JP2014173996A - ロールプレス設備に用いられるロールの形状測定方法およびロールプレス設備用ロール形状測定装置 - Google Patents
ロールプレス設備に用いられるロールの形状測定方法およびロールプレス設備用ロール形状測定装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】ロール1,2の温度変化による変形とロール1,2への荷重による変形に分けてロール変形量を把握する。ロール1,2を上下に配置し、垂直方向に荷重を加えるロールプレス設備の場合、ロール1,2の形状を水平方向と垂直方向の2方向から計測し、ロール1,2の温度変化による変形とロール1,2への荷重による変形に分けてロール変形量を把握する。また、ロール変形量は、ロールプレス設備の起動時または条件変化前を基準値とし、ロールプレス設備稼働中の計測値を、基準値と比較することにより求める。
【選択図】図1
Description
ロールの形状変化には、(1)ロールの温度変化による形状変化(サーマルクラウン)と、(2)ロールへの荷重による形状変化(ロールのたわみ)が含まれる。
ロールの温度変化要因としては、ロールを加熱することによる温度変化と、軸受け内部の発熱がロールに熱伝達することによる温度変化がある。
ロールの加熱は、プレス加工を行う際に材料を加熱しながらプレス加工を行う場合、ロール内部に加熱媒体を供給することにより行われる。このような意図的な加熱によりロール形状変化が起こる。
また、軸受け内部の発熱は、回転による内部摩擦やグリースの攪拌により発生し、ロールプレス設備の運転時間の経過とともにロール側に熱伝達する。
ロールへの荷重としては、ロールの自重と、材料に与える加圧力(加工力)を与えるためのプレス荷重と、その際に材料から受ける反力等が含まれる。ロールは自重により撓み、また、材料へのプレス時に材料から受ける反力などによって撓む。
計測センサーは、渦電流式、レーザー式、マグネスケール等が用いられ、ロール表面までの距離を計測することにより、ロールの表面形状を計測する。1〜数μmの変化を計測可能なものであれば良く、計測方式は限定されない。また、計測センサーの分解能は0.1μm以下程度のものが望ましい。
本実施例では、ロールの形状を水平方向と垂直方向の2方向から計測するため、図1に示すように、計測センサー10,11を設けている。図1において右側はロールの側面図、左側はロールの断面図を示す。
ロール変形量はロールプレス設備起動時または条件変化前に計測した計測値を基準値とし、ロールプレス設備の稼働中に計測した値を、基準値と比較することにより求める。このように基準値と比較して変形量を求めるのは、巾方向(Z軸方向)に走行させるレールを真直ぐに構成するのが難しく、X軸、Y軸方向に曲がっている場合には、規準値(初期状態)からの変化量として計測した方がより正確に計測することができるからである。このように基準値と比較して変形量を求めるようにすることにより、レールの加工・設置が容易となる。なお、ここで条件変化とは、プレス荷重やベンド荷重(プレスシリンダー5やベンドシリンダー7による荷重)、ロール加熱温度(加熱媒体の温度)やプレス加工による各部(軸受等)の発熱状態、材料巾(荷重巾)等の何れかまたは全てが変化する場合を意味する。これらの条件が変化する前の測定値を基準値とすることにより、これらの条件の何れかまたは全てが変化したことによるロールの変形量への影響をより正確に把握することができる。
(1)ロールプレス設備起動時または条件変化前にロール形状を計測する(基準値計測)。これは、規準温度(常温等)、ロール自重のみの荷重におけるロール形状計測するもので、このときの計測値を規準値とする。
(1-X) Z軸方向に計測センサー11を走行させ、X軸方向(水平方向)のロール形状(センサーからロール表面までの距離)を計測する。計測範囲は、図1に示すように、A点からB点までとする。この計測範囲は材料3の巾と同じかそれよりも広い範囲としている。計測値は、X軸方向における、常温で、プレス荷重や反力による影響の無い状態におけるロール形状を示すものであり、基準となるロール形状を示す。
(1-Y) Z軸方向に計測センサー10を走行させ、Y軸方向(荷重方向)のロール形状(センサーからロール表面までの距離)を計測する。この計測値は、同様に、Y軸方向における規準となるロールの形状を示す。
(2)ロールプレス設備稼働後、プレス荷重や反力を受けたときのロール形状を計測する。
(2-X-1) Z軸方向に計測センサー11を走行させ、X軸方向(水平方向)のロール形状(センサーからロール表面までの距離)を計測する。
(2-Y-1) Z軸方向に計測センサー10を走行させ、Y軸方向(荷重方向)のロール形状(センサーからロール表面までの距離)を計測する。
(2-X-2) (2-X-1)の計測値と(1-X)の計測値との差をとる。X軸方向には荷重による変形がないとみなされるので、この差は、熱変形(温度変化)による形状変化量(変形量)として把握される。例えば、図3に示すように、計測値から基準値を引いた値が、上側に記載した変形量を示すことになる。
(2-Y-2) (2-Y-1)の計測値と(1-Y)の計測値の差をとる。この差は、ロール温度変化が無ければ、プレス荷重などによる変形量(たわみ)として把握される。
(2-Y-3) (2-Y-2)の計測値と(2-X-2)で求めた値の差をとる。この差は、ロール温度変化がある場合、熱変形による変形の影響を取り除いた、プレス荷重などによる変形量(たわみ)として把握される。
(1)基準値計測は、次のように行う。
(1-X) Z軸方向に計測センサー11を走行させ、X軸方向(水平方向)のロール形状(センサーからロール表面までの距離)を計測する。この計測値は、X軸方向における、常温で、プレス荷重や反力による影響の無い状態におけるロール形状を示すものであり、基準となるロール形状を示す。
(2)ロールが温度変化した後のロール形状を計測する。
(2-X-1) Z軸方向に計測センサー11を走行させ、X軸方向(水平方向)のロール形状(センサーからロール表面までの距離)を計測する。
(2-X-2) 2-X-1の計測値と1-Xの計測値との差をとる。この差は、熱変形(温度変化)による形状変化量を示す。
(3)ロールプレス設備稼働後、プレス荷重や反力を受けたときのロール形状を計測する。
(3-X-1) Z軸方向に計測センサー11を走行させ、X軸方向(水平方向)のロール形状(センサーからロール表面までの距離)を計測する。
(3-X-2) (3-X-1)の計測値と(2-X-2)で求めた値の差をとる。この差は、熱変形による変形の影響を取り除いた、プレス荷重などによる変形量(たわみ)として把握される。
Claims (5)
- 帯状材料を圧縮加工するロールプレス機本体を備えたロールプレス設備に用いられるロールの形状測定方法であって、
ロールの温度変化による変形とロールへの荷重による変形に分けてロール変形量を把握することを特徴とするロールプレス設備に用いられるロールの形状測定方法。 - 請求項1に記載のロールプレス設備に用いられるロールの形状測定方法において、
前記ロール機本体がロールを上下に配置し、垂直方向に荷重を加えるようにしたロールプレス設備であり、
ロールの形状を水平方向と垂直方向の2方向から計測し、ロールの温度変化による変形とロールへの荷重による変形に分けてロール変形量を把握することを特徴とするロールプレス設備に用いられるロールの形状測定方法。 - 請求項2に記載のロールプレス設備に用いられるロールの形状測定方法において、
前記ロール変形量は、前記ロールプレス設備の起動時または条件変化前の測定値を基準値とし、ロールプレス設備稼働中の計測値を、前記基準値と比較することにより求めることを特徴とするロールプレス設備に用いられるロールの形状測定方法。 - 帯状材料を圧縮加工するロールプレス機本体を備えたロールプレス設備に用いられるロール形状測定装置であって、
前記ロールプレス機本体のロール断面から見て水平方向に配置され、ロール巾方向に走行可能な、ロール表面までの距離を計測する第1の計測センサーと、前記ロールプレス機本体のロール断面から見て荷重方向に配置されロール巾方向に走行可能な、ロール表面までの距離を計測する第2の計測センサーと、前記第1の計測センサーと第2の計測センサーからの出力を受信してロール変形量をロールの温度変化による変形とロールへの荷重による変形に分けて演算する演算装置とを有することを特徴とするロールプレス設備用ロール形状測定装置ロールプレス設備に用いられるロール形状測定装置。 - 請求項4に記載のロールプレス設備用ロール形状測定装置において、
前記演算装置は、ロールプレス設備の起動時または条件変化前の測定値を基準値とし、ロールプレス設備稼働中の計測値を前記基準値と比較することロール変形量を求めることを特徴とするロールプレス設備用ロール形状測定装置。
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