JP2009297611A - 過酸化水素含有有機性水の処理方法および処理装置 - Google Patents

過酸化水素含有有機性水の処理方法および処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】過酸化水素および有機物を含有する過酸化水素含有有機性水を、低コストで、安定的に処理することができる過酸化水素含有有機性水の処理方法を提供する。
【解決手段】過酸化水素および有機物を含有する過酸化水素含有有機性水を、必要に応じてカタラーゼを添加した後、浸漬膜を備える膜モジュールを浸漬した生物反応槽において膜分離活性汚泥法により処理する過酸化水素含有有機性水の処理方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体製造工程、食品容器の洗浄工程などから排出される過酸化水素および有機物を含有する過酸化水素含有有機性水の処理方法および処理装置に関する。
過酸化水素は、洗浄効果、殺菌効果などに優れ、かつ反応後は無害な酸素と水に分解する環境負荷の低い薬品であるため、広く製造工程における洗浄剤、殺菌剤などとして使用されている。例えば、半導体装置の製造工場では、様々な工程で過酸化水素がウエハの洗浄などに用いられている。
洗浄、殺菌などに用いられた過酸化水素は、製造工程から排水として排出されるが、これら排水中には過酸化水素以外にも有機物を含有する場合がある。この場合、過酸化水素および有機物がCOD上昇の原因となるため、直接公共用水域に排出することができず、過酸化水素および有機物の分解処理が必要となる。
従来、これら過酸化水素および有機物を含有する過酸化水素含有有機性水の処理方法としては、まず過酸化水素を分解し、次いで有機物を分解するといった、それぞれの処理方法を組み合わせた方法が採られている。
過酸化水素の分解方法としては、(1)重亜硫酸ナトリウムなどの還元剤を添加する方法、(2)活性炭塔に通水する方法、(3)過酸化水素分解酵素であるカタラーゼを添加する方法(例えば、特許文献1参照)などが挙げられる。
一方、有機物の分解方法としては、通常、生物処理が採用される。生物処理方法としては、標準活性汚泥法、生物膜法、浸漬膜による膜分離活性汚泥法(浸漬膜分離活性汚泥法)などがある。
ここで、浸漬膜分離活性汚泥法は、生物反応槽中の活性汚泥を固液分離するために、生物反応槽内に浸漬型膜分離装置を設置する方法であり、設備がコンパクトである、得られる処理水が清澄である、濃縮槽が不要である、また活性汚泥を生物反応槽内に高濃度に保持するため高い処理効率が得られるなど多数のメリットを有しており、近年、注目を集めている技術である。
上記過酸化水素の分解方法のうち、重亜硫酸ナトリウムによる分解処理方法の場合、以下の問題点がある。すなわち、重亜硫酸ナトリウムが過酸化水素と等モルで反応するため、排水中の過酸化水素濃度が高い場合は、多量の重亜硫酸ナトリウムを使用しなければならず、処理コストが高くなるという問題がある。また、重亜硫酸ナトリウムを過剰に添加した場合、処理水のpHが大幅に低下するため、多量のアルカリ剤を添加して中和する必要がある。また、処理水が嫌気性となるため、後段の生物処理における曝気風量が増大するという問題もある。さらに、後段のRO膜で水回収を行う場合、重亜硫酸ナトリウム由来のナトリウムイオンや硫酸イオンが多量に残留するため、イオン負荷が大きく、最終的な処理水の水質が悪化してしまう、という問題もある。
また、活性炭塔による分解処理方法では、排水中の有機物が微生物の栄養源となり、活性炭塔でスライムなどが発生して目詰まり、重大な運転障害を引き起こすという問題がある。
これに対して、カタラーゼを添加する分解処理方法は、重亜硫酸ナトリウムや活性炭塔による処理方法のような問題がほとんどなく、最も好適な手段であると考えられる。
ただし、高濃度の過酸化水素は微生物の活性を低下させることが知られているから、過酸化水素分解処理の後段で生物処理を行う場合、生物処理への流入H濃度が数十mg/L以下となるように、過酸化水素分解設備を運転する必要があった。
カタラーゼは主に細菌やカビなどから抽出、精製して得られる高額な薬剤である。従来の如く、Hの濃度が数十mg/L以下になるまで処理するためには、カタラーゼの添加量を大きくせざるを得ず、その運転コストが高額となるという問題があった。
すなわち、過酸化水素含有有機性水を安定して処理するためには、過酸化水素の分解処理が必要であり、上記の過酸化水素の分解処理方法のうち、カタラーゼによる処理が最も好適であるが、運転コストが高額であるという問題があった。
一方、有機物の生物処理方法としての浸漬膜分離活性汚泥法については、活性汚泥を生物反応槽内に高濃度(例えば、5,000〜20,000mg/L)に保持できる反面、以下の2点により、他の生物処理方法に比べて曝気に必要な動力が多大となるという問題がある。
(1)活性汚泥は有機物の分解に必要な酸素とは別に、内生呼吸分として、通常、汚泥1kgあたり0.07kg−O/dayの酸素を消費する。すなわち汚泥保持量に比例して内生呼吸に必要な酸素量が上昇する。
(2)高濃度の活性汚泥存在下では、曝気風量に対する酸素溶解効率が低下する。例えば、汚泥濃度が10,000mg/Lであれば、酸素溶解効率は清水中での数値の0.6〜0.8倍に低下すると言われている。
特開平1−11689号公報
本発明は、過酸化水素および有機物を含有する過酸化水素含有有機性水を、低コストで、安定的に処理することができる過酸化水素含有有機性水の処理方法および処理装置である。
本発明は、過酸化水素および有機物を含有する原水を、浸漬膜を備える膜モジュールを浸漬した生物反応槽において膜分離活性汚泥法により処理する過酸化水素含有有機性水の処理方法である。
また、本発明は、過酸化水素および有機物を含有する原水にカタラーゼを添加し、次いで浸漬膜を備える膜モジュールを浸漬した生物反応槽において膜分離活性汚泥法により処理する過酸化水素含有有機性水の処理方法である。
また、前記過酸化水素含有有機性水の処理方法において、前記カタラーゼが、アスペルギルス属に属する微生物から生産されるカタラーゼであることが好ましい。
また、前記過酸化水素含有有機性水の処理方法において、前記生物反応槽内の溶存酸素濃度を測定し、前記溶存酸素濃度の測定値に応じて曝気風量を調整することが好ましい。
また、前記過酸化水素含有有機性水の処理方法において、前記生物反応槽に流入する原水の過酸化水素濃度が50mg/L以上であることが好ましい。
また、前記過酸化水素含有有機性水の処理方法において、前記膜分離活性汚泥法による処理の後段において、逆浸透膜を用いた分離処理を行うことが好ましい。
また、本発明は、過酸化水素および有機物を含有する原水を処理する過酸化水素含有有機性水の処理装置であって、浸漬膜を備える膜モジュールと、活性汚泥処理を行うための生物反応槽と、を備え、前記膜モジュールを浸漬した前記生物反応槽において膜分離活性汚泥法により処理する過酸化水素含有有機性水の処理装置である。
また、本発明は、過酸化水素および有機物を含有する原水を処理する過酸化水素含有有機性水の処理装置であって、前記原水にカタラーゼを添加するカタラーゼ添加手段と、浸漬膜を備える膜モジュールと、活性汚泥処理を行うための生物反応槽と、を備え、前記原水にカタラーゼを添加し、次いで前記膜モジュールを浸漬した前記生物反応槽において膜分離活性汚泥法により処理する過酸化水素含有有機性水の処理装置である。
また、前記過酸化水素含有有機性水の処理装置において、前記生物反応槽内の溶存酸素濃度を測定する溶存酸素濃度測定手段と、前記溶存酸素濃度の測定値に応じて曝気風量を調整する曝気風量調整手段と、を備えることが好ましい。
また、前記過酸化水素含有有機性水の処理装置において、前記生物反応槽の後段に逆浸透膜を有する分離手段を備えることが好ましい。
本発明では、過酸化水素含有有機性水を、必要に応じてカタラーゼを添加した後、浸漬膜を備える膜モジュールを浸漬した生物反応槽において膜分離活性汚泥法により処理することにより、低コストで、安定的に処理することが可能な過酸化水素含有有機性水の処理方法および処理装置を提供することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明者らは、鋭意検討した結果、生物処理方式として浸漬膜による膜分離活性汚泥法(浸漬膜分離活性汚泥法)を採用すると、従来では想像し得なかった高濃度の過酸化水素が生物反応槽に流入しても安定した処理が可能であることを見出した。
本発明の実施形態に係る過酸化水素含有有機性水の処理装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。図1の処理装置1は、原水槽10と、生物反応槽12と、浸漬膜を備える膜モジュール14と、生物処理水槽16と、逆浸透膜(RO膜)を有する分離手段であるRO膜分離装置18とを備える。
図1の処理装置1において、原水槽10の出口は原水ポンプ20を介して原水配管42により生物反応槽12の入口と接続されている。生物反応槽12には、浸漬膜を備える膜モジュール14が設置され、膜モジュール14の浸漬膜は、吸引ポンプ24を介して生物処理水配管44により生物処理水槽16と接続されている。生物処理水槽16の出口は、ポンプ28、フィルタ38を介して生物処理水配管48により、RO膜分離装置18の入口に接続されている。RO膜分離装置18の出口には、処理水配管50が接続されている。また、生物処理水槽16の下部は、逆洗ポンプ26を介して逆洗配管46により生物処理水配管44の途中の吸引ポンプ24下流側に接続されている。生物反応槽12内には散気装置30が設置され、散気装置30には曝気手段である曝気ブロア34が曝気配管52により接続されている。生物反応槽12内の膜モジュール14下方には散気装置32が設置され、散気装置32には膜曝気手段である膜曝気ブロア36が膜曝気配管54により接続されている。生物反応槽12の下部には、汚泥引抜配管56が、引抜ポンプ22を介して接続されている。また、生物反応槽12には、溶存酸素濃度測定手段である溶存酸素濃度計40が設置されている。溶存酸素濃度計40は、曝気ブロア34、図示しない曝気風量調整手段であるインバータおよび制御装置などと電気的などに接続されている。
本実施形態に係る過酸化水素含有有機性水の処理方法および処理装置1の動作について説明する。
図1の処理装置1において、過酸化水素および有機物を含む過酸化水素含有有機性原水(以下、単に「原水」と呼ぶ場合がある)は、原水槽10に流入した後、原水ポンプ20により原水配管42を通して、生物反応槽12に送液される。生物反応槽12には、好気性の活性汚泥が存在する。一方、生物反応槽12の下方から、曝気ブロア34からの空気が、曝気配管52を通して散気装置30から送気されている。また、膜モジュール14の下方から、膜曝気ブロア36からの空気が、膜曝気配管54を通して散気装置32から送気されている。生物反応槽12において、活性汚泥により原水中の過酸化水素および有機物の分解処理が行われる(活性汚泥処理工程)。膜モジュール14の浸漬膜は吸引ポンプ24により吸引され、固液分離が行われる(固液分離工程)。固液分離された生物処理水は、生物処理水配管44を通して、生物処理水槽16に送液される。生物処理水を回収、再利用する場合には、さらにポンプ28によりフィルタ38を経由して生物処理水配管48を通してRO膜分離装置18に送液され、RO膜分離装置18において、RO膜によりRO膜処理が行われる(RO膜処理工程)。RO膜処理された処理水は処理水配管50を通して系外に排出される。また、所定の間隔で、生物処理水槽16の生物処理水の少なくとも一部は逆洗水として、逆洗ポンプ26により逆洗配管46、生物処理水配管44を通して膜モジュール14の浸漬膜に送液され、浸漬膜が逆洗されてもよい(逆洗工程)。生物反応槽12内の汚泥は、所定の間隔で、引抜ポンプ22により、生物反応槽12の下部から汚泥引抜配管56を通して引き抜かれてもよい(引抜工程)。
生物反応槽12内の活性汚泥は、有機物分解活性とともに、過酸化水素分解活性を有している。この活性は、汚泥に含まれる過酸化水素分解酵素であるカタラーゼなどを有する微生物に由来するものと考えられる。カタラーゼは、汚泥に含まれる「カタラーゼ生産微生物」により生産されると考えられる。膜分離活性汚泥法においては、浸漬膜によって「カタラーゼ生産微生物」および「生産されたカタラーゼ」の双方を分離し、生物反応槽12内に高濃度に保持、濃縮可能であり、結果として従来では想像し得なかった高濃度の過酸化水素の流入を許容できる。また、過酸化水素分解酵素であるカタラーゼ生成活性の高い微生物を外部で馴養、培養して、生物反応槽12内に添加してもよい。
したがって、過酸化水素および有機物を含有する原水の処理に膜分離活性汚泥法を採用することで、前段の過酸化水素の分解処理工程を省略することも可能となり、運転コストを大幅に削減し、かつ、安定した処理を達成することができる。
さらに、生物反応槽12内での過酸化水素の分解に伴い生じる酸素は、有機物の分解に必要な酸素の供給源となるから、生物反応槽12への曝気風量を低減することができ、膜分離活性汚泥法の運転コストをも低減することができる。
そこで、生物反応槽12内の溶存酸素濃度を溶存酸素濃度計40により測定し、溶存酸素濃度の測定値に応じて、図示しない曝気風量調整手段により曝気ブロア34を制御して曝気風量を調整することが好ましい。本実施形態においては、過酸化水素が酸素の供給源となり、曝気風量の削減が可能であるが、溶存酸素濃度に応じて曝気風量を調整することで、流入する過酸化水素濃度が変動した場合においても効果的な曝気風量の削減効果が期待できる。
本発明の実施形態に係る処理装置の他の例の概略を図2に示す。図2の処理装置1は、図1の構成に加えて、反応槽58と、カタラーゼ溶液貯槽60とを備える。
図2の処理装置1において、原水槽10の出口は原水ポンプ20を介して原水配管42により、反応槽58に接続されている。反応槽58には、カタラーゼ溶液貯槽60の出口が、カタラーゼ添加手段であるポンプ62を介して、カタラーゼ溶液配管68により接続されている。反応槽58の出口は、ポンプ64を介して反応液配管70により生物反応槽12の入口と接続されている。反応槽58には、撹拌羽根などを備える撹拌手段である撹拌装置66が設置されている。
図2の処理装置1において、過酸化水素および有機物を含む過酸化水素含有有機性原水は、原水槽10に流入した後、ポンプ20により、原水配管42を通して、まず過酸化水素濃度の低減を目的とした反応槽58に送液される。また、カタラーゼ溶液貯槽60に貯留された、カタラーゼを所定の濃度で含むカタラーゼ溶液は、ポンプ62により、カタラーゼ溶液配管68を通して反応槽58に送液される。反応槽58において、撹拌装置66により撹拌されながらカタラーゼによる過酸化水素の分解処理が行われる(過酸化水素分解工程)。反応槽58において少なくとも一部の過酸化水素が分解され、過酸化水素濃度が低下した反応液は、ポンプ64により反応液配管70を通して、生物反応槽12に送液される。生物反応槽12において、活性汚泥により原水中の過酸化水素および有機物の分解処理が行われる(活性汚泥処理工程)。以降、図1の処理装置1と同様の処理が行われる。
このように、本実施形態では、過酸化水素および有機物を含有する原水にカタラーゼを添加し、次いで膜モジュールを浸漬した生物反応槽において膜分離活性汚泥法により処理することにより、更なる処理の安定化を図ることができる。
生物反応槽12における滞留時間にもよるが、例えば、過酸化水素濃度が500mg/Lを超える原水では、膜分離活性汚泥法であっても処理性能の低下が懸念される。生物反応槽12の前段の反応槽58においてカタラーゼを添加し、滞留時間2〜3時間程度で、過酸化水素濃度を50〜500mg/L程度にまで低減すれば、安定して処理可能な水準とすることができる。ここで、従来の如く10〜50mg/L以下程度になるように過酸化水素で処理する必要がないため、カタラーゼの添加量を大幅に削減することができ、運転コストは大幅に低減される。また、添加されたカタラーゼについては浸漬膜により、生物反応槽12内に分離、保持されうるので、生物反応槽12内でより速やかに過酸化水素を低減することが可能となり、更なる安定化が図れる。カタラーゼの添加量は、例えば過酸化水素濃度が50〜500mg/L程度残留する濃度として決定することができる。
反応槽58内は撹拌装置66によって撹拌混合されるが、反応槽58内の撹拌方法は曝気による方法であってもよく制限を受けるものではない。またカタラーゼを添加する原水におけるカタラーゼの失活を防ぐため、反応槽58内の液のpHは2〜11の範囲に調整することが好ましく、pH5〜9の範囲に調整することがより好ましい。
反応槽58は一槽であっても複数の槽であってもよいが、直列に配置した複数の槽に通水することで、処理効率が向上するため好ましい。また、1つの槽を仕切り板などにより複数に区画した複数の反応域を有する多段式の反応槽を用いてもよい。
カタラーゼは、酸素呼吸の過程で生物の体内に生じる過酸化水素を、水と酸素とに分解して無害化するための代謝酵素である。カタラーゼは酵素、すなわち生体触媒であるため、カタラーゼ1分子で多数の過酸化水素分子を分解することができる。よって、カタラーゼは、重亜硫酸ナトリウムなどより少ない添加量で過酸化水素を分解処理することができる。カタラーゼは過酸化水素を特異的に分解する酵素であり、酸素呼吸を行う生物の大部分が、その量に違いはあれども、その体内にカタラーゼを有している。一般に、カタラーゼは生体内から抽出されても過酸化水素分解作用を失活することはないため、工業的な目的に利用することができる。
カタラーゼを工業的に生産するには、生産効率の点から、カタラーゼの生産能力に優れた微生物を培養して、その培養液からカタラーゼを抽出する方法が好ましい。微生物由来のカタラーゼとしては、細菌類および真菌類などによって生産されるカタラーゼを挙げることができ、これらを用いることができる。
用いられるカタラーゼの種類に関しては特に制限はなく、微生物から生産されるカタラーゼ(以降、「微生物由来のカタラーゼ」と呼ぶことがある)、例えば、真菌類に分類されるアスペルギルス属(Aspergillus属、別称:コウジカビ属)、サーモマイセス属(Thermomyces属)、ミクロコッカス属(Micrococcus属)などの微生物から生産されるカタラーゼが挙げられる。これらの微生物由来のカタラーゼは、生産する微生物の種類によって異なった性質を有することが知られている。例えば、Aspergillus niger(アクセッション番号:Z23138)から生産されるカタラーゼは、pH2〜7の範囲で優れた過酸化水素の分解処理能力を示す。Micrococcus lysodeikticusから生産されるカタラーゼは、pH7〜9の範囲で過酸化水素に対する優れた分解処理能力を示す。Thermomyces lanuginosusから生産されるカタラーゼは、高温(例えば、60℃以上)の環境下でも過酸化水素に対する優れた分解処理能力を示す。したがって、これらのカタラーゼを、原水の種類や状況に応じて適宜選択して使用することができる。
これらのうち、アスペルギルス属の微生物から生産されるカタラーゼは、比較的高濃度の過酸化水素に接触しても失活しにくく、反応阻害を受けにくいため、比較的高濃度の過酸化水素を効率よく分解することができる。したがって、カタラーゼの添加量を低減することができ、好ましい。
ミクロコッカス属あるいはサーモマイセス属由来のカタラーゼは、原水中の過酸化水素濃度が比較的高濃度になると、高濃度の過酸化水素によって反応阻害を受け、過酸化水素の分解能力が低下してしまう場合がある。具体的には5g/L以上の過酸化水素濃度において、過酸化水素の分解能力の低下が顕著に見受けられる場合がある。その理由としては、カタラーゼを構成するタンパク質が、高濃度の過酸化水素により変性を生じ、その酵素活性が失活あるいは低下するものと推察される。
しかし、アスペルギルス属由来のカタラーゼは、例えば5g/L以上といった高濃度の過酸化水素を含有する原水中においても反応阻害を受けにくく、他の微生物由来のカタラーゼに比べて、過酸化水素の分解処理能力を高いレベルで維持できる。よって、アスペルギルス属由来のカタラーゼを用いれば、比較的高濃度に過酸化水素を含有する原水に対して、他の微生物由来のカタラーゼに比べ、顕著に少ない添加量であっても過酸化水素を迅速に分解処理できる。カタラーゼの添加量を少量とすることができるため、過酸化水素の分解処理を低コストに行うことができる。なお、アスペルギルス属由来のカタラーゼが、高濃度の過酸化水素に対する過酸化水素の分解能力を高いレベルで維持できる理由は明らかではないものの、過酸化水素による変性を生じにくいタンパク質構造を有しているものと推察される。
アスペルギルス属由来のカタラーゼとしては、特に限定されないが、Aspergillus niger(アクセッション番号:Z23138)から生産されるカタラーゼなどが挙げられる。特に、Aspergillus nigerから生産されるカタラーゼは、pH2〜7の範囲で優れた過酸化水素の分解能力を示す上、比較的高濃度の過酸化水素に対する高い分解処理能力を有しているため、高濃度の過酸化水素を効率よく分解することができる。したがって、カタラーゼの添加量を低減することができ、好ましい。
アスペルギルス属由来のカタラーゼは、市販品として入手することができる。カタラーゼの市販品としては、例えば、オルソーブEZ−752H(オルガノ株式会社製)などが挙げられる。
カタラーゼは、その酵素活性が維持できるよう、例えば、緩衝液などの溶液に溶解して保存されることが好ましい。また、カタラーゼには、その保存性を安定させるなどの目的で、塩化ナトリウム、エタノールなどの安定剤、過酸化水素分解助剤として重亜硫酸ナトリウムなどの還元剤に代表される各種添加剤を混合してもよい。
本実施形態において、反応槽58では、原水に添加されたカタラーゼの濃度xと、カタラーゼが有する酵素活性zと、原水中の過酸化水素濃度yが、下記式(1)を満たすことが好ましい。
250≦xz/y<2500 (1)
式(1)において、xは、原水に添加されたカタラーゼの濃度(g/L)を示す。zは、30℃の温度条件下で1分間に1μmolの過酸化水素を分解するカタラーゼの質量を1ユニット(1u)として、これからカタラーゼ1gのユニット数を換算した値であり、カタラーゼが有する過酸化水素の分解能力の強さであるカタラーゼの酵素活性(u/g)を表す。yは、原水の過酸化水素濃度(g/L)を示す。より好ましくは、250≦xz/y<1250の範囲である。
なお、酵素活性z(u/g)は、以下の方法により求めることができる。まず、直径30mmの試験管に1/100mol/Lの過酸化水素溶液(pH7)5mLを採取し、30℃の恒温水槽に浸して恒温とする。その後、この過酸化水素溶液に、30℃に保温したカタラーゼ溶液1gを加え、5分間反応させ、5分後の残留過酸化水素濃度を測定する。その測定結果から、カタラーゼによって分解された過酸化水素濃度を求めることで、酵素活性z(u/g)を求めることができる。
特にアスペルギルス属由来のカタラーゼは、(xz/y)が上記式(1)の範囲内において、他の微生物由来のカタラーゼよりも特に顕著な過酸化水素分解率を示す。(xz/y)が250未満においては、カタラーゼの添加濃度xが低すぎるため、過酸化水素分解処理に要する時間が好ましい範囲に比べて長くなる場合がある。また、(xz/y)が2500以上の場合は、カタラーゼの添加濃度xが高く、アスペルギルス属由来のカタラーゼだけでなく、他の微生物由来のカタラーゼも高い過酸化水素分解率を示す。したがって、少ない添加量で過酸化水素を迅速に分解できるというアスペルギルス属由来のカタラーゼの優位性が発揮されにくくなる。
本実施形態では、原水の過酸化水素濃度が低濃度であっても制限を受けるものではないが、生物反応槽12に流入する原水(またはカタラーゼによる過酸化水素の分解処理後の反応液)の過酸化水素濃度が50mg/L以上であることが好ましい。従来直接生物処理に流入させることが困難であった、過酸化水素濃度が50mg/L以上の原水について、本実施形態に係る方法は特に効果的である。
浸漬膜活性汚泥法における生物反応槽12の処理条件としては、汚泥濃度を15,000mg/L以下となるように調整することが好ましく、5,000〜12,000mg/Lの範囲となるように調整することがより好ましい。汚泥濃度が15,000mg/Lを超えると、膜差圧が急激に上昇する場合がある。
BOD容積負荷は、1.5kgBOD/m/day以下となるように調整することが好ましく、0.2〜1.0kgBOD/m/dayの範囲となるように調整することがより好ましい。BOD容積負荷が1.5kgBOD/m/dayを超えると、有機物の分解が不十分となり、処理水質が悪化する懸念があり、また、膜差圧が上昇しやすい。
汚泥負荷(BOD−SS負荷)については、0.005〜0.15kgBOD/SS/dayの範囲となるように調整することが好ましい。汚泥負荷(BOD−SS負荷)が0.15kgBOD/SS/dayを超えると、有機物の分解が不十分となり、処理水質が悪化する懸念があり、また、膜差圧が上昇しやすい。また、0.005kgBOD/SS/day未満であると、汚泥フロックが解体し、やはり膜差圧が上昇しやすい。
pHは6.0〜8.5の範囲となるように調整することが好ましく、6.5〜7.5の範囲となるように調整することがより好ましい。pHが6.0未満、または8.5を超えると、微生物の至適pHを外れるので、有機物の分解が不十分となり、処理水質が悪化する懸念があり、また、膜差圧が上昇しやすい。
生物反応槽12は、活性汚泥による処理を行う生物処理槽と浸漬膜による固液分離槽とを別々に設ける構成であってもよい。この場合、上記曝気量の制御は生物処理槽において行えばよい。
膜モジュール14は、生物反応槽12内に浸漬、設置される。浸漬型の膜モジュール14には透過液(生物処理水)流路として生物処理水配管44が接続されている。この透過液流路に吸引手段である吸引ポンプ24により負圧を与えるか、もしくはサイフォンによる自然水頭により、活性汚泥や凝集汚泥などの固形物が分離された透過液を得ることができる。この透過液流路には吸引圧力計が接続されていてもよく、膜モジュール14の吸引圧力を検出し、浸漬膜の汚染状況を確認することができる。
浸漬膜の形状としては、平膜型、中空糸型、チューブラ型などがある。浸漬膜の材質は、PE、PVDF、PTFEなどからなり、浸漬膜の孔径は1.0μm以下が好ましく、孔径0.1μm以下の精密ろ過膜あるいは限外ろ過膜が好ましい。
浸漬膜の透過流速は、0.1〜0.8m/dayの範囲程度で運転することが好ましく、0.2〜0.6m/dayの範囲で運転することがより好ましい。浸漬膜の透過流速が0.1m/day未満であると、運転上問題ないが、必要な膜面積が非常に大きくなる場合があり、0.8m/dayを超えると、膜の差圧上昇が大きく、薬品洗浄が頻繁となり、安定運転が困難となる場合がある。
浸漬型の膜モジュール14の直下部には散気装置32が設けられており、膜曝気ブロア36により曝気空気を供給する。曝気空気によりエアリフト上昇流が生起し、膜面上にせん断力が加えられる。このせん断力により、膜面への汚泥の堆積が抑制される。すなわち膜曝気は膜の洗浄を目的としたものであるから、少なくともろ過中は、所定の風量で曝気を行うことが好ましい。
また、逆洗ポンプ26により、透過液の流れに逆方向に透過液流路を通じて、透過液(生物処理水)を注入し、膜面に堆積した汚泥を剥離させることもできる。
一方、膜曝気で不足する分の酸素量を補うため、不足分を曝気ブロア34から供給することができる。ここで、DO(溶存酸素)濃度は生物反応槽12で1mg/L以上とすることが好ましく、2〜5mg/Lの範囲とすることが好ましい。DO(溶存酸素)濃度が1mg/L未満であると、有機物の分解が不十分となり、処理水質が悪化する懸念があり、また、膜差圧が上昇しやすい場合がある。なお、上述のように、溶存酸素濃度の測定値に応じて、曝気ブロア34の風量をインバータなどにより調整することができる。
膜モジュール14の吸引圧力が上昇した場合には、透過液の流れに逆方向に透過液流路を通じて、洗浄薬品を注入し、膜面の洗浄を行うことができる(インライン洗浄)。膜の汚染が有機物によるものである場合には、酸化剤として、主に次亜塩素酸ナトリウム溶液や過酸化水素が用いられ、一方、無機物による汚染の場合には、シュウ酸、クエン酸、塩酸などの酸溶液が用いられる。さらにインライン洗浄で回復しない場合には、薬液を貯留したタンクに膜モジュールを浸漬する方法が有効である。
なお、微生物が有機物を分解し、増殖していくためには、窒素、リンのほか、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属類や鉄、マンガン、亜鉛などの金属類といった微量金属類が必要となる。これらが不足する場合には、外部から窒素源、リン源を補給する、水道水や工業用水などの微量金属類を含む水を導入する、微量元素を含む製剤を添加する、などの対策をとってもよい。これらは、生物反応槽12に直接添加してもよいし、反応槽58へ添加してもよい。
浸漬膜分離活性汚泥法による生物反応槽12より得られた透過液(生物処理水)は、過酸化水素、有機物、濁質のいずれもが高い除去率で除去されているから、処理水質は極めて良好であり、また、還元剤として重亜硫酸ナトリウムを添加した場合のように、生物処理水の塩濃度が上昇することがほとんどないので、RO膜分離装置への供給水として好適である。ROの透過水は回収水などとして再利用することもできる。
RO膜としては、ポリエーテルアミド複合膜、ポリビニルアルコール複合膜、芳香族ポリアミド膜などが使用できる。好ましくは、微生物の代謝産物などに対してより詰まりにくいとされているポリアミド製の荷電中和膜(日東電工製LF−10)などの適用が好ましい。これらのRO膜のモジュール形状は、スパイラル型、中空糸型、管状型など、いずれの形状でも使用できる。
原水が非イオン性界面活性剤、ポリエチレングリコールなどを含む場合、RO膜が目詰まる場合があることから、RO膜の前処理として孔径10μm程度のフィルタ38を設置することが好ましい。また、RO膜分離装置18前段側、例えばフィルタ38の前段に活性炭処理装置を設置することが好ましい。
また、RO膜分離装置18において、カルシウムなどの無機分でスケールを生じる可能性がある場合、RO膜分離装置18前段側、例えばフィルタ38の前段において、分散剤の添加装置(ライン添加など)、または軟化装置を設置することが好ましい。さらに、長期的な運転で微生物起因のスライム発生によるRO膜の目詰まりを防止することを目的として、スライムコントロール剤(イソチアゾリン系、DBNPA(2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド)、DBNE(2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール)、BNPD(2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール)、次亜塩素酸、次亜臭素酸、クロロアミン、ブロモアミンなど)の添加、硫酸などによる酸ショック付与、アルカリ運転(例えば、pH9.5以上)などを行うことができる。
本実施形態に係る過酸化水素および有機物を含有する原水の処理方法および処理装置によれば、過酸化水素および有機物を含有する原水を、低コストで、安定的に処理できる。
本実施形態において、処理対象となる原水は、過酸化水素および有機物を含有するものであればよく特に制限はないが、例えば、半導体製造工程、食品容器の洗浄工程などから排出される排水などが挙げられる。また、その生物処理水を冷却水、製造用水、純水、超純水などとして再利用してもよい。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<浸漬膜活性汚泥装置への連続通水試験>
以下の条件で、原水中にHを0,50,250,500mg/Lとなるように添加して、浸漬膜活性汚泥装置への連続通水試験を実施した。添加濃度は、1週間おきに段階的に上昇させた。そして、処理水質と汚泥の呼吸速度を測定し、流入H濃度の影響を確認した。呼吸速度は、流入H濃度が0mg/Lでの測定値を100%として表1に示した。
(試験条件)
生物反応槽容量:7L
通水流量:70L/d(水滞留時間 2.4時間)
BOD容積負荷:0.5kgBOD/m/day
原水BOD:50mg/L
原水TOC:20mg/L
浸漬膜:中空糸膜(孔径0.1μm)、Flux 0.6m/day
本試験では、水滞留時間がわずか2.4時間と短時間であり、H濃度の影響が出やすい条件であったにも関わらず、H濃度が0〜250mg/Lの範囲では、処理水質と汚泥の呼吸速度のいずれにも有意な差は認められなかった。濃度を500mg/Lまで上昇させたところで処理水質への影響は認められないものの、呼吸速度の低下が確認された。
なお、この間、浸漬膜の吸引圧力は安定していた。また、期間中、生物反応槽への曝気風量の調整は行わなかったが、原水の過酸化水素濃度の上昇に伴い、生物反応槽内のDOも大きく上昇した。これは、過酸化水素の分解に伴い発生した酸素が水中に溶解したものと考えられる。通常、浸漬膜活性汚泥法においては、DOが1mg/L以上あればよいとされているから、過酸化水素含有原水を直接通水する条件では、曝気風量の削減が可能となる。
本結果より、従来は、Hの流入許容濃度は数十mg/L程度(例えば、10〜50mg/L程度)であったのに対し、驚くべきことに浸漬膜活性汚泥法では、1オーダー高い、数百mg/L程度(例えば、50〜500mg/L程度)の流入に対しても安定した処理が可能であり、さらに浸漬膜活性汚泥法の問題であった多大な曝気動力を削減するという効果も得られることがわかった。
<Hの分解試験>
さらに、膜分離活性汚泥法において、生物反応槽内の微生物が高濃度のHに対する耐性を持ちえた要因を検討すべく、生物反応槽内の汚泥および膜の透過水について各々Hの分解試験を実施し、その活性を確認した。
(試験条件)
以下の4サンプルを各々1L調整した。
(1)生物反応槽内汚泥を汚泥濃度として50mg/Lとなるように純水で希釈
(2)(1)をウオーターバスにて80℃、10分間加温
(3)生物反応槽内汚泥を遠心分離した上澄み
(4)浸漬膜透過水
※(2)は加温により汚泥中の酵素を失活させることを目的とした対象サンプル
各サンプルに過酸化水素試薬を100mg/L相当添加し、30分間の分解試験を実施した。所定時間おきに残留する過酸化水素濃度を測定した。結果を図3に示す。
この結果から、生物反応槽内の汚泥は高い過酸化水素分解活性を有しており、また、酵素の失活を目的として加温したサンプル(2)では活性が認められないことから、この活性は過酸化水素分解酵素カタラーゼに由来するものと考えられる。
さらに、遠心分離した上澄み(サンプル(3))にも同様に過酸化水素分解活性が確認され、一方で、浸漬膜透過水(サンプル(4))には全く活性が確認されなかったことから、液中のカタラーゼが浸漬膜によって分離され、生物反応槽内に保持、濃縮されたと考えることができる。
以上より、膜分離活性汚泥法においては、浸漬膜によって「カタラーゼ生産微生物」および「生産されたカタラーゼ」の双方を分離し、生物反応槽内に高濃度に集積可能であり、結果として従来では想像し得なかった高濃度のHの流入を許容できることがわかった。
膜分離活性汚泥法が過酸化水素に高い耐性をもつことは上記より明らかであるが、カタラーゼは分子量が数万〜数十万程度の高分子タンパクであるから、膜分離活性汚泥法において設置される浸漬膜や、その後段に設置されるRO分離装置に対して、膜の目詰まりを引き起こすという懸念もある。
<実施例1>
そこで、カタラーゼによる過酸化水素の還元処理と、膜分離活性汚泥法とRO分離処理とを組み合わせた実験装置を用いて、本方法の有効性を検証した。
(実験条件)
原水: 電子産業工場の過酸化水素含有有機性排水
過酸化水素濃度40〜150mg/L、BOD30〜100mg/L、
TOC10〜40mg−C/L
通水流量: 7m/day
カタラーゼ: 酵素活性50,000u/g、アスペルギルス属由来カタラーゼ
カタラーゼ添加量: 10〜20mg/L
過酸化水素分解反応槽: 200L+200Lの2槽を直列に配置
膜分離活性汚泥装置生物反応槽: 700L
浸漬膜: 中空糸PVDF膜、Flux 0.4m/day
安全フィルタ: 孔径10μm
RO膜: LF−10(2インチ、日東電工製) 水回収率70%
実験期間: 1ヶ月
(実験結果)
図4に膜分離活性汚泥装置における吸引圧力の挙動を示す。また、表2に試験期間中における原水および膜分離活性汚泥処理の処理水(MBR処理水)の代表的な水質を示す。
図4に示すように、1ヶ月の運転で、吸引圧力の上昇は非常に緩やかであった。また、表2より、MBR処理水のBODは<2mg/L、濁度は<0.1度となり、水質は極めて良好であった。
次に図5,図6に膜分離活性汚泥装置の後段のRO膜におけるRO換算フラックスと通水差圧の挙動を示す。また、表2に試験期間中における原水およびRO処理水の代表的な水質を示す。
図5,6に示すように、1ヶ月の運転で、RO換算フラックスの低下および通水差圧の上昇はほとんど認められず、安定的な運転を行うことができた。また、RO処理水のTOCは安定して、0.5mgC/L以下となり、水質は極めて良好であった。
以上から、過酸化水素含有有機性水を、カタラーゼによる処理と膜分離活性汚泥処理とRO膜による膜分離処理とを組み合わせて処理することにより、処理水量の低下、処理水質の悪化などを起こさず、安定して処理できることが確認できた。
本発明の実施形態に係る過酸化水素含有有機性水の処理装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る過酸化水素含有有機性水の処理装置の他の例を示す概略構成図である。 本発明の実施例における過酸化水素の分解試験での、反応時間(分)と過酸化水素濃度(mg/L)との関係を示すグラフである。 本発明の実施例1における膜分離活性汚泥装置の吸引圧力の挙動を示すグラフである。 本発明の実施例1における膜分離活性汚泥装置の後段のRO膜におけるRO換算フラックスの挙動を示すグラフである。 本発明の実施例1における膜分離活性汚泥装置の後段のRO膜における通水差圧の挙動を示すグラフである。
符号の説明
1 処理装置、10 原水槽、12 生物反応槽、14 膜モジュール、16 生物処理水槽、18 RO膜分離装置、20 原水ポンプ、22 引抜ポンプ、24 吸引ポンプ、26 逆洗ポンプ、28,62,64 ポンプ、30,32 散気装置、34 曝気ブロア、36 膜曝気ブロア、38 フィルタ、40 溶存酸素濃度計、42 原水配管、44 生物処理水配管、46 逆洗配管、48 生物処理水配管、50 処理水配管、52 曝気配管、54 膜曝気配管、56 汚泥引抜配管、58 反応槽、60 カタラーゼ溶液貯槽、66 撹拌装置、68 カタラーゼ溶液配管、70 反応液配管。

Claims (10)

  1. 過酸化水素および有機物を含有する原水を、浸漬膜を備える膜モジュールを浸漬した生物反応槽において膜分離活性汚泥法により処理することを特徴とする過酸化水素含有有機性水の処理方法。
  2. 過酸化水素および有機物を含有する原水にカタラーゼを添加し、次いで浸漬膜を備える膜モジュールを浸漬した生物反応槽において膜分離活性汚泥法により処理することを特徴とする過酸化水素含有有機性水の処理方法。
  3. 請求項2に記載の過酸化水素含有有機性水の処理方法であって、
    前記カタラーゼが、アスペルギルス属に属する微生物から生産されるカタラーゼであることを特徴とする過酸化水素含有有機性水の処理方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の過酸化水素含有有機性水の処理方法であって、
    前記生物反応槽内の溶存酸素濃度を測定し、前記溶存酸素濃度の測定値に応じて曝気風量を調整することを特徴とする過酸化水素含有有機性水の処理方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の過酸化水素含有有機性水の処理方法であって、
    前記生物反応槽に流入する原水の過酸化水素濃度が50mg/L以上であることを特徴とする過酸化水素含有有機性水の処理方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の過酸化水素含有有機性水の処理方法であって、
    前記膜分離活性汚泥法による処理の後段において、逆浸透膜を用いた分離処理を行うことを特徴とする過酸化水素含有有機性水の処理方法。
  7. 過酸化水素および有機物を含有する原水を処理する過酸化水素含有有機性水の処理装置であって、
    浸漬膜を備える膜モジュールと、
    活性汚泥処理を行うための生物反応槽と、
    を備え、
    前記膜モジュールを浸漬した前記生物反応槽において膜分離活性汚泥法により処理することを特徴とする過酸化水素含有有機性水の処理装置。
  8. 過酸化水素および有機物を含有する原水を処理する過酸化水素含有有機性水の処理装置であって、
    前記原水にカタラーゼを添加するカタラーゼ添加手段と、
    浸漬膜を備える膜モジュールと、
    活性汚泥処理を行うための生物反応槽と、
    を備え、
    前記原水にカタラーゼを添加し、次いで前記膜モジュールを浸漬した前記生物反応槽において膜分離活性汚泥法により処理することを特徴とする過酸化水素含有有機性水の処理装置。
  9. 請求項7または8に記載の過酸化水素含有有機性水の処理装置であって、
    前記生物反応槽内の溶存酸素濃度を測定する溶存酸素濃度測定手段と、
    前記溶存酸素濃度の測定値に応じて曝気風量を調整する曝気風量調整手段と、
    を備えることを特徴とする過酸化水素含有有機性水の処理装置。
  10. 請求項7〜9のいずれか1項に記載の過酸化水素含有有機性水の処理装置であって、
    前記生物反応槽の後段に逆浸透膜を有する分離手段を備えることを特徴とする過酸化水素含有有機性水の処理装置。
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