JP2018106283A - リアルタイム貸借対照表作成システム及びプログラム、並びに貸借対照表評価プログラム及び資金循環速度評価プログラム - Google Patents

リアルタイム貸借対照表作成システム及びプログラム、並びに貸借対照表評価プログラム及び資金循環速度評価プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】材料仕入れから製品出荷までの刻々の物流情報を取得し、即時に貸借対照表を更新するリアルタイム貸借対照表作成システム及びプログラム、貸借対照表評価プログラム、サプライチェーンにおける資金循環速度評価プログラムを提供する。【解決手段】リアルタイム貸借対照表作成システム1は、材料仕入から製品出荷までの工程毎の物流情報をリアルタイムに取得する物流追跡部2と、部品表データ及び工程データを含む生産データを取得する生産データ取得部3と、基準となる貸借対照表を記憶する貸借対照表記憶部4と、直近までの物流情報を即時且つ順次に仕訳する即時仕訳部22と、仕訳された結果を用いて貸借対照表を更新することによりリアルタイム貸借対照表を作成する貸借対照表更新部5と、を備えることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、リアルタイム貸借対照表作成システム及びプログラム、並びに貸借対照表評価プログラム及び資金循環速度評価プログラムに関する。詳しくは、材料の仕入れから製品を出荷するまでの物流情報をリアルタイムに取得し、即時に貸借対照表を更新するリアルタイム貸借対照表作成システム及びリアルタイム貸借対照表作成プログラム、並びに貸借対照表の質を評価するための貸借対照表評価プログラム及びサプライチェーンにおける資金循環期間を評価するための資金循環速度評価プログラムに関する。
我が国の上場企業の当期利益の分布は、図16に示すように、「ちょっと赤字」の企業が異常に少ないという現状である。これは、貸借対照表の質を痛めてでも、損益計算書に表される短期利益を高めることを優先する企業の価値観に支配されているものといえる。製造業においては、「流れ創り」が重要である。「流れ創り」とは、物と金が「よどみなくスーっと流れるようにする」こと、すなわち部材仕入から生産、出荷、検収、入金までのすべてが切れ目なく一気通貫でつながることである。しかし、「流れ創り」の進捗は、損益計算書に基づく短期利益をみるのみでは評価できないという問題がある。「流れ創り」を進めるためには、ものづくり経営の価値観を短期利益志向から中長期利益志向に転換させ、財務結果よりもプロセスの進化を重視することが必要になる。従来、所謂「株主価値経営」として、損益計算書における短期期間損益を重視する実務慣行が浸透している。具体的には、財務三表の優先順序は、損益計算書、キャッシュフロー計算書、貸借対照表の順とされてきた。この優先順序を、(1)貸借対照表、(2)キャッシュフロー計算書、(3)損益計算書の優先順序に組み替え、貸借対照表の質の中長期的進化を重視する方向に誘導することを可能とする会計理論が必要である。また、それを可能にする情報技術が必要である。
更に、我が国においては、多くの場合調達業務は月次決済されており、例えば週次決済の米国とは大きな差があり、マクロ経済的にも問題となっている。支払サイトの短縮を図り、サプライチェーン全体における金の流れを迅速化することが求められている。
また、「流れ創り」には、生産の価値観を「大量・見込み生産志向」(経営資源の効率的稼働)から「限量・受注生産志向」(必要なものを必要なときに作る)に転換させることが必要であり、そのためには生産期間の短縮を図らなくてはならない。この課題の解決手段として、物の流れがよどむ停滞を含む経過時間(リードタイム)全体に予定製造間接費をチャージする「リードタイム基準配賦(LTB)」が有効である(特許文献1を参照)。
特開2016−51223号
ものづくりの経営情報の特性は、図1に示すように、3階層で説明することができる。第1層及び第2層は主として生産現場における情報であり、第3層は主として本社の情報である。前記のとおり、生産現場において「流れ創り」を命題にするとき、本社は、売上高利益率のような短期利益を求めるのではなく、中長期的な利益、更には貸借対照表の質を重視する姿勢で呼応できなければならない。そのような生産現場の命題と本社の経営判断とをつなぐシステム技術は確立されていない。
物の流れをリアルタイムに追跡可能とする様々な技術が開発されている。IoTと呼ばれる技術も採用可能である。物の流れをリアルタイムに追跡することによって、貸借対照表(図14参照)において物の流れの影響を受ける勘定科目を更新することができ、その貸借対照表に基づいてリアルタイムに「流れ創り」をモニタすることが可能になる。貸借対照表は単にストックを表すものではなく、図15に示すように、資産と負債の絶えざる流動として把握すべきものである。「流れ創り」の進捗により、流動資産(在庫)の総資産に対する相対的な減少、仕入債務の減少、ひいては純財産(利益)の増という貸借対照表の質の好転が生じる。従来の会計実務では、このような貸借対照表の質は、会計年度に数度、決算棚卸を経て測定されるに止まっている。
また、従来の財務原価会計においては、「流れ創り」の狙いともいうべき「リードタイム短縮による資源余剰の発生」までが「期首予定の操業度が未達となる操業度損失」とされ、旧来の資源稼働中心の価値観が維持されている。これは「流れ創り」志向に対する心理的ブレーキともなっている。流れ改善により創造された資源余剰こそ、在庫減を通じてキャッシュフローの増加と貸借対照表の質の改善を生み出し、中長期的な利益につながるものである。
企業内のものづくりの価値観を「大量・見込み生産志向」から「限量・受注生産志向」に転換させることは容易でない。このような価値観の転換には、経営指標(KPI)を資源稼働重視型から流れ重視型に切り替え、その進化状況を情報処理技術により測定し、全社、全階層、全工程で常時共有化することが必要である。
また、物の流れと会計をつなぐためには、物の流れと金の流れの同期化を図る必要がある。そのため、購買・販売・収支等の情報を取得し、物の流れの情報と合わせて貸借対照表を作成する必要がある。
更に、「流れ創り」のためには、前記のとおり、社内工程のリードタイム短縮ばかりでなく、サプライチェーン全体の流れ改善を図る必要がある。
以上のような課題を達成するには、「時々締める」貸借対照表から「常時締める」貸借対照表へ転換させ、「流れ創り」の進化程度を全社(全階層、部門、サプライチェーン)で共有化する仕組みが必要である。
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、材料の仕入れから製品を出荷するまでの物流情報をリアルタイムに取得し即時に貸借対照表を更新すると共に、営業活動情報を取得し貸借対照表を基にサプライチェーン全体の流れ改善を促すリアルタイム貸借対照表作成システム及びリアルタイム貸借対照表作成プログラムを提供することを目的とする。また、貸借対照表の質を評価するための貸借対照表評価プログラム、及びサプライチェーンにおける資金循環期間を評価するための資金循環速度評価プログラムを提供することを目的とする。
1.製品の品目及びロット毎に、材料の仕入れから製品を出荷するまでの工程毎の物流情報をリアルタイムに取得する物流追跡部と、
別途設けられている生産管理システムに備えられたマスタファイルにアクセスし、部品表データ及び工程データを含む生産データを取得する生産データ取得部と、
基準となる貸借対照表を記憶する貸借対照表記憶部と、
前記生産データ取得部によって取得される前記生産データを参照して、前記物流追跡部により取得された直近までの前記物流情報を、即時且つ順次に、貸借対照表の棚卸資産に当たる勘定科目について仕訳する即時仕訳部と、
前記即時仕訳部によって仕訳された結果を用いて、即時且つ順次に、前記貸借対照表記憶部に記憶されている前記貸借対照表を更新することにより、当該時点における貸借対照表をリアルタイム貸借対照表として作成する貸借対照表更新部と、
を備えることを特徴とするリアルタイム貸借対照表作成システム。
2.前記リアルタイム貸借対照表に基づき、下記式(1)で表される評価指標BSQを即時に算出する即時指標算出部を備える前記1.記載のリアルタイム貸借対照表作成システム。
BSQ=(M+R)/A+N/C (1)
(式中、Mは棚卸資産の額であり、Rは売上債権の額であり、Aは現金預金を除く資産合計額であり、Nは仕入債務の額であり、Cは負債及び資本合計額である。)
3.前記貸借対照表更新部は、前日の貸借対照表における棚卸資産の額に対する当日の貸借対照表における棚卸資産の額の増減額を仕訳し、その結果を当日物流取引データとして当日取引トランザクションファイルに記憶させ、
当日における買掛金の発生及び支払を含む当日購買データ、当日における売掛金の発生及び代金の回収を含む当日販売データ、並びに当日における入金及び出金を含む当日収支データを取得すると共に、前記当日購買データ、前記当日販売データ及び前記当日収支データをそれぞれの勘定科目について仕訳し、その結果を当日営業取引データとして前記当日取引トランザクションファイルに記憶させる営業取引データ取得部と、
前記当日取引トランザクションファイルに記憶された前記当日物流取引データ及び前記当日営業取引データを仕訳し、その結果を当日試算表トランザクションファイルに記憶させる当日取引データ仕訳部と、
前記当日試算表トランザクションファイルに記憶された仕訳結果に基づき、当日における貸借対照表、損益計算書及びキャッシュフロー計算書を当日財務三表として作成する当日財務三表作成部と、
を備える前記1.又は2.に記載のリアルタイム貸借対照表作成システム。
4.前記当日財務三表に基づき、下記式(2)で表される評価指標SCCCを算出する当日指標算出部を備える前記3.記載のリアルタイム貸借対照表作成システム。
SCCC=(M/C+R/S+P/C)・D (2)
(式中、Mは棚卸資産の額であり、Cは売上原価の額であり、Rは売上債権の額であり、Sは売上高であり、Pは仕入債務の額であり、Dは年間日数である。)
5.前記当日財務三表を変換することにより、所定の財務会計基準に基づく財務三表を作成する財務三表変換部を備える前記3.又は4.に記載のリアルタイム貸借対照表作成システム。
6.製品の品目及びロット毎に、材料の仕入れから製品を出荷するまでの工程毎の物流情報をリアルタイムに取得する物流追跡機能と、
別途設けられている生産管理システムに備えられたマスタファイルにアクセスし、部品表データ及び工程データを含む生産データを取得する生産データ取得機能と、
基準となる貸借対照表を記憶する貸借対照表記憶機能と、
前記生産データ取得機能によって取得される前記生産データを参照して、前記物流追跡機能により取得された直近までの前記物流情報を、即時且つ順次に、貸借対照表の棚卸資産に当たる勘定科目について仕訳する即時仕訳機能と、
前記即時仕訳機能によって仕訳された結果を用いて、即時且つ順次に、前記貸借対照表記憶機能に記憶されている前記貸借対照表を更新することにより、当該時点における貸借対照表をリアルタイム貸借対照表として作成する貸借対照表更新機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とするリアルタイム貸借対照表作成プログラム。
7.前記リアルタイム貸借対照表に基づき、下記式(1)で表される評価指標BSQを即時に算出する即時指標算出機能を備える前記6.記載のリアルタイム貸借対照表作成プログラム。
BSQ=(M+R)/A+N/C (1)
(式中、Mは棚卸資産の額であり、Rは売上債権の額であり、Aは現金預金を除く資産合計額であり、Nは仕入債務の額であり、Cは負債及び資本合計額である。)
8.前記貸借対照表更新機能は、前日の貸借対照表における棚卸資産の額に対する当日の貸借対照表における棚卸資産の額の増減額を仕訳し、その結果を当日物流取引データとして当日取引トランザクションファイルに記憶させ、
当日における買掛金の発生及び支払を含む当日購買データ、当日における売掛金の発生及び代金の回収を含む当日販売データ、並びに当日における入金及び出金を含む当日収支データを取得すると共に、前記当日購買データ、前記当日販売データ及び前記当日収支データをそれぞれの勘定科目について仕訳し、その結果を当日営業取引データとして前記当日取引トランザクションファイルに記憶させる営業取引データ取得機能と、
前記当日取引トランザクションファイルに記憶された前記当日物流取引データ及び前記当日営業取引データを仕訳し、その結果を当日試算表トランザクションファイルに記憶させる当日取引データ仕訳機能と、
前記当日試算表トランザクションファイルに記憶された仕訳結果に基づき、当日における貸借対照表、損益計算書及びキャッシュフロー計算書を当日財務三表として作成する当日財務三表作成機能と、
を備える前記6.又は7.に記載のリアルタイム貸借対照表作成プログラム。
9.前記当日財務三表に基づき、下記式(2)で表される評価指標SCCCを算出する当日指標算出機能を備える前記8.記載のリアルタイム貸借対照表作成システム。
SCCC=(M/C+R/S+P/C)・D (2)
(式中、Mは棚卸資産の額であり、Cは売上原価の額であり、Rは売上債権の額であり、Sは売上高であり、Pは仕入債務の額であり、Dは年間日数である。)
10.前記当日財務三表を変換することにより、所定の財務会計基準に基づく財務三表を作成する財務三表変換機能を備える前記8.又は9.に記載のリアルタイム貸借対照表作成プログラム。
11.貸借対照表に基づき、下記式(1)で表される評価指標BSQをコンピュータに算出させることを特徴とする貸借対照表評価プログラム。
BSQ=(M+R)/A+N/C (1)
(式中、Mは棚卸資産の額であり、Rは売上債権の額であり、Aは現金預金を除く資産合計額であり、Nは仕入債務の額であり、Cは負債及び資本合計額である。)
12.貸借対照表及び損益計算書に基づき、下記式(2)で表される評価指標SCCCをコンピュータに算出させることを特徴とする資金循環速度評価プログラム。
SCCC=(M/C+R/S+P/C)・D (2)
(式中、Mは棚卸資産の額であり、Cは売上原価の額であり、Rは売上債権の額であり、Sは売上高であり、Pは仕入債務の額であり、Dは年間日数である。)
本リアルタイム貸借対照表作成システムによれば、製品の品目及びロット毎に、材料の仕入れから製品を出荷するまでの工程毎の物流情報をリアルタイムに取得する物流追跡部と、別途設けられている生産管理システムに備えられたマスタファイルにアクセスし、部品表データ及び工程データを含む生産データを取得する生産データ取得部と、基準となる貸借対照表を記憶する貸借対照表記憶部と、前記生産データ取得部によって取得される前記生産データを参照して、前記物流追跡部により取得された直近までの前記物流情報を、即時且つ順次に、貸借対照表の棚卸資産に当たる勘定科目について仕訳する即時仕訳部と、前記即時仕訳部によって仕訳された結果を用いて、即時且つ順次に、前記貸借対照表記憶部に記憶されている前記貸借対照表を更新することにより、当該時点における貸借対照表をリアルタイム貸借対照表として作成する貸借対照表更新部と、を備えるため、製品の生産における全ての物の流れ過程を品目及びロット別にリアルタイムに把握し、即時にその物流情報について会計上の仕訳を自動的に行うことにより、リアルタイム貸借対照表を更新することができる。すなわち、物の流れに刻々対応して、その時点における貸借対照表をリアルタイム貸借対照表として作成し可視化することができる。また、既存のIoTシステム、生産管理システム等を利用することが可能であるため、低コストでシステムを構築することができる。
前記リアルタイム貸借対照表に基づき、前記式(1)で表される評価指標BSQを即時に算出する即時指標算出部を備える場合には、物の流れに刻々対応してこの評価指標を更新し、可視化することができる。この評価指標BSQ(Balance Sheet Quality、「貸借対照表の質」)は、貸借対照表に基づいて「流れ創り」の進捗や生産性の向上を評価するための指標であり、この指標BSQを用いて損益計算書重視から貸借対照表重視の経営への迅速な転換を促すことができる。特に、「流れ創り」を導入した初年度には、キャッシュフローが改善されたとしても、在庫低減による期間損益の減益幅が大きく、ROEなどの利益指標が落ち込む傾向がある(図12参照)。そのため、金融機関や資本市場のみならず経営者自身も困惑するという事態が生じ得る。そのような場合にも、BSQは、貸借対照表に基づき経営を適正に判断するための指標として用いることができる。更に、BSQにより評価すれば、金融市場や資本市場を支配している短期利益偏重傾向を克服し、スマート資本主義につなげることも可能になる。
前記貸借対照表更新部は、前日の貸借対照表における棚卸資産の額に対する当日の貸借対照表における棚卸資産の額の増減額を仕訳し、その結果を当日物流取引データとして当日取引トランザクションファイルに記憶させ、当日における買掛金の発生及び支払を含む当日購買データ、当日における売掛金の発生及び代金の回収を含む当日販売データ、並びに当日における入金及び出金を含む当日収支データを取得すると共に、前記当日購買データ、前記当日販売データ及び前記当日収支データをそれぞれの勘定科目について仕訳し、その結果を当日営業取引データとして前記当日取引トランザクションファイルに記憶させる営業取引データ取得部と、前記当日取引トランザクションファイルに記憶された前記当日物流取引データ及び前記当日営業取引データを仕訳し、その結果を当日試算表トランザクションファイルに記憶させる当日取引データ仕訳部と、前記当日試算表トランザクションファイルに記憶された仕訳結果に基づき、当日における貸借対照表、損益計算書及びキャッシュフロー計算書を当日財務三表として作成する当日財務三表作成部と、を備える場合には、当日における物の流れにより生じた物流取引データと金の流れにより生じた営業取引データを合わせて自動的に仕訳することにより、日毎に当日財務三表を作成し可視化することができる。また、既存の購買システム、販売システム、会計システム等を利用することが可能であるため、低コストでシステムを構築することができる。
上記当日財務三表は、全ての額が入口価額で表されたオール取得原価の財務三表であるため、前日の純財産と当日純財産の差額としての当日利益等を日々算定することができる。また、従来、多くの民営企業の会計システムは、直接法(収入・支出の総額表示)の営業活動によるキャッシュフロー計算書を作成することができなかった。オール取得原価の貸借対照表は、全勘定科目の期首・期末差額(純額)の総額内訳明細票としての損益計算書、直接法キャッシュフロー計算書、資本等変動計算書等に対応することができるばかりでなく、今後生じ得るすべての総額内訳明細ニーズに対応することが可能となる。
更に、品目コード及びロット番号毎の物の流れと金の流れの同期化によって、収支総額表示の品目別計算が可能となる。
前記当日財務三表に基づき、前記式(2)で表される評価指標SCCCを算出する当日指標算出部を備える場合には、日々の物の流れ及び金の流れに対応して評価指標SCCCを算出し、可視化することができる。評価指標SCCC(Supply chain Cash Conversion Cycle、「サプライチェーン資金循環速度」)は、通常1つの企業内に止まらず複数企業間で行われる、原材料の調達から製品の製造、出荷、販売、回収までの全体を一つのつながりとして、そのつながりにおける資金循環期間を評価するための指標である。サプライチェーンにおける資金循環速度を向上させるには、自社内の工程のリードタイム短縮のみならず、サプライヤ(部品供給者、下請事業者等)に対する支払サイトの短縮化が必要である。このため、指標SCCCを可視化することによって、サプライヤとの連携を促し、マクロ経済的にも金の流れの速度向上を図ることが可能になる。
前記当日財務三表を変換することにより、所定の財務会計基準に基づく財務三表を作成する財務三表変換部を備える場合には、オール取得原価(入口価額)ベースでクリーンサープラス原則の保持された貸借対照表その他の当日財務三表を基に、各種出口価格基準に従う各国基準の財務三表を自動的に作成することができる。これによって、オール取得原価ベースの財務三表及び評価指標を社内管理の目的に使用すると共に、各国基準に準拠する財務三表を出力することが可能になる。
本発明のリアルタイム貸借対照表作成プログラムによれば、前記リアルタイム貸借対照表作成システムに好適な機能をコンピュータ上に実現することができる。
本発明の貸借対照表評価プログラムによれば、「流れ創り」の進捗や生産性の向上を評価し、貸借対照表に基づき経営を適正に判断するための評価指標を提供することができる。それにより、損益計算書重視から貸借対照表重視の経営への迅速な転換を促すことができる。
本発明の資金循環速度評価プログラムによれば、原材料の調達から製品の製造、出荷、販売、回収までの全体を一つのつながりとして、そのサプライチェーンにおける資金循環期間を評価するための評価指標を提供することができる。それにより、サプライヤに対する支払サイトの短縮化を通してサプライヤとの連携を促し、金の流れの速度向上を図ることができる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の構成部分を示す。
経営情報の階層構造を説明するための表である。 リアルタイム貸借対照表作成システムによる処理の概念を説明するための図である。 リアルタイム貸借対照表作成システムの構成を表すブロック図である。 物の流れに従った即時仕訳の例を説明するための表である。 物の流れに従った即時仕訳、リアルタイム貸借対照表及び当日貸借対照表等の更新を説明するための表である。 「貸借対照表の質」(BSQ)の算出方法を示す図である。 「サプライチェーン資金循環速度」(SCCC)の算出方法を示す図である。 利益ポテンシャル(PP)の算出方法を示す図である。 「貸借対照表の質」(BSQ)の変化の例を表すグラフである。 「サプライチェーン資金循環速度」(SCCC)の変化の例を表すグラフである。 運転資金要調達期間(CCC)の変化の例を表すグラフである。 「貸借対照表の質」(BSQ)を用いて経営分析を行う例を説明するための表である。 損益・キャッシュフロー結合計算書の例を表す図である。 貸借対照表を表す図である。 貸借対照表が資金の調達から運用へのフローを表すことを説明するための図である。 従来の上場企業の当期利益の分布状況を表すヒストグラムである。
以下、図を参照しながら、本発明を詳しく説明する。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
図2は、本発明に係るリアルタイム貸借対照表作成システムを概念的に示した図である。製造業においては、材料仕入から仕入代金支払、製造工程への材料投入、各製造工程、製品完成、製品出荷、納品、回収までの物の流れ(物流)がある。一方、金の流れ(金流)をみると、材料/買掛金(借方/貸方を表す。以下同様。)、買掛金/現金、仕掛品/材料、仕掛品/製造間接費、製品/仕掛品、売上原価/製品、売掛金/売上、現金/売掛金のように流動する。本リアルタイム貸借対照表作成システムは、工程(人や機械による作業)の進捗を示すリアルタイム物流情報を取得して即時に仕訳をし、月初や前日の貸借対照表を基に即時に更新した貸借対照表(リアルタイム貸借対照表)を作成するシステムである。このリアルタイム貸借対照表により、「流れ創り」の進捗を評価するための指標BSQを得ることができる。また、本リアルタイム貸借対照表作成システムは、上記物流の情報と併せて上記金流の情報を取得して仕訳をすることにより当日日計表及び当日試算表を作成し、当日の財務三表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)を作成することができる。そして、この財務三表により、サプライチェーンにおける資金循環速度を評価するための指標SCCCを得ることができる。
1.リアルタイム処理の構成
図3は、本実施形態に係るリアルタイム貸借対照表作成システム1及びリアルタイム貸借対照表作成プログラムの構成を示している。図3に示された即時処理領域1Aは、主として、刻々の物流に対応してリアルタイム貸借対照表の更新処理を行うための構成を表す。
リアルタイム貸借対照表作成システム1は、製品の品目(又は品目及びロット番号)毎に、材料の仕入れから製品を出荷するまでの工程毎の物流情報をリアルタイムに取得する物流追跡部2と、別途設けられている生産管理システムに備えられたマスタファイル(301、302)にアクセスし、部品表データ及び工程データを含む生産データを取得する生産データ取得部3と、前日の貸借対照表を記憶する貸借対照表記憶部4と、生産データ取得部3によって取得される前記生産データを参照して、物流追跡部2により取得された直近までの前記物流情報を、即時且つ順次に、貸借対照表の棚卸資産に当たる勘定科目について仕訳する即時仕訳部22と、即時仕訳部22によって仕訳された結果を用いて、即時且つ順次に、貸借対照表記憶部4に記憶されている前記貸借対照表を更新することにより、当該時点における貸借対照表をリアルタイム貸借対照表として作成する貸借対照表更新部5と、を備えている。
また、リアルタイム貸借対照表作成システム1は、前記リアルタイム貸借対照表に基づき、評価指標BSQを即時に算出する即時指標算出部52を備えることができる。
(物流追跡部)
物流追跡部2は、製品の品目(品名、型式等)及びロット毎に、材料の仕入れから製品を出荷するまでの工程毎の物流情報をリアルタイムに取得するように構成されている。物の流れの情報は、例えば図3に示すように、材料仕入、製造工程への材料投入、各工程の入口及び出口の通過、製品完成、製品出荷等、それぞれの段階で取得することができる。物流追跡部2は、各段階の通過時刻、品目、ロット番号、数量等の物流情報をリアルタイムに取得可能に構成されている。物流追跡部2により刻々取得された物流情報は、直ちに即時仕訳部22に送られる。
図3においては、物流追跡部2はネットワーク200を介して物流情報を取得するように構成されているが、各工程の通過時刻、品目、ロット番号、数量等、必要な物流情報が物流の発生時点で取得可能である限り、具体的な構成は限定されない。別途に設けられた物の流れの追跡システムを利用するように構成してもよいし、本リアルタイム貸借対照表作成システム1の一部としてリアルタイム追跡システムが構築されてもよい。
上記のような物流情報を取得する手段も特に問わない。例えば、一般にIoT(Internet of Things)と呼ばれるデバイス及びネットワークを用いることができる。また、例えばIPアドレスは、物が持っていても物流を検知するセンサが持っていてもよい。物に情報を付す手段も特に問わず、例えば、IPアドレスを持つデバイス、RFIDタグ、2次元コード等が挙げられる。これらは、部品や製品毎に付されてもよいし、通い箱、梱包箱等に付されてもよい。
(生産データ取得部)
製造業において使用されている生産管理システムの構成は多様であり、その構成は特に限定されない。一般に、生産管理システムには、部品表データが登録された部品表マスタファイル、工程データが登録された工程マスタファイル、原価データが登録された原価マスタファイル等が備えられている。例えば、一般にBOM(Bill Of Materials)と呼ばれている部品表マスタファイルには、製品の品目、製品・中間製品を構成する部品の品名、型式、メーカ名、価格、数量その他の基礎データが登録されている。また、工程マスタファイルには、一般に、品目毎の製造ロット数量、製造工程の作業手順、使用設備、作業時間、製造間接費算定のための基礎データ等が登録されている。
生産データ取得部3は、一般に生産管理システムに備えられているマスタファイル(例えば、部品表マスタファイル301、工程マスタファイル302等)にアクセスし、部品表データ及び工程データを含む生産データを取得するように構成されている。リアルタイム貸借対照表作成システム1に接続される生産管理システムにおいて、部品表マスタファイル301や工程マスタファイル302がどのように構成されているかは問わない。リアルタイム貸借対照表作成システム1は、生産データ取得部3により取得される前記生産データを参照することによって、品目及びロット番号別に、物流追跡部2により取得される物流情報を追跡することができる。
なお、生産管理システムに備えられている部品表マスタファイル、工程マスタファイル等は、材料から中間工程を経て完成品に至るリアルタイムの物流情報によって適宜更新されることが好ましい。
(即時仕訳部)
即時仕訳部22は、生産データ取得部3によって取得される前記生産データを参照して、物流追跡部2により取得された直近までの物流情報を、即時且つ順次に、貸借対照表の棚卸資産に当たる勘定科目(材料、仕掛品、製品等)について仕訳するように構成されている。直近までの物流情報とは、基準となる貸借対照表の作成後に現在までに生じた全ての物流情報をいう。例えば、基準となる貸借対照表を前日の貸借対照表とする場合には、当日の開始時から現在までに刻々生じた全ての物流情報である。よって、仕訳の結果には、基準となる貸借対照表の作成後に生じた全ての物流情報が反映される。日の区切りは任意に設定されればよい。
この仕訳処理は、物流追跡部2により取得される刻々の物流情報(材料仕入、製造工程への材料投入、各工程の入口及び出口の通過、製品完成、製品出荷等のそれぞれの情報)の発生時点において、即時に、且つ順次(物流情報の生起順)に行うように構成することができる。また、生産データ取得部3によって取得される生産データ(品目・ロット番号)を参照することにより、品目・ロット番号別に仕訳を自動的に行うことができる。
また、材料、仕掛品、製品、出荷の各通過時点はリアルタイムに把握されるため、即時仕訳部22において物の流れの異常をリアルタイムで検出することが可能である。
図4は、即時仕訳部22による仕訳処理の例であり、表の左欄は物流情報、右欄はその物流情報による仕訳を表している。
例えば、即時仕訳部22は、「製造現場への部材投入」の情報があったときは、部品表データを参照して、その価額を「材料/仕掛品」(借方/貸方)と仕訳する。また、1つの「工程進捗」の情報があったときは、工程データを参照して、その原価を「A工程仕掛品/B工程仕掛品」と仕訳する。同様にして、即時仕訳部22は、物流情報を受信した時点で即時、物流情報の生起順に仕訳を行う。
(貸借対照表記憶部)
貸借対照表記憶部4は、リアルタイムに貸借対照表を更新する際の基準となる貸借対照表を記憶するように構成されている。基準となる貸借対照表は特に限定されず、例えば、前日の貸借対照表であってもよいし、月初、前期等の貸借対照表であってもよい。また、基準となる貸借対照表として時期の異なる貸借対照表を記憶し、適宜選択して用いられるようにしてもよい。
(貸借対照表更新部)
貸借対照表更新部5は、即時仕訳部22によって仕訳された結果を用いて、即時且つ順次に、貸借対照表記憶部4に記憶されている貸借対照表を更新することにより、当該時点(現在)における貸借対照表を「リアルタイム貸借対照表」として作成するように構成されている。
前記のとおり、材料・仕掛品・製品・出荷の各段階における品目・ロット別の物流情報(工程通過情報)が物流追跡部2により取得され、即時に、即時仕訳部22により各物流情報を基に仕訳がされる。よって、貸借対照表更新部5は、貸借対照表記憶部4に記憶されている基準となる貸借対照表を読み込み、それに対して仕訳の結果を反映するように更新する。これにより、現在の貸借対照表がリアルタイム貸借対照表として作成される。
また、即時仕訳部22により品目・ロット番号別に仕訳がされるため、貸借対照表更新部5は、品目・ロット番号単位の棚卸資産の変動を反映させたリアルタイム貸借対照表を作成することが可能である。リアルタイム貸借対照表において更新可能な勘定科目は、物の流れが影響を及ぼす範囲に限られる。金の流れによる変化は、後述する当日貸借対照表に反映される。
(即時指標算出部)
リアルタイム貸借対照表作成システム1には、前記リアルタイム貸借対照表に基づき、図6(下記式(1))に示される評価指標BSQ(貸借対照表の質)を即時に算出する即時指標算出部52を備えることができる。
BSQ=(M+R)/A+N/C (1)
式中、Mは棚卸資産(材料、仕掛品及び製品の和)の額であり、Rは売上債権(売掛金と受取手形の和)の額であり、Aは現金預金を除く資産合計額であり、Nは仕入債務(買掛金と支払手形の和)の額であり、Cは負債及び資本合計額である。
BSQの値はリアルタイム貸借対照表に基づきリアルタイムに更新可能であり、リアルタイム貸借対照表作成システム1は物の流れに刻々と対応してBSQを更新することができる。そして、BSQにより「流れ創り」の進化程度を測定することができる。
以上の構成により、リアルタイム貸借対照表作成システム1は、リアルタイムに貸借対照表及びBSQ値を更新し、可視化することができる。更に、リアルタイム貸借対照表作成システム1は、棚卸資産の変動や異常値の検出、物流の異常の検出等を行うようにすることができる。これらにより、決算棚卸における現物の数量確認作業を不要とすることができる。更に、部品表(BOM)、作業計画ファイル等との突合チェックも自動的に行うことで、決算棚卸の主要な作業であった数量差異の把握が不要となる。
2.日次処理の構成
主として図3の日次処理領域1Bに示されている構成により、リアルタイム貸借対照表作成システム1は、物の流れと金の流れを併せて、当日における財務三表(貸借対照表、損益計算書及びキャッシュフロー計算書)を作成するようにすることができる。
このため、前記貸借対照表更新部5は、前日の貸借対照表における棚卸資産の額に対する当日の前記リアルタイム貸借対照表における棚卸資産の額の増減額を仕訳し、その結果を当日物流取引データとして当日取引トランザクションファイル62に記憶させるように構成される。そして、リアルタイム貸借対照表作成システム1は、当日における買掛金の発生及び支払を含む当日購買データ601、当日における納入及び検収を含む当日販売データ602、並びに当日における入金及び出金を含む当日収支データ603を取得すると共に、当日購買データ601、当日販売データ602及び当日収支データ603をそれぞれの勘定科目について仕訳し、その結果を当日営業取引データとして当日取引トランザクションファイル62に記憶させる営業取引データ取得部6と、当日取引トランザクションファイル62に記憶された前記当日物流取引データ及び前記当日営業取引データを仕訳し、その結果を当日試算表トランザクションファイル66に記憶させる当日取引データ仕訳部64と、当日試算表トランザクションファイル66に記憶された仕訳結果に基づき、当日における貸借対照表、損益計算書及びキャッシュフロー計算書を当日財務三表として作成する当日財務三表作成部7と、を備えて構成することができる。
なお、日の区切りは任意に設定されればよい。
また、リアルタイム貸借対照表作成システム1は、前記当日財務三表に基づき、前記式(2)で表される評価指標SCCCを算出する当日指標算出部72を備えることができる。
更に、リアルタイム貸借対照表作成システム1は、前記当日財務三表を変換することにより、所定の財務会計基準に基づく財務三表を作成する財務三表変換部8を備えることができる。
先ず、前記貸借対照表更新部5は、前日の貸借対照表における棚卸資産に対する当日のリアルタイム貸借対照表における棚卸資産の増減額を仕訳し、その仕訳を当日物流取引データとして当日取引トランザクションファイル62に記憶させるように構成される。これによって、当日における物の流れを反映した仕訳結果が、当日物流取引データとして当日取引トランザクションファイル62に収納されることとなる。前記「当日の貸借対照表」は、当日最終的に更新されたリアルタイム貸借対照表とすることができる。
(営業取引データ取得部)
営業取引データ取得部6は、当日購買データ601、当日販売データ602及び当日収支データ603を取得すると共に、それらをそれぞれの勘定科目について仕訳し、その仕訳結果を当日営業取引データとして当日取引トランザクションファイル62に記憶させるように構成されている。当日購買データ601、当日販売データ602及び当日収支データ603の取得方法は問わず、例えば、既存の購買システム、既存の販売システム、既存の財務システム等と接続し、それらから取得するように構成することができる。すなわち、営業取引データ取得部6は、これら既存のシステムにアクセスし、当日の営業活動により生じたデータを取得するようにすることができる。また、営業取引データ取得部6は、生産データ取得部3により得られる生産データを参照して、品目番号をキーとして、当日購買データ601、当日販売データ602及び当日収支データ603を集め、仕訳をするようにすることができる。
なお、上記の購買システム、販売システム及び財務システムにおいては、帳票の自動読取り等によって当日のデータが直ちに入力されていることが好ましい。
以上により、当日取引トランザクションファイル62には、当日における物の流れによる棚卸資産の増減の仕訳結果(当日物流取引データ)と、物の流れに対応する仕入、売上、入出金の当日分データが集められる。また、当日取引トランザクションファイル62には、当日における金の流れによる当日購買データ601、当日販売データ602及び当日収支データ603の仕訳結果(当日営業取引データ)が集められる。
(当日取引データ仕訳部)
当日取引データ仕訳部64は、当日取引トランザクションファイル62に記憶された前記当日物流取引データ及び前記当日営業取引データを仕訳し、当日の日計表及び試算表(当日日計表と当日試算表を合わせて「当日試算表」という。)を作成する。そして、当日取引データ仕訳部64は、その当日試算表を当日試算表トランザクションファイル66に記憶させるように構成されている。
図5は、当日の物の流れ及び金の流れに従った仕訳、リアルタイム貸借対照表及び当日貸借対照表等の更新を説明するための表である。
例えば、「材料投入」、「工程進捗」、「製品完成」、「出荷」等の物流情報が受信されたときは、即時に仕訳がされて、貸借対照表更新部5によりリアルタイム貸借対照表が更新される。そして、前日の貸借対照表に対する当日のリアルタイム貸借対照表における棚卸資産の増減額の仕訳が、当日物流取引データとして当日取引トランザクションファイル62に送られる。
一方、当日の金の流れにおいて、例えば、購買システムから「部材仕入」のデータが取得された場合は、その価額を「材料/買掛金」(借方/貸方)と仕訳する。また、「買掛金支払」のデータが取得された場合は、その価額を「買掛金/現金」と仕訳する。同様にして、当日取引データ仕訳部64は、当日に生じた金の流れの仕訳を行い、当日営業取引データとして当日取引トランザクションファイル62に収納する。
そして、当日取引データ仕訳部64は、当日取引トランザクションファイル62に集められた当日物流取引データと当日営業取引データとを合わせて、全ての当日取引の仕訳をし、当日試算表を作成して当日試算表トランザクションファイル66に収納する。
当日取引トランザクションファイル62には、品目・ロット別に、仕入、支払、材料投入、仕掛品、製品、出荷、検収、代金回収の各活動毎に仕訳がされたデータが収納されている。よって、当日取引データ仕訳部64は、入金・出金の金額やタイミングの異常を日次で検出することができる。
(当日財務三表作成部)
当日財務三表作成部7は、当日試算表トランザクションファイル66に記憶された仕訳結果(試算表)に基づき、当日における貸借対照表、損益計算書及びキャッシュフロー計算書を当日財務三表として作成するように構成されている。
例えば、図5に示されているように、当日の部材仕入、買掛金支払、工程進捗、出荷、納品、回収等により、当日貸借対照表が更新される。当日貸借対照表における流動資産と流動負債については、リアルタイム貸借対照表を基に固定資産、固定負債等の変動要因を手入力させた仕訳を加えることができる。この当日貸借対照表において重要なことは、流動資産及び流動負債が「オール取得価額」で評価されることである。
また、当日財務三表作成部7は、当日貸借対照表(又は前記試算表)に基づき、当日における売上総利益までの損益計算書(当日損益計算書)及び当日営業活動によるキャッシュフロー計算書(当日キャッシュフロー計算書)を作成する。
当日の業務終了に当たり、流動資産及び流動負債以外の貸借対照表科目の当日仕訳がある場合には手入力させ、当日貸借対照表を出力するようにすることができる。この当日貸借対照表の全科目は、取得原価で評価したオール取得原価(入口価格)の貸借対照表であり、これにより、前日の純財産と当日の純財産の差額としての当日利益が純額で日々算定される。
当日損益計算書からは当日の付加価値(=売上高−材料費)を、当日キャッシュフロー計算書からは当日の営業活動キャッシュフローを知ることができる。これにより、製造現場では、今日の反省を翌日の改善行動につなぐ日次のPDCAサイクルが成立することになる。
会計理論として重要なことは、貸借対照表が財務諸表の主座にあり、損益計算書もキャッシュフロー計算書も、本来、貸借対照表の内訳明細表であるという構造である。本リアルタイム貸借対照表作成システムによって、損益計算書はフロー情報、貸借対照表はストック情報という二項対立的な従来の会計観が改められ、中長期的な観点から貸借対照表の質の向上を目指すことがサポートされる。
(当日指標算出部)
リアルタイム貸借対照表作成システム1には、オール取得価額ベースで作成されている前記当日財務三表に基づき、下記式(2)で表される評価指標SCCCを算出する当日指標算出部72を備えることができる。
SCCC=(M/C+R/S+P/C)・D (2)
ここで、Mは棚卸資産(材料、仕掛品及び製品の和)の額であり、Cは売上原価の額であり、Rは売上債権(売掛金と受取手形の和)の額であり、Sは売上高であり、Pは仕入債務(買掛金と支払手形の和)の額であり、Dは年間日数(例えば、365)である。
SCCCの値は、日々更新することができる。なお、当日購買データ601、当日販売データ602及び当日収支データ603が、品目・ロット番号とリンクされており、リアルタイムに取得可能である場合には、即時にSCCCが算出可能となる。
図7に示すように、SCCCは、棚卸資産回転日数、売上債権回転日数、及び仕入債務回転日数を加算したものである。運転資金要調達期間を評価する指標として、従来、CCC(Cash Conversion Cycle、現金循環化日数)が知られている。SCCCは、従来のCCCが仕入債務回転日数を減算するのに対して、これを加算する点が異なる。いずれも値が小さいほど好ましい点は変わりないが、その意味するところは大きく異なる。
CCCの値は、社内のリードタイムを短縮する改善をしなくても、サプライヤ(例えば下請事業者)に対する支払サイトを延ばすだけで小さくなるが、それではサプライチェーンとしての社会的な金の流れはむしろ悪化するのである。これに対し、SCCCの値は、親事業者が下請事業者に対する支払サイトを短縮すれば小さくなり、サプライチェーンとしてもマクロ経済的にも、金の流れ速度が向上していることを意味する。
当日指標算出部72は、オール取得価額ベースで作成されている前記当日財務三表に基づき、下記式(3)で表される評価指標PPを算出することができる(図8参照)。
PP=営業利益/棚卸資産 (3)
利益だけしか見ない経営の傾向は、まとめ作りや早作りを許容し、物の流れとキャッシュフローを悪化させる。この傾向は、評価指標PP(利益ポテンシャル)によって可視化することができる。評価指標PPは営業利益を在庫との関係でみる知られた指標であるが、本リアルタイム貸借対照表作成システムにより、日々、利益ポテンシャルの観点で「流れ創り」を評価することが可能になる。
以上の処理を終えた当日取引トランザクションファイル62は、既存の販売、調達、生産管理、財務各システムの各マスタファイルの日次更新の入力とすることができる。なお、物の流れに関する部品表マスタファイルや工程マスタファイルは、リアルタイムに更新することが可能である。
(財務三表変換部)
リアルタイム貸借対照表作成システム1は、前記当日財務三表を変換することにより、所定の財務会計基準に基づく財務三表を作成する財務三表変換部8を備えることができる。前記当日財務三表は、オール取得価格(入力価格)に基づいている。財務三表変換部8は、この当日財務三表を所定の財務会計制度(出力価格基準)に基づく財務三表に変換する。具体的には、月次の決算整理仕訳、公正価値(時価)等を反映させた国内基準、米国基準、国際基準(IFRS)等に準拠する財務報告を作成し、財務会計情報82として出力するようにすることができる。
財務三表変換部8の具体的な構成は特に問わない。例えば、各国基準用トランスレーター(変換辞書)を備えることにより、正味実現可能価額で評価される棚卸資産、外貨による仕入・売上商品の為替変動等を反映させ、各国基準の貸借対照表他の財務諸表に変換することができる。
オール取得価格を基準として当日財務三表作成部7によって作成された当日貸借対照表他の財務三表、当日指標算出部72によって算出された評価指標、即時指標算出部52によって算出された評価指標等は、リアルタイム貸借対照表作成システム1内に保持し、社内管理の目的で利用することができる。
また、リアルタイム貸借対照表作成システム1は、作成したリアルタイム貸借対照表、評価指標BSQ、当日財務三表、評価指標SCCC等を保持し、それら及びそれらの時間的変動を出力し、適宜の態様で可視化することができる。
その他、流れ創りを評価するための各種KPI(主要業績評価指標)がある。リアルタイム貸借対照表作成システム1は、前記特許文献1に記載されている正味加工時間比率NCTR(Σ正味加工時間/Σリードタイム)や、当日棚卸資産回転日数(当日棚卸資産/当日売上原価×365)等、各種KPIを日々更新し、その変化を可視化することができる。
3.貸借対照表評価プログラム及び資金循環速度評価プログラム
(貸借対照表評価プログラム)
貸借対照表評価プログラムは、貸借対照表に基づき、図6(下記式(1))で表される評価指標BSQをコンピュータに算出させることを特徴としている。
BSQ=(M+R)/A+N/C (1)
式中、Mは棚卸資産(材料、仕掛品及び製品の和)の額であり、Rは売上債権(売掛金と受取手形の和)の額であり、Aは現金預金を除く資産合計額であり、Nは仕入債務(買掛金と支払手形の和)の額であり、Cは負債及び資本合計額である。
評価指標BSQ(貸借対照表の質)は、「流れ創り」の進捗を評価するための指標である。貸借対照表評価プログラムは、任意の時期に作成された貸借対照表のデータを入力し、それに基づき評価指標BSQを算出する機能を任意のコンピュータ上に実現させることができる。これにより、過去及び現在の任意の時期における評価指標BSQを算出し、「流れ創り」の進化程度を可視化することができる。貸借対照表の取得方法は特に問わず、コンピュータ内に記憶されている貸借対照表のデータを読み出すようにしてもよいし、外部のシステムから貸借対照表のデータを入力するようにしてもよい。なお、貸借対照表はオール取得価額ベースで作成されたものに限定されず、種々の基準に準拠した貸借対照表に基づいてBSQを算出させることができる。
(資金循環速度評価プログラム)
資金循環速度評価プログラムは、貸借対照表及び損益計算書に基づき、図7(下記式(2))で表される評価指標SCCCをコンピュータに算出させることを特徴としている。
SCCC=(M/C+R/S+P/C)・D (2)
ここで、Mは棚卸資産(材料、仕掛品及び製品の和)の額であり、Cは売上原価の額であり、Rは売上債権(売掛金と受取手形の和)の額であり、Sは売上高であり、Pは仕入債務(買掛金と支払手形の和)の額であり、Dは年間日数(例えば、365)である。
評価指標SCCC(サプライチェーン資金循環速度)は、原材料の調達から製品の製造、出荷、販売、代金回収までをサプライチェーンとして、サプライチェーン全体における資金循環期間を評価するための指標である。
資金循環速度評価プログラムは、任意の時期に作成された貸借対照表及び損益計算書のデータを入力し、それに基づき評価指標SCCCを算出する機能を任意のコンピュータ上に実現させることができる。これにより、過去及び現在の任意の時期における評価指標SCCCを算出し、資金循環期間の変化を可視化することができる。評価指標SCCCを用いることにより、サプライヤに対する支払サイトの短縮化を通してサプライヤとの連携を促し、金の流れの速度向上を図ることができる。貸借対照表及び損益計算書の取得方法は特に問わず、コンピュータ内に記憶されている貸借対照表及び損益計算書のデータを読み出すようにしてもよいし、外部のシステムからそれらのデータを入力するようにしてもよい。なお、貸借対照表及び損益計算書はオール取得価額ベースで作成されたものに限定されず、種々の基準に準拠した貸借対照表及び損益計算書に基づいてSCCCを算出させることができる。
4.リアルタイム貸借対照表作成システムによる効果
図9−11は、同じ製造業4社(a、b、c、d)を例として、流れ創りの評価指標BSQ及びSCCCと、従来のCCCの変化を表したものである。
図9は、4社のBSQ(貸借対照表の質)の値の変化を表したグラフである。「流れ創り」を進めると在庫が減少し、総資産に占める在庫の割合が減少する。また、リードタイムが多縮されれば、仕入債務の発生が遅くなり、手持ち現金が増加する。その結果、BSQ値が小さくなる。したがって、BSQ値の低減は、「流れ創り」の進捗と収益力向上を評価する指標となる。図9においては、BSQ値が相対的に小さいa社が最もよく「流れ創り」を進めているものといえる。
図10及び11は、前図と同じ4社について、それぞれSCCC(サプライチェーン資金循環速度)及び従来のCCC(現金循環化日数)の値の変化を表したグラフである。b社に着目して両図を比較すると、b社は仕入債務回転日数を減算するCCC値が相対的によいものの、仕入債務回転日数を加算するSCCC値は相対的に高い。この結果からは、b社はサプライヤに対する支払サイトの延長によってCCC値がよくなっているが、社内における物の流れがa社よりも遅いことが考えられる。これに対してa社は、棚卸資産回転日数及び仕入債務回転日数が短く、SCCC値がよいと考えられる。従来、「支払サイトは長いほど得」という実務感覚があったが、これを払拭して、サプライチェーンにおける資金循環速度を高めることが必要である。
なお、従来のCCC値にも自社の運転資金要調達期間としての意味はあるので、概念として捨てる必要はないが、CCCを求めるにはSCCCにおける仕入債務回転日数の加算を減算とすればよいので、実質的に従来のCCCは無用となる。
グローバルサプライチエーンの時代を迎え、社内の生産リードタイム短縮だけでなく、下請事業者には支払サイトを縮めるサプライヤとの連携が重要であり、その状況をSCCCにより可視化することができる。我が国においては、調達、販売の実務慣行は月末決済が多い。このため、仕入先、下請事業者に対する買掛金回転期間が長くなっている。本リアルタイム貸借対照表作成システムは、調達、販売における検収、請求、支払業務を日次処理することを可能にする。
図12は、1つの企業X社について、貸借対照表、損益計算書、及びリアルタイム貸借対照表作成システム1により算出された評価指標の事例を表している。X社は2015年に「流れ創り」を開始し、同図ではその初年度における業績を前年度と比較している。
本事例では、流れ創りを開始した初年度において、売上高は概ね維持され、在庫の大幅圧縮、キャッシュフロー(手元流動性)の大幅増というグッドニュースと、バッドニュースが併発している。すなわち、棚卸資産及び流動負債は大幅減となり、現金預金は大幅増となっており、これらはグッドニュースである。一方、営業利益、売上高営業利益率及びROE(株主資本利益率=当期利益/自己資本)は大幅に低下しており、これらは、一見、バッドニュースである。このような財務報告の吉凶は、損益計算書に表される当期利益を重視する会計の観点からは適切に判断することができないという問題がある。財務報告の吉凶は、流れ創りが成功するほど顕著に生じる。このため、経営者が流れ創りの導入を中止する例も少なからずある。
BSQ指標によれば、流れ創りによる生産期間短縮効果を会計で正確に評価することができる。本事例においては、BSQの値が0.93から0.62に下降している。特に強い関心のもたれるROEの大幅悪化は、BSQ値改善下での利益減が原因なので、むしろグッドニースに他ならない。したがって、この財務報告は、X社の収益力向上を保証する吉報であるということができる。BSQによる評価は、企業や社会の短期利益偏重傾向を是正し、金融機関や資本市場の経営判断能力を高める効果がある。
このように、流れ創りの効果は貸借対照表とキャッシュフロー計算書には、直ちに可視化されるが、損益計算書には見えてこないのでむしろ誤解を与える。「流れ創り」の経営とは物と金がよどみなく「スーっと流れるようにする」こと、つまり、部材仕入、社内生産、出荷、検収、入金まで切れ目なく、よどみなく一気通貫でつながることである。リアルタイム貸借対照表作成システム1は、流れ創りをサポートするKPIを日々出力し、モニタ表示することができる。これにより、企業全体を、資源稼働中心の生産性の観点、短期利益・損益計算書中心の観点から、物の流れ中心の生産、中長期利益・貸借対照表中心の経営の価値観への転換を誘導することができる。リアルタイム貸借対照表作成システム1によれば、これらKPIを日々採取できる。流れ創りとは、BSQをよくする貸借対照表中心の経営であると確信した企業Xの経営者は、安心して流れ創り2年目に進むことができる。
図13に示す損益・キャッシュフロー結合計算書は、既存の上場企業に義務付けられている二種類の財務報告(損益計算書及びキャッシュフロー計算書)を一表にまとめただけのものであり、利益の減少がキャッシュフローの増加となっていることを一目で分かるようにするものである。損益計算書の利益だけにしか関心をもたず、キャッシュフロー計算書を見ようとしない傾向は、1枚のシートに損益と営業活動キャッシュフローを併記することにより、在庫減少、減益とキャッシュ増が同時に可視化され、是正される。このような損益・キャッシュフロー結合計算書も、リアルタイム貸借対照表作成システム1は、日々の財務報告から日毎に出力することができる。
ここまでやって初めて、流れ創りについて全社的な集中力を生じることが可能になる。資本市場で重視されるROEは、在庫増や負債(レバレッジ)増など、貸借対照表の質を傷める益出しになっていないかのチェックにBSQが使える。BSQをKPIとすることにより、流れ創りを正確に評価することができ、ROEの一人歩きも抑えられる。
リアルタイム貸借対照表作成システム1により、物の流れが、品目コード、ロット番号単位でリアルタイムで把握され、BOM(部品表マスター)と工程マスターにおいて予定と実績の数量差異が把握されるため、決算棚卸業務は、数量差異に関する限り解消される。
また、所謂ジャスト・イン・タイムでプル方式の生産が進められると、製品を組むのに必要な部材が、生産ライン脇に生産着手前に各業者から到着する。その日の生産が完了すると自動的にBOMと突合して、各業者には自動的に仕入代金の支払処理が行われる。これにより、注文書、納品書、請求書の手作業による突合が解消され、また月末集中の支払業務が平準化される効果がある。
更に、貸借対照表に基づく指標BSQやSCCCによる評価は、資本市場や金融機関を始め、広く社会的効果を奏する。
BSQの値がよくなっていることをROEによる評価の前提条件とすれば、企業の会計不正を減少させることができる。資本市場や金融機関は、売上高利益率など損益計算書に基づく指標に頼ることによって生じる企業の収益力の判断ミスを減らすことができる。企業自身もまた、短期利益偏重を減らし、流れ創りとBSQ重視へ向かうことができることになる。また、SCCCを改善することによって、下請中小企業の資金力を高めることが可能である。
リアルタイム貸借対照表の作成は、会計理論にも影響を与える。従来支配的であった「収益・費用アプローチの期間損益計算主体の会計観」の下では、貸借対照表の役割は期間損益計算の未解決項目の収納箱という脇役的存在と化していたが、物の流れをリアルタイムに貸借対照表に翻訳することが可能となってきた。
このような貸借対照表中心の会計観を可能にするのが、クリーンサープラス(貸借対照表の純財産の期首期末差額=当期利益)原理の成立する「オール取得原価の貸借対照表」であり、これは物流をリアルタイムに把握する情報技術によってのみ作成可能である。
なお、本発明においては、以上に示した実施形態に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した態様とすることができる。
1;リアルタイム貸借対照表作成システム、1A;即時処理領域、1B;日次処理領域、2;物流追跡部、22;即時仕訳部、3;生産データ取得部、4;貸借対照表記憶部、5;貸借対照表更新部、52;即時指標算出部、6;営業取引データ取得部、62;当日取引トランザクションファイル、64;当日取引データ仕訳部、66;当日試算表トランザクションファイル、7;当日財務三表作成部、72;当日指標算出部、8;財務三表変換部。

Claims (12)

  1. 製品の品目及びロット毎に、材料の仕入れから製品を出荷するまでの工程毎の物流情報をリアルタイムに取得する物流追跡部と、
    別途設けられている生産管理システムに備えられたマスタファイルにアクセスし、部品表データ及び工程データを含む生産データを取得する生産データ取得部と、
    基準となる貸借対照表を記憶する貸借対照表記憶部と、
    前記生産データ取得部によって取得される前記生産データを参照して、前記物流追跡部により取得された直近までの前記物流情報を、即時且つ順次に、貸借対照表の棚卸資産に当たる勘定科目について仕訳する即時仕訳部と、
    前記即時仕訳部によって仕訳された結果を用いて、即時且つ順次に、前記貸借対照表記憶部に記憶されている前記貸借対照表を更新することにより、当該時点における貸借対照表をリアルタイム貸借対照表として作成する貸借対照表更新部と、
    を備えることを特徴とするリアルタイム貸借対照表作成システム。
  2. 前記リアルタイム貸借対照表に基づき、下記式(1)で表される評価指標BSQを即時に算出する即時指標算出部を備える請求項1記載のリアルタイム貸借対照表作成システム。
    BSQ=(M+R)/A+N/C (1)
    (式中、Mは棚卸資産の額であり、Rは売上債権の額であり、Aは現金預金を除く資産合計額であり、Nは仕入債務の額であり、Cは負債及び資本合計額である。)
  3. 前記貸借対照表更新部は、前日の貸借対照表における棚卸資産の額に対する当日の貸借対照表における棚卸資産の額の増減額を仕訳し、その結果を当日物流取引データとして当日取引トランザクションファイルに記憶させ、
    当日における買掛金の発生及び支払を含む当日購買データ、当日における売掛金の発生及び代金の回収を含む当日販売データ、並びに当日における入金及び出金を含む当日収支データを取得すると共に、前記当日購買データ、前記当日販売データ及び前記当日収支データをそれぞれの勘定科目について仕訳し、その結果を当日営業取引データとして前記当日取引トランザクションファイルに記憶させる営業取引データ取得部と、
    前記当日取引トランザクションファイルに記憶された前記当日物流取引データ及び前記当日営業取引データを仕訳し、その結果を当日試算表トランザクションファイルに記憶させる当日取引データ仕訳部と、
    前記当日試算表トランザクションファイルに記憶された仕訳結果に基づき、当日における貸借対照表、損益計算書及びキャッシュフロー計算書を当日財務三表として作成する当日財務三表作成部と、
    を備える請求項1又は2に記載のリアルタイム貸借対照表作成システム。
  4. 前記当日財務三表に基づき、下記式(2)で表される評価指標SCCCを算出する当日指標算出部を備える請求項3記載のリアルタイム貸借対照表作成システム。
    SCCC=(M/C+R/S+P/C)・D (2)
    (式中、Mは棚卸資産の額であり、Cは売上原価の額であり、Rは売上債権の額であり、Sは売上高であり、Pは仕入債務の額であり、Dは年間日数である。)
  5. 前記当日財務三表を変換することにより、所定の財務会計基準に基づく財務三表を作成する財務三表変換部を備える請求項3又は4に記載のリアルタイム貸借対照表作成システム。
  6. 製品の品目及びロット毎に、材料の仕入れから製品を出荷するまでの工程毎の物流情報をリアルタイムに取得する物流追跡機能と、
    別途設けられている生産管理システムに備えられたマスタファイルにアクセスし、部品表データ及び工程データを含む生産データを取得する生産データ取得機能と、
    基準となる貸借対照表を記憶する貸借対照表記憶機能と、
    前記生産データ取得機能によって取得される前記生産データを参照して、前記物流追跡機能により取得された直近までの前記物流情報を、即時且つ順次に、貸借対照表の棚卸資産に当たる勘定科目について仕訳する即時仕訳機能と、
    前記即時仕訳機能によって仕訳された結果を用いて、即時且つ順次に、前記貸借対照表記憶機能に記憶されている前記貸借対照表を更新することにより、当該時点における貸借対照表をリアルタイム貸借対照表として作成する貸借対照表更新機能と、
    をコンピュータに実現させることを特徴とするリアルタイム貸借対照表作成プログラム。
  7. 前記リアルタイム貸借対照表に基づき、下記式(1)で表される評価指標BSQを即時に算出する即時指標算出機能を備える請求項6記載のリアルタイム貸借対照表作成プログラム。
    BSQ=(M+R)/A+N/C (1)
    (式中、Mは棚卸資産の額であり、Rは売上債権の額であり、Aは現金預金を除く資産合計額であり、Nは仕入債務の額であり、Cは負債及び資本合計額である。)
  8. 前記貸借対照表更新機能は、前日の貸借対照表における棚卸資産の額に対する当日の貸借対照表における棚卸資産の額の増減額を仕訳し、その結果を当日物流取引データとして当日取引トランザクションファイルに記憶させ、
    当日における買掛金の発生及び支払を含む当日購買データ、当日における売掛金の発生及び代金の回収を含む当日販売データ、並びに当日における入金及び出金を含む当日収支データを取得すると共に、前記当日購買データ、前記当日販売データ及び前記当日収支データをそれぞれの勘定科目について仕訳し、その結果を当日営業取引データとして前記当日取引トランザクションファイルに記憶させる営業取引データ取得機能と、
    前記当日取引トランザクションファイルに記憶された前記当日物流取引データ及び前記当日営業取引データを仕訳し、その結果を当日試算表トランザクションファイルに記憶させる当日取引データ仕訳機能と、
    前記当日試算表トランザクションファイルに記憶された仕訳結果に基づき、当日における貸借対照表、損益計算書及びキャッシュフロー計算書を当日財務三表として作成する当日財務三表作成機能と、
    を備える請求項6又は7に記載のリアルタイム貸借対照表作成プログラム。
  9. 前記当日財務三表に基づき、下記式(2)で表される評価指標SCCCを算出する当日指標算出機能を備える請求項8記載のリアルタイム貸借対照表作成システム。
    SCCC=(M/C+R/S+P/C)・D (2)
    (式中、Mは棚卸資産の額であり、Cは売上原価の額であり、Rは売上債権の額であり、Sは売上高であり、Pは仕入債務の額であり、Dは年間日数である。)
  10. 前記当日財務三表を変換することにより、所定の財務会計基準に基づく財務三表を作成する財務三表変換機能を備える請求項8又は9に記載のリアルタイム貸借対照表作成プログラム。
  11. 貸借対照表に基づき、下記式(1)で表される評価指標BSQをコンピュータに算出させることを特徴とする貸借対照表評価プログラム。
    BSQ=(M+R)/A+N/C (1)
    (式中、Mは棚卸資産の額であり、Rは売上債権の額であり、Aは現金預金を除く資産合計額であり、Nは仕入債務の額であり、Cは負債及び資本合計額である。)
  12. 貸借対照表及び損益計算書に基づき、下記式(2)で表される評価指標SCCCをコンピュータに算出させることを特徴とする資金循環速度評価プログラム。
    SCCC=(M/C+R/S+P/C)・D (2)
    (式中、Mは棚卸資産の額であり、Cは売上原価の額であり、Rは売上債権の額であり、Sは売上高であり、Pは仕入債務の額であり、Dは年間日数である。)
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