JP2014190232A - 圧縮機 - Google Patents

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Hiroyuki Nakaima
裕之 仲井間
Kenji Yamamoto
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Abstract

【課題】脈動による振動をより低減可能な圧縮機を提供する。
【解決手段】本発明の圧縮機では、弁板27に座面27aと六つの凹部270とが形成されている。各凹部270は、弁板27において、各吸入リード弁25の弁部254側と対面する箇所にそれぞれ位置している。また、各凹部270には平坦な底面270aがそれぞれ形成されている。これらの各底面270aに各吸入ポート23aがそれぞれ位置している。この圧縮機では、吸入ポート23aの閉鎖時に吸入リード弁25aシール面257が座面27aと当接する一方、シール面257は底面270a及び吸入ポート23aと当接することがない。また、この圧縮機では、凹部270の展開面積Lhが吸入ポート23aの開口面積S以上の大きさとなっている。
【選択図】図3

Description

本発明は圧縮機に関する。
特許文献1に従来の圧縮機が開示されている。この圧縮機は、ハウジングと、シリンダブロックと、弁板と、リード弁と、リテーナとを備えている。
ハウジングは、フロントハウジングとリヤハウジングとからなる。フロントハウジングとリヤハウジングとには、ともに圧力室である吸入室及び吐出室がそれぞれ形成されている。シリンダブロックは、フロントハウジングとリヤハウジングとに結合されている。シリンダブロックには、圧縮室が形成されている。フロントハウジングとシリンダブロックとの間には一方の弁板が設けられており、リヤハウジングとシリンダブロックとの間には他方の弁板が設けられている。各弁板には、吸入室と圧縮室との間で冷媒を流通可能な吸入ポートと、圧縮室と吐出室との間で冷媒を流通可能な吐出ポートとが開口されている。リード弁は吸入リード弁と吐出リード弁とからなる。
例えば、吐出リード弁は、圧縮室と吐出室との間において、自己の両面に作用する差圧により弾性変形することにより、吐出ポートを開閉可能となっている。リテーナは、吐出リード弁に当接することにより、吐出リード弁の変形を規制する当接面を有している。各弁板の吐出室側には、平坦な座面と、座面から凹設された凹部とが形成されている。吐出ポートは座面から貫設されている。凹部は吐出ポートの全周に対して連通している。また、吐出リード弁には、座面と当接するシール面が形成されている。
この圧縮機では、吐出リード弁に対し、吐出ポート内の冷媒の圧力と、凹部内の冷媒の圧力とが作用する。このため、この圧縮機では、吐出リード弁に対して圧力が作用する面積が拡大していることから、吐出行程時における吐出リード弁の開き遅れが抑制され、騒音の原因である吐出脈動の低減を図ることが可能になっている。
実開平4−14773号公報
しかし、上記従来の圧縮機においては、これまでよりも低い圧力でリード弁が開弁動作する分、動作後の開弁状態の維持が安定しておらず、リード弁が振動して脈動につながるおそれがある。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、脈動による騒音をより低減可能な圧縮機を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の圧縮機は、吸入室及び吐出室の少なくとも一方である圧力室が形成されたハウジングと、
前記ハウジングに結合されるとともに圧縮室が形成されたシリンダブロックと、
前記ハウジングと前記シリンダブロックとの間に配置され、前記圧力室と前記圧縮室との間で冷媒を流通可能なポートが開口された弁板と、
自己の両面に作用する差圧により弾性変形して前記ポートを開閉可能なリード弁と、
前記リード弁に当接することにより、前記リード弁の変形を規制する当接面を有するリテーナとを備えた圧縮機において、
前記弁板には、平坦な座面と、前記座面から凹設されるとともに前記ポートの全周に対して連通する凹部とが形成され、
前記リード弁には、前記凹部の全周を囲みつつ前記座面と当接するシール面が形成されており、
前記凹部の開口縁の長さをL、前記リード弁が前記当接面に当接した状態における前記開口縁から前記リード弁までの距離のうち最も短いものをh、前記ポートの開口面積をSとすると、Lh≧Sであることを特徴とする(請求項1)。
本発明の圧縮機では、吸入行程時や吐出行程時において、リード弁に対し、ポート内の冷媒の圧力と、凹部内の冷媒の圧力とが作用する。このため、この圧縮機では、リード弁に対して圧力が作用する面積が拡大していることから、吸入行程時や吐出行程時におけるリード弁の開き遅れが抑制される。
ここで、凹部の開口縁の長さをL、リード弁がリテーナの当接面に当接した状態における開口縁からリード弁までの距離のうち最も短いものをhとする。そして、長さLに対して距離hを乗じれば、ポートの開放時において、冷媒の流通経路の絞りとなる展開面積Lhが算出される。この圧縮機では、ポートの開口面積をSとすると、Lh≧Sとされている。このため、この圧縮機では、圧力が低くても、ポートを通過してリード弁に作用する冷媒の動圧が高まり、開弁後のリード弁の形状をそのまま安定して維持することができる。このため、リード弁が振動し難く、脈動を生じ難い。
したがって、本発明の圧縮機は、脈動による騒音をより低減することが可能である。
また、この圧縮機では、弁板に座面と凹部とが形成され、座面は平坦であり、凹部は座面から凹設されるとともにポートの全周に対して連通している。そして、リード弁のシール面が凹部の全周を囲みつつ座面と当接する。このため、リード弁によって、ポート及び凹部内の気密性が確保される。
また、この圧縮機では、凹部がポートの全周に臨んでいるため、リード弁において圧力が作用する面積が拡大している。また、シール面と座面との貼り付きは、冷媒中に含まれる潤滑油が当接面と座面との間に引き込まれることによって生じるが、ポートの全周に凹部が存在すれば、ポート内の潤滑油は凹部を経てシール面と座面との間に引き込まれることとなる。このため、この圧縮機では、シール面と座面との間に潤滑油が存在し難く、シール面が座面に貼り付くことを抑制できる。これらにより、この圧縮機では、吸入行程時や吐出行程時におけるリード弁のポートの開放動作の応答性を高くすることが可能となっている。
本発明の圧縮機としては、リード弁によってポートの開放と閉鎖とが可能であれば、種々の構成を採用することができる。例えば、容量固定型両頭斜板式圧縮機、容量可変型両頭斜板式圧縮機、容量固定型片頭斜板式圧縮機、容量可変型片頭斜板式圧縮機、ベーン型圧縮機、スクロール型圧縮機等が本発明の圧縮機であり得る。
本発明の圧縮機において、吸入室のみ又は吐出室のみが圧力室であり得る。例えば、本発明の圧縮機において、吸入室が圧力室である場合、弁板に開口されるポートは、吸入室と圧縮室との間で冷媒を流通可能な吸入ポートとなり、弁板において、圧縮室側に凹部が凹設される。また、リード弁は吸入ポートを開閉可能な吸入リード弁となる。そして、凹部の開口縁の長さが長さLとなる。また、凹部の開口縁から吸入リード弁までの距離のうち最も短いものが距離hとなる。このため、算出されるLhは凹部についての展開面積となる。また、吸入ポートの開口面積Sが規定される。この場合、圧縮機は、吸入脈動、吸入リード弁に起因する振動が低減される。
一方、本発明の圧縮機において、吐出室が圧力室である場合、弁板に開口されるポートは、圧縮室と吐出室との間で冷媒を流通可能な吐出ポートとなり、弁板において、吐出室側に凹部が凹設される。また、リード弁は吐出ポートを開閉可能な吐出リード弁となる。そして、凹部の開口縁の長さが長さLとなる。また、凹部の開口縁から吐出リード弁までの距離のうち最も短いものが距離hとなる。このため、算出されるLhは凹部についての展開面積となる。また、吐出ポートの開口面積Sが規定される。この場合、圧縮機は、吐出脈動、吐出リード弁に起因する振動が低減される。
さらに、本発明の圧縮機において、圧力室は吸入室及び吐出室であり得る。この場合、圧縮機は、圧力室が吸入室である場合の作用効果と、圧力室が吐出室である場合の作用効果とを奏する。
なお、吸入室や吐出室は複数であっても良い。また、吸入室及び吐出室が圧力室である場合、吸入室の数と吐出室の数とは、同数でも良く、異なっていても良い。
弁板には、凹部の底面から突出してリード弁を支持可能な支持部が設けられていることが好ましい(請求項2)。この場合には、吸入行程時や吐出行程時において、リード弁が凹部の底面に向かって移動する不必要な弾性変形を防止できる。このため、この圧縮機では、リード弁の耐久性を向上させることも可能となる。
支持部の形状は適宜設計することが可能である。例えば、支持部は、座面と連続しても良く、座面と連続しなくても良い。
本発明の圧縮機において、座面には、リード弁の先端側における縁部と重なる位置に形成され、座面及びシール面の接触面積を減少させる窪みが形成されていることが好ましい(請求項3)。この場合には、シール面の座面に対する貼り付きをより好適に低減することが可能となる。このため、この圧縮機では、吸入行程時や吐出行程時において、リード弁がより弾性変形し易くなり、ポートをより好適に開放させることが可能となる。
また、座面及びシール面の少なくとも一方には、摩擦係数を低下させる表面層が形成されていることが好ましい(請求項4)。この場合にも、シール面の座面に対する貼り付きを低減することが可能となる。
表面層は、例えば、シール面や座面に対して、フッ素樹脂等を塗布することによって形成することができる。また、表面層は、シール面や座面に対して、スズめっき等を施すことによって形成することもできる。なお、シール面と座面とに対し、異なる表面層を形成しても良い。
本発明の圧縮機は、脈動による騒音をより低減することが可能である。
実施例1の圧縮機を示す断面図である。 実施例1の圧縮機に係り、複数の吸入リード弁が形成された吸入弁板と、弁板とを示す平面図である。 実施例1の圧縮機に係り、吸入リード弁及び弁板を示す要部拡大図である。図(A)は吸入リード弁等の平面図である。図(B)は、図(A)におけるB−B方向の矢視断面図である。図(C)は図(A)におけるC−C方向の矢視断面図である。図(D)は、図(B)における要部拡大断面図である。 実施例1の圧縮機に係り、吸入ポートの開放時における吸入リード弁、弁板等を示す要部拡大断面図である。図(A)は、図3の図(B)と同様の断面図である。図(B)は、図(A)におけるB−B方向の矢視断面図である。図(C)は、吸入ポートの開放時における凹部の展開面積と、吸入ポートの開口面積とを示す模式図である。 比較例の圧縮機に係り、吸入リード弁及び弁板を示す要部拡大図である。図(A)は吸入リード弁等の平面図である。図(B)は図(A)におけるB−B方向の矢視断面図である。図(C)は図(A)におけるC−C方向の矢視断面図である。 実施例1の圧縮機及び比較例の圧縮機に係り、斜板の回転角度の変化と圧縮室内の圧力変化との関係を示すグラフである。図(A)はグラフの全体図である。図(B)は、比較例の圧縮機における図(A)中のX部分を示す拡大図である。図(C)は、実施例1の圧縮機における図(A)中のX部分を示す拡大図である。 実施例2の圧縮機に係り、吸入リード弁及び弁板を示す要部拡大図である。図(A)は吸入リード弁等の平面図である。図(B)は図(A)におけるB−B方向の矢視断面図である。 実施例3の圧縮機に係り、吸入リード弁及び弁板を示す要部拡大図である。図(A)は吸入リード弁等の平面図である。図(B)は図(A)におけるB−B方向の矢視断面図である。 実施例4の圧縮機に係り、複数の吐出リード弁が形成された吐出弁板と、弁板とを示す平面図である。 実施例4の圧縮機に係り、吐出リード弁及び弁板を示す要部拡大図である。図(A)は吐出リード弁等の平面図である。図(B)は図(A)におけるB−B方向の矢視断面図である。図(C)は図(A)におけるC−C方向の矢視断面図である。図(D)は、図(B)における要部拡大断面図である。 実施例4の圧縮機に係り、吐出ポートの開放時における吸入リード弁及び弁板等を示す要部拡大断面図である。図(A)は、図10の図(B)と同様の断面図である。図(B)は、図(A)におけるB−B方向の矢視断面図である。図(C)は、吐出ポートの開放時における凹部の展開面積と、吐出ポートの開口面積とを示す模式図である。
以下、本発明を具体化した実施例1〜4を図面を参照しつつ説明する。実施例1〜4の圧縮機は、いずれも車両に搭載されており、車両用空調装置の冷凍回路を構成している。
(実施例1)
実施例1の圧縮機は容量可変型斜板式圧縮機である。この圧縮機は、図1及び図2に示すように、シリンダブロック1に六つのシリンダボア1aが形成されている。各シリンダボア1aは、シリンダブロック1の中心軸周りに等角度間隔でそれぞれ平行に配設されている。図1に示すように、シリンダブロック1は、前方に位置するフロントハウジング3と、後方に位置するリヤハウジング5とに挟持され、この状態で複数本のボルト7によって締結されている。シリンダブロック1とフロントハウジング3とによって内部に斜板室8が形成されている。リヤハウジング5には吸入室5aと吐出室5bとが形成されている。具体的には、リヤハウジング5において、径方向の外側となる位置に環状の吸入室5aが形成されており、吸入室5aの内側、すなわちリヤハウジング5の中心側に吐出室5bが形成されている。この圧縮機では、吸入室5aが本発明における圧力室に相当する。後述の実施例2、3についても同様である。
フロントハウジング3には軸孔3aが形成されている。また、シリンダブロック1には軸孔1bが形成されている。これらの軸孔3a、1bには、軸封装置9a及びラジアル軸受9b、9cを介して駆動軸11が回転可能に支持されている。駆動軸11には図示しないプーリ又は電磁クラッチが設けられている。プーリ又は電磁クラッチのプーリには、車両のエンジン等によって駆動される図示しないベルトが巻き掛けられている。
斜板室8内では、駆動軸11にラグプレート13が圧入されている。そして、ラグプレート13とフロントハウジング3との間にはスラスト軸受15が設けられている。また、駆動軸11には斜板17が挿通されている。ラグプレート13と斜板17とは、斜板17を傾角変動可能に支持するリンク機構19によって接続されている。
各シリンダボア1a内には、それぞれピストン21が往復動可能に収納されている。シリンダブロック1とリヤハウジング5との間には弁ユニット23が設けられている。この弁ユニット23の詳細は後述する。これらのフロントハウジング3、弁ユニット23及びリヤハウジング5によってハウジング10が形成されている。
斜板17と各ピストン21との間には前後で対をなすシュー33a、33bが設けられている。斜板17の揺動運動は、各対のシュー33a、33bによって各ピストン21の往復動に変換されるようになっている。各シリンダボア1a、各ピストン21及び弁ユニット23によって各圧縮室24が形成されている。また、シリンダブロック1aの後端には、溝部1cが複数形成されている。この溝部1cが本発明におけるリテーナに相当する。そして、図4に示すように、この溝部1cにおいて、前方に位置する垂直の壁面は当接面100とされている。この当接面100に対し、後述する吸入リード弁25aを当接させることで、溝部1cは吸入リード弁25aの弾性変形量、すなわちリフト量を規制することが可能となっている。
図1に示すように、斜板室8と吸入室5aとは図示しない抽気通路によって接続されており、斜板室8と吐出室5bとは図示しない給気通路によって接続されている。また、給気通路には図示しない容量制御弁が設けられている。この容量制御弁は、吸入圧力に応じて給気通路の開度を変更できるようになっている。この圧縮機の吐出室5bには凝縮器が接続され、凝縮器は膨張弁を介して蒸発器が接続され、蒸発器は圧縮機の吸入室5aに接続されている。なお、凝縮器、膨張弁及び蒸発器の図示はいずれも省略する。
弁ユニット23は、吸入弁板25と弁板27と吐出弁板29とリテーナ板31と、固定ピン32とを有している。吸入弁板25は弁板27の前面側に位置しており、吐出弁板29は弁板27の後面側に位置している。リテーナ板31は吐出弁板29の後方側に位置している。これらの吸入弁板25、弁板27、吐出弁板29及びリテーナ板31は、固定ピン32によって一体とされている。リテーナ板31には、後述する吐出リード弁29aと当接する当接面310が形成されている。
図2及び図3に示すように、吸入弁板25は円形の薄板からなる。図2では、紙面手前側を圧縮機の前側として規定しており、紙面奥側を圧縮機の後側として規定している。これにより、弁板27は、吸入弁板25に対して図2の紙面奥側に位置することになる。また、各シリンダボア1a及び各圧縮室24は、吸入弁板25に対して紙面手前側に位置することになるため、同図では、二点鎖線で図示している。
吸入弁板25には、その中心側から径方向の外側に放射状に細長く延びる複数の延出部分がくり抜かれるように形成されている。この各延出部分がそれぞれ吸入リード弁25aとされている。吸入弁板25には、六つの吸入リード弁25aが形成されている。これらの各吸入リード弁25aが本発明におけるリード弁に相当している。
各吸入リード弁25aは、図3に示すように、根元部251から先端部252に向かって延びる略矩形状に形成されている。吸入リード弁25aの根元部251は吸入弁板25の中心側に位置している。なお、図3では説明を容易にするため、吐出弁板29の図示を省略している。後述の図4、図5、図7及び図8も同様である。
また、図3に示すように、根元部251には、略矩形状の貫通穴253が形成されている。そして、吸入リード弁25aの先端側、つまり、貫通穴253と先端部252との間には、弁部254が形成されている。一方、先端部252の両端には、ストッパ255、256が形成されている。これらの各ストッパ255、256は、図4に示すシリンダブロック1の溝部1cおける当接面100と当接可能となっている。
図1に示すように、弁板27の前面は座面27aとされており、弁板27の後面は座面27bとされている。これらの座面27a、27bはいずれも平坦に形成されている。
また、図2に示すように、弁板27の座面27a側には、六つの凹部270が形成されている。各凹部270はいずれも同一形状であり、座面27aから弁板27の後面に向かって凹設されている。さらに、弁板27には、六つの吸入ポート23aと、六つの吐出ポート23bとが開口されている。実施例1の圧縮機において、座面27aが本発明における座面に相当している。また、各吸入ポート23aが本発明のポートに相当している。後述の実施例2、3も同様である。
図3に示すように、各凹部270は、吸入弁板25と弁板27とを組み付けた際、弁板27において、各吸入リード弁25の弁部254側と対面する箇所にそれぞれ位置している。凹部270は、弁部254と略相似となる形状とされており、弁部254よりも小さく形成されている。また、凹部270には平坦な底面270aが形成されている。なお、凹部270の形状は、吸入リード弁25aの形状に応じて適宜設計することが可能である。
各吸入ポート23aは、長孔状に形成されており、各凹部270の各底面270aにそれぞれ開口している。これにより、この弁板27では、六つの凹部270のそれぞれにおいて、凹部270が吸入ポート23aの全周に対して連通している。
一方、各吐出ポート23bは、円形に形成されており、各吸入ポート23aよりも弁板27の中心側、すなわち座面27aの中心側に位置している。より具体的には、各吐出ポート23bは、弁板27において、凹部270の中心側であって、かつ、吸入弁板25と弁板27とを組み付けた際に、吸入リード弁25aの貫通穴253内に配置されるように形成されている。なお、各吸入ポート23a及び各吐出ポート23bの形状は適宜設計することが可能である。
図3の(B)、(C)に示すように、各吸入リード弁25aには、座面27aと当接するシール面257が形成されている。ここで、凹部270は弁部254と略相似であることから、シール面257は、凹部270の全周を囲みつつ座面27aと当接する。この際、凹部270の底面270a及び吸入ポート23aは、共にシール面257と当接しない。これらのシール面257及び座面27aには、同図の(D)に示すように、それぞれフッ素樹脂が塗布されることにより、表面層28a、28bが形成されている。
各吸入ポート23aは、それぞれシール面257と座面27aとを当接させることにより、閉鎖される。この際、吸入ポート23a内の冷媒に含まれる潤滑油がシール面257と座面27aとの間、具体的には、図3の(A)において網目模様で示す部分に引き込まれることとなる。
また、各吸入リード弁25aは、吸入行程時の圧縮室24内の圧力変化により、図4の(A)、(B)に示すように、先端部252及び弁部254が弁板27から離反するように弾性変形する。これにより、シール面257が座面27aから離反する。このため、各吸入ポート23aが開放され、図1に示す吸入室5aと圧縮室24との間で冷媒が流通可能となる。なお、弾性変形した各吸入リード弁25aでは、ストッパ255、256がそれぞれ溝部1cの当接面100と当接する。
ここで、図4の(C)に示すように、この圧縮機では、吸入ポート23aが開放され、かつ、吸入リード弁25aが溝部1cの当接面100に当接した状態における凹部270の展開面積Lhが吸入ポート23aの開口面積S以上の大きさとなるように設定されている。この凹部270の展開面積Lhは、凹部270の開口縁の長さLに対して、吸入リード弁25aのストッパ255、256が溝部1cの当接面100に当接した状態における凹部270の開口縁から吸入リード弁25aまでの最短距離hを乗じることで算出される。
この最短距離hは、図4の(B)に示すように、吸入リード弁25aのストッパ255、256が溝部1cの当接面100に当接するまで弾性変形した状態において、凹部270の開口縁から吸入リード弁25aまでの距離が最も短いものである。
この圧縮機では、展開面積Lh≧開口面積Sを満たすように、吸入ポート23aの形状の他、吸入リード弁25aのリフト量等が設定されている。
図1に示すように、吐出弁板29には、各吐出ポート23bを開閉する吐出リード弁29aが形成されている。また、リテーナ板31には、各吐出リード弁29aのリフト量を規制する当接面310が形成されている。なお、吐出弁板29及び吐出リード弁29aについての詳細な説明は実施例4において行う。
これらのように構成された圧縮機では、図3に示すように、吸入ポート23aの閉鎖時に表面層28a、28bを介してシール面257が座面27aと当接する一方、シール面257は凹部270の底面270aと当接することがない。そして、座面27aに凹部270が凹設されていることにより、吸入ポート23a内の冷媒中に含まれる潤滑油は、吸入リード弁25aと座面27aとの間であって、凹部270の外側となる位置に引き込まれることとなる。これにより、この圧縮機では、シール面257及び潤滑油により、吸入ポート23aの閉鎖時における吸入ポート23a及び凹部270内の気密性を確保することが可能となっている。
また、この圧縮機では、凹部270が吸入ポート23aの全周に対して連通しているため、吸入ポート23aの閉鎖時にシール面257に対して、吸入ポート23a内の冷媒の圧力と、凹部270内の冷媒の圧力とが作用する。このように、この圧縮機では、吸入ポート23aの閉鎖時において、吸入リード弁25aに圧力が作用する面積が大きくなっている。
さらに、この圧縮機では、シール面257が凹部270の底面270aと当接することがなく、座面27aに対するシール面257の接触面積が減少している。そして、吸入ポート23a内の潤滑油は、凹部270を経て凹部270の外側に引き込まれる。このため、この圧縮機では、シール面257と座面27aとの間に潤滑油が存在し難く、潤滑油によるシール面257と座面27aとの貼り付きを好適に抑制できる。
これらにより、この圧縮機では、吸入リード弁25aが吸入室5aと圧縮室24との差圧により弾性変形し易くなり、吸入リード弁25aの開き遅れを抑制することが可能となっている。このため、この圧縮機は、吸入行程時における各吸入リード弁25aの吸入ポート23aの開放動作の応答性が高くなっている。
そして、図4の(C)に示すように、この圧縮機では、吸入室5aから圧縮室24に至る冷媒の流通経路の絞りとなる吸入ポート23aの開口面積Sが凹部270周りの展開面積Lh以下の大きさとなっている。このため、この圧縮機では、圧力が低くても、吸入ポート23aを通過して吸入リード弁25aに垂直に向かう冷媒の動圧が高まり、開弁後の吸入リード弁25aの形状をそのまま安定して維持することができる。このため、吸入リード弁25aが振動し難く、吸入脈動を生じ難い。
実施例1の圧縮機におけるこれらの作用について、図5に示す比較例の圧縮機と、図6に示すグラフとを基に具体的に説明する。比較例は、弁板35が設けられていることを除き、実施例1の圧縮機と同様に構成されている。このため、実施例1の圧縮機も比較例の圧縮機も、斜板17が回転することよる各圧縮室24内の圧力変化は、おおよそ図6の(A)に示す通りとなる。
ここで、比較例の圧縮機では、弁板35に座面35a、35bと、吸入ポート350aと吐出ポート350bとが形成されている。この吸入ポート350aは、実施例1の圧縮機における吸入ポート23aよりも径が大きくなるように形成されている。また、この弁板35には、実施例1の圧縮機のような凹部270は形成されていない。このため、この圧縮機では、吸入リード弁25のシール面257と座面35aとの接触面積が実施例1の圧縮機よりも大きくなっている。これにより、比較例の圧縮機では、同図の網目模様部分で示すように、シール面257と座面27aとの間において、シール面257のほぼ全域にわたって潤滑油が引き込まれることとなる。
このため、比較例の圧縮機では、図6の(B)に示すように、吸入行程時において、吸入リード弁25aを弾性変形させる。すなわち、吸入ポート350aを開放するために必要な圧縮室24内と吸入室5a内との差圧P1が大きくなる。この際、比較例の圧縮機では、吸入ポート350aを流通する冷媒のみが吸入リード弁25aを押圧する。また、比較例の圧縮機において、吸入ポート350aを開放するために必要な差圧P1が大きくなるのは、吸入リード弁25aの開き遅れが大きいことに起因する。つまり、比較例の圧縮機では、シール面257と座面35aとの間に引き込まれた潤滑油の量が多くなることで、シール面257と座面35aとの貼り付きが生じ易くなっている。これらのため、比較例の圧縮機では、吸入リード弁25aを弾性変形させ難く、結果として、吸入ポート350aを開放するために必要な差圧P1が大きくなっている。
さらに、比較例の圧縮機では、吸入リード弁25aにおいて、冷媒の圧力が作用する面積を大きくしているため、吸入ポート350aの径を大きくせざるを得ない。このため、比較例の圧縮機では、吸入ポート350aの開放による吸入室5a内と圧縮室24内との圧力損失P2を大きくすることができない。これにより、比較例の圧縮機では、吸入ポート350aの開放後における圧縮室24内の圧力の変動量P3が大きくなり、かつ、その変動が急激となる。そして、この圧縮機では、吸入ポート350aの開放後に吸入リード弁25aに作用する冷媒の動圧も低くなる。これらのため、この圧縮機では、吸入ポート350aの開放を行うように弾性変形した吸入リード弁25aの形状をそのまま安定して維持することが難しく、結果として、吸入脈動が大きくなり、吸入リード弁25aの振動も大きくなる。
これに対し、実施例1の圧縮機では、上記のように、凹部270内の冷媒を利用することで、吸入ポート23a径を小さくしながら吸入リード弁25aの受圧面積を大きくすることが可能となっている。また、実施例1の圧縮機では、座面27aとシール面257との接触面積が小さく、シール面257が座面27aに貼り付くことを抑制できる。このため、図6の(C)に示すように、実施例1の圧縮機では、吸入行程時において、吸入ポート23aを開放するために必要な圧縮室24内と吸入室5a内との圧力差P1を小さくすることができる。このため、実施例1の圧縮機では、吸入ポート23aの開放による吸入室5a内と圧縮室24内との圧力損失P2を大きくすることができる。これにより、実施例1の圧縮機では、吸入ポート23aの開放後における圧縮室24内の圧力の変動量P3が小さくなり、かつ、その変動が緩やかとなる。このため、この圧縮機では、上記のように、弾性変形した吸入リード弁25aの形状をそのまま安定して維持させることができる。
したがって、実施例1の圧縮機は、吸入脈動による振動をより低減することが可能である。
特に、この圧縮機では、シール面257及び座面27aに対して、それぞれ表面層28a、28bが形成されている。このため、この圧縮機では、吸入ポート23aの開放時におけるシール面257と座面27aとにおける摩擦係数が低くなり、シール面257の座面27aに対する貼り付きを好適に低減することが可能となっている。
(実施例2)
図7に示すように、実施例2の圧縮機では、弁板27の座面27a側に支持部27cが形成されている。支持部27cは凹部270内に位置している。弁板27において、六つの支持部27cが形成されている。同図の(A)に示すように、各支持部27cは、座面27aと連続しない島状となっている。
各支持部27cは、弁板27において、支持部27cとなる箇所を残すように凹部270を凹設することで形成されている。これにより、同図の(B)に示すように、各支持部27cは、凹部270の底面270aから吸入リード弁25aに向かって突出した状態となっている。この圧縮機における他の構成は実施例1の圧縮機と同様であり、同一の構成については同一の符号をして構成に関する詳細な説明を省略する。
この圧縮機では、吸入リード弁25aによって吸入ポート23aが閉鎖された際、支持部27cが凹部270の底面270a側から吸入リード弁25aと当接することで、支持部27cが吸入リード弁25aを支持する。これにより、この圧縮機では、吐出行程の際、吸入リード弁25aが凹部270の底面270aに向かって移動する不必要な変形を防止できる。このため、この圧縮機では、吸入リード弁25aの耐久性を向上させることが可能となっている。この圧縮機における他の作用は実施例1の圧縮機と同様である。
(実施例3)
図8に示すように、実施例3の圧縮機では、弁板27の座面27a側に対して、複数の窪み27dが形成されている。各窪み27dは半球状に形成されている。同図の(A)に示すように、各窪み27dは、各吸入リード弁25aの先端部252側の縁部と重なる位置、より詳細には、吸入リード弁25aの各ストッパ255、256側とそれぞれ重なる位置、各吸入リード弁25aの先端部252の略中央に重なる位置とに形成されている。窪み27dは、各吸入リード弁25aに対して三つずつ位置するように設けられている。なお、窪み27dの数や形状は適宜設計することが可能である。この圧縮機における他の構成は実施例1と同様である。
同図の(B)に示すように、窪み27dが形成された箇所では、吸入リード弁25aのシール面257と座面27aとが当接しない。これにより、この圧縮機では、実施例1、2の圧縮機と比較して、シール面257と座面27aとの接触面積が減少している。より詳細には、この圧縮機では、ストッパ255、256を含む吸入リード弁25aの先端部252側におけるシール面257と座面27aとの接触面積が減少している。このため、この圧縮機では、シール面257の座面27aに対する貼り付きをより好適に低減することが可能となっている。
また、図4に示すように、吸入リード弁25aは、吸入行程時、先端部252側がより大きく座面27aから離反するように弾性変形する。このため、この圧縮機では、図8に示す各窪み27dによって吸入リード弁25aの先端部252側におけるシール面257と座面27aとの接触面積が減少していることで、吸入リード弁25aがより弾性変形し易くなる。このため、この圧縮機では、吸入ポート23aをより好適に開放させることが可能となっている。この圧縮機における他の作用は実施例1の圧縮機と同様である。
(実施例4)
図9に示すように、実施例4の圧縮機では、弁板27の座面27b側に六つの凹部271が凹設されている。弁板35において、吐出弁板29側となる箇所に各凹部271が凹設されている。これにより、実施例4の圧縮機において、座面27bが本発明における座面に相当している。また、図1に示す吐出室5bが本発明における圧力室に相当している。なお、図9において、各シリンダボア1a及び各圧縮室24は、吐出弁板29に対して紙面奥側に位置することになるため、同図では、二点鎖線で図示している。
ここで、吐出弁板29は、吐出弁板29の中心側に位置する固定部291と、固定部291から吐出弁板29の先端側に向かって放射状に延びる六つの根元部292と、各根元部292の先端にそれぞれ形成された六つの弁部293とからなる。これにより、吐出弁板29は、略星型形状を呈している。
また、各根元部292は略矩形状に形成されており、各弁部293は根元部292と連続する略円形に形成されている。これらの根元部292と弁部293とにより、吐出リード弁29aが形成されている。吐出弁板29には六つの吐出リード弁29aが形成されている。
各凹部271はいずれも同一形状である。図10に示すように、各凹部271は、吐出弁板29と弁板27とを組み付けた際、弁板27において、各吐出リード弁29aと対面する箇所にそれぞれ位置している。凹部271は、同図の(A)に示すように、吐出リード弁29aの弁部254と略相似となる形状とされており、吐出リード弁29aよりも小さく形成されている。また、凹部271には平坦な底面271aが形成されている。実施例4の圧縮機において、各吐出リード弁29aが本発明のリード弁に相当しており、各吐出ポート23bが本発明のポートに相当している。なお、図10では説明を容易にするため吸入弁板25の図示を省略している。また、凹部271の形状は、吐出リード弁29aの形状に応じて適宜設計することが可能である。
各吐出ポート23bは、各凹部271の各底面271aにそれぞれ開口している。これにより、凹部271が吐出ポート23bの全周に対して連通している。
また、同図の(B)、(C)に示すように、各吐出リード弁29aには、座面27bと当接するシール面294が形成されている。上記のように凹部271は、シール面294と略相似形であることから、シール面294は、凹部271の全周を囲みつつ座面27bと当接する。この際、凹部271の底面271a及び吐出ポート23bは、共にシール面294と当接しない。同図の(D)に示すように、これらのシール面294及び座面27bについても、実施例1の圧縮機と同様の表面層28a、28bが形成されている。
各吐出ポート29aは、それぞれシール面294と座面27bとを当接させることにより、各吐出ポート23bを閉鎖する。この際、吐出ポート23b内の冷媒に含まれる潤滑油がシール面294と座面27bとの間、具体的には、図10の(A)において網目模様で示す部分に引き込まれることとなる。
また、各吐出リード弁29aは、吐出行程時の圧縮室24内の圧力変化により、図11(A)、(B)に示すように、弁部293が弁板27から離反するように弾性変形する。これにより、シール面294が座面27bから離反する。このため、各吐出ポート23bが開放され、図1に示す圧縮室24と吐出室5bとの間で冷媒が流通可能となる。なお、上記のように弾性変形した各吐出リード弁29aは、リテーナ板31の当接面310と当接する(図11参照)。つまり、この圧縮機では、このリテーナ板31が本発明におけるリテーナに相当する。
図11の(C)に示すように、この圧縮機では、吐出ポート23bが開放され、かつ、吐出リード弁29がリテーナ板31の当接面310に当接した状態における凹部271の展開面積Lhが吐出ポート23bの開口面積S以上の大きさとなるように設定されている。凹部271の展開面積Lhは、凹部271の開口縁の長さLに対して、吐出リード弁29aがリテーナ板31の当接面310に当接した状態での凹部271の開口縁から吐出リード弁29aまでの最短距離hを乗じることで算出される。
この最短距離hは、吐出リード弁29aがリテーナ板31の当接面310に当接するまで弾性変形した状態において、凹部271の開口縁から吐出リード弁29aまでの距離が最も短いものである。
実施例1〜3の圧縮機と同様、この圧縮機においても、展開面積Lh≧開口面積Sを満たすように、吐出ポート23bの形状の他、吐出リード弁29aのリフト量等が設定されている。この圧縮機における他の構成は、実施例1の圧縮機と同様である。
これらのように構成された圧縮機では、図3に示すように、吐出ポート23bの閉鎖時に表面層28a、28bを介して、シール面294が座面27bと当接する一方、シール面294は凹部271の底面271aと当接することがない。そして、座面27bに凹部271が凹設されていることにより、吐出ポート23b内の冷媒中に含まれる潤滑油は、吐出リード弁29aと座面27bとの間であって、凹部271の外側となる位置に引き込まれることとなる。これにより、この圧縮機では、シール面294及び潤滑油により、吐出ポート23bの閉鎖時における吐出ポート23b及び凹部271内の気密性を確保することが可能となっている。
また、この圧縮機では、凹部271が吐出ポート23bの全周に対して連通しているため、吐出ポート23bの閉鎖時にシール面294に対して、吐出ポート23b内の冷媒の圧力と、凹部271内の冷媒の圧力とが作用する。このように、この圧縮機では、吐出ポート23bの閉鎖時において、吐出リード弁29aに圧力が作用する面積が大きくなっている。
さらに、この圧縮機では、シール面294が凹部271の底面271aと当接することがなく、座面27bに対するシール面294の接触面積が減少している。そして、吐出ポート23b内の潤滑油は、凹部271を経て上記のように、凹部271の外側に引き込まれる。このため、この圧縮機では、シール面294と座面27bとの間に潤滑油が存在し難く、潤滑油によるシール面294と座面27bとの貼り付きを好適に抑制できる。
これらにより、この圧縮機では、吐出リード弁29aが吐出室5bと圧縮室24との差圧により弾性変形し易くなり、吐出リード弁29aの開き遅れを抑制することが可能となっている。このため、この圧縮機は、吐出行程時における各吐出リード弁29aの吐出ポート23bの開放動作の応答性が高くなっている。
そして、図11の(C)に示すように、この圧縮機では、吐出ポート23b開放時において、圧縮室24から吐出室5bに至る冷媒の流通経路の絞りとなる吐出ポート23bの開口面積Sが凹部271の展開面積Lh以下の大きさとなっている。このため、この圧縮機では、圧力が低くても、吐出ポート23bを通過して吐出リード弁29aに垂直に向かう冷媒の動圧が高まり、開弁後の吐出リード弁29aの形状をそのまま安定して維持することができる。このため、吐出リード弁29aが振動し難く、吐出脈動を生じ難い。この圧縮機における他の作用は実施例1の圧縮機と同様である。
したがって、実施例4の圧縮機は、吐出脈動による振動をより低減することが可能である。
また、この圧縮機においても、シール面294及び座面27bに対して、それぞれ表面層28a、28bが形成されている。このため、この圧縮機では、吐出ポート23bの開放時におけるシール面257と座面27bとの摩擦係数が低くなり、シール面294の座面27bに対する貼り付きを好適に低減することが可能となっている。
以上において、本発明を実施例1〜4に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜4に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施例1〜4の圧縮機をそれぞれ組み合わせて構成しても良い。
また、実施例1〜4の圧縮機において、リヤハウジング5の径方向の外側となる位置に吐出室5bを形成し、リヤハウジング5の中心側に吸入室5aを形成しても良い。
さらに、実施例1〜3の圧縮機において、凹部270の開口縁から吸入リード弁25aまでの最短距離hは、測定箇所によって変動し得る。このため、本発明では、吸入脈動の低減効果を最も発揮し得るように、凹部270の開口縁から吸入リード弁までの距離のうち最も短いものを最短距離hとし、この最短距離hと凹部270の開口縁の長さLとを乗じることによって、凹部270の展開面積Lhを算出している。これに対し、凹部270の開口縁に沿って吸入リード弁25aまでの距離を連続して測定することで、より正確に凹部270の展開面積Lhを測定しても良い。実施例4の圧縮機についても同様である。
本発明は車両用空調装置に利用可能である。
1…シリンダブロック
1c…溝部(リテーナ)
5a…吸入室(圧力室)
5b…吐出室(圧力室)
10…ハウジング
23…弁板
23a…吸入ポート(ポート)
23b…吐出ポート(ポート)
24…圧縮室
25a…吸入リード弁(リード弁)
27a…座面
27b…座面
27c…支持部
28a、28b…表面層
29a…吐出リード弁(リード弁)
31…リテーナ板(リテーナ)
100…当接面
254…シール面
271a…凹部
272a…凹部
294…シール面
310…当接面

Claims (4)

  1. 吸入室及び吐出室の少なくとも一方である圧力室が形成されたハウジングと、
    前記ハウジングに結合されるとともに圧縮室が形成されたシリンダブロックと、
    前記ハウジングと前記シリンダブロックとの間に配置され、前記圧力室と前記圧縮室との間で冷媒を流通可能なポートが開口された弁板と、
    自己の両面に作用する差圧により弾性変形して前記ポートを開閉可能なリード弁と、
    前記リード弁に当接することにより、前記リード弁の変形を規制する当接面を有するリテーナとを備えた圧縮機において、
    前記弁板には、平坦な座面と、前記座面から凹設されるとともに前記ポートの全周に対して連通する凹部とが形成され、
    前記リード弁には、前記凹部の全周を囲みつつ前記座面と当接するシール面が形成されており、
    前記凹部の開口縁の長さをL、前記リード弁が前記当接面に当接した状態における前記開口縁から前記リード弁までの距離のうち最も短いものをh、前記ポートの開口面積をSとすると、Lh≧Sであることを特徴とする圧縮機。
  2. 前記弁板には、前記凹部の底面から突出して前記リード弁を支持可能な支持部が設けられている請求項1記載の圧縮機。
  3. 前記座面には、前記リード弁の先端側における縁部と重なる位置に形成され、前記座面及び前記シール面の接触面積を減少させる窪みが形成されている請求項1又は2記載の圧縮機。
  4. 前記座面及び前記シール面の少なくとも一方には、摩擦係数を低下させる表面層が形成されている請求項1乃至3のいずれか1項記載の圧縮機。
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