JP2014186619A - キャッシュフロー管理システム及びキャッシュフロー管理方法 - Google Patents

キャッシュフロー管理システム及びキャッシュフロー管理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】事業所と営業部署の間で互いにキャッシュフローの情報を行き来させることができないため、正確な入金シミュレーションを行うことができず、予測値と実績値に誤差が生じる。
【解決手段】キャッシュフロー管理システム1は、過去に顧客から受注された製品の受注実績情報に含まれる、売掛後に顧客から入金された実績に基づいて計画された、顧客の入金計画を入金計画情報に反映する。そして、入金計画が反映された入金計画情報に基づいて、顧客が計画通りに入金した入金実績が反映される入金モデル情報を更新し、入金モデル情報から読み出した、入金計画と入金実績の乖離が少ない入金パターンに基づいて、入金計画情報を確定する。
【選択図】図5

Description

本発明は、例えば、製造業において必要とされるキャッシュフローを管理するためのキャッシュフロー管理システム及びキャッシュフロー管理方法に関する。
従来、キャッシュフローを管理し、キャッシュフローを最大化する経営をキャッシュフロー経営と呼んでおり、製造業においてキャッシュフロー経営が重視されるようになってきた。ここで、製品又はサービス等の付加価値を顧客に提供することによって、顧客から得られる対価(売掛債権)と、付加価値の提供に必要とされる調達品、人的リソースなどに掛かる費用(買掛債務)に基づいて算出する情報を「キャッシュフロー」と呼ぶ。キャッシュフローを管理するためには、特許文献1に開示された技術が検討されていた。
特許文献1には、貸出債権管理を主としたキャッシュフローの実績情報とリスク情報である回収不能率、返済時期変更確率予測を用いてキャッシュフローを管理する技術が開示されている。
特開2003−141356号公報
ところで、製造業(特に、受注契約毎に製品を生産する個別受注生産を行う製造業)において、各事業所と営業部署が個別にキャッシュフローを管理する場合がある。しかし、各事業所と営業部署が互いにキャッシュフローの情報を行き来させることができず、営業部署で予測した製品の出荷計画、入金計画等と、事業所で実際に生産した製品の受注実績や顧客から入金された金額等が乖離することがあった。
また、製造業においてキャッシュフロー管理を行おうとしても、顧客、仕入先等の経済情勢によって、キャッシュフローの予測値が変動しうるような不安定リスクが潜在している。加えて、顧客、仕入先、自社都合等により製品の生産計画を変更することは、予測から変動した際における大きな偏差要因となっていた。
また、特許文献1に開示された技術を用いても、多数の業務システムから受け取ったキャッシュフローに関する情報を取りまとめることができなかった。このため、未だ債権となっていない受注予測案件や、製作途中の製品に関する受注案件の情報を加味して正確な入金シミュレーションを行うことができず、予測値と実績値に誤差が生じていた。
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、キャッシュフローの予測値と実績値の誤差を少なくすることを目的とする。
本発明は、過去に顧客から受注された製品の受注実績情報に含まれる、売掛後に顧客から入金された実績に基づいて計画された、顧客の入金計画を入金計画情報に反映する。この入金計画が反映された入金計画情報に基づいて、顧客が計画通りに入金した入金実績が反映される入金モデル情報を更新する。
そして、入金モデル情報から読み出した、前記入金計画と前記入金実績の乖離が少ない入金パターンに基づいて、入金計画情報を確定するものである。
本発明によれば、製品を過去に受注した受注実績に基づいて、顧客の入金計画を反映した入金計画情報を確定するため、キャッシュフローを高精度に管理することが可能となる。
本発明の一実施の形態例におけるキャッシュフロー管理システムの構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態例におけるキャッシュフロー管理システムにおけるデータ関連を示すデータ関連図である。 本発明の一実施の形態例における受注実績情報、受注計画情報、入金実績情報の構成内容の例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態例における入金計画情報、入金モデル情報、売掛実績情報、売掛計画情報の構成内容の例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態例におけるキャッシュフロー管理システムの処理例を示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態例における入金モデル情報に格納される情報の具体例を示す説明図である。
以下、本発明の一実施の形態例について、添付図面を参照して説明する。
本実施の形態例に係るキャッシュフロー管理システム1は、コンピュータがプログラムを実行することにより、後述する機能ブロックが連携して行うキャッシュフロー管理方法を実現する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
図1は、キャッシュフロー管理システム1の内部構成例を示すブロック図である。
キャッシュフロー管理システム1は、ユーザインタフェース2、データベースサーバ3、アプリケーションサーバ4、及びWebサーバ5を備える。また、キャッシュフロー管理システム1は、取引先からの受注を管理する受注システム30、売掛金を管理する売掛システム40、入金を管理する入金システム50、製造業における各種製品の工程を管理する工程管理システム60とを備える。
ユーザインタフェース2は、経理担当者等がデータを入力し、画面に映し出された値に基づいて、入金、受注、売掛の計画と実績を把握するために用いられる、いわゆるクライアントPC(Personal Computer)である。ユーザインタフェース2は、画面に画像を表示する表示部2a、キーボード、マウス等からなる操作部2b、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置等を有する本体部2cを備え、ユーザが画面を見ながら操作することが可能である。同様に、データベースサーバ3は、表示部3a、操作部3b、本体部3cを備え、アプリケーションサーバ4は、表示部4a、操作部4b、本体部4cを備え、Webサーバ5は、表示部5a、操作部5b、本体部5cを備えている。
このようにデータベースサーバ3、アプリケーションサーバ4、及びWebサーバ5についても、ユーザインタフェース2と同様の構成としてある。
データベースサーバ3は、HDD(Hard disk drive)、テープ装置等の大容量記録装置によって構成されており、情報格納部20内の各種の情報ファイルを格納している。
アプリケーションサーバ4は、データベースサーバ3から読み出したファイルに基づいて、演算処理部10内の各処理を行い、データベースサーバ3に処理後のファイルを書き込む。
Webサーバ5は、アプリケーションサーバ4によって処理された情報を、ユーザインタフェース2がWebブラウザで閲覧可能とする画像を作成する。そして、Webサーバ5は、ユーザインタフェース2で稼働するWebブラウザを介して入力されたデータをアプリケーションサーバ4に受け渡す。
さらに、キャッシュフロー管理システム1は、演算処理部10と、情報格納部20とを備える。演算処理部10は、各種の情報処理部(プログラム等)を用いて、所定の演算処理を行うものであって、不図示のCPUが動作を制御する。ユーザインタフェース2、データベースサーバ3、アプリケーションサーバ4、及びWebサーバ5は、それぞれ回線6によって演算処理部10に接続されており、相互にアクセス可能である。また、演算処理部10は、回線31,32によって接続された受注システム30から受注実績情報24と受注計画情報25を受け取ることが可能である。また、演算処理部10は、回線41によって接続された売掛システム40から売掛実績情報26を受け取り、回線51によって接続された入金システム50から入金実績情報21を受け取ることが可能である。また、演算処理部10は、回線61によって接続された工程管理システム60から売掛計画情報27を受け取ることが可能である。
演算処理部10は、入金実績情報取込処理部11、入金モデル情報更新処理部12、受注実績情報による入金計画初期作成処理部13、入金計画情報確定処理部14、及び受注計画情報による入金計画初期作成処理部15を備える。これらの各処理部が行う詳細な処理例は後述する。受注実績情報による入金計画初期作成処理部13は、第1の入金計画初期作成処理部の一例として用いられ、受注計画情報による入金計画初期作成処理部15は、第2の入金計画初期作成処理部の一例として用いられる。
また、情報格納部20は、演算処理部10が各システムから受け取った入金実績情報21、入金計画情報22、入金モデル情報23、受注実績情報24、受注計画情報25、売掛実績情報26、及び売掛計画情報27を格納する。これら各情報の詳細な内容例は後述する。
ここで、以降の説明で用いられる、用語の説明を行う。
受注実績とは、顧客と契約を締結し、実際に製品の受注に結びつけた実績を表す。
受注計画とは、顧客から製品を受注すると予測した予測値を表す。本実施の形態例に係るキャッシュフロー管理システム1では、顧客との契約を締結する前に受注が計画されることとなる。
売掛実績とは、顧客から売掛金を回収した実績を表す。
売掛計画とは、受注計画に基づいて予測される顧客への売掛金の計画を表す。
また、製品コードは、受注した製品を一意に識別するために製品毎に付される符号である。
営業コードは、営業部署を一意に識別するために営業部署毎に付される符号である。
顧客コードは、顧客を一意に識別するために顧客毎に付される符号である。
ここで、入金モデル情報23に含まれる顧客コード、営業コード、製品コード、金額までの情報を、入金パターンを自動的に判定するための「自動判別キー」としている。入金実績情報21及び受注実績情報24に含まれる、顧客から受注する契約単位の案件は、自動判別キーによって規定される。
さらに、自動判別キーに加えて、入金分割回数、入金分割期間、入金按分パターン、入金月数(売掛後月数とも呼ぶ)を、実績カウントを更新するための「実績カウント更新キー」としている。この実績カウント更新キーは、他の計画カウント等の照合にも用いられるカウント更新キーの一例として挙げたものである。
なお、売掛後月数とは、売掛後、入金が開始されるまでに要する月数を表すが、以下の説明では、入金月数として説明を行う。
案件件数とは、顧客から受注する契約単位の受注番号の数である。入金の金額、分割回数等は、受注番号毎(契約毎)に計画されることとなる。
実績カウントとは、入金実績情報21と入金モデル情報23を、実績カウント更新キーで照合し、一致した案件件数である。なお、実績カウントには、受注実績情報24及び売掛実績情報26を案件毎に、実績カウント更新キーで照合し、一致した案件件数も含まれる。
計画カウントとは、入金計画情報22と入金モデル情報23を、実績カウント更新キーで照合し、一致した案件件数である。
不一致カウントとは、受注計画情報25、受注実績情報24から案件毎に示される案件の入金計画が実績と不一致となった案件件数(すなわち、計画通りに入金されなかった件数)である。不一致カウントは、計画カウントに対する実績カウントの差分として求められる。
実績ヒット率とは、受注計画情報25、受注実績情報24から案件毎に示される案件の入金計画が入金実績と一致した案件件数(すなわち計画通りに入金された件数)の計画カウントに対する割合である。つまり、実績ヒット率は、計画カウントに対する、計画カウントから不一致カウントを減じた値の割合として求められる。
信頼順位とは、同一の実績カウント更新キーの中に含まれる案件であって、実績カウントの多い順に順位を付けた値である。
次に、各処理部が行う処理例を説明する。
受注実績情報による入金計画初期作成処理部13は、過去に顧客から受注された製品の受注実績情報24に含まれる、売掛後に顧客から入金された実績に基づいて計画された顧客の入金計画を入金計画情報22に反映する。すなわち、受注実績情報による入金計画初期作成処理部13は、売掛システム40から受け取る売掛実績情報26、工程管理システム60から受け取る売掛計画情報27、受注システム30から受け取る受注実績情報24に基づき、初期の入金計画情報22を作成する。受注実績情報による入金計画初期作成処理部13が作成する入金計画情報22は、顧客から受注すると予測される受注予測を済ませた製品の入金計画を管理するために用いられる。
入金モデル情報更新処理部12は、受注実績情報による入金計画初期作成処理部13と、受注計画情報による入金計画初期作成処理部15の処理結果である入金計画情報22を用いて、入金モデル情報23に含まれる計画カウントと実績ヒット率を更新する。
入金計画情報確定処理部14は、入金モデル情報更新処理部12が出力した入金モデル情報23と、受注計画情報による入金計画初期作成処理部15が出力した入金計画情報22に基づいて、最適な入金計画情報22を作成する。最適な入金計画情報22とは、信頼性の高い入金計画であることを表す。例えば、入金計画情報22に基づいて、入金実績情報21等の過去に行われた入金の情報を元にリスクを「実績ヒット率」として数値化している。
ここで、入金計画情報22の計画された入金額(入金予定額)は、入金モデル情報22の実績ヒット率を加味して設定された値である。さらに、入金モデル情報23で合致する入金パターンの信頼順位が1位となる案件により非実績ヒット率(100%−実績ヒット率)分が設定されている。例えば、入金計画情報確定処理部14は、入金予定額である“10万円”に対し、実績ヒット率が“70%”の場合における入金予定額である“7万円”が合致した入金モデル情報23により入金計画情報22を更新する。さらに、入金計画情報確定処理部14は、入金パターンの信頼順位が1位である入金モデルに基づいて、入金予定額の残高である“3万円”により入金計画情報22を更新する。入金モデル情報23の最適な入金モデルは、後述する図6に示すように信頼順位が1位となる入金パターンによって示される。
入金実績情報取込処理部11は、過去に顧客から入金された実績を示す入金実績情報21を入金モデル情報23に反映する。すなわち、入金実績情報取込処理部11は、入金システム50から回線51を通じて受け取った入金実績情報21に基づいて、入金モデル情報23内の実績カウント、不一致カウント、実績ヒット率(後述する図3を参照)を更新する。
受注計画情報による入金計画初期作成処理部15は、製品の受注計画に対し、顧客が計画通りに入金した入金実績が反映される入金モデル情報23から抽出した入金パターンを用いて、顧客が入金する計画を示す入金計画情報22を作成する。すなわち、受注計画情報による入金計画初期作成処理部15は、受注システム30から回線32を通じて受け取った受注計画情報25と、入金実績情報取込処理部11から受け取った入金モデル情報23に基づいて、初期の入金計画情報22を作成する。受注計画情報による入金計画初期作成処理部15が作成する入金計画情報22は、顧客と受注契約を済ませた製品についての入金計画を管理するために用いられる。
なお、受注計画情報による入金計画初期作成処理部15によって作成された入金計画情報22を用いて、入金モデル情報更新処理部12が入金モデル情報23を更新する。その後、受注実績情報による入金計画初期作成処理部13によって作成された入金計画情報22を用いて、入金モデル情報更新処理部12が入金モデル情報23を更新する。このため、入金モデル情報更新処理部12と入金計画情報確定処理部14は、受注実績に基づいて入金計画を確定する処理と、受注計画に基づいて入金計画を確定する処理の両方で共通処理として用いられる。
図2は、キャッシュフロー管理システム1におけるデータ関連を示すデータ関連図である。
図2には、図1と同様の内容を記載してあるが、情報格納部20に格納される各情報がどのように演算処理部10内の各処理に用いられるかを示すためにデータの入出力を矢印で表している。
入金実績情報取込処理部11には、入金実績情報21が入力される。そして、入金実績情報取込処理部11は、入金モデル情報23を出力する。
入金モデル情報更新処理部12は、入金計画が反映された入金計画情報22に基づいて、顧客が計画通りに入金した入金実績が反映される入金モデルを更新した入金モデル情報23を出力する。
受注実績情報による入金計画初期作成処理部13には、入金モデル情報23、受注実績情報24、売掛実績情報26、及び売掛計画情報27が入力される。そして、受注実績情報による入金計画初期作成処理部13は、初期の入金計画情報22を出力する。
入金計画情報確定処理部14には、入金計画情報22、入金モデル情報23が入力される。そして、入金計画情報確定処理部14は、入金モデル情報23から読み出した、入金計画と入金実績の乖離が少ない入金パターンに基づいて、確定した入金計画情報22を出力する。
受注計画情報による入金計画初期作成処理部15には、受注計画情報25が入力される。そして、受注計画情報による入金計画初期作成処理部15は、初期の入金計画情報22を出力する。
次に、各情報に含まれる内容について説明する。
図3は、入金実績情報21、入金計画情報22、入金モデル情報23の構成内容の例を示す。
入金実績情報21は、受注番号、製品コード、営業コード、顧客コード、分割ナンバー、請求日(売掛日)、入金方法、入金額、入金日、売掛残高、完結日等の内容によって構成される。
入金計画情報22は、受注番号、製品コード、営業コード、顧客コード、分割ナンバー、請求日(売掛日)、入金方法、入金額、入金日(入金予定日)、売掛残高、完結日等の内容によって構成される。
入金モデル情報23は、入金パターンナンバー、顧客コード、営業コード、製品コード、金額、入金分割回数、入金分割期間、入金按分パターン、入金月数、実績カウント、計画カウント、不一致カウント、信頼順位、実績ヒット率等の内容によって構成される。入金モデル情報23は、入金実績情報21、受注実績情報24等に対する実績カウント更新キーを用いた照合に際して用いられる。なお、入金実績情報21、受注実績情報24に加えて、入金計画情報22には、実績カウント更新キー内の入金分割回数、入金分割期間、入金按分パターン、入金月数を図示していない。しかし、入金実績情報21又は入金計画情報22に含まれる自動判別キー(受注番号、製品コード、顧客コード、営業コード、金額)毎に同一となる情報を集計し、この集計した結果から入金分割回数、入金分割期間、入金按分パターン、入金月数を設定可能である。
上述したように入金モデル情報23に含まれる実績カウントは、入金実績情報21との実績カウント更新キーの合致件数を示し、計画カウントは、入金計画情報22との実績カウント更新キーの合致件数を示す。そして、入金モデル情報23に含まれる不一致カウントは、入金実績情報21と入金計画情報22との実績カウント更新キーの不一致件数を示す。
そして、入金モデル情報23に対して、実績カウント更新キーを用いて入金実績情報21又は入金計画情報22が照合される。この照合結果より、入金モデル情報23と入金実績情報21の実績カウント更新キーが一致すると、入金モデル情報23の実績カウントが加算される。同様に、入金モデル情報23と入金計画情報22の実績カウント更新キーが一致すると、入金モデル情報23の計画カウントが加算される。
また、入金モデル情報23は、同一の実績カウント更新キー内において実績カウントが多い順に順位付けを行った結果を保持する信頼順位と、実績ヒット率によって構成される。実績ヒット率は、入金計画を変更させるようなリスクが織り込まれた項目であり、入金計画情報22に対する入金実績情報21の実績カウント更新キーが合致する案件の比率を表す。後述する図6に、実績ヒット率の具体例を示している。実績ヒット率が100%であればリスクはなく、実績ヒット率が100%から下がると、リスクが生じていることを示す。
図4は、受注実績情報24、受注計画情報25、売掛実績情報26、売掛計画情報27の構成内容の例を示す。
受注実績情報24は、受注番号、製品コード、営業コード、受注金額、顧客コード、入金分割回数、入金分割期間、入金分割按分パターン、入金月数、納期等の内容によって構成される。入金分割按分パターンは、入金分割時の入金比率を保持するものである。
受注計画情報25は、受注番号、製品コード、営業コード、受注金額、顧客コード、納期等の内容によって構成される。
売掛実績情報26は、受注番号、製品コード、営業コード、顧客コード、売掛日、売掛金額等の内容によって構成される。
売掛計画情報27は、受注番号、製品コード、営業コード、顧客コード、売掛日(売掛予定日)、売掛金額等の内容によって構成される。
図5は、キャッシュフロー管理システム1の処理例を示すフローチャートである。
始めに、入金実績情報取込処理部11は、入金実績情報21に基づいて、入金モデル情報23に含まれる実績カウント更新キー毎に案件件数をカウントする。
そして、入金実績情報取込処理部11は、カウントした案件件数により入金月数の順位付けを行い、最上位(1位)となる入金分割回数、入金分割期間、入金分割按分パターン、入金月数を最も信頼性の高い入金モデルとして入金モデル情報23を更新する。さらに、入金実績情報取込処理部11は、入金モデル情報23に含まれる実績カウント、不一致カウント、信頼順位、実績ヒット率の更新を行う。
次に、受注計画情報による入金計画初期作成処理部15は、入金計画情報22に含まれる案件毎に、入金モデル情報23に含まれる案件と実績カウント更新キーで照合する。そして、実績カウント更新キーが一致した案件件数を計画カウントとして入金計画情報22を更新する。このとき、受注計画情報による入金計画初期作成処理部15は、受注計画情報25に基づいて、製品コード、営業コード、顧客コード、金額により、入金モデル情報23に含まれる信頼順位の中で、最上位(1位)となる入金モデルを抽出する。そして、入金モデル情報23に含まれる入金分割回数、入金分割期間、入金分割按分パターン、入金月数により、初期の入金計画情報22を作成する。
次に、受注実績情報による入金計画初期作成処理部13は、受注実績情報24及び売掛実績情報26に含まれる案件毎に、売掛計画情報27に含まれる案件と実績カウント更新キーで照合する。そして、実績カウント更新キーが一致した案件件数を実績カウントとして入金計画情報22を更新する。また、受注実績情報による入金計画初期作成処理部13は、受注実績情報24に含まれる売掛後に顧客から入金された実績を、製品の生産計画に基づいて計画された製品の売掛計画情報27の売掛日(売掛予定日)、又は製品の売掛実績情報26の売掛日に加算する。これにより、受注実績情報による入金計画初期作成処理部13は、顧客が入金する入金予定日を作成する。
このとき、受注実績情報による入金計画初期作成処理部13は、受注実績情報24に含まれる入金条件である売掛後に入金するまでの月数を売掛計画情報27に含まれる売掛日又は、売掛実績情報26の売掛日に加算し、売掛金の入金予定日を設定する。さらに、受注実績情報による入金計画初期作成処理部13は、受注実績情報24の入金条件として入金分割回数、入金分割期間、入金分割按分パターンを抽出した場合は、入金計画情報22に複数の売掛金の入金日(入金予定日)を設定することができる。
次に、入金モデル情報更新処理部12は、入金計画情報22に基づいて、入金モデル情報23に含まれる計画カウント及び実績カウントを更新する。このとき、入金モデル情報更新処理部12は、受注実績情報24による入金計画初期作成処理部13、又は受注計画情報による入金計画初期作成処理部15の処理結果として出力される入金計画情報22を用いて、入金モデル情報23の更新処理を行う。この処理では、入金計画情報22に含まれる顧客コード、営業コード、製品コード、入金額と共に、上述した処理によって設定した入金分割回数、入金分割期間、入金分割按分パターン、入金月数により、実績ヒット率を更新している。このとき、入金モデル情報更新処理部12は、入金モデル情報23に含まれる計画カウントのカウントアップを行う。
また、入金モデル情報更新処理部12は、更新した計画カウント及び実績カウントに基づいて、不一致カウントと実績ヒット率を求める。
このとき、入金モデル情報更新処理部12は、入金計画情報22への「リスク反映項目」として用いられる実績ヒット率を、次式(1)によって求め、更新している。そして、求めた不一致カウント及び実績ヒット率を入金モデル情報23に反映する。
実績ヒット率=[計画カウント−不一致カウント]/計画カウント …(1)
さらに、入金モデル情報更新処理部12は、案件の入金パターン毎に、実績カウントの順位付けを行う。そして、入金計画に対する入金実績の信頼順位を入金モデル情報23に反映する。
次に、入金計画情報確定処理部14は、入金計画情報22に含まれる入金額に実績ヒット率を乗じた金額を入金計画情報22に反映する。このとき、入金計画情報確定処理部14は、受注実績情報による入金計画初期作成処理部13又は、受注計画情報による入金計画初期作成処理部15の処理結果として出力される入金計画情報22の計画された入金額に実績ヒット率を乗じた金額を算出する。そして、入金計画の確定情報として算出した金額により入金計画情報22を更新している。
なお、入金計画情報確定処理部14は、実績ヒット率が100%以外であれば、実績カウント更新キーで照合した案件群を入金計画情報22から抽出する。そして、入金計画情報確定処理部14は、入金モデル情報23に反映された順位付けに基づいて、最上位となる信頼順位によって入金モデル情報23から抽出した入金パターンを入金計画情報22に反映することで、リスクに基づいて計画された入金計画を作成する。
図6は、入金モデル情報23に格納される情報の具体例を示す説明図である。
ユーザインタフェース2の表示部2aには、図6に示す入金モデル情報23が一覧リストとして表示される。入金モデル情報23には、自動判別キー、実績カウント更新キーの順に複数の案件がソートして格納されている。
ここで、入金パターンナンバー“1”の案件を説明する。
入金パターンナンバー“1”〜“13”までの案件群は、顧客コードが“A”、営業コードが“東京”、製品コードが“システムA”、金額が“10万円”とした場合における入金モデルを表している。そして、入金パターンナンバー“14”〜“27”までの案件群は、顧客コードが“A”、営業コードが“東京”、製品コードが“システムA”、金額が“20万円”とした場合における入金モデルとなっている。各案件は、自動判別キーを含む実績カウント更新キーによってソートされている。
入金分割期間は、入金の開始から終了までの期間(月数)を表す値であり、請求月の翌月を起算月としている。入金分割回数“1”とは一括払いを意味するため、入金分割期間を“1”としている。入金分割回数“0”の場合は、「按分なし」となるが、1回の均等入金が必要とされる。なお、入金パターンナンバー“5”の案件では、入金月数が“−2”のように負の値を取る。これは、顧客との契約により請求前に入金する場合に、売掛月を起算月として月数を遡って計算したためである。
入金パターンナンバー“1”〜“13”までの案件群のうち、信頼順位が“1”となる案件は、入金分割回数“2”、入金分割期間“2”、按分パターン“C(70%/30%)”である。このため、顧客コード“A”で表される顧客は、入金分割回数を2回とし、入金分割期間を2月とし、1回目の入金予定は7万円であり、2回目の入金予定は3万円とする入金計画が、過去の受注実績、売掛実績、入金実績から求めることができる。
以上説明した一実施の形態例に係るキャッシュフロー管理システム1によれば、入金実績情報21の内容を反映した入金モデル情報23と、受注計画情報25に基づいて入金計画情報22に含まれる計画カウントと実績ヒット率を更新する。また、受注実績情報24、売掛実績情報26及び売掛計画情報27に基づいて入金計画情報22に含まれる売掛金の請求日(入金予定日となる売掛日)を更新する。その後、入金モデル情報更新処理部12によって、入金モデル情報23の入金モデルが更新され、入金計画情報確定処理部14によって、入金計画情報22が確定される。
このようにして、営業部署で管理するキャッシュフローに関連する顧客との契約情報と、事業所等の生産拠点で管理している製品製作、出荷計画に関連する情報を融合している。そして、計画段階で未だ債権となっていない受注予測案件や製作途中の製品に関する受注案件であっても、過去の売掛実績、入金実績等を反映した高精度なキャッシュフローの計画と実績管理(資金収支シミュレーション)を実現することが可能となる。また、取引に際して、顧客、仕入れ先等の入出金情報を保有しない事業所であっても製品番号単位でキャッシュフローを管理できるようになる。このため、売掛計画情報が最終的な計画となるような製品の生産計画と連動した入金シミュレーションを実現することができる。
なお、上述した実施の形態例における一連の処理は、ソフトウェアの代わりにハードウェアにより実行することもできる。なお、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、又は各種の機能を実行するためのプログラムをインストールしたコンピュータにより、実行可能である。例えば汎用のパーソナルコンピュータ等に所望のソフトウェアを構成するプログラムをインストールして実行させればよい。
また、上述した実施の形態例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給してもよい。また、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(又はCPU等の制御装置)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、機能が実現されることは言うまでもない。
この場合のプログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施の形態例の機能が実現される。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS等が実際の処理の一部又は全部を行う。その処理によって上述した実施の形態例の機能が実現される場合も含まれる。
また、本発明は上述した実施の形態例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上記した実施形態例は本開示を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細且つ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることは可能であり、更にはある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1…キャッシュフロー管理システム、2…ユーザインタフェース、3…データベースサーバ、4…アプリケーションサーバ、5…Webサーバ、10…演算処理部、11…入金実績情報取込処理部、12…入金モデル情報更新処理部、13…受注実績情報による入金計画初期作成処理部、14…入金計画情報確定処理部、15…受注計画情報による入金計画初期作成処理部、20…情報格納部、21…入金実績情報、22…入金計画情報、23…入金モデル情報、24…受注実績情報、25…受注計画情報、26…売掛実績情報、27…売掛計画情報

Claims (7)

  1. 過去に顧客から受注された製品の受注実績情報に含まれる、売掛後に前記顧客から入金された実績に基づいて計画された前記顧客の入金計画を入金計画情報に反映する第1の入金計画初期作成処理部と、
    前記入金計画が反映された前記入金計画情報に基づいて、前記顧客が計画通りに入金した入金実績が反映される入金モデル情報を更新する入金モデル情報更新処理部と、
    前記入金モデル情報から読み出した、前記入金計画と前記入金実績の乖離が少ない入金パターンに基づいて、前記入金計画情報を確定する入金計画情報確定処理部と、を備える
    キャッシュフロー管理システム。
  2. さらに、過去に入金された実績を示す入金実績情報を前記入金モデル情報に反映する入金実績情報取込処理部と、
    製品の受注計画に対し、前記入金モデル情報から抽出した前記入金パターンを用いて作成した前記入金計画情報に含まれる顧客から受注する契約単位の案件毎に、前記入金モデル情報に含まれる前記案件とカウント更新キーで照合し、前記カウント更新キーが一致した案件件数を計画カウントとして前記入金計画情報を更新する第2の入金計画初期作成処理部と、を備える
    請求項1記載のキャッシュフロー管理システム。
  3. 前記第1の入金計画初期作成処理部は、前記受注実績情報、及び売掛実績情報に含まれる前記案件毎に、前記製品の生産計画に基づいて計画された前記製品の売掛計画情報に含まれる前記案件とカウント更新キーで照合し、前記カウント更新キーが一致した前記案件件数を実績カウントとして前記入金計画情報を更新し、
    前記入金モデル情報更新処理部は、前記入金計画情報に基づいて、前記入金モデル情報に含まれる前記計画カウント及び前記実績カウントを更新し、更新した前記計画カウント及び前記実績カウントに基づいて求めた、前記計画カウントに対する前記実績カウントの差分である不一致カウントと、前記計画カウントから前記計画カウントを減じた値に対する前記計画カウントの割合である実績ヒット率を前記入金モデル情報に反映し、
    前記入金計画情報確定処理部は、前記入金計画情報に含まれる入金額に前記実績ヒット率を乗じた金額を前記入金計画情報に反映する
    請求項2記載のキャッシュフロー管理システム。
  4. 前記入金モデル情報更新処理部は、前記案件の入金パターン毎に、前記実績カウントの順位付けを行って、入金計画に対する入金実績の信頼順位を前記入金モデル情報に反映し、
    前記入金計画情報確定処理部は、前記入金モデル情報に反映された前記順位付けに基づいて、最上位となる前記信頼順位によって前記入金モデル情報から抽出した前記入金パターンを前記入金計画情報に反映する
    請求項3記載のキャッシュフロー管理システム。
  5. 前記第1の入金計画初期作成処理部は、前記受注実績情報に含まれる売掛後に前記顧客から入金された実績を、前記売掛計画情報の売掛予定日、又は前記製品の売掛実績情報の売掛日に加算して、前記顧客が入金する入金予定日を作成する
    請求項4記載のキャッシュフロー管理システム。
  6. 前記入金実績情報及び前記受注実績情報に含まれる前記案件は、顧客コード、営業コード、製品コード、金額によって規定され、前記入金モデル情報に含まれる自動判別キーによって判別され、
    前記カウント更新キーには、前記顧客コード、前記営業コード、前記製品コード、前記金額、入金分割回数、入金分割期間、入金按分パターン、入金月数によって規定される
    請求項1〜5のいずれかに記載のキャッシュフロー管理システム。
  7. 過去に顧客から受注された製品の受注実績情報に含まれる、売掛後に前記顧客から入金された実績に基づいて計画された前記顧客の入金計画を入金計画情報に反映するステップと、
    前記入金計画が反映された前記入金計画情報に基づいて、前記顧客が計画通りに入金した入金実績が反映される入金モデル情報を更新するステップと、
    前記入金モデル情報から読み出した、前記入金計画と前記入金実績の乖離が少ない入金パターンに基づいて、前記入金計画情報を確定するステップと、を含む
    キャッシュフロー管理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019008836A (ja) * 2018-10-17 2019-01-17 アルトア株式会社 情報処理装置及びプログラム
JP2021039610A (ja) * 2019-09-04 2021-03-11 株式会社オービック 賃貸管理装置、賃貸管理方法、及び賃貸管理プログラム
JP7569438B2 (ja) 2020-03-03 2024-10-17 株式会社オービック 超過分反映装置、超過分反映方法および超過分反映プログラム

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