JP2014192866A - 弾性波フィルタ - Google Patents

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Tadaaki Tsuda
忠秋 津田
Osamu Tokuda
治 徳田
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    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/125Driving means, e.g. electrodes, coils
    • H03H9/145Driving means, e.g. electrodes, coils for networks using surface acoustic waves
    • H03H9/14544Transducers of particular shape or position
    • H03H9/14547Fan shaped; Tilted; Shifted; Slanted; Tapered; Arched; Stepped finger transducers

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  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Surface Acoustic Wave Elements And Circuit Networks Thereof (AREA)

Abstract

【課題】入力側電極及び出力側電極における電極指群を各々テーパー状に形成するにあたって、弾性波の回折や屈折による特性の劣化を抑制すること。
【解決手段】通過域の下端周波数に対応するトラックTr1から通過域の上端周波数に対応するトラックTr2までに亘って弾性波が伝搬するように、多数の電極指22をテーパー状に形成する。この時、トラックTr2のピッチPTr2については、手前側のバスバー21に近接する位置に形成されないように、当該手前側のバスバー21よりも寸法D1だけ奥側のバスバー21に寄った位置に形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電極指群をテーパー状に形成した弾性波フィルタに関する。
弾性表面波(SAW)などの弾性波を用いたフィルタ(バンドパスフィルタ)として、図17に示すように、一対のバスバー101、101間の領域に多数の電極指102をテーパー状に形成したIDT(Inter Digital Transducer)電極103を入出力電極として圧電基板104上に配置したテーパー型フィルタが知られている。このフィルタでは、一対のバスバー101、101のうち一方のバスバー101側(奥側)には当該フィルタの通過域における最小周波数(下端周波数)に対応するトラックTr1が配置され、他方のバスバー101側(手前側)には通過域における最大周波数(上端周波数)に対応するトラックTr2が配置される。図17中105はシールド電極であり、106はダンパーである。
このようなフィルタでは、当該フィルタの寸法を抑えながら広帯域化を図ろうとすると、IDT電極103のテーパー角度θが小さくなる(寝てくる)ので、弾性波の屈折や回折が起こりやすくなる。そのため、図5に一点鎖線(従来1)で示すように、減衰曲線のいわば肩ダレが起こり、例えば通過帯域幅が設定よりも狭帯域化すると共に、通過域の近傍(特に高周波数側)における減衰量が劣化してしまう。
特許文献1には、このような屈折や回折による特性劣化を抑制するために、テーパー型フィルタにおける高周波数側のトラックあるいは低周波数側のトラックを延長させた構成が挙げられている。即ち、図18に示すように、例えばフィルタの通過域における最大周波数に対応するトラックTr2については、他のトラックよりも電極指102の長さ寸法を長めに充てている。しかしながら、このような構成では、既述の図17のフィルタと比べて特性が改善されるものの、図5に破線(従来2)で示すように、トラックTr2(通過域の最大周波数)近傍における減衰曲線が盛り上がり、結果として通過域における平坦性が劣化すると共に、通過帯域幅が設定よりも広がってしまう。
特許文献2〜5では、フィルタにおける電極指の構成やレイアウトなどについて種々検討されているが、それ程良好な特性は得られない。
特許4707902号 特許4768113号 特開平6−90132 特開平2−72709 特開2010−171805
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、入力側電極及び出力側電極における電極指群を各々テーパー状に形成するにあたって、弾性波の回折や屈折による特性の劣化を抑制することのできるフィルタを提供することにある。
本発明の弾性波フィルタは、
通過域における低周波数側のトラックTr1から高周波数側のトラックTr2までに亘って波長の互いに異なる弾性波が圧電基板上を伝搬するように入力側電極における電極指群及び出力側電極における電極指群を各々テーパー状に形成した弾性波フィルタにおいて、
前記入力側電極及び前記出力側電極は、
弾性波の伝搬方向に沿って各々伸びるように、且つ弾性波の伝搬方向に対して直交する方向に互いに離間するように配置された一対のバスバーと、これらバスバー間において互いに交差するように各々のバスバーから対向するバスバーに向かって櫛歯状に伸び出す複数の電極指とを各々備え、
前記電極指の幅寸法及び互いに隣接する電極指同士の間の離間寸法からなる、圧電基板上を伝搬する弾性波の波長を周期長Pとすると、前記入力側IDT電極及び前記出力側IDT電極の少なくとも一方は、以下の(1)及び(2)の少なくとも一方の構成を備えたことを特徴とする弾性波フィルタ。
(1)トラックTr1における周期長PTr1からトラックTr2における周期長PTr2まで周期長Pが小さくなるように各々の電極指が配置された領域と、トラックTr3における周期長PTr3からトラックTr4における周期長PTr4まで周期長Pが大きくなるように各々の電極指が配置された領域とが、トラックTr2とトラックTr3とが互いに隣接するように配置されると共に、これら領域間において対向する電極指同士が互いに接続されている構成。ただし、PTr1≧PTr4>PTr3=PTr2となっている。
(2)トラックTr1における周期長PTr1からトラックTr2における周期長PTr2まで周期長Pが小さくなるように各々の電極指が配置された領域と、トラックTr5における周期長PTr5からトラックTr6における周期長PTr6まで周期長Pが小さくなるように各々の電極指が配置された領域とが、トラックTr1とトラックTr5とが互いに隣接するように配置されると共に、これら領域間において対向する電極指同士が互いに接続されている構成。ただし、PTr1=PTr5>PTr6≧PTr2となっている。
前記弾性波フィルタとしては、具体的に以下の態様を採っても良い。
即ち、前記(1)の構成を備え、
一対のバスバー間の寸法を開口長Wと呼ぶと、前記圧電基板上におけるトラックTr3とトラックTr4との間の離間寸法D1は、
3≧D1÷W×100
となっている態様。
前記(2)の構成を備え、
一対のバスバー間の寸法を開口長Wと呼ぶと、前記圧電基板上におけるトラックTr5とトラックTr6との間の離間寸法D2は、
3≧D2÷W×100
となっている態様。
前記入力側IDT電極及び前記出力側IDT電極は、前記(1)の構成及び前記(2)の構成の少なくとも一方の構成を各々備えている態様。
本発明は、トラックTr1からトラックTr2(Tr1>Tr2)までの周期長の弾性波が伝搬するように電極指群をテーパー型に形成したフィルタを構成するにあたり、トラックTr1及びトラックTr2の少なくとも一方のトラックTr1(Tr2)について、バスバーに近接した位置(電極指の端部位置)よりも弾性波の伝搬方向に直交する方向に離間した位置に配置している。そして、前記少なくとも一方のトラックTr1(Tr2)から見て他方のトラックTr2(Tr1)とは反対側の領域に、このフィルタの通過域の少なくとも一部に対応する周期長で電極指群をテーパー型に並べている。そのため、前記少なくとも一方のトラックTr1(Tr2)の弾性波が屈折や回折によって電極指群の配置された領域から外れた領域に伝搬しようとしても、当該外れた領域にも電極指が配置されているので、弾性波の屈折や回折に基づく周波数特性の劣化を抑制できる。
本発明の弾性波フィルタの一例を示す平面図である。 前記フィルタの一部を拡大して示す平面図である。 前記フィルタの特性を模式的に示す特性図である。 前記フィルタの特性を模式的に示す特性図である。 前記フィルタの特性を示す特性図である。 前記フィルタの特性について説明するための模式図である。 前記フィルタの他の例を示す平面図である。 前記他の例のフィルタの一部を拡大して示す平面図である。 前記他の例におけるフィルタの特性を模式的に示す特性図である。 前記フィルタの別の例を示す平面図である。 前記別の例のフィルタの一部を拡大して示す平面図である。 前記別の例のフィルタの特性を模式的に示す特性図である。 前記フィルタの更に他の例の一部を拡大して示す平面図である。 前記フィルタのまた別の例の一部を拡大して示す平面図である。 前記また別の例のフィルタの特性を模式的に示す特性図である。 前記フィルタの他の例における特性を模式的に示す特性図である。 従来のフィルタを示す平面図である。 従来のフィルタを示す平面図である。
本発明の弾性波フィルタの実施の形態の一例について、図1〜図3を参照して説明する。このフィルタは、入力側IDT電極11と、出力側IDT電極12と、これら電極11、12間に配置されたシールド電極13とを備えており、例えば水晶やニオブ酸リチウム(LiNbO)などの圧電基板1上に形成されている。そして、このフィルタは、通過域と、当該通過域よりも低周波数側及び高周波数側に各々設けられた阻止域と、を備えたバンドパス型のフィルタとなっており、以下に詳述するように、IDT電極11、12をテーパー型に形成しながら、弾性波の回折や屈折による特性劣化を抑えるように構成されている。尚、図1中2は入力ポート、3は出力ポートであり、4は不要な弾性波を吸収するための樹脂などからなるダンパーである。また、図1ではIDT電極11、12について一部簡略化して描画している。
入力側IDT電極11は、一対のバスバー21、21と、これらバスバー21、21間においてテーパー状に形成された複数の電極指22とを備えている。即ち、バスバー21、21は、弾性波の伝搬方向(X方向)に沿って各々伸びるように、且つ当該伝搬方向に直交する方向(Y方向)に互いに離間するように配置されている。電極指22は、これらバスバー21、21の各々から対向するバスバー21、21に向かって交互に櫛歯状に伸び出すように配置されている。
ここで、圧電基板1上を伝搬する弾性波の波長をピッチ(周期長)Pと呼ぶものとする。即ち、図1に示すように、手前側のバスバー21から奥側のバスバー21に向かって互いに隣接して伸びる2本の電極指22、22の各々の中心線同士の寸法をピッチPと呼ぶと、各々の電極指22は、ピッチPが一対のバスバー21、21間に亘って連続的に変化するように配置されている。
具体的には、奥側のバスバー21に近接する領域では、通過域における下端周波数に対応するトラックTr1の弾性波が伝搬するように、このトラックTr1に対応するピッチPTr1で電極指22が形成されている。そして、手前側のバスバー21から寸法D1だけ奥側のバスバー21に寄った位置にて当該バスバー21に沿って伸びる仮想上のラインに符号「L」を付すと、ピッチPは、奥側のバスバー21から前記ラインLに向かうにつれて、既述のピッチPTr1から、通過域の上端周波数に対応するトラックTr2におけるピッチPTr2まで連続的に小さくなっている。
また、ラインLよりも手前側では、ピッチPは、手前側のバスバー21に向かうにつれて、トラックTr3に対応するピッチPTr3から、トラックTr4に対応するピッチPTr4まで連続的に大きくなっている。この例では、トラックTr2とトラックTr3とではピッチPが同じ寸法になっている。従って、入力側IDT電極11では、通過域の上端周波数に対応するトラックTr2(Tr3)がバスバー21に対向する位置に形成されないように、ラインLから奥側及び手前側に向かってピッチPが各々大きくなるように各電極指22が形成されていると言える。ピッチPTr1、PTr2(PTr3)及びPTr4は、具体的には夫々例えば22.61μm、19.16μm及び19.66μmとなっている。従って、PTr2(PTr3):PTr4の比率は、1:1.02〜1:1.2となっている。
バスバー21、21間の離間寸法を「開口長W」と呼ぶと、ラインLと手前側のバスバー21との間の離間寸法D1は、大きすぎるとフィルタが大型化するおそれがあり、一方小さすぎるとラインLよりも手前側で弾性波の回折が起こりやすくなってしまう。従って、離間寸法D1は、開口長Wの0.5%〜3%この例では2.9%となっており、好ましくは開口長Wの0.7%〜1.5%である。開口長Wは、フィルタの通過域の中心周波数f0に対応するトラックTr0のピッチPTr0(=(PTr1+PTr2)÷2)で規定すると、例えば51.5PTr0となっている。
この例では、ラインLよりも奥側の領域及びラインLよりも手前側の領域では、電極指22のテーパー角度が揃っており、従ってラインLよりも寸法D1だけ奥側に離間した位置におけるピッチPは、手前側のバスバー21に近接する位置のトラックTr4のピッチPTr4と同じ寸法となっている。
以上纏めると、入力側IDT電極11は、ラインLよりも奥側では通過域に対応するトラックTr1〜Tr2の弾性波が伝搬するように構成されると共に、トラックTr1〜Tr2のうち一部の(通過域における高周波数側の帯域に対応する)トラックTr3〜Tr4が伝搬する領域をラインLよりも手前側に形成していると言える。そして、トラックTr2とトラックTr3とのピッチPを互いに揃えると共に、これらトラックTr2、Tr3同士が互いに隣接する(重ね合わされる)ように電極指22を形成している。また、ラインLよりも奥側の領域と、ラインLよりも手前側の領域とでは、当該ラインL上において対向する電極指22同士が互いに接続されている。従って、既述のように、通過域における上端周波数に対応するトラックTr2は、手前側のバスバー21よりも奥側のバスバー21に寄った位置(ラインL上)に形成されている。図3は、以上説明した入力側IDT電極11のピッチPの分布を概略的に示したものであり、各々の電極指22は、ピッチPの分布を示す直線がラインLにおいていわば屈曲するように形成されている。
出力側IDT電極12についても、以上説明した入力側IDT電極11と同様に構成されており、具体的にはラインLよりも奥側ではトラックTr1〜Tr2までの弾性波が伝搬するように、またラインLよりも手前側ではトラックTr3(=Tr2)〜Tr4までの弾性波が伝搬するように各々の電極指22が配置されている。そして、これらIDT電極11、12では、弾性波の伝搬方向に沿って各トラックTr1〜Tr4が各々一列に並ぶように各電極指22が配置されている。
従って、入力ポート2から入力側IDT電極11に対して電気信号を入力すると、入力側IDT電極11では各トラックTr1〜Tr4に対応する弾性波が発生する。そして、各々の弾性波は、出力側IDT電極12に向かって伝搬していく。ここで、例えば高周波数側のトラックTr2(Tr3)では、弾性波は回折や屈折によってラインLよりも手前側の領域に向かって伝搬しようとする。即ち、ラインLよりも奥側の領域だけでトラックTr1からトラックTr2までの波長域に対応する周波数帯を通過域とするフィルタを構成した場合には、図4の上段に示すように、通過域の高周波数側の帯域ではいわば肩ダレが生じて損失が生じようとする。尚、図4は、周波数特性を模式的に示している。
しかし、ラインLよりも手前側では、前記高周波数側の帯域に対応するように、各電極指22をテーパー状に形成している。また、トラックTr2(Tr3)の弾性波が回折や屈折によりラインLより手前側の領域に伝搬しても、当該領域に配置された電極指22によって弾性波のエネルギーのうち少なくとも一部が受け取られる。そのため、ラインLよりも手前側では、図4の中段に示すように、ラインLよりも奥側で生じようとする損失が補われるように、通過域における高周波数側の帯域に対応する減衰特性が得られる。言い換えると、本発明では、従来の構成において高周波数側の帯域で平坦性などの周波数特性が劣化することを見越して、この帯域に対応するトラックTr3〜トラックTr4の弾性波が伝搬するように、ラインLよりも手前側に電極指22を予めテーパー状に配置している。
従って、図4の下段に示すように、高周波数側の帯域の減衰特性が改善されて、通過域に亘って良好な平坦性が得られると共に、高周波数側の減衰カーブが急峻となり、設定に沿った通過帯域幅が得られる。図5は、以上説明したフィルタの周波数特性をシミュレーションしたものであり、既に詳述したように、本発明では、従来のフィルタと比べて良好な平坦性及び通過帯域幅が得られている。図5におけるシェープファクターを計算したところ、従来1及び従来2では夫々1.33及び1.29となっていたが、本発明では1.26となり、これら従来1、2よりもシェープファクターが改善されていた。尚、シェープファクターとは、図6に示すように、フィルタの周波数特性を示す特性図において、通過域において減衰曲線が概略フラットになる位置よりも減衰量が1dB大きい位置における帯域幅Aと、前記フラットになる位置よりも減衰量が30dB大きい位置における帯域幅Bとの比(B÷A)であり、減衰曲線の急峻さを表している。
上述の実施の形態によれば、多数の電極指22をテーパー型に配置するにあたって、通過域の上端周波数に対応するトラックTr2について、手前側のバスバー21よりも奥側のバスバー21側に寄った位置(ラインL)に配置している。そのため、高周波数側に対応する弾性波の屈折や回折によってエネルギー損失が生じたとしても、当該エネルギー損失に応じた分だけ、ラインLよりも手前側にてエネルギーが賄われる。即ち、ラインLよりも手前側の領域では、通過域の上端周波数に対応するトラックTr2だけでなく、通過域の高周波数側にてある幅の帯域を持たせている。従って、通過域における平坦性を確保しつつ、通過帯域幅及び阻止域における減衰量の劣化を抑制できる。
以上のようにフィルタを構成するにあたって、手前側のバスバー21に近接する位置におけるトラックTr4について、通過域の下端周波数に対応するトラックTr1と同じピッチPTr1に設定しても良い。即ち、図1におけるラインLの手前側にも、当該ラインLの奥側と同様に構成された電極指22を配置しても良い。
続いて、本発明の他の例について以下に説明する。図7は、通過域における高周波数側の回折や屈折を抑制することに代えて、通過域における低周波数側の屈折や回折を抑制するように構成した例を示している。具体的には、この例ではラインLは、図8に示すように、奥側のバスバー21に対して寸法D2だけ手前側に離間した位置に形成されている。そして、ラインLよりも手前側の領域では、トラックTr1〜Tr2の弾性波が伝搬するように各電極指22が形成されており、一方ラインLよりも奥側の領域では、トラックTr5〜Tr6の弾性波が伝搬するように構成されている。尚、以下の例について、既述の図1と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略している。
トラックTr5におけるピッチPTr5は、トラックTr6におけるピッチPTr6よりも大きくなっており、この例ではピッチPTr1と同じ寸法となっている。またピッチPTr6は、ピッチPTr1よりも小さく、且つピッチPTr2以上となっている。この例では、PTr1(PTr5):PTr6=1:0.8〜1:0.98となっている。また、寸法D2は、開口長Wの0.5〜3%となっている。
図9は、このフィルタにおけるピッチPを概略的に纏めたグラフである。図9からも分かるように、この例では、トラックTr1におけるピッチPTr1からトラックTr2におけるピッチPTr2までピッチPが小さくなるように各電極指22が配置された領域と、トラックTr5におけるピッチPTr5からトラックTr6におけるピッチPTr6までピッチPが小さくなるように各電極指22が配置された領域とが弾性波の伝搬方向に対して直交する方向において互いに隣接して(重なり合うように)配置されている。そして、これら領域の間(ラインL)において、互いに隣接する電極指22同士が接続されている。
このようにフィルタを構成することにより、通過域における低周波数側の屈折や回折を抑制することができるので、既述の例と同様の効果が得られる。この場合であっても、トラックTr6について、通過域の上端周波数に対応するトラックTr2と同じピッチPTr2に設定しても良い。
更に、図10は、既述の図1のフィルタと、図7のフィルタとを組み合わせて一つのフィルタを構成した例を示している。即ち、図11にも示すように、ラインLは、手前側のバスバー21に対して寸法D1だけ奥側に離間した位置と、奥側のバスバー21に対して寸法D2だけ手前側に離間した位置と、の2箇所に形成されている。そして、これらラインLよりもバスバー21側には、図12に示すように、既に説明したように、通過域における一部(高周波数側及び低周波数側)の帯域に対応するピッチPの弾性波が伝搬するように構成されている。
この場合には、通過域における高周波数側及び低周波数側のいずれについても屈折や回折を抑制できるので、更に良好な周波数特性が得られる。
以上の各例では、ラインLよりもバスバー21寄りの領域における電極指22について、当該ラインLを挟んで反対側の領域における電極指22とテーパー角度を揃えたが、これら領域においてテーパー角度を個別に設定しても良い。図13は、図1及び図2の構成において、寸法D1を短くすることにより、ラインLよりも手前側では、ラインLよりも奥側の領域と比べて、テーパー角度を小さく設定した(寝せた)例を示している。また、図2よりも寸法D1を長めに設定することにより、テーパー角度を急峻に設定しても良い。
また、図14は、図1及び図2の構成において、ラインLよりも手前側の領域では、弾性波の伝搬方向に直交する方向において、ピッチPをPTr2〜PTr3の間で連続的に変化させながら、電極指22の幅寸法h1及び互いに隣接する電極指22、22間の離間寸法h2を調整した例を示している。即ち、ラインLよりも手前側では、図15に示すように、電極指22の幅寸法h1を一定の値に設定している。従って、ラインLよりも手前側では、前記離間寸法h2は、奥側から手前側に向かうにつれて連続的に広がっている。
以上説明した各例では、入力側IDT電極11及び出力側IDT電極12を互いに同じ構成にしたが、これらIDT電極11、12間で互いに異なる構成にしても良い。図16は、このような一例について、ピッチPについての分布図を示したものであり、入力側IDT電極11は、既述の図1に示した構成を採っている。出力側IDT電極12については、ラインLよりも奥側では入力側IDT電極11と同じ配置レイアウトで電極指22が配置されており、一方ラインLよりも手前側では、ピッチPは通過域の上端周波数に対応するピッチPTr2に一様に設定されており、従ってこの出力側IDT電極12は既述の特許文献1に記載の構成に相当する。
この場合であっても、既述の各例と同様の効果が得られる。
以上の各トラックTr3〜Tr6におけるピッチPの範囲について纏めると、PTr1>PTr3≧PTr2、PTr1≧PTr4>PTr2、PTr4>PTr3である。また、PTr1>PTr6≧PTr2、PTr1≧PTr5>PTr2、PTr5>PTr6である。
1 圧電基板
11 入力側IDT電極
12 出力側IDT電極
22 電極指
P ピッチ
Tr トラック

Claims (4)

  1. 通過域における低周波数側のトラックTr1から高周波数側のトラックTr2までに亘って波長の互いに異なる弾性波が圧電基板上を伝搬するように入力側電極における電極指群及び出力側電極における電極指群を各々テーパー状に形成した弾性波フィルタにおいて、
    前記入力側電極及び前記出力側電極は、
    弾性波の伝搬方向に沿って各々伸びるように、且つ弾性波の伝搬方向に対して直交する方向に互いに離間するように配置された一対のバスバーと、これらバスバー間において互いに交差するように各々のバスバーから対向するバスバーに向かって櫛歯状に伸び出す複数の電極指とを各々備え、
    前記電極指の幅寸法及び互いに隣接する電極指同士の間の離間寸法からなる、圧電基板上を伝搬する弾性波の波長を周期長Pとすると、前記入力側IDT電極及び前記出力側IDT電極の少なくとも一方は、以下の(1)及び(2)の少なくとも一方の構成を備えたことを特徴とする弾性波フィルタ。
    (1)トラックTr1における周期長PTr1からトラックTr2における周期長PTr2まで周期長Pが小さくなるように各々の電極指が配置された領域と、トラックTr3における周期長PTr3からトラックTr4における周期長PTr4まで周期長Pが大きくなるように各々の電極指が配置された領域とが、トラックTr2とトラックTr3とが互いに隣接するように配置されると共に、これら領域間において対向する電極指同士が互いに接続されている構成。ただし、PTr1≧PTr4>PTr3=PTr2となっている。
    (2)トラックTr1における周期長PTr1からトラックTr2における周期長PTr2まで周期長Pが小さくなるように各々の電極指が配置された領域と、トラックTr5における周期長PTr5からトラックTr6における周期長PTr6まで周期長Pが小さくなるように各々の電極指が配置された領域とが、トラックTr1とトラックTr5とが互いに隣接するように配置されると共に、これら領域間において対向する電極指同士が互いに接続されている構成。ただし、PTr1=PTr5>PTr6≧PTr2となっている。
  2. 前記(1)の構成を備え、
    一対のバスバー間の寸法を開口長Wと呼ぶと、前記圧電基板上におけるトラックTr3とトラックTr4との間の離間寸法D1は、
    3≧D1÷W×100
    となっていることを特徴とする請求項1に記載の弾性波フィルタ。
  3. 前記(2)の構成を備え、
    一対のバスバー間の寸法を開口長Wと呼ぶと、前記圧電基板上におけるトラックTr5とトラックTr6との間の離間寸法D2は、
    3≧D2÷W×100
    となっていることを特徴とする請求項1または2に記載の弾性波フィルタ。
  4. 前記入力側IDT電極及び前記出力側IDT電極は、前記(1)の構成及び前記(2)の構成の少なくとも一方の構成を各々備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の弾性波フィルタ。
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