JP2014190074A - デッキプレート及び床構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】膨大部3bを有する複数条の補強リブ3を持つデッキプレート1を補強リブを上側にして敷設しコンクリートを打設して床構造を構築する際に、打設コンクリートがデッキプレート長さ方向端部において前記膨大部内に入り込むことがなく、また、コンクリートの膨大部浸入防止のために補強リブのデッキプレート長さ方向端部を押し潰す場合に、その押し潰し加工が容易であり、押し潰したことによる端部の断面性能の低下が少なく、その他の点でも改善されるデッキプレートを得ることを目的とする。
【解決手段】基板部2と、この基板部から、当該基板部側に窄まり部3aを有し先端側に膨大部3bを有する断面形状で突出する複数条の補強リブ3を備えたデッキプレート1であって、デッキプレート長さ方向両端部に、前記補強リブをデッキプレート幅方向両側から押し潰して前記膨大部を閉鎖した押し潰し端4を有する。
【選択図】図3

Description

この発明は、基板部とこの基板部から突出する複数条の補強リブを備えたデッキプレート、及びこのデッキプレートを用いて構築する床構造に関する。
図11は基板部2と、この基板部2から、当該基板部2側に図示例では2枚重ね部である窄まり部3aを有し先端側に空間3cを形成する膨大部3bを有する断面形状で突出する複数条の補強リブ3を備えた薄鋼板製のデッキプレートを示す。基板部2の幅方向の一方の縁部に短幅平坦部2aを有し、他方の縁部にL形に曲げた係止片2bを有している。この種のデッキプレートは、一般にフラットデッキプレートと称されているが、補強リブが膨大部を持たずに単にL形やI形に折り畳んだ形状をなすフラットデッキプレートもある。
この種のデッキプレートは例えば、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物の床スラブや屋根スラブなどを構築する際に、梁間に掛け渡してコンクリート打設用型枠として用いられる。
この種のデッキプレートは一般に、補強リブ3を下側にして敷設するが、通常、図12(イ)、(ロ)、(ハ)に示したデッキプレート1’のように、デッキプレート長さ方向端部の補強リブ3を基板部2側に押し潰して押し潰し端部4’を形成し、この押し潰し端部4’を梁5に掛けることが行なわれている(特許文献1)。
デッキプレート長さ方向端部(以下場合により単に長さ方向端部と言う)を押し潰さないままでは、打設したコンクリートが補強リブ3の膨大部3b内に入り込んで、無用にコンクリート使用量が増してコスト高となり、また床重量も増して適切でないので、また、階高を節約するためにも、前記のように、長さ方向端部を押し潰して、デッキプレートの上面高さ位置が低くなるようにしている。
なお、この場合、押し潰し端部4’に厚みがあることで、長さ方向端部を単に押し潰したままでは基板部2の下に隙間が生じるので、端部における基板部2を基板部上面より凹ませてパン2cを形成している。
この種のデッキプレートは、一般にフラットデッキプレートと呼ばれるように上面全体に平坦面が形成されることが特徴なので、上記のように補強リブ3を下側にして敷設するのが一般的であるが、特許文献2(特開平8−218538)では、端部の押し潰し加工を不要にし、かつ、天井吊金具の取り付けを容易にするフラットデッキプレートとして、補強リブを上側にして敷設する場合が示されている。すなわち、この特許文献2の補強リブは、基本的には前記図11の補強リブ3と同様な断面形状で、二枚重ね部(特許文献2の垂直条部2a)と三角形状の空間を形成する膨大部(特許文献2の中空条部2b)とを有するが、長さ方向端部は、押し潰して膨大部の空間を閉鎖する構造とはしてはいない。
特許文献3(特開平9−4107)は、フラットデッキプレートに塗装を施している場合に、補強リブにおける二枚重ね部(特許文献3の垂直重合部2a)の拡開を防止するためのスポット溶接を可能にすることを目的とするものであるが、基本構造としては特許文献2と同様である。
ところで、いわゆるフラットデッキプレートではないが、水平な山面と谷面とが斜面で連続して台形波形断面形状をなす通常のデッキプレートの場合は、長さ方向端部を特に処理しないで敷設したのでは、山面の下の空間から打設したコンクリートが階下に流出するので、コンクリート漏れを防ぐ手段が必要であり、長さ方向端部の山部を押し潰し閉塞して梁載置部とすることが行なわれ、エンクロデッキプレートとも称されている(特許文献4:特開2007−077645)。
特開平6−123153 特開平8−218538 特開平9−4107 特開2007−077645
補強リブを上側にして用いる場合に特許文献2では、長さ方向端部は、押し潰して膨大部の空間を閉鎖する構造としてはいない。したがって、打設したコンクリートが膨大部に入り込み、コンクリート使用量が増してコスト高となり、また、設計以上のコンクリート量となるので床重量も増加し、設計時の許容応力を超えてしまうことも生じ得る。
そこで、特許文献1のように長さ方向端部を上から押し潰して形成した押し潰し端部の場合が考えられるが、端部断面の高さが殆んどなくなり、端部の断面性能が大きく低下するが、端部においても断面性能の低下を極力防ぐことが望ましい。
仮に、前記図12の押し潰し端部4’を有するデッキプレート1’を、特許文献2と同様に補強リブ3を上側にする逆さ使いをして敷設するとすれば、図13のデッキプレート1”ようになり、打設したコンクリートが膨大部に入り込むという特許文献2の前記問題は解消される。なお、この場合の長さ方向端部には、図12におけるパン2cは不要である。
図12のような一般的な使い方をするにしても図13のような逆さ使いをするにしても、補強リブ3を上から押し潰して押し潰し端部を形成するが、膨大部3bを有する補強リブ3を上から押し潰して押し潰し端部4’を形成する端部加工では、複雑に折り畳まれて潰されるので、常に一定した押し潰し端部形状は得にくく、また、すっきりした外観とはならない。
その他、従来のように上から押し潰した端部を持つデッキプレートと比べて、種々の点で改善されるデッキプレートが得られれば望ましい。
本発明は上記事情を鑑みてなされたもので、膨大部を有する複数条の補強リブを持つデッキプレートを前記補強リブを上側にして用いる場合に、打設したコンクリートが長さ方向端部において前記補強リブの膨大部内に入り込むことがないデッキプレートを得ることを目的とし、また、コンクリートの膨大部浸入を防止するために補強リブのデッキプレート長さ方向端部を押し潰す場合に、その押し潰し加工が容易であり、かつ、押し潰したことによる端部の断面性能の低下が少なく、また、その他の点でも改善されるデッキプレートを得ることを目的とする。
上記課題を解決する請求項1の発明は、基板部と、この基板部から、当該基板部側に窄まり部を有し先端側に膨大部を有する断面形状で突出する複数条の補強リブを備えたデッキプレートであって、
デッキプレート長さ方向両端部に、前記補強リブをデッキプレート幅方向両側から押し潰して前記膨大部を閉鎖した押し潰し端部を有することを特徴とする。
請求項2は、請求項1のデッキプレートにおいて、前記押し潰し端部は、膨大部先端側部分の膨大部板材が内向きに折り込まれる態様でデッキプレート幅方向両側から押し潰されて形成されたことを特徴とする。
請求項3は、請求項1のデッキプレートにおいて、前記押し潰し端部は、膨大部先端側部分の膨大部板材がさらに先端方向に延出して二枚重ね状態になる態様でデッキプレート幅方向両側から押し潰されて形成されたことを特徴とする。
請求項4は、請求項1〜3のいずれかのデッキプレートにおいて、前記補強リブの前記窄まり部が隙間のない閉鎖窄まり部であり、前記補強リブの膨大部のデッキプレート長さ方向両端部がデッキプレート幅方向両側から押し潰されていることで、デッキプレート全体として補強リブの内部に閉鎖空間が形成されていることを特徴とする。
請求項5の床構造の発明は、請求項1〜4のいずれか1項のデッキプレートを複数枚、前記補強リブを上側にして梁間に掛け渡し、その上にコンクリートを打設して構築したことを特徴とする。
請求項6の床構造の発明は、共通の梁上で連続する第1の床と第2の床との一方が等厚スラブ、他方が合成スラブであり、
前記等厚スラブは上面全体が平坦面である型枠を用いコンクリートを打設して構築されるスラブであり、
前記合成スラブは打設されるコンクリートに対してコンクリート硬化後にコンクリートと一体結合する突部を有するデッキプレートを型枠として用いコンクリートを打設して構築されるスラブであり、
前記合成スラブが、請求項1〜4のいずれか1項のデッキプレートを型枠として用いコンクリートを打設して構築されてなり、かつ上面高さ位置が前記等厚スラブと同じであることを特徴とする。
本発明によれば、補強リブの膨大部のデッキプレート長さ方向両端部がデッキプレート幅方向両側から押し潰されて、閉じた押し潰し端部を形成しているので、このデッキプレートを補強リブを上側にして梁上に敷設しコンクリートを打設しても、コンクリートがデッキプレート長さ方向端部において補強リブの膨大部内に入り込むことがない。
したがって、設計以上のコンクリート使用量となることを防ぎ、コンクリート量増加によるコストアップを防ぐことができる。また、設計通りのコンクリート量で施工されるので、床重量が設計重量より増すことがなく、設計時の許容応力を超えてしまう恐れもなくなる。
従来のように補強リブを上から押し潰す端部加工では、複雑に折り畳まれて潰されるので、常に一定した押し潰し端部形状は得にくく、また、すっきりした外観とはならないが、本発明のように、デッキプレート幅方向両側から押し潰す端部加工では、常に一定した押し潰し端部形状が得られ、また、すっきりした外観となる。
また、従来の補強リブの全体を上から押し潰す加工と比較して、本発明のデッキプレート幅方向両側から押し潰す加工では、膨大部の押し潰し加工だけで済むので、加工に要する力は小さく済む。
上から押し潰して形成した従来の押し潰し端部のように断面高さが殆んどなく断面性能が大きく低下するものと比較して、本発明のデッキプレート幅方向両側から押し潰して形成した押し潰し端部は断面高さを保つので、断面性能は大である。
本発明のデッキプレートを請求項5のように、膨大部を持つ補強リブを上側にして敷設することで、膨大部が打設したコンクリートと一体結合するコンクリート合成効果を奏し、デッキプレートが単なる型枠にとどまらず、コンクリート硬化後は構造部材として機能し、いわゆる合成スラブを構築することができる。
従来のように補強リブを上から押し潰す場合と比較して、デッキプレート幅方向両側から押し潰す場合は、押し潰された部分から端部加工の影響を受けていない補強リブ断面形状に移行するデッキプレート長さ方向の断面漸変領域が短く済むので、デッキプレート長さ方向の変形部領域が短く済む。
したがって、コンクリート合成効果の低い変形部(押し潰し端部+断面漸変領域)の領域を短くすることができる。
請求項5の床構造を、台形波形断面形状をなす通常のデッキプレートを用いた合成スラブと同等の断面性能となるようなコンクリートボリュームで施工した場合、前記台形波形断面形状の合成床版用デッキプレートを用いた合成スラブと比較して、スラブ厚を薄くすることができる(詳細は後述)。
したがって、請求項6のように、共通の梁上で連続する2つの床の一方を等厚スラブ、他方を合成スラブとする場合に、前記他方の合成スラブを請求項5のように本発明のデッキプレートを用いて構築することで、前記2つの床全体のスラブ厚を、台形波形断面形状の合成床版用デッキプレートを用いて合成スラブを構築する場合の2つの床全体のスラブ厚より、薄くすることができる。
すなわち、梁上で連続する梁の両側の2つの床は通常、床面高さ位置を同じにするので、前記他方の合成スラブが台形波形断面形状のデッキプレートを用いた合成スラブであれば、その合成スラブのスラブ厚に合せて前記一方の等厚スラブを余分に厚く施工する必要がある。しかし、前記他方の合成スラブを請求項5の合成スラブとすることでそのスラブ厚を薄くすることができるので、前記一方の等厚スラブを余分に厚く施工する必要はなく、したがって、梁の両側の2つの床全体のスラブ厚を、台形波形断面形状の合成床版用デッキプレートを用いて合成スラブを構築する場合の2つの床全体のスラブ厚より、薄くすることができる。これにより、階高を低くすることが可能で、施工コストを削減することができ、建物全体として大きなコストダウンが図られる。
請求項4のように補強リブの窄まり部がカシメや溶接等により隙間のない閉鎖窄まり部とされておれば、コンクリートの重量で窄まり部の隙間が広がったりすることがなく、好ましい。
本発明の一実施例のデッキプレートを示すもので、(イ)はデッキプレート端部近傍の平面図、(ロ)は(イ)のA−A断面図、(ハ)は(イ)のB−B断面図である。 図1のデッキプレートを梁間に掛け渡した状態の側面図である。 (イ)は図2の押し潰し端部の近傍を拡大した図、(ロ)は(イ)のC−C断面図、(ハ)は(イ)のD−D断面図、(ニ)は(ハ)を拡大した図である。 上記デッキプレートの斜視図である。 図4の要部を拡大した図である。 上記デッキプレートにおける補強リブの端部を幅方向から押し潰して押し潰し端部を形成する工程の説明図である。 本発明において押し潰し端部から押し潰していない補強リブまでの断面漸変領域長さについて説明する図であり、(ロ)は図1のデッキプレートの要部の図、(イ)は(ロ)の平面図、(ハ)は図13(イ)に示した従来のデッキプレートの要部の図である。 (イ)は本発明の床構造の一実施例を示す要部断面図、(ロ)は(イ)の床構造の効果を説明するために比較して示した床構造の断面図である。 本発明の他の実施例を示す図(図3に対応)であり、(イ)はデッキプレートの押し潰し端部の近傍を拡大した図、(ロ)は(イ)のC’−C’断面図、(ハ)は(イ)のD’−D’断面図である。 本発明のさらに他の実施例を示す図(図3に対応)であり、(イ)はデッキプレートの押し潰し端部の近傍を拡大した図、(ロ)は(イ)のC”−C”断面図、(ハ)は(イ)のD”−D”断面図である。 デッキプレート長さ方向端部の押し潰し加工をしていないデッキプレートを説明するもので、(イ)はデッキプレート端部近傍の平面図、(ロ)は(イ)のE−E断面図である 従来のデッキプレートを説明するもので、(イ)はデッキプレートを梁間に掛け渡した状態の側面図、(ロ)は(イ)のF−F拡大断面図、(ハ)は(イ)の梁を除くG−G拡大断面図である。 他の従来のデッキプレートを説明するもので、(イ)はデッキプレートを梁間に掛け渡した状態の側面図、(ロ)は(イ)のH−H拡大断面図、(ハ)は(イ)の梁を除くI−I拡大断面図である。
以下、本発明のデッキプレート及び床構造を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
図1は一実施例のデッキプレート1を説明するもので、(イ)はデッキプレート端部近傍の平面図、(ロ)は(イ)のA−A断面図、(ハ)は(イ)のB−B断面図である。図2は図1のデッキプレート1を梁間に掛け渡した状態の側面図である。図3(イ)は図2の押し潰し端部の近傍を拡大した図、(ロ)は(イ)のC−C断面図、(ハ)は(イ)のD−D断面図、(ニ)は(ハ)を拡大した図である。図4は上記デッキプレート1の端部近傍の斜視図、図5は図4の一部分を拡大した図である。
このデッキプレート1は、例えば、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物の床スラブや屋根スラブなどを構築する際に、梁間に掛け渡してコンクリート打設用型枠として用いられるもので、一般に0.8mm〜1.6mm程度の薄鋼板を用いてロール成形により製造される。
図示例のデッキプレート1は、長さ方向端部を除けば図11で説明したデッキプレートと同じであり、基板部2と、この基板部2から、当該基板部2側に図示例では2枚重ね部(窄まり部)3aを有し先端側に空間3cを形成する膨大部3bを有する断面形状で突出する複数条の補強リブ3を備え、基板部2の幅方向の一方の縁部に短幅平坦部2aを有し、他方の縁部にL形に曲げた係止片2bを有している。
本発明のデッキプレートは、デッキプレート長さ方向両端部に、前記補強リブ3をデッキプレート幅方向両側から押し潰して前記膨大部3bを閉鎖した押し潰し端部4を有する。
図示例の押し潰し端部4は、図3(ハ)及び拡大した(ニ)に示すように、膨大部先端側部分の平坦部(膨大部板材)が内向きに折り込まれる態様でデッキプレート幅方向両側から押し潰されて形成されている。
図6はその押し潰し端部4を形成する過程を模式的に示したもので、図6(イ)は補強リブ3の膨大部3bが変形していない本来の三角形断面形状であり、膨大部3bの三角形辺の平坦部Sの中央を、同図(ロ)のように基板部2側に押し込んで凹ませるか、もしくは膨らまないように支えた後、同図(ハ)のように膨大部3bを金型で両側から押し潰すことで、同図(ニ)のように前記平坦部Sを隙間のない二枚重ねに状態に折り畳んで、押し潰し端部4を形成している。この端部押し潰し加工は適宜の金型を用いて行なうことができる。(ロ)〜(ニ)には変形していない状態の膨大部3bを破線で示した。
従来のように補強リブを上から押し潰す端部加工では、複雑に折り畳まれて潰されるので、常に一定した押し潰し端部形状は得にくく、また、すっきりした外観とはならないが、図6に示したように、デッキプレート幅方向両側から押し潰す端部加工では、常に一定した押し潰し端部形状が得られ、また、すっきりした外観となる。
また、従来の補強リブの全体を上から押し潰す加工と比較して、本発明のデッキプレート幅方向両側から押し潰す加工では、二枚重ね部の変形はなく膨大部の押し潰し加工だけで済むので、加工に要する力は小さく済む。
上記のデッキプレート1は、図2、図3のように、コンクリート床施工に際して、コンクリート打設時の捨て型枠として梁5間に掛け渡され、必要に応じて適宜配筋を配置してコンクリートを打設し、床スラブを構築する。
このデッキプレート1によれば、補強リブ3の膨大部3bのデッキプレート長さ方向両端部がデッキプレート幅方向両側から押し潰されて、閉じた押し潰し端部4を形成しているので、図示のように補強リブ3を上側にして敷設しコンクリートを打設しても、コンクリートがデッキプレート長さ方向端部において補強リブ3の膨大部3b内に入り込むことがない。
したがって、設計以上のコンクリート使用量となることを防ぎ、コンクリート量増加によるコストアップを防ぐことができる。また、設計通りのコンクリート量で施工されるので、床重量が設計重量より増すことがなく、設計時の許容応力を超えてしまう恐れもなくなる。
また、上から押し潰して形成した従来の押し潰し端部4’のように断面高さが殆んどなく断面性能が大きく低下するものと比較して、デッキプレート幅方向両側から実施例のように押し潰して形成した押し潰し端部4は断面高さを保つので断面性能は大である。但し、押し潰していない補強リブと比較すると若干低下する。
このデッキプレート1を用いて構築した床構造は、補強リブ3が上側にあるので、補強リブ3の膨大部3bが打設したコンクリートと一体結合するコンクリート合成効果を奏する。特に、膨大部3bの基板部2へ向けた面が打設したコンクリートに係合して、デッキプレートとコンクリートの合成効果が得られる。したがって、デッキプレートが単なる捨て型枠にとどまらず、コンクリート硬化後は構造部材として機能し、いわゆる合成スラブを構築することができる。なお、合成スラブとなるので、構造用鉄筋を省略することも可能であるが、必要に応じて構造用鉄筋も配置するとよい。
図7は本発明において押し潰し端部から押し潰していない補強リブまでの距離、すなわち断面漸変領域長さについて説明する図であり、(ロ)は図1のデッキプレートの要部の図、(イ)は(ロ)の平面図、(ハ)は図13(イ)に示した従来のデッキプレートの要部の図である。
例えば、板厚1.0mm、補強リブ3の高さが75mm、その膨大部3bの幅が40mm、2枚重ね部3aの長さが概ね40mmのデッキプレートの場合、実施例の押し潰し端部4を形成する際の断面漸変領域長さLを50mmまで短くしても良好な押し潰し端部を形成できるのに対して、従来の上から押し潰す端部加工の場合の断面漸変領域長さL’は通常200mm程度を必要とする(なお、押し潰し端部4、4’の長さは同じとしている)。
このように、本発明の幅方向から押し潰す端部加工の場合の断面漸変領域Lは、従来の上から押し潰す端部加工の場合の断面漸変領域L’と比較して顕著に短く済む。したがって、コンクリート合成効果の低い変形部(押し潰し端部+断面漸変領域)の領域を短くすることができる。
従来及び本発明の3種の端部断面形状について、断面二次モーメント及びコンクリートに対する付着面積(幅方向の長さで示す)を比較すると表1の通りである。なお、板厚1mm、補強リブの高さ75mm、幅40mm、1スパン(補強リブ間隔)210mmで計算している。
<1>は従来の押し潰し加工をしない端部断面形状(仮にエンクロ無し断面と呼ぶ)、 <2>は横方向に押し潰して形成した本発明の押し潰し端部4の断面形状(仮に垂直エンクロ断面と呼ぶ)、<3>は上から押し潰して形成した従来の押し潰し端部4’の断面形状(仮に水平エンクロ断面と呼ぶ)である。なお、コンクリートに対する付着面積が大きいことはコンクリートに対する結合力に寄与する。
表1に示す通り、断面二次モーメント及び付着面積のいずれについても、エンクロ無し断面の場合が最も大であるが、従来の水平エンクロ断面4’では、エンクロ無し断面に対して断面二次モーメントが1%、付着面積が54%と大幅に低下するのに対して、本発明の垂直エンクロ断面4では、エンクロ無し断面に対して断面二次モーメントが83%、付着面積が90%であり、低下の程度が軽微である。
Figure 2014190074
図8は共通の梁5上で連続する2つの床の一方を等厚スラブ21、他方を合成スラブとして施工する場合について説明する図である。
図示例の一方の等厚スラブ21は、図12(イ)のように、デッキプレート1’を上面全体が平坦面である単なる捨て型枠として用いて施工した等厚スラブであり、一般的な鉄筋コンクリート床と同様に縦及び横の鉄筋を配置する。
合成スラブは、敷設したデッキプレートがコンクリート打設時には型枠として機能し、コンクリート硬化後はコンクリートと一体となって荷重を負担するスラブであり、図8(イ)の合成スラブ22は、本発明のデッキプレート1を合成デッキとして図2のように梁間に敷設しコンクリートを打設して構築した合成スラブである。
図8(ロ)の合成スラブ23は、水平な山面11aと谷面11bとが斜面11cで連続して台形波形断面形状をなし、さらに斜面11cにコンクリートと係合する段差部11dを形成した合成床版用デッキプレート11を用いて構築した合成スラブである。
図8(ロ)の合成スラブ23は、構造設計上、谷部のコンクリートの厚み方向全体を構造部材として有効に使えないので、スラブ厚t’が厚くなる。
これに対して、図8(イ)の合成スラブ22を、台形波形断面形状をなす合成床版用デッキプレートを用いた合成スラブと同等の断面性能となるようなコンクリートボリュームで施工した場合、構造部材として有効に使えないコンクリート部分はないので、前記台形波形断面形状の合成床版用デッキプレートを用いた合成スラブと比較して、スラブ厚tを薄くすることができる。
ところで、図8(イ)のように、梁5上で連続する梁両側の2つの床は通常、床面高さ位置を同じにするので、前記他方の合成スラブが、図8(ロ)のように台形波形断面形状のデッキプレート11を用いて施工した合成スラブ23であれば、床面高さ位置を同じにするためにその合成スラブ23のスラブ厚t’に合せて前記一方の等厚スラブ21のスラブ厚を余分に厚くする必要(tをt’とする必要)がある。
しかし、前記他方の合成スラブを、図8(イ)のように本発明のデッキプレート1を用いて施工した合成スラブ22とすれば、そのスラブ厚を余分に厚くする必要はなく本来のスラブ厚tのままで済む。
したがって、厚みを同じに施工する梁の両側の2つの床全体21、22のスラブ厚を、台形波形断面形状の合成床版用デッキプレートを用いて合成スラブを構築する場合の2つの床全体のスラブ厚t’より、薄くすることができる。これにより、階高を低くすることが可能で、施工コストを削減することができ、建物全体として大きなコストダウンが図られる。
図9に本発明の他の実施例のデッキプレート1Aを示す。このデッキプレート1Aの押し潰し端部4Aは、膨大部先端側部分の膨大部板材がさらに先端方向に延出して、図9(ハ)に示すように単なる直線状の二枚重ね状態になる態様でデッキプレート幅方向両側から押し潰されて形成されている。
図10に本発明のさらに他の実施例のデッキプレート1Bを示す。このデッキプレート1Bは、同図(ロ)に示すように、補強リブ3’の二枚重ね部(窄まり部)3a’を長くした場合のもので、二枚重ね部3a’の中間部に、折り返し形状で左右に突出する横突出部3d’を設けている。この横突出部3d’は、二枚重ね部3a’の座屈耐力を高めるとともに、コンクリートを打設した際のデッキプレート1Bとコンクリートの合成効果を高める効果がある。
補強リブ3’の先端側の膨大部3b’は、図3(ロ)に示された膨大部3bと同じ断面形状であり、略三角形状をなして空間3c’を形成する。
また、このデッキプレート1Bにおける押し潰し端部4Bの押し潰された膨大部の部分は、図3(ハ)に示された押し潰し端部4と同様で、膨大部先端側部分の平坦部(膨大部板材)が内向きに折り込まれる態様でデッキプレート幅方向両側から押し潰されて形成されている。
上記各実施例では、補強リブ3の基板部2に繋がる窄まり部が、2枚の板材が重ね合わされた二枚重ね部3aであるが、この二枚重ね部3aの長さ(高さ)は特に限定されない。さらには、略三角形状の膨大部3bが基板部2から直接形成されていて、膨大部3bの略三角形状の頂点部分が窄まり部となる断面形状であってもよい。
また、空間を形成する膨大部の形状は略三角形に限定されない。
また、基板部2は、実施例では平板状としているが、例えば表面に凹凸があるものなど、平板状に限定されない。
1、1A、1B デッキプレート
2 基板部
3、3’ 補強リブ
3a、3a’ 二枚重ね部(窄まり部)
3b、3b’ 膨大部
3c、3c’ 空間
3d’ 横突出部
4、4A、4B 押し潰し端部
5 梁
21 等厚スラブ
22 (本発明のデッキプレートによる)合成スラブ
23 (台形波形断面形状のデッキプレートによる)合成スラブ
L 断面漸変領域長さ

Claims (6)

  1. 基板部と、この基板部から、当該基板部側に窄まり部を有し先端側に膨大部を有する断面形状で突出する複数条の補強リブを備えたデッキプレートであって、
    デッキプレート長さ方向両端部に、前記補強リブをデッキプレート幅方向両側から押し潰して前記膨大部を閉鎖した押し潰し端部を有することを特徴とするデッキプレート。
  2. 前記押し潰し端部は、膨大部先端側部分の膨大部板材が内向きに折り込まれる態様でデッキプレート幅方向両側から押し潰されて形成されたことを特徴とする請求項1記載のデッキプレート。
  3. 前記押し潰し端部は、膨大部先端側部分の膨大部板材がさらに先端方向に延出して二枚重ね状態になる態様でデッキプレート幅方向両側から押し潰されて形成されたことを特徴とする請求項1記載のデッキプレート。
  4. 前記補強リブの前記窄まり部が隙間のない閉鎖窄まり部であり、前記補強リブの膨大部のデッキプレート長さ方向両端部がデッキプレート幅方向両側から押し潰されていることで、デッキプレート全体として補強リブの内部に閉鎖空間が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のデッキプレート。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項のデッキプレートを複数枚、前記補強リブを上側にして梁間に掛け渡し、その上にコンクリートを打設して構築したことを特徴とする床構造。
  6. 共通の梁上で連続する2つの床の一方が等厚スラブ、他方が合成スラブであり、
    前記等厚スラブは上面全体が平坦面である型枠を用いコンクリートを打設して構築されるスラブであり、
    前記合成スラブは打設されるコンクリートに対してコンクリート硬化後にコンクリートと一体結合する突部を有するデッキプレートを型枠として用いコンクリートを打設して構築されるスラブであり、
    前記合成スラブが、請求項1〜4のいずれか1項のデッキプレートを型枠として用いコンクリートを打設して構築されてなり、かつ上面高さ位置が前記等厚スラブと同じであることを特徴とする床構造。
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