JP2014193452A - 有機性汚水の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】微生物の死滅および分解による膜分離活性汚泥法の運転への影響を高感度で感知することで、バイオファウリングを事前に察知し、膜分離活性汚泥法の運転を制御することで、安定的かつ効率良い運転が可能な膜分離活性汚泥処理装置の運転方法を提供する。
【解決手段】活性汚泥を収容した被処理水収容槽103に有機性汚水を流入させ、生物処理し、前記被処理水収容槽又はその後段に設置した膜分離装置101によって固液分離を行って処理水を得る有機性汚水の処理方法であって、前記活性汚泥中の細胞外ATP量または前記活性汚泥中の細胞外ATP量の増加速度が所定の基準値に達した際、前記膜分離装置に供給する散気量、前記膜分離装置の洗浄条件、前記被処理水収容槽に凝集剤を注入する凝集剤注入条件、前記膜分離装置のろ過流束、および、前記被処理水収容槽からの前記活性汚泥の引き抜き量、からなる選ばれる少なくとも1つの条件を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機性汚水を膜分離活性汚泥処理装置で処理する運転方法に関するものである。
従来、有機性汚水など(以下、被処理水という)を処理する方法として、活性汚泥中の微生物を用いた浄化処理と共に活性汚泥を固液分離する膜分離活性汚泥法が広く実施されている。固液分離の方法として、精密ろ過膜、限外ろ過膜などの分離膜を備えた膜分離装置を用いて、被処理水を固液分離する方法が種々検討されている。
このような膜分離装置は被処理水中に浸漬状態で配置され、活性汚泥そのものや流入する被処理水中の夾雑物などの固形分が分離膜表面に付着してろ過効率が低下しないように分離膜の下部に設置した散気装置を備え、散気装置によって空気などの気体を散気し、気泡および上昇流による分離膜の振動効果と攪拌効果によって、膜分離表面の付着物の付着を抑制、または、剥離させている。しかし、被処理水に含まれている様々な物質が膜面に付着・堆積し、分離膜が閉塞して処理効率が低下する問題がある。そこで、ファウリングの予防対策が必要である。
例えば、特許文献1には、膜分離活性汚泥法による廃水の処理方法であって、活性汚泥の水相中のウロン酸ユニット濃度が所定の値以上になったとき、または活性汚泥中のウロン酸ユニット濃度に有機性廃水中の多価イオン濃度を乗じた値が所定の値以上となったときに、活性汚泥または有機性廃水を多価陽イオン捕捉手段と接触させてから、分離膜装置による固液分離を行うことで膜ファウリングを防止する方法が提案されている。
特許文献2には、分離膜が設置された活性汚泥処理槽により、被処理水を処理する方法において、被処理水を遠心分離して得られる上澄み液の糖濃度を測定し、該糖濃度が特定の範囲内である場合に、分離膜の膜間差圧の上昇を抑制するために薬剤を供給する差圧抑制工程を行うことを特徴とする被処理水の処理方法が提案されている。
特許文献3には、浸漬型分離膜装置を透過した膜ろ過水中のCOD(Chemical Oxygen Demand:化学的酸素要求量)を測定し、浸漬型膜分離装置のろ過膜の細孔より大きい所定口径の細孔を有するろ過手段で生物処理槽内の活性汚泥混合液をろ過したろ過手段ろ過液中のCODを測定し、ろ過手段ろ液中のCODから膜ろ液中のCODを減算したCOD差値が所定値以上である時に、第2分離手段によって活性汚泥混合液から生物由来ポリマーを含む液相分を分離除去する処理方法が提案されている。
特許文献4には、活性汚泥の性状測定装置が粘度計、粒度分布計、ろ過比抵抗装置、濁度計、透視度計、吸光度計、色度計またはTOC(Total Organic Carbon:全有機体炭素量)を測定し、事前に浸漬型膜分離槽中に設置した不織布エレメントの運転を制御する処理方法が提案されている。
特開2009−66589号公報 特開2007−75754号公報 特許第4046661号 特許第3555521号
しかしながら、膜分離活性汚泥法の被処理水中には、原水水質や運転方法の変動、薬液洗浄などによる薬液の注入などにより、活性汚泥そのものの死滅および分解により微生物の死骸や微生物内部の高分子物質など、活性汚泥の分解から由来するファウリング物質が多く存在する場合があり、このようなものが膜面に付着・堆積することでファウリング、いわゆる分離膜の閉塞が生じ、それによって処理効率が低下する問題がある。そこで、このような微生物の死滅および分解に起因して発生するファウリングを事前に察知し、運転差圧など膜ろ過運転に問題が現れる前に対策を行うことが求められている。
上述した先行技術文献の提案によっては、このような微生物の死滅および分解による汚泥の膜ろ過性低下の状況を明確に示すことが困難である。例えば、CODやTOCは、微生物の死滅および分解により増加するが、微生物の死滅および分解による増加の影響より、原水水質や運転方法の変動による影響が大きく、微生物の死滅および分解による汚泥の膜ろ過性低下状況を明確に示すことはできない。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑み、微生物の死滅および分解による膜分離活性汚泥法の運転への影響を高感度で感知することで、微生物の死滅および分解に起因するバイオファウリングを事前に察知し、膜分離活性汚泥法の運転を制御することで、安定的かつ効率良い運転が可能な膜分離活性汚泥処理装置の運転方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明における膜分離活性汚泥処理装置の運転方法は、以下の特徴を備えるものである。
活性汚泥を収容した被処理水収容槽に有機性汚水を流入させ、前記有機性汚水を前記活性汚泥によって生物処理し、前記被処理水収容槽又はその後段に設置した膜分離装置によって固液分離を行って処理水を得る有機性汚水の処理方法であって、前記活性汚泥中の細胞外ATP量、または前記活性汚泥中の細胞外ATP量の増加速度が予め設定した所定の基準値に達した際、前記膜分離装置に供給する散気量を増加する操作、前記膜分離装置の逆圧洗浄を実施する操作、前記膜分離装置の逆圧洗浄条件を強化する操作、前記被処理水収容槽に凝集剤を注入する操作、前記被処理水収容槽に凝集剤を注入する凝集剤注入条件を強化する操作、前記膜分離装置のろ過流束を低下させる操作、および、前記被処理水収容槽からの前記活性汚泥の引き抜き量を増加させる操作、からなる群から選ばれる少なくとも1つの操作を行うことを特徴とする有機性汚水の処理方法。
本発明によれば、微生物の死滅および分解による膜分離活性汚泥法の運転への影響を高感度で感知することができるため、微生物の死滅および分解に起因するバイオファウリングを事前に察知し、安定的かつ効率良い膜分離活性汚泥法の運転が可能となる。
本発明の膜分離活性汚泥処理装置の運転方法の一例を示す概略図である。 比較例1における、ろ過差圧とCODの経時変化を示す図である。 比較例2における、ろ過差圧とTOCの経時変化を示す図である。 実施例1における、ろ過差圧と細胞外ATP量の経時変化を示す図である。
以下、図1を用いて本発明について詳しく説明するが、本発明の内容はこの図の態様に限定されるものではない。
本発明において被処理水Aは有機性汚水であり、有機物を含む汚水であれば良く、有機物を含む河川水、湖沼水、地下水、海水、下水、排水、食品プロセス水などを被処理水とすることができる。
本発明における活性汚泥による生物処理は、有機性汚水を、活性汚泥を収容している処理槽に入れ、生物を用いて有機性汚水を分解することで行うことができる。図には示していないが、生物処理は、嫌気、無酸素、好気処理を行うことができ、有機性汚水の特性および除去したい対象物質を考慮して嫌気、無酸素、好気処理の中の少なくとも1つを用いて行うことが好ましい。
本発明における有機性汚水の処理方法は、好気処理の部分を、膜分離活性汚泥処理装置を用いて行うことが好ましい。膜分離活性汚泥処理装置は、被処理水収容槽103に、散気装置102を有した膜ユニット101を設置し、吸引ポンプ106を用いて吸引を行うことで処理水が得られる構成を備える。吸引ポンプ106を稼働させると、膜ユニット101の分離膜の2次側が負圧となり、被処理水の膜分離が行われる。この膜分離の際、ブロアから供給した空気を用いて散気装置102から気泡を発生させて、膜ユニット101の表面に付着する汚泥を洗浄する。
また、被処理水収容槽103には活性汚泥を収容して生物処理を行う。被処理水収容槽103に収容する微生物量は、MLSS濃度として示すことができる。被処理水収容槽103に収容する微生物量は、生物処理を行いながら、膜ろ過にも効果的に行うことができる点から、2,000〜25,000mg/L程度に保つことが好ましい。ここでMLSS(Mixed Liquor Suspended Solid:浮遊物質量)は、活性汚泥浮遊物質のことをいい、試料中の浮遊物質濃度をmg/Lで表したものであり、被処理水収容槽103の管理指標として用いることもできる。
また、膜ユニット101は、被処理水収容槽103内の被処理水Aを含む活性汚泥液中に浸漬される。膜ユニット101に使用される分離膜としては、平膜でも、中空糸膜でも良いが、膜面洗浄が容易である点から、平膜を使用した膜ユニットが好ましい。膜ユニット101は、分離膜を備えた複数の平膜エレメントが膜面平行となるように一定間隙をおいて配列されていることが好ましい。この膜間空間を、被処理水の上昇流、特に後述する散気装置102から発生する気泡と被処理水との混合液の上昇流が流れる。なお、膜ユニット101に提供される分離膜は、一般に使われる多孔質膜であればよく、例えばポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などで作られた分離膜が挙げられる。中でもポリフッ化ビニリデン系樹脂で作られた分離膜が好ましく用いられる。分離膜の厚みは0.01mm〜1mmの範囲であればよく、0.1mm〜0.7mmであることが好ましい。
また、膜ユニット101は、1つであっても、2つ以上使用しても良く、2つ以上の膜ユニット101は並列でも、垂直に配置しても良い。膜ユニット101には散気装置102を備えていてもよいが、1つの膜ユニット101に1つの散気装置を備えてもよく、膜ユニット101を上下方向に積層する場合、1〜3の膜ユニットに対して1つの散気装置102を備えても良い。
また、膜ユニット101の下方には、気泡を発生させるための散気装置102が設置される。散気装置102から噴出される空気によって、被処理水収容槽103内に気泡が発生する。噴出した気泡によるエアリフト作用によって生起する気液混合上昇流や気泡が、最下段の膜ユニット101に流入し、さらに、槽内の混合液を適宜新たに伴いながら、上方に位置する膜ユニット101に流入する。これにより分離膜の膜面が洗浄され、膜の閉塞を防止することができ、さらに、分離膜面に付着・堆積し易いケーキ層の生成を抑制することができる。散気装置102は必要に応じて複数設置することができる。
散気風量は、5NL/min/EL(「NL/min」は“Normal Liter per minute”を示し、「EL」はエレメントを示す)から20NL/min/ELまでであればよく、10NL/min/ELが好ましい。散気装置102による散気時間は、場合によっては間欠で行うこともできるが、常時散気が好ましい。
また、圧力計104は、膜ユニット101と吸引ポンプ106を繋ぐ処理水配管に設け、ろ過運転中の吸引圧およびろ過停止中の停止圧を測定することが好ましい。
また、流量計105は、処理水配管に設け、ろ過運転中のろ過流量を測定することが好ましい。
また、吸引ポンプ106は、吸引を行うことができ、処理水配管内を減圧することができることが好ましい。このような吸引による処理水配管内を減圧することで、被処理水収容槽内の被処理水を分離膜によってろ過する。ろ液は、処理水配管を介して系外に取り出される。
また、流量調整弁107は、処理水配管によって送液される透過水流量を制御することができる。
なお、本発明では、処理水配管内を減圧するために吸引ポンプ106を設けずに、水位差を利用してもよい。さらに、流量制御方法としては、吸引ポンプ106、流量調整弁な107を調整することで行うことができるが、消費エネルギー削減の点から流量調整弁な107を使用することが好ましい。例えば、流量計105と吸引ポンプ106と流量調整弁107とを設け、流量計105と吸引ポンプ106、流量計105と流量調整弁107を連動させ、ろ過運転初期には流量計105と吸引ポンプ106を用いてろ過運転を行った後、吸引ポンプ106を停止すると、水位差を用いてろ過することができる。この際、流量計105と流量調整弁107を用いて流量を制御しながらろ過運転を行うことができる。
このように、本発明では膜分離活性汚泥法を使用して有機性汚水の処理を行うことができる。
本発明では、被処理水収容槽103中の活性汚泥の細胞外ATP量を測定し、細胞外ATP量、または前記活性汚泥中の細胞外ATP量の増加速度が予め設定した所定の基準値に達した際、膜分離装置の逆圧洗浄を実施する操作、膜分離装置の逆圧洗浄条件を強化する操作、被処理水収容槽に凝集剤を注入する操作、被処理水収容槽に凝集剤を注入する凝集剤注入条件を強化する操作、膜分離装置のろ過流束を低下させる操作、および、被処理水収容槽からの活性汚泥の引き抜き量を増加させる操作、からなる群から選ばれる少なくとも1つの操作を行うことを特徴とする。
細胞外ATP量の測定は、活性汚泥のサンプルを得て、該サンプルから微生物細胞を除くことで細胞外ATP用サンプルを得て、細胞外ATP用サンプルのATP量を測定することで得ることができる。
活性汚泥サンプルから微生物細胞を除く方法としては、ろ紙ろ過、遠心分離などの方法がある。ここで、ろ紙ろ過は、「5種C」のろ紙など、孔径1μm程度のろ紙を使用して活性汚泥を通し、得られたろ過液を使用する方法である。一方、遠心分離方法は、活性汚泥を遠沈管に入れ、1000〜10000[×g]で0.5〜10分間遠心分離を行い、上澄み液を回収することで活性汚泥サンプルから微生物細胞を除くことができる。また、前記方法のように物理的に微生物細胞を除くことが困難なサンプルについては、サンプルの全ATP量を測定し、さらに、別に用意した同サンプルにATP消去剤を入れて細胞外ATPを消去した後測定した細胞内ATP量を測定し、全ATP量から細胞内ATP量を引いて細胞外ATP量を算出することもできる。勿論、ろ紙ろ過または遠心分離方法など物理的に微生物細胞を除いた後、得られたサンプルの細胞外ATP量を測定すると、物理的な処理でも除くことができなかった細胞内ATP量を除くことができるため、より精度が高い細胞外ATP量を得ることができる。
ここで、ATP量の測定方法について説明する。アデノシン三リン酸(ATP)は、多くの生物体のエネルギー代謝に関与している。生体内で起こる種々の化学反応には、ATPが加水分解されてアデノシン二リン酸(ADP)またはアデノシン一リン酸(AMP)となる際に放出されるエネルギーを利用して行われるものが多い。また、ATPは、生体内においてリボ核酸(RNA)の前駆体、生体内リン酸化反応におけるリン酸供与体などとしても利用される。ATP量を測定する方法として、蛍の発光原理でもあるルシフェリン−ルシフェラーゼ反応を利用した生物発光法が一般的であり、ATP検査装置にも広く用いられている。この方法は、試料から抽出したATPにルシフェリンおよびルシフェラーゼを作用させることで発光させる。この発光は、1分子あたり1個のフォトンが放出されるので、発光時間に対する値を積分することによってATP量を定量的に検出できる。
ATP量の測定の具合的な方法としては、全ての生物がもつ生命活動のエネルギー物質であるATP(アデノシン−5’−三リン酸)を菌体から抽出し、ホタルの発光酵素ルシフェラーゼを利用して発光させ、発光量(RLU:Relative Light Unit)を測定するものである。発光量はATP量に比例するため、発光量を測定することで微生物量を評価することができる。測定時間が数分と短く、測定試薬もキットが市販されている。また、発光光度計装置も、検出感度が高く、持ち運び可能で機動性に優れたものが市販されている。ATPは生命活動に関連した物質であるため、バイオファウリングが発生したと思われる現場で明確に評価でき、高感度、簡便、迅速に評価可能であり、特に、実験室などに戻る必要はない。
また、発光量の測定には、発光光度計が必要であるが、コンセント不要のコンパクトなバッテリー式の携帯型装置でありながら、据え置き型と同性能の高感度な検出器を備えた機器が市販されており、推奨される。例えば、測定に必要な試薬一式を含むキットとしては、「ルシフェール(登録商標)250プラス」(キッコーマン製)が、また、携帯型装置としては、「ルミテスター(登録商標)C−100」(キッコーマン製)がある。試薬キットには、ルシフェラーゼ(発光酵素)を含む発光試薬、リン酸緩衝液などを含む発光試薬溶解液、界面活性剤を含む細胞からATPを抽出する試薬などで構成される。高発光量ルシフェラーゼは、微量のATPに対しても十分な発光量を持つルシフェラーゼを使用してもいい。
また、ATP量は、細胞内ATP量と細胞外ATP量を得ることができる。ATPはすべての生命体に含まれる物質なので、あらゆる所にATPが浮遊している。このため、サンプルの全ATP量を測定すると共に、別途、細胞外ATP量を除去した後、細胞を界面活性剤で構成した抽出剤で細胞を破壊して、抽出した細胞内ATP量を生物発光法で測定する方法で細胞内と細胞外のATP量を測定することができる。生体膜はタンパク質と脂質とが結合しているが、界面活性剤がこのタンパク質と疎水基結合をして界面活性剤の親水基の部分がタンパク質の表面をおおい、タンパク質を溶かす。これによって、細胞の生体膜が破壊され、ATPを含む細胞内物質が抽出できる。細胞外ATPの除去には、ATP分解酵素を利用したATP消去剤が使用されている。ATP分解酵素は疎水基部分を有しているため、ATP分解の際に、この疎水基部分とATPとが結合してATP分解酵素内に埋もれてしまう。ATP分解酵素には、アピラーゼ、アデノシントリホスファターゼ、ヘキソキナーゼ、ATPピロフォスファターゼ等が知られており、特にアデノシンリン酸デアミナーゼを主として、1つあるいは複数のATP分解酵素を組み合わせて使用したATP消去剤が製品化されている(特開平9−182600号公報)。このように市販のATP消去剤を用いることで細胞内ATP量と細胞外ATP量を得ることができる。
また、ATP量の測定の際に行うサンプル、試薬の分注は、少量の液量を精度良く正確に定量できるものであればいずれの機器を用いても良く、ピペットマン(登録商標)(ギルソン製、1000μL用、200μL用)などを例示できる。ここで、サンプルや試薬の取り扱いに使用する器具はサンプル以外のATP汚染を防ぐため、滅菌処理したものを使用する。ピペットマン(登録商標)で使用するチップは、予めオートクレーブ(121℃、15分)で滅菌処理する。
ここで、サンプルを希釈する純水は、蒸留水、精製直後の逆浸透膜精製水、精製直後のイオン交換水、市販の超純水などのATPを含有しないもの(10ng/L以下)を用いるのが、測定への不純物による誤差が少なく好ましい。市販の医療用ディスポーザブルな蒸留水も便利で好ましい。水道水をオートクレーブ滅菌して使用してもよい。
サンプルを入れるチューブなどの容器もATPに汚染されていない清澄なものであればいずれでも良いが、予め滅菌済みのものを使用しても、非滅菌品をオートクレーブして使用しれも良い。また、「ルミテスター(登録商標)C−100」には、発光定量用ATPフリーのセル「ルミチューブ(登録商標)」(キッコーマン製、3mL)が市販されており、本セルを統一的に使用しても良い。一度使用したチップやチューブ、容器類は使い捨てが好ましいが、洗浄、滅菌後に再使用しても良い。
本発明では、活性汚泥中の細胞外ATP量、または活性汚泥中の細胞外ATP量の増加速度に対して、所定の基準値を予め設定することが好ましい。例えば、安定的に生物処理を行っている際の細胞外ATP量は、被処理水Aの水質や生物処理の運転方法、膜ろ過運転方法によって異なるため、前記条件を考慮し、安定的な運転を行った後、その際測定した細胞外ATP量を安定運転時の細胞外ATP量として決めることができる。この際、細胞外ATP量は、数十分から数週間に1回測定し、その変化を確認することができるが、被処理水収容槽の水理学的滞留時間によって汚泥の膜ろ過性が大きく変化することから、MBRの運転方法における一般的な滞留時間を含む1時間から72時間に1回の頻度で細胞外ATP量を測定することが好ましい。その後、細胞外ATP量をモニタリングし、膜ろ過運転に異常が発生した際、再び細胞外ATP量を測定し、その際に得られた細胞外ATP量を本発明における所定の基準値として使用することができる。ここで、膜ろ過運転に発生する異常とは、汚泥の膜ろ過性の変化によるろ過差圧の上昇または分離膜の閉塞などが考えられ、差圧の上昇やろ過流量の低下によって検知することができる。
また、細胞外ATP量の増加速度に対しても、細胞外ATP量と同じく、所定の基準値を予め設定することができる。ここで、細胞外ATP量の増加速度は、数十分から数週間で増加する細胞外ATP量の変化から算出することができるが、被処理水収容槽の水理学的滞留時間によって汚泥の膜ろ過性が大きく変化することから、MBRの被処理水収容槽一般的な滞留時間を含む1時間から72時間に変化する細胞外ATP量の増加速度を算出することが好ましい。
本発明では、活性汚泥中の細胞外ATP量、または活性汚泥中の細胞外ATP量の増加速度が予め設定した所定の基準値に達した際、膜分離装置に供給する散気量を増加する操作を行うことができる。膜分離装置では、分離膜面に空気を供給することで散気洗浄を行っており、供給している散気量を増やすことでより強力に膜面の散気洗浄を行うことができる。散気量の増加は、活性汚泥中の細胞外ATP量、または活性汚泥中の細胞外ATP量の増加速度から増加量と、膜モジュールに供給可能な最大の散気量などから判断することが好ましいが、汚泥の膜ろ過性低下によるろ過差圧の上昇またはろ過流束の低下を事前に防ぐ点からは、定格で供給する散気量の10〜100%を増やすことが好ましい。例えば、膜ろ過運転の際の散気量を10NL/min/ELで行っている場合、細胞外ATP量の増加速度が予め設定した所定の基準値に達した際には11〜20NL/min/ELに散気量を増やして行うことができる。
本発明では、活性汚泥中の細胞外ATP量、または活性汚泥中の細胞外ATP量の増加速度が予め設定した所定の基準値に達した際、膜分離装置の逆圧洗浄を実施する操作、および/または、膜分離装置の逆圧洗浄条件を強化する操作を行うことが好ましい。ここで、膜分離装置の逆圧洗浄は、膜ユニット101を取り出さず、被処理水収容槽103に入れたまま行う方法と、膜ユニット101を被処理水収容槽103から取り出して行う方法が考えられるが、作業の簡便性の点から、膜ユニット101を被処理水収容槽103に入れたまま行うことが好ましい。
逆圧洗浄は、ろ過運転を停止し、処理水配管に別途設置した逆圧洗浄液注入手段を用いて、膜ユニット101に洗浄液を供給することで行うことができる。ここで、逆圧洗浄液注入手段は、処理水配管に繋がる逆圧洗浄のための配管と、逆圧洗浄液を貯留するタンク、および逆圧洗浄液を注入する注入手段にて構成される。また、逆圧洗浄に使用する逆圧洗浄液は、水、酸、アルカリ、酸化剤、界面活性剤、殺菌剤などを使用することができるが、膜面付着の汚れを事前に防止する点から、次亜塩素酸ナトリウム、クロラミンなどの酸化剤がより好ましい。また、逆圧洗浄に使用する逆圧洗浄液の濃度は、0.5〜10,000mg/Lが好ましく、膜ユニットの腐食を抑制する点から、100〜6,000mg/Lがより好ましい。また、逆圧洗浄は、逆圧洗浄液を注入してから10分〜24時間、ろ過運転を行わず逆圧洗浄液を用いて浸漬させることが、洗浄効果を上げる点から好ましい。逆圧洗浄を行う頻度としては、細胞外ATP量、または細胞外ATP量の増加速度が予め設定した所定の基準値に達してから1回/日〜1回/2週で良く、また、細胞外ATP量、または細胞外ATP量の増加速度が基準値を下回ることになった際には、逆圧洗浄を行うことを止めることができる。
分離膜装置を取り出して浸漬洗浄を行う場合、まずは分離膜装置の浸漬洗浄用タンクを設け、洗浄液を入れる。分離膜装置のろ過運転を停止し、膜ユニット101を配管から外して取り出す。取り出した膜ユニットは洗浄液が入っている浸漬洗浄用タンクに入れ、10分〜24時間、浸漬洗浄を行う。この際、洗浄液は、水、酸、アルカリ、酸化剤、界面活性剤、殺菌剤などを使用することができるが、膜面付着の汚れを事前に防止する点から、次亜塩素酸ナトリウム、クロラミンなどの酸化剤がより好ましい。また、洗浄液の濃度は、0.5〜10,000mg/Lが好ましく、膜ユニットの腐食を抑制する点から、100〜6,000mg/Lがより好ましい。また、浸漬洗浄の際には、浸漬洗浄用タンクに攪拌機など、洗浄液の攪拌を可能とする設備を設け、浸漬洗浄中に、1分〜24時間の間隔に、1〜24回で攪拌を行うことが、洗浄効果を上げる点から好ましい。洗浄を行う頻度としては、細胞外ATP量、または細胞外ATP量の増加速度が予め設定した所定の基準値に達してから1回/日〜1回/2週で良く、また、細胞外ATP量、または細胞外ATP量の増加速度が基準値を下回ることになった際には、洗浄を行うことを止めることができる。
また、本発明では、細胞外ATP量、または細胞外ATP量の増加速度が予め設定した所定の基準値に達した際、凝集剤注入を実施する操作、または凝集剤注入条件を強化する操作を行うことが好ましい。この際、凝集剤は、被処理水収容槽103および/または被処理水A、または被処理水収容槽の前にある生物処理槽に凝集剤を注入することができる。また、凝集剤は、無機系のPAC(ポリ塩化アルミニウム)や有機系の各種高分子凝集剤を用いることができるが、活性汚泥性状や使用している膜ユニット101に使用されている膜素材との相性などから適切なものを選択し使用すれば良い。なお、活性汚泥自体が負に帯電していることから、カチオン系の凝集剤を使用すればろ過改善効果が期待できる場合が多い。凝集剤の添加濃度は、ジャーテストなどにより決定されるが、添加濃度が低すぎると凝集効果が低くなり、添加濃度が高すぎると未反応の凝集剤が残存し、それらの成分が膜素材に吸着してしまい、逆に膜を目詰まりさせてしまう問題があるため、添加濃度の決定は十分な事前検討が必要である。カチオン系凝集剤は一般に広く市販されているものであるが、ジメチルアミン系やポリアクリルアミド系などが挙げられる。
また、凝集剤添加を行う濃度としては、細胞外ATP量、または細胞外ATP量の増加速度が予め設定した所定の基準値に達した際、0.1〜5,000mg/Lの範囲で凝集剤を添加することができるが、効率よく細胞外ATPを凝集する点、過大に投入した凝集剤が分離膜に付着し閉塞を起こす可能性がある点から、1〜1,000mg/Lの範囲で添加することが好ましい。
また、凝集剤添加を行う頻度としては、細胞外ATP量、または細胞外ATP量の増加速度が予め設定した所定の基準値に達してから1回/日〜1回/2週で良く、また、細胞外ATP量、または細胞外ATP量の増加速度が基準値を下回ることになった際には、凝集剤添加を行うことを止めることができる。
また、本発明では、必要に応じて、凝集剤を入れ、活性汚泥と攪拌を行うための攪拌機を設けて攪拌することができる。攪拌機はプロペラタイプのもの、浸漬型のもの、曝気式ものが使用できる。攪拌時間は通常、5分から1日程度であり、添加した凝集剤と活性汚泥を十分に混合し、未反応の凝集剤をできるだけ低くすることが重要である。その観点から、混合に要する時間は10分以上であることが望ましい。
また、上記のように凝集剤添加を行っても、あるいは、細胞外ATP量、または細胞外ATP量の増加速度が基準値より低い時から凝集剤を添加していても、細胞外ATP量、または細胞外ATP量の増加速度が基準値を上回る場合、さらに凝集剤の添加を行い、強化することができる。この際、凝集剤の濃度は、行っていた凝集剤の濃度の10〜100%の範囲で増やすことが好ましく、増やした凝集剤濃度は5,000mg/Lを超えないことが好ましく、さらに、過大に投入した凝集剤が分離膜に付着し閉塞を起こす可能性がある点から、2,000mg/Lを超えないことが好ましい。
また、本発明では、細胞外ATP量、または細胞外ATP量の増加速度が予め設定した所定の基準値に達した際、膜分離装置のろ過流束を低下させる操作を行うことができる。
ろ過流束は、膜ユニット101によってろ過された水量(m/d)を、膜ユニット101の膜面積(m)で割ることで算出することができ、通常は0.1〜1.5m/dで行う。本発明では、細胞外ATP量に基づいて、膜分離装置のろ過流束を調整することができる。例えば、細胞外ATP量、または細胞外ATP量の増加速度が予め設定した所定の基準値に達した際、ろ過流束を下げて、膜ろ過負荷を下げることで、分離膜の目詰まりを起こさず、安定的にろ過運転を行うことができる。ろ過流束を下げる際には、ろ過運転の際のろ過差圧、被処理水収容槽103内のMLSSなどの微生物濃度、被処理水Aの水質などを考慮して決定することが好ましい。また、細胞外ATP量、または細胞外ATP量の増加速度が基準値を再度下回るようになった際には、ろ過流束を通常運転時の設定に戻すことができる。
また、本発明では、細胞外ATP量、または細胞外ATP量の増加速度が予め設定した所定の基準値に達した際、被処理水収容槽103からの活性汚泥の引き抜き量を増加させる操作を行うことができる。このとき、汚泥引き抜き量を増加させ、被処理水収容槽103内部に高濃度で存在する微生物の死滅体を被処理水収容槽103からより速く排出することが重要である。汚泥引き抜き量は、被処理水収容槽103から引き抜く活性汚泥の量で、通常は被処理水収容槽103内の汚泥の10〜90%/日程度であるが、被処理水収容槽103内のMLSSなどの微生物濃度、被処理水Aの水質などを考慮して、通常時の引き抜き量の10〜200%の範囲で増やすことができる。また、細胞外ATP量、または細胞外ATP量の増加速度が基準値を再度下回るようになった際には、汚泥引き抜き量を通常運転時の設定に戻すことができる。
また、本発明では、細胞外ATP量、または細胞外ATP量の増加速度が予め設定した所定の基準値に達した際、膜分離装置の洗浄を実施する操作、膜分離装置の洗浄条件を強化する操作、被処理水収容槽に凝集剤を注入する操作、被処理水収容槽に凝集剤を注入する凝集剤注入条件を強化する操作、膜分離装置のろ過流束を低下させる操作、および、被処理水収容槽からの活性汚泥の引き抜き量を増加させる操作、からなる群から選ばれる2つ以上の操作を合わせて行うこともできる。例えば、細胞外ATP量、または細胞外ATP量の増加速度が予め設定した所定の基準値に達した際、被処理水収容槽103からの活性汚泥の引き抜き量を増加させる操作を行うと共に、被処理水収容槽103に凝集剤を注入する操作を行うこともできる。さらに、例えば、膜分離装置の洗浄を実施した後、もしくは膜分離装置の洗浄条件を強化する操作を行うと共に、膜分離装置のろ過流束を低下させる操作を行うこともできる。このように2つ以上の条件を合わせて行うことで、より迅速かつ効果的に活性汚泥の性状を改善させることができ、安定的なろ過運転を行うことが可能になる。
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例の態様のみに限定されるものではない。
<膜ユニット>
膜ユニットは東レ(株)製TMR140を使用した。膜ユニットには平膜エレメント40枚を入れて組み立てたものを使用した。平膜エレメントは、東レ(株)製のTSP−50150エレメントを使用した。エレメントは上部に取水ノズルを設けている大きさ1,600mm×500mmの支持板の両面に分離膜を付着させた構造であり、分離膜の面積は1.4mである。分離膜はポリフッ化ビニリデン(PVDF)製のものを用いた。分離膜の平均孔径は0.08μmであった。
<ろ過運転実験>
試験条件は以下の通りである。
表1にまとめて示す条件にて生活廃水の処理を行った。生活廃水を原水供給ポンプによって脱窒槽に導入して処理した後、その液を膜分離活性汚泥槽に導入する。膜分離活性汚泥槽では膜ユニットから供給される散気によって好気性状態が維持され、かつ処理水のろ過が行われる。なお、MLSS濃度の維持のため、槽内の活性汚泥を、汚泥引き抜きポンプを用いて定期的に引き抜いた。膜モジュールのろ過運転は定流量運転を行った。
Figure 2014193452
(比較例1)
比較例1では、図1に示した膜分離活性汚泥装置を用いてろ過運転を行った。ろ過運転の際、膜ユニット101を用いて透過した膜ろ過水中のCODを測定し、さらに、被処理水収容槽103の活性汚泥をろ紙ろ過したろ紙ろ過液中のCODを測定し、ろ過手段ろ液中のCODから膜ろ液中のCODを減算したCOD差値をろ過運転基準値とした。この基準値が5を超えた時に、被処理水収容槽103に凝集剤を投入し、ろ過運転を続けた。
活性汚泥のろ紙ろ過は、JIS P 3801−1995(ろ紙(化学分析用))に規定される「5種C」に準じるろ紙を用いて行った。CODの測定は、下水試験方法に準じて行った。
凝集剤は、「PermaCare(登録商標)MPE50」(Nalco製)を使用し、取扱説明書に従い、400〜700mg/Lになるように投入した。
図2に示すように、実験開始から90日までは、指標に変化がなかったが、100日程度で、指標が基準値の5を超えたため、凝集剤を投入した。しかし、指標が基準値を超えたときにはろ過差圧が既に上昇していて、凝集剤を投入してもろ過差圧の上昇は改善できず、やむを得ず運転停止となった。
(比較例2)
比較例2では、被処理水収容槽103の活性汚泥をろ紙ろ過したろ紙ろ過液中のTOCを測定し、得られた値をろ過運転基準値とした以外には、比較例1と同様に実験を行った。ろ紙ろ過液のTOCは、比較例1と同様、「5種C」のろ紙を使用し、ろ紙ろ過液を用いて測定を行った。TOC測定は、下水試験方法に準じて行った。ろ紙ろ過液中のTOCについては、測定値が10mg/Lを超えた時に、被処理水収容槽103に凝集剤を投入し、ろ過運転を続けた。
図3に示すように、実験開始から80日までは、指標に変化がなかったが、100日程度で、指標が基準値の10mg/Lを超えたため、凝集剤を投入した。しかし、指標が基準値を超えたときにはろ過差圧が既に上昇していて、凝集剤を投入してもろ過差圧の上昇は改善できず、やむを得ず運転停止となった。
(実施例1)
実施例1では、被処理水収容槽103の活性汚泥の細胞外ATP量を測定し、得られた値に基づいて算出した値をろ過運転基準値とし、比較例1と同様に実験を行った。細胞外ATP量は、比較例1と同様、「5種C」のろ紙を使用し、ろ紙ろ過液を用いて測定を行った。
実施例1では、図4に示すように、測定値が1500pg/mLを超えた時に、被処理水収容槽103に凝集剤を投入する、汚泥引き抜き量を増加させる、ろ過流束を低減させる、逆圧洗浄を行った後、ろ過運転を再開させた。凝集剤の投入については、比較例1と同様に行った。また、汚泥引き抜き量増加は、通常行っていた汚泥引き抜き量の200%に増やし、引き抜きを行った。また、ろ過流束低減は、通常行っていたろ過流束の70%までろ過流束を低減して行った。また、逆圧洗浄は、ろ過運転を停止し、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を3000mg/Lの濃度で400L注入して1時間静置させて行った。
図4に示すように、実験開始から30日までは、指標に変化がなかったが、30日程度で、指標が基準値の1500pg/mLを超えたため、凝集剤を投入した。その後、指標は基準値を下回ることになり、凝集剤の投入を止めた。しばらく運転を続けると、50日程度で、指標が再び基準値の1500pg/mLを超えたため、汚泥の引き抜き量を増やした。その後、指標は基準値を下回ることになり、汚泥の引き抜き量を通常の引き抜き量に戻してろ過運転を続けた。しばらく運転を続けると、70日程度で、指標が基準値の1500pg/mLを超えたため、ろ過流束を低減させた。その後、指標は基準値を下回ることになり、ろ過流束を通常の流束に戻した。しばらく運転を続けると、100日程度で、指標が基準値の1500pg/mLを超えたため、上述した方法で逆圧洗浄を1回行った。その後、ろ過運転を再開し、細胞外ATP量を測定したが、指標が基準値の1500pg/mLより高い状態のままで十分に低下しなかったため、今度は汚泥の引き抜き量を通常の200%に増やした。これによって指標が再び基準値を下回ることになり、汚泥の引き抜き量を通常の引き抜き量に戻した。
実施例1のろ過運転の際に、ろ過差圧の変化は見られず、長期間安定運転を行うことができた。
本発明の有機性汚水の処理方法は、微生物の死滅および分解に応じて、膜ろ過運転の制御を行うことで、分離膜のファウリングを防止でき、それによって安定的かつ効率良い膜ろ過運転が可能となることから、メンテナンス頻度が低下し、長時間安定運転を行うことができる。
本発明の有機性汚水の処理方法は、有機性汚水のみならず河川水、湖沼水、地下水、海水、下水、排水、食品プロセス水なども被処理水として適用することができる。
101 膜ユニット
102 散気装置
103 被処理水収容槽
104 圧力計
105 流量計
106 吸引ポンプ
107 流量調整弁

Claims (1)

  1. 活性汚泥を収容した被処理水収容槽に有機性汚水を流入させ、前記有機性汚水を前記活性汚泥によって生物処理し、前記被処理水収容槽又はその後段に設置した膜分離装置によって固液分離を行って処理水を得る有機性汚水の処理方法であって、前記活性汚泥中の細胞外ATP量、または前記活性汚泥中の細胞外ATP量の増加速度が予め設定した所定の基準値に達した際、前記膜分離装置に供給する散気量を増加する操作、前記膜分離装置の逆圧洗浄を実施する操作、前記膜分離装置の逆圧洗浄条件を強化する操作、前記被処理水収容槽に凝集剤を注入する操作、前記被処理水収容槽に凝集剤を注入する凝集剤注入条件を強化する操作、前記膜分離装置のろ過流束を低下させる操作、および、前記被処理水収容槽からの前記活性汚泥の引き抜き量を増加させる操作、からなる群から選ばれる少なくとも1つの操作を行うことを特徴とする有機性汚水の処理方法。
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