JP2014176192A - 電源回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】通常動作時における消費電力を増大させることなく、残留電荷をより迅速に放電することが可能な電源回路を提供する。
【解決手段】一次巻線Wp、二次巻線Wsおよび制御巻線Wcを含むトランス回路T1と、一次巻線Wpに接続された一次側回路110とを備え、一次側回路110は、2つの電源入力端子の間に設けられたコンデンサC1を含むフィルタ回路111と、フィルタ回路111から入力される交流電力を直流電力に変換し、第一出力端子ST1および第二出力端子ST2から出力する変換回路と、一端が第一出力端子ST1と一次巻線Wpの一端とを結ぶ配線経路に接続された抵抗R2と、第一出力端子ST1および第二出力端子ST2の間に接続された平滑コンデンサC2と、平滑コンデンサC2から抵抗R2への電荷の移動を抑制し、コンデンサC1から抵抗R2への電荷の移動を妨げないように配置されたダイオードとを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電源回路、特に、残留電荷を放電させるための回路を備えた電源回路に関する。
スイッチング電源には、例えば、フライバック方式の電源回路、あるいは、フォワード方式の電源回路等がある。なお、フライバック方式の電源回路は、絶縁型の電源回路の一例であり、部品点数を少なくできる。このため、フライバック方式の電源回路は、コストの低減に有利である。フライバック方式の電源回路には、例えば、RCC方式、あるいは、PWM方式等がある。
図5は、従来のRCC方式の電源回路の一例を示している。
図5に示す電源回路300は、一次巻線Wp、二次巻線Wsおよび制御巻線Wcを含む絶縁トランス回路T1と、一次巻線Wpに接続され、トランス回路T1にエネルギーを供給する一次側回路310と、二次巻線Wsに接続され、トランス回路T1からエネルギーを放出する二次側回路320と、制御巻線Wcに接続され、トランス回路T1のエネルギーの蓄積および放出を制御する制御回路330と、2つの電源入力端子と、2つの電源出力端子とを備えている。
一次側回路310は、抵抗R1と、フィルタ回路311と、ブリッジダイオード回路BDと、起動抵抗R2と、平滑コンデンサC2とを備えている。
抵抗R1は、残留電荷の放電用の抵抗であり、外部電源10の電源入力端子間に接続されている。フィルタ回路311は、EMC(Electro−Magnetic Compatibility)対策用の回路であり、電源入力端子間に接続されたコンデンサC1とトランス回路T2とで構成されている。ブリッジダイオード回路BDは、フィルタ回路311を介して入力された交流電力を直流電力に変換する回路であり、変換した直流電力を第一出力端子ST1および第二出力端子ST2から出力する。第一出力端子ST1は、一次巻線Wpの一端に接続されている。第二出力端子ST2は、制御巻線Wcの一端(巻き始め側、図1では、黒塗りの円が付されている側)に接続されている。起動抵抗R2は、ブリッジダイオード回路BDの第一出力端子ST1と制御回路330との間に接続されている。平滑コンデンサC2は、ブリッジダイオード回路BDの第一出力端子ST1と第二出力端子ST2との間に接続されている。
二次側回路320は、電源回路の出力側の回路であり、アノード端子が二次巻線Wsの一端(巻き始め側、図1では、黒塗りの円が付されている側)に接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソード端子に、他端が二次巻線Wsの他端にそれぞれ接続されたコンデンサとを備えている。
制御回路330は、自励発振回路であり、絶縁トランス回路T1へのエネルギーの蓄積と放出とを所定間隔で切り替える制御を行う。制御回路330は、ドレイン端子が一次巻線Wpの他端に接続されたN型MOS(Metal−Oxide−Semiconductor)トランジスタTr1を備えている。
電源回路では、感電等を防止するため、2つの電源入力端子と外部電源との接続が解除された場合に、コンデンサC1の残留電荷を迅速に放電させることが求められている。
図5に示す電源回路では、外部電源との接続が解除された場合に、コンデンサC1の残留電荷を迅速に放電させるため、残留電荷の放電用の抵抗R1を設けている。
特開2009−284636号公報
しかしながら、上記従来の電源回路では、外部電源の電源入力端子間に、残留電荷放電用の抵抗R1を設けることにより、コンデンサC1の残留電荷を放電する構成であるため、外部電源が接続されている通常動作時においても、抵抗R1を介して電流が流れ、消費電力が増大するという問題がある。
本発明は上述の課題を解決するためになされたものであり、通常動作時における消費電力を増大させることなく、残留電荷をより迅速に放電することが可能な電源回路を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る電源回路は、一次巻線、二次巻線および制御巻線を含むトランス回路と、前記一次巻線に接続され、前記トランス回路にエネルギーを供給する一次側回路と、前記二次巻線に接続され、前記トランス回路からエネルギーを放出する二次側回路と、前記制御巻線に接続され、前記トランス回路のエネルギーの蓄積および放出を制御する制御回路とを備え、前記一次側回路は、2つの電源入力端子の間に設けられたコンデンサを含むフィルタ回路と、前記フィルタ回路から入力される交流電力を直流電力に変換し、前記直流電力を第一出力端子および第二出力端子から出力する変換回路と、一端が前記変換回路の前記第一出力端子と前記一次巻線の一端とを結ぶノードに接続された抵抗と、前記変換回路の前記第一出力端子および前記第二出力端子の間に接続され、前記変換回路から出力される前記直流電力を平滑化する平滑コンデンサと、前記平滑コンデンサから前記抵抗への電荷の移動を抑制し、前記フィルタ回路の前記コンデンサから前記抵抗への電荷の移動を妨げないように配置されたダイオードとを有する。
上記構成の電源回路によれば、平滑コンデンサから起動抵抗への電荷の移動を抑制し、フィルタ回路のコンデンサから起動抵抗への電荷の移動を妨げない位置に、ダイオードを設けたので、フィルタ回路のコンデンサの残留電荷をより迅速に放電することが可能になる。
具体的には、従来の電源回路では、容量の大きい平滑コンデンサの残留電荷とフィルタ回路のコンデンサの残留電荷とが、同じ起動抵抗を介して放電されることから、残留電荷を安全性が確保できる程度に放電させるのに時間がかかる。一般的に、平滑コンデンサの容量は、フィルタ回路のコンデンサの容量の数百倍である。
これに対し、上記構成の電源回路では、容量の大きい平滑コンデンサの残留電荷は、ダイオードにより起動抵抗を介しての放電が制限されるが、フィルタ回路のコンデンサの残留電荷は、起動抵抗を介して放電される。
なお、上記構成の電源回路では、平滑コンデンサの残留電荷は、起動抵抗を介してはほとんど放電されない(但し、リーク等による他の回路を介しての放電はある)。しかし、平滑コンデンサは、人が直接的に接触する可能性のある2つの電源入力端子に直接的に接続されていないことから、残留電荷が放電されない、あるいは、放電に時間がかかっても、感電等を引き起こすことは無いと考えられる。
また、上記構成の電源回路によれば、ダイオードを設けるのみで、フィルタ回路のコンデンサの残留電荷を迅速に放電できる。上記構成の電源回路によれば、複雑な回路構成を必要としないため、設計が容易になる。また、部品点数の増加によるコストの増大を抑えることが可能である。
なお、請求項の記載において、「接続」とは、直接的に接続される場合のみを意味するものではない。例えば、抵抗等、任意の素子を介して接続されている場合も含む。
例えば、前記平滑コンデンサは、一端が、前記抵抗の一端と前記一次巻線の一端とを結ぶノードに接続され、前記ダイオードは、前記抵抗の一端と前記平滑コンデンサの一端との間に配置されていても良い。
また、前記変換回路は、2つの入力端子のそれぞれが前記フィルタ回路の2つの出力端子のそれぞれに接続され、2つの出力端子の一方が前記第一出力端子として機能し、前記2つの出力端子の他方が前記第二出力端子として機能するブリッジダイオード回路であっても良い。
また、前記抵抗は、一端が前記変換回路の前記第一出力端子および前記ダイオードのアノード端子に、他端が前記制御回路のスイッチング素子の一端にそれぞれ接続され、前記平滑コンデンサは、一端が前記ダイオードのカソード端子および前記一次巻線の一端に、他端が前記変換回路の前記第二出力端子および前記制御巻線の一端にそれぞれ接続され、前記ダイオードは、アノード端子が前記変換回路の前記第一出力端子および前記抵抗の一端に、カソード端子が前記平滑コンデンサの一端および前記一次巻線の一端にそれぞれ接続されていても良い。
また、前記電源回路は、スイッチング電源回路であっても良い。
本発明によると、通常動作時における消費電力を増大させることなく、残留電荷をより迅速に放電することが可能な電源回路を提供することができる。
実施の形態における電源回路の構成の一例を示す回路図である。 比較例における電源回路の構成を示す回路図である。 比較例における電源回路の残留電荷の推移を示すグラフである。 実施の形態における電源回路の残留電荷の推移を示すグラフである。 従来の電源回路の構成を示す回路図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、各図は、必ずしも各寸法や各寸法比等を厳密に図示したものではない。
また、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲によって特定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
(実施の形態)
本実施の形態の電源回路について、図1〜図3を基に説明する。
なお、本実施の形態では、電源回路100は、RCC方式のスイッチング電源回路である場合について説明する。なお、以下の説明において、「接続」とは、直接的に接続される場合のみを意味するものではない。例えば、抵抗等、任意の素子を介して接続されていても良い。
[1 電源回路100の構成]
まず、電源回路100の構成について、図1を基に説明する。図1は、本実施の形態における電源回路100の構成の一例を示す回路図である。
電源回路100は、図1に示すように、一次巻線Wp、二次巻線Wsおよび制御巻線Wcを含む絶縁トランス回路T1と、一次巻線Wpに接続される一次側回路110と、二次巻線Wsに接続される二次側回路120と、制御巻線Wcに接続される制御回路130と、2つの電源入力端子と、2つの電源出力端子とを備えている。
一次側回路110は、2つの電源出力端子を介して入力される外部電源10からの交流電力を用い、絶縁トランス回路T1にエネルギーを供給する回路である。一次側回路110は、図1に示すように、フィルタ回路111と、ブリッジダイオード回路BDと、ダイオードD1と、起動抵抗R2と、平滑コンデンサC2とを備えている。
フィルタ回路111は、EMC対策用の回路であり、2つの電源入力端子間に接続されたコンデンサC1とトランス回路T2とで構成されている。コンデンサC1の一端は、2つの電源入力端子のうちの一方に接続されている。コンデンサC1の他端は、2つの電源入力端子のうちの他方に接続されている。トランス回路は、2つの巻線を備えて構成されている。2つの巻き線のうちの一方は、一端がコンデンサC1の一端に、他端が後述するブリッジダイオード回路BDの第一入力端子にそれぞれ接続されている。2つの巻き線のうちの他方は、一端がコンデンサC1の他端に、他端が後述するブリッジダイオード回路BDの第二入力端子にそれぞれ接続されている。
ブリッジダイオード回路BDは、変換回路の一例であり、フィルタ回路111から入力された交流電力を直流電力に変換する整流回路である。ブリッジダイオード回路BDは、図1に示すように、第一入力端子および第二入力端子の2つの入力端子と、第一出力端子および第二出力端子の2つの出力端子と、4つのダイオードを備えている。
より具体的には、ブリッジダイオード回路BDは、図1に示すように、2つのダイオードを順方向が同じ方向を向くように直列接続した直列回路を2つ備え、2つの直列回路は、全てのダイオードの順方向が同じ方向に向くように並列に接続されている。一方の直列回路における2つのダイオードの接続点は、第一入力端子として機能し、他方の直列回路における2つのダイオードの接続点は、第二入力端子として機能する。また、2つの直列回路の接続点のうち、ダイオードのカソード端子側の接続点は、第一出力端子ST1として機能し、ダイオードのアノード端子側の接続点は、第二出力端子ST2として機能する。第一入力端子は、上述したように、トランス回路T2を構成する2つの巻き線のうちの一方の他端に接続されている。第二入力端子は、上述したように、トランス回路T2を構成する2つの巻き線のうちの他方の他端に接続されている。第一出力端子ST1は、ダイオードD1のアノード端子および起動抵抗R2の一端に接続されている。第二出力端子ST2は、制御巻線Wcの一端(巻き始め側)に接続されている。
ダイオードD1は、後述する平滑コンデンサC2から後述する起動抵抗R2への電荷の移動を抑制し、フィルタ回路111のコンデンサC1から起動抵抗R2への電荷の移動を妨げない位置に配置されている。つまり、ダイオードD1は、ブリッジダイオード回路BDの第一出力端子ST1と一次巻線Wpの一端とを結ぶ配線経路上であって、起動抵抗R2の一端と平滑コンデンサC2の一端との間に接続されている。より具体的には、ダイオードD1は、アノード端子がブリッジダイオード回路BDの第一出力端子ST1および起動抵抗R2の一端に、カソード端子が一次巻線Wpの一端および平滑コンデンサC2の一端にそれぞれ接続されている。
起動抵抗R2は、一端が、ブリッジダイオード回路BDの第一出力端子ST1と一次巻線Wpの一端とを結ぶ配線経路に、他端が後述する制御回路330のN型MOSトランジスタTr1のゲート端子にそれぞれ接続されている。
平滑コンデンサC2は、ブリッジダイオード回路BDの出力電圧を平滑化するコンデンサであり、一端がダイオードD1のカソード端子および一次巻線Wpの一端に、他端がブリッジダイオード回路BDの第二出力端子ST2および制御巻線Wcの一端にそれぞれ接続されている。
二次側回路120は、絶縁トランス回路T1に蓄積されたエネルギーを放出することにより、2つの電源出力端子から後段の回路(負荷)に対し電力を供給する回路である。なお、後段に回路が接続されていない場合は、エネルギーの放出は行われない。二次側回路120は、ダイオードD2と、コンデンサC3とを備えている。
ダイオードD2は、アノード端子が二次巻線Wsの一端(巻き始め側)に、カソード端子が電源回路100の2つの電源出力端子の一方にそれぞれ接続されている。コンデンサC3は、一端がダイオードD2のカソード端子に、他端が二次巻線Wsの他端にそれぞれ接続されている。
制御回路130は、自励発振回路であり、絶縁トランス回路T1へのエネルギーの蓄積と放出とを所定の間隔で切り替える制御を行う。制御回路330は、N型MOSトランジスタTr1と、バイポーラトランジスタTr2と、トランジスタ(フォトトランジスタ)Tr3、抵抗R3〜R9、ダイオードD3〜D5、コンデンサC4〜C6とを備えている。
N型MOSトランジスタTr1は、ドレイン端子が一次巻線Wpの他端に、ゲート端子がコンデンサC4および抵抗R3を介して制御巻線Wcの他端に、ソース端子が抵抗R4を介して制御巻線Wcの一端(巻き始め側)にそれぞれ接続されている。コンデンサC4は、一端がN型MOSトランジスタTr1に、他端が抵抗R3の一端にそれぞれ接続されている。抵抗R3は、一端がコンデンサC4の他端に、他端が制御巻線Wcの他端にそれぞれ接続されている。
バイポーラトランジスタTr2は、コレクタ端子がN型MOSトランジスタTr1のゲート端子に、ベース端子が抵抗R5およびダイオードD3を介して制御巻線Wcの一端に、エミッタ端子が制御巻線Wcの他端にそれぞれ接続されている。抵抗R5は、一端がバイポーラトランジスタTr2のベース端子に、他端がダイオードD3のアノード端子にそれぞれ接続されている。ダイオードD3は、アノード端子が抵抗R5の他端に、カソード端子が制御巻線Wcの一端にそれぞれ接続されている。
さらに、N型MOSトランジスタTr1のゲート端子と制御巻線Wcの一端との間には、抵抗R6とコンデンサC5とが並列に接続されている。
さらに、バイポーラトランジスタTr2のベース端子と制御巻線Wcの一端との間には、抵抗R8とコンデンサC6とが並列に接続されている。
さらに、N型MOSトランジスタTr1のソース端子とバイポーラトランジスタTr2のベース端子との間には、ダイオードD4および抵抗R7が直列に接続されている。ダイオードD4は、アノード端子がN型MOSトランジスタTr1のソース端子に、カソード端子が抵抗R7の一端にそれぞれ接続されている。抵抗R7は、一端がダイオードD4のカソード端子に、他端がバイポーラトランジスタTr2のベース端子にそれぞれ接続されている。
さらに、制御巻線Wcの他端とバイポーラトランジスタTr2のベース端子との間には、ダイオードD5と抵抗R9とトランジスタTr3とがこの順に直列に接続されている。ダイオードD5は、アノード端子が制御巻線Wcの他端に、カソード端子が抵抗R9の一端にそれぞれ接続されている。抵抗R9は、一端がダイオードD5のカソード端子に、他端がトランジスタTr3のコレクタ端子にそれぞれ接続されている。トランジスタTr3は、バイポーラトランジスタTr2のON状態およびOFF状態の切り替えを制御するフォトカプラを構成するトランジスタである。トランジスタTr3は、コレクタ端子が抵抗R9の他端に、エミッタ端子がバイポーラトランジスタTr2のベース端子にそれぞれ接続されている。
[2 電源回路100の動作]
次に、電源回路100の動作について、簡単に説明する。
電源回路100では、一次側回路110による絶縁トランス回路T1へのエネルギーの供給(蓄積)と、二次側回路120によるエネルギーの放出とが行われる。
制御回路130のN型MOSトランジスタTr1がON状態の場合、ブリッジダイオード回路BDから出力される直流電力により、一次巻線Wpに巻き始め側に向けて電流が流れる。このとき、一次巻線Wpに生じる逆起電力により、二次巻線Wsに誘導起電力が生じる。誘導起電力は、二次巻線Wsに接続されたダイオードD2の逆方向バイアスとなるため、二次巻線Wsには電流は流れず、絶縁トランス回路T1にエネルギーが蓄積される。
N型MOSトランジスタTr1がOFF状態の場合、電流の向きが逆(ダイオードD2の順方向)になるため、二次巻線Wsに電流が流れる(絶縁トランス回路T1からのエネルギーの放出)。
なお、N型MOSトランジスタTr1のON状態およびOFF状態は、制御回路130を構成するバイポーラトランジスタTr2の状態により切り替わる。具体的には、バイポーラトランジスタTr2がON状態のとき、N型MOSトランジスタTr1のゲート端子は、ブリッジダイオード回路BDの接地電圧と短絡され、N型MOSトランジスタTr1はOFF状態となる。バイポーラトランジスタTr2がOFF状態のとき、N型MOSトランジスタTr1のゲート端子は短絡されず、N型MOSトランジスタTr1は、ON状態になる。
[3 電源回路100における残留電荷の放電]
本実施の形態の電源回路100における残留電荷の放電について、本実施の形態の電源回路100と比較例の電源回路とを対比して説明する。
まず、比較例の電源回路の構成について、図2を基に説明する。図2は、比較例における電源回路200の構成をしめす回路図である。
図2に示すように、電源回路200は、一次巻線Wp、二次巻線Wsおよび制御巻線Wcを含む絶縁トランス回路T1と、一次巻線Wpに接続される一次側回路210と、二次巻線Wsに接続される二次側回路220と、制御巻線Wcに接続される制御回路230とを備えている。なお、二次側回路220および制御回路230の構成は、電源回路100の二次側回路120および制御回路130の構成と同じである。
一次側回路210は、フィルタ回路211と、ブリッジダイオード回路BDと、起動抵抗R2と、平滑コンデンサC2とを備えている。つまり、一次側回路210は、電源回路100の一次側回路110を構成する各素子のうち、ダイオードD1を備えない構成となっている。
図3は、比較例における電源回路200の残留電荷の推移を示すグラフである。図4は、本実施の形態における電源回路100の残留電荷の推移を示すグラフである。図3および図4の縦軸は、残留電荷の推移を、横軸は、時間を示している。
図3および図4から分かるように、図3に示す比較例では、残留電荷の放電が比較的ゆっくりと行われるのに対し、図4に示す本実施の形態の電源回路100では、残留電荷の放電が比較的迅速に行われる。
具体的には、比較例では、外部電源10との接続が解除された場合、コンデンサC1の残留電荷は、起動抵抗R2を通って放電される。このとき、比較例では、平滑コンデンサC2の残留電荷も同様に、起動抵抗R2を通って放電される。すなわち、比較例では、起動抵抗R2を通って、コンデンサC1および平滑コンデンサC2の2つのコンデンサの残留電荷が放電される。ここで、一般的に、平滑コンデンサC2の容量は、コンデンサC1の容量の数百倍である。このため、平滑コンデンサC2の残留電荷の放電の影響が大きくなっている。
これに対し、本実施の形態の電源回路100では、図1に示すように起動抵抗R2の一端と平滑コンデンサC2の一端との間に、ダイオードD1が設けられている。従って、本実施の形態の電源回路100では、2つの電源入力端子と外部電源10との接続が解除された場合、ダイオードD1において、カソード端子からアノード端子の方向へは電流はほとんど流れないため、平滑コンデンサC2の残留電荷は、ほとんど起動抵抗R2に流れない。すなわち、本実施の形態の電源回路100では、外部電源10との接続が解除された場合、起動抵抗R2は、コンデンサC1の残留電荷を優先して放電させる。これにより、コンデンサC1の残留電荷は、より迅速に放電される。
なお、コンデンサC1の容量が、0.1uF以下の場合、コンデンサC1に蓄積される残留電荷の最大量が少ないため、残留電荷を放電するための回路を備えない場合でも、ある程度は感電等を防止できると考えられる。しかしながら、コンデンサC1の容量を0.1uF以下とすることは、他の回路との関係で、設計上の制約となる。本実施の形態の電源回路100では、コンデンサC1の容量に拘わらず、迅速に残留電荷を放電できるため、設計上の自由度を制限することがない。
また、本実施の形態の電源回路100では、ダイオードD1を適切な位置に配置するという簡素な構成で、迅速に残留電荷を放電することが可能になる。なお、適切な位置とは、平滑コンデンサC2から起動抵抗R2への電荷の移動を抑制し、フィルタ回路111のコンデンサC1から起動抵抗R2への電荷の移動を妨げない位置である。
(本実施の形態の変形例等)
以上、本発明の実施の形態に係る電源回路について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
(1)例えば、上記実施の形態では、RCC方式の電源回路に適用する場合について説明したが、PWM方式、あるいは、擬似共振方式の電源回路に適用してもよい。いずれの電源回路においても、平滑コンデンサC2から起動抵抗R2への残留電荷の移動を抑制し、フィルタ回路111のコンデンサC1から起動抵抗R2への残留電荷の移動を妨げない位置にダイオードD1を設ければ良い。
(2)また、例えば、制御回路の構成は、上記実施の形態で説明した構成に限られるものではない。
(3)また、上記実施の形態において、変換回路は、ブリッジダイオード回路BDである場合について説明したが、これに限るものではない。
(4)さらに、上記実施の形態において、フィルタ回路111は、コンデンサC1およびトランス回路T2で構成されたが、これに限るものではない。フィルタ回路111は、2つの電源入力端子の間にコンデンサC1を備える回路であれば良い。
本発明は、民生用電子機器や産業用電子機器、通信機器、コンピュータ等に用いられる電源回路として有用である。
10 外部電源
100、200、300 電源回路
110、210、310 一次側回路
111、211、311 フィルタ回路
120、220、320 二次側回路
130、230、330 制御回路
BD ブリッジダイオード回路
ST1 第一出力端子
ST2 第二出力端子
C1、C3、C4、C5、C6 コンデンサ
C2 平滑コンデンサ
D1、D2、D3、D4、D5 ダイオード
R1、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9 抵抗
R2 起動抵抗
T1 絶縁トランス回路
Tr1 N型MOSトランジスタ
Tr2 バイポーラトランジスタ
Tr3 トランジスタ
Wp 一次巻線
Ws 二次巻線
Wc 制御巻線

Claims (5)

  1. 一次巻線、二次巻線および制御巻線を含むトランス回路と、
    前記一次巻線に接続され、前記トランス回路にエネルギーを供給する一次側回路と、
    前記二次巻線に接続され、前記トランス回路からエネルギーを放出する二次側回路と、
    前記制御巻線に接続され、前記トランス回路のエネルギーの蓄積および放出を制御する制御回路とを備え、
    前記一次側回路は、
    2つの電源入力端子の間に設けられたコンデンサを含むフィルタ回路と、
    前記フィルタ回路から入力される交流電力を直流電力に変換し、前記直流電力を第一出力端子および第二出力端子から出力する変換回路と、
    一端が前記変換回路の前記第一出力端子と前記一次巻線の一端とを結ぶノードに接続された抵抗と、
    前記変換回路の前記第一出力端子および前記第二出力端子の間に接続され、前記変換回路から出力される前記直流電力を平滑化する平滑コンデンサと、
    前記平滑コンデンサから前記抵抗への電荷の移動を抑制し、前記フィルタ回路の前記コンデンサから前記抵抗への電荷の移動を妨げないように配置されたダイオードとを有する
    電源回路。
  2. 前記平滑コンデンサは、一端が、前記抵抗の一端と前記一次巻線の一端とを結ぶノードに接続され、
    前記ダイオードは、前記抵抗の一端と前記平滑コンデンサの一端との間に配置されている
    請求項1に記載の電源回路。
  3. 前記変換回路は、2つの入力端子のそれぞれが前記フィルタ回路の2つの出力端子のそれぞれに接続され、2つの出力端子の一方が前記第一出力端子として機能し、前記2つの出力端子の他方が前記第二出力端子として機能するブリッジダイオード回路である
    請求項1または2に記載の電源回路。
  4. 前記抵抗は、一端が前記変換回路の前記第一出力端子および前記ダイオードのアノード端子に、他端が前記制御回路のスイッチング素子の一端にそれぞれ接続され、
    前記平滑コンデンサは、一端が前記ダイオードのカソード端子および前記一次巻線の一端に、他端が前記変換回路の前記第二出力端子および前記制御巻線の一端にそれぞれ接続され、
    前記ダイオードは、アノード端子が前記変換回路の前記第一出力端子および前記抵抗の一端に、カソード端子が前記平滑コンデンサの一端および前記一次巻線の一端にそれぞれ接続されている
    請求項1〜3の何れか1項に記載の電源回路。
  5. 前記電源回路は、スイッチング電源回路である
    請求項1〜4の何れか1項に記載の電源回路。
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