JP2014187927A - 即席麺の乾燥方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、麺線同士の結着がなく、ほぐれやすく、均一に復元性できる優れたノンフライ麺を得ることを目的とし、その乾燥工程中に麺線がリテーナから飛び出さないようにする。
【解決手段】 リテーナにα化処理した麺線を投入し、リテーナの上方からリテーナ内の麺線がさらされる風速が60m/s以上となるように、高速の気流を吹き付ける工程を含む即席麺の乾燥方法であって、前記高速の気流が、麺線のさらされる風速を一旦50m/s以下とした後に、引き続いて前記60m/s以上とすることで、リテーナ内で麺線が踊るようにして乾燥する。特に、リテーナが、前記高速の気流の下を順次搬送される乾燥装置の場合、入口側の風速を弱くして、当該搬送されるリテーナ開口部において、その全面が前記50m/s以下の気流に覆われた後に、引き続いて吹き付ける気流を前記60m/s以上に風速を上げるのがよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、ほぐれの良い即席麺を得るための即席麺の乾燥方法に関するものである。
即席麺には油で揚げて乾燥させたフライ麺と、油で揚げずに乾燥するノンフライ麺がある。ノンフライ麺はフライ麺よりも生麺的な食感を有するが、乾燥時に麺線同士の結着が起こりやすく、ほぐれが悪いことがある。ノンフライ麺の乾燥方法には幾つかの方法があるが、70〜100℃程度で風速5m/s以下程度の熱風を当てて30分から60分程度乾燥させる熱風乾燥法が一般的で、その他には、低温で長時間乾燥させる低温乾燥法や、100℃〜200℃程度の高温高速の気流を麺線に当てる特許文献1ないし3のような高温高速気流乾燥法等がある。
通常、フライ麺の場合には、フライ油内で麺が浮揚しつつ水分が蒸発して形状が固定されるため、麺塊は比較的嵩高く、麺線同士の結着も起こりにくいが、ノンフライ麺においては、α化した麺をリテーナに入れて空気中で乾燥するため、重力によって麺線は下方に圧縮されて麺線同士が接触しやすく、特に麺塊の下面は麺線が密集して結着しやすい。麺線同士が結着すると、調理時、喫食時にほぐれが悪く、また、結着した部分は調理時に湯が入りにくく、充分に湯が入らないとその部分は湯戻りせず食感が悪い。
特に、特許文献1ないし3のように高温高速の気流を用いて麺線を膨化させる乾燥方法によると、上方から高速の気流が強く吹き付けられるため、麺線がリテーナの下方隅部に押しやられ、この部分で麺線の結着が起こりやすい。
一方、ノンフライ麺のほぐれを改良する技術において、リテーナ内の麺線にエアを吹き付けてほぐす技術が、特許文献4,5等に記載されている。しかし、これらの装置によるほぐし効果は、麺線同士の位置をずらすことと、投入時にリテーナの中央付近で密になった麺塊を均して分散化させる程度のもので、充分なものではなかった。
特開平9−51773号公報 特開平9−210554号公報 WO2010/55860 実公平7−53508号公報 実用新案登録第2515849号公報
本発明は、ノンフライ即席麺において結着が少なく、ほぐれやすく、復元性にムラのない麺を得ることを課題とする。また、本発明は、このようなすぐれた麺を得るために高温高速の気流を用いるものであるが、その場合の問題点、とりわけリテーナからの麺線の飛び出しを防止することを課題とする。
本発明者らの検討の結果、吹き付ける高温高速の気流の速度を非常に早くして、リテーナの上方からリテーナ内の麺線に吹き付けると、吹き付けたエアの一部がリテーナの底面や側面、或いは麺線自身に衝突して、リテーナ内で麺線が踊るような、好ましくは浮遊撹拌するような挙動を取らせることができ、その結果、反って、問題となる麺線の結着が起こりにくく、ほぐれやすい麺塊が得られる場合のあることを知見した。
ただし、非常に強いエアを上方から吹き付け、これによって麺線をリテーナ内で踊るようにして乾燥させようとすると、どうしても麺線の一部又はほとんどがリテーナから飛び出すため、その対応が必要となった。特に、乾燥庫内をリテーナが順次搬送されるような構造の場合、搬送されてくるリテーナの進行方向前側から強いエアが吹き付けられることになり、この場合、麺線がリテーナ内で踊るほどの強い風速であると、搬送されてきたリテーナの進行方向前側の麺線がエアによって押され、進行方向後側が持ち上がってリテーナから麺線が飛び出し易かった。
そこで本発明者らはさらに検討したところ、一気に強い高速の気流を作用させずに、上方からリテーナ内の麺塊に当たる風速を、麺線が押されて飛び出さないレベルに初めに一旦弱くして、その後引き続いて風速を上げることで、麺線がリテーナから飛び出さずに、かつ踊るように、好ましくはリテーナ内で浮遊撹拌した状態で乾燥できることを知見し、本発明とした。
すなわち、本発明は、リテーナにα化処理した麺線を投入し、該リテーナの上方からリテーナ内の麺線がさらされる風速が60m/s以上となるように高速の気流を吹き付ける工程を含む即席麺の乾燥方法であって、前記高速の気流が、麺線のさらされる風速を一旦50m/s以下とした後に、引き続いて前記60m/s以上とすることを特徴とする即席麺の乾燥方法、である。
このように、風速60m/s以上の高速の気流を上方から吹き付けることで、麺線がリテーナ内で踊るような挙動を取りやすく、好ましくは、麺線をリテーナ内で浮遊撹拌状態とすることで、麺線がほぐされつつ乾燥され、麺線同士の結着が少ない状態に乾燥することができる。しかし一方、前述したように、一気に麺線が踊るような強い風速を吹きつけられると麺線が飛び出し易いので、一旦50m/s以下の麺線が飛び出さないレベルに抑えて、そのまま引き続いて風速を上げて60m/s以上とする。
なお、上述したように、乾燥庫内をリテーナが順次搬送され、その上方から高速の気流を吹き付ける場合、搬送されるリテーナの進行方向前方から順にエアが吹き付けられることになるが、この場合、リテーナの進行方向前側において一気に強い風圧が掛かるので、麺線がこの部分で押されてリテーナ後側から飛び出し易い。そこで、本発明においては、リテーナが、高速の気流の下を順次搬送される構造の場合、当該搬送されるリテーナにおいて、その開口全面が前記50m/s以下の気流に覆われた後に、引き続いて風速を前記60m/s以上とする。これによって、このような連続式の乾燥装置において、特に有効に麺線の飛び出しを抑えることができる。
より具体的には、60m/s以上の高速の気流および50m/s以下の気流が、いずれもリテーナの搬送経路上方に配置されたノズルから垂直下方向に向けて吹き付ける気流であり、リテーナが当該ノズルの下を順次搬送する装置の場合、当該搬送されるリテーナ開口部の進行方向前端の位置が、60m/s以上の高速の気流を吹き付けるノズルの下まで搬送された時点において、50m/s以下の気流を吹き付けるノズルが、当該リテーナの開口部中心位置よりも既にリテーナ進行方向後端側に達しているようにすればよい。
つまり、搬送されるリテーナの前端が、麺線が飛び出すような60m/s以上の高速の気流を噴出するノズルの下に達した時に、既に50m/s以下の飛び出さない気流を噴出するノズルが、リテーナ開口部の中央より後端側に達し、リテーナの開口全面を50m/s以下の気流で覆われた状態とすることで、60m/s以上の気流によってリテーナ前端側から押されて飛び出ようとする麺線を、後端側からも押してこれを抑制することができ、従って麺線が飛び出しにくい。
なお、リテーナの形状や麺線の投入量にもよるが、即席麺乾燥用リテーナの一般的な形状のものであれば、概ね50m/s以下とすることで麺線の飛び出しを抑えることができるので、リテーナ上の麺線に60m/sの高速の気流よりも先に当てておくべき風速としては10m/s以上とすることが好ましい。
なお、本発明において麺線の結着防止、ほぐれ改良の効果は、麺線表面が粘着性をなくした状態となった段階でかなり達成される。また、さらに乾燥して麺塊の水分含量が30%以下程度まで減少した時点では、麺塊の嵩もほぼ決定される。従って、これらいずれかの時点まで、上記乾燥方法を採用した後、以降は風速を落とすとか、温度を下げるとか、あるいは別の乾燥方法、例えば、通常の熱風乾燥方法等の乾燥方法を取ることもできる。
また、本発明においては、上記高速の気流が、前記麺線がさらされる温度として100℃〜150℃の熱風であることで、麺線表面を早く乾燥させてα化によって生じた麺線の粘着性を早く喪失させることができ、また調理感のある食感の良い麺となり好ましい。
本発明の即席麺の乾燥方法および乾燥装置によれば、一旦50m/s以下の気流をリテーナ内の麺線に吹き付け、その後続いて60m/s以上に風速を上げることで、麺線がリテーナから飛び出してしまうことを防止しつつ、麺線をリテーナ内で踊るような挙動、好ましくはリテーナ内で麺線が浮遊撹拌するように乾燥でき、ほぐれの良いノンフライ麺が得られる。
以下、製造工程に従って本発明を詳細に説明する。
本発明においては原料の混練から麺線のα化処理までは、ノンフライ麺の製造方法の常法によって製造することができる。
具体的には、小麦粉、必要に応じて澱粉、そば粉、その他穀粉を加えて主原料粉とし、これに食塩、かんすい、重合リン酸塩、卵白、グルテン、乳化剤、油脂等の副原料を必要に応じて添加し、練り水と共によく混練する。副原料は主原料に粉末で添加しても、練り水に加えて添加しても良い。よく混練して麺生地を作成した後、複合麺帯機等を用いて麺帯に成型し、これを数回圧延ロールに通して薄く延ばし、最終麺帯厚とした後、切刃ロールで切り出して麺線化する。なお、機械製麺においては、通常上記のようにして切り出して麺線とするが、スパゲティのようにエクストルーダで押出して麺線とする等の方法でも良い。
このようにして製麺した生麺線は、蒸し又は茹で、もしくはこれら両方を組み合わせてα化処理する。α化処理した麺線は、必要に応じて食塩あるいは食塩に調味料を加えた着味液を噴霧又は液に浸漬し、1食分にカットした後、1食分をリテーナに入れて乾燥する。
本発明に用いる即席麺乾燥用のリテーナは、好ましくは、略水平な底面に複数の小孔(通気孔)を有するリテーナで、側面は小孔を有さずフラットであるものがよい。底面の小孔の個々の大きさは、リテーナに投入した麺線が落ちてしまわない大きさで、径0.5〜6mm程度が良く、底面に等しく分散し、等間隔に形成されているのが好ましい。
本発明においては、略水平方向に搬送されるリテーナに対して、上方から高速の気流を吹き付けて、リテーナ内で麺線が踊るようにしながら乾燥するが、麺線がリテーナ内で浮き上がるようにするためには、リテーナの形状にもよるが、本発明者らの実験によると、通常の1食分の麺の量に対して麺線がさらされる風速で概ね60m/s以上の風速が好ましかった。特に好ましくは、麺線がさらされる最大風速が70m/s程度となるように吹き付けることで、麺線がリテーナ内で浮遊撹拌するような挙動を取ることができ、このように浮遊撹拌する状態で乾燥すると、麺線間の結着が少なく、ほぐれのよい嵩高い麺塊が形成される。
なお、このように、リテーナ内で麺線がより踊りやすいように、さらには浮遊撹拌しやすいようにするためには、リテーナの底面の複数の小孔の開口率を絞る、あるいは、リテーナの底面から側面への移行部に特定のRをつける等、リテーナ形状を工夫することができる。具体的には、リテーナ底面の小孔の総面積がリテーナ底面の面積の10〜30%(開口率)とすることで、リテーナ上方から吹き付けられた気流の多くが小孔から抜けずに反射するため、麺線が浮遊撹拌するような挙動をとりやすい。また、リテーナ底面から側面への移行部を曲率半径5〜15mmの曲面にすると、リテーナの底面周縁部や中心部に麺線が押し付けられず、曲面で方向を変える気流によって麺線が浮遊撹拌するような挙動を取りやすい。
なお、本発明で言うリテーナの底面とは、底面から側面への移行部が曲面で形成されている場合、該曲面の接線の角度がリテーナ底面(水平面)に対して45°以下の部分を底面とする。また、リテーナの側面(側壁)についても、麺線が気流によって押し付けられて留まらないように、角部が曲面で形成された形状が良く、上面視略円形の形状が最も好ましい。また側面(側壁)はすり鉢状に開口部が大きく拡がっていると、リテーナ内の麺線が外へ飛び出してしまうので、底面に対して直立又はテーパー角(リテーナ底面に対し垂直な線となす角)として20°程度とすることが好ましい。また1食分のリテーナサイズとしては、具体的には容量400〜500cc程度、底面積が40〜150cm程度のものが例示できる。
本発明においては、上記のような高速の気流を上方から垂直下方向にリテーナに向けて吹き付けられる装置であれば、特に限定されないが、強力なファンから送出される気流を、噴出部において絞ることによって風速を上げて噴射するシステム等が好ましく採用できる。例えば、噴出部として細いチューブ状の噴射ノズルや、スリット状の噴射ノズルを有し、これらノズルを庫内のリテーナ上方に多数配置し、当該ノズルから下方を移送するリテーナに向けて勢い良く熱風を噴射させる装置が例示できる。具体的には、特開平9−47224号や特開2003−90680等に記載されているような、スナック菓子の膨化乾燥や各種加工食品の焼成、焙煎等に用いられる高温気流乾燥装置が例示できる。
本発明においては、このように強い気流を、上方からリテーナ内の麺線に向けて垂直下方向に吹き付けるが(下から或いは斜め方向から吹き付けると弱い風速でも飛び出してしまう)、麺線をリテーナ内で踊るような挙動を取らせるためには、麺線がさらされる風速を、好ましくは60m/s以上、さらに好ましくは70m/s程度とするのがよい。しかし、このような高速の気流を急に一気に吹き付けると、通常のリテーナの深さでは麺線の一部又は全部がリテーナから飛び出し易い。特に、リテーナが高速の気流の下を順次略水平方向に搬送される構造の場合、リテーナの搬送方向前側から気流が吹き付けられることになり、この時一気に麺線が踊るような、或いは浮遊撹拌できるような強い風速が掛かると、リテーナ前方側に一気に掛かった風圧でリテーナ内の麺線が後方側に押されて飛び出し易い。
このような初期の風圧による麺線の飛び出しの問題を解決するために、本発明ではリテーナ内の麺線に、まず、麺線が飛び出さない50m/s以下の風速の気流を当て、その後風速を60m/s以上に上げる。具体的には、前述のようなノズルから高速の気流を噴出し、その下方をリテーナが搬送される乾燥装置の場合、当該搬送される一つのリテーナの進行方向前端の位置が、麺線を踊らせる60m/s以上の高速の気流のノズルの下まで搬送された時点において、この高速の気流に押出されないように、反対側(リテーナの進行方向後端側)からも麺線が飛び出さない風速で抑えればよい。
つまり、麺線が飛び出さない50m/s以下の気流を吹き付けるノズルを、60m/s以上のノズルよりも乾燥庫の入口側に配置し、60m/s以上のノズルの下に当該一つのリテーナの前端部が達した時点で、50m/s以下のノズルが、当該リテーナの開口部中心位置よりもリテーナ進行方向後端側に達していることで、リテーナの開口全面が50m/s以下の気流で覆われるようにすればよい。これによって、リテーナ開口部の進行方向前端部に60m/s以上の風圧がかかっても、後端側から抑えつける力が働いて、麺線が飛び出ることを防止することができる。
なお、60m/s以上の高速の気流を吹き付ける前に吹き付けられる気流の好ましい風速としては、リテーナの形状や麺線の投入量にもよるが、即席麺乾燥用の一般的な形状のリテーナの場合、概ね50m/s以下の風速であれば麺線が飛び出しにくいことを考慮すれば、先に当ててリテーナの後端側から作用させる風速としては、好ましくは10m/s以上、特に好ましくは30m/s〜50m/sとすることが提案できる。
そして、このような、制御ができる具体的な装置としては、前記のノズルをリテーナ搬送経路上の天面に、列及び行に密に配置した構造とし、これらノズルの乾燥庫入口側の最初の1列、或いは最前列からの複数列を50m/s以下の気流を吹き付けるノズル、以降の列を60m/s以上の気流を吹き付けるノズルとする構造とすればよい。また、50m/s以下の気流を吹き付けるための機構としては、ダンパー等によってノズルから噴射される風速を下げる他に、ノズルの長さを短くする、ノズルの開口径を太くする等によって対応することもできる。
また本発明において、吹き付ける気流の温度としては、常温でも時間を掛けて乾燥すれば、ほぐれのよい麺は得られるので常温でもかまわない。しかし、温度を高くすることで、乾燥が速く、食感も調理感のある好ましいものとなるので、このような効果を得るための、特に好ましい温度は100℃〜150℃程度とするのがよい。
また、本発明の場合高速の気流の吹き付けは、麺線表面を乾燥させただけの状態でも、麺線表面のべたつきが無くなるので、この段階でほぐれはかなり改善できる。従って、ある程度ほぐれを改善することが目的の場合は、上記の本発明の乾燥方法を短時間行って、麺線表面が乾燥した状態となった時点で、新たに別の乾燥方法、例えば通常のノンフライ麺に用いられる熱風乾燥法等を用いて仕上げ乾燥することもできる。
またさらに、麺塊の水分含量が30%以下になると、概ね麺塊形状がほぼ固定されて、ほぐれ具合も決まるので、この時点以降の乾燥を他の方法で行って仕上げ乾燥することもできる。仕上げ乾燥としては、どのような乾燥方法も可能であるが、一般的な熱風乾燥である温度70〜120℃、秒速数メートル程度の熱風で乾燥すればよい。
このように乾燥した即席麺(ノンフライ麺)は、合成樹脂製あるいは紙製のカップ容器に入れられてカップ麺とするか、包装袋に包装して袋麺とする。そして湯戻し時、調理時、及び喫食時において、麺線同士の結着がなく、ほぐれやすく食感のよい麺となる。
試験1<風速を変更した試験>
小麦粉850gに澱粉150gを加えて主原料とした。これに食塩20gかんすい3g重合リン酸塩1gを水400mlに溶かして添加し、ミキサーでよく混練して複合麺帯機で12mm厚の麺帯とした。この麺帯をロール圧延機に通して、最終麺帯厚を1.8mmとした。この麺帯を切刃ロール角刃16番で切り出して製麺し、生麺線を得た。
切り出された生麺線はネットコンベア上を移送し、飽和蒸気約100℃、蒸気流量240kg/hで2分間蒸し、続いて10秒熱湯で茹でた。このα化済み麺線を5%食塩と少量の調味料を溶かした着味液に数秒間浸漬し、麺線をカットして1食分180gをリテーナに投入した。
リテーナは容積450ml、開口径(上径)φ137mm、高さ40mm、テーパー角(底面に対して垂直な面に対し外側に開いた角)20°、底面と側面(側壁)との間の隅部の曲率半径がR=10mmで、リテーナ底面に形成された小孔の径φ4.0mmで、小孔の総面積がリテーナ底面積の20%のリテーナを用いて、下記条件でそれぞれリテーナ内に投入した麺線を乾燥した。
乾燥機は、庫内に細筒状のノズルが、天面の1m2に約240本設置され、このノズルから高温高風速の気流が噴出されるもので、このノズルの下をコンベアに設置されたリテーナが、水平方向に走行速度約2.5m/sで走行する。
乾燥温度は、ノズル出口におかれたセンサーで測定したところ、140℃、麺塊上面付近に設置したピトー管で風速を測定し、それぞれ風速40m/s、50m/s、60m/s、70m/sで72秒間とした。この間にリテーナからの麺線の飛び出しがあるか否かを観察した。
次いで、仕上げ乾燥として、それぞれのリテーナに入れたまま通常の熱風乾燥機で庫内温度90℃、4.0m/sで60分乾燥した。乾燥後麺重量は、麺線の飛び出しの無かったあるいは少ないものを選んで測定した所概ね90gであった。
このようにして製造した即席麺塊について、熱湯400mlを注加して4分放置した後、ほぐれの状態を確認して喫食した。
なお、官能評価はパネラー5人で5段階で行い、麺の飛び出しのあったものは、飛び出し量の少ないサンプルで評価した。喫食時のほぐれの評価において、評価5はほぐれが非常によい状態、4は箸で軽くほぐせる状態、3は箸でほぐせる状態、2は箸でほぐすのがやや困難な場所がある状態、1は結着が多く箸でほぐすことが困難な状態。とした。
結果を表1に示す。
Figure 2014187927
試験2<風速の途中変更に関する試験>
試験1では、麺に吹き付けられる風速を60m/s以上にするとリテーナからの飛び出しが見られたので、リテーナ内の麺に当たる風速を初め5秒間は50m/sにして吹き付け、以降の風速を60m/s(実施例1)、70m/s(実施例2)、80m/s(実施例3)に上げた。その他の条件である、装置や温度、乾燥時間等は全て試験1と同様に行なった。結果を表2に示す。
Figure 2014187927
試験3<温度に関する試験>
試験1で、風速70m/sで、吹き付ける温度を140℃であったのを60℃〜160℃に変えて実験した。その他の条件である、装置や風速、乾燥時間等は全て試験1と同様である。結果を表3に示した。
Figure 2014187927

Claims (7)

  1. リテーナにα化処理した麺線を投入し、該リテーナの上方からリテーナ内の麺線がさらされる風速が60m/s以上となるように高速の気流を吹き付ける工程を含む即席麺の乾燥方法であって、
    前記高速の気流が、麺線のさらされる風速を一旦50m/s以下とした後に、引き続いて前記60m/s以上とすることを特徴とする即席麺の乾燥方法。
  2. 前記風速を60m/s以上とすることによって、前記リテーナ内の麺線をリテーナ内で浮遊撹拌状態にして、麺線をほぐしつつ乾燥する請求項1に記載の即席麺の乾燥方法。
  3. 前記リテーナが、前記高速の気流の下を順次搬送されるリテーナであり、当該搬送されるリテーナ開口部において、その全面が前記50m/s以下の気流に覆われた後に、引き続いて吹き付ける気流を前記60m/s以上とする請求項1または2に記載の即席麺の乾燥方法。
  4. 前記60m/s以上の高速の気流、および50m/s以下の気流が、いずれもリテーナ搬送経路上方に配置されたノズルから垂直下方向に向けて吹き付ける気流であり、
    前記搬送されるリテーナ開口部の進行方向前端の位置が、前記60m/s以上の高速の気流を吹き付けるノズルの下まで搬送された時点において、
    前記50m/s以下の気流を吹き付けるノズルの位置が、当該リテーナの開口部中心位置よりもリテーナ進行方向後端側に達していることで、当該リテーナ開口部の全面が50m/s以下の気流に覆われている請求項3に記載の即席麺の乾燥方法。
  5. 前記50m/s以下の風速が、麺線のさらされる風速として10m/s以上である請求項1ないし4のいずれかに記載の即席麺の乾燥方法。
  6. 前記高速の気流を吹き付ける工程を行った後、さらに他の乾燥方法で麺線を乾燥させる請求項1ないし5のいずれかに記載の即席麺の乾燥方法。
  7. 前記高速の気流が、前記麺線がさらされる温度として100℃〜150℃の高温熱風である請求項1ないし6のいずれかに記載の即席麺の乾燥方法。
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