JP2014178218A - 半導体物理量センサ - Google Patents

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淳 荻原
Hisatoku Shiroishi
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Abstract

【課題】より簡素な構成で各電位取出部から可動電極と固定電極の電位を取り出すことの可能な半導体物理量センサを得る。
【解決手段】対向配置される可動電極8および固定電極10(11)が形成されたシリコン基板(半導体基板)4と、そのシリコン基板(半導体基板)4の一方の面4aの一部を露出させた状態で被覆するガラス基板(絶縁基板)2と、一方の面4aの露出部40に設けられる複数の電極パッド(電位取出部)20、21(22)と、を備える。そして、シリコン基板(半導体基板)4に、可動電極8の電極パッド(電位取出部)20と固定電極10(11)の電極パッド(電位取出部)21(22)とを絶縁させる絶縁部25を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体物理量センサに関する。
従来の半導体物理量センサとして、対向配置される可動電極および固定電極が形成された半導体基板と、半導体基板の一方の面の一部を露出させた状態で被覆する絶縁基板と、を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1では、上述した半導体基板における一方の面の露出部に複数の電位取出部を設けるようにしている。このような構成により、絶縁基板側に電位取出部としてのスルーホールを形成する一般的な構成と比べて、加工工数を低減でき有利であった。
特開2006−349563号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、半導体基板に配線を形成するとともに、その配線をばね状に引き回すことで可動電極および固定電極と各電位取出部とを電気的に接続していた。そのため、配線の形成作業が煩雑となってしまう虞があった。
また、上記従来技術(図11、図12)では、半導体基板の貫通エッチング時において、エッチングにより配線を損傷する可能性がある。さらに、半導体基板からの応力、または配線自身による応力に耐えきれずに配線が断線してしまう虞もあった。
そこで、本発明は、より簡素な構成で各電位取出部から可動電極と固定電極の電位を取り出すことの可能な半導体物理量センサを得ることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の特徴は、対向配置される可動電極および固定電極が形成された半導体基板と、前記半導体基板の一方の面の一部を露出させた状態で被覆する絶縁基板と、前記一方の面の露出部に設けられる複数の電位取出部と、を備え、前記半導体基板に、前記可動電極の電位取出部と前記固定電極の電位取出部とを絶縁させる絶縁部を形成したことを要旨とする。
本発明の第2の特徴は、前記半導体基板には、前記可動電極の電位取出部と前記固定電極の電位取出部とを離間させる間隙部が形成されており、前記絶縁部は、前記間隙部に酸化膜を埋め戻すことで形成されていることを要旨とする。
本発明の第3の特徴は、前記間隙部が、複数形成されていることを要旨とする。
本発明によれば、半導体基板に可動電極の電位取出部と固定電極の電位取出部とを絶縁させる絶縁部を形成している。そのため、半導体基板自体によって可動電極とその電位取出部および固定電極とその電位取出部を電気的に接続させることができつつ、各電位取出部が同電位となってしまうことを防止できる。よって、より簡素な構成で各電位取出部から可動電極と固定電極の電位を取り出すことが可能となる。
本発明の第1実施形態にかかる半導体物理量センサを示した図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。 本発明の第2実施形態にかかる半導体物理量センサの平面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
図1(a)、(b)は、本発明にかかる半導体物理量センサの第1実施形態を示した図であり、本実施形態では、半導体物理量センサとして加速度センサ1を例にとって説明するものとする。
本実施形態の加速度センサ1は、上下に配置される2枚のガラス基板(絶縁基板)2と、これら2枚のガラス基板2に挟まれるシリコン基板(半導体基板)4とを備えている。ガラス基板2は絶縁層となり、シリコン基板4は半導体層となる。これらガラス基板2とシリコン基板4とは、最終的に陽極接合などによって一体に接合される。
シリコン基板4には、図1(a)に示すように、公知の半導体プロセスにより間隙5を形成することで、中心部を取り囲む略矩形状のアンカー部6が形成されている。そして、そのアンカー部6のさらに外周側には、絶縁性の周囲フレーム7が配置されている。なお、本実施形態では、略矩形状のアンカー部6の短辺方向(図中左右方向)をY方向、長辺方向(図中上下方向)をX方向として以下説明するものとする。
アンカー部6の間隙3を隔てたX方向内側には錘を兼ねた可動電極8が形成されている。一方、アンカー部6の間隙9を隔てたY方向内側には一対の固定電極10、11が形成されている。なお、アンカー部6は、ガラス基板2に陽極接合等により固定される。
また、可動電極8は、その四隅とアンカー部6との間に形成されたばね部12を介して揺動自在に支持されており、物理量としての加速度の印加によって可動電極8の移動が許容されるようになっている。このとき、可動電極8の両面と上下のガラス基板2のそれぞれの間にはギャップ(図示せぬ)が設けられ、そのギャップによって可動電極8の変位が可能となっている。
アンカー部6、可動電極8、第1の固定電極10、第2の固定電極11およびばね部12は、シリコン基板4を、例えば反応性イオンエッチング等により垂直エッチング加工することで形成されている。
図1(a)に示すように、可動電極8は、Y方向両側にX方向に沿って配置される一対の電極幹部81、82と、これら電極幹部81、82のX方向中央部間を連結する櫛歯基部83とによって略H字状に形成されている。そして、可動電極8の櫛歯基部83には、それぞれ複数の櫛歯電極84a、85aがX方向の一方側(上側)と他方側(下側)とに向けて突出する第1櫛歯部分84および第2櫛歯部分85が設けられている。
一方、第1の固定電極10と第2の固定電極11とは、可動電極8の櫛歯基部83を挟んで、X方向両側のスペースとなる一対の電極幹部81、82間に配置されている。そして、互いに対向する側とは反対側、つまり、X方向両端側が基部14、16となっている。そして、それら基部14、16には、可動電極8の櫛歯基部83に向かって複数の櫛歯電極15a、17aが突出した第3櫛歯部分15および第4櫛歯部分17が設けられている。
そして、可動電極8の第1櫛歯部分84と第1の固定電極10の第3櫛歯部分15とが互いに噛合されているとともに、可動電極8の第2櫛歯部分85と第2の固定電極11の第4櫛歯部分17とが互いに噛合されている。このとき、第1櫛歯部分84の櫛歯電極84aと第3櫛歯部分15の櫛歯電極15aとの間、および第2櫛歯部分85の櫛歯電極85aと第4櫛歯部分17の櫛歯電極17aとの間には、Y方向に対して互いに逆となる側にそれぞれ所定の検知部が設けられている。そして、それぞれの検知部間のギャップに蓄積した静電気の変化(静電容量変化)を検出するようになっている。
ばね部12は、可動電極8のY方向両側とX方向両側とに位置して、合計4箇所設けられている。それぞれのばね部12は、例えば連続する一本の細長い線状部を複数段のつづら折り状に折曲した状態で形成することができ、ばね部12全体で可動電極8の変位を許容するように弾発力をもって支持している。このとき、アンカー部6と可動電極8との間には、その可動電極8のX方向およびY方向への変位量を制限するストッパー部13が配置されている。これにより、過大な加速度の入力によって、可動電極8がアンカー部6に衝突して固着してしまうのを防止できるようにしている。
また、本実施形態では、2枚のガラス基板2のうちの一方側(上側のガラス基板2)がシリコン基板4の一方の面4aの一部を露出させた状態で被覆するようになっている。これにより、シリコン基板4の一方の面4aには露出部40が設けられていることになる。そして、本実施形態では、そのシリコン基板4の露出部40に、複数(本実施形態では3つ)の電位取出部としての電極パッド20、21、22を設けている。
電極パッド20は、可動電極8の電位取出口となる。すなわち、可動電極8とアンカー部6とはばね部12を介して互いに電気的に接続されており、そのアンカー部6と電極パッド20とは間隙5の途切れ部分27と露出部40における電極パッド20の周縁部41とを介して互いに電気的に接続されている。よって、電極パッド20から可動電極8の電位を取り出すことができる。
一方、電極パッド21は、第1の固定電極10の電位取出口となり、電極パッド22は、第2の固定電極11の電位取出口となる。すなわち、第1の固定電極10と電極パッド21とは第1の連結部28と露出部40における電極パッド21の周縁部42とを介して互いに電気的に接続されている。また、第2の固定電極11と電極パッド22とは第2の連結部29と露出部40における電極パッド22の周縁部43とを介して互いに電気的に接続されている。よって、電極パッド21から第1の固定電極10の電位を取り出すことができ、電極パッド22から第2の固定電極11の電位を取り出すことができる。
このように、本実施形態では、可動電極8、第1の固定電極10および第2の固定電極11と各電極パッド20〜22とをシリコン基板4自体によって電気的に接続させるようにしている。そのため、シリコン基板4自体が配線の役目となり、シリコン基板4への配線の形成を不要とできる。
しかしながら、可動電極8と固定電極10(11)とが同じシリコン基板4で接続されていると、可動電極8の電位を取り出す電極パッド20と、固定電極10(11)の電位を取り出す電極パッド21(22)とが同電位となってしまう。
そこで、本実施形態では、シリコン基板4に、可動電極8の電極パッド20と固定電極10(11)の電極パッド21(22)とを絶縁させる絶縁部25を形成している。
具体的には、図1(a)に示すように、本実施形態では、シリコン基板4の露出部40が設けられたY方向の一端側に、絶縁部25をX方向に沿って合計4箇所形成し、これにより、3つの各電極パッド20〜22をそれぞれ絶縁させるようにしている。
すなわち、電極パッド20が第2の絶縁部25bと第3の絶縁部25cとによって、電極パッド21および電極パッド22と絶縁されている。また、電極パッド21が第1の絶縁部25aと第2の絶縁部25bとによって電極パッド20および22と絶縁されており、電極パッド22が第3の絶縁部25cと第4の絶縁部25dとによって電極パッド20および21と絶縁されている。
本実施形態では、シリコン基板4に、可動電極8の電極パッド20と、第1の固定電極10の電極パッド21と、第2の固定電極11の電極パッド22とを離間させる間隙部23を形成している。そして、その間隙部23に、図1(b)に示すように、例えばポリシリコンなどの絶縁酸化膜24を埋め戻すことで絶縁部25が形成されている。
本実施形態では、絶縁部25の各間隙部23は、いずれもシリコン基板4に形成された間隙5に連通するように形成されている。これにより、可動電極8の領域(可動電極8、ばね部12、アンカー部6、間隙5の途切れ部分27および露出部40における電極パッド20の周縁部41とで接続された領域)と、第1および第2の固定電極10、11の領域とが完全に離間するようになっている。なお、第1の固定電極10の領域とは、第1の固定電極10、第1の連結部28および露出部40における電極パッド21の周縁部42とで接続された領域となる。また、第2の固定電極11の領域とは、第2の固定電極11、第2の連結部29および露出部40における電極パッド22の周縁部43とで接続された領域となる。
そして、このように形成された各間隙部23に、上述した酸化膜24を埋め戻すことで、各電極パッド20〜22の絶縁性を高めるとともに、加速度センサ1の使用時に内部へ異物などが進入するを抑制できるようにしている。
このように構成された加速度センサ1は、印加される加速度によって可動電極8が第1の固定電極10および第2の固定電極11に対してY方向に変位する。これにより、第1櫛歯部分84と第3櫛歯部分15との間の静電容量、および第2櫛歯部分85と第4櫛歯部分17との間の静電容量が変化する。そして、それらの静電容量変化は、電気信号として各電極パッド20〜22から外部に取り出され、それらの静電容量信号を処理することにより、印加された加速度の大きさを検知することができる。
以上、説明したように、本実施形態の加速度センサ1によれば、シリコン基板(半導体基板)4に、可動電極8の電極パッド(電位取出部)20と固定電極10(11)の電極パッド(電位取出部)21(22)とを絶縁させる絶縁部25を形成している。そのため、シリコン基板4自体によって可動電極8とその電極パッド20および固定電極10(11)とその電極パッド21(22)を電気的に接続させることができつつ、各電極パッド20、21(22)が同電位となってしまうことを防止できる。よって、より簡素な構成で各電極パッド20、21(22)から可動電極8と固定電極10(11)の電位を取り出すことが可能となる。
また、このようにシリコン基板4自体によって可動電極8とその電極パッド20および固定電極10(11)とその電極パッド21(22)を電気的に接続させることができるため、従来のような配線による電気的接続の信頼性の低下を抑制することができる。
また、本実施形態では、シリコン基板4に、可動電極8の電極パッド20と固定電極10(11)の電極パッド21(22)とを離間させる間隙部23が形成されており、絶縁部25が、間隙部23に形成された酸化膜24により構成されている。そのため、各電極パッド20、21(22)の絶縁性を高めることができるとともに、加速度センサ1の使用時に、内部(可動電極8と上下のガラス基板2のそれぞれの間に形成されたギャップ内)へ異物などが進入してしまうのを抑制することができる。
また、本実施形態では、複数の電極パッド(電位取出部)20〜22が、加速度センサ1の検知軸方向となるY方向の一端側に集約されている。そのため、複数の電極パッドをY方向の両側に配置させる構成(例えば、可動電極の電極パッドをY方向一端側に設け、固定電極の電極パッドをY方向他端側に設ける構成)と比べて、加速度センサ1をY方向に小型化し易くできるという利点がある。
また、本実施形態では、シリコン基板4に間隙部23が複数形成されている。そのため、固定電極10(11)と可動電極8との間の距離が大きくなり、寄生容量を低減することができる。
なお、本実施形態では、アンカー部6の外周側に周囲フレーム7を設けるようにしたが、周囲フレーム7は設けなくてもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について図面を参照して説明する。図2は、本実施形態にかかる加速度センサ1Aを示した図である。
本実施形態の加速度センサ1Aは、上記第1実施形態の加速度センサ1と略同様の構成を有している。
すなわち、本実施形態の加速度センサ1Aにあっても、シリコン基板4の露出部40に、可動電極8の電位取出口となる電極パッド20と、第1の固定電極10および第2の固定電極11の電位取出口となる電極パッド21、22とが設けられている。そして、シリコン基板4には、可動電極8の電極パッド20と、第1の固定電極10の電極パッド21と、第2の固定電極11の電極パッド22とを絶縁させる絶縁部25が形成されている。
ここで、本実施形態の加速度センサ1Aが上記第1実施形態と主に異なる点は、第1の固定電極10の基部14と第2の固定電極11の基部16の無駄スペースを削除したことにある。また、本実施形態では、アンカー部6のX方向中央部における一対の無駄スペースにあっても削除してある。
上述した無駄スペースは、ガラス基板2側に電位取出部としてのスルーホールを形成する構成の場合に、シリコン基板4側に電極部を形成するスペースであった。しかしながら、本実施形態ならびに上記第1実施形態では、シリコン基板4の露出部40に、電位取出部としての電極パッド20〜22を設ける構成となっている。したがって、上述した無駄スペースを削除することができ、これにより、加速度センサ1Aの更なる小型化が可能となる。
以上の構成の本実施形態にあっても、上記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。すなわち、シリコン基板4自体によって可動電極8とその電極パッド20および固定電極10(11)とその電極パッド21(22)を電気的に接続させることができつつ、各電極パッド20、21(22)が同電位となってしまうことを防止できる。よって、より簡素な構成で各電極パッド20、21(22)から可動電極8と固定電極10(11)の電位を取り出すことができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、半導体物理量センサとして加速度センサを例示したが、これに限ることなく、可動電極を変位させる物理量であれば、その物理量の検出センサとして本発明を適用できる。
1、1A 加速度センサ(半導体物理量センサ)
2 ガラス基板(絶縁基板)
4 シリコン基板(半導体基板)
4a シリコン基板(半導体基板)の一方の面
40 露出部
8 可動電極
10 第1の固定電極(固定電極)
11 第2の固定電極(固定電極)
20、21、22 電極パッド(電位取出部)

Claims (3)

  1. 対向配置される可動電極および固定電極が形成された半導体基板と、
    前記半導体基板の一方の面の一部を露出させた状態で被覆する絶縁基板と、
    前記一方の面の露出部に設けられる複数の電位取出部と、を備え、
    前記半導体基板に、前記可動電極の電位取出部と前記固定電極の電位取出部とを絶縁させる絶縁部を形成したことを特徴とする半導体物理量センサ。
  2. 前記半導体基板には、前記可動電極の電位取出部と前記固定電極の電位取出部とを離間させる間隙部が形成されており、
    前記絶縁部は、前記間隙部に形成された酸化膜であることを特徴とする請求項1に記載の半導体物理量センサ。
  3. 前記間隙部が、複数形成されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体物理量センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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