
植毛用水分散型樹脂組成物から形成される塗膜と基材との高温密着性は、作製した試験片を80℃の恒温室に16時間養生して、試験片が冷めない間に爪またはコインにより強く引掻いた後の塗膜の付着状態を目視によって観察した。パイルの抜けや切れが無ないものを◎とし、パイルの抜けや切れが若干あるが、外観上問題無いものを〇、パイルが剥がれ、素地が見える状態を×とした。
植毛用水分散型樹脂組成物から得られる、植毛されて形成される塗膜の耐磨耗性は、JIS L1096に準拠したテーバ形法を用いる耐磨耗試験を行うことで評価した。即ち、ポリオレフィンから円形試験片を作製し、その円形試験片の表面に、樹脂組成物を塗布した後、形成された樹脂組成物の層に静電植毛法を用いて植毛し、組成物の層が乾燥することによって塗膜を得た。この植毛して形成された塗膜を有する円形試験片をテーバ形磨耗試験機に取り付け、1分間あたり70回転で回転させ、500gの荷重を加えて1000回磨耗した後の試験片外観を目視にて観察した。状態変化が無いものを◎、磨耗はしているがパイルの抜け、パイルの切れがほとんど無いものを〇、パイルの抜けや切れが目立つものを△、磨耗が著しくパイルがほとんど残らず下地が見える状態を×とした。
植毛用水分散型樹脂組成物の貯蔵安定性は、組成物を金属容器に密閉し、40℃で30日間静置した後の、外観、塗工性、塗膜と基材の密着性が貯蔵前と比べて変化がないものを◎とし、外観にやや変化を認めるものの緩い攪拌で貯蔵前の状態に戻りかつ塗工性、密着性に変化がないものを〇とし、貯蔵前と比べて著しい差異を生じた場合を×とした。
上述の性質の評価結果を総合的に考慮して、総合評価として記載した。いずれの性質も極めて優れており、性質のバランスも極めて優れる場合◎、いずれの性質も優れており、性質のバランスも優れる場合○、高温密着性のみ不十分であるが、他の性質(密着性も含む)は、優れる場合△、全体的な性質が劣る場合その程度を考慮して×と××とした。
<(A)成分の製造>
攪拌機、コンデンサー及び温度計を備えた反応機に、160重量部の水及び0.5重量部のアデカのアデカリアソープSR10(商品名)を仕込み、系内を窒素ガスで置換した後、混合物を80℃に加熱した。
一方、別に準備した下記の単量体からなる単量体混合物(得られる共重合体の理論Tgは35℃である)、CHMA:70重量部、2EHA:18重量部、AN:10重量部、MAA:1.5重量部及び共重合性架橋剤KBM502:0.5重量部の均一溶液を、40重量部の水及び2.5重量部のアデカリアソープSR10からなる均一溶液に加えて、攪拌機を用いて攪拌しプレエマルジョンを調整した。
更にまた、重合触媒として、1重量部の過硫酸ナトリウム(以下「SPS」ともいう)を40重量部の水に溶解した水溶液を調整した。
上述の系内を窒素ガスで置換した反応機内に、上述のプレエマルジョン及び重合触媒であるSPSの水溶液の各々を同時に、反応機内の温度を80℃に保ったまま3時間かけて滴下し、更に80℃にて3時間攪拌を続けて、(A)成分の樹脂エマルジョンを得た。
得られた(A)成分の樹脂エマルジョンの粘度は40mPa・sであり、濃度は30重量%であった。
(A)成分である上述の組成物の固形分50重量部に対して、(B)成分として塩素化ポリオレフィンディスパージョンである日本製紙製のスーパークロンE633(商品名)を固形分で50重量部、(C)成分として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランである東レダウコーニングシリコーンのSH-6040(商品名)0.5重量部を加え、粘度調整剤としてヘンケルテクノロジーズジャパンのヨドゾールKA10(商品名)を加えて粘度及びチクソトロピックインデックス(以下「TI」ともいう)を調節して、植毛用水分散型樹脂組成物を得た。その粘度は3000mPa・sであり、TIは4.0であった。評価結果は表1に示した。
(C)成分のSH-6040を1.0重量部加えた以外は、実施例1に記載した方法と同様の方法で植毛用水分散型樹脂組成物を製造した。尚、植毛用水分散型樹脂組成物の粘度は3100mPa・sであり、TIは3.8であった。
(A)成分である上述の組成物の固形分70重量部に対して、(B)成分として塩素化ポリオレフィンディスパージョンである日本製紙製のケミカルのスーパークロンE633(商品名)を固形分で30重量部、(C)成分として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランである東レダウコーニングシリコーンのSH-6040(商品名)0.5重量部を加え、粘度調整剤としてヘンケルテクノロジーズジャパンのヨドゾールKA10(商品名)を加えて粘度及びチクソトロピックインデックス(以下「TI」ともいう)を調節して実施例1に記載した方法と同様の方法で植毛用水分散型樹脂組成物を製造した。尚、植毛用水分散型樹脂組成物の粘度は3000mPa・sであり、TIは3.8であった。
単量体混合物を下記の単量体からなる混合物(得られる共重合体の理論Tgは35℃である)、CHMA:70重量部、St:10重量部、2EHA:18重量部、MAA:1.5重量部及び共重合性架橋剤KBM502:0.5重量部に変更して、得られた樹脂のエマルジョンを(A)成分とした。(A)成分の樹脂エマルジョンの粘度は40mPa・sであり、濃度は30%であった。
(A)成分を固形分で50重量部用い、(B)成分としてスーパークロンE633を固形分で50重量部加え、(C)成分としてSH−6040:0.5重量部、粘度調整剤としてヨドゾールKA10を加えて粘度及びTIを調節し、植毛用水分散型樹脂組成物を得た以外は、実施例1に記載した方法と同様の方法で植毛用水分散型樹脂組成物を製造した。尚、植毛用水分散型樹脂組成物の粘度は3100mPa・s、TIは4.1であった。
(B)成分として、無溶剤型の塩素化ポリオレフィンディスパージョンである日本製紙製ケミカルのスーパークロンS-4397を用いた以外は実施例1に記載した方法と同様の方法で植毛用水分散型樹脂組成物を製造した。植毛用水分散型樹脂組成物の粘度は3200mPa・sであり、TIは4.0であった。
単量体混合物を下記の単量体からなる混合物(得られる共重合体の理論Tgは13℃である)、CHMA:60重量部、2EHA:28重量部、AN:10重量部、MAA:1.5重量部及び共重合性架橋剤KBM502:0.5重量部に変更して、得られた樹脂のエマルジョンを(A)成分とした。(A)成分の樹脂エマルジョンの粘度は30mPa・sであり、濃度は30%であった。
この(A)成分を用いた以外は実施例1に記載した方法と同様の方法で植毛用水分散型樹脂組成物を製造した。植毛用水分散型樹脂組成物の粘度は3100mPa・sであり、TIは4.3であった。
単量体混合物を下記の単量体からなる混合物(得られる共重合体の理論Tgは48℃である)、CHMA:70重量部、St:5重量部、2EHA:13重量部、AN:10重量部、MAA:1.5重量部及び共重合性架橋剤KBM502:0.5重量部に変更して、得られた樹脂のエマルジョンに、造膜助剤として2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートであるチッソのCS−12(商品名)を2.0重量部加えて(A)成分とした。この(A)成分の粘度は30mPa・sであり、濃度は30%であった。
この(A)成分を用いた以外は実施例1に記載した方法と同様の方法で植毛用水分散型樹脂組成物を製造した。植毛用水分散型樹脂組成物の粘度は3100mPa・sであり、TIは4.1であった。
単量体混合物を下記の単量体からなる混合物(得られる共重合体の理論Tgは36℃である)、CHMA:60重量部、St:10重量部、2EHA:18重量部、AN:10重量部、MAA:1.5重量部及び共重合性架橋剤KBM502:0.5重量部に変更して、得られた樹脂のエマルジョンを(A)成分とした。この(A)成分の粘度は30mPa・sであり、濃度は30%であった
この(A)成分を用いて粘度調節剤としてヨドゾールKA10を加える量を変えて、粘度及びTIを調節した以外、実施例1に記載した方法と同様の方法で植毛用水分散型樹脂組成物組成物を製造した。植毛用水分散型樹脂組成物の粘度は1500mPa・sであり、TIは3.1であった。
(B)成分を使用しなかった以外は実施例1に記載する方法と同様の方法で植毛用水分散型樹脂組成物を製造した。植毛用水分散型樹脂組成物の粘度は3300mPa・sであり、TIは3.8であった。
(A)成分を使用しなかった以外は実施例1に記載する方法と同様で植毛用水分散型樹脂組成物を製造した。植毛用水分散型樹脂組成物の粘度は2900mPa・sであり、TIは3.4であった。
単量体混合物を下記の単量体からなる混合物(得られる共重合体の理論Tgは35℃である)、MMA:66重量部、2EHA:22重量部、AN:10重量部、MAA:1.5重量部及び共重合性架橋剤KBM502:0.5重量部に変更して、得られた樹脂のエマルジョンを(A)成分とした。この(A)成分の粘度は30mPa・sであり、濃度は30%であった。
この(A)成分を固形分50重量部に対し、(B)成分としてスーパークロンE633を固形分で50重量部加え、粘度調整剤としてヘンケルテクノロジーズジャパンのヨドゾールKA10(商品名)を加えて粘度及びチクソトロピックインデックス(以下「TI」ともいう)を調節して、植毛用水分散型樹脂組成物を製造した。植毛用水分散型樹脂組成物の粘度は3000mPa・sであり、TIは3.7であった。
(C‘−1)成分として、モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社の3−アミノプロピルトリエトキシシランSILQUEST A-1100 SILANE(商品名)0.5重量部に変更した以外は実施例1に記載する方法と同様で植毛用水分散型樹脂組成物を製造した。植毛用水分散型樹脂組成物の粘度は3100mPa・sであり、TIは3.6であった。
(C‘−2)成分として、信越化学工業のビニルトリメトキシシランKBM1003(商品名)0.5重量部に変更した以外は実施例1に記載する方法と同様の方法で植毛用水分散型樹脂組成物を製造した。植毛用水分散型樹脂組成物の粘度は3000mPa・sであり、TIは3.9であった。
b)共重合体のガラス転移温度(℃)である。
c)(A)成分と(B)成分の固形分の重量比である。
d)30℃での粘度(mPa・s)である。
e)30℃でのTIである。
b)共重合体のガラス転移温度(℃)である。
c)(A)成分と(B)成分の固形分の重量比である。
d)30℃での粘度(mPa・s)である。
e)30℃でのTIである。
これに対して表2に示すように、比較例1〜5の植毛用水分散型樹脂組成物は、(A)〜(C)成分のいずれかを含まないため、その性質は総合的なバランスに劣る。いずれも高温密着性は×になっており、総合評価は、比較例1〜2は××であり、比較例3は×であり、比較例4〜5は、△である。高温密着性に乏しい植毛用水分散型樹脂組成物は、夏場に高温となる自動車内装部品を製造するためには不向きである。
このように本発明に係る(A)〜(C)成分を含む植毛用水分散型樹脂組成物は、高温密着に優れ、自動車内装部品を製造するために好適に使用することができるのみならず、総合的なバランスに優れることが確認された。
Claims (5)
- 下記(A)成分、(B)成分および(C)成分を含み、ポリオレフィン基材に塗工されることを特徴とする植毛用水分散型樹脂組成物。
(A)成分:下記化学式(1)で示される単量体(a)
CH2=C(R1)−COO−R2 (1)
[化学式(1)において、R1は、水素原子又はメチル基、R2は、単環式アルキル基である。]及びその他の不飽和単量体を含む単量体混合物を重合して得られる共重合体を含む水分散型樹脂組成物、
(B)成分:塩素化ポリオレフィンの水分散型樹脂組成物
(C)成分:エポキシ系シランカップリング剤。 - その他の不飽和単量体は(メタ)アクリル酸及びエチレン性シラン化合物から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の植毛用水分散型樹脂組成物。
- (A)成分と(B)成分との固形分の総重量100重量部に対し、(C)成分の固形分が0.1〜1.0重量部である、請求項1又は2に記載の植毛用水分散型樹脂組成物。
- 植毛用水分散型樹脂組成物は、造膜助剤を、更に含む、請求項1〜3のいずれかに記載の植毛用水分散型樹脂組成物。
- 自動車内装部品を製造するための請求項1〜4のいずれかに記載の植毛用水分散型樹脂組成物。
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