JP2014179032A - 仮想キー入力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザがキーに接触したことを確実に検知して、誤動作や誤入力を防止する仮想キー入力装置を提供する。
【解決手段】本仮想キー入力装置は、キー表示手段20と指定キー検出手段30を有し、前面にキーイメージ40が表示される投射面50が配置される。指定キー検出手段30は2次元画像センサを備えたステレオカメラを有している。このステレオカメラを用いて、ステレオカメラからキーイメージまでの距離と、ステレオカメラからユーザの指までの距離を求め、両者の距離が一致したことにより、キー入力を検知する。
【選択図】図1

Description

本発明は仮想キー入力装置に関する。
文字や数字等を情報端末に入力する装置としてキーボードやテンキーなどがある。さらに情報端末装置の画面上にキーを表示してそれに指などが触れるとその接触を検知して入力を行うことができるタッチパネルという入力装置もある。
ところで近年、プロジェクタ等を用いてキーボードを平面上に投影して、平面上に投影されたキーボードに触れることで入力を行うことができる仮想キーボード(バーチャルキーボード)と言う入力装置が提案されている(例えば、特許文献1)。仮想キーボードは従来の入力装置に比べて物理的なキーを必要としないため、情報端末装置を小型化できるというメリットがあり、プロジェクタ等で投影した場所を即、入力装置とすることができる。
ここで、特許文献1に記載の仮想キーボードは、図16に示すように、キーボードイメージを投影するための赤色半導体レーザモジュール3010及びその発光方向に設けられたホログラフィック光学素子3020、並びに、キーの検知を行う赤外(不可視)半導体レーザ投影モジュール3030、及びCMOSカメラモジュール3040で構成されている。
赤色半導体レーザモジュール3010から発せられた赤色レーザ光をホログラフィック光学素子3020に放射することによりレーザ光が回折されキーボードのイメージ3050を投影する。このユニットは単にキーボードのイメージ3050を投影するだけで、キーの検知には全く無関係である。
一方、外半導体レーザ投影モジュール3030は、人には見えない位置検知用赤外レーザを机などの投影面に平行して扇状に放射する。この赤外半導体レーザ投影モジュール3030で放射されるレーザの反射光(指に当たり反射した光)をCMOSカメラモジュール3040でとらえて、キーのイメージを接触した位置を検出する。
特許文献1に記載のような従来の仮想キー入力装置では、赤外レーザの反射光(指に当たり反射した光)をCMOSカメラでとらえて指が接触したキーを検出している。しかし、この方式では、指が確実にキーに接触したかしないか正確にわからないため、キーに接触しない場合でも、キーを検出したと見なされかねない問題がある。例えば、あるキーに近づけたが、間違いに気づいて離すような場合がある。このような場合にも、キー入力されてしまうことになる。
本発明は、ユーザが確実にキーに接触したことを検知し、誤動作、誤入力を防止する仮想キー入力装置を提供することにある。
本発明は、表示されているキーイメージがユーザによって指定されたことを検出する指定キー検出手段を有し、前記指定キー検出手段で検出されたキーイメージに対応する情報を入力情報とする仮想キー入力装置において、前記指定キー検出手段は、2次元画像センサを備えたステレオカメラを有し、前記ステレオカメラで前記キーイメージとキーを指定する物体を撮影して得られる画像により、前記ステレオカメラから前記キーイメージまでの距離と、前記ステレオカメラからキーを指定する物体までの距離を求め、両者の距離を比較することにより情報の入力を検知することを主要な特徴とする。
本発明の仮想キー入力装置によれば、ユーザがキーに接触したことを確実に検知することが可能であり、誤動作や誤入力を防止することができる。
本発明の一実施形態に係る仮想キー入力装置の正面図である。 同仮想キー入力装置の側面図である。 本実施形態に係る仮想キー入力装置の制御系のブロック図である。 ステレオカメラの概略構成と視差検出原理を説明する図である。 ステレオカメラの具体的構成例を示す図である。 本実施形態に係る仮想キー入装置の動作を説明する図である。 ステレオカメラの輝度画像と距離画像の一例(指が接触していない場合)である。 ステレオカメラの輝度画像と距離画像の一例(指が接触している場合)である。 キーと指が映った輝度画像を示す図である。 本実施形態に係る仮想キー入装置の処理フローチャート(その1)である。 キー押し込みの検知を説明する図である。 本実施形態に係る仮想キー入装置の処理フローチャート(その2)である。 投射面に映った指の影を説明する図である。 実際の指とその影を区別する方法を説明する図である。 キー入力が確認された時の表示の変化を説明する図である。 従来の仮想キーボードの一例を示す図である。
以下に図面を参照して、本発明に係る仮想キー入力装置の一実施形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る仮想キー入力装置の正面図であり、図2は、該仮想キー入力装置の側面図である。図3は該仮想キー入力装置の制御系を示すブロック図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る仮想キー入力装置は、キー表示手段20と指定キー検出手段30を有し、その前面にキーイメージ40が表示される投射面50が配置される。ここで、投射面50は任意形態でよく、例えばスクリーンや部屋の壁面やホワイトボードはもちろん、車のコンソール部、人体など、様々な対象物を投射面50として利用することができる。この投射面50は平面である必要はなく、曲面であっても構わない。この点は図16に示した従来の仮想キーボードとは異なる点である。
キー表示手段20はプロジェクタのような投射装置である。キー表示手段20は、1つ以上のキーを投射面50に表示させ、周囲の明るさに応じて投射する明るさを変えることができる。さらに、キー表示手段20は、制御手段10を通し、指定キー検出手段30からの出力に応じてキーの表示を変化させることもできる。なお、キー表示手段20は、当該仮想キー入力装置とは別構成とすることでもよい。
指定キー検出手段30は、投射面50に表示されたキーイメージ40のうち、ユーザが指定したキーを検出する機能を有している。図3に示すように、指定キー検出手段30によって、指定したキーが判別されると、制御手段10によってキー表示手段20が制御され、指定したキーの明るさが明るくなったり、点滅したり、表示する色が変わるなどして、ユーザがどのキーが指定したか瞬時にわかるようにすることができる。制御手段10は、CPUやメモリなどからなり、該仮想キー入力装置の全体の制御を行うと共に、指定キー検出手段30の一部として機能する。
指定キー検出手段30は、2次元画像センサを備えたステレオカメラを有している。図4に、ステレオカメラの概略構成とステレオカメラによる距離計測の原理を示す。
ステレオカメラ100は、複眼のカメラ110a,110bから構成され、カメラ110aはレンズ111aと撮像素子112aを備え、カメラ110bはレンズ111bと撮像素子112bを備えている。これら複眼のカメラ(2次元画像センサ)を用いて所定の範囲を撮影する。撮影範囲は、少なくとも投射面50に投射されるキーイメージ40よりも広範囲を撮像できるように、レンズ111a,111bの画角が設計される。
ここで、ステレオカメラ100が対象物までの距離を算出できる原理について説明する。ステレオカメラ100から対象物120(ここではキーイメージ40)までの距離をL、レンズ111a,111bの間隔(基線長)をB、レンズ111a,111bの焦点距離をfとすると、視差Δは
Δ=B×f/L・・・(1)
と表される。
視差Δは対象物120が撮像素子112a,112b上に写る位置121a,121bの差である。対象物120が近い場合はLが小さくなるため、視差Δは大きくなり、対象物120が遠い場合はLが大きくなるため、視差Δは小さくなる。したがって、視差Δを検出することで、ステレオカメラ100から対象物120までの距離Lを算出することができる。
ここでステレオカメラ100の構造の1例について詳細に説明する。図5は、ステレオカメラ100の構造の一例を説明する図であり、図5(a)はステレオカメラ100の概略断面図、図5(b)は複数の撮像素子(本例では2つの撮像素子112a,112b)が形成された撮像素子基板116の平面図である。
ステレオカメラ100は、図5(a)に示すように、レンズアレイ113と、アパーチャアレイ115と、撮像素子基板116と、回路基板117と、筐体118とを備える。
筐体118は、その内部に撮像素子基板116および回路基板117を収容する。また、筐体118は、その前面側(図5(a)の上側)にて、レンズアレイ113およびアパーチャアレイ115を固定支持する。レンズアレイ113およびアパーチャアレイ115は、筐体118により、撮像素子基板116に対して位置決めされた状態で支持される。筐体118は、その前面側がキーイメージ40に向くように配設される。
レンズアレイ113は、Y方向に沿って配列される一対のレンズ111a,111bが一体形成されてなる。レンズアレイ113は、例えば、透明樹脂材を成形して作製される。レンズ111aは、撮像範囲の画像を撮像素子112aに結像させる光学部品である。レンズ111bは、撮像範囲の画像を撮像素子112bに結像させる光学部品である。
アパーチャアレイ115は、2つのアパーチャ114a,114bを有し、一方のアパーチャ114aによりレンズ111aの開口を規定し、もう一方のアパーチャ114bによりレンズ111bの開口を規定するように配置される。アパーチャアレイ115は、2つのアパーチャ114a,114b以外の部分で光を反射もしくは吸収することで、レンズ111a,111b以外の部分から筐体118内部に光が入射することを防止する。
撮像素子基板116には、2つの撮像素子112a,112bが所定の間隔で一体に形成されている。撮像素子112aは、レンズアレイ113のレンズ111aと対向し、撮像素子112bは、レンズアレイ113のレンズ111bと対向する。レンズアレイ113は、レンズ111aが撮像素子112aの中心と一致し、レンズ111bが撮像素子112bの中心と一致するように位置決めされている。撮像素子112aの中心と撮像素子112bの中心との間の距離、つまりレンズアレイ113のレンズ111aとレンズ111bとの光軸間の距離Bは基線長と呼ばれ、測距性能を決める重要なパラメータである。
回路基板117には、撮像素子112a,112bの出力信号を処理する信号処理回路が形成されている。例えば、撮像素子基板の背面(撮像素子112a,112bが形成された面とは逆の面)側に配置されている。本実施形態では、回路基板117に、温度センサおよび温度補正回路が設けられているものとする。温度補正回路は、温度センサの検出値を用いて、温度変化に起因する撮像素子112a,112bの出力誤差を補正する。この温度補正回路による補正処理により、温度変化によってレンズアレイ113が膨張または収縮し、基準長が変化したとしても、正しい出力が得られるようにしている。
次に、図6乃至図9により、本実施形態に係る仮想キー入力装置の第1の実施例の動作について説明する。この実施例は、ステレオカメラ100でキーイメージ40とキーを指定する物体(ここでは、ユーザの指とする)を撮影して得られる画像(輝度画像と距離画像)により、ステレオカメラ100からキーイメージまでの距離と、ステレオカメラ100からキーを指定する物体(指)までの距離を求め、両者の距離を比較することにより情報の入力を検知するものである。
図6において、キー表示手段20によりキーイメージ40が投射面50に投射される。ここでは、キーイメージ40は図1に示したような6つのキーとする。6つのキーのうち、ここではユーザの指60が番号「5」のキーをタッチ(入力)する場合について説明する。
ステレオカメラ100からは、2つのカメラのどちらか一方のカメラから得られる輝度画像(図7(a))と、2つのカメラを使って得られる距離画像(図7(b))が出力される。まず、番号「5」のキーをタッチ(入力)しようとした場合、ここではユーザの指60はまだ番号「5」には「接触」していない。これは距離画像(図7(b))を見るとわかる。ここで、距離は色で区別するとする。図7(b)において、番号「5」のキーは水色から青色に表示されている。これは番号「5」のキーがステレオカメラ100から144mmから180mm離れた距離にあることを示している(色と距離の関係は図7(b)の右側のバーを参照)。一方、タッチしようとしている指は朱色から黄色で表示されている。これは指がステレオカメラ100から94.5mmから121.5mm離れた距離にあることを示している。したがって、キーと指の距離は異なっているため、ユーザは番号「5」のキーには「接触」していないことがわかる。
次にユーザの指が番号「5」のキーに「接触」した場合について説明する。これは距離画像図8(b)を見るとわかる。図8(b)において、番号「5」のキーは水色から青色に表示されている。これは番号「5」のキーがステレオカメラ100から144mmから180mm離れた距離にあることを示している。一方、タッチしようとしている指先は水色から薄い青色で表示されている。これは指がステレオカメラ100から144mmから162mm離れた距離にあることを示している。したがって、キーと指の距離は一致しているため、ユーザは番号「5」のキーに「接触」していることがわかる。このようにキーと指が「接触」しているかいないかはステレオカメラ100から得られる距離画像を用いることで判断することができる。
また、ユーザが1〜6のどの番号のキーを選んでいるかについては、輝度画像を用いて判断することができる。1〜6の各キーが画面上のどの領域に表示されるかはあらかじめわかっている。例えばステレオカメラ100の2つのカメラのうちどちらか一方のカメラの輝度画像が640×480画素で、6つのキーが図9のように写っているとすれば、輝度画像のどの領域にそれぞれのキーが映っているかわかる。輝度画像内に指が現れて、指先が各キーのいずれの領域に入るかわかればユーザがどの番号のキーを選択したかわかる。
図10に、この第1の実施例の処理フローチャートを示す。これは、例えば、図3の制御手段10で実施する。
まず、キー表示手段20とステレオカメラ100をONとする(ステップ1001)。次に、ステレオカメラ100から、2つのカメラのどちらか一方のカメラから得られた輝度画像と、2つのカメラを使って得られた距離画像を取得する(ステップ1002)。そして、輝度画像を使ってユーザの指が検出されたか調べる(ステップ1003)。ユーザの指が検出されたならば、距離画像を使って、ステレオカメラ100からキーイメージまでの距離とステレオカメラ100から指までの距離を比較し(ステップ1004)、両者の距離が一致としたならば、キーに指が接触したと判断する(ステップ1005)。そして、輝度画像を使って、ユーザが選択したキー情報を入力する(ステップ1006)。
このように、ステレオカメラ100から得られる輝度画像と距離画像を用いることで、ユーザがどのキーを選んで、タッチ(接触)したか、しないかを判断することができ、図16のような従来の仮想キー入力装置で発生しやすい誤入力、誤動作を軽減することができる。
次に、本実施形態に係る仮想キー入力装置の第2の実施例の動作について説明する。この実施例は、先の第1の実施例のように単にキーと指の「接触」だけでキー入力を確定するのではなく、「接触」+「押し込み」によってキー入力を確定するものである。「押し込み」の動作を認識するには、ステレオカメラ100で得られる距離画像を用いて、キーを指定する物体としての指60の変形やキーイメージが表示される対象物としての投射面50の変形(形状変化)を検出すればよい。
図11(a)〜(c)を用いて、ユーザの「押し込み」の動作を認識する方法を説明する。
図11(a)は指がキーに「接触」しているだけで、「押し込み」の動作を行っていない状態である。これは、先に述べたように、ステレオカメラ100の輝度画像と距離画像を用いて指の位置と指の距離を検出し、所望のキーに指が「接触」している状態を示した図である。図11(b)と図11(c)は、指がキーに「接触」し、かつ「押し込み」の動作を行ったときの状態である。
図11(b)は、「押し込み」により、「接触」だけの場合に比べて指の形状が変化する様子を示している。押し込むときの圧力で、指の外形形状が変化する。また、押し込むときには指の第一関節が曲がるため、第一関節がより投射面50に近づく。このように、指の形状の変化を3次元方向で検出することで「押し込み」の動作を行ったことを確認できる。特に指の第一関節が曲がることは、通常のカメラの2次元の輝度画像からでは認識しにくく、ステレオカメラ100による距離画像を用いて3次元の検出を行うことで認識が容易になるものである。
図11(c)は、「押し込み」により、投射面50の形状が変化する様子を示している。投射面50がやわらかい素材(プラスティック、ゴム、ウレタン、織物、布地、皮革など)の場合、指で押し込むときの圧力で投射面50の形状が変形する。投射面50が変形すると、キー表示手段20により投射されたキーイメージ40のキーの外枠形状も変形する。図11(c)では、圧力のかかったキーの外枠(番号「5」の外枠)が歪んだ様子を示している。このような変形は、投射面50が凹むことで生じるものである。投射面50の凹みは、通常のカメラの輝度画像からでは認識しにくく、ステレオカメラ100による3次元の検出を行うことで認識が容易になるものである。
このように、ステレオカメラ100はXY面内の輝度画像に加えてZ面(奥行き)の距離画像も得られるため、従来の単眼カメラではできなかった指やパネルの変形を検出することができる。そのため単に「接触」しただけの場合と、「接触」+「押し込み」の場合の違いを検知することができる。
図12に、この第2の実施例の処理フローチャートを示す。図12において、ステップ2001〜2005までは図10のステップ1001〜1005と同じである。キーに指が接触したと判断したならば(ステップ2005)、次に、距離画像を用いて、指あるいはキー外枠が変形されるのを待つ(ステップ2006)。そして、指あるいはキー外枠の変形が検出されたならば、キーへの「押し込み」があったと判断する(ステップ2007)。こうして、キーへの「接触」が検出され、且つ、キーへの「押し込み」が検出されたならば、輝度画像を使って、ユーザが選択したキー情報を入力する(ステップ2008)。
第2の実施例によれば、単にキーへの接触だけでなく、「接触」+「押し込み」によってキー入力を行うため、誤って接触したことによる誤入力、誤動作を確実に防止することができる。
例えば車の運転時には運転者は前方に注意を払っているためセンターコンソール部のパネルのスイッチ(ラジオ、ステレオ、ハザード、曇り止め、エアコン等)を注視することができない。スイッチがある付近に指を伸ばして、指でパネルに触りながら目的のスイッチを手探りで探して、確認したうえでスイッチをグッと押しているのが現状である。スイッチを手探りで探しているときに、所望でないスイッチに触れてしているケースは多い。一般のスイッチでは触れるだけではスイッチは動作しないため問題は無いが、現状の仮想キーボードでは触れただけでスイッチが反応してしまう。本実施例は、仮想キーボードでありながら、一般のスイッチ同様に「接触」+「押し込み」によって入力するため、仮想キーボードで発生しやすい誤って接触したことによる誤入力、誤動作をなくすことができる。
次に、本実施形態に係る仮想キー入力装置の第3の実施例の動作について説明する。この第3の実施例は、ステレオカメラ100からキーイメージまでの距離と等しい距離にある物体(指)は、指でなく影であると見做して、検出しないようにするものである。
図16で説明した従来の仮想キーボードでは、キーボードが投射されている投射面に目では見えない位置検知用赤外レーザが投射されている。仮想キーボードに指が触れると位置検知用赤外レーザ光が指に当たって反射され、これをCMOSカメラでとらえて、指が接触した位置を検出している。この方式は外光が強い野外や車などでは赤外レーザの反射光を検出しにくくなり、誤作動の要因になる。
一方、本実施形態に係る仮想キー入力装置では赤外レーザを使っていないため、直接外光の影響を受けることは無い。ただし、外光の強度と向きによってはユーザの指の影がキーイメージの面上に写ることがあり、これが誤作動の要因になる場合がある。先の図7(a)を見てわかるように、外光によってユーザの指の影がキーイメージの面上に写っている。すなわち、番号「5」のキーイメージ面の上にある指の影が番号「2」のキーイメージ面に写っている。ここでは室内光であるためそれほど濃い影にはなっておらず、そのため、図7(b)の距離画像には、指の影は画像として現れてはいない。しかし、外光が強い場合は影は濃くなる。影が濃くなると、ステレオカメラでマッチングされて距離画像に指の影の画像が生じる。図13は、キー番号「2」の上に生じた影によって、距離画像ではあたかも指が番号「2」のキーに接触しているかのような状態になることをしめしたものである。
このような外光で生じる影による誤動作を無くすために、ステレオカメラ100からキーイメージ40までの距離と等しい距離にある指は、実物の指ではなく影であると見なすようにする。
図14(a)は指と影の違いを示した図である。ステレオカメラ100で得られる距離画像において、線1401はキーイメージ「2」の枠においてステレオカメラ100からの距離がL1のところを結んだ線である。また、線1402はキーイメージ「5」の枠においてステレオカメラ100からの距離がL2ところを結んだ線である。図14(b)は実物の指の場合であり、距離画像においてキーの枠と距離が等しい画素を結んだ線上に、その距離より短い(ステレオカメラに近い)距離に物体が有る場合は指である。図14(c)は影の場合で、距離画像においてキーの枠と距離が等しい画素を結んだ線上にその距離と等しい物体が有る場合は影である。
このように、キー表示手段20で表示されたキーイメージ40の枠を基準として、枠と同じ距離の物体は影であると見なすことで影と実体(指)との区別をつけることができる。これは指定キー検出手段30のステレオカメラ100を用いることで実現できるものである。TOF方式やレーザパターンを照射して距離情報を得る方式ではキーイメージ40が表示される投射面50の形状はわかるが、投射面50に投影されて描かれているキーイメージ40の枠の位置まではわからない。
このように、第3の実施例によれば、ステレオカメラ100を用いることで、外光に強く、指の位置を正確に捉えて、野外や車などでも誤作動が生じない仮想キー入力装置を実現できる。
次に、本実施形態に係る仮想キー入力装置の第4の実施例について説明する。この第4の実施例は、指定キー検出手段30によってキー入力が確認された場合、キー表示手段20にて確認前とは異なるキーイメージを表示するものである。
仮想キー入力装置を車のパネルのスイッチ(ラジオ、ステレオ、ハザード、曇り止め、エアコン等)やFAなどの加工装置/検査装置のスイッチなどに用いるためには、誤入力や誤作動を減らすと同時に、もし誤入力があった場合はそれにすぐに気が付くようにすることが重要である。
モニタ画面が無い場合でもすぐに気が付くようにするためには、入力したキーの表示が変わることが有効な手段である。具体的には図15のように番号「5」のキーの入力が確認された場合は、番号「5」のキーの色を変える。他には、番号「5」の文字が大きくなったり、番号「5」が点滅したり、番号「5」を音で伝えたりすることでもよい。キー表示手段20がプロジェクタであればいずれも可能である。
10 制御手段
20 キー表示手段
30 指定キー検出手段
40 キーイメージ
50 投射面
100 ステレオカメラ
特表2004−523031号公報

Claims (5)

  1. 表示されているキーイメージがユーザによって指定されたことを検出する指定キー検出手段を有し、前記指定キー検出手段で検出されたキーイメージに対応する情報を入力情報とする仮想キー入力装置において、
    前記指定キー検出手段は、2次元画像センサを備えたステレオカメラを有し、前記ステレオカメラで前記キーイメージとキーを指定する物体を撮影して得られる画像により、前記ステレオカメラから前記キーイメージまでの距離と、前記ステレオカメラからキーを指定する物体までの距離を求め、両者の距離を比較することにより情報の入力を検知することを特徴とする仮想キー入力装置。
  2. キーイメージを表示するキー表示手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の仮想キー入力装置。
  3. 前記距離の比較に加えて、前記ステレオカメラで撮影して得られる画像により、前記キーを指定する物体の変形あるいはキーイメージが表示される対象物の変形を検知することで、情報の入力を検知することを特徴とする請求項1又は2に記載の仮想キー入力装置。
  4. 前記ステレオカメラで撮影された前記ステレオカメラからキーイメージまでの距離と等しい距離にある物体は、キーを指定する物体とはみなさず、情報を入力しないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の仮想キー入力装置。
  5. 前記指定キー検出手段によってキー入力が確認された場合、前記キー表示手段により確認前とは異なるキーイメージが表示されることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の仮想キー入力装置。
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