JP2014187679A - イヤホンマイク - Google Patents

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紀行 清水
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Abstract

【課題】小型化が可能で安価なエコー抑制機能を有するイヤホンマイクを提供する。
【解決手段】イヤホンマイクは、1つのスピーカ21と、第1集音孔221及び第2集音孔222を有するマイクロホン22と、音響空間が形成される本体筐体23と、を備える。音響空間は、スピーカの出力音声が伝播する放音道232と、本体筐体の外部に連通し、第1集音孔に入力される音声が伝播する第1集音道233と、第2集音孔に入力される音声が伝播する第2集音道234と、を含む。また、放音道は、本体筐体の外部に連通する一方の経路と、第2集音道に連通する他方の経路と、に分岐する。音響空間の音響抵抗により、本体筐体の外部音源からの入力音声は集音し、スピーカの出力音声の集音は抑制する。
【選択図】図3

Description

本発明は、イヤホンマイクに関し、特にスピーカとマイクロホンとを搭載するイヤホンマイクに関する。
従来、スピーカとマイクロホンとを内蔵するイヤホンマイクが知られている。ユーザは、耳に装着したイヤホンマイクを通じて、スピーカから出力される話し声などの音声を聴きながら、マイクロホンに入力されるユーザの音声を送話することができる。そのため、携帯電話機などのハンズフリー通信などに利用されている。
ところが、ユーザの外耳道内に放音されるスピーカの音声は、ユーザの鼓膜や外耳道内などで反響し、イヤホンマイクにノイズ(エコー成分)として入力される。そのため、イヤホンマイクに内蔵されるマイクロホンは、ユーザの音声のほかに、スピーカから出力される音声のエコー成分も拾ってしまう。従って、イヤホンマイクから送話される音声にエコー成分がノイズとして混ざるという問題があった。
そのため、たとえば特許文献1のように、エコーキャンセル機能を有するイヤホンマイクが知られている。特許文献1のイヤホンマイクでは、2つのスピーカと、マイクロホンとを内蔵している。一方のスピーカは話し声などの音声を出力し、他方のスピーカは、一方のスピーカから出力される音声のエコー成分を打ち消すための音声を出力する。マイクロホンには、一方のスピーカから出力される音声のエコー成分と、他方のスピーカの音声とを入力させ、両者を互いに打ち消し合わせることにより、エコー成分を抑制している。
特開2007−201887号公報
しかしながら、特許文献1のイヤホンマイクは、本体筐体に複数のスピーカを内蔵するため、本体筐体の内部において、スピーカ及びその音道を搭載するためのスペースが増加する。従って、本体筐体を小型化し難いという問題があった。また、製造コストがかかるため、比較的高価になるという問題もあった。
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、小型化が可能で安価なエコー抑制機能を有するイヤホンマイクを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一の局面によるイヤホンマイクは、1つのスピーカと、第1及び第2集音孔を有するマイクロホンと、音響空間が形成される本体筐体と、を備え、音響空間は、スピーカの出力音声が伝播する放音道と、本体筐体の外部に連通し、第1集音孔に入力される音声が伝播する第1集音道と、第2集音孔に入力される音声が伝播する第2集音道と、を含み、放音道は、本体筐体の外部に連通する一方の経路と、第2集音道に連通する他方の経路と、に分岐し、音響空間の音響抵抗により、本体筐体の外部音源からの入力音声は集音し、スピーカの出力音声の集音は抑制することを特徴とする。
上記構成によれば、イヤホンマイクは1つのスピーカを備える。また、放音道は、本体筐体の外部に連通する一方の経路と、第2集音道と連通する他方の経路と、に分岐している。そのため、スピーカの出力音声は、一方の経路及び第1集音道を経由して第1集音孔に伝播するとともに、他方の経路及び第2集音道を経由して第2集音孔に伝播する。さらに、音響空間の音響抵抗により、外部音源からの入力音声は集音し、スピーカの出力音声の集音は抑制する。そのため、イヤホンマイクは、複数のスピーカを必要とすることなく、スピーカの出力音声のエコー抑制機能を実現することができる。さらに、イヤホンマイクは、スピーカの出力音声に由来するノイズを抑制しつつ、入力音声を送話することができる。従って、小型化が可能で安価なエコー抑制機能を有するイヤホンマイクを提供することができる。
また、上記構成において、音響空間の音響抵抗により、第1集音孔に入力されるスピーカの出力音声の第1音圧は、第2集音孔に入力される出力音声の第2音圧とほぼ等しくなり、第1集音孔に入力される外部音源からの入力音声の第3音圧、及び第2集音孔に入力される入力音声の第4音圧のうちの一方が他方よりも大きくなってもよい。
この構成によれば、音響空間の音響抵抗を利用して、第1及び第2集音孔に入力される入力音声の第1及び第2音圧をほぼ等しくすることにより、第1及び第2集音孔に入力されるスピーカの出力音声を互いに打ち消すことができる。さらに、第1及び第2集音孔に入力される外部音源からの入力音声の第3及び第4音圧のうちの一方を他方よりも大きくすることにより、入力音声がエコー抑制機能によって打ち消されることなく、第3及び第4音圧の差に応じた音圧の入力音声を送話することができる。
また、上記構成において、音響空間に含まれる音道のうちの少なくとも1つに配置される音響抵抗部材をさらに備えてもよい。
この構成によれば、音道の形状およびサイズなどに制約されることなく、音響抵抗部材が配置された音道での音響抵抗を設定することができる。従って、イヤホンマイクの設計の自由度を高めることができ、エコー抑制機能をより容易に実現することができる。
さらに、上記構成において、放音道には、音響抵抗部材が配置されなくてもよい。
この構成によれば、ユーザは、スピーカの出力音声をより高い音圧レベルで聴くことができる。
また、上記構成において、音響抵抗部材の音響抵抗は、第1集音孔に入力される出力音声の第1音圧は、第2集音孔に入力される出力音声の第2音圧とほぼ等しくなり、第1集音孔に入力される入力音声の第3音圧、及び第2集音孔に入力される入力音声の第4音圧との差が最も大きくなるように設定されてもよい。
この構成によれば、音響抵抗部材の音響抵抗の設定により、出力音声の第1及び第2音圧がほぼ等しくなるとともに、入力音声の第3及び第4音圧の差が最も大きくなる。これは、音道の音響抵抗は音響抵抗部材の音響抵抗よりも十分に低いためである。従って、音響抵抗部材の音響抵抗の設定により、音響空間の音響抵抗が調整可能となる。よって、スピーカの出力音声に由来するノイズがほぼ除去された入力音声を最も高い音圧レベルで送話することができる。
また、上記構成において、音響空間は、本体筐体の外部から第2集音道に連通する第3集音道をさらに含んでもよい。
この構成によれば、放音道を伝播する音声を減衰させる音響抵抗を低くしても、エコー抑制機能を十分に実現することができる。さらに、出力音声の音圧をあまり減衰させることなく、放音道を伝播するスピーカの出力音声をイヤホンマイクの外部に放音することができる。従って、ユーザはスピーカの出力音声をより鮮明に聴くことができる。
また、上記構成において、第2集音道は、内径が1mm以下の貫通孔を介して放音道の他方の経路と連通し、第2集音道の容積に応じた周波数近傍の周波数帯域において、スピーカの出力音声の集音は該周波数帯域外よりも強く抑制されてもよい。
この構成によれば、第2集音道の容積を適宜設定することにより、所望の周波数帯域において、スピーカの出力音声に由来するノイズをより強く抑制することができる。特に、一般にエコー抑制機能の効果が発揮され難い高周波数帯域において、スピーカの出力音声に由来するノイズをより効果的に抑制することができる。
さらに、上記構成において、第2集音道の容積に応じた周波数は1kHz以上であってもよい。
この構成によれば、スピーカの出力音声に含まれる人間の声に由来するノイズをより効果的に抑制することができる。
また、上記構成において、第1集音道に音響抵抗部材が配置されてもよい。
この構成によれば、ほぼ全周波数帯域において、スピーカの出力音声に由来するノイズを抑制する効果を高めることができる。
本発明によれば、小型化が可能で安価なエコー抑制機能を有するイヤホンマイクを提供することができる。
イヤホンマイクの外観斜視図である。 イヤホンマイクがユーザの外耳道に装着された状態を示す図である。 第1実施形態における本体部の断面図である。 第1実施形態においてユーザの外耳道側から見た本体部の正面図である。 本体部の側面図である。 第1実施形態における第2及び第3開口部の他の形成例を示す正面図である。 第1実施形態における第2及び第3開口部の他の形成例を示す正面図である。 第1実施形態における第2及び第3開口部の他の形成例を示す正面図である。 第1実施形態においてマイクロホンに入力されるスピーカの出力音声の伝播経路を示す概念構成図である。 第1実施形態における出力音声の集音ブロック図である。 第1実施形態においてマイクロホンに入力される外部音源からの入力音声の伝播経路を示す概念構成図である。 第1実施形態における入力音声の集音ブロック図である。 第2実施形態に係るイヤホンマイクの概念構成図である。 第2実施形態においてユーザの外耳道側から見た本体部の正面図である。 第2実施形態における第2及び第3開口部の他の形成例を示す正面図である。 第2実施形態における第2及び第3開口部の他の形成例を示す正面図である。 第2実施形態においてマイクロホンに入力されるスピーカの出力音声の伝播経路を示す概念構成図である。 第2実施形態における出力音声の集音ブロック図である。 第2実施形態においてマイクロホンに入力される外部音源からの入力音声の伝播経路を示す概念構成図である。 第2実施形態における入力音声の集音ブロック図である。 第3実施形態における本体部の断面図である。 第3実施形態において第2集音道の容積が比較的大きい場合のマイクロホンの感度特性の一例を示すグラフである。 第3実施形態において第2集音道の容積が比較的小さい場合のマイクロホンの感度特性の一例を示すグラフである。 第2集音道の容積に対する中心周波数の変化例を示すグラフである。 第3実施形態の変形例における本体部の断面図である。
以下に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
<第1実施形態>
(イヤホンマイクの構成)
図1は、イヤホンマイクの外観斜視図である。イヤホンマイク1は、たとえば携帯電話機などの電子機器(不図示)に接続される放集音装置である。図1に示すように、イヤホンマイク1は、本体部2と、ケーブル4と、コネクタ5と、を備えている。
本体部2は、ユーザの耳に装着され、出力音声を放音するとともに、外部音源からの入力音声(たとえばユーザの話し声など)を集音する。この本体部2の具体的な構成については後に詳述する。ケーブル4は、本体部2とコネクタ5との間に接続され、イヤホンマイク1が接続される電子機器(不図示)と本体部2との間の信号をコネクタ5を介して送受信する信号線である。コネクタ5は、電子機器(不図示)のインターフェースに接続される入出力端子である。
図2は、イヤホンマイクがユーザの外耳道に装着された状態を示す図である。図2に示すように、イヤホンマイク1は、ユーザの耳EARに装着され、電子機器(不図示)から出力される音声信号に基づく音声をユーザの鼓膜E1に向けて放音する。また、ユーザが発生する音声は口から発せられるだけではなく、その音声の一部は、頭蓋骨や顔の筋肉などを伝わって鼓膜E1から外耳道E2に出力される。イヤホンマイク1は、そのようなユーザの話し声などの音声(すなわち外部音源からの入力音声)を集音し、さらに、集音した音声に基づく音声信号を生成して電子機器(不図示)に出力する。なお、イヤホンマイク1が接続される電子機器は特に限定されない。
ここで、イヤホンマイク1からユーザの外耳道E2内に放音される出力音声は、ユーザの鼓膜E1や外耳道E2などで反響し、イヤホンマイク1にノイズとして入力される。以下では、このノイズをエコー成分と呼ぶ。イヤホンマイク1は、後述するように、このようなエコー成分に由来するノイズを抑制するためのエコー抑制機能を有している。そのため、イヤホンマイク1は、ノイズ(特に出力音声のエコー成分)が抑制された鮮明な音声を集音することができる。
次に、本体部2の構成について詳細に説明する。図3は、第1実施形態における本体部の断面図である。また、図4は、第1実施形態においてユーザの外耳道側から見た本体部の正面図である。また、図5は、本体部の側面図である。なお、図3は、図4の一点鎖線A−Aに沿う本体部2の断面構造を示している。
図3に示すように、本体部2は、スピーカ21と、マイクロホン22と、本体筐体23と、第1〜第3音響抵抗部材24a〜24cと、イヤーパッド25と、を含んで構成されている。
スピーカ21は、出力音声を出力する放音孔21aを有する音声出力部である。スピーカ21は、ケーブル4と電気的に接続され、ケーブル4及びコネクタ5を介して電子機器(不図示)から伝送される音声信号に基づく出力音声を出力する。なお、図3では、スピーカ21の放音孔21aは放音道232が延びる方向と略垂直な方向に向いているが、スピーカ21の向きは図3の例示に限定しない。スピーカ21の向きは、たとえば後述する放音道232が延びる方向と略平行であってもよい。
マイクロホン22は、第1及び第2集音孔221、222を有する差動マイクロホンであり、ケーブル4と電気的に接続されている。このマイクロホン22は、とくに限定しないが、たとえば、MEMSマイク、ECMマイクなどを用いることができる。マイクロホン22は、第1集音孔221に入力される音声に基づいて第1音声信号を生成するとともに、第2集音孔222に入力される音声に基づいて第2音声信号を生成する。また、マイクロホン22は、第1集音孔221に入力される音声の音圧と、第2集音孔222に入力される音声の音圧との差に基づく差分音声信号を生成する。マイクロホン22は、これらの信号をケーブル4及びコネクタ5を介して電子機器(不図示)に出力する。なお、図3では、第1及び第2集音孔221、222は後述する各音道が延びる方向と略平行な方向に並んで配置されているが、これらの配置方向は、図3の例に限定されない。
本体筐体23には、1つのスピーカ21と、マイクロホン22とが搭載されている。また、本体筐体23には、図3〜図5に示すように、挿通部23aが形成されている。この挿通部23aには、本体部2が図2のようにユーザの耳EARに装着される際にユーザの鼓膜E1と対向する面に、図4に示すように、イヤホンマイク1に音声を入出力するための第2及び第3開口部231b、231cが形成されている。
なお、挿通部23aに形成される第2及び第3開口部231b、231cの形状は特に限定しない。図6A〜図6Cは、第1実施形態における第2及び第3開口部の他の形成例を示す正面図である。第2及び第3開口部231b、231cの形状は、たとえば、円形(図6A)、四角形(図6B)及び三角形(図6C)などの多角形状であってもよい。また、第2及び第3開口部231b、231cの形状及びサイズは、ほぼ同じであってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
また、本体筐体23の内部には、図3に示すように、放音道232と第1集音道233と第2集音道234とを含む音響空間が形成されている。なお、各音道232〜234を伝播する音声は音響抵抗r1〜r3により減衰する。各音響抵抗r1〜r3は、各音道232〜234を伝播する音声の音圧の減衰率を示している。各音響抵抗r1〜r3は、音道の内部形状及びサイズ、その内壁の材質などに応じた値となる。
放音道232は、スピーカ21の出力音声が伝播する音道である。この放音道232には、スピーカ21が配置されているとともに、第2集音道234と連通する第1開口部231aが形成されている。そのため、放音道232は、スピーカ21から本体筐体23の外部に連通する一方の経路と、第1開口部231aを介して第2集音道234と連通する他方の経路と、に分岐している。一方の経路は、第2開口部231bと連通しており、スピーカ21の放音孔21aから出力される出力音声を第2開口部231bを介して本体筐体23の外部に放音する。他方の経路は、出力音声を第1開口部231aを介して第2集音道234に伝播させる。なお、放音道232及び第2集音道234との間には、図3に示す第1開口部231aに代えて、放音道232と第2集音道234とを連通させるための分岐音道が形成されていてもよい。
第1集音道233は、第1集音孔221に入力される音声が伝播する音道であり、第3開口部231cと連通している。第1集音道233には、スピーカ21の出力音声のエコー成分、及び外部音源からの入力音声(たとえば鼓膜E1及び外耳道E2を経由して伝播するユーザの話し声など)などの音声が、第3開口部231cを経由して本体筐体23の外部から伝播する。第1集音道233はこれらの音声を第1集音孔221に導く。
また、第2集音道234は、第2集音孔222に入力される音声が伝播する音道である。第2集音道234には、スピーカ21の出力音声のエコー成分、及び外部音源からの入力音声などの音声が第2開口部231b、放音道232、第1開口部231aを経由して本体筐体23の外部から伝播するとともに、出力音声がスピーカ21から放音道232及び第1開口部231aを経由して直接に伝播する。第2集音道234はこれらの音声を第2集音孔222に導く。
第1〜第3音響抵抗部材24a〜24cは、通過する音声の音圧を減衰させる音響抵抗として機能する部材である。第1音響抵抗部材24aの音響抵抗はR1であり、第2音響抵抗部材24bの音響抵抗はR2であり、第3音響抵抗部材24cは音響抵抗はR3である。各音響抵抗R1〜R3は、各音響抵抗部材24a〜24cを通過する前後で減衰する音声の音圧の減衰率を示しており、イヤホンマイク1の仕様に応じて0より大きく且つ1より小さい値に設定される(0<R1,R2,R3<1)。そのため、音圧Pの音波がたとえば第1音響抵抗部材24aを通過すると、通過後の音圧はP*(1−R1)となる。他の音響抵抗部材24b、24cも同様である。
図3に示すように、第1〜第3音響抵抗部材24a〜24cは、本体筐体23内の音響空間に含まれる各音道に配置されている。第1〜第3音響抵抗部材24a〜24cには、たとえば、メッシュ、フェルト、複数の孔が形成されたフィルムなどを用いることができる。また、第1〜第3音響抵抗部材24a〜24cの材料は、特に限定されないが、たとえばナイロン及びポリイミドなどの樹脂材料を用いることができる。また、第1〜第3音響抵抗部材24a〜24cは、同一の部材であってもよいし、それぞれ異なる部材であってもよい。
なお、図3では、第1〜第3音響抵抗部材24a〜24cは、各音道232〜234(或いは各開口部231a〜231c)にそれぞれ配置されているが、本発明の適用範囲は図3の構成に限定されない。第1〜第3音響抵抗部材24a〜24cは、各音道232〜234のうちの少なくとも1つに配置されていてもよい。また、第1〜第3音響抵抗部材24a〜24cは、各開口部231a〜231cに貼り付けられていてもよいし、各音道232〜234内の所定の位置に配置されていてもよい。
イヤーパッド25は、たとえば樹脂材料を用いて形成されており、挿通部23aに被せられている。本体部2がユーザの耳EARに装着される際(図2参照)、イヤーパッド25は、挿通部23aはとともに、ユーザの外耳道E2内に挿通される。このとき、イヤーパッド25は、挿通部23aとユーザの外耳道E2の開口部との間をほぼ隙間なく密閉する。そのため、挿通部23aと外耳道E2の開口部との間から入り込む外部の音をほぼ遮断することができる。
(イヤホンマイクのエコー抑制機能)
次に、第1実施形態に係るイヤホンマイク1のエコー抑制機能について、スピーカ21の出力音声がマイクロホン22に集音される場合と、外部音源からの入力音声(たとえばユーザの話し声など)がマイクロホン22に集音される場合とに分けて説明する。
((スピーカの出力音声がマイクロホンに集音される場合))
まず、スピーカ21の出力音声がマイクロホン22に集音される場合について説明する。図7は、第1実施形態においてマイクロホンに入力されるスピーカの出力音声の伝播経路を示す概念構成図である。また、図8は、第1実施形態における出力音声の集音ブロック図である。なお、図7では、便宜上、スピーカ21の放音方向を放音道232と略平行な方向に向けている。また、図8では、イヤホンマイク1が図2のようにユーザの外耳道E2に装着されるとき、音声を減衰させる音響抵抗をそれぞれ音声通過率G0〜G4で示している。各音声通過率G0〜G4は、各音道232〜234、外耳道E2、及び第1〜第3音響抵抗部材24a〜24cを通過する前後での音声の音圧の変化率を示している。
音声通過率G0で示される音響抵抗は、放音道232の音響抵抗r1の一部などを含んでいる。なお、音響抵抗r1の一部とは、放音道232のうちのスピーカ21(放音孔21a)から第1開口部231aまでの区間を伝播する音声を減衰させる音響抵抗を示す。
また、音声通過率G1で示される音響抵抗は、放音道232の音響抵抗r1の残りの一部、及び、第2開口部231bに配置される第2音響抵抗部材24bの音響抵抗R2などを含んでいる。なお、音響抵抗r1の残りの一部とは、放音道232のうちの第1開口部231aから第2開口部231bまでの区間を伝播する音声を減衰させる音響抵抗を示す。
また、音声通過率G2で示される音響抵抗は、鼓膜E1及び外耳道E2の形状、サイズ、及び材質などに由来する外耳道E2内での音響抵抗r2などを含んでいる。
また、音声通過率G3で示される音響抵抗は、第3開口部231cに配置される第3音響抵抗部材24cの音響抵抗R3、及び第1集音道233の音響抵抗r3などを含んでいる。
また、音声通過率G4で示される音響抵抗は、第1開口部231aに配置される第1音響抵抗部材24aの音響抵抗R1、及び第2集音道234の音響抵抗r4などを含んでいる。
各音声通過率G0〜G4は、イヤホンマイク1の仕様に応じて、0より大きく且つ1より小さい値となる(0<G0〜G4<1)。そのため、音圧Pの音波がたとえば音声通過率G1の音響抵抗により減衰すると、その音圧はP*G1となる。他の音声通過率G0及びG2〜G4の音響抵抗も同様である。なお、本実施形態では、音響抵抗r1は十分に小さいため、音声通過率G0はほぼ1とみなしてもよい。
図7に示すように、スピーカ21から出力される音圧P1の出力音声は、スピーカ21から放音道232及び第2音響抵抗部材24bを経由して外耳道E2に放音される。従って、放音された出力音声の音圧は図8に示すようにP1*G0*G1となる。
そして、外耳道E2に放音された出力音声は、ユーザの鼓膜E1及び外耳道E2の内壁などで反響される。従って、反響された出力音声(すなわちエコー成分)の音圧は、図8に示すように(P1*G0*G1)*G2となる。このエコー成分は、第1集音道233及び放音道232に伝播する。
第1集音道233に伝播するエコー成分は、第3開口部231c及び第1集音道233を経由して、第1集音孔221に入力される。従って、第1集音孔221に入力されるエコー成分の第1音圧M1は、図8に示すように、次の数式1にて表される。
M1=P1*G0*G1*G2*G3 (数式1)
一方、放音道232に伝播するエコー成分は、第2開口部231b、放音道232、第1開口部231a、及び第2集音道234を経由して、第2集音孔222に入力される。従って、第2集音孔222に入力されるエコー成分の音圧は、図8に示すように、{(P1*G0*G1)*G2}*G1*G4となる。
また、第2集音孔222には、スピーカ21の放音孔21aから放音道232の一部、第1開口部231a、及び第2集音道234を経由して、スピーカ21の出力音声が直接に入力される。このとき、第2集音孔222に入力される出力音声の音圧は、図8に示すように、P1*G0*G4となる。
そのため、第2集音孔222に入力される音声(すなわちエコー成分及び出力音声)の第2音圧M2は、次の数式2で表される。
M2=P1*G0*(G1*G1*G2*G4+G4) (数式2)
ここで、第1集音孔221の第1音圧M1、及び、第2集音孔222の第2音圧M2の差|M1−M2|は、次の数式3のようになる。この数式3を小さくすれば、マイクロホン22に入力されるスピーカ21の出力音声のエコー成分を抑制することができる。
|M1−M2|=P1*G0*G1*G2*G3
−P1*G0*(G1*G1*G2*G4+G4)
(数式3)
この第1及び第2音圧M1、M2の差|M1−M2|は、0に近い方がよく、たとえば(0.1*P1)以下であることが好ましい。
さらに、第1集音孔221の第1音圧M1と、第2集音孔222の第2音圧M2とがほぼ等しくなれば(M1≒M2)、マイクロホン22が第1及び第2音声信号に基づく差分信号を生成することにより、スピーカ21の出力音声のエコー成分をほぼ打ち消すことができる。よって、(M1−M2)≒0とすれば、次の数式4が導き出される。
G3≒G1*G4+G4/(G1*G2) (数式4)
すなわち、各音声通過率G0〜G4が数式4を満足すれば、スピーカ21の出力音声のエコー成分をほぼキャンセルをすることができる。たとえば、外耳道E2内の音声通過率G2が0.5であるとき、各音道の音声通過率を、G0≒1、G1=0.5、G3=0.9、G4=0.2と設定すると、第1及び第2音圧M1、M2は、ともに(0.225*P1)となり、等しくなる。従って、イヤホンマイク1は、スピーカ21の出力音声のエコー成分をキャンセルすることができる。なお、これらの設定値は一例であり、本発明の適用範囲はこの例示に限定されない。
((外部音源からの入力音声がマイクロホンに集音される場合))
次に、外部音源からの入力音声(たとえばユーザの話し声など)がマイクロホン22に集音される場合について説明する。図9は、第1実施形態においてマイクロホンに入力される外部音源からの入力音声の伝播経路を示す概念構成図である。また、図10は、第1実施形態における入力音声の集音ブロック図である。なお、図9では、便宜上、スピーカ21の放音方向を放音道232と略平行な方向に向けている。
図9に示すように、イヤホンマイク1が図2のようにユーザの外耳道E2に装着されるとき、音圧P2の入力音声が鼓膜E1及び外耳道E2から第1集音道233及び放音道232を伝播する。第1集音道233を伝播する入力音声は、第3開口部231c及び第1集音道233を経由して、第1集音孔221に入力される。従って、第1集音孔221に入力される入力音声の第3音圧N1は、図10に示すように、次の数式5にて表される。
N1=P2*G3 (数式5)
一方、放音道232を伝播する入力音声は、第2開口部231b、放音道232の一部、第1開口部231a、及び第2集音道234を経由して、第2集音孔222に入力される。従って、第2集音孔222に入力される入力音声の第4音圧N2は、図10に示すように、次の数式6にて表される。
N2=P2*G1*G4 (数式6)
ここで、第1集音孔221の第3音圧N1及び第2集音孔222の第4音圧N2のうちの一方が他方よりも大きければ、入力音声が打ち消されず、両者の差|N1−N2|に応じた大きさの差分音声信号が生成される。よって、次のように、数式7及び数式8が導き出される。
|N1−N2|=|P2(G3−G1*G4)|>0 (数式7)
|G3−(G1*G4)|>0 (数式8)
すなわち、数式7(数式8)を満足するように、各音声通過率G0〜G4を設定すれば、外部音源からの入力音声がエコー抑制機能によって打ち消されることなく、第3及び第4音圧N1、N2の差|N1−N2|に応じた音圧レベルの差分音声信号が生成される。従って、イヤホンマイク1は、スピーカ21の出力音声のエコー成分をノイズとして混入させることなく、外部音源からの入力音声(ユーザの話し声など)を電子機器に送話することができる。
たとえば、各音道の音響抵抗の音声通過率をG1=0.5、G3=0.9、G4=0.2と設定すると、第3音圧N1=(0.9*P2)となり、第4音圧N2=(0.1*P2)となる。従って、イヤホンマイク1は、その差|0.8*P2|に応じた大きさの入力音声を電子機器に送話することができる。なお、これらの設定値は一例であり、本発明の適用範囲はこの例示に限定されない。第3及び第4音圧N1、N2の差|N1−N2|は、より大きい方がよく、たとえば(0.7*P2)以上であることが好ましい。
また、イヤホンマイク1が送話する音声は、第3及び第4音圧N1、N2の差|N1−N2|が最大となる条件で、最も大きくなる。よって、各音声通過率G0〜G4は、|G3−(G1*G4)|が最大となる条件(すなわち数式7又は8が最大となる条件)に設定されることが望ましい。こうすれば、スピーカ21の出力音声のエコー成分に由来するノイズが抑制された入力音声の音圧レベルを最大にすることができる。従って、外部音源からイヤホンマイク1に入力される入力音声を最も高い音圧レベルで送話することができる。
((エコー成分の抑制))
実際には、マイクロホン22では、スピーカ21の出力音声と、外部音源からの入力音声(ユーザの話し声など)とが同時に集音される。そのため、各音声通過率G0〜G4は、上述の数式8を満たす条件において、上述の数式3がより小さくなるように設定される。こうすれば、イヤホンマイク1にエコー抑制機能を実現することができるとともに、エコー抑制機能によりスピーカ21の出力音声のエコー成分を抑制した入力音声を電子機器(不図示)に送話することができる。
また、各音声通過率G0〜G4は、上述の数式4及び数式8をともに満たすように設定されることが望ましい。こうすれば、イヤホンマイク1のエコー抑制機能を最大限に発揮することにより、スピーカ21の出力音声のエコー成分をほぼ除去した入力音声を電子機器(不図示)に送話することができる。
なお、前述のように数式7又は数式8の値が小さい条件では、第1及び第2集音孔221、222にて集音される音声が互いに打ち消し合い易くなる。従って、各音声通過率G0〜G4は、上述の数式4を満たす条件において、数式8が最大となる条件に設定されることがより望ましい。こうすれば、イヤホンマイク1は、スピーカ21の出力音声のエコー成分をほぼ除去した入力音声を電子機器(不図示)に送話することができる。
以上、第1実施形態について説明した。第1実施形態によれば、イヤホンマイク1は、1つのスピーカ21と、第1及び第2集音孔221、222を有するマイクロホン22と、音響空間が形成される本体筐体23と、を備える。音響空間は、スピーカ21の出力音声が伝播する放音道232と、本体筐体23の外部に連通し、第1集音孔221に入力される音声が伝播する第1集音道233と、第2集音孔222に入力される音声が伝播する第2集音道234と、を含む。放音道232は、本体筐体23の外部に連通する一方の経路と、第2集音道234に連通する他方の経路と、に分岐する。音響空間の音響抵抗(音声通過率G0〜G4で示される各音響抵抗)により、本体筐体23の外部音源からの入力音声(たとえばユーザの鼓膜E1及び外耳道E2を経由して放音されるユーザの話し声など)は集音し、スピーカ21の出力音声の集音は抑制する。
この構成によれば、イヤホンマイク1は1つのスピーカ21を備える。また、放音道232は、本体筐体23の外部に連通する一方の経路と、第2集音道234と連通する他方の経路と、に分岐している。そのため、スピーカ21の出力音声は、一方の経路及び第1集音道233を経由して第1集音孔221に伝播するとともに、他方の経路及び第2集音道234を経由して第2集音孔222に伝播する。さらに、音響空間の音響抵抗(音声通過率G0〜G4で示される各音響抵抗)により、外部音源からの入力音声(ユーザの話し声など)は集音し、スピーカ21の出力音声の集音は抑制する。そのため、イヤホンマイク1は、複数のスピーカ21を必要とすることなく、スピーカ21の出力音声のエコー抑制機能を実現することができる。さらに、イヤホンマイク1は、スピーカ21の出力音声に由来するノイズを抑制しつつ、入力音声を送話することができる。従って、小型化が可能で安価なエコー抑制機能を有するイヤホンマイク1を提供することができる。
また、本実施形態では、音響空間の音響抵抗(音声通過率G0〜G4で示される各音響抵抗)により、第1集音孔221に入力されるスピーカ21の出力音声の第1音圧M1は、第2集音孔222に入力される出力音声の第2音圧M2とほぼ等しくなることが望ましい。さらに、第1集音孔221に入力される外部音源からの入力音声(ユーザの話し声など)の第3音圧N1、及び第2集音孔222に入力される入力音声の第4音圧N2のうちの一方が他方よりも大きくなることが望ましい。
こうすれば、音響空間の音響抵抗を利用して、第1及び第2集音孔221、222に入力される音声の第1及び第2音圧M1、M2をほぼ等しくすることにより、第1及び第2集音孔221、222に入力されるスピーカ21の出力音声を互いに打ち消すことができる。さらに、第1及び第2集音孔221、222に入力される外部音源からの入力音声(ユーザの話し声など)の第3及び第4音圧N1、N2のうちの一方を他方よりも大きくすることにより、入力音声がエコー抑制機能によって打ち消されることなく、第3及び第4音圧N1、N2の差|N1−N2|に応じた音圧の入力音声を送話することができる。
また、本実施形態では、音響空間に含まれる音道232〜234のそれぞれに音響抵抗部材が配置される。
こうすれば、音道232〜234の形状およびサイズなどの制約されることなく、音響抵抗部材24a〜24cが配置された音道での音響抵抗(音声通過率G1〜G4で示される音響抵抗)を設定することができる。従って、イヤホンマイク1の設計の自由度を高めることができ、エコー抑制機能をより容易に実現することができる。
また、本実施形態では、音響抵抗部材24a〜24cの音響抵抗R1〜R3は、第1集音孔221に入力される出力音声の第1音圧M1は、第2集音孔222に入力される出力音声の第2音圧M2とほぼ等しくなることが望ましい。さらに、第1集音孔221に入力される入力音声の第3音圧N1、及び第2集音孔222に入力される入力音声の第4音圧N2との差|N1−N2|が最も大きくなるように設定されることがより望ましい。
こうすれば、音響抵抗部材24a〜24cの音響抵抗R1〜R3の設定により、出力音声の第1及び第2音圧M1、M2がほぼ等しくなるとともに、入力音声の第3及び第4音圧N1、N2の差|N1−N2|が最も大きくなる。これは、音道232〜234の音響抵抗r1〜r3は音響抵抗部材24a〜24cの音響抵抗R1〜R3よりも十分に低いためである。従って、音響抵抗部材24a〜24cの音響抵抗R1〜R3の設定により、音響空間の音響抵抗(音声通過率G0〜G4で示される音響抵抗)が調整可能となる。よって、スピーカ21の出力音声に由来するノイズがほぼ除去された入力音声を最も高い音圧レベルで送話することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態のイヤホンマイク1について説明する。図11は、第2実施形態に係るイヤホンマイクの概念構成図である。また、図12は、第2実施形態においてユーザの外耳道側から見た本体部の正面図である。
図11及び図12に示すように、第2実施形態では、挿通部23aの第2及び第3開口部231b、231cの形成面に第4開口部231dがさらに形成される。この第4開口部231dには、第4音響抵抗部材24dが配置される。また、本体筐体23の内部の音響空間は、本体筐体23の外部から第4開口部231dを介して第2集音道234に連通する第3集音道235をさらに含む。それ以外は第1実施形態と同様である。以下では、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
(イヤホンマイクの構成)
第2実施形態では、図11及び図12に示すように、挿通部23aには、本体部2がユーザの耳EARに装着される際にユーザの鼓膜E1と対向する面に、3つの開口部(第2〜第4開口部231b、231c、231d)が形成されている。なお、挿通部23aに形成される各開口部231b、231c、231dの形状は特に限定しない。図13A及び図13Bは、第2実施形態における第2及び第3開口部の他の形成例を示す正面図である。たとえば、第2〜第4開口部231b、231c、231dの形状は、たとえば、図13Aのように円形であってもよいし、四角形及び三角形などの多角形状であってもよい。また、第2〜第4開口部231b、231c、231dの形状及びサイズは、ほぼ同じであってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。また、第2〜第4開口部231b、231c、231dの形状及びサイズは、ほぼ同じであってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。また、第2〜第4開口部231b、231c、231dは、図12及び図13Aのように所定の方向に並んで配置されてもよいし、図13Bのように各開口部231b、231c、231dの中心が仮想の三角形の頂点の位置となるように配置されてもよい。
また、第4開口部231dには、音響抵抗R4の第4音響抵抗部材24dが配置されている。この音響抵抗R4は、第4音響抵抗部材24dを通過する前後で減衰する音声の音圧の変化率を示しており、イヤホンマイク1の仕様に応じて0より大きく且つ1より小さい値に設定される(0<R4<1)。
(イヤホンマイクのエコー抑制機能)
次に、第2実施形態に係るイヤホンマイク1のエコー抑制機能について、スピーカ21の出力音声がマイクロホン22に集音される場合と、外部音源からの入力音声(たとえばユーザの話し声など)がマイクロホン22に集音される場合とに分けて説明する。
((スピーカの出力音声がマイクロホンに集音される場合))
まず、スピーカ21の出力音声がマイクロホン22に集音される場合について説明する。図14は、第2実施形態においてマイクロホンに入力されるスピーカの出力音声の伝播経路を示す概念構成図である。また、図15は、第2実施形態における出力音声の集音ブロック図である。なお、図14では、便宜上、スピーカ21の放音方向を放音道232と略平行な方向に向けている。また、図15では、イヤホンマイク1が図2のようにユーザの外耳道E2に装着されるとき、音声を減衰させる音響抵抗をそれぞれ音声通過率G0〜G5で示している。各音声通過率G0〜G5は、各音道232〜235、外耳道E2、及び第1〜第4音響抵抗部材24a〜24dを通過する前後での音声の音圧の変化率を示している。
なお、音声通過率G5で示される音響抵抗は、第4開口部231dに配置される第4音響抵抗部材24dの音響抵抗R4、第3集音道235の音響抵抗r5、及び第2集音道234の音響抵抗r4などを含んでいる。この音声通過率G5は、イヤホンマイク1の仕様に応じて、0より大きく且つ1より小さい値となる(0<G5<1)。
図14に示すように、スピーカ21から出力される音圧P1の出力音声は、スピーカ21から放音道232及び第2音響抵抗部材24bを経由して外耳道E2に放音される。従って、放音された出力音声の音圧は図15に示すようにP1*G0*G1となる。
そして、外耳道E2に放音された出力音声は、ユーザの鼓膜E1及び外耳道E2の内壁などで反響される。従って、反響された出力音声(すなわちエコー成分)の音圧は、図15に示すように(P1*G0*G1)*G2となる。このエコー成分は、第1集音道233、第3集音道235、及び放音道232に伝播する。
第1集音道233に伝播するエコー成分は、第3開口部231c及び第1集音道233を経由して、第1集音孔221に入力される。従って、第1集音孔221に入力されるエコー成分の第1音圧M1は、図15に示すように、次の数式9にて表される。
M1=P1*G0*G1*G2*G3 (数式9)
また、第3集音道235に伝播するエコー成分は、第4開口部231d、第3集音道235、及び第2集音道234を経由して、第2集音孔222に入力される。従って、第3集音道235を伝播して第2集音孔222に入力されるエコー成分の音圧は、図15に示すように、{(P1*G0*G1)*G2}*G5となる。
また、放音道232に伝播するエコー成分は、第2開口部231b、放音道232、第1開口部231a、及び第2集音道234を経由して、第2集音孔222に入力される。従って、放音道232を伝播して第2集音孔222に入力されるエコー成分の音圧は、図15に示すように、{(P1*G0*G1)*G2}*G1*G4となる。
また、第2集音孔222には、スピーカ21の放音孔21aから放音道232の一部、第1開口部231a、及び第2集音道234を経由して、スピーカ21の出力音声が直接に入力される。このとき、第2集音孔222に入力される出力音声の音圧は、図15に示すように、P1*G0*G4となる。
そのため、第2集音孔222に入力される音声(すなわちエコー成分及び出力音声)の第2音圧M2は、次の数式10で表される。
M2=P1*G0{G1*G2*(G5+G1*G4)+G4} (数式10)
ここで、第1集音孔221の第1音圧M1、及び、第2集音孔222の第2音圧M2の差|M1−M2|は、次の数式11のようになる。この数式11を小さくすれば、マイクロホン22に入力されるスピーカ21の出力音声のエコー成分を抑制することができる。
|M1−M2|=P1*G0*G1*G2*G3
−P1*G0{G1*G2*(G5+G1*G4)+G4}
(数式11)
この第1及び第2音圧M1、M2の差|M1−M2|は、0に近い方がよく、たとえば(0.1*P1)以下であることが好ましい。
さらに、第1集音孔221の第1音圧M1と、第2集音孔222の第2音圧M2とがほぼ等しくなれば(M1≒M2)、マイクロホン22が第1及び第2音声信号に基づく差分信号を生成することにより、スピーカ21の出力音声のエコー成分をほぼ打ち消すことができる。よって、(M1−M2)≒0とすれば、次の数式12が導き出される。
G3≒G5+G1*G4+G4/(G1*G2) (数式12)
すなわち、各音声通過率G0〜G5が数式12を満足すれば、スピーカ21の出力音声のエコー成分をほぼキャンセルをすることができる。たとえば、外耳道E2内の音声通過率G2が0.5であるとき、各音道の音声通過率を、G0≒1、G1=0.70、G3=0.94、G4=0.25、G5=0.05と設定すると、第1及び第2音圧M1、M2は、ともにおよそ(0.33*P1)となり、ほぼ等しくなる。従って、イヤホンマイク1は、スピーカ21の出力音声のエコー成分をキャンセルすることができる。なお、これらの設定値は一例であり、本発明の適用範囲はこの例示に限定されない。
((外部音源からの入力音声がマイクロホンに集音される場合))
次に、外部音源からの入力音声(たとえばユーザの話し声など)がマイクロホン22に集音される場合について説明する。図16は、第2実施形態においてマイクロホンに入力される外部音源からの入力音声の伝播経路を示す概念構成図である。また、図17は、第2実施形態における入力音声の集音ブロック図である。なお、図16では、便宜上、スピーカ21の放音方向を放音道232と略平行な方向に向けている。
図16に示すように、イヤホンマイク1が図2のようにユーザの外耳道E2に装着されるとき、音圧P2の入力音声が鼓膜E1及び外耳道E2から第1集音道233及び放音道232を伝播する。第1集音道233を伝播する入力音声は、第3開口部231c及び第1集音道233を経由して、第1集音孔221に入力される。従って、第1集音孔221に入力される入力音声の第3音圧N1は、図17に示すように、次の数式13にて表される。
N1=P2*G3 (数式13)
また、第3集音道235を伝播する入力音声は、第4開口部231d、第3集音道235、及び第2集音道234を経由して、第2集音孔222に入力される。従って、第3集音道235を伝播して第2集音孔222に入力される入力音声の音圧は、図17に示すように、P2*G5となる。
また、放音道232を伝播する入力音声は、第2開口部231b、放音道232の一部、第1開口部231a、及び第2集音道234を経由して、第2集音孔222に入力される。従って、放音道232を伝播して第2集音孔222に入力される入力音声の音圧は、図17に示すように、P2*G1*G4となる。
そのため、第2集音孔222に入力される入力音声の第4音圧N2は、次の数式14で表される。
N2=P2*(G5+G1*G4) (数式14)
ここで、第1集音孔221の第3音圧N1及び第2集音孔222の第4音圧N2のうちの一方が他方よりも大きければ、入力音声が打ち消されず、両者の差|N1−N2|に応じた大きさの差分音声信号が生成される。よって、次のように、数式15及び数式16が導き出される。
|N1−N2|=|P2*(G3−G5+G1*G4)|>0 (数式15)
|G3−(G5+G1*G4)|>0 (数式16)
すなわち、数式15(数式16)を満足するように、各音声通過率G0〜G5を設定すれば、外部音源からの入力音声がエコー抑制機能によって打ち消されることなく、第3及び第4音圧N1、N2の差|N1−N2|に応じた音圧レベルの差分音声信号が生成される。従って、イヤホンマイク1は、スピーカ21の出力音声のエコー成分をノイズとして混入させることなく、外部音源からの入力音声(ユーザの話し声など)を電子機器に送話することができる。
たとえば、各音道の音響抵抗の音声通過率をG1=0.70、G3=0.94、G4=0.25、G5=0.05と設定すると、第3音圧N1≒(0.94*P2)となり、第4音圧N2≒(0.23*P2)となる。従って、イヤホンマイク1は、その差|0.71*P2|に応じた大きさの入力音声を電子機器に送話することができる。なお、これらの設定値は一例であり、本発明の適用範囲はこの例示に限定されない。第3及び第4音圧N1、N2の差|N1−N2|は、より大きい方がよく、たとえば(0.7*P2)以上であることが好ましい。
また、イヤホンマイク1が送話する音声は、第3及び第4音圧N1、N2の差|N1−N2|が最大となる条件で、最も大きくなる。よって、各音声通過率G0〜G5は、|G3−(G5+G1*G4)|が最大となる条件(すなわち数式15又は16が最大となる条件)に設定されることが望ましい。こうすれば、スピーカ21の出力音声のエコー成分に由来するノイズが抑制された入力音声の音圧レベルを最大にすることができる。従って、外部音源からイヤホンマイク1に入力される入力音声を最も高い音圧レベルで送話することができる。
((エコー成分の抑制))
実際には、マイクロホン22では、スピーカ21の出力音声と、外部音源からの入力音声(ユーザの話し声など)とが同時に集音される。そのため、各音声通過率G0〜G5は、上述の数式16を満たす条件において、上述の数式11がより小さくなるように設定される。こうすれば、イヤホンマイク1にエコー抑制機能を実現することができるとともに、エコー抑制機能によりスピーカ21の出力音声のエコー成分を抑制した入力音声を電子機器(不図示)に送話することができる。
また、各音声通過率G0〜G5は、上述の数式12及び数式16をともに満たすように設定されることが望ましい。こうすれば、イヤホンマイク1のエコー抑制機能を最大限に発揮することにより、スピーカ21の出力音声のエコー成分をほぼ除去した入力音声を電子機器(不図示)に送話することができる。
なお、前述のように数式15又は数式16の値が小さい条件では、第1及び第2集音孔221、222にて集音される音声が互いに打ち消し合い易くなる。従って、各音声通過率G0〜G5は、上述の数式12を満たす条件において、数式16が最大となる条件に設定されることがより望ましい。こうすれば、イヤホンマイク1は、スピーカ21の出力音声のエコー成分をほぼ除去した入力音声を電子機器(不図示)に送話することができる。
以上、第2実施形態について説明した。第2実施形態によれば、音響空間は、本体筐体23の外部から第2集音道234に連通する第3集音道235をさらに含んでいる。
この構成によれば、放音道232を伝播する音声を減衰させる音響抵抗(音声通過率G1で示される音響抵抗)を低くしても、エコー抑制機能を十分に実現することができる。さらに、出力音声の音圧をあまり減衰させることなく、放音道232を伝播するスピーカ21の出力音声をイヤホンマイク1の外部に放音することができる。従って、ユーザはスピーカ21の出力音声をより鮮明に聴くことができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態のイヤホンマイク1について説明する。図18は、第3実施形態における本体部の断面図である。図19は、第3実施形態において第2集音道の容積が比較的大きい場合のマイクロホンの感度特性の一例を示すグラフである。また、図20は、第3実施形態において第2集音道の容積が比較的小さい場合のマイクロホンの感度特性の一例を示すグラフである。なお、図19及び図20において、実線の特性曲線L1は、マイクロホン22に集音されるスピーカ21の出力音声の周波数特性を示している。また、破線の特性曲線L2は、マイクロホン22に集音される外部音源からの入力音声(たとえばユーザの話し声など)の周波数特性を示している。
第3実施形態では、第2集音道234(第1開口部241a)に配置される第1音響抵抗部材24aには、貫通孔241aが形成される。また、第1集音道233(第3開口部241c)に配置される第3音響抵抗部材24cには、貫通孔241cが形成される。また、第2集音道234の容積Vに応じた中心周波数fc近傍の周波数帯域において、マイクロホン22に集音されるスピーカ21の出力音声は該周波数帯域外よりも強くエコー抑制される。これら以外は第1実施形態と同様である。以下では、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図18に示すように、第1及び第3音響抵抗部材24a、24cには、それぞれ1つの貫通孔241a、241cが形成されている。各貫通孔241a、241cの内径は、1[mm]以下であればよく、50〜800[μm]であればより望ましい。こうすれば、一般にエコー抑制機能の効果が発揮され難い高周波数帯域において、スピーカ21の出力音声のエコー成分をより強く抑制することができる。
スピーカ21の出力音声のエコー成分は、第2集音道234の容積Vに応じた中心周波数fc近傍の周波数帯域で強く抑制される。たとえば、第2集音道234の容積が48[mm3]であるとき、図19に示すように、特性曲線L1には中心周波数fc=1900[Hz]で最も感度が低下するピークが見られるが、特性曲線L2にはこのようなピークは見られない。また、第2集音道234の容積が2[mm3]であるとき、図20に示すように、特性曲線L1には中心周波数fc=6000[Hz]で最も感度が低下するピークが見られるが、特性曲線L2の感度にはこのようなピークは見られない。このように、マイクロホン22に集音されるスピーカ21の出力音声は、中心周波数fc近傍の周波数帯域の方が該周波数帯域外よりも強く抑制される。一方、マイクロホン22に集音される外部音源からの入力音声は、中心周波数fc近傍の周波数帯域において特に強く抑制されることはない。
また、図19及び図20に示すように、特性曲線L1が示すピークの中心周波数fcの変化は第2集音道234の容積Vの設定値の変化とは逆の挙動を示す。図21は、第2集音道の容積に対する中心周波数の変化例を示すグラフである。図21に示すように、スピーカ21の出力音声のエコー成分が最も強く抑制される中心周波数fcは、第2集音道234の容積Vの設定値とほぼ反比例で変化しており、およそ1000[Hz]以上の周波数となる。よって、このような現象を用いれば、中心周波数fcを第2集音道234の容積Vに応じた周波数に設定できる。従って、第2集音道234の容積Vを適宜設定すれば、所望の周波数帯域において、スピーカ21の出力音声に由来するノイズをより強く抑制することができる。特に、一般にエコー抑制機能の効果が発揮され難い高周波数帯域において、スピーカ21の出力音声に由来するノイズをより効果的に抑制することができる。
(第3実施形態の変形例)
図18では、第1開口部24aに配置される第1音響抵抗部材24aに貫通孔241aを形成しているが、第1開口部24a及び第1音響抵抗部材24aに代えて、貫通孔241aが本体筐体23に直接形成されていてもよい。図22は、第3実施形態の変形例における本体部の断面図である。
第3実施形態の変形例では、図22に示すように、放音道232(の他方の経路)と第2集音道234との間の隔壁に貫通孔241aが形成されている。なお、図22の構成は、図18において、第1開口部24aを内径1[mm]以下の貫通孔241aとし、且つ、第1音響抵抗部材24aを第1開口部24aに配置しない構成と同様に考えることができる。このように、第2集音道234は、内径が1mm以下の貫通孔241aを介して、放音道232の他方の経路と連通していればよい。
なお、上述の第3実施形態及びその変形例では、図18及び図22に示すように、第1集音道233(第3開口部24c)に配置された第3音響抵抗部材24cにも貫通孔241cが形成されているが、本発明はこの構成に限定されない。第3音響抵抗部材24cには貫通孔241cが形成されていなくてもよい。貫通孔241cの有無にかかわらず、第1集音道233(第3開口部24c)に第3音響抵抗部材24cを配置しておけば、ほぼ全周波数帯域において、マイクロホン22に集音されるスピーカ21の出力音声を抑制する効果を高めることができる。
以上、第3実施形態及びその変形例について説明した。第3実施形態及びその変形例によれば、第2集音道234は、内径が1mm以下の貫通孔241aを介して、放音道232の他方の経路と連通している。また、第2集音道234の容積Vに応じた中心周波数fc近傍の周波数帯域において、スピーカ21の出力音声の集音が該周波数帯域外よりも強く抑制される。
こうすれば、第2集音道234の容積Vを適宜設定することにより、所望の周波数帯域において、スピーカ21の出力音声に由来するノイズをより強く抑制することができる。特に、一般にエコー抑制機能の効果が発揮され難い高周波数帯域において、スピーカ21の出力音声に由来するノイズをより効果的に抑制することができる。
さらに、第3実施形態及びその変形例によれば、第2集音道234の容積Vに応じた中心周波数fcは1kHz以上である。こうすれば、スピーカ21の出力音声に含まれる人間の声に由来するノイズをより効果的に抑制することができる。
また、第3実施形態及びその変形例によれば、第1集音道233に第3音響抵抗部材24cが配置される。こうすれば、ほぼ全周波数帯域において、スピーカ21の出力音声に由来するノイズを抑制する効果を高めることができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、上述の実施形態は例示であり、その各構成要素や各処理の組み合わせに色々な変形が可能であり、本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
たとえば、上述の第1〜第3実施形態において、本体部2には2つの集音孔を有するマイクロホン22を内蔵しているが、本発明の適用範囲はこの例示に限定されない。マイクロホン22は、第1の集音孔を有する第1マイクロホンと、第2の集音孔を有する第2マイクロホンとで構成されてもよい。また、イヤホンマイク1は、図示しない制御回路部により、第1及び第2音声信号に基づく差分音声信号を生成してもよい。或いは、イヤホンマイク1が接続される電子機器(不図示)により、差分音声信号が生成されてもよい。
また、上述の第1及び第2実施形態では、音響空間に含まれる音道232〜235のそれぞれに音響抵抗部材24a〜24dが配置されているが、本発明はこの構成に限定されない。音響空間に含まれる音道232〜235のうちの少なくとも1つに音響抵抗部材が配置されてもよい。こうすれば、音道232〜235の形状およびサイズなどの制約されることなく、音響抵抗部材24a〜24dが配置された音道での音響抵抗(音声通過率G1及びG3〜G5で示される音響抵抗のうちの少なくとも1つ)を設定することができる。従って、イヤホンマイク1の設計の自由度を高めることができ、エコー抑制機能をより容易に実現することができる。
また、上述の第1〜第3実施形態では、放音道232が連通する第2開口部231bに音響抵抗部材24bが配置されているが、本発明はこの構成に限定されない。スピーカ21から本体筐体23の外部に放音される音声を減衰させる音響抵抗はなるべく小さくすることが望ましい。すなわち、音声通過率G0及びG1はなるべく1に近いことが望ましい。そのため、第2開口部231b(又は放音道232)には音響抵抗部材24bが配置されていなくてもよい。こうすれば、スピーカ21の出力音声は第2音響抵抗部材24bの影響によりほとんど減衰することなく外耳道E2に放音されるため、音声通過率G1を1に近づけることができる。従って、ユーザは、スピーカ21の出力音声をより高い音圧レベルで聴くことができる。
また、上述の第1〜第3実施形態では、図1のようにイヤホンマイク1は本体部2を1つ備えているが、本発明はこの構成に限定されない。イヤホンマイク1は、本体部2を2つ備えていてもよい。さらに、2つの本体部2のうちの一方はエコー抑制機能を有していなくてもよい。言い換えると、一方では、スピーカ21は搭載されるが、マイクロホン22を搭載されない構成であってもよい。こうすれば、ユーザは、両方の耳でイヤホンマイク1の出力音声を聴くことができる。
また、上述の第1及び第2実施形態では、イヤホンマイク1のエコー抑制機能を実現する構成を理解し易くするために、イヤホンマイク1の概念構成図及び集音ブロック図を、図7〜図10と、図11及び図14〜図17とに分けて説明した。図11及び図14〜図17に示す構成は、第4音響抵抗部材24dの音響抵抗R4≒1とすれば、実質的に図7〜図10と同様に考えることができる。
1 イヤホンマイク
2 本体部
21 スピーカ
21a 放音孔
22 マイクロホン
221 第1集音孔
222 第2集音孔
23 本体筐体
23a 挿通部
231a、231b、231c、231d 第1〜第4開口部
232 放音道
233 第1集音道
234 第2集音道
235 第3集音道
24a、24b、24c、24d 第1〜第4音響抵抗部材
241a、241c 貫通孔
25 イヤーパッド
4 ケーブル
5 コネクタ
EAR 耳
E1 鼓膜
E2 外耳道

Claims (9)

  1. 1つのスピーカと、第1及び第2集音孔を有するマイクロホンと、音響空間が形成される本体筐体と、を備え、
    前記音響空間は、前記スピーカの出力音声が伝播する放音道と、前記本体筐体の外部に連通し、前記第1集音孔に入力される音声が伝播する第1集音道と、前記第2集音孔に入力される音声が伝播する第2集音道と、を含み、
    前記放音道は、前記本体筐体の外部に連通する一方の経路と、前記第2集音道に連通する他方の経路と、に分岐し、
    前記音響空間の音響抵抗により、前記本体筐体の外部音源からの入力音声は集音し、前記スピーカの出力音声の集音は抑制することを特徴とするイヤホンマイク。
  2. 前記音響空間の音響抵抗により、
    前記第1集音孔に入力される前記スピーカの前記出力音声の第1音圧は、前記第2集音孔に入力される前記出力音声の第2音圧とほぼ等しくなり、
    前記第1集音孔に入力される前記外部音源からの前記入力音声の第3音圧、及び前記第2集音孔に入力される前記入力音声の第4音圧のうちの一方が他方よりも大きくなることを特徴とする請求項1に記載のイヤホンマイク。
  3. 前記音響空間に含まれる音道のうちの少なくとも1つに配置される音響抵抗部材をさらに備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のイヤホンマイク。
  4. 前記放音道には、前記音響抵抗部材が配置されないことを特徴とする請求項3に記載のイヤホンマイク。
  5. 前記音響抵抗部材の音響抵抗は、
    前記第1集音孔に入力される前記出力音声の前記第1音圧は、前記第2集音孔に入力される前記出力音声の前記第2音圧とほぼ等しくなり、
    前記第1集音孔に入力される前記入力音声の前記第3音圧、及び前記第2集音孔に入力される前記入力音声の前記第4音圧との差が最も大きくなるように設定されることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のイヤホンマイク。
  6. 前記音響空間は、前記本体筐体の外部から前記第2集音道に連通する第3集音道をさらに含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のイヤホンマイク。
  7. 前記第2集音道は、内径が1mm以下の貫通孔を介して、前記放音道の前記他方の経路と連通し、
    前記第2集音道の容積に応じた周波数近傍の周波数帯域において、前記スピーカの出力音声の集音は該周波数帯域外よりも強く抑制されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のイヤホンマイク。
  8. 前記第2集音道の容積に応じた前記周波数は1kHz以上であることを特徴とする請求項7に記載のイヤホンマイク。
  9. 前記第1集音道に前記音響抵抗部材が配置されることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のイヤホンマイク。
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