JP2014189377A - 記録装置及び記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】搬送ベルトをAC帯電させることにより被記録媒体を搬送可能な記録装置において、装置の小型化を進めつつ、被記録媒体の搬送時における水分の影響による搬送不良を抑制する。
【解決手段】内層Iと疎水性の材料を含む外層Oとを有し、外層Oに設けられた支持面Fに被記録媒体を支持させて搬送する搬送ベルト3と、搬送ベルト3の帯電部10と、ラインヘッド6と、搬送ベルト3の支持面Fに対向する位置に、キャッピングユニット9とワイピングユニット7の少なくとも一方とを備え、被記録媒体にインクが吐出されている際におけるキャッピングユニット9とワイピングユニット7の少なくとも一方と支持面Fとの距離L2(L3)は、被記録媒体にインクが吐出されている際におけるラインヘッド6のノズルと支持面Fとの距離L1よりも長く、帯電部10は、10Hz以上200Hz以下の周波数で外層OをAC帯電する。
【選択図】図1
【解決手段】内層Iと疎水性の材料を含む外層Oとを有し、外層Oに設けられた支持面Fに被記録媒体を支持させて搬送する搬送ベルト3と、搬送ベルト3の帯電部10と、ラインヘッド6と、搬送ベルト3の支持面Fに対向する位置に、キャッピングユニット9とワイピングユニット7の少なくとも一方とを備え、被記録媒体にインクが吐出されている際におけるキャッピングユニット9とワイピングユニット7の少なくとも一方と支持面Fとの距離L2(L3)は、被記録媒体にインクが吐出されている際におけるラインヘッド6のノズルと支持面Fとの距離L1よりも長く、帯電部10は、10Hz以上200Hz以下の周波数で外層OをAC帯電する。
【選択図】図1
Description
本発明は、搬送ベルトをAC帯電させることにより被記録媒体を搬送可能な記録装置及び記録方法に関する。
従来から、搬送ベルトの被記録媒体を支持する支持面を帯電させることにより被記録媒体を搬送可能な記録装置が使用されている。このような記録装置のうち、搬送ベルトの前記支持面をAC帯電させて被記録媒体を支持する記録装置がある。搬送ベルトをAC帯電させて被記録媒体を支持する記録装置は、被記録媒体を帯電させるための被記録媒体帯電機構が不要であり、搬送ベルトをDC帯電させて被記録媒体を支持する記録装置に比べて装置の小型化が容易になったり、搬送ベルトを帯電させる帯電部材のレイアウトの自由度が高くなる等のメリットがある。例えば、特許文献1には、搬送ベルトの前記支持面上に正の電荷と負の電荷とを交互に帯電させ、被記録媒体を前記支持面に吸着させることにより、被記録媒体を搬送ベルトに支持させて搬送する記録装置が開示されている。
搬送ベルトを帯電させることにより被記録媒体を搬送可能な記録装置において装置を小型化するためには、搬送ベルトによって被記録媒体が搬送される搬送経路において、搬送ベルトの前記支持面と対向する領域に、記録ヘッドやその他の様々な部材を位置させる構成が好ましい。しかし、上記構成によって装置の小型化を図ると、前記搬送経路において、搬送ベルトと対向する領域に設けられた部材による被覆率が高くなる。例えば、特許文献2には、搬送ベルトの前記支持面と対向する領域に、記録ヘッドの他、メンテナンスユニットを位置させる構成の記録装置が開示されている。特に、記録ヘッドとしてラインヘッドを用いた記録装置の場合、被記録媒体の搬送方向と交差する方向に往復移動して記録する所謂シリアルヘッドと比較して、記録ヘッドが大きくなる傾向にある。さらに、キャッピングユニットも記録ヘッドに応じて大きくなる傾向があるため、搬送ベルトの被覆率はシリアルヘッドと比較して大きくなる。また、ラインヘッドを搬送ベルト上面から退避させる構造の記録装置とすると、ラインヘッドの構造上、装置の大型化は避けられない。
しかしながら、前記被覆率が高くなると、記録ヘッドから吐出したインクに由来する水分等が搬送ベルトの前記支持面付近に籠り易くなる。搬送ベルトをAC帯電させて被記録媒体を支持する記録装置は、搬送ベルト付近の湿度が高い場合、水分の影響により静電吸着力が低下して被記録媒体が搬送ベルトの前記支持面に吸着しづらくなる場合がある。これは、水分がAC帯電された前記支持面における極性の異なる隣り合う帯電電位を互いに打ち消し合ってしまうためである。
本発明者等が鋭意検討した結果、被覆率が高くなると、例えば前記被覆率が60%以上である場合、特に、記録ヘッドから吐出したインクに由来する水分等が搬送ベルトの前記支持面付近に籠り易く、水分の影響により被記録媒体が前記支持面に吸着しづらくなる場合があるということがわかった。即ち、被覆率が高くなると、被記録媒体に対する静電吸着力が低下し、該被記録媒体の搬送不良を発生する虞があることがわかった。ここで、「被覆率」とは、前記搬送経路における前記支持面の面積に対する、前記部材を該面に対して垂直方向から見た場合(平面視した場合)の該搬送経路上の面積の割合を意味する。
一方、被記録媒体が搬送ベルトの前記支持面に吸着しづらくなることを抑制するために前記被覆率を低くして、例えば前記被覆率を60%未満にすると、記録装置の小型化が不十分になる。
このように、従来の搬送ベルトの前記支持面をAC帯電させて被記録媒体を支持する記録装置においては、装置を大型化させることなく、被記録媒体の搬送時における水分の影響による搬送不良を抑制することが困難であった。
一方、被記録媒体が搬送ベルトの前記支持面に吸着しづらくなることを抑制するために前記被覆率を低くして、例えば前記被覆率を60%未満にすると、記録装置の小型化が不十分になる。
このように、従来の搬送ベルトの前記支持面をAC帯電させて被記録媒体を支持する記録装置においては、装置を大型化させることなく、被記録媒体の搬送時における水分の影響による搬送不良を抑制することが困難であった。
そこで、本発明の目的は、搬送ベルトの前記支持面をAC帯電させることにより被記録媒体を搬送可能な記録装置において、装置の小型化を進めつつ、被記録媒体の搬送時における水分の影響による搬送不良を抑制することである。
上記課題を解決するための本発明の第1の態様の記録装置は、内層と外層を有し、前記外層に被記録媒体を支持する支持面を有する無端状の搬送ベルトと、前記搬送ベルトの前記支持面を帯電させて該支持面に前記被記録媒体を静電吸着可能にするAC帯電部と、前記支持面に静電吸着されて搬送される前記被記録媒体にインクをノズルから吐出するラインヘッドと、前記支持面と対向する領域に設けられた配置部材と、を備え、前記被記録媒体に前記インクが吐出されている際における前記配置部材と前記支持面との距離は、と前記支持面との距離は、前記被記録媒体に前記インクが吐出されている際における前記ラインヘッドのノズルと前記支持面との距離よりも長く、前記外層は疎水性材料を含み、前記AC帯電部は、10Hz以上200Hz以下の周波数で前記搬送ベルトを帯電することを特徴とする。
ここで、「外層」とは、前記搬送ベルトにおける最外周を形成する層であり、被記録媒体と接触してこれを支持する側の層を意味する。
また、「内層」とは、被記録媒体と接触しない側の層を意味し、例えば、前記搬送ベルトを駆動するローラー等と接触する側の層が挙げられる。勿論このような層に限定はされない。
なお、「外層」と「内層」との間に中間層をさらに備えていてもよい。
さらに、「静電吸着」とは、静電気力によって搬送ベルトに対して記録媒体が貼り着くことを意味する。
また、「ラインヘッド」とは、被記録媒体の搬送方向と交差する交差方向に形成されたノズルの領域が、前記被記録媒体の前記交差方向全体をカバー可能なように設けられ、記録ヘッド又は被記録媒体の一方を固定し他方を移動させて画像を形成する記録装置に用いられる記録ヘッドである。なお、ラインヘッドの前記交差方向のノズルの領域は、記録装置が対応している全ての被記録媒体の前記交差方向全体をカバー可能でなくてもよい。
また、「前記支持面と対向する領域に設けられた配置部材」とは、記録装置の外装を構成する部材を除くすべての部材を意味し、前記ラインヘッドを含んでもよい。また、例えば、キャッピングユニット、ワイピングユニットなどが挙げられるが、これらに限定されない。
また、「内層」とは、被記録媒体と接触しない側の層を意味し、例えば、前記搬送ベルトを駆動するローラー等と接触する側の層が挙げられる。勿論このような層に限定はされない。
なお、「外層」と「内層」との間に中間層をさらに備えていてもよい。
さらに、「静電吸着」とは、静電気力によって搬送ベルトに対して記録媒体が貼り着くことを意味する。
また、「ラインヘッド」とは、被記録媒体の搬送方向と交差する交差方向に形成されたノズルの領域が、前記被記録媒体の前記交差方向全体をカバー可能なように設けられ、記録ヘッド又は被記録媒体の一方を固定し他方を移動させて画像を形成する記録装置に用いられる記録ヘッドである。なお、ラインヘッドの前記交差方向のノズルの領域は、記録装置が対応している全ての被記録媒体の前記交差方向全体をカバー可能でなくてもよい。
また、「前記支持面と対向する領域に設けられた配置部材」とは、記録装置の外装を構成する部材を除くすべての部材を意味し、前記ラインヘッドを含んでもよい。また、例えば、キャッピングユニット、ワイピングユニットなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本態様によれば、前記支持面に対向する位置に、例えば、キャッピングユニットとワイピングユニットの少なくとも一方等の配置部材を備える。このため、装置の大型化を抑制することができる。
一方、このような構成は前記被覆率が高くなるが、本発明者らが鋭意検討した結果、前記キャッピングユニットとワイピングユニットの少なくとも一方等の配置部材と前記支持面との距離を長くして前記ノズルから吐出したインクに由来する水分等が籠り難い構成としたうえで、10Hz以上200Hz以下の周波数で前記外層をAC帯電することにより、被記録媒体が搬送ベルトの前記支持面に吸着しづらくなること(静電吸着力の低下)を抑制できることを見出した。このため、本態様によれば、被記録媒体の搬送時における水分の影響による搬送不良を抑制することができる。
一方、このような構成は前記被覆率が高くなるが、本発明者らが鋭意検討した結果、前記キャッピングユニットとワイピングユニットの少なくとも一方等の配置部材と前記支持面との距離を長くして前記ノズルから吐出したインクに由来する水分等が籠り難い構成としたうえで、10Hz以上200Hz以下の周波数で前記外層をAC帯電することにより、被記録媒体が搬送ベルトの前記支持面に吸着しづらくなること(静電吸着力の低下)を抑制できることを見出した。このため、本態様によれば、被記録媒体の搬送時における水分の影響による搬送不良を抑制することができる。
本発明の第2の態様の記録装置は、前記第1の態様において、前記搬送ベルトは、少なくとも相対湿度70%の環境下で前記被記録媒体を静電吸着して搬送可能であることを特徴とする。
搬送ベルトをAC帯電させて被記録媒体を支持する記録装置は、湿度の高い環境下で使用する場合は、特に、水分の影響により被記録媒体が搬送ベルトの前記支持面に吸着しづらくなる場合がある。本発明者等が鋭意検討した結果、特に、相対湿度70%以上の環境下で被記録媒体を搬送する場合、特に被記録媒体が搬送ベルトの前記支持面に吸着しづらくなることを見出した。
本発明は、少なくとも相対湿度70%の環境下で前記被記録媒体を搬送可能である記録装置において、被記録媒体の搬送時における水分の影響による搬送不良を抑制する上で有効である。
なお、「前記搬送ベルトは、少なくとも相対湿度70%の環境下で前記被記録媒体を搬送可能である」ことに関しては、前記環境下で被記録媒体を搬送可能に設計されているか否かにより判断可能である。
なお、「前記搬送ベルトは、少なくとも相対湿度70%の環境下で前記被記録媒体を搬送可能である」ことに関しては、前記環境下で被記録媒体を搬送可能に設計されているか否かにより判断可能である。
本発明の第3の態様の記録装置は、前記第1又は第2の態様において、前記外層の表面抵抗率は1010Ω/sq以上であり、前記内層の体積抵抗率は105Ωcm以上1010Ωcm未満であることを特徴とする。
本態様によれば、前記外層の表面抵抗率は前記内層と比べて大きく、前記外層の電荷が移動しづらい構成となっている。前記内層の体積抵抗率を上記の範囲とすることによって、より効率的に、被記録媒体が搬送ベルトに吸着しづらくなることを抑制できる。
本発明の第4の態様の記録装置は、前記第1から第3のいずれか1つの態様において、前記ノズルと前記搬送ベルトの前記支持面との距離は5mm以下であることを特徴とする。
前記ノズルから前記搬送ベルトに支持された被記録媒体までの距離が長くなると、前記ノズルから吐出したインクの前記被記録媒体における着弾位置が所定の位置からずれ易くなり、記録画像に色ムラが発生し易くなる。このため、前記ノズルと前記搬送ベルトの前記支持面との距離は短い方が好ましく、5mm以下であることが好ましい。一方、前記ノズルと前記搬送ベルトの前記支持面との距離が短いと、前記ノズルから吐出したインクに由来する水分等が滞留し易く搬送ベルト付近に籠り易くなる。
本態様によれば、前記ノズルと前記搬送ベルトの前記支持面との距離は5mm以下である構成の記録装置においても、被記録媒体の搬送時における水分の影響による搬送不良を抑制することができる。
なお、本願発明において、特に断りが無い限り「距離」とは最近接距離の事を示す。
本態様によれば、前記ノズルと前記搬送ベルトの前記支持面との距離は5mm以下である構成の記録装置においても、被記録媒体の搬送時における水分の影響による搬送不良を抑制することができる。
なお、本願発明において、特に断りが無い限り「距離」とは最近接距離の事を示す。
本発明の第5の態様の記録装置は、前記第1から第4のいずれか1つの態様において、前記インクは、水を20質量%以上75質量%以下含有することを特徴とする。
前記インクが水を多く含有するほど、前記ノズルから吐出したインクに由来する水分等が搬送ベルト付近に多く籠り易くなる。
本態様によれば、前記インクが水を20質量%以上75質量%以下含有する記録装置においても、被記録媒体の搬送時における水分の影響による搬送不良を抑制することができる。
本態様によれば、前記インクが水を20質量%以上75質量%以下含有する記録装置においても、被記録媒体の搬送時における水分の影響による搬送不良を抑制することができる。
本発明の第6の態様の記録装置は、前記第1から第5のいずれか1つの態様において、前記搬送ベルトによって前記被記録媒体が搬送される搬送経路において、前記配置部材による該支持面の被覆率は平面視で60%以上であることを特徴とする。
また、「前記搬送ベルトによって前記被記録媒体が搬送される搬送経路において、前記配置部材による被覆率」とは、前記搬送経路における前記支持面の面積に対する、前記配置部材を該面に対して垂直方向から見た場合(平面視した場合)の該搬送経路上の面積の割合を意味する。
また、記録中(前記被記録媒体に前記インクが吐出されている際)と記録中以外とで該被覆率が異なる場合は記録中の被覆率を意味する。
また、記録中(前記被記録媒体に前記インクが吐出されている際)と記録中以外とで該被覆率が異なる場合は記録中の被覆率を意味する。
本態様によれば、前記被覆率は60%以上なので、装置内のスペースを有効活用でき、装置の大型化を抑制することができる。
また、本発明者らは、鋭意検討した結果、前記被覆率は60%以上の場合でも、10Hz以上200Hz以下の周波数で前記外層をAC帯電することにより、被記録媒体が搬送ベルトに吸着しづらくなることを抑制できることを見出した。このため、本態様によれば、被記録媒体の搬送時における水分の影響による搬送不良を抑制することができる。
また、本発明者らは、鋭意検討した結果、前記被覆率は60%以上の場合でも、10Hz以上200Hz以下の周波数で前記外層をAC帯電することにより、被記録媒体が搬送ベルトに吸着しづらくなることを抑制できることを見出した。このため、本態様によれば、被記録媒体の搬送時における水分の影響による搬送不良を抑制することができる。
本発明の第7の態様の記録装置は、前記第1から第6のいずれか1つの態様において、前記配置部材は、前記ラインヘッドに対して前記ノズルを覆うように当接し前記ラインヘッドとの間に閉空間を形成するキャッピングユニットと、前記ラインヘッドの前記ノズルの形成面をワイピングするワイピングユニットとから選択される一種以上であることを特徴とする。
本態様によれば、前記配置部材として前記キャッピングユニットと前記ワイピングユニットの少なくとも一方を備える。このため、装置の大型化を抑制することができる。
本発明の第8の態様の記録装置は、前記第7の態様において、前記ラインヘッドを前記搬送ベルトの前記支持面と接近及び離間する方向に移動可能な移動機構と、前記ラインヘッドをキャッピング可能なキャッピングユニットと、を備え、前記キャッピングユニットによる前記ラインヘッドのキャッピング状態における前記キャッピングユニットと前記支持面との距離は、前記被記録媒体に前記インクを吐出している際における前記ノズルと前記支持面との距離よりも長いことを特徴とする。
本態様においては、前記キャッピングユニットによる前記ラインヘッドのキャッピング状態における前記キャッピングユニットと前記支持面との距離は、前記被記録媒体に前記インクを吐出している際における前記ノズルと前記支持面との距離よりも長い。ラインヘッドがキャッピングされている状態は、記録動作が実行されない状態、即ち記録動作が一定期間停止している状態である。
本態様によれば、ラインヘッドの前記キャッピング状態においては、該ラインヘッド及び前記部材の各々について前記搬送ベルトとの距離を長くとる。これにより、前記ラインヘッドのキャッピング状態において搬送ベルト付近に籠っていた水分が逃げ易くなる。したがって、より効果的に被記録媒体の搬送時における水分の影響による搬送不良を抑制することができる。
本態様によれば、ラインヘッドの前記キャッピング状態においては、該ラインヘッド及び前記部材の各々について前記搬送ベルトとの距離を長くとる。これにより、前記ラインヘッドのキャッピング状態において搬送ベルト付近に籠っていた水分が逃げ易くなる。したがって、より効果的に被記録媒体の搬送時における水分の影響による搬送不良を抑制することができる。
本発明の第9の態様の記録装置は、前記第1から第8のいずれか1つの態様において、前記搬送ベルトの張力を調整可能な張力調整機構を備え、前記張力調整機構は、記録動作停止状態においては記録動作中よりも前記搬送ベルトの張力を小さくすることを特徴とする。
本態様によれば、記録動作停止状態においては、前記搬送ベルトの張力を低減することで、搬送ベルトの張架ローラーによる搬送ベルトの巻き癖を低減させることができる。このような構成により、搬送ベルトの巻き癖によってラインヘッドやキャッピングユニット等の前記配置部材と搬送ベルトの間のギャップが変動することを抑制することが可能となる。
本発明の第10の態様の記録装置は、前記第1から第9のいずれか1つの態様において、前記被記録媒体を搬送する際の前記搬送ベルトの移動速度は、8inch/s以上であることを特徴とする。
本態様によれば、前記被記録媒体を搬送する際の前記搬送ベルトの移動速度は、8inch/s以上であり、前記搬送ベルトの外層に好ましい距離で正の電荷と負の電荷とを交互に帯電させることが可能である。
本発明の第11の態様の記録装置は、内層と外層を有し、前記外層に被記録媒体を支持する支持面を有する無端状の搬送ベルトと、前記搬送ベルトの前記支持面を帯電させて該支持面に前記被記録媒体を静電吸着可能にするAC帯電部と、前記支持面に静電吸着されて搬送される前記被記録媒体にインクをノズルから吐出するラインヘッドと、前記支持面と対向する領域に設けられた配置部材と、を備え、前記被記録媒体に前記インクが吐出されている際における前記配置部材と前記支持面との距離は、前記被記録媒体に前記インクが吐出されている際における前記ラインヘッドのノズルと前記支持面との距離よりも長く、前記外層は疎水性材料を含み、前記AC帯電部は、前記外層に、前記搬送方向に沿って3mm以上20mm以下の長さ毎に正の電荷と負の電荷とを交互に帯電させることを特徴とする。
本態様によれば、前記搬送ベルトの外層に好ましい距離で正の電荷と負の電荷とを交互に帯電させることが可能である。
(記録装置)(図1〜図2)
以下に、本発明の一実施例に係る記録装置について、添付図面を参照して詳細に説明する。
最初に、本実施例の記録装置1の概要について説明する。
図1は本実施例の記録装置1の概略側面図であり、図2は本実施例の記録装置1の概略平面図である。
以下に、本発明の一実施例に係る記録装置について、添付図面を参照して詳細に説明する。
最初に、本実施例の記録装置1の概要について説明する。
図1は本実施例の記録装置1の概略側面図であり、図2は本実施例の記録装置1の概略平面図である。
本実施例の記録装置1において、記録が行われる被記録媒体は導入部2から搬送ベルト3まで搬送方向Aに搬送される。そして、搬送ベルト3に被記録媒体を支持させ、ローラー4を回転方向Cに回転させて搬送ベルト3を方向Bに移動させることにより被記録媒体を搬送方向Aに搬送する。ローラー5は搬送ベルト3を張架して搬送ベルト3の回転に伴って従動回転する。なお、本実施例ではローラー4を駆動して搬送ベルトを回転させる例で説明しているが、ローラー5を回転させてローラー4を従動回転させる構成も可能である。
なお、搬送ベルト3によって被記録媒体が搬送される搬送経路は、支持開始位置Sから支持終了位置Eまでである。すなわち、搬送ベルト3の支持開始位置Sから支持終了位置Eまでの範囲における上面(ラインヘッド6等と対向する面)が被記録媒体の支持面Fである。
また、本実施例の搬送ベルト3は、該搬送ベルト3における最外周を形成する層であり被記録媒体と接触してこれを支持する側の層である外層Oと、被記録媒体と接触しない側の層でありローラー4及びローラー5と接触する側の層である内層Iと、を有する構成である。
なお、搬送ベルト3によって被記録媒体が搬送される搬送経路は、支持開始位置Sから支持終了位置Eまでである。すなわち、搬送ベルト3の支持開始位置Sから支持終了位置Eまでの範囲における上面(ラインヘッド6等と対向する面)が被記録媒体の支持面Fである。
また、本実施例の搬送ベルト3は、該搬送ベルト3における最外周を形成する層であり被記録媒体と接触してこれを支持する側の層である外層Oと、被記録媒体と接触しない側の層でありローラー4及びローラー5と接触する側の層である内層Iと、を有する構成である。
搬送ベルト3による被記録媒体の搬送経路には、支持面Fに静電吸着されて搬送される被記録媒体にインクをノズルから吐出するラインヘッド6が備えられており、本実施例の記録装置1は、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク及びイエローインクで記録可能な構成となっている。そして、ラインヘッド6には、ブラックインクに対応したラインヘッド6aと、シアンインクに対応したラインヘッド6bと、マゼンタインクに対応したラインヘッド6cと、イエローインクに対応したラインヘッド6dとが設けられている。なお、各ラインヘッド6aから6dにおいて、搬送ベルト3に対向する面は、インクを吐出するノズルが設けられたインク吐出面である。
ここで、「ラインヘッド」とは、被記録媒体の搬送方向と交差する交差方向に形成されたノズルの領域が、前記被記録媒体の前記交差方向全体をカバー可能なように設けられ、記録ヘッド又は被記録媒体の一方を固定し他方を移動させて画像を形成する記録装置に用いられる記録ヘッドである。なお、ラインヘッドの前記交差方向のノズルの領域は、記録装置が対応している全ての被記録媒体の前記交差方向全体をカバー可能でなくてもよい。
また、「静電吸着」とは、静電気力によって搬送ベルト3に対して記録媒体が貼り着くことを意味する。
ここで、「ラインヘッド」とは、被記録媒体の搬送方向と交差する交差方向に形成されたノズルの領域が、前記被記録媒体の前記交差方向全体をカバー可能なように設けられ、記録ヘッド又は被記録媒体の一方を固定し他方を移動させて画像を形成する記録装置に用いられる記録ヘッドである。なお、ラインヘッドの前記交差方向のノズルの領域は、記録装置が対応している全ての被記録媒体の前記交差方向全体をカバー可能でなくてもよい。
また、「静電吸着」とは、静電気力によって搬送ベルト3に対して記録媒体が貼り着くことを意味する。
本実施例の記録装置1は、ラインヘッド6の搬送方向Aの上流側にラインヘッド6の前記ノズルの形成面をワイピングするワイピング部材8を備えたワイピングユニット7を備えている。また、ラインヘッド6の搬送方向Aの下流側にラインヘッド6に対して前記ノズルを覆うように当接しラインヘッド6との間に閉空間を形成するキャッピングユニット9を備えている。このように、本実施例の記録装置1は、キャッピングユニット9とワイピングユニット7を配置部材として搬送ベルト3の支持面Fに対向する位置に備え、装置の大型化を抑制している。ただし、このような構成に限定されず、搬送ベルト3の支持面Fに対向する位置に、キャッピングユニット9とワイピングユニット7の少なくとも一方等の配置部材を備えていればよく、また、キャッピングユニット及びワイピングユニットの構成に特に限定はない。
本実施例のワイピング部材8は、吸収部材である布で構成されており、ユニットごと交換可能な構成である。このため、ワイピング中にラインヘッドからインクが垂れることを抑制することができるとともに、ワイピングユニット7を構成する部材のうちワイピング部材8のみを交換可能であるためランニングコストを抑制することができる。ただし、このような構成に限定されず、例えば、弾性部材で構成されるワイパーブレードであってもよい。
また、ワイピングユニット7は、インクの色毎にインク吐出面をワイピング可能な構成となっており、このような構成により、ワイピングユニット7を小型化している。このため、記録装置1が大型化することを抑制している。
また、ワイピングユニット7は、インクの色毎にインク吐出面をワイピング可能な構成となっており、このような構成により、ワイピングユニット7を小型化している。このため、記録装置1が大型化することを抑制している。
本実施例のキャッピングユニット9には、ラインヘッド6aから6dに対応してキャップ9aから9dが設けられている。また、キャッピングユニット9は吸引ユニットとしての役割を兼ねており、不図示のポンプによりラインヘッド9aから9dのノズル内のインクを一体的に吸引可能である。
ここで、図1及び図2で示されるラインヘッド6、ワイピングユニット7及びキャッピングユニット9の位置関係は、記録中(前記被記録媒体に前記インクが吐出されている際)の位置関係である。ラインヘッド6は、図示しない移動機構によって搬送ベルト3と接近及び離間する方向Xに移動可能である。ワイピングユニット7及びキャッピングユニット9は、図示しない移動機構によって搬送方向Aに沿う方向に移動可能である。
このような構成により、ワイピングをする際は、記録中の位置よりもラインヘッド6を搬送ベルト3から離間する方向移動させるとともにワイピングユニット7をラインヘッド6と搬送ベルト3との間に移動させる。そして、ワイピングユニット7を方向Yに移動させることによりラインヘッド6のワイピングを行う。
また、キャッピングをする際は、記録中の位置よりもラインヘッド6を搬送ベルト3から離間する方向に移動させるとともにキャッピングユニット9をラインヘッド6と搬送ベルト3との間に移動させる。そして、ラインヘッド6aから6dがキャップ9aから9dと合うように、ラインヘッド6を搬送ベルト3に接近する方向に移動させて、ラインヘッド6をキャッピングユニット9によりキャッピングする。
なお、本実施例の記録装置1において、ラインヘッド6、ワイピングユニット7及びキャッピングユニット9は、搬送ベルト3によって被記録媒体が搬送される搬送経路における該搬送ベルト3の支持面Fと対向する領域に設けられた配置部材に該当する。
本実施例の記録装置1において、搬送ベルト3によって被記録媒体が搬送される搬送経路は、支持開始位置Sから支持終了位置Eまでである。該搬送経路における搬送ベルト3の被記録媒体を支持する支持面Fの面積は、面積T1である。また、ラインヘッド6を支持面Fに対して垂直方向から見た場合の該搬送経路上の面積は面積T2である。また、ワイピングユニット7を支持面Fに対して垂直方向から見た場合の該搬送経路上の面積は面積T3である。そして、キャッピングユニット9を支持面Fに対して垂直方向から見た場合の該搬送経路上の面積は面積T4である。すなわち、該搬送経路における搬送ベルト3の支持面Fと対向する領域に設けられた配置部材による被覆率は、((T2+T3+T4)/T1)×100(%)で表され、本実施例の記録装置1における該被覆率は平面視で60%以上である。なお、搬送経路における該搬送ベルト3の支持面Fと対向する領域に設けられた配置部材との距離は、全て40cm以下であることが好ましい。よりコンパクト化を目指すのであれば全て30cm以下、好ましくは20cm以下である。
本実施例の記録装置1において、搬送ベルト3によって被記録媒体が搬送される搬送経路は、支持開始位置Sから支持終了位置Eまでである。該搬送経路における搬送ベルト3の被記録媒体を支持する支持面Fの面積は、面積T1である。また、ラインヘッド6を支持面Fに対して垂直方向から見た場合の該搬送経路上の面積は面積T2である。また、ワイピングユニット7を支持面Fに対して垂直方向から見た場合の該搬送経路上の面積は面積T3である。そして、キャッピングユニット9を支持面Fに対して垂直方向から見た場合の該搬送経路上の面積は面積T4である。すなわち、該搬送経路における搬送ベルト3の支持面Fと対向する領域に設けられた配置部材による被覆率は、((T2+T3+T4)/T1)×100(%)で表され、本実施例の記録装置1における該被覆率は平面視で60%以上である。なお、搬送経路における該搬送ベルト3の支持面Fと対向する領域に設けられた配置部材との距離は、全て40cm以下であることが好ましい。よりコンパクト化を目指すのであれば全て30cm以下、好ましくは20cm以下である。
ここで、「支持面Fと対向する領域に設けられた配置部材」とは、本実施例ではラインヘッド6、キャッピングユニット9、ワイピングユニット7が該当する。しかし、記録装置の外装を構成する部材を除くすべての部材を意味するものであり、記録装置の構成によってはこれらの部材に限定されない。
また、上記のとおり、「被覆率」とは、前記搬送経路における支持面Fの面積に対する、前記配置部材を支持面Fに対して垂直方向から見た場合(平面視した場合)の該搬送経路上の面積の割合を意味する。
また、記録中(前記被記録媒体に前記インクが吐出されている際)と記録中以外とで該被覆率が異なる場合は記録中の被覆率を意味する。
また、上記のとおり、「被覆率」とは、前記搬送経路における支持面Fの面積に対する、前記配置部材を支持面Fに対して垂直方向から見た場合(平面視した場合)の該搬送経路上の面積の割合を意味する。
また、記録中(前記被記録媒体に前記インクが吐出されている際)と記録中以外とで該被覆率が異なる場合は記録中の被覆率を意味する。
このように、前記被覆率を60%以上とすることで、装置内のスペースを有効活用でき、装置の大型化を抑制することができる。
また、本発明者らは、鋭意検討した結果、前記被覆率は60%以上の場合でも、10Hz以上200Hz以下の周波数で外層OをAC帯電することにより、被記録媒体が搬送ベルト3に吸着しづらくなることを抑制できることを見出した。後述のように、本実施例の記録装置1は、10Hz以上200Hz以下の周波数で外層OをAC帯電するため、被記録媒体の搬送時における水分の影響による搬送不良を抑制することができる。
また、本発明者らは、鋭意検討した結果、前記被覆率は60%以上の場合でも、10Hz以上200Hz以下の周波数で外層OをAC帯電することにより、被記録媒体が搬送ベルト3に吸着しづらくなることを抑制できることを見出した。後述のように、本実施例の記録装置1は、10Hz以上200Hz以下の周波数で外層OをAC帯電するため、被記録媒体の搬送時における水分の影響による搬送不良を抑制することができる。
本実施例の記録装置1において、記録中(被記録媒体にインクが吐出されている際)におけるラインヘッド6のノズルと搬送ベルト3との距離L1(プラテンギャップ:PG)は5mm以下である。なお、記録中におけるキャッピングユニット9と搬送ベルト3との距離L2及び記録中におけるワイピングユニット7と搬送ベルト3との距離L3の少なくとも一方が、距離L1よりも長いと、前記ノズルから吐出したインクに由来する水分等が逃げやすく籠りづらくなる。本実施例では、距離L2及び距離L3の両方とも距離L1よりも長いため、水分が特に逃げやすく、特に好ましい構成となっているが、距離L2及び距離L3の少なくとも一方が距離L1よりも長ければよい。
ノズルから搬送ベルト3に支持された被記録媒体までの距離が長くなると、ノズルから吐出したインクの被記録媒体における着弾位置が所定の位置からずれ易くなり、記録画像に色ムラが発生し易くなる。このため、ノズルと搬送ベルト3の支持面Fとの距離は短い方が好ましく、5mm以下であることが好ましい。一方、ノズルと搬送ベルト3の支持面Fとの距離が短いと、ノズルから吐出したインクに由来する水分等が滞留し易く搬送ベルト付近に籠り易くなる。しかしながら、上記のような構成により、本実施例の記録装置1は、ノズルと搬送ベルト3の支持面Fとの距離が5mm以下であっても、被記録媒体の搬送時における水分の影響による搬送不良を抑制することができる。
なお、本願発明において、特に断りが無い限り「距離」とは最近接距離の事を示す。
なお、本願発明において、特に断りが無い限り「距離」とは最近接距離の事を示す。
なお、本実施例では、ラインヘッド6に対して搬送方向Aの上流側の部材と支持面Fとの距離L3は、ラインヘッド6に対して搬送方向Aの下流側の部材と支持面Fとの距離L2よりも大きくなっている。ただし、ラインヘッド6に対して搬送方向Aの上流側の部材と支持面Fとの距離L3よりも、ラインヘッド6に対して搬送方向Aの下流側の部材と支持面Fとの距離L2を大きくしてもよい。このような構成であれば、記録直後の被記録媒体のカールによる被記録媒体と該下流側の部材との干渉を抑制しやすくなる。
ここで、距離L2の好ましい範囲は2.0mm以上10.0mm以下であり、距離L3の好ましい範囲はL2超過であり、距離L2に対して、好ましくは2倍以上、一層好ましくは3倍以上離間させていると好ましい。
ここで、距離L2の好ましい範囲は2.0mm以上10.0mm以下であり、距離L3の好ましい範囲はL2超過であり、距離L2に対して、好ましくは2倍以上、一層好ましくは3倍以上離間させていると好ましい。
なお、本実施例の記録装置1では、記録中とキャッピング状態中との何れにおいても、キャッピングユニット9と搬送ベルト3との距離は距離L2である。すなわち、キャッピングユニット9によるラインヘッド6のキャッピング状態におけるキャッピングユニット9と搬送ベルト3との距離は、記録中におけるラインヘッド6のノズルと搬送ベルト3との距離L1よりも長い。ここで、ラインヘッド6がキャッピングされている状態は、記録動作が実行されない状態、即ち記録動作が一定期間停止している状態である。
上記のように、本実施例の記録装置1は、ラインヘッド6のキャッピング状態においては、支持面Fと対向する領域に設けられた部材(キャッピングユニット9)及びラインヘッド6の各々について搬送ベルト3との距離を長くとる。これにより、ラインヘッドの6キャッピング状態において搬送ベルト3付近に籠っていた水分が逃げ易くなる。したがって、より効果的に被記録媒体の搬送時における水分の影響による搬送不良を抑制することができる。
上記のように、本実施例の記録装置1は、ラインヘッド6のキャッピング状態においては、支持面Fと対向する領域に設けられた部材(キャッピングユニット9)及びラインヘッド6の各々について搬送ベルト3との距離を長くとる。これにより、ラインヘッドの6キャッピング状態において搬送ベルト3付近に籠っていた水分が逃げ易くなる。したがって、より効果的に被記録媒体の搬送時における水分の影響による搬送不良を抑制することができる。
なお、本実施例の記録装置1は、インク吐出面をワイピングする場合に、キャッピングユニット9をラインヘッド6の下方に位置させて、搬送ベルト3の支持面Fにインクを垂らすことを抑制することが可能な構成になっている。このような構成の本実施例の記録装置1において、ワイピングユニット7は、ラインヘッド6の移動方向(方向X)においてキャッピングユニット9よりも前記支持面F1から離間した位置に設けられている。すなわち、ワイピングユニット7がキャッピングユニット9より鉛直方向において上側に配置されている。少なくともワイピングをしていない状態において、このような構成となっていることにより、本実施例の記録装置1では、ワイピングを行う場合に、キャッピングユニット9及びワイピングユニット7を、夫々水平方向に移動させれば済むので、これらの移動機構を簡易なものにすることができる。
また、ワイピングユニット7がキャッピングユニット9より鉛直方向において上側に配置されているので、ワイピングユニット7を少しでも高い位置に配置する事ができ、ミストの滞留を防止することができる。また、例えば、フラッシングをキャッピングユニット9に行う場合、ラインヘッド6とキャッピングユニット9の操作が簡易に済む。
また、ワイピングユニット7がキャッピングユニット9より鉛直方向において上側に配置されているので、ワイピングユニット7を少しでも高い位置に配置する事ができ、ミストの滞留を防止することができる。また、例えば、フラッシングをキャッピングユニット9に行う場合、ラインヘッド6とキャッピングユニット9の操作が簡易に済む。
また、本実施例の記録装置1では、ラインヘッド6、ワイピングユニット7及びキャッピングユニット9は、搬送方向Aに沿って並んで配置されているが、このような構成に限定されず、これらが搬送方向Aと交差する方向に沿って並んで配置されていてもよい。
また、本実施例の記録装置1では、例えばキャッピング状態中のような記録中以外のときは、記録中のときよりも、搬送ベルト3の支持面Fと対向する領域に設けられた配置部材の移動により前記被覆率が低くなる。このような構成の記録装置は記録中以外のときに搬送ベルト3付近に籠った水分を逃がしやすくなるため好ましい。但し、このような構成に限定はされない。
また、搬送ベルト3は静電吸着式の搬送ベルトであり、本実施例の記録装置1は搬送ベルト3の支持面FをAC(alternating current)帯電させて(搬送ベルト3に正の電荷と負の電荷とを交互に帯電させて)該支持面Fに被記録媒体を静電吸着することが可能なAC帯電部としての帯電ローラー10を備えている。帯電ローラー10は、搬送ベルト3の移動に合せて回転方向Dに従動回転する。
ここで、本実施例の帯電ローラー10は、10Hz以上200Hz以下の周波数で搬送ベルト3の外層O(支持面F)をAC帯電することが可能な構成となっている。なお、搬送ベルト3の外層OをAC帯電する際の周波数は、20Hz以上100Hz以下が好ましく、30Hz以上60Hz以下がさらに好ましい。
本実施例の記録装置1のような、搬送ベルト3の支持面Fに対向する位置にキャッピングユニット9とワイピングユニット7の少なくとも一方等の配置部材を備える記録装置においては、装置の大型化を抑制することができる。
一方、このような構成は、被記録媒体の搬送経路における搬送ベルト3の支持面Fと対向する領域に設けられた配置部材による被覆率が高くなる。しかしながら、本発明者らが鋭意検討した結果、キャッピングユニット9とワイピングユニット7の少なくとも一方と支持面Fとの距離を長くしてノズルから吐出したインクに由来する水分等が籠り難い構成としたうえで、10Hz以上200Hz以下の周波数で外層OをAC帯電することにより、被記録媒体が搬送ベルト3の支持面Fに吸着しづらくなること(静電吸着力の低下)を抑制できることを見出した。このため、本実施例の記録装置1は、被記録媒体の搬送時における水分の影響による搬送不良を抑制することができる。
本実施例の記録装置1のような、搬送ベルト3の支持面Fに対向する位置にキャッピングユニット9とワイピングユニット7の少なくとも一方等の配置部材を備える記録装置においては、装置の大型化を抑制することができる。
一方、このような構成は、被記録媒体の搬送経路における搬送ベルト3の支持面Fと対向する領域に設けられた配置部材による被覆率が高くなる。しかしながら、本発明者らが鋭意検討した結果、キャッピングユニット9とワイピングユニット7の少なくとも一方と支持面Fとの距離を長くしてノズルから吐出したインクに由来する水分等が籠り難い構成としたうえで、10Hz以上200Hz以下の周波数で外層OをAC帯電することにより、被記録媒体が搬送ベルト3の支持面Fに吸着しづらくなること(静電吸着力の低下)を抑制できることを見出した。このため、本実施例の記録装置1は、被記録媒体の搬送時における水分の影響による搬送不良を抑制することができる。
また、被記録媒体を搬送する際の搬送ベルト3の好ましい移動速度は、8inch/s以上である。より好ましくは8inch/s以上80inch/s以下である。上記周波数で搬送ベルト3の外層OをAC帯電させ、上記速度で搬送ベルト3を移動させることで、搬送ベルト3の外層Oに好ましい距離で正の電荷と負の電荷とを交互に帯電させることが可能である。すなわち、帯電ローラー10は、外層Oに、好ましい距離としての、搬送方向Aに沿って3mm以上20mm以下の長さ毎に正の電荷と負の電荷とを交互に帯電させることが可能である。80inch/sを超えると帯電間隔が狭くなりすぎ、水蒸気等の影響を大きく受けてしまう。
また、本実施例の搬送ベルト3は、不図示の搬送ベルト3の張力を調整可能な張力調整機構により、記録動作停止状態では記録動作中よりも搬送ベルト3の張力を小さくすることが可能な構成となっている。停止時の搬送ベルト3の張力を低減することで、搬送ベルト3の張架ローラーによる搬送ベルト3の巻き癖を低減させることができる。このような構成により、搬送ベルト3の巻き癖によってラインヘッド6やキャッピングユニット9等と搬送ベルト3の間のギャップが変動することを抑制することが可能となる。
そして、本実施例の記録装置1において、記録がなされた被記録媒体は搬送ベルト3から導出部11に搬送される。
本実施例の記録装置1は、搬送方向Aの長さが30cm以上(例えばA3サイズ以上のサイズ)の被記録媒体を搬送可能である。
特に、被記録媒体の搬送方向に長い被記録媒体を搬送させる場合、被記録媒体が搬送ベルト3に吸着しづらい部分が搬送ベルト3に発生すると、この部分において、被記録媒体が吸着されず、搬送ベルト3上で被記録媒体の膨らみを発生させ易くなる。このため、特に、前記搬送方向に長い被記録媒体を搬送可能な記録装置においては、被記録媒体が搬送ベルト3に吸着しづらい部分が搬送ベルト3に発生することを効果的に抑制する必要がある。
本実施例の記録装置1は、前記搬送方向の長さが30cm以上の被記録媒体を搬送可能である構成の記録装置であるが、上記構成により、被記録媒体の搬送時における水分の影響による搬送不良を抑制することができる。
本実施例の記録装置1は、搬送方向Aの長さが30cm以上(例えばA3サイズ以上のサイズ)の被記録媒体を搬送可能である。
特に、被記録媒体の搬送方向に長い被記録媒体を搬送させる場合、被記録媒体が搬送ベルト3に吸着しづらい部分が搬送ベルト3に発生すると、この部分において、被記録媒体が吸着されず、搬送ベルト3上で被記録媒体の膨らみを発生させ易くなる。このため、特に、前記搬送方向に長い被記録媒体を搬送可能な記録装置においては、被記録媒体が搬送ベルト3に吸着しづらい部分が搬送ベルト3に発生することを効果的に抑制する必要がある。
本実施例の記録装置1は、前記搬送方向の長さが30cm以上の被記録媒体を搬送可能である構成の記録装置であるが、上記構成により、被記録媒体の搬送時における水分の影響による搬送不良を抑制することができる。
また、本実施例の記録装置1は、相対湿度70%以上の環境下でも記録可能である。すなわち、搬送ベルト3は、少なくとも相対湿度70%の環境下で被記録媒体を搬送可能である。
搬送ベルト3をAC帯電させて被記録媒体を支持する記録装置は、湿度の高い環境下で使用する場合は、特に、水分の影響により被記録媒体が搬送ベルト3の支持面Fに吸着しづらくなる場合がある。本発明者等が鋭意検討した結果、特に、相対湿度70%以上の環境下で被記録媒体を搬送する場合、特に被記録媒体が搬送ベルト3の支持面Fに吸着しづらくなることを見出した。
本発明は、少なくとも相対湿度70%の環境下で前記被記録媒体を搬送可能である記録装置において、被記録媒体の搬送時における水分の影響による搬送不良を抑制する上で有効である。
なお、搬送ベルト3が少なくとも相対湿度70%の環境下で前記被記録媒体を搬送可能であることに関しては、前記環境下で被記録媒体を搬送可能に設計されているか否かにより判断可能である。
搬送ベルト3をAC帯電させて被記録媒体を支持する記録装置は、湿度の高い環境下で使用する場合は、特に、水分の影響により被記録媒体が搬送ベルト3の支持面Fに吸着しづらくなる場合がある。本発明者等が鋭意検討した結果、特に、相対湿度70%以上の環境下で被記録媒体を搬送する場合、特に被記録媒体が搬送ベルト3の支持面Fに吸着しづらくなることを見出した。
本発明は、少なくとも相対湿度70%の環境下で前記被記録媒体を搬送可能である記録装置において、被記録媒体の搬送時における水分の影響による搬送不良を抑制する上で有効である。
なお、搬送ベルト3が少なくとも相対湿度70%の環境下で前記被記録媒体を搬送可能であることに関しては、前記環境下で被記録媒体を搬送可能に設計されているか否かにより判断可能である。
(搬送ベルト)
次に、本発明で使用可能な搬送ベルト3について説明する。
搬送ベルト3は、内層Iと疎水性の材料を含む外層Oとを有し、被記録媒体を支持する支持面Fとしての外層Oに被記録媒体を支持させて搬送する無端状の搬送ベルトである。なお、内層Iと外層Oとの間に中間層を備えていてもよく、2層で構成されるもののほか3層以上で構成されるものでもよい。また、JIS K 7209で規定される吸水率が0.1%以下であることが好ましい。
次に、本発明で使用可能な搬送ベルト3について説明する。
搬送ベルト3は、内層Iと疎水性の材料を含む外層Oとを有し、被記録媒体を支持する支持面Fとしての外層Oに被記録媒体を支持させて搬送する無端状の搬送ベルトである。なお、内層Iと外層Oとの間に中間層を備えていてもよく、2層で構成されるもののほか3層以上で構成されるものでもよい。また、JIS K 7209で規定される吸水率が0.1%以下であることが好ましい。
内層Iを構成する成分等については特に限定はないが、搬送ベルト3の機械強度を確保しつつ静電吸着のための導通を確保できる等の観点から、導電性のポリイミド系樹脂を含むものが好ましい。ポリイミド系樹脂成分を含むことで、製膜時の溶剤除去とイミド化時の架橋により成形時の残留歪を取り除き、環境変化時の寸法変動やうねりたわみを少なくでき、周長変化も少なくすることができる。
また、体積抵抗率が105Ωcm以上1010Ωcm未満であることが好ましい。また、内層Iの厚みは、搬送ベルト3の製造上の観点及び硬さの観点から、50μm以上150μm以下が好ましい。
また、体積抵抗率が105Ωcm以上1010Ωcm未満であることが好ましい。また、内層Iの厚みは、搬送ベルト3の製造上の観点及び硬さの観点から、50μm以上150μm以下が好ましい。
導電性ポリイミド系樹脂は、ポリイミド系樹脂及び導電材を含んでいる。ポリイミド系樹脂としては、例えば、熱可塑性ポリイミド、熱硬化性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド等を使用することができる。これにより、駆動ロール張架によるベルトの変形を防ぐことができ安定した用紙吸着性を付与できる。好ましくは、熱硬化性のポリイミドである。
熱硬化性ポリイミドとしては、芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とを有機溶媒中で反応させて得られるものが好ましく用いられる。
芳香族テトラカルボン酸成分としては、例えば、ピロメリット酸、ナフタレン−1,4,5,8テトラカルボン酸、2,2’,3,3’ビフェニルテトラカルボン酸、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸、2,3,5,6−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−アゾベンゼンテトラカルボン酸、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニルメタン)、ビス(3,4ジカルボキシフェニルプロパン)、ビス(3,4ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等、又はこれらの酸二無水物があげられ、これらのうち単独又は2種以上の混合物でよい。好ましくは、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸又はその酸二無水物、及びピロメリット酸である。
芳香族ジアミン成分としては、例えば、m−フェニルジアミン、p−フェニルジアミン、2,4−アミノトルエン、2,6−アミノトルエン、2,4−ジアミノクロロベンゼン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナルタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,4’−ジアミノナフタレンビフェニル、ベンジジン、3,3−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノフェニルスルホン、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビスーアミノフェニルプロパン等が挙げられる。好ましくは、p−フェニルジアミン、又は4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)である。
有機溶媒として、例えば,N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルトリアミド等が挙げられる。必要に応じて、クレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、ヘキサンベンゼン、トルエン等の炭化水素類を混合してもよい。また、これらを単独で用いても、2種以上の混合物として使用してもよい。
熱可塑性ポリイミドの場合は、芳香族テトラカルボン酸成分としては前記熱硬化性ポリイミドで例示するものと同じものが例示できるが、芳香族ジアミン成分としては、例えば、ビス[4−{3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル}フェニル]エーテル、4,4´−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、2,2´−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等を挙げることができ、これらの中で適宜組合せて使用できる。
ポリエーテルイミドの場合は、芳香族ジアミン成分としては前記熱硬化性ポリイミドで例示するものと同じものが例示できるが、芳香族テトラカルボン酸成分としては、例えば、ビスフェノール−A型テトラカルボン酸二無水物等を挙げることができ、これらの中で適宜組合せて使用できる。
ポリアミドイミドの場合は、無水トリメリット酸と芳香族ジアミン成分から調製され、芳香族ジアミン成分としては前記熱硬化性ポリイミドで例示するものと同じものが例示できる。
導電材としては、電子伝導性導電材、イオン導電性材料等が例示される。電子伝導性導電材としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、Al、Ni、銅等のフィラーや、酸化錫、酸化亜鉛、チタン酸K、酸化In、酸化錫−酸化In、酸化Sbなどの複合酸化物が挙げられる。また、イオン導電性材料としては、例えば、アンモニウム塩、スルホン酸塩、カチオン、ノニオン、アニオン系の界面活性材が挙げられる。
導電材のうち好ましくはカーボンブラックである。例えば、ガスブラック、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、ケッチェンブラック等が挙げられる。より少量の混合で所望の導電率を得るのに有効なものとしては、ケッチェンブラック、アセチレンブラックとオイルファーネスブラックである。なお、ケッチェンブラックとは、コンタクティブファーネス系のカーボンブラックである。
外層Oについては、疎水性の材料を含むこと以外に特に限定はないが、搬送ベルト3の静電吸着性を良くする等の観点から、疎水性の材料としてエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)を含むものが好ましい。エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を外層Oとして用いることにより、被記録媒体への優れた静電吸着力を保持し、除電後は被記録媒体との優れた離型性を付与できる。さらに、インクのクリーニング性に優れる。
また、表面抵抗率が1010Ω/sq以上であることが好ましい。また、表面抵抗率が1012Ω/sq以上であることがさらに好ましい。また、JIS K 7209で規定される吸水率が0.1%以下であることが好ましい。また、外層Oの厚みは10μm以上80μm以下が好ましい。なお、上述の表面抵抗率及び体積抵抗率は、三井化学アナリテック社製のMCP−T610型、T360型、HT450型、S620型、521型などを用いて測定可能である。
また、表面抵抗率が1010Ω/sq以上であることが好ましい。また、表面抵抗率が1012Ω/sq以上であることがさらに好ましい。また、JIS K 7209で規定される吸水率が0.1%以下であることが好ましい。また、外層Oの厚みは10μm以上80μm以下が好ましい。なお、上述の表面抵抗率及び体積抵抗率は、三井化学アナリテック社製のMCP−T610型、T360型、HT450型、S620型、521型などを用いて測定可能である。
外層Oに含まれるエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体は、エチレンとテトラフルオロエチレンとの共重合体であり、エチレンとテトラフルオロエチレンのモノマーのモル比が、60/40〜40/60、好ましくは45/55〜55/45である。また、MFR(5.0kg、297℃)も、チューブ状に製膜できる範囲であれば特に限定されないが、通常4〜9であり、好ましくは4〜7.2であり、より好ましくは5〜7.2である。結晶性を改良するために該共重合体の組成中に少量の第三成分を含有していてもよい。該共重合体の具体例として、例えば、三井デュポンフルオロケミカル製のテフゼル290、旭硝子製フルオンETFE
C−55AXB等が例示される。また、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体には、接着性が付与され、他素材との溶融接着が可能なものも含まれる。該共重合体は、赤外線分光測定において、1720〜1800cm−1に特徴的な赤外吸収スペクトルを示す。このようなエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体としては、特開平11−320770号公報に記載されるエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体が挙げられる。一般的に市販されている具体例としては、旭硝子製フルオンLM−ETFE
AH2000等が挙げられる。
C−55AXB等が例示される。また、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体には、接着性が付与され、他素材との溶融接着が可能なものも含まれる。該共重合体は、赤外線分光測定において、1720〜1800cm−1に特徴的な赤外吸収スペクトルを示す。このようなエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体としては、特開平11−320770号公報に記載されるエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体が挙げられる。一般的に市販されている具体例としては、旭硝子製フルオンLM−ETFE
AH2000等が挙げられる。
エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を含む外層Oの内周表面に、ケミカルエッチング等の化学的処理をすることで、導電性ポリイミド系樹脂を含む内層Iとの接着性を向上することができる。これにより、経時での使用による内層I及び外層Oの剥がれを防止することでベルトの長寿命化を達成できる。
上記のように、本実施例の搬送ベルト3は、外層Oの表面抵抗率は1010Ω/sq以上であり、内層Iの体積抵抗率は105Ωcm以上1010Ωcm未満である。すなわち、外層Oの体積抵抗率は内層Iと比べて大きく、外層Oの電荷が移動しづらい構成となっている。外層O及び内層Iの体積抵抗率を上記の範囲とすることによって、より効率的に、被記録媒体が搬送ベルトに吸着しづらくなることを抑制できる。
(インク)
次に、本発明で使用可能なインクについて説明する。
本発明で使用可能なインクに特に限定はないが、水を20質量%以上75質量%以下含有する水性インクを好ましく用いることができる。水は無臭であり環境悪化を招く成分ではないため20質量%以上含有することが好ましい。また、記録がなされた被記録媒体がカールすること、ノズルから吐出されたインクに由来する水分がAC帯電された搬送ベルトにおける極性の異なる隣り合う帯電電位を互いに打ち消し合うこと、等を抑制するため、水を75質量%以下にすることが好ましい。なお、より好ましい含有量としては30質量%以上70質量%以下である。
次に、本発明で使用可能なインクについて説明する。
本発明で使用可能なインクに特に限定はないが、水を20質量%以上75質量%以下含有する水性インクを好ましく用いることができる。水は無臭であり環境悪化を招く成分ではないため20質量%以上含有することが好ましい。また、記録がなされた被記録媒体がカールすること、ノズルから吐出されたインクに由来する水分がAC帯電された搬送ベルトにおける極性の異なる隣り合う帯電電位を互いに打ち消し合うこと、等を抑制するため、水を75質量%以下にすることが好ましい。なお、より好ましい含有量としては30質量%以上70質量%以下である。
なお、記録がなされた被記録媒体が搬送ベルト3に支持されている状態において、該被記録媒体の帯電状態は該記録に用いられたインクの種類によって異なる。すなわち、異なる組成のインクを使用可能な記録装置においては、搬送ベルト3の外層O(支持面F)をAC帯電する際の好ましい周波数の範囲が使用するインクの種類によって異なる。このため、該異なる組成のインクと、外層OをAC帯電する際の周波数の範囲と、が関係付けられていることが好ましい。
本発明で使用可能なインクは、色材、水、水溶性有機溶剤、樹脂及び界面活性剤等を含有してもよい。
色材としては、染料、顔料のいずれも任意の含有量で使用することができる。
このうち、染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料等のインクジェット記録に使用可能な各種染料が挙げられる。
色材としては、染料、顔料のいずれも任意の含有量で使用することができる。
このうち、染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料等のインクジェット記録に使用可能な各種染料が挙げられる。
顔料としては、特に制限されず、無機顔料、有機顔料を使用することができる。
ブラックインク用の無機顔料としては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、ファーネスブラック、ランブブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類が挙げられる。ブラックインク用の有機顔料としては、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の黒色有機顔料が挙げられる。
シアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4等のフタロシアニン顔料等が挙げられる。
ブラックインク用の無機顔料としては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、ファーネスブラック、ランブブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類が挙げられる。ブラックインク用の有機顔料としては、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の黒色有機顔料が挙げられる。
シアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4等のフタロシアニン顔料等が挙げられる。
イエローインク用の顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1(ハンザイエロー)、3(ハンザイエロー10G)、12、13、14、17、24(フラバントロンイエロー)、34、35、37、53、55、65、73、74、81、83、93、94、95、97、98、99、108(アントラピリミジンイエロー)、109、110、113、117(銅錯塩顔料)、120、128、133(キノフタロン)、138、139(イソインドリノン)、147、151、153(ニッケル錯体顔料)、154、155、167、172、180、185、213、WO2011/027842の(化1)に記載の顔料等が挙げられる。
マゼンタインク用の顔料としては、C.l.ピグメントレッド1(パラレッド)、2、3(トルイジンレッド)、5(lTR Red)、7、9、10、11、12、17、30、31、38(ピラゾロンレッド)、42、88(チオインジゴ)、112(ナフトールAS系)、114(ナフトールAS系)、122(ジメチルキナクリドン)、123、144、149、150、166、168(アントアントロンオレンジ)、170(ナフトールAS系)、171、175、176、177、178、179(ベリレンマルーン)、185、187、209(ジクロロキナクリドン)、219、224(ベリレン系)、245(ナフトールAS糸)、又は、C.I.ピグメントバイオレット19(キナクリドン)、23(ジオキサジンバイオレット)、32、33、36、38、43、50等が挙げられる。
水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水又は超純水を用いることが好ましいが特に限定はされない。なお、本発明で使用可能なインクは、水を20質量%以上75質量%以下含有することが好ましい。
水溶性有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類、ピロリドン誘導体、グリコールエーテル等を任意の含有量で使用することができる。なお、1種類の水溶性有機溶剤を単独で用いてもよいし、2種類以上の水溶性有機溶剤を組み合わせて用いてもよい。
多価アルコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。これらの多価アルコールは、インク組成物をインクジェット記録装置のノズル孔から吐出させる場合に、ノズル孔の目詰まりを低減させる効果がある。
ピロリドン誘導体としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
グリコールエーテル類としては、例えば、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
樹脂としては、例えば、溶媒に溶解可能なものやエマルジョン状態又はサスペンジョン状態の樹脂粒子等を使用することができる。インク組成物に樹脂粒子を含有させることにより、被記録媒体上に耐擦性に優れた画像を形成することができる。特に本実施の形態に係るインク組成物には、該樹脂粒子は微粒子状態(すなわち、エマルジョン状態またはサスペンジョン状態)で含有されていることが好ましい。樹脂粒子を微粒子状態で含有することにより、インクの粘度をインクジェット記録方式において適正な範囲に調整しやすく、また保存安定性・吐出安定性を確保しやすい。
樹脂粒子としては、たとえば樹脂皮膜を形成し被記録媒体上に定着させる効果を持つポリマー粒子が挙げられる。このような効果を持つポリマー粒子を構成する成分としては、たとえばポリアクリル酸エステルもしくはその共重合体、ポリメタクリル酸エステルもしくはその共重合体、ポリアクリロニトリルもしくはその共重合体、ポリシアノアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリスチレンもしくはそれらの共重合体、石油樹脂、クロマン・インデン樹脂、テルペン樹脂、ポリ酢酸ビニルもしくはその共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルエーテル、ポリ塩化ビニルもしくはその共重合体、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、フッ素ゴム、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール、ポリブタジエンもしくはその共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、天然樹脂等が挙げられる。この中で、特に分子構造中に疎水性部分と親水性部分とを併せ持つものが好ましい。
樹脂粒子の平均粒子径は、インク組成物の保存安定性・吐出安定性を確保する点から、好ましくは5nm〜400nmの範囲であり、より好ましくは50nm〜200nmの範囲である。なお、測定装置としては、例えば、動的光散乱法を利用するマイクロトラックUPA(日機装株式会社製)を用いることができる。
樹脂粒子を含有する場合には、その含有量が、インク組成物の全質量に対して、0.5質量%以上10質量%以下であることが好ましい。樹脂粒子の含有量が前記範囲にあると、被記録媒体上でのインク組成物の固化・定着を促進できる。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤の何れも任意の含有量で使用することができる。このうち、ノニオン性界面活性剤を好ましく使用することができ、特に、シリコーン系界面活性剤及びアセチレングリコール系界面活性剤の少なくとも一方を好ましく使用することができる。
界面活性剤は、インク組成物の表面張力および、インク組成物と接触するノズル等のプリンター部材との界面張力を適正に保つことができる。したがって、これをインクジェット記録装置に用いた場合、吐出安定性を高めることができる。また、記録媒体上で均一に濡れ拡げる効果を有する。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリシロキサン系化合物等が好ましく用いられ、ポリエーテル変性オルガノシロキサン等が挙げられる。より詳しくは、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−348(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学株式会社製)等が挙げられる。
また、本願発明のインク組成物は、炭素数5又は6の1,2−アルカンジオールを実質的に含まないことが好ましい。このような有機溶剤は、吐出されたインク滴を分裂させる傾向にあり、ミストがより多く発生する傾向にある。よって、水蒸気を極力少なくするため本願発明のインク組成物には実質的に含ませないことが好ましい。
本発明において、「実質的に含まない」とは、インク組成物を製造する際に色材を意図的に添加しない、又は、添加する意義を十分に発揮しない程度の量以上を含有させない場合等を含む。よって、インク組成物を製造中又は保管中に不可避的に混入又は発生する微量の色材を含んでいても構わない。一例としては、「実質的に含まない」の具体例としては、たとえば1.0質量%以上含まない、好ましくは0.5質量%以上含まない、より好ましくは0.1質量%以上含まない、さらに好ましくは0.05質量%以上含まない、特に好ましくは0.01質量%以上含まないことである。
本実施例の記録装置1で使用されるインクは、水を20質量%以上75質量%以下含有する。インクが水を多く含有するほど、前記ノズルから吐出したインクに由来する水分等が搬送ベルト付近に多く籠り易くなる。しかしながら、本実施例の記録装置1は、前記インクが水を20質量%以上75質量%以下含有していても、被記録媒体の搬送時における水分の影響による搬送不良を抑制することができる。
[実施例]
以下、実施例、参考例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
下記表1で示される組成のブラックインク、シアンインク、マゼンタインク及びイエローインクを、従来から行われている公知の方法により作製した。なお、ブラックインクの顔料はカーボンブラック、シアンインクの顔料はピグメントブルー15:3、マゼンタインクの顔料はピグメントバイオレット19、イエローインクの顔料はピグメントイエロー74を用いた。
以下、実施例、参考例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
下記表1で示される組成のブラックインク、シアンインク、マゼンタインク及びイエローインクを、従来から行われている公知の方法により作製した。なお、ブラックインクの顔料はカーボンブラック、シアンインクの顔料はピグメントブルー15:3、マゼンタインクの顔料はピグメントバイオレット19、イエローインクの顔料はピグメントイエロー74を用いた。
また、図1及び図2で示すような構成の記録装置であって、下記表2で示される特徴を有した実施例1〜3、参考例1〜3及び比較例1〜2の記録装置を作製した。なお、帯電ベルト1〜3は、下記表3で示される特徴を有するものである。
そして、上記表1に記載のインクを充填し、下記表2に記載の相対湿度及び温度40℃の条件でプリンターを12時間放置した。その後、搬送方向の長さ42cmのA3の被記録媒体50枚に記録し、被記録媒体の搬送が適切にされているかを下記表2の搬送吸着力として、下記の基準で評価した。また、省スペース化についても併せて評価した。
○:PG1.0mmで正常搬送
△:PG1.5mmで正常搬送、PG1.0mmで許容範囲内の被記録媒体と記録装置の構成部材との干渉有
×:PG1.5mmでジャムが多発し許容範囲外
そして、上記表1に記載のインクを充填し、下記表2に記載の相対湿度及び温度40℃の条件でプリンターを12時間放置した。その後、搬送方向の長さ42cmのA3の被記録媒体50枚に記録し、被記録媒体の搬送が適切にされているかを下記表2の搬送吸着力として、下記の基準で評価した。また、省スペース化についても併せて評価した。
○:PG1.0mmで正常搬送
△:PG1.5mmで正常搬送、PG1.0mmで許容範囲内の被記録媒体と記録装置の構成部材との干渉有
×:PG1.5mmでジャムが多発し許容範囲外
なお、帯電ベルト3のフッ素コートは、ポリテトラフルオロエチレンを40℃環境下で、搬送速度15ips(inch/sec)の条件で固定化した。
また、上記表面抵抗率は、23℃、相対湿度55%の環境下で、円形電極(例えば、三菱化学(株)製ハイレスターUPの「URSプローブ」)又は四探針電極(例えば、三菱化学(株)製ロレスタ)を用い測定することができる。測定条件としては、例えば、荷重2.0kg、チャージ時間10秒とし、印可電圧は10V又は250Vを印可して測定することができる。
また、上記表面抵抗率は、23℃、相対湿度55%の環境下で、円形電極(例えば、三菱化学(株)製ハイレスターUPの「URSプローブ」)又は四探針電極(例えば、三菱化学(株)製ロレスタ)を用い測定することができる。測定条件としては、例えば、荷重2.0kg、チャージ時間10秒とし、印可電圧は10V又は250Vを印可して測定することができる。
上記表2から明らかなように、被覆率を高くすることで省スペース化は有効になり、搬送ベルト3の外層O(支持面F)をAC帯電させる際の周波数を所定の範囲とすることにより、搬送吸着力が向上する。
また、本発明者等がさらに鋭意検討した結果、上記記録装置1のような構成の記録装置において、10Hz以上200Hz以下の周波数で外層OをAC帯電することで好ましい搬送吸着力が得られるということが分かった。さらに、20Hz以上100Hz以下でさらに好ましく、40Hz以上60Hz以下で特に好ましい搬送吸着力が得られるということが分かった。
また、本発明者等がさらに鋭意検討した結果、上記記録装置1のような構成の記録装置において、10Hz以上200Hz以下の周波数で外層OをAC帯電することで好ましい搬送吸着力が得られるということが分かった。さらに、20Hz以上100Hz以下でさらに好ましく、40Hz以上60Hz以下で特に好ましい搬送吸着力が得られるということが分かった。
1 記録装置、2 搬送ベルトへの導入部、3 搬送ベルト、4 ローラー、
5 ローラー、6、6a〜6d ラインヘッド、7 ワイピングユニット、
8 ワイピング部材、9、9a〜9d キャッピングユニット、
10 帯電ローラー(帯電部)、11 搬送ベルトからの導出部、E 支持終了位置、
F 支持面、I 搬送ベルトの内層、
L1 ラインヘッドのノズルと搬送ベルトとの距離L1(プラテンギャップ:PG)、
L2 キャッピングユニットと搬送ベルトとの距離、
L3 ワイピングユニットと搬送ベルトとの距離、O 搬送ベルトの外層、
S 支持開始位置、
T1 搬送経路における搬送ベルトの被記録媒体を支持する面の面積、
T2 ラインヘッドの面積、T3 ワイピングユニットの面積、
T4 キャッピングユニットの面積
5 ローラー、6、6a〜6d ラインヘッド、7 ワイピングユニット、
8 ワイピング部材、9、9a〜9d キャッピングユニット、
10 帯電ローラー(帯電部)、11 搬送ベルトからの導出部、E 支持終了位置、
F 支持面、I 搬送ベルトの内層、
L1 ラインヘッドのノズルと搬送ベルトとの距離L1(プラテンギャップ:PG)、
L2 キャッピングユニットと搬送ベルトとの距離、
L3 ワイピングユニットと搬送ベルトとの距離、O 搬送ベルトの外層、
S 支持開始位置、
T1 搬送経路における搬送ベルトの被記録媒体を支持する面の面積、
T2 ラインヘッドの面積、T3 ワイピングユニットの面積、
T4 キャッピングユニットの面積
Claims (11)
- 内層と外層を有し、前記外層に被記録媒体を支持する支持面を有する無端状の搬送ベルトと、
前記搬送ベルトの前記支持面を帯電させて該支持面に前記被記録媒体を静電吸着可能にするAC帯電部と、
前記支持面に静電吸着されて搬送される前記被記録媒体にインクをノズルから吐出するラインヘッドと、
前記支持面と対向する領域に設けられた配置部材と、を備え、
前記被記録媒体に前記インクが吐出されている際における前記配置部材と前記支持面との距離は、前記被記録媒体に前記インクが吐出されている際における前記ラインヘッドのノズルと前記支持面との距離よりも長く、
前記外層は疎水性材料を含み、
前記AC帯電部は、10Hz以上200Hz以下の周波数で前記搬送ベルトを帯電することを特徴とする記録装置。 - 請求項1に記載の記録装置において、
前記搬送ベルトは、少なくとも相対湿度70%の環境下で前記被記録媒体を静電吸着して搬送可能であることを特徴とする記録装置。 - 請求項1又は2に記載の記録装置において、
前記外層の表面抵抗率は1010Ω/sq以上であり、前記内層の体積抵抗率は105Ωcm以上1010Ωcm未満であることを特徴とする記録装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の記録装置において、
前記ノズルと前記搬送ベルトの前記支持面との距離は5mm以下であることを特徴とする記録装置。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の記録装置において、
前記インクは、水を20質量%以上75質量%以下含有することを特徴とする記録装置。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の記録装置において、
前記搬送ベルトによって前記被記録媒体が搬送される搬送経路において、前記配置部材による該支持面の被覆率は平面視で60%以上であることを特徴とする記録装置。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の記録装置において、
前記配置部材は、前記ラインヘッドに対して前記ノズルを覆うように当接し前記ラインヘッドとの間に閉空間を形成するキャッピングユニットと、前記ラインヘッドの前記ノズルの形成面をワイピングするワイピングユニットとから選択される一種以上であることを特徴とする記録装置。 - 請求項7に記載の記録装置において、
前記ラインヘッドを前記搬送ベルトの前記支持面と接近及び離間する方向に移動可能な移動機構と、
前記ラインヘッドをキャッピング可能なキャッピングユニットと、を備え、
前記キャッピングユニットによる前記ラインヘッドのキャッピング状態における前記キャッピングユニットと前記支持面との距離は、前記被記録媒体に前記インクを吐出している際における前記ノズルと前記支持面との距離よりも長いことを特徴とする記録装置。 - 請求項1から8のいずれか1項に記載の記録装置において、
前記搬送ベルトの張力を調整可能な張力調整機構を備え、
前記張力調整機構は、記録動作停止状態においては記録動作中よりも前記搬送ベルトの張力を小さくすることを特徴とする記録装置。 - 請求項1から9のいずれか1項に記載の記録装置において、
前記被記録媒体を搬送する際の前記搬送ベルトの移動速度は、8inch/s以上であることを特徴とする記録装置。 - 内層と外層を有し、前記外層に被記録媒体を支持する支持面を有する無端状の搬送ベルトと、
前記搬送ベルトの前記支持面を帯電させて該支持面に前記被記録媒体を静電吸着可能にするAC帯電部と、
前記支持面に静電吸着されて搬送される前記被記録媒体にインクをノズルから吐出するラインヘッドと、
前記支持面と対向する領域に設けられた配置部材と、を備え、
前記被記録媒体に前記インクが吐出されている際における前記配置部材と前記支持面との距離は、前記被記録媒体に前記インクが吐出されている際における前記ラインヘッドのノズルと前記支持面との距離よりも長く、
前記外層は疎水性材料を含み、
前記AC帯電部は、前記外層に、前記搬送方向に沿って3mm以上20mm以下の長さ毎に正の電荷と負の電荷とを交互に帯電させることを特徴とする記録装置。
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