JP2014184656A - 光学用積層ポリエステルフィルムロール - Google Patents

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Abstract

【課題】 塗布欠陥が全くなく、拡散シート、プリズムシート、複合シート等に代表される、各種の光学基材の用途において、好適に利用することのできる積層ポリエステルフィルムロールを提供する。
【解決手段】 塗布層を有するポリエステルフィルムの当該塗布層の反対面の表面に油性インク層からなる層を形成し、当該塗布層表面を蛍光灯下による反射法で観察した際に塗布欠陥がないことを特徴とする光学用積層ポリエステルフィルムロール。
【選択図】 なし

Description

本発明は、加工時や使用時に熱履歴を受けても、フィルムのうねり発生を抑えることのでき、光学用として好適なポリエステルフィルムロールを提供することにある。さらには、光学用ポリエステルフィルムロールに塗布層を処理した際の、塗布欠陥を検出した際に、目視での塗布欠陥のない光学用フィルムロールに関するものである。
近年、液晶表示装置の進歩は著しく、携帯電話、パソコンモニターといった小型、中型のものだけでなく、テレビ用の大型のものまで広く用いられようとしている。液晶表示装置には様々な高分子フィルムが用いられており、例えば液晶の色補償、視野角の拡大、コントラストの向上といった表示品位の改善のために用いられる位相差フィルム、偏光板、その保護フィルム、基板等である。その高分子素材としてはこれまでポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、トリアセチルセルロース、ポリエーテルスルホン等がよく使われてきている。
近年、製造コスト面、また環境面から溶融押し出し法が求められている。かかる溶融押し出し法においては、できるだけ溶融粘度の低い樹脂を用いることが、光学フィルムに求められる均質性の高いフィルムを製造するのに好ましい。
特にポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートの二軸延伸フィルムは、優れた機械的性質、耐熱性、耐薬品性を有しており、磁気テープ、強磁性薄膜テープ、写真フィルム、包装用フィルム、電子部品用フィルム、電気絶縁フィルム、金属ラミネートフィルム、ガラスディスプレイ等のガラス表面に貼るフィルム、各種部材の保護用フィルム等の素材として広く用いられている。
ポリエステルフィルムは、近年、特に各種光学用フィルムに多く使用され、LCDの部材のプリズムシート、光拡散シート、反射板、タッチパネル等のベースフィルムや反射防止用ベースフィルムやディスプレイの防爆用ベースフィルム、PDPフィルター用フィルム等の各種用途に用いられている。これらの光学製品において、明るく鮮明な画像を得るために、光学用フィルムとして用いられるベースフィルムはその使用形態から透明性が良好で、かつ画像に影響を与える異物やキズ等の欠陥がないことが必要となる。
さらには、光学用途に使用される際、加工を行う面に塗布欠陥が存在すると、画像にムラとして反映される不具合があるため、プライマー処理面には、塗布欠陥がないことが求められる。
特開平10−062146号公報 特開2011−149741号公報 特開2009−244024号公報 特開2008−175609号公報 特開2006―292838号公報 特願2006−181746号公報 特開2002―350617号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、塗布欠陥のない光学用積層ポリエステルフィルムロールを提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、光学フィルムに特定の処理を行うことで、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、塗布層を有するポリエステルフィルムの当該塗布層の反対面の表面に油性インク層からなる層を形成し、当該塗布層表面を蛍光灯下による反射法で観察した際に塗布欠陥がないことを特徴とする光学用積層ポリエステルフィルムロールに存する。
本発明によれば、各種の光学用フィルムとして好適なポリエステルフィルムロールを提供することでき、本発明の工業的価値は高い。
本発明においてポリエステルフィルムに使用するポリエステルは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものを指す。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。
本発明におけるポリエステルは、従来公知の方法で、例えばジカルボン酸とジオールの反応で直接低重合度ポリエステルを得る方法や、ジカルボン酸の低級アルキルエステルとジオールとを従来公知のエステル交換触媒で反応させた後、重合触媒の存在下で重合反応を行う方法で得ることができる。重合触媒としては、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、チタン化合物等公知の触媒を使用してよい。
なおポリエステルは、溶融重合後これをチップ化し、加熱減圧下または窒素等不活性気流中に必要に応じてさらに固相重合を施してもよい。
本発明におけるポリエステル層中には、易滑性付与を主たる目的として粒子を配合してもよい。配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム酸化珪素、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
ポリエステル中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
なお、本発明におけるポリエステルフィルム中には、上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料、顔料等を添加することができる。また用途によっては、紫外線吸収剤特にベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤等を含有させてもよい。
一方、本発明を単層で実施する際には、フィルムには可能な限り粒子を含有させないようにし、表裏の塗布層に粒子を含有させることも好ましい。
また前記紫外線吸収剤、染料等の添加剤を添加する場合には積層フィルムの中間層に配合することが好ましい。
以下、本発明のポリエステルフィルムの製造方法に関して具体的に説明するが、本発明の要旨を満足する限り、本発明は以下の例示に特に限定されるものではない。
まず、公知の手法により乾燥したまたは未乾燥のポリエステルチップを溶融押出装置に供給し、それぞれのポリマーの融点以上である温度に加熱し溶融する。次いで、溶融したポリマーをダイから押出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、本発明においては静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
本発明においては、このようにして得られたシートを2軸方向に延伸してフィルム化する。延伸条件について具体的に述べると、前記未延伸シートを、好ましくは縦方向に70〜145℃で2〜5倍に延伸し、縦1軸延伸フィルムとした後、インラインコーティングを行い、横方向に90〜160℃で2〜5倍延伸を行い、200〜240℃で10〜600秒間熱処理を行うことが好ましい。さらにこの際、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および/または横方向に5〜20%弛緩する方法が好ましい。また、必要に応じて再縦延伸、再横延伸を付加することも可能である。
本発明においては、前記のとおりポリエステルの溶融押出機を2台または3台以上用いて、いわゆる共押出法により2層または3層以上の積層フィルムとすることができる。層の構成としては、A原料とB原料とを用いたA/B構成、またはA/B/A構成、さらにC原料を用いてA/B/C構成またはそれ以外の構成のフィルムとすることができる。例えばA原料として特定の粒子を用いてA層の表面形状を設計し、B原料としては粒子を含有しない原料を用い、A/BまたはA/B/A構成のフィルムとすることができる。この場合B層の原料を自由に選択できることからコスト的な利点などが大きい。また当該フィルムの再生原料をB層に配合しても表層であるA層により表面粗度の設計ができるので、さらにコスト的な利点が大きくなる。
特に本発明のフィルムは、光学用途に用いるため、ハードコート層、反射防止層、防眩層等を設けたり、蒸着層等が設けられたりするため、それらの層を形成する際の塗布性や接着性を向上すること、あるいは表面を清浄な状態に保つため帯電を防止することを目的として、下引き層としての塗布層を設けることができる。かかる塗布層の形成に当たっては、フィルムを製造する工程内、特に縦方向に延伸した後、横方向の延伸の前に行う方法が、極めて薄い塗布層を形成できる点、塗布液の乾燥や硬化反応を製膜工程内で実施できることなどの点で好ましい。かかる塗布層としては、架橋剤と各種バインダー樹脂との組み合わせからなるものが好ましく、バインダー樹脂としては接着性の観点から、通常ポリエステル、アクリル系ポリマーおよびポリウレタンの中から選ばれたポリマーを採用する。上記のポリマーは、それぞれそれらの誘導体をも含むものとする。ここでいう誘導体とは、他のポリマーとの共重合体、官能基に反応性化合物を反応させたポリマーを指す。
なお必要に応じてフィルムの製造後にオフラインコートでコートしてもよい。また片面、両面を問わない。コーティングの材料としては、オフラインコーティングの場合は水系および/または溶剤系いずれでもよいが、インラインコーティングの場合は、水系または水分散系が好ましい。
また本発明のフィルムは、光学用に用いるので、接着性の改良以外にも外光の映り込みや静電気によるゴミ付着防止、さらには電磁波シールドを目的とした機能性多層薄膜を形成させることも好ましい。
本発明で塗布剤として用いる、上記のポリエステル、アクリル系ポリマー、ポリウレタンの中で特に好ましいポリマーは、ガラス転移温度(Tg)が0℃以上、さらには40℃以上のものであり、ポリウレタンの中でもポリエステルポリウレタンであり、カルボン酸残基を持ち、その少なくとも一部はアミンまたはアンモニアを用いて水性化されているポリマーである。
架橋剤樹脂としては、メラミン系、エポキシ系、オキサゾリン系樹脂が一般に用いられるが、塗布性、耐久接着性の点で、メラミン系樹脂が特に好ましい。 メラミン系樹脂としては、単量体、あるいは2量体以上の多量体からなる縮合物のいずれであってもよく、あるいはこれらの混合物を用いてもよい。
本発明において、滑り性、固着性などをさらに改良するため、塗布層中に無機系粒子や有機系粒子を含有させることが好ましい。塗布剤中における粒子の配合量は、通常0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。かかる配合量が0.5重量%未満では、耐ブロッキング性が不十分となる場合があり、10重量%を超えると、フィルムの透明性を阻害し、画像の鮮明度が落ちる傾向がある。
無機粒子としては、二酸化ケイ素、アルミナ、酸化ジルコニウム、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化バリウム、カーボンブラック、硫化モリブデン、酸化アンチモン等が挙げられる。これらの中では、二酸化ケイ素が安価でかつ粒子径が多種あるので利用しやすい。一方有機粒子としては、炭素−炭素二重結合を一分子中に2個以上含有する化合物(例えばジビニルベンゼン)により架橋構造を達成したポリスチレンまたはポリアクリレートポリメタクリレートが挙げられる。
上記の無機粒子および有機粒子は表面処理されていてもよい。表面処理剤としては、例えば、界面活性剤、分散剤としての高分子、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などが挙げられる。塗布層中の粒子の含有量は、透明性を阻害しない適切な添加量として10重量%以下が好ましく、さらには5重量%以下が好ましい。
また、塗布層は、帯電防止剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料などを含有していてもよい。
塗布剤は、水を主たる媒体とする限りにおいて、水への分散を改良する目的または造膜性能を改良する目的で少量の有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤は、水に溶解する範囲で使用することが必要である。有機溶剤としては、n−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール等の脂肪族または脂環族アルコール類、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類、n−ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロステル類、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン類、N−メチルピロリドン等のアミド類が挙げられる。これらの有機溶剤は、必要に応じて二種以上を併用してもよい。
塗布剤の塗布方法としては、例えば、原崎勇次著、槙書店、1979年発行、「コーティング方式」に示されるような、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクターコーターまたはこれら以外の塗布装置を使用することができる。
塗布層は、ポリエステルフィルムの片面だけに形成してもよいし、両面に形成してもよい。片面にのみ形成した場合、その反対面には必要に応じて上記の塗布層と異なる塗布層を形成して他の特性を付与することもできる。なお、塗布剤のフィルムへの塗布性や接着性を改良するため、塗布前にフィルムに化学処理や放電処理を施してもよい。また、表面特性をさらに改良するため、塗布層形成後に放電処理を施してもよい。
塗布層の厚みは、最終的な乾燥厚さとして、通常0.01〜0.5μm、好ましくは0.015〜0.3μmの範囲である。塗布層の厚さが0.01μm未満の場合は、本発明の効果が十分に発揮されない恐れがある。塗布層の厚さが0.5μmを超える場合は、フィルムが相互に固着しやすくなったり、特にフィルムの高強度化のために塗布処理フィルムを再延伸する場合は、工程中のロールに粘着しやすくなったりする傾向がある。上記の固着の問題は、特にフィルムの両面に同一の塗布層を形成する場合に顕著に現れる。
このような塗布フィルムを光学用途に適用する場合には、塗布層表面の塗布ヌケが、この塗布層のさらに上に反射防止層等を設ける時等に問題となっている。塗布ヌケが生じる理由は明確ではないが、フィルム中にある異物がフィルム表面に粗大突起を作りそれが核となって塗布剤がはじき、それが延伸されて塗布ヌケが発生したり、フィルムの表面に付着したオリゴマーやゴミが核となりそこを核として塗布剤がはじきヌケとなったりする場合等が考えられる。したがって、かかる核となり得るゴミや異物をできる限り除去した条件で製膜することが必要である。かかる異物にはフィルム上に付着または析出したオリゴマーも含まれるため、フィルムが含有するオリゴマー量を低減することも塗布のヌケを減少させる効果を有する。
本発明は、透明性の高い光学用フィルムとして使用されたときに特にその優れた効果を発揮するが、その具体的な部材としては、バックライトとして使用される拡散シート、プリズムシート、拡散とプリズムの機能を持ち合わせた複合シート、レンズシート、輝度向上フィルムなど、高度な透明性を必要とする基材として有効に使用される。
塗布欠陥の検査に用いる照明は特に限定されることはなく、従来公知の光源を用いることができる。たとえば、面光源、ライン照明、全面拡散照明、ビーム照明、ハロゲンランプ、ナトリウムランプなどである。照射する光としては、三波長蛍光灯が好ましい。
塗布欠陥の検査を行う方法としては、特に限定されることは無く、たとえば目視により判定することができる。本発明にかかる検査方法によれば、目視によって、使用上問題となる欠陥を十分に確認可能である。
上述のように本発明にかかる検査方法によれば、拡散加工や、プリズム加工を行う前の段階で、欠陥を検出できるため、欠陥が無いと判定された光学フィルムにのみ、拡散加工やプリズム加工を行うに足り、製造コストの大幅な低減を図ることができる。
本発明明の検査方法および製造方法は、透明性、低ヘーズ、光学的な均一性等の光学特性に優れ、かつ光学製品としたときの画像欠点の発生を防止するなどの品質向上に寄与することができるものであり、LCD、PDP等に用いる各種光学用部材として用いた場合にその高度な特性が発揮され、工業的価値は極めて高い。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測定法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの固有粘度の測定
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)加熱収縮率
試料を無張力状態で150℃に保ったオーブン中、5分間処理し、その前後の試料の長さを測定して次式にて加熱収縮率を算出した。
加熱収縮率(%)={(L0−L1)/L0}×100
(上記式中、L0は加熱処理前のサンプル長、L1は加熱処理後のサンプル長)であり、フィルムロールの幅方向の3点において長手方向(MD)の加熱収縮率をそれぞれ測定し、それらの平均値を求めた。
(3)TMA(熱機械分析)による寸法安定性評価
SII製TMA SS6000を用いて、2mm×20mmに切り出した試料をサンプルホルダーにセットし、初期荷重50mN、昇温速度5℃/分で、室温から180℃までの伸び率測定を行った。
伸び率(%)={(L1−L0)/L0}×100
(上記式中、L0は加熱処理前のサンプル長、L1は加熱処理後のサンプル長)フィルム長手方向(MD)と幅方向(TD)に5点ずつ測定し、それぞれについて各温度の伸び率を求め、100℃近傍でのMD、TD伸び率が0.3%未満を◎、0.3%以上0.5%未満を○、0.5%以上を×とした。
(4)塗布欠陥検出方法I
ポリエステルフィルムロールに、寺西化学工業(株)のマジックインキ補充液を、スポンジローラーに染み込ませ、検査面の反対面にMD方向に500mm塗工した。その後、三波長蛍光灯下、2000mmの高さからフィルムを1000mm巻きだし、三波長蛍光灯の光を全面に受けるように、フィルムを垂らし、目視で塗布欠陥の有無の確認を行った。
(5)塗布欠陥検出方法II
ポリエステルフィルムロールに、光拡散層用樹脂組成物として、アクリル系樹脂100部、平均粒径15μmのアクリル系樹脂ビーズ(積水化成品工業(株)の「MBX−15」)100部、架橋剤10部、帯電防止剤3部からなる樹脂組成物を用いた。実施例1で作成したフィルム表面に光拡散樹脂層組成物をスクリーン印刷により20g/m(固形物換算)積層させることで、光拡散フィルムを得た。その後、三波長蛍光灯下、2000mmの高さからポリエステルフィルムロールを1000mm巻きだし、三波長蛍光灯の光を全面に受けるように、フィルムを垂らし、目視で塗布欠陥の有無の確認を行った。
(6)塗布欠陥検出方法III
三波長蛍光灯下、2000mmの高さからポリエステルフィルムロールを1000mm巻きだし、三波長蛍光灯の光を全面に受けるように、フィルムを垂らし、目視で塗布欠陥の有無の確認を行った。
(14)加工適性評価
作成したフィルムロールにつき、下記判定基準により、総合評価を行った。
《判定基準》
◎:150℃で5分間処理後のフィルム長手方向(MD)の収縮率と中央位置の同熱収縮率との差が0.10%以下であり、寸法安定性が◎、かつ塗布欠陥が0個/mである(極めて良好。実用上問題ないレベル)
○:150℃で5分間処理後のフィルム長手方向(MD)の収縮率と中央位置の同熱収縮率との差が0.13%以下であり、寸法安定性が○、かつ塗布欠陥が0個/mである(良好。実用上問題ないレベル)
△:150℃で5分間処理後のフィルム長手方向(MD)の収縮率と中央位置の同熱収縮率との差が0.13%より大きく、寸法安定性が×、かつ塗布欠陥が0個/mである(寸法安定性が悪いため、実用上問題になる場合があるレベル)
×:150℃で5分間処理後のフィルム長手方向(MD)の収縮率と中央位置の同熱収縮率との差が0.13%より大きく、寸法安定性が◎、かつ塗布欠陥が1個/m以上である(加工後の外観不良が発生し、実用上問題あるレベル)
以下に実施例および比較例を示すが、これに用いたポリエステルの製造方法は次のとおりである。
〈ポリエステルの製造〉
<ポリエステル(A)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.03部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.68に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(A)の極限粘度は0.68であった。
<ポリエステル(B)の製造方法>
ポリエステル(A)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、エチレングリコールに分散させた平均粒子径2.2μmのシリカ粒子を0.3部、三酸化アンチモン0.03部を加えて、極限粘度0.66に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(B)を得た。得られたポリエステル(B)は、極限粘度0.66、であった。
<ポリエステル(C)の製造方法>
ポリエステル(A)の製造方法において、出発原料をテレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とジエチレングリコール2重量部とし、重合触媒として酸化ゲルマニウムを使用したこと以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様な方法を用いてポリエステル(C)を得た。なお、酸化ゲルマニウムの添加方法は公知の方法を採用し、その添加量はゲルマニウムとして原料重量に対して100ppmとした。得られたポリエステル(C)の固有粘度は0.68であった。
実施例1:
前述のポリエステル(A)、(B)をそれぞれ90%、10%の割合で混合した混合原料をA層の原料とし、ポリエステル(C)をB層の原料として、2台のベント式二軸押出機に各々を供給し、それぞれ285℃で溶融し、A層を最外層(表層)、B層を中間層とする2種3層(A/B/A)の層構成で共押出して口金から押出し静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度81℃で縦方向に3.0倍延伸した後、以下に示した組成の塗布剤を塗布した後テンターに導き、横方向に120℃で3.8倍延伸し、215℃で熱処理を行った後、横方向に4%弛緩し、厚さ188μmの積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各層の厚みは、10/168/10μmであった。また、塗布層の厚みは0.15μmであった。
(塗布剤の組成:重量比)
a/b/c/d=47/20/30/3
ここで、aは、テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸/エチレングリコール/ジエチレングリコール/トリエチレングリコール=31/16/3/22/21(モル比)のポリエステル分散体;bは、メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリルニトリル/N−メチロールメタアクリルアミド=45/45/5/5(モル比)の乳化重合体(乳化剤:アニオン系界面活性剤);cは、ヘキサメトキシメチルメラミン(メラミン系架橋剤);dは、粒子径0.06μmの酸化ケイ素の水分散体(無機粒子)である。
実施例2:
実施例1において、延伸倍率を縦方向に3.1倍、横方向に4.1倍延伸した以外は実施例1と同様にして、厚み188μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各層の厚みは、10/168/10μmであった。また、塗布層の厚みは0.15μmであった。
実施例3:
実施例1において、フィルムの各層の厚みを、15/220/15μmとした以外は、実施例1と同様にして、厚み250μmのポリエステルフィルムを得た。また、塗布層の厚みは0.15μmであった。
実施例4:
実施例2において、フィルムの各層の厚みを、15/220/15μmとした以外は、実施例2と同様にして、厚み250μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各層の厚みは、15/220/15μmであった。また、塗布層の厚みは0.15μmであった。
比較例1:
実施例1において、塗布剤を作成し、48時間静置させた以外は、実施例1と同様の方法で、厚み188μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各層の厚みは、10/168/10μmであった。また、塗布層の厚みは0.10μmであった。
比較例2:
比較例1において、各層の厚みを、15/220/15μmとした以外は、比較例1と同様にして、厚み250μmのポリエステルフィルムを得た。また、塗布層の厚みは0.10μmであった。
比較例3:
実施例1においてテンターでの熱処理温度を235℃とした以外は実施例1と同様にして、188μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各層の厚みは、10/168/10μmであった。また、塗布層の厚みは0.10μmであった。
比較例4:
実施例3において、テンターでの熱処理温度を235℃とした以外は実施例3と同様にして、250μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各層の厚みは、15/220/15μmであった。また、塗布層の厚みは0.10μmであった。
得られたフィルムの150℃で5分間処理後のフィルムの長手方向(MD)の収縮率、フィルム幅の両端の位置における150℃で5分処理後のフィルムの長手方向(MD)の収縮率の中央位置の収縮率との差、および寸法安定性、加工適性について下記表1にまとめて示す。本発明の要件を満たすフィルムは、耐熱性が高く、加工適性に優れることが分かる。
Figure 2014184656
本発明の光学用積層ポリエステルフィルムロールは、加工時や使用時に熱履歴を受けても、フィルムのうねり発生を抑えることのでき、光学用として好適なポリエステルフィルムロールを提供することが可能である。さらには、光学用フィルムを検査する際に、加工面とは反対面にマジック液で反射防止層を簡易的に形成し、塗布欠陥を検出しやすくし、塗布欠陥のない光学用積層ポリエステルフィルムロールを提供することが出来ることで、拡散シート、プリズムシート、複合シート用の基材として利用した際に、製造コストの大幅な低減を図ることが出来る。また、塗布欠陥の無いフィルムの生産管理に、非常に有用である。

Claims (1)

  1. 塗布層を有するポリエステルフィルムの当該塗布層の反対面の表面に油性インク層からなる層を形成し、当該塗布層表面を蛍光灯下による反射法で観察した際に塗布欠陥がないことを特徴とする光学用積層ポリエステルフィルムロール。
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