JP2014192066A - アルカリ電池用電解液及びアルカリ電池 - Google Patents

アルカリ電池用電解液及びアルカリ電池 Download PDF

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Abstract

【課題】充放電サイクルによる亜鉛の形状変化、デンドライト形成をより効果的に抑制し、更に、副反応により生じる水素ガスの発生を抑制し得るアルカリ電池用電解液及びアルカリ電池を提供する。
【解決手段】アルカリ電池用電解液は、分子内の炭素の数が2個以上であり、かつ、ヒドロキシル基の数が1個以上である有機物と、アルカリ金属からなるカチオンを含む塩と、を含む。
アルカリ電池は、正極と、負極と、アルカリ電池用電解液とを備える。アルカリ電池用電解液が、分子内の炭素の数が2個以上であり、かつ、ヒドロキシル基の数が1個以上である有機物と、アルカリ金属からなるカチオンを含む塩と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、アルカリ電池用電解液及びアルカリ電池に関する。更に詳細には、本発明は、例えば、空気−亜鉛二次電池やニッケル−亜鉛二次電池などのアルカリ二次電池に代表されるアルカリ電池に適用されるアルカリ電池用電解液に関する。
近年、大気汚染や地球温暖化に対処するため、二酸化炭素排出量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)などの導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵となるモータ駆動用二次電池の開発が盛んに行われている。モータ駆動用二次電池としては、高いエネルギー密度を有するリチウムイオン二次電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。しかしながら、電気自動車では、ガソリン自動車並みの性能とともに、1充電当たりの航続距離がガソリン自動車に匹敵することが求められており、従来のリチウムイオン二次電池の技術的改善では、目標到達が非常に難しいことが指摘されている。そこで、リチウムイオン二次電池を凌駕するより高いエネルギー密度化を実現し得る電池として、金属空気電池が注目を浴びている。
ところが、金属空気電池は、充放電サイクルの寿命が非常に短いという問題点がある。例えば、水系電解液を用いた亜鉛空気電池においては、充放電サイクルの寿命が短い原因として、副反応により生じる水素ガスの発生、亜鉛の析出時に発生するデンドライトや形状変化が指摘されている。
従来、亜鉛の形状変化を抑制することを目的として、電解液にメタノールを添加することが提案されている(非特許文献1参照。)。
M.A.Dzieciuch,et al.,"Rechargeable Cells with Modified MnO2 Cathodes" Journal of The Electrochemical Society,135,10,(1988).
しかしながら、上記非特許文献1に記載の二酸化マンガン−亜鉛二次電池にあっては、電解液にメタノールを添加することで亜鉛の形状変化を抑制することができているものの、メタノールの添加による水素ガスの発生の抑制については何ら記載されていない。そこで、本発明者らが、確認したところ、電解液にメタノールを添加すると水素ガスの発生が起こりやすくなっているという問題点もあった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明は、副反応により生じる水素ガスの発生を抑制し得るアルカリ電池用電解液及びアルカリ電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた。そして、その結果、分子内の炭素の数が2個以上であり、かつ、ヒドロキシル基の数が1個以上である有機物と、アルカリ金属からなるカチオンを含む塩とを含む構成とすることにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のアルカリ電池用電解液は、分子内の炭素の数が2個以上であり、かつ、ヒドロキシル基の数が1個以上である有機物と、アルカリ金属からなるカチオンを含む塩とを含む。
また、本発明のアルカリ電池は、正極と、負極と、アルカリ電池用電解液とを備え、アルカリ電池用電解液が、分子内の炭素の数が2個以上であり、かつ、ヒドロキシル基の数が1個以上である有機物と、アルカリ金属からなるカチオンを含む塩とを含む。
本発明によれば、分子内の炭素の数が2個以上であり、かつ、ヒドロキシル基の数が1個以上である有機物と、アルカリ金属からなるカチオンを含む塩とを含む構成とした。そのため、副反応により生じる水素ガスの発生を抑制し得るアルカリ電池用電解液及びアルカリ電池を提供することができる。
各例の試験セル又は電池を模式的に示す断面図である。 各例の水素過電圧測定結果を示すグラフである。 各例の充放電試験におけるサイクル特性評価結果を示すグラフである。 各例における充放電試験後の亜鉛負極表面の走査型電子顕微鏡写真である。 各例の亜鉛放電生成物の溶解性の評価結果を示すグラフである。 各例の亜鉛放電生成物の溶解性の評価結果を示すグラフである。
以下、本発明の一形態に係るアルカリ電池用電解液及びこれを用いたアルカリ電池について説明する。
まず、本発明の一形態に係るアルカリ電池用電解液について詳細に説明する。本形態のアルカリ電池用電解液は、分子内の炭素の数が2個以上であり、かつ、ヒドロキシル基の数が1個以上である有機物と、アルカリ金属からなるカチオンを含む塩とを含むものである。このような構成にすると、例えば、詳しくは後述する空気−亜鉛二次電池やニッケル−亜鉛二次電池などのアルカリ電池に適用したとき、充放電サイクルによる亜鉛の形状変化、デンドライト形成をより効果的に抑制し、更に、副反応により生じる水素ガスの発生を抑制することができる。その結果、アルカリ電池用電解液を適用したアルカリ電池は、長期の充放電サイクル特性を実現し得る。
現時点においては、以下のようなメカニズムにより、その効果が得られていると考えている。
充放電サイクルの寿命が非常に短い要因として、亜鉛の放電生成物の電解液への溶解性が非常に高いことに起因して、充放電サイクルを繰り返すと活物質の形状変化や表面の不活性化が起きて電池容量が低下すること、又は亜鉛のデンドライト形成によるショートが起こることなどが挙げられる。分子内の炭素の数が2個以上であり、かつ、ヒドロキシル基の数が1個以上である有機物を含有させると共に、アルカリ金属からなるカチオンを含む塩(無機塩)を含有させると、アルカリ電解液中で、無機塩はアルカリ金属からなるカチオンと、アニオンとに解離する。このとき、カチオンとアニオンのそれぞれに水分子が水和するため、アルカリ電解液中に存在する自由水の量が減少することとなる。また、アルカリ電解液中で、有機物も分子内のヒドロキシル基によって水分子が水和するため、アルカリ電解液中に存在する自由水の量が更に減少することとなる。これにより、亜鉛の放電反応により生成する亜鉛放電生成物に水和可能な電解液中の水分子が減少するため、亜鉛放電生成物の電解液中への溶解度が低減する。これにより充放電サイクルを繰り返しても、形状変化やデンドライト形成を抑制することができると考えられる。
更に、アルカリ電池用電解液においては、アルカリ電解液中の水の還元反応により水素ガスの発生が起こると考えられる。つまり、所定の有機物と所定の塩とを含有させることによって、自由水の量が減少し、水の還元反応が起こりにくくなるため、水素ガスの発生が抑制されると考えられる。
但し、上記のメカニズムはあくまでも推測に基づくものである。従って、上記のメカニズム以外のメカニズムにより上述のような効果が得られていたとしても、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
以下、各構成要素について詳細に説明する。
有機物としては、分子内の炭素の数が2個以上であり、かつ、ヒドロキシル基の数が1個以上であるものであれば、特に限定されるものではない。
例えば、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、2,3−ジメチル−1−ブタノール、2,2−ジメチル−1−ブタノール、3,3−ジメチル−1−ブタノールなどの1位の位置の炭素にヒドロキシル基が結合したアルコール等、2−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、2−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2−ヘキサノール、2−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、3,3−ジメチル−2−ブタノールなどの2位の位置の炭素にヒドロキシル基が結合したアルコール等、3−ペンタノール、3−ヘキサノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノールなどの3位の位置の炭素にヒドロキシル基が結合したアルコール等、シクロペンタノール、シクロペンチルメタノール、1−メチル−シクロヘキサノール、2−メチル−シクロヘキサノール、3−メチル−シクロヘキサノールなどのアルコールを挙げることができる。
二価アルコールや三価アルコールとしては、例えば、上述した一価アルコールの炭素に結合した水素をヒドロキシル基に置換した構造を有するものを挙げることができる。典型例としては、1,2−エタンジオール(エチレングリコール)、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3−プロパンジオール、1,2,3−プロパントリオール(グリセリン)などを挙げることができる。
更に、上記の低分子の有機物に限らず、分子内の炭素の数が2個以上であり、かつ、ヒドロキシル基の数が1個以上である高分子化合物や多価アルコールを適用することができ、例えば、ポリビニルアルコールを適用することもできる。
また、本形態のアルカリ電池用電解液における有機物としては、分子内の炭素の数が2個以上であり、かつ、ヒドロキシル基の数が1個以上である有機物において、更に、分子内の炭素の数に対するヒドロキシル基の数の比が1/3以上であることが好ましい。このような構成にすると、電解液中の水分子との相溶性が向上し、電解液中の自由水の量が減少するため、副反応により生じる水素ガスの発生をより抑制することが可能となる。その結果、アルカリ電池用電解液を適用したアルカリ電池は、より長期の充放電サイクル特性を実現し得る。
更に、本形態のアルカリ電池用電解液における有機物としては、分子内の炭素の数が10個より多く、かつ、ヒドロキシル基の数が1個以上である有機物において、更に、分子内の炭素の数に対するヒドロキシル基の数の比が1/3以上であることが好ましい。このような構成にすると、電解液中の水分子が有機物に水和することで電解液中の自由水の量が減少することにより、例えば、詳しくは後述する空気−亜鉛二次電池やニッケル−亜鉛二次電池などのアルカリ電池に適用したとき、亜鉛の放電生成物である亜鉛イオンの溶解を抑制することができる。その結果、充放電サイクルにより生じる亜鉛負極の形状変化やデンドライト形成を抑制し、充放電サイクル特性や充放電効率が向上する。分子内の炭素の数が10個より多く、かつ、ヒドロキシル基の数が1個以上である有機物において、更に、分子内の炭素の数に対するヒドロキシル基の数の比が1/3以上である有機物の具体的な好適例としては、ポリビニルアルコールなどを挙げることができる。
また、本形態のアルカリ電池用電解液における有機物としては、分子内の炭素の数が2個以上10個以下であり、かつ、ヒドロキシル基の数が1個以上である有機物において、更に、分子内の炭素の数に対するヒドロキシル基の数の比が2/3以上であることが好ましい。このような構成にすると、電解液中の水分子が有機物に水和することで電解液中の自由水の量が減少することにより、例えば、詳しくは後述する空気−亜鉛二次電池やニッケル−亜鉛二次電池などのアルカリ電池に適用したとき、亜鉛の放電生成物である亜鉛イオンの溶解を抑制することができる。その結果、充放電サイクルにより生じる亜鉛負極の形状変化やデンドライト形成を抑制し、充放電サイクル特性や充放電効率が向上する。更には、低分子量の有機物からなるため有機物の添加による電解液の粘度の上昇などを抑えることができるため、高いイオン伝導度を有する電解液とすることができる。このため、充放電のエネルギー効率も向上する。分子内の炭素の数が2個以上10個以下であり、かつ、ヒドロキシル基の数が1個以上である有機物において、更に、分子内の炭素の数に対するヒドロキシル基の数の比が2/3以上である有機物の具体的な好適例としては、1,2−エタンジオール(エチレングリコール)、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,2,3−プロパントリオール(グリセリン)などを挙げることができる。特に、1,2−エタンジオール(エチレングリコール)、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)を適用すると、アルカリ金属からなるカチオンを含む塩(無機塩)を含むアルカリ電池用電解液との相溶性が向上し、電解液中の有機物、無機塩の含有量を任意に変更することが可能となり、水素ガスの発生の抑制や形状変化の抑制に対して効果的に機能させることができるため好ましい。
更に、アルカリ電池用電解液における有機物の濃度としては、0.5〜7mol/L(以下「mol/L」を「M」と記載することがある。)であることが好ましい。0.5Mより低い濃度では、有機物の添加による亜鉛放電生成物の溶解性を制御する効果が殆ど得られないおそれがある。そのため、充放電のサイクルによる亜鉛の形状変化を抑制することができないおそれがある。また、7Mより高い濃度では、水酸化カリウムなどのアルカリ性化合物の溶解度が低下するために、高い伝導性を有する電解液の調製が困難となり、電池の内部抵抗が増加するおそれがある。
一方、本形態のアルカリ電池用電解液における塩としては、アルカリ金属からなるカチオンを含むものであれば、特に限定されるものではない。例えば、アルカリ金属からなるカチオンとしては、カリウムカチオン、ナトリウムカチオン、リチウムカチオンなどを挙げることができる。また、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、カリウムカチオンを含む塩は、アルカリ電池用電解液での溶解性が高いため、水素ガスの発生をより抑制することができる。その結果、アルカリ電池用電解液を適用したアルカリ電池は、より長期の充放電サイクル特性を実現し得る。また、自由水の量が減少することにより、例えば、詳しくは後述する空気−亜鉛二次電池やニッケル−亜鉛二次電池などのアルカリ電池に適用したとき、亜鉛の放電生成物である亜鉛イオンの溶解を抑制することができる。その結果、充放電サイクルにより生じる亜鉛負極の形状変化やデンドライト形成を抑制し、充放電サイクル特性や充放電効率が向上する。
また、本形態のアルカリ電池用電解液における塩を構成するアニオンとしては、アニオンの共役酸の状態で弱酸であるものが好ましい。このようなアニオンとしては、炭酸アニオン(CO 2−)やフッ素アニオン(F)、酢酸アニオン(CHCOO)を好適例として挙げることができる。しかしながら、これらに限定されるものではない。
更に、本形態のアルカリ電池用電解液における塩としては、有機物を含有するアルカリ電池用電解液への相溶性が高いという観点から、炭酸カリウム(KCO)を好適例として挙げることができる。しかしながら、これに限定されるものではない。有機物を含有するアルカリ電池用電解液への相溶性が高い塩である炭酸カリウム(KCO)を適用すると、水素ガスの発生を特に抑制することができる。その結果、このアルカリ電池用電解液を適用したアルカリ電池は、特に長期の充放電サイクル特性を実現し得る。また、自由水の量が減少することにより、例えば、詳しくは後述する空気−亜鉛二次電池やニッケル−亜鉛二次電池などのアルカリ電池に適用したとき、亜鉛の放電生成物である亜鉛イオンの溶解を抑制することができる。その結果、充放電サイクルにより生じる亜鉛負極の形状変化やデンドライト形成を抑制し、充放電サイクル特性や充放電効率が向上する。
更にまた、アルカリ電池用電解液における塩の濃度としては、0.06〜5Mであることが好ましく、0.24〜2.4Mであることがより好ましく、0.6〜2.4Mであることが更に好ましい。0.06Mより低い濃度では、塩の添加による水素ガスの発生抑制効果が殆ど得られないおそれがある。また、5Mより高い濃度では、添加量に見合う効果が得られないことがある。
次に、本発明の一形態に係るアルカリ電池について、アルカリ電池としてアルカリ二次電池を例に挙げて詳細に説明する。本形態のアルカリ二次電池は、正極と、負極と、上述した電解液とを備えるものである。このような構成にすると、例えば、空気−亜鉛二次電池やニッケル−亜鉛二次電池などのアルカリ二次電池に適用したとき、副反応により生じる水素ガスの発生を抑制することができる。その結果、長期の充放電サイクル特性を実現し得る。また、亜鉛の析出時に発生するデンドライト、亜鉛の形状変化を抑制し得るという副次的な効果を得ることも可能である。これらは、アルカリ電池の長期の充放電サイクル特性及び優れた充放電効率の実現に寄与し得る。なお、電解液は、電解液を保持し得る高分子材料に含浸されていてもよい。また、電解液が高分子材料に含浸されて、いわゆるゲル状電解質を形成している場合も本発明の範囲に含まれる。
以下、上述した電解液以外の各構成要素について詳細に説明する。
正極としては、炭素材料と酸素還元触媒と結着剤で構成された空気極や、オキシ水酸化ニッケルを主たる成分とする金属水酸化物と発泡ニッケルなどの集電体とで構成されたニッケル極などを好適例として挙げることができる。しかしながら、これらに限定されるものではなく、アルカリ二次電池の正極として用いられる従来公知の材料を適宜用いることができる。
負極としては、エネルギー密度や充放電効率、サイクル寿命を考慮すると、亜鉛及び亜鉛化合物(例えば酸化亜鉛など。)のいずれか一方又は双方を負極活物質として含むものであることが良い。しかしながら、これらに限定されるものではなく、アルカリ二次電池の負極として用いられる従来公知の材料を適宜用いることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明する。
(実施例1)
<電解液の作製(4M水酸化カリウム(KOH)+1.8Mプロピレングリコール+0.06M炭酸カリウム水溶液)>
4M水酸化カリウム(KOH)と、1.8Mプロピレングリコールと、0.06M炭酸カリウムの混合水溶液となるように、8M水酸化カリウム(KOH)水溶液、プロピレングリコール、炭酸カリウム及びイオン交換水を、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解液を得た。
<電気化学測定セルの組み付け(4M水酸化カリウム(KOH)+1.8Mプロピレングリコール+0.06M炭酸カリウム水溶液)>
まず、作用極を作製した。亜鉛板(厚さ:1mm)を所定の大きさに切り出し、表面をエタノールで洗浄して、本例で用いる作用極とした。次いで、対極を作製した。発泡ニッケルを集電体とし、これにオキシ水酸化ニッケルペーストを定着させ、成型して、本例で用いる対極とした。なお、Hg/HgO電極を参照電極とした。しかる後、これらを用いて、図1に示すような本例の試験セルを作製した。
すなわち、図1は試験セルを模式的に示した断面図である。1は作用極であり、2は対極であり、3は電解液であり、4は参照電極である。試験セルは、円筒形の躯体5の底部に作用極1を配置し、底部ホルダー6を締め付けて装着した。次いで、作用極1を装着した円筒形の躯体5の内部に電解液3を満たし、対極2と参照電極4を装着した蓋7を円筒形の躯体5に回転させ、装着し、組み立てた。
[水素過電圧測定]
水素過電圧測定は、試験セルの開回路電圧が安定するのを待って、電気化学測定システムを用い、開回路電圧から1mV/secの走査速度で−2.00V(対HgすらHgO、以下同様。)まで電位を走査する方法で行った。比較例1の−2.00Vでの水素発生による電流値を1として規格化したときの本例の電解液を用いた場合の水素発生の電流値の相対値を図2に示す。
(実施例2)
<電解液の作製(4M水酸化カリウム(KOH)+1.8Mプロピレングリコール+0.24M炭酸カリウム水溶液)>
4M水酸化カリウム(KOH)と、1.8Mプロピレングリコールと、0.24M炭酸カリウムの混合水溶液となるように、8M水酸化カリウム(KOH)水溶液、プロピレングリコール、炭酸カリウム及びイオン交換水を、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解液を得た。
<電気化学測定セルの組み付け(4M水酸化カリウム(KOH)+1.8Mプロピレングリコール+0.24M炭酸カリウム水溶液)>
実施例1の電解液に代えて、本例の電解液を使用した他は、実施例1と同様のセル構成とした。
[水素過電圧測定]
実施例1と同様の方法で水素過電圧測定を実施した。比較例1の−2.00Vでの水素発生による電流値を1として規格化したときの本例の電解液を用いた場合の水素発生の電流値の相対値を図2に示す。
(実施例3)
<電解液の作製(4M水酸化カリウム(KOH)+1.8Mプロピレングリコール+0.6M炭酸カリウム水溶液)>
4M水酸化カリウム(KOH)と、1.8Mプロピレングリコールと、0.6M炭酸カリウムの混合水溶液となるように、8M水酸化カリウム(KOH)水溶液、プロピレングリコール、炭酸カリウム及びイオン交換水を、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解液を得た。
<電気化学測定セルの組み付け(4M水酸化カリウム(KOH)+1.8Mプロピレングリコール+0.6M炭酸カリウム水溶液)>
実施例1の電解液に代えて、本例の電解液を使用した他は、実施例1と同様のセル構成とした。
[水素過電圧測定]
実施例1と同様の方法で水素過電圧測定を実施した。比較例1の−2.00Vでの水素発生による電流値を1として規格化したときの本例の電解液を用いた場合の水素発生の電流値の相対値を図2に示す。
(実施例4)
<電解液の作製(4M水酸化カリウム(KOH)+1.8Mプロピレングリコール+2.4M炭酸カリウム水溶液)>
4M水酸化カリウム(KOH)と、1.8Mプロピレングリコールと、2.4M炭酸カリウムの混合水溶液となるように、8M水酸化カリウム(KOH)水溶液、プロピレングリコール、炭酸カリウム及びイオン交換水を、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解液を得た。
<電気化学測定セルの組み付け(4M水酸化カリウム(KOH)+1.8Mプロピレングリコール+2.4M炭酸カリウム水溶液)>
実施例1の電解液に代えて、本例の電解液を使用した他は、実施例1と同様のセル構成とした。
[水素過電圧測定]
実施例1と同様の方法で水素過電圧測定を実施した。比較例1の−2.00Vでの水素発生による電流値を1として規格化したときの本例の電解液を用いた場合の水素発生の電流値の相対値を図2に示す。
(実施例5)
<電解液の作製(0.4M水酸化カリウム(KOH)+1.8Mプロピレングリコール+1.8M炭酸カリウム水溶液)>
0.4M水酸化カリウム(KOH)と、1.8Mプロピレングリコールと、1.8M炭酸カリウムの混合水溶液となるように、8M水酸化カリウム(KOH)水溶液、プロピレングリコール、炭酸カリウム及びイオン交換水を、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解液を得た。
<電池の作製(0.4M水酸化カリウム(KOH)+1.8Mプロピレングリコール+1.8M炭酸カリウム水溶液)>
まず、正極を作製した。発泡ニッケルを集電体とし、これにオキシ水酸化ニッケルペーストを定着させ、成型して、本例で用いる正極とした。次いで、負極を作製した。負極活物質としての亜鉛板(厚さ:1mm)を所定の大きさに切り出し、表面をエタノールで洗浄して、本例で用いる負極とした。なお、Hg/HgO電極を参照電極とした。しかる後、これらを用いて、図1に示すような本例の電池を作製した。
すなわち、図1は電池を模式的に示した断面図である。1は負極であり、2は正極であり、3は電解液であり、4は参照電極である。試験セルは、円筒形の躯体5の底部に負極1を配置し、底部ホルダー6を締め付けて装着した。次いで、負極1を装着した円筒形の躯体5の内部に電解液3を満たし、正極2と参照電極4を装着した蓋7を円筒形の躯体5に回転させ、装着し、組み立てた。
[充放電試験]
充放電試験は、電池の開回路電圧が安定するのを待って、電気化学測定システムを用い、−1.18V〜−1.46Vの電圧範囲、負極面積当たり5mA/cmの電流値で10分間の休止をはさみ、室温下、放電から開始して充放電試験を行った。放電容量に対する充電容量の割合から充放電効率を算出し、充放電効率が120%以上又は80%以下になるまで充放電試験のサイクルを繰り返した。図3に充放電試験のサイクル特性評価結果を示す。
[走査型電子顕微鏡観察]
上記充放電試験の後に、電池を解体し、亜鉛負極を取り出してイオン交換水で洗浄した。洗浄後に減圧下で亜鉛負極を乾燥し、走査型電子顕微鏡にて亜鉛負極表面の形状を観察した。走査型電子顕微鏡写真を図4(a)に示す。
(実施例6)
<電解液の作製(0.4M水酸化カリウム(KOH)+1.8Mエチレングリコール+1.8M炭酸カリウム水溶液)>
0.4M水酸化カリウム(KOH)と、1.8Mエチレングリコールと、1.8M炭酸カリウムの混合水溶液となるように、8M水酸化カリウム(KOH)水溶液、エチレングリコール、炭酸カリウム及びイオン交換水を、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解液を得た。
<電気化学測定セルの組み付け(0.4M水酸化カリウム(KOH)+1.8Mエチレングリコール+1.8M炭酸カリウム水溶液)>
実施例5の電解液に代えて、本例の電解液を使用した他は、実施例5と同様の電池構成とした。
[充放電試験]
実施例5と同様の方法で充放電試験を実施した。図3に充放電試験のサイクル特性評価結果を示す。
[走査型電子顕微鏡観察]
上記充放電試験の後に、電池を解体し、亜鉛負極を取り出してイオン交換水で洗浄した。洗浄後に減圧下で亜鉛負極を乾燥し、走査型電子顕微鏡にて亜鉛負極表面の形状を観察した。走査型電子顕微鏡写真を図4(b)に示す。
(実施例7)
<電解液の作製(4M水酸化カリウム(KOH)+14.5質量%ポリビニルアルコール+9.43質量%炭酸カリウム水溶液)>
ポリビニルアルコールとイオン交換水を混合し、90℃で1時間撹拌することで33質量%ポリビニルアルコール水溶液を調製した。そこに水酸化カリウム(KOH)と、炭酸カリウムを加えて90℃で撹拌混合し、本例の電解液を得た。
<電気化学測定セルの組み付け(4M水酸化カリウム(KOH)+14.5質量%ポリビニルアルコール+9.43質量%炭酸カリウム水溶液)>
実施例1の電解液に代えて、本例の電解液を使用した他は、実施例1と同様の電池構成とした。
[アノード分極試験(亜鉛放電生成物の溶解性評価)]
亜鉛のアノード反応(放電反応)は、反応時にZn(OH) 2−が中間可溶成分として生成し(下式[1])、反応の進行に伴い電極表面のZn(OH) 2−の濃度が上昇、飽和することによって、ZnOとして電極表面に析出する(下式[2])溶解析出反応である。そこで、亜鉛の放電生成物の溶解性の評価は、定電流アノード分極試験を行うことによって、下式[1]の反応時間を測定し、その時間を亜鉛放電生成物の溶解性として評価した。
Zn+4OH=Zn(OH) 2−+2e(E=−1.25V)・・・[1]
Zn(OH) 2−=ZnO+HO+2OH・・・[2]
具体的なアノード分極試験は、試験セルの開回路電圧が安定するのを待って、電気化学測定システムを用い、2.5mAの定電流でアノード分極を行い、作用極の電位が−1.18V(対Hg/HgO)となった時点で試験を終了し、その時点までの時間を測定した。比較例1の電解液でのアノード分極試験から算出した亜鉛放電生成物の溶解性を1とした場合の、本例の亜鉛放電生成物の溶解性の評価結果を図5に示す。
(実施例8)
<電解液の作製(0.5M水酸化カリウム(KOH)+14.5質量%ポリビニルアルコール水溶液+9.43質量%炭酸カリウム水溶液)>
ポリビニルアルコールとイオン交換水を混合し、90℃で1時間撹拌することで33質量%ポリビニルアルコール水溶液を調製した。そこに水酸化カリウム(KOH)と、炭酸カリウムを加えて90℃で撹拌混合し、本例の電解液を得た。
<電気化学測定セルの組み付け(0.5M水酸化カリウム(KOH)+14.5質量%ポリビニルアルコール水溶液+9.43質量%炭酸カリウム水溶液)>
実施例1の電解液に代えて、この電解液を使用した以外は、実施例1と同様のセル構成とした。
[アノード分極試験(亜鉛放電生成物の溶解性評価)]
0.25mAの定電流でアノード分極試験を実施した以外は実施例7と同様の方法とした。比較例7の電解液でのアノード分極試験から算出した亜鉛放電生成物の溶解性を1とした場合の、本例の亜鉛放電生成物の溶解性の評価結果を図6に示す。
(比較例1)
<電解液の作製(4M水酸化カリウム(KOH)水溶液)>
4M水酸化カリウム(KOH)の水溶液となるように、8M水酸化カリウム(KOH)水溶液及びイオン交換水を、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解液を得た。
<電気化学測定セルの組み付け(4M水酸化カリウム(KOH)水溶液)>
実施例1の電解液に代えて、本例の電解液を使用した他は、実施例1と同様のセル構成とした。
[水素過電圧測定]
実施例1と同様の方法で水素過電圧測定を実施した。比較例1の−2.00Vでの水素発生による電流値を1(規格値)とした。規格値を図2に示す。
[アノード分極試験(亜鉛放電生成物の溶解性評価)]
実施例7と同様の方法でアノード分極試験を実施した。アノード分極試験から算出した亜鉛放電生成物の溶解性の評価結果を図5に示す。
(比較例2)
<電解液の作製(4M水酸化カリウム(KOH)+1.8Mプロピレングリコール水溶液)>
4M水酸化カリウム(KOH)と、1.8Mプロピレングリコールの混合水溶液となるように、8M水酸化カリウム(KOH)水溶液、プロピレングリコール及びイオン交換水を、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解液を得た。
<電気化学測定セルの組み付け(4M水酸化カリウム(KOH)+1.8Mプロピレングリコール水溶液)>
実施例1の電解液に代えて、本例の電解液を使用した他は、実施例1と同様のセル構成とした。
[水素過電圧測定]
実施例1と同様の方法で水素過電圧測定を実施した。比較例1の−2.00Vでの水素発生による電流値を1として規格化したときの本例の電解液を用いた場合の水素発生の電流値の相対値を図2に示す。
(比較例3)
<電解液の作製(4M水酸化カリウム(KOH)+0.06M炭酸カリウム水溶液)>
4M水酸化カリウム(KOH)と、0.06M炭酸カリウムの混合水溶液となるように、8M水酸化カリウム(KOH)水溶液、炭酸カリウム及びイオン交換水を、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解液を得た。
<電気化学測定セルの組み付け(4M水酸化カリウム(KOH)+0.06M炭酸カリウム水溶液)>
実施例1の電解液に代えて、本例の電解液を使用した他は、実施例1と同様のセル構成とした。
[水素過電圧測定]
実施例1と同様の方法で水素過電圧測定を実施した。比較例1の−2.00Vでの水素発生による電流値を1として規格化したときの本例の電解液を用いた場合の水素発生の電流値の相対値を図2に示す。
(比較例4)
<電解液の作製(4M水酸化カリウム(KOH)+0.24M炭酸カリウム水溶液)>
4M水酸化カリウム(KOH)と、0.24M炭酸カリウムの混合水溶液となるように、8M水酸化カリウム(KOH)水溶液、炭酸カリウム及びイオン交換水を、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解液を得た。
<電気化学測定セルの組み付け(4M水酸化カリウム(KOH)+0.24M炭酸カリウム水溶液)>
実施例1の電解液に代えて、本例の電解液を使用した他は、実施例1と同様のセル構成とした。
[水素過電圧測定]
実施例1と同様の方法で水素過電圧測定を実施した。比較例1の−2.00Vでの水素発生による電流値を1として規格化したときの本例の電解液を用いた場合の水素発生の電流値の相対値を図2に示す。
(比較例5)
<電解液の作製(4M水酸化カリウム(KOH)+0.6M炭酸カリウム水溶液)>
4M水酸化カリウム(KOH)と、0.6M炭酸カリウムの混合水溶液となるように、8M水酸化カリウム(KOH)水溶液、炭酸カリウム及びイオン交換水を、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解液を得た。
<電気化学測定セルの組み付け(4M水酸化カリウム(KOH)+0.6M炭酸カリウム水溶液)>
実施例1の電解液に代えて、本例の電解液を使用した他は、実施例1と同様のセル構成とした。
[水素過電圧測定]
実施例1と同様の方法で水素過電圧測定を実施した。比較例1の−2.00Vでの水素発生による電流値を1として規格化したときの本例の電解液を用いた場合の水素発生の電流値の相対値を図2に示す。
(比較例6)
<電解液の作製(4M水酸化カリウム(KOH)+2.4M炭酸カリウム水溶液)>
4M水酸化カリウム(KOH)と、2.4M炭酸カリウムの混合水溶液となるように、8M水酸化カリウム(KOH)水溶液、炭酸カリウム及びイオン交換水を、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解液を得た。
<電気化学測定セルの組み付け(4M水酸化カリウム(KOH)+2.4M炭酸カリウム水溶液)>
実施例1の電解液に代えて、本例の電解液を使用した他は、実施例1と同様のセル構成とした。
[水素過電圧測定]
実施例1と同様の方法で水素過電圧測定を実施した。比較例1の−2.00Vでの水素発生による電流値を1として規格化したときの本例の電解液を用いた場合の水素発生の電流値の相対値を図2に示す。
(比較例7)
<電解液の作製(0.4M水酸化カリウム(KOH)水溶液)>
0.4M水酸化カリウム(KOH)水溶液となるように、8M水酸化カリウム(KOH)水溶液及びイオン交換水を、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解液を得た。
<電池の作製(0.4M水酸化カリウム(KOH)水溶液)>
実施例5の電解液に代えて、本例の電解液を使用した他は、実施例5と同様の電池構成とした。
[充放電試験]
実施例5と同様の方法で充放電試験を実施した。図3に充放電試験のサイクル特性評価結果を示す。
[アノード分極試験(亜鉛放電生成物の溶解性評価)]
実施例8と同様の方法でアノード分極試験を実施した。アノード分極試験から算出した亜鉛放電生成物の溶解性の評価結果を図6に示す。
[走査型電子顕微鏡観察]
上記充放電試験の後に、電池を解体し、亜鉛負極を取り出してイオン交換水で洗浄した。洗浄後に減圧下で亜鉛負極を乾燥し、走査型電子顕微鏡にて亜鉛負極表面の形状を観察した。走査型電子顕微鏡写真を図4(c)に示す。
(比較例8)
<電解液の作製(0.4M水酸化カリウム(KOH)+1.8Mメタノール水溶液)>
0.4M水酸化カリウム(KOH)と、1.8Mメタノールの混合水溶液となるように、8M水酸化カリウム(KOH)水溶液、メタノール及びイオン交換水を、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解液を得た。
<電池の作製(0.4M水酸化カリウム(KOH)+1.8Mメタノール水溶液)>
実施例5の電解液に代えて、本例の電解液を使用した他は、実施例5と同様の電池構成とした。
[充放電試験]
実施例5と同様の方法で充放電試験を実施した。図3に充放電試験のサイクル特性評価結果を示す。
(比較例9)
<電解液の作製(0.4M水酸化カリウム(KOH)+1.8Mプロピレングリコール水溶液)>
0.4M水酸化カリウム(KOH)と、1.8Mプロピレングリコールの混合水溶液となるように、8M水酸化カリウム(KOH)水溶液、プロピレングリコール及びイオン交換水を、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解液を得た。
<電池の作製(0.4M水酸化カリウム(KOH)+1.8Mプロピレングリコール水溶液)>
実施例5の電解液に代えて、本例の電解液を使用した他は、実施例5と同様の電池構成とした。
[充放電試験]
実施例5と同様の方法で充放電試験を実施した。図3に充放電試験のサイクル特性評価結果を示す。
図2の水素発生電流値の相対値(4M水酸化カリウム(KOH)のみの水溶液での水素発生電流(−2.0Vvs.Hg/HgO)を1として規格化したときの相対値)を比較すると、本発明の範囲に属する実施例1〜実施例4の電解液は、本発明外の比較例1〜比較例6の電解液に比べて水素発生の電流値が小さいことが分かる。なお、各例の標記上に付された数値は、炭酸カリウム(KCO)の濃度(M)を意味する。この結果から、亜鉛の腐食反応(自己放電)や充電時の副反応である水素ガス発生反応を抑制し、放電容量及び充放電効率の低下を効果的に抑制すると考えられる。この結果が、図3において優れたサイクル特性を示している理由の一つとなっていると考えられる。
また、図3の充放電試験のサイクル特性評価結果から、本発明の範囲に属する実施例5及び実施例6の電解液は、本発明外の比較例7(0.4M水酸化カリウム(KOH)のみの水溶液である電解液)や比較例8(0.4M水酸化カリウム(KOH)+1.8Mメタノール水溶液である電解液)、比較例9(0.4M水酸化カリウム(KOH)+1.8Mプロピレングリコール水溶液である電解液)に比べて優れたサイクル特性を示すことが分かる。
更に、走査型電子顕微鏡による充放電試験後の亜鉛負極表面を観察結果から、本発明の範囲に属する電解液を用いた例である実施例5における走査型電子顕微鏡写真である図4(a)及び実施例6における走査型電子顕微鏡写真である図4(b)は、本発明外の電解液を用いた例である比較例7における走査型電子顕微鏡写真である図4(c)と比較したとき、充放電試験による亜鉛負極表面の形状の変化が効果的に抑制されていることが分かる。
更にまた、図5、図6のアノード分極試験による亜鉛放電生成物の溶解性評価の結果から、本発明の範囲に属する実施例7、8の電解液は、本発明外の比較例1、比較例7の電解液に比べて亜鉛放電生成物の溶解性を効果的に制御していることが分かる。
以上、本発明を若干の形態及び実施例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上述した実施例においては、アルカリ電池として、ニッケル−亜鉛二次電池を例に挙げて説明したが、空気−亜鉛二次電池などに本発明を適用することもできる。
また、例えば、上述した各形態や実施例に記載した構成は、各形態や実施例毎に限定されるものではなく、例えば、各実施形態の構成を上述した各実施形態以外の組み合わせにしたり、正極、負極、電解液などの細部を変更したりすることができる。
1 作用極(又は負極)
2 対極(又は正極)
3 電解液
4 参照電極
5 躯体
6 底部ホルダー
7 蓋

Claims (8)

  1. 分子内の炭素の数が2個以上であり、かつ、ヒドロキシル基の数が1個以上である有機物と、
    アルカリ金属からなるカチオンを含む塩と、を含む
    ことを特徴とするアルカリ電池用電解液。
  2. 上記有機物における分子内の炭素の数に対するヒドロキシル基の数の比が1/3以上であることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ電池用電解液。
  3. 上記有機物における分子内の炭素の数が10個より多いことを特徴とする請求項2に記載のアルカリ電池用電解液。
  4. 上記有機物における分子内の炭素の数が2個以上10個以下であり、かつ、分子内の炭素の数に対するヒドロキシル基の数の比が2/3以上であることを特徴とする請求項2に記載のアルカリ電池用電解液。
  5. 上記アルカリ金属からなるカチオンが、カリウムカチオンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載のアルカリ電池用電解液。
  6. 上記塩のアニオンが、その共役酸の状態で弱酸であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載のアルカリ電池用電解液。
  7. 上記塩が、炭酸カリウムであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載のアルカリ電池用電解液。
  8. 正極と、負極と、アルカリ電池用電解液とを備え、
    上記アルカリ電池用電解液が、分子内の炭素の数が2個以上であり、かつ、ヒドロキシル基の数が1個以上である有機物と、
    アルカリ金属からなるカチオンを含む塩と、を含む
    ことを特徴とするアルカリ電池。
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