JP2014174149A - 放射ノイズ推定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】実測定での手戻りを防止しつつ、実測定に係る費用・時間を最小化できるようにする、予備測定での高い精度の放射ノイズ推定を行う放射ノイズ推定装置を提供する。
【解決手段】対象機器を放射源として、放射源から所定距離だけ離れた位置で検出される放射ノイズと同等の放射特性を有する複数の微小放射源の組み合わせ(以下「放射源モデル」)を算出するための初期値設定部2と、放射源から所定距離だけ離れた位置に設置されるアンテナで検出される実放射ノイズを測定する実放射ノイズ測定部3と、実放射ノイズ測定部で測定される実放射ノイズと、第1放射源モデルと第2放射源モデル〜第n放射源モデルのそれぞれを算出する放射源モデル算出部4と、二次元分布図に配置する分布処理部5と、二次元分布図において集中している集中領域から外れる放射源モデルを除外する除外処理部6と、所定条件を満たす放射源モデルを抽出する抽出部7と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、様々な対象機器が発生する可能性のある放射ノイズを、より高い精度でかつ大掛かりな装置や設備を必要とせずに推定する放射ノイズ推定装置に関する。
パソコンや通信機器などの電子機器は、その性質上様々な放射ノイズを、その周囲に放射している。また、パソコンや通信機器などの電子機器に係らず、電気信号を用いる種々の機器や、これら機器と電源を接続する接続部材、あるいは機器と機器を接続する接続部材も、様々な放射ノイズを、周囲に放射している。
このような放射ノイズは、周囲の他の機械機器、電子機器、通信網などの機器、設備や装置に影響を与える可能性がある。他の機器や装置に影響が生じれば、当然ながら、オフィス環境、工場などの製造現場、各種施設において、業務に悪影響が出ることもあるし、業務効率の低下に繋がることもある。もちろん、機器や設備の精度が要求される現場では、放射ノイズによる影響によって正しい結果を算出できなかったり、正しい手順を実行できなかったりする問題もある。このような問題が生じれば、場合によっては事故の原因となったり、作業ミスの原因となったりもする。
近年のように、設備やプラントなどが、パソコンや携帯端末などの通信機器で制御されることが多い状態では、これら制御側のパソコンや携帯端末による放射ノイズが、設備やプラントの動作や制御に不具合を生じさせることもある。あるいは、携帯端末の普及と高機能化に伴って、街中は言うに及ばず、世界中様々な場所で携帯端末からの放射ノイズが放射されている。このような携帯端末からの放射ノイズは、他の電子機器や携帯端末に不具合を与える可能性もある。また、都市化による密集に伴って、市中の携帯端末からの放射ノイズが、オフィスビルや家庭の内部に設置されている電子機器に悪影響を与える可能性もある。
以上のように、近年では、電子機器や携帯端末などからの放射ノイズを抑えることが求められている。
このように、電子機器や機械機器などからの放射ノイズに対しては、基準値と測定方法が国際的に規格化されており、各国、各地域で規制が実施されている。例えば、欧州におけるCEマークなどがその一例である。このようなEMC規格に適合した電子機器には、適合マークが付与され、市場に投入することが可能となる。
このため、設計・製造された電子機器の放射ノイズを測定する技術が提案されている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
このように、電子機器の製造企業にとっては、放射ノイズが、規格に定められる基準以下となっているかを測定することが求められる。このような規格においては、厳密には、放射ノイズの放射源となる電子機器から、10mの距離に設置されたノイズ測定装置が設置された上で、規格に従った形状、形態を有する測定室において、放射ノイズが実測定される必要がある。このように規格に従った測定室を、大型電波暗室と呼ぶことがある。
しかしながら、このような大型電波暗室は、我が国においても外国においても、設置コストや維持コストが大きいことから、その数は限られている。このため、様々な製造企業にとっては、この大型電波暗室を使用して放射ノイズ源である電子機器の放射ノイズを実測定する機会を多く得ることは難しい。一つには、使用における費用が大きい問題がある。一例としては、ある大型電波暗室を使用すると、1日で20万円程度を必要とする。更に一つには、使用の順番待ちが長いことがある。上述の通り、我が国においても大型電波暗室は数が少なく、使用を希望しても順番が回ってくるのに月単位を要することもある。
一方で、この大型電波暗室において実測定する場合に、当然ながら規格上の基準値を超える場合もある。この場合には、当該電子機器の設計からやり直す必要もある。設計および製造がやり直された後で、また大型電波暗室を使用して放射ノイズの実測定を行なうことは、時間、費用、待ち時間を更にかける必要が生じるので、二重あるいは三重の投資が必要となる。このため、設計あるいは製造した電子機器を、都度、大型電波暗室を使用して放射ノイズ測定を行なうということは、時間、コスト、設計期間短縮のいずれの面からも好ましくない。
もちろん、設計段階(回路設計、基板設計を設計CAD上で終了した段階)で、放射ノイズを推定するシミュレータなどのソフトウェアも存在しているが、実機になった場合の放射ノイズとの乖離が大きいのがこれらシミュレータの能力限界であるのが現状である。このため、実機(試作機も含めて)での、放射ノイズの実測定が必要である状況には変わりない。
このように、設計段階でのシミュレータでは不十分であり、大型電波暗室を用いた放射ノイズの実測定は、コスト、時間、設計期間での問題もあるのが実情である。
このため、実機(試作機も含めて)が製作された段階で、大型電波暗室を用いた、規格に従った実測定を最初から行なうのではなく、小型の電波暗室を用いた予備測定を、事前に行なって一定の目処をつけることが行われている。予備測定に用いられる小型の電波暗室は、当該電波暗室によって形態や大きさは様々であるが、使用料金は1日あたり数万円程度と、非常に小額である。また、小型の電波暗室は、一般企業、各県の工業技術試験場などに設置されていることも多く、その数も多い。このため、使用の順番待ちも短いメリットがある。
予備測定に用いられる小型の電波暗室(以下、「予備測定電波暗室」という)は、放射ノイズの放射源となる電子機器と、放射ノイズを測定するアンテナとの距離が3mである。そのほかにも、規格に合わせて公式の大型電波暗室であれば必要となる形状や形態などについて、厳密に限定されていない。
設計・製作された電子機器の放射ノイズが、この予備測定電波暗室で事前に予備的に測定される。この予備的な測定において、規格に定められる基準を満たしていない場合には、基準を満たす放射ノイズとなるように、設計変更あるいは製造変更などが行われる。場合によっては、再び予備的な測定が行われる。あるいは、予備的な測定において、基準を満たす場合には、設計変更や製造変更の必要は無いとして、そのまま大型電波暗室における公式な測定が行なわれる。
このように、様々な放射ノイズの測定に関する技術提案に加えて、予備測定電波暗室を用いた予備的な測定を事前に行なうことが行われている。
特に、近年では、電子機器のバリエーションも広く、バージョンアップも激しく行われることで、様々な企業が規格を満たした放射ノイズの実測定を効率的に行なうことが求められている。このとき、上述の通り、CEマークのように、一定の規格によって定められた手順(大型電波暗室を用いて基準値と比較する)での、放射ノイズの測定が必要である。最終的には、この放射ノイズの測定によって、最終的に規格に応じた放射ノイズの基準を満たしているかどうかが判断される必要がある。このとき、上述のように予備測定などによる測定の効率化が、費用・時間・設計期間の観点から求められている。
特開平7−248348号公報 特開2011−43393号公報 特開2012−194090号公報
特許文献1は、アンテナ3を固定し、ターンテーブル2を回転し、回転するターンテーブル2上に置かれた電子機器1からの放射ノイズをアンテナ3で受信し、これを電界強度測定器7で電界強度を測定し逐次コンピュータ8にデ−タ入力し、コンピュータ8は入力した電界強度の値と既入力最大値と比較してレベルが上まわっている場合はターンテーブル駆動装置5を制御してターンテーブルを遅く、逆に下まわっている場合は速くターンテーブル回転速度を制御する放射ノイズ測定装置を開示する。
特許文献1は、実機である電子機器をアンテナで受信して放射ノイズを測定する際に、実機をターンテーブルで回転させながら、各指向性も含めた放射ノイズ測定の工夫を開示している。
しかしながら、特許文献1は、あくまでも実機としての電子機器の放射ノイズを測定することを開示するのみで、実機を用いた規格に従った測定の効率化を図る技術を開示していない。
特許文献2は、送配電系統の電磁的に不連続なポイントP2から放射されるパルス性電磁ノイズのレベルであるレベルL2と、ポイントP2に隣接する電磁的に不連続なポイントP3から放射されるパルス性電磁ノイズのレベルであるレベルL3とを測定する一方、ポイントP2とポイントP3との間の径間長Sに送配電線における電流減衰係数を乗じて得るレベル差の基準値と、レベル2及びレベル3のレベル差とを比較し、その差が所定値以上である場合には、レベルL2,L3のうち大きい方に対応するポイントP2又はポイントP3を真のノイズ源と判定する一方、差が所定値Thαs未満である場合には、ポイントP2,P3は何れも偽のノイズ源と判定する、放射ノイズ測定方法を開示する。
しかしながら、特許文献2は、送配電系統での、各ポイントでのノイズ測定を行なうことを目的としており、電子機器の放射ノイズ測定、とりわけ予備的な測定での工夫などを目的としたものではない。
特許文献3は、着目周波数帯域のノイズの、各時間域のスペクトラムをそれぞれ算出してその着目周波数帯域の平均スペクトラムを算出し、その平均スペクトラムに基づいて、着目周波数帯域が複数に分割されてなる複数の分割周波数帯域それぞれの最大ノイズレベルの周波数ポイントを摘出し、それら複数の分割周波数帯域それぞれの、摘出した最大ノイズレベルの周波数ポイントのノイズレベルを測定し、測定した複数のノイズレベルのうちの最大値をその着目周波数帯域のノイズレベルとするノイズ測定方法を開示する。
しかしながら、特許文献3は、あくまでもノイズを測定する場合の測定レベルの向上を目的としたものであり、電子機器の放射ノイズ測定、とりわけ予備的な測定での工夫などを目的としたものではない。
一方で、予備的な測定である予備測定電波暗室を用いた放射ノイズ測定の現状は、予備測定ではOKだったが、公式な実測定ではNGとなったり、予備測定ではNGだったが、公式な実測定ではOKとなったり、予備測定の精度の不十分さの問題を有している。特に、このように、予備測定と実測定との間での食い違いが生じると、不要な設計変更をしなければならなかったり、設計変更が却って悪い結果を引き起こしてしまったりすることもある。
以上のように、従来技術では、実測定での結果を得る前に高い精度での予備測定を行なうことができず、不要な設計変更や設計変更が悪影響を生じさせて、結果的に、費用・時間・設計期間への貢献ができていない問題があった。
本発明は、実測定での手戻りを防止しつつ、実測定に係る費用・時間を最小化できるようにする、予備測定での高い精度の放射ノイズ推定を行う放射ノイズ推定装置を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明の放射ノイズ推定装置は、実測定前の予備測定において、放射ノイズを放射する可能性を有する対象機器の放射ノイズを、所定基準と比較する放射ノイズ推定値を算出する放射ノイズ推定装置であって、対象機器を放射源として、放射源から所定距離だけ離れた位置で検出される放射ノイズと同等の放射特性を有する複数の微小放射源の組み合わせ(以下、「放射源モデル」という)を算出するための第1初期値から第n初期値のそれぞれを、乱数に基づいて設定する初期値設定部と、放射源から所定距離だけ離れた位置に設置されるアンテナで検出される実放射ノイズを測定する実放射ノイズ測定部と、実放射ノイズ測定部で測定される実放射ノイズと、第1初期値から計算される仮定放射ノイズとの偏差を検出して、偏差が所定値以下となる第1放射源モデルを算出し、更に、実放射ノイズと、第2〜第n初期値のそれぞれから計算される仮定放射ノイズとの偏差を検出して、偏差が所定値以下となる第2放射源モデル〜第n放射源モデルのそれぞれを算出する放射源モデル算出部と、第1放射源モデル〜第n放射源モデルのそれぞれを、縦軸を第1放射源モデル〜第n放射源モデルのそれぞれを生成する際に最終的に計算された偏差とし、横軸を、第1放射源モデル〜第n放射源モデルから計算される放射ノイズの最大値とする、二次元分布図に配置する分布処理部と、二次元分布図に分布される第1放射源モデル〜第n放射源モデルから、二次元分布図において集中している集中領域から外れる放射源モデルを除外する、除外処理部と、集中領域に含まれる複数の放射源モデルにおいて、所定条件を満たす放射源モデルを抽出する、抽出部と、を備える。
本発明の放射ノイズ推定装置は、生成された複数の放射源モデルから、最適な放射源モデルを抽出することができる。この最適な放射源モデルは、より高い精度で放射ノイズを計算(推定)できるので、予備測定での測定結果と、実測定での測定結果との不整合を、防止することができる。
特に、本発明の放射ノイズ推定装置は、従来技術に比較して、より確からしい放射源モデルを抽出(選択)できるので、複数の放射源モデルを生成する様々な方式の放射ノイズ推定装置や推定方法に、最適に組み合わせることができる。その上で、より高い精度で選択された放射源モデルを抽出できるので、電子機器等の製作者は、高い精度で予備測定できる。
また、予備測定の精度が高いことで、予備測定でOKもしくはNGと判断された電子機器については、実測定においても同じ結果を得ることが多くなると考えられる。このため、予備測定でOKであったにも係らず実測定でNGとなって、開発後期になってからの設計変更や製造変更などの大きな手戻りの発生が防止される。
逆に、本来は実測定でOKとなるはずであるのに、予備測定でNGとなることで、不要な設計変更や製造変更を生じさせることも減少する。当然ながら、これらに係るコストも低減できる。
このように、予備測定の信頼性が高まることで、放射ノイズ対策を行う必要のある電子機器等の設計・製造の、コストや設計期間を低減できる上、精度を向上させることもできる。
本発明の参考技術における大型電波暗室での実測定の様子を示す写真である。 本発明の参考技術における測定された放射ノイズを示す模式図である。 本発明の参考技術の説明における予備測定室での測定を示す写真である。 本発明の実施の形態1における放射ノイズ推定装置のブロック図である。 本発明の実施の形態1における予備測定室の模式図である。 本発明の実施の形態1における放射源モデルの算出を説明する模式図である。 本発明の実施の形態1における二次元分布図の模式図である。 第1放射源モデル〜第n放射源モデルが算出された後の、抽出部での処理を模式的に説明する説明図である。 第1放射源モデル〜第n放射源モデルの統計的処理を示す模式図である。 従来技術の放射ノイズ推定装置と本発明の放射ノイズ推定装置との、推定された放射ノイズと実測定での結果との差分を示すグラフである。
本発明の第1の発明に係る放射ノイズ推定装置は、実測定前の予備測定において、放射ノイズを放射する可能性を有する対象機器の放射ノイズを、所定基準と比較する放射ノイズ推定値を算出する放射ノイズ推定装置であって、対象機器を放射源として、放射源から所定距離だけ離れた位置で検出される放射ノイズと同等の放射特性を有する複数の微小放射源の組み合わせ(以下、「放射源モデル」という)を算出するための第1初期値から第n初期値のそれぞれを、乱数に基づいて設定する初期値設定部と、放射源から所定距離だけ離れた位置に設置されるアンテナで検出される実放射ノイズを測定する実放射ノイズ測定部と、実放射ノイズ測定部で測定される実放射ノイズと、第1初期値から計算される仮定放射ノイズとの偏差を検出して、偏差が所定値以下となる第1放射源モデルを算出し、更に、実放射ノイズと、第2〜第n初期値のそれぞれから計算される仮定放射ノイズとの偏差を検出して、偏差が所定値以下となる第2放射源モデル〜第n放射源モデルのそれぞれを算出する放射源モデル算出部と、第1放射源モデル〜第n放射源モデルのそれぞれを、縦軸を第1放射源モデル〜第n放射源モデルのそれぞれを生成する際に最終的に計算された偏差とし、横軸を、第1放射源モデル〜第n放射源モデルから計算される放射ノイズの最大値とする、二次元分布図に配置する分布処理部と、二次元分布図に分布される第1放射源モデル〜第n放射源モデルから、二次元分布図において集中している集中領域から外れる放射源モデルを除外する、除外処理部と、集中領域に含まれる複数の放射源モデルにおいて、所定条件を満たす放射源モデルを抽出する、抽出部と、を備える。
この構成により、放射ノイズ推定装置は、放射源モデルを基礎とした高い精度での、放射ノイズ推定値を算出できる。
本発明の第2の発明に係る放射ノイズ推定装置では、第1の発明に加えて、実測定は、所定規格を満たす大型電波暗室において、対象機器と所定距離だけ離れた公式アンテナによって、対象機器からの放射ノイズを実測する工程である。
この構成により、規格に従った実測定を想定した放射ノイズの推定を行うことができる。
本発明の第3の発明に係る放射ノイズ推定装置では、第2の発明に加えて、所定距離は、約10mである。
この構成により、規格に従った実測定を想定した放射ノイズの推定を行うことができる。
本発明の第4の発明に係る放射ノイズ推定装置では、第1から第3のいずれかの発明に加えて、予備測定は、実測定の前後の少なくとも一方で行なわれ、実放射ノイズ測定部で用いられる放射源とアンテナとの所定距離は、約3mである。
この構成により、放射ノイズ推定装置は、10mを想定する推定の精度を高めることができる。
本発明の第5の発明に係る放射ノイズ推定装置では、第1から第4のいずれかの発明に加えて、放射源モデル算出部は、実放射ノイズ測定部で測定される実放射ノイズと、第1初期値から計算される仮定放射ノイズとの偏差を検出して、偏差が所定値以下となるように、放射源モデルの修正を所定回数繰り返して、第1放射源モデルを算出し、第2初期値〜第n初期値から計算される仮定放射ノイズとの偏差を検出して、偏差が所定値以下となるように、放射源モデルの修正を所定回数繰り返して、第2放射源モデル〜第n放射源モデルを算出し、所定回数は、150回である。
この構成により、放射源モデルの算出精度を高めることができる。
本発明の第6の発明に係る放射ノイズ推定装置では、第1から第5のいずれかの発明に加えて、放射源モデルは、第1放射源モデル〜第120放射源モデルを、算出し、分布処理部は、二次元分布図に第1放射源モデル〜第120放射源モデルを、配置する。
この構成により、放射ノイズ推定装置は、より多くの放射源モデルから、放射ノイズ推定値を算出することができる。
本発明の第7の発明に係る放射ノイズ推定装置では、第1から第6のいずれかの発明に加えて、除外処理部は、二次元分布図に分布する第1放射源モデル〜第n放射源モデルの全ての標準偏差(以下、「σ」という)の2倍である2σに対応する範囲を、集中領域とする。
この構成により、放射ノイズ推定装置は、推定精度を低下させる放射源モデルを、放射ノイズ推定値の算出の基礎から排除できる。
本発明の第8の発明に係る放射ノイズ推定装置では、第1から第6のいずれかの発明に加えて、除外処理部は、二次元分布図に分布する第1放射源モデル〜第n放射源モデルの全てから算出される平均値から、距離√(σ推定値 2+σNorm 2)の範囲を、集中領域とする。
この構成により、放射ノイズ推定装置は、より精度の高い放射源モデルだけを算出できる集中領域を設定できる。
本発明の第9の発明に係る放射ノイズ推定装置では、第1から第6のいずれかの発明に加えて、除外処理部は、第1放射源モデル〜第n放射源モデルの値(以下、「推定値」という)を横軸とした分布に基づいて、推定値の平均値(AVE推定値)およびと標準偏差(σ推定値)を算出し、第1放射源モデル〜第n放射源モデルの偏差(以下、「Norm」という)を横軸とした分布に基づいて、Normの平均値(AVENorm)および標準偏差(σNorm)を算出し、次いで、二次元分布図において、(AVE推定値,AVENorm)を中心とする2σ推定値の長さを有するX軸の径および、2σNormの長さを有するY軸の径により、定まる楕円形を、集中領域とする。
本発明の第10の発明に係る放射ノイズ推定装置では、第1から第6のいずれかの発明に加えて、除外処理部は、第1放射源モデル〜第n放射源モデルの値(以下、「推定値」という)を横軸とした分布に基づいて、推定値の平均値(AVE推定値)およびと標準偏差(σ推定値)を算出し、第1放射源モデル〜第n放射源モデルの偏差(以下、「Norm」という)を横軸とした分布に基づいて、Normの平均値(AVENorm)および標準偏差(σNorm)を算出し、次いで、二次元分布図において、(AVE推定値,AVENorm)を中心とする2σ推定値の長さを有するX軸の径および、2σNormの長さを有するY軸の径により、定まる方形を、集中領域とする。
これらの構成により、より高い精度を有すると考えられる放射源モデルのみを、集中領域に含めることができる。
本発明の第11の発明に係る放射ノイズ推定装置では、第1から第10のいずれかの発明に加えて、抽出部が用いる所定条件は、第1放射源モデル〜第n放射源モデルの内、集中領域における重心に最も近い放射源モデルおよび重心に対応して計算される放射源モデルの一方である。
この構成により、より高い精度で、放射ノイズ推定値が算出される。
本発明の第12の発明に係る放射ノイズ推定装置では、第1から第10のいずれかの発明に加えて、抽出部が用いる所定条件は、集中領域に含まれる複数の放射源モデルの平均値である。
この構成により、より高い精度で、放射ノイズ推定値が算出される。加えて、簡便に算出できる。
本発明の第13の発明に係る放射ノイズ推定装置では、第1から第10のいずれかの発明に加えて、抽出部が用いる所定条件は、
(1)集中領域に含まれる複数の放射源モデルの平均値を算出し、
(2)平均値から二次元分布図において所定距離内にある複数の放射源モデルを補間した値を算出する、
ことで得られる値である。
この構成により、より高い精度で、放射ノイズ推定値を算出できる。
本発明の第14の発明に係る放射ノイズ推定装置では、第13の発明に加えて、補間は、線形補間である。
この構成により、簡便に補間を行える。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(実施の形態1)
(参考技術の説明)
まず、実測定と予備測定についての概要を説明する。
(実測定)
実測定は、公式に設置されている大型電波暗室を用いて行われる。図1は、本発明の参考技術における大型電波暗室での実測定の様子を示す写真である。図1の写真に示されるように、大型電波暗室100は、その形状および形態も特殊である。これら形状や形態は、規格に応じて定まるものであり、図1の写真はある規格に対応して定まったものである。
図1の写真では、大型電波暗室100に、測定対象の対象機器110(図1の写真ではパーソナルコンピュータである)が設置されている。この対象機器110と10m離隔した位置にアンテナ120が設置されている。このアンテナ120が、対象機器110が発する放射ノイズを測定する。アンテナ120は、対象機器110が発する放射ノイズを測定した上で、放射ノイズが、規格によって定まる範囲に収まるかどうかを判定する。
図2は、本発明の参考技術における測定された放射ノイズを示す模式図である。図2は、図1の大型電波暗室100に設置されたアンテナ120が測定した、対象機器110の放射ノイズを示している。円121は、ある規格で定まる放射ノイズの基準値を指向性とレベルで示す限界値である。線122は、アンテナ120が実際に測定した対象機器110の放射ノイズの値である。図2に示されるように、線122は、位置123において円121を越えている。すなわち、対象機器110の発する放射ノイズは、規格により定まる限界値をある方向で越えてしまっており、放射ノイズが、規格を満たしていないことになる。
このように、実測定においては、図1に示されるような大型電波暗室100において、実際に対象機器110が発する放射ノイズを測定し、規格を満たした状態であるかを判定する。
(予備測定)
予備測定は、小型あるいは中型の電波暗室を用いて、実測定の前に放射ノイズを推定する目的での測定を実行する。予備測定に用いられる小型あるいは中型の電波暗室(以下、「予備測定室」という)は、規格の一部に対応しているものであるが、本来の実測定に必要となるアンテナと電子機器との必要離隔距離である10mを確保するものではない。例えば、3mを一例とした離隔距離を有する予備測定室が使用される。また、予備測定室内部の形状や形態も、規格に対応したり近いものであったりなされているが、離隔距離の違いなどもあり、厳密に対応していないこともある。
図3は、本発明の参考技術の説明における予備測定室での測定を示す写真である。予備測定室200に、予備測定の対象となる対象機器110が設置されている。更に、この対象機器110に対向してアンテナ210が設置されている。このとき、予備測定の一例として、対象機器110とアンテナ210の距離は3mである。予備測定では、この3m離隔したアンテナ210で、対象機器110から発せられる放射ノイズを検出することも含めて、種々の処理が実行される。
ここで、予備測定においては、対象機器110が回転可能な台に載せられており、台の回転に合わせて対象機器110が回転する。アンテナ210は、この回転によって指向性を示す電子機器210からの放射ノイズを測定する。しかしながら、予備測定における放射ノイズは、あくまでも規格に従った実測定で測定される放射ノイズとは異なる。
このため、この予備測定室200で測定された放射ノイズを、そのまま3mから10mに拡張することで、実測定での予測を行うことはできない。あるいは、予備測定室200で測定された放射ノイズが、図2に示されるような規格に基づく限界値と比較されるだけで、実測定での放射ノイズの満足を図ることはできない。このため、予備測定室200での予備測定は、実測定であれば放射ノイズがどのようになるかどうかを推定する放射源モデルを算出することを目的とする。このため、本発明の放射ノイズ推定装置は、この予備測定室200でのアンテナ210による対象機器110からの放射ノイズの測定を、複数の処理エレメントの一つとして取り扱う。
(全体概要)
まず、実施の形態1における放射ノイズ推定装置の全体概要を説明する。本明細書において、放射源モデルとは、放射ノイズを発生している放射源であって、当該放射ノイズを推定する対象機器110と同等の放射特性を有する複数の微小放射源の組み合わせを意味する。また、放射ノイズ推定装置が推定する対象機器110の放射ノイズは、上述した放射源モデル(複数の微小放射源)に基づいて、理論計算される10m距離の電界強度分布(電界強度パターン)を意味する。
図4は、本発明の実施の形態1における放射ノイズ推定装置のブロック図である。放射ノイズ推定装置1は、実測定前の予備測定において、放射ノイズを放射する可能性を有する対象機器110の放射ノイズを、所定基準と比較するために、放射ノイズ推定値を算出する。図4では、放射ノイズ推定装置1の推定対象となる放射ノイズを発する放射源として、対象機器110が示されている。言い換えれば、対象機器110は、放射ノイズ推定装置1の推定対象である。
図5は、本発明の実施の形態1における予備測定室の模式図である。図5は、図3の写真に示されるような予備測定室200での測定状態を示している。図4における対象機器110とアンテナ210は、図5の予備測定室200内部にしめされるように設置されている。また、放射ノイズ推定装置1は、対象機器110に合わせて予備測定室200内部に設置されても良いし、予備測定室200外部に設置されても良い。
前者および後者のいずれの場合でも、放射ノイズ推定装置1は、アンテナ210と電気的に接続されている(無線、有線とを問わず)。接続されていることで、アンテナ210が測定する対象機器110の発する放射ノイズを、放射ノイズ推定装置1が実行する処理手順の中で使用できる。また、放射ノイズ推定装置1は、専用の装置として構成されても良いし、汎用のパーソナルコンピュータによって(あるいは汎用のパーソナルコンピュータに何らかの部材が付加されて)構成されても良い。
初期値設定部2は、放射源である対象機器110と同等の放射特性を有する複数の微小放射源の組み合わせ(放射源モデル)を算出するための初期値を、乱数に基づいて設定する。ここで、初期値設定部2は、第1初期値から第n初期値のそれぞれを、乱数に基づいて設定する。ただし、後述するように、放射源モデルの算出においてまず、第1初期値を設定する。第1初期値の設定後に、放射源モデル算出部4が第1放射源モデルを算出した後で、初期値設定部2は、第2初期値の設定を行う。すなわち、初期値設定部2は、第1初期値〜第n初期値の全てを最初に設定するのではなく、第1放射源モデル〜第n放射源モデルの算出に合わせて、第1初期値〜第n初期値を順々に設定していくことが適当である。但し、予め全ての初期値を設定しておき、第1放射源モデル〜第n放射源モデルの算出に備えて記憶した上で、第1放射源モデル〜第n放射源モデルのそれぞれに合わせて、第1初期値〜第n初期値のそれぞれが、順々に使用されても良い。
初期値設定部2は、設定した第1初期値〜第n初期値のそれぞれを、放射源モデル算出部4に出力する。
実放射ノイズ測定部3は、対象機器110と所定距離だけ離れた位置に設置されるアンテナ210で検出される放射ノイズを測定する。実際には、アンテナ210が検出する放射ノイズを、必要な信号処理を行うことで、実放射ノイズ測定部3は、対象機器110の放射ノイズを測定する。
ここで、実放射ノイズ測定部3は、一つの対象機器に対して一つの実放射ノイズを測定する。この一つの実放射ノイズを用いて、放射源モデル算出部4は、一つの初期値に基づいて、一つの放射源モデルを算出する。
初期値設定部2と同様に、実放射ノイズ測定部3は、測定した実放射ノイズ値の結果を、放射源モデル算出部4に出力する。
放射源モデル算出部4は、初期値設定部2で設定された初期値より計算される放射ノイズ(以下、「仮定放射ノイズ」という)と実放射ノイズを用いて、放射源モデルを算出する。ここで、放射源モデル算出部4は、仮定放射ノイズと実放射ノイズとの偏差が所定値以下(最小もしくは想定での最小、あるいは十分に小さいと判断できる値)になるまで、放射源モデルの修正を行う。この偏差が所定値以下となった修正された放射源モデルが、放射源モデルとして算出される。
すなわち、放射源モデル算出部4は、初期値設定部2から出力される初期値より計算される仮定放射ノイズと実放射ノイズの偏差が十分に小さくなるように放射源モデルの修正を繰り返すことで、放射源モデルを算出する。このとき、放射源モデル算出部4は、偏差がより最小となる放射源モデルを得るために、所定回数の放射源モデルの修正を実行する。所定回数は、任意に定められれば良いが、発明者の知見および実験では、結果と作業工程量のバランスに基づいて、150回が適当であると考えられる。
なお、上述した偏差を最小とすることでの放射源モデルの算出が第1初期値に対して行われることで、放射源モデル算出部4は、第1放射源モデルを算出できる。当然に、第2初期値に対して、上述した工程での放射源モデルの算出が行われることで、放射源モデル算出部4は、第2放射源モデルを算出できる。以下同様に、放射源モデル算出部4は、第3放射源モデル〜第n放射源モデルを算出する。
図6を用いて、再度説明する。図6は、本発明の実施の形態1における放射源モデルの算出を説明する模式図である。図6では、初期値および最終的に算出される放射源モデルから計算される仮定放射ノイズと、実際に放射源から放射される放射ノイズを、アンテナ指向性に例えた図面で表している。
例えば、放射源モデル算出部4は、初期値設定部2で設定された第1初期値を、算出の前提として設定する。これは、図6における(1)に該当する。次いで、図6の(2)に示されるように、放射源モデル算出部4は、第1初期値から計算される仮定放射ノイズと実放射ノイズ値とを比較して、偏差(Norm)を計算する。
次いで、図6の(3)に示されるように、放射源モデル算出部4は、偏差が小さくなるように第1初期値を修正する。さらに、修正した放射源モデルから計算される放射ノイズと実放射ノイズ値のNormを計算し、偏差が小さくなるように放射源モデルを修正する。この、図6の(2)(3)の過程を偏差が十分小さくなるまで繰り返し、図6の(4)に示されるように、最終的な放射源モデルを算出する。
放射源モデル算出部4は、この(4)に示されるような放射源モデルを、第1初期値に基づいて算出される第1放射源モデルとして、算出する。これが、放射源モデル算出部4が実行する、一つの放射源モデルの算出である。放射源モデル算出部4は、第1放射源モデルの算出を、図6の(1)〜(4)で模式的に示す手順によって算出すると、第2初期値を用いて、第2放射源モデルを算出する。これを繰り返すことで、放射源モデル算出部4は、第1放射源モデル〜第n放射源モデルを算出する。
なお、初期値が120個設定される場合には、放射源モデル算出部4は、第1放射源モデル〜第120放射源モデルのそれぞれを算出する。発明者の知見および実験においては、放射ノイズ推定装置1が、対象機器110の放射ノイズをより高い精度で推定するに当たって、120個の放射源モデル(第1放射源モデル〜第120放射源モデル)を算出することが好ましい。もちろん、対象機器110の特性、予備測定室の特性、放射ノイズに関する法令や規格などによって、放射源モデルの個数が変更されることも構わない。これは、一つの放射源モデルを算出する際に行う偏差を十分に小さくするための放射源モデルの修正回数(上述では、150回が例示されている)も、同様に、対象機器110の特性、予備測定室の特性、放射ノイズに関する法令や規格などによって変更されても構わない。
分布処理部5は、第1放射源モデル〜第n放射源モデルのそれぞれを、縦軸を第1放射源モデル〜第n放射源モデルのそれぞれを算出する際に最終的に計算された偏差(Norm)とし、横軸を、第1放射源モデル〜第n放射源モデルから計算される10m距離の放射ノイズの最大値(放射ノイズ推定値)とする、二次元分布図に、配置する。
図7は、本発明の実施の形態1における二次元分布図の模式図である。二次元分布図20は、図7の縦軸にNormと記載されるように、縦軸は、第1放射源モデル〜第n放射源モデルのそれぞれを算出する際に最終的に計算された偏差を示している。横軸は、第1放射源モデル〜第n放射源モデルから計算される10m距離の放射ノイズの最大値(放射ノイズ推定値)であるが、ここでは、Prediction Errorと記載されるように、規格に従った大型電波暗室で測定される実測定で測定される対象機器110の放射ノイズの最大値(本来は未知数)で正規化している。このような縦軸と横軸を有する二次元分布図20に、分布処理部5は、算出された第1放射源モデル〜第n放射源モデルを配置して、イメージ化する。図7に示されるように、各放射源モデルによって計算される放射ノイズ推定値のばらつきは大きいが、集中領域21は推定誤差の小さいエリアに存在している。
次に、除外処理部6は、二次元分布図20において、第1放射源モデル〜第n放射源モデルの内、集中している領域である集中領域21から外れる放射源モデルを、除外する。図7においては、集中領域21の外側にある点が、集中領域21から外れる放射源モデルである。除外処理部6は、この点に対応する放射源モデルを、除外する。
除外された後で、抽出部7は、集中領域21に含まれる複数の放射源モデルにおいて、所定条件を満たす放射源モデルを抽出する。この抽出された放射源モデルが、予備測定において、最終的に採用される放射源モデルである。放射ノイズ推定装置1は、この最終的に採用される放射源モデルから計算される10m距離の放射ノイズの最大値を、予備測定において推定された結果としての放射ノイズ推定値として、出力する。
図8は、第1放射源モデル〜第n放射源モデルが算出された後の、抽出部での処理を模式的に説明する説明図である。図8は、図6の処理手順に繋がるものである。上述の通り、放射源モデル算出部4において、n通りの放射源モデルが算出されると、二次元分布図20への配置処理を介して、所定条件を満たす放射源モデルが抽出(選択)される。抽出部7が、集中領域21に含まれる複数の放射源モデルから、所定条件を満たす一つの放射源モデルを選択することで、抽出が行われる。この抽出された放射源モデルから計算される10m距離の放射ノイズの最大値が、上述の通り、予備測定において推定された放射ノイズ推定値として取り扱われる。
当該結果を受けた測定者は、この最終的な放射ノイズ推定値を、所定基準と比較して、所定基準に収まっているのであれば、予備測定での放射ノイズの推定対象であった対象機器110は、実測定においても規格による基準を満たすものと判断する。一方、最終的に採用された放射源モデルを、所定基準と比較して、所定基準に収まっていないのであれば、予備測定での放射ノイズの推定対象であった対象機器110は、実測定においても規格による基準を満たさないものと判断する。
後者の場合には、測定者は、当該対象機器110の設計変更や製造変更を検討する。前者の場合には、測定者の任意に委ねられるが、測定者は当該対象機器110に、放射ノイズ上の問題はないとして、実測定を行なったり、量産体制の構築を行ったりする。
実施の形態1における放射ノイズ推定装置1は、仮定放射ノイズと実放射ノイズとの偏差が十分に小さくなるように算出された第1放射源モデル〜第n放射源モデルの内、二次元分布図での集中領域の中でも、特定の特性に合致する放射源モデルを選択する。この選択した放射源モデルから計算される10m距離の放射ノイズを、最終的な対象機器110の放射ノイズ推定値として、放射ノイズ推定装置1は、推定して測定者に提供する。
このように、第1放射源モデル〜第n放射源モデルの内、例えば算出段階での偏差が最も小さい放射源モデルを選んだり、第1放射源モデル〜第n放射源モデルの内で、特定の特性を有する放射源モデルを単純に選んだりする場合と異なり、集中領域21を最初の基準とすることで、放射ノイズ推定値の推定精度が向上する。
以上のように、実施の形態1における放射ノイズ推定装置1は、高い精度で、対象機器110の放射ノイズを、予備測定の段階で推定することができる。この結果、予備測定で測定される放射ノイズ推定値と実測定で測定される実際の放射ノイズとの齟齬や相違が低減され、対象機器110の不要な設計変更・製造変更が減少したり、対象機器110に必要となる事前の設計変更・製造変更が確認できたりする。結果として、電子機器や通信機器などの対象機器110の設計・開発・製造期間を短縮できる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、各要素の詳細と、各要素での種々の工夫について説明する。
(初期値設定部)
初期値設定部2は、実施の形態1で説明した通り、乱数に基づいて、対象機器110を放射源として、対象機器110から所定距離(予備測定では3m)だけ離れた位置で検出される放射ノイズと同等の放射特性を有する複数の微小放射源の組み合わせである放射源モデルを算出するための、初期値を設定する。図6の(1)に示されるように、理論計算によって3m距離の電界強度分布を計算することができる。
初期値設定部2は、乱数に基づいて初期値を設定するが、放射ノイズ推定装置1での放射ノイズ推定値の推定工程の積み重ねによって、初期値設定する際の乱数の基準が変更されても良い。例えば、初期値設定部2は、学習機能を備えておき、放射ノイズ推定値の推定工程の繰り返しを記憶することで、よりよい初期値を設定することを学習する。当該学習機能に基づいてより適切な初期値を設定できることで、初期値に基づく放射源モデルの算出精度が向上するメリットがある。
また、初期値設定部2は、算出される放射源モデルの個数に合わせた個数の初期値を設定する。このため、例えば、放射源モデル算出部4が、120個の放射源モデルを算出する場合には、初期値設定部2は、第1初期値〜第120初期値を設定する。
なお、ここでは乱数に基づいて初期値を設定することを説明したが、乱数ではなく他の手段によって初期値が設定されても良い。また、初期値設定部2は、特定のハードウェア、電子回路、半導体集積回路によって構成されても良いし、マイクロプロセッサ上で動作するソフトウェアプログラムによって構成されても良い。後者の場合には、汎用のコンピュータに、ソフトウェアプログラムが組み込まれることで、初期値設定部2の機能が実現されれば良い。
(実放射ノイズ測定部)
実放射ノイズ測定部3は、予備測定室において放射源である対象機器110から所定距離だけ離れた位置に設置されるアンテナで検出される実放射ノイズを測定する。この所定距離は、予備測定室およびその後の実測定での特性や形態に合わせて様々に定められれば良いが、発明者の知見および実験では3mが適当である。これは、予備測定室の現状およびその後の実測定(10mの距離で対象機器110の放射ノイズを測定する)との相関関係から、3mが適当であるからである。
実放射ノイズ測定部3は、既述の通り、一つの対象機器に対して一つの実放射ノイズを測定する。一つの初期値から計算される仮定放射ノイズと実放射ノイズと比較され、偏差が十分に小さくなるように、放射源モデルの修正が繰り返されることで、放射源モデルが算出される。
(放射源モデル算出部)
放射源モデル算出部4は、初期値から計算される仮定放射ノイズと実放射ノイズを比較して、その偏差が可能な限り小さくなるように、放射源モデルを修正する。これは、図6の(3)に示されるカーブフィッティングである。カーブフィッティングは、仮定放射ノイズと実放射ノイズとの偏差(Norm)が十分に小さくなるように行われる。最適には、偏差が最小となるように、カーブフィッティングが行われて、放射源モデルの修正が進行する。
ここで、放射源モデル算出部4が用いる偏差は次の(数1)で表される。Pは3m距離の電界強度分布における全測定点数(全計算点数)、Ep Calはp点における放射源モデルからの電界強度計算値、Ep Measはp点における電界強度測定値、である。
放射源モデル算出部4は、この数1で算出される偏差の計算を繰り返すことで、この偏差が小さくなる放射源モデルへの収束を図る。計算回数は、種々の仕様や特性によって定められれば良いが、既述した通り、発明者の知見では、150回が適当である。
放射源モデル算出部4は、例えば第1初期値に対して、この数1で算出される偏差の計算を所定回数繰り返すことで、第1初期値からのカーブフィッティング(修正)を完了させる。このカーブフィッティングが完了すれば、放射源モデル算出部4は、第1初期値に対応する第1放射源モデルを算出できる。
同様の計算を、第2初期値に対して繰り返すことで、放射源モデル算出部4は、第2初期値に対応する第2放射源モデルを算出できる。更に、第3放射源モデル〜第n放射源モデルを算出できる。結果として、放射源モデル算出部4は、全ての初期値に対応した、第1放射源モデル〜第n放射源モデルを算出できる。
なお、数1に示される偏差の算出式は一例であり、他の数式に基づいても構わない。
また、放射源モデル算出部4は、図4では、他の要素と独立した要素として示されている。しかし、実際に放射ノイズ推定装置1が構成される際に、ハードウェア、装置、部材、ソフトウェアとして、明確に分離された状態である必要はない。構成された後では、他の要素とハードウェアやソフトウェアとして、一体化したり融合したりしている状態でも構わない。あくまでも、説明の便宜のために、図4では独立した要素として示している。
(分布処理部)
分布処理部5は、図7に示されるような二次元分布図に第1放射源モデル〜第n放射源モデルのそれぞれを配置させる。この配置の結果、分布処理部5は、図7に示される第1放射源モデル〜第n放射源モデルが配置された二次元分布図を生成することができる。
ここで、二次元分布図は、縦軸を第1放射源モデル〜第n放射源モデルを算出する際に最終的に計算された偏差とし、第1放射源モデル〜第n放射源モデルのそれぞれから計算される10m距離の放射ノイズの最大値を横軸とする。この横軸は、実測定において実際に測定される放射ノイズと放射源モデルから推定される放射ノイズとの誤差に関連する。
このような二次元分布図に第1放射源モデル〜第n放射源モデルが配置されることで、ある一定の領域に集中する放射源モデルと、集中している領域(集中領域21)から外れる放射源モデルとが明確に区別されるようになる。
後述の除外処理部6は、この二次元分布図に配置された後で、集中領域21から外れる放射源モデルを除外する。この除外によって、最終的に推定する放射ノイズ推定値の基礎として最適な放射源モデルが抽出されるようになる。
ここで、分布処理部5は、図7に示される二次元分布図20を生成するに当たって、最初に図9に示されるグラフを生成する。図9において、左側のグラフは、第1放射源モデル〜第n放射源モデルの値である推定値を横軸として、これら推定値の分布を示すものである。この推定値の分布から、推定値の平均値であるAVE推定値および標準偏差σ推定値を算出される。
図9において、右側のグラフは、第1放射源モデル〜第n放射源モデルの偏差であるNormの平均値であるAVENormと標準偏差σNormが算出される。
この図9のグラフは、分布処理部5によって、第1放射源モデル〜第n放射源モデルを統計的処理することで得られるものである。この図9のグラフから読み取られる値に基づきつつ、分布処理部5は、図7に示される二次元分布図20を生成する。上述の通り、分布処理部5は、縦軸を第1放射源モデル〜第n放射源モデルを算出する際に最終的に計算された偏差とし、第1放射源モデル〜第n放射源モデルのそれぞれから計算される10m距離の放射ノイズの最大値を横軸とする二次元分布図20を生成する。
このとき、図9のグラフより得られる、推定値の平均値であるAVE推定値および標準偏差σ推定値と、Normの平均値であるAVENormと標準偏差σNormとによって、二次元分布図20における集中領域21を算出する。
集中領域21は、次の手順で算出される。
(その1)
分布処理部5もしくは除外処理部6は、二次元分布図20に分布する第1放射源モデル〜第n放射源モデルの全てから算出される平均値から、距離√(σ推定値 2+σNorm 2)の範囲を、集中領域21とする。この処理手順による集中領域21の算出は、簡便であり、容易に行える。
(その2)
分布処理部5もしくは除外処理部6は、第1放射源モデル〜第n放射源モデルの値である推定値を横軸とした分布に基づいて、推定値の平均値(AVE推定値)およびと標準偏差(σ推定値)を算出する。次いで、分布処理部5もしくは除外処理部6は、第1放射源モデル〜第n放射源モデルの偏差(以下、「Norm」という)を横軸とした分布に基づいて、Normの平均値(AVENorm)および標準偏差(σNorm)を算出する。これらの値が算出された後で、分布処理部5もしくは除外処理部6は、二次元分布図20において、(AVE推定値,AVENorm)を中心とする2σ推定値の長さを有するX軸の径および、2σNormの長さを有するY軸の径により、定まる楕円形を、集中領域21として算出する。
図7に示される楕円は、このようにして算出された楕円であり、この楕円が、集中領域21として取り扱われる。後述される除外処理部6は、この楕円である集中領域21に含まれない放射源モデルを除外する。除外された放射源モデルは、放射ノイズ推定値の算出には用いられない。
(その3)
分布処理部5もしくは除外処理部6は、第1放射源モデル〜第n放射源モデルの値の推定値を横軸とした分布に基づいて、推定値の平均値(AVE推定値)およびと標準偏差(σ推定値)を算出し、第1放射源モデル〜第n放射源モデルの偏差(以下、「Norm」という)を横軸とした分布に基づいて、Normの平均値(AVENorm)および標準偏差(σNorm)を算出する。
次いで、分布処理部5もしくは除外処理部6は、二次元分布図20において、(AVE推定値,AVENorm)を中心とする2σ推定値の長さを有するX軸の径および、2σNormの長さを有するY軸の径により、定まる方形を、集中領域21として算出する。
その2の場合と異なり、その3では、集中領域21が、方形(長方形や正方形など)で形成される。この場合も、その2と同じく、第1放射源モデル〜第n放射源モデルの内、最終的な放射ノイズ推定値の算出に用いるべき放射源モデルを、この方形の集中領域21に求めることができる。
以上のように求められた集中領域21は、放射源モデルにおいて、統計的処理を施した上で算出される。この集中領域21に含まれる放射源モデルを基礎にして、最終的な放射ノイズ推定値が算出されるので、従来の算出よりもより高い精度で推定できる。
(除外処理部)
除外処理部6は、分布処理部5によって第1放射源モデル〜第n放射源モデルが二次元分布で分布された後で、集中領域21に入らない放射源モデルを除外する。
除外処理部6によって除外された放射源モデルには、放射源モデル算出部4において算出された放射源モデルであって仮定放射ノイズと実放射ノイズとの偏差(Norm)が小さいものも含まれることもある。従来技術では、放射源モデルの算出時において、Normが最小のものが、最終的な放射ノイズ推定値の基礎となる放射源モデルとして算出されることもあった。
しかしながら、発明者の知見および実験等の蓄積により、Normが最小である放射源モデルであっても、実際の実測定で測定される放射ノイズとの相違が大きいなどの問題もあった。
このため、集中領域21にNormが小さい放射源モデルが含まれない場合であって、除外処理部6によって除外されても問題はない。除外処理部6が除外した放射源モデルは、最終的な放射ノイズ推定値の基礎となる放射源モデルには採用されない。分布処理部5において説明したように、集中領域21には、実測定で測定される放射ノイズと相関関係を有する放射源モデルが含まれる。
この集中領域21に含まれる放射源モデルは、統計的処理によって、偏差や推定値で一定範囲に集中する放射源モデルである。このため、この集中領域21から除外される放射源モデルは、最終的に選択される放射源モデルとしての前提を備えていないものと考えられる。
なお、除外処理部6は、分布処理部5で集中領域21が算出される際に合わせて処理を実行したり、後述の抽出部7での所定条件を満たす放射源モデルが抽出されたりする処理に含まれても構わない。
このように、除外処理部6は、分布処理部5および抽出部7のいずれかに含まれる処理要素であってもよい。あるいは、分布処理部5および抽出部7のいずれかでの処理によって、除外処理部6の処理と同等の処理が実行されても良い。
(抽出部)
抽出部7は、集中領域21に含まれる複数(場合によっては単数)の放射源モデルにおいて、所定条件を満たす放射源モデルを抽出する。この抽出された(選択された)放射源モデルから計算される10m距離の放射ノイズが、最終的に推定される放射ノイズ推定値となる。この放射ノイズ推定値は、予備測定における放射ノイズ推定値であるが、実測定における放射ノイズの特性との整合性が極めて高いものとなる。
(重心に位置する放射源モデルの抽出)
抽出部7は、集中領域21に含まれる放射源モデルの内、集中領域21の重心に最も近い位置にある放射源モデルを、所定条件を満たす放射源モデルとして抽出する。このとき、抽出部7は、図7に示される二次元分布図20での集中領域21の内部での重心に最も近い位置にある放射源モデルを、所定条件を満たす放射源モデルとして抽出してもよい。あるいは、二次元分布図20の全てにおける(すなわち、第1放射源モデル〜第n放射源モデルの全ての分布に基づいて)重心に最も近い位置にある放射源モデルを、所定条件を満たす放射源モデルとして抽出しても良い。
図7に示される二次元分布図20は、上述で説明した通り、図9のような統計処理を終えた後での放射源モデルを、二次元に分布マッピングしたものである。更に、統計処理によって、集中領域21が決定されているので、この集中領域21には、最終的に算出される放射ノイズ推定値の基礎となる放射源モデルのみが含まれる。
この結果、上述のように、集中領域21の内部での重心に最も近い放射源モデルを、所定条件を満たす放射源モデルとして抽出すればよい。
なお、重心に最も近い放射源モデルが複数ある場合には、例えば、放射源モデルの算出時の偏差が最も小さい放射源モデルを選択するなど、追加の条件を加えることも好適である。
また、重心に最も近い適当な放射源モデルが存在しない場合には、重心に対応する位置の放射源モデルを、周辺の放射源モデルより補間等することで算出して、算出された仮定の放射源モデルが、抽出部7によって抽出される放射源モデルとして取り扱われてもよい。
(平均値)
抽出部7は、集中領域21に含まれる複数の放射源モデルの平均値に最も近い放射源モデルを、所定条件を満たす放射源モデルとして抽出しても良い。平均値を選択することで、重心を選択するよりも、算出が容易となりえるからである。
また、抽出部7は、集中領域21(除外された放射源モデルを参照しない)における平均値に基づいて、所定条件を満たす放射源モデルを抽出してもよいが、第1放射源モデル〜第n放射源モデルの全ての平均値に基づいて、所定条件を満たす放射源モデルを抽出しても良い。
また、重心に基づく場合と同様に、平均値に最も近い放射源モデルが複数ある場合には、放射源モデルの算出時の偏差を追加条件として、最終的な放射源モデルを抽出しても良い。
(補間による処理)
抽出部7は、最終的な抽出の候補となる複数の放射源モデルの補間を利用して、放射源モデルの抽出を行う(この補間を所定条件とする)ことも好適である。
例えば、抽出部7は、次の(1)、(2)を通じて得られる結果を、所定条件を満たす放射源モデルとして抽出する。
(1)集中領域21に含まれる複数の放射源モデルの平均値もしくは重心を算出する。
(2)算出された平均値もしくは重心を基準に所定距離範囲内にある複数の放射源モデルを補間した値を算出する。
このように、複数の放射源モデルの補間を用いることで、抽出部7は、より実測定に近似した放射源モデルを抽出できる。実測定に近似した放射源モデルが抽出されることで、放射ノイズ推定装置1は、実測定と同等の傾向を示す放射ノイズ推定値を推定することができる。
ここで、補間には様々な補間方法が用いられればよい。一例としては線形補間である。
(本発明の効果)
実施の形態1および実施の形態2で説明した本発明の放射ノイズ推定装置1の性能実験の結果を図10を用いて説明する。図10は、従来技術の放射ノイズ推定装置と本発明の放射ノイズ推定装置との、推定された放射ノイズと実測定での結果との差分を示すグラフである。図10の左側のグラフは、複数の放射源モデルのうち、放射源モデル算出時の偏差が最も小さいものを最終的な放射源モデルとして抽出した従来技術の結果を示している。図10の右側のグラフは、複数の放射源モデルのうち、実施の形態1、2で説明した手法で放射源モデルを抽出した本発明の結果を示している。
図10のグラフは、対象機器としてパソコン(対象機器110)を用いており、大型電波暗室における実測定の結果を基準として、予備測定による放射ノイズ推定を30回実施した場合の推定精度(大型電波暗室での実測定との差分)の最大値、最小値、平均値を周波数毎に示している。
図10のグラフから明らかな通り、左側に示される従来技術では、いずれの周波数帯域でも推定精度のバラツキが大きく、大きな誤差が生じるケースがある。誤差が大きすぎれば、当然に法令や規格によって定められる放射ノイズの上限値を超えることにもなりかねない。この場合には、開発・製造の最終段階において、設計変更や手戻りを必要とすることになってしまう。
一方、本発明の放射ノイズ推定装置1では、いずれの周波数帯域でも推定精度のバラツキが小さく、誤差も小さい。すなわち、放射ノイズ推定装置1が推定する放射ノイズ推定値は、実測定での放射ノイズと相違がほとんどないことが分かる。言い換えれば、放射ノイズ推定装置1は、高い精度で、対象機器110の放射ノイズを推定できる。この結果、開発・製造の最終段階において、設計変更や手戻りを非常に低減できる。これは、開発に安心感を与えることにもなり、実測定の回数や手間を削減することにも繋がる。
特に、図10の右側の本発明のグラフから明らかな通り、最大誤差でも3dB程度であり、非常に小さく改善されていることが分かる。これに対して、図10の左側の従来技術のグラフでは、最大で9dBの誤差を生じさせており、これでは、予備測定での放射ノイズ推定が適切でないことが分かる。加えて、ばらつきが改善されて、安定した推定が行えることも確認される。
本発明の放射ノイズ推定装置1は、このように、実験結果によってもその精度の高さが裏付けられている。
以上のように、実施の形態1、2の放射ノイズ推定装置1は、実測定で測定される放射ノイズに非常に近似した放射ノイズ推定値を推定できる。
(実施の形態3)
実施の形態1、2で説明した放射ノイズ推定装置1は、ハードウェア、ソフトウェア、あるいはハードウェアとソフトウェアの混在のいずれでも構成が可能である。このため、放射ノイズ推定装置1の備えるそれぞれの要素での機能を実現する放射ノイズ推定方法としてとらえることも可能である。
この場合には、放射ノイズ推定方法は、次のステップを備える。
(ステップ1)対象機器を放射源として、放射源から所定距離だけ離れた位置で検出される放射ノイズと同等の放射特性を有する複数の微小放射源の組み合わせ(以下、「放射源モデル」という)を算出するための第1初期値から第n初期値のそれぞれを、乱数に基づいて設定する初期値設定ステップ
(ステップ2)放射源から所定距離だけ離れた位置に設置されるアンテナで検出される実放射ノイズを測定する実放射ノイズ測定ステップ
(ステップ3)実放射ノイズ測定部で測定される実放射ノイズと、第1初期値から計算される仮定放射ノイズとの偏差を検出して、偏差が所定値以下となる第1放射源モデルを算出し、更に、実放射ノイズと、第2〜第n初期値のそれぞれから計算される仮定放射ノイズとの偏差を検出して、偏差が所定値以下となる第2放射源モデル〜第n放射源モデルのそれぞれを算出する放射源モデル算出ステップ
(ステップ4)第1放射源モデル〜第n放射源モデルのそれぞれを、縦軸を第1放射源モデル〜第n放射源モデルのそれぞれを生成する際に最終的に計算された偏差とし、横軸を、第1放射源モデル〜第n放射源モデルから計算される10m距離の放射ノイズの最大値とする、二次元分布図に配置する分布処理ステップ
(ステップ5)二次元分布図に分布される第1放射源モデル〜第n放射源モデルから、二次元分布図において集中している集中領域から外れる放射源モデルを除外する、除外処理ステップ
(ステップ6)集中領域に含まれる複数の放射源モデルにおいて、所定条件を満たす放射源モデルを抽出する、抽出ステップ
このようなステップを備える、放射ノイズ推定方法は、例えばパーソナルコンピュータやワークステーションなどの汎用のプロセッサを備える装置で実行される。
このため、上記のステップ1〜6を備える放射ノイズ推定方法は、コンピュータ上で動作するコンピュータプログラムとして実現されても良い。あるいは、コンピュータプログラムが記憶されたシミュレータとして実現されても良い。
いずれにしても、実施の形態1,2で説明した放射ノイズ推定装置1は、専用の装置という狭い概念でのみ構成・実現されるのだけでなく、汎用装置での動作、コンピュータプログラム、方法、シミュレータなどの、幅広い概念で構成・実現される。
なお、実施の形態1〜3で説明された放射ノイズ推定装置は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
1 放射ノイズ推定装置
2 初期値設定部
3 実放射ノイズ測定部
4 放射源モデル算出部
5 分布処理部
6 除外処理部
7 抽出部
20 二次元分布図
21 集中領域

Claims (17)

  1. 実測定前の予備測定において、放射ノイズを放射する可能性を有する対象機器の放射ノイズを、所定基準と比較する放射ノイズ推定値を算出する放射ノイズ推定装置であって、
    前記対象機器を放射源として、前記放射源から所定距離だけ離れた位置で検出される放射ノイズと同等の放射特性を有する複数の微小放射源の組み合わせ(以下、「放射源モデル」という)を算出するための第1初期値から第n初期値のそれぞれを、乱数に基づいて設定する初期値設定部と、
    前記放射源から所定距離だけ離れた位置に設置されるアンテナで検出される実放射ノイズを測定する実放射ノイズ測定部と、
    前記実放射ノイズ測定部で測定される前記実放射ノイズと、前記第1初期値から計算される仮定放射ノイズとの偏差を検出して、前記偏差が所定値以下となる第1放射源モデルを算出し、更に、前記実放射ノイズと、前記第2〜第n初期値のそれぞれから計算される仮定放射ノイズとの偏差を検出して、前記偏差が所定値以下となる第2放射源モデル〜第n放射源モデルのそれぞれを算出する放射源モデル算出部と、
    前記第1放射源モデル〜前記第n放射源モデルのそれぞれを、縦軸を前記第1放射源モデル〜前記第n放射源モデルのそれぞれを生成する際に最終的に計算された偏差とし、横軸を、第1放射源モデル〜第n放射源モデルから計算される放射ノイズの最大値とする、二次元分布図に配置する分布処理部と、
    前記二次元分布図に分布される前記第1放射源モデル〜前記第n放射源モデルから、前記二次元分布図において集中している集中領域から外れる前記放射源モデルを除外する、除外処理部と、
    前記集中領域に含まれる複数の前記放射源モデルにおいて、所定条件を満たす前記放射源モデルを抽出する、抽出部と、を備える放射ノイズ推定装置。
  2. 前記実測定は、所定規格を満たす大型電波暗室において、前記対象機器と所定距離だけ離れた公式アンテナによって、前記対象機器からの放射ノイズを実測する工程である、請求項1記載の放射ノイズ推定装置。
  3. 前記所定距離は、約10mである、請求項2記載の放射ノイズ推定装置。
  4. 前記予備測定は、前記実測定の前後の少なくとも一方で行なわれ、前記実放射ノイズ測定部で用いられる前記放射源と前記アンテナとの前記所定距離は、約3mである、請求項1から3のいずれか記載の放射ノイズ推定装置。
  5. 前記放射源モデル算出部は、前記実放射ノイズ測定部で測定される実放射ノイズと、前記第1初期値から計算される前記仮定放射ノイズとの偏差を検出して、前記偏差が所定値以下となるように、前記放射源モデルの修正を所定回数繰り返して、前記第1放射源モデルを算出し、前記第2初期値〜前記第n初期値から計算される前記仮定放射ノイズとの偏差を検出して、前記偏差が所定値以下となるように、前記放射源モデルの修正を所定回数繰り返して、前記第2放射源モデル〜前記第n放射源モデルを算出し、
    前記所定回数は、150回である、請求項1から4のいずれか記載の放射ノイズ推定装置。
  6. 前記放射源モデルは、第1放射源モデル〜第120放射源モデルを、算出し、前記分布処理部は、前記二次元分布図に前記第1放射源モデル〜前記第120放射源モデルを、配置する、請求項1から5のいずれか記載の放射ノイズ推定装置。
  7. 前記除外処理部は、前記二次元分布図に分布する前記第1放射源モデル〜第n放射源モデルの全ての標準偏差(以下、「σ」という)の2倍である2σに対応する範囲を、前記集中領域とする、請求項1から6のいずれか記載の放射ノイズ推定装置。
  8. 前記除外処理部は、前記二次元分布図に分布する前記第1放射源モデル〜第n放射源モデルの全てから算出される平均値から、距離√(σ推定値 2+σNorm 2)の範囲を、前記集中領域とする、請求項1から6のいずれか記載の放射ノイズ推定装置。
  9. 前記除外処理部は、前記第1放射源モデル〜第n放射源モデルの値(以下、「推定値」という)を横軸とした分布に基づいて、前記推定値の平均値(AVE推定値)およびと標準偏差(σ推定値)を算出し、前記第1放射源モデル〜第n放射源モデルの偏差(以下、「Norm」という)を横軸とした分布に基づいて、Normの平均値(AVENorm)および標準偏差(σNorm)を算出し、
    次いで、前記二次元分布図において、(AVE推定値,AVENorm)を中心とする2σ推定値の長さを有するX軸の径および、2σNormの長さを有するY軸の径により、定まる楕円形を、前記集中領域とする、請求項1から6のいずれか記載の放射ノイズ推定装置。
  10. 前記除外処理部は、前記第1放射源モデル〜第n放射源モデルの値(以下、「推定値」という)を横軸とした分布に基づいて、前記推定値の平均値(AVE推定値)およびと標準偏差(σ推定値)を算出し、前記第1放射源モデル〜第n放射源モデルの偏差(以下、「Norm」という)を横軸とした分布に基づいて、Normの平均値(AVENorm)および標準偏差(σNorm)を算出し、
    次いで、前記二次元分布図において、(AVE推定値,AVENorm)を中心とする2σ推定値の長さを有するX軸の径および、2σNormの長さを有するY軸の径により、定まる方形を、前記集中領域とする、請求項1から6のいずれか記載の放射ノイズ推定装置。
  11. 前記抽出部が用いる前記所定条件は、前記第1放射源モデル〜前記第n放射源モデルの内、前記集中領域における重心に最も近い前記放射源モデルおよび前記重心に対応して計算される放射源モデルの一方である、請求項1から10のいずれか記載の放射ノイズ推定装置。
  12. 前記抽出部が用いる前記所定条件は、前記集中領域に含まれる複数の前記放射源モデルの平均値である、請求項1から10のいずれか記載の放射ノイズ推定装置。
  13. 前記抽出部が用いる前記所定条件は、
    (1)前記集中領域に含まれる複数の前記放射源モデルの平均値を算出し、
    (2)前記平均値から前記二次元分布図において所定距離内にある複数の前記放射源モデルを補間した値を算出する、
    ことで得られる値である、請求項1から10のいずれか記載の放射ノイズ推定装置。
  14. 前記補間は、線形補間である、請求項13記載の放射ノイズ推定装置。
  15. 実測定前の予備測定において、放射ノイズを放射する可能性を有する対象機器の放射ノイズを、所定基準と比較する放射ノイズ推定値を算出する放射ノイズ推定方法であって、
    前記対象機器を放射源として、前記放射源から所定距離だけ離れた位置で検出される放射源モデルを算出するための第1初期値から第n初期値のそれぞれを、乱数に基づいて設定する初期値設定ステップと、
    前記放射源から所定距離だけ離れた位置に設置されるアンテナで検出される実放射ノイズを測定する実放射ノイズ測定ステップと、
    前記実放射ノイズ測定ステップで測定される前記実放射ノイズと、前記第1初期値から計算される仮定放射ノイズとの偏差を検出して、前記偏差が所定値以下となる第1放射源モデルを算出し、更に、前記実放射ノイズと、前記第2〜第n初期値のそれぞれから計算される仮定放射ノイズとの偏差を検出して、前記偏差が所定値以下となる第2放射源モデル〜第n放射源モデルのそれぞれを算出する放射源モデル算出ステップと、
    前記第1放射源モデル〜前記第n放射源モデルのそれぞれを、縦軸を前記第1放射源モデル〜前記第n放射源モデルのそれぞれを生成する際に最終的に計算された偏差とし、横軸を、第1放射源モデル〜第n放射源モデルから計算される10m距離の放射ノイズの最大値とする、二次元分布図に配置する分布処理ステップと、
    前記二次元分布図に分布される前記第1放射源モデル〜前記第n放射源モデルから、前記二次元分布図において集中している集中領域から外れる前記放射源モデルを除外する、除外処理ステップと、
    前記集中領域に含まれる複数の前記放射源モデルにおいて、所定条件を満たす前記放射源モデルを抽出する、抽出ステップと、を備える放射ノイズ推定方法。
  16. 実測定前の予備測定において、放射ノイズを放射する可能性を有する対象機器の放射ノイズを、所定基準と比較する放射ノイズ推定値を算出する放射ノイズ推定方法をコンピュータ上で動作可能なコンピュータプログラムであって、
    前記対象機器を放射源として、前記放射源から所定距離だけ離れた位置で検出される放射源モデルを算出するための第1初期値から第n初期値のそれぞれを、乱数に基づいて設定する初期値設定ステップと、
    前記放射源から所定距離だけ離れた位置に設置されるアンテナで検出される実放射ノイズを測定する実放射ノイズ測定ステップと、
    前記実放射ノイズ測定ステップで測定される前記実放射ノイズと、前記第1初期値から計算される仮定放射ノイズとの偏差を検出して、前記偏差が所定値以下となる第1放射源モデルを算出し、更に、前記実放射ノイズと、前記第2〜第n初期値のそれぞれから計算される仮定放射ノイズとの偏差を検出して、前記偏差が所定値以下となる第2放射源モデル〜第n放射源モデルのそれぞれを算出する放射源モデル算出ステップと、
    前記第1放射源モデル〜前記第n放射源モデルのそれぞれを、縦軸を前記第1放射源モデル〜前記第n放射源モデルのそれぞれを生成する際に最終的に計算された偏差とし、横軸を、第1放射源モデル〜第n放射源モデルから計算される10m距離の放射ノイズの最大値とする、二次元分布図に配置する分布処理ステップと、
    前記二次元分布図に分布される前記第1放射源モデル〜前記第n放射源モデルから、前記二次元分布図において集中している集中領域から外れる前記放射源モデルを除外する、除外処理ステップと、
    前記集中領域に含まれる複数の前記放射源モデルにおいて、所定条件を満たす前記放射源モデルを抽出する、抽出ステップと、を備えるコンピュータプログラム。
  17. 実測定前の予備測定において、放射ノイズを放射する可能性を有する対象機器の放射ノイズを、所定基準と比較する放射ノイズ推定値を算出する放射ノイズ推定方法を実行可能なシミュレータであって、
    前記対象機器を放射源として、前記放射源から所定距離だけ離れた位置で検出される放射源モデルを算出するための第1初期値から第n初期値のそれぞれを、乱数に基づいて設定する初期値設定ステップと、
    前記放射源から所定距離だけ離れた位置に設置されるアンテナで検出される実放射ノイズを測定する実放射ノイズ測定ステップと、
    前記実放射ノイズ測定ステップで測定される前記実放射ノイズと、前記第1初期値から計算される仮定放射ノイズとの偏差を検出して、前記偏差が所定値以下となる第1放射源モデルを算出し、更に、前記実放射ノイズと、前記第2〜第n初期値のそれぞれから計算される仮定放射ノイズとの偏差を検出して、前記偏差が所定値以下となる第2放射源モデル〜第n放射源モデルのそれぞれを算出する放射源モデル算出ステップと、
    前記第1放射源モデル〜前記第n放射源モデルのそれぞれを、縦軸を前記第1放射源モデル〜前記第n放射源モデルのそれぞれを生成する際に最終的に計算された偏差とし、横軸を、第1放射源モデル〜第n放射源モデルから計算される10m距離の放射ノイズの最大値とする、二次元分布図に配置する分布処理ステップと、
    前記二次元分布図に分布される前記第1放射源モデル〜前記第n放射源モデルから、前記二次元分布図において集中している集中領域から外れる前記放射源モデルを除外する、除外処理ステップと、
    前記集中領域に含まれる複数の前記放射源モデルにおいて、所定条件を満たす前記放射源モデルを抽出する、抽出ステップと、を備える、コンピュータ上もしくは専用機器で、前記対象機器の放射ノイズをシミュレーション可能な、シミュレータ。
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