JP2014185562A - 火花点火式内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

火花点火式内燃機関の排気浄化装置 Download PDF

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紀靖 小橋
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Abstract

【課題】排気中のPMを捕集するフィルタを備える火花点火式内燃機関の排気浄化装置において、PMの酸化除去が行われた場合にフィルタが過昇温状態に至るのを抑制する。
【解決手段】火花点火式内燃機関の排気通路に設けられたPMを捕集するフィルタと、捕集されたPMを酸化除去するフィルタ再生処理部と、仮に酸化除去が行われた場合に、フィルタが過昇温状態に至ると想定されるときのフィルタに関する所定のパラメータの閾値を算出する算出部と、実際に酸化除去が行われた場合に、フィルタが過昇温状態に至るのが抑制されるように、算出された閾値に基づいて燃焼条件を調整する調整部と、を備えるようにした。
【選択図】図3

Description

本発明は、排気中の粒子状物質を捕集するフィルタを備える火花点火式内燃機関の排気浄化装置に関する。
排気中の粒子状物質(以下、「PM」ともいう)を捕集するフィルタを備える火花点火式内燃機関の排気浄化装置においては、フィルタに堆積したPMを除去する必要がある。PMの除去は、フィルタに流入する排気中の酸素を用いてPMを燃焼させること(酸化除去)によって行われる。特許文献1には、理論空燃比近傍で運転されるストイキガソリンエンジンにおいて、燃料供給が停止される車両の減速時にフィルタに捕集されたPMを酸化除去する技術が開示されている。
特開2003−269223号公報
ところで、特許文献1記載の技術では、エンジンの運転は理論空燃比近傍で行われるため、エンジンの運転中にPMを酸化除去することが困難である。そのため、エンジンの運転が継続して、PMの捕集量が過度に多くなったり、フィルタ温度が過度に高くなったりした後にPMの酸化除去が実行されると、フィルタの過昇温が生じる虞がある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、排気中のPMを捕集するフィルタを備える火花点火式内燃機関の排気浄化装置において、PMの酸化除去が行われた場合にフィルタが過昇温状態に至るのを抑制することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明に係る火花点火式内燃機関の排気浄化装置は、
火花点火式内燃機関の排気通路に設けられ、該内燃機関から排出される排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、
前記フィルタに流入する排気中の酸素量を増加させて、該フィルタに捕集された粒子状物質を酸化除去するフィルタ再生処理部と、
仮に前記フィルタ再生処理部によって前記フィルタに捕集された粒子状物質の酸化除去が行われた場合に、該フィルタが過昇温状態に至ると想定されるときの該フィルタに関する所定のパラメータの閾値を算出する算出部と、
実際に前記フィルタ再生処理部によって前記酸化除去が行われた場合に、該フィルタが過昇温状態に至るのが抑制されるように、前記所定のパラメータの閾値に基づいて前記火花点火式内燃機関の燃焼条件を調整する調整部と、
を備えるようにした。
フィルタに捕集された粒子状物質(以下、「PM」ともいう)は、フィルタに流入する排気中の酸素と酸化反応を起こすことによって酸化除去される。本発明においては、フィルタ再生処理部が、フィルタに流入する排気中の酸素量を増加させるため、該フィルタに捕集された粒子状物質が効果的に酸化除去される。
PMの酸化反応は発熱反応であるため、PMの酸化除去が行われるとフィルタの温度が
上昇する。フィルタの温度が上昇して所定の温度を超えると、フィルタが過昇温状態に至る。ここで、PMの酸化除去の実行前のフィルタの温度は、フィルタに流入する排気の温度に応じて変化する。また、PMの酸化除去によって上昇するフィルタの温度の上昇値も、フィルタに関する所定の物理量に応じて変化する。なお、この所定の物理量とは、PMの酸化除去の実行時におけるフィルタの温度上昇値と相関関係にある物理量であって、例えば、酸化除去の実行前におけるPMの堆積量が挙げられる。
ここで、酸化除去の実行前のフィルタの温度が高ければ、PMの酸化速度が速くなるため、酸化除去の実行前のPMの堆積量が同じでも温度の上昇値が高くなり、フィルタが過昇温状態に至りやすい。また、酸化除去によって上昇するフィルタの温度の上昇値が高ければ、酸化除去の実行前のフィルタの温度が低くても、フィルタが過昇温状態に至りやすい。このように、フィルタが過昇温状態に至るときの、該フィルタの酸化除去の実行前の温度と該フィルタに関する所定の物理量との間には相関関係がある。この相関関係から、当該温度や当該物理量について、仮にPMの酸化除去が行われた場合に、フィルタが過昇温状態に至ると想定されるときの閾値を算出することができる。なお、この相関関係は実験等によって求めればよい。
本発明における算出部は、以上のようにして、仮にPMの酸化除去が行われた場合に、フィルタが過昇温状態に至ると想定されるときの該フィルタに関する所定のパラメータの閾値を算出する。なお、「所定のパラメータの閾値」とは、上述の、酸化除去の実行前のフィルタの温度や、酸化除去の実行時のフィルタの温度上昇値と相関関係にある所定の物理量である。
そして、本発明における調整部は、実際にPMの酸化除去が行われた場合に、フィルタが過昇温状態に至るのが抑制されるように、算出された所定のパラメータの閾値に基づいて、火花点火式内燃機関の燃焼条件を調整する。つまり、この調整部は、算出された所定のパラメータの閾値に基づいて、この所定のパラメータが該閾値を超えないように、火花点火式内燃機関の燃焼条件を調整する。これにより、フィルタが過昇温状態に至ることが未然に抑制される。
以上より、本発明によれば、PMの酸化除去が行われた場合にフィルタが過昇温状態に至ることを、火花点火式内燃機関の運転中において、未然に抑制することが可能になる。
また、本発明においては、前記所定のパラメータは、前記フィルタの温度であって、前記算出部は、前記所定のパラメータの閾値として、前記フィルタ再生処理部によって前記酸化除去が行われた場合に、該フィルタが過昇温状態に至ると判断されるときの該フィルタの閾温度を算出し、前記調整部は、前記閾温度に基づいて、前記火花点火式内燃機関における火花点火時期の進角量を調整するようにしてもよい。
つまり、本発明の調整部は、算出された酸化除去の実行前のフィルタ温度の閾値に基づいて、酸化除去の実行前のフィルタ温度が酸化除去の実行時に該閾値を超えないように、火花点火式内燃機関の燃焼条件を調整する。
ここで、火花点火式内燃機関においては、点火時期が進角されると、燃焼終了から排気弁の開弁までの時間が長くなるため、排出される排気温度が低下する。このようにして温度を低下させた排気をフィルタに流入させることにより、フィルタの温度を低下させることが可能になる。なお、点火時期の進角量を大きくするほど排気温度が低下する。
ゆえに、本発明によれば、算出された閾温度に基づいて、火花点火時期の進角量が調整されるため、火花点火式内燃機関の運転中において、排気温度を必要なだけ低下させるこ
とができる。これにより、フィルタの温度を算出された閾温度未満まで低下させることが可能になる。その結果、PMの酸化除去が行われた場合にフィルタが過昇温状態に至ることを未然に抑制することが可能になる。
また、本発明においては、前記所定のパラメータは、前記フィルタに捕集された粒子状物質の堆積量であって、前記算出部は、前記所定のパラメータの閾値として、前記フィルタ再生処理部によって前記酸化除去が行われた場合に、該フィルタが過昇温状態に至ると判断されるときの閾堆積量を算出し、前記調整部は、前記閾堆積量に基づいて、前記火花点火式内燃機関における燃料噴射時期を調整するようにしてもよい。
つまり、本発明の調整部は、算出された酸化除去の実行前のPMの堆積量の閾値に基づいて、酸化除去の実行前のPMの堆積量が酸化除去の実行時に該閾値を超えないように、火花点火式内燃機関の燃焼条件を調整する。
ここで、PMの酸化除去によって発生する発熱量は、酸化除去の実行前のPMの堆積量が多いほど大きい。つまり、上述のように、酸化除去の実行前のPMの堆積量は、PMの酸化除去の実行時におけるフィルタの温度上昇値と相関関係にある物理量である。また、火花点火式内燃機関においては、吸気弁や気筒内壁面に付着する燃料が多くなると、不完全燃焼を生じる燃料の量が増加する傾向にあるため、スス等のPMが発生しやすくなる。そのため、このような燃料の付着が抑制されるように燃料噴射時期を調整することで、内燃機関から排出されるPMの量を低減させることができる。
ゆえに、本発明によれば、算出された閾堆積量に基づいて、燃料噴射時期が調整されるため、火花点火式内燃機関の運転中において、排気中のPMの量を必要なだけ低減させることができる。これにより、PMの酸化除去が行われる前において、フィルタに捕集されるPMの量を低減し、PMの堆積量が算出された閾堆積量未満となる状態を可及的に長く維持することができる。これにより、PMの酸化除去が行われた場合にフィルタが過昇温状態に至ること未然に抑制することが可能になる。
本発明によれば、排気中のPMを捕集するフィルタを備える火花点火式内燃機関の排気浄化装置において、PMの酸化除去が行われた場合にフィルタが過昇温状態に至ることを、火花点火式内燃機関の運転中において未然に抑制することが可能になる。
実施例1に係る内燃機関と排気浄化装置の概略構成を示す図である。 実施例1に係るフィルタが過昇温状態に至ると想定されるときの、酸化除去実行前のフィルタのPMの堆積量と温度との関係を示す図である。 実施例1に係る過昇温抑制処理の制御ルーチン示すフローチャートである。 実施例2に係る過昇温抑制処理の制御ルーチン示すフローチャートである。 実施例2に係る過昇温抑制処理の効果を模式的に示す図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載される構成部品の寸法、材質、形状、相対配置等は、特に記載がない限り発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
[実施例1]
<排気浄化装置の全体構成>
図1は、本実施例に係る火花点火式内燃機関の排気浄化装置の概略構成を示す図である
。車両に搭載される火花点火式内燃機関である内燃機関10は、複数の気筒11を有する車両用のガソリンエンジンであって、気筒11内に直接燃料が噴射される、いわゆる直噴ガソリンエンジンである。
気筒11内には、気筒11の内壁面12に対して摺動するピストン13が設けられている。気筒11の上部に設けられた燃焼室には、吸気ポート14と排気ポート15とが接続されている。吸気ポート14および排気ポート15の燃焼室への開口部は、それぞれ吸気弁16および排気弁17によって開閉される。
また、気筒11には、気筒11内に燃料を噴射する燃料噴射弁18と、気筒11内の混合気に点火する点火プラグ19が設けられている。点火プラグ19は、先端に設けられた電極間で火花を発生させることによって混合気を点火する。
吸気ポート14は、気筒11内に吸入される吸気が流通する吸気通路20に接続されている。吸気通路20には、吸気の流量を調節するスロットル弁21と、この流量を検出するエアフローメータ22が設けられている。
また、排気ポート15は、気筒11から排出される排気が流通する排気通路30に接続されている。排気通路30には、排気中の粒子状物質(PM)を捕集するフィルタ31が設けられている。そして、フィルタ31の上流側と下流側には、第1排気圧センサ32と第2排気圧センサ33がそれぞれ配置されている。また、フィルタ31の下流側には、フィルタ31から流出する排気の温度を検出する排気温度センサ34が設けられている。
そして、内燃機関10には、内燃機関10を制御するための電子制御ユニットであるECU40が併設されている。この、ECU40には、燃料噴射弁18、点火プラグ19、スロットル弁21が電気的に接続されており、ECU40によってこれらの装置が制御される。特に、ECU40は、必要に応じて、燃料噴射弁18による燃料噴射時期を調整したり、点火プラグ19による点火時期を調整したりすることができる。また、ECU40には、上述したエアフローメータ22、第1排気圧センサ32、第2排気圧センサ33、排気温度センサ34の他、内燃機関10の機関回転数を検出する回転計35が電気的に接続されており、これらのセンサ等からの出力信号がECU40に入力される。
ここで、ECU40は、排気温度センサ34からの出力信号に基づいて、フィルタ31の温度を推定する。また、ECU40は、第1排気圧センサ32と第2排気圧センサ33からの出力信号に基づいて、フィルタ31に捕集されているPMの堆積量を推定する。そして、ECU40は、車両の減速時等において、必要に応じてフィルタ31に捕集されているPMを酸化除去するフィルタ再生処理を実行する。このフィルタ再生処理は、燃料噴射弁18による燃料噴射の停止中に、フィルタ31に流入する排気内の酸素濃度を高めることによって行われる。これにより、捕集されているPMが酸素と反応して燃焼するため、PMがフィルタ31から酸化除去される。なお、PMが酸化される反応は発熱反応であるため、フィルタ再生処理が実行されるとフィルタ31は昇温される。そのため、フィルタ再生処理の開始時におけるフィルタ31の温度やPMの堆積量によっては、PMの酸化除去の際に生じる発熱によってフィルタ31が過昇温状態に至る可能性がある。フィルタ31が過昇温状態に至ると、フィルタ31の性能の低下や損傷を招く虞があるために望ましくない。そこで、本実施例に係る排気浄化装置では、ECU40によって、フィルタ31の過昇温を抑制する処理(過昇温抑制処理)が必要に応じて実行される。なお、この過昇温抑制処理は、内燃機関10の運転中、すなわち、気筒11内で燃料が燃焼されているときにおいて実行される処理であって、内燃機関10の燃焼条件が調整される処理である。
<フィルタの過昇温抑制処理>
次に、図面を用いて本実施例に係るフィルタ31の過昇温抑制処理について説明する。まず、図2を用いて、フィルタ31が過昇温状態に至ると判断されるときのPMの堆積量と温度の関係について説明する。
図2は、仮にPMの酸化除去が行われた場合に、フィルタ31が過昇温状態に至ると想定されるときの、フィルタ31のPMの堆積量と温度との関係を示す図である。ここで、図2における斜線領域の境界線が、仮にPMの酸化除去が行われた場合に、フィルタ31が過昇温状態に至ると判断されるときの閾温度と閾堆積量を示している。つまり、酸化除去の実行前におけるフィルタ31の温度とPMの堆積量によって定まる点が、図2の境界線上または斜線領域内に属するときに酸化除去が実行されると、フィルタ31に流入する排気中の酸素と堆積したPMとの酸化反応によって生じる発熱によって、フィルタ31が過昇温状態に至ると想定される。より詳細には、フィルタ31の温度が一定のときには、PMの堆積量が閾堆積量以上のときにPMの酸化除去が実行されると、フィルタ31が過昇温状態に至ると想定される。これは、PMの堆積量が多いほど酸化除去によって発生する発熱量が大きくなるためである。また、PMの堆積量が一定のときには、フィルタ31の温度が閾温度以上のときにPMの酸化除去が実行されると、フィルタ31が過昇温状態に至ると想定される。これは、酸化除去の実行前の温度が高いほどPMの酸化速度が速くなるため、PMの堆積量が同じでも温度の上昇値が高くなって過昇温状態に達しやすいためである。このように、酸化除去の実行前のPMの堆積量は、PMの酸化除去の実行時におけるフィルタ31の温度上昇値と相関関係にある物理量である。
以上より、酸化除去の実行前におけるフィルタ31の温度とPMの堆積量によって定まる点が、図2における斜線領域外にあるときにPMの酸化除去が実行されれば、フィルタ31が過昇温状態に至ることを回避することができる。そこで、本実施例においては、PMの酸化除去が実行される前のフィルタ31の温度とPMの堆積量によって定まる点が、図2における斜線領域内に属する場合には、PMの酸化除去の実行前にフィルタ31の温度を低下させる過昇温抑制処理が実行される。
次に、本実施例におけるフィルタ31の過昇温抑制処理の実行手順について、図3を用いて説明する。図3は、過昇温抑制処理が行われる際に、ECU40が実行する制御ルーチンを示すフローである。この制御ルーチンは、内燃機関10の運転中、すなわち、気筒11内において燃料が燃焼されているときに、ECU40によって周期的に実行される制御ルーチンである。なお、本実施例における過昇温抑制処理においては、酸化除去の実行前のPMの堆積量に基づいて、フィルタ31の閾温度が算出される。
この制御ルーチンが実行されると、ECU40は、ステップS101において、各種センサからの検出値や、内燃機関10の運転状態に基づいて、過昇温抑制処理が実行可能であるか否かを判定する。過昇温抑制処理が実行できない場合には本ルーチンは終了される。一方、過昇温制御処理が実行できるときには、肯定判定が下されてステップS102に進む。
ステップS102において、ECU40は、本ルーチン実行時におけるフィルタ31のPMの堆積量と温度を推定する。上述のように、ECU40は、第1排気圧センサ32と第2排気圧センサ33からの出力値に基づいてPMの堆積量を推定する。また、ECU40は、排気温度センサ34からの出力値に基づいてフィルタ31の温度を推定する。
ステップS103において、ECU40は、前ステップで推定されたPMの堆積量から本ルーチンの実行時におけるフィルタ31の閾温度を算出する。ECU40は、例えば、予め実験等によって求められた関数を用いてこの閾温度を算出する。なお、例えば、図2
において境界線で示される閾温度の値を予め数値マップとしてECU40内に用意しておき、前ステップで推定されたPMの堆積量に対応する閾温度が読み込まれるようにしてもよい。
ステップS104において、ECU40は、ステップS102において推定されたフィルタ31の温度が前ステップで取得された閾温度より高いか否かを判定する。否定判定がなされた場合は、本ルーチン実行時におけるフィルタ31の温度とPMの堆積量によって定まる点が、図2に示される斜線領域外に属することを意味する。つまり、この場合には、仮に酸化除去が実行されてもフィルタ31は過昇温状態に至らないと想定される。そのため、ECU40は、本ルーチン実行時における過昇温抑制処理は不要と判断して本ルーチンを終了する。
一方、ステップS104において肯定判定がなされた場合には、本ルーチン実行時におけるフィルタ31の温度とPMの堆積量が、図2に示される斜線領域内に属することを意味する。つまり、この場合には、仮に酸化除去が実行されるとフィルタ31が過昇温状態に至ると想定される。そのため、ECU40は、ステップS105に進んで、点火プラグ19による点火時期の進角量の目標値を算出する。
ここで、一般に、火花点火式内燃機関においては、点火時期が進角されると、気筒内における燃焼の終了から排気弁の開弁までの時間が長くなるため、排出される排気温度が低下する。また、点火時期の進角量が大きいほど排気温度が低下する。そこで、ECU40は、ステップS105において、以前のステップで推定されたフィルタ31の温度と算出された閾温度とに基づいて、本ルーチンにおける点火時期の進角量の目標値を算出する。つまり、例えば、図2において白丸で示されるように、本ルーチン実行時におけるフィルタ31の温度と閾温度との差が小さい場合は、図2において実線矢印で模式的に示されるように、排気温度をそれほど低下させる必要がない。ゆえに、この場合には、ECU40によって算出される点火時期の進角量の目標値は小さくてよい。一方、図2において黒丸で示されるように、本ルーチン実行時におけるフィルタ31の温度と閾温度との差が大きい場合は、図2において破線矢印で模式的に示されるように、排気温度を十分に低下させる必要がある。ゆえに、この場合には、ECU40によって算出される点火時期の進角量の目標値は大きくなる。なお、点火時期の進角量の目標値は、予め実験等によって求められた方法によって算出される。また、点火時期の進角量の目標値を算出する替わりに、ECU40は、予め用意された数値マップから、本ルーチン実行時におけるフィルタ31の温度や閾温度に対応する進角量の目標値を取得するようにしてもよい。
ステップS106において、ECU40は、前ステップで算出された進角量の目標値だけ、点火プラグ19による点火時期の進角量を調整する。これにより、気筒11から排出されて、フィルタ31に流入する排気温度が低下するため、フィルタ31の温度を低下させることができる。本ステップが実行されると本ルーチンは終了される。
なお、ステップS105において、以前のステップで算出された閾温度に基づいて点火時期の進角量の目標値を算出するECU40が、本発明における算出部に相当する。また、ステップS106において、点火プラグ19による点火時期の進角量を調整するECU40が、本発明における調整部に相当する。
本実施例によれば、点火プラグ19の点火時期を調整することができるため、排気温度を必要なだけ低下させて、フィルタ31の温度を算出された閾温度未満まで低下させることが可能になる。これにより、PMの酸化除去が行われた場合にフィルタ31が過昇温状態に至ることを、内燃機関10の運転中において、未然に抑制することが可能になる。
また、本実施例によれば、点火時期の調整という、火花点火式内燃機関に特有の制御によって、フィルタ31の過昇温を容易に抑制することが可能になる。
[実施例2]
次に、本発明の第2の実施例について説明する。本実施例においては、PMの酸化除去が行われた場合にフィルタが過昇温状態に至るのを抑制するために、上述の実施例1とは異なる過昇温抑制処理が行われる。以下、本実施例に係る過昇温抑制制御について、実施例1とは異なる点を中心に説明する。
既に説明したように、酸化除去の実行前におけるフィルタ31の温度とPMの堆積量によって定まる点が、図2における斜線領域外にあるときにPMの酸化除去が実行されれば、フィルタ31が過昇温状態に至ることを回避することができる。そこで、本実施例においては、PMの酸化除去が実行される前に、フィルタ31におけるPMの堆積量の増加を可及的に抑制し、フィルタ31の温度とPMの堆積量によって定まる点が、当該斜線領域外に位置する状態を可及的に長く維持する。これにより、PMの酸化除去によってフィルタ31が過昇温状態に至ることを抑制することができる。
以下、本実施例における過昇温抑制処理の実行手順について、図4及び図5を用いて説明する。なお、図4は、過昇温抑制処理が行われる際に、ECU40が実行する制御ルーチンを示すフローである。また、図5は、本実施例に係る過昇温抑制処理の効果を模式的に示す図であり、図2と同様に、仮にPMの酸化除去が行われた場合に、フィルタ31が過昇温状態に至ると想定されるときの、フィルタ31のPMの堆積量と温度との関係が示されている。図4に示される制御ルーチンは、内燃機関10の運転中に、ECU40によって周期的に実行される制御ルーチンである。なお、本実施例における過昇温抑制処理においては、酸化除去の実行前のフィルタ31の温度に基づいて、PMの閾堆積量が算出される。また、この制御ルーチンにおいては、ステップS102までの処理は上述の実施例1と同様であるから説明は省略する。
ステップS102の実行後、ECU40は、ステップS203において、前ステップで推定されたフィルタ31の温度から本ルーチンの実行時におけるPMの閾堆積量を算出する。ECU40は、例えば、予め実験等によって求められた関数を用いてこの閾堆積量を算出する。なお、例えば、図2において境界線で示される閾堆積量の値を予め数値マップとしてECU40内に用意しておき、前ステップで推定されたフィルタ31の温度に対応する閾堆積量が読み込まれるようにしてもよい。
ステップS204において、ECU40は、燃料噴射弁18による燃料噴射時期の調整量の目標値を算出する。ここで、一般に、火花点火式内燃機関においては、吸気弁や気筒内壁面に付着する燃料が多くなると、不完全燃焼を生じる燃料の量が増加する傾向にあるために、スス等のPMが発生しやすくなる。そのため、このような燃料の付着が抑制されるように燃料噴射時期を調整することで、内燃機関から排出されるPMの量を低減させることができる。そこで、ECU40は、本ステップにおいて、以前のステップで取得されたPMの堆積量と閾堆積量とに基づいて、本ルーチンにおける燃料噴射時期の調整量の目標値を算出する。ここで、当該目標値は、PMの堆積量と閾堆積量との差に応じて求められる。つまり、例えば、図5において白丸で示されるように、本ルーチン実行時におけるPMの堆積量と算出された閾堆積量との差が小さい場合は、破線矢印で模式的に示されるように、内燃機関10の運転が継続されると、フィルタ31のPMの堆積量が閾堆積量を超過する可能性がある。この場合には、PMの堆積量の増加を可及的に抑制するために、PMの排出量が十分に低減されるような目標値が算出される。
一方、図5において黒丸で示されるように、本ルーチン実行時におけるPMの堆積量と
算出された閾堆積量との差が大きい場合は、現時点の燃焼条件による運転が継続しても、フィルタ31のPMの堆積量が閾堆積量を超過する可能性が低い。この場合には、燃料噴射時期の調整による不利益を考慮して、小さい調整量が算出されてもよいし、調整量を零にしてもよい。なお、本ステップにおける燃料噴射時期の調整量の目標値は、予め実験等によって求められた方法によって算出される。また、予め用意された数値マップから、対応する調整量の目標値を取得するようにしてもよい。
ステップS205において、ECU40は、前ステップで算出された調整量の目標値だけ、燃料噴射弁18による燃料噴射時期を調整する。これにより、気筒11の内壁面12や吸気弁16に付着する燃料が減少するため、気筒11から排出されて、フィルタ31に流入する排気内のPM量が減少する。その結果、図5において実線矢印で模式的に示されるように、フィルタ31におけるPMの堆積量の増加を抑制することができる。本ステップが実行されると本ルーチンは終了される。
なお、ステップS204において、以前のステップで算出された閾堆積量に基づいて燃料噴射時期の調整量の目標値を算出するECU40が、本発明における算出部に相当する。また、ステップS205において、燃料噴射弁18による燃料噴射時期を調整するECU40が、本発明における調整部に相当する。
本実施例によれば、燃料噴射弁18による燃料噴射時期を調整することができるため、排気中のPMの量を必要なだけ低減させることができる。これにより、PMの酸化除去が行われる前において、フィルタ31に捕集されるPMの量を低減し、フィルタ31のPMの堆積量が、算出された閾堆積量未満となる状態を可及的に長く維持することができる。その結果、PMの酸化除去が行われた場合にフィルタ31が過昇温状態に至ることを、内燃機関10の運転中において、未然に抑制することが可能になる。
また、本実施例によれば、燃料噴射点火時期の調整という、燃料噴射時期の調整の自由度が高い、火花点火式内燃機関に特有の制御によって、フィルタ31の過昇温を容易に抑制することが可能になる。
なお、上述の実施例においては、内燃機関10は、気筒11内に直接燃料が噴射される、いわゆる直噴ガソリンエンジンであるが、本発明が適用できる火花点火式内燃機関はこの種のガソリンエンジンに限定されない。例えば、本発明は、吸気ポートに燃料が噴射される、いわゆるポート噴射式ガソリンエンジンにも適用することができる。また、上述の実施例においては、PMの酸化除去の実行時におけるフィルタ31の温度上昇値と相関関係にある物理量として、酸化除去の実行前におけるPMの堆積量を用いているが、当該物理量はこれに限られない。つまり、酸化除去の実行時におけるフィルタ31の温度上昇値と相関関係にある限りにおいて、フィルタ31に関する他の物理量を用いてもよい。
10 内燃機関
18 燃料噴射弁
19 点火プラグ
31 フィルタ
32 第1排気圧センサ
33 第2排気圧センサ
34 排気温度センサ
40 ECU

Claims (3)

  1. 火花点火式内燃機関の排気通路に設けられ、該内燃機関から排出される排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、
    前記フィルタに流入する排気中の酸素量を増加させて、該フィルタに捕集された粒子状物質を酸化除去するフィルタ再生処理部と、
    仮に前記フィルタ再生処理部によって前記フィルタに捕集された粒子状物質の酸化除去が行われた場合に、該フィルタが過昇温状態に至ると想定されるときの該フィルタに関する所定のパラメータの閾値を算出する算出部と、
    実際に前記フィルタ再生処理部によって前記酸化除去が行われた場合に、該フィルタが過昇温状態に至るのが抑制されるように、前記所定のパラメータの閾値に基づいて前記火花点火式内燃機関の燃焼条件を調整する調整部と、
    を備える、火花点火式内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記所定のパラメータは、前記フィルタの温度であって、
    前記算出部は、前記所定のパラメータの閾値として、前記フィルタ再生処理部によって前記酸化除去が行われた場合に、該フィルタが過昇温状態に至ると判断されるときの該フィルタの閾温度を算出し、
    前記調整部は、前記閾温度に基づいて、前記火花点火式内燃機関における火花点火時期の進角量を調整する、
    請求項1に記載の火花点火式内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記所定のパラメータは、前記フィルタに捕集された粒子状物質の堆積量であって、
    前記算出部は、前記所定のパラメータの閾値として、前記フィルタ再生処理部によって前記酸化除去が行われた場合に、該フィルタが過昇温状態に至ると判断されるときの閾堆積量を算出し、
    前記調整部は、前記閾堆積量に基づいて、前記火花点火式内燃機関における燃料噴射時期を調整する、
    請求項1に記載の火花点火式内燃機関の排気浄化装置。
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