JP2014190074A - デッキプレート及び床構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板部2と、この基板部から、当該基板部側に窄まり部3aを有し先端側に膨大部3bを有する断面形状で突出する複数条の補強リブ3を備えたデッキプレート1であって、デッキプレート長さ方向両端部に、前記補強リブをデッキプレート幅方向両側から押し潰して前記膨大部を閉鎖した押し潰し端4を有する。
【選択図】図3
Description
この種のデッキプレートは例えば、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物の床スラブや屋根スラブなどを構築する際に、梁間に掛け渡してコンクリート打設用型枠として用いられる。
デッキプレート長さ方向端部(以下場合により単に長さ方向端部と言う)を押し潰さないままでは、打設したコンクリートが補強リブ3の膨大部3b内に入り込んで、無用にコンクリート使用量が増してコスト高となり、また床重量も増して適切でないので、また、階高を節約するためにも、前記のように、長さ方向端部を押し潰して、デッキプレートの上面高さ位置が低くなるようにしている。
なお、この場合、押し潰し端部4’に厚みがあることで、長さ方向端部を単に押し潰したままでは基板部2の下に隙間が生じるので、端部における基板部2を基板部上面より凹ませてパン2cを形成している。
その他、従来のように上から押し潰した端部を持つデッキプレートと比べて、種々の点で改善されるデッキプレートが得られれば望ましい。
デッキプレート長さ方向両端部に、前記補強リブをデッキプレート幅方向両側から押し潰して前記膨大部を閉鎖した押し潰し端部を有することを特徴とする。
前記等厚スラブは上面全体が平坦面である型枠を用いコンクリートを打設して構築されるスラブであり、
前記合成スラブは打設されるコンクリートに対してコンクリート硬化後にコンクリートと一体結合する突部を有するデッキプレートを型枠として用いコンクリートを打設して構築されるスラブであり、
前記合成スラブが、請求項1〜4のいずれか1項のデッキプレートを型枠として用いコンクリートを打設して構築されてなり、かつ上面高さ位置が前記等厚スラブと同じであることを特徴とする。
したがって、設計以上のコンクリート使用量となることを防ぎ、コンクリート量増加によるコストアップを防ぐことができる。また、設計通りのコンクリート量で施工されるので、床重量が設計重量より増すことがなく、設計時の許容応力を超えてしまう恐れもなくなる。
また、従来の補強リブの全体を上から押し潰す加工と比較して、本発明のデッキプレート幅方向両側から押し潰す加工では、膨大部の押し潰し加工だけで済むので、加工に要する力は小さく済む。
したがって、コンクリート合成効果の低い変形部(押し潰し端部+断面漸変領域)の領域を短くすることができる。
したがって、請求項6のように、共通の梁上で連続する2つの床の一方を等厚スラブ、他方を合成スラブとする場合に、前記他方の合成スラブを請求項5のように本発明のデッキプレートを用いて構築することで、前記2つの床全体のスラブ厚を、台形波形断面形状の合成床版用デッキプレートを用いて合成スラブを構築する場合の2つの床全体のスラブ厚より、薄くすることができる。
すなわち、梁上で連続する梁の両側の2つの床は通常、床面高さ位置を同じにするので、前記他方の合成スラブが台形波形断面形状のデッキプレートを用いた合成スラブであれば、その合成スラブのスラブ厚に合せて前記一方の等厚スラブを余分に厚く施工する必要がある。しかし、前記他方の合成スラブを請求項5の合成スラブとすることでそのスラブ厚を薄くすることができるので、前記一方の等厚スラブを余分に厚く施工する必要はなく、したがって、梁の両側の2つの床全体のスラブ厚を、台形波形断面形状の合成床版用デッキプレートを用いて合成スラブを構築する場合の2つの床全体のスラブ厚より、薄くすることができる。これにより、階高を低くすることが可能で、施工コストを削減することができ、建物全体として大きなコストダウンが図られる。
図示例のデッキプレート1は、長さ方向端部を除けば図11で説明したデッキプレートと同じであり、基板部2と、この基板部2から、当該基板部2側に図示例では2枚重ね部(窄まり部)3aを有し先端側に空間3cを形成する膨大部3bを有する断面形状で突出する複数条の補強リブ3を備え、基板部2の幅方向の一方の縁部に短幅平坦部2aを有し、他方の縁部にL形に曲げた係止片2bを有している。
図示例の押し潰し端部4は、図3(ハ)及び拡大した(ニ)に示すように、膨大部先端側部分の平坦部(膨大部板材)が内向きに折り込まれる態様でデッキプレート幅方向両側から押し潰されて形成されている。
図6はその押し潰し端部4を形成する過程を模式的に示したもので、図6(イ)は補強リブ3の膨大部3bが変形していない本来の三角形断面形状であり、膨大部3bの三角形辺の平坦部Sの中央を、同図(ロ)のように基板部2側に押し込んで凹ませるか、もしくは膨らまないように支えた後、同図(ハ)のように膨大部3bを金型で両側から押し潰すことで、同図(ニ)のように前記平坦部Sを隙間のない二枚重ねに状態に折り畳んで、押し潰し端部4を形成している。この端部押し潰し加工は適宜の金型を用いて行なうことができる。(ロ)〜(ニ)には変形していない状態の膨大部3bを破線で示した。
また、従来の補強リブの全体を上から押し潰す加工と比較して、本発明のデッキプレート幅方向両側から押し潰す加工では、二枚重ね部の変形はなく膨大部の押し潰し加工だけで済むので、加工に要する力は小さく済む。
このデッキプレート1によれば、補強リブ3の膨大部3bのデッキプレート長さ方向両端部がデッキプレート幅方向両側から押し潰されて、閉じた押し潰し端部4を形成しているので、図示のように補強リブ3を上側にして敷設しコンクリートを打設しても、コンクリートがデッキプレート長さ方向端部において補強リブ3の膨大部3b内に入り込むことがない。
したがって、設計以上のコンクリート使用量となることを防ぎ、コンクリート量増加によるコストアップを防ぐことができる。また、設計通りのコンクリート量で施工されるので、床重量が設計重量より増すことがなく、設計時の許容応力を超えてしまう恐れもなくなる。
例えば、板厚1.0mm、補強リブ3の高さが75mm、その膨大部3bの幅が40mm、2枚重ね部3aの長さが概ね40mmのデッキプレートの場合、実施例の押し潰し端部4を形成する際の断面漸変領域長さLを50mmまで短くしても良好な押し潰し端部を形成できるのに対して、従来の上から押し潰す端部加工の場合の断面漸変領域長さL’は通常200mm程度を必要とする(なお、押し潰し端部4、4’の長さは同じとしている)。
このように、本発明の幅方向から押し潰す端部加工の場合の断面漸変領域Lは、従来の上から押し潰す端部加工の場合の断面漸変領域L’と比較して顕著に短く済む。したがって、コンクリート合成効果の低い変形部(押し潰し端部+断面漸変領域)の領域を短くすることができる。
<1>は従来の押し潰し加工をしない端部断面形状(仮にエンクロ無し断面と呼ぶ)、 <2>は横方向に押し潰して形成した本発明の押し潰し端部4の断面形状(仮に垂直エンクロ断面と呼ぶ)、<3>は上から押し潰して形成した従来の押し潰し端部4’の断面形状(仮に水平エンクロ断面と呼ぶ)である。なお、コンクリートに対する付着面積が大きいことはコンクリートに対する結合力に寄与する。
表1に示す通り、断面二次モーメント及び付着面積のいずれについても、エンクロ無し断面の場合が最も大であるが、従来の水平エンクロ断面4’では、エンクロ無し断面に対して断面二次モーメントが1%、付着面積が54%と大幅に低下するのに対して、本発明の垂直エンクロ断面4では、エンクロ無し断面に対して断面二次モーメントが83%、付着面積が90%であり、低下の程度が軽微である。
図示例の一方の等厚スラブ21は、図12(イ)のように、デッキプレート1’を上面全体が平坦面である単なる捨て型枠として用いて施工した等厚スラブであり、一般的な鉄筋コンクリート床と同様に縦及び横の鉄筋を配置する。
合成スラブは、敷設したデッキプレートがコンクリート打設時には型枠として機能し、コンクリート硬化後はコンクリートと一体となって荷重を負担するスラブであり、図8(イ)の合成スラブ22は、本発明のデッキプレート1を合成デッキとして図2のように梁間に敷設しコンクリートを打設して構築した合成スラブである。
図8(ロ)の合成スラブ23は、水平な山面11aと谷面11bとが斜面11cで連続して台形波形断面形状をなし、さらに斜面11cにコンクリートと係合する段差部11dを形成した合成床版用デッキプレート11を用いて構築した合成スラブである。
これに対して、図8(イ)の合成スラブ22を、台形波形断面形状をなす合成床版用デッキプレートを用いた合成スラブと同等の断面性能となるようなコンクリートボリュームで施工した場合、構造部材として有効に使えないコンクリート部分はないので、前記台形波形断面形状の合成床版用デッキプレートを用いた合成スラブと比較して、スラブ厚tを薄くすることができる。
しかし、前記他方の合成スラブを、図8(イ)のように本発明のデッキプレート1を用いて施工した合成スラブ22とすれば、そのスラブ厚を余分に厚くする必要はなく本来のスラブ厚tのままで済む。
したがって、厚みを同じに施工する梁の両側の2つの床全体21、22のスラブ厚を、台形波形断面形状の合成床版用デッキプレートを用いて合成スラブを構築する場合の2つの床全体のスラブ厚t’より、薄くすることができる。これにより、階高を低くすることが可能で、施工コストを削減することができ、建物全体として大きなコストダウンが図られる。
補強リブ3’の先端側の膨大部3b’は、図3(ロ)に示された膨大部3bと同じ断面形状であり、略三角形状をなして空間3c’を形成する。
また、このデッキプレート1Bにおける押し潰し端部4Bの押し潰された膨大部の部分は、図3(ハ)に示された押し潰し端部4と同様で、膨大部先端側部分の平坦部(膨大部板材)が内向きに折り込まれる態様でデッキプレート幅方向両側から押し潰されて形成されている。
また、空間を形成する膨大部の形状は略三角形に限定されない。
また、基板部2は、実施例では平板状としているが、例えば表面に凹凸があるものなど、平板状に限定されない。
2 基板部
3、3’ 補強リブ
3a、3a’ 二枚重ね部(窄まり部)
3b、3b’ 膨大部
3c、3c’ 空間
3d’ 横突出部
4、4A、4B 押し潰し端部
5 梁
21 等厚スラブ
22 (本発明のデッキプレートによる)合成スラブ
23 (台形波形断面形状のデッキプレートによる)合成スラブ
L 断面漸変領域長さ
Claims (6)
- 基板部と、この基板部から、当該基板部側に窄まり部を有し先端側に膨大部を有する断面形状で突出する複数条の補強リブを備えたデッキプレートであって、
デッキプレート長さ方向両端部に、前記補強リブをデッキプレート幅方向両側から押し潰して前記膨大部を閉鎖した押し潰し端部を有することを特徴とするデッキプレート。 - 前記押し潰し端部は、膨大部先端側部分の膨大部板材が内向きに折り込まれる態様でデッキプレート幅方向両側から押し潰されて形成されたことを特徴とする請求項1記載のデッキプレート。
- 前記押し潰し端部は、膨大部先端側部分の膨大部板材がさらに先端方向に延出して二枚重ね状態になる態様でデッキプレート幅方向両側から押し潰されて形成されたことを特徴とする請求項1記載のデッキプレート。
- 前記補強リブの前記窄まり部が隙間のない閉鎖窄まり部であり、前記補強リブの膨大部のデッキプレート長さ方向両端部がデッキプレート幅方向両側から押し潰されていることで、デッキプレート全体として補強リブの内部に閉鎖空間が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のデッキプレート。
- 請求項1〜4のいずれか1項のデッキプレートを複数枚、前記補強リブを上側にして梁間に掛け渡し、その上にコンクリートを打設して構築したことを特徴とする床構造。
- 共通の梁上で連続する2つの床の一方が等厚スラブ、他方が合成スラブであり、
前記等厚スラブは上面全体が平坦面である型枠を用いコンクリートを打設して構築されるスラブであり、
前記合成スラブは打設されるコンクリートに対してコンクリート硬化後にコンクリートと一体結合する突部を有するデッキプレートを型枠として用いコンクリートを打設して構築されるスラブであり、
前記合成スラブが、請求項1〜4のいずれか1項のデッキプレートを型枠として用いコンクリートを打設して構築されてなり、かつ上面高さ位置が前記等厚スラブと同じであることを特徴とする床構造。
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JP2016125655A (ja) * | 2015-03-26 | 2016-07-11 | クボタシーアイ株式会社 | 放射空調システム |
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- 2013-03-27 JP JP2013067136A patent/JP6160857B2/ja active Active
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