JP2014177933A - ロータ - Google Patents

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Abstract

【課題】嵌合構造を採用することなく、回転翼と支持軸とを溶接で接合するとともに、溶け込み深さを一定にした、ロータを提供する。
【解決手段】回転翼2と支持軸3とが一体に接続されたロータである。回転翼2と支持軸3とは、嵌合によることなく溶接によって接合されている。回転翼2と支持軸3との接合部には、外周面から中心軸に向かって一定の深さに溶接部5が形成され、一定の深さよりさらに深い側には、回転翼2の端面と支持軸3の端面とが隙間を空けて対向することで空間部41が形成されている。空間部41は、回転翼2と支持軸3とのいずれか一方、又は両方に形成された円形状の凹部42により、形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、ロータに関する。
従来、車両や船舶等においては、内燃機関から導かれる排気ガスの運動エネルギーを利用して内燃機関に圧縮した空気を供給し、内燃機関の性能を向上させる過給機が使用されている。過給機の内部には、排気ガスの運動エネルギーを回転の駆動力に変換するロータが設けられている。このロータは、排気ガスの流動によって回転する回転翼と、回転翼を回転自在に支持する支持軸とを一体的に接続して構成されている。
このようなロータでは、通常、回転翼に嵌合凹部を形成し、支持軸に前記嵌合凹部に嵌合する嵌合凸部を形成し、前記嵌合凹部に嵌合凸部を嵌合させるとともに、回転翼と支持軸との突き合わせ面を溶接することにより、一体化している(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開2002−235547号公報 特開2001−254627号公報
しかしながら、嵌合構造を採用した場合、回転翼が高速で回転して遠心応力が大きくなると、嵌合部では嵌合凹部と嵌合凸部との間の隙間が拡がり、開口する。このような隙間の拡がり(開口)は、力学上はき裂とみなされ、この隙間(嵌合部)からき裂が進展し、破損するおそれがある。
また、このような嵌合構造は精度良く形成する必要があるため、加工コストが高くなり、ロータのコストを押し上げる一因になっている。
また、嵌合構造を採用することなく、単に回転翼の端面と支持軸の端面とを突き合わせ、その外周部を溶接することのみで回転翼と支持軸とを接合することも考えられる。しかし、その場合には、接合部、すなわち端面を付き合わせた部位の周方向で溶け込み深さ(溶接部の深さ)を一定にするのが難しく、溶込み深さの不均一に起因して、接合強度にバラツキが生じたり、ロータの回転時におけるバランスが悪くなるといった新たな課題が生じてしまう。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、嵌合構造を採用することなく、回転翼と支持軸とを溶接で接合するとともに、溶け込み深さを一定にした、ロータを提供することにある。
本発明のロータは、回転翼と支持軸とが一体に接続されたロータであって、
前記回転翼と前記支持軸とは、嵌合によることなく溶接によって接合されており、
前記回転翼と前記支持軸との接合部には、外周面から中心軸に向かって一定の深さに溶接部が形成され、
前記一定の深さよりさらに深い側には、前記回転翼の端面と前記支持軸の端面とが隙間を空けて対向することで空間部が形成され、
前記空間部は、前記回転翼と前記支持軸とのいずれか一方、又は両方に形成された円形状の凹部により、形成されていることを特徴とする。
前記ロータにおいて、前記凹部は、前記回転翼と前記支持軸とのいずれか一方又は両方に形成された円環状の溝と、前記円環状の溝より前記中心軸側に形成された、前記溝より深さが浅い円形状の凹面とによって形成されていてもよい。
また、前記ロータにおいて、前記空間部は、前記回転翼と前記支持軸との一方に形成された円形状の凹部と、前記回転翼と前記支持軸との他方に形成されて前記凹部の内面に接することなく該凹部内に配置される凸部と、の間の隙間によって形成されていてもよい。
また、前記ロータにおいて、前記空間部には、前記溶接部から離間した位置に充填物が設けられていてもよい。
本発明のロータによれば、回転翼と支持軸とが、嵌合によることなく溶接によって接合されているので、高速回転時に、嵌合部からき裂が進展して破損するおそれがなく、また、嵌合構造を高精度に加工するためのコストを不要にすることでロータのコスト低減化を図ることができる。
また、回転翼と支持軸との接合部に、外周面から中心軸に向かって一定の深さに溶接部を形成し、前記一定の深さよりさらに深い側に、回転翼の端面と支持軸の端面とを隙間を空けて対向させることで空間部を形成しているので、溶接時に一定の深さよりさらに深い側に溶け込みが起こっても、この深い側では前記空間部によって回転翼側と支持軸側とが接していないため、溶接されない。よって、溶接部が一定の深さに形成されるため、接合強度にバラツキが生じることがなく、また、ロータの回転時におけるバランスも良好になる。
また、前記の空間部により、回転翼と支持軸との間を断熱することができる。
本発明に係るタービンロータの第1実施形態の概略構成図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A線矢視断面図である。 (a)はタービンインペラの翼側接続部の後端面を示す図、(b)はタービン軸の先端面を示す図である。 本発明に係るタービンロータの第2実施形態を示す図であり、(a)は要部の側断面図、(b)はタービンインペラの翼側接続部の後端面を示す図、(c)はタービン軸の先端面を示す図である。 タービンロータの第2実施形態の変形例を示す要部側断面図である。 本発明に係るタービンロータの第3実施形態を示す図であり、(a)は要部の側断面図、(b)はタービンインペラの翼側接続部の後端面を示す図、(c)はタービン軸の先端面を示す図である。 本発明に係るタービンロータの第4実施形態を示す図であり、(a)は要部の側断面図、(b)はタービンインペラの翼側接続部の後端面を示す図、(c)はタービン軸の先端面を示す図である。
以下、図面を参照して本発明のロータを詳しく説明する。なお、以下の図面においては、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。また、各図面における矢印Fは前方向を示すものとする。
[第1実施形態]
本実施形態に係るタービンロータ(ロータ)1の構成を、図1を参照して説明する。
図1は、タービンロータ1の概略構成を示す図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A線矢視断面図である。
タービンロータ1は、不図示の過給機の内部に設けられ、内燃機関から導かれる排気ガスの運動エネルギーを回転の駆動力に変換するものである。このタービンロータ1は、タービンインペラ(回転翼)2と、タービン軸(支持軸)3とを有している。
タービンインペラ2は、内燃機関から導かれる排気ガスの流動によって高速回転(例えば10万rpm以上)する回転翼であり、ハブ21と、翼部22と、翼側接続部23とを有している。タービンインペラ2は、高温の排気ガスが流動する領域内で使用されるため、高耐熱性・高剛性の金属材料(例えばインコネル等)を用いて一体的に成形されている。その成形には精密鋳造等が用いられる。
ハブ21は、略円錐状に形成された部材であって、翼部22のベースとなるものである。翼部22は、ハブ21の外周面にて周方向に複数並んで配設されている。これら翼部22は、排気ガスの流れを受けてタービンインペラ2を回転させるためのものである。翼側接続部23は、ハブ21の後端面における中央部に設けられ、タービン軸3との接続に用いられる箇所である。翼側接続部23は、略円柱状に形成され、その中心軸が前後方向と平行する向きに形成されている。
翼側接続部23の後端面24、すなわちタービン軸3側の端面は、前後方向と直交して形成された平面状で円形のもので、タービン軸3に接合される接合部となっている。この後端面24には、図2(a)に示すように円環状の溝25が形成されている。溝25は、後端面24と同心状に形成されており、これによって後端面24の外周から溝25までの間の距離が、予め設定された一定の距離になっている。このように一定に形成された溝25の外側、すなわち後端面24の外周側は、タービン軸3の先端面(接合部)に溶接されたインペラ側溶接部26となっている。また、溝25の内側、すなわち後端面24の内周側(中心軸側)は、インペラ側溶接部26となる後端面24の外周側の面より凹んで形成されて、凹面27となっている。凹面27は、溝25よりは浅く形成されている。
図1(a)、(b)に示すようにタービン軸3は、前後方向で延びる略丸棒状の軸部材であって、タービンインペラ2と一体的に接続され、タービンインペラ2を回転可能に支持するものである。タービン軸3は、過給機の軸受ハウジング(図示せず)に回転自在に支持されている。タービン軸3は、高剛性を備える一般的な金属材料(例えばクロムモリブデン鋼等)を用いて成形されており、その成形には、一般的な塑性加工(鍛造、転造等)や機械加工(切削、研削等)が用いられる。タービン軸3には、その後端側に雄ネジ部31が形成されている。なお、タービン軸3の中心軸を、符号Cで表している。
タービン軸3の先端面32、すなわちタービンインペラ側の端面は、前後方向と直交して形成された平面状で円形のもので、タービンインペラ2に接合される接合部となっている。すなわち、この先端面32はタービンインペラ2の翼側接続部23の後端面24と同一径の円形に形成されており、タービンインペラ2の翼側接続部23の後端面24と芯合わせされて突き合わされ、溶接されることにより、前記後端面24とともに接合部を形成している。
この先端面32には、図2(b)に示すように円環状の溝33が形成されている。溝33は、先端面32と同心状に形成されており、これによって先端面32の外周から溝33までの間の距離が、予め設定された一定の距離になっている。すなわち、この溝33は、図2(a)に示した前記後端面24の溝25と対応する位置に形成されている。そして、溝33の外側、すなわち先端面32の外周側は、前記後端面24(接合部)のインペラ側溶接部26に溶接された、軸側溶接部34となっている。また、溝33の内側、すなわち先端面32の内周側(中心軸側)は、前記後端面24と同様、軸側溶接部34となる先端面32の外周側の面より凹んで形成されて、凹面35となっている。凹面35は、溝33よりは浅く形成されている。
このようなタービン軸3の先端面32とタービンインペラ2の後端面24とは、前述したように芯合わせされて突き合わされ、溶接されることにより、接合部を形成している。この接合部では、図1(b)に示すように互いの溝25、33の開口部が対向させられることにより、円環状の溝空間部4を形成している。溝空間部4は、各溝25、33が共に横断面半円状に形成されていることにより、全体として横断面円形状に形成されている。ただし、溝空間部4の形状、すなわち各溝25、33の形状は、図1(b)に示した形状に限定されることなく、楕円状や矩形状、その他の多角形状など、種々の形状にしてもよい。
また、この溝空間部4の外周側、すなわち各溝25、33の外周側は、インペラ側溶接部26と軸側溶接部34とからなる溶接部5となっている。この溶接部5は、タービンインペラ2とタービン軸3との突き合わせ面の外周部が溶接されたことにより、形成されたものである。
このような溶接部5の形成、すなわちタービンインペラ2とタービン軸3との接続(接合)は、以下のようにして行う。
まず、タービンインペラ2の後端面24に対してタービン軸3の先端面32を対向させ、不図示の芯出し装置によってこれらの中心軸(芯)を合わせつつ、後端面24と先端面32とを突き合わせる。すると、後端面24の溝25と先端面32の溝33とは互いに開口が付き合わされ、一つの円環状の溝空間部4を形成する。また、各溝25、33の外周側は互いに当接する。
一方、各溝25、33の内周側(中心軸C側)は、共に凹んで形成された凹面27、凹面35となっているので、これら凹面27と凹面35とは互いに対向して配置されるものの、当接することなく、前記溝空間部4に連通する隙間6となる。このような構成のもとにタービンインペラ2とタービン軸3との間には、前記溝空間部4と隙間6とからなる凹部、すなわち空間部が形成されている。
なお、前記溝空間部4を形成する各溝25、33や、前記隙間6を形成する各凹面27、35は、互いに嵌合するような構造ではなく、単に対向するだけであるので、その位置寸法や深さなどについては加工精度が低くてもよい。
次に、不図示の溶接装置により、タービンインペラ2とタービン軸3との接続部、すなわち前記後端面24と先端面32との間をその外周側から溶接する。溶接装置としては、電子ビーム溶接やレーザ溶接などの融接により溶接を行う装置が好適に用いられる。特に電子ビーム溶接やレーザ溶接は、溶け込み深さをより深くできるため、好ましい。
後端面24と先端面32との間の溶接(融接)は、これらの外周をその周方向に沿って溶接装置を周回させることにより行う。あるいは、溶接装置を固定しておき、後端面24と先端面32との間の外周を中心軸C回りに回動させることにより、行ってもよい。溶接条件としては、予め実験やシミュレーションを行っておくことにより、溶け込み深さが少なくとも溝空間部4(溝25、溝33)に達するようにする。
このようにして溶接(融接)を行うと、後端面24と先端面32との間においては、外周縁から溝空間部4までの領域では溶融・固化することで溶接され、溶接部5が形成される。すなわち、後端面24側ではインペラ側溶接部26が形成され、先端面32側では軸側溶接部34が形成され、これによってインペラ側溶接部26と軸側溶接部34とからなる溶接部5が形成される。
また、この溶接では、溶け込み深さを少なくとも溝空間部4(溝25、溝33)に達するようにするため、部分的、あるいは全体的に、溶け込み深さを溝空間部4(溝25、溝33)の外周側より深く(多く)する。しかしながら、この深い側では溝空間部4によって後端面24側と先端面32側とが接していないため、該溝空間部4を形成する内面(溝25、溝33の各内面)は溶融固化しても、溶接されない。すなわち、溝空間部4はそのまま溝空間部4の状態で残る。
一方、このような溶接によって形成された溶接部5は、タービンインペラ2とタービン軸3との接続部の全周においてその溶け込み深さ、すなわち外周縁から溝空間部4までの距離が一定になる。
したがって、本実施形態のロータ1にあっては、溶接部5が一定の深さに形成されるため、接合強度にバラツキが生じることがなく、また、回転時におけるバランスも良好なものとなる。
さらに、タービンインペラ2とタービン軸3とが、嵌合によることなく溶接のみによって接合されているので、高速回転時に、嵌合部からき裂が進展して破損するおそれがない。また、嵌合構造を高精度に加工するためのコストを不要にすることができ、したがってロータ1のコスト低減化を図ることができる。また、溝空間部4を形成する各溝25、33の深さや、隙間6を形成する各凹面27、35についてはその加工精度が低くてもよいので、ロータ1の加工コストを抑えることができる。
また、溝空間部4を一対の溝25、33によって形成しているので、後端面24、先端面32に対する加工量(切削量)を少なく抑えることができ、したがって加工コストを抑えることができる。
また、後端面24及び先端面32の溝空間部4(溝25、33)より中心軸C側に、それぞれ凹面27、35を形成して隙間6(空間部)を形成したので、この隙間6によってタービンインペラ2とタービン軸3との間を断熱することができる。
なお、前記第1実施形態では、後端面24及び先端面32のそれぞれに溝25、33を形成し、これら溝25、33を合わせて溝空間部4を形成したが、本発明の空間部の一部を構成する溝空間部はこのような構成に限定されることなく、後端面24及び先端面32のいずれか一方のみに溝を形成し、この溝のみによって溝空間部としてもよい。このように溝空間部を形成しても、該溝空間部で溶接がなされるのを確実に防止することができる。
ここで、溝を一方の面にのみ形成する場合、先端面32側、すなわちタービン軸3側に形成するのが好ましい。これは、前述したようにタービンインペラ2は高耐熱性・高剛性の金属材料が用いられているため、加工(成形)に精密鋳造等が用いられるのに対し、タービン軸3は高剛性を備える一般的な金属材料が用いられているため、加工(成形)に一般的な機械加工が用いられるからである。すなわち、先端面32に加工する方が、コスト的に有利になる。
また、後端面24及び先端面32のそれぞれに凹面27、35を形成し、これら凹面27、35を合わせて隙間6を形成したが、後端面24及び先端面32のいずれか一方のみに凹部を形成し、この凹部のみによって本発明の空間部の一部を構成する隙間としてもよい。このように隙間(空間部)を形成しても、該隙間で断熱機能を発揮することができる。なお、凹面を一方の面にのみ形成する場合、前記溝の場合と同様に、先端面32に加工するのが好ましい。ただし、従来の嵌合により接合を行っていた場合の設備がそのまま使える場合には、後端面24にのみ凹面を形成するようにしてもよい。
[第2実施形態]
図3(a)〜(c)は、本発明に係るタービンロータ(ロータ)の第2実施形態を示す図であり、(a)は図1(b)に対応した側断面図、(b)はタービンインペラの翼側接続部の後端面を示す図、(c)はタービン軸の先端面を示す図である。
第2実施形態のタービンロータ40が第1実施形態のタービンロータ1と異なるところは、空間部の構成にある。
すなわち、本実施形態のタービンロータ40は、その空間部41が、前記後端面24と先端面32とのうちの先端面32にのみ形成された、凹部42によって形成されている。凹部42は、図1(b)に示した凹面35より深い深さ、例えば溝33と同程度の深さに形成された円形状のもので、図2(b)に示した溝33と凹面35とを合わせた領域に形成されている。したがって、凹部42は、先端面32と同心状に形成されており、これによって先端面32の外周から凹部42の外周までの間の距離が、一定になっている。空間部41は、この凹部42によって形成されている。
この空間部41の外周側、すなわち凹部42の外周側は、第1実施形態と同様にインペラ側溶接部26と軸側溶接部34とからなる溶接部5となっている。この溶接部5は、第1実施形態と同様に、タービンインペラ2とタービン軸3との突き合わせ面の外周部が溶接されたことにより、形成されている。なお、本実施形態では、後端面24には図1(b)、図2(a)に示した溝25、凹面27が形成されておらず、したがって平坦面(平滑面)に加工されたままになっている。
本実施形態にあっても、溶接部5の形成、すなわちタービンインペラ2とタービン軸3との接続(接合)は、第1実施形態と同様にして行うことができる。
したがって、本実施形態のロータ40にあっても、空間部41が形成されていることで溶接部5が一定の深さに形成されるため、接合強度にバラツキが生じることがなく、また、回転時におけるバランスも良好なものとなる。
さらに、タービンインペラ2とタービン軸3とが、嵌合によることなく溶接のみによって接合されているので、高速回転時に、嵌合部からき裂が進展して破損するおそれがない。また、嵌合構造を高精度に加工するためのコストを不要にすることができ、したがってロータ40のコスト低減化を図ることができる。特に、空間部41となる凹部42を先端面32にのみ形成しており、しかもその深さについては加工精度が低くてもよいので、ロータ40の加工コストを抑えることができる。
また、空間部41を、溶接部5を除く接合部の全面に形成したので、第1実施形態の隙間6(空間部)と同様に、この空間部41によってタービンインペラ2とタービン軸3との間を断熱することができる。
さらに、先端面32にのみ凹部42を形成して空間部41としているので、溶接時に溶け込み深さが空間部41の内側(中心側)にまで到達し、溶融金属の一部が空間部41内に垂れても、溶融金属は凹部42が形成されていない後端面24上を流れることでこの後端面24上に留まり、固化する。したがって、溶けた金属が空間部41内に落下し、偏った位置で固化することにより、全体のバランスが悪くなるおそれが軽減される。
なお、前記第2実施形態では、先端面32にのみ凹部42を形成し、この凹部42によって空間部41を形成したが、後端面24にのみ凹部を形成してこの凹部によって空間部を形成してもよく、さらには、図4に示すように後端面24及び先端面32の両方に凹部42を形成し、これら凹部42、42によって空間部43を形成するようにしてもよい。このように空間部を形成しても、該空間部で溶接がなされるのを確実に防止することができる。
ただし、特に図4に示したように空間部43の容積を大きくした場合、電子ビーム溶接やレーザ溶接によって溶接部5を形成した際、空間部43内の空気量が多いことから、溶接時の加熱による空気の熱膨張が大きくなる。その結果、溶接の終端部、すなわちタービン軸3を一周して溶接の始端部に重なるようになる部位を溶接し、空間部43全体を閉塞しようとした際、空間部43内の空気の熱膨張による圧力がこの終端部に集中し、溶接時の加熱によって溶融した金属が吹き上げられる可能性がある。
したがって、空間部43については、特に溶接を高温・短時間で行うような場合、空間部43内で溶接がなされない範囲で、その容積を比較的小さく形成するのが好ましい。
[第3実施形態]
図5(a)〜(c)は、本発明に係るタービンロータ(ロータ)の第3実施形態を示す図であり、(a)は図1(b)に対応した側断面図、(b)はタービンインペラの翼側接続部の後端面を示す図、(c)はタービン軸の先端面を示す図である。
第3実施形態のタービンロータ50は、前記したような空間部の容積が大きい場合の懸念を解消すべく、空間部の容積を小さくしたものである。
すなわち、本実施形態のタービンロータ50では、図5(a)、(c)に示すように先端面32に凹部42が形成されているのは第2実施形態と同じであるが、図5(a)、(b)に示すように後端面24に円柱状の凸部51が形成されている点で、第2実施形態と異なっている。凸部51は、先端面32の凹部42の内面に接することがないよう、その高さが凹部42の深さより低く、その外径が凹部42の内径より小さく形成されている。したがって、後端面24の凸部51は、単に先端面32の凹部42内に配置されるだけで、嵌合した状態にはなっていない。なお、凸部51の外形は、図5(b)に示すように後端面24の外形と同心円状に形成されている。
このような構成によって先端面32の凹部42と後端面24の凸部51との間には、図5(a)に示すように隙間52が形成される。そして、この隙間52により、空間部53が形成される。すなわち、図4に示した例の空間部43に比べ、その容積が充分に小さい空間部53が形成される。
本実施形態にあっても、溶接部5の形成、すなわちタービンインペラ2とタービン軸3との接続(接合)は、第1実施形態と同様にして行うことができる。
したがって、本実施形態のロータ50にあっても、空間部53が形成されていることで溶接部5が一定の深さに形成されるため、接合強度にバラツキが生じることがなく、また、回転時におけるバランスも良好なものとなる。
また、空間部53の容積を充分に小さくし、空間部53内の空気量を比較的少なくしたので、溶接部5の形成時において特に溶接の終端部を形成した際にも、空間部53内の空気の熱膨張による圧力を低くし、これにより溶接時の加熱によって溶融した金属が吹き上げられるのを防止することができる。よって、溶接を安定して行うことができ、溶接形状を設計通りに良好に形成することができる。
さらに、タービンインペラ2とタービン軸3とが、嵌合によることなく溶接のみによって接合されているので、高速回転時に、嵌合部からき裂が進展して破損するおそれがない。
また、後端面24の凸部51は、先端面32の凹部42と嵌合することなく、単に凹部42内に配置されているだけであるので、従来のような嵌合構造を高精度に加工するためのコストを不要にすることができ、したがってロータ50のコスト低減化を図ることができる。
また、空間部53を、溶接部5を除く接合部の全面に形成したので、第1実施形態、第2実施形態と同様に、この空間部53によってタービンインペラ2とタービン軸3との間を断熱することができる。
さらに、後端面24に凸部51を形成して凹部42との間の隙間52を空間部53としているので、溶接時に溶け込み深さが空間部53の内側(中心側)にまで到達し、溶融金属の一部が空間部53内に垂れても、溶融金属は凸部51上に留まり、固化する。したがって、溶けた金属が空間部53内に落下し、偏った位置で固化することにより、全体のバランスが悪くなるおそれが軽減される。
なお、前記第3実施形態では、先端面32に凹部42を形成し、後端面24に凸部51を形成したが、逆に、後端面24に凹部を形成し、先端面32に凸部を形成するようにしてもよい。その場合にも、これら凹部と凸部とは、嵌合することなく、単に凹部内に凸部が配置されているだけの形態とする。
[第4実施形態]
図6(a)〜(c)は、本発明に係るタービンロータ(ロータ)の第4実施形態を示す図であり、(a)は図1(b)に対応した側断面図、(b)はタービンインペラの翼側接続部の後端面を示す図、(c)はタービン軸の先端面を示す図である。
第4実施形態のタービンロータ60も、第3実施形態のタービンロータ50と同様に、空間部の容積を小さくしたものである。
すなわち、図6(a)に示すように本実施形態のタービンロータ60では、図4に示した例と同様に、先端面32、後端面24にそれぞれ凹部42が形成されており、これら凹部42、42によって空間部43が形成されている。ただし、本実施形態は図4に示した例と異なり、この空間部43に充填物61が設けられている。
充填物61は、本実施形態では図6(a)、(b)に示すように後端面24側の凹部42内に設けられた円盤状のもので、凹部42の直径より小さい直径に形成されている。この充填物61は、空間部43内においてその径方向に偏ることがないよう、その中心軸が凹部42の中心軸に一致するように配置されている。これによって充填物61は、その側周面が凹部42(空間部43)の外側に形成された溶接部5に接することなく、該溶接部5から離間した位置に設けられたものとなっている。
このような充填物61は、溶接部5の形成時、すなわち溶接時に溶融しないよう、耐熱性の高い材料によって形成されている。例えば、耐熱性の高いセラミックスや、タービンインペラ2、タービン軸3の形成材料より融点が高い金属などによって形成されている。また、このような充填物61は、例えば後端面24の凹部42内に形成された突起(図示せず)、または先端面32の凹部42内に形成された突起(図示せず)に支持され、空間部53の所定位置、すなわち溶接部5から離間した位置に保持固定されている。
このような構成によって空間部43では、主に先端面32の凹部42と充填物61との間に隙間62が形成される。そして、このように空間部53内に形成された隙間62により、実質的な空間部が形成される。この隙間62からなる実質的な空間部は、図4に示した例の空間部43に比べ、その容積が充分に小さくなっている。
本実施形態にあっても、溶接部5の形成、すなわちタービンインペラ2とタービン軸3との接続(接合)は、第1実施形態と同様にして行うことができる。
したがって、本実施形態のロータ60にあっても、空間部53が形成されていることで溶接部5が一定の深さに形成されるため、接合強度にバラツキが生じることがなく、また、回転時におけるバランスも良好なものとなる。
また、空間部53に充填物61を設けて実質的な空間部の容積を充分に小さくし、これによって実質的な空間部内の空気量を比較的少なくしたので、溶接部5の形成時において特に溶接の終端部を形成した際にも、実質的な空間部内の空気の熱膨張による圧力を低くし、これにより溶接時の加熱によって溶融した金属が吹き上げられるのを防止することができる。よって、溶接を安定して行うことができ、溶接形状を設計通りに良好に形成することができる。
さらに、タービンインペラ2とタービン軸3とが、嵌合によることなく溶接のみによって接合されているので、高速回転時に、嵌合部からき裂が進展して破損するおそれがない。
また、実質的な空間部を、溶接部5を除く接合部の全面に形成したので、第1実施形態〜第3実施形態と同様に、この空間部によってタービンインペラ2とタービン軸3との間を断熱することができる。
さらに、後端面24側に充填物61を設けて隙間62を実質的な空間部としているので、溶接時に溶け込み深さが空間部43の内側(中心側)にまで到達し、溶融金属の一部が隙間62内に垂れても、溶融金属は充填物61上に留まり、固化する。したがって、溶けた金属が隙間62内に落下し、偏った位置で固化することにより、全体のバランスが悪くなるおそれが軽減される。
なお、本実施形態では円盤状の充填物61を用いたが、充填物はこれに限定されることなく、空間部43内においてその径方向に偏ることがないように配置できるものであれば、円環状などの形状のものを用いることもできる。
さらに、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1、40、50、60…ロータ(タービンロータ)、2…タービンインペラ(回転翼)、3…タービン軸(支持軸)、4…溝空間部(空間部)、5…溶接部、6…隙間(空間部)、24…後端面、25…溝、26…インペラ側溶接部、27…凹面、32…先端面、33…溝、34…軸側溶接部、35…凹面、41、43…空間部、42…凹部、51…凸部、52…隙間、53…空間部、61…充填物、62…隙間

Claims (4)

  1. 回転翼と支持軸とが一体に接続されたロータであって、
    前記回転翼と前記支持軸とは、嵌合によることなく溶接によって接合されており、
    前記回転翼と前記支持軸との接合部には、外周面から中心軸に向かって一定の深さに溶接部が形成され、
    前記一定の深さよりさらに深い側には、前記回転翼の端面と前記支持軸の端面とが隙間を空けて対向することで空間部が形成され、
    前記空間部は、前記回転翼と前記支持軸とのいずれか一方、又は両方に形成された円形状の凹部により、形成されていることを特徴とするロータ。
  2. 前記凹部は、前記回転翼と前記支持軸とのいずれか一方又は両方に形成された円環状の溝と、
    前記円環状の溝より前記中心軸側に形成された、前記溝より深さが浅い円形状の凹面とによって形成されていることを特徴とする請求項1記載のロータ。
  3. 前記空間部は、前記回転翼と前記支持軸との一方に形成された円形状の凹部と、前記回転翼と前記支持軸との他方に形成されて前記凹部の内面に接することなく該凹部内に配置される凸部と、の間の隙間によって形成されていることを特徴とする請求項1記載のロータ。
  4. 前記空間部には、前記溶接部から離間した位置に充填物が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のロータ。
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