JP2014180819A - 半導体素子用基板およびその製造方法 - Google Patents

半導体素子用基板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱限界の向上、熱収縮の低減、カールの抑制、表面性の向上、および脱ガスの抑制を実現できる半導体素子用基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体素子用基板は、有機高分子で構成された基材の少なくとも両面にアルカリケイ酸塩層が形成されている。基材とアルカリケイ酸塩層と間に有機ケイ素化合物層が設けられていてもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機高分子で構成された基材の少なくとも両面にアルカリケイ酸塩層が形成された半導体素子用基板およびその製造方法に関し、特に、耐熱限界、熱収縮性、カール、表面性および脱ガス等の問題が改善された半導体素子用基板およびその製造方法に関する。
現在、電子機器の高性能化・高機能化・小型化・軽量化に伴って、太陽電池、フレキシブル有機EL素子デバイスにも小型化、薄型化、軽量化、およびフレキシブル化が求められている。
フレキシブルエレクトロニクス向けに、金属基板が用いられているが、絶縁性がない、高価であること、および不透明である等の問題がある。また、Corning WillowTM Glass等の極薄ガラス板が開発されているが、割れたり、高価である等の問題がある。
これ以外には、ポリイミド等の高分子基板が用いられる場合があるが、耐熱限界および熱収縮性が十分とは言えず、更にはカールの発生、表面性および脱ガス等の問題がある。
一般的に、無機物は耐熱性が高いため、有機物の耐熱性を向上させるために有機−無機複合材料を形成する手法がしばしば用いられる(特許文献1、2参照)。
特許文献1には、プラスチックフィルムの少なくとも一方の面に、パーヒドロポリシラザンとアルコキシシランを含有する層を改質処理したケイ素化合物層を有するバリアフィルムが開示されており、バリアフィルムを有機光電変換素子用樹脂基材として用いることができると記されている。特許文献1に開示の基材は、バリアフィルムである。
また、特許文献2には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド等のプラスチック材料からなるプラスチックフィルムを基材とし、ポリシラザンを含む塗膜を基材の片面に形成し、塗膜をセラミックス化処理して実質的にSiOからなるセラミックス膜を形成する方法が開示されている。
特開2011−68042号公報 特開平10−279362号公報
しかしながら、特許文献1に開示の基材はバリアフィルムであり、ガスの透過を防止するというバリアフィルムそのものの目的からして、無機物層をプラスチックフィルムの片面にのみ形成するものである。このような基材は対称構造ではないため、加熱によってプラスチックフィルムが熱膨張し、その後熱収縮することにより、基材全体に反り等が発生し、半導体素子の破壊、および基材と基材間の剥離等の問題が起こる。また、プラスチックフィルムの無機層が形成されていない面は、プラスチックフィルムが露出するため、耐熱性は必ずしも良好とは言えない。また、基材が加熱された場合、プラスチックフィルムの露出部分から水分およびガス等が発生する虞もあり、脱ガス性に難点がある。さらには、プラスチックフィルムの露出部分は、大気に曝される等により異物が発生する虞があり、表面性も十分であるとは言えない。
また、特許文献2もSiOからなるセラミックス膜をプラスチックフィルムの片面のみに形成するものである。このため、特許文献1と同様に、対称構造ではないことにより、反り等が発生し、半導体素子の破壊、基材と基材間の剥離等の問題が起こる。さらには、特許文献2も、特許文献1と同様の構成であるため、耐熱性、脱ガス性および表面性が十分なものではない。
本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、耐熱限界の向上、熱収縮の低減、カールの抑制、表面性の向上、および脱ガスの抑制を実現できる半導体素子用基板およびその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、有機高分子で構成された基材と、基材の少なくとも両面に形成されたアルカリケイ酸塩層とを有することを特徴とする半導体素子用基板を提供するものである。
例えば、アルカリケイ酸塩層は、液相法で形成されたものである。
また、基材の各面に形成されたアルカリケイ酸塩層は、厚さが同等であることが好ましく、アルカリケイ酸塩層は、厚さが2μm以下であることが好ましい。
また、アルカリケイ酸塩層は、ケイ素とアルカリ金属を含有し、アルカリ金属がナトリウム、リチウムおよびカリウムのうち、少なくとも1種を含むものであることが好ましい。この場合、アルカリ金属がリチウムまたはカリウムと、ナトリウムとの2種を含むものが好ましい。
さらに、基材とアルカリケイ酸塩層と間に、それぞれに接する有機ケイ素化合物層を有することが好ましい。例えば、有機ケイ素化合物層は、液相法により形成されたものである。また、例えば、有機ケイ素化合物層は、有機アルコキシシランの加水分解・縮合反応により得られる化合物からなるものである。
有機ケイ素化合物層は、厚さが1μm以下であることが好ましい。
また、アルカリケイ酸塩層は、密度が2.4g/cm以下であることが好ましい。
アルカリケイ酸塩層は、ホウ素を含むことが好ましい。なお、アルカリケイ酸塩層は、ケイ素に対するホウ素のモル比が0.15以下であることが好ましい。
基材の少なくとも両面に、液相法によりアルカリケイ酸塩層を形成する第1の形成工程を有することを特徴とする半導体素子用基板の製造方法を提供するものである。
第1の形成工程は、基材の少なくとも両面にアルカリケイ酸塩層用の塗布液を塗布する塗布工程と、塗布液に対して熱処理を施す熱処理工程とを有することが好ましい。
塗布工程の前に、基材の少なくとも両面に有機ケイ素化合物層を形成する第2の工程を有し、塗布工程は、各有機ケイ素化合物層の表面に、アルカリケイ酸塩層用の塗布液を塗布する工程であることが好ましい。
例えば、第2の工程は、液相法により有機ケイ素化合物層を形成する工程である。また、例えば、第2の工程は、有機アルコキシシランの加水分解・縮合反応により有機ケイ素化合物層を形成する工程である。
本発明によれば、有機高分子で構成された基材の少なくとも両面にアルカリケイ酸塩層を形成することによって、基板の反りを抑制しつつ、耐熱性の向上を図ることができる。これにより、耐熱限界の向上、熱収縮の低減、およびカールの抑制を実現することができる。さらには、基材の表面および裏面が露出することがないため、表面性の向上および脱ガスの抑制も実現することができる。
(a)は、本発明の実施形態の半導体素子用基板の第1の例を示す模式図であり、(b)は、本発明の実施形態の半導体素子用基板の第2の例を示す模式図である。 (a)は、本発明の実施形態の半導体素子用基板の第3の例を示す模式的断面図であり、(b)は、本発明の実施形態の半導体素子用基板の第4の例を示す模式的断面図である。 (a)は、本発明の実施形態の半導体素子用基板の製造方法の一例を工程順に示すフローチャートであり、(b)は、本発明の実施形態の半導体素子用基板の製造方法の他の例を工程順に示すフローチャートである。 図1(a)に示す半導体素子用基板を用いた化合物半導体系の光電変換素子を示す模式的断面図である。 図1(a)に示す半導体素子用基板を用いた有機電子デバイスを示す模式的断面図である。 図1(a)に示す半導体素子用基板を用いた有機EL素子を示す模式的断面図である。 熱収縮開始温度、熱膨張係数および熱収縮率を説明するためのグラフである。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の半導体素子用基板およびその製造方法を詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の実施形態の半導体素子用基板の第1の例を示す模式図であり、(b)は、本発明の実施形態の半導体素子用基板の第2の例を示す模式図である。図2(a)は、本発明の実施形態の半導体素子用基板の第3の例を示す模式的断面図であり、(b)は、本発明の実施形態の半導体素子用基板の第4の例を示す模式的断面図である。
図1(a)に示す半導体素子用基板(以下、単に基板ともいう)10は、基材12の両面、すなわち、表面12aと裏面12bに、それぞれアルカリケイ酸塩層14が形成されている。例えば、アルカリケイ酸塩層14の表面14aに半導体素子が形成される。
基板10では、アルカリケイ酸塩層14は、その厚さtが基材12の表面12a側、裏面12b側のいずれに形成されたものであって同等であることが好ましい。各面のアルカリケイ酸塩層14の厚さtを同等とすることにより、基板10が対称構成となり、加熱された場合等でも基板10の反りの発生がより抑制される。
基材12は、基板10の芯材として機能するものである。基材12は、有機高分子で構成される。基材12は、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレンン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルホン(PSF)、ポリエステルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフィン、またはポリイミド(PI)等で構成することができる。
アルカリケイ酸塩層14は、絶縁層として機能するものである。また、アルカリケイ酸塩層14は、熱収縮等により生じる基板10の反りの発生を抑制し、耐熱限界を向上させる、これにより、カールの発生が抑制される。また、アルカリケイ酸塩層14は、表面性を向上させ、脱ガスを抑制するものである。
アルカリケイ酸塩層14は、密度が2.4g/cm以下であることが好ましい。密度が2.4g/cmを超えると、アルカリケイ酸塩層が緻密になりすぎ、剛性が高くなって、フレキシブル基板として用いる場合の曲げ応力、熱応力を原因とするクラックが入りやすくなることがある。
溶融法等で形成されるケイ酸塩ガラスの密度は2.5g/cmを超える場合が多いが、本発明のアルカリケイ酸塩層14は比較的低密度である。
後にアルカリケイ酸塩層14の形成方法を詳細に説明するが、アルカリケイ酸塩層14を形成する際に、乾燥のみでは密度が2.2g/cmである。しかし、加熱処理をすることにより、アルカリケイ酸塩層14に含まれる水分が脱水し、密度が2.4g/cmまで増大することを確認している。また、加熱温度が200℃以上では、アルカリケイ酸塩層14の密度は殆ど変化しなかった。このことから、熱処理温度が200℃程度であれば、アルカリケイ酸塩層14の安定性が確保されるものと推定される。
アルカリケイ酸塩層14は、例えば、ケイ素と、アルカリ金属を含有するものである。このアルカリケイ酸塩層14は、例えば、液相法によって形成される。
アルカリ金属は、ナトリウム、リチウムおよびカリウムのうち、少なくとも1種を含むものであることが好ましく、リチウムとナトリウム、またはカリウムとナトリウムのように、ナトリウムと、リチウムまたはカリウムの2種を含むことがより好ましい。このようにナトリウムとリチウムまたはカリウムを併用することによりアルカリケイ酸塩層14の絶縁性をより高くすることができ、アルカリケイ酸塩層14の上に形成される機能層の特性を安定的に保持することができる。
アルカリケイ酸塩層14のケイ素に対するリチウムまたはカリウムのモル比は0.001以上1以下であることが好ましく、より好ましくは0.01以上1以下、さらに好ましくは0.02以上1以下、特に好ましくは0.05以上0.5以下である。ケイ素はアルカリケイ酸塩層14に含まれる全ケイ素(ケイ酸ナトリウム由来のケイ素も含む)であり、ケイ酸リチウムとケイ酸カリウムの両方を含む場合には、ケイ酸リチウム由来、ケイ酸カリウム由来、およびケイ酸ナトリウム由来のケイ素に対するリチウムとカリウムの和のモル比を意味する。ケイ素に対するリチウムまたはカリウムのモル比が1よりも大きくなるとリチウムまたはカリウムが多くなりすぎて、ケイ酸塩として固化しにくくなる。一方、ケイ素に対するリチウムまたはカリウムのモル比が0.001未満では、リチウムまたはカリウムが少なすぎて添加効果が得られず、半導体素子として、例えば、光電変換素子を形成した場合、光電変換効率が高くならない。
アルカリケイ酸塩層14に含まれる全ケイ素に対するリチウムまたはカリウムのモル比と、アルカリケイ酸塩層14に含まれる全ケイ素に対するナトリウムのモル比との和は1以下であることが好ましく、より好ましくは0.8以下であることが望ましい。リチウムまたはカリウムが含まれないとアルカリケイ酸塩層14の絶縁性が低くなる。これはナトリウムの吸水性が高いためであると推定される。一方、リチウムまたはカリウムだけでは、半導体素子として、例えば、光電変換素子を形成した場合、光電変換効率を上げることはできない。また、ケイ素に対するリチウムまたはカリウムのモル比と、ケイ素に対するナトリウムのモル比との和が1より大きくなると、ケイ酸塩として固化しにくく、またケイ素の量が少ないために基板との密着性が低下する。
アルカリケイ酸塩層14は、ホウ素を含むことが好ましい。
塗布法により形成するアルカリケイ酸塩層14においては、経時によりアルカリケイ酸塩層14に微小な析出物発生が起こる場合があり、アルカリケイ酸塩層14の劣化を招くことがある。また、この劣化に起因して充分な耐水性が確保できない上、アルカリケイ酸塩層14の表面14aに形成される機能層との副反応が起こってしまう場合があり、上部のデバイス層に欠陥が導入され、デバイス特性の低下となることがある。
ホウ素の添加により、塗布法により形成するアルカリケイ酸塩層14の微小な析出物発生を抑制するとともに、耐水性を確保することでアルカリケイ酸塩層14の上に形成される機能層との副反応を抑えて、基板10上に形成されるデバイスの特性を安定的に保持することが可能になる。
ホウ素は,ケイ素−酸素からなるガラスネットワークに取り込まれて均一なガラスを形成する。これによって、ガラスのミクロな構造が変化し、ガラス中でのアルカリ金属イオンの安定性が向上するために、アルカリ金属イオンの遊離が抑制され、アルカリ金属イオンの表面への偏析が起こらなくなるものと推定される。従って、アルカリケイ酸塩層14は、ホウ素と、ケイ素と、アルカリ金属が単一層として形成されることが好ましく、例えば、アルカリケイ酸塩層14の表面にホウ素を含む層が形成されているようなものは含まない。
なお、アルカリケイ酸塩層14にアルカリ土類金属が含まれると、沈殿を形成しやすく、アルカリケイ酸塩層14形成時の塗布液の安定性が悪くなる。従って、アルカリケイ酸塩層14は、アルカリ土類金属は含まないことが好ましい。
アルカリケイ酸塩層14に含まれるケイ素に対するホウ素のモル比は、0.001以上0.15以下が好ましく、0.002以上0.10以下がより好ましく、0.005以上0.08以下がさらに好ましく、0.01以上0.05以下が特に好ましい。0.001未満では、ホウ素が実質的に含まれないことになり、アルカリケイ酸塩層14の表面に異物が析出しやすくなる他、絶縁性が低くなったり、一般的に裏面電極に用いられているモリブデンを成膜した際に異物を形成しやすくなったりするため、発電効率が低くなる。一方、ホウ素のモル比が0.15より大きくなると、添加したホウ素分がケイ酸Na分と混合しづらくなるため好ましくない。
ケイ素源およびアルカリ金属源としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸カリウムが好ましく挙げられる。ケイ酸ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸カリウムの製法は、湿式法、乾式法等が知られており、酸化ケイ素を、それぞれ水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムで溶解する等の手法によって作製することができる。また、種々のモル比のアルカリ金属ケイ酸塩が市販されており、これを利用することもできる。
ケイ酸ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸カリウムとしては、種々のモル比のケイ酸ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸カリウムが市販されている。ケイ素とアルカリ金属の割合を示す指標として、SiO/AO(A:アルカリ金属)のモル比がしばしば用いられている。例えば、ケイ酸リチウムとしては、日産化学工業株式会社のリチウムシリケート35、リチウムシリケート45、リチウムシリケート75等がある。ケイ酸カリウムとしては、1号ケイ酸カリウム、2号ケイ酸カリウム等が市販されている。
ケイ酸ナトリウムとしては、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、1号ケイ酸ナトリウム、2号ケイ酸ナトリウム、3号ケイ酸ナトリウム、4号ケイ酸ナトリウム等が知られ、ケイ素のモル比を数十まで高めた高モルケイ酸ナトリウムも市販されている。
アルカリ金属として、ナトリウムと、リチウムまたはカリウムの2種を含む場合には、ケイ酸ナトリウムとケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウムとケイ酸カリウムのように2種を供給源として用いてもよいし、例えば、アルカリケイ酸塩層14がケイ酸リチウムとケイ酸ナトリウムを含む場合には、ケイ酸リチウムと水酸化ナトリウムあるいは、水酸化リチウムとケイ酸ナトリウムとを、アルカリケイ酸塩層14がケイ酸カリウムとケイ酸ナトリウムを含む場合には、水酸化カリウムとケイ酸ナトリウム、またはケイ酸カリウムと水酸化ナトリウムとを、それぞれ水と任意の比率で混合することによっても、ケイ酸リチウムとケイ酸ナトリウムまたはケイ酸カリウムとケイ酸ナトリウムを含むアルカリケイ酸塩層14を作製することができる。また、供給源として、それぞれ、リチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩を添加してもよい。例えば、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、リン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物等が用いられる。
ホウ素源としては、ホウ酸、四ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩が挙げられる。
上述のケイ酸ナトリウム、ケイ酸リチウムまたはケイ酸カリウムと、ホウ素源を、それぞれ水と任意の比率で混合することにより、アルカリケイ酸塩層14の塗布液を得ることができる。水の添加量を変更することにより塗布液の粘度を調整し、適切な塗布条件を定めることができる。塗布液を基材12の両面に塗布する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、ドクターブレード法、ワイヤーバー法、グラビア法、スプレー法、ディップコート法、スピンコート法、およびキャピラリーコート法等の手法を用いることができる。
塗布液を基材12上に塗布して塗布膜を形成した後、熱処理を行うことによりアルカリケイ酸塩層14を作製することができる。熱重量分析、および昇温脱ガス分析の手法を用いて発明者らが脱水温度を測定したところ、脱水は200℃〜300℃程度で起こることがわかった。200℃よりも低温では、塗布液を十分に乾燥させることができず、耐水性の高いアルカリケイ酸塩層が形成されないため、好ましくない。
一方、塗布液を基材12上に塗布した後の熱処理温度の上限温度は、基材12の耐熱温度によって定められる。基材12の耐熱性、製造適性の観点からは、熱処理温度はより低温ほどよいが、ホウ素を添加することによって、低温での熱処理であっても、経時劣化を抑制することができる。
熱処理後のアルカリケイ酸塩層14の厚さは0.01〜2μm、好ましくは0.05〜1.5μm、さらには0.1〜1μmであることが好ましい。アルカリケイ酸塩層14の厚さが2μmよりも厚くなると、熱処理時のアルカリケイ酸塩層14の収縮量が大きくなってクラックが発生しやすくなるため、好ましくない。
ここで、アルカリケイ酸塩層14は、乾燥による水分の蒸発、およびその後の熱処理によってケイ酸塩に含まれる水分・水酸基の脱水に伴い、収縮が起こる。このため、基材12とアルカリケイ酸塩層14の相互作用が低くなり、基材12からアルカリケイ酸塩層14の剥離が生じやすくなる場合がある。
そこで、図1(b)に示す基板10aのように、密着層として基材12とアルカリケイ酸塩層14の間に、有機ケイ素化合物層16を有することが好ましい。なお、図1(b)に示す基板10aにおいて、図1(a)に示す基板10と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図1(b)に示す基板10aでは、基材12の表面12aと裏面12b、それぞれに有機ケイ素化合物層16を形成し、この有機ケイ素化合物層16の表面16aにアルカリケイ酸塩層14を形成している。これにより、基材12とアルカリケイ酸塩層14との親和性が高くなるため密着性が高く、剥離を抑制することが可能である。基板10aを用いた半導体素子は、歩留まりが高く、特性の優れた素子とすることができる。基板10aでも、半導体素子は、例えば、アルカリケイ酸塩層14の表面14aに形成される。
基材12と有機ケイ素化合物層16間には主に分子間力が働き、有機ケイ素化合物層16とアルカリケイ酸塩層14間には、主に化学結合、例えば、シロキサン結合が形成されて密着性が確保される。また、有機ケイ素化合物の有機官能基が導入されているため、シリカ材料等の無機結合のみからなる材料と比べて、弾性率が低いという特徴がある。このため、曲げに対する耐性が高く、基板のフレキシブル性を活かした部材としての用途が期待できる。
有機ケイ素化合物層16は、炭素−ケイ素結合を持つ有機化合物の層であり、液相法により形成されたものであることが好ましい。有機ケイ素化合物としては、変性シリコーン、シリコーンレジン、アルコキシシラン化合物、クロロシラン化合物、およびシラザン化合物等を挙げることができ、密着層の効果を長期に亘って確保する観点からは、アルカリケイ酸塩層14との結合性が高いクロロシラン化合物、およびアルコキシシラン化合物が好ましい。
クロロシラン化合物としては、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、トリフロロプロピルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン等を好ましく挙げることができる。
アルコキシシラン(出発物質となるモノマー)は、アルコキシ基を4個有するテトラアルコキシシラン、アルコキシ基を3個有するトリアルコキシシラン、アルコキシ基を2個有するジアルコキシシラン、アルコキシ基を1個有するモノアルコキシシランを用いることができる。これらのアルコキシ基の種類は特に制限されないが、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等、アルコキシ基中の炭素原子の数が比較的少ないもの(炭素数として1〜4程度のもの)が反応性の点から有利である。また、トリアルコキシシランやジアルコキシシランを用いる場合は、アルコキシシラン中のケイ素原子には有機基、水酸基等が結合していてもよく、有機基はエポキシ基、アミノ基、メルカプト基、ビニル基、等の官能基をさらに有していてもよい。
テトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、およびジメトキシジエトキシシラン等が好ましく挙げられる。
トリアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、シアノプロピルトリメトキシシラン、3−ブロモプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、3−イオドプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシ[2−(7−オキサビシクロ[4,1,0]ヘプト−3−イル)エチル]シラン、1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレア、N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アニリン、トリメトキシ[3−フェニルアミノプロピル]シラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシ[2−フェニルエチル]シラン、トリメトキシ(7−オクテン−1−イル)シラン、トリメトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、3−[2−(2−アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン、[3−(2−アミノエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(3−メチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、およびトリメトキシ(3−メチルアミノ)プロピルシラン等が好ましく挙げられる。
メチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、(1−ナフチル)トリエトキシシラン、[2−(シクロヘキセニル)エチル]トリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]プロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、4−クロロフェニルトリエトキシシラン、(ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−イル)トリエトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、ペンタフルオロフェニルトリエトキシシラン、3−(トリエトキシシリル)プロピオニトリル、3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート、ビス[3−トリエトキシシリルプロピル]テトラスルフィド、トリエトキシ(3−イソシアナトプロピル)シラン、トリエトキシ(3−チオイソシアナトプロピル)シラン等が好ましく挙げられる。
ジアルコキシシランとしては、ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン等が好ましく挙げられる。
このようなアルコキシシランは、単独で用いることもできるが2種類以上を組み合わせて用いることも可能である。また、上述のアルコキシ基を2〜4個有するアルコキシシランは、アルコキシ基を1個有するモノアルコキシシランと組み合わせて使用することも可能である。このようにして用いることのできるモノアルコキシシランとしては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、3−クロロプロピルジメチルメトキシシラン等が挙げられる。
アルコキシシランは、基材12(高分子基板)との相互作用を有する官能基とシロキサン結合を形成させるとことができるという観点から、モノアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシランから選択されることが好ましく、好ましくはアルコキシ基を3個有するトリアルコキシシラン、とりわけオルガノトリアルコキシシランであることが好ましい。
上記オルガノアルコキシシランは、化学式Si(R(OR4−mで表され、mは1〜3の整数であり、RおよびRは炭素数1以上の有機基であるが、Rは炭素数1〜8であってN、O、S等の異元素を含んでもよい有機基であることが好ましく、Rは炭素数1〜8の有機基であることが好ましい。有機基(−R)としては、−CH、−C、−C、−C、−CHOCH−、−CH=CH、−C、−CF、−C、−C、−C、−CHCHCF、−CHCH13、−CHCH17、−CNH、−CNHCNH、−COCHCHOCH、−COCOC(CH)=CH等を挙げることができ、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、ビニル基等がより好ましい。
アルコキシ基(−OR)は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が好ましく、アルコキシ基中の炭素原子の数が比較的少ないもの(炭素数として1〜4程度のもの)が反応性の点から有利である。なお、有機基およびアルコキシ基は、それぞれ同一分子内で複数存在する場合、異なる基であってもよい。
有機ケイ素化合物層16は、例えば、以下のようにして形成することができる。まず、有機ケイ素化合物層16用の塗布液を準備する。なお、ここでは有機ケイ素化合物としてアルコキシシランを例にとって説明する。塗布液はアルコキシシランと溶剤とを混合することで調整する。溶剤としては、例えば、水、エタノール、メタノール等を用いることができる。また、これらにイソプロピルアルコールまたはメチルエチルケトン等を混合した混合溶剤を使用することもできる。
なお、塗布液は、無機物を主成分とするマトリックスの前駆体、無機物の中空粒子、および溶剤以外にも、各種酸(例えば、塩酸、酢酸、硫酸、硝酸、リン酸、等)、各種塩基(例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等)、硬化剤(例えば、金属キレート化合物等)、粘度調整剤(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等)等、その他の成分を含有していてもよい。
上述のように準備した塗布液を基材12上に塗布して塗布膜を形成する。塗布液を基材12上に塗布する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、ドクターブレード法、ワイヤーバー法、グラビア法、スプレー法、ディップコート法、スピンコート法、キャピラリーコート法等の手法を用いることができる。
続いて、塗布膜中のアルコキシシランを加水分解・縮合反応させる加熱を行う。ゾル−ゲル反応によるアルコキシシランの加水分解・縮合反応が進行すると、アルコキシシラン類の縮合物が徐々に高分子量化する。加熱温度は50℃〜200℃が好ましく、反応時間は5分間〜1時間であることが好ましい。加熱温度が200℃を超えるとアルコキシシラン類の縮合物に空隙が生じてしまう。
形成後の有機ケイ素化合物層16の厚さは、1μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることがより好ましく、さらには0.2μm以下であることが特に好ましい。有機ケイ素化合物層16が1μmよりも厚くなるとクラックが入りやすくなり、密着性が低下する。なお、有機ケイ素化合物層16の厚さがあまりに薄すぎると、基材12とアルカリケイ酸塩層14との親和性を高くする効果が低減するため、下限値としては0.001μm以上であることが好ましく、0.01μm以上であることがより好ましい。
基板10aでは、アルカリケイ酸塩層14の厚さtはもちろんのこと、有機ケイ素化合物層16は、その厚さtが基材12の表面12a側、裏面12b側のいずれに形成されたものであって同等であることが好ましい。有機ケイ素化合物層16の厚さtを同等とすることにより、基板10aの対称性が良好なものとなり、加熱された場合等でも基板10aの反りの発生が抑制される。
上述の基板10は、基材12の両面にアルカリケイ酸塩層14が形成されたものであり、基板10aは、基材12の両面に有機ケイ素化合物層16が形成され、この有機ケイ素化合物層16の表面16aにアルカリケイ酸塩層14が形成されたものであるが、これに限定されるものではない。例えば、図2(a)に示す基板10bのように、基材12の周囲12cにアルカリケイ酸塩層14が形成された構成でもよい。この場合においても、図2(b)に示す基板10cのように、基材12の周囲12cに有機ケイ素化合物層16が形成され、この有機ケイ素化合物層16の周面16cの全面にアルカリケイ酸塩層14が形成された構成でもよい。
なお、図2(a)、(b)において、図1(a)、(b)に示す基板10、基板10aと同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。図2(a)、(b)に示す基板10b、10cにおいても、アルカリケイ酸塩層14の表面14aに半導体素子が形成される。
基板10bでも、アルカリケイ酸塩層14は、基材12の表面12a側、裏面12b側のいずれの厚さtも同等であることが好ましい。両面の厚さtを同等とすることにより、基板10bの対称性が良好なものとなり、加熱された場合等でも基板10bの反りの発生が抑制される。
また、基板10cでも、アルカリケイ酸塩層14の厚さtはもちろんのこと、有機ケイ素化合物層16は、基材12の表面12a側、裏面12b側のいずれの厚さtも同等であることが好ましい。両面の厚さtを同等とすることにより、基板10cの対称性が良好なものとなり、加熱された場合等でも基板10cの反りの発生が抑制される。
次に、本実施形態の基板の製造方法について説明する。
図3(a)は、本発明の実施形態の半導体素子用基板の製造方法の一例を工程順に示すフローチャートであり、(b)は、本発明の実施形態の半導体素子用基板の製造方法の他の例を工程順に示すフローチャートである。
はじめに、図1(a)に示す基板10の製造方法について説明する。
図3(a)に示すように、まず、所定の大きさの基材12を用意する(ステップS10)。
次に、上述のケイ酸ナトリウム、ケイ酸リチウムまたはケイ酸カリウムと、ホウ素源を、それぞれ水と任意の比率で混合することにより、アルカリケイ酸塩層14用の塗布液を作製する。なお、塗布液作成時に、上述のように水の添加量を変更することにより塗布液の粘度を調整し、適切な塗布条件を定める。
次に、例えば、ディップコート法を用いて、上述のアルカリケイ酸塩層14用の塗布液を基材12の両面に塗布し、アルカリケイ酸塩層14となる塗布膜を形成する(ステップS12)。そして、この塗布膜に熱処理を施す。これにより、アルカリケイ酸塩層14が形成される(ステップS14)。このようにして、図1(a)に示す基板10を製造することができる。
なお、ステップS12において、基材12の周囲12cにアルカリケイ酸塩層14用の塗布液を塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜に熱処理を施すことにより、図2(a)に示す基板10bを製造することができる。
基板10および基板10bの製造工程において、ステップS14の熱処理を行うことなく、塗布膜を形成した後、自然乾燥させてアルカリケイ酸塩層14を形成することもできる。
次に、図1(b)に示す基板10aの製造方法について説明する。
図3(b)に示すように、まず、所定の大きさの基材12を用意する(ステップS20)。
次に、上述の有機ケイ素化合物層16用の塗布液を用意する。上述のように塗布液はアルコキシシランと溶剤とを混合することで調整する。
次に、例えば、ディップコート法を用いて、上述の有機ケイ素化合物層16用の塗布液を基材12の両面に塗布し、有機ケイ素化合物層16となる塗布膜を形成する(ステップS22)。そして、この塗布膜中のアルコキシシランを加水分解・縮合反応させる加熱を行う。これにより、有機ケイ素化合物層16が形成される(ステップS24)。
次に、上述のケイ酸ナトリウム、ケイ酸リチウムまたはケイ酸カリウムと、ホウ素源を、それぞれ水と任意の比率で混合することにより、アルカリケイ酸塩層14用の塗布液を作製する。なお、塗布液作成時に、水の添加量を変更することにより塗布液の粘度を調整し、適切な塗布条件を定める。
そして、例えば、ディップコート法を用いて、上述のアルカリケイ酸塩層14用の塗布液を有機ケイ素化合物層16の各表面16aに塗布し、アルカリケイ酸塩層14となる塗膜を形成する(ステップS26)。そして、この塗布膜に熱処理を施す。これにより、アルカリケイ酸塩層14が形成される(ステップS28)。このようにして、図1(b)に示す基板10aを製造することができる。
なお、ステップS22において、基材12の周囲12cに有機ケイ素化合物層16用の塗布液を塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜に熱処理を施すことにより、基材12の周面12cに有機ケイ素化合物層16が形成される。そして、有機ケイ素化合物層16の周面16c全面にアルカリケイ酸塩層14用の塗布液を塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜に熱処理を施すことにより、有機ケイ素化合物層16の周面16cにアルカリケイ酸塩層14が形成される。このようにして、図2(b)に示す基板10cを製造することができる。
なお、ステップS22において、基材12の両面を表面処理、例えば、UV−オゾン処理した後、上記有機ケイ素化合物層16用の塗布液を塗布して有機ケイ素化合物層16となる塗布膜を形成してもよい。そして、ステップS24において、その有機ケイ素化合物層16となる塗布膜を所定の温度に加熱して乾燥させて溶媒を除去する。その後、塗布膜を所定の温度に加熱し、縮合反応により硬化させる。このようにして有機ケイ素化合物層16を形成することもできる。
さらには、基板10aおよび基板10cの製造工程において、ステップS28の熱処理を行うことなく、塗布膜を形成した後、自然乾燥させてアルカリケイ酸塩層14を形成することもできる。
なお、上述のいずれの基板の製造方法においても、基材を1枚ずつ用いる枚葉方式、および長尺の基材を用いるロールツーロール方式を用いることができる。
本発明の半導体素子用基板は、半導体装置の基板として用いることができる。詳細には電気エネルギーを光に変換する発光ダイオードおよび半導体レーザといった半導体素子、逆に光を電気エネルギーに変換する素子であるフォトダイオードおよび太陽電池といった光電変換素子、抵抗、トランジスタ、ダイオードおよびコイル等の電子素子を備える電子回路、LED、有機EL素子等の発光素子の基板として用いることができる。
以下、本実施形態の半導体素子用基板を用いた半導体装置として、化合物半導体系の光電変換素子、有機電子デバイスおよび有機EL素子の具体例について詳細に説明する。有機電子デバイスとは、有機光電変換素子からなる太陽電池のことである。なお、半導体素子、電子回路の構成は、以下に説明する太陽電池の光電変換素子部分、有機EL素子の発光素子部分が各種の半導体素子、または電子回路に変わったものであり、その構成および製造方法は公知であるため説明を省略する。
[光電変換素子]
次に、本発明の半導体素子用基板を用いた化合物半導体系の光電変換素子について説明する。
図4は、図1(a)に示す半導体素子用基板を用いた化合物半導体系の光電変換素子を示す模式的断面図である。
図4に示す光電変換素子30においては、基板10を用いるが、これに限定されるものではなく、図1(b)に示す基板10a、図2(a)に示す基板10b、図2(b)に示す基板10cを用いることができることは言うまでもない。
図4に示す光電変換素子30は、基板10のアルカリケイ酸塩層14の表面14aに形成された裏面電極32と、裏面電極32上に形成された光電変換層34と、この光電変換層34上に形成されたバッファ層36と、このバッファ層36上に形成された透明電極38と、裏面電極32上および透明電極38上に形成された上部電極40とを有する。
裏面電極32は、例えば、Mo、Cr、またはW、およびこれらを組合わせたものにより構成される。この裏面電極32は、単層構造でもよいし、2層構造等の積層構造でもよい。裏面電極32は、Moで構成することが好ましい。裏面電極32の膜厚は、200〜1000nm程度が好ましい。
光電変換層34は、化合物半導体系光電変換半導体層であり、主成分としては特に限定されるものではない。なお、主成分とは20質量%以上の成分を意味する。
光電変換層34は、高光電変換効率が得られることから、例えば、カルコゲン化合物半導体、カルコパイライト構造の化合物半導体および欠陥スタナイト型構造の化合物半導体が用いられる。光電変換層34の膜厚は、好ましくは1.0〜3.0μmであり、1.5〜2.0μmが特に好ましい。
カルコゲン化合物(S、Se、Teを含む化合物)半導体としては、II−VI化合物:ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe等、I−III−VI族化合物:CuInSe、CuGaSe、Cu(In,Ga)Se、CuInS、CuGaSe、Cu(In,Ga)(S,Se)等、I−III−VI族化合物:CulnSe、CuGaSe、Cu(ln,Ga)Se等を好ましく挙げることができる。
カルコパイライト型構造および欠陥スタナイト型構造の化合物半導体としては、I−III−VI族化合物:CuInSe、CuGaSe、Cu(In,Ga)Se、CuInS、CuGaSe、Cu(In,Ga)(S,Se)等、I−III−VI族化合物:CuInSe、CuGaSe、Cu(In,Ga)Se等を好ましく挙げることができる。なお、上記(In,Ga)、(S,Se)は、それぞれ(In1−xGa)、(S1−ySe)(ただし、x=0〜1、y=0〜1)を示す。
光電変換層34の形成方法は、特に制限されるものではない。例えば、Cu,In,(Ga),Sを含むCI(G)S系の光電変換層34の形成には、セレン化法および多元蒸着法等の公知の方法を用いることができる。
バッファ層36は、具体的には、CdS、ZnS,Zn(S,O)および/またはZn(S,O,OH)、SnS,Sn(S,O)および/またはSn(S,O,OH)、InS,In(S,O)および/またはIn(S,O,OH)等の、Cd,Zn,Sn,Inからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む金属硫化物を含むことが好ましい。バッファ層36の膜厚は、10nm〜2μmが好ましく、15〜200nmがより好ましい。
透明電極38は、光を光電変換層34に取り込むと共に、裏面電極32と対になって、光電変換層34で生成された電流が流れる電極として機能するものである。透明電極38は、公知の組成で構成することができるが、ZnO:Al等のn−ZnO等で構成することが好ましい。透明電極38の膜厚は、例えば、50nm〜2μmである。
上部電極40は、光電変換素子30がセルの場合に、光電変換層34で発生した電流を透明電極38から取り出すための電極である。このため、上部電極40は、設けられていなくてもよい。
上部電極40は、例えば、アルミニウムより構成されるものである。上部電極40は、例えば、スパッタ法、蒸着法、CVD法等によって形成される。上部電極40のことをグリッド電極ともいう。
なお、光電変換素子30は、化合物半導体系太陽電池を構成するものである。光電変換素子30に対して必要に応じて、カバーガラスおよび保護フィルム等を取り付けて、化合物半導体系太陽電池とすることができる。
アルカリケイ酸塩層14がホウ素を含有することによって、光電変換素子30の光電変換層34をCI(G)S系の化合物半導体を用いた場合、発電効率を向上させる効果が得られる。この効果の作用機序は必ずしも明らかではないが、次のようなメカニズムが推定される。ケイ素、アルカリ金属および酸素だけからなるアルカリケイ酸塩層14の場合、アルカリ金属イオンはガラス中に固溶しているが、アルカリ金属イオンは1価であるため、ケイ素−酸素からなるガラスネットワークを形成しない。このため、アルカリ金属は酸素との相互作用が不充分で、ガラス中から遊離し、表面に偏析しやすい。アルカリ金属イオンが表面に偏析すると、Moの裏面電極32を設ける際の、高いエネルギーを有するスパッタモリブデンと反応し、異物が生成するという問題が発生する。
一方、ホウ素の酸化物は、ケイ酸ガラス中に固溶し、単一相のガラスを形成することが知られているが、アルカリケイ酸塩層14においても、ホウ素を添加することにより、これらの元素のイオンはケイ素−酸素からなるガラスネットワークに取り込まれて均一なガラスを形成する。詳細は必ずしも明らかではないが、ガラスのミクロな構造が変化し、ガラス中でのアルカリ金属イオンの安定性が向上したために、アルカリ金属イオンの遊離が抑制され、アルカリ金属イオンの表面への偏析が起こらず、モリブデンスパッタに際する異物の生成が防止できるものと推定される。また、アルカリ金属イオンの表面への偏析が抑制されるために、水洗によるアルカリ金属イオン溶出も軽減されるものと推測される。
[有機電子デバイス]
次に、本発明の半導体素子用基板を用いた有機電子デバイスについて説明する。
図5は、図1(a)に示す半導体素子用基板を用いた有機電子デバイスを示す模式的断面図である。
図5に示す有機電子デバイス50においては、基板10を用いるが、これに限定されるものではなく、図1(b)に示す基板10a、図2(a)に示す基板10b、図2(b)に示す基板10cを用いることができることは言うまでもない。
有機電子デバイス50は、基板10のアルカリケイ酸塩層14の表面14aに透明電極層52、有機の活性層54、n型酸化物半導体層56、金属電極層58および上部封止部材60がこの順に積層されてなる。以下、各層について説明する。各層は層を構成する材料に応じて公知の方法により設けることができる。
透明電極層52は、少なくとも透明導電材料を含む層である。透明電極層52は、通常、有機薄膜太陽電池においては正極である。透明電極層52は、適用しようとする有機電子デバイスの発光スペクトルもしくは作用スペクトル範囲において透明であることを要し、通常、可視光から近赤外光の光透過性に優れることを要する。具体的には、透明導電材料により膜厚0.1μmの層を形成したとき、波長400nm〜800nm領域における形成された層の平均光透過率が50%以上であり、75%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。
透明電極層52に用いる透明導電材料は、導電性が高いことが要求され、成膜後の比抵抗が8×10−3Ω・cm以下である事が好ましい。このような比抵抗を実現する透明導電材料としては、透明導電材料は金属酸化物(インジウム−スズ酸化物、アンチモンースズ酸化物、アルミニウム−亜鉛酸化物、ホウ素−亜鉛酸化物、スズフッ化酸化物等)、導電性ナノ材料(例えば、銀ナノワイヤー、カーボンナノチューブ、グラフェン等)のアクリルポリマー等への分散物、導電性ポリマー(例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリフェニレン、ポリアセチレン、ポリキノキサリン、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾチアジアゾール等や、これら導電骨格を複数種有するポリマー等)が挙げられる。
有機の活性層54は、有機電子デバイスの機能を担う有機材料の層を意味する。有機の活性層54の例としては、ホール輸送層、ホール注入層、ホールブロック層、電子輸送層、電子注入層、電子ブロック層、および光電変換層等が挙げられる。なお、ホール輸送層と電子輸送層の積層体が光電変換層を兼ねることがある。
以下、有機の活性層54の詳細について説明する。
−電子ブロック層−
電子ブロック層は、透明電極層52と光電変換層(図示せず)の間に位置し、光電変換層から透明電極層52へ電子が移動するのをブロックする機能を有するホール輸送層である。電子が移動するのをブロックする機能を有する材料としては、HOMO準位が5.5eV以下で、かつ、LUMO準位が3.3eV以下である有機化合物である。このような有機化合物の具体例としては、芳香族アミン誘導体、チオフェン誘導体、縮合芳香環化合物、カルバゾール誘導体、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等が挙げられる。このほか、Chem.Rev.2007年,第107巻,953−1010頁にHole Transport materialとして記載されている化合物群も適用可能である。
電子ブロック層の膜厚は、0.1nm以上50nm以下であることが好ましい。より好ましい厚みは1nm〜20nmの範囲である。
−ホール輸送層−
ホール輸送層は、ホール輸送材料を含有する。ホール輸送材料は、HOMO準位が4.5eV〜6.0eVのπ電子共役化合物であり、具体的には、各種のアレーン(例えば、チオフェン、カルバゾール、フルオレン、シラフルオレン、チエノピラジン、チエノベンゾチオフェン、ジチエノシロール、キノキサリン、ベンゾチアジアゾール、チエノチオフェン等)をカップリングさせた共役ポリマー、フェニレンビニレン系ポリマー、ポルフィリン類、フタロシアニン類等が例示される。このほか、Chem.Rev.2007,107,953−1010にHole Transport materialとして記載されている化合物群やジャーナル オブ ジ アメリカン ケミカル ソサエティー第131巻、16048頁(2009年)に記載のポルフィリン誘導体も適用可能である。
ホール輸送層の膜厚は5〜500nmが好ましく、10〜200nmが特に好ましい。
なお、ホール注入層はホール輸送層の概念に含まれる。
−電子輸送層−
電子輸送層は、電子輸送材料からなる。電子輸送材料は、LUMO準位が3.5eV〜4.5eVであるようなπ電子共役化合物であり、具体的にはフラーレンおよびその誘導体、フェニレンビニレン系ポリマー、ナフタレンテトラカルボン酸イミド誘導体、ペリレンテトラカルボン酸イミド誘導体等が挙げられる。これらの中では、フラーレン誘導体が好ましい。フラーレン誘導体の具体例としてはC60、フェニル−C61−酪酸メチル(文献等でPCBM、[60]PCBM、あるいはPC61BMと称されるフラーレン誘導体)、C70、フェニル−C71−酪酸メチル(多くの文献等でPCBM、[70]PCBM、あるいはPC71BMと称されるフラーレン誘導体)、およびアドバンスト ファンクショナル マテリアルズ第19巻、779−788頁(2009年)に記載のフラーレン誘導体、ジャーナル オブ ジ アメリカン ケミカル ソサエティー第131巻、16048頁(2009年)に記載のフラーレン誘導体SIMEF等が挙げられる。
電子輸送層の膜厚は5〜500nmが好ましく、10〜200nmが特に好ましい。
なお、電子注入層、ホールブロック層は電子輸送層の概念に含まれる。
−光電変換層−
光電変換層は、ホール輸送層と電子輸送層からなる平面ヘテロ構造でもよいし、ホール輸送材料と電子輸送材料を混合したバルクヘテロ構造でもよい。平面ヘテロ構造をとる場合、正極側がホール輸送層、負極側が電子輸送層である。また、平面ヘテロ構造の中間層としてバルクヘテロ層を有するハイブリッド構造であってもよい。
バルクヘテロ層は、ホール輸送材料と電子輸送材料が混合された光電変換層である。バルクヘテロ層に含まれる、ホール輸送材料と電子輸送材料の混合比は、変換効率が最も高くなるように調整される。ホール輸送材料と電子輸送材料の混合比は、通常は、質量比で、10:90〜90:10の範囲から選ばれる。このような混合有機層の形成方法としては、例えば、真空蒸着による共蒸着方法が挙げられる。あるいは、ホール輸送材料と電子輸送材料、両方の有機材料が溶解する溶媒を用いて溶剤塗布することによって混合有機層を作製することも可能である。溶剤塗布法の具体例については後述する。
バルクヘテロ層の膜厚は10nm〜500nmが好ましく、20nm〜300nmが特に好ましい。
n型酸化物半導体層56は、電子輸送層であり、その材料はn型無機酸化物半導体(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タングステン等)である。これらの中では、酸化チタン、酸化亜鉛が好ましい。n型酸化物半導体(無機電子輸送層)の膜厚は1nm〜30nmであり、好ましくは2nm〜15nmである。n型酸化物半導体からなる電子輸送層は、各種の湿式製膜法、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、転写法、印刷法等、いずれによっても好適に形成することができる。
金属電極層58は、通常、負極である。負極は、通常、仕事関数の比較的小さい金属であり、例えばアルミニウム、マグネシウム、銀、銀−マグネシウム合金等が例示される。金属電極層のn型酸化物半導体層側には、0.1〜5nmの、フッ化リチウム、酸化リチウム等の電子注入層を有してもよい。
負極の膜厚は10nm〜500nmであり、好ましくは50nm〜300nmである。
有機電子デバイス50は、上部封止部材60によって外界の雰囲気から隔離される。上部封止部材60は、公知のガスバリア層を含んでいてもよく、また公知の保護層、接着剤層、またはプラスチック支持体を含んでもよい。
[有機EL素子]
次に、本発明の半導体素子用基板を用いた有機EL素子について説明する。
図6は、図1(a)に示す半導体素子用基板を用いた有機EL素子を示す模式的断面図である。
図6に示す有機EL素子70においては、基板10を用いるが、これに限定されるものではなく、図1(b)に示す基板10a、図2(a)に示す基板10b、図2(b)に示す基板10cを用いることができることは言うまでもない。
有機EL素子70は、基板10のアルカリケイ酸塩層14の表面14aに陽極72、正孔注入層74、正孔輸送層76、発光層78、電子輸送層80、電子注入層82、および陰極84をこの順に積層してなる。なお、陽極72と陰極84とは電源を介して互いに接続されている。以下、各層について説明する。各層は層を構成する材料に応じて公知の方法により設けることができる。
正孔注入層74、正孔輸送層76は、陽極または陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。これらの層に用いられる正孔注入材料、正孔輸送材料としては、低分子化合物であっても高分子化合物であってもよく、また、無機化合物であってもよい。正孔注入材料、正孔輸送材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ピロール誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、フタロシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、チオフェン誘導体、有機シラン誘導体、カーボン、三酸化モリブデン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
正孔注入層74、正孔輸送層76の厚みとしては、1nm〜500nmが好ましく、5nm〜200nmがより好ましく、10nm〜100nmが特に好ましい。
発光層78は、ホスト材料と燐光発光材料とを少なくとも含み、ホスト材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子輸送性ホスト材料、正孔輸送性ホスト材料等が挙げられる。
電子輸送性ホスト材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体等のアジン誘導体、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾ−ル、オキサゾ−ル、オキサジアゾ−ル、フルオレノン、アントラキノジメタン、アントロン、ジフェニルキノン、チオピランジオキシド、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン、ジスチリルピラジン、フッ素置換芳香族化合物、ベンズイミダゾール誘導体、イミダゾピリジン誘導体等のアゾール誘導体、フタロシアニン、8−キノリノール誘導体の金属錯体、メタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体等が挙げられる。
正孔輸送性ホスト材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アントラセン、トリフェニレン、ピロール、インドール、カルバゾール、アザインドール、アザカルバゾール、ピラゾール、イミダゾール、ポリアリールアルカン、ピラゾリン、ピラゾロン、フェニレンジアミン、アリールアミン、アミノ置換カルコン、スチリルアントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、シラザン、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン、カーボン膜、それらの誘導体等が挙げられる。これらの中でも、インドール誘導体、カルバゾール誘導体、アザインドール誘導体、アザカルバゾール誘導体、芳香族第三級アミン化合物、チオフェン誘導体が好ましく、分子内にインドール骨格、カルバゾール骨格、アザインドール骨格、アザカルバゾール骨格、または芳香族第三級アミン骨格を有するものがより好ましく、カルバゾール骨格を有する化合物が特に好ましい。また、正孔輸送性ホスト材料としては、正孔輸送性ホスト材料の水素を一部または全てを重水素に置換したものを用いることもできる。
燐光発光材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば遷移金属原子、ランタノイド原子を含む錯体等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。遷移金属原子としては、例えばルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金等が挙げられる。これらの中でも、レニウム、イリジウム、白金が好ましく、イリジウム、白金が特に好ましい。ランタノイド原子としては、例えばランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテシウム、等が挙げられる。これらの中でも、ネオジム、ユーロピウム、ガドリニウムが特に好ましい。
錯体の配位子としては、例えば、ハロゲン配位子、シクロペンタジエニルアニオン、ベンゼンアニオン、ナフチルアニオン等の芳香族炭素環配位子、フェニルピリジン、ベンゾキノリン、キノリノール、ビピリジル、フェナントロリン等の含窒素ヘテロ環配位子、アセチルアセトン等のジケトン配位子、酢酸配位子等のカルボン酸配位子、フェノラト配位子等のアルコラト配位子、一酸化炭素配位子、イソニトリル配位子、シアノ配位子等が挙げられる。これらの中でも、含窒素ヘテロ環配位子が特に好ましい。
発光層の厚みとしては、1nm〜100nmが好ましく、3nm〜50がより好ましく、10nm〜30nmが特に好ましい。
電子輸送層80、電子注入層82は、陰極または陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。電子輸送層、電子注入層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、キノリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、ペリレン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体等が挙げられる。キノリン誘導体としては、例えば、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(バソクプロイン;BCP)、BCPにLiをドープしたもの、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)等の8−キノリノールまたはその誘導体を配位子とする有機金属錯体、BAlq(ビス−(2−メチル−8−キノリノラト)−4−(フェニル−フェノラト)−アルミニウム(III))等が挙げられる。これらの中でも、BCPにLiをドープしたもの、BAlqが特に好ましい。
電子輸送層80の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1nm〜500nmが好ましく、10nm〜50nmがより好ましい。電子注入層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1nm〜200nmが好ましく、0.2nm〜100nmがより好ましく、0.5nm〜50nmが特に好ましい。
陽極72としては、発光層78に正孔を供給する電極としての機能を有していれば特に制限されない。白色有機電界発光素子の性質上、陽極72および陰極84のうち少なくとも一方は透明であることが好ましい。陽極72を構成する材料としては、例えば、アンチモン、フッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の導電性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル等の金属、これらの金属と導電性金属酸化物との混合物または積層物、ヨウ化銅、硫化銅等の無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等の有機導電性材料、これらとITOとの積層物等が挙げられる。陰極を構成する材料としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、その他の金属、これらの金属の合金等が挙げられる。
陽極72の厚みとしては、特に制限はなく、材料により適宜選択可能であるが、10nm〜5μmが好ましい。また、陰極84の厚みとしては、10nm〜1000nmが好ましい。
本発明は、基本的に以上のように構成されるものである。以上、本発明の半導体素子用基板およびその製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。
本実施例では、以下に示す実施例1〜6および比較例1〜3を作製し、本発明の効果を確認した。次に、実施例1〜6および比較例1〜3について説明する。
(基材の準備)
本実施例では、基材として、10cm角のポリイミド基材(厚さ50μm)と、ポリエチレンナフタレート(PEN)基材(厚さ25μm)を準備した。
(実施例1)
本実施例では、有機ケイ素化合物層の形成に、以下に示す塗布液Aを用いた。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン10部、フェニルトリエトキシシラン10部、アルミニウムアセチルアセトネート0.2部、塩酸2部および純水5部を混合して、有機ケイ素化合物層用の塗布液Aを作製した。
ポリイミド基材を5分間、両面をUV−オゾン処理した。処理したポリイミド基材の両面に塗布液Aを塗布して塗布膜を形成し、形成した塗布膜を100℃で乾燥させ溶媒を除去した。続いて塗布膜を170℃で1時間加熱し、縮合反応により硬化させて有機ケイ素化合物層とした。
次に、ポリイミド基材の両面に形成した有機ケイ素化合物層上に、アルカリケイ酸塩層として、以下のようにしてアルカリケイ酸塩層を形成した。
アルカリケイ酸塩層については、ケイ酸リチウム(日産化学製:リチウムシリケート45(SiO:LiO:水=20.1%:2.3%:77.7%))、ケイ酸カリウム(富士化学製:2号ケイ酸カリ(SiO2:K2O:水=20.9%:9.0%:70.1%))、ケイ酸ナトリウム(昭和化学製:3号ケイ酸ナトリウム(SiO2:Na2O:水=29.0%:10.0%:61.0%))、ホウ酸、四ホウ酸ナトリウム10水和物、リン酸(85%溶液)、および水を下記表1に示す質量比で混合し、塗布液Bを調液した。
有機ケイ素化合物層上に塗布液Bを滴下し、スピンコートにてアルカリケイ酸塩層を形成した。その後、基板に対して、200℃の条件で熱処理を行った。
(実施例2)
実施例2は、アルカリケイ酸塩層を形成するための塗布液Bの成分が、下記表1に示すものであること以外は、実施例1と同様に作製したものである。
(実施例3)
実施例3は、アルカリケイ酸塩層を形成するための塗布液Bの成分が、下記表1に示すものであること以外は、実施例1と同様に作製したものである。
(実施例4)
実施例4は、有機ケイ素化合物層を形成することなく、下記表1に示す成分の塗布液Bを用いてPEN基材の両面にアルカリケイ酸塩層を形成したこと以外は、実施例1と同様に作製したものである。
(実施例5)
実施例5は、アルカリケイ酸塩層を形成後、熱処理を行わず、アルカリケイ酸塩層を形成するための塗布液Bの成分が、下記表1に示すものであること以外は、実施例1と同様に作製したものである。
(実施例6)
実施例6は、アルカリケイ酸塩層を形成するための塗布液Bの成分が下記表1に示すものであり、有機ケイ素化合物層を形成しないこと、およびアルカリケイ酸塩層を形成後、熱処理を行わないこと以外は、実施例1と同様に作製したものである。
(比較例1)
比較例1は、ポリイミド基材の片面だけに上記塗布液Aを用いて有機ケイ素化合物層を形成し、この有機ケイ素化合物層上に下記表1に示す成分の塗布液Bを用いてアルカリケイ酸塩層を形成したものであること以外は、実施例1と同様に作製したものである。
(比較例2)
比較例2は、ポリイミド基材だけの構成である。
(比較例3)
比較例3は、PEN基材だけの構成である。
なお、下記表1において「−」は、アルカリケイ酸塩層用の塗布液Bでは添加していないことを示し、モル比については対象となる成分が含有されておらず、求めることができないことを示す。
本実施例では、実施例1〜6および比較例2、3について、熱収縮開始温度、熱膨張係数および熱収縮率を測定した。また、カールの有無を確認し、経時劣化試験を行い、アルカリケイ酸塩層の密度を求め、脱ガス量も測定した。
なお、実施例4、比較例3において、400℃加熱後の熱収縮率は、PEN基材の耐熱温度を大幅に超えているため測定しなかった。このため、実施例4、比較例3については、下記表2の熱収縮率の400℃加熱後の欄に「未実施」と記している。
比較例1は、カールの有無を確認し、経時劣化試験を行い、アルカリケイ酸塩層の密度を求め、脱ガス量を測定した。しかしながら、比較例1では作製した基板に反りが発生したため、熱収縮開始温度、熱膨張係数および熱収縮率を測定しなかった。このため、比較例1については、下記表2の熱収縮開始温度、熱膨張係数および熱収縮率の欄に「反りのため評価不能」と記している。
また、比較例2、3は、アルカリケイ酸塩層がないため、経時劣化試験およびアルカリケイ酸塩層の密度の測定を実施しなかった。このため、比較例2、3については、下記表2の経時劣化試験の欄に「未実施」と記し、アルカリケイ酸塩層の密度の欄に「−」と記している。
以下、熱収縮開始温度、熱膨張係数および熱収縮率について説明する。
基板を3cm角に切り出し、測定基板を得る。室温にて測定基板の端部間距離(初期端部間距離F)を測定する。その後、測定基板をホットプレート上で加熱しながら、50K毎に端部間距離を測定した。
測定基板の端部間距離の変化を記録し、測定基板が収縮を開始した温度を「熱収縮開始温度」とした。また、測定基板の室温から「熱収縮開始温度」までの平均の膨張率を「熱膨張係数」とした。さらに、200℃または450℃まで測定基板を加熱した後、冷却し、室温における測定基板の端部間距離(冷却後端部間距離F)を再び測定した。本測定前に計測した室温における測定基板の端部間距離との比(冷却後端部間距離F/初期端部間距離F)を求め、この比を1から減じることによって、「熱収縮率(=1−F/F)」を算出した。熱収縮開始温度、熱膨張係数および熱収縮率の結果を下記表2に示す。
測定基板を加熱し、冷却した際、元々の基板の構成により異なる挙動を示す。基板の挙動としては、例えば、図7に示すように直線Hとなるものと、曲線Hのようになるものがある。
直線Hでは、加熱時には温度とともに基板の端部間距離が線形に変化し、冷却時にも基板の端部間距離が略線形に変化する。直線Hでは、初期端部間距離Fと、冷却後端部間距離Fが略一致する。熱膨張係数は、直線Hの傾きで表わされる。
一方、曲線Hでは、加熱時には温度とともに端部間距離が線形に変化し、収縮を開始する温度前から端部間距離の変化の程度が鈍る。冷却時には端部間距離が略線形に変化するが、熱収縮により基板の端部距離は短くなる。このため、曲線Hでは、初期端部間距離Fと、冷却後端部間距離Fが一致しない。
なお、実施例1〜6および比較例2は、直線Hの挙動を示し、比較例3は、曲線Hの挙動を示すことを確認している。
次に、カールの有無について説明する。
カールの有無については、冷却後の基板を、水平面に非拘束状態で置き、水平方向から基板を観察した。基板の鉛直方向に最も高い部分の高さが1mm以上の場合はカールあり、1mm未満の場合はカールなし、と判定した。カールの有無の結果を下記表2に示す。
次に、経時劣化性試験およびその評価方法について説明する。
経時劣化性試験については、基板を室温大気中に基板を1ヶ月間保管し、表面の変化を光学顕微鏡で確認し、異物の大きさに応じ、以下の基準により経時劣化性を評価した。その結果を下記表2に示す。
A:異物が観察されなかった
B:1μm未満の異物
C:100μm以上の異物
次に、アルカリケイ酸塩層の密度の求め方について説明する。
X線反射率測定法を用いて、アルカリケイ酸塩層の密度を算出した。その結果を下記表2に示す。
次に、脱ガス量の測定方法について説明する。
脱ガス量については、昇温度脱離ガス分析(TDS)を用いて、基板から温度200℃で放出される水分量を測定した。そして、実施例1を基準として、同程度のものをAとし、実施例1よりも放出される水分量が多いものをBとした。このように、脱ガス量は放出された水分量を相対評価した。脱ガス量の結果を下記表2に示す。
上記表2に示すように、ポリイミドを基材として両面にアルカリケイ酸塩層を形成した実施例1、2、3、5、6はいずれも比較例2、3に比して熱収縮開始温度が高く、熱膨張係数が低く、熱収縮率も小さい。また、実施例4はPEN基材であるため、熱収縮開始温度および熱膨張係数がポリイミド基材他の実施例1、2、3、5、6に比して低いものの、PEN基材だけの比較例3に比して熱収縮開始温度が高く、熱膨張係数が低く、熱収縮率も小さい。
また、実施例1〜6は、いずれもカールが発生しなかった。脱ガス量についても、実施例1〜4は少なく良好である。これは、熱処理温度が200℃であり、アルカリケイ酸塩層の安定性が確保されたためと推定される。熱処理していない実施例5、6は、200℃で熱処理をした比較例1、基材だけの比較例2、3と同程度であった。
熱処理をしない実施例5、6は、乾燥だけでアルカリケイ酸塩層を形成した。その密度は2.2g/cmである。これに対して、200℃で熱処理をした実施例1〜4および比較例1は、密度が2.4g/cmまで増大した。これは、アルカリケイ酸塩層に含まれる水分が脱水したたである。なお、上述のように溶融法等で形成されるケイ酸塩ガラスの密度は、2.5g/cmを超える場合が多く、本発明のアルカリケイ酸塩層は、比較的低密度であることが特徴的である。
10、10a、10b、10c 半導体用基板(基板)
12 基材
14 アルカリケイ酸塩層
16 有機ケイ素化合物層
30 光電変換素子
32 裏面電極
34 光電変換層
36 バッファ層
38 透明電極
40 上部電極
50 有機電子デバイス
70 有機EL素子

Claims (18)

  1. 有機高分子で構成された基材と、
    前記基材の少なくとも両面に形成されたアルカリケイ酸塩層とを有することを特徴とする半導体素子用基板。
  2. 前記アルカリケイ酸塩層は、液相法で形成されたものである請求項1に記載の半導体素子用基板。
  3. 前記基材の各面に形成された前記アルカリケイ酸塩層は、厚さが同等である請求項1または2に記載の半導体素子用基板。
  4. 前記アルカリケイ酸塩層は、厚さが2μm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体素子用基板。
  5. 前記アルカリケイ酸塩層は、ケイ素とアルカリ金属を含有し、前記アルカリ金属がナトリウム、リチウムおよびカリウムのうち、少なくとも1種を含むものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体素子用基板。
  6. 前記アルカリ金属がリチウムまたはカリウムと、ナトリウムとの2種を含むものである請求項5に記載の半導体素子用基板。
  7. 前記基材と前記アルカリケイ酸塩層と間に、それぞれに接する有機ケイ素化合物層を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体素子用基板。
  8. 前記有機ケイ素化合物層は、液相法により形成されたものである請求項7に記載の半導体素子用基板。
  9. 前記有機ケイ素化合物層は、有機アルコキシシランの加水分解・縮合反応により得られる化合物からなる請求項7または8に記載の半導体素子用基板。
  10. 前記有機ケイ素化合物層は、厚さが1μm以下である請求項7〜9のいずれか1項に記載の半導体素子用基板。
  11. 前記アルカリケイ酸塩層は、密度が2.4g/cm以下である請求項1〜10のいずれか1項に記載の半導体素子用基板。
  12. 前記アルカリケイ酸塩層は、ホウ素を含む請求項1〜11のいずれか1項に記載の半導体素子用基板。
  13. 前記アルカリケイ酸塩層は、ケイ素に対する前記ホウ素のモル比が0.15以下である請求項12に記載の半導体素子用基板。
  14. 基材の少なくとも両面に、液相法によりアルカリケイ酸塩層を形成する第1の形成工程を有することを特徴とする半導体素子用基板の製造方法。
  15. 前記第1の形成工程は、前記基材の少なくとも両面にアルカリケイ酸塩層用の塗布液を塗布する塗布工程と、前記塗布液に対して熱処理を施す熱処理工程とを有する請求項14に記載の半導体素子用基板の製造方法。
  16. 前記塗布工程の前に、前記基材の少なくとも両面に有機ケイ素化合物層を形成する第2の工程を有し、
    前記塗布工程は、前記各有機ケイ素化合物層の表面に、アルカリケイ酸塩層用の塗布液を塗布する工程である請求項15に記載の半導体素子用基板の製造方法。
  17. 前記第2の工程は、液相法により前記有機ケイ素化合物層を形成する工程である請求項16に記載の半導体素子用基板の製造方法。
  18. 前記第2の工程は、有機アルコキシシランの加水分解・縮合反応により前記有機ケイ素化合物層を形成する工程である請求項17に記載の半導体素子用基板の製造方法。
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