JP2014181163A - 二酸化炭素還元システム - Google Patents

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Abstract

【課題】新たな水素供給手段による二酸化炭素還元システムであって、炭素循環100%サイクルを実現可能とする二酸化炭素還元システムを提供する。
【解決手段】イソプロパノールから触媒存在下で水素とアセトンを合成する水素合成手段1と、少なくとも該水素合成手段で得られた水素と二酸化炭素を、触媒存在下で反応させてメタノールを合成するメタノール合成手段2と、を有する二酸化炭素還元システムに、さらに、前記メタノールをイソプロパノールへ変換するイソプロパノール合成手段3を設け、水素合成手段に供給するイソプロパノールを再生させることで、炭素循環サイクルを構築し、二酸化炭素をアセトンに固定化する二酸化炭素還元システムである。
【選択図】図1

Description

本発明は、二酸化炭素還元システムに関する。さらに詳しくは、イソプロパノールを炭素源として水素を製造し、少なくとも該水素を含む水素で二酸化炭素を還元して、メタノールを製造し、さらには製造したメタノールをイソプロパノールに変換することで、二酸化炭素のアセトンへの固定化ならびに炭素循環サイクルを可能にする、二酸化炭素還元システムに関する。
近年、二酸化炭素(CO)排出量の増加により地球温暖化が進んでいると言われており、地球環境保護が急務となっている。植物は化石燃料の消費により排出されるCOを吸収し、吸収したCOを太陽光と水を用いた光合成によりグルコースに変換することによって炭素を固定する。固定化に必要な熱エネルギーは太陽光から供給される。
6CO+6HO=C12+6O−2803kJ/mol(吸熱)
植物による炭素循環サイクル(植物固定)においては、炭水化物として蓄えられたエネルギーの一部は動植物によって消費され、呼吸によりCOとして放出され、木質化した炭水化物は燃焼利用されることで二酸化炭素に変換され、炭素は100%循環するサイクルとなる。
しかし、植物による炭素循環サイクルの欠点は、植物によるCOの吸収速度が遅いことである。また、途上国では植物の伐採が進み、一方、工場などからのCOの放出は増大しているため、吸収と放出のバランスが崩れてきていることも課題である。
化学反応を用いた炭素固定は、触媒を使用して植物の行う光合成と類似の反応を人工的に行おうとするもの(人工光合成)であり、植物によるCO固定よりも反応が速いため、COを大量処理できる可能性がある。
すでに地球温暖化対策として、新エネルギー産業技術研究機構(NEDO)の委託により、(財)地球環境産業技術研究機構(RITE)主導の下、温暖化の原因である二酸化炭素(CO)を原料として利用、消費する「CO化学的固定化技術」の検討が行われている(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3)。
具体的な取組みとして、開発されたメタノール合成用の高活性触媒(CuO−ZnO系ベース)を用いて、工場等から排出されるCOと、水の分解等から得られる水素から、メタノールを合成し、その得られたメタノールから石化製品(エチレン等)を製造する開発等が進められている。この「CO化学的固定化技術」の工業化が実現すれば大幅なCO削減が可能となる。
COとHからメタノールを合成する反応は、多成分触媒を用いて、反応温度200〜300℃、反応圧力3〜7MPaで行われるのが一般的である。反応は、以下に示す発熱反応である。
CO+3H=CHOH(g)+HO(g)+49.4kJ/mol(発熱)
非特許文献1によれば、COをメタノールとして化学的に固定し、メタノールを再利用するシステムでは、メタノールへの固定化に必要な水素の製造価格は、海外の水力発電所(COを排出しない)の安価な電気エネルギーを利用した電気分解法を想定した場合の試算でも、約33円/kgである。メタノールの価格(約76円/kg)に占める原料水素の製造価格の比率が高いため、安価な水素の入手が課題である。
さらに、水の電気分解は、以下に示す吸熱反応であるため、エネルギーを必要とする。
3HO=3H+3/2O−858kJ/mol(吸熱)
註:上記エネルギー計算は、アトキンス物理化学第6版、化学便覧基礎編改定2版などによる。
水の電気分解以外の水素供給方法として、光触媒を用いる方法がある。特許文献1〜4には、紫外光のみならず可視光も利用できる光触媒、具体的にはインジウムバリウム複合酸化物、あるいはバナジウム含有複合酸化物半導体を、水の分解に使用することにより、太陽光を利用して水素を生成できることが記載されている。
しかしながら、上記の方法は水素の発生速度が遅く、太陽光を利用するための敷地面積の確保が必要であり、さらには天候による影響を受けるため、必要な量の水素を効率的に賄えるか否かが課題となる。
一方で、COをメタノールに限らず、蟻酸やエタノール等の有用物質に転換する方法も提案されている(特許文献5)。この場合も、COをこれらの化合物に変換するために必要な水素の効率的な確保が課題となる。
特開2004−275946号公報 特開2004−066028号公報 特開2003−251197号公報 特開2003−033661号公報 特開2012−017300号公報
「炭酸ガスと水素からのメタノール合成プロセスの開発」今井哲也他,三菱重工技報、Vol.35,No.6,p384-387(1998-11) 「二酸化炭素の固定化技術」牛越憲治,神戸製鋼技報、Vol.47,No.3,p13-16(Nov.1997) 「CO2からのメタノール合成プロセスの実証パイロット設備建設について」三井化学株式会社HP、2008.8.25)
本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、新たな水素供給手段による二酸化炭素還元システムであって、炭素循環100%サイクルを実現可能とする二酸化炭素還元システムを提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した。そして、イソプロパノールから水素とアセトンを合成し、少なくとも該水素でCOを還元してメタノールを合成する二酸化炭素の還元システムを基本とすることにより、水素合成と二酸化炭素の固定化を同一反応で達成できるため、エネルギー的に有利に水素を賄えること;さらには、メタノールからイソプロパノールを再生させ、COをアセトンに固定化する炭素循環サイクルを構築することにより、エネルギー効率のよい二酸化炭素還元システムが可能となること;を見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、
イソプロパノールから触媒存在下で水素とアセトンを合成する水素合成手段と、
少なくとも該水素合成手段で得られた水素と二酸化炭素を、触媒存在下で反応させてメタノールを合成するメタノール合成手段と、
を有することを特徴とする二酸化炭素還元システムを提供する。
この二酸化炭素還元システムにより、従来にない新たな水素供給手段を適用したメタノール合成を実現できる。
また、本発明は、
イソプロパノールから触媒存在下で水素とアセトンを合成する水素合成手段と、
少なくとも該水素合成手段で得られた水素と二酸化炭素を、触媒存在下で反応させてメタノールを合成するメタノール合成手段と、を有し、
前記メタノールをイソプロパノールへ変換するイソプロパノール合成手段を設け、水素合成手段に供給するイソプロパノールを再生させることで、炭素循環サイクルを構築し、二酸化炭素をアセトンに固定化することを特徴とする二酸化炭素還元システムを提供する。
この二酸化炭素還元システムにより、二酸化炭素のアセトンへの固定化を実現できる。
上記の各二酸化炭素還元システムにおいては、水素合成手段及びメタノール合成手段において、触媒にマイクロ波を照射することが好ましい。
通常の反応系における二酸化炭素の水素化によるメタノール合成は、水を生成する発熱反応であるため、投入エネルギーの損失が生じる。この損失を減少させる手段として、マイクロ波の照射は有効である。
また、上記の各二酸化炭素還元システムにおいては、水の電気分解手段をさらに有し、該電気分解手段で得られた水素と水素合成手段で得られた水素を、メタノール合成手段に導入して二酸化炭素と反応させることができる。
すなわち、本発明によれば、下記反応式に示す通り、CO還元システムと炭素循環サイクルの構築が可能となる。
Figure 2014181163
水の電気分解のみで水素を得てメタノールを製造し、COをメタノールに固定化する場合は、水の電気分解に要するエネルギーがメタノールの燃焼で得られるエネルギーよりも大きくなることが想定されるため、COの固定化によりエネルギーロスが生じることになる。
一方、イソプロパノールから水素を得てメタノールを製造すると共に、水の電気分解でも水素を得、これらの水素を併用してCOを還元する場合は、COがアセトンに完全固定されるので、イソプロパノール由来の水素1モルと水の電気分解由来の水素8モルを用いることにより、同じエネルギーで、水の電気分解のみで水素を得る場合より多くのCOを還元することが可能となる。
メタノールの比重(0.79)とアセトンの比重(0.79)は同等であることを考慮すれば、分子量の大きいアセトンの方が、メタノールよりも炭素貯蔵能力が大きいと言える。
本発明によれば、イソプロパノールからアセトンと水素を合成し、該水素をCOと反応させてメタノールを合成することにより、3分子のCOを1分子のアセトン中に完全固定することが可能となる。イソプロパノールから合成される水素の不足分を、水の電気分解による水素で補えば、水の電気分解のみで水素を得る場合よりも少ないエネルギーでCOを固定化できる。さらにメタノールをイソプロパノールに変換するイソプロパノール合成手段を設けることにより、炭素循環システムを構築することが可能となる。
本発明による二酸化炭素還元システムの説明図である。 IPAの脱水素反応に用いた実験装置の概略図である。 IPAの脱水素反応における水素発生量と触媒量の関係を示した図である。
以下、本発明に係る二酸化炭素還元システムについて、好ましい実施形態を挙げ、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明による二酸化炭素還元システム、ならびに炭素循環サイクルを説明する図である。
下記の式(化2)に各合成手段における反応式を示す。
水素合成手段1は、イソプロパノールを炭素源として、イソプロパノールから水素を生成すると同時に、アセトンを副生する工程;メタノール合成手段2は 水素合成手段1で得た水素とCOを反応させてメタノールを合成する工程;イソプロパノール合成手段4は、メタノールをイソプロパノールに変換する工程;である。
Figure 2014181163
上記の式より、イソプロパノールから水素とアセトンを分離し、得られた水素とCOからメタノールを合成することが可能であり、COを還元することができる。そして、メタノールをイソプロパノールに変換することができれば、COをアセトンに固定化する二酸化炭素還元システムが構築される。
一方、従来の電気分解による水素及びメタノール製造工程は、以下の式(化3)で表わすことができ、水から水素と酸素を生成し、得られた水素とCOからメタノールを合成することで、COを還元することができる。
Figure 2014181163
(水素合成手段)
水素合成手段1においては、イソプロパノールを触媒存在下、加熱することにより、水素とアセトンを合成する。
イソプロピルアルコールから水素とアセトンを合成した実験例を、図2及び図3に示した。図2及び図3は、水素合成手段の一例であり、図2はイソプロピルアルコール(IPA)の脱水素反応に用いた実験装置であり、図3は前記反応における水素発生量と触媒量の関係を示したグラフである。
本実験例では、図2に示した5つ口フラスコ(以下、フラスコ)に、IPA:120ml(1.53mol)とKOH:415mg(0.0074mol)を入れ、超音波洗浄器でIPAの溶存酸素を除去した後、フラスコに攪拌子を入れ、KOHがIPAに溶解するまで十分攪拌した。
700W簡易型マイクロ波試験装置((株)アミル製、周波数2.45GHz)内に設置した反応管:ガラスカラム(内径20mmφ)に、触媒としてPd/C(小島化学(株)製)を所定量充填し、さらに希釈剤としてアルミナボール(ニッカトー(株)製)を充填した。
フラスコ内、配管及び装置内を窒素パージした後、定量ポンプ(KNFジャパン製)を用いてフラスコ内溶液の送液(流量20ml/min)を開始し、マイクロ波発振器よりマイクロ波照射を開始した。この際、装置出口の液温が60℃で一定になるように装置の供給電圧を調整した。
マイクロ波照射から0分、10分、20分、30分、45分、60分、90分、120分後に、フラスコ内の気体試料及び液体試料をサンプリングした。
サンプリングした気体試料中の水素の割合は、GC−TCD((株)島津製作所製、GC−8A)で測定した。
上記の実験例では、触媒使用量の変更、マイクロ波照射の有り/無しについて、計5点の実験を行い、結果を表1にまとめて示した。図3には経時による水素発生量を示した。また、反応終了後のIPA中には、アセトンが検出された。
図3より、触媒使用量の増加にともなって水素発生量が増加し、マイクロ波照射によって水素発生量が増加することがわかる。
Figure 2014181163
ここで、水素合成手段で用いる触媒としては、複合金属酸化物、炭素結晶化合物、金属担持炭素化合物、金属担持酸化物、金属担持複合金属酸化物、金属酸化物等の従来公知の触媒を挙げることができる。炭素結晶化合物としては、グラファイト、カーボンナノチューブ(金属を含むものと含まないものの双方が含まれる)、フラーレン等が挙げられ、金属担持炭素化合物としては、鉄、銀、白金、ルテニウム、パラジウム、ロジウム等の金属を担持した炭素化合物が挙げられる。また、金属担持複合金属酸化物としては、パラジウム、白金、金、ルテニウム、ニッケル、銅、鉄などの金属を担持したシリカ、アルミナ、ジルコニア、セリア、チタニアなど、またこれらの複合酸化物が挙げられる。金属担持量は、触媒全量に対して1〜20wt%が好ましく、より好ましくは5〜10wt%である。
触媒の使用量は特に限定されるものではなく、触媒の種類によって異なるが、IPAに対する重量比として、5wt%以上使用することにより水素発生が増加する傾向がある。
水素合成手段では、イソプロピルアルコールをアルコキサイドに変換して、イソプロピルアルコールからの水素の引抜きを容易にするために、イソプロピルアルコール中にアルカリ化合物を添加することができる。アルカリ化合物の添加量は触媒量でよい。アルカリ化合物としては、苛性ソーダ、苛性カリ、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド、水酸化カルシウム等が挙げられ、中でもコストやハンドリング性の点で、苛性ソーダ、苛性カリが好ましい。アルカリ化合物は、単独で又は2種以上を任意に組合せて用いることができる。
水素合成手段の反応雰囲気は、一酸化炭素、炭酸ガス等の不純物の生成を防止するために、窒素ガス等の不活性ガス中で行われることが望ましい。
水素合成手段における反応温度は、特に限定されるものではないが、50〜200℃の範囲が好ましい。より好ましい反応温度は50〜150℃である。この範囲で反応させることにより、後段のメタノール合成反応の最適反応温度範囲と近くなることにより熱ロスの低減が可能となる。
また加熱手段は特に限定されるものではないが、マイクロ波照射により触媒を加熱して反応させることが、低エネルギーかつ水素発生効率を高める点より好ましい。マイクロ波を照射する場合、その出力は10W〜20kWの範囲とするのが好ましい。10W未満では水素発生量が少なくなり、20kWを超えるとマイクロ波の利用率が悪くなる。より好ましくは、65W〜5kWの範囲が望ましい。
マイクロ波の周波数は1〜300GHzの範囲とするのが好ましい。1GHz未満又は300GHzを超える周波数範囲では、触媒ならびにイソプロピルアルコールやイソプロピルアルコールアルコキサイドの加熱が不十分となる。より好ましくは、周波数1〜5GHzの範囲が望ましい。マイクロ波照射を行う場合、連続照射、間欠照射のいずれの方法を採用してもよい。照射時間及び照射停止時間は、反応触媒等に応じて適宜に決定することができる。
水素合成手段によって合成した水素は、公知の気体分離手段によって分離した後、濃縮工程等の任意工程を経て、メタノール合成手段2に導入することができる。一方、アセトンは、イソプロパノール中に溶解状態で存在するので、イソプロパノールとの沸点差(アセトン沸点:56.5℃、イソプロパノール沸点:82.4℃)を利用することで、公知の蒸留手段によって分離することができる。
(メタノール合成手段)
メタノール合成手段2では、水素合成手段1で得た水素とCOを、触媒存在下で加熱することにより、メタノールを合成する。通常、エタノール、メタン等を含むメタノールが合成される。
メタノール合成は、公知のメタノール合成触媒、例えば酸化銅−酸化亜鉛−アルミナ或いは酸化銅−酸化亜鉛−酸化クロム等を触媒に用いて行うことができる。
反応温度は、150〜300℃が好ましいが、これに限定されるものではない。反応圧力は常圧、加圧の何れでも良いが、通常、0.1MPa(常圧)〜30MPaである。
また加熱手段は特に限定されるものではないが、マイクロ波照射により触媒を加熱して反応させることが、メタノール転化率を高める点で好ましい。
また本発明におけるアルコール合成手段2では、本発明者が提案した方法、すなわち、COと水素を触媒に流通させながらマイクロ波を照射して触媒を加熱して活性化する方法(特開2006−169095号公報、特開2008−247778号公報等を参照)を適用することができる。
即ち、本発明のメタノール合成手段では、水素合成手段で発生させた水素を一旦貯留しておき、貯留した水素を用いてCOを還元し、メタノールを合成することができる。下記の式(化4)参照。従って、水素合成手段における水素発生量は、できるだけ多いことが望ましいと言える。
Figure 2014181163
メタノール合成手段2で生成したメタノールは、未反応ガスとメタノールに分離され、メタノールは反応生成物として取り出される。未反応ガスは、ガス圧縮手段等を介してメタノール合成手段に戻され、再度反応に供されることで、廃棄されるCO量を削減することができる。
本発明のメタノール合成手段2において、COと水素からメタノールを合成することで、水素は消費される。一方、イソプロパノール合成手段4において、生成したメタノールから合成されるイソプロパノールは、水素合成手段1で使用したイソプロパノールの1/3となるので、COを充分反応させてアセトンに固定化して循環させるためには、別途水素を供給する必要がある。
本発明においては、電気分解手段3を配し、電解液や水を電気分解することで、必要な水素を得ることができる。また、電気分解に必要な電力は太陽光発電や風力発電等で供給することより環境に配慮したシステムを構成することができる。
水素は、石炭やコークス等のガス化で得ることもできるが、石炭やコークスは有限の資源であることや、水素以外の生成ガス(CO、CO等)の処理にエネルギーを要すること等の観点より、効率的な炭素循環サイクルを構築することは困難である。
一方、電気分解手段3において、水を用いて水素を得た場合には酸素が副生するが、副生した酸素は、例えば、バイオマスをガス化する際のガス化剤として用いることで、有効に利用することができる。
(イソプロパノール合成手段)
イソプロパノール合成手段4は、メタノール合成手段2で得られたメタノールを、イソプロパノールに変換する。メタノールをイソプロパノールに変換する手段は、特に限定されるものではなく、例えば、微生物を利用してメタノールを資化する方法等を挙げることができる(特開昭60−70088号公報参照)。
以上のように、本発明の二酸化炭素還元システムでは、イソプロパノールから水素およびアセトンを合成し、合成した水素を用いてCOを還元してメタノールを合成することができる。得られたアセトンやメタノールは燃料として使用しても良い。
さらに本発明の二酸化炭素還元システムでは、メタノールをイソプロパノールに変換することにより、COをアセトンに固定化することとなり、100%炭素循環サイクルを可能にする。
本発明の二酸化炭素還元システムによれば、水の電気分解に比べ、より効率的なCOの固定化が可能となる。また、現行のアセトン製造法としては、ワッカー法(プロピレンの直接酸化法)、クメン法(プロピレンをベンゼンと反応させてクメンを得た後、クメンを酸化・分解してアセトンとフェノールを合成する方法)、IPA法(イソプロパノールを気化して脱水素反応させる方法)等があるが、CO固定化法で製造したアセトンは、IPA法の応用として、新たなアセトン供給源としても期待できる。
1 水素合成手段
2 メタノール合成手段
3 電気分解手段
4 イソプロパノール合成手段

Claims (4)

  1. イソプロパノールから触媒存在下で水素とアセトンを合成する水素合成手段と、
    少なくとも該水素合成手段で得られた水素と二酸化炭素を、触媒存在下で反応させてメタノールを合成するメタノール合成手段と、
    を有することを特徴とする二酸化炭素還元システム。
  2. イソプロパノールから触媒存在下で水素とアセトンを合成する水素合成手段と、
    少なくとも該水素合成手段で得られた水素と二酸化炭素を、触媒存在下で反応させてメタノールを合成するメタノール合成手段と、を有し、
    前記メタノールをイソプロパノールへ変換するイソプロパノール合成手段を設け、水素合成手段に供給するイソプロパノールを再生させることで、炭素循環サイクルを構築し、二酸化炭素をアセトンに固定化することを特徴とする二酸化炭素還元システム。
  3. 水の電気分解手段をさらに有し、該電気分解手段で得られた水素と水素合成手段で得られた水素を、メタノール合成手段に導入して二酸化炭素と反応させる、請求項1又は2に記載の二酸化炭素還元システム。
  4. 水素合成手段及びメタノール合成手段において、触媒にマイクロ波を照射する、請求項1又は2に記載の二酸化炭素還元システム。
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