JP2014184799A - 電動車両の走行制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】断続運転モードを備えた電動車両において、惰性走行時にドライバビリティや動力性能を確保する。
【解決手段】駆動輪への動力供給が停止される惰性走行と、前記駆動輪に対する前記動力源からの動力供給を伴う緩加速走行とが周期的に繰り返される断続運転モードを備えた電動車両を制御する装置(100)は、加減速走行が行われるか否かを予測する予測手段と、前記加減速走行が行われると予測される場合において前記断続運転モードが行なわれる場合に、前記惰性走行の実行期間における回転電機の動作状態を前記回転電機への通電が維持された第1動作状態に制御し、前記加減速走行が行われないと予測される場合において前記断続運転モードが行なわれる場合に、前記惰性走行の実行期間における前記回転電機の動作状態を前記回転電機への通電が停止された第2動作状態に制御する制御手段とを具備する。
【選択図】図3

Description

本発明は、電動車両の走行制御装置の技術分野に関する。
この種の装置が、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された車両の制御装置によれば、車速を目標車速に維持するクルーズコントロール時に、車速が定常走行管理範囲内であることを条件として電動機の出力が略ゼロとされ、積極的に惰性走行が行われる。従って、運動エネルギを車両走行に有効利用することができ、クルーズコントロール時の燃費の向上を図ることができるとされている。
尚、特許文献2には、電気車において慣性走行時にインバータをシャットダウンさせる技術が記載されている。
また、特許文献3には、電動機が高速でフリーランしている場合に、電動機の電流をゼロとする技術が記載されている。
また、特許文献4には、インバータ装置を停止させ惰性で走行させている状態で、誘起電圧が所定値を超えた場合には、ブレーキトルクの発生を抑制するためにインバータ装置の電圧を誘起電圧に基づいて変更する旨の記載がある。
特開2011−239605号公報 特開2007−336647号公報 特開2004−328920号公報 特開2010−154661号公報
近年、駆動輪を間欠駆動することによって定常走行状態の維持を図る、断続運転モードを備えた電動車両が提案されている。駆動輪の間欠駆動とは、即ち、駆動輪に対し、動力(例えば、好適な一形態としてトルク)を間欠的に供給することを意味する。断続運転モードによる走行が行われる場合、車両は、駆動輪への動力供給が停止される期間において惰性走行状態となり、駆動輪への動力供給が行われる期間において緩加速状態となる。緩加速とは、定常走行が維持される前提に立った、惰性走行期間における車速の低下を補うための加速を意味する。惰性走行と緩加速走行とが交互に行われることにより、車速は実践上不都合のない範囲で適度に変動しつつ、例えば、平均車速が概ね一定に維持される。即ち、定常走行状態が維持される。
ここで、電気自動車やハイブリッド車両等、EV走行(電気走行)が可能な車両を包括する概念としての電動車両において、この断続運転モードによる走行が行われる場合、惰性走行時には駆動輪への動力供給が不要となることから、上記特許文献1に開示されるように、電動機や電動発電機等の回転電機をシャットダウンすることができる。シャットダウンとは、回転電機を電気的に駆動するインバータ等の電力制御デバイスの稼動を停止させることを意味し、具体的には、例えば、当該電力制御デバイスにおける半導体スイッチング素子をオフ状態とすること等を意味する。従って、回転電機をシャットダウンさせることにより、回転電機をバッテリや昇圧コンバータ等の電力系統から電気的に遮断することができ、電動車両における電力消費を好適に抑制することができる。
ところで、このような断続運転モードによる定常走行時においては、断続運転モードの一部として行われる、上述した緩加速及び惰性走行による緩減速等とは根本的に異なる、通常の加減速が要求されることがある。ここで、「根本的に異なる」とは、大略下記二点を意味する。
第1に、断続運転モードは定常走行状態を維持するための走行モードであるから、車速の変化は定常走行が破綻しない許容範囲内で生じることが前提となっている。必然的に、回転電機に要求される動力規模は相対的に小さくて済む。これに対して通常の加減速とは、運転者の運転操作に伴う加減速であり、例えばアクセル開度やブレーキペダル踏下量に応じた加減速である。従って、回転電機に要求される動力規模は、断続運転モードよりも大きくなる。また、その結果、車両の定常走行は破綻し、車両の走行態様は加速及び/又は減速を伴う加減速走行へと移行する。
第2に、断続運転モードは定常走行状態を維持するための走行モードであるから、加速感は要求されない。また、アクセルワーク(開度変化)やブレーキ操作等は行われないのが前提であるから、元より応答性なる概念は存在しない。必然的に、緩加速時及び惰性走行時のいずれにおいても、回転電機に俊敏な応答は求められない。これに対して通常の加減速は、好適には運転者の運転操作に応じて要求されるものであるから、運転操作に対する応答性能が要求される。
このような通常の加減速が要求され、加減速走行が行われる場合において、回転電機がシャットダウンされていると、回転電機から駆動輪へ必要な動力供給が開始されるまでに相応の時間が必要となる。即ち、相対的に大きな動力を良好な応答性を伴って供給することが望まれる状況に対して、応答速度が不十分となることから、要求動力と供給動力との差が大きくなる。必然的に、動力性能やドライバビリティの低下が顕在化する。
一方、このような動力性能やドライバビリティの低下を回避する目的から、惰性走行時に回転電機への通電を維持することもできる。このような制御は、回転電機をシャットダウンするよりも容易であり、目標トルク等、通常の動力制御を行えば済む。例えば、回転電機の動力は、回転電機が一種の引き摺り抵抗(エンジンブレーキ)となって惰性走行における車速の低下を助長しないように、駆動輪に作用する動力が正負いずれの値にもならないように制御される。しかしながら、この場合、回転電機を駆動するインバータ等の電力制御デバイスはアクティブであり、電力消費の抑制効果が十分に得られ難い。
即ち、上記先行技術文献に開示された技術思想を含む従来の技術思想を、断続運転モードによる定常走行時に適用し得たとしても、ドライバビリティ及び動力性能の低下抑制と、電力消費抑制とを両立することは難しい。即ち、従来の技術には、ドライバビリティや動力性能を確保しつつ電力消費を抑制することが困難である旨の技術的問題点がある。本発明は、係る技術的問題点に鑑みてなされたものであり、断続運転モードを備えた電動車両において、惰性走行時にドライバビリティや動力性能を確保しつつ電力消費を抑制可能な、電動車両の走行制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る電動車両の走行制御装置は、動力源として回転電機を備え、定常走行を維持する走行モードとして、駆動輪への動力供給が停止される惰性走行と、前記駆動輪に対する前記動力源からの動力供給を伴う緩加速走行とが周期的に繰り返される断続運転モードを備えた電動車両を制御する、電動車両の走行制御装置であって、加減速走行が行われるか否かを予測する予測手段と、前記加減速走行が行われると予測される場合に、前記断続運転モードにおける前記惰性走行の実行期間において前記回転電機の動作状態を前記回転電機への通電が維持された第1動作状態に制御し、前記加減速走行が行われないと予測される場合に、前記断続運転モードにおける前記惰性走行の実行期間において前記回転電機の動作状態を前記回転電機への通電が停止された第2動作状態に夫々制御する制御手段とを具備することを特徴とする(請求項1)。
本発明に係る「電動車両」とは、例えば、回転電機のみを動力源として有する電気自動車や、一又は複数の回転電機と内燃機関とを動力源として有する各種のハイブリッド自動車を含む。
本発明に係る電動車両は、定常走行を維持する走行モードとして断続運転モードを有する。断続運転モードにおいては、先述したように、緩加速走行と惰性走行(通常、緩減速を伴う)との周期的繰り返しにより、車速は適度な範囲で周期的に変動し、定常走行状態が維持される。
断続運転モードの開始条件やその実践的態様は一義に限定されない。例えば、断続運転モードは、車速の変化量が一定期間継続して所定値以内である場合や、アクセル開度の変化量が一定期間継続して所定値以内である場合等に、その実行条件が満たされてもよい。また、断続運転モードは、車速の時間平均値が目標車速又は断続運転モード開始時点の車速に維持されるように実行されてもよい。また、断続運転モードにおける車速の変動幅や緩加速時の加速度等は、定常走行が破綻しない範囲で自由に決定されてよい。
本発明に係る電動車両の走行制御装置によれば、予測手段により、加減速走行が行われるか否かが予測される。
加減速走行とは、加速走行及び/又は減速走行或いはそれらが頻繁に又は不定期に繰り返される走行態様を意味し、定常走行とは異なる走行態様である。即ち、加減速走行に係る「加速」とは、断続運転モードによる走行期間(以下、適宜「断続運転期間」とする)において周期的に生じる緩加速とは根本的に異なり、加減速走行における「減速」とは、断続運転期間において周期的に生じる緩減速(惰性走行による自然減速)とは根本的に異なる。
予測手段に係る予測は、電動車両の将来の走行状態の推定を含む概念であり、例えば、過去の時間領域を含む一定又は不定の期間における、車両の運転条件を規定する制御量、物理量或いは指標値等の履歴、時間推移又は統計等に基づいて行われる。或いは予測手段に係る予測は、走行路の種別、交通量、信号機状態又は渋滞予測等に基づいて行われてもよい。予測手段に係る予測は、望ましくは周期的に繰り返し行われる。この場合、予測手段の予測結果は、この周期的な予測の繰り返しにより適宜更新され得る。
加減速走行は、通常、運転者の然るべき運転操作を伴う。従って、断続運転モードの実行期間において加減速走行が要求され、加減速走行が行われる場合、加速走行の場合には回転電機から正トルク(即ち、駆動トルク)を駆動輪に迅速に供給する必要が生じる場合がある。また、減速走行の場合には回転電機から負トルク(即ち、回生トルク)を駆動輪に迅速に供給する必要が生じる場合がある。
本発明に係る電動車両の走行制御装置によれば、予測手段の予測結果に基づいて断続運転モードの惰性走行期間における回転電機の動作状態が制御される。具体的には、加減速走行が行われると予測される場合には、惰性走行期間における回転電機の動作状態は第1動作状態に制御され、同じく加減速走行が行われないと予測される場合には、惰性走行期間における回転電機の動作状態は第2動作状態に制御される。
第1動作状態は、回転電機への通電が維持されたまま駆動輪への動力供給が停止された状態であり、例えば、回転電機の出力トルクがゼロトルクである状態、即ち、駆動輪又は駆動輪に連結される駆動軸に作用するトルクが正負のいずれでもない状態等を意味する。回転電機が第1動作状態にある場合、回転電機を駆動するインバータ等の各種電力制御デバイスはアクティブであるから相応の電力消費が生じるが、加減速要求が発生した場合には、当該加減速要求に応じた応答性の高い出力制御が実現される。
第2動作状態は、回転電機がシャットダウンされた状態であり、端的には回転電機を駆動するインバータ等の各種電力制御デバイスがバッテリや昇圧コンバータ等の電力供給系統から遮断され、その稼動が停止した状態を意味する。回転電機が第2動作状態にある場合、回転電機から駆動輪に対し動力供給を行うためには、少なくとも電力制御デバイスの始動プロセスが必要であり、例えば、電力制御デバイスの立ち上げ期間や動作安定に要する期間等の分だけ、第1動作状態よりも回転電機の応答動作は遅れる。一方、第2動作状態では、電力制御デバイスにおける電力消費が全く生じないため、電力消費については、第1動作状態と較べて抑制され得る。即ち、第1及び第2動作状態は、その効能が相互に背反する。
従って、本発明に係る電動車両の走行制御装置によれば、加減速走行が行われると予測される、或いは加減速走行が行われる可能性が高いと予測される場合には、第1動作状態により回転電機の応答性が確保され、加減速走行が行われないと予測される、或いは加減速走行が行われる可能性が高くないと予測される場合には、第2動作状態により電力消費が抑制される。即ち、予測手段の予測結果に基づいて回転電機の動作状態を的確に切り替えることによって、ドライバビリティ及び動力性能を確保しつつ、可及的に電力消費を抑制することができるのである。
尚、加減速走行は、上述したように運転者の加減速操作を伴うから、運転者による加減速走行の実行要求としての加減速要求は、車両の運転条件を規定する監視可能な一又は複数の制御量や指標値に基づいて容易に検出され得る。例えば、加速要求は、多くの場合運転者のアクセル操作を伴うから、アクセル開度を判断基準とすることができる。減速要求は、多くの場合運転者のブレーキ操作を伴うから、ブレーキペダル踏下量を判断基準とすることができる。しかしながら、この場合、加減速要求が検出されるタイミングは、加減速要求が発生したタイミングと大略同時であり、厳密に言えば、加減速要求に先んじることはない。従って、時間履歴が伴わない、その時点における当該制御量や指標値そのものを判断基準とするこれらの手法は、本発明の予測手段に係る「予測」の概念には含まれない。また、実践的運用面において、このような旧来なされ得る加減速要求の検出手法が適用されたところで、断続運転モードが要求された場合に回転電機の動作状態をいずれの状態とすべきかを的確に判断することはできない。
これに対して、予測手段に係る予測は、実際に加減速要求が生じる以前に、好適には断続運転モードの実行が要求される以前に行われる。即ち、実際に断続運転モードの実行条件が満たされた時点において、惰性走行時に制御すべき回転電機の動作状態は既に決定されている。従って、本発明によれば、惰性走行時に回転電機がシャットダウンされている状態から加減速走行が要求される事態や、加減速走行が要求される可能性が低いにもかかわらず惰性走行時に回転電機の通電が維持されるといった事態の発生を防止することができる。
本発明に係る電動車両の走行制御装置の一の態様では、前記予測手段は、所定期間における前記電動車両の運転条件に基づいて前記加減速走行が行われるか否かを予測する(請求項2)。
この態様によれば、所定期間における車両の運転条件、即ち、車両の運転条件を規定する制御量、物理量或いは指標値等の履歴、時間推移又は統計等に基づいて、加減速走行が行われるか否かが予測される。このような車両の運転条件に基づいた予測は、車両を制御する上で必要な情報に基づくことからコストの増加を伴うことなく行われ得るのに加え、運転条件に運転者個々の意思、運転技量或いはクセ等が反映され得ることから運転者に影響されることのない正確な予測を可能とする。
尚、本態様においては、運転条件と加減速走行が行われるか否かとが、直接的又は間接的に対応付けられている限りにおいて、実践的な予測プロセスの進行は限定されない。
尚、この態様では、前記運転条件は、前記所定期間における電動車両の車速の平均値及び加減速度の平均値であってもよい(請求項3)。
断続運転モードの実行条件は、事前に定められた条件であるから、実際の車両の走行状態を必ずしも反映しない。例えば、中長期的に見れば加減速が頻繁に繰り返されている状況、或いは、近い将来に加減速走行が高い確率で生じ得る状況においても、あるタイミングで断続運転モードの実行条件が満たされることは少なからずある。
一方、例えば頻繁に加減速が繰り返される状況下で実行条件が満たされることによって断続運転モードが開始された場合、定常走行を逸脱した加減速走行の実行要求、即ち加減速要求が頻繁に生じ得る。この場合に惰性走行期間における回転電機の動作状態を第2動作状態とすると、先に述べた動力性能やドライバビリティの低下が顕在化し易い。
ここで、ある期間における平均加減速度は、車両の走行状態が定常走行状態に近いか過渡的加減速を含む加減速走行に近いかを好適に表し得る指標である。例えば、平均加速度が小さければ定常走行状態に近く、大きければ加減速走行に近いとの判断が成立し得る。また、車速の観点で見ると、低車速領域では頻繁な加減速が発生することが多く、高車速領域程その傾向は弱くなる。従って、平均車速もまた、車両の走行状態が定常走行状態に近いか加減速走行状態に近いかを好適に表し得る。必然的に、平均車速及び平均加減速度を考慮することによって、電動車両において、直近の将来に加減速走行が行われるか否かが高精度に予測され得る。
尚、この態様では、前記運転条件は、前記所定期間における、アクセルペダル操作時間とブレーキペダル操作時間との割合であってもよい(請求項4)。
アクセルペダル操作時間とは、アクセルペダルを介して車両の駆動要求が生じている時間であり、端的には、遊びシロを越えてアクセルペダルが踏まれている時間を意味する。ブレーキペダル操作時間とは、ブレーキペダルを介して車両の減速要求が生じている時間であり、端的には、遊びシロを越えてブレーキペダルが踏まれている時間を意味する。
一般的に、定常走行期間においては、若干のペダル非操作期間やブレーキペダル操作が生じる可能性はあるにせよ、割合としてはアクセルペダル操作時間の割合が顕著に大きい。一方、加減速走行期間においては、アクセルペダル操作とブレーキペダル操作とが頻繁に切り替わるため、相応の監視期間を設ければ、両者の割合にそれ程大きな差異は生じない。即ち、アクセルペダル操作時間とブレーキペダル操作時間との割合は、加減速走行が行われるか否かを予測するための判断要素として有効である。
本発明に係る電動車両の走行制御装置の他の態様では、前記電動車両は、前記動力原として内燃機関を備えたハイブリッド車両である(請求項5)。
内燃機関を動力源として備えるハイブリッド車両においては、断続運転モードにおける緩加速走行を内燃機関の動力で賄うことができる。この場合、断続運転期間中に回転電機の動力が不要となるため、回転電機の動作状態の制御が、動力性能及びドライバビリティ並びに電力消費に与える影響が大きくなる。即ち、本発明に係る電動車両の走行制御装置により得られる実践上の利益が大きくなる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
本発明の第1実施形態に係るハイブリッド車両の構成を概念的に表してなる概略構成図である。 図1のハイブリッド車両におけるハイブリッド駆動装置の概略構成図である。 図1のハイブリッド車両におけるPCUの概略構成図である。 昇圧制御部のブロック図である。 インバータ制御部のブロック図である。 図1のハイブリッド車両における惰性走行時制御決定処理のフローチャートである。 図3の惰性走行時制御決定処理における走行状態予測処理のフローチャートである。 図4の走行状態予測処理における走行状態予測用マップの概念図である。 本発明の第2実施形態に係る走行状態予測処理のフローチャートである。
<発明の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の各種実施形態について説明する。
<第1実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照し、本発明の第1実施形態に係るハイブリッド車両1の構成について説明する。ここに、図1は、ハイブリッド車両1の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図1において、ハイブリッド車両1は、ECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)100、PCU(Power Control Unit)20、バッテリ30及びハイブリッド駆動装置10を備えた、本発明に係る「電動車両」の一例である。
ECU100は、CPU、ROM及びRAM等を備え、ハイブリッド車両1の各部の動作を制御可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「電動車両の走行制御装置」の一例である。ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述する「惰性走行時制御決定処理」を実行することができる。尚、ECU100は、PCU20に備わる後述する昇圧コンバータ21及びインバータ22を夫々制御する昇圧制御部110及びインバータ制御部120を備える。昇圧制御部110及びインバータ制御部120の詳細について後述する。
PCU20は、バッテリ30から取り出した直流電力を交流電力に変換して後述するモータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2に供給すると共に、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2によって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ30に供給可能に構成された不図示のインバータ22を含み、バッテリ30と各モータジェネレータとの間の電力の入出力を、或いは各モータジェネレータ相互間の電力の入出力(即ち、この場合、バッテリ30を介さずに各モータジェネレータ相互間で電力の授受が行われる)を制御可能に構成された制御ユニットである。PCU20は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100によってその動作が制御される構成となっている。尚、PCU20については後に図3を参照して詳述する。
バッテリ30は、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2を力行するための電力に係る電力供給源として機能する充電可能な二次電池ユニットである。バッテリ30は、例えばリチウムイオンバッテリセル等の単位電池セルが複数(例えば、数百個)直列に接続された構成を有している。
尚、図示は省略するが、ハイブリッド車両1は、ハイブリッド車両1の各種状態量を検出する各種センサを備えている。例えば、この各種センサとは、ハイブリッド車両1の車速Vを検出する車速センサ、アクセルペダルの操作量たるアクセル開度Taを検出するアクセル開度センサ、ブレーキペダルの操作量を検出するブレーキペダルセンサ、バッテリ12の温度を検出バッテリ温度センサ、バッテリ12のSOCを検出するSOCセンサ等を含む。これら各センサは、夫々ECU100と電気的に接続されており、検出された各種状態量、制御量或いは物理量は、ECU100によって適宜参照される構成となっている。
ハイブリッド駆動装置10は、ハイブリッド車両1のパワートレインである。ここで、図2を参照し、ハイブリッド駆動装置10の詳細な構成について説明する。ここに、図2は、ハイブリッド駆動装置10の構成を概念的に表してなる概略構成図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
ハイブリッド駆動装置10は、エンジン200、動力分割機構300、入力軸400、駆動軸500、減速機構600、モータジェネレータMG1(以下、適宜「MG1」と略称する)、モータジェネレータMG2(以下、適宜「MG2」と略称する)を備える。
エンジン200は、ハイブリッド車両1の主たる動力源として機能する、本発明に係る「内燃機関」の一例たるガソリンエンジンである。
エンジン200は、気筒内部に形成された燃焼室で混合気が燃焼した際に生じる爆発力に応じて気筒内部で往復運動を生じるピストンを備える。このピストンの往復運動は、コネクティングロッドを介してクランク軸の回転運動に変換され、クランク軸と連結された入力軸400から取り出される構成となっている。尚、エンジン200の詳細な構成は、本発明との関係性が低いため、ここでは省略することとする。また、ここではエンジン200がガソリンエンジンであるとしたが、本発明に係る「内燃機関」の採り得る実践的態様は多岐にわたる。例えば、本発明に係る「内燃機関」は、燃料種別、気筒配列、気筒数、燃料供給態様、動弁系の構成及び吸排気系の構成等において自由である。
モータジェネレータMG1は、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを備えた電動発電機である。
モータジェネレータMG2は、モータジェネレータMG1よりも体格の大きい電動発電機であり、モータジェネレータMG1と同様に、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを備えた、本発明に係る「回転電機」の一例である。
モータジェネレータMG1及びMG2は、同期電動発電機として構成され、例えば外周面に複数個の永久磁石を有するロータと、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータとを備えるが、無論他の構成を有していてもよい。
動力分割機構300は、相互に差動作用をなす複数の回転要素を備えた公知の遊星歯車機構である。
動力分割機構300は、中心部に設けられたサンギアS1と、サンギアS1の外周に同心円状に設けられたリングギアR1と、サンギアS1とリングギアR1との間に配置されてサンギアS1の外周を自転しつつ公転する複数のピニオンギア(不図示)と、これら各ピニオンギアの回転軸を軸支するキャリアC1とを備える。
サンギアS1は、エンジン200の出力トルクであるエンジントルクTe(本発明に係る「動力」の一例)に対する反力トルクを負担するための反力要素であり、モータジェネレータMG1のロータが固定される出力回転軸に固定されている。従って、サンギアS1の回転速度は、モータジェネレータMG1の回転速度たるMG1回転速度Nmg1と等価である。
リングギアR1は、動力分割機構300の出力要素であり、動力分割機構300の動力出力軸である駆動軸500に、その回転軸を共有する形で連結されている。尚、駆動軸500は、デファレンシャル等を介してハイブリッド車両1の駆動輪DWに間接的に連結されている。
キャリアC1は、トーションダンパTDPを介してエンジン200のクランク軸に連結される入力軸400に、その回転軸を共有する形で連結されており、その回転速度は、エンジン200の機関回転数NEと等価である。
動力分割機構300は、上述した構成の下で、エンジン200から入力軸400に供給されるエンジントルクTeを、キャリアC1によってサンギアS1及びリングギアR1に所定の比率(各ギア相互間のギア比に応じた比率)で分配し、エンジン200の動力を2系統に分割することが可能である。
この際、動力分割機構300の動作を分かり易くするため、リングギアR1の歯数に対するサンギアS1の歯数としてのギア比ρを定義すると、エンジン200からキャリアC1に対しエンジントルクTeを作用させた場合に、サンギアS1に作用するトルクTesは下記(1)式により、また駆動軸500に現れる直達トルクTerは下記(2)式により、夫々表される。
Tes=−Te×ρ/(1+ρ)・・・(1)
Ter=Te×1/(1+ρ)・・・(2)
減速機構600は、駆動軸500とモータジェネレータMG2との間に介装された、サンギアS2、リングギアR2、ピニオンギア(不図示)及びキャリアC2の各回転要素を備えた遊星歯車機構である。
減速機構600において、サンギアS2は、モータジェネレータMG2のロータに固定された出力回転軸に固定されている。また、キャリアC2は、ハイブリッド駆動装置10の外郭ケースに回転不能に固定されている。更に、リングギアR2は、駆動軸500に連結されている。係る構成において、減速機構600は、モータジェネレータMG2の回転速度Nmg2を、駆動軸500に対し、各回転要素(ギア)のギア比に応じて定まる減速比に従って減速して伝達することが出来る。
尚、減速機構600の構成は、モータジェネレータMG2の回転を減速する機構の採り得る一形態に過ぎず、この種の減速機構は実践上多様な形態を有し得る。また、この種の減速機構は、必ずしもハイブリッド駆動装置に備わっておらずともよい。即ち、モータジェネレータMG2は、駆動軸500に直結されていてもよい。
次に、図3を参照し、本実施形態に係るPCU20の構成について説明する。ここに、図3は、PCU20の概略構成図である。
図3において、PCU20は、昇圧コンバータ21及びインバータ22を備える。
昇圧コンバータ21において、リアクトルL1の一方端は、直流電源Bの正極に接続される正極線(符号省略)に接続され、他方端は、スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2との中間点、即ち、スイッチング素子Q1のエミッタ端子と、スイッチング素子Q2のコレクタ端子との接続点に接続される。
スイッチング素子Q1及びQ2は、上記正極線と直流電源Bの負極に接続される負極線(符号省略)との間に直列に接続されたスイッチング手段である。スイッチング素子Q1のコレクタ端子は上記正極線に、スイッチング素子Q2のエミッタ端子は上記負極線に接続されている。ダイオードD1及びD2は、夫々のスイッチング素子において、エミッタ側からコレクタ側への電流のみを許容する整流素子である。
尚、本実施形態において、スイッチング素子は、リアクトルL1の端部との接続点よりも高電位側のスイッチング素子Q1と、同じく低電位側のスイッチング素子Q2とから構成されており、双アーム型の昇圧コンバータを構成している。但し、このようなスイッチング素子の構成は一例であり、昇圧コンバータは、図1でスイッチング素子Q2のみを備えた片アーム型の昇圧コンバータであってもよい。
スイッチング素子Q1及びQ2並びにインバータ22の各スイッチング素子(Q3乃至Q8及びQ13乃至Q18)は、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)や電力用MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ等として構成される。
キャパシタCは、正極線と負極線との間に接続されたコンデンサである。このキャパシタCの端子間電圧、即ち、正極線と負極線との間の電位差VHは、昇圧コンバータ200の出力電圧である。
インバータ22は、MG1駆動用のインバータ回路22AとMG2駆動用のインバータ回路22Bとを備える。
インバータ回路22Aは、p側スイッチング素子Q3及びn側スイッチング素子Q4を含むU相アーム(符号省略)、p側スイッチング素子Q5及びn側スイッチング素子Q6を含むV相アーム(符号省略)及びp側スイッチング素子Q7及びn側スイッチング素子Q8を含むW相アーム(符号省略)を備えた電力変換器である。インバータ22Aの夫々のアームは、上記正極線と上記負極線との間に並列に接続されている。
尚、スイッチング素子Q3乃至Q8には、スイッチング素子Q1及びQ2と同様、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流す整流用ダイオードD3乃至D8が夫々接続されている。また、インバータ回路22Aにおける各相アームのp側スイッチング素子とn側スイッチング素子との中間点は、夫々モータジェネレータMG1の各相コイルに接続されている。
インバータ回路22Bは、インバータ回路22Aと同様の構成を有しており、スイッチング素子として、u相、v相及びw相の各相について、p側スイッチング素子Q13、Q15及びQ17を、またn側スイッチング素子Q14、Q16及びQ18を夫々備える。整流用のダイオードについても同様である。
昇圧コンバータ21は、ECU100における昇圧制御部110により制御される。ここで、図4を参照し、昇圧制御部110の構成について説明する。ここに、図4は、昇圧制御部110のブロック図である。尚、同図において、図3と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図4において、昇圧制御部110は、インバータ入力演算部111、加減算器112、電圧制御演算部113、キャリア生成部114及び比較器115を備える。また、昇圧制御部110は、予めROMに格納された制御プログラムに従って、昇圧制御を実行可能に構成される。
昇圧制御は、コンバータ制御信号PWCに基づいて、正極線と負極線との間の電圧、即ち、出力電圧VHを直流電源Bの電源電圧VB以上に昇圧する制御である。昇圧制御では、出力電圧VHが目標値VHtg(VH指令値とも称される)よりも低ければ、スイッチング素子Q2のオンデューティが相対的に大きくされ、正極線を直流電源B側からインバータ300側へ流れる電流を増加させることができ、出力電圧VHを上昇させることができる。一方、出力電圧VHが目標値VHtgよりも高ければ、スイッチング素子Q1のオンデューティが相対的に大きくされ、正極線をインバータ300側から直流電源B側へ流れる電流を増加させることができ、出力電圧VHを低下させることができる。
インバータ入力演算部111は、昇圧コンバータ200の出力電圧VHの目標値VHtgを設定する回路である。目標値VHtgは、昇圧コンバータ200、インバータ300及びモータジェネレータMGを含む電力系全体の損失であるシステム損失Lsysが最小となるように決定される。
加減算部112は、出力電圧VHの検出値を目標値VHtgから減算し、減算結果を電圧制御演算部113へ出力する。電圧制御演算部113は、目標値VHtgから出力電圧VHの検出値を減算してなる減算結果を加減算部112から受け取ると、出力電圧VHを目標値VHtgに一致させるための制御量を演算する。この際、例えば、比例項(P項)及び積分項(I項)を含む公知のPI制御演算等が用いられる。電圧制御演算部113は、算出された制御量を、電圧指令値として比較器115に出力する。
一方、キャリア生成部114は、三角波からなるキャリア信号を生成し、比較器115に送出する。比較器115では、電圧制御演算部113から供給される電圧指令値とこのキャリア信号とが比較され、その電圧値の大小関係に応じて論理状態が変化する、先述したコンバータ制御信号PWCが生成される。この生成されたコンバータ制御信号PWCは、昇圧コンバータ200のスイッチング素子Q1及びQ2に出力される。昇圧制御部110は、以上のように構成される。
尚、図2に例示された構成は、電圧制御を実現する回路構成であるが、昇圧コンバータ200の制御形態は、このような電圧制御に限定されない。
次に、図5を参照し、インバータ制御部120の構成について説明する。ここに、図5は、インバータ制御部120のブロック図である。尚、同図において、既出の各図と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。尚、図5では、説明の簡素化のため、インバータ22の電気的負荷としてモータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2を含むモータジェネレータMGなる概念を用いることとする。
図5において、インバータ制御部120は、電流指令変換部121、電流制御部122、2相/3相変換部123、3相/2相変換部124、キャリア生成部114(昇圧制御部110と共用される)及びPWM変換部125から構成される。
電流指令変換部121は、モータジェネレータMGのトルク指令値TRに基づいて、2相の電流指令値(Idtg、Iqtg)を生成する。
一方、インバータ300からは、フィードバック情報として、v相電流Ivとw相電流Iwが3相/2相変換部124に供給される。3相/2相変換部124では、これらv相電流Iv及びw相電流Iwから、三相電流値が、d軸電流Id及びq軸電流Iqからなる2相電流値に変換される。変換された後の2相電流値は、電流制御部122に送出される。
電流制御部122では、電流指令変換部121において生成された2相の電流指令値と、この3相/2相変換部124から受け取った2相電流値Id及びIqとの差分に基づいて、d軸電圧Vd及びq軸電圧からなる2相の電圧指令値が生成される。生成された2相の電圧指令値Vd及びVqhは、2相/3相変換部123に送出される。
2相/3相変換部123では、2相の電圧指令値Vd及びVqが、3相電圧指令値Vu、Vv及びVwに変換される。変換された3相電圧指令値Vu,Vv及びVwは、PWM変換部125に送出される。
ここで、PWM変換部125は、キャリア生成部114から所定のキャリア周波数fcarを有するキャリアCarを受け取る構成となっており、このキャリアCarと、変換された3相の電圧指令値Vu、Vv及びVwとの大小関係を比較する。更に、PWM変換部125は、その比較結果に応じて論理状態が変化する、u相スイッチング信号Gup及びGun、v相スイッチング信号Gvp及びGvn並びにw相スイッチング信号Gwp及びGwnを生成してインバータ22に供給する。
より具体的には、各相に対応するスイッチング信号のうち、「p」なる識別子が付記された信号は、各相のスイッチング素子のうちp側スイッチング素子(Q3、Q5及びQ7並びにQ13、Q15及びQ17)を駆動するための駆動信号であり、「n」なる識別子が付記された信号は、各相のスイッチング素子のうちn側スイッチング素子(Q4、Q6及びQ8並びにQ4、Q6及びQ18)を駆動するための駆動信号を意味する。
ここで特に、キャリアCarと各相電圧指令値との比較において、各相電圧指令値がキャリアCarよりも小さい値からキャリアCarに一致すると、p側スイッチング素子をターンオンさせるためのスイッチング信号が生成される。また、各相電圧指令値がキャリアCarよりも大きい値からキャリアCarに一致すると、n側スイッチング素子をターンオンさせるためのスイッチング信号が生成される。即ち、スイッチング信号は、オンオフが表裏一体の信号であり、各相のスイッチング素子は、p側とn側とのうち常にいずれか一方がオン状態であり、他方がオフ状態となる。
インバータ22が、各相スイッチング信号により規定される各スイッチング素子の駆動状態に変化する又は維持されると、その変化した又は維持された駆動状態に対応する回路状態に従って、モータジェネレータMGが駆動される構成となっている。尚、このようなインバータ300の制御態様は、所謂PWM制御の一態様である。
尚、一般的に、車両駆動用のモータジェネレータMGは、上述したPWM制御の他に、公知の過変調制御及び矩形波制御が併用される場合が多い。本実施形態に係るモータ駆動システム10においても、インバータ22の制御態様は、車両の走行条件に応じて適宜切り替えられるものとする。
<実施形態の動作>
次に本実施形態の動作について説明する。
<ハイブリッド車両1の走行モード>
ハイブリッド車両1は、ハイブリッド駆動装置10と駆動輪DWとの間の動力伝達態様を規定する走行モードとして、HV走行モードとEV走行モードとを有する。
HV走行モードは、動力分割機構300の動力分割作用を利用して、エンジントルクTeの一部である直達トルクTerと、モータジェネレータMG2の出力トルクであるMG2トルクTmg2とを協調的に駆動軸500に作用させる走行モードである。HV走行モードでは、エンジントルクTeの他の一部である反力トルクTesを利用して、モータジェネレータMG1の出力トルクであるMG1トルクTmg1により電力回生、即ち発電もまた行われる。
この際、エンジン200の動作点(機関回転数NEとエンジントルクTeとにより規定される動作条件)は、MG1トルクTmg1を反力トルクとして利用したハイブリッド駆動装置10の電気的CVT(Continuously Variable Transmission)機能により、自由に設定可能である。エンジン200の動作点は、好適な一形態として、基本的にはエンジン200の燃料消費率(燃費)が最小となる最適燃費動作点に制御される。
これに対し、MG2トルクTmg2は、基本的には、駆動軸500に要求される駆動軸要求トルクに対して直達トルクTerでは不足する分を補うように制御される。即ち、HV走行モードでは、MG2トルクTmg2とエンジントルクTeとの協調制御がなされる。
例えば、この協調制御においては、バッテリ30のSOCが目標値としての目標SOCに維持されるように、モータジェネレータMG1の発電量と、モータジェネレータMG2の放電量或いは更に補機装置の放電量とが絶えず調整される。例えば、バッテリ30のSOCが目標SOCよりも高ければ、駆動軸要求トルクに対するMG2トルクTmg2の比率が増やされる等して電力収支は放電側に傾き、反対に目標SOCよりも低ければ当該比率が減らされる等して電力収支は充電側に傾く。
一方、EV走行モードは、MG2トルクTmg2のみを駆動軸500に作用させ、モータジェネレータMG2の動力のみによりハイブリッド車両1を走行させる走行モードである。EV走行モードでは、基本的にエンジン200は機関停止状態とされるため(尚、補機装置に対する電力供給のための最低限の機関稼動がなされる場合もある)、燃料消費はゼロか、或いは無視し得る程度に少ない。但し、EV走行モードは、バッテリ12の電力収支上は、放電側に傾いた走行モードであるから、バッテリ30のSOCは基本的に減少し続ける。従って、EV走行モードは、バッテリ30のSOCも考慮してその実行可否が決定される。
<惰性走行時制御決定処理の概要>
ここで、ハイブリッド車両1は、車速Vが目標車速又は一定車速に概ね維持される定常走行時において断続運転モードを選択可能に構成されている。断続運転モードは、上述したEV走行モードによる走行中であっても、HV走行モードによる走行中であっても、所定の実行条件が満たされた場合には実行される。
断続運転モードは、緩加速走行と惰性走行とが繰り返される運転モードであり、緩加速走行時に相対的に多くの燃料消費又は電力消費を要するものの、ハイブリッド駆動装置10を無負荷運転とすることができる惰性走行時に節減される消費燃料又は消費電力がそれを上回る場合には、総体的な燃料消費又は電力消費を抑制することができる。このため、比較的大きな加減速が要求されない定常走行時においては、実行条件が満たされる限りにおいて好適に実行される。
断続運転モードが実行されると、ハイブリッド車両1の車速Vは、例えば、開始時点の車速Vを目標車速として、目標車速を含む所定範囲に維持される。例えば、惰性走行により車速が下限値まで低下すると、緩加速走行が開始され、緩加速走行により車速が上限値まで上昇すると、惰性走行が開始される。
断続運転モードは、例えば、ハイブリッド車両1の運転者が車室内部の操作ボタンを操作した場合や、定常走行状態が所定時間以上継続した場合等において生じる、一種の制御信号としての実行要求に応じて実行される。但し、断続運転モードの実行条件は、これに限定されない。
EV走行中であれ、HV走行中であれ、断続運転モードにおける惰性走行時には、駆動軸500への動力供給が不要になることから、モータジェネレータMG2の出力トルクTmg2はゼロとなる(尚、HV走行中であれば、エンジン200からの動力供給により加速可能であるため、緩加速走行時にもゼロとなり得る)。
MG2の出力トルクTmg2をゼロとする制御態様には大別二種類ある。一方は、モータジェネレータMG2の目標トルクをゼロとするインバータ22Bの制御(これ以降、適宜「ゼロトルク制御」と表現する)であり、他方は、インバータ22Bそのものの動作を停止させ、インバータ22Bをバッテリ30及び昇圧コンバータ21を含む電力供給系統から電気的に切り離す制御(これ以降、適宜「シャットダウン制御」と表現する)である。ゼロトルク制御が適用される場合のモータジェネレータMG2の動作状態は、本発明に係る「第1動作状態」の一例たるゼロトルク状態であり、シャットダウン制御が適用される場合のそれは、本発明に係る「第2動作状態」の一例たるシャットダウン状態である。
ところで、惰性走行時における電力消費抑制の観点に立てば、惰性走行時における、或いは断続運転モードにおける、モータジェネレータMG2の動作状態は、上記シャットダウン状態であるのが望ましい。然るに、断続運転モードによる定常走行時において、定常走行を逸脱した加減速走行が要求されることは珍しくない。そのような場合にモータジェネレータMG2がシャットダウン状態にあると、モータジェネレータMG2から駆動軸500へ然るべき正負いずれかのトルク供給を行うためにインバータ22を起動する必要がある。従って、インバータ22の起動時間や動作安定時間の分だけ、モータジェネレータMG2からの動力供給は遅れる。このような応答遅延は、動力性能及びドライバビリティの面では不利である。
そこで、本実施形態に係るハイブリッド車両1では、ECU100により、惰性走行時制御決定処理が実行される。惰性走行時制御決定処理では、断続運転モードによる走行が行われる期間(即ち、断続運転期間)の惰性走行時におけるモータジェネレータMG2の動作状態が、ゼロトルク状態とシャットダウン状態とのうち適切な一方に決定される。
尚、惰性走行時制御決定処理は、ハイブリッド車両1のレディオン時に起動し、ハイブリッド車両1のレディオフ時に終了する処理である。また、惰性走行時制御決定処理は、断続運転モードにおけるモータジェネレータMG2の動作状態を決定する処理であり、実際のモータジェネレータMG2の動作状態の制御や断続運転モードを含む各種走行モードに準じた走行制御等は、ECU100による他の制御処理に属する。但し、このような制御態様は一例であって、断続運転モードの実行を司る処理に、惰性走行時制御決定処理に係る動作状態の決定プロセスが組み込まれていてもよい。
<惰性走行時制御決定処理の詳細>
ここで、図6を参照し、惰性走行時制御決定処理の詳細について説明する。ここに、図6は、惰性走行時制御決定処理のフローチャートである。
図6において、先ず初期設定処理が実行される(ステップS110)。初期設定処理では、断続運転期間の惰性走行時におけるモータジェネレータMG2のデフォルトの動作制御として、先述したシャットダウン制御が設定される。即ち、後述するステップS200の走行状態予測処理が一回も行われていない状況で断続運転モードの実行条件が満たされた場合、惰性走行時のモータジェネレータMG2はシャットダウン状態とされる。
初期設定処理が終了すると、ECU100は、ハイブリッド車両1の運転条件を記録する(ステップS120)。ここでは、ハイブリッド車両1の運転条件として、車速Vが記録される場合について説明する。但し、本発明に係る電動車両の運転条件は、車速Vに限定されず、例えば、加減速度A、アクセル開度Ta、或いはブレーキペダル踏下量Tb等であってもよい。ECU100は、運転条件の記録開始と共に、運転条件の記録時間Trec(sec)のカウントを開始する(ステップS130)。
ECU100は、カウントされた記録時間Trecが基準値ctr(例えば、数秒〜数十秒程度)を超えたか否かを判定する(ステップS140)。記録時間Trecが基準値ctr以下である場合には(ステップS140:NO)、処理はステップS120に戻され、運転条件の記録及び記録時間Trecのカウントが継続される。ステップS120が繰り返された数だけ、サンプル値としての車速Vのデータは蓄積される。
記録時間Trecが基準値ctrを超えると(ステップS140:YES)、走行状態予測処理が実行される(ステップS200)。走行状態予測処理は、ハイブリッド車両1の直近の過去(ここでは基準値ctrに相当する期間)における走行状態に基づいて、直近の将来において加減速走行が行われるか否かを予測する処理である。即ち、走行状態予測処理に係る動作は、本発明に係る「予測手段」の動作の一例である。
ここで、図7を参照し、走行状態予測処理について説明する。ここに、図7は、走行状態予測処理のフローチャートである。
図7において、ECU100は、運転条件の記録結果を取得する(ステップS210)。本実施形態では、この記録結果は、直近の過去における車速Vの履歴である。例えば、基準値ctr=60secで図6のステップS120乃至S140の繰り返し周期が平均して約100msecであれば、運転条件としての車速Vのサンプル値は概ね600個程度蓄積されている。
記録結果が取得されると、ECU100は、先ず当該期間における加減速度Aを算出する。加減速度Aは、二つの車速値とその時間間隔から求めることができ、例えば、上述の例を踏襲して車速Vのサンプル値が600個あれば、略600個の加減速Aのサンプル値を求めることができる。尚、ハイブリッド車両1に加減速度センサ等の検出手段が備わる場合には、上記運転条件の記録(ステップS120)において、この検出された加減速度を併せて記録しておき、車速Vに基づいた演算処理に替えて、この検出された加減速度が取得されてもよい。
直近の過去における車速V及び加減速度Aの履歴が求まると、ECU100は、直近の過去における平均加減速度Aaveを算出する(ステップS220)。ここで、算出された加減速度Aは、正値であれば加速、負値であれば減速を意味するが、加減速走行が行われるか否かの予測に関して言えば、加速であるか減速であるかは関係なく、両者は大略等しい意味を持つ。従って、平均加減速度Aaveの算出に際しては、その基となる加減速度Aが絶対値で扱われる。このような措置によれば、相互に加減速度の絶対値が等しい加速及び減速が周期的に繰り返される場合(これも加減速走行の範疇である)において、平均加減速度がゼロとなる事態が防止される。
平均加減速度Aaveが算出されると、同じく直近の過去における平均車速Vaveが算出される(ステップS230)。これらは、本発明に係る「過去所定期間における電動車両の運転条件」の一例である。
平均加減速度Aave及び平均車速Vaveが算出されると、ECU100は、判定位置LOCを特定する(ステップS240)。判定位置LOCとは、予めROMに格納された、走行状態予測用マップにおける位置である。判定位置LOCが特定されると、ECU100は、判定位置LOCに基づいてハイブリッド車両1の直近の将来の走行状態を予測する(ステップS250)。予測結果がRAMの所定領域に記憶されると(ステップS260)、走行状態予測処理が終了する。
ここで、図8を参照し、走行状態予測用マップについて説明する。ここに、図8は、走行状態予測用マップの概念図である。
図8において、走行状態予測用マップは、縦軸に平均車速Vaveを、横軸に平均加減速度Aaveを夫々配してなる二次元座標平面に表すことができる。判定位置LOCとは、概念上は、この二次元座標平面上の位置と等価である。
直近の過去における平均車速Vave及び平均加減速度Aaveは、直近の将来におけるハイブリッド車両1の走行状態に大きく影響する。従って、走行状態予測要マップにおける判定位置LOCにより、ハイブリッド車両1で加減速走行が行われるか否かを、或いは、加減速走行が行われる可能性を予測することができる。尚、本実施形態では、直近の将来における車両の走行状態は、直近の過去の車両の走行状態と同じであるとして直近の将来の走行状態が予測される。
具体的には、ハイブリッド車両1の走行状態は、平均加減速度Aaveが小さいほど定常走行に近付き、大きいほど加減速走行に近付く。一方、車速Vについて考えると、車両が低車速で巡航する機会は多くはなく、多くの場合、低車速領域では加減速が繰り返される。また低車速領域では、発進→停止→発進・・・のサイクルが繰り返されることも多い。総じて低車速領域では車両の走行は非定常的であることが多い。また、車両の最大出力は決まっているから、高車速領域で大きな加速度は生じ難い。
これらを総合的に勘案すると、走行状態予測用マップにおいて、直近の将来において加減速走行が行われないと予測される定常走行領域は、図示するように、座標平面における左上の領域となる。同様に、直近の将来において加減速走行が行われると予測される加減速走行領域は、図示するように座標平面における右下の領域となる。
従って、例えば、ステップS240で特定された判定位置LOCが、図示定常走行領域内の判定位置LOC1であれば、ハイブリッド車両1の直近の過去の走行状態は定常走行状態であり、同時に直近の将来において加減速走行は行われないとの予測が成立する。
同様に、例えば、ステップS240で特定された判定位置LOCが、図示加減速走行領域内の判定位置LOC2であれば、ハイブリッド車両1の直近の過去の走行状態は加減速走行状態であり、同時に直近の将来においても加減速走行が行われるとの判断が成立する。
走行状態予測用マップには、上記二次元座標平面内の座標位置又は複数の座標位置を含む座標領域の各々に、直近の将来において加減速走行が行われるか否かの二値的な情報が割り当てられており、ECU100は、特定された判定位置LOCに応じて、ハイブリッド車両1の直近の走行状態として加減速走行が行われるか否かを予測することができる。
ところで、ハイブリッド車両1の直近の過去の走行状態を、走行状態予測用マップの座標位置のみに基づいて真に的確に判定し得るのは、例えば図示破線枠で規定される定常走行領域(端的には、定常走行状態である可能性が略100%の領域)又は加減速走行領域(端的には、加減速走行である可能性が略100%である領域)に限定され得る。
これらの領域に属さない中間領域は、相対的にいずれの走行状態にある可能性が高いかの判断は可能であるものの、車両の走行状態の判定に係る判定精度が若干低下する可能性がある。従って、特定された判定位置LOCが、この中間領域に属する判定位置(例えば、図示判定位置LOC3やLOC4)である場合には、直近の将来において加減速走行が行われるか否かの予測結果を、上記と異ならしめる方がよい場合がある。
その点に鑑みれば、この中間領域に属する判定位置には、加減速走行が行われる可能性を規定する可能性指標値が割り当てられていてもよい。例えば、図示定常走行領域の枠に比較的近い領域に属する判定位置には、加減速走行が行われる可能性が低い旨に相当する可能性指標値が割り当てられていてもよい。同様に、例えば、図示加減速走行領域の枠に比較的近い領域に属する判定位置には、加減速走行が行われる可能性が高い旨に相当する可能性指標値が割り当てられていてもよい。
例えば、中間領域が三つの領域に区分される場合、加減速走行が行われる可能性が低い(例えば、10〜40%である)第1領域と、加減速走行が行われる可能性が概ね五分五分(例えば、加減速走行が行われる可能性が40〜60%)である第2領域と、加減速走行が行われる可能性が高い(例えば、60〜90%である)第3領域とに分割されていてもよい。
図6に戻り、走行状態予測処理が終了すると、ECU100は記録された車速Vのサンプル値及びカウントされた記録時間Trecをクリアし(ステップS150)、走行状態予測処理における走行状態の予測結果に基づいて、加減速走行が行われるか否かを判定する(ステップS160)。
走行状態の予測結果に基づいた判定は、例えば、次のように行われる。
即ち、直近の将来において加減速走行が行われない、或いは行なわれる可能性が低いと予測された場合には、加減速走行が行われないと判定される。直近の将来において加減速走行が行われる、或いは加減速走行が行われる可能性が高いと予測された場合には、加減速走行が行われると判定される。
また、上述したように中間領域が三分割される場合について説明すると、例えば、判定位置LOCが定常走行領域、第1領域又は第2領域に属する場合には、加減速走行が行われないと判定される。判定位置LOCが加減速走行領域又は第3領域に属する場合には、加減速走行が行われると判定される。
加減速走行が行われると判定された場合(ステップS160:YES)、ECU100は、断続運転期間の惰性走行時におけるモータジェネレータMG2の制御態様をゼロトルク制御に設定する(ステップS170)。一方、加減速走行が行われないと判定された場合(ステップS160:NO)、ECU100は、断続運転期間の惰性走行時におけるモータジェネレータMG2の制御態様をシャットダウン制御に設定する(ステップS180)。いずれかの制御が設定されると、処理はステップS120に戻され、処理が繰り返される。惰性走行時制御決定処理は以上のように実行される。
ここで、然るべきタイミングで断続運転モードの実行条件が満たされ、断続運転モードに従ったハイブリッド車両1の走行制御が開始されると、ゼロトルク制御とシャットダウン制御とのうち、その時点で設定されている一方の制御が、惰性走行時のモータジェネレータMG2動作状態の制御に適用される。その結果、断続運転期間において加減速走行が要求される可能性が高くない場合にはシャットダウン制御による電力消費の抑制が図られ、加減速走行が要求される可能性が高い場合には、ゼロトルク制御によって応答性が担保されているMG2から迅速に必要なトルクが供給される。即ち、動力性能及びドライバビリティの低下を抑制しつつ、可及的に電力消費を抑制することができる。
尚、断続運転モードによる走行は、多くの場合、加減速走行が要求されることにより終了する。従って、厳密に言えば、シャットダウン制御が選択されている断続運転期間において加減速走行が開始される可能性は完全には排除されない。しかしながら、本実施形態によれば、加減速走行が生じ易い状況で断続運転モードによる走行が開始される場合においてシャットダウン制御が適用されることが回避されるから、動力性能及びドライバビリティの低下抑制に確実に効果がある。
尚、上述したように中間領域が複数に分割される場合、分割された複数の領域の各々について、動力性能及びドライバビリティと消費電力とのうちいずれを重視するかに応じて、予め割り当てられる制御態様が決定されていてもよい。例えば、上述した三分割の場合を例に採れば、動力性能及びドライバビリティの低下抑制を相対的に重視すべき場合には、判定位置LOCが加減速走行領域及び第3領域に属する場合に加えて、判定位置LOCが第2領域或いは第1及び第2領域(この場合、即ち、中間領域の全て)に属する場合においても、加減速走行が行われるとの判定が行われてもよい。即ち、ゼロトルク制御が割り当てられていてもよい。
逆に、消費電力の抑制を相対的に重視すべき場合には、判定位置LOCが加減速走行領域に属していない限りにおいて(即ち、中間領域のいずれかに属する場合において)、加減速走行が行われないとの判定が行われてもよい。即ち、シャットダウン制御が割り当てられていてもよい。
また、いずれを重視すべきかを適宜判定することができる場合(例えば、運転者の所定操作入力等を介していずれを重視すべきかが判定できる場合)、これら中間領域に該当する判定結果に割り当てられる制御態様が適宜切り替えられてもよい。
また、判定位置LOCの履歴を考慮すると、より綿密な制御が可能となり得る。例えば、過去複数回の判定位置LOCの履歴がある場合、判定位置LOCが走行状態予測用マップに相当する図示座標平面内をどのように移動しているかが分かるため、より正確に走行状態の変化傾向を特定することができる。
上述した三分割の場合を例に採ると、定常走行領域から第1領域への判定位置LOCの遷移は問題がなくても、第1領域から第2領域への判定位置LOCの遷移は、定常走行状態から加減速走行状態への走行状態の変化傾向があると判断され得る。そのような場合には、加減速走行が行われる可能性が50%内外である第2領域に判定位置LOCが属する場合において、加減速走行が行われるとの判定が下されてもよい。
また、加減速走行領域から第3領域への判定位置LOCの遷移は問題がなくても、第3領域から第2領域への判定位置LOCの遷移は、加減速走行状態から定常速走行状態への走行状態の変化傾向があると判断され得る。判定位置LOCが第2領域に属する場合において加減速走行が行われると判定される(デフォルトの状態とは異なる)ように構成されている場合においてこのような変化傾向が検出された場合には、判定位置LOCが第2領域に属する場合において加減速走行が行われないとの判定が下されてもよい。尚、ここでは三分割としているが、中間領域の分割数や分割形状は個別具体的に設計可能である。
<第2実施形態>
第1実施形態では、惰性走行時制御決定処理におけるステップS120において、車両の運転条件として車速Vが記録される場合について説明した。第2実施形態では、当該運転条件として、アクセルオン時間Taonとブレーキオン時間Tbonとが記録される場合について説明する。尚、アクセルオン時間Taonは、アクセル開度Taが基準値(ここでは、不感帯の上限値)以上となる時間であり、端的には運転者によるアクセル操作がなされている時間である。またブレーキオン時間Tbonは、ブレーキペダル踏下量Tbが基準値(ここでは、不感帯の上限値)以上となる時間であり、端的には運転者によるブレーキ操作がなされている時間である。
ここで、図9を参照し、本発明の第2実施形態に係る走行状態予測処理について説明する。ここに、図9は、第2実施形態に係る走行状態予測処理のフローチャートである。尚、図9において、図7と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図9において、運転条件の記録結果を取得すると(ステップS210)、ECU100は、アクセルオン比率Raを算出する(ステップS221)。アクセルオン比率Rは、運転条件の記録時間(ここでは、基準値ctrである)におけるアクセルオン時間Taonの割合であり、ctr=60(sec)とした場合に、アクセルオン時間Taon=30secであれば、アクセルオン比率Ra=0.5(即ち、50%)である。
続いて、ECU100は、ブレーキオン比率Rbを算出する(ステップS231)。ブレーキオン比率Rbは、運転条件の記録時間(ここでは、基準値ctrである)におけるブレーキオン時間Tbonの割合であり、ctr=60(sec)とした場合に、ブレーキオン時間Tbon=30secであれば、ブレーキオン比率Rb=0.5(即ち、50%)である。
アクセルオン比率Ra及びブレーキオン比率Rbが算出されると、ECU100は、アクセルオン比率Ra又はブレーキオン比率Rb或いはその双方に基づいて、直近の将来において加減速走行が行われるか否かを予測する(ステップS251)。
車両の走行状態が定常走行状態である場合、アクセル操作が継続的に或いは断続的になされ得る一方で、ブレーキ操作は殆ど生じないことが多い。従って、例えば、アクセルオン比率Raが基準値(例えば50%以上の値)以上である場合又はブレーキオン比率Rbが基準値(例えば50%以下の値)未満である場合、或いは双方が満たされた場合に、直近の過去の走行状態が加減速走行でないことから、直近の将来においても加減速走行が行われないと予測することができる。また、それ以外の場合に加減速走行が行われると予測することができる。ステップS251に係る予測動作はこのように行われる。
車両の走行状態の予測に係る予測結果が記憶される(ステップS260)と、走行状態予測処理は終了する。尚、図示は省略するが、処理がメインルーチンである惰性走行時制御決定処理に復帰すると、ステップS160と同様の処理により、この予測結果に基づいて加減速走行が行われるか否かの判定が行われる。具体的には、加減速走行が行われると予測された場合には、加減速走行が行われる(即ち、継続する)と判定される(ステップS160:YES)。また、加減速走行が行われないと予測された場合には、加減速走行が行われないとの判定が下される(ステップS160:NO)。無論、第1実施形態と同様に、アクセルオン比率Raやブレーキオン比率Rbに応じて、加減速走行が行われる可能性が複数段階に予測されてもよい。
このように、車両の運転条件としてアクセル操作時間Taonやブレーキ操作時間Tbonを使用しても、第1実施形態と同様に、動力性能及びドライバビリティの低下を抑制しつつ可及的に電力消費を抑制することができる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電動車両の走行制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明は、電気自動車やハイブリッド自動車の走行制御に適用可能である。
1…ハイブリッド車両、10…ハイブリッド駆動装置、20…PCU、30…バッテリ、MG1、MG2…モータジェネレータ、100…ECU、200…エンジン、300…動力分割機構、400…入力軸、500…駆動軸、600…減速機構。

Claims (5)

  1. 動力源として回転電機を備え、
    定常走行を維持する走行モードとして、駆動輪への動力供給が停止される惰性走行と、前記駆動輪に対する前記動力源からの動力供給を伴う緩加速走行とが周期的に繰り返される断続運転モードを備えた電動車両を制御する、電動車両の走行制御装置であって、
    加減速走行が行われるか否かを予測する予測手段と、
    前記加減速走行が行われると予測される場合において前記断続運転モードが行なわれる場合に、前記惰性走行の実行期間における前記回転電機の動作状態を前記回転電機への通電が維持された第1動作状態に制御し、前記加減速走行が行われないと予測される場合において前記断続運転モードが行なわれる場合に、前記惰性走行の実行期間における前記回転電機の動作状態を前記回転電機への通電が停止された第2動作状態に制御する制御手段と
    を具備することを特徴とする電動車両の走行制御装置。
  2. 前記予測手段は、所定期間における前記電動車両の運転条件に基づいて前記加減速走行が行われるか否かを予測する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電動車両の走行制御装置。
  3. 前記運転条件は、前記所定期間における電動車両の車速の平均値及び加減速度の平均値である
    ことを特徴とする請求項2に記載の電動車両の走行制御装置。
  4. 前記運転条件は、前記所定期間における、アクセルペダル操作時間とブレーキペダル操作時間との割合である
    ことを特徴とする請求項2に記載の電動車両の走行制御装置。
  5. 前記電動車両は、
    前記動力原として内燃機関を備えたハイブリッド車両である
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電動車両の走行制御装置。
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