JP2014181858A - エアシャワー装置 - Google Patents

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健 山口
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Abstract

【課題】居住空間の出入口に設けることに適し、エアシャワー室内の床に落下した微粒子を効率よく吸引することができるエアシャワー装置を提供する。
【解決手段】エアシャワー装置は、噴射口を通してエアシャワー室内に噴射した空気を吸気する、グレーチングが設けられた吸気口と、前記吸気口から吸気された空気中の微粒子の一部を除去するプレフィルタと、を有する床壁部と、前記プレフィルタを通過した空気を前記エアシャワー室に戻すための循環ファンと、空気を噴射するための空気を蓄える圧力室と、前記圧力室に導入された空気を清浄するエアフィルタと、を有する第1側壁部を備える。前記床壁部の前記エアシャワー室に面する床面には、前記第1側壁部と前記第1側壁部に対向する第2側壁部とに接する縁部の領域であって、前記扉部からみて両側の領域に前記吸気口と前記溝蓋が設けられる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、マンション、ホテル、商業施設、オフィス、あるいは学校施設等のエントランスに設けられ、利用者が入ったエアシャワー室内に空気を噴射するエアシャワー装置に関する。
従来より、マンション、アパート等の居住空間の出入口に設けられて花粉症の原因となる花粉や粉塵等の浸入を防御するためのエアシャワー装置が提案されている。例えば、花粉症防御システムは、エレベーターの搭乗空間や回転ドアの歩行空間などの制限空間を利用して、この制限空間内にいる利用者に高速ジェットを吹き付けて、利用者の衣類や頭髪に付着した花粉等の微粒子を除去する。
近年、花粉症を引き起こす花粉の他に、黄砂を引き起こす砂塵、あるいは、人体の健康を害する、粒子径が略2.5μmで50%の捕集効率を持つ分粒装置を透過する微小粒子状物質であるPM2.5等により、大気中の粉塵問題がクローズアップされている。
このような状況下、居室内に花粉等を持ち込むことを防止することができるとともに、マンションの風除室等に特段の床補強工事をすることなく簡便な作業で設置することができる花粉症対策マンション用エアシャワー装置が知られている(特許文献1)。
当該エアシャワー装置は、複数の空気供給循環ダクトと、空気供給循環ダクト同士の側面間を仕切る複数のパネルと、このパネルの一部を構成する扉と、これらで囲まれた空間の上部を仕切るよう配置した機械室と、設置床面とによりエアシャワー室を構成した構造物である。各ジェット吹出口は、吹き出される清浄空気がジェット吹出口に正対する利用者の中心を外して吹き出すように設置されるとともに、ジェット吹出口の近傍に設けた吸込口により汚染空気を迅速に吸い込む。
また、アスベスト粉塵や有害金属粉塵等の有害粉塵を除去するための、分解組み立て式のエアシャワー装置も知られている(特許文献2)。当該エアシャワー装置の床面の中央領域、すなわち、利用者が立つ立ち位置には、室内から空気を吸気する、格子状に骨材を組んだ溝蓋(グレーチング)が設けられた吸気口が設けられている(第1図参照)。
特開2007−295976号公報 実開平2−6934号公報
しかし、上記花粉症対策マンション用エアシャワー装置では、ジェット吹出口の近傍に汚染空気を迅速に吸い込む吸込口が設けられているので、エアシャワー室内の床に落下した花粉、砂塵あるいはPM2.5のような微小粒子状物質を効率よく吸引することはできない。また、有害粉塵を除去するためのエアシャワー装置では、利用者の立ち位置に設けられたグレーチングの孔と利用者の靴底の一部が干渉して、利用者の足がグレーチングに引っ掛かるという問題があり、居住空間の出入口に利用者の安全性を確保して設置することはできなかった。特に、ピンヒール形状の靴を履いた女性利用者には利用し難かった。
そこで、本発明は、従来の問題点を解決するために、居住空間の出入口に設けることに適し、エアシャワー室内の床に落下した微粒子を効率よく吸引することができるエアシャワー装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、エアシャワー室内に入った利用者に空気を吹き付けるエアシャワー装置であって、
噴射口を通してエアシャワー室内に噴射した空気を吸気する、格子状に骨材を組んだ溝蓋が設けられた吸気口と、前記吸気口から吸気された空気中の微粒子の一部を除去するプレフィルタと、を有する床壁部と、
前記プレフィルタを通過した空気を前記エアシャワー室に戻すための循環ファンと、
空気を噴射するための空気を蓄える圧力室と、前記循環ファンを用いて前記圧力室に導入された空気を清浄するエアフィルタと、を有する第1側壁部と、
前記床壁部及び前記第1側壁部とともに、前記エアシャワー室を囲う、前記第1側壁部に対向する第2側壁部、前記床壁部に対向する天井壁部、扉部、及び、前記扉部に対向する第3側壁部と、を備え、
前記床壁部、前記第1側壁部、前記第2側壁部、前記第3側壁部、前記天井壁部、及び、前記扉部には組み立て可能に連結部が設けられ、
前記床壁部の前記エアシャワー室に面する床面には、床面の利用者の立ち位置を避けるように、前記第1側壁部と前記第2側壁部に接する縁部の領域であって、前記扉部からみて両側の領域に前記吸気口と前記溝蓋が設けられている、ことを特徴とするエアシャワー装置である。
前記吸気口は、前記両側の領域の他に、前記第3側壁部に接する縁部の領域であって、前記扉部からみて奥側の領域にも設けられている、ことが好ましい。
前記循環ファンは、前記第1側壁部内に収納され、前記圧力室に直付けされている、ことが好ましい。
あるいは、前記循環ファンは、前記床壁部に収納され、フレキシブルな流路を介して前記圧力室に接続されている、ことも好ましい。
上述のエアシャワー装置によれば、居住空間の出入口に設けることに適し、エアシャワー室内の床に落下した微粒子を効率よく吸引することができる。
本実施形態のエアシャワー装置の分解斜視図である。 本実施形態のエアシャワー装置の構成を説明する図である。 (a)は、本実施形態の吸気口及び溝蓋の配置を示す図であり、(b)は、本実施形態に用いるプレフィルタの形状を示す図である。 本実施形態の循環ファンの配置と異なる変形例を説明する図である。 本実施形態の扉部と第1側壁部との連結を説明する図である。
以下、本発明のエアシャワー装置について詳細に説明する。
図1は、本実施形態のエアシャワー装置の分解斜視図である。図2は、本実施形態のエアシャワー装置の構成を説明する図である。
本実施形態のエアシャワー装置10は、エアシャワー室内に入った利用者に空気を吹き付けて、利用者の衣服や頭髪に付着した微粒子、例えば、微小粒子状物質であるPM2.5や黄砂を引き起こす砂塵や花粉を除去し捕集する装置である。エアシャワー装置10は、マンションあるいはアパート等の居住空間の出入口に設けられる。
図1に示すように、エアシャワー装置10は、床壁部12と、第1側壁部14と、第2側壁部16と、天井壁部18と、扉部20と、第3側壁部22と、循環ファン23(図2参照)と、を備える。エアシャワー装置10に設けられるエアシャワー室24は、これらの構成部材に囲まれている。構成部材は、PM2.5の主成分が硫酸塩エアロゾルのため耐腐蝕性の材料が好ましい。これらの構成部材を、居住空間の出入り口にて組み立てることにより、エアシャワー装置10が設置される。すなわち、床壁部12、第1側壁部14、第2側壁部16、第3側壁部22、天井壁部18、及び、扉部20には組み立て可能に連結部が設けられている。床壁部12、第1側壁部14、第2側壁部16、第3側壁部22、天井壁部18、及び、扉部20は、いずれも内部が空洞になっている。
床壁部12は、噴射口を構成するバンカールーバ34を通してエアシャワー室24内に噴射した空気を吸気する吸気口26と、吸気口26から吸気した空気中の微粒子の一部を除去するプレフィルタ27と、を備える。
吸気口26には、格子状に骨材を組んだ溝蓋(グレーチング)29が設けられている。
第1側壁部14は、空気を噴射するための空気を蓄える圧力室28と、循環ファン23を用いて圧力室28に導入された空気を清浄するエアフィルタ30と、を有する。第1側壁部14の空洞部分に、筐体32が設置され、筐体32の内部が圧力室28となっている。筐体32内には、エアフィルタ30が設けられる。筐体32は、空気の圧力に耐えるように厚さを厚くして機械的強度を確保したものである。このため、第1側壁部14の外殻を圧力室28の筐体とすると、厚さを厚くするぶんだけ第1側壁部14の重量が重くなり、第1側壁部14を含む構成部材を設置場所に搬入して組み立てることが難しくなる。このため、圧力室28を形成する筐体32を第1側壁部14の内部の空洞部分に設けている。
筐体30の下方には、第1側壁部14に収納された循環ファン23が筐体30に直付けされて設けられている。循環ファン23は、床壁部12の空洞部分の空気を筐体32内の圧力室28に導入する。圧力室28のエアシャワー室24に面した壁面には、複数の噴射口を構成するバンカールーバ34が設けられている。したがって、循環ファン23は、床壁部12の空洞部分の空気を引き込んで圧力室28内に空気を導入する。噴射口の断面は絞られているので、圧力室28の圧力は高くなっている。したがって、バンカールーバから空気が勢い良く噴出される。
エアフィルタ30は、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)等の高性能エアフィルタが用いられる。高性能エアフィルタは、粒径1μm以下の対象粒子において、計数法(JIS B 9927, JIS Z 8901 13種 0.3μmDOP)で95%〜99.99%の捕集効率を有し、かつ、粒径2.5μmの対象粒径において下記計測法で99%以上の捕集効率を有するものである。すなわち、2.5μmの粒径の大気塵粒子をエアフィルタ30に流し、透過した粒子の個数を計測し、その個数に大気塵粒子の密度3g/cm3を乗算して透過粒子の質量を求める。さらに、透過前の粒子濃度からエアフィルタ30に流した粒子の質量を求める。この2つの質量の比率から捕集効率(%)を計算する。エアフィルタ30としては、例えば、微細ガラス繊維で抄紙したガラス繊維紙、微細合成繊維にエレクトロレル加工して構成された帯電不織布、あるいはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)樹脂膜を延伸加工したPTFE膜を濾材として用い、これらの濾材を、セパレータ、リボン(ホットメルト樹脂)あるいはエンボス加工を用いてプリーツ化して、樹脂あるいは金属製のフィルタ枠にウレタン樹脂等のシール剤で固定したものである。エアフィルタ30としては、具体的にはPM2.5対策抗菌防臭フィルタが使用される。
第2側壁部16は、エアシャワー室24を挟んで第1側壁部14に対向するように設けられている。
扉部20は、利用者が出入りすることができる部分で、開閉式となっている。
第3側壁部22は、エアシャワー室24を挟んで扉部20に対向するように設けられている。
天井壁部18は、エアシャワー室24の天井面を形成する。天井壁部18のエアシャワー室24の天井面には照明灯19が設けられている。
以上が、エアシャワー装置10の概略の説明である。
(床壁部)
上述したように、床壁部12のエアシャワー室24に面する壁面には、吸気口26が設けられている。このように、吸気口26を、床壁部12のエアシャワー室24に面する壁面に設けることにより、花粉、砂塵あるいはPM2.5に該当する微粒子が重力沈降原理で床面に落下しても、床面から効率よく空気とともに吸引して、エアシャワー室24内の清浄を保つことができる。
さらに、吸気口26には、溝蓋(グレーチング)29が設けられている。図3(a)は、吸気口26及び溝蓋(グレーチング)29の配置を示す図である。吸気口26及び溝蓋(グレーチング)29は、床壁部12のエアシャワー室24に面する床面の下記の領域に設けられている。具体的には、利用者の床面における立ち位置を避けるように、第1側壁部14と第2側壁部16に接する縁部の領域であって、扉部20からみて両側の領域に吸気口26と溝蓋(グレーチング)29が設けられている。さらに、利用者の床面における立ち位置を避けるように、第3側壁部22に接する縁部の領域であって、扉部20からみて奥側の領域にも、吸気口26と溝蓋(グレーチング)29が設けられている。すなわち、吸気口26及び溝蓋(グレーチング)29は、利用者がエアシャワー室24内に入ったとき、利用者の床面における立ち位置の領域を避けるようにU字状に設けられている。すなわち、利用者の立ち位置には、吸気口26及び溝蓋(グレーチング)29が設けられていない。このように、吸気口26及び溝蓋(グレーチング)29を設けることにより、靴底に付着した土等の粒子が吸引されてプレフィルタ27の目詰まりを抑制することができる。また、マンション、アパート等の居住空間に設けられるエアシャワー装置10は、男性、女性の区別なく利用されるが、例えば、女性利用者がピンヒール形状の靴を履いている場合であっても、利用者の立ち位置を避けるように吸気口26及び溝蓋(グレーチング)29が設けられているので、溝蓋(グレーチング)29の孔に、利用者の靴の端が引っ掛かることを防ぐことができる。
吸気口26及び溝蓋(グレーチング)29がU字状に設けられているので、吸気口26から吸気された空気中の微粒子の一部を除去するプレフィルタ27も、図3(b)に示すように、U字状に構成することができる。プレフィルタ27は、例えば対象粒径5μm以下で質量法(JIS B 9908形式3、JIS Z 8901 15種粉塵)で捕集効率が20〜90%により定義されるものである。例えば、太いガラス繊維や太い合成繊維の乾式フェルト、マット、不織布を、平板状あるいはプリーツ状の濾材として用いてフィルタ枠にシール剤なしに収納したものである。
本実施形態では、吸気口26及び溝蓋(グレーチング)29はU字状に設けられるが、床壁部12のエアシャワー室24に面する床面には、第1側壁部14と第2側壁部16に接する、扉部20からみて両側の領域に吸気口26が設けられてもよい。この場合においても、床面に落下した微粒子を吸気口26に吸引することができる。また、溝蓋(グレーチング)29の孔に、利用者の靴が引っ掛かることを防ぐことができる。
溝蓋(グレーチング)29の幅は、例えばエアシャワー室24内の床面のサイズが1000mm×800mmの場合、例えば20〜70mmである。一般に圧力室28の循環ファン23と接続される開口部の面積に相当するように溝蓋(グレーチング)29の面積は定められる。圧力室28の循環ファン23と接続される開口部が例えば750mm×250mmである場合、この面積に相当する溝蓋(グレーチング)29の幅は略70mmである。
また、溝蓋(グレーチング)29の幅が70mmを超える場合、利用者の靴が引っ掛かる虞が高くなり好ましくない。一方、溝蓋(グレーチング)29の幅が20mm未満である場合、微粒子の吸引が円滑に行われない。
また、利用者が床面上に立つ立ち位置の領域であって、吸気口26及び溝蓋(グレーチング)29が設けられていない領域は、この領域の中心部分から吸気口26に向かって僅かに下降するように傾斜した傾斜面としてもよい。この場合、床面に落下した微粒子を吸気口26に吸引させるとき、傾斜面に沿って移動するので、微粒子の吸引を効果的に行うことができる。
図2に示すように、本実施形態に用いる循環ファン23は、筐体30に直付けされて第1側壁部14内に設けられている。循環ファン23を直付けすることにより、設置場所に搬入する構成部材の数は少なくなるので、組立作業が簡単にできる。しかし、図4に示すように、循環ファン23は床壁部12内に収納されて設けられることも好ましい。図4は、本実施形態の循環ファン23の配置と異なる変形例を説明する図である。この場合、循環ファン23の空気の噴出口と圧力室32とは、織布等のキャンバスと呼ばれるフレキシブルな流路36を介して圧力室32に接続されることが、循環ファン23の振動を筐体32に伝えない点で好ましい。循環ファン23を床壁部12に設けることにより、エアシャワー装置10を組み立てるとき、床壁部12の予め定めた位置に固定した後、第1側壁部14を床壁部12に対して立設するように組み立てることができるので、組立作業時に、循環ファン23を収納して重くなった第1側壁部14を組み立てる場合に比べて、組み立ての労力が軽減される。
このようなエアシャワー装置10の各構成部材には、エアシャワー装置10を設置場所で組み立てることができるように、連結部40(図1参照)が設けられている。
具体的には、図1に示すように、各構成部材は内部が空洞になった箱状部材である。連結部40は、この箱状部材同士を固定するために箱状部材の一部が延長した延長部分、あるいは延長して折れ曲がった延長部分である。接合される構成部材の延長部分同士は面接触する。延長部分には貫通孔が設けられ、延長部分同士に設けられた貫通孔に締結ボルトを通して構成部材同士を接合する。このようにして、構成部材同士を接合してエアシャワー装置10が組み立てられる。なお、締結ボルトを用いて構成部材同士を接合するために、第1側壁部14及び第2側壁部16のエアシャワー室24に面する壁面の一部は、脱着自在なパネル42(図1、図2参照)を用いて構成されている。パネル42を取り外して、組立作業者は、連結部40同士を締結ボルトで締め付けることができる。
また、扉部20は、第1側壁部14と蝶番44によって開閉自在に連結される。図5は、本実施形態の扉部20と第1側壁部14との連結を説明する図である。蝶番44は、図5に示すように、扉部20の蝶番44の受け部44aを上方から突出部44bに嵌入させることで、扉部20を第1側壁部14に対して開閉自在に設置することができる。
このようなエアシャワー装置10では、扉部20を開けてエアシャワー室24内に入った利用者は、壁面に設けられた図示されないスイッチを押して、循環ファン23を作動させる。これにより、バンカールーバ34から空気が噴射する。利用者の衣服や頭髪から離脱しエアシャワー室24の床面に落下した微粒子は、吸気口26から空気とともに吸引される。空気中に含まれる微粒子の一部は、プレフィルタ27によって除去され、循環ファン23を介して筐体32の圧力室28内に導入される。圧力室28に導入された空気中の微粒子は、エアフィルタ30により濾過され、清浄な空気がバンカールーバ34から噴射される。利用者は、空気の噴射中、必要に応じてエアシャワー室24内で向きを変えながら、噴射した空気を浴びる。こうして、利用者の衣服あるいは頭髪に付着した微粒子を除去する。空気の噴射は1回当たり、風速25m/秒以上で、数10秒、例えば20秒間継続する。エアシャワー装置10の動作については、公知のエアシャワー装置と同様に行われる。例えば、利用者の入室後、扉部20は施錠され、エアシャワーを浴びなければ退室することができない。緊急時、壁面に設けられた図示されない解除ボタンを押してエアシャワー装置10の動作を止めることにより、施錠は解除されて利用者はエアシャワー室から退室することができる。
なお、本実施形態の吸気口26に設けられる溝蓋(グレーチング)29は、床面に平行に設けられるが、利用者が誤って溝蓋(グレーチング)29を踏んだりしないように、床面に対して傾斜をつけて(グレーチング)29を設けてもよい。すなわち、吸気口26に設けられる溝蓋(グレーチング)29は床面に対して傾斜するように配置してもよい。この場合、傾斜の向きは、第1側壁部14と第2側壁部16に接する縁部の領域が高く、あるいは、第1側壁部14と第2側壁部16と第3側壁部22に接する縁部の領域が高く、利用者の立ち位置の側に向かって溝蓋(グレーチング)29が下降するように傾斜するとよい。また、溝蓋(グレーチング)29の上に利用者が乗らないように、音声等により注意喚起をしてもよい。
本実施形態では、吸気口26の下方直下にプレフィルタ27を設ける構成を用いるが、この構成に限定されない。プレフィルタ27は、例えば、循環ファン23と吸気口26との間の空気の流路上に設ければよく、床壁部12の空洞部分の断面を横切るように設けることもできる。この場合、プレフィルタ27を床面に対して傾斜させてフィルタ面の面積を多く稼ぐこともできる。この場合、吸気口26に設けられた下方直下に、プレフィルタ27の代わりに、溝蓋(グレーチング)29から落下した土や塵等の大きな粒子を受け取る受けパットを設けることもできる。
以上のように、本実施形態のエアシャワー装置10は、床壁部12のエアシャワー室24に面する床面には、第1側壁部14と第2側壁部16に接する縁部の領域であって、扉部20からみて両側の領域に吸気口26及び溝蓋(グレーチング)29が設けられている。このため、床に落下した微粒子を吸気口26から効率よく吸引することができる。また、床面の利用者の立ち位置には吸気口26及び溝蓋(グレーチング)29が設けられていないので、利用者の靴の端が溝蓋(グレーチング)29の孔に引っ掛かることを防止できる。したがって、エアシャワー装置10は、マンションあるいはアパートの居住空間の出入口に設けることに適する。エアシャワー室24内には身だしなみをチェックできるように姿見ミラーを設置することができる。また、エアシャワー室24内の照明灯19は自動的に点灯、消灯する省エネ設計にすることができる。また、利用者のプライバシー保護のために、扉部20のドアガラスにフィルム貼ってエアシャワー室24内を見え難くすることもできる。
以上、本発明のエアシャワー装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 エアシャワー装置
12 床壁部
14 第1側壁部
16 第2側壁部
18 天井壁部
20 扉部
22 第3側壁部
23 循環ファン
24 エアシャワー室
26 吸気口
27 プレフィルタ
28 圧力室
29 溝蓋
30 エアフィルタ
32 筐体
34 バンカールーバ
40 連結部
42 パネル
44 蝶番

Claims (4)

  1. エアシャワー室内に入った利用者に空気を吹き付けるエアシャワー装置であって、
    噴射口を通してエアシャワー室内に噴射した空気を吸気する、格子状に骨材を組んだ溝蓋が設けられた吸気口と、前記吸気口から吸気された空気中の微粒子の一部を除去するプレフィルタと、を有する床壁部と、
    前記プレフィルタを通過した空気を前記エアシャワー室に戻すための循環ファンと、
    空気を噴射するための空気を蓄える圧力室と、前記循環ファンを用いて前記圧力室に導入された空気を清浄するエアフィルタと、を有する第1側壁部と、
    前記床壁部及び前記第1側壁部とともに、前記エアシャワー室を囲う、前記第1側壁部に対向する第2側壁部、前記床壁部に対向する天井壁部、扉部、及び、前記扉部に対向する第3側壁部と、を備え、
    前記床壁部、前記第1側壁部、前記第2側壁部、前記第3側壁部、前記天井壁部、及び、前記扉部には組み立て可能に連結部が設けられ、
    前記床壁部の前記エアシャワー室に面する床面には、床面の利用者の立ち位置を避けるように、前記第1側壁部と前記第2側壁部に接する縁部の領域であって、前記扉部からみて両側の領域に前記吸気口と前記溝蓋が設けられている、ことを特徴とするエアシャワー装置。
  2. 前記吸気口は、前記両側の領域の他に、前記第3側壁部に接する縁部の領域であって、前記扉部からみて奥側の領域にも設けられている、請求項1に記載のエアシャワー装置。
  3. 前記循環ファンは、前記第1側壁部内に収納され、前記圧力室に直付けされている、請求項1または2に記載のエアシャワー装置。
  4. 前記循環ファンは、前記床壁部に収納され、フレキシブルな流路を介して前記圧力室に接続されている、請求項1または2に記載のエアシャワー装置。
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