JP2014175548A - 保護膜形成用複合シートおよび保護膜形成用フィルム付チップの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】保護膜形成用複合シート10は、基材1及び第1粘着剤層2を構成層として含む粘着シート5の第1粘着剤層上に、保護膜形成用フィルム4が第2粘着剤層3を介して設けられた保護膜形成用複合シートであって、第2粘着剤層の平面視における形状が、粘着シートの平面視における形状に含まれる形状であり、第2粘着剤層が、非エネルギー線硬化性粘着剤組成物からなる。
【選択図】図1
Description
〔1〕基材及び第1粘着剤層を構成層として含む粘着シートの第1粘着剤層上に、保護膜形成用フィルムが第2粘着剤層を介して設けられた保護膜形成用複合シートであって、
第2粘着剤層の平面視における形状が、粘着シートの平面視における形状に含まれる形状であり、
第2粘着剤層が、非エネルギー線硬化性粘着剤組成物からなる保護膜形成用複合シート。
アクリル重合体(A)が、架橋剤(B)の官能基と反応する官能基を有し、
架橋剤(B)の官能基が、アクリル重合体(A)の官能基に対して1当量以上である〔1〕に記載の保護膜形成用複合シート。
工程(1):〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の保護膜形成用複合シートの保護膜形成用フィルムをワークに貼付する工程、
工程(2):保護膜形成用フィルムを加熱硬化して保護膜を得る工程、
工程(3):保護膜形成用フィルムまたは保護膜と、第2粘着剤層とを分離する工程。
工程(4):ワークと、保護膜形成用フィルムまたは保護膜とをダイシングする工程。
保護膜形成用複合シートは、基材及び第1粘着剤層を構成層として含む粘着シートの第1粘着剤層上に、保護膜形成用フィルムが第2粘着剤層を介して設けられている。
基材は特に限定されず、たとえばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレン テレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム等が用いられる。またこれらの架橋フィルムも用いられる。さらにこれらの積層フィルムであってもよい。
本発明における第1粘着剤層は、基材の一方の面に積層され、従来より公知の種々の粘着剤組成物により形成され得る。第1粘着剤層を形成する粘着剤組成物としては、何ら限定されるものではないが、たとえばゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル等の粘着剤組成物が用いられる。
本発明における第2粘着剤層は、非エネルギー線硬化性粘着剤組成物からなる。第2粘着剤層を非エネルギー線硬化性粘着剤組成物で構成することで、エネルギー線照射工程(例えば紫外線照射工程等)を行う必要がないため、半導体装置の製造工程を簡略化できる。本発明において非エネルギー線硬化性粘着剤組成物とは、該組成物を構成する成分中に未反応の重合性基が実質的に含まれていないものをいう。
アクリル重合体(A)は、少なくともこれを構成するモノマーに、(メタ)アクリル酸エステルモノマーを含有する重合体であり、後述する架橋剤(B)の官能基と反応する官能基(以下、「反応性官能基」と記載することがある。)を有することが好ましい。アクリル重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、1万〜200万であることが好ましく、10万〜150万であることがより好ましい。アクリル重合体(A)の重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算値である。
アクリル重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は、アクリル重合体(A)を構成するモノマーの組み合わせにより調整することができる。
アクリル重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は、アクリル重合体(A)を構成するモノマーの単独重合体のガラス転移温度に基づき、以下の計算式(FOXの式)で求められる。アクリル重合体(A)のTgをTg copolymer、アクリル重合体(A)を構成するモノマーXの単独重合体のTgをTg x、モノマーYの単独重合体のTgをTg y、モノマーXのモル分率をWx(mol%)、モノマーYのモル分率をWy(mol%)として、FOXの式は以下の式(1)で表される。
100/Tg copolymer=Wx/Tg x+Wy/Tg y ・・・(1)
シクロアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレートなどの環状骨格を有する(メタ)アクリレート;
ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリレート;
グリシジル(メタ)アクリレートなどのグリシジル基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、N−メチロールアクリルアミド等が共重合されていてもよい。
これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、粘着剤層に凝集性を付与するため、非エネルギー線粘着剤組成物に架橋剤(B)を添加することが好ましい。架橋剤としては、有機多価イソシアネート化合物、有機多価エポキシ化合物、有機多価イミン化合物、金属キレート系架橋剤等が挙げられ、反応性の高さから有機多価イソシアネート化合物が好ましい。
可塑剤(C)としては、1,2−シクロヘキシルジカルボン酸エステル、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、ピロメリット酸エステル、安息香酸エステル、リン酸エステル、クエン酸エステル、セバシン酸エステル、アゼライン酸エステル、マレイン酸エステル等が挙げられる。このような可塑剤(C)を用いることで、厚み40〜150μmの薄型ウエハのダイシング性や保護膜形成用フィルム付チップのピックアップ性が良好となる。
これらのうちでも、芳香環またはシクロアルキル環に2つ以上のカルボキシル基を付加した多価カルボン酸の一部または全部がアルコールとエステル化した有機酸エステル化合物が、ピックアップ性を向上させる効果が高く好ましい。その中でも、1,2−シクロヘキシルジカルボン酸エステル、フタル酸エステル、ピロメリット酸エステル、トリメリット酸エステルがより好ましく、これらを具体的に表すと、下記式(I)〜(IV)に示す多価カルボン酸におけるカルボキシル基の一部または全部がアルコールとエステル化した有機酸エステル化合物である。多価カルボン酸のカルボキシル基とエステルを形成するアルコールとしては、エタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、1−ヘキサノール、1−ペンタノール、1−ノナノール、イソノナノール、1−ブタノール、2−ベンジル−1−ブタノール、イソデカノール、1−オクタノール等が挙げられる。一分子にこれらの2種以上とのエステルが存在していてもよい。
保護膜形成用フィルムは、(1)シート形状維持性、(2)初期接着性、(3)硬化性を有しているものであればよい。
第1のバインダー成分は、重合体成分と硬化性成分を含有することにより、保護膜形成用フィルムにシート形状維持性と硬化性を付与する。なお、第1のバインダー成分は、第2のバインダー成分と区別する便宜上、硬化性重合体成分を含有しない。
重合体成分は、保護膜形成用フィルムにシート形状維持性を付与することを主目的として保護膜形成用フィルムに添加される。
また、重合体成分として、ポリエステル、フェノキシ樹脂(後述する硬化性重合体と区別する便宜上、エポキシ基を有しないものに限る。)、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリシロキサン、ゴム系重合体またはこれらの2種以上が結合したものから選ばれる非アクリル系樹脂の1種単独または2種以上の組み合わせを用いてもよい。このような樹脂としては、重量平均分子量が20,000〜100,000のものが好ましく、20,000〜80,000のものがさらに好ましい。
硬化性成分は、保護膜形成用フィルムに硬化性を付与することを主目的として保護膜形成用フィルムに添加される。硬化性成分としては、熱硬化性成分を用いることができる。熱硬化性成分は、少なくとも加熱により反応する官能基を有する化合物を含有する。硬化性成分が有する官能基同士が反応し、三次元網目構造が形成されることにより硬化が実現される。硬化性成分は、重合体成分と組み合わせて用いるため、保護膜形成用フィルムを形成するための塗工用組成物の粘度上昇を抑制し、取り扱い性を向上させる等の観点から、通常その重量平均分子量(Mw)は、10,000以下であり、100〜10,000であることが好ましい。
熱硬化性成分としては、たとえば、エポキシ系熱硬化性成分が好ましい。エポキシ系熱硬化性成分は、エポキシ基を有する化合物を含有し、エポキシ基を有する化合物と硬化剤を組み合わせたものを用いることが好ましい。
エポキシ基を有する化合物(以下、「エポキシ化合物」ということがある。)としては、従来公知のものを用いることができる。具体的には、多官能系エポキシ樹脂や、ビスフェノールAジグリシジルエーテルやその水添物、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェニレン骨格型エポキシ樹脂など、分子中に2官能以上有するエポキシ化合物が挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱硬化剤は、エポキシ化合物に対する硬化剤として機能する。好ましい熱硬化剤としては、1分子中にエポキシ基と反応しうる官能基を2個以上有する化合物が挙げられる。その官能基としてはフェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基および酸無水物などが挙げられる。これらのうち好ましくはフェノール性水酸基、アミノ基、酸無水物などが挙げられ、さらに好ましくはフェノール性水酸基、アミノ基が挙げられる。
硬化促進剤を、保護膜形成用フィルムの熱硬化の速度を調整するために用いてもよい。硬化促進剤は、特に、熱硬化性成分として、エポキシ系熱硬化性成分を用いるときに好ましく用いられる。
第2のバインダー成分は、硬化性重合体成分を含有することにより、保護膜形成用フィルムに造膜性(シート形成性)と硬化性を付与する。
硬化性重合体成分は、硬化機能官能基を有する重合体である。硬化機能官能基は、互いに反応して三次元網目構造を構成しうる官能基であり、加熱により反応する官能基が挙げられる。
保護膜形成用フィルムは、無機フィラーを含有していてもよい。無機フィラーを保護膜形成用フィルムに配合することにより、硬化後の保護膜形成用フィルムにおける熱膨張係数を調整することが可能となり、被着体である半導体チップに対して硬化後の保護膜形成用フィルムの熱膨張係数を最適化することで半導体装置の信頼性を向上させることができる。また、硬化後の保護膜形成用フィルムの吸湿率を低減させることも可能となる。
保護膜形成用フィルムには、着色剤を配合することができる。着色剤を配合することで、半導体装置を機器に組み込んだ際に、周囲の装置から発生する赤外線等による半導体装置の誤作動を防止することができる。また、レーザーマーキング等の手段により保護膜形成用フィルムに刻印を行った場合に、文字、記号等のマークが認識しやすくなるという効果がある。
着色剤としては、有機または無機の顔料および染料が用いられる。これらの中でも電磁波や赤外線遮蔽性の点から黒色顔料が好ましい。黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化鉄、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等が用いられるが、これらに限定されることはない。半導体装置の信頼性を高める観点からは、カーボンブラックが特に好ましい。着色剤の配合量は、保護膜形成用フィルムを構成する全固形分100質量部に対して、好ましくは0.1〜35質量部、さらに好ましくは0.5〜25質量部、特に好ましくは1〜15質量部である。
無機物と反応する官能基および有機官能基と反応する官能基を有するカップリング剤を、保護膜形成用フィルムの被着体に対する接着性および/または保護膜形成用フィルムの凝集性を向上させるために用いてもよい。また、カップリング剤を使用することで、保護膜形成用フィルムを硬化して得られる保護膜の耐熱性を損なうことなく、その耐水性を向上することができる。このようなカップリング剤としては、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、シランカップリング剤等が挙げられる。これらのうちでも、シランカップリング剤が好ましい。
このようなシランカップリング剤としてはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシランなどが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。
保護膜形成用フィルムには、上記の他に、必要に応じて各種添加剤が配合されてもよい。各種添加剤としては、レベリング剤、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、イオン捕捉剤、ゲッタリング剤、連鎖移動剤などが挙げられる。
また、保護膜形成用フィルムをワークに貼付後、保護膜形成用複合シートがダイシング工程においてワークを支持するためのダイシングシートとして機能する場合に、保護膜形成用フィルムや保護膜と第2粘着剤層との間の密着性が保たれ、ダイシング工程において保護膜形成用フィルム付チップが剥離(チップ飛散)することを抑制できるという効果が得られる。保護膜形成用複合シートが、ダイシング工程においてワークを支持するためのダイシングシートとして機能する場合、ダイシング工程において保護膜形成用フィルム付ウエハに別途ダイシングシートを貼り合せてダイシングをする必要がなくなり、半導体装置の製造工程を簡略化できる。
次に、図1に示す保護膜形成用複合シートの製造方法の一例について説明するが、本発明の保護膜形成用複合シートは、このような製造方法により得られるものに限定されるものではない。
まず、基材の表面に第1粘着剤層を形成し、粘着シートを得る。基材の表面に第1粘着剤層を設ける方法は特に限定されず、剥離シート(第1剥離シート)上に所定の膜厚になるように、第1粘着剤層を構成する粘着剤組成物(第1粘着剤組成物)を塗布し形成した第1粘着剤層を基材表面に転写する方法;基材表面に第1粘着剤組成物を直接塗布して第1粘着剤層を形成する方法;が挙げられる。
剥離シートとしては、上述した基材として例示したフィルムを用いることができる。
次に、本発明の保護膜形成用複合シートを用いた保護膜形成用フィルム付チップの製造方法について説明する。
工程(1):保護膜形成用複合シートの保護膜形成用フィルムをワークに貼付する工程、
工程(2):保護膜形成用フィルムを加熱硬化して保護膜を得る工程、
工程(3):保護膜形成用フィルムまたは保護膜と、第2粘着剤層とを分離する工程。
ウエハ表面への回路の形成はエッチング法、リフトオフ法などの従来より汎用されている方法を含む様々な方法により行うことができる。次いで、ウエハの回路面の反対面(裏面)を研削する。研削法は特に限定はされず、グラインダーなどを用いた公知の手段で研削してもよい。裏面研削時には、表面の回路を保護するために回路面に、表面保護シートと呼ばれる粘着シートを貼付する。裏面研削は、ウエハの回路面側(すなわち表面保護シート側)をチャックテーブル等により固定し、回路が形成されていない裏面側をグラインダーにより研削する。ウエハの研削後の厚みは特に限定はされないが、通常は50〜500μm程度である。
また、ワークが個片化済みのチップである場合は、保護膜形成用フィルムのみをチップサイズにダイシングする。保護膜形成用フィルムのみをダイシングする方法は特に限定されないが、例えばレーザーダイシング法を採用することができる。
保護膜形成用複合シートの保護膜形成用フィルムを、シリコンウエハ(直径8インチ、厚み200μm、#2000研磨)の研磨面に貼付した後、保護膜形成用複合シートの第1粘着剤層をリングフレームへ貼付した。
次いで、エキスパンダーを用いてエキスパンドを行った(エキスパンド速度5mm/秒で3mm引き落とし)。この時点で、目視にてリングフレームと第1粘着剤層との間の浮きを確認した。浮きが発生しなかった場合を「A」、浮きが発生した場合を「B」と評価した。
リングフレーム保持性の評価の後、エキスパンダーを逆さにし、基材側から保護膜形成用フィルム付チップをプッシュプルゲージ(アイコーエンジニアリング株式会社製、MODEL−9500)で突き、保護膜形成用フィルム付チップが落下した際の力を測定した。第2粘着剤層から保護膜形成用フィルムを容易に分離できる目安として、この際の力が200gf以下の場合を「A」、200gfを超える場合を「B」と評価した。
アクリル酸エチル36質量部、アクリル酸ブチル59質量部及びアクリル酸−2−ヒドロキシエチル5質量部からなるアクリル重合体(重量平均分子量:(820,000)、ガラス転移温度:−42℃)を95.2質量部、イソシアネート架橋剤(三井化学社製、D−110N)を4.8質量部で配合し、酢酸エチルに溶解し、30%希釈溶液の粘着剤組成物(1)を得た。なお、架橋剤が有するイソシアネート基は、アクリル重合体の有する水酸基に対して0.50当量であった。配合部数は、全て固形分換算による配合部数である(以下、同じ)。
アクリル酸ブチル95質量部及びアクリル酸−2−ヒドロキシエチル5質量部からなるアクリル重合体(重量平均分子量:500,000、ガラス転移温度:−52℃)を64.5質量部、芳香族ポリイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン株式会社製 コロネートL)を12.9質量部、可塑剤(1,2−シクロヘキシルカルボン酸ジイソノニルエステル、BASFジャパン株式会社製)を22.6質量部で配合し、酢酸エチルに溶解し、27%希釈溶液の粘着剤組成物(2)を得た。なお、架橋剤が有するイソシアネート基は、アクリル重合体の有する水酸基に対して1.0当量であった。
アクリル酸エチル70質量部、メタクリル酸メチル20質量部及びアクリル酸−2−ヒドロキシエチル10質量部からなるアクリル重合体(重量平均分子量:400,000、ガラス転移温度:−5℃)を84.2質量部、イソシアネート系架橋剤(三井化学社製、D−110N)を15.8質量部で配合し、トルエンに溶解し、27%希釈溶液の粘着剤組成物(3)を得た。なお、架橋剤が有するイソシアネート基は、アクリル重合体の有する水酸基に対して1.0当量であった。
アクリル酸ブチル55質量部、アクリル酸メチル10質量部、メタクリル酸グリシジル20質量部、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル15質量部からなるアクリル重合体(重量平均分子量:800,000、ガラス転移温度:−28℃)を19質量部、エポキシ樹脂{液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量180〜200g/eq)60質量部、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量800〜900g/eq)10質量部、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(エポキシ当量274〜286g/eq)30質量部の混合エポキシ樹脂}を19質量部、熱活性潜在性エポキシ樹脂硬化剤(ジシアンアミド(旭電化製 アデカハ−ドナー3636AS))を0.4質量部、硬化促進剤{2−フェニル−4,5−ジ(ヒドロキシメチル)イミダゾール(四国化成工業(株)製 キュアゾール2PHZ)}を0.4質量部、黒色顔料{カーボンブラック(三菱化学社製 #MA650、平均粒径28nm)}を2質量部、シランカップリング剤{ポリ3−(2,3−エポキシプロポキシ)プロピル[又はメトキシ]メトキシ[又は3−](2,3−エポキシプロポキシ)シロキサン}を0.35質量部、無機充填材{平均粒径3.1μmの不定形シリカフィラーと平均粒径0.5μmの球形シリカフィラーの混合物}を30質量部で配合し、メチルエチルケトンに溶解し、50%希釈溶液の保護膜形成用組成物を得た。
<保護膜形成用複合シートの作成>
粘着剤組成物(1)を、シリコーン剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み38μm)からなる剥離シートのシリコーン処理面に塗布し、100℃で2分間加熱し、厚さ10μmの第1粘着剤層を形成した。
ポリプロピレンフィルム(厚さ80μm)に片面から電子線を照射して基材とした。
基材の電子線照射面に、第1粘着剤層を転写し、粘着シートを得た。
その後、第2粘着剤層に、他の剥離シートを貼り合せ、剥離シート/第2粘着剤層/他の剥離シートの積層体を得た。他の剥離シートはシリコーン剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み38μm)であり、該剥離シートのシリコーン処理面を第2粘着剤層に貼り合せた。
その後、保護膜形成用フィルムに、他の剥離シートを貼り合せ、剥離シート/保護膜形成用フィルム/他の剥離シートの積層体を得た。他の剥離シートはシリコーン剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み38μm)であり、該剥離シートのシリコーン処理面を保護膜形成用フィルムに貼り合せた。
次いで、第2粘着剤層と保護膜形成用フィルムとを円形に抜き加工(220mm径)しつつ、第2粘着剤層に積層された剥離シートを除去した。これにより、剥離シート上に、同一の円形状の保護膜形成層および第2粘着剤層がこの順に積層された積層体を得た。
そして、剥離シート/第1粘着剤層/基材の積層体の剥離シートを剥がしながら、第2粘着剤層と第1粘着剤層とを積層し、剥離シート/保護膜形成用フィルム/第2粘着剤層/第1粘着剤層/基材の積層体を得た。その後、該積層体の剥離シートを剥離して、保護膜形成用複合シートを得、リングフレーム保持性およびピックアップ性の評価を行った。結果を表1に示す。
粘着剤組成物(2)に代えて、粘着剤組成物(3)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして保護膜形成用複合シートを得、各評価を行った。結果を表1に示す。
第2粘着剤層を設けなかったこと以外は実施例1と同様にして、保護膜形成用複合シートを得た。
つまり、比較例1においては、剥離シート/保護膜形成用フィルム/他の剥離シートについて、保護膜形成用フィルムを抜き加工(220mm径)しつつ、剥離シートを除去し、次いで、剥離シート/第1粘着剤層/基材の積層体の剥離シートを剥がしながら、第1粘着剤層と保護膜形成用フィルムとを積層して、剥離シート/保護膜形成用フィルム/第1粘着剤層/基材の積層体を得た。その後、該積層体の剥離シートを剥離して、保護膜形成用複合シートを得、各評価を行った。結果を表1に示す。
粘着剤組成物(1)に代えて、粘着剤組成物(3)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして保護膜形成用複合シートを得、各評価を行った。結果を表1に示す。
2:第1粘着剤層
3:第2粘着剤層
4:保護膜形成用フィルム
5:粘着シート
10:保護膜形成用複合シート
Claims (7)
- 基材及び第1粘着剤層を構成層として含む粘着シートの第1粘着剤層上に、保護膜形成用フィルムが第2粘着剤層を介して設けられた保護膜形成用複合シートであって、
第2粘着剤層の平面視における形状が、粘着シートの平面視における形状に含まれる形状であり、
第2粘着剤層が、非エネルギー線硬化性粘着剤組成物からなる保護膜形成用複合シート。 - 非エネルギー線硬化性粘着剤組成物が、アクリル重合体(A)、架橋剤(B)を含有し、
アクリル重合体(A)が、架橋剤(B)の官能基と反応する官能基を有し、
架橋剤(B)の官能基が、アクリル重合体(A)の官能基に対して1当量以上である請求項1に記載の保護膜形成用複合シート。 - 非エネルギー線硬化性粘着剤組成物が、さらに可塑剤(C)を含有する請求項2に記載の保護膜形成用複合シート。
- 可塑剤(C)の含有量が、アクリル重合体(A)100質量部に対して5〜70質量部である請求項3に記載の保護膜形成用複合シート。
- アクリル系重合体(A)のガラス転移温度が−10〜20℃である請求項1〜4のいずれかに記載の保護膜形成用複合シート。
- 以下の工程(1)〜(3)を含む保護膜形成用フィルム付チップの製造方法;
工程(1):請求項1〜5のいずれかに記載の保護膜形成用複合シートの保護膜形成用フィルムをワークに貼付する工程、
工程(2):保護膜形成用フィルムを加熱硬化して保護膜を得る工程、
工程(3):保護膜形成用フィルムまたは保護膜と、第2粘着剤層とを分離する工程。 - 以下の工程(4)をさらに含む請求項6に記載の保護膜形成用フィルム付チップの製造方法;
工程(4):ワークと、保護膜形成用フィルムまたは保護膜とをダイシングする工程。
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