JP2014191274A - レーザ光源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光検知装置や温度制御手段等を用いることなく、波長変換素子を適切な波長変換効率の温度に保ち、安定した光出力を可能とすること。
【解決手段】半導体レーザ2をオンにし、ヒータ7をオンにして波長変換素子5を加熱する。半導体レーザ2から放射されたレーザ光は波長変換素子5で波長変換され、この波長変換光は基本波光反射素子4、ハーフミラー10を介して出射する。ハーフミラー10により反射される上記波長変換光の一部は、上記波長変換素子5に取り付けられた光吸収面5aに照射され波長変換素子5を加熱する。波長変換素子5の温度が、その変換効率が最大となる温度以上に上昇したらヒータ7による加熱を停止する。波長変換素子5の温度は、波長変換光の増減に伴う、光吸収面5aに照射される光による加熱量の増減により、波長変換効率が最も高い温度近傍に落ち着き、安定な変換光出力が得られる。
【選択図】 図1
【解決手段】半導体レーザ2をオンにし、ヒータ7をオンにして波長変換素子5を加熱する。半導体レーザ2から放射されたレーザ光は波長変換素子5で波長変換され、この波長変換光は基本波光反射素子4、ハーフミラー10を介して出射する。ハーフミラー10により反射される上記波長変換光の一部は、上記波長変換素子5に取り付けられた光吸収面5aに照射され波長変換素子5を加熱する。波長変換素子5の温度が、その変換効率が最大となる温度以上に上昇したらヒータ7による加熱を停止する。波長変換素子5の温度は、波長変換光の増減に伴う、光吸収面5aに照射される光による加熱量の増減により、波長変換効率が最も高い温度近傍に落ち着き、安定な変換光出力が得られる。
【選択図】 図1
Description
本願発明は、非線形光学結晶を用いた波長変換型のレーザ光源に関する。更に詳しくは、非線形光学結晶を用いた波長変換型のレーザ光源において、該非線形光学結晶の温度制御に特徴を持つレーザ光源装置に関するものである。
映画やホームシアター用等に利用される投射型プロジェクタの光源としてレーザ光を用いた装置の開発が進められている。これらの光源となるレーザ光源には、半導体レーザ素子から直接放射される光を用いる場合と、該半導体レーザ素子から放射された光を非線形光学結晶により他の波長に変換して用いる場合とが知られている。
最近では、青色や緑色のレーザ光源として該非線形光学結晶に、周期的分極反転型ニオブ酸リチウム(PPLN:Periodically Poled Lithium Niobate)や周期分極反転型タンタル酸リチウム(PPLT:Periodically Poled Lithium Tantalate)等を用いたレーザ光源が開発されている。中でも、周期的分極反転型ニオブ酸リチウム(PPLN)を用いたレーザ光源装置は、該PPLNが可視光領域での変換効率が高く、該PPLN自身の製造が容易で大量生産に向いているといった点から、良く知られている。
最近では、青色や緑色のレーザ光源として該非線形光学結晶に、周期的分極反転型ニオブ酸リチウム(PPLN:Periodically Poled Lithium Niobate)や周期分極反転型タンタル酸リチウム(PPLT:Periodically Poled Lithium Tantalate)等を用いたレーザ光源が開発されている。中でも、周期的分極反転型ニオブ酸リチウム(PPLN)を用いたレーザ光源装置は、該PPLNが可視光領域での変換効率が高く、該PPLN自身の製造が容易で大量生産に向いているといった点から、良く知られている。
このような技術としては、例えば特許文献1に記載のものが知られている。該公報によれば、半導体レーザからなる光源と、該光源から放射されたレーザ光を入射し第2高調波に変換する波長変換素子(非線形光学結晶として、例えばPPLNを用いた場合)と、該波長変換素子から放出された所定の波長の光を選択して前記光源に向かって反射させる外部共振器(例えば体積ブラッググレーティング:VBG:Volume Bragg Grating)とを具備したレーザ光源装置が記載されている。また、該波長変換素子を取り付けるサブベースとの間には温度調節ユニットが設けられていることが記載されている。更に、該温度調節ユニットを用いて該波長変換素子の温度を調節することにより、波長変換素子の分極反転周期のピッチを調整することができるため、光の変換効率を向上させることが可能となることが記載されている。
図9はレーザ光源装置の概略構成を示すブロック図である。
レーザ光源ユニットLH上に実装された波長変換素子(例えばPPLN)5は、レーザ光源素子(例えば半導体レーザ、以下半導体レーザとして説明する)2から放出される光の波長を入射光よりも短波長化する波長変換を行う機能を有しており、例えば、赤外線を緑色の光に変換することができる。
点灯回路20は、給電回路U1と、パルス状の電力を供給するパルス回路U2から構成され、半導体レーザ2を点灯させるための電圧・電流を供給する。
この波長変換素子5は、所定の温度まで上昇させることで擬似位相整合され光変換の効率を上昇させる特徴を持ち、非常に精度の良い温度制御が必要となる。そのため、波長変換素子5を加熱するための加熱手段7(以下、ヒータ7として説明する)を備え、ヒータ7の温度を検出する温度検出手段Th1、例えばサーミスタを配置している。
レーザ光源ユニットLH上に実装された波長変換素子(例えばPPLN)5は、レーザ光源素子(例えば半導体レーザ、以下半導体レーザとして説明する)2から放出される光の波長を入射光よりも短波長化する波長変換を行う機能を有しており、例えば、赤外線を緑色の光に変換することができる。
点灯回路20は、給電回路U1と、パルス状の電力を供給するパルス回路U2から構成され、半導体レーザ2を点灯させるための電圧・電流を供給する。
この波長変換素子5は、所定の温度まで上昇させることで擬似位相整合され光変換の効率を上昇させる特徴を持ち、非常に精度の良い温度制御が必要となる。そのため、波長変換素子5を加熱するための加熱手段7(以下、ヒータ7として説明する)を備え、ヒータ7の温度を検出する温度検出手段Th1、例えばサーミスタを配置している。
また、制御部21は、制御手段21aと温度制御手段21bとドライブ回路U3から構成され、ヒータ7を駆動するドライブ回路U3は、上記温度制御手段21bにより駆動される。
上記給電回路U1は、制御部21の制御手段21aによって半導体レーザ2に印加する電圧や流す電流が、予め設定された値、あるいは外部から設定された値になるように制御される。また、その給電の開始、停止などの制御がなされる。上記制御部21の制御手段21aと温度制御手段21bは、例えば演算処理装置(CPUあるいはマイクロプロセッサ)で構成される。
上記給電回路U1は、制御部21の制御手段21aによって半導体レーザ2に印加する電圧や流す電流が、予め設定された値、あるいは外部から設定された値になるように制御される。また、その給電の開始、停止などの制御がなされる。上記制御部21の制御手段21aと温度制御手段21bは、例えば演算処理装置(CPUあるいはマイクロプロセッサ)で構成される。
また、パルス回路U2は制御部21によって制御される。制御部21は、パルス回路U2のスイッチング素子をオン・オフし、半導体レーザ2を駆動するパルス出力を発生する。制御部21に設けられた温度制御手段21bは温度検出手段Th1により検出された温度と、目標温度である設定温度との差に基づき上記ヒータ7への給電量を制御し、波長変換素子の温度が上記設定温度になるようにフィードバック制御する。
なお、波長変換素子5(例えばPPLN)は、該波長変換素子の温度によってレーザ光の変換効率が変化し、光変換効率を最大とすることができる最適な温度が存在する。
このため上記温度制御手段21bは、温度検出手段Th1により検出された波長変換素子5の温度が、上記光変換効率が最大となる温度となるように、ヒータ7を制御してその温度を制御するのが一般的である。
なお、波長変換素子5(例えばPPLN)は、該波長変換素子の温度によってレーザ光の変換効率が変化し、光変換効率を最大とすることができる最適な温度が存在する。
このため上記温度制御手段21bは、温度検出手段Th1により検出された波長変換素子5の温度が、上記光変換効率が最大となる温度となるように、ヒータ7を制御してその温度を制御するのが一般的である。
上述したように、レーザ光源装置においては、波長変換素子の温度を温度調整ユニット(温度制御手段)によって調整しているが、該波長変換素子は温度によってレーザ光の変換効率が変化することから、波長変換素子の光出力をモニターしながら最適な温度を設定しなければならず、設定工程が煩雑であるばかりか、光検出装置等が必要となる。
波長変換素子の光出力のモニターには、フォトダイオード等の光検知装置が用いられるが、光検出装置自身の寿命や劣化に伴う校正や交換が必要といった問題があった。また、該光検知装置を該レーザ光源装置に組み込めば装置全体として複雑で大型化してしまう、といった問題があった。
一方、波長変換素子の温度は、周囲温度等に影響され、レーザ動作中に温度が変化すると、波長変換素子の変換効率が変わり最適な光出力が得られないことから、従来においては、前記したように温度調整ユニット(温度制御手段)を用いて、波長変換素子の温度が波長変換効率が最大となる温度に制御するのが一般的であり、装置構成が複雑化するといった問題もあった。
波長変換素子の光出力のモニターには、フォトダイオード等の光検知装置が用いられるが、光検出装置自身の寿命や劣化に伴う校正や交換が必要といった問題があった。また、該光検知装置を該レーザ光源装置に組み込めば装置全体として複雑で大型化してしまう、といった問題があった。
一方、波長変換素子の温度は、周囲温度等に影響され、レーザ動作中に温度が変化すると、波長変換素子の変換効率が変わり最適な光出力が得られないことから、従来においては、前記したように温度調整ユニット(温度制御手段)を用いて、波長変換素子の温度が波長変換効率が最大となる温度に制御するのが一般的であり、装置構成が複雑化するといった問題もあった。
本発明は上記問題点を解決するものであって、本発明の課題は、フォトダイオード等の光検知装置や、波長変換素子の温度調節を行うための複雑な装置等を用いることなく、波長変換素子を適切な波長変換効率の温度に保ち、安定した光出力を可能にしたレーザ光源装置を提供することである。
前記したように、一般的に波長変換素子は、ヒータ或いはペルチェ素子などの加熱/冷却手段を用い、温度調節手段により温度を制御する。
図10(a)は、前記したレーザ光を波長変換素子に入射して波長変換を行うレーザ光源装置において、ヒータで波長変換素子を加熱した場合の波長変換素子の温度に対する波長変換素子の光出力及びヒータへの給電エネルギーの関係を示す図である。同図横軸は波長変換素子(PPLN)の温度、縦軸はヒータ給電量/レーザ出力(同図の実線)と波長変換素子の光出力(同図の点線)である。
同図に示すように、通常、波長変換素子を加熱するヒータへの給電量(同図の実線)が上がるに伴い波長変換素子の温度は上昇する。一方、波長変換素子は、特定の温度Tcにおいて、波長変換効率(同図の点線)が最大となり、波長変換出力は最大となる。そして、波長変換効率が最大となる温度Tcを越えると、温度が上昇するに従い、波長変換効率が低下し、波長変換素子から出力させる変換光の強度も小さくなる。
図10(a)に示す例の場合、ヒータへの給電エネルギーが0.75Wのとき波長変換素子温度が90°Cとなり、そのときに波長変換素子の波長変換効率が最大となる。この場合、結果として4Wの波長変換出力が得られている。
図10(a)は、前記したレーザ光を波長変換素子に入射して波長変換を行うレーザ光源装置において、ヒータで波長変換素子を加熱した場合の波長変換素子の温度に対する波長変換素子の光出力及びヒータへの給電エネルギーの関係を示す図である。同図横軸は波長変換素子(PPLN)の温度、縦軸はヒータ給電量/レーザ出力(同図の実線)と波長変換素子の光出力(同図の点線)である。
同図に示すように、通常、波長変換素子を加熱するヒータへの給電量(同図の実線)が上がるに伴い波長変換素子の温度は上昇する。一方、波長変換素子は、特定の温度Tcにおいて、波長変換効率(同図の点線)が最大となり、波長変換出力は最大となる。そして、波長変換効率が最大となる温度Tcを越えると、温度が上昇するに従い、波長変換効率が低下し、波長変換素子から出力させる変換光の強度も小さくなる。
図10(a)に示す例の場合、ヒータへの給電エネルギーが0.75Wのとき波長変換素子温度が90°Cとなり、そのときに波長変換素子の波長変換効率が最大となる。この場合、結果として4Wの波長変換出力が得られている。
上記特性を持つ波長変換素子を用いたレーザ光源装置において、本発明者は、波長変換素子により変換された光の一部を波長変換素子に照射して、波長変換素子をその光で加熱することにより、前記した光検出装置、波長変換素子の温度を制御する温度調整ユニット(温度制御手段)等を用いることなく、波長変換素子温度を一定に保ち、安定した出力を得られることを見出した。これにより、複雑な制御回路が不要なレーザ光源装置を得ることができる。
すなわち、本発明においては、後述する図1に示すように、波長変換素子の側面(非光学面)に波長変換素子が出力する変換光のエネルギーを熱に変換し波長変換素子に伝える光吸収部材を配置する。
また、波長変換された光エネルギーの一部をハーフミラー等で波長変換素子側面(非光学面)に配置した上記光吸収部材に戻す。このとき、戻される光エネルギーの大きさは、波長変換効率が最大となる波長変換素子温度を維持するのに必要な波長変換素子の加熱に要するエネルギーよりも少し大きい程度になるように上記ハーフミラー等の反射率を設定する。
そして、まず、ヒータ、外部光源などの加熱手段を用いて、波長変換素子を変換効率が最大になる温度以上に波長変換素子を加熱し、半導体レーザダイオードを点灯する。
その後、上記ヒータ、外部光源などの波長変換素子を加熱する加熱手段による加熱を停止する。
また、波長変換された光エネルギーの一部をハーフミラー等で波長変換素子側面(非光学面)に配置した上記光吸収部材に戻す。このとき、戻される光エネルギーの大きさは、波長変換効率が最大となる波長変換素子温度を維持するのに必要な波長変換素子の加熱に要するエネルギーよりも少し大きい程度になるように上記ハーフミラー等の反射率を設定する。
そして、まず、ヒータ、外部光源などの加熱手段を用いて、波長変換素子を変換効率が最大になる温度以上に波長変換素子を加熱し、半導体レーザダイオードを点灯する。
その後、上記ヒータ、外部光源などの波長変換素子を加熱する加熱手段による加熱を停止する。
これにより、波長変換素子は以下のサイクルを繰り返し、波長変換素子の温度は光変換効率が最大となる温度Tcよりやや大きい値に保持される。前記図10(a)の一部を拡大した図10(b)を参照しながら説明する。
(1)波長変換素子をヒータ等の加熱手段により加熱し、その温度を波長変換素子の変換効率が最大となる温度Tcより高い温度T1まで加熱して、加熱手段による加熱を停止する。
(2)波長変換素子の温度は徐々に低下し(図10(b)のT1→T0)、これに伴い波長変換効率が向上し、波長変換素子の波長変換光の変換光出力が増加する。
(3)波長変換光の出力増加に伴い、ハーフミラーなどにより波長変換素子側面(非光学面)の光吸収部材に戻される光のエネルギーが増加し、波長変換素子の温度が上昇する(図10(b)の矢印A)。
(4)波長変換素子の温度が上昇すれば、波長変換効率が低下し、波長変換光出力が低下する。同時にハーフミラーなどにより波長変換素子側面(非光学面)の光吸収部材に戻されるエネルギーが徐々に低下し、波長変換素子温度が低下する(図10(b)の矢印B)。
上記(3)〜(4)のサイクルを繰り返すことにより、波長変換素子の温度はある一定の温度に達し、その後、一定の温度で安定する。このため、安定した波長変換光出力を得ることができる。なお、ハーフミラーの反射率の設定等にもよるが、波長変換素子の温度は変換効率が最大となる温度Tc近傍の温度Tcよりやや高い温度で一定にすることができる。
(1)波長変換素子をヒータ等の加熱手段により加熱し、その温度を波長変換素子の変換効率が最大となる温度Tcより高い温度T1まで加熱して、加熱手段による加熱を停止する。
(2)波長変換素子の温度は徐々に低下し(図10(b)のT1→T0)、これに伴い波長変換効率が向上し、波長変換素子の波長変換光の変換光出力が増加する。
(3)波長変換光の出力増加に伴い、ハーフミラーなどにより波長変換素子側面(非光学面)の光吸収部材に戻される光のエネルギーが増加し、波長変換素子の温度が上昇する(図10(b)の矢印A)。
(4)波長変換素子の温度が上昇すれば、波長変換効率が低下し、波長変換光出力が低下する。同時にハーフミラーなどにより波長変換素子側面(非光学面)の光吸収部材に戻されるエネルギーが徐々に低下し、波長変換素子温度が低下する(図10(b)の矢印B)。
上記(3)〜(4)のサイクルを繰り返すことにより、波長変換素子の温度はある一定の温度に達し、その後、一定の温度で安定する。このため、安定した波長変換光出力を得ることができる。なお、ハーフミラーの反射率の設定等にもよるが、波長変換素子の温度は変換効率が最大となる温度Tc近傍の温度Tcよりやや高い温度で一定にすることができる。
以上に基づき、本発明においては、以下のようにして前記課題を解決する。
(1)半導体レーザと、該レーザから放射されたレーザ光を波長変換する波長変換素子と、該波長変換素子を所定の温度まで加熱する加熱手段と、該半導体レーザを点灯する点灯回路と、からなるレーザ光源装置において、上記波長変換された光の一部を反射し上記波長変換素子に照射する反射手段と、該波長変換素子に取り付けられ、該反射手段により照射された光を熱に変換する光吸収手段とを設ける。
(2)上記(1)において、加熱手段で波長変換素子を所定温度まで加熱したのち加熱を停止し、上記反射手段で反射された光により波長変換素子を加熱して、該波長変換素子の温度をその波長変換効率が最大となる温度以上にする。
(3)上記(1)(2)において、上記波長変換素子を所定の温度まで加熱する加熱手段としてヒータを用いる。
(4)上記(1)(2)において、上記波長変換素子を所定の温度まで加熱する加熱手段として光源を用いる。
(5)上記(1)(2)(3)(4)において、前記波長変換素子は、周期的分極反転型ニオブ酸リチウムである。
(6)半導体レーザから放射されたレーザ光を波長変換素子に照射し、該波長変換素子により光波長変換された光を取り出すレーザ光源装置における波長変換素子の温度制御方法において、上記波長変換素子に、照射された光を熱に変換する光吸収手段を取り付け、上記波長変換素子を所定の温度まで加熱したのち加熱を停止し、上記波長変換素子により波長変換された光の一部を反射させて上記波長変換素子に取り付けられて光吸収手段に照射して、該波長変換素子の温度をその波長変換効率が最大となる温度以上にする。
(1)半導体レーザと、該レーザから放射されたレーザ光を波長変換する波長変換素子と、該波長変換素子を所定の温度まで加熱する加熱手段と、該半導体レーザを点灯する点灯回路と、からなるレーザ光源装置において、上記波長変換された光の一部を反射し上記波長変換素子に照射する反射手段と、該波長変換素子に取り付けられ、該反射手段により照射された光を熱に変換する光吸収手段とを設ける。
(2)上記(1)において、加熱手段で波長変換素子を所定温度まで加熱したのち加熱を停止し、上記反射手段で反射された光により波長変換素子を加熱して、該波長変換素子の温度をその波長変換効率が最大となる温度以上にする。
(3)上記(1)(2)において、上記波長変換素子を所定の温度まで加熱する加熱手段としてヒータを用いる。
(4)上記(1)(2)において、上記波長変換素子を所定の温度まで加熱する加熱手段として光源を用いる。
(5)上記(1)(2)(3)(4)において、前記波長変換素子は、周期的分極反転型ニオブ酸リチウムである。
(6)半導体レーザから放射されたレーザ光を波長変換素子に照射し、該波長変換素子により光波長変換された光を取り出すレーザ光源装置における波長変換素子の温度制御方法において、上記波長変換素子に、照射された光を熱に変換する光吸収手段を取り付け、上記波長変換素子を所定の温度まで加熱したのち加熱を停止し、上記波長変換素子により波長変換された光の一部を反射させて上記波長変換素子に取り付けられて光吸収手段に照射して、該波長変換素子の温度をその波長変換効率が最大となる温度以上にする。
本発明においては、以下の効果を得ることができる。
(1)波長変換素子により変換された光の一部を波長変換素子に照射して、波長変換素子をその光で加熱しているので、フォトダイオード等の光検知装置、及び、波長変換素子の温度調節を行うための温度制御手段等の複雑な回路等を使用することなく、波長変換素子の温度を適切な温度に保つことができ、安定した光出力を得ることができる。
(2)波長変換素子をプレヒートする加熱手段として光源を用いれば、ヒータや伝熱板等を用いることなく波長変換素子をプレヒートすることができ、装置構成を比較的簡単にすることができる。
(1)波長変換素子により変換された光の一部を波長変換素子に照射して、波長変換素子をその光で加熱しているので、フォトダイオード等の光検知装置、及び、波長変換素子の温度調節を行うための温度制御手段等の複雑な回路等を使用することなく、波長変換素子の温度を適切な温度に保つことができ、安定した光出力を得ることができる。
(2)波長変換素子をプレヒートする加熱手段として光源を用いれば、ヒータや伝熱板等を用いることなく波長変換素子をプレヒートすることができ、装置構成を比較的簡単にすることができる。
図1は本発明の実施例のレーザ光源装置の構成を示す図である。
図1において、熱伝導性の高い材質、例えば銅(Cu)で形成されるベースプレート(ヒートシンク)となる基板1上には、基本波光として赤外光を放射する半導体レーザ2が設けられている。半導体レーザ2は例えば、1064nmを放射する外部共振器型面発光レーザアレイである。
該半導体レーザ2に対向する位置には、上記基本波光の特定の狭帯波長域の光を高い反射率(例えば99.5%)で反射する基本波光反射素子4(例えば、前記VBG)が配置され、上記半導体レーザ2に対し外部共振器を構成する。なお、基本波光反射素子4は、変換光は透過させる。
また、半導体レーザ2と基本波光反射素子4との間には、基本波光の波長の内の一部の光(位相整合した波長の光、位相整合温度は例えば80C°〜100C°)を変換して波長変換光(第二次高調波:SHG)とする波長変換素子(例えば前記PPLN)5が配置される。
波長変換素子5の側面(非光学面)には、伝熱板6がグラファイト等の伝熱素子6aを介して熱的に接触して配置され、伝熱板6上には、波長変換素子5をプレヒートするための加熱手段(ヒータ7)が設けられる。
図1において、熱伝導性の高い材質、例えば銅(Cu)で形成されるベースプレート(ヒートシンク)となる基板1上には、基本波光として赤外光を放射する半導体レーザ2が設けられている。半導体レーザ2は例えば、1064nmを放射する外部共振器型面発光レーザアレイである。
該半導体レーザ2に対向する位置には、上記基本波光の特定の狭帯波長域の光を高い反射率(例えば99.5%)で反射する基本波光反射素子4(例えば、前記VBG)が配置され、上記半導体レーザ2に対し外部共振器を構成する。なお、基本波光反射素子4は、変換光は透過させる。
また、半導体レーザ2と基本波光反射素子4との間には、基本波光の波長の内の一部の光(位相整合した波長の光、位相整合温度は例えば80C°〜100C°)を変換して波長変換光(第二次高調波:SHG)とする波長変換素子(例えば前記PPLN)5が配置される。
波長変換素子5の側面(非光学面)には、伝熱板6がグラファイト等の伝熱素子6aを介して熱的に接触して配置され、伝熱板6上には、波長変換素子5をプレヒートするための加熱手段(ヒータ7)が設けられる。
上記基板1に対向する面には、ハーフミラー10が設けられ、前記基本波光反射素子4を透過して出力される波長変換光は、該ハーフミラー10で一部が反射し、該ハーフミラー10を透過した光が、出力光としてレーザ光源装置から出射する。
波長変換素子5の上記伝熱板6が接触している面の反対側の側面(非光学面)には、上記波長変換素子5により変換された波長の光を熱に変換する光吸収部材5aが配置され、
ハーフミラー10で反射した光を上記光吸収面5aに照射する反射ミラー11が配置される。光吸収部材としては、例えば、グラファイトシート、黒アルマイト処理したアルミニウムなど、可視光を吸収して熱に変換する部材を用いることができる。
ハーフミラー10で反射した光は、上記反射ミラー11で反射して、上記波長変換素子5の光吸収面5aで吸収されて熱に変換され、波長変換素子5が加熱される。
波長変換素子5の上記伝熱板6が接触している面の反対側の側面(非光学面)には、上記波長変換素子5により変換された波長の光を熱に変換する光吸収部材5aが配置され、
ハーフミラー10で反射した光を上記光吸収面5aに照射する反射ミラー11が配置される。光吸収部材としては、例えば、グラファイトシート、黒アルマイト処理したアルミニウムなど、可視光を吸収して熱に変換する部材を用いることができる。
ハーフミラー10で反射した光は、上記反射ミラー11で反射して、上記波長変換素子5の光吸収面5aで吸収されて熱に変換され、波長変換素子5が加熱される。
また、半導体レーザ2と上記波長変換素子5との間には、基本波光を透過し、波長変換光を反射させて、横方向に取り出すダイクロイックミラー8が設けられ、該ダイクロイックミラー8により反射された波長変換光は、反射ミラー9で前記基本波光反射素子4を透過した波長変換光と同じ方向に反射して上記ハーフミラー10に入射する。
図1において、半導体レーザ2から出射した基本波光は、同図の矢印に示すように、ダイクロイックミラー8を介して波長変換素子5に入射する。
波長変換素子5に入射した光の内の一部の光は波長変換され、この波長変換された光は基本波光反射素子4を透過し、ハーフミラー10に入射する。ハーフミラー10に入射した光の一部は反射して、上記反射ミラー11に入射して反射して上記波長変換素子5の光吸収面5aに照射され、ここで吸収されて熱に変換される。また、ハーフミラー10を透過した光は出力光として出射する。
波長変換素子5に入射した光の内の一部の光は波長変換され、この波長変換された光は基本波光反射素子4を透過し、ハーフミラー10に入射する。ハーフミラー10に入射した光の一部は反射して、上記反射ミラー11に入射して反射して上記波長変換素子5の光吸収面5aに照射され、ここで吸収されて熱に変換される。また、ハーフミラー10を透過した光は出力光として出射する。
また、波長変換素子5で波長変換されなかった基本波光は、基本波光反射素子4で反射されて波長変換素子5に入射して、波長変換素子5で波長変換される。この波長変換された光はダイクロイックミラー8で反射して、反射ミラー9を介してハーフミラー10に入射する。そして、上記と同様に、ハーフミラー10に入射した光の一部は反射して、上記反射ミラー11を介して上記波長変換素子5の光吸収面5aに照射され、ここで吸収されて熱に変換される。また、ハーフミラー10を透過した光は出力光として出射する。
なお、波長変換素子5で波長変換されずにダイクロイックミラー8に入射する基本波光は、ダイクロイックミラー8を透過し半導体レーザ2に入射する。
なお、波長変換素子5で波長変換されずにダイクロイックミラー8に入射する基本波光は、ダイクロイックミラー8を透過し半導体レーザ2に入射する。
上記波長変換素子5としては、周期的分極反転構造を持つニオブ酸リチウム(LiNbO3)、マグネシウムがドープされたニオブ酸リチウム(MgO:LiNbO3)、タンタルニオブ酸リチウム(LiTaNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、あるいはチタン酸リン酸カリウム(KTiOPO4)等を用いることができ、一般的には、周期的分極反転ニオブ酸リチウム(PPLN)、周期分極反転Mgドープニオブ酸リチウム(PPMgLN)、周期的分極反転タンタル酸リチウム(PPLT)、周期的分極反転チタン酸リン酸カリウム(PPKTP)と呼ばれる擬似位相整合型波長変換素子を用いることができる。
図2は本実施例のレーザ光源装置の動作を示すタイムチャートであり、同図を参照しながら本実施例のレーザ光源装置の動作について説明する。
図2において、図2(a)は半導体レーザ2に供給されるレーザ電流、同図(b)は波長変換光出力、同図(c)は前記反射ミラー11で反射して波長変換素子5の光吸収面5aで吸収される光(以下、この光を、「波長変換光の戻し光」ともいう)による波長変換素子の加熱量、同図(d)は、ヒータ7への給電量、同図(e)は波長変換素子5の温度である。
図2(a)(d)に示すように、時刻t0において、レーザ電流をオンするとともに、ヒータ7ヘの給電を開始すると、同図(e)に示すように波長変換素子5の温度が上昇を開始し、また、半導体レーザ5から基本波光がダイクロイックミラー8を介して波長変換素子5に入射する。
これにより、波長変換素子5から波長変換光が出射し、同図(c)に示すようにハーフミラー10で反射して戻し光として波長変換素子5の光吸収面5aに照射され波長変換素子5を加熱する。また、ハーフミラー10を透過とした光は、同図(b)に示すように、レーザ光源装置から出射する。
図2において、図2(a)は半導体レーザ2に供給されるレーザ電流、同図(b)は波長変換光出力、同図(c)は前記反射ミラー11で反射して波長変換素子5の光吸収面5aで吸収される光(以下、この光を、「波長変換光の戻し光」ともいう)による波長変換素子の加熱量、同図(d)は、ヒータ7への給電量、同図(e)は波長変換素子5の温度である。
図2(a)(d)に示すように、時刻t0において、レーザ電流をオンするとともに、ヒータ7ヘの給電を開始すると、同図(e)に示すように波長変換素子5の温度が上昇を開始し、また、半導体レーザ5から基本波光がダイクロイックミラー8を介して波長変換素子5に入射する。
これにより、波長変換素子5から波長変換光が出射し、同図(c)に示すようにハーフミラー10で反射して戻し光として波長変換素子5の光吸収面5aに照射され波長変換素子5を加熱する。また、ハーフミラー10を透過とした光は、同図(b)に示すように、レーザ光源装置から出射する。
図2(e)に示すように波長変換素子5の温度が上昇にするに従い、同図(b)(c)に示す波長変換光出力、戻り光による波長変換素子の加熱量は増加する。波長変換素子5の温度が、波長変換効率が最大となる温度(前記図10のTc)を越えると、波長変換素子5の波長変換効率が低下するため、同図(b)(c)に示す波長変換光出力は低下する。
時刻t1においてヒータ7がオフになると、波長変換素子5の温度は温度T1から低下し始める。波長変換素子の温度が低下すると、波長変換素5の波長変換効率は上昇するので、同図(b)(c)に示すように、波長変換光出力は増加するとともに、戻り光による波長変換素子の加熱量は増加する。
以下、前記図10で説明したように、波長変換光の出力増加に伴い、戻り光による波長変換素子5の加熱量が増加し、波長変換素子5の温度が上昇する。波長変換素子5の温度が上昇すれば、波長変換効率が低下し、戻り光による波長変換素子5の加熱量が低下し、波長変換素子温度が低下する。このサイクルを繰り返すことにより、波長変換素子5の温度は、図2(e)に示すように、波長変換素子の変換効率が最も高い温度Tc近傍の値に落ち着く。
時刻t1においてヒータ7がオフになると、波長変換素子5の温度は温度T1から低下し始める。波長変換素子の温度が低下すると、波長変換素5の波長変換効率は上昇するので、同図(b)(c)に示すように、波長変換光出力は増加するとともに、戻り光による波長変換素子の加熱量は増加する。
以下、前記図10で説明したように、波長変換光の出力増加に伴い、戻り光による波長変換素子5の加熱量が増加し、波長変換素子5の温度が上昇する。波長変換素子5の温度が上昇すれば、波長変換効率が低下し、戻り光による波長変換素子5の加熱量が低下し、波長変換素子温度が低下する。このサイクルを繰り返すことにより、波長変換素子5の温度は、図2(e)に示すように、波長変換素子の変換効率が最も高い温度Tc近傍の値に落ち着く。
図3〜図6に上記実施例の変形例を示す。
図3は、第1の変形例を示す図であり、この例では、反射ミラー9で反射した変換光の一部をハーフミラー10で反射させて波長変換素子5の光吸収部材5aに照射し、波長変換素子を加熱するように構成したものであり、その他の構成は、図1に示したものと同じである。
図4は第2の変形例を示す図であり、この変形例は図3に示したものにおいて、ハーフミラー10を全反射ミラー12に代えたものである。図4のものでは、反射ミラー12で反射した変換光の全部が波長変換素子5の光吸収部材5aに照射され、波長変換素子5が加熱される。
図5は第3の変形例を示す図であり、本変形例は、前記図1において、光吸収面5aを設けずに、反射ミラー13を設け、ハーフミラー10で反射した変換光を反射ミラー11、反射ミラー13を介してヒータ7に照射し、ヒータ7を介して波長変換素子5を加熱するようにしたものである。
図6は、第4の変形例を示す図であり、本変形例は、図5において、ハーフミラー10を全反射ミラー14に置き換え、全反射ミラー14で反射した変換光を反射ミラー11、反射ミラー13を介してヒータ7に照射し、ヒータ7を介して波長変換素子5を加熱するようにしたものである。
図3は、第1の変形例を示す図であり、この例では、反射ミラー9で反射した変換光の一部をハーフミラー10で反射させて波長変換素子5の光吸収部材5aに照射し、波長変換素子を加熱するように構成したものであり、その他の構成は、図1に示したものと同じである。
図4は第2の変形例を示す図であり、この変形例は図3に示したものにおいて、ハーフミラー10を全反射ミラー12に代えたものである。図4のものでは、反射ミラー12で反射した変換光の全部が波長変換素子5の光吸収部材5aに照射され、波長変換素子5が加熱される。
図5は第3の変形例を示す図であり、本変形例は、前記図1において、光吸収面5aを設けずに、反射ミラー13を設け、ハーフミラー10で反射した変換光を反射ミラー11、反射ミラー13を介してヒータ7に照射し、ヒータ7を介して波長変換素子5を加熱するようにしたものである。
図6は、第4の変形例を示す図であり、本変形例は、図5において、ハーフミラー10を全反射ミラー14に置き換え、全反射ミラー14で反射した変換光を反射ミラー11、反射ミラー13を介してヒータ7に照射し、ヒータ7を介して波長変換素子5を加熱するようにしたものである。
図7は本発明の第2の実施例を示す図である。本実施例は、波長変換素子5をプレヒートするための加熱手段として光源を用いたものであり、同図に示すように、図1に示したプレヒート用のヒータ7、伝熱板6等の加熱手段に代えて、プレヒート用光源15を設けたものである。その他の構成は図1に示したものと同じである。
すなわち、基板1上に半導体レーザ2が設けられ、該半導体レーザ2に対向する位置には、基本波光反射素子4(例えば、前記VBG)が配置され、上記半導体レーザ2に対し外部共振器を構成している。また、半導体レーザ2と基本波光反射素子4との間には、基本波光の波長の内の一部の光を変換して波長変換光とする波長変換素子(例えば前記PPLN)5が配置される。
すなわち、基板1上に半導体レーザ2が設けられ、該半導体レーザ2に対向する位置には、基本波光反射素子4(例えば、前記VBG)が配置され、上記半導体レーザ2に対し外部共振器を構成している。また、半導体レーザ2と基本波光反射素子4との間には、基本波光の波長の内の一部の光を変換して波長変換光とする波長変換素子(例えば前記PPLN)5が配置される。
上記基板1に対向する面には、ハーフミラー10が設けられ、前記基本波光反射素子4を透過して出力される波長変換光は、該ハーフミラー10を透過するとともに、一部の光が反射して、反射ミラー11を介して波長変換素子5の側面(非光学面)に配置された光吸収部材5aに照射され、波長変換素子5は加熱される。
また、半導体レーザ2と上記波長変換素子5との間には、基本波光を透過し、波長変換光を反射させて、横方向に取り出すダイクロイックミラー8が設けられ、該ダイクロイックミラー8により反射された波長変換光は、反射ミラー9で、前記基本波光反射素子4を透過した波長変換光と同じ方向に反射され、上記ハーフミラー10を透過して出射する。
また、半導体レーザ2と上記波長変換素子5との間には、基本波光を透過し、波長変換光を反射させて、横方向に取り出すダイクロイックミラー8が設けられ、該ダイクロイックミラー8により反射された波長変換光は、反射ミラー9で、前記基本波光反射素子4を透過した波長変換光と同じ方向に反射され、上記ハーフミラー10を透過して出射する。
本実施例においては、波長変換素子をプレヒートするための光源15が設けられる。該光源15からは、プレヒート光が光波長変換素子5の側面(非光学面)に配置された光吸収部材5aに照射して、波長変換素子5を加熱する。
すなわち、前記図2で説明したように、レーザ電流をオンするとともに、上記プレヒート用光源15をオンにして、光波長変換素子5の光吸収部材5aにプレヒート光を照射し、波長変換素子5の温度を上昇させる。そして、波長変換素子5の温度が所定の温度まで上昇したら、光源15からのプレヒート光の照射を停止する。これにより、図2で説明したように、波長変換素子5の温度は一定の温度に落ち着き、安定した波長変換光が出力される。
すなわち、前記図2で説明したように、レーザ電流をオンするとともに、上記プレヒート用光源15をオンにして、光波長変換素子5の光吸収部材5aにプレヒート光を照射し、波長変換素子5の温度を上昇させる。そして、波長変換素子5の温度が所定の温度まで上昇したら、光源15からのプレヒート光の照射を停止する。これにより、図2で説明したように、波長変換素子5の温度は一定の温度に落ち着き、安定した波長変換光が出力される。
なお、上記ではプリヒート用の光源15を設ける場合について説明したが、半導体レーザ2から出射する基本波光の内、波長変換素子5で波長変換されなかった基本波光を利用して、波長変換素子5をプリヒートすることもできる。例えば、基本波光出力素子4や反射ミラー9の出射側に、ダイクロイックミラーを設けて、これらの光に含まれる基本光を分離して、光をオン/オフできるシャッター等を介して、波長変換素子5の光吸収部材5aに照射するように構成することも考えられる。
なお、図7に示した実施例においても、前記図3〜図6に示したように変形することも可能である。この場合、図5,図6においては、波長変換素子5のヒータ7が設けられた側に、ヒータ7を設ける代わりに光吸収面を形成する。
なお、図7に示した実施例においても、前記図3〜図6に示したように変形することも可能である。この場合、図5,図6においては、波長変換素子5のヒータ7が設けられた側に、ヒータ7を設ける代わりに光吸収面を形成する。
図8は、波長変換素子5から出力される波長変換光の内の20%を、波長変換素子5を加熱するための戻り光とした場合を示す図であり、波長変換素子を加熱するヒータへの給電量(戻り光なし)A、波長変換素子から出力される波長変換光B、レーザ光源装置から出力される波長変換光C、波長変換光の戻り光D、波長変換素子を加熱するヒータへの給電量(戻り光あり)Eを示している。なお、図8(b)は図8(a)の破線で囲まれた部分を拡大した図である。
図8において、横軸は波長変換素子の温度、縦軸は、ヒータ給電量/レーザ出力と波長変換素子の光出力等である。
図8において、横軸は波長変換素子の温度、縦軸は、ヒータ給電量/レーザ出力と波長変換素子の光出力等である。
図8に示すように、波長変換光を戻り光とした場合、この戻り光(同図D)により、波長変換素子5が加熱される。このため、波長変換素子から出射する波長変換光の出力が大きい領域においては、波長変換素子を加熱するヒータへの給電量は、同図Eに示すように下がる。すなわち、図2のタイムチャートに示したように、ヒータをオフにしても波長変換素子は戻り光により加熱される。
ここで、図8に示した例では、波長変換素子の温度が90°C近傍で、波長変換素子5を加熱するヒータの給電量は0以下になっている。
このため、波長変換素子5の温度を上昇させる場合、89.5°Cまでは、電流増減に伴い波長変換素子の温度も変化する。しかし、89.5°Cを越えた時点で、波長変換素子を加熱するヒータへの給電量を0にしても波長変換素子の温度は上昇し、90.5°Cまで上昇してしまう。そして、そこからヒータへの給電を開始すると、90.5°C以上ではヒータ給電量に応じてまた波長変換素子の温度を制御できるようになる。すなわち、89.5°C〜90.5°Cの範囲ではヒータによる温度の制御ができない。
このため、波長変換素子5の温度を上昇させる場合、89.5°Cまでは、電流増減に伴い波長変換素子の温度も変化する。しかし、89.5°Cを越えた時点で、波長変換素子を加熱するヒータへの給電量を0にしても波長変換素子の温度は上昇し、90.5°Cまで上昇してしまう。そして、そこからヒータへの給電を開始すると、90.5°C以上ではヒータ給電量に応じてまた波長変換素子の温度を制御できるようになる。すなわち、89.5°C〜90.5°Cの範囲ではヒータによる温度の制御ができない。
波長変換素子の温度を下降させる場合、例えば95°Cから90.5°Cまではヒータへの給電量の減少にともない波長変換素子の温度も低下する。そして、ヒータへの給電量がゼロになった90.5°Cで波長変換素子の温度は固定されてしまう。これは、波長変換素子の温度が下がろうとすると、波長変換素子からの戻り光が増加し、波長変換そしの加熱量も増えるため、波長変換素子の温度が上がろうとするためである。そして、半導体レーザへの給電量を減らすなどして戻り光による加熱エネルギーを減少させない限り90.5°C以下に落ちなくなる。すなわち、波長変換素子5の加熱量が大きすぎると、波長変換素子5の温度を制御できない領域が発生する(このように状態を高温ハングアップ状態という)。
以上のように、戻り光による波長変換素子の加熱とヒータによる加熱が適切でないと、ヒータの給電量を0にしても、波長変換素子の温度を制御できなくなる状態が発生する場合がある。このため、波長変換素子5の加熱量は、上記高温ハングアップ状態にならないような適切な量に調整する必要がある。
以上のように、戻り光による波長変換素子の加熱とヒータによる加熱が適切でないと、ヒータの給電量を0にしても、波長変換素子の温度を制御できなくなる状態が発生する場合がある。このため、波長変換素子5の加熱量は、上記高温ハングアップ状態にならないような適切な量に調整する必要がある。
1 基板
2 半導体レーザ
4 基本波光反射素子(VBG)
5 波長変換素子(PPLN)
5a 光吸収面
6 伝熱板
7 加熱手段(ヒータ)
8 ダイクロイックミラー
9 反射ミラー
10 ハーフミラー
11,12,13,14 反射ミラー
15 プレヒート用光源
2 半導体レーザ
4 基本波光反射素子(VBG)
5 波長変換素子(PPLN)
5a 光吸収面
6 伝熱板
7 加熱手段(ヒータ)
8 ダイクロイックミラー
9 反射ミラー
10 ハーフミラー
11,12,13,14 反射ミラー
15 プレヒート用光源
Claims (6)
- 半導体レーザと、該レーザから放射されたレーザ光を波長変換する波長変換素子と、該波長変換素子を所定の温度まで加熱する加熱手段と、該半導体レーザを点灯する点灯回路と、からなるレーザ光源装置であって、
上記波長変換された光の一部を反射し上記波長変換素子に照射する反射手段と、該波長変換素子に取り付けられ、該反射手段により照射された光を熱に変換する光吸収手段と、を備えた
ことを特長とするレーザ光源装置。 - 上記加熱手段で波長変換素子を所定温度まで加熱したのち加熱を停止し、上記反射手段で反射された光により波長変換素子を加熱して、該波長変換素子の温度をその波長変換効率が最大となる温度以上にする
ことを特長とする請求項1に記載のレーザ光源装置。 - 上記波長変換素子を所定の温度まで加熱する加熱手段がヒータである
ことを特長とする請求項1または請求項2に記載のレーザ光源装置。 - 上記波長変換素子を所定の温度まで加熱する加熱手段が光源である
ことを特長とする請求項1または請求項2に記載のレーザ光源装置。 - 前記波長変換素子は、周期的分極反転型ニオブ酸リチウムである
ことを特徴とする請求項1,2,3または請求項4に記載のレーザ光源装置。 - 半導体レーザから放射されたレーザ光を波長変換素子に照射し、該波長変換素子により光波長変換された光を取り出すレーザ光源装置における波長変換素子の温度制御方法であって、
上記波長変換素子に、照射された光を熱に変換する光吸収手段を取り付け、
上記波長変換素子を所定の温度まで加熱したのち加熱を停止し、上記波長変換素子により波長変換された光の一部を反射させて上記波長変換素子に取り付けられて光吸収手段に照射して、該波長変換素子の温度をその波長変換効率が最大となる温度以上にする
ことを特徴とするレーザ光源装置における波長変換素子の温度制御方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018159896A (ja) * | 2017-03-24 | 2018-10-11 | スペクトロニクス株式会社 | 波長変換方法、波長変換装置及びレーザ光源装置 |
CN117433645A (zh) * | 2023-10-30 | 2024-01-23 | 重庆航伟光电科技有限公司 | 一种半导体激光器波长测量方法、装置、芯片及终端 |
-
2013
- 2013-03-28 JP JP2013068595A patent/JP2014191274A/ja active Pending
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