JP2014190220A - ウェスコ型電動ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】砂等の異物を吸上げる可能性のあるウェスコ型電動井戸ポンプにおいて、高品質、長寿命なポンプを提供する。
【解決手段】電動機1インペラ2とインペラ2の周囲に備えられたケーシング3とインペラ2の一面を覆うようにケーシング3に取り付けられるケーシングカバー11を備えたウェスコ型ポンプであって、ケーシング3はインペラ2周辺の渦室4と、渦室4に連通する吸込口7を供えた吸込口側通水路5、及び吐出口8を備えた吐出口側通水路を備え、
吸込口側通水路5と渦室4の接続部に窪み12を備えたものであるので、窪み12に異物が落ち込んで、砂等の異物による渦室4内の破損を防ぎ、異物混入に強い電動ポンプを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、浅井戸用における水の汲み上げに使用されるウェスコ型ポンプの構造に関する。
従来、この種のポンプは、実公昭64−3836号公報(特許文献1)に示されている様に、電動機の駆動軸に接続されたウェスコポンプのインペラを回転させて、ケーシングの吸込口から水を吸込み吐出口から吐出させるものである。
以下、その構造について図を用いて説明する。
図4及び図5に示す様に、特許文献1に記載されたような従来のウェスコポンプは、電動機101と、インペラ102と、インペラ102を内包するケーシング103とで構成されている。インペラ102は、電動機101の回転軸に取り付けられて、電動機101の駆動によって回転する。ケーシング103は、インペラ102の周囲に配置され、汲み上げた水を吸込む吸込口107と吐き出すための吐出口108を備え、ケーシングカバー111とでインペラ102を覆うようになっている。
ケーシング103とケーシングカバー111とでインペラ102を収納している空間は、インペラ102の軸方向端面とケーシングとの間に図6の断面図の様に深さが除々に変化する渦形状の溝116を備えた渦室104となっている。すなわち、渦形状の溝116とは、ケーシング103及びケーシングカバー111において、インペラ102の回転軸穴117の周囲に、吸込み側の軸方向の深さが深く、吐出し側の深さが浅くなるように形成されている。
また、吐出口108と渦室104を繋ぐ空間は自吸水注水口109から注入される自吸水をためる自吸水タンク106となる。
ケーシング103及びケーシングカバー111は、インペラ102を回転軸方向へ挟み込むように組み付けられる。そして、ケーシング103及びケーシングカバー111の内壁とインペラ102との間には約50μmのクリアランスが確保され、インペラ102の回転を阻害しない構造になっている。
ケーシング103の吸込口107には、塩ビ管等のパイプを接続しパイプの端部が井戸等の水源へ下ろされる。一方、吐出口108には、貯水タンク、水栓等につながるパイプが接続され、水源から汲み上げた水を送り出す。
ウェスコポンプの始動時には、自吸水注水口109からケーシング103の内部へ自吸水を注ぎ自吸水タンク106を満たす。その後、インペラ102が回転することで吸込み側の空気を吐き出し側に送り出し、自吸水タンク106内において水と空気を分離する。吸込み側の通水路105及び吸込口107に取り付けられたパイプ内の空気が十分に送り出されることで、吸込み側が負圧となり水源から水を汲み上げることが出来る。
汲み上げられた水によりケーシング103の内部が満たされるとインペラ102により渦室104に沿って水の流れができ吐出口108から水を吐出すことが出来る。
また、特許文献2には、ポンプ内壁から外部に貫通する穴を設けて異物を抜く方法が開示されている。
実公昭64−3836号公報 実開昭56−120388号公報
このようなポンプが使用される井戸では、汲み上げる水の中に砂等の異物が混じることがあり、インペラ周辺のクリアランスは狭いため異物が渦室内で噛み込んでしまう可能性がある。
また、例え噛み込みに至らなくても異物によるインペラの磨耗の進行や破損などによりポンプの能力が下がり、製品寿命が短くなってしまう。
渦室内に異物が入った場合、インペラの一面を覆うケーシングカバーを外し異物を除去する方法があるが、配管内の水を全て抜いて作業する必要があり手間が掛かる。
また、特許文献2においては、ポンプ内壁から外部に貫通する穴から異物を抜くことによって能力の維持、省メンテナンス化をはかっているが、常に貫通穴を水が漏れる構造となっている。しかしながら、吐出口にパイプを接続し、このパイプの先端に水栓を付けて常にパイプ内に水を満たして水圧を保ち必要時に水栓を開けて使用する場合には、特許文献2のような、経路の途中に貫通穴を設ける方法は、パイプ内及びポンプケーシング内の内圧を保てないため適用できない。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、砂取り機などの機器を追加することなく、故障の少ない、製品寿命の長いポンプの提供を目的とする。
この目的を達成するために、電動機と前記電動機によって回転するインペラと前記インペラの周囲に備えられたケーシングと前記インペラの一面を覆うように前記ケーシングに取り付けられるケーシングカバーを備えたウェスコ型ポンプであって、前記ケーシングは前記インペラ周辺の渦室と、前記渦室に連通する吸込口を供えた吸込口側通水路、及び吐出口を備えた吐出口側通水路を備え、前記吸込口側通水路と渦室の接続部に、窪みを備えたことを特徴としたウェスコ型電動ポンプとしたものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、吸込口側通水路と渦室の接続部に窪みを設けた構造により、渦室の手前で異物を水から分離させ、渦室内へ異物が進入する確率を減らすことが出来る。
以上により、ポンプの破損や能力低下を防止し高品質なポンプを提供することが出来る。
本発明の実施の形態1の電動ポンプの構造を示す正面断面図 同側面断面図 同電動ポンプの弁を設けた構造を示す側面断面図 従来の電動ポンプの構造を示す正面断面図 同側面断面図 同ポンプ渦室の形状を示す断面図
本発明の請求項1に記載の発明は、電動機と前記電動機によって回転するインペラと前記インペラの周囲に備えられたケーシングと前記インペラの一面を覆うように前記ケーシングに取り付けられるケーシングカバーを備えたウェスコ型ポンプであって、前記ケーシングは前記インペラ周辺の渦室と、前記渦室に連通する吸込口を供えた吸込口側通水路、及び吐出口を備えた自吸水タンクを備え、前記吸込口側通水路と渦室の接続部に、窪みを備えた構造を有する。これにより、汲み上げられた水に混じった砂等の異物を渦室の手前で取り除き、異物によるインペラの磨耗や破損を防止する効果を奏する。
また、窪みの外郭部に窪みの底面と連通する穴を空け弁を設けることで、手間をかけずに内部に溜まった異物を取り除くことが出来、定期的に実施することでポンプ内部を清潔に保つ効果を奏する。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施の形態1によるウェスコ型電動ポンプは、図1及び図2に示す様に電動機1と電動機1によって回転するインペラ2とインペラ2の周囲に配置された、汲み上げた水を吸込むための吸込口7と吐出すための吐出口8を備えたケーシング3と、インペラ2の一面を覆うように取り付けられるケーシングカバー11から構成される。
ケーシング3のインペラ2収納部周囲とケーシングカバー11のインペラ側端面には渦形状が備えられて、通水路となる渦室4を形成する。
また、吐出口8と渦室4を繋ぐ空間は自吸水注水口9から注入される自吸水をためる自吸水タンク6となる。
ケーシング3及びケーシングカバー11はインペラ2を回転軸方向へ挟み込むように組み付き約50μmのクリアランスを保つことで、インペラ2の回転を阻害しない構造になっている。
ケーシング3の吸込口7には、塩ビ管等のパイプを接続しパイプの端部は井戸等の水源へ下ろされる。一方、吐出口8には、貯水タンク、水栓等につながるパイプを接続し、水源から汲み上げた水を送り出す。
ウェスコポンプの始動時には、自吸水注水口9からケーシング3の内部へ自吸水を注ぎ自吸水タンク6を満たした後、インペラ2が回転することで吸込み側の空気を吐出し側に送り出し、自吸水タンク6内において水と空気を分離する。吸込口側通水路5及び吸込口7に取り付けられたパイプ内の空気が十分に送り出されることで、吸込み側が負圧となり水源から水を汲み上げることが出来る。
渦室4は、図6で説明したように、回転軸方向の断面が吸込み側から吐出し側に向けて徐々に狭くなる形状をしており、吸い込まれた水は吸込み側から吐出し側に進むにしたがって流速が早くなる。
吸込口側通水路5と渦室4の接続部には、インペラ2の外周側であって、インペラ2の回転面に沿って、かつ、回転方向に凹部が形成されるような窪み12が設けられている。この窪み12は、開口部が上側にあるので、水と共に吸込まれた砂等の異物は、窪み12の開口部から底へ落ち込み、渦室4との間にある壁15により、渦室4へ流れずに窪み12の底に溜められる。また、窪み12は、吐出し側に比べて流速が遅い吸込み側に設けられているので、異物が分離され易くなっている。
また、窪み12は、吸込口側通水路5と渦室4の接続部において、インペラ2の外周円の接線方向であって、回転方向にむけて窪んでいる。すなわち、吸込口側通水路5を流れてきた異物は、その移動方向を変えずに窪み12の中に流入していくので、効率よく異物をトラップできることになる。
これにより、砂等の異物が渦室4内に侵入することによって引き起こされるポンプの破損や能力低下を防止する。
なお、図1のような窪み12を有するウェスコ型電動ポンプでは、溜まった異物は、ポンプ自体のメンテナンス時、すなわち、ケーシングカバー11をあけたときに除去することになる。
また、図3に示す様に、窪み12の底と外部が通じる排出路13を設けるとともに、窪み12から排出路13の排出口16に至るまでに弁14を設けてもよい。排出路13は、窪み12と同程度の断面積を持ち、窪み12の側面からポンプケーシング(ケーシング3、もしくはケーシングカバー11)の外郭に設けた排出口16に連通するように設けられる。弁14は、渦室4に掛かる水圧に耐え漏水なく封止し、外部から開け締め可能なハンドルなどの機構を持つっている。
このような排出口16に連通した弁14は、ポンプ駆動時に一時的に弁14を開けることにより窪み12の底に溜まった異物と水を同時に排出させ、頃合を見計らって弁14を閉じて水を封止する。
これにより、ポンプ内の窪み12に溜まった異物を容易に除去することができ定期的に行うことでポンプ内を清潔に保ち、窪み12から異物が溢れだすことで渦室4に異物が侵入することを防止することが出来る。
なお、弁14としては、ねじ込みプラグを窪み12の底に設けてもよい。この場合、排出口16は、ねじ込みプラグで塞ぐようになっている。
本発明にかかるウェスコ型電動ポンプは、砂等の異物を吸上げる可能性のある浅井戸用ポンプなどに適用可能である。
1 電動機
2 インペラ
3 ケーシング
4 渦室
5 吸込口側通水路
6 自吸水タンク
7 吸込口
8 吐出口
9 自吸水注水口
10 栓
11 ケーシングカバー
12 窪み
13 排出路
14 弁
15 壁
16 排出口

Claims (4)

  1. 電動機と前記電動機によって回転するインペラと前記インペラの周囲に備えられたケーシングと前記インペラの一面を覆うように前記ケーシングに取り付けられるケーシングカバーを備えたウェスコ型ポンプであって、
    前記ケーシングは前記インペラ周辺の渦室と、
    前記渦室に連通する吸込口を供えた吸込口側通水路、及び吐出口を備えた自吸水タンクを備え、
    前記吸込口側通水路と渦室の接続部に、窪みを備えたことを特徴としたウェスコ型電動ポンプ。
  2. 前記窪みは、前記渦室の外周側に設けた請求項1記載のウェスコ型電動ポンプ。
  3. 前記窪みは、前記インペラの接線方向に窪んだ請求項2記載のウェスコ型電動ポンプ。
  4. 前記窪みの底にあたる部分には、開放することによって異物を取り除く弁を設けたことを特徴とする請求項1〜3いずれかひとつに記載のウェスコ型電動ポンプ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018168519A1 (ja) * 2017-03-13 2018-09-20 パナソニックIpマネジメント株式会社 渦流ポンプ
US20210372429A1 (en) * 2019-12-06 2021-12-02 Gp Enterprises Co., Ltd. Multipurpose transfer pump free of secondary water filling

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