JP2014187985A - 地下灌漑システム - Google Patents

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Abstract

【解決手段】地下灌漑システム10は、圃場地下に埋設した、たとえば有孔管からなる給水管路12を含む。水槽54内の溶液56中に水中ポンプ58を設置し、この水中ポンプの吐出口から溶液投入管60を通して、幹線管路14内に溶液を投入する。投入された溶液は水中ポンプの圧力によって、幹線管路の上流側から下流側へ流れ、その過程で、幹線管路の管壁の孔から溶液が圃場地下に浸透する。幹線管路内に残った溶液は水中ポンプの圧力によって支線管路18の下流側から上流側へ循環され、その過程で支線管路の管壁の穴から溶液が圃場地下に浸透する。支線管路内に残った溶液は、戻り管62を経て、水槽内に戻される。
【効果】既設の給水管路を利用して、液肥や薬液を容易に圃場地下に分配することができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、地下灌漑システムに関し、特にたとえば、圃場の地中に埋設された有孔管のような給水管路によって灌漑用の水を圃場の地中に供給する、地下灌漑システムに関する。
この発明の背景技術の一例が特許文献1に開示されている。特許文献1では、水流ポンプによって水田の地下に埋設した水位調整用管路内に強制的に送水することによって、水田内の田面水を循環させ、用水内に投入した肥料や農薬を均一に拡散させるようにしている。肥料や農薬を人手やあるいは大がかりな装置によって散布する必要がなく、経済的、効率的であるという利点がある。
特開平6‐276868号[A01G 25/16 16/00, 25/00]
しかしながら、特許文献1のシステムは、水田内の田面水を循環させるものであるため、田面水を溜めない、水田以外の畑などの圃場には適用できない。
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、地下灌漑システムを提供することである。
この発明の他の目的は、液肥や薬液のような溶液を容易に圃場内に分配できる、地下灌漑システムを提供することである。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明などは、本発明の理解を助けるために後述する実施の形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
第1の発明は、圃場の地中に埋設され、用水を地中に供給する供給部および大気に連通する開放部を有する給水管路、給水管路に溶液を投入する投入手段、溶液を給水管路内で循環させて、供給部から溶液を地中に供給する循環手段、および循環手段によって溶液を循環させるとき、給水管路の開放部から溶液が流出するのを防止する流出防止手段を備える、地下灌漑システムである。
第1の発明では、地下灌漑システム(10:実施例で相当する部分を例示する参照符号。以下同じ。)は、圃場の地中に埋設され、用水を地中に供給する供給部および大気に連通する開放部を有する給水管路(12)を含む。投入手段(54、58、60)は、給水管路に溶液(液肥や薬液などを総称する。以下同じ。)を投入し、循環手段(58、62)は、溶液を給水管路内で循環させる。溶液の循環の過程で、給水管路に設けた供給部から溶液が圃場地下に浸透する。ただし、循環手段によって溶液を循環させるとき、流出防止手段(64、66、68)は、給水管路の開放部から溶液が流出するのを防止する。
第1の発明によれば、圃場地下に埋設した既設の給水管路を利用して圃場全体に効率的に溶液を分配することができる。
第2の発明は、第1の発明に従属し、流出防止手段は、開放部を閉塞する閉塞手段を含む、地下灌漑システムである。
第2の発明では、流出防止手段は、実施例の逆止弁(64)や閉塞バルブ(66)のような閉塞手段を含む。
第2の発明によれば、溶液循環時の溶液の流出が効果的に防止できる。
第3の発明は、第1または第2の発明に従属し、循環手段は、給水管路内を加圧する加圧手段を含む、地下灌漑システムである。
第3の発明では、加圧手段は、たとえば水中ポンプ(58)を含む。
第4の発明は、第1または第2の発明に従属し、溶液を貯留する水槽をさらに備え、投入手段および循環手段は、水槽内に設置される水中ポンプを含んで構成され、水中ポンプは吸い込み口から水槽内の溶液を吸い込み、吐出口から溶液を給水管路内に圧送し、さらに給水管路を循環した溶液を水槽に戻すための戻し手段を備える、地下灌漑システムである。
第4の発明では、水槽(54)が圃場に設けられ、その水槽内に溶液(56)が溜められる。溶液内に水中ポンプ(58)を設置する。水中ポンプは吸い込み口から水槽内の溶液を吸い込み、吐出口からその溶液を、たとえば溶液投入管(60)を通して、給水管路(12)内に圧送する。したがって、給水管路内を溶液が循環する。給水管路内に残った溶液が、戻し手段(62)によって、水槽内に戻される。
第4の発明によれば、水中ポンプで効率よく溶液を給水管路内に投入と、循環させることができ、さらに、戻し手段で、残った溶液を水槽内に回収するので、溶液の無駄がない。
第5の発明は、第1ないし第4のいずれかの発明に従属し、給水管路は、上流側から下流側へ用水を流す幹線管路と幹線管路の下流側に連通して下流側から上流側へ用水を流す支線管路を含み、投入手段は幹線管路内に溶液を投入する、地下灌漑システムである。
第5の発明では、給水管路(12)は、幹線管路(14)および幹線管路に連通する支線管路(18)を含み、溶液は幹線管路内に投入される。
第5の発明によれば、既設の給水管路をそのまま利用できる。
第6の発明は、圃場の地中に埋設され、用水を地中に供給する供給部を有する給水管路、給水管路に溶液を投入する投入手段、溶液を給水管路内で循環させて、供給部から溶液を地中に供給する循環手段、および、循環手段によって溶液を循環させるとき、給水管路への用水の流入を遮断する給水遮断手段と給水管路からの用水の流出を遮断する排出遮断手段を備える、地下灌漑システムである。
第6の発明では、地下灌漑システム(10)は、圃場の地中に埋設され、用水を地中に供給する供給部を有する給水管路(12)を含む。投入手段(54、58、60)は、給水管路に溶液を投入し、循環手段(58、62)は、溶液を給水管路内で循環させる。溶液の循環の過程で、給水管路に設けた供給部から溶液が圃場地下に浸透する。ただし、循環手段によって溶液を循環させるとき、給水遮断手段(64)は給水管路への用水の流入を遮断し、排出遮断手段(66、68)は給水管路からの用水の流出を遮断する。
第6の発明によっても、圃場地下に埋設した既設の給水管路を利用して圃場全体に効率的に溶液を分配することができる。
この発明によれば、圃場地下に埋設した既設の給水管路を利用して圃場全体に効率的に溶液を分配することができる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
図1はこの発明の一実施例の地下灌漑システムを示す図解図である。 図2は図1実施例の上流側の要部を拡大して示す図解図である。 図3はこの発明の他の実施例の下流側の要部を示す図解図である。
図1を参照して、この実施例の地下灌漑システム10は、圃場の地中に埋設された給水管路12を含む。給水管路12は、上流側(図1の左上:US)から下流側(図1の右下:DS)へ用水を流す幹線管路14と、この幹線管路14の下流側の連通部16において幹線管路14と連通して左右に分岐する支線管路18とを含む。支線管路18は、連通部16を通して幹線管路14から供給された用水を下流側から上流側へ流すループを形成する。給水管路12すなわち幹線管路14および支線管路18はそれぞれ、管壁に孔(図示せず)が形成されている有孔管で構成され、その孔から用水を流出させることによって、用水を圃場地下に供給する。これらの孔が、供給部として機能する。ただし、支線管路18は、上流側においては幹線管路14とは連通していない。
図1実施例の上流側USの要部をよく示す図2からよくわかるように、幹線管路14の上流側は圃場地下から立ち上げられて立ち上がり部20を形成し、この立ち上がり部20は圃場の地表上に延び、立ち上がり部20の管端22が、実施例の場合にはフォアス(FOEAS)桝と呼ばれる、たとえばコンクリート製の用水桝24内に臨まされる。用水桝24内には、用水路(図示せず)のような水源まで延びてその水源から水を用水桝24内に送り込む取水管26の管端が収容され、この取水管26の管端に給水バルブ28が設けられる。給水バルブ28を開くことによって、水源から水が、取水管26を通して用水桝24内に流入し、用水桝24内に溜まり、開放端22から幹線管路14内に流入する。
初期給水は、このようにして用水桝24から幹線管路14に用水を供給することによって、行われる。
取水管26にはさらに分岐管30が取り付けられ、分岐管30は、ボールバルブ32を介して送水管34に接続される。送水管34は、ボールバルブ32が開いているとき、水位管理器36内に取水管26からの水を送る。
水位管理器36は、上端開放の有底の円筒体38を含み、この円筒体38の下部に接続管40の一端が接続され、接続管40の他端は用水桝24の下方において、幹線管路14の立ち上がり部20に接続される。つまり、接続管40を介して、円筒体38内部と立ち上がり部20内部が連通する。
水位管理器36は円筒体38内に、この円筒体38内の水位に応じて上下するフロート42を有し、このフロート42の中心に上記送水管34が接続される。送水管34からの水はフロート42内を通ってフロート42の下方の円筒体38内に流入する。したがってフロート42の下方の水位が変動し、その水位変動に応じて、フロート42が上下に変位する。詳しくは、たとえば特開2008‐240934号公報に開示されるように、フロート42の上下方向の変位と連動する弁体(図示せず)が、フロート42の下方に設けられていて、この弁体に対する弁座が送水管34の下端に設けられている。
圃場の地下水位が所定レベルより下がったとき、フロート42が下降し、弁体が弁座を閉塞することはない。したがって、送水管34は開放され、取水管26から水位管理器36内に送られた用水が、接続管40を通って、立ち上がり部20から幹線管路14に供給される。他方、圃場の地下水位が所定レベルより上がったとき、弁体が弁座を閉塞する。したがって、送水管34が閉塞され、取水管26から水位管理器36すなわち幹線管路14に供給されることはない。つまり、地下水位が上昇してフロート42が上昇すると、幹線管路14に供給する用水が停止され、地下水位が下降してフロート42が下降すると、幹線管路14に用水が供給される。このようにして、接続管40から幹線管路14へ供給される用水の量を調整し、圃場の地下水位を一定またはほぼ一定に維持する。
さらに、幹線管路14の下流側端部は、図3に示すように、連通16を越えたあたりから緩やかに下方に傾斜し、その傾斜部44の下流側端で立ち上がり部46を形成する。立ち上がり部46は上端開放でかつ有底の外管48の底面を貫通して外管48内に配置され、外管48の下部に排水管50が接続される。したがって、幹線管路14および支線管路18すなわち給水管路12での余剰の用水が傾斜部44から立ち上がり部46を経て外管48内に溜まり、そこから排水管50を経て、排水路52に排水される。この立ち上がり部46の管端の上下方向の位置を適宜設定することによって、圃場の地下水位を設定することができるので、立ち上がり部46、外管48および排水管50を総称して、水位設定器といわれている。つまり、所定以上の給水が行われると、立ち上がり部46の管端から用水が流出するので、地下水位がその管端の高さ以上になることはない。そのため、立ち上がり部46が水位設定器の一部を構成している。
実施例の地下灌漑システム10では、初期給水を実行した後では、上記水位管理器36を用いることによって、圃場地下における地下水位を、水位設定器で設定した一定の排水水位以下の所定水位に維持するようにしている。つまり、初期給水の後は、圃場の地下水位が所定以上のときは幹線管路14には用水は供給されず、圃場の地下水位が下がったときだけ、水位管理器36から接続管40を経て、幹線管路14に用水が供給される。つまり、給水管路12内には常に用水が循環されておらず、この実施例の地下灌漑システムは非循環型のシステムである。したがって、そのままでは、液肥や薬液のような溶液を圃場全体に分配する手段として、給水管路12を利用することはできない。そこで、この実施例では以下のように構成することによって、既設の給水管路12を利用して溶液を圃場地下に分配できるようにした。
図2に戻って、実施例では用水桝24の近傍だが、実際には任意の位置の、地表上に水槽54が設置される。水槽54内には溶液(液肥および/または薬液)56が溜められていて、その中に水中ポンプ58が設置されている。水中ポンプ58は、吸い込み口(図示せず)から溶液を吸い込み、吐出口(図示せず)から溶液を吐出する。水中ポンプ58の吐出口は溶液投入管60を介して幹線管路14の立ち上がり部20に連結される。したがって、水中ポンプ58によって、水槽54内の溶液56が、給水管路12すなわち幹線管路14内に圧送、投入される。つまり、水中ポンプ58および溶液投入管60が溶液投入手段を形成する。
他方、上述のようにループを形成する支線管路18が戻り管62を介して水槽54の内部と連通する。
幹線管路14の立ち上がり部20の、水位管理器36からの接続管40の接続位置と、水中ポンプ58の吐出口からの溶液投入管60の接続位置との間に、逆止弁64が設けられる。この逆止弁64は手動で作動される手動弁であってもよいが、好ましくは、電気信号に応じて作動する自動弁である。水位管理器36には上述のようにフロート42があり、一見すると、この水位管理器36を通して幹線管路14が大気に開放されてはいないが、フロート42の上は大気であるので、つまり、フロート42の上に閉塞手段はないので、結局、幹線管路14すなわち給水管路12は、フロート42を介して大気に連通しているということができる。そのために、後述のように溶液を循環させるときに水位管理器36から溶液が流出するのを防止するために、実施例では、逆止弁64を設けるのである。
図1を参照して、水位設定器を構成する立ち上がり部46の管端には閉塞バルブ66が設けられる。この閉塞バルブ66も手動で作動される手動弁であってもよいが、好ましくは、電気信号に応じて作動する自動弁である。この閉塞バルブ66は通常の初期給水時や水位管理時には、開放されている。したがって、通常の場合、立ち上がり部46(幹線管路14)すなわち給水管路12は大気に連通している。そのために、後述のように溶液を循環させるときに水位設定器から溶液が流出するのを防止するために、この実施例では閉塞バルブ66を設ける。
ただし、閉塞バルブ66を設ける位置は立ち上がり部64の管端に限られるものではない。たとえば、傾斜部44、立ち上がり部64の途中など、閉塞バルブ66は排水側(連通部16から下流)のどこに設けてもよい。
この実施例の地下灌漑システム10において、給水管路12を溶液分配手段として利用する場合、まず、水槽54内に必要な液肥や薬液を必要量入れる。次いで、逆止弁64および閉塞バルブ66を、手動弁の場合には手動で,自動弁の場合は電気信号を与えることによって、閉じる。このように逆止弁64および閉塞バルブ66を閉じたので、給水管路12の中を液肥や薬液を循環させても、液肥や薬液が流出または漏出することはない。したがって、逆止弁64や閉塞バルブ66は、給水管路12からの液肥や薬液の流出または漏出を防止する、流出防止手段として、さらには閉塞手段として機能するのである。
なお、給水管路12には通常、管路内を洗浄するために利用される、洗浄口が設けられる。この洗浄口は,幹線管路14や支線管路18の途中に細管を連結し、その細管を立ち上げて、洗浄口となる管端を圃場地表に露出させておく。洗浄口は通常キャップ様のもので閉塞されているので、ここから液肥や薬液が流出することはない。しかしながら、もし、洗浄口が通常開放されている地下灌漑システムの場合には、逆止弁64や閉塞バルブ66と同様に、この段階で、洗浄口をたとえばキャップのような何らかの封止手段で封止しておく必要がある。
逆止弁64や閉塞バルブ66を閉じた状態で、次に、水槽54内の水中ポンプ58を運転を開始する。そうすると、水中ポンプ58の吸い込み口から溶液を吸い込み、水中ポンプ58の吐出口から溶液が吐出され、それが溶液投入管60を経て、幹線管路14内に入る。水中ポンプ58は溶液を、圧力をかけて送出するのであるから、幹線管路14内に圧送された溶液は、上流側から下流側に押し流される。幹線管路14は前述のように有孔管であるので、幹線管路14に投入された溶液は、上流側から下流側に流れる過程で、幹線管路14の管壁に形成された孔から順次圃場地下に浸透する。
ただし、投入された溶液がすべて幹線管路14から圃場に分配される訳ではない。幹線管路14内に残った溶液は、連通部16から支線管路18に流入する。支線管路18内に入った溶液は、水中ポンプ58の圧力によって、下流側から上流側へ循環する。支線線管路18も有孔管であるので、支線管路18内に流入した溶液は、下流側から上流側に循環される過程で、支線管路18の管壁に形成された孔から順次、圃場地下に浸透する。
ただし、流入した溶液がすべて支線管路18から圃場に流出するものではなく、支線管路18内に残った溶液は戻り管62を経て水槽54内に戻される。つまり、戻し手段として作用する戻し管62で、給水管路12すなわち支線管路18内に残った溶液を水槽内に回収するので、溶液の無駄がない。
このようにして、給水管路12(幹線管路14)に投入された液肥や薬液が循環する。そして、その循環の過程で、液肥や薬液が圃場地下に流出することによって、圃場全体に分配されるのである。
上述の実施例では、水位設定器における幹線管路14の立ち上がり部46に閉塞バルブ66を設け、それを作動させることによって、この立ち上がり部46からの溶液の流出を防止した。しかしながら、閉塞バルブ66は必ずしも必要ではない。
図3に示す実施例では、立ち上がり部46にたとえば管内壁にゴム輪(図示せず)を内蔵した短管68を被せ、この短管68を点線矢印で示すように軸方向に変位かつ固定可能にしておく。通常の水位設定時には、短管68をたとえば一番下あるいはそれに近い第1の位置に固定しておき、溶液を循環させて分配すべきときには、短管68をたとえば一番上あるいはそれに近い第2の位置に固定する。そうすると、給水管路12内に一定程度の圧力がかかった場合でも、短管68が第2の位置にあり短管68に管端は通常時よりかなり高い位置にあるので、そこから溶液が流出することはない。
つまり、図3の実施例においては、このような、幹線管路14の立ち上がり部46上に設けられた変位、固定自在の短管68が、流出防止手段として作用するのである。
なお、上述の実施例では圃場地下の暗渠について説明しなかったが、支線管路18からの給水を受ける弾丸暗渠を形成してもよく、さらに、そのような弾丸暗渠をループ状に形成してもよい。
さらに、上述の実施例では、水槽54を地上に設置したが、この水槽54の下部あるいは全体を地中に埋めるように設置することも可能である。そうすれば、溶液投入管60や戻り管62を、地中で、水中ポンプ58の吐出口や水槽54に接続することができる。
さらに、上述の実施例では、投入手段および循環手段が水槽54の溶液56内に設置した水中ポンプ58を含んで構成された。しかしながら、水槽54を用いなくてもよい。その場合、水中ポンプ(図示せず)を単体で適宜の場所に設置し、水中ポンプの吐出口を先の実施例と同様に溶液投入管60に連結する一方、水中ポンプの吸い込み口を先の実施例の戻り管62に連結する。この場合、溶液循環の初期には、ポンプとは別の手段で、給水管路12内に溶液を投入する必要がある。初期状態では、戻り管62から戻る溶液がないからである。このようにすれば、投入手段と循環手段とを分離することができる。また、水槽を用いなくてもよいので、施工費用が安くなるし、水槽の設置場所を確保する必要がない。
特にこの実施例の場合、水中ポンプ(図示せず)の吐出口および吸い込み口と溶液投入管60および戻り管62とを着脱可能に構成しておいて、必要の都度水中ポンプを持ってきて、吐出口および吸い込み口と溶液投入管60および戻り管62とを連結するようにすればよい。そうすれば、水中ポンプを常設しておく必要はなくなる。
実施例の地下灌漑システム10は、一例としてフォアス(FOEAS)と呼ばれる地下水位管理器を利用する地下灌漑システムであるが、この発明はこれに限るものではなく、自然圧を利用する、非循環型の地下灌漑システムには適用可能であることはいうまでもない。
さらにまた、この発明は、給水管路に「開放部」がないようなタイプの地下灌漑システムに対しても適用できる。その場合、先の実施例で必要としていた「開放部」からの流出を防止する流出防止手段は不要となるが、圃場内の用水を一定に保ちながら液肥や薬剤を投入、循環させるために、「給水遮断手段」や「排出遮断手段」が必要になる。先の実施例における逆止弁64は、それが閉じられたとき水位管理器36を経由した用水の幹線管路14すなわち給水管路12内への流入を阻止するので、ここでいう給水遮断手段に相当する。また、先の実施例における閉塞バルブ66は、それが閉じられたとき水位設定器を経由して給水管路12から用水が排出されるのを阻止するので、ここでいう排水遮断手段に相当する。同様に、図3実施例の短管68も排水遮断手段として機能する。閉塞バルブ66と同様の排水阻止機能を持つ図3実施例の短管68も排水遮断手段の作用を果たす。
10 …地下灌漑システム
12 …給水管路
14 …幹線管路
16 …連通部
18 …支線管路
20、46 …立ち上がり部
22 …管端
24 …用水桝
26 …取水管
28 …給水バルブ
34 …送水管
36 …水位管理器
40 …接続管
42 …フロート
54 …水槽
56 …溶液
58 …水中ポンプ
60 …投入管
62 …戻り管
64 …逆止弁
66 …閉塞バルブ
68 …短管

Claims (6)

  1. 圃場の地中に埋設され、用水を地中に供給する供給部および大気に連通する開放部を有する給水管路、
    前記給水管路に溶液を投入する投入手段、
    前記溶液を前記給水管路内で循環させて、前記供給部から前記溶液を地中に供給する循環手段、および
    前記循環手段によって前記溶液を循環させるとき、前記給水管路の前記開放部から溶液が流出するのを防止する流出防止手段を備える、地下灌漑システム。
  2. 前記流出防止手段は、前記開放部を閉塞する閉塞手段を含む、請求項1記載の地下灌漑システム。
  3. 前記循環手段は、前記給水管路内を加圧する加圧手段を含む、請求項1または2記載の地下灌漑システム。
  4. 前記溶液を貯留する水槽をさらに備え、
    前記投入手段および前記循環手段は、前記水槽内に設置される水中ポンプを含んで構成され、前記水中ポンプは吸い込み口から前記水槽内の溶液を吸い込み、吐出口から溶液を前記給水管路内に圧送し、さらに
    前記給水管路を循環した溶液を前記水槽に戻すための戻し手段を備える、請求項1または2記載の地下灌漑システム。
  5. 前記給水管路は、上流側から下流側へ用水を流す幹線管路と前記幹線管路の下流側に連通して下流側から上流側へ用水を流す支線管路を含み、
    前記投入手段は前記幹線管路内に前記溶液を投入する、請求項1ないし4のいずれかに記載の地下灌漑システム。
  6. 圃場の地中に埋設され、用水を地中に供給する供給部を有する給水管路、
    前記給水管路に溶液を投入する投入手段、
    前記溶液を前記給水管路内で循環させて、前記供給部から前記溶液を地中に供給する循環手段、および、
    前記循環手段によって前記溶液を循環させるとき、前記給水管路への用水の流入を遮断する給水遮断手段と前記給水管路からの用水の流出を遮断する排出遮断手段を備える、地下灌漑システム。
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