JP2014187312A - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】湿潤雰囲気でも層間絶縁材(裏面側封止材)と裏面側基板の導電層との密着性の経時的な低下を抑制する層間絶縁材(裏面側封止材)を提供する。
【解決手段】エチレン−アクリル酸共重合体およびエチレン−メタクリル酸共重合体の少なくとも一方を含む樹脂に、水分捕捉剤を含有させた樹脂組成物を、層間絶縁材(裏面側封止材)16として用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコン基板の受光面とは反対側の面(裏面)に正極および負極の両者を配した、いわゆるバックコンタクト方式の太陽電池モジュールに関する。
近年、再生可能エネルギ−の一つとして太陽光発電の普及が進んでいる。図3に、従来の一般的なシリコン太陽電池モジュールの一例を模式的に示す。
図3に示されるシリコン太陽電池モジュール101においては、シリコン基板102の受光面(表面)102Aとは反対側の面(裏面)102Bに、P型半導体を構成する正極としての電極103が形成されるとともに、受光面(表面)102Aに、N型半導体を構成する負極としての電極104が設けられて、一つの太陽電池セル(シリコンセル)105が形成されている。そして、シリコン太陽電池モジュール101は、上記のような太陽電池セル105の複数個が、配線部材(インターコネクタ)107によって直列に接続され、その全体が、表面側の透光性基材108と裏面基材109との間に封止材106によって封止された構造となっている。
このような従来の一般的なシリコン太陽電池モジュール101における太陽電池セル(シリコンセル)105は、受光面102A側の負極104が設けられた領域は、シリコン基板102への太陽光の入射が遮られてしまい、その部分はシャドウロスとなって発電に寄与しないから、負極104の面積が大きいと発電効率が低くなってしまうという問題点を有していた。
また、隣り合う太陽電池セル105同士の間では、一方の太陽電池セル105の受光面102A側の負極電極104と、隣接する他方の太陽電池セル105の裏面側の正極電極103の間が、薄板状もしくは線材状の配線部材(インターコネクタ)107によって接続されているが、この場合、配線部材107を、隣り合う太陽電池セル105の間においてシリコン基板102の表側から裏側に廻り込ませために折り曲げた形状とする必要がある。そのため、寒暖の差が激しい屋外に設置される太陽電池モジュールにおいては、各構成部材の熱膨張率の差や振動などにより、配線部材(インターコネクタ)107やその端部の各電極への接続部分が断線してしまう恐れがあった。
そこで、最近に至り、シリコン基板の受光面とは反対側の面(裏面)に正極および負極の両者を配した、いわゆるバックコンタクト方式の太陽電池モジュールが開発されている(例えば特許文献1を参照) 。
図4に、従来のバックコンタクト方式の太陽電池モジュールの一例を模式的に示す。図4の太陽電池モジュール201において、太陽電池セル(シリコンセル)205は、シリコン基板202の受光面(表面)202Aとは反対側の面(裏面)202Bにおける一端側の位置にP型半導体からなる正極としての電極203が形成されるとともに、その面(裏面)202Bにおける他端側の位置(すなわち、正極としての電極203から離れた位置)にN型半導体からなる負極としての電極204が形成された構成とされている。
そして、複数の太陽電池セル205が、光入射側の透明基材210と、裏面側基板212との間に、間隔を置いて配列されている。また、光入射側の透明基材210と、シリコン基板202の受光面202Aとの間は、受光側透明封止材214によって封止され、シリコン基板202の裏面202Bと裏面側基板212との間は、裏面側封止材(層間絶縁材)216によって封止されている。
ここで、裏面側基板212は、絶縁基材218の表面に所定の回路パターンの導電層220を形成したものである。そして、シリコン基板202の正負の各電極203、204と導電層220との間は、それぞれ裏面側封止材(層間絶縁材)216を貫通する導電接続部材222A、222B(例えば半田など)によって電気的に接続されている。すなわち、裏面側封止材(層間絶縁材)216における各電極203、204に対応する位置に、厚み方向に貫通する貫通孔216aが形成されて、その貫通孔216a内に低融点半田などの導電接続部材222A、222Bが充填され、その導電接続部材222A、222Bを介して各電極203、204と導電層220の所定の回路とが電気的に接続されている。
なお、裏面側基板212における表面の導電層220の回路パターンは、上記の各太陽電池セル205の各電極203、204の位置に応じて、隣り合う太陽電池セル205が直列接続となるように定められている。また、回路パターンを構成する導電層220としては、汎用性が高くかつ導電接続部材222A、222Bとの電気的接続性が良好な銅箔や、電解めっきによるニッケル層を表面に形成したものが一般に用いられる。
上述のようなバックコンタクト方式の太陽電池モジュール201においては、受光面202A側に入射光を遮る電極が存在しないため、入射してくる太陽光を、シリコン基板202の表面の全面で取り込むことができ、そのため高い変換効率を得ることができる。しかも、隣り合う太陽電池セル205間(電極間)の電気的接続は、図3に示すような従来の一般的な太陽電池モジュール101とは異なり、裏面側基板212の表面に平面的にパターン形成した回路層(導電層220)によって行われるため、熱膨張差による電気的接続部材の破断の恐れも実質的に解消される。したがって、変換効率が高くしかも耐久性の高い太陽電池モジュールとして、バックコンタクト方式は今後ますますその需要が拡大すると期待されている。
このようなバックコンタクト方式の太陽電池モジュール201において、シリコン基板202の裏面(両電極203,204が形成された面)と、表面に回路層(パターン化された導電層220)を形成した裏面側基板212との間の封止および絶縁のために使用される層間絶縁材(裏面側封止材)216としては、絶縁性が高いことはもちろん、回路パターンの導電層220との密着性が良好であることが必要であり、しかも太陽電池としてこれらの性能が長期間安定して持続されることが望まれる。
絶縁性が高くかつ密着性が優れた樹脂としては種々のものがあるが、本発明者等は、種々の封止材用樹脂のうちでも、カルボキシル基を有する樹脂が絶縁性および導電層220との密着性に優れていることに着目し、そのうちでも比較的安価に入手可能なエチレン−メタクリル酸共重合体を、バックコンタクト方式の太陽電池モジュールの層間絶縁材(裏面側封止材)として使用することを試みている。
しかしながら、本発明者等が検討した結果、エチレン−メタクリル酸共重合体を太陽電池モジュールの層間絶縁材として用ると、初期状態では、回路パターンを形成している一般的な導電層である銅箔やニッケル層との密着性は優れてはいるものの、経時的に密着性が低下して接合強度が低下する場合があり、特に水分が含まれる湿潤雰囲気では、その傾向が強く現われることが判明した。太陽電池モジュールは、様々な雰囲気で使用され、水分の多い雰囲気で使用されることも当然に予想されるから、湿潤雰囲気での経時的な密着性の低下を抑制させることが望まれる。
特許文献2に開示の技術は、3つの重ねられたポリマー層の中心層に水分吸収剤を含有することで、モジュールの劣化を防ぐものである。
また、特許文献3に開示の技術は、封止材の周辺に水分吸収材を配置する構成とすることで、モジュールの劣化を防ぐものである。
特開2005−11869号公報 特開2010−541265号公報 特開2012−199450号公報
本発明は、以上の事情を背景としてなされたものであり、層間絶縁材(裏面側封止材)としてエチレン−アクリル酸共重合体およびエチレン−メタクリル酸共重合体の少なくとも一方を含む樹脂を用いた太陽電池モジュールにおいて、湿潤雰囲気でも層間絶縁材(裏面側封止材)と導電層との密着性の経時的な低下を抑制し得るようにしたバックコンタクト方式の太陽電池モジュールを提供することを課題とするものである。
前述の課題を解決するべく、バックコンタクト方式の太陽電池モジュールにおいて層間絶縁材(裏面側封止材)として用いるエチレン−アクリル酸共重合体およびエチレン−メタクリル酸共重合体の少なくとも一方を含む樹脂と導電層との密着性について検討を重ねた結果、前記層間絶縁材に水分捕捉剤を添加することにより、湿潤雰囲気での経時的な密着性の低下を抑制し得ることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明の一態様に係る太陽電池モジュールは、シリコン基板の受光面とは反対側の面である裏面に、P型半導体を含む正極とN型半導体を含む負極とが間隔をあけて形成された太陽電池セルと、前記太陽電池セルの前記裏面側に間隔をあけて配置され、回路パターンを有する導電層が前記太陽電池セルとの対向面に形成された裏面側基板と、前記太陽電池セルと前記裏面側基板との間を封止する層間絶縁材と、を備え、前記導電層の少なくとも表面部分が銅またはニッケルによって構成され、前記正極及び前記負極と前記導電層との間が、前記層間絶縁材を貫通する導電接続部材によってそれぞれ電気的に接続されたバックコンタクト方式の太陽電池モジュールであって、前記層間絶縁材は、エチレン−アクリル酸共重合体およびエチレン−メタクリル酸共重合体の少なくとも一方を含む樹脂と、水分捕捉剤とを含有する樹脂組成物であることを特徴とする。
この太陽電池モジュールにおいては、前記樹脂組成物は前記樹脂100質量部に対して0.1質量部以上3. 0質量部以下の前記水分捕捉剤を含有してもよい。
また、前記樹脂が有するカルボキシル基の量は、前記樹脂100質量部に対して2. 0質量部以上30. 0質量部以下としてもよい。
さらに、JIS K7210:1999に規定された方法に従い、温度190℃、荷重2160gの条件で測定された前記樹脂のメルトフローレートは、3g/10分以上30g/10分以下であってもよい。
本発明の太陽電池モジュールは、裏面側基板の回路パターンを有する導電層の少なくとも表面部分が銅またはニッケルによって構成されており、かつ、その銅またはニッケルに接する層間絶縁材(裏面側封止材)として、エチレン−アクリル酸共重合体およびエチレン−メタクリル酸共重合体の少なくとも一方を含む樹脂と水分捕捉剤とを含有する樹脂組成物を用いたので、湿潤雰囲気でも層間絶縁材(裏面側封止材)と導電層との密着性の経時的な低下が抑制される。そのため、湿潤雰囲気での使用にあたっても、長寿命化を図ることができる。したがって、本発明によれば、耐久性および耐候性に優れた太陽電池モジュールを提供することができる。
本発明に係る太陽電池モジュールの一実施形態であるバックコンタクト方式の太陽電池モジュールの要部を示す模式的縦断面図である。 実施例において使用する試験用試料を示す模式的縦断面図である。 従来の一般的な太陽電池モジュールの要部を示す模式的縦断面図である。 従来のバックコンタクト方式の太陽電池モジュールの要部を示す模式的縦断面図である。
以下、本発明のバックコンタクト方式の太陽電池モジュールの一実施形態について、図面を参照して説明する。
本発明の一実施形態のバックコンタクト方式の太陽電池モジュールの立体的な形状および構造自体は、従来の一般的なもの(図4)と同様であってよい。
図1に示されるバックコンタクト方式の太陽電池モジュール1においては、シリコン基板2の受光面(表面)2Aとは反対側の面(裏面)2Bに、P型半導体からなる正極としての電極3と、N型半導体からなる負極としての電極4とが間隔をあけて形成されており、これにより一つの太陽電池セル(シリコンセル)5が構成されている。
そして、複数の太陽電池セル5が、光入射側の透明基材10と、裏面側基板12との間に、間隔をあけて配列されている。また、光入射側の透明基材10と、シリコン基板2の受光面2Aとの間は、受光側透明封止材14によって封止され、また、シリコン基板2の裏面2Bと裏面側基板12との間は、裏面側封止材(層間絶縁材)16によって封止されている。
ここで、裏面側基板12は、絶縁基材18の表面(太陽電池セル5と対向する側の面)に所定の回路パターンの導電層20を形成したものである。そして、シリコン基板2の正負の各電極3、4と導電層20との間は、それぞれ裏面側封止材(層間絶縁材)16を貫通する導電接続部材22A、22Bによって電気的に接続されている。すなわち、裏面側封止材(層間絶縁材)16における各電極3、4に対応する位置に、厚み方向に貫通する貫通孔16aが形成されて、その貫通孔16a内に導電接続部材22A、22Bが充填され、その導電接続部材22A、22Bを介して各電極3、4と導電層20の所定の回路とが電気的に接続されている。
なお、裏面側基板12における表面の導電層20の回路パターンは、各太陽電池セル5の各電極3、4の位置に応じて、隣り合う太陽電池セル5が直列接続となるように定められている。また、回路パターンを構成する導電層20としては、汎用性が高くかつ導電接続部材22A、22Bとの電気的接続性が良好なニッケル層20aを、裏面側基板12上の導電性金属膜20b(ベース膜)の表面に電解めっき等により形成したものが好ましい。なお、ニッケル層20aの代わりに銅箔を用いることもできる。
導電接続部材22A、22Bの材質は特に限定されるものではないが、材料コストと接続抵抗の点で低融点ハンダ等の半田が好適である。ここで用いる低融点ハンダの融点を、太陽電池モジュール1の作製温度と同程度(120〜160℃)とすれば、モジュール化と電気接続が同時になされるため、プロセスコストの観点から好ましい。
また、受光側透明封止材14は特に限定されるものではなく、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、各種ポリオレフィンなどの公知の太陽電池用封止材を用いることができる。
さらに、裏面側封止材(層間絶縁材)16としては、導電層20との密着性および絶縁性の観点から、エチレン−アクリル酸共重合体およびエチレン−メタクリル酸共重合体の少なくとも一方を含む樹脂と、水分捕捉剤とを含有する樹脂組成物が使用される。湿潤雰囲気での長期間経時後の太陽電池モジュール1においては、裏面側封止材(層間絶縁材)16の導電層20に対する密着性の低下が問題となる。
密着性が低下する要因は、必ずしも明確ではないが、水分の存在下で銅またはニッケル層20aの表面から遊離した銅イオンまたはニッケルイオンと、層間絶縁材(裏面側封止材)16であるエチレン−アクリル酸共重合体またはエチレン−メタクリル酸共重合体のカルボキシル基とが反応し、銅またはニッケル層20aの表面と層間絶縁材16との間に硬くて脆い反応層を生成すると考えられる。
ここで想定する十分な密着性とは、後述の実施例に記載した擬似モジュール構成の試料での高温高湿試験後(DHT)の剥離試験において、剥離強度が20N/cm以上の値を維持することを意味する。剥離強度が20N/cmより小さくなれば、太陽電池モジュール1の湿潤雰囲気の屋外での長期間の使用において剥離が生じる可能性が生じ、発電効率の低下や故障に対する懸念が発生する。
樹脂に水分捕捉剤を添加することにより、水分が含まれる湿潤雰囲気下で銅またはニッケル層20aと層間絶縁材(裏面側封止材)16の反応を抑制することが出来、導電層20に対する密着性の低下を抑えることが可能となる。
ここで、水分捕捉剤について説明する。水分捕捉剤とは、水分を物理的または化学的に捕捉し、固定化する機能を有する物質である。
水分捕捉剤は、水分の捕捉機能を有していれば、特に材料を限定するものではないが、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、ポリ水酸化アルミニウムが挙げられる。上記した酸化チタンは、水を解離吸着により、表面水酸基として吸着させる性質を有する。またカーボンブラックは粒子径がナノオーダーと非常に微細で、比表面積が大きい。そのため表面に局在している活性な酸素官能基により水分の吸着がなされる。ポリ水酸化アルミニウムは、多くのヒドロキシ基を含む水酸化アルミニウムの多量体の特異な構造が、エチレン−アクリル酸共重合体またはエチレン−メタクリル酸共重合体と水素結合等のゆるやかな結合を形成することにより、吸水能、保水能を保持すると考えられる。
裏面側封止材(層間絶縁材)16として用いる、エチレン−アクリル酸共重合体およびエチレン−メタクリル酸共重合体の少なくとも一方を含む樹脂100質量部に対し、前記水分捕捉剤を0.1質量部以上3.0質量部以下添加することが好ましい。0.1質量部未満では十分な水分捕捉性が得られず、太陽電池モジュール1の作製直後の導電層20に対する密着性(初期密着性)は確保されるが、導電層20の表面の銅またはニッケル層20aとの反応量が多くなるため、湿潤雰囲気での長期間経時後の密着性の低下が問題となる。一方、3.0質量部より大きいと、前記エチレン−メタクリル酸共重合体またはエチレン−アクリル酸共重合体との相溶性が悪く、ゲルが発生する可能性がある。
ここで、裏面側封止材(層間絶縁材)16に用いるエチレン−メタクリル酸共重合体またはエチレン−アクリル酸共重合体に含有されるカルボキシル基は、エチレン−アクリル酸共重合体およびエチレン−メタクリル酸共重合体の少なくとも一方を含む樹脂100質量部に対して2. 0質量部以上30. 0質量部以下であることが好ましく、5. 0質量部以上15. 0質量部以下であることがより好ましい。
カルボキシル基の含有量が2.0質量部より少なければ、導電層20との密着性が不十分となる恐れがある。一方、カルボキシル基の含有量が30.0質量部より多ければ、太陽電池モジュール1の作製直後の導電層20に対する密着性(初期密着性)は確保されるが、導電層20の表面の銅またはニッケル層20aとの反応量が多くなるため、湿潤雰囲気での長期間経時後の密着性の低下が問題となる。なお、一般的なエチレン−メタクリル酸共重合体におけるカルボキシル基の含有量は、2.0〜15.0質量部程度であり、また、一般的なエチレン−アクリル酸共重合体におけるカルボキシル基の含有量は、2. 0〜15質量部程度である。
また、裏面側封止材(層間絶縁材)16の厚みは特に限定されないが、通常200〜2000μm程度である。裏面側封止材(層間絶縁材)16は、T−ダイ押出機、カレンダ−成形機などを使用する公知の方法によって製造することができる。例えば、エチレン−メタクリル酸共重合体に水分捕捉剤を予めドライブレンドして、T−ダイ押出機のホッパ−から供給し、加熱溶融させシート状に押出成形することによって得ることができる。
JIS K7210:1999に規定された方法に従い、温度190℃、荷重2160gの条件で測定された、エチレン−アクリル酸共重合体およびエチレン−メタクリル酸共重合体の少なくとも一方を含む樹脂のメルトフローレートは、3g/10分以上30g/10分以下であることが好ましい。3g/10分未満では、前記樹脂の流動性が低下し、裏面側封止材16のシート製造工程において生産性が低下する。また、30g/10分超過では、逆に前記樹脂の流動性が高いため、裏面側封止材16のシート形成が困難である。また、裏面側封止材16のシートの引張強度などの機械物性が低下する。
裏面側基板12は、絶縁基材18の表面に所定の回路パターンを有する導電層20を形成したものである。絶縁基材18としては、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などの樹脂フィルムや、ガラスクロスにエポキシ樹脂などの絶縁性樹脂を含浸させた基材が用いられる。太陽電池モジュール1には耐候性が要求されるため、PET、PENについては耐加水分解性に優れたグレードのものを使用するか、または絶縁基材18における裏面(太陽電池セル5に対し反対側の面)にポリフッ化ビニルなどの耐候性材料を設けることが好ましい。
導電層20は、導電接続部材22A、22Bを介して各太陽電池セル5の各電極3、4と電気的に接続されて、複数の太陽電池セル5を直列に接続する回路パターンを有するものである。
ここで導電層20は、裏面側封止材(層間絶縁材)16との密着性に優れること、および貫通孔16aに充填される導電接続部材22A、22Bとの接触抵抗が小さいことが必要である。
導電性金属膜20b(ベース膜)としては、裏面側封止材(層間絶縁材)16であるエチレン−アクリル酸共重合体およびエチレン−メタクリル酸共重合体の少なくとも一方を含む樹脂と反応性の無い金属であれば、特に限定されるものではないが、コストや導電性の観点からアルミニウムが好適である。
導電性金属膜20b(ベース膜)への銅またはニッケル層20aの形成方法は特に限定されるものではなく、無電解メッキ、電解メッキ、蒸着、CVD、スパッタリングなど各種公知の方法を用いることができる。導電層20の回路パターニングは、銅またはニッケル層20aを形成した後に、フォトリソ等の公知の方法で実施可能である。
以下に、本発明の実施例を記す。なお、以下の実施例は、本発明の作用、効果を明確化するためのものであって、実施例に記載された条件が本発明の技術的範囲を限定するものでないことはもちろんである。
〔試料構成について〕
本発明の本来の課題は、バックコンタクト式の太陽電池モジュールにおいて、回路パターンに形成された導電層と層間絶縁材との密着性の水分による低下を抑制することにある。しかしながら、抑制効果の大小は、バックコンタクト方式の各太陽電池セルの各電極に対応して形成される導電層のパターン形状によって異なる。また、試料構成に太陽電池セルを含むか否かは、抑制効果の大小とは本質的に無関係である。そこで、以下に記載する実施例の試料構成は、太陽電池セルを含まない擬似的なモジュール構成とした。
〔実施例1〕
擬似的なモジュール構成を有する試料として、図2に示すものを作製した。すなわち、図1の太陽電池モジュール1の光入射側の透明基材10に対応するものとして、3mm厚の太陽電池用強化ガラス板301を用意した。また、受光側透明封止材14に対応するものとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体を押出し加工によりシート化した0.2mm厚のシート302を用意した。
さらに、カルボキシル基を有する樹脂からなる裏面側封止材(層間絶縁材)16に相当するものとして、エチレン−メタクリル酸共重合体(カルボキシル基含量11質量%)100質量部に対し、水分捕捉剤としてカーボンブラック(1次粒径30nm)を0.15質量部添加した樹脂組成物を、T−ダイ押出により形成した0.2mm厚のシート303を用意した。
一方、裏面側基板12に相当するものとして、250μm厚のPETフィルム304を用意した。また、導電層20に相当するものとして、膜厚0.8μmの銅層またはニッケル層305が電解めっきによって形成された35μm厚のアルミニウム箔306を用意した。
そして、これらの部材301〜306を、図4に示しているように、電解めっき銅層またはニッケル層305がエチレン−メタクリル酸共重合体樹脂組成物シート303に接するように積層し、真空ラミネ−タ(150℃、30分)により全体を接合して、評価用試料とした。
〔実施例2〕
カーボンブラック(水分捕捉剤)の添加量が0.5質量部である以外は、実施例1と同一として、評価用試料を作製した。
〔実施例3〕
カーボンブラック(水分捕捉剤)の添加量が1.5質量部である以外は、実施例1と同一として、評価用試料を作製した。
〔実施例4〕
カーボンブラック(水分捕捉剤)の添加量が3.0質量部である以外は、実施例1と同一として、評価用試料を作製した。
〔実施例5〕
カルボキシル基含有量が11%のエチレン−メタクリル酸共重合体に代え、カルボキシル基含有量が15%のエチレン−メタクリル酸共重合体を用いた点以外は、実施例1と同一として、評価用試料を作製した。
〔比較例1〕
エチレン−メタクリル酸共重合体のメルトフローレートが35g/10分であり、カーボンブラック(水分捕捉剤)を含有しない点以外は、実施例1と同一として、評価用試料を作製した。
〔比較例2〕
カーボンブラック(水分捕捉剤)を含有しないこと以外は、実施例1と同一として、評価用試料を作製した。
〔比較例3〕
カーボンブラック(水分捕捉剤)の添加量が0.05質量部である以外は、実施例1と同一として、評価用試料を作製した。
〔比較例4〕
カーボンブラック(水分捕捉剤)の添加量が5.0質量部である以外は、実施例1と同一として、評価用試料を作製した。
〔比較例5〕
カルボキシル基含有量が11%のエチレン−メタクリル酸共重合体に代え、カルボキシル基含有量が30%のエチレン−メタクリル酸共重合体を用いた点以外は、実施例1と同一として、評価用試料を作製した。
〔比較例6〕
カルボキシル基含有量が11%のエチレン−メタクリル酸共重合体に代え、カルボキシル基含有量が1%のエチレン−メタクリル酸共重合体を用いた点以外は、実施例1と同一として、評価用試料を作製した。
上記の処理で得られた樹脂シート及び太陽電池モジュールについて以下の評価・測定を行った。
〔酸含有量の測定〕
エチレン−メタクリル酸共重合体におけるカルボキル基の含有量は、赤外吸収スペクトルを測定して吸収強度から算出した。
〔メルトフローレート測定〕
エチレン−メタクリル酸共重合体のメルトフローレートは、メルトインデクサを用いてJIS K7210:1999に従って測定した。
〔試料評価〕
各実施例及び各比較例により作製した試料を、そのままの状態(初期)のもの、および高温高湿試験(DHT2000h:温度85℃、湿度85%で2000時間保持)した後のものについて、次のようにして剥離強度測定を行なった。
試料における、裏面側基板12に相当するPETフィルム304の側から10mm幅で切込みを入れ、電解めっき銅層またはニッケル層305およびアルミニウム箔306からなる導電層、ないし電解めっき銅層またはニッケル層からなる導電層、と裏面側基板12としてのPETフィルム304の全体を、裏面側封止材(層間絶縁材)16に相当するエチレン−メタクリル酸共重合体樹脂組成物シート303から約20mm剥がした。
そして、剥がした部分を密着強度測定機(ORIENTEC製のTENSILON(RTC−1250))のチャックに固定し、180°の角度、剥離速度300mm/分の条件で剥離強度を測定した。各実施例および各比較例の評価結果を表1に示す。
Figure 2014187312
表1から明らかなように、樹脂組成物に水分捕捉剤を含有する各実施例1〜5では、銅層、ニッケル層305いずれの場合であっても、導電層に対するエチレン−メタクリル酸共重合体樹脂組成物シート303の初期の剥離強度が高いのみならず、2000時間の高温高湿試験(DHT)の後においても、20N/cm以上の剥離強度が得られた。したがって、実施例1〜5の試料をバックコンタクト方式の太陽電池モジュールに適用すれば、長期間安定して密着性を維持し、耐久性および耐候性が良好な太陽電池モジュールを得ることが可能となる。
なお、比較例1〜6は、2000時間の高温高湿試験後において剥離強度の顕著な低下が認められた。したがって、これらの比較例の試料をバックコンタクト方式の太陽電池モジュールに適用した場合、湿潤雰囲気では密着性が低下し、耐久性、耐候性に劣ることとなる。
1…バックコンタクト方式の太陽電池モジュール、2…シリコン基板、2A…シリコン基板の受光面(表面)、2B…シリコン基板の裏面、3…電極(正極)、4…電極(負極)、5…太陽電池セル(シリコンセル)、10…光入射側の透明基材、12…裏面側基板(導電積層体)、14…受光側透明封止材、16…裏面側封止材(層間絶縁材)、16a…貫通孔、18…絶縁基材、20…導電層、20a…銅またはニッケル層、20b…導電性金属膜、22A…導電接続部材、22B…導電接続部材

Claims (4)

  1. シリコン基板の受光面とは反対側の面である裏面に、P型半導体を含む正極とN型半導体を含む負極とが間隔をあけて形成された太陽電池セルと、前記太陽電池セルの前記裏面側に間隔をあけて配置され、回路パターンを有する導電層が前記太陽電池セルとの対向面に形成された裏面側基板と、前記太陽電池セルと前記裏面側基板との間を封止する層間絶縁材と、を備え、前記導電層の少なくとも表面部分が銅またはニッケルによって構成され、前記正極及び前記負極と前記導電層との間が、前記層間絶縁材を貫通する導電接続部材によってそれぞれ電気的に接続されたバックコンタクト方式の太陽電池モジュールであって、
    前記層間絶縁材は、エチレン−アクリル酸共重合体およびエチレン−メタクリル酸共重合体の少なくとも一方を含む樹脂と、水分捕捉剤とを含有する樹脂組成物であることを特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 前記樹脂組成物は前記樹脂100質量部に対して0.1質量部以上3. 0質量部以下の前記水分捕捉剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記樹脂が有するカルボキシル基の量は、前記樹脂100質量部に対して2. 0質量部以上30. 0質量部以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の太陽電池モジュール。
  4. JIS K7210に規定された方法に従い、温度190℃、荷重2160gの条件で測定された前記樹脂のメルトフローレートが、3g/10分以上30g/10分以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
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