JP2014183351A - 受信装置および受信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数系統のチューナ部を備えた受信装置において、電圧制御発振器の最適化の実行時に他のチューナ部で受信中の映像中に現れるノイズを低減する。
【解決手段】高周波処理部40が、アンテナが受信して分配器で分配された高周波信号と、電圧制御発振器を含む局部発振器420で発振された局部発振周波数とを混合して得られた受信信号を出力する。続いて、ホストCPU44が、電圧制御発振器へ印加する制御電圧と電圧制御発振器の局部発振周波数との対応を調べる電圧制御発振器最適化の実行時に、クロックの周波数を高速化する。
【選択図】図2

Description

本開示は、放送波を受信する受信装置およびその受信装置による受信方法に関し、特に、複数の放送波を受信する技術に関する。
近年、地上デジタルテレビ放送や衛星放送のチャンネル数が増加しており、一つの番組を視聴しながら同じ時間に放送中の他の番組も同時に視聴したり、同時刻に放送されている2つ以上の異なる番組を同時に録画したりできる機能へのニーズが高まっている。このような機能を実現するには、放送波を受信する受信装置において、放送波の選局および復調を行うチューナ部を複数系統設ける必要がある。これらの複数系統のチューナ部に対しては、アンテナで受信されて分配器で分配された放送信号が供給される。例えば特許文献1には、アンテナで受信した放送信号を分配器で分配して各系統のチューナ部に供給する構成とすることにより、放送方式の異なる2つ以上の放送波を並列に受信可能としたチューナ装置が記載されている。
特開2003−309776号公報
このように複数系統のチューナ部を有する受信装置においては、1つのチューナ部で所定のチャンネルの放送波を復調中に、別のチューナ部で選局の切り替えた行われた場合等に、復調中の映像にノイズが走ることがある。この現象は、選局動作が行われたことによって、複数の異なるチューナ部で同じ周波数の放送波を受信したタイミングで発生する。互いのチューナ部内の局部発振器で発振された局部発振周波数が干渉し合うことにより、放送波を受信中のチューナ部の受信特性が劣化してしまうためである。
このような現象は選局時以外にも発生し得る。例えば、チューナ部内のVCO(Voltage Controlled Oscillator:電圧制御発振器)のキャリブレーション(最適化)実行時等にも発生する。VCOのキャリブレーションとは、実際の動作環境でVCOを駆動し、そのときの発振周波数と制御電圧との対応を調査する動作のことであり、チューナ部の起動時や選局時等に行われるのが一般的である。
VCOの発振周波数を変化させる周波数選択素子には可変容量素子が用いられることがほとんどであり、可変容量素子は使用時の温度や湿度、電源電圧等によってその特性が変化するものである。このため、チューナ部の起動時や選局時等にVCO最適化を行うことにより、所望の受信周波数を得るためのその時点での制御電圧を、正確に把握することが行われている。
ところが、VCOキャリブレーション実行時には発振周波数と制御電圧との対応を調べるために、発振器で実際に発振が行われる。このため、局部発振周波数とその逓倍および分周成分が、放送波を受信中の他のチューナ部に漏洩して、それが受信中の映像中にノイズとなって現れることがある。つまり、VCOキャリブレーションを実行することで、放送波を受信中の他のチューナ部の受信特性を劣化させてしまうことがある。
本開示はかかる点に鑑みてなされたものであり、複数系統のチューナ部を備えた受信装置において、電圧制御発振器の最適化の実行時に他のチューナ部で受信中の映像中に現れるノイズを低減することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の受信装置は、少なくとも1つの分周器と、高周波処理部と、制御部とを備える構成とし、各部の構成及び機能を次のようにする。分周器は、アンテナが受信した高周波信号を分配する。高周波処理部は、分配器で分配された高周波信号と、電圧制御発振器を含む局部発振器で発振された局部発振周波数とを混合して得られた受信信号を出力する。制御部は、電圧制御発振器へ印加する制御電圧と電圧制御発振器の局部発振周波数との対応を調べる電圧制御発振器最適化を実行させ、電圧制御発振器最適化の実行時に、クロックの周波数を高速化する。
また、上記課題を解決するために、本開示の受信方法は、次の手順で行う。まず、アンテナが受信した高周波信号を分配する。続いて、分配された高周波信号と、電圧制御発振器を含む局部発振器で発振された局部発振周波数とを混合して得られた受信信号を出力する。続いて、電圧制御発振器へ印加する制御電圧と電圧制御発振器の局部発振周波数との対応を調べる最適化の実行時に、クロックの周波数を高速化する。
以上のように受信装置を構成し、処理を行うことで、電圧制御発振器の最適化の実行時間が短縮される。
本開示の受信装置および受信方法によれば、複数系統のチューナ部を備えた受信装置において、電圧制御発振器の最適化の実行時間が短縮される。したがって、電圧制御発振器の最適化の実行時に、他のチューナ部で受信中の映像中にノイズが現れる時間を、短縮できるようになる。すなわち、他のチューナ部で受信中の映像中に現れるノイズを低減することができる。
本開示の第1の実施形態例による受信装置の構成例を示すブロック図である。 本開示の第1の実施形態例によるチューナ部の構成例を示すブロック図である。 本開示の第1の実施形態例によるVCOの構成例を示すブロック図である。 本開示の第1の実施形態例による電圧制御同調用キャパシタの容量値−制御電圧特性および、発振器の発振周波数と制御電圧との対応を示す図であり、Aは電圧制御同調用キャパシタの容量値−制御電圧特性を示し、Bは電圧制御同調用キャパシタの容量値−制御電圧特性を示す。 本開示の第1の実施形態例によるサブバンドの構成例を示す説明図である。 本開示の第1の実施形態例によるサブバンドのサーチの処理の例を示すフローチャートである。 本開示の第1の実施形態例による各サブバンドがカバーする発振周波数の帯域の例を示す説明図である。 本開示の第1の実施形態例による局部発振器の構成例を示すブロック図である。 本開示の第1の実施形態例による受信処理の例を示すフローチャートである。 本開示の第2の実施形態例による受信処理の例を示すフローチャートである。 本開示の第2の実施形態例による受信処理と、チューナ部からの輻射量との対比を示す図である。 本開示の第2の実施形態例による、局部発振周波数探索動作に関与しないブロックを休止させた状態で測定したスプリアスレベルと、休止を行わない状態で測定したスプリアスレベルとを、対比して示したグラフである。
本開示の一実施形態に係る受信装置の一例を、図面を参照しながら下記の順で説明する。ただし、本開示は下記の例に限定されない。
1.第1の実施の形態例(局部発振周波数探索時に内部クロックを高速化する例)
1−1.受信装置の構成
1−2.受信装置による受信方法
2.第2の実施の形態例(局部発振周波数探索時に、局部発振周波数探索の動作に関与しないブロックを休止状態とする例)
3.各種変形例
<1.第1の実施の形態例>
[1−1.受信装置の構成例]
(1−1−1.受信装置の概要構成例)
まず、本開示の一実施形態に係る受信装置について、図1を参照して説明する。図1は、本実施の形態による受信装置10の概要構成例を示すブロック図である。本実施の受信装置10は、デジタル衛星放送の放送信号を受信し、受信した放送信号に含まれる映像や音声に関する符号化データを復号する。そして、復号したデータを図示せぬ表示装置に送信したり、図示せぬ記録媒体に記録する。なお、本実施の形態では受信装置10が衛星放送の放送信号を受信する場合を例にあげたが、これに限定されるものではない。地上デジタルテレビ放送やケーブルテレビ放送等の他の放送波を受信する受信装置にも適用可能である。
また、本実施の形態による受信装置10は、VCO(図1では図示略)が、「サブバンド」と呼ばれる局部発振周波数の発振周波数範囲を複数有する構成をとっている。そして、希望する受信周波数に応じて、複数のサブバンドの中から最適なサブバンドを選択する仕組みとしている。また、本実施の形態においても、従来の例として説明したものと同様に、VCOの周波数選択素子として可変容量素子(バリキャップダイオード)を用いている。このため、実動作環境における局部発振周波数と制御電圧との対応を正確に把握するために、後述するチューナ部4で選局が行われる毎に、VCOキャリブレーションを実行させている。
VCOキャリブレーションにおいては、VCOに印加する制御電圧を所定の値に固定した状態で各サブバンドにおいて発振周波数を発振させ、得られた発振周波数と、受信したい所望の受信周波数と対応するターゲット周波数との比較することが行われる。そして、受信周波数との差分が所定の範囲内である発振周波数を発振したサブバンドが、受信周波数と対応するサブバンドとして選択される。本開示の受信装置10は、VCOキャリブレーションの実行時に内部クロックを高速化させることにより、VCOキャリブレーションによる選局(サブバンドのサーチ)時間を短くすることを行う。これにより、他のチューナ部4に対して局部発振周波数が漏洩してしまう時間を短縮させるができる。
図1に示す受信装置10は、アンテナ1で受信した放送信号(以下、「高周波信号」とも称する)を分配する分配器2−1〜分配器2−(n−1)(nは自然数)と、アッテネータ3−1〜アッテネータ3−nと、チューナ部4−1〜チューナ部4−nとを含む。なお、以下の説明において、分配器2−1〜分配器2−(n−1)をそれぞれ区別して説明する必要がない箇所においては、単に分配器2と称して説明を行う。アッテネータ3、チューナ部4についても同様である。
アッテネータ3−1〜アッテネータ3−nは、入力された高周波信号を減衰させる減衰器である。その減衰量として適切な値を設定することにより、各チューナ部4が入力する高周波信号を適切なレベルにできる。
例えば、アッテネータ3に設定する減衰量を、アンテナ1からの距離(高周波信号が伝送される距離)と反比例する値に設定すれば、各チューナ部4に入力される高周波信号の信号レベルを等しくすることができる。例えばチューナ部4−nなど、その配置位置がアンテナ1と離れているチューナ部4の前に配置されるアッテネータ3には少ない減衰量を設定し、チューナ部4−1などのアンテナ1の近くに配置されているチューナ部4には、大きな減衰量を設定する。このように設定することで、各チューナ部4の受信特性が、その配置位置によって異なってしまうことを防ぐことができる。
なお、本実施の形態ではアッテネータ3を有する受信装置10を例にあげるが、アッテネータ3を有さない受信装置に適用してもよい。
チューナ部4−1〜チューナ部4−nは、アンテナ1で受信した高周波信号の中から、図示せぬ選局部で選局された希望のチャンネルの高周波信号を取り出して復調する。そして、復調されたデジタル信号に対して誤り訂正を行った後に、誤り訂正が行われたTS(Transport Stream)パケットを分離してそれぞれを復号することで、映像信号と音声信号とを得る。
(1−1−2.チューナ部の構成例)
次に、各チューナ部4の内部構成例について、図2のブロック図を参照して説明する。本実施の形態のチューナ部4は、アンテナ1(図1参照)から出力された1〜2GHz帯の高周波信号を、ダイレクトコンバージョン方式により検波して、950MHz〜2150MHzの受信信号を得る構成としてある。なお、受信信号の周波数帯はこの例に限定されるものではなく、他の値に設定されてもよい。また、検波の方式も、ダイレクトコンバージョン方式に限定されるものではなく、受信する放送波の種類に応じてスーパーヘテロダイン方式等の他の方式を適用してもよい。また、アンテナ1(図1参照)から出力された1〜2GHz帯の高周波信号は、アンテナ内の回路で周波数変換されたIF(Intermediate Frequency)信号である。
チューナ部4は、高周波処理部40と、復調器41と、選局部42と、記憶部43と、制御部としてのホストCPU(Central Processing Unit)44とを備える。
高周波処理部40は、LNA(低雑音増幅器)410と、スルー回路411と、I/Qミキサ412と、I/Qミキサ413とを備える。また、局部発振器420(PLL回路)と、移相器414と、可変LPF(Low Pass Fileter)415および可変LPF416と、ベースバンドアンプ417およびベースバンドアンプ418とを備える。
LNA410は、アッテネータ3から出力された高周波信号を増幅する一方で、後段の局部発振器420から漏洩してくる局部発振周波数とその逓倍および分周成分は減衰させる。スルー回路411は、スイッチ411sを有し、スイッチ411sのオンまたはオフを切り替える。具体的には、局部発振器420内のVCO(図2では図示略)のキャリブレーション実行時にはスイッチ411sをオフ(オープン)にしてLNA410をオンにする。それ以外のときにはスイッチ411sをオンにする。VCOキャリブレーション実行時には、スイッチ411sがオフされてLNA410と後段の回路とがつながるため、後段の局部発振器420から漏洩して図示せぬ信号の入力端に伝送される局部発振周波数とその逓倍および分周成分が、減衰される。これにより、局部発振器420から漏洩してくる局部発振周波数とその逓倍および分周成分が信号の入力端(図示略)に到達し、信号線を介して他のチューナ部4に回り込んでしまうことを防ぐことができる。
LNA410で増幅されたIF信号または、スルー回路411を通って入力されたIF信号は、I/Qミキサ412およびI/Qミキサ413に入力される。I/Qミキサ412は、入力されたIF信号と、局部発振器420から出力された局部発振信号とを混合して、I相のベースバンド信号を取り出す。I/Qミキサ413は、入力されたIF信号と、局部発振器420から出力されて、かつ移相器414でその位相が90°シフトされた局部発振信号とを混合して、Q相のベースバンド信号を取り出す。
局部発振器420は、アンテナ1で受信させたい受信周波数と同じ周波数の局部発振周波数を生成し、生成した局部発振周波数をI/Qミキサ412と移相器414とに供給する。移相器414は、局部発振器420から出力された局部発振周波数の位相を90°シフトさせて、I/Qミキサ413に入力する。
I/Q信号を用いた復調を行う際には、90°の位相差信号を容易に得られる等の理由から、局部発振周波数は受信周波数の2倍以上の値に設定されることが一般的である。本実施の形態によるチューナ部4では、上述したように950MHz〜2150MHzの衛星放送の放送波を受信するため、局部発振周波数の発振周波数範囲を、約2倍の2200MHz〜4400MHzとしている。
I/Qミキサ412で取り出されたI相のベースバンド信号は、可変LPF415に入力され、I/Qミキサ413で取り出されたI相のベースバンド信号は、可変LPF416に入力される。可変LPF415は、I相のベースバンド信号の周波数を所定の帯域に制限してベースバンドアンプ417に出力する。可変LPF416は、Q相のベースバンド信号の周波数を所定の帯域に制限してベースバンドアンプ418に出力する。
可変LPF415および可変LPF416は、プログラマブル可変LPFとして構成され、そのカットオフ周波数は、図示せぬレジスタに設定値として設定される。レジスタに設定する設定値を可変させることにより、LPFが通過させる周波数特性を変化させることができるため、様々な占有帯域幅を有する各種放送波を受信することが可能となる。
ベースバンドアンプ417は、可変LPF415から出力されたI相のベースバンド信号のゲインを調整して、復調器41に出力する。ベースバンドアンプ418は、可変LPF416を通過したQ相のベースバンドのゲインを調整して、復調器41に出力する。ベースバンドアンプ417とベースバンドアンプ418のゲインおよび、LNA410のゲインは、復調器41から制御ライン45を介して入力されるAGC制御信号に基づいて調整される。
復調器41は、入力されたI相/Q相の各ベースバンド信号を所定の復調方式で復調し、リードソロモン符号等の誤り訂正を行ってTS信号を得る。復調器41で復調されたTS信号は、図示せぬ多重分離部で分離された後に、同じく図示せぬデコード部で復号され、映像信号および音声信号として取り出される。
選局部42は、リモートコントローラ等で構成され、ユーザによって選択されたチャンネルの情報を、選局データとしてホストCPU44に送信する。記憶部43は、不揮発性メモリ等よりなり、選局データとそれに対応する設定データとが記憶されている。なお、選局データの生成は、リモートコントローラとして構成された選局部42を介してチャンネルが選択された場合にのみ行われるものではない。例えば、電子番組表(EPG)を介して特定の番組が選択された場合や、録画予約として特定の番組が選択された場合にも、選局データが生成される。
ホストCPU44は、チューナ部4を構成する各部の制御を行う。例えば、選局部42で選択された選局データに基づいて、選択されたチャンネルの放送受信に必要な設定データを記憶部43から読み出し、読み出した設定データに基づいて、チューナ部4の各部を設定する。また、VCOキャリブレーション実行時に、内部クロックを高速化させる制御も行う。内部クロック高速化処理の詳細については後述する。さらに、VCOキャリブレーション実行時には、前述したスルー回路411のスイッチ411sをオープンにし、LNA410を選択する制御や、後述するVCOの発振電流を下げる制御も行う。
(1−1−3.VCOの構成例)
続いて、局部発振器420内のVCO430の構成例について、図3のブロック図を参照して説明する。VCO430は、LC同調回路431と、発振器432とよりなり、発振器432には、可変電流源433が接続されている。LC同調回路431は、各サブバンドに対応する同調用キャパシタ31−1〜同調用キャパシタ31−mと、電圧制御同調用キャパシタ33と、同調用インダクタ34とを有する。LC同調回路431を構成する各素子は並列に接続されており、同調用キャパシタ31−1〜同調用キャパシタ31−mのそれぞれには、スイッチ32−1〜スイッチ32−mが直列に接続されている。
なお、以下の説明において、同調用キャパシタ31−1〜同調用キャパシタ31−mをそれぞれ区別して説明する必要がない場合には、単に同調用キャパシタ31と称する。同様に、スイッチ32−1〜スイッチ32−mをそれぞれ区別して説明する必要がない場合には、単にスイッチ32と称する。
同調用キャパシタ31は、例えばチップ内蔵型のダイオードで構成される。電圧制御同調用キャパシタ33は、容量値を制御するためのバリキャップダイオードであり、自身の容量値Cvは、そのVc端子(図示略)に印加される制御電圧Vcによって制御される。図4Aは、制御電圧Vcと電圧制御同調用キャパシタ33の容量値Cvとの関係を示す図である。横軸は制御電圧Vc(Vt)を示し、縦軸は電圧制御同調用キャパシタ33の容量値Cv(pF)を示す。図4Aに示すように、印加される制御電圧Vcが小さいほど電圧制御同調用キャパシタ33の容量値Cvは大きくなり、印加される制御電圧Vcが大きいほど電圧制御同調用キャパシタ33の容量値Cvは小さくなる。
同調用インダクタ34は、例えばチップ内蔵型のインダクタで構成される。そして、スイッチ32がオンされた同調用キャパシタ31と、電圧制御同調用キャパシタ33と、同調用インダクタ34とで構成されるLC同調回路431によって、発振器432の発振周波数が制御される。同調用キャパシタ31が1つで構成されていると想定した場合には、LC同調回路431により発振される発振器432の発振周波数Fcは、以下の式1で算出できる。以下の式1において、“L”は同調用インダクタ34のインダクタンスを示し、“C”は、同調用キャパシタ31の容量値を示す。
図4Bは、制御電圧Vcと発振器432の発振周波数Fcとの関係を示す図である。横軸は制御電圧Vc(Vt)を示し、縦軸は発振器432の発振周波数Fc(f)を示す。図4Bに示すように、印加される制御電圧Vcが小さいほど発振器432の発振周波数Fcは小さくなり、印加される制御電圧Vcが大きいほど発振器432の発振周波数Fcは大きくなる。
実際には、同調用キャパシタ31はm個で構成されるものであり、この場合の発振器432の発振周波数Fcは、以下の式2で算出できる。以下の式1において、“L”は同調用インダクタ34のインダクタンスを示し、“C32−1”〜“C32−m”は、同調用キャパシタ31−1〜31−mの各容量値を示す。
すなわち、スイッチ32がオンされている同調用キャパシタ31(図3参照)の数が多いほど発振周波数Fcは低くなり、スイッチ32がオンされている同調用キャパシタ31の数が少ないほど発振周波数Fcは高くなる。
図5は、本実施の形態例によるLC同調回路、すなわち図3に示したLC同調回路431により発振される発振器432の発振周波数Fcと、制御電圧Vcとの関係を示す図である。横軸は制御電圧Vc(Vt)を示し、縦軸は発振器432の発振周波数Fc(f)を示す。図2に示した同調用キャパシタ31−1から同調用キャパシタ31−mまでをすべてオンにし、制御電圧Vcを所定の値(例えば0.9V等)とした場合には、発振器432の発振周波数Fcは、グラフ中に“F1”と示した値となる。
そして、印加される制御電圧Vcが変化するに伴って発振周波数Fcも変化する。発振周波数Fcは、制御電圧Vcの値をその最小値から最大値までの変化させた場合は、最小値である発振周波数F1nから最大値である発振周波数F1xまで遷移する。すなわち、同調用キャパシタ31をすべてオンにした状態で、その発振周波数Fcがカバーできる帯域(バンド)は、発振周波数F1nから発振周波数F1xまでの帯域となる。本実施の形態例では、同調用キャパシタ31がオンされた数によって変わる発振周波数Fcの各帯域のことを、「サブバンド」と称する。図5では、同調用キャパシタ31がすべてオンされた状態で得られる発振周波数をFcによってカバーされるサブバンドを、サブバンドSb−1と示している。
制御電圧Vcの値は固定のまま、同調用キャパシタ31のうちの、例えば同調用キャパシタ31−1(図3参照)のみをオフにすると、LC同調回路431は、発振周波数F1よりも高い周波数である発振周波数F2を発振する。そして、制御電圧Vcが増減されることにより、発振器432の発振周波数Fcが、最小の発振周波数F2nから最大の発振周波数F2xまでの間を、制御電圧Vcの値に応じて変化する。図5では、同調用キャパシタ31のうちの1つのみをオフとした状態で発振する発振周波数Fcのバンドを、サブバンドSb−2と示している。
上述したように、LC同調回路431内の同調用キャパシタ31は、チップ内蔵のバリキャップダイオードで構成している。したがって、各同調用キャパシタ31の容量値の可変幅は数pF(0V〜3.3V)程度の小さなものとなる。本実施の形態例では、このような可変幅の小さい同調用キャパシタ31を複数設けて複数のサブバンドSbを構成することによって、局部発振周波数の発振周波数範囲として広い範囲をカバーできるようにしている。
受信周波数と対応するサブバンドSbが選択されれば、あとは、PLL回路として構成された局部発振器420によるフィードバック制御が行われることにより、発振器432の発振周波数Fcを分周した周波数が、受信周波数と同期する。しかし、LC同調回路431の電圧制御同調用キャパシタ33として、バリキャップダイオード(可変容量素子)を用いているため、その容量−電圧(C−V)特性は、使用時の周囲の温度や湿度、電源電圧等によって変化する。つまり、これらの状況の変化によって、受信周波数と対応するサブバンドSbも変化する可能性がある。このため、本実施の形態例では、受信周波数と対応するサブバンドSbをサーチする「VCOキャリブレーション」を、例えば選局が行われる毎に実施することで、電圧制御同調用キャパシタ33のC−V特性のばらつきを吸収できるようにしている。
ここで、本実施の形態によるVCOキャリブレーションの動作の例について、同じく図5および、図6のフローチャートを参照して説明する。図6に示すように、まず、電圧制御同調用キャパシタ33に印加する制御電圧Vcが、後述する制御ロジックによって例えば0.9V等の所定の値に固定され(ステップS1)、同調用キャパシタ31に接続されたスイッチ32がすべてオンにされる(ステップS2)。この状態で発振器432が発振されると(ステップS3)、発振器432による発振周波数Fcが、受信周波数によって定まるPLLロックのターゲット周波数Ftgよりも大きいか否かが判断される(ステップS3)。
発振周波数Fcがターゲット周波数Ftg以下である場合は、同調用キャパシタ31に接続されているスイッチ32を1つオフにした後に(ステップS5)、ステップS4の判断が行われる。そして、発振周波数Fcがターゲット周波数Ftgより大きいと判断された時点で、ターゲット周波数Ftgより大きい周波数である発振周波数Fovを出力するサブバンドSb−i(iは自然数)において、PLLフィードバック制御が開始される(ステップS6)。
図5に示すように、ターゲット周波数Ftgより大きい発振周波数Fovとは、図6のステップS1でその値が固定された制御電圧Vcによって発振する発振周波数Fcのうち、ターゲット周波数Ftgより値が大きいものを指す。発振周波数Fcは、どのサブバンドSbが選択されているか、言い換えると、同調用キャパシタ31の接続段数によって、異なる値となる。本実施の形態例では、ターゲット周波数Ftgより大きい発振周波数Fovを発振するサブバンドSb−iを、受信周波数と対応するサブバンドSbとみなしている。
なお、ターゲット周波数Ftgとの差分が小さい(所定の範囲内である)発振周波数Fcを発振するサブバンドSbをサーチすることが目的であるため、発振周波数Fcが必ずしもターゲット周波数Ftgより大きい値である必要はない。例えば、発振周波数Fovを発振したサブバンドSb−iと、前回サーチしたサブバンドSb−(i−1)のうち、よりターゲット周波数Ftgに近い発振周波数Fcを発振した方のサブバンドSbを、受信周波数に対応するサブバンドSbとみなすようにしてもよい。
受信周波数と対応するサブバンドSbはどれかという情報は、受信周波数と対応すると判断されたサブバンドSbにおいてPLLがロックするまでの期間保持される。サブバンドSbの情報は、例えば接続された同調用キャパシタ31の段数等によって示される。なお、サブバンドSbの情報として、同調用キャパシタ31の段数の情報に加えて、ターゲット周波数Ftgよりも値が大きい発振周波数Fovの情報を保持してもよい。また、受信周波数とサブバンドSbとの対応情報を例えばテーブル等に記載しておき、PLLロック後も保持するようにしてもよい。
ここで、図3に戻って、本実施の形態例によるVCO430の構成について再び説明する。上述したように、同調用インダクタ34は、チップ内蔵型のインダクタとして構成している。このため、そのインダクタンスは0〜20nHと低く、Q値も10以下の低い値となる。このような同調用インダクタ34と、前述した同調用キャパシタ31および電圧制御同調用キャパシタ33とでVCO430を発振させた場合は、通常はGHz帯の高い周波数しか発振できない。したがって、本実施の形態では、VCO430によって発振された発振周波数を、図示せぬ分周器で源発振〜1/32の範囲で分周することにより、950MHz〜2150MHzの衛星放送の約2倍である2200MHz〜4400MHzの発振周波数範囲をカバーする構成としている。
図7は、本実施の形態によるサブバンドSbの構成例を示す説明図であり、縦軸に周波数(MHz)を示し、横軸に制御電圧を示す。図7のグラフ中に示した、右斜め方向に上がった複数の直線が、各サブバンドSbを示している。発振周波数が一番低いサブバンドSb−1は、図3に示した同調用キャパシタ31がすべて接続された状態で可変される発振周波数帯を示したものである。また、発振周波数が一番高いサブバンドSb−mは、同調用キャパシタ31がすべてオフされた状態で可変される発振周波数帯を示したものである。
上述したように、VCO430では2200MHz〜4400MHzの範囲の局部発振周波数を発振できればよいため、本来であれば、複数のサブバンドSbでカバーする周波数の範囲も、2200MHz〜4400MHzまであればよい。しかし、バリキャップダイオードで構成した電圧制御同調用キャパシタ33のバラツキに起因して、実動作時に所望の局部発振周波数が得られない現象が起きないように、本実施の形態による受信装置10では、発振器432の周波数範囲を1950MHz〜4850MHzとしている。すなわち、局部発振周波数の帯域として必要な帯域である2200MHz〜4400MHz以外の領域にも、サブバンドSbが存在することになる。これにより、1950MHzから2200MHzまでの間の領域と、4400MHzから4850MHzまでの間の領域も、サブバンドSbをサーチするためのVCOキャリブレーションの実行対象に含まれるようになる。
しかし、このような構成とすることで、VCOキャリブレーション時にスキャンする周波数帯の中に、衛星放送受信時のVCO430の入力周波数の帯域である1950MHz〜2200MHzが含まれてしまう。このため、VCOキャリブレーション時にスキャンされた周波数が、他のチューナ部4で選局中の周波数と完全に一致した場合だけでなく、例えば1950MHz以下の非常に低い周波数がスキャンされた場合にも、他のチューナ部4との干渉が起きてしまう。サブバンドSbでカバーする周波数範囲を、局部発振周波数の発振周波数範囲とまったく同じ範囲に設定した場合には、VCOキャリブレーション時にスキャンされた周波数が、他のチューナ部4で選局中の周波数と完全に一致した場合に、同様の現象が発生する。
このような問題を解決するため、本開示の受信装置10では、VCOキャリブレーション実行時に内部クロック(ホストCPU44のクロック周波数)を高速化させることを行う。つまり、VCOキャリブレーションの実行に伴って行われるサブバンドSbのサーチ時間自体を短縮することで、所定の周波数を受信中の他のチューナ部4に対して妨害が入る時間を短くすることを行う。内部クロックの高速化処理については、次の図8に示す局部発振器420(PLL回路)のブロック図を参照して説明する。
図8に示す局部発振器420は、PLL回路として構成され、基準信号を発振する水晶発振器421と、分周器422と、位相比較器423と、ループフィルタ424と、VCO430と、可変分周器425とを含む。さらに、分周器426と、周波数カウンタ427と、制御ロジック428と、制御電圧印加部429と、分周器440と、除算器(ディバイダ)441とを含む。
分周器422は、水晶発振器421で発振された基準周波数を1/R倍(R分周)して比較周波数Frfを生成し、位相比較器423に供給する。位相比較器423は、分周器422で分周された周波数である比較周波数Frrの位相と、VCO430で発振されて可変分周器425で分周された分周周波数Fdvの位相とを比較する。そして、その位相差に応じた信号(誤差信号)を生成してループフィルタ424に入力する。ループフィルタ424は、位相比較器423から入力された誤差信号を直流電圧に変換してVCO430印加する。VCO430は、ループフィルタ424から印加された直流電圧の大きさに応じて発振周波数を変化させ、発振した発振周波数を可変分周器425に供給する。このようなPLLフィードバック制御が行われることにより、結果的に、分周周波数Fdvの位相が比較周波数Frrの位相にロックする。すなわち、比較周波数Frrと同一周波数となる。
可変分周器425は、水晶発振器421で発振された基準周波数を1/N倍(N分周)もしくはN逓倍することで分周周波数Fdvを生成する分周器である。本実施の形態では、分周器422の分周比Rと可変分周器425分周比Nの値とを調整することにより、全体の分周比を“2”〜“32”の間で切り替えられるようにしている。このように構成されたPLL回路において、VCO430で発振された局部発振周波数と所望の周波数との差が十分に小さくなった時点で、PLLが収束する。
分周器426は、VCOキャリブレーション時に選択される分周器であり、VCO430で発振された発振周波数を1/M倍(M分周)して、周波数カウンタ427に入力する。分周器426における分周比Mは、例えば“32”等に設定される。なお、本実施の形態ではVCO430の局部発振周波数帯を、受信周波数帯の2倍の値に設定しているため、周波数カウンタ427に入力する周波数を分周する分周器426を設けているが、局部発振周波数帯を受信周波数帯と等しくしている場合には、分周器426は設けなくてもよい。
周波数カウンタ427は、分周器426で分周された周波数を入力としてカウントすることによりVCO430の局部発振周波数Fcを測定し、測定した局部発振周波数Fcと所望のターゲット周波数Ftgに基づいて生成された比較周波数Frrとの差分を算出する。この差分算出処理は、図5に示した発振周波数F1,F2…Fokを発振する各サブバンドSbにおいて行われる。すなわち、ターゲット周波数Ftgに基づいて生成された比較周波数Frrよりも大きい発振周波数Fovを発振するサブバンドSbが見つかるまでの間行われる。
制御ロジック428は、周波数カウンタ427で算出された差分の情報に基づいて、VCO430および制御電圧印加部429を制御する。具体的には、選択中のサブバンドSbでの発振周波数Fcが比較周波数Frrよりも低いと判断した場合には、サブバンドsbを切り替えるための指令をVCO430に対して行う。また、制御電圧印加部429に対して、制御電圧Fvを例えば0.9V等に固定させる制御を行う。選択中のサブバンドSbでの発振周波数Fcが比較周波数Frrを超えたと判断した場合には、ループフィルタ424に対する電圧の印加元を、制御電圧印加部429から位相比較器423に切り替える制御を行う。制御電圧印加部429は、制御ロジック428から指示された制御電圧を、ループフィルタ424を介してVCO430に印加する。
つまり、発振周波数Fovを発振するサブバンドSbのサーチ中は、VCO430,分周器426,周波数カウンタ427,制御ロジック428,制御電圧印加部429,ループフィルタ424によるループでVCO430の発振周波数Vcが制御される。発振周波数Fovを発振するサブバンドSbが見つかった後は、VCO430,可変分周器425,位相比較器423,ループフィルタ424によるループでVCO430の発振周波数Vcが制御される。そして、VCO430で発振された発振周波数Vcと所望の受信周波数との差が十分に小さくなった時点で、PLLが収束する。
分周器440は、水晶発振器421で発振された基準周波数を1/F倍(F分周)して比較周波数を生成し、周波数カウンタ427と制御ロジック428に供給する。本実施の形態では、分周器440の分周比Fを、実際に選局が行われている(放送信号を受信している)ときと、VCOキャリブレーションの実行時とで異ならせることを行っている。具体的には、例えば水晶発振器421の基準周波数が16MHzに設定されている場合には、選局中には分周比Fを“16”とし、VCOキャリブレーションの実行時には分周比Fを“1”とする。
PLL回路として構成した局部発振器420のクロック周波数は、水晶発振器421で発振された基準周波数を、分周比Fで割った値となる。すなわち、VCOキャリブレーションの実行時に分周器440の分周比Fを例えば“1”に変更することにより、局部発振器420のクロック周波数は16MHz(基準周波数)/1(分周比F)=16MHzとなる。通常の選局時の局部発振器420のクロック周波数は、16MHz/16=1MHzであるため、VCOキャリブレーションの実行時にはPLL回路のクロック周波数が高速化されることが分かる。これにより、周波数カウンタ427を回す最小ステップ幅が細かく(本実施の形態では1MHz)なるため、局部発振器420に対して制御電圧が印加される間隔も短くなる。すなわち、1つのサブバンドSbで局部発振周波数のサーチが行われる時間が短くなる。
除算器441は、VCO430で発振された局部発振周波数を除算して受信周波数の帯域に合わせる処理を行う。
このような制御が行われることにより、VCOキャリブレーションの実行時間(発振周波数Fovを発振するサブバンドSbをサーチする時間)が短くなるため、VCO430から局部発振周波数とその逓倍および分周成分が漏洩する時間自体も短くなる。発明者らが実際に1つのサブバンドSbで局部発振周波数のサーチが行われる時間を計測してみたところ、分周比Fを“16”に設定したときは64μsであり、“1”に設定したときには4μsとなった。
本実施の形態では、分周器440の分周比Fの値を、復調器41が誤り訂正を行う処理時間を参照して設定している。すなわち、発振周波数Fovを発振するサブバンドSbのサーチ時間が、誤り訂正の処理時間内に収まるように、分周比Fの値を決定している。誤り訂正の処理時間は、以下の式で算出することができる。
シンボル長(/フレーム)/放送信号の伝送レート…式3
「シンボル長(/フレーム)」は、以下の式から求められる。
(誤り訂正可能ビット数[単位:ビット])×(ブロックインターリーブ長[単位:フレーム])×シンボルレート…式4
例えば、復調器41が行う誤り訂正の種類が「短縮化リードソロモン(204,188)」であり、受信したい放送波がBSデジタル放送である場合には、上記式1および式2に代入されるパラメータは以下のような値となる。
誤り訂正可能ビット数=誤り訂正可能バイト数:8[バイト]×8[フレーム]=64[ビット]
ブロックインターリーブ長:8[フレーム]
符号化率:1/2
放送信号の伝送レート:28.86[Mb/s]
したがって、式1によれば、
64[ビット]×8[フレーム]×1/2=256[シンボル]
が求められ、これを式2に代入することで、
256[シンボル]/28.86[Mb/s]=8.87[μs]
が算出される。
上述したように、局部発振器420の分周器440の分周比Fを“1”とすることで、1つのサブバンドSbで局部発振周波数のサーチ時間は“4μs”となる。つまり、誤り訂正処理時間である8.87μsよりも短い時間となる。これにより、VCOキャリブレーションの実行に起因してビットエラーが発生した場合にも、そのエラーが復調器41によるエラー訂正により修正されるようになる。
なお、ここでは1つのサブバンドSbで局部発振周波数のサーチ時間を、誤り訂正処理時間の範囲内に収める例をあげたが、これに限定されるものではない。1つのサブバンドSbで局部発振周波数のサーチ時間を従来よりも短くできる値であれば、分周比Fを他の値に設定してもよい。
[1−2.受信処理の例]
次に、ホストCPU44(図2参照)による受信処理の例について、図9に示すフローチャートを参照して説明する。ホストCPU44は、まず、VCOキャリブレーションの実行タイミングが来たか否かを判断する(ステップS11)。VCOキャリブレーションの実行タイミングは、チューナ部4の起動時や、受信チャンネルの変更時等の所定のタイミングに設定されているものとする。VCOキャリブレーションの実行タイミングが来ていないと判断された場合には、ステップS11の判断が継続して行われる。VCOキャリブレーションの実行タイミングが来たと判断された場合には、続いて、ホストCPU44が、他のチューナ部4が起動中かを判断する(ステップS12)。他のチューナ部4が起動中でない場合には処理を終了する。
他のチューナ部4が起動中であった場合には、続いて、分周比Fの設定を変更せずに従来のクロック周波数にて、可変LPF415(図2参照)のカットオフ周波数の算出を行う(ステップS13)。そして、PLL回路として構成された局部発振器420のクロック周波数を高速化する処理を行う(ステップS14)。本実施の形態では、上述したように、分周比Fを大きな値に設定することで、局部発振器420のクロック周波数を高速化している。
続いて、スルー回路411のスイッチ411s(図2参照)をオープンにしてLNA410側を選択するとともに、局部発振器420の発振電流を抑制する制御を行う(ステップS15)。そして、VCOキャリブレーションを実行する(ステップS16)。VCOキャリブレーションが実行された後は、PLL回路のクロック周波数を元に戻す処理を行う(ステップS17)。さらに、スルー回路411のスイッチ411sをオンにしてスルー回路側を選択するとともに、局部発振器420に対する局部発振電流の抑制制御を解除する(ステップS18)。
なお、ステップS14とステップS15に示した各処理および、ステップS17とステップS18に示した各処理の順番は、この順番に限定されるものではなく、それぞれ逆の順番で行われてもよい。
上述した本実施の形態によれば、VCOキャリブレーションの実行時に内部クロック(上述した例では、PLL回路のクロック周波数)が高速化されるため、受信周波数と対応するサブバンドSbをサーチする時間も高速化される。これにより、局部発振周波数とその逓倍および分周成分が他のチューナ部4に漏洩してしまう時間自体も短くなる。したがって、他のチューナ部4で復調中の映像にノイズが乗ってしまう時間も短くすることができる。
また、上述した本実施の形態によれば、1つのサブバンドSbで局部発振周波数のサーチ時間が、誤り訂正処理時間の範囲内に収まる。このため、VCOキャリブレーションの実行に起因してビットエラーが発生した場合にも、そのエラーが復調器41によるエラー訂正により修正されるようになる。
また、上述した本実施の形態によれば、VCOキャリブレーションの実行時にはLNA410が選択されるため、LNA410によって、局部発振周波数とその逓倍および分周成分の漏れ量が減少される。
また、上述した本実施の形態によれば、VCOキャリブレーションの実行時にはVCO430の発振電流が抑制されることによりVCO430の発振電力が下がり、VCO430の発振パワーが減少する。これにより、局部発振周波数とその逓倍および分周成分の漏れ量も低減する。
また、上述した本実施の形態によれば、VCOキャリブレーションの実行時間が短縮される。これにより、放送信号の受信帯域で起こるチューナ部4間の相互干渉による影響だけでなく、VCO430内の発振器432(図3参照)の発振周波数帯(GHz帯)で起こるチューナ部4間の相互干渉による影響も、低減させることが可能となる。
<2.第2の実施の形態例>
次に、本開示の第2の実施の形態例について、図10及び図11を参照して説明する。本実施の形態例による受信装置の構成は、図1に示した受信装置10と同一のものを適用するものとする。すなわち、受信装置内のチューナ部の構成は、図2に示したチューナ部4の構成と同一であり、チューナ部内のVCOの構成は、図3に示したVCO430と同一であり、局部発振器の構成は、図8に示した局部発振器420と同一である。
図10は、VCOキャリブレーションの実行時に、制御部としてのホストCPU44(図1参照)が行う処理を示すフローチャートである。本実施の形態例による受信装置10a(図示略)は、VCOキャリブレーションの実行時に、サブバンドSbのサーチ動作(局部発振周波数探索の動作)に関与しないブロックを休止状態とすることを行う。
ホストCPU44(図2参照)は、まず、VCOキャリブレーションの実行タイミングが来たか否かを判断する(ステップS21)。VCOキャリブレーションの実行タイミングは、チューナ部4の起動時や、受信チャンネルの変更時等の所定のタイミングに設定されているものとする。VCOキャリブレーションの実行タイミングが来ていないと判断された場合には、ステップS21の判断が継続して行われる。VCOキャリブレーションの実行タイミングが来たと判断された場合には、続いて、ホストCPU44が、他のチューナ部4が起動中かを判断する(ステップS22)。他のチューナ部4が起動中でない場合には処理を終了する。他のチューナ部4が起動中であった場合には、ホストCPU44が、局部発振周波数探索の動作に関与しないブロックである、可変分周器425(図10参照)と、I/Qミキサ412及び413と、ベースバンドアンプ417及び418(いずれも図2参照)を休止状態とする(ステップS23)。
ここでいう休止状態とは、これらの各ブロックにおいて、完全にオフにならない程度の小電流が流れている状態を指す。「小電流」とは、これらのブロックを構成する半導体素子に含まれる容量素子、またはこれと等価に存在する寄生容量の容量内に、一定の電荷が残る程度の大きさの電流を示す。半導体素子の容量内に一定の電荷を残しておくことで、休止状態から通常の状態に復帰する際にかかる所要時間を短くすることができる。また、半導体素子の容量内に一定の電荷を残しておくことで、通常の状態に再び復帰させた場合にも、VCO430の入力インピーダンスが変化しなくなる。これにより、VCO430の発振周波数が、インピーダンスの変化によって本来意図した周波数からずれてしまうことを防ぐことができる。
次に、ホストCPU44は、VCOキャリブレーションを実行する(ステップS24)。すなわち、VCO430を用いたサブバンドSbのサーチを開始し、所望の周波数にて発振させる。そして、VCOキャリブレーションが終了したかを判断し(ステップS25)、終了していない間はステップS25の判断が継続して行われる。VCOキャリブレーションが終了した場合には、受信周波数と対応するサブバンドSbでPLLがロックしたか否かが判断され(ステップS26)、ロックしていない間は、ステップS26の判断が継続して行われる。
受信周波数と対応するサブバンドSbでPLLがロックした場合には、ステップS23で休止状態とした、可変分周器425と、I/Qミキサ412及び413と、ベースバンドアンプ417及び418の動作を再開させる(ステップS27)。これにより、局部発振器420aで発振され、可変分周器425で分周され、I/Qミキサ412及び413で入力RF信号と混合され、ベースバンドアンプ417及び418で増幅されたベースバンド信号が、受信装置10aから再び出力されるようになる。
図11は、本実施の形態による受信装置において図10に示した処理を行う場合の、信号の輻射量の変化の例を示す図である。図11A,図11C,図Eは、チューナ部4の構成例を示すブロック図であり、図11B,図11D,図11Fは、チューナ部4から漏洩する信号の周波数とその信号レベル(パワー)を示すグラフである。
図11Aには、VCOキャリブレーションの実行に伴って、可変分周器425と、I/Qミキサ412及び413と、ベースバンドアンプ417及び418が休止状態となった様子を示しており、休止状態となっているブロックを色つきで示している。このような処理を行うことで、チューナ部4から信号の輻射量が、局部発振器420から放射されるもののみに限定される。これにより、図11Bに示すように、チューナ部4から信号の輻射量が休止直前の輻射量と比べて低減する。
図11Cは、VCOキャリブレーション実行中のチューナ部4の状態を、ブロック図で示したイメージ図である。VCOキャリブレーションは、可変分周器425と、I/Qミキサ412及び413と、ベースバンドアンプ417及び418を休止状態としたまま行われる。図11Dは、VCOキャリブレーション実行中における、チューナ部4から信号の輻射量を示す図である。VCOキャリブレーションの実行中には、上述したようにサブバンドSbのサーチが行われるため、輻射される周波数の範囲は広範囲となるが、信号のレベルは小さいため、他のチューナ部4に対する不要輻射の量も低く抑えられる。
図11Eは、VCOキャリブレーション終了後のチューナ部4の状態を、ブロック図で示したイメージ図である。VCOキャリブレーション終了後には、可変分周器425と、I/Qミキサ412及び413と、ベースバンドアンプ417及び418の動作が再開される。これにより、図11Fに示すように、チューナ部4から信号の輻射量が、各ブロックを休止状態とする前のものに戻る。つまり、他のチューナ部4に対する不要輻射の量も上昇する。
しかし、このとき輻射される信号の周波数は特定の周波数に固定されている(固定周波数である)ため、この固定周波数と他のチューナ部4における発振周波数Fcとが特定の周波数関係にならない限り、他のチューナ部4に干渉してしまうことはない。固定周波数と他のチューナ部4における発振周波数Fcとが特定の関係になる条件は、事前に調べることが可能であり、調べた結果に基づいて互いの発振周波数Fcがずれるように設定しておくことで、互いが干渉し合ってしまうことを防ぐことができる。
上述した本開示の第2の実施の形態例によれば、VCOキャリブレーション実行時に、可変分周器425と、I/Qミキサ412及び413と、ベースバンドアンプ417及び418が休止状態となる。したがって、他のチャンネルの放送波を受信中の他のチューナ部4に対する不要輻射となり得る信号の輻射量が、局部発振器420から放射されるもののみに限定されるため、空気中における輻射量の絶対量も低減する。また、I/Qミキサ412及び413と、ベースバンドアンプ417及び418が休止状態となることで、他のチャンネルの放送波を選局中の他の受信装置10のRF信号入力端と、本受信装置10のRF信号入力端とが、配線的に事実上遮断された状態となる。つまり、本実施の形態例によれば、他のチューナ部で受信中の映像中に現れる、不要輻射に起因するノイズの量を、低減することができる。
また、I/Qミキサ412及び413を休止状態とすることで、I/Qミキサ412及び413に入力された異なる2つの周波数の和及び差の周波数、あるいはその2倍や3倍の高調波における和及び差の周波数(スプリアス)の発生を低減できる。さらに、ベースバンドアンプ417及び418を休止状態とすることで、I/Qミキサ412及び413で発生したスプリアスが増幅されてしまうことを防ぐことができる。
図12は、本実施の形態による局部発振周波数探索動作に関与しないブロックの休止を行った場合に測定されたスプリアスレベルと、従来通り休止を行わない場合において測定されたスプリアスレベルとを、対比して示したグラフである。グラフの縦軸はスプリアスレベル(単位:dBm)を示し、横軸は周波数(単位:MHz)を示す。局部発振周波数探索動作に関与しないブロックを休止状態とした状態で測定されたスプリアスレベルは、実線で示してあり、従来通りに休止処理を行わない状態で測定されたスプリアスレベルは、破線で示してある。
図12に示されるように、計測が行われた1300MHz付近から2100MHz付近までの間で、本開示による処理が行われた場合の実線で示したスプリアスレベルが、従来のものと比較して低い値となっていることが分かる。特に2100MHz付近では、従来通りにブロックの休止を行わない状態で計測されたスプリアスレベルは−105dBm程度であるのに対して、本開示による処理が行われた場合の実線で示したスプリアスレベルは、−120dBm程度と低い値となっている。すなわち、スプリアスレベルが低下した分だけ、他のチューナ部4に与える悪影響を低減させることが可能となる。
<3.各種変形例>
なお、上述した第2の実施の形態例では、VCOキャリブレーションの実行時に、可変分周器425と、I/Qミキサ412及び413と、ベースバンドアンプ417及び418とを休止状態とする例を挙げたが、これに限定されるものではない。VCO430以外のブロックであれば、これ以外の他のブロックを休止状態としてもよい。例えば、可変分周器425の前段もしくはVCO430の内部に前置増幅器を設けている場合には、VCOキャリブレーションの実行時にこの前置増幅器も休止状態としてもよい。この処理を行うことで、前置増幅器から、信号の歪みの原因となるような振幅の大きな信号がそのままのレベルで出力されることを防ぐことができる。
また、上述した各実施の形態例では、VCO430が複数のサブバンドSbを有する場合を例にあげたが、これに限定されるものではない。VCO430内の共振器の同調用キャパシタ31を1つのバリキャップダイオードで構成した場合であっても、VCO430のキャリブレーション(最適化)を実行する構成であれば、適用可能である。
また、上述した各実施の形態例では、VCO430をIC上に組み込んだ構成を例にあげたが、これに限定されるものではない。従来のように、VCO430の同調用キャパシタ31がICに外付けされる構成に適用してもよい。
また、上述した各実施の形態例では、周波数選択素子としての同調用キャパシタ31をバリキャップダイオードで構成した例をあげたが、これに限定されるものではない。可変容量素子を用いた構成であれば、バリキャップダイオード以外の他の素子を用いた構成に適用してもよい。
また、上述した各実施の形態例では、VCOキャリブレーションを選局が行われる毎に実施した例をあげたが、これに限定されるものではなく、チューナ部4の起動時のみや、他のタイミングで実行するようにしてもよい。
また、上述した各実施の形態例では、サブバンドSbのサーチを、発振周波数Fcが一番低いサブバンドSb−1から順に行う例をあげたが、これに限定されるものではない。例えば、発振周波数Fcが一番高いサブバンドSb−mから順に行ったり、サブバンドSbの両端から同時にサーチを開始して中心方向にサーチ進めるようにしてもよい。
また、上述した各実施の形態例では、VCOキャリブレーションを行う際に、内部クロックを高速化させたり、チューナ部4を構成するVCO430以外の各ブロックを休止状態とする処理を行う例を挙げたが、これに限定されるものではない。「キャリブレーション」を行う場合だけでなく、他の目的で局部発振周波数探索を行う場合に適用してもよい。
また、上述した各実施の形態例では、サブバンドSbのサーチ時にはPLLループを動作させず、サブバンドSbが見つかった後に動作させる例を挙げたが、これに限定されるものではない。例えば、PLLをロックさせながら1ステップずつ周波数を上げ下げする処理に適用してもよい。
また、上述した各実施の形態例では、復調器41がリードソロモン符号による誤り訂正を行う例をあげたが、これに限定されるものではない。誤り訂正スロット(時間幅)を有する誤り訂正手段であれば、他の手段を用いてもよい。
また、前述したように、VCO430の発振周波数を受信周波数の2倍とする構成に限定されるものではなく、その他の倍数が設定される構成や、受信周波数と同じ周波数とした構成に適用してもよい。また、前述したように、衛星放送の放送波を受信する構成に限定されるものではなく、地上デジタル放送等の他の方式の放送波を受信する構成に適用してもよい。
なお、本開示は以下のような構成も取ることができる。
(1)アンテナが受信した高周波信号を分配する少なくとも1つの分配器と、
前記分配器で分配された高周波信号と、電圧制御発振器を含む局部発振器で発振された局部発振周波数とを混合して得られた受信信号を出力する高周波処理部と、
前記電圧制御発振器へ印加する制御電圧と前記電圧制御発振器の局部発振周波数との対応を調べる電圧制御発振器最適化を実行させ、前記電圧制御発振器最適化の実行時に、クロックの周波数を高速化する制御部とを備えた受信装置。
(2)前記電圧制御発振器内の周波数選択素子は、可変容量素子を備える(1)に記載の受信装置。
(3)前記周波数選択素子は、複数の同調用キャパシタと、電圧制御同調用キャパシタと、同調用インダクタとより成り、
前記複数の同調用キャパシタと前記電圧制御同調用キャパシタは互いに並列に接続される(1)または(2)に記載の受信装置。
(4)前記複数の同調用キャパシタは、スイッチにより前記電圧制御同調用キャパシタとのオン・オフ状態が切り替えられ、
前記制御部は、前記電圧制御発振器最適化の実行時に、前記電圧制御同調用キャパシタに印加する制御電圧を所定の値に固定した状態で前記スイッチのオン・オフ状態を変化させることにより、前記スイッチの一接続状態でカバーされる前記電圧制御発振器の発振周波数の範囲であるサブバンドを切り替える
る(3)に記載の受信装置。
(5)前記局部発振器はPLL回路として構成され、
前記制御部は、前記サブバンドが切り替えられた状態で前記電圧制御発振器を発振させ、前記電圧制御発振器の発振周波数と、所望の受信周波数との差が所定の範囲内となった場合に、そのサブバンドでの前記PLL回路のフィードバック制御を開始させる(4)に記載の受信装置。
(6)前記電圧制御発振器最適化は、前記分配器で分配された高周波信号が入力される他の高周波処理部において、前記受信信号の出力が行われている場合に実行される(1)〜(5)のいずれかに記載の受信装置。
(7)前記制御部は、前記電圧制御発振器最適化の実行時には、前記電圧制御発振器の発振電流を抑制する制御を行う(1)〜(6)のいずれかに記載の受信装置。
(8)前記分配器で分配された高周波信号を増幅する低雑音増幅器と、前記低雑音増幅器の後段に接続される各部と前記低雑音増幅器との接続状態を切り替えるスルー回路とをさらに備え、
前記制御部は、前記電圧制御発振器最適化の実行時には、前記スルー回路をオープンにして前記低雑音増幅器をオンにする制御を行う(1)〜(7)のいずれかに記載の受信装置。
(9)前記高周波処理部から出力された受信信号に対して誤り訂正を行って受信信号を復調する復調部をさらに備え、
前記電圧制御発振器最適化の実行時に高速化された場合の前記内部クロックの周波数は、前記復調部における誤り訂正の処理時間に基づいて決定される(1)〜(8)のいずれかに記載の受信装置。
(10)前記電圧制御発振器最適化の実行時に高速化された場合の前記クロックの周波数は、前記同調用キャパシタに接続されたスイッチのオン・オフ状態が所定の状態に固定された状態で、前記電圧制御発振器の発振周波数と前記受信周波数との大小関係が比較される時間が、前記誤り訂正の処理時間よりも短い時間となる値に設定される(4)〜(9)のいずれかに記載の受信装置。
(11)アンテナが受信した高周波信号を分配することと、
前記分配された高周波信号と、電圧制御発振器を含む局部発振器で発振された局部発振周波数とを混合して得られた受信信号を出力することと、
前記電圧制御発振器へ印加する制御電圧と前記電圧制御発振器の局部発振周波数との対応を調べる最適化の実行時に、クロックの周波数を高速化することとを含む
受信方法。
1…アンテナ、2…分配器、2−…分配器、2−1…分配器、3…アッテネータ、3−1…アッテネータ、3−n…アッテネータ、4…チューナ部、4−1…チューナ部、4−n…チューナ部、10…受信装置、31…同調用キャパシタ、31−1…同調用キャパシタ、31−m…同調用キャパシタ、32…スイッチ、32−1…スイッチ、32−m…スイッチ、33…電圧制御同調用キャパシタ、34…同調用インダクタ、40…高周波処理部、41…復調器、42…選局部、43…記憶部、44…ホストCPU、45…制御ライン、324…ループフィルタ、410…LNA、411…スルー回路、411s…スイッチ、412…I/Qミキサ、413…I/Qミキサ、414…移相器、415…可変LPF、416…可変LPF、417…ベースバンドアンプ、418…ベースバンドアンプ、420…局部発振器、421…水晶発振器、422…分周器、423…位相比較器、424…ループフィルタ、425…可変分周器、426…分周器、426…分周器、427…周波数カウンタ、428…制御ロジック、429…制御電圧印加部、430…VCO、431…LC同調回路、432…発振器、433…可変電流源、440…分周器、441…除算器

Claims (11)

  1. アンテナが受信した高周波信号を分配する少なくとも1つの分配器と、
    前記分配器で分配された高周波信号と、電圧制御発振器を含む局部発振器で発振された局部発振周波数とを混合して得られた受信信号を出力する高周波処理部と、
    前記電圧制御発振器へ印加する制御電圧と前記電圧制御発振器の局部発振周波数との対応を調べる電圧制御発振器最適化を実行させ、前記電圧制御発振器最適化の実行時に、クロックの周波数を高速化する制御部とを備えた
    受信装置。
  2. 前記電圧制御発振器内の周波数選択素子は、可変容量素子を備える
    請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記周波数選択素子は、複数の同調用キャパシタと、電圧制御同調用キャパシタと、同調用インダクタとより成り、
    前記複数の同調用キャパシタと前記電圧制御同調用キャパシタは互いに並列に接続される
    請求項2に記載の受信装置。
  4. 前記複数の同調用キャパシタは、スイッチによりオン・オフ状態が切り替えられ、
    前記制御部は、前記電圧制御発振器最適化の実行時に、前記電圧制御同調用キャパシタに印加する制御電圧を所定の値に固定した状態で前記スイッチのオン・オフ状態を変化させることにより、前記スイッチの一接続状態でカバーされる前記電圧制御発振器の発振周波数の範囲であるサブバンドを切り替える
    請求項3に記載の受信装置。
  5. 前記局部発振器はPLL回路として構成され、
    前記制御部は、前記サブバンドが切り替えられた状態で前記電圧制御発振器を発振させ、前記電圧制御発振器の発振周波数と、所望の受信周波数との差が所定の範囲内となった場合に、そのサブバンドでの前記PLL回路のフィードバック制御を開始させる
    請求項4に記載の受信装置。
  6. 前記電圧制御発振器最適化は、前記分配器で分配された高周波信号が入力される他の高周波処理部において、前記受信信号の出力が行われている場合に実行される
    請求項5に記載の受信装置。
  7. 前記制御部は、前記電圧制御発振器最適化の実行時には、前記電圧制御発振器の発振電流を抑制する制御を行う
    請求項6に記載の受信装置。
  8. 前記分配器で分配された高周波信号を増幅する低雑音増幅器と、前記低雑音増幅器の後段に接続される各部と前記低雑音増幅器との接続状態を切り替えるスルー回路とをさらに備え、
    前記制御部は、前記電圧制御発振器最適化の実行時には、前記スルー回路をオープンにして前記低雑音増幅器をオンにする制御を行う
    請求項6に記載の受信装置。
  9. 前記高周波処理部から出力された受信信号に対して誤り訂正を行って受信信号を復調する復調部をさらに備え、
    前記電圧制御発振器最適化の実行時に高速化された場合の前記内部クロックの周波数は、前記復調部における誤り訂正の処理時間に基づいて決定される
    請求項6に記載の受信装置。
  10. 前記電圧制御発振器最適化の実行時に高速化された場合の前記クロックの周波数は、前記同調用キャパシタに接続されたスイッチのオン・オフ状態が所定の状態に固定された状態で、前記電圧制御発振器の発振周波数と前記受信周波数との大小関係が比較される時間が、前記誤り訂正の処理時間よりも短い時間となる値に設定される
    請求項9に記載の受信装置。
  11. アンテナが受信した高周波信号を分配することと、
    前記分配された高周波信号と、電圧制御発振器を含む局部発振器で発振された局部発振周波数とを混合して得られた受信信号を出力することと、
    前記電圧制御発振器へ印加する制御電圧と前記電圧制御発振器の局部発振周波数との対応を調べる電圧制御発振器最適化の実行時に、クロックの周波数を高速化することとを含む
    受信方法。
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