JP2014178261A - ログ情報公開システム、ログ情報公開装置、ログ情報公開方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

ログ情報公開システム、ログ情報公開装置、ログ情報公開方法及びコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ユーザの移動経路を公開する場合において、移動経路の高低差を大きく変化させることなく、ユーザの個人情報を特定することができない経路へと変更することを可能としたログ情報公開システム、ログ情報公開装置、ログ情報公開方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】ユーザが移動した移動経路に関する情報を含むログ情報とともに、ユーザの個人情報を特定し得る領域である私的領域を取得し、私的領域内に移動経路の全部が含まれる場合に、私的領域外にある公共施設を検索し、取得されたログ情報に含む移動経路を、移動経路の高低差が変更前後で同一又は所定差分以内であって且つ私的領域内に移動経路が含まれないように検索された公共施設を開始地点、経由地点又は終了地点とする経路へと変更し、変更された後の移動経路に関する情報を含むログ情報を公開するように構成する。
【選択図】図19

Description

本発明は、コンピュータネットワーク上に投稿されたログ情報を公開するログ情報公開システム、ログ情報公開装置、ログ情報公開方法及びコンピュータプログラムに関する。
近年、端末を介してコンピュータネットワーク上にユーザがログ情報を投稿するとともに、投稿者を含む不特定多数のユーザが投稿されたログ情報を閲覧することが可能なシステムが提供されている。ここで、投稿及び閲覧対象となるログ情報の一つとして、ユーザが車、バイク、自転車、徒歩等によって移動した移動経路に関する情報がある。しかしながら、これらの移動経路には、ユーザの個人情報を特定し得る情報が含まれる場合があった。例えば、移動経路の開始地点、経由地点、終了地点がユーザの自宅、勤務先、知人宅等である場合に、移動経路からそれらの場所が特定される虞がある。
そこで、例えば特開2012−37402号公報では、ユーザが作成した出発地から到着地までの経路のコースデータを公開する際において、コースデータにユーザにとってプライベートな地点を出発地、到着地及び経由地に含む場合に、該地点を削除したり、該地点を他の施設に置き換える技術について提案されている。
特開2012−37402号(第12頁〜第13頁、図8)
しかしながら、上記特許文献1の技術において、プライベートな地点である出発地、到着地又は経由地を削除する手段では、仮に出発地、到着地又は経由地を削除したとしても、残されたコースデータと周辺の地図から削除したプライベートな地点について他のユーザが予測することが可能であり、十分な効果が期待できなかった。一方、プライベートな地点である出発地、到着地又は経由地を他の施設に置き換える手段では、置き換えによってコースの内容が大きく変化する問題があった。ここで、公開対象となるコースデータの内、コースの高低差(標高の推移)に関する情報は、特に歩行や自転車による移動を行った際には重要な項目の一つである。しかしながら、コースの内容が変化するとそれに伴って高低差も変化することとなる。その結果、自分が過去に移動した経路を他のユーザに認知させたいという目的や、自分が過去に移動した経路を記録として残したいというユーザ本来の目的を達し得なくなる。
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、ユーザの移動経路を公開する場合において、該移動経路がユーザの個人情報を特定し得る経路である場合に、移動経路の高低差を大きく変化させることなく、ユーザの個人情報を特定することができない経路へと変更することを可能としたログ情報公開システム、ログ情報公開装置、ログ情報公開方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため本願の請求項1に係るログ情報公開システム(1)は、ユーザが移動した移動経路(10)と該移動経路の高低差とに関する情報を含むログ情報を取得するログ情報取得手段(15)と、前記ユーザの個人情報に基づいて、該ユーザの個人情報を特定し得る領域である私的領域(24)を設定する私的領域設定手段(15)と、前記私的領域内に前記移動経路の少なくとも一部が含まれるか否か判定する領域判定手段(15)と、前記領域判定手段によって前記私的領域内に前記移動経路の少なくとも一部が含まれると判定された場合に、前記私的領域外にある公共施設(46)を検索する公共施設検索手段(15)と、前記移動経路を、前記移動経路の高低差が変更前後で同一又は所定差分以内であって且つ前記私的領域内に変更後の前記移動経路が含まれないように、前記公共施設検索手段により検索された前記公共施設を開始地点、経由地点又は終了地点とする経路へと変更する経路変更手段(15)と、前記経路変更手段により変更された後の前記移動経路に関する情報を含む前記ログ情報を公開する情報公開手段(15)と、を有することを特徴とする。
尚、「公共施設」とは、不特定多数の人間が立ち入ることが可能な施設(即ち、ユーザが立ち寄ったとしても、立ち寄った事実からではユーザの個人情報を特定することができない施設)であり、例えば駅、市役所、公園、病院等がある。
また、請求項2に係るログ情報公開システム(1)は、請求項1に記載のログ情報公開システムであって、前記経路変更手段(15)は、前記移動経路の全長が変更前後で同一又は所定距離以内の差となるように前記移動経路を変更することを特徴とする。
また、請求項3に係るログ情報公開システム(1)は、請求項1又は請求項2に記載のログ情報公開システムであって、前記公共施設検索手段(15)は、前記私的領域(24)内に前記移動経路の全部が含まれると判定された場合に、前記私的領域外にある公共施設を検索することを特徴とする。
また、請求項4に係るログ情報公開システム(1)は、請求項3に記載のログ情報公開システムであって、前記経路変更手段(15)は、前記移動経路(10)が開始地点と終了地点が同一となる周回経路である場合に、開始地点及び終了地点を前記公共施設検索手段(15)により検索された同一の前記公共施設とする経路へと変更することを特徴とする。
また、請求項5に係るログ情報公開システム(1)は、請求項3に記載のログ情報公開システムであって、前記経路変更手段(15)は、前記移動経路(10)が開始地点と終了地点が異なる経路である場合に、該開始地点及び終了地点の少なくとも一方を前記公共施設検索手段(15)により検索された前記公共施設とする経路へと変更することを特徴とする。
また、請求項6に係るログ情報公開装置(3)は、ユーザが移動した移動経路(10)と該移動経路の高低差とに関する情報を含むログ情報を取得するログ情報取得手段(15)と、前記ユーザの個人情報に基づいて、該ユーザの個人情報を特定し得る領域である私的領域(24)を設定する私的領域設定手段(15)と、前記私的領域内に前記移動経路の少なくとも一部が含まれるか否か判定する領域判定手段(15)と、前記領域判定手段によって前記私的領域内に前記移動経路の少なくとも一部が含まれると判定された場合に、前記私的領域外にある公共施設(46)を検索する公共施設検索手段(15)と、前記移動経路を、前記移動経路の高低差が変更前後で同一又は所定差分以内であって且つ前記私的領域内に変更後の前記移動経路が含まれないように、前記公共施設検索手段により検索された前記公共施設を開始地点、経由地点又は終了地点とする経路へと変更する経路変更手段(15)と、前記経路変更手段により変更された後の前記移動経路に関する情報を含む前記ログ情報を公開する情報公開手段(15)と、を有することを特徴とする。
また、請求項7に係るログ情報公開方法は、ユーザが移動した移動経路(10)と該移動経路の高低差とに関する情報を含むログ情報を取得するログ情報取得ステップと、前記ユーザの個人情報に基づいて、該ユーザの個人情報を特定し得る領域である私的領域(24)を設定する私的領域設定ステップと、前記私的領域内に前記移動経路の少なくとも一部が含まれるか否か判定する領域判定ステップと、前記領域判定ステップによって前記私的領域内に前記移動経路の少なくとも一部が含まれると判定された場合に、前記私的領域外にある公共施設(46)を検索する公共施設検索ステップと、前記移動経路を、前記移動経路の高低差が変更前後で同一又は所定差分以内であって且つ前記私的領域内に変更後の前記移動経路が含まれないように、前記公共施設検索ステップにより検索された前記公共施設を開始地点、経由地点又は終了地点とする経路へと変更する経路変更ステップと、前記経路変更ステップにより変更された後の前記移動経路に関する情報を含む前記ログ情報を公開する情報公開ステップと、を有することを特徴とする。
更に、請求項8に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、ユーザが移動した移動経路と該移動経路の高低差とに関する情報を含むログ情報を取得するログ情報取得機能と、前記ユーザの個人情報に基づいて、該ユーザの個人情報を特定し得る領域である私的領域を設定する私的領域設定機能と、前記私的領域内に前記移動経路の少なくとも一部が含まれるか否か判定する領域判定機能と、前記領域判定機能によって前記私的領域内に前記移動経路の少なくとも一部が含まれると判定された場合に、前記私的領域外にある公共施設を検索する公共施設検索機能と、前記移動経路を、前記移動経路の高低差が変更前後で同一又は所定差分以内であって且つ前記私的領域内に変更後の前記移動経路が含まれないように、前記公共施設検索機能により検索された前記公共施設を開始地点、経由地点又は終了地点とする経路へと変更する経路変更機能と、前記経路変更機能により変更された後の前記移動経路に関する情報を含む前記ログ情報を公開する情報公開機能と、を実行させることを特徴とする。
前記構成を有する請求項1に係るログ情報公開システムでは、ユーザの移動経路を公開する場合において、該移動経路がユーザの個人情報を特定し得る経路である場合に、移動経路の高低差を大きく変化させることなく、ユーザの個人情報を特定することができない経路へと変更することが可能となる。その結果、特に歩行や自転車による移動を行った際においてログ情報を公開するユーザの目的を達成させつつ、ユーザの個人情報を特定させる虞も無い。
また、請求項2に係るログ情報公開システムでは、移動経路の全長が変更前後で同一又は所定距離以内の差となるように移動経路を変更するので、移動経路を変更しても、移動した距離については大きく変わることが無いので、可能な限り正確な移動経路に関する情報を公開することが可能となる。
また、請求項3に係るログ情報公開システムでは、私的領域内に移動経路の全部が含まれると判定された場合に、移動経路の高低差が変更前後で同一又は所定差分以内である私的領域外の経路へと移動経路の変更を行うので、移動経路を異なるエリアにある新規の経路へと変更する場合であっても、移動経路の高低差を大きく変化させることが無い。
また、請求項4に係るログ情報公開システムでは、移動経路が開始地点と終了地点が同一となる周回経路である場合に、開始地点及び終了地点を私的領域外にある同一の公共施設とする経路へと変更するので、移動経路を異なるエリアにある新規の経路へと変更する場合であっても、移動経路の全体形状を大きく変化させることなく、且つユーザの個人情報を特定することができない経路へと変更することが可能となる。
また、請求項5に係るログ情報公開システムでは、移動経路が開始地点と終了地点が異なる経路である場合に、開始地点及び終了地点の少なくとも一方を私的領域外にある公共施設とする経路へと変更するので、移動経路を異なるエリアにある新規の経路へと変更する場合であっても、移動経路の全体形状を大きく変化させることなく、且つユーザの個人情報を特定することができない経路へと変更することが可能となる。
また、請求項6に係るログ情報公開装置では、ユーザの移動経路を公開する場合において、該移動経路がユーザの個人情報を特定し得る経路である場合に、移動経路の高低差を大きく変化させることなく、ユーザの個人情報を特定することができない経路へと変更することが可能となる。その結果、特に歩行や自転車による移動を行った際においてログ情報を公開するユーザの目的を達成させつつ、ユーザの個人情報を特定させる虞も無い。
また、請求項7に係るログ情報公開方法では、ユーザの移動経路を公開する場合において、該移動経路がユーザの個人情報を特定し得る経路である場合に、移動経路の高低差を大きく変化させることなく、ユーザの個人情報を特定することができない経路へと変更することが可能となる。その結果、特に歩行や自転車による移動を行った際においてログ情報を公開するユーザの目的を達成させつつ、ユーザの個人情報を特定させる虞も無い。
更に、請求項8に係るコンピュータプログラムでは、ユーザの移動経路を公開させる場合において、該移動経路がユーザの個人情報を特定し得る経路である場合に、移動経路の高低差を大きく変化させることなく、ユーザの個人情報を特定することができない経路へと変更させることが可能となる。その結果、特に歩行や自転車による移動を行った際においてログ情報を公開するユーザの目的を達成させつつ、ユーザの個人情報を特定させる虞も無い。
本実施形態に係るログ情報公開システムを示した概略構成図である。 本実施形態に係るログ情報公開システムの構成を示したブロック図である。 ログ情報公開サーバにより管理及び公開の対象となるログ情報の一例について示した図である。 ログ情報DBの記憶領域の一例を示した図である。 私的領域の一例を示した図である。 本実施形態に係るログ情報管理処理プログラムのフローチャートである。 通信端末のディスプレイにおいて表示されるログ情報の一例を示した図である。 本実施形態に係る一部移動経路変更処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。 移動経路の開始地点を含む範囲に私的領域がある場合における交差地点と検索距離の特定方法を説明した図である。 移動経路の終了地点を含む範囲に私的領域がある場合における交差地点と検索距離の特定方法を説明した図である。 移動経路の開始地点を含む範囲に私的領域がある場合における公共施設の検索範囲を示した図である。 移動経路の開始地点を含む範囲に私的領域がある場合における変更前後の経路全長の比較方法を説明した図である。 移動経路の開始地点を含む範囲に私的領域がある場合における移動経路の変更態様を説明した図である。 移動経路の終了地点を含む範囲に私的領域がある場合における移動経路の変更態様を説明した図である。 移動経路の開始地点と終了地点の間に私的領域を含む場合における交差地点と検索距離の特定方法を説明した図である。 移動経路の開始地点と終了地点の間に私的領域を含む場合における移動経路の変更態様を説明した図である。 本実施形態に係る全移動経路変更処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。 移動経路の高低差について示した図である。 移動経路が私的領域内に含まれる周回経路である場合における移動経路の変更態様を説明した図である。 移動経路が私的領域内に含まれる直線経路である場合における移動経路の変更態様を説明した図である。
以下、本発明に係るログ情報公開システムについて具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るログ情報公開システム1の概略構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は本実施形態に係るログ情報公開システム1を示した概略構成図である。図2は本実施形態に係るログ情報公開システム1の構成を示したブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係るログ情報公開システム1は、ログ情報公開センタ2が有するログ情報公開サーバ(ログ情報公開装置)3と、ユーザ4が所有する通信端末5とから基本的に構成されている。尚、通信端末5としては、パーソナルコンピュータ(PC)、車両に搭載されたナビゲーション装置、携帯電話機、PDA、タブレット型端末、スマートフォン等がある。また、ログ情報公開センタ2と通信端末5とは通信ネットワーク網6を介して互いに電子データを送受信可能に構成されている。
ここで、ログ情報公開サーバ3は、通信端末5のユーザ4によってコンピュータネットワーク上に投稿されたログ情報の管理を行うとともに、ユーザ4からログ情報の閲覧の要求を受け付けた場合には、ログ情報を要求のあった通信端末5に配信することによってログ情報の内容をユーザ4に閲覧可能にする(公開する)サーバ装置である。尚、ログ情報公開サーバ3の詳細については後述する。
ここで、本実施形態でログ情報公開サーバ3により管理及び公開の対象となるログ情報としては、ユーザ4が移動した移動経路に関する情報が含まれる。尚、移動経路に関する情報としては、ユーザ4が過去に移動した移動経路について、該移動経路が地図上のどの地点を通過する経路であるかを特定する情報、移動経路の全長、移動経路の標高の推移(高低差)に関する情報等がある。また、ユーザ4による移動経路の移動手段としては、車、バイク、自転車、徒歩等がある。そして、ユーザ4は、自らの移動経路に関する情報を取得するとともに、取得した移動経路に関する情報をログ情報としてログ情報公開サーバ3に投稿することによって、ログ情報公開サーバ3を介してログ情報を公開することが可能となる。尚、移動経路に関する情報の取得方法としては様々な方法があるが、例えば自転車の移動経路に関する情報は自転車に備え付けたサイクルコンピュータによって取得することが可能である。また、GPSを備えたスマートフォンやナビゲーション装置等によっても取得可能である。図3はログ情報公開サーバ3により管理及び公開の対象となるログ情報の一例について示した図である。
図3に示すように、ログ情報公開サーバ3により管理及び公開の対象となるログ情報には、ユーザの移動経路10が地図上のどの地点を通過する経路であるかを特定する情報や、移動経路10の全長、移動経路10の標高の推移(高低差)に関する情報について含まれる。尚、ログ情報としてはこれらの全ての情報を含む必要はなく、例えば移動経路10の全長や移動経路10の標高の推移に関する情報については除いて良い。また、移動経路10の全長や移動経路10の標高の推移に関する情報については、投稿された移動経路を構成するリンクや座標点からログ情報公開サーバ3が作成しても良い。また、ログ情報には移動経路10の開始地点(出発地)11、経由地点(経由地点がある場合のみ)12、終了地点(目的地)13を特定する情報についても含めても良い。そして、ログ情報公開サーバ3は、後述のように投稿者であるユーザ4からログ情報の投稿があった場合には、投稿されたログ情報をDBに格納する。その後、ユーザ4からログ情報の閲覧の要求を受け付けた場合には、図3に示す各ログ情報を要求のあった通信端末5に配信し、通信端末5を介して閲覧可能に構成する(公開する)。但し、ログ情報に含む移動経路がユーザの個人情報を特定し得る経路である場合には、投稿された移動経路をそのまま公開するのではなく、移動経路を変更し、変更後の移動経路に関する情報について公開するように構成する。
一方、通信端末5は、ユーザ4の移動経路を取得する機能やログ情報を閲覧する為の表示機能を備えた情報通信端末が用いられ、例えばPC、ナビゲーション装置、携帯電話機、PDA、タブレット型端末、スマートフォン等が該当する。
また、通信端末5は、送受信回路部(RF)14を介して通信ネットワーク網6に接続され、ログ情報公開センタ2と双方向通信可能に構成されている。そして、ログ情報公開センタ2からログ情報を受信した場合には、受信したログ情報の内容(図3参照)を通信端末5のディスプレイ等に表示し、ログ情報の内容をユーザに閲覧可能とする。
また、通信ネットワーク網6は全国各地に配置された多数の基地局と、各基地局を管理及び制御する通信会社とを含み、基地局及び通信会社を有線(光ファイバー、ISDN等)又は無線で互いに接続することにより構成されている。
ここで、基地局は通信端末5との通信をするトランシーバー(送受信機)とアンテナを有する。そして、基地局は通信会社の間で無線通信を行う一方、通信ネットワーク網6の末端となり、基地局の電波が届く範囲(セル)にある通信端末5の通信をログ情報公開センタ2との間で中継する役割を持つ。
続いて、ログ情報公開システム1を構成するログ情報公開サーバ3の構成について図2を用いてより詳細に説明する。ログ情報公開サーバ3は、図2に示すように情報管理ECU15と、情報管理ECU15に接続された情報記録手段としてのログ情報DB16及び地図情報DB17と、センタ通信装置18とから基本的に構成されている。
情報管理ECU15は、図2に示すようにログ情報公開サーバ3における各種制御を行う電子制御ユニットである。そして、演算装置及び制御装置としてのCPU21、並びにCPU21が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM22、各種制御プログラムの他、後述のログ情報管理処理プログラム(図6)等が記憶されたROM23等の内部記憶装置を備えている。尚、情報管理ECU15は、処理アルゴリズムとしての各種手段を構成する。例えば、ログ情報取得手段は、ユーザが移動した移動経路に関する情報を含むログ情報を取得する。私的領域設定手段は、ユーザの個人情報に基づいて、該ユーザの個人情報を特定し得る領域である私的領域を設定する。領域判定手段は、私的領域内に移動経路の少なくとも一部が含まれるか否か判定する。公共施設検索手段は、領域判定手段によって私的領域内に移動経路の少なくとも一部が含まれると判定された場合に、私的領域外にある公共施設を検索する。経路変更手段は、移動経路を、移動経路の高低差が変更前後で同一又は所定差分以内であって且つ私的領域内に変更後の移動経路が含まれないように、公共施設検索手段により検索された公共施設を開始地点、経由地点又は終了地点とする経路へと変更する。情報公開手段は、経路変更手段により変更された後の移動経路に関する情報を含むログ情報を公開する。
また、ログ情報DB16は、ユーザ4から投稿され、公開される対象となるログ情報が記憶される記憶手段である。ここで、本実施形態に係るログ情報は、前記したようにユーザが移動した移動経路に関する情報を含む(図3参照)。図4はログ情報DB16の記憶領域の一例を示した図である。
図4に示すように、ログ情報DB16にはユーザ4から投稿されたログ情報が、投稿時刻や投稿したユーザ4を識別する識別IDや投稿したユーザ4の私的領域とともに格納される。そして、ログ情報DB16に格納されたログ情報は、ユーザ4からログ情報の閲覧の要求を受け付けた場合に、要求のあった通信端末5に配信される。
また、私的領域は、ログ情報を投稿したユーザ4の個人情報を特定し得る領域であり、予めユーザ4によって個人情報に基づいて設定され、通信端末5に記憶されている。具体的には、図5に示すように、ユーザ4の自宅、職場、知人宅から所定距離以内(例えば1km以内)が私的領域24に設定される。そして、通信端末5からログ情報がログ情報公開サーバ3へと投稿される際には、通信端末5に記憶された私的領域についてもログ情報と併せてログ情報公開サーバ3へと送信される。その結果、情報管理ECU15は、ログ情報の投稿者であるユーザ4の私的領域を把握することが可能となる。尚、私的領域ではなく、自宅、職場、知人宅等の私的領域を形成する地点の座標を通信端末5からログ情報公開サーバ3へと送信し、ログ情報公開サーバ3が送信された地点の座標から私的領域を設定する構成としても良い。また、私的領域は行政区画単位で設定しても良い。
また、地図情報DB17は、地図情報が記憶される記憶手段である。ここで、地図情報DB17に格納されている地図情報は、道路網を始めとして経路探索及び地図表示に必要な各種情報が記録されており、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、施設等の地点に関する地点情報25、各交差点に関する交差点データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ、地点毎の標高を示す標高データ、地図を表示するための地図表示データ等から構成されている。尚、地図情報DB17は、定期的に新たな地図情報へと更新される。
ここで、地点情報25は、一般的な施設の他、駅、市役所、公園、病院等の公共施設に関する情報が記憶される。具体的に地点情報25は、地点毎に地点名称と位置情報(緯度、経度)とを対応づけた情報からなる。尚、地図情報DB17はログ情報公開サーバ3が有するのではなく、外部のサーバが有する構成とし、地点情報25を外部のサーバから通信によりログ情報公開サーバ3が取得する構成としても良い。
また、センタ通信装置18は、通信端末5と通信ネットワーク網6を介して通信を行う為の通信装置である。本実施形態では、センタ通信装置18を介してログ情報を通信端末5との間で送受信する。
続いて、前記構成を有するログ情報公開サーバ3において実行するログ情報管理処理プログラムについて図6に基づき説明する。図6は本実施形態に係るログ情報管理処理プログラムのフローチャートである。ここで、ログ情報管理処理プログラムは通信端末5からログ情報公開サーバ3へとログ情報が投稿された場合に実行され、投稿されたログ情報に含む移動経路に関する情報を、投稿したユーザ4の個人情報が特定できないように変更した後に公開するプログラムである。尚、以下の図6、図8及び図17にフローチャートで示されるプログラムは、ログ情報公開サーバ3が備えるRAM22やROM23等に記憶されており、CPU21により実行される。
先ず、ログ情報管理処理プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU21は、通信端末5から投稿されたログ情報を取得する。本実施形態に係るログ情報は、前記したようにユーザが移動した移動経路に関する情報を含む(図3参照)。
次に、S2においてCPU21は、ログ情報とともに通信端末5から送信された投稿者であるユーザ4の私的領域を取得する。前記したように私的領域は、ログ情報を投稿したユーザ4の個人情報を特定し得る領域であり、予めユーザ4によって設定され、通信端末5に記憶されている(図5参照)。例えば、ユーザ4の自宅、職場、知人宅から所定距離以内(例えば1km以内)が私的領域に設定される。
続いて、S3においてCPU21は、前記S1で取得されたログ情報に含まれる移動経路と、前記S2で取得された私的領域とを比較し、私的領域内に移動経路の少なくとも一部が含まれるか否か判定する。
そして、私的領域内に移動経路の少なくとも一部が含まれると判定された場合(S3:YES)には、ログ情報に含まれる移動経路がユーザの個人情報を特定し得る経路であると推定し、S4へと移行する。それに対して、私的領域内に移動経路が含まれていないと判定された場合(S3:NO)には、ログ情報に含まれる移動経路からユーザの個人情報が特定される虞は無いとして、移動経路の変更を行わすにS7へと移行する。
S4においてCPU21は、前記S1で取得されたログ情報に含まれる移動経路と、前記S2で取得された私的領域とを比較し、私的領域内に移動経路の全体が含まれるか否か判定する。
そして、私的領域内に移動経路の一部のみ含まれると判定された場合(S4:NO)には、S5へと移行する。それに対して、私的領域内に移動経路の全体が含まれると判定された場合(S4:YES)には、S6へと移行する。
S5においてCPU21は、後述の一部移動経路変更処理(図8)を実行する。ここで、一部移動経路変更処理は、私的領域内に移動経路が含まれないようにログ情報に含まれる移動経路の一部を変更する処理である。その後、S7へと移行する。
一方、S6においてCPU21は、後述の全移動経路変更処理(図17)を実行する。ここで、全移動経路変更処理は、私的領域内に移動経路が含まれないようにログ情報に含まれる移動経路の全体を変更する処理である。
S7においてCPU21は、前記S1で通信端末5から受信したログ情報を、コンピュータネットワーク上で公開する。具体的には、ログ情報の閲覧の要求があった場合に、閲覧の要求のあったログ情報を、要求した通信端末5に対して送信する。その結果、ログ情報の閲覧を要求した通信端末5のディスプレイにおいて、ログ情報が表示される。尚、前記S7で公開される対象となるログ情報は、前記S5又は前記S6の処理を行っている場合には、前記S5又は前記S6の処理で変更された後の移動経路を含むログ情報となる。
ここで、図7は通信端末5のディスプレイにおいて表示されるログ情報30の一例を示した図である。図7に示すように、通信端末5のディスプレイに表示されるログ情報30は、投稿者のID、移動した日時、地図画像31上において移動経路32の全体形状を示す画像、開始地点(出発地)から終了地点(目的地)までの移動経路32の全長及び移動経路32の標高の推移33を示す画像等が含まれる。従って、ログ情報30を閲覧したユーザは、IDによって特定されるユーザが、何時どのような道をどのように移動したのかを把握することが可能となる。また、ログ情報30を閲覧したユーザは、移動経路32の開始地点34、経由地点(経由地点がある場合のみ)35、終了地点36についても特定することが可能となる。
次に、前記S5において実行される一部移動経路変更処理のサブ処理について図8に基づき説明する。図8は一部移動経路変更処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
先ず、S11においてCPU21は、前記S1で取得されたログ情報に含まれる移動経路と、前記S2で取得された私的領域とを比較し、私的領域内に移動経路の開始地点(出発地)又は終了地点(目的地)が含まれるか否か判定する。
そして、私的領域内に移動経路の開始地点又は終了地点が含まれると判定された場合(S11:YES)には、S12へと移行する。それに対して、私的領域内に移動経路の開始地点又は終了地点が含まれないと判定された場合(S11:NO)、即ち、移動経路の開始地点と終了地点の間の経路部分が私的領域に含まれていると判定された場合には、S21へと移行する。
S12においてCPU21は、私的領域の境界線と移動経路が交差する地点(以下、交差地点という)を特定する。例えば、図9に示すように移動経路40の開始地点41を含む範囲に私的領域42がある場合には、開始地点41の近傍に交差地点Aが特定される。また、図10に示すように移動経路40の終了地点43を含む範囲に私的領域42がある場合には、終了地点43の近傍に交差地点Bが特定される。
次に、S13においてCPU21は、前記S13で算出された交差地点から私的領域に含まれる開始地点又は終了地点までの距離を算出する。例えば、図9に示すように移動経路40の開始地点41を含む範囲に私的領域42がある場合には、交差地点Aから開始地点41までの距離L1が算出される。また、図10に示すように移動経路40の終了地点43を含む範囲に私的領域42がある場合には、交差地点Bから終了地点43までの距離L2が算出される。そして、前記S13で算出された距離が後述のS14で公共施設の検索を行う際の検索距離となる。尚、前記S13で算出される距離は直線距離とするが、道なり距離としても良い。
続いて、S14においてCPU21は、地図情報DB17に記憶された地点情報25を用い、前記S12で特定された交差地点を中心として、前記S13で算出された検索距離以内の私的領域外にある公共施設を検索する施設検索処理を実行する。例えば、図11に示すように移動経路40の開始地点41を含む範囲に私的領域42がある場合には、交差地点Aから検索距離(交差地点Aから開始地点41までの距離)L1以内であって、私的領域42と重複しない範囲45を検索対象範囲として公共施設の検索が行われる。尚、公共施設とは、不特定多数の人間が立ち入ることが可能な施設(即ち、ユーザが立ち寄ったとしても、立ち寄った事実からではユーザの個人情報を特定することができない施設)であり、例えば駅、市役所、公園、病院等がある。
次に、S15においてCPU21は、前記S14の施設検索処理の結果、交差地点を中心とした検索距離以内で且つ私的領域外に公共施設が検索できたか否か判定する。
そして、交差地点を中心とした検索距離以内で且つ私的領域外に少なくとも1以上の公共施設が検索できたと判定された場合(S15:YES)には、S17へと移行する。それに対して、交差地点を中心とした検索距離以内で且つ私的領域外に公共施設が検索できなかったと判定された場合(S15:YES)には、S17へと移行する。
S16においてCPU21は、公共施設を検索する為の検索距離を延長する。例えば、前回の検索距離を500m伸ばした距離を新たな検索距離とする。その後、S14へと戻り、延長された検索距離に基づいて再度公共施設の検索が行われる。
一方、S17においてCPU21は、地図情報DB17に記憶された地図情報を用いて、前記S12で特定された交差地点から前記S14で検索された公共施設までの推奨経路を探索する。尚、推奨経路の探索については公知のダイクストラ法が用いられる。尚、前記S14で公共施設が複数検索された場合には、各公共施設について交差地点からの推奨経路が探索される。
次に、S18においてCPU21は、前記S14で検索された公共施設を開始地点又は終了地点とし、前記S17で探索された推奨経路を含む経路へと移動経路を変更した場合であっても、移動経路の全長が変更前後で同一又は所定距離以内の差となるか否か判定する。尚、所定距離以内とは、移動経路の全長と比較して誤差の範囲内とみなせる距離とし、例えば全長の5%以内とする。具体的には、図12に示すように移動経路40の開始地点41を含む範囲に私的領域42がある場合であって、検索範囲45において公共施設46が検索された場合には、開始地点41から交差地点Aまでの道なり距離T1と、公共施設46から交差地点Aまでの道なり距離T2が比較される。そして、T1とT2が同一又は所定距離以内の差である場合には、移動経路の全長が変更前後(即ち、開始地点41から交差地点Aを経由して終了地点43へと至る変更前の移動経路と公共施設46から交差地点Aを経由して終了地点43へと至る変更後の経路)で同一又は所定距離以内の差となると判定される。
そして、前記S14で検索された公共施設を開始地点又は終了地点とし、前記S17で探索された推奨経路を含む経路へと移動経路を変更した場合であっても、移動経路の全長が変更前後で同一又は所定距離以内の差となると判定された場合(S18:YES)には、S19へと移行する。それに対して、前記S14で検索された公共施設を開始地点又は終了地点とし、前記S17で探索された推奨経路を含む経路へと移動経路を変更した場合に、移動経路の全長が変更前後で所定距離より大きい差が生じると判定された場合(S18:NO)には、S16へと移行する。S16では検索距離が延長され、その後、S14では新たに適合する公共施設を検索する処理が行われる。
S19においてCPU21は、通信端末5から投稿されたログ情報に含まれる移動経路を変更する。具体的には、前記S14で検索された公共施設を開始地点又は終了地点とし、前記S17で探索された推奨経路を含む経路へと移動経路を変更する。例えば、図13に示すように移動経路40の開始地点41を含む範囲に私的領域42がある場合であって、検索範囲45において公共施設46が検索された場合には、公共施設46を開始地点として前記S17で探索された推奨経路47を通り、交差地点Aから終了地点43へと至る移動経路へと変更する。また、図14に示すように移動経路40の終了地点43を含む範囲に私的領域42がある場合であって、検索範囲45において公共施設48が検索された場合には、開始地点41から交差地点Bへと至り、交差地点Bから前記S17で探索された推奨経路49を通って公共施設48へと至る移動経路へと変更する。尚、前記S14で公共施設が複数検索され、且つ前記S18の判定処理も満たす公共施設が複数ある場合には、移動経路の全長の差が最も小さくなる公共施設を開始地点又は終了地点に用いた移動経路へと変更する。
その後、S20においてCPU21は、前記S19で変更された後の移動経路と、前記S2で取得された私的領域とを比較し、私的領域内に移動経路が含まれるか否か判定する。
そして、私的領域内に変更後の移動経路が含まれると判定された場合(S20:YES)には、変更後の移動経路についてもユーザの個人情報を特定し得る経路であると推定し、S11へと戻る。その後、S11以降の処理において再び移動経路の変更を行う。それに対して、私的領域内に移動経路が含まれていないと判定された場合(S20:NO)には、変更後の移動経路からユーザの個人情報が特定される虞は無いとして、S7へと移行する。S7では変更後の移動経路を含むログ情報が公開される。
また、前記S11において移動経路の開始地点と終了地点の間の経路部分が私的領域に含まれていると判定された場合に実行されるS21では、CPU21は、私的領域の境界線と移動経路が交差する交差地点を特定する。尚、交差地点は、開始地点側の交差地点と終了地点側の交差地点が存在する。例えば、図15に示すように移動経路40の開始地点41と終了地点43の間に私的領域42がある場合には、開始地点41側の交差地点Cと終了地点43側の交差地点Dとがそれぞれ特定される。
次に、S22においてCPU21は、前記S21で算出された開始地点側の交差地点から終了地点側の交差地点までの距離を算出する。例えば、図15に示すように移動経路40の開始地点41と終了地点43の間に私的領域42がある場合には、開始地点41側の交差地点Cから終了地点43側の交差地点Dまでの距離L3が算出される。そして、前記S22で算出された距離が前記S14で公共施設の検索を行う際の検索距離となる。尚、前記S22で算出される距離は直線距離とするが、道なり距離としても良い。
その後、CPU21は前記S21で特定された各交差地点を中心として、前記S22で算出された検索距離以内の私的領域外にある公共施設を検索する施設検索処理を実行する(S14)。そして、公共施設が検索できた場合には、各交差地点から検索された公共施設までの推奨経路を探索し(S17)、前記S14で検索された公共施設を経由地点とし、探索された各推奨経路を含む経路へと移動経路を変更した場合でも移動経路の全長が変化しない場合には移動経路の変更を行う(S19)。例えば、図16に示すように移動経路40の開始地点41から終了地点43までの間に私的領域42がある場合であって、検索範囲において公共施設50が検索された場合には、開始地点41から交差地点Cへと至り、交差地点Cから前記S17で探索された推奨経路51を通って公共施設50を経由し、更に同じく前記S17で探索された推奨経路52を通って交差地点Dへと至り、交差地点Dから終了地点43へと至る移動経路へと変更する。
次に、前記S6において実行される全移動経路変更処理のサブ処理について図17に基づき説明する。図17は全移動経路変更処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
先ず、S31においてCPU21は、前記S1で取得されたログ情報に基づいて、ログ情報に含まれる移動経路を地図上に作成する。尚、前記S1で取得されるログ情報には、移動経路を特定する情報として、移動経路を構成するリンクのリンク番号や、移動経路上の座標点が含まれる。
次に、S32においてCPU21は、前記S31で作成された移動経路と地図情報DB17に記憶された地図情報とに基づいて、移動経路の高低差を取得する。具体的には、図18に示すように、移動経路の開始地点から終了地点までの高低差を取得する。尚、前記S32で取得される移動経路の高低差は、図18に示すように標高の絶対値でも良いし、基準高さ(例えば開始地点の標高)に対する相対高さとしても良い。また、通信端末5からログ情報として移動経路の標高の推移に関する情報についても投稿されている場合には、該標高の推移に基づいて移動経路の高低差を取得する。
続いて、S33においてCPU21は、地図情報DB17に記憶された地点情報25を用い、前記S2で取得された私的領域外にある公共施設を検索する施設検索処理を実行する。具体的には、私的領域に近い順に所定数(例えば10個)の公共施設を検索する。
その後、S34においてCPU21は、前記S31で作成された移動経路が周回経路(即ち、開始地点と終了地点が同一の経路)であるか否か判定する。
そして、前記S31で作成された移動経路が周回経路であると判定された場合(S34:YES)には、S35へと移行する。それに対して、前記S31で作成された移動経路が周回経路でないと判定された場合(S34:NO)、即ち開始地点と終了地点が異なる直線経路であると判定された場合には、S36へと移行する。
S35においてCPU21は、経路全体が私的領域外にあって、経路の高低差と全長が前記S31で作成された移動経路と同一又は所定差分以内であって、前記S33で検索された一の公共施設を開始地点及び終了地点とする周回経路を生成する。尚、前記S35で高低差を比較する場合には、経路の開始地点から終了地点までの標高の変位態様を比較しても良いし、開始地点と終了地点の高低差のみを比較しても良いし、経路内の標高の最高値と最低値の高低差のみを比較しても良い。また、所定差分以内とは、移動経路の高低差や全長と比較して誤差の範囲内とみなせる高低差や距離とし、例えば移動経路の高低差の最大値の5%以内及び全長の5%以内とする。また、該当する経路が複数生成できる場合には、移動経路と高低差及び全長の差が最も小さくなる経路のみを生成する。その後、S37へと移行する。
一方、S36においてCPU21は、経路全体が私的領域外にあって、経路の高低差と全長が前記S31で作成された移動経路と同一又は所定差分以内であって、前記S33で検索された2箇所の公共施設をそれぞれ開始地点及び終了地点とする直線経路を生成する。尚、開始地点及び終了地点の一方のみを公共施設とし、他方は公共施設以外の施設としても良い。また、前記S36で高低差を比較する場合には、S35と同様に経路の開始地点から終了地点までの標高の変位態様を比較しても良いし、開始地点と終了地点の高低差のみを比較しても良いし、経路内の標高の最高値と最低値の高低差のみを比較しても良い。また、所定差分以内とは、移動経路の高低差や全長と比較して誤差の範囲内とみなせる高低差や距離とし、例えば移動経路の高低差の最大値の5%以内及び全長の5%以内とする。また、該当する経路が複数生成できる場合には、移動経路と高低差及び全長の差が最も小さくなる経路のみを生成する。その後、S37へと移行する。
S37においてCPU21は、通信端末5から投稿されたログ情報に含まれる移動経路を、前記S35又は前記S36で生成された経路へと変更する。例えば、図19に示すように周回経路である移動経路40の全体が私的領域42に含まれる場合には、私的領域42外にある公共施設60を開始地点及び終了地点とする移動経路61へと変更する。また、図20に示すように直線経路である移動経路40の全体が私的領域42に含まれる場合には、私的領域42外にある2つの公共施設62、63を開始地点及び終了地点とする移動経路64へと変更する。そして、前記S37で変更された後の移動経路は私的領域に含まれないので、変更後の移動経路からはユーザの個人情報が特定される虞が無いと推定し、S7へと移行する。S7では変更後の移動経路を含むログ情報が公開される。
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係るログ情報公開システム1、ログ情報公開システム1によるログ情報公開方法及びログ情報公開システム1において実行されるコンピュータプログラムでは、ユーザが移動した移動経路に関する情報を含むログ情報とともに、ユーザの個人情報を特定し得る領域である私的領域を取得し(S1、S2)、私的領域内に移動経路の全部が含まれる場合に、私的領域外にある公共施設を検索し(S33)、取得されたログ情報に含む移動経路を、移動経路の高低差が変更前後で同一又は所定差分以内であって且つ私的領域内に移動経路が含まれないように検索された公共施設を開始地点、経由地点又は終了地点とする経路へと変更し(S37)、変更された後の移動経路に関する情報を含むログ情報を公開する(S7)ので、ユーザの移動経路を公開する場合において、該移動経路がユーザの個人情報を特定し得る経路である場合に、移動経路の高低差を大きく変化させることなく、ユーザの個人情報を特定することができない経路へと変更することが可能となる。その結果、特に歩行や自転車による移動を行った際においてログ情報を公開するユーザの目的を達成させつつ、ユーザの個人情報を特定させる虞も無い。
また、移動経路の全長が変更前後で同一又は所定距離以内の差となるように移動経路を変更するので、移動経路を変更しても、移動した距離については大きく変わることが無いので、可能な限り正確な移動経路に関する情報を公開することが可能となる。
また、私的領域内に移動経路の全部が含まれると判定された場合に、移動経路の高低差が変更前後で同一又は所定差分以内である私的領域外の経路へと移動経路の変更を行うので、移動経路を異なるエリアにある新規の経路へと変更する場合であっても、移動経路の高低差を大きく変化させることが無い。
また、移動経路が開始地点と終了地点が同一となる周回経路である場合に、開始地点及び終了地点を私的領域外にある同一の公共施設とする経路へと変更するので、移動経路を異なるエリアにある新規の経路へと変更する場合であっても、移動経路の全体形状を大きく変化させることなく、且つユーザの個人情報を特定することができない経路へと変更することが可能となる。
また、移動経路が開始地点と終了地点が異なる経路である場合に、開始地点及び終了地点の少なくとも一方を私的領域外にある公共施設とする経路へと変更するので、移動経路を異なるエリアにある新規の経路へと変更する場合であっても、移動経路の全体形状を大きく変化させることなく、且つユーザの個人情報を特定することができない経路へと変更することが可能となる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態ではログ情報管理処理プログラム(図6)のS3〜S6の処理をログ情報公開サーバ3が実行する構成としているが、通信端末5やその他のサーバが一部または全部の処理を実行する構成としても良い。
また、本実施形態では、私的領域を通信端末5側でユーザが設定し、ログ情報公開サーバ3は通信端末5からユーザの私的領域を通信により取得する構成としているが、ユーザID毎に予め定められた私的領域をログ情報公開サーバ3が有する構成としても良い。また、自宅の位置や職場の位置を通信端末5から通信により取得し、ログ情報公開サーバ3が私的領域を設定する構成としても良い。
また、本実施形態では、図17に示す全移動経路変更処理は、移動経路の全体が私的領域に含まれる場合に実行することとしているが、移動経路の一部のみが私的領域に含まれる場合においても実行する構成としても良い。
また、本実施形態では、図17に示す全移動経路変更処理において、移動経路を、経路の高低差と全長が該移動経路と同一又は所定差分以内である経路へと変更する構成としているが、経路の高低差と全長のいずれか一方のみを条件としても良い。
また、本実施形態では、移動経路の一部が私的領域内に含まれる場合に、私的領域の境界線と移動経路が交差する交差地点から検索された公共施設までの推奨経路を含む経路へと移動経路を変更することとしているが、推奨以外の他の探索条件(例えば距離優先)により探索された経路を含む経路へと変更することとしても良い。また、私的領域に含まれない地点であれば、交差地点以外の地点から公共施設までの推奨経路を含む経路へと移動経路を変更することとしても良い。但し、移動経路の変位量を少なくする為に、交差地点にできる限り近い地点を用いることが望ましい。
また、本実施形態では、移動経路の少なくとも一部が私的領域内に含まれる場合に、移動経路を、検索された公共施設を開始地点、経由地点又は終了地点とする経路へと変更することとしているが、公共施設以外でもユーザの個人情報が特定される虞の無い施設であれば、公共施設以外の施設を開始地点、経由地点又は終了地点とする経路へと変更しても良い。
1 ログ情報公開システム
2 ログ情報公開センタ
3 ログ情報公開サーバ
4 ユーザ
5 通信端末
10 移動経路
15 情報管理ECU
16 ログ情報DB
17 地図情報DB
21 CPU
22 RAM
23 ROM
24 私的領域

Claims (8)

  1. ユーザが移動した移動経路と該移動経路の高低差とに関する情報を含むログ情報を取得するログ情報取得手段と、
    前記ユーザの個人情報に基づいて、該ユーザの個人情報を特定し得る領域である私的領域を設定する私的領域設定手段と、
    前記私的領域内に前記移動経路の少なくとも一部が含まれるか否か判定する領域判定手段と、
    前記領域判定手段によって前記私的領域内に前記移動経路の少なくとも一部が含まれると判定された場合に、前記私的領域外にある公共施設を検索する公共施設検索手段と、
    前記移動経路を、前記移動経路の高低差が変更前後で同一又は所定差分以内であって且つ前記私的領域内に変更後の前記移動経路が含まれないように、前記公共施設検索手段により検索された前記公共施設を開始地点、経由地点又は終了地点とする経路へと変更する経路変更手段と、
    前記経路変更手段により変更された後の前記移動経路に関する情報を含む前記ログ情報を公開する情報公開手段と、を有することを特徴とするログ情報公開システム。
  2. 前記経路変更手段は、前記移動経路の全長が変更前後で同一又は所定距離以内の差となるように前記移動経路を変更することを特徴とする請求項1に記載のログ情報公開システム。
  3. 前記公共施設検索手段は、前記私的領域内に前記移動経路の全部が含まれると判定された場合に、前記私的領域外にある公共施設を検索することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のログ情報公開システム。
  4. 前記経路変更手段は、前記移動経路が開始地点と終了地点が同一となる周回経路である場合に、開始地点及び終了地点を前記公共施設検索手段により検索された同一の前記公共施設とする経路へと変更することを特徴とする請求項3に記載のログ情報公開システム。
  5. 前記経路変更手段は、前記移動経路が開始地点と終了地点が異なる経路である場合に、該開始地点及び終了地点の少なくとも一方を前記公共施設検索手段により検索された前記公共施設とする経路へと変更することを特徴とする請求項3に記載のログ情報公開システム。
  6. ユーザが移動した移動経路と該移動経路の高低差とに関する情報を含むログ情報を取得するログ情報取得手段と、
    前記ユーザの個人情報に基づいて、該ユーザの個人情報を特定し得る領域である私的領域を設定する私的領域設定手段と、
    前記私的領域内に前記移動経路の少なくとも一部が含まれるか否か判定する領域判定手段と、
    前記領域判定手段によって前記私的領域内に前記移動経路の少なくとも一部が含まれると判定された場合に、前記私的領域外にある公共施設を検索する公共施設検索手段と、
    前記移動経路を、前記移動経路の高低差が変更前後で同一又は所定差分以内であって且つ前記私的領域内に変更後の前記移動経路が含まれないように、前記公共施設検索手段により検索された前記公共施設を開始地点、経由地点又は終了地点とする経路へと変更する経路変更手段と、
    前記経路変更手段により変更された後の前記移動経路に関する情報を含む前記ログ情報を公開する情報公開手段と、を有することを特徴とするログ情報公開装置。
  7. ユーザが移動した移動経路と該移動経路の高低差とに関する情報を含むログ情報を取得するログ情報取得ステップと、
    前記ユーザの個人情報に基づいて、該ユーザの個人情報を特定し得る領域である私的領域を設定する私的領域設定ステップと、
    前記私的領域内に前記移動経路の少なくとも一部が含まれるか否か判定する領域判定ステップと、
    前記領域判定ステップによって前記私的領域内に前記移動経路の少なくとも一部が含まれると判定された場合に、前記私的領域外にある公共施設を検索する公共施設検索ステップと、
    前記移動経路を、前記移動経路の高低差が変更前後で同一又は所定差分以内であって且つ前記私的領域内に変更後の前記移動経路が含まれないように、前記公共施設検索ステップにより検索された前記公共施設を開始地点、経由地点又は終了地点とする経路へと変更する経路変更ステップと、
    前記経路変更ステップにより変更された後の前記移動経路に関する情報を含む前記ログ情報を公開する情報公開ステップと、を有することを特徴とするログ情報公開方法。
  8. コンピュータに、
    ユーザが移動した移動経路と該移動経路の高低差とに関する情報を含むログ情報を取得するログ情報取得機能と、
    前記ユーザの個人情報に基づいて、該ユーザの個人情報を特定し得る領域である私的領域を設定する私的領域設定機能と、
    前記私的領域内に前記移動経路の少なくとも一部が含まれるか否か判定する領域判定機能と、
    前記領域判定機能によって前記私的領域内に前記移動経路の少なくとも一部が含まれると判定された場合に、前記私的領域外にある公共施設を検索する公共施設検索機能と、
    前記移動経路を、前記移動経路の高低差が変更前後で同一又は所定差分以内であって且つ前記私的領域内に変更後の前記移動経路が含まれないように、前記公共施設検索機能により検索された前記公共施設を開始地点、経由地点又は終了地点とする経路へと変更する経路変更機能と、
    前記経路変更機能により変更された後の前記移動経路に関する情報を含む前記ログ情報を公開する情報公開機能と、
    を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023095512A1 (ja) * 2021-11-25 2023-06-01 本田技研工業株式会社 情報提供装置及び情報提供方法

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