JP2014201233A - 車両の走行制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】走行モードとして断続運転モードを備えた車両において、断続運転期間におけるドライバビリティ及び経済性能の悪化を抑制する。
【解決手段】定常走行を維持する走行モードとして、駆動輪への動力供給が停止される惰性走行と、前記駆動輪に対する動力源からの動力供給を伴う加速走行とが周期的に繰り返される断続運転モードを備えた車両を制御する、車両の走行制御装置(100)は、運転者の加減速操作に対応する操作量又は制御量を検出する検出手段と、前記断続運転モードによる走行が行なわれる断続運転期間において、前記検出される操作量又は制御量が所定値以上である場合に前記断続運転モードの設定加減速度を補正する補正手段とを具備する。
【選択図】図8
【解決手段】定常走行を維持する走行モードとして、駆動輪への動力供給が停止される惰性走行と、前記駆動輪に対する動力源からの動力供給を伴う加速走行とが周期的に繰り返される断続運転モードを備えた車両を制御する、車両の走行制御装置(100)は、運転者の加減速操作に対応する操作量又は制御量を検出する検出手段と、前記断続運転モードによる走行が行なわれる断続運転期間において、前記検出される操作量又は制御量が所定値以上である場合に前記断続運転モードの設定加減速度を補正する補正手段とを具備する。
【選択図】図8
Description
本発明は、車両の走行制御装置の技術分野に関する。
例えば、電動車両において低電費を目的としたものがある(特許文献1参照)。
特許文献1に開示された電動車両の走行制御装置によれば、モータを最高効率モータトルクで制駆動させて車両を走行させる第1期間と、モータを制駆動させずに車両を惰行させる第2期間との期間配分が演算される。また、その演算された期間配分で第1期間における走行と第2期間における惰行とが繰り返されるように、モータがパルス状に駆動される。このため、電動車両の高効率な走行制御が可能であるとされている。
また、特許文献2には、所定の学習開始条件が満たされた場合において、アクセル開度速度が惰行制御開始条件又は惰行制御終了条件として設定されている閾値範囲外となったときに、このアクセル開度速度の大きさに応じて当該閾値範囲を拡大する惰行制御装置が開示されている。
また、特許文献3には、下限速度から上限速度に到達するまでエンジンを駆動源とした加速走行が行われ、上限速度から下限速度に到達するまでエンジンを停止させた走行が行われるようにエンジンを制御する速度維持制御装置が開示されている。更に、この加減速走行の繰り返しがユーザからの停止操作信号に基づいて停止した場合に、その停止頻度に応じて、設定された上下限速度を補正する制御についても記載されている。
動力源を使用した加速走行と動力源を停止させた惰性走行とが繰り返される所謂断続運転モードについては、上述したように各種先行技術文献に開示される。
しかしながら、上記先行技術文献に開示されたものを含む従来の装置においては、断続運転モードによる走行が行われている期間(以下、適宜「断続運転期間」とする)における車両の加減速度について改善の余地がある。
従来の装置は、断続運転モードにおける燃費又は電費の向上、断続運転モードの開始又は終了条件の最適化、或いは断続運転期間における車両の上下限速度の最適化といった観点に立っている。このため、断続運転期間において、加速走行期間における加速度や惰性走行期間における減速度が、運転者の意思から乖離する可能性がある。このような加減速度の要求値からの乖離は、運転者に違和感を与え易い。この種の違和感は、ドライバビリティの悪化を招く要因となる。
更には、この種の違和感は、断続運転期間における運転者の余分な操作、例えば、アクセルペダルやブレーキペダルの余分な操作を招来し得る。この種の余分な操作は、燃費或いは電費といった経済性能を悪化させる要因となる。
即ち、従来の技術には、断続運転期間におけるドライバビリティ及び経済性能の悪化が回避され難いという技術的問題点がある。
本発明は、係る技術的問題点に鑑みてなされたものであり、走行モードとして断続運転モードを備えた車両において、断続運転期間におけるドライバビリティ及び経済性能の悪化を抑制し得る車両の走行制御装置を提供することを少なくとも一つの課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る車両の走行制御装置は、定常走行を維持する走行モードとして、駆動輪への動力供給が停止される惰性走行と、前記駆動輪に対する動力源からの動力供給を伴う加速走行とが周期的に繰り返される断続運転モードを備えた車両を制御する、車両の走行制御装置であって、運転者の加減速操作に対応する操作量又は制御量を検出する検出手段と、前記断続運転モードによる走行が行なわれる断続運転期間において、前記検出される操作量又は制御量が所定値以上である場合に、前記検出される操作量又は制御量に基づいて前記断続運転モードの設定加減速度を補正する補正手段とを具備する(請求項1)。
本発明に係る車両の走行制御装置によれば、検出手段により検出される、運転者の加減速操作に対応する操作量又は制御量に基づいて、断続運転モードの設定加減速度が補正される。
加減速操作に対応する操作量とは、例えば、アクセルペダルの操作量(即ち、アクセル開度)やブレーキペダルの操作量(以下、適宜「ブレーキ操作量」と表現する)、或いはそれらから派生する値等を意味する。また、加減速操作に対応する制御量とは、加減速操作と関連して間接的に変化する量を包括する概念であり、例えば、駆動トルクや制動トルク等を意味する。これらの検出には、公知の概念を適用可能である。
断続運転期間において運転者の所定以上の加減速操作(例えば、アクセル操作やブレーキ操作)が生じた場合、断続運転モードの設定加減速度が運転者の意思に沿っていない可能性がある。例えば、断続運転期間における加速走行期間においてアクセル操作が緩められたり、或いはブレーキ操作が行われたりした場合、運転者が、設定加速度が過大であると感じている可能性がある。また、断続運転期間における惰性走行期間においてアクセル操作が強められた場合、運転者が、減速度が過大であると感じている可能性がある。
本発明に係る車両の走行制御装置によれば、例えば、このような場合について、補正手段により設定加減速度が補正される。設定加減速度が補正された場合、例えば次の加速走行期間或いは惰性走行期間において、その補正された設定加減速度が反映される。
従って、本発明に係る車両の走行制御装置によれば、断続運転期間における運転者の余分な運転操作の発生を抑制し、もってドライバビリティの悪化及び経済性能の悪化を好適に抑制することが可能となる。
補足すると、本発明に係る車両の走行制御装置は、加減速度に対して運転者が抱く感覚が、例えば運転者の性格、感性、運転技量等に応じて少なからず変化する点を見出している。その上で、定常走行を維持すべき場合において、運転者の運転操作に応じて設定加減速度を補正する旨の技術思想により、定常走行を乱す運転者の余分な運転操作を可及的に排除することを可能としているのである。
本発明に係る車両の走行制御装置の一の態様では、前記補正手段は、前記検出される操作量又は制御量に基づいて前記設定加減速度を補正する(請求項2)。
この態様によれば、検出される操作量又は制御量に基づいて設定加減速度が補正されるので、設定加減速度を運転者の意思に応じた程度で補正することができる。即ち、補正された設定加減速度を運転者の感性により整合させることができる。
本発明に係るハイブリッド車両の走行制御装置の他の態様では、前記設定加減速度の補正量は、前記検出される操作量又は制御量の変化速度が大きい程、大きく設定される(請求項3)。
運転者が、断続運転モードにおける設定加減速度に違和感を覚える場合、その違和感の大小は、加減速操作の操作速度の大小となって顕在化する傾向がある。例えば、加速走行期間における設定加速度が過大である場合、運転者の感覚に対して設定加速度が大きい程、運転者の減速操作は鋭敏に行われ得る。同様に、例えば、惰性走行期間における設定減速度が過大である場合、運転者の感覚に対して設定減速度が大きい程、運転者の加速操作は鋭敏に行われ得る。
従って、検出される操作量又は制御量の変化速度が大きい程、設定加減速度の補正量が大きく設定されることにより、運転者の感性に即した設定加減速度の補正が可能となる。
本発明に係る車両の走行制御装置の他の態様では、前記補正された設定加減速度の学習を行う学習手段を更に具備する(請求項4)。
この態様によれば、補正された設定加減速度が学習されるため、設定加減速度が運転者の性格、感性、運転技量等に適応して時間経過と共に最適化され得る。
尚、「学習」とは、周期的に或いは不定期に補正される値を次回以降の制御タイミングに反映させるべく記憶する更新処理を包括する概念であり、その実践的態様は、公知非公知を問わず各種の態様を適用可能である。
尚、この態様では、前記所定値以上の操作量又は制御量が検出されてから所定時間が経過するまでの判定期間における車速の推移又は前記判定期間が経過した時点における前記検出される操作量又は制御量に基づいて前記学習の要否を判定する判定手段を更に具備し、前記学習手段は、前記学習が必要であると判定された場合に前記学習が行われてもよい(請求項5)。
例えば、所定以上の加減速操作が生じた時点を基点とする判定期間において、車速が断続運転モードの制御中心車速を含む所定範囲に収束しない場合、運転者が断続運転モードの継続を所望していない可能性が高いとの判定が可能である。このような判定が成立する場合については、設定加減速度の学習は必要でない。
また、例えば、この判定期間の終了時点において運転者の加減速操作に対応する操作量又は制御量の絶対値が所定値以上である場合、運転者が断続運転モードの継続を所望していない可能性が高いとの判定が可能である。このような判定が成立する場合については、設定加減速度の学習は必要でない。
この態様によれば、このような学習の要否判定の結果、学習が必要である場合について、設定加減速度の学習が行われる。従って、学習の信頼性が向上し、断続運転モードを運転者の感覚に好適に適応させることができる。
尚、判定手段は学習の要否を判定する構成としたが、学習とは先に述べた補正値の適宜更新処理を意味する。従って、実践的には、判定手段の概念には、設定加減速度の補正の要否を判定することも含まれる。即ち、学習が不要との判定がなされた場合においては、設定加減速度の補正自体が禁止されてもよい。
本発明に係る車両の走行制御装置の他の態様では、前記車両は、前記動力源として少なくとも電動機を備えた電動車両である(請求項6)。
本発明に係る「電動車両」とは、例えば、回転電機のみを動力源として有する電気自動車や、一又は複数の回転電機と内燃機関とを動力源として有する各種のハイブリッド自動車を含む。
この態様によれば、例えば、内燃機関等と較べて始動及び停止の応答性が良好な電動機を断続運転期間における車両の動力源として好適に利用可能である。
尚、この態様では、前記電動車両は、前記動力源として内燃機関を備えたハイブリッド車両であってもよい(請求項7)。
この場合、内燃機関も回転電機も動力源として機能し得るため、断続運転モードの実践的運用面における自由度が向上する。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
<発明の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の各種実施形態について説明する。
以下、図面を参照して、本発明の各種実施形態について説明する。
<第1実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照し、本発明の第1実施形態に係るハイブリッド車両HVの構成について説明する。ここに、図1は、ハイブリッド車両HVの構成を概念的に表してなる概略構成図である。
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照し、本発明の第1実施形態に係るハイブリッド車両HVの構成について説明する。ここに、図1は、ハイブリッド車両HVの構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図1において、ハイブリッド車両HVは、ECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)100、PCU(Power Control Unit)20、バッテリ30、ハイブリッド駆動装置10、アクセル開度センサ40、ブレーキペダルセンサ50及びECB(Electronic Controlled Braking system:電子制御式制動装置)60を備えた、本発明に係る「車両」、「電動車両」及び「ハイブリッド車両」の一例である。
ECU100は、CPU、ROM及びRAM等を備え、ハイブリッド車両HVの各部の動作を制御可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「車両の走行制御装置」の一例である。ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述する「メイン制御」並びにそれに付帯する各種サブルーチン処理SB及びSCを実行することができる。尚、ECU100は、PCU20に備わる後述する昇圧コンバータ21及びインバータ22を夫々制御する昇圧制御部110及びインバータ制御部120を備える。昇圧制御部110及びインバータ制御部120の詳細について後述する。
PCU20は、バッテリ30から取り出した直流電力を交流電力に変換して後述するモータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2に供給すると共に、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2によって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ30に供給可能に構成された不図示のインバータ22を含み、バッテリ30と各モータジェネレータとの間の電力の入出力を、或いは各モータジェネレータ相互間の電力の入出力(即ち、この場合、バッテリ30を介さずに各モータジェネレータ相互間で電力の授受が行われる)を制御可能に構成された制御ユニットである。PCU20は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100によってその動作が制御される構成となっている。尚、PCU20については後に図3を参照して詳述する。
バッテリ30は、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2を力行するための電力に係る電力供給源として機能する充電可能な二次電池ユニットである。バッテリ30は、例えばリチウムイオンバッテリセル等の単位電池セルが複数(例えば、数百個)直列に接続された構成を有している。
アクセル開度センサ40は、不図示のアクセルペダルの操作量たるアクセル開度Taを検出可能に構成されたセンサである。アクセル開度センサ40は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたアクセル開度Taは、適宜ECU100により参照される。
ブレーキペダルセンサ50は、不図示のブレーキペダルの操作量たるブレーキ操作量Tbを検出可能に構成されたセンサである。ブレーキペダルセンサ40は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたブレーキ操作量Tbは、適宜ECU100により参照される。
尚、図示は省略するが、ハイブリッド車両HVは、これらのセンサの他にも、ハイブリッド車両HVの各種状態量を検出する各種センサを備えている。例えば、ハイブリッド車両HVは、車速Vを検出する車速センサ、バッテリ30の温度を検出するバッテリ温度センサ、バッテリ30のSOCを検出するSOCセンサ等を備える。これら各センサは、夫々ECU100と電気的に接続されており、検出された各種状態量、制御量或いは物理量は、ECU100によって適宜参照される構成となっている。
ECB60は、制動油圧を制御するブレーキアクチュエータ及び各車輪に制動力を付与するためのホイールシリンダ及び制動部材等を備えた、公知の電子制御式制動装置である。ECB60では、ブレーキアクチュエータにおける電磁制御弁の開閉により各ホイールシリンダへの供給油圧が制御され、ホイールシリンダがこの供給油圧に応じて駆動される。各輪に制動トルク(負トルク)を付与する制動部材は、このホイールシリンダにより駆動され、供給油圧に応じた制動トルクが各輪に付与される構成となっている。尚、ECB60は、ECU100と電気的に接続されており、その動作状態は、ECU100により制御される構成となっている。具体的には、ECU100は、ブレーキペダルセンサ50により検出されるブレーキ操作量Tbに応じた制動トルクが各輪に付与されるように、ブレーキアクチュエータを制御する構成となっている。
ハイブリッド駆動装置10は、ハイブリッド車両HVのパワートレインである。ここで、図2を参照し、ハイブリッド駆動装置10の詳細な構成について説明する。ここに、図2は、ハイブリッド駆動装置10の構成を概念的に表してなる概略構成図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
ハイブリッド駆動装置10は、エンジン200、動力分割機構300、入力軸400、駆動軸500、減速機構600、モータジェネレータMG1(以下、適宜「MG1」と略称する)、モータジェネレータMG2(以下、適宜「MG2」と略称する)を備える。
エンジン200は、ハイブリッド車両HVの一動力源として機能する、本発明に係る「内燃機関」の一例たるガソリンエンジンである。
エンジン200は、気筒内部に形成された燃焼室で混合気が燃焼した際に生じる爆発力に応じて気筒内部で往復運動を生じるピストンを備える。このピストンの往復運動は、コネクティングロッドを介してクランク軸の回転運動に変換され、クランク軸と連結された入力軸400から取り出される構成となっている。尚、エンジン200の詳細な構成は、本発明との関係性が低いため、ここでは省略することとする。また、ここではエンジン200がガソリンエンジンであるとしたが、本発明に係る「内燃機関」の採り得る実践的態様は多岐にわたる。例えば、本発明に係る「内燃機関」は、燃料種別、気筒配列、気筒数、燃料供給態様、動弁系の構成及び吸排気系の構成等において自由である。
モータジェネレータMG1は、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを備えた電動発電機である。
モータジェネレータMG2は、モータジェネレータMG1よりも体格の大きい電動発電機であり、モータジェネレータMG1と同様に、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを備えた、本発明に係る「回転電機」の一例である。
モータジェネレータMG1及びMG2は、同期電動発電機として構成され、例えば外周面に複数個の永久磁石を有するロータと、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータとを備えるが、無論他の構成を有していてもよい。
動力分割機構300は、相互に差動作用をなす複数の回転要素を備えた公知の遊星歯車機構である。
動力分割機構300は、中心部に設けられたサンギアS1と、サンギアS1の外周に同心円状に設けられたリングギアR1と、サンギアS1とリングギアR1との間に配置されてサンギアS1の外周を自転しつつ公転する複数のピニオンギア(不図示)と、これら各ピニオンギアの回転軸を軸支するキャリアC1とを備える。
サンギアS1は、エンジン200の出力トルクであるエンジントルクTe(本発明に係る「動力」の一例)に対する反力トルクを負担するための反力要素であり、モータジェネレータMG1のロータが固定される出力回転軸に固定されている。従って、サンギアS1の回転速度は、モータジェネレータMG1の回転速度たるMG1回転速度Nmg1と等価である。
リングギアR1は、動力分割機構300の出力要素であり、動力分割機構300の動力出力軸である駆動軸500に、その回転軸を共有する形で連結されている。尚、駆動軸500は、デファレンシャル等を介してハイブリッド車両HVの駆動輪DWに間接的に連結されている。
キャリアC1は、トーションダンパTDPを介してエンジン200のクランク軸に連結される入力軸400に、その回転軸を共有する形で連結されており、その回転速度は、エンジン200の機関回転数NEと等価である。
動力分割機構300は、上述した構成の下で、エンジン200から入力軸400に供給されるエンジントルクTeを、キャリアC1によってサンギアS1及びリングギアR1に所定の比率(各ギア相互間のギア比に応じた比率)で分配し、エンジン200の動力を2系統に分割することが可能である。
この際、動力分割機構300の動作を分かり易くするため、リングギアR1の歯数に対するサンギアS1の歯数としてのギア比ρを定義すると、エンジン200からキャリアC1に対しエンジントルクTeを作用させた場合に、サンギアS1に作用するトルクTesは下記(1)式により、また駆動軸500に現れる直達トルクTerは下記(2)式により、夫々表される。
Tes=−Te×ρ/(1+ρ)・・・(1)
Ter=Te×1/(1+ρ)・・・(2)
減速機構600は、駆動軸500とモータジェネレータMG2との間に介装された、サンギアS2、リングギアR2、ピニオンギア(不図示)及びキャリアC2の各回転要素を備えた遊星歯車機構である。
Ter=Te×1/(1+ρ)・・・(2)
減速機構600は、駆動軸500とモータジェネレータMG2との間に介装された、サンギアS2、リングギアR2、ピニオンギア(不図示)及びキャリアC2の各回転要素を備えた遊星歯車機構である。
減速機構600において、サンギアS2は、モータジェネレータMG2のロータに固定された出力回転軸に固定されている。また、キャリアC2は、ハイブリッド駆動装置10の外郭ケースに回転不能に固定されている。更に、リングギアR2は、駆動軸500に連結されている。係る構成において、減速機構600は、モータジェネレータMG2の回転速度Nmg2を、駆動軸500に対し、各回転要素(ギア)のギア比に応じて定まる減速比に従って減速して伝達することが出来る。
尚、減速機構600の構成は、モータジェネレータMG2の回転を減速する機構の採り得る一形態に過ぎず、この種の減速機構は実践上多様な形態を有し得る。また、この種の減速機構は、必ずしもハイブリッド駆動装置に備わっておらずともよい。即ち、モータジェネレータMG2は、駆動軸500に直結されていてもよい。
次に、図3を参照し、本実施形態に係るPCU20の構成について説明する。ここに、図3は、PCU20の概略構成図である。
図3において、PCU20は、昇圧コンバータ21及びインバータ22を備える。
昇圧コンバータ21において、リアクトルL1の一方端は、直流電源Bの正極に接続される正極線(符号省略)に接続され、他方端は、スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2との中間点、即ち、スイッチング素子Q1のエミッタ端子と、スイッチング素子Q2のコレクタ端子との接続点に接続される。
スイッチング素子Q1及びQ2は、上記正極線と直流電源Bの負極に接続される負極線(符号省略)との間に直列に接続されたスイッチング手段である。スイッチング素子Q1のコレクタ端子は上記正極線に、スイッチング素子Q2のエミッタ端子は上記負極線に接続されている。ダイオードD1及びD2は、夫々のスイッチング素子において、エミッタ側からコレクタ側への電流のみを許容する整流素子である。
尚、本実施形態において、スイッチング素子は、リアクトルL1の端部との接続点よりも高電位側のスイッチング素子Q1と、同じく低電位側のスイッチング素子Q2とから構成されており、双アーム型の昇圧コンバータを構成している。但し、このようなスイッチング素子の構成は一例であり、昇圧コンバータは、図1でスイッチング素子Q2のみを備えた片アーム型の昇圧コンバータであってもよい。
スイッチング素子Q1及びQ2並びにインバータ22の各スイッチング素子(Q3乃至Q8及びQ13乃至Q18)は、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)や電力用MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ等として構成される。
キャパシタCは、正極線と負極線との間に接続されたコンデンサである。このキャパシタCの端子間電圧、即ち、正極線と負極線との間の電位差VHは、昇圧コンバータ200の出力電圧である。
インバータ22は、MG1駆動用のインバータ回路22AとMG2駆動用のインバータ回路22Bとを備える。
インバータ回路22Aは、p側スイッチング素子Q3及びn側スイッチング素子Q4を含むU相アーム(符号省略)、p側スイッチング素子Q5及びn側スイッチング素子Q6を含むV相アーム(符号省略)及びp側スイッチング素子Q7及びn側スイッチング素子Q8を含むW相アーム(符号省略)を備えた電力変換器である。インバータ22Aの夫々のアームは、上記正極線と上記負極線との間に並列に接続されている。
尚、スイッチング素子Q3乃至Q8には、スイッチング素子Q1及びQ2と同様、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流す整流用ダイオードD3乃至D8が夫々接続されている。また、インバータ回路22Aにおける各相アームのp側スイッチング素子とn側スイッチング素子との中間点は、夫々モータジェネレータMG1の各相コイルに接続されている。
インバータ回路22Bは、インバータ回路22Aと同様の構成を有しており、スイッチング素子として、u相、v相及びw相の各相について、p側スイッチング素子Q13、Q15及びQ17を、またn側スイッチング素子Q14、Q16及びQ18を夫々備える。整流用のダイオードについても同様である。
昇圧コンバータ21は、ECU100における昇圧制御部110により制御される。ここで、図4を参照し、昇圧制御部110の構成について説明する。ここに、図4は、昇圧制御部110のブロック図である。尚、同図において、図3と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図4において、昇圧制御部110は、インバータ入力演算部111、加減算器112、電圧制御演算部113、キャリア生成部114及び比較器115を備える。また、昇圧制御部110は、予めROMに格納された制御プログラムに従って、昇圧制御を実行可能に構成される。
昇圧制御は、コンバータ制御信号PWCに基づいて、正極線と負極線との間の電圧、即ち、出力電圧VHを直流電源Bの電源電圧VB以上に昇圧する制御である。昇圧制御では、出力電圧VHが目標値VHtg(VH指令値とも称される)よりも低ければ、スイッチング素子Q2のオンデューティが相対的に大きくされ、正極線を直流電源B側からインバータ300側へ流れる電流を増加させることができ、出力電圧VHを上昇させることができる。一方、出力電圧VHが目標値VHtgよりも高ければ、スイッチング素子Q1のオンデューティが相対的に大きくされ、正極線をインバータ300側から直流電源B側へ流れる電流を増加させることができ、出力電圧VHを低下させることができる。
インバータ入力演算部111は、昇圧コンバータ200の出力電圧VHの目標値VHtgを設定する回路である。目標値VHtgは、昇圧コンバータ200、インバータ300及びモータジェネレータMGを含む電力系全体の損失であるシステム損失Lsysが最小となるように決定される。
加減算部112は、出力電圧VHの検出値を目標値VHtgから減算し、減算結果を電圧制御演算部113へ出力する。電圧制御演算部113は、目標値VHtgから出力電圧VHの検出値を減算してなる減算結果を加減算部112から受け取ると、出力電圧VHを目標値VHtgに一致させるための制御量を演算する。この際、例えば、比例項(P項)及び積分項(I項)を含む公知のPI制御演算等が用いられる。電圧制御演算部113は、算出された制御量を、電圧指令値として比較器115に出力する。
一方、キャリア生成部114は、三角波からなるキャリア信号を生成し、比較器115に送出する。比較器115では、電圧制御演算部113から供給される電圧指令値とこのキャリア信号とが比較され、その電圧値の大小関係に応じて論理状態が変化する、先述したコンバータ制御信号PWCが生成される。この生成されたコンバータ制御信号PWCは、昇圧コンバータ200のスイッチング素子Q1及びQ2に出力される。昇圧制御部110は、以上のように構成される。
尚、図2に例示された構成は、電圧制御を実現する回路構成であるが、昇圧コンバータ200の制御形態は、このような電圧制御に限定されない。
次に、図5を参照し、インバータ制御部120の構成について説明する。ここに、図5は、インバータ制御部120のブロック図である。尚、同図において、既出の各図と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。尚、図5では、説明の簡素化のため、インバータ22の電気的負荷としてモータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2を含むモータジェネレータMGなる概念を用いることとする。
図5において、インバータ制御部120は、電流指令変換部121、電流制御部122、2相/3相変換部123、3相/2相変換部124、キャリア生成部114(昇圧制御部110と共用される)及びPWM変換部125から構成される。
電流指令変換部121は、モータジェネレータMGのトルク指令値TRに基づいて、2相の電流指令値(Idtg、Iqtg)を生成する。
一方、インバータ300からは、フィードバック情報として、v相電流Ivとw相電流Iwが3相/2相変換部124に供給される。3相/2相変換部124では、これらv相電流Iv及びw相電流Iwから、三相電流値が、d軸電流Id及びq軸電流Iqからなる2相電流値に変換される。変換された後の2相電流値は、電流制御部122に送出される。
電流制御部122では、電流指令変換部121において生成された2相の電流指令値と、この3相/2相変換部124から受け取った2相電流値Id及びIqとの差分に基づいて、d軸電圧Vd及びq軸電圧からなる2相の電圧指令値が生成される。生成された2相の電圧指令値Vd及びVqhは、2相/3相変換部123に送出される。
2相/3相変換部123では、2相の電圧指令値Vd及びVqが、3相電圧指令値Vu、Vv及びVwに変換される。変換された3相電圧指令値Vu,Vv及びVwは、PWM変換部125に送出される。
ここで、PWM変換部125は、キャリア生成部114から所定のキャリア周波数fcarを有するキャリアCarを受け取る構成となっており、このキャリアCarと、変換された3相の電圧指令値Vu、Vv及びVwとの大小関係を比較する。更に、PWM変換部125は、その比較結果に応じて論理状態が変化する、u相スイッチング信号Gup及びGun、v相スイッチング信号Gvp及びGvn並びにw相スイッチング信号Gwp及びGwnを生成してインバータ22に供給する。
より具体的には、各相に対応するスイッチング信号のうち、「p」なる識別子が付記された信号は、各相のスイッチング素子のうちp側スイッチング素子(Q3、Q5及びQ7並びにQ13、Q15及びQ17)を駆動するための駆動信号であり、「n」なる識別子が付記された信号は、各相のスイッチング素子のうちn側スイッチング素子(Q4、Q6及びQ8並びにQ4、Q6及びQ18)を駆動するための駆動信号を意味する。
ここで特に、キャリアCarと各相電圧指令値との比較において、各相電圧指令値がキャリアCarよりも小さい値からキャリアCarに一致すると、p側スイッチング素子をターンオンさせるためのスイッチング信号が生成される。また、各相電圧指令値がキャリアCarよりも大きい値からキャリアCarに一致すると、n側スイッチング素子をターンオンさせるためのスイッチング信号が生成される。即ち、スイッチング信号は、オンオフが表裏一体の信号であり、各相のスイッチング素子は、p側とn側とのうち常にいずれか一方がオン状態であり、他方がオフ状態となる。
インバータ22が、各相スイッチング信号により規定される各スイッチング素子の駆動状態に変化する又は維持されると、その変化した又は維持された駆動状態に対応する回路状態に従って、モータジェネレータMGが駆動される構成となっている。尚、このようなインバータ300の制御態様は、所謂PWM制御の一態様である。
尚、一般的に、車両駆動用のモータジェネレータMGは、上述したPWM制御の他に、公知の過変調制御及び矩形波制御が併用される場合が多い。本実施形態に係るモータ駆動システム10においても、インバータ22の制御態様は、車両の走行条件に応じて適宜切り替えられるものとする。
<実施形態の動作>
次に本実施形態の動作について説明する。
次に本実施形態の動作について説明する。
<ハイブリッド車両HVの走行モード>
ハイブリッド車両HVは、ハイブリッド駆動装置10と駆動輪DWとの間の動力伝達態様を規定する走行モードとして、HV走行モードとEV走行モードとを有する。
ハイブリッド車両HVは、ハイブリッド駆動装置10と駆動輪DWとの間の動力伝達態様を規定する走行モードとして、HV走行モードとEV走行モードとを有する。
HV走行モードは、動力分割機構300の動力分割作用を利用して、エンジントルクTeの一部である直達トルクTerと、モータジェネレータMG2の出力トルクであるMG2トルクTmg2とを協調的に駆動軸500に作用させる走行モードである。HV走行モードでは、エンジントルクTeの他の一部である反力トルクTesを利用して、モータジェネレータMG1の出力トルクであるMG1トルクTmg1により電力回生、即ち発電も行われる。
この際、エンジン200の動作点(機関回転数NEとエンジントルクTeとにより規定される動作条件)は、MG1トルクTmg1を反力トルクとして利用したハイブリッド駆動装置10の電気的CVT(Continuously Variable Transmission)機能により、自由に設定可能である。エンジン200の動作点は、好適な一形態として、基本的にはエンジン200の燃料消費率(燃費)が最小となる最適燃費動作点に制御される。
これに対し、MG2トルクTmg2は、基本的には、駆動軸500に要求される駆動軸要求トルクに対して直達トルクTerでは不足する分を補うように制御される。即ち、HV走行モードでは、MG2トルクTmg2とエンジントルクTeとの協調制御がなされる。
例えば、この協調制御においては、バッテリ30のSOCが目標値としての目標SOCに維持されるように、モータジェネレータMG1の発電量と、モータジェネレータMG2の放電量或いは更に補機装置の放電量とが絶えず調整される。例えば、バッテリ30のSOCが目標SOCよりも高ければ、駆動軸要求トルクに対するMG2トルクTmg2の比率が増やされる等して電力収支は放電側に傾き、反対に目標SOCよりも低ければ当該比率が減らされる等して電力収支は充電側に傾く。
一方、EV走行モードは、MG2トルクTmg2のみを駆動軸500に作用させ、モータジェネレータMG2の動力のみによりハイブリッド車両HVを走行させる走行モードである。EV走行モードでは、基本的にエンジン200は機関停止状態とされるため(尚、補機装置に対する電力供給のための最低限の機関稼動がなされる場合もある)、燃料消費はゼロか、或いは無視し得る程度に少ない。但し、EV走行モードは、バッテリ30の電力収支上は、放電側に傾いた走行モードであるから、バッテリ30のSOCは基本的に減少し続ける。従って、EV走行モードは、バッテリ30のSOCも考慮してその実行可否が決定される。
<断続運転モードの概要>
ここで、ハイブリッド車両HVは、車速Vが目標車速又は一定車速に概ね維持される定常走行時において断続運転モードを選択可能に構成されている。断続運転モードは、上述したEV走行モードによる走行中であっても、HV走行モードによる走行中であっても、所定の実行条件が満たされた場合には実行可能である。
ここで、ハイブリッド車両HVは、車速Vが目標車速又は一定車速に概ね維持される定常走行時において断続運転モードを選択可能に構成されている。断続運転モードは、上述したEV走行モードによる走行中であっても、HV走行モードによる走行中であっても、所定の実行条件が満たされた場合には実行可能である。
断続運転モードは、加速走行と惰性走行とが繰り返される運転モードであり、加速走行時に相対的に多くの燃料消費又は電力消費を要するものの、ハイブリッド駆動装置10を無負荷運転とすることができる惰性走行時に節減される消費燃料又は消費電力がそれを上回る場合には、総体的な燃料消費又は電力消費を抑制することができる。このため、比較的大きな加減速が要求されない定常走行時においては、実行条件が満たされる限りにおいて好適に実行される。
断続運転モードが実行されると、ハイブリッド車両HVの車速Vは、例えば、開始時点の車速Vを目標車速として、この目標車速を含む所定範囲に維持される。例えば、惰性走行により車速が設定下限速度まで低下すると、加速走行が開始され、加速走行により車速が設定上限速度まで上昇すると、惰性走行が開始される。断続運転モードは基本的にこれらの繰り返しにより成立する。
尚、加速走行期間における動力源としては、エンジン200とモータジェネレータMG2とのうちいずれが使用されてもよい。また惰性走行期間においては、動力源は基本的に停止状態となるが、モータジェネレータMG2に関しては、駆動軸500に作用するトルクをゼロとする所謂ゼロトルク制御が実行されてもよいし、インバータ22Bを停止させてモータジェネレータMG2を電源系統から電気的に遮断する所謂シャットダウン制御が実行されてもよい。
<断続運転モードの詳細>
断続運転モードは、ECU100により実行されるメイン制御並びにサブルーチンSB及びSCにより進行する。これ以降、断続運転モードの詳細について説明する。
断続運転モードは、ECU100により実行されるメイン制御並びにサブルーチンSB及びSCにより進行する。これ以降、断続運転モードの詳細について説明する。
始めに、図6を参照し、メイン制御の詳細について説明する。ここに、図6は、メイン制御のフローチャートである。
尚、メイン制御は、断続運転モードの実行条件が満たされた場合に開始される制御である。断続運転モードは、例えば、ハイブリッド車両HVの運転者が車室内部の操作ボタンを操作した場合や、定常走行状態が所定時間以上継続した場合等において生じる、一種の制御信号としての実行要求に応じて実行される。但し、断続運転モードの実行条件は、これに限定されない。
メイン制御が開始されると、先ず制御フラグがONとなる(ステップS10)。制御フラグがONになると(図示制御分岐点A)、制御フラグがONであるか否かが判定される(ステップS20)。メイン制御開始時(即ち、ステップS10を経てステップS20が行われる場合)には、当然ながらステップS20は「YES」側に分岐する。
制御フラグがOFFである場合(ステップS20:NO)、ECU100は、断続運転モードが実行可能であるか否かを判定する(ステップS30)。断続運転モードが実行不可能である場合(ステップS30:NO)、処理は制御分岐点Aに戻される。
断続運転モードが実行可能である場合(ステップS30:YES)、ECU100は、制御フラグをONとし(ステップS40)、処理をステップS50に移行させる。また、ステップS20において制御フラグがONである場合(ステップS20:YES)、処理はステップS50に移行する。
ステップS50では、設定加減速度が読み出される。設定加減速度とは、断続運転モードにおける加速走行期間の加速度及び惰性走行期間の減速度の夫々設定値である。この設定加減速度の初期値は、予め実験的若しくは理論的な適合を経て又は経験的に、一般的な運転者にとって違和感がないような値に定められている。設定加減速度は、後述するサブルーチンSB及びSCにおいて適宜に補正され更新される。
設定加減速度が読み出されると、断続運転モードが開始される(ステップS60)。或いは、既に断続運転モードが開始されている場合には、断続運転モードがそのまま継続される。
断続運転モードが開始又は継続されると、ハイブリッド車両HVが加速中であるか否かが判定される(ステップS70)。ハイブリッド車両HVが加速走行期間にある場合(ステップS70:YES)、処理はサブルーチンSCに移行する。ハイブリッド車両HVが惰性走行期間にある場合(ステップS70:NO)、処理はサブルーチンSBに移行する。
次に、図7を参照し、減速走行期間中に行われるサブルーチンSBについて説明する。ここに、図7は、サブルーチンSBのフローチャートである。
図7において、ECU100は、運転者の意図的なアクセル操作の有無が判定される(ステップS101)。意図的なアクセル操作の有無は、アクセル開度Taに基づいて行われる。即ち、ステップS101では、検出されるアクセル開度Taが所定値以上であるか否かが判定される。尚、断続運転モードが開始される際のハイブリッド車両HVの走行条件(例えば、車速V)は一義的ではないから、この所定値の絶対値は状況により異なる。
本実施形態において、この所定値は、断続運転モード開始時点のアクセル開度Ta(%)に、所定の閾値Xa(%)を加算した値に設定される。この閾値Xaは、ノイズや、人間工学的な一種の揺らぎ動作が制御に反映されないように、予め実験的に、経験的に又は理論的に定められ得る。例えば、閾値Xaは、5〜10(%)程度の値である。
意図的なアクセル操作がない場合(ステップS101:NO)、意図的なブレーキ操作の有無が判定される(ステップS104)。意図的なブレーキ操作の有無は、ブレーキ操作量Tbに基づいて行われる。即ち、ステップS104では、検出されるブレーキ操作量Tbが所定値以上であるか否かが判定される。
ブレーキ操作は、アクセル操作と異なり、基本的に、断続運転モードにおいては生じない前提となっている。従って、このブレーキ操作量Tbとの比較に供される所定値は、ノイズや、ペダル遊びや、人間工学的な一種の揺らぎ動作が制御に反映されないように、予め実験的に、経験的に又は理論的に定められた固定値(例えば、上記Xaと同等の値)である。
意図的なブレーキ操作がない場合(ステップS104:NO)、ECU100は、運転者が断続運転モードの継続を所望しているとの判断の下、処理を上述した制御分岐点Aに戻す。即ち、サブルーチンSBは終了し、処理はメイン制御に復帰する。
一方、ステップS101において意図的なアクセル操作がある場合(ステップS101:YES)、ECU100は、所定の判定期間内に車速Vが所定範囲内に収束したか否かを判定する(ステップS102)。
判定期間の長さは適合値であり、例えば、十秒程度の期間に設定される。判定期間は、概念的には、運転者が意図的なアクセル操作の後に車速を意図する車速に安定させるまでに要する時間値として定義され得るが、より簡便には、惰性走行期間に相当する時間と定義されてもよい。
尚、惰性走行期間において運転者の意図的なアクセル操作が検出された状況を、これ以降適宜「状況1」と表現する。
一方、所定範囲とは、断続運転モードの制御中心車速Vcentと、制御中心車速Vcentに予め設定された許容偏差αを加算した上限値とにより規定される範囲である。
制御中心車速Vcentは、断続運転期間におけるハイブリッド車両HVの平均車速であり、断続運転モードにおける設定上限速度と設定下限速度との加算平均値である。制御中心車速Vcentは、基本的には断続運転モードの実行開始時点の車速V(以下、適宜「基本目標車速」と表現する)であり、断続運転モードの実行時毎に異なり得る。
また、制御中心車速Vcentは、定常的には設定加減速度に影響を受けない。設定加減速度が変化しない前提では、加速走行期間と惰性走行期間とにおいて設定加減速度の作用が等しく現れるからである。
許容偏差αは、制御中心車速Vcentと、運転者の運転操作を経た実際の収束車速との差分の許容値であり、例えば、2〜3km/h程度の値に設定される。但し、許容偏差αは、車速に応じて変化させてもよい。例えば、許容偏差αは、低車速側では相対的に小さく、高車速側では相対的に大きく設定されてもよい。
判定期間内に車速Vが所定範囲内に収束したか否かは、端的には、判定期間終了時点で車速Vが所定範囲内にあるか否かにより判定される。但し、例えば判定期間における車速の時間推移に基づいて車速Vが収束しているか否かの判定が行われてもよい。図7では、判定期間終了時点の車速Vが所定範囲の上限値(Vcent+α)以下であるか否かが判定される構成が例示される。
判定期間内に車速Vが所定範囲内に収束した場合(ステップS102:YES)、ECU100は、断続運転モードにおける設定減速度が過大である(減速度が大き過ぎる)と判定する(ステップS103)。減速度が過大であるとの判定がなされた状況を、これ以降適宜「状況1(1)」と表現する。
一方、ステップS104において意図的なブレーキ操作がある場合(ステップS104:YES)、ECU100は、所定の判定期間内に車速Vが所定範囲内に収束したか否かを判定する(ステップS105)。
判定期間の長さは適合値であり、例えば、十秒程度の期間に設定される。判定期間は、概念的には、運転者が意図的なブレーキ操作の後に車速を意図する車速に安定させるまでに要する時間値として定義され得るが、より簡便には、惰性走行期間に相当する時間として定義されてもよい。
一方、所定範囲とは、断続運転モードの制御中心車速Vcentと、制御中心車速Vcentから予め設定された許容偏差αを減算した下限値とにより規定される範囲である。
判定期間内に車速Vが所定範囲内に収束したか否かは、端的には、判定期間終了時点で車速Vが所定範囲内にあるか否かにより判定される。但し、例えば判定期間における車速の時間推移に基づいて車速Vが収束しているか否かの判定が行われてもよい。図7では、判定期間終了時点の車速Vが所定範囲の下限値(Vcent−α)以上であるか否かが判定される構成が例示される。
判定期間内に車速Vが所定範囲内に収束した場合(ステップS105:YES)、ECU100は、断続運転モードにおける設定減速度が過小である(減速度が小さ過ぎる)と判定する(ステップS106)。但し、運転者は元より定常走行を要求しているのであり、加減速走行が繰り返される断続運転モードは、あくまで装置側の要件で実施されるに過ぎない。従って、運転者が、減速度が過小であるとの違和感を覚える事態は、実践的には殆ど生じることは無い。
ステップS103において減速度過大との判定が下されるか、ステップS106において減速度過小であるとの判定が下された場合、設定減速度の学習が許可される。即ち、先ず、設定減速度が補正される(ステップS107)。例えば、ステップS103を経てなされる設定減速度の補正においては、設定減速度が減少側に補正(例えば、0.9倍)される。また、ステップS106を経てなされる設定減速度の補正においては、設定減速度が増大側に補正(例えば、1.1倍)される。
設定減速度が補正されると、ECU100は、補正された設定減速度を更新する(ステップS108)。設定減速度が更新されると、処理は制御分岐点Aに戻される。即ち、サブルーチンSBは終了する。
尚、補足すると、断続運転モードにおける加速走行期間の加速度は、モータジェネレータMG2やエンジン200から供給される駆動トルクの制御により実現することができる。一方、惰性走行期間における減速度は、例えば惰性走行期間において、モータジェネレータMG2及びエンジン200を停止させ、車両を完全に惰性のみで走行させる場合においては、成り行きで変化するため可制御性がない。このような場合において減速度が過大であるとの判定がなされても、それ以上減速度を減少させることは一見難しい。
しかしながら、実践的には、惰性走行期間においてモータジェネレータMG2は電力回生を行っている。電力回生とは駆動軸500に回生トルク(負トルク)を作用させることにより、モータジェネレータMG2を正回転負トルク状態とする発電措置である。この電力回生(回生制動とも称される)による回生トルクを減少させると、ハイブリッド車両HVの減速度を減少させることが可能となる。ステップS103を経てなされるステップS108での設定減速度の減少側への補正とは、例えばこのようにして実現される。
或いは、バッテリ30のSOCとの兼ね合いにおいて、或いは、断続運転期間における充放電収支において、惰性走行期間中に駆動トルクの軽度なアシストが可能である場合には、惰性走行期間中に、モータジェネレータMG2から駆動トルクのアシストを行って、減速度を減少させる等の措置を講じることもまた可能である。
一方、ステップS102において、判定期間内に車速Vが所定範囲内に収束しない場合(ステップS102:NO)、ECU100は、運転者が断続運転モードの継続を所望しておらず、定常走行状態から逸脱した加速を要求していると判定する(ステップS109)。加速要求であるとの判定がなされた状況を、これ以降適宜「状況1(2)」と表現する。
他方、ステップS105において、判定期間内に車速Vが所定範囲内に収束しない場合(ステップS105:NO)、ECU100は、運転者が断続運転モードの継続を所望しておらず、定常走行状態から逸脱した減速を要求していると判定する(ステップS110)。
ステップS109において加速要求が発生していると判定されるか、ステップS110において減速要求が発生していると判定されると、制御フラグはOFFにされ(ステップS111)、処理は制御分岐点Aに戻される。即ち、サブルーチンSBは終了する。
ここで、図8及び図9を参照し、サブルーチンSBの効果について説明する。ここに、図8は、状況1(1)におけるハイブリッド車両HVの走行状態の時間推移を例示する図である。また、図9は、状況1(2)におけるハイブリッド車両HVの走行状態の時間推移を例示する図である。これらの図において、重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図8において、上段は車速Vの時間推移であり、下段はアクセル開度Taの時間推移である。上段の車速Vの時間推移において、破線は、加減速度の補正がなされぬまま断続運転モードが継続した場合の仮想的な時間推移であり、実線が実際の車速Vの時間推移である。
時刻t1において運転者の意図的なアクセル操作が生じた様子が示される。意図的なアクセル操作が発生すると、車速Vの減少(減速)は終了し、車速Vは増加に転じる。ここで、運転者の意図的なアクセル操作が、減速度が過大であるとの感覚に基づいた操作である場合、時刻t1から時刻t2に至る判定期間の終了時点において、車速Vは制御中心車速Vcentに収束する(図示jdg1(1)a)。これは、元より運転者が定常走行の継続を所望しているからである。
この場合、設定減速度の補正及び更新が行われ、次回の惰性走行期間から、この更新された設定減速度が適用される(図示std1(1)a)。このように、本実施形態に係るサブルーチンSBによれば、運転者が惰性走行期間の設定減速度が過大であると感じた場合には、減速度が減少側に補正されるため、運転者の違和感は解消又は緩和され、ドライバビリティの悪化及び余分な運転操作による経済性能の悪化を抑制することができる。
一方、図9において、時刻t1に生じた意図的なアクセル操作が、時刻t2以降も継続する場合、車速Vは、アクセル操作に応じて上昇を続け、判定期間の終了時点において所定範囲を逸脱する(jdg1(2)a)。その場合には、運転者が加速を要求しているとの判断の下、断続運転モードは終了する。
次に、図10を参照し、加速走行期間中に行われるサブルーチンSCについて説明する。ここに、図10は、サブルーチンSCのフローチャートである。
図7において、ECU100は、運転者の意図的なブレーキ操作の有無が判定される(ステップS201)。意図的なブレーキ操作の有無は、ブレーキ操作量Tbに基づいて行われる。即ち、ステップS201では、検出されるブレーキ操作量Tbが所定値以上であるか否かが判定される。
意図的なブレーキ操作がない場合(ステップS201:NO)、意図的なアクセル操作の有無が判定される(ステップS204)。意図的なアクセル操作の有無は、アクセル開度Taに基づいて行われる。即ち、ステップS201では、検出されるアクセル開度Taが所定範囲内であるか否かが判定される。
尚、断続運転モードが開始される際のハイブリッド車両HVの走行条件(例えば、車速V)は一義的ではないから、この所定値の絶対値は状況により異なる。
本実施形態において、この所定範囲は、断続運転モード開始時点のアクセル開度Ta(%)に対し所定の閾値Xa(%)を加算した上限値と、断続運転モード開始時点のアクセル開度Ta(%)から所定の閾値Xa(%)を減算した下限値とにより規定される範囲である。この閾値Xaは、ノイズや、人間工学的な一種の揺らぎ動作が制御に反映されないように、予め実験的に、経験的に又は理論的に定められ得る。例えば、閾値Xaは、5〜10(%)程度の値である。
尚、ステップS201において検出されるブレーキ操作は、アクセル操作と異なり、基本的に、断続運転モードにおいては生じない前提となっている。従って、ブレーキ操作量Tbとの比較に供される所定値は、ノイズや、ペダル遊びや、人間工学的な一種の揺らぎ動作が制御に反映されないように、予め実験的に、経験的に又は理論的に定められた固定値(例えば、上記Xaと同等の値)である。
意図的なアクセル操作がない場合(ステップS204:NO)、ECU100は、運転者が断続運転モードの継続を所望しているとの判断の下、処理を上述した制御分岐点Aに戻す。即ち、サブルーチンSCは終了し、処理はメイン制御に復帰する。
一方、ステップS201において意図的なブレーキ操作がある場合(ステップS201:YES)、ECU100は、所定の判定期間内に車速Vが所定範囲内に収束したか否かを判定する(ステップS202)。
判定期間の長さは適合値であり、例えば、十秒程度の期間に設定される。判定期間は、概念的には、運転者が意図的なブレーキ操作の後に車速を意図する車速に安定させるまでに要する時間値として定義され得るが、より簡便には、加速走行期間に相当する時間として定義されてもよい。尚、加速走行期間において運転者の意図的なブレーキ操作が検出された状況を、これ以降適宜「状況2」と表現する。
車速Vとの比較に供される所定範囲とは、断続運転モードの制御中心車速Vcentと、制御中心車速Vcentから予め設定された許容偏差αを減算した下限値とにより規定される範囲である。
判定期間内に車速Vが所定範囲内に収束したか否かは、端的には、判定期間終了時点で車速Vが所定範囲内にあるか否かにより判定される。但し、例えば判定期間における車速の時間推移に基づいて車速Vが収束しているか否かの判定が行われてもよい。図10では、判定期間終了時点の車速Vが所定範囲の下限値以上であるか否かが判定される構成が例示される。
判定期間内に車速Vが所定範囲内に収束した場合(ステップS202:YES)、ECU100は、断続運転モードにおける設定加速度が過大である(加速度が大き過ぎる)と判定する(ステップS203)。加速度が過大であるとの判定がなされた状況を、これ以降適宜「状況2(1)」と表現する。
一方、ステップS204において意図的なアクセル操作がある場合(ステップS204:YES)、その検出されたアクセル操作が、踏み増し操作であるか否かを判定する(ステップS205)。踏み増し操作でない場合(ステップS205:NO)、即ち、踏み戻し操作である場合、処理はステップS202に移行する。尚、加速走行期間においてアクセルペダルの踏み戻し操作が生じた状況を、これ以降適宜「状況3」と表現する。また、加速走行期間においてアクセルの踏み戻し操作が生じ、ステップS202における車速Vの収束判定の結果、車速Vが所定範囲内に収束していると判定された状況を、これ以降適宜「状況3(1)」と表現する。
ステップS205において、検出された意図的なアクセル操作が踏み増し操作である場合(ステップS205:YES)、ECU100は、所定の判定期間内に車速Vが所定範囲内に収束したか否かを判定する(ステップS206)。
判定期間の長さは適合値であり、例えば、十秒程度の期間に設定される。判定期間は、概念的には、運転者が意図的なアクセル操作の後に車速を意図する車速に安定させるまでに要する時間値として定義され得るが、より簡便には、加速走行期間に相当する時間値として定義されてもよい。
車速Vとの比較に供される所定範囲とは、断続運転モードの制御中心車速Vcentと、制御中心車速Vcentに予め設定された許容偏差αを加算した上限値とにより規定される範囲である。
判定期間内に車速Vが所定範囲内に収束したか否かは、端的には、判定期間終了時点で車速Vが所定範囲内にあるか否かにより判定される。但し、例えば判定期間における車速の時間推移に基づいて車速Vが収束しているか否かの判定が行われてもよい。図10では、判定期間終了時点の車速Vが所定範囲の上限値以下であるか否かが判定される構成が例示される。
判定期間内に車速Vが所定範囲内に収束した場合(ステップS206:YES)、ECU100は、断続運転モードにおける設定加速度が過小である(加速度が小さ過ぎる)と判定する(ステップS207)。但し、運転者は元より定常走行を要求しているのであり、加減速走行が繰り返される断続運転モードは、あくまで装置側の要件で実施されるに過ぎない。従って、運転者が、加速度が過小であるとの違和感を覚える事態は、実践的には殆ど生じることは無い。
ステップS203において加速度過大との判定が下されるか、ステップS207において加速度過小であるとの判定が下された場合、設定加速度の学習が許可される。即ち、先ず、設定加速度が補正される(ステップS208)。例えば、ステップS203を経てなされる設定加速度の補正においては、設定加速度が減少側に補正(例えば、0.9倍)される。また、ステップS207を経てなされる設定加速度の補正においては、設定加速度が増大側に補正(例えば、1.1倍)される。
設定加速度が補正されると、ECU100は、補正された設定加速度を更新する(ステップS209)。設定加速度が更新されると、処理は制御分岐点Aに戻される。即ち、サブルーチンSCは終了する。
一方、ステップS202において、判定期間内に車速Vが所定範囲内に収束しない場合(ステップS202:NO)、ECU100は、運転者が断続運転モードの継続を所望しておらず、定常走行状態から逸脱した減速を要求していると判定する(ステップS210)。尚、意図的なブレーキ操作が減速要求であると判定された状況を、これ以降適宜「状況2(2)」と表現する。また、意図的なアクセル戻し操作が減速要求であると判定された状況を、これ以降適宜「状況3(2)」と表現する。
他方、ステップS206において、判定期間内に車速Vが所定範囲内に収束しない場合(ステップS206:NO)、ECU100は、運転者が断続運転モードの継続を所望しておらず、定常走行状態から逸脱した加速を要求していると判定する(ステップS211)。
ステップS210において減速要求が発生していると判定されるか、ステップS211において加速要求が発生していると判定されると、制御フラグはOFFにされ(ステップS212)、処理は制御分岐点Aに戻される。即ち、サブルーチンSCは終了する。
ここで、図11乃至図14を参照し、サブルーチンSCの効果について説明する。ここに、図11は、状況2(1)におけるハイブリッド車両HVの走行状態の時間推移を例示する図である。また、図12は、状況2(2)におけるハイブリッド車両HVの走行状態の時間推移を例示する図である。また、図13は、状況3(1)におけるハイブリッド車両HVの走行状態の時間推移を例示する図である。また、図14は、状況3(2)におけるハイブリッド車両HVの走行状態の時間推移を例示する図である。これら各図において、相互に重複する箇所には、或いは既出の各図と重複する箇所には、同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図11において、上段は車速Vの時間推移であり、下段は制動トルクの時間推移である。制動トルクは、ブレーキ操作量Tbに応じてECB60から付与されるトルクであり、本発明に係る「運転者の加減速操作に対応する制御量」の一例である。尚、アクセル開度Ta及びブレーキ操作量Tbは、本発明に係る「運転者の加減速操作に対応する操作量」の夫々一例である。
図11における上段の車速Vの時間推移において、破線は、加減速度の補正がなされぬまま断続運転モードが継続した場合の仮想的な時間推移であり、実線が実際の車速Vの時間推移である。
時刻t1において運転者の意図的な減速操作(ここでは、状況2、即ちブレーキ操作)が生じた様子が示される。意図的なブレーキ操作が発生すると、車速Vの増加(加速)は終了し、車速Vは減少に転じる。ここで、運転者の意図的なブレーキ操作が、加速度が過大であるとの感覚に基づいた操作である場合、時刻t1から時刻t2に至る判定期間の終了時点において、車速Vは制御中心車速Vcentに収束する(図示jdg2(1)a)。これは、元より運転者が定常走行の継続を所望しているからである。
この場合、設定加速度の補正及び更新が行われ、次回の加速走行期間から、この更新された設定加速度が適用される(図示std2(1)a)。このように、本実施形態に係るサブルーチンSCによれば、運転者が加速走行期間の設定加速度が過大であると感じた場合には、加速度が減少側に補正されるため、運転者の違和感は解消又は緩和され、ドライバビリティの悪化及び余分な運転操作による経済性能の悪化を抑制することができる。
一方、図12において、時刻t1に生じた意図的なブレーキ操作が、時刻t2以降も継続する場合、車速Vは、ブレーキ操作に応じて減少を続け、判定期間の終了時点において所定範囲を逸脱する(jdg2(2)a)。その場合には、運転者が減速を要求しているとの判断の下、断続運転モードは終了する。
図13及び図14には、状況3、即ち意図的な減速操作がアクセル戻し操作により行われた状況が例示される。
図13において、上段は車速Vの時間推移であり、下段はアクセル開度Taの時間推移である。
図13における時刻t1において運転者の意図的な減速操作(ここでは、状況3、即ちアクセル戻し操作)が生じた様子が示される。意図的なアクセル戻し操作が発生すると、車速Vの増加(加速)は終了し、車速Vは減少に転じる。ここで、運転者の意図的なアクセル戻し操作が、加速度が過大であるとの感覚に基づいた操作である場合、時刻t1から時刻t2に至る判定期間の終了時点において、車速Vは制御中心車速Vcentに収束する(図示jdg3(1)a)。これは、元より運転者が定常走行の継続を所望しているからである。
この場合、設定加速度の補正及び更新が行われ、次回の加速走行期間から、この更新された設定加速度が適用される(図示std3(1)a)。このように、本実施形態に係るサブルーチンSCによれば、運転者が加速走行期間の設定加速度が過大であると感じた場合には、加速度が減少側に補正されるため、運転者の違和感は解消又は緩和され、ドライバビリティの悪化及び余分な運転操作による経済性能の悪化を抑制することができる。
一方、図14において、時刻t1に生じた意図的なアクセル戻し操作が、時刻t2以降も継続する場合、車速Vは、アクセル戻し操作に応じて減少を続け、判定期間の終了時点において所定範囲を逸脱する(jdg3(2)a)。その場合には、運転者が減速を要求しているとの判断の下、断続運転モードは終了する。
<加減速度の補正の詳細>
次に、設定加減速度の補正の詳細について説明する。
次に、設定加減速度の補正の詳細について説明する。
始めに、図15を参照し、設定減速度の補正について説明する。ここに、図15は、設定減速度の補正の概念を説明するための図である。尚、同図において、図8と重複する箇所には適宜同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図15において、上段及び上から二段目には、図8と同様に車速V及びアクセル開度の時間推移が夫々例示される。
ここで、設定減速度の補正は、アクセル開度積算値ESTaを利用して行われる(即ち、検出された操作量に基づいた補正の一例である)。アクセル開度積算値ESTaは、文字通りアクセル開度Taの積算値であるが、図15では便宜上断続運転モード開始時点のアクセル開度Ta1がゼロとされている。即ち、アクセル開度積算値ESTaは、アクセル開度TaがTa1で維持される限りにおいて基準値ESTabであるとする。
アクセル開度積算値ESTaは、アクセル開度Taと要求駆動力との関係が線形であるか否かに応じて異なる。図15の上から三段目には、アクセル開度と要求駆動力とが線形の相関を有する場合における、アクセル開度積算値ESTaの時間推移が例示される。図15の下段には、アクセル開度と要求駆動力とが非線形の相関を有する場合(特に、アクセル開度の増加以上に要求駆動力が増加する場合)における、アクセル開度積算値ESTaの時間推移が例示される。
アクセル開度Taと要求駆動力とが線形の相関を有する場合、運転者が断続運転モードの継続を欲している場合には、判定期間終了後のアクセル開度積算値ESTaは、運転者のアクセルワークに対して殆ど変化しない。何故なら、車速Vを、ある車速から運転者が意図する車速に戻すために要する駆動力は、アクセルワークによらず等しいからである。
その一方で、アクセル開度積算値ESTaのプロファイル(実線)と、基準軸(即ち、アクセル開度=Ta1に相当する軸)と、判定期間の終了時刻t2に立てた仮想軸線とで囲まれた領域の面積(以下、適宜「アクセル開度積算面積」と表現する)は、運転者のアクセルワークにより変化する。
例えば、惰性走行期間における減速度が運転者の感覚上、より大きい場合、例えば、アクセル開度の時間推移における破線のように、運転者は、より多く、或いはより速くアクセルペダルを踏み込む傾向がある。この場合、アクセル開度積算面積は、アクセル開度積算値ESTaの立ち上がりが早くなる分だけ増加する。即ち、アクセル開度と要求駆動力とが線形の相関を有する場合においては、運転者が現在の設定減速度に対して抱く感覚が、図示矢線方向(左右方向)のアクセル開度積算面積の変化となって現れる。減速度の補正は、このことを利用して行われる。
具体的には、ECU100は、下記(1)式に従って設定減速度Dsetを補正する。
Dset(i)=Dset(i−1)*(1−C1)…(1)
ここで、(i)は時系列上の位置を示す識別子であり、(i)は最新の値に対応し、(i―1)は従前の値に対応する。C1は補正係数であり、下記(2)式により規定される。
ここで、(i)は時系列上の位置を示す識別子であり、(i)は最新の値に対応し、(i―1)は従前の値に対応する。C1は補正係数であり、下記(2)式により規定される。
C1=Sesta*C11…(2)
ここで、C11は、車両特性に鑑みて事前に適合される係数であり、本実施形態では0.0001である。また、Sestaは、上述したアクセル開度積算面積である。即ち、補正係数C1は、アクセル開度積算面積Sestaが大きい程、大きくなる。
ここで、C11は、車両特性に鑑みて事前に適合される係数であり、本実施形態では0.0001である。また、Sestaは、上述したアクセル開度積算面積である。即ち、補正係数C1は、アクセル開度積算面積Sestaが大きい程、大きくなる。
ここで特に、上記(1)式によれば、補正係数C1が大きい程、設定減速度Dset(i)は小さくなる。即ち、アクセル開度積算面積Sestaが大きい程、設定減速度Dsetはより減少側に補正される。アクセル開度積算面積Sestaが大きい場合とは、運転者が、減速度が大きいと感じた場合に相当するから、結果的に、運転者の感覚上、減速度が大きい程、減速度Dsetは小さくなる。従って、運転者の感覚に適応した設定減速度の補正が実現される。このような補正は、本発明に係る「設定加減速度の補正量は、検出される操作量又は制御量の変化速度が大きい程大きく設定される」旨の一例である。
一方、アクセル開度Taと要求駆動力とが非線形の相関を有する場合(図15下段参照)、判定期間終了後のアクセル開度積算値ESTaは、運転者のアクセルワークに対して変化する。何故なら、ある車速から車速Vを運転者が意図する車速に戻す点では同じであっても、運転者がより速くアクセルワークを行うと、より早期に車速Vが意図する車速に復帰して、運転者はアクセルワークを終了するからである。即ち、運転者が知覚する減速度が大きい程、運転者はアクセルペダルを多く踏み込み、より大きい駆動力が得られる結果、アクセル開度積算値ESTaは少なくて済むのである。
このように、アクセル開度と要求駆動力とが非線形の相関を有する場合においては、運転者が現在の設定減速度に対して抱く感覚が、図示矢線方向(上下方向)のアクセル開度積算値ESTaの変化となって現れる。減速度の補正は、このことを利用して行われる。
このように、アクセル開度と要求駆動力とが非線形の相関を有する場合においては、運転者が現在の設定減速度に対して抱く感覚が、図示矢線方向(上下方向)のアクセル開度積算値ESTaの変化となって現れる。減速度の補正は、このことを利用して行われる。
具体的には、ECU100は、下記(3)式に従って設定減速度Dsetを補正する。
Dset(i)=Dset(i−1)*(1−C2)…(3)
ここで、(i)は時系列上の位置を示す識別子であり、(i)は最新の値に対応し、(i―1)は従前の値に対応する。C2は補正係数であり、下記(4)式により規定される。
ここで、(i)は時系列上の位置を示す識別子であり、(i)は最新の値に対応し、(i―1)は従前の値に対応する。C2は補正係数であり、下記(4)式により規定される。
C2=1/ESTa0*C21…(4)
ここで、C21は、車両特性に鑑みて事前に適合される係数であり、本実施形態では10である。また、ESTa0は、判定期間終了時点におけるアクセル開度積算値ESTaの値である。即ち、補正係数C2は、判定期間終了時点におけるアクセル開度積算値ESTa0が小さい程大きくなる。
ここで、C21は、車両特性に鑑みて事前に適合される係数であり、本実施形態では10である。また、ESTa0は、判定期間終了時点におけるアクセル開度積算値ESTaの値である。即ち、補正係数C2は、判定期間終了時点におけるアクセル開度積算値ESTa0が小さい程大きくなる。
ここで特に、上記(1)式によれば、補正係数C2が大きい程、設定減速度Dset(i)は小さくなる。即ち、判定期間終了時点におけるアクセル開度積算値ESTa0が小さい程、設定減速度Dsetはより減少側に補正される。判定期間終了時点におけるアクセル開度積算値ESTa0が小さい場合とは、運転者が、減速度が大きいと感じた場合に相当するから、結果的に、運転者の感覚上、減速度が大きい程、減速度Dsetは小さくなる。従って、運転者の感覚に適応した設定減速度の補正が実現される。
このような補正は、本発明に係る「設定加減速度の補正量は、検出される操作量又は制御量の変化速度が大きい程大きく設定される」旨の他の一例である。
次に、図16を参照し、設定加速度の補正について説明する。ここに、図16は、設定加速度の補正の概念を説明するための図である。尚、同図において、図11と重複する箇所には適宜同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図16において、上段及び上から二段目には、図11と同様に車速V及び制動トルクの時間推移が夫々例示される。
ここで、設定加速度の補正は、ブレーキ操作量積算値ESTbを利用して行われる(即ち、検出された操作量に基づいた補正の他の一例である)。ブレーキ操作量積算値ESTbは、文字通りブレーキペダルの操作に係るブレーキ操作量Tbの積算値である。図16の下段には、ブレーキ操作量積算値ESTbの時間推移が例示される。
ブレーキ操作量積算値ESTbのプロファイル(実線)と、基準軸(即ち、ブレーキ操作量=0に相当する軸)と、判定期間の終了時刻t2に立てた仮想軸線とで囲まれた領域の面積(以下、適宜「ブレーキ操作量積算面積」と表現する)は、運転者におけるブレーキペダルのペダルワークにより変化する。
例えば、加速走行期間における設定加速度が運転者の感覚上、より大きい場合、例えば、運転者は、より多くブレーキペダルを踏み込む傾向がある。この場合、ブレーキ操作量積算面積は、ブレーキ操作量積算値ESTbの立ち上がりが早くなる分だけ増加する。即ち、加速走行期間においては、運転者が現在の設定加速度に対して抱く感覚が、ブレーキ操作量積算面積の変化となって現れる。加速度の補正は、このことを利用して行われる。
具体的には、ECU100は、下記(5)式に従って設定加速度Asetを補正する。
Aset(i)=Aset(i−1)*(1−C3)…(5)
ここで、(i)は時系列上の位置を示す識別子であり、(i)は最新の値に対応し、(i―1)は従前の値に対応する。C1は補正係数であり、下記(6)式により規定される。
ここで、(i)は時系列上の位置を示す識別子であり、(i)は最新の値に対応し、(i―1)は従前の値に対応する。C1は補正係数であり、下記(6)式により規定される。
C3=Sestb*C31…(6)
ここで、C31は、車両特性に鑑みて事前に適合される係数であり、本実施形態では0.0001である。また、Sestbは、上述したブレーキ操作量積算面積である。即ち、補正係数C3は、ブレーキ操作量積算面積Sestbが大きい程、大きくなる。
ここで、C31は、車両特性に鑑みて事前に適合される係数であり、本実施形態では0.0001である。また、Sestbは、上述したブレーキ操作量積算面積である。即ち、補正係数C3は、ブレーキ操作量積算面積Sestbが大きい程、大きくなる。
ここで特に、上記(5)式によれば、補正係数C3が大きい程、設定加速度Aset(i)は小さくなる。即ち、ブレーキ操作量積算面積Sestbが大きい程、設定加速度Asetはより減少側に補正される。ブレーキ操作量積算面積Sestbが大きい場合とは、運転者が、加速度が大きいと感じた場合に相当するから、結果的に、運転者の感覚上、加速度が大きい程、加速度Asetは小さくなる。従って、運転者の感覚に適応した設定加速度の補正が実現される。このような補正は、本発明に係る「設定加減速度の補正量は、検出される操作量又は制御量の変化速度が大きい程大きく設定される」旨の他の一例である。
尚、本実施形態に係る設定加減速度の補正方法は、一例に過ぎない。設定加減速度の補正は、設定加速度が過大であるとの感覚を運転者が抱いた場合に設定加速度を減少させる補正であればよく、設定減速度の補正は、設定減速度が過大であるとの感覚を運転者が抱いた場合に設定減速度を減少させる補正であればよい。
例えば、上述した判定期間におけるアクセル開度積算面積或いはブレーキ操作量積算面積に補正係数を乗じる方法の他にも、アクセル開度、車速及びSOCをパラメータとして予め設定されたマップから補正値を選択する方法、アクセル開度の時間変化量から事前に策定された計算式により補正値を算出する方法、アクセル開度の変化タイミングに基づいて補正を行う方法等がある。
<第2実施形態>
第1実施形態では、設定加減速度の学習許可判定が、判定期間終了時点における車速Vに基づいて行われた。しかしながら、学習許可判定は、運転者の加減速操作に係る操作量に基づいて行うこともできる。ここでは、そのような本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、アクセル開度Ta又はブレーキ操作量Tbの時間変化量と閾値との比較に基づいて学習の可否が判定される。
第1実施形態では、設定加減速度の学習許可判定が、判定期間終了時点における車速Vに基づいて行われた。しかしながら、学習許可判定は、運転者の加減速操作に係る操作量に基づいて行うこともできる。ここでは、そのような本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、アクセル開度Ta又はブレーキ操作量Tbの時間変化量と閾値との比較に基づいて学習の可否が判定される。
始めに、図17乃至図20を参照し、上述した状況1、即ち、減速走行期間においてアクセル操作が生じた場合について説明する。ここに、図17は、学習が許可される場合のアクセル開度Taの時間推移を例示する図であり、図18は、学習が許可されない場合のアクセル開度Taの第1の時間推移を例示する図である。また、図19は、学習が許可されない場合のアクセル開度Taの第2の時間推移を例示する図であり、図20は、学習が許可されない場合のアクセル開度Taの第3の時間推移を例示する図である。尚、これら各図において、図8及び9と重複する箇所、或いはこれら各図相互間で重複する箇所には、同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図17において、下段にアクセル開度Taの時間推移が例示される。図示Taaveは、アクセル操作平均アクセル開度Taaveは、意図的なアクセル操作が発生する以前の過去所定期間(例えば、5秒間)におけるアクセル開度Taの時間平均値である。
ここで、第2実施形態においては、アクセル開度Taが、判定期間の終了時点において、予め設定された判定用領域のいずれに該当するかによって、学習の可否が判定される。
図17において、判定用領域は、制御解除領域C、学習許可判定領域B+、判定除外領域A、学習不許可判定領域B−から構成される。
制御解除領域Cは、図7のサブルーチンSBにおけるステップS109又はS110に相当しており、運転者が断続運転モードを継続する意思を有さない場合に相当する。
学習許可判定領域B+は、図7のサブルーチンSBにおける状況1(1)に相当しており、運転者が減速度過大であると感じている場合に相当する。
学習不許可判定領域B−は、図7のサブルーチンSBにおいて、運転者が減速度過小であると感じている場合(ステップS106)に相当する。但し、第1実施形態において述べたように、惰性走行期間において減速度が不足しているとの感覚を運転者が抱く場合は稀であり、偶発的にアクセル開度Taが減少している可能性は拭えない。従って、第2実施形態では、第1実施形態と異なり、このような場合について、学習は許可されない。
判定除外領域Aは、図7のサブルーチンSBにおいて、意図的なアクセル操作が生じていない場合に相当しており、運転者が断続運転モードの継続を所望している場合に相当する。
ここで、図17においては、判定期間終了時点(時刻t2)におけるアクセル開度Taが、学習許可判定領域B+に該当する場合が示される。この場合、上述したように学習を許可する旨の判定がなされ(図示jdg1(1)b)、設定減速度が補正され更新される(図示std1(1)b)。
また、図18においては、判定期間終了時点(時刻t2)におけるアクセル開度Taが、判定除外領域Aに該当する場合が示される。この場合、上述したように意図的なアクセル操作と判断されないため、学習は許可されない(図示白丸参照)。
また、図19においては、判定期間終了時点(時刻t2)におけるアクセル開度Taが、制御解除領域Cに該当する場合が示される。この場合、上述したように運転者が断続運転モードの継続を所望していなと判断される(ここでは、加速要求と判断される)ため、学習は許可されない(図示jdg1(2)b)。
また、図20においては、判定期間終了時点(時刻t2)におけるアクセル開度Taが、学習不許可判定領域B−に該当する場合が示される。この場合、上述したように運転者は断続運転モードの継続を所望しており、且つレアケースであるため、学習は許可されない(図示白丸参照)。
次に、図21乃至図23を参照し、上述した状況2、即ち、加速走行期間においてブレーキ操作が生じた場合について説明する。ここに、図21は、学習が許可される場合の制動トルクの時間推移を例示する図であり、図22は、学習が許可されない場合の制動トルクの第1の時間推移を例示する図である。また、図23は、学習が許可されない場合の制動トルクの第3の時間推移を例示する図である。尚、これら各図において、図11及び12と重複する箇所、或いはこれら各図相互間で重複する箇所には、同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図21において、下段に制動トルクの時間推移が例示される。加速走行期間において、制動トルクは基本的にゼロである。
ここで、第2実施形態においては、制動トルクが、判定期間の終了時点において、予め設定された判定用領域のいずれに該当するかによって、学習の可否が判定される。
図21において、判定用領域は、制御解除領域C、学習許可判定領域B、判定除外領域Aから構成される。
制御解除領域Cは、図10のサブルーチンSCにおける状況2(2)に相当しており、運転者が断続運転モードを継続する意思を有さない場合に相当する。尚、図10のステップS211、即ち、加速要求は、制動トルクに基づいた図21には反映されない。これについては、例えば、図17乃至図20に例示されたアクセル開度Taに基づいた判定用領域により判定することができる。アクセル開度Taに基づいた判定用領域によれば、アクセル戻し操作による減速要求(状況3(2))と、アクセル踏み増しによる加速要求とのいずれも判定することができる。
図21において、学習許可判定領域Bは、図10のサブルーチンSCにおける状況2(1)に相当しており、運転者が加速度過大であると感じている場合に相当する。
判定除外領域Aは、図10のサブルーチンSCにおいて、意図的なブレーキ操作が生じていない場合に相当しており、運転者が断続運転モードの継続を所望している場合に相当する。
ここで、図21においては、判定期間終了時点(時刻t2)における制動トルクが、学習許可判定領域Bに該当する場合が示される。この場合、上述したように学習を許可する旨の判定がなされ(図示jdg2(1)b)、設定加速度が補正され更新される(図示std2(1)b)。
また、図22においては、判定期間終了時点(時刻t2)における制動トルクが、判定除外領域Aに該当する場合が示される。この場合、上述したように意図的なブレーキ操作と判断されないため、学習は許可されない(図示白丸参照)。
また、図23においては、判定期間終了時点(時刻t2)における制動トルクが、制御解除領域Cに該当する場合が示される。この場合、上述したように運転者が断続運転モードの継続を所望していなと判断される(ここでは、減速要求と判断される)ため、学習は許可されない(図示jdg2(2)b)。
尚、図21乃至図23に例示された加速走行期間における学習可否判定は、運転者の減速操作に係る制御量としての制動トルクに基づいて行われるが、これは一例である。例えば、制動トルクに代えて、ブレーキ操作量Tbが用いられてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両の走行制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明は、電気自動車やハイブリッド自動車の走行制御に適用可能である。
HV…ハイブリッド車両、10…ハイブリッド駆動装置、20…PCU、30…バッテリ、MG1、MG2…モータジェネレータ、100…ECU、200…エンジン、300…動力分割機構、400…入力軸、500…駆動軸、600…減速機構。
Claims (7)
- 定常走行を維持する走行モードとして、駆動輪への動力供給が停止される惰性走行と、前記駆動輪に対する動力源からの動力供給を伴う加速走行とが周期的に繰り返される断続運転モードを備えた車両を制御する、車両の走行制御装置であって、
運転者の加減速操作に対応する操作量又は制御量を検出する検出手段と、
前記断続運転モードによる走行が行なわれる断続運転期間において、前記検出される操作量又は制御量が所定値以上である場合に前記断続運転モードの設定加減速度を補正する補正手段と
を具備することを特徴とする車両の走行制御装置。 - 前記補正手段は、前記検出される操作量又は制御量に基づいて前記設定加減速度を補正する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両の走行制御装置。 - 前記設定加減速度の補正量は、前記検出される操作量又は制御量の変化速度が大きい程、大きく設定される
ことを特徴とする請求項1に記載の車両の走行制御装置。 - 前記補正された設定加減速度の学習を行う学習手段を更に具備する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の車両の走行制御装置。 - 前記所定値以上の操作量又は制御量が検出されてから所定時間が経過するまでの判定期間における車速の推移又は前記判定期間が経過した時点における前記検出される操作量又は制御量に基づいて前記学習の要否を判定する判定手段を更に具備し、
前記学習手段は、前記学習が必要であると判定された場合に前記学習を行う
ことを特徴とする請求項4に記載の車両の走行制御装置。 - 前記車両は、前記動力源として少なくとも電動機を備えた電動車両である
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の車両の走行制御装置。 - 前記電動車両は、前記動力源として内燃機関を備えたハイブリッド車両である
ことを特徴とする請求項6に記載の車両の走行制御装置。
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