JP2014181357A - プラズマ重合装置および製造方法 - Google Patents

プラズマ重合装置および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プラズマ重合による反応生成物が真空装置内部に付着する。反応性成物の真空装置内部の付着および粉状の反応生成物の発生を低減したプラズマ重合装置および製造方法を提供する。
【解決手段】3次元形状の樹脂基材21上形成された反射膜としてアルミニウム膜22を設けた基材21を、真空チャンバー71内の下方に設けた支持ホルダ71aに設置する。対向するプラズマ発生用の放電電極74を上部に設ける。プラズマ発生部76を挟んで両側の対向する位置に側壁には、重合膜23を形成する材料ガスの導入口77および第1整流板81と、排気口72aおよび第2整流板82を設ける。第1整流板81および第2整流板82によりプラズマ発生部内における材料ガスの偏りが軽減され、重合膜23を形成しない反応生成物の発生が低減される。これにより真空装置内部への付着が低減され、稼働率を高めることができるプラズマ重合装置を提供することができる。
【選択図】 図6

Description

本発明は真空空間を形成する真空処理槽内にて基材をプラズマ空間内に保持し、基材上に原料有機材料ガスを流して成膜等の処理をするプラズマ重合装置に関し、特に車両用灯具に用いるリフレクタなどの金属被覆部材に成膜するプラズマ重合装置に関する。
車両用灯具は、例えば特許文献1に開示されているように、レンズとハウジングによって形成された灯室内に、光源およびリフレクタを配置した構成である。光源からリフレクタ方向に向かって出射された光をリフレクタで反射し、レンズを通して灯具の前方に照射する。
図1は車両用灯具の一種であるヘッドランプの構成例を示す図である。一般的にヘッドランプは、レンズカバー40とハウジング50によって形成された灯室60内に、光源(光源バルブ)30と、該光源30の周囲に配置したリフレクタ20とを備え、光源30からリフレクタ20の方向に向かって出射された光Lをリフレクタ20で反射させてレンズカバー40を介して灯具の前方に照射するものである。符合10は、リフレクタ20とハウジング50の間の装飾を目的に配置されたエクステンションリフレクタである。
リフレクタ20は、従来では図2(A)に示す様に、合成樹脂基材101の表面にアンダーコート層102が形成され、反射面として機能するアルミ膜103が蒸着またはスパッタ法で成膜される。その後、プラズマCVD法で酸化シリコン膜の保護膜または塗装法でアクリル系の保護膜104が成膜されているものが一般に知られている。
アルミ膜103は、可視光全域で約85%以上の反射率が得られることから、自動車や自動二輪車などの車両用灯具の反射膜として広く利用されている。
アンダーコート層102および保護膜104としてHMDS(ヘキサメチルジシロキサン)を原料ガスとしてプラズマCVD法で形成した酸化シリコン膜を用いることが知られている(特許文献1)。
特許文献1ではポリカーボネート製の成膜対象物上に酸化シリコン膜およびアルミニウム膜が真空処理装置を用いて形成されている。真空処理装置は、真空排気系に接続され、モノマー導入部および処理ガス導入部が設けられた真空処理槽を用い、真空処理層の内部中央部に位置し成膜対象物を保持する直線状の保持部と、側壁部分に設けたアルミニウム蒸発源およびプラズマ発生源とを有している。また、酸化シリコン膜の形成の際には、原料ガスとしてヘキサメチルジシロキサン(HMDS)をモノマー導入部から真空処理槽内に導入し、且つ、プラズマ発生源を動作させて形成している。
特開2010−1542号公報
特許文献1のように酸化シリコン膜を成膜する場合、真空処理槽の内壁に粉状物が発生する。発生した粉状物は真空処理槽内壁などに堆積もしくは付着して真空処理槽を汚し好ましいものではない。また、真空処理槽内壁などに堆積もしくは付着した生成物は、その一部が剥離もしくは移動して成膜対象物の表面に付着し、酸化シリコン膜の品質を低下させる。
かかる問題を解決するためには、真空処理槽内を定期的に清掃して、真空処理槽内壁などに堆積もしくは付着した生成物の除去作業を実施する。しかしながら、除去作業を実施する期間は製造を中断しなければならず真空処理装置の稼動効率を高めることが難しかった。そのため、コストアップを招くという問題がある。
そこで、上記問題に鑑みてなされたもので、真空処理槽内壁などに生じる上記の生成物の発生を抑制し、真空処理装置の稼動率を高めることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るプラズマ重合装置は、、
透光性の樹脂カバーと、前記樹脂カバーと接合するハウジングと、前記樹脂カバーとハウジングとで区画された空間内に光源ユニットを設置する照明装置の前記空間内に設置する金属被覆部材に重合膜を成膜するプラズマ重合装置であって、
真空処理槽内に、3次元形状に形成された樹脂基材を設置する基材支持部と、高周波プラズマ発生用電極と、有機材料ガス導入部と、真空処理槽排気口とを備え、
高周波プラズマ発生用電極と前記基材支持部との間には、前記高周波プラズマ発生用電極を用いてプラズマを生じさせるプラズマ空間が位置し、
前記有機材料ガス導入部は、真空処理槽外部に位置する材料供給部に接続する接続口と、当該接続口から前記プラズマ空間に向かって有機材料を噴出する有機材料噴出口とを備え、
前記有機材料ガス導入部が、前記真空処理槽の側壁または上部壁に配置されており、
前記真空処理槽排気口は、前記プラズマ空間を中心として、有機ガス材料導入部と反対側に位置する側壁または下部壁に配置され、
前記有機材料噴出口と前記真空処理槽排気口とを結ぶ仮想線上であって、前記有機材料噴出口近傍に位置する第1整流板と、前記真空処理槽排気口近傍に位置する第2整流板とをとを有し、
前記第1整流板と、前記第2整流板との間に前記プラズマ空間が位置し、
前記樹脂基材の表面および/または前記樹脂基材に形成した金属被覆膜上に、前記プラズマ空間に供給した前記有機材料により重合膜を形成することを特徴とする。
さらに、前記第1整流板および前記第2整流は、何れも金属材料により形成され、アース電位とされていることを特徴とする。
さらには、前記高周波プラズマ発生用電極が真空処理槽の上面側に配置され、
前記基材支持部が前記高周波プラズマ発生用電極に対向して真空処理槽の下面側に配置され、
前記有機材料ガス導入部が、前記真空処理槽の側壁に配置され、
前記真空処理槽排気口は、前記真空処理槽の側壁に配置され、
前記第1整流板および前記第2整流は、何れも前記真空処理槽の下壁から前記高周波プラズマ発生用電極の表面に至る高さを備えて配置されていることを特徴とする。
さらに、上記目的を達成するため、
透光性の樹脂カバーと、前記樹脂カバーと接合するハウジングと、前記樹脂カバーとハウジングとで区画された空間内に光源ユニットを設置する照明装置の前記空間内に設置する金属被覆部材に重合膜を成膜するプラズマ重合装置を用いた製造方法であって、
前記プラズマ重合装置は、真空処理槽内に、3次元形状に形成された樹脂基材を設置する基材支持部と、高周波プラズマ発生用電極と、有機材料ガス導入部と、真空処理槽排気口とを備え、
高周波プラズマ発生用電極と前記基材支持部との間には、前記高周波プラズマ発生用電極を用いてプラズマを生じさせるプラズマ空間が位置し、
前記有機材料ガス導入部は、真空処理槽外部に位置する材料供給部に接続する接続口と、当該接続口から前記プラズマ空間に向かって有機材料を噴出する有機材料噴出口とを備え、
前記有機材料ガス導入部が、前記真空処理槽の側壁または上部壁に配置されており、
前記真空処理槽排気口は、前記プラズマ空間を中心として、有機ガス材料導入部と反対側に位置する側壁または下部壁に配置され、
前記有機材料噴出口と前記真空処理槽排気口とを結ぶ仮想線上であって、前記有機材料噴出口近傍に位置する第1整流板と、前記真空処理槽排気口近傍に位置する第2整流板とをとを有し、
前記第1整流板と、前記第2整流板との間に前記プラズマ空間が位置しており、
前記基板支持部に金属被覆部材を配置する工程と、
前記真空処理槽内を真空に排気する工程と、
真空雰囲気下で前記高周波プラズマ発生用電極を用いて前記プラズマ空間にプラズマを発生させるとともに、当該プラズマ空間に前記有機材料が供給され前記金属被覆部材上に重合膜を形成する工程とを有し、
前記重合膜を形成する工程は、前記有機材料ガス噴出口から噴出する当該有機材料ガスが前記第1整流板を回り込んで前記プラズマ空間に到達し、前記プラズマ空間に存在する有機材料ガス前記第2整流板を回り込んで前記真空処理槽排気口から排出され続けていることを特徴とするプラズマ重合装置を用いた製造方法、を提供する。
本発明によれば、真空処理槽内壁などに生じる反応生成物の発生を抑制し、真空処理装置の稼動率を高めることができる。また、成膜したプラズマ重合膜に粉状の反応生成物が混入して品質低下を招く問題を軽減することができる。
本発明の実施形態のヘッドランプの断面構成を示すブロック図。 図1のリフレクタの層構成を示す断面図で、(A)が従来技術のリフレクタの層構成を示す断面図、(B)が本実施形態のリフレクタの層構成を示す断面図。 本発明の実施形態の製造装置を模式的に示す縦断面図 本発明の実施形態の製造装置を模式的に示す上面から見た横断面図 本発明の実施形態の製造工程を示す流れ図 従来技術の製造工程を示す流れ図 比較例の製造装置を模式的に示す断面図
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態の車両用照明装置をヘッドランプを例に説明する。図1に示すように、本実施形態のヘッドランプは、光出射方向側に配置されたレンズカバー40と、背面側に配置されたハウジング50とを備え、レンズカバー40とハウジング50により形成された灯室60内には、光源30とリフレクタ20とが配置されている。リフレクタ20の周囲には、リフレクタ20とハウジング50との間の空間を装飾するためにエクステンションリフレクタ10が配置されている。
光源30から出射された光は、直接、または、リフレクタ20によって反射されて、レンズカバー40を通過し、前方に照射される。
リフレクタ20の断面構成について図2(B)を用いて説明する。図2(B)は本発明の実施の形態に係るリフレクタの膜構成例について説明する断面図である。なお、図2(A)は前述した従来のリフレクタの膜構成について説明する断面図であり、本発明との相違点がわかり易いように並べて示している。
リフレクタ20は、図2(B)に示すように樹脂製の基材21の上に、アンダーコート層を介することなく反射膜としてアルミ膜またはアルミ合金膜22が直接に形成され、アルミ膜またはアルミ合金膜22上に保護膜として重合膜23が形成されている。
本発明では、リフレクタ(反射鏡)の反射膜として、アルミニウム(Al)を主成分とするアルミ金属反射膜を用いているが、銀膜、銀合金膜や、アルミ膜の上面にジルコニウム膜を積層した積層膜でも良い。なお、アルミ膜22の膜厚は50nm以上であることが好ましく、150nm以上250nm以下であればより好ましい。ジルコニウム膜をアルミ膜上に積層した反射膜とする場合には、ジルコニウム膜の膜厚を耐アルカリ性の観点から1.5nm以上であることが好ましく、特に2.5nm以上であることが好ましい。また、反射率の観点から10nm以下であることが好ましく、特に5nm以下であることが好ましい。
以下、リフレクタ(反射鏡)の製造方法について具体的に説明する。
図3は図4の製造工程に沿って製造するためのインライン式の成膜装置の一例を模式的に示す断面図である。図4はリフレクタの製造工程の一例を示す流れ図である。
(ステップS1)
最初に図4に示すステップS1において、基材21となる樹脂材料を用いてリフレクタ形状を射出成形にて形成したリフレクタ基材を用意する。リフレクタの形状は、所望の配光特性に合わせた凹面鏡とする。例えば光源30の位置に焦点を有する回転放物面形状に射出成形を行うと、3次元形状に形成され、光源30から出射した光を平行光線として照射方向前方に向けて反射することができる。基材21の材質としては、PPS(Polyphenylenesulfide)、BMC(Bulk Molding Compound)、PET/PBT(Polyethylene Terephthalate / Polybutylene Terephthalate)、PC(polycarbonate)などを好適に用いることができる。
(ステップS2)
次にステップS1で成形したリフレクタ基材21を図示しない射出成型機から取り出した後、ステップS2からステップS8のステップを行う成膜装置70に設置する。成膜装置70としては枚葉式の成膜装置でも、インライン式の成膜装置でも良い。インライン式の成膜装置の場合には連続処理を行うことができ生産性を高めることができる。
成膜装置70は、複数の真空チャンバー71と各真空チャンバー71内を排気する排気装置(真空ポンプ)72とを備える。図3では、紙面左側からR1,R2、R3,R4、R5の5つの処理室に区画されたており、R1〜R5の各真空チャンバー間はゲートバルブ78を介して順に連なって設けたインライン方式の場合を示している。処理室R1はステップS2を行うロードロック室、処理室R2がステップS4を実施するプラズマ処理室、処理室R3がステップS5を行う金属膜成膜室、処理室R4がステップS6の重合膜からなる保護膜を製膜するプラズマ重合室、処理室R5が真空雰囲気から大気圧に戻して取り出す製品取り出し室である。また、排気装置72は、図面を簡単にするため処理室R2にのみ接続した状態を示し、処理室R1,R3,R4およびR5の各室に接続する排気装置の図示を省略している。また、処理室R1から処理室R2へ、処理室R2から処理室R3へなどの隣接する処理室間において成膜を行うリフレクタ基材21を移動させる図示しない駆動機構と、処理室R2,R3およびR4における処理工程を制御する図示しない制御機構を備えている。
(ステップS3)
次にステップS3で排気装置72にて真空チャンバー71内を排気する。処理室R1内の図示しない支持ホルダにリフレクタ基材21をセットした後に処理室R1内の排気を実施する。なお、各室内の排気を個別に行う際には、ゲートバルブ78を閉めた状態とし隣り合う処理室から独立して真空度を制御可能としている。
(ステップS4)
所定の減圧状態に到達した後に、処理室R1と処理室R2の間のゲートバルブ78を開いてリフレクタ基材21を処理室R2に移動する。ゲートバルブ78を閉めた後に、ガス供給部73よりニトロエタンガスを真空チャンバー71内に導入する。処理室R2における符号77がガス導入口である。また、図示しない高周波電源に接続した放電電極74を用いてプラズマ発生部76にニトロエタンガスのプラズマを発生させる。このニトロエタンガスプラズマ内により基材21の被成膜面を処理するステップS4を実施する。なお、プラズマ処理は所定の減圧雰囲気下で行い、所定の処理が終了後にニトロエタンガスの供給を停止する。
また、減圧化でニトロエタンのプラズマ放電に金属膜形成前プラズマ処理工程を実施したが、他のニトロメタンなどのニトロ化合物を用いて金属膜形成前プラズマ処理工程を実施することもできるであろう。
(ステップS5)
次し、ステップS5で金属膜の成膜形成を行う。具体的には、処理室R2でから処理室R3に真空状態を保ったままゲートバルブを開いて、金属膜の成膜を行うリフレクタ基材21を移動し、処理室R3にて金属膜の成膜を実施する。各処理室R2およびR3は各々の排気装置72にて真空チャンバー71内が排気されており、ステップS4とステップS5は連続して実施する。
金属膜22の成膜は、金属材料供給部75から所定の減圧雰囲気下にてステップS5の処理を施した基材21上に金属膜22を形成する。処理室R3の内部上壁部にアルミニウム金属ターゲットもしくはアルミニウム合金金属ターゲットを金属材料供給部75として設けスパッタ法にて成膜する。スパッタを行うための雰囲気ガスをガス供給口73に接続したガス導入口77から導入し、図示しない放電電極にてDC(直流)プラズマを発生させて成膜する。フパッタ雰囲気ガスとしてはアルゴンガスを用いる。
金属膜の成膜は、スパッタ法に限るものではない。例えば真空蒸着法、イオンプレーティング法などにより行っても良い。また、スパッタ法をアルゴンガスのDCプラズマで行う方法に限らるものではなく、他の不活性ガスを用いたプラズマを利用するものでも良い。また、基材21を移動しながら成膜を実施するようにしても良い。
(ステップS6)
次にステップS6として処理室R4にて保護膜形成を行う。処理室R3から処理室R4への基材21の移動は、処理室R2から処理室R3への移動に同期して、真空雰囲気を保ったまま同様に実施する。
処理室R4が所定の減圧状態に到達した後に、ガス供給部73よりガス導入口77を経て原料モノマーを処理室R4の真空チャンバー71内に導入する。また、図示しない高周波電源に接続した放電電極74を用いてプラズマ発生部76にプラズマを発生させる。このとき、ガス供給部73からはアルゴン、水素、酸素等のキャリアガスも一緒に導入する。プラズマ発生部76で生じたプラズマのエネルギーを利用して重合膜23をステップS5で形成した金属膜22上に形成する。原料モノマーとしては、例えばヘキサメチルジシロキサンを用いることができる。なお、重合膜の形成も所定の減圧雰囲気下で行う。
次にガス供給部73からの原料モノマーガスの供給を停止する。
(ステップS7)
次にガス供給部73より原料モノマーの供給のみを停止して、重合膜(保護膜)23の表面をプラズマ発生部76に生成したプラズマにて処理を行い重合膜23の表面を親水化する。ステップS7で行うプラズマ処理で用いるプラズマ生成のために、ステップS6で用いたキャリアガスや、真空チャンバー71内の残存ガスを用いることも可能である。好ましくはガス供給部よりアルゴンガスや酸素ガス等の重合膜23の親水化処理に適したガスを用いたプラズマを生成させて行うことが好ましい。
なお、親水化処理を行わない保護膜を形成する場合には、ステップS7を省略することができる。
(ステップS8)
最後に成膜が完了したリフレクタ20を処理室R5に移動してステップS8を行う。ステップS8は図示しない排気弁を閉めた後に処理室R5の真空チャンバー71内の圧力を大気圧に戻し、金属膜22および重合膜23が形成してある基材21(リフレクタ20)を取り出す。これにより、目的とする金属被覆部材が得られる。
このように、本実施形態によれば、金属膜を形成する前の緩衝用の重合体膜が不要となり、製造工程の簡素化が図れるため、製造コストが低減できる。
次にプラズマ重合装置について図5〜図7を用いて具体的に説明する。
図5は本発明に係るプラズマ重合装置の模式的な縦断面図である。図6は図5のプラズマ重合装置を上面からみた模式的な横断面図である。図7は、比較例のプラズマ重合装置を示す模式的な断面図である。
プラズマ重合装置は、図3に示したインライン式の成膜装置70における処理室R4に相当し、図4のステップS6の保護膜形成を行う。
図5および図6において、プラズマ重合を行う真空チャンバー71は、概略直方体形状とされ、4つの側壁には、ゲートバルブ78、真空チャンバー71内を排気する排気装置72、真空チャンバー71内に導入ガスを供給するガス導入口77、ゲートバルブ78が夫々接続されている。ゲートバルブ78は、インライン式の成膜装置とする場合には必須となるが枚葉式の成膜装置の場合には設けなくても良い。また、排気装置72とガス供給部73とは、互いに反対側の側壁面に接続されている。真空チャンバー71の外部に位置するガス導入口77の接続口77aはガス供給部73に接続される。
真空チャンバー71の内部には、成膜を行うリフレクタ基材21を設置する支持ホルダ71aと、高周波電源に接続した放電電極74が設けられている。放電電極74は、上下方向に移動して真空チャンバー71内を開放状態とすることができる上壁蓋83に設けられている。上壁蓋83はOリング83aを介して真空状態を保つことができるようにされている。基材ホルダー74は放電電極74と対向する真空チャンバーの下壁側に形成され、放電電極74と基材ホルダー74との間の空間がプラズマ発生部76となる。放電電極74は高周波電源に接続され、真空チャンバー71および支持ホルダ71aはアース接続とされている。支持ホルダ71aはステンレス製とされ、支持ホルダ71aに設けるリフレクタ基材21もアース電位になるように固定される。
さらに、真空チャンバー71の内部には、図5および図6において符号81,82で記す第1整流板、第2整流板がプラズマ発生部76を挟んで配置されている。また、放電電極74と支持ホルダ71aとを結ぶ仮想線と、ガス導入口77の噴出口77bと排気口72aとを結ぶ仮想線とが交差するように配置され、その交点はプラズマ発生部76の空間に位置している。
第1整流板81は、プラズマ発生部76の空間に向かって開口するガス導入口77の噴出口77bとプラズマ発生部76の間であって、真空チャンバー21の下壁から上壁蓋83に至る側壁を覆って配置されている。具体的には、図5に示したように少なくとも支持ホルダ71aの上端面より下壁までの間の位置から、上壁蓋83の放電電極74の最下端位置に至らない近傍の位置までの高さとされている。また、厚み1mm、横幅5mmで横断面L字状にステンレス金属により形成されている。横幅は、噴出口77bよりも大きい幅とされている。
第2整流板82は、側壁に開けられた排気口72aとプラズマ発生部76の間であって、真空チャンバー21の下壁から上壁蓋83に至る側壁を覆って配置されている。具体的には、図5に示したように少なくとも支持ホルダ71aの上端面より下壁までの間の位置から、上壁蓋83の放電電極74の最下端位置に至らない近傍の位置までの高さとされている。また、厚み1mm、横幅50mmで横断面L字状にステンレス金属により形成されている。横幅は、排気口72aよりも大きい幅とされている。
プラズマ重合装置70は、このように形成されており、ガス導入口77を通して有機材料ガスを真空チャンバー71内に導入し、同時に排気装置72を用いて真空チャンバー71内を排気して、所定の減圧状態を保つようにされている。材料ガス噴出口77bから真空チャンバー71内に導入された有機材料ガスは、第1整流板81に衝突し、第1整流板81と真空チャンバー内壁との間の隙間を通って排気口72aに向かう。排気口72aの手前には第2整流板82が位置する。よって、排気口72aを経て排気されるためには、有機材料ガスの分子は第2整流板82と真空チャンバー内壁との間の隙間を通らなければならない。
第1整流板81および第2整流板82を設けたことで、材料ガス噴出口77bから真空チャンバー71内に導入された有機材料ガスの分子は、第1整流板81および第2整流板82を設けない場合に比べてプラズマ発生部76の空間を互いに衝突しながら拡散して排気口72aに向かうことになる。それゆえ、プラズマ発生部76で発生させたプラズマにより重合膜の成膜に使用する分子の割合が高くなる。すなわち、未反応の有機材料の分子が減少する。換言すれば、未反応ガスの割合が減少し、生成する粉状の生成物の発生量も減少する。
図7は、比較例のプラズマ重合装置90を示す概略断面図である。図5に示した本実施形態のプラズマ重合装置と比較して、第1整流板81および第2整流板82を設けていない点、排気口92が真空チャンバーの下壁に2箇所形成されている点、ガスの噴出口が真空チャンバーの上部蓋83に設けた放電電極74を通ってプラズマ発生部76上部に挑んで設けてある点が相違し、他の点は図5に示したプラズマ重合装置と同様であるから、ここでの詳細な説明は省略する。
図7の比較例の場合には、矢印にて示したような材料ガスの流れになっていると考えられる。それ故、図5の本発明に係るプラズマ重合装置を使用したときには、図7に示したプラズマ重合装置90を用いて両者を同一条件にて重合膜を成膜したときに比べて、粉状の生成物の発生頻度は少なかった。また、図5に示した本発明に係る実施の形態のプラズマ重合装置においては、重合を行う材料ガスの流れに偏りがなくなり、生地表面に形成される重合膜の膜厚分布が良くなった。
本発明により、プラズマ重合装置の真空チャンバー内の堆積膜を除去する必要がなく、メンテナンス時間が短縮でき、生産効率が向上し、製造コストが低減できる。また、成膜しようとする基材上に粉状の生成物が付着する不良品の発生頻度を低下させ、製造歩留りを向上させることができる。特にリフレクタを製造する場合には、反射面に粉状の生成物が付着すると所定の方向以外の方向に反射する迷光成分を生じさせるが、かかる問題の発生が軽減される。また、これにより、プラズマ重合装置の稼働率が高まり、製造コストを低減することができる。
特に自動車のヘッドライト等のように法規制で定められた配光規格を備えた用途に用いるリフレクタにおいては、設計通りの形状の反射面を形成することが重要となる。比較例の製造装置を用いた場合には、粉状の反応生成物が反射面表面に付着し設計とは異なる拡散光が生じる場合があり、定められた配光規格に対し悪影響を与える。それに対し本発明のプラズマ重合装置を用いると粉状の反応生成物の付着が少ないので所望の配光特性を安定して得ることができるようになる。
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。例えば、ヘッドランプやリアコンビネーションランプのリフレクタを例に説明したが、エクステンションリフレクタなどと称される装飾目的の金属被覆部材にも適用できる。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
本発明は、自動車灯体リフレクターやエクステンションリフレクター、二輪灯体リフレクターやエクステンションリフレクター、一般照明器具のリフレクター、一般装飾品、自動車用ヘッドライト、一般照明、野外照明、バックライト照明、LED装置、ディスプレー、光ディスク等の電子機器の電極や反射鏡などに利用可能である。
10 エクステンションリフレクタ
20 リフレクタ
21 基材
22 金属膜
23 重合膜(保護膜)
30 光源(光源バルブ)
40 レンズカバー
50 ハウジング
60 灯室
70 成膜装置
71 真空チャンバー
71a 支持ホルダ
72 排気装置(真空ポンプ)
72a 排気口
73 ガス供給部
74 放電電極
75 金属材料供給部
76 プラズマ発生部
77 ガス導入口
77a 接続口
77b 噴出口
78 ゲートバルブ
R1,R2,R3,R4,R5 処理室
81 第1整流板
82 第1整流板
83 上壁蓋
83a Oリング
90 プラズマ重合装置
92 排気口

Claims (4)

  1. 透光性の樹脂カバーと、前記樹脂カバーと接合するハウジングと、前記樹脂カバーとハウジングとで区画された空間内に光源ユニットを設置する照明装置の前記空間内に設置する金属被覆部材に重合膜を成膜するプラズマ重合装置であって、
    真空処理槽内に、3次元形状に形成された樹脂基材を設置する基材支持部と、高周波プラズマ発生用電極と、有機材料ガス導入部と、真空処理槽排気口とを備え、
    高周波プラズマ発生用電極と前記基材支持部との間には、前記高周波プラズマ発生用電極を用いてプラズマを生じさせるプラズマ空間が位置し、
    前記有機材料ガス導入部は、真空処理槽外部に位置する材料供給部に接続する接続口と、当該接続口から前記プラズマ空間に向かって有機材料を噴出する有機材料噴出口とを備え、
    前記有機材料ガス導入部が、前記真空処理槽の側壁または上部壁に配置されており、
    前記真空処理槽排気口は、前記プラズマ空間を中心として、有機ガス材料導入部と反対側に位置する側壁または下部壁に配置され、
    前記有機材料噴出口と前記真空処理槽排気口とを結ぶ仮想線上であって、前記有機材料噴出口近傍に位置する第1整流板と、前記真空処理槽排気口近傍に位置する第2整流板とをとを有し、
    前記第1整流板と、前記第2整流板との間に前記プラズマ空間が位置し、
    前記樹脂基材の表面および/または前記樹脂基材に形成した金属被覆膜上に、前記プラズマ空間に供給した前記有機材料により重合膜を形成することを特徴とする重合膜を成膜するプラズマ重合装置。
  2. 前記第1整流板および前記第2整流は、何れも金属材料により形成され、アース電位とされていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ重合装置。
  3. 前記高周波プラズマ発生用電極が真空処理槽の上面側に配置され、
    前記基材支持部が前記高周波プラズマ発生用電極に対向して真空処理槽の下面側に配置され、
    前記有機材料ガス導入部が、前記真空処理槽の側壁に配置され、
    前記真空処理槽排気口は、前記真空処理槽の側壁に配置され、
    前記第1整流板および前記第2整流は、何れも前記真空処理槽の下壁から前記高周波プラズマ発生用電極の表面に至る高さを備えて配置されていることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ重合装置。
  4. 透光性の樹脂カバーと、前記樹脂カバーと接合するハウジングと、前記樹脂カバーとハウジングとで区画された空間内に光源ユニットを設置する照明装置の前記空間内に設置する金属被覆部材に重合膜を成膜するプラズマ重合装置を用いた製造方法であって、
    前記プラズマ重合装置は、真空処理槽内に、3次元形状に形成された樹脂基材を設置する基材支持部と、高周波プラズマ発生用電極と、有機材料ガス導入部と、真空処理槽排気口とを備え、
    高周波プラズマ発生用電極と前記基材支持部との間には、前記高周波プラズマ発生用電極を用いてプラズマを生じさせるプラズマ空間が位置し、
    前記有機材料ガス導入部は、真空処理槽外部に位置する材料供給部に接続する接続口と、当該接続口から前記プラズマ空間に向かって有機材料を噴出する有機材料噴出口とを備え、
    前記有機材料ガス導入部が、前記真空処理槽の側壁または上部壁に配置されており、
    前記真空処理槽排気口は、前記プラズマ空間を中心として、有機ガス材料導入部と反対側に位置する側壁または下部壁に配置され、
    前記有機材料噴出口と前記真空処理槽排気口とを結ぶ仮想線上であって、前記有機材料噴出口近傍に位置する第1整流板と、前記真空処理槽排気口近傍に位置する第2整流板とをとを有し、
    前記第1整流板と、前記第2整流板との間に前記プラズマ空間が位置しており、
    前記基板支持部に金属被覆部材を配置する工程と、
    前記真空処理槽内を真空に排気する工程と、
    真空雰囲気下で前記高周波プラズマ発生用電極を用いて前記プラズマ空間にプラズマを発生させるとともに、当該プラズマ空間に前記有機材料が供給され前記金属被覆部材上に重合膜を形成する工程とを有し、
    前記重合膜を形成する工程は、前記有機材料ガス噴出口から噴出する当該有機材料ガスが前記第1整流板を回り込んで前記プラズマ空間に到達し、前記プラズマ空間に存在する有機材料ガス前記第2整流板を回り込んで前記真空処理槽排気口から排出され続けていることを特徴とするプラズマ重合装置を用いた製造方法。
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