JP2014173920A - 分析装置、分析方法、これらに用いる光学素子および電子機器、並びに光学素子の設計方法 - Google Patents

分析装置、分析方法、これらに用いる光学素子および電子機器、並びに光学素子の設計方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光照射により励起されるプラズモンに基づく増強電場の大きい光学素子を備えた分析装置を提供する。
【解決手段】分析装置は、金属層と、金属層上に設けられ、且つ、光を透光する透光層と、透光層上に第1方向に第1の間隔をもって配列されるとともに第1方向に直交する第2方向に第2の間隔をもって配列される複数の金属粒子と、を含む光学素子と、光学素子に入射する入射光を照射する光源300と、光学素子から放射される光を検出する検出器400と、を備え、光学素子の金属粒子の配置は、下記式(1)の関係を満たし、光学素子に、第1方向と同じ方向の直線偏光光および第2方向と同じ方向の直線偏光光が照射される。P1<P2・・・(1)[ここで、P1は、第1の間隔を表し、P2は、第2の間隔を表す。]
【選択図】図1

Description

本発明は、分析装置、分析方法、これらに用いる光学素子および電子機器、並びに光学素子の設計方法に関する。
医療・健康分野をはじめ、環境、食品、公安等の分野において、微量の物質を高感度、高精度、迅速かつ簡便に検知するセンシング技術が求められている。センシングの対象となる微量の物質は非常に多岐にわたっており、例えば、細菌、ウィルス、タンパク質、核酸、各種抗原・抗体などの生体関連物質や、無機分子、有機分子、高分子を含む各種の化合物がセンシングの対象となる。従来、微量物質の検知は、サンプリング、分析、解析を経て行われているが、専用の装置が必要で、検査作業者の熟練を要するため、その場での分析は困難な場合が多かった。そのため、検査結果を得るまでに長期間(数日以上)を要している。センシング技術において、迅速かつ簡便であることの要求は非常に強く、その要求に応えることのできるセンサーの開発が望まれている。
例えば、集積化が比較的容易で、検査・測定環境に影響を受けにくいとの期待から、表面プラズモン共鳴(SPR:Surface Plasmon Resonance)を利用するセンサーや、表面増強ラマン散乱(SERS:Surface−Enhanced Raman Scattering)を利用したセンサーの関心が高まっている。
そして、より高感度なセンシングを目的として、局在型プラズモン(LSP:Localized Surface Plasmon)と伝播型プラズモン(PSP:Propageted Surface Plasmon)の両モードを同時に共鳴させるハイブリッドモードを実現する構造を備えたセンサー素子の一例として、特許文献1および特許文献2には、GSPP(Gap type Surface Plasmon Polariton)と称するものが提案されている。また、非特許文献1には、LSPおよびSPPをハイブリッドさせることのできる素子を用いてラマン散乱光を増強させる手法が提案されている。
国際公開2009/002524号 国際公開2005/114298号
OPTIC EXPRESS Vol.19 No.16 (2011) 14919-14928
上記非特許文献1に開示されたSERSでは、入射光の波長や偏光状態と、アレイの配列との関係が考慮されていないことが一因となって、必ずしも広い帯域での十分な信号増強度が得られていない。
本発明の幾つかの態様に係る目的の1つは、光照射により励起されるプラズモンに基づく光の増強度プロファイルの良好な光学素子、およびその設計方法を提供することにある。また、本発明の幾つかの態様に係る目的の1つは、そのような光学素子を備えた分析装置および電子機器並びに分析方法を提供することにある。
本発明に係る分析装置の一態様は、
金属層と、前記金属層上に設けられ且つ光を透光する透光層と、前記透光層上に第1方向に第1の間隔をもって配列されるとともに前記第1方向に交差する第2方向に第2の間隔をもって配列される複数の金属粒子と、を含む光学素子と、
前記光学素子に入射する入射光を照射する光源と、
前記光学素子から放射される光を検出する検出器と、
を備え、
前記光学素子の前記金属粒子の配置は、下記式(1)の関係を満たし、
前記光学素子に、前記第1方向と同じ方向の直線偏光光および前記第2方向と同じ方向の直線偏光光が照射される。
P1<P2 ・・・(1)
[ここで、P1は、前記第1の間隔を表し、P2は、前記第2の間隔を表す。]
このような分析装置によれば、光学素子のプラズモンに基づく光の増強度プロファイルを広くとれるため、広範な微量物質の検出、測定を容易に行うことができる。
本発明に係る分析装置の一態様は、
金属層と、前記金属層上に設けられ且つ光を透光する透光層と、前記透光層上に第1方向に第1の間隔をもって配列されるとともに前記第1方向に交差する第2方向に第2の間隔をもって配列される複数の金属粒子と、を含む光学素子と、
前記光学素子に入射する入射光を照射する光源と、
前記光学素子から放射される光を検出する検出器と、
を備え、
前記光学素子の前記金属粒子の配置は、下記式(1)の関係を満たし、
前記光学素子に、円偏光光が照射される。
P1<P2 ・・・(1)
[ここで、P1は、前記第1の間隔を表し、P2は、前記第2の間隔を表す。]
このような分析装置によれば、光学素子のプラズモンに基づく光の増強度プロファイルを広くとれるため、広範な微量物質の検出、測定を容易に行うことができる。
本発明に係る分析装置において、
前記光学素子の前記金属粒子の配置は、下記式(2)の関係を満たしてもよい。
P1<P2≦Q+P1 ・・・(2)
[ここで、Qは、前記金属粒子列に励起される局在型プラズモンの角振動数をω、前記金属層を構成する金属の誘電率をε(ω)、前記金属層の周辺の誘電率をε、真空中の光速をc、前記入射光の照射角であって前記透光層の厚さ方向からの傾斜角をθ、として、下記式(3)で与えられる。]
(ω/c)・{ε・ε(ω)/(ε+ε(ω))}1/2=(ω/c)・ε1/2・sinθ+2mπ/Q (m=±1,±2,,) ・・・(3)
このような分析装置によれば、光学素子の増強度プロファイルがより大きく、より感度のよい微量物質の検出・測定を行うことができる。
本発明に係る分析装置において、
前記検出器は、前記光学素子によって増強されたラマン散乱光を検出してもよい。
このような分析装置によれば、光学素子のプラズモンに基づく光の増強度プロファイルを広く大きくとれるため、広範な微量物質の検出、測定を容易に行うことができる。
本発明に係る分析装置において、
前記光源は、前記光学素子に、前記金属粒子の、前記透光層の厚さ方向の大きさ、および、前記金属粒子の前記第2方向の大きさよりも、大きい波長を有する前記入射光を照射してもよい。
このような分析装置によれば、光学素子のプラズモンに基づく光の増強度プロファイルを広く大きくとれるため、広範な微量物質の検出、測定を容易に行うことができる。
本発明に係る分析装置において、
前記間隔P1および前記間隔P2は、120nm以上720nm以下であってもよい。
このような分析装置によれば、光学素子の増強度プロファイルがより大きく、より感度のよい微量物質の検出・測定を行うことができる。
本発明に係る分析装置において、
前記間隔P1および前記間隔P2は、60nm以上180nm以下であってもよい。
このような分析装置によれば、光学素子の増強度プロファイルがより大きく、より感度のよい微量物質の検出・測定を行うことができる。
本発明に係る分析装置において、
前記透光層を二酸化ケイ素としたとき、前記透光層の厚みを20nm以上60nm以下又は200nm以上300nm以下としてもよい。
このような分析装置によれば、光学素子の増強度プロファイルがより大きく、より感度のよい微量物質の検出・測定を行うことができる。
本発明に係る分析装置において、
前記光源は、前記間隔P1よりも長い波長の光を照射してもよい。
このような分析装置によれば、光学素子の増強度プロファイルがより大きく、より感度のよい微量物質の検出・測定を行うことができる。
本発明に係る分析方法の一態様は、
光学素子に光を照射し、前記光の照射に応じて前記光学素子から放射される光を検出して対象物を分析する分析方法であって、
前記光学素子は、金属層と、前記金属層上に設けられ且つ光を透光する透光層と、前記透光層上に第1方向に第1の間隔をもって配列されるとともに前記第1方向に交差する第2方向に第2の間隔をもって配列される複数の金属粒子と、を含み、
前記光学素子の前記金属粒子は、下記式(1)の関係を満たすように配置され、
前記光学素子に前記第1方向と同じ方向の直線偏光光および前記第2方向と同じ方向の直線偏光光を照射する。
P1<P2 ・・・(1)
[ここで、P1は、前記第1の間隔を表し。P2は、前記第2の間隔を表す。]
このようにすれば、広範な微量物質の検出、測定を容易に行うことができる。
本発明に係る分析方法の一態様は、
光学素子に光を照射し、前記光の照射に応じて前記光学素子から放射される光を検出して対象物を分析する分析方法であって、
前記光学素子は、金属層と、前記金属層上に設けられ且つ光を透光する透光層と、前記透光層上に第1方向に第1の間隔をもって配列されるとともに前記第1方向に交差する第2方向に第2の間隔をもって配列される複数の金属粒子と、を含み、
前記光学素子の前記金属粒子は、下記式(1)の関係を満たすように配置され、
前記光学素子に円偏光光を照射する。
P1<P2 ・・・(1)
[ここで、P1は、前記第1の間隔を表し、P2は、前記第2の間隔を表す。]
このようにすれば、広範な微量物質の検出、測定を容易に行うことができる。
本発明に係る分析方法において、
前記光学素子の前記金属粒子は、下記式(2)の関係を満たすように配置されてもよい。
P1<P2≦Q+P1 ・・・(2)
[ここで、Qは、前記金属粒子列に励起される局在型プラズモンの角振動数をω、前記金属層を構成する金属の誘電率をε(ω)、前記金属層の周辺の誘電率をε、真空中の光速をc、前記入射光の照射角であって前記透光層の厚さ方向からの傾斜角をθ、として、下記式(3)で与えられる。]
(ω/c)・{ε・ε(ω)/(ε+ε(ω))}1/2=(ω/c)・ε1/2・sinθ+2mπ/Q (m=±1,±2,,) ・・・(3)
このようにすれば、より感度のよい微量物質の検出・測定を行うことができる。
本発明に係る分析方法において、
前記検出器は、前記光学素子によって増強されたラマン散乱光を検出してもよい。
このようにすれば、より感度のよい微量物質の検出・測定を行うことができる。
本発明に係る分析方法において、
前記光学素子の増強度プロファイルが、前記ラマン散乱光の波長に対応するように、前記間隔P1および前記間隔P2の少なくとも一方を調整してもよい。
このようにすれば、より感度のよい微量物質の検出・測定を行うことができる。
本発明に係る光学素子の一態様は、
金属層と、前記金属層上に設けられ且つ光を透光する透光層と、前記透光層上に第1方向に第1の間隔をもって配列されるとともに前記第1方向に交差する第2方向に第2の間隔をもって配列される複数の金属粒子と、を含み、
前記光学素子の前記金属粒子は、下記式(1)の関係を満たすように配置され、
前記第1の直線偏光光および前記第2方向の直線偏光光が照射されてラマン散乱光を増強する。
P1<P2 ・・・(1)
[ここで、P1は、前記第1の間隔を表し、P2は、前記第2の間隔を表す。]
このような光学素子によれば、プラズモンに基づく光の増強度プロファイルを広く大きくとれるため、広範な微量物質の検出、測定に用いることができる。
本発明に係る光学素子の一態様は、
金属層と、前記金属層上に設けられ且つ光を透光する透光層と、前記透光層上に第1方向に第1の間隔をもって配列されるとともに前記第1方向に交差する第2方向に第2の間隔をもって配列される複数の金属粒子と、を含み、
前記光学素子の前記金属粒子は、下記式(1)の関係を満たすように配置され、
円偏光光が照射されてラマン散乱光を増強する。
P1<P2 ・・・(1)
[ここで、P1は、前記第1の間隔を表し、P2は、前記第2の間隔を表す。]
このような光学素子によれば、プラズモンに基づく光の増強度プロファイルを広く大きくとれるため、広範な微量物質の検出、測定に用いることができる。
本発明に係る光学素子において、
前記光学素子の前記金属粒子は、下記式(2)の関係を満たすように配置されてもよい。
P1<P2≦Q+P1………(2)
[ここで、Qは、前記金属粒子列に励起される局在型プラズモンの角振動数をω、前記金属層を構成する金属の誘電率をε(ω)、前記金属層の周辺の誘電率をε、真空中の光速をc、前記入射光の照射角であって前記透光層の厚さ方向からの傾斜角をθ、として、下記式(3)で与えられる。]
(ω/c)・{ε・ε(ω)/(ε+ε(ω))}1/2=(ω/c)・ε1/2・sinθ+2mπ/Q (m=±1,±2,,) ・・・(3)
このような光学素子によれば、増強度プロファイルがより大きく、より感度のよい微量物質の検出・測定に用いることができる。
本発明に係る光学素子の設計方法の一態様は、
金属層と、前記金属層上に設けられ且つ光を透光する透光層と、前記透光層上に第1方向に間隔P1をもって配列されるとともに前記第1方向に交差する第2方向に間隔P2をもって配列される複数の金属粒子と、を含む光学素子の設計方法であって、
前記光学素子の増強度プロファイルが、対象物のラマン散乱光の波長および励起光の波長に対応するように、前記間隔P1および前記間隔P2の少なくとも一方を調節する。
このようにすれば、光学素子を、広範な微量物質の検出、測定に適合させることができる。
本発明に係る電子機器の一態様は、
上述の分析装置と、前記検出器からの検出情報に基づいて健康医療情報を演算する演算部と、前記健康医療情報を記憶する記憶部と、前記健康医療情報を表示する表示部と、を備える。
このような電子機器によれば、感度のよい微量物質の検出・測定を行うことができる。
本発明に係る電子機器において、
前記健康医療情報は、細菌、ウィルス、タンパク質、核酸、および抗原・抗体からなる群より選択される少なくとも1種の生体関連物質、または、無機分子および有機分子から選択される少なくとも1種の化合物の、有無若しくは量に関する情報を含んでもよい。
このような電子機器によれば、有用な健康医療情報を提供することができる。
実施形態の分析装置の概略図。 実施形態の光学素子を模式的に示す斜視図。 実施形態の光学素子を透光層の厚さ方向から見た模式図。 実施形態の光学素子の第1方向に垂直な断面の模式図。 実施形態の光学素子の第2方向に垂直な断面の模式図。 実施形態の光学素子を透光層の厚さ方向から見た模式図。 ライトラインおよび金の分散曲線を示す分散関係のグラフ。 実施形態の変形例の光学素子を透光層の厚さ方向から見た模式図。 Agの誘電率と波長の関係を示すグラフ。 金属の分散曲線、局在型プラズモンおよび入射光の分散関係を示すグラフ。 実施形態の電子機器の概略図。 実験例に係るモデルの一例を示す模式図。 実験例に係る反射率の波長依存性の一例を示すグラフ。 実験例に係るECSの波長依存性の一例を示すグラフ。 実験例に係るECSの波長依存性の一例を示すグラフ。 実験例に係るECSの波長依存性の一例を示すグラフ。 実験例に係るECSの波長依存性の一例を示すグラフ。 実験例に係るECSの波長依存性の一例を示すグラフ。 実験例に係るECSの波長依存性の一例を示すグラフ。 実験例に係るECSの波長依存性の一例を示すグラフ。
以下に本発明のいくつかの実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説明するものである。本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
1.分析装置
本実施形態に係る分析装置1000は、光学素子100と、光学素子100に入射光を照射する光源300と、光学素子100から放射される光を検出する検出器400と、備える。
1.1.光学素子
光学素子100は、分析装置1000において、光を増強する機能を担う。光学素子100は、分析装置1000の分析の対象となる試料に接触させて用いられてもよい。分析装置1000における光学素子100の配置は、特に制限されず、設置角度等の調節可能なステージ等に設置されてもよい。
以下、光学素子100について詳細に説明する。
図2は、本実施形態の光学素子100を模式的に示す斜視図である。図3は、本実施形態の光学素子100を平面的に見た模式図である。図4および図5は、本実施形態の光学素子100の断面の模式図である。図6は、本実施形態の光学素子100を透光層30の厚さ方向から見た模式図である。本実施形態の光学素子100は、金属層10と金属粒子20と透光層30とを含む。
1.1.1.金属層
金属層10は、光を透過しない金属の表面を提供するものであれば、特に限定されず、例えば、厚板状であってもよいし、フィルム、層または膜の形状を有してもよい。金属層10は、例えば基板1の上に設けられてもよい。この場合の基板1としては、特に限定されないが、金属層10に励起される伝播型プラズモンに影響を与えにくいものが好ましい。基板1としては、例えば、ガラス基板、シリコン基板、樹脂基板などが挙げられる。基板1の金属層10が設けられる面の形状も特に限定されない。金属層10の表面に規則構造を形成する場合にはその規則構造に対応する表面を有してもよいし、金属層10の表面を平面とする場合には平面としてもよい。図2〜図6の例では、基板1の表面(平面)の上に金属層10が設けられている。
ここで、平面との表現を用いているが、係る表現は、表面が、わずかの凹凸もなく平坦(スムース)な数学的に厳密な平面を指すものではない。例えば、表面には、構成する原子に起因する凹凸や、構成する物質の二次的な構造(結晶、粒塊、粒界等)に起因する凹凸などが存在する場合が有り、微視的にみれば厳密な平面ではない場合がある。しかし、そのような場合でも、より巨視的な視点でみれば、これらの凹凸は目立たなくなり、表面を平面と称しても差し支えない程度に観測される。したがって、本明細書では、このようなより巨視的な視点でみた場合に平面と認識できれば、これを平面と称することとする。
また、本実施形態では、金属層10の厚さ方向は、後述の透光層30の厚さ方向と一致している。本明細書では、金属層10の厚さ方向または透光層30の厚さ方向を、後述する金属粒子20について述べる場合などにおいて、厚み方向、高さ方向等と称する場合がある。また、例えば、金属層10が基板1の表面に設けられる場合には、基板1の表面の法線方向を厚さ方向、厚み方向または高さ方向と称する場合がある。
金属層10は、例えば、蒸着、スパッタ、鋳造、機械加工等の手法により形成することができる。金属層10が基板1の上に設けられる場合には、基板1の表面の全面に設けられてもよいし基板1の表面の一部に設けられてもよい。金属層10の厚みは、金属層10に伝播型プラズモンが励起され得るかぎり特に限定されず、例えば、10nm以上1mm以下、好ましくは20nm以上100μm以下、より好ましくは30nm以上1μm以下とすることができる。
金属層10は、入射光により与えられる電場と、その電場によって誘起される分極とが逆位相で振動するような電場が存在する金属、すなわち、特定の電場が与えられた場合に、誘電関数の実数部が負の値を有し(負の誘電率を有し)、虚数部の誘電率が実数部の誘電率の絶対値よりも小さい誘電率を有することのできる金属によって構成される。更に、虚数部の誘電率がゼロに近づくと、プラズモンは無限大となるため、虚数部は小さいほど好適である。可視光領域におけるこのような誘電率を有しうる金属の例としては、金、銀、アルミニウム、銅、およびそれらの合金等を挙げることができる。また、金属層10の表面(厚さ方向の端面)は、特定の結晶面であってもなくてもよい。
金属層10は、本実施形態の光学素子100において伝播型プラズモンを発生させる機能を有している。金属層10に後述する条件で光を入射することにより、金属層10の表面(厚さ方向の端面)近傍に伝播型プラズモンが発生する。また、本明細書では、金属層10の表面付近の電荷の振動と電磁波とが結合した振動の量子を、表面プラズモン・ポラリトン(SPP:Surface Plasmon Plariton)と称する。金属層10に発生した伝播型プラズモンは、後述の金属粒子20に発生する局在型プラズモンと、一定の条件下で相互作用(ハイブリッド)することができる。
1.1.2.金属粒子
金属粒子20は、金属層10から厚さ方向に離間して設けられる。金属粒子20は、金属層10と空間的に離間して配置されていればよく、金属粒子20と金属層10との間には、絶縁体、誘電体、半導体などの他の物質が単層または複数層介在してもよい。本実施形態の図1〜図5の例では、金属層10の上に透光層30が設けられ、その上に金属粒子20が形成されることにより、金属層10と金属粒子20とが透光層の厚さ方向で離間して配置されている。
金属粒子20の形状は、特に限定されない。例えば、金属粒子20の形状は、金属層10または透光層30の厚さ方向に投影した場合に(厚さ方向からの平面視において)円形、楕円形、多角形、不定形またはそれらを組合わせた形であることができ、厚さ方向に直交する方向に投影した場合にも円形、楕円形、多角形、不定形またはそれらを組合わせた形状であることができる。図2〜図6の例では、金属粒子20は、いずれも透光層30の厚さ方向に中心軸を有する円柱状の形状で描かれているが、金属粒子20の形状はこれに限定されない。
金属粒子20の高さ方向(透光層30の厚さ方向)の大きさは、高さ方向に垂直な平面によって金属粒子20を切ることができる区間の長さを指し、1nm以上100nm以下である。また、金属粒子20の高さ方向に直交する第1方向の大きさは、第1方向に垂直な平面によって金属粒子20を切ることができる区間の長さを指し、5nm以上200nm以下である。例えば、金属粒子20の形状が高さ方向を中心軸とする円柱である場合には、金属粒子20の高さ方向の大きさ(円柱の高さ)は、1nm以上100nm以下、好ましくは2nm以上50nm以下、より好ましくは3nm以上30nm以下、さらに好ましくは4nm以上20nm以下である。また金属粒子20の形状が高さ方向を中心軸とする円柱である場合には、金属粒子20の第1方向の大きさ(円柱底面の直径)は、10nm以上200nm以下、好ましくは20nm以上150nm以下、より好ましくは25nm以上100nm以下、さらに好ましくは30nm以上72nm以下である。
金属粒子20の形状、材質は、入射光の照射によって、局在型プラズモンを生じうる限り任意であるが、金属粒子20は、入射光により与えられる電場と、その電場によって誘起される分極とが逆位相で振動するような電場が存在する金属、すなわち、特定の電場が与えられた場合に、誘電関数の実数部が負の値を有し(負の誘電率を有し)、虚数部の誘電率が実数部の誘電率の絶対値よりも小さい誘電率を有することのできる金属によって構成される。更に虚数部の誘電率がゼロに近づくとプラズモンは無限大となる為、虚数部は小さいほど好適である。可視光付近の光によって局在型プラズモンを生じうる材質としては、金、銀、アルミニウム、銅、およびそれらの合金等を挙げることができる。
金属粒子20は、例えば、スパッタ、蒸着等によって薄膜を形成した後にパターニングを行う方法、マイクロコンタクトプリント法、ナノインプリント法などによって形成することができる。また、金属粒子20は、コロイド化学的手法によって形成することができ、これを適宜の手法によって金属層10から離間した位置に配置してもよい。
金属粒子20は、本実施形態の光学素子100において局在型プラズモンを発生させる機能を有している。金属粒子20に、後述する条件で入射光を照射することにより、金属粒子20の周辺に局在型プラズモンを発生させることができる。金属粒子20に発生した局在型プラズモンは、上述の金属層10に発生する伝播型プラズモンと、一定の条件下で相互作用(ハイブリッド)することができる。
1.1.3.金属粒子の配置
図2〜図6に示すように、金属粒子20は、複数に並んで金属粒子列21を構成している。金属粒子20は、金属粒子列21において、金属層10の厚さ方向と直交する第1方向に並んで配置される。言換えると金属粒子列21は、金属粒子20が高さ方向と直交する第1方向に複数並んだ構造を有する。金属粒子20が並ぶ第1方向は、金属粒子20が長手を有する形状の場合(異方性を有する形状の場合)、その長手方向とは一致しなくてもよい。1つの金属粒子列21に並ぶ金属粒子20の数は、複数であればよく、好ましくは10個以上である。
ここで金属粒子列21内における第1方向の金属粒子20の間隔を間隔P1と定義する(図3、図5、図6参照)。間隔P1は、第1方向における2つの金属粒子20の重心間の距離(ピッチ)を指す。なお、金属粒子列21内における2つの金属粒子20の粒子間距離は、金属粒子20が金属層10の厚さ方向を中心軸とする円柱である場合には、間隔P1から円柱の直径を差引いた長さに等しい。この粒子間距離が小さいと、粒子間に働く局在型プラズモンの効果が増大し、増強度は大きくなる傾向がある。粒子間距離は、5nm以上1μm以下であり、好ましくは5nm以上100nm以下、より好ましくは5nm以上30nm以下とすることができる。
金属粒子列21内における第1方向の金属粒子20の間隔P1は、10nm以上1μm以下であり、好ましくは20nm以上800nm以下、より好ましくは30nm以上780nm未満、さらに好ましくは50nm以上700nm未満とすることができる。
金属粒子列21は、第1方向に間隔P1で並ぶ複数の金属粒子20によって構成されるが、金属粒子20に発生される局在型プラズモンの分布・強度等は、この金属粒子20の配列にも依存する。したがって、金属層10に発生する伝播型プラズモンと相互作用する局在型プラズモンは、単一の金属粒子20に発生する局在型プラズモンだけでなく、金属粒子列21における金属粒子20の配列および透光層30の厚みを考慮した局在型プラズモンである。
図2〜図6に示すように、金属粒子列21は、金属層10の厚さ方向および第1方向と交差する第2方向に間隔P2で並んで配置される。金属粒子列21が並ぶ数は、複数であればよく、好ましくは10列以上である。
ここで、隣合う金属粒子列21の第2方向における間隔を間隔P2と定義する。間隔P2は、第2方向における2つの金属粒子列21の重心間の距離(ピッチ)を指す。また、間隔P2は、金属粒子列21が、複数の列22から構成される場合には、複数の列22の第2方向における重心の位置と、隣の金属粒子列21の複数の列22の第2方向における重心の位置と、の間の距離を指す(図7参照)。
金属粒子列21間の間隔P2は、金属粒子20間の間隔P1よりも大きい。すなわち、間隔P1および間隔P2の間には、下記式(1)の関係がある。
P1<P2 ・・・(1)
式(1)の関係を有することにより、光学素子100における金属粒子20の配置は、透光層30の厚さ方向から見た場合に、異方性を有することとなる。金属粒子列21間の間隔P2は、例えば、10nm以上10μm以下であり、好ましくは20nm以上2μm以下、より好ましくは30nm以上1500nm以下、さらに好ましくは60nm以上1310nm以下、特に好ましくは60nm以上660nm以下とすることができる。
また、金属粒子列21間の間隔P2は、以下の「1.1.3.1.伝播型プラズモンおよび局在型プラズモン」で述べる条件に従い設定されてもよく、その場合には、光の増強度をさらに高めることができる場合がある。
なお、金属粒子列21の伸びる第1方向の線と、隣合う金属粒子列21にそれぞれ属する2つの金属粒子20であって、互いに最も近接する2つの金属粒子20を結ぶ線と、がなす角は、特に限定されず、直角であってもなくてもよい。例えば、図3に示すように、両者がなす角が直角であってもよいし、図6に示すように、両者がなす角が直角でなくてもよい。すなわち、厚さ方向から見た金属粒子20の配列を、金属粒子20の位置を格子点とした二次元格子とみなした場合に、既約基本単位格子は、長方形の形状であっても、平行四辺形の形状であってもよい。また、金属粒子列21の伸びる第1方向の線と、隣合う金属粒子列21にそれぞれ属する2つの金属粒子20であって、互いに最も近接する2つの金属粒子20を結ぶ線と、がなす角が直角でない場合には、隣合う金属粒子列21にそれぞれ属する2つの金属粒子20であって、互いに最も近接する2つの金属粒子20の間の間隔を間隔P2としてもよい。
1.1.3.1.伝播型プラズモンおよび局在型プラズモン
まず、伝播型プラズモンについて説明する。図7は、入射光および金の分散曲線を示す分散関係のグラフである。通常は、金属層10に光を0〜90度の入射角(照射角θ)で入射しても伝播型プラズモンは発生しない。例えば、金属層10がAuからなり、かつ、金属層10周辺の屈折率n=1の場合には、図7に示すように、ライトライン(LightLine)とAuのSPPの分散曲線が交点を持たないからである。また、光が通過する媒体の屈折率が変化しても、AuのSPPも周辺の屈折率に応じて変化するため、やはり交点を持たないことになる。交点を持たせ伝播型プラズモンを起こさせるためには、クレッチマン配置のようにプリズム上に金属層を設け、プリズムの屈折率により入射光の波数を増加させる方法や、回折格子によりライトラインの波数を増加させる方法がある。なお図7はいわゆる分散関係を示すグラフ(縦軸を角振動数[ω(eV)]、横軸を波数ベクトル[k(eV/c)]としたもの)である。
また、図7のグラフの縦軸の角振動数ω(eV)は、λ(nm)=1240/ω(eV)の関係があり、波長に換算することができる。また、同グラフの横軸の波数ベクトルk(eV/c)は、k(eV/c)=2π・2/[λ(nm)/100]の関係がある。したがって、例えば、λ=600nmのとき、k=2.09(eV/c)となる。
図7にはAuのSPPの分散曲線を示したが、一般には、金属層10に入射される入射光の角振動数をω、真空中の光速をc、金属層10を構成する金属の誘電率をε(ω)、周辺の誘電率をεとしたとき、その金属のSPPの分散曲線は、式(4)
SPP=ω/c[ε・ε(ω)/(ε+ε(ω))]・・・(4)
で与えられる。
一方、入射光の照射角であって第1方向からの傾斜角をθとし、格子間隔Qを有する回折格子を通過した入射光の波数Kは、式(5)
K=n・(ω/c)・sinθ+m・2π/Q (m=±1,±2,,)・・・(5)
で表すことができ、この関係は、分散関係のグラフ上には、曲線ではなく直線で現れる。
なお、nは、周辺屈折率であり、消光係数をκとすれば、光の振動数における比誘電率εの実数部ε’と虚数部ε”は、それぞれ、ε’=n−κ、ε”=2nκで与えられ、周辺の物質が透明であれば、κ〜0であるから、εは実数で、ε=nとなり、n=ε1/2で与えられる。
分散関係のグラフにおいて、金属のSPPの分散曲線(上記式(4))と回折光ライトラインの直線(上記式(5))とが交点を有する場合に、伝播型プラズモンが励起される。すなわち、KSPP=Kの関係が成立すると、金属層10に伝播型プラズモンが励起される。
したがって、上記式(4)および式(5)から、以下の式(3)が得られ、
(ω/c)・{ε・ε(ω)/(ε+ε(ω))}=ε1/2・sinθ+2mπ/Q (m=±1,±2,,) ・・・(3)
この式(3)の関係を満たせば、金属層10に伝播型プラズモンが励起されることが理解される。この場合、図7のAuのSPPの例でいえば、θおよびmを変化させることにより、ライトラインの傾きおよび/または切片を変化させることができ、AuのSPPの分散曲線に対して回折光の直線を交差させることができる。
次に、局在型プラズモンについて説明する。
金属粒子20に局在型プラズモンを生じさせる条件は、誘電率の実数部により、
Real[ε(ω)]=−2ε ・・・(6)
で与えられる。周辺の屈折率nを1とするとε=n−κ=1なので、Real[ε(ω)]=−2、となる。例えば、Agの誘電率は、図9のようであり、単独粒子の場合には370nmの波長で局在型プラズモンが励起されることになるが、複数のAg粒子がナノオーダーで近づく場合や、Ag粒子と金属層10(Au膜等)が透光層30(SiO等)によって隔てられて配置された場合には、そのギャップの影響により、局在型プラズモンの励起ピーク波長はレッドシフト(長波長側へシフト)する。このシフト量は、Ag径、Ag厚み、Ag粒子間隔、透光層厚み等のディメンジョンに依るが、例えば500nm〜1200nmに局在型プラズモンがピークとなる波長特性を示すことになる。
また、局在型プラズモンは、伝播型プラズモンと異なり、速度を持たず、移動しないプラズモンであり、分散関係のグラフにプロットすると、傾きがゼロ、すなわち、ω/k=0となる。
本実施形態の光学素子100は、伝播型プラズモンと局在型プラズモンを電磁的に結合(Electromagnetic Coupling)させることにより、電場の極めて大きい増強度を得ることができる。すなわち、本実施形態の光学素子100は、分散関係のグラフにおいて、回折光の直線と金属のSPPの分散曲線との交点を、任意の点とするのではなく、金属粒子20(金属粒子列21)に生じる局在型プラズモンにおいて最大または極大の増強度を与える点の近傍で両者を交差させることを特徴の一つとしている(図10参照)。
換言すると、本実施形態の光学素子100では、分散関係のグラフにおいて、金属のSPPの分散曲線と、金属粒子20(金属粒子列21)に生じる局在型プラズモンにおいて最大または極大の増強度を与える入射光の角振動数(図10の分散関係のグラフ上で、LSPと付した横軸に平行な線)との交点の近傍を、回折光の直線が通過するように設計されてもよい。
ここで、交点の近傍とは、波長に換算した場合に、入射光の波長の±10%程度の長さの波長の範囲内であり、または、入射光の波長の±P1(金属粒子20の金属粒子列21内における間隔)程度の長さの波長の範囲内である。
上記式(4)、式(5)および式(3)では、金属層10に入射される入射光の角振動数をωとして、伝播型プラズモンの励起される条件を示したが、局在型プラズモンと伝播型プラズモンとのハイブリッド(相互作用)を生じさせるためには、本実施形態の光学素子100では、上記式(4)、式(5)および式(3)におけるωは、金属粒子20(金属粒子列21)に生じる局在型プラズモンにおいて最大または極大の増強度を与える入射光の角振動数となる。
したがって、金属粒子列21に励起される局在型プラズモンの角振動数をωとした場合に、上記式(3)を満たせば、局在型プラズモンと伝播型プラズモンとのハイブリッドを生じさせることができる。
よって、間隔P1で金属粒子20が並んだ金属粒子列21に発生する局在型プラズモンの角振動数をωとし、分散関係のグラフにおいて、金属のSPPの分散曲線のωの位置の近傍に、傾斜角θで格子間隔Qの仮想的な回折格子に入射して回折された回折光ライトライン(次数m)の直線が通るようにすれば(式(3)を満足させれば)、局在型プラズモンと伝播型プラズモンとのハイブリッドを生じさせることができ、極めて大きい増強度を得ることができる。言換えると、図10に示す分散関係のグラフにおいて、ライトラインの傾きおよび/または切片を変化させて、SPPとLSPとの交点の近傍を通るようにライトラインを変化させることにより、局在型プラズモンと伝播型プラズモンとのハイブリッドを生じさせることができ、極めて大きい増強度を得ることができる。図10に周辺屈折率n=1で、励起光をAu膜へ垂直入射した場合、金属粒子20による回折格子ピッチを600nmに配置した例を示す。SPPと垂直のライトラインの交点と、LSPピーク波長が一点で交差していることがわかる。この条件がハイブリッド増強効果を示す一例である。
1.1.3.2.間隔
2つの金属粒子列21の間の間隔P2は、P1<P2(式(1))の関係を満足する限り、任意であるが、さらに次のように設定されてもよい。垂直入射(入射角θ=0)で、かつ、1次の回折光(m=1)を用いる場合には、間隔P2を格子間隔Qとすれば式(3)を満たすことができる。しかし、選択する入射角θおよび回折光の次数mにより、式(3)を満たすことのできる格子間隔Qは、幅を有することになる。なお、この場合の入射角θは、透光層30の厚さ方向から第2方向への傾斜角であることが好ましいが、第1方向の成分を含む方向への傾斜角としてもよい。
したがって、上記の交点近傍であること(±P1の幅)を考慮して、局在型プラズモンと伝播型プラズモンとのハイブリッドを生じさせることのできる間隔P2の範囲は、式(7)、
Q−P1≦P2≦Q+P1 ・・・(7)
となる。
また、上記の交点近傍を波長で表現する(波長の±10%の幅)場合には、ωの単位をeVとしたとき、
Q−λ/10≦P2≦Q+λ/10
となり、λ(nm)=1240/ωであるため、
Q−124/ω≦P2≦Q+124/ω [ωは、金属粒子列に生じる局在型プラズモンにおいて最大または極大の増強度を与える入射光の角振動数を表し、ここではeVの単位で示される。] ・・・(8)
となる。
一方、間隔P2は、金属粒子列21間の第2方向の間隔であるが、隣合う金属粒子列21に属する2つの金属粒子20の間の間隔は、2つの金属粒子20の選び方によって、これらを結ぶ線は第2方向に対して傾けることができる。すなわち、間隔P2よりも長い間隔を有するように、隣合う金属粒子列21に属する2つの金属粒子20を選ぶことができる。図3には、このことを説明する補助線が描かれており、第2方向に対して傾いた方向に沿って、間隔P2よりも長い距離で離間した2つの金属粒子20を、隣合う金属粒子列21から選択することができる。既に述べたように、隣合う金属粒子列21は、互いに同じ金属粒子列21であるため、透光層30の厚さ方向から見た金属粒子20の配列を、金属粒子20の位置を格子点とした二次元格子とみなすことができる。そうすると、この二次元格子には、間隔P2よりも長い格子間隔(回折格子)が存在することになる。
したがって、間隔P1および間隔P2で配列された金属粒子20のマトリックスは、その間隔P2よりも大きい格子間隔を有する回折格子による回折光が期待できる。そのため、上記式(7)、式(8)の左側の不等式は、P1<P2(式(1))とすることができる。換言すると、式(7)、式(8)において、間隔P2が、Q−P1よりも小さい場合でも、式(3)を満たすことのできる格子間隔Qを有する回折格子が存在しうるため、局在型プラズモンと伝播型プラズモンとのハイブリッドを生じさせることができる。したがって間隔P2は、Q−P1よりも小さい値であってもよく、P1<P2の関係を満たせばよいことになる。
以上のことから、本実施形態の光学素子100における金属粒子列21の間の間隔P2は、下記式(2)、式(9)の関係を満たせば、局在型プラズモンと伝播型プラズモンとのハイブリッドを生じさせることができることになる。
P1<P2≦Q+P1 ・・・(2)
P1<P2≦Q+124/ω [ωは、金属粒子列に生じる局在型プラズモンにおいて最大または極大の増強度を与える入射光の角振動数を表し、ここではeVの単位で示される。] ・・・(9)
このような範囲の間隔P2を設定することにより、さらに光の増強度を高めることができる場合がある。
1.1.4.透光層
本実施形態の光学素子100は、金属層10と金属粒子20とを隔てるための透光層30を有する。図2、4、5には、透光層30が描かれている。透光層30は、フィルム、層または膜の形状を有することができる。透光層30は、金属層10の上に設けられる。これにより、金属層10と金属粒子20とを隔てることができる。
透光層30は、例えば、蒸着、スパッタ、CVD、各種コーティング等の手法により形成することができる。透光層30は、金属層10の表面の全面に設けられてもよいし金属層10の表面の一部に設けられてもよい。透光層30の厚みは、金属層10の伝播型プラズモンと、金属粒子20の局在型プラズモンとが相互作用できるかぎり、特に限定されず、例えば、1nm以上1μm以下、好ましくは5nm以上500nm以下、より好ましくは10nm以上100nm以下、さらに好ましくは15nm以上80nm以下、特に好ましくは20nm以上60nm以下とすることができる。或いは、干渉効果を利用した2nd peak thicknessでも良い。励起波長をλ、透光層30の厚みをd、透光層30の材料の薄膜の実効屈折率をneff、jを整数としたとき、
d=j・λ/(2・neff
で与えられる。具体的には、スペーサー材料をSiOとしたとき、200nm以上300nm以下が良い。
透光層30は、正の誘電率を有すればよく、例えば、SiO、Al、TiO、Ta、Si、高分子、ITO(Indium Tin Oxide)などで形成することができる。透光層30は、誘電体からなることができる。さらに、透光層30は、材質の互いに異なる複数の層から構成されてもよい。
透光層30により、金属粒子20に生じる局在型プラズモンの励起ピーク周波数がシフトする場合があるため、間隔P2の設定の際に、局在型プラズモンのピーク励起波長を求める際には、これを考慮すべき場合がある。
1.1.5.その他の構成および変形
1.1.5.1.被覆層
本実施形態の光学素子100は、必要に応じて被覆層を有してもよい。図示しないが、被覆層は、金属粒子20を覆うように形成されることができる。また、被覆層は、金属粒子20を露出させて、その他の構成を被覆するように形成されてもよい。
被覆層は、例えば、金属粒子20やその他の構成を環境から、機械的、化学的に保護する機能を有する。被覆層は、例えば、蒸着、スパッタ、CVD、各種コーティング等の手法により形成することができる。被覆層の厚みは、特に限定されない。被覆層の材質は、特に制限はなく、例えば、SiO、Al、TiO2、Ta2O5、Si3N4等絶縁体だけでなく、ITOやCu、Alなどの金属、および高分子、などで形成することができるが、厚みは数nm以下と薄いことが好ましい。
被覆層を設ける場合には、上記の透光層30と同様に、金属粒子20に生じる局在型プラズモンの励起ピーク周波数がシフトする場合があるため、間隔P2の設定の際に、局在型プラズモンのピーク励起波長を求める際には、これを考慮すべき場合がある。
1.1.5.2.変形
図7は、変形例に係る光学素子200を第1方向から見た模式図である。金属粒子列21は、複数の列22から構成されてもよい。列22は、複数の金属粒子20が第1方向に間隔P1で並んで配置されたものであり、上述の金属粒子列21と同様である。したがって、複数の列22は、いずれも第1方向に平行である。図7に示したように間隔P2は、金属粒子列21が、複数の列22から構成される場合には、複数の列22の第2方向における重心の位置と、隣の金属粒子列21の複数の列22の第2方向における重心の位置と、の間の距離を指す。図7は2列の場合を示したが、3列、4列等と増やしても良い。列22が増えるに従い増強度は低下するがホットスポット密度は増加する為、ラマン散乱の増強効果が高くなる場合がある。また、同一の列22の隣合う2つの金属粒子20を結ぶ第1方向の線と、隣合う列22に属する金属粒子20で最も近接する金属粒子20を結ぶ線とがなす角は、特に限定されず、直角であってもなくてもよい。図示の例では、両者がなす角が直角である場合を示している。また、ここで隣合う列22の間隔を間隔P3と定義する(図7参照)。間隔P3は、第2方向における2つの列22の重心間の距離(ピッチ)を指す。
金属粒子列21が複数の列22から構成された場合においても、上述の式(2)、および式(9)の条件を満たすように間隔P2を設定することにより、さらに光の増強度とホットスポット密度(HSD)を高めることができる場合がある。
1.2.光源
本実施形態の分析装置1000は、光源300を備える。光源300は、光学素子100に対して入射光を照射する。光源300は、光学素子100の第1方向(金属粒子20の並ぶ方向であって、金属粒子列21の伸びる方向)に直線偏光した光(第1方向と同じ方向の直線偏光光)、および、光学素子100の第2方向(金属粒子列21の並ぶ方向であって、金属粒子列21に交差する方向)に直線偏光した光(第2方向と同じ方向の直線偏光光)、または、円偏光光を照射することができる。
すなわち、光源300は、光学素子100に対して、第1方向と同じ方向の直線偏光光および第2方向と同じ方向の直線偏光光を照射する態様、または、光学素子100に対して、円偏光光を照射する態様とすることができる。透光層30の厚さ方向からの、光源300から照射される入射光の傾斜角θは、光学素子100の表面プラズモンの励起条件に応じて適宜変化させることができるようにしてもよい。光源300は、ゴニオメーター等に設置されてもよい。
光源300が照射する光は、光学素子100の表面プラズモンを励起することができれば、特に限定されず、紫外光、可視光、赤外光を含む、電磁波とすることができる。また、光源300が照射する光は、コヒーレントな光であってもなくてもよい。具体的には、光源300としては、半導体レーザー、気体レーザー、ハロゲンランプ、高圧水銀灯、キセノンランプなどに、適宜、波長選択素子、フィルター、偏光子などを設けたものを例示することができる。
偏光子を用いる場合には、公知のものを用いることができ、適宜回転させる機構を備えてもよい。光源300からの光が励起光となって、光学素子100に発生したプラズモンによる電場の集中、所謂ホットスポットが生じ、そのホットスポットに付着した物質の微弱なラマン光がホットスポットの電場により増強され物質の検出を行うことができる。
1.3.検出器
本実施形態の分析装置1000は、検出器400を備える。検出器400は、光学素子100から放射された光を検出する。検出器400としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、光電子増倍管、フォトダイオード、イメージングプレートなどを用いることができる。
検出器400は、光学素子100から放射される光を検出できる位置に設けられればよく、光源300との位置関係も特に制限はない。また、検出器400は、ゴニオメーター等に設置されてもよい。
1.4.入射光
本実施形態の分析装置1000において光学素子100に入射される入射光は、例えば、ラマン分光のための励起光である。光学素子100に入射される入射光の波長は、限定されず、紫外光、可視光、赤外光を含む、電磁波とすることができる。また、入射光の波長が、局在型プラズモンを生じ、かつ、上述の式(3)の関係を満足させることができるように選ばれれば、さらに高い増強度を得ることができる。
本実施形態では、入射光は、光学素子100の第1方向と同じ方向の直線偏光光、および、第2方向と同じ方向の直線偏光光の組合わせ、または、円偏光光である。このような光を光学素子100に入射することにより、広い帯域で光と増強することができる。
1.5.増強度プロファイル
本実施形態の光学素子100における増強度プロファイルについて説明する。
ラマン増強度は、例えば、非特許文献1に記載されているようにCext(Extinction cross section)に比例する。
非特許文献1によるとRaman intensityは、下記式(X)の値に比例する。
Cext=(1−R)・Λ・Λ ・・・(X)
[但し、Rは反射率、ΛとΛはX軸及びY軸の金属ナノ粒子の周期である。]
増強度の波長依存性は、反射率の波長依存性から求めることができる。
ラマン散乱光の増強度は、消光断面積(ECS:Extinction Cross Section)に比例する。従って、ECSの波長依存性(本明細書において、「増強度プロファイル」ということがある。)を求めることで、増強度の波長依存性を知ることができる。
Raman intensityは、Cextに比例し(上記式(X))、本実施形態の光学素子100における間隔P1および間隔P2を用いて表すと、Cext=ECS,Λ=P1,Λ=P2であるから、Raman intensityは、式(Y)
ECS=(1−R)・P1・P2 ・・・(Y)
に比例し、これにより求めることができる。
距離rだけ離れた位置に2つの双極子(双極子a、双極子bという)があるとき、それぞれの双極子ベクトルP と双極子ベクトルP による双極子−双極子相互作用によるエネルギーUはrをベクトルとしてrと表記すると、下記式(10)で表される(本明細書では、ベクトルを表す記号として、「」を用いる。)。
U=(1/4πε)(1/r)[P ・P −3(P・r)(P・r)] ・・・(10)
本実施形態の構造の場合には、rは透光層30の厚さ方向であり、P とP は、それぞれ第1方向または第2方向であるので、P とr、P とrは、それぞれ垂直の関係となり、上記式(10)の右辺第二項は、ゼロとなる。
従って、双極子−双極子相互作用によるエネルギーUは、P ・P に比例することになる。
ここで、上記式(10)のP をLSP、P をPSPと置くと、LSPとPSPとが直交する場合、エネルギーUは、ゼロ(PSPとLSPの内積)に比例し、ベクトルLSPの向きが反転した場合でも同様にゼロに比例することとなる。すなわち、LSPとPSPとが直交する場合は、エネルギー準位が縮退して1つのエネルギー準位をとることとなる。
他方、PSPのベクトルPSPと、LSPのベクトルLSPとが互いに平行となる場合、式(10)から、エネルギーUは、PSPとLSPの内積に比例する場合と、ベクトルLSPの向きが反転して、PSPと−LSPの内積に比例する場合とが存在することとなる。すなわち、LSPとPSPとが平行な場合には、エネルギー準位は縮退せずに、2つのエネルギー準位をとることとなる。
これにより、励起光の偏光方向がもたらすLSPとPSPとが平行な場合には、いわゆるアンチクローシングビヘビアー(Anticrossing behavior)が生じ、増強度の波長依存性において、2つのピークを生じることになる。なお、後述の実験例で示すが、2つのピーク波長が接近している場合には、ピークは分離せずに1つのピークであるかのように観測される場合がある。
これに対して、励起光の偏光方向がもたらすLSPとPSPとが直交する場合には、いわゆるアンチクローシングビヘビアーは生じず、増強度の波長依存性において、1つのピークを生じることになる。
1.6.増強度プロファイルの設計
本実施形態の分析装置1000において、光学素子100をラマン散乱光の増強に使用する場合には、少なくとも上記の事項を考慮して、以下のように光学素子100の金属粒子20の配列を設定することが好ましい。
ラマン散乱光の波長または波数は、一般に広い帯域に及ぶ。このような広い帯域は、光学素子100に、特定の方向の直線偏光光の励起光のみを与えた場合には、その帯域全体を高い増強度となるようにカバーすることができない場合が多い。また、そのような場合には、例えば、積算時間を長くしても、カバーされていない帯域では、高い増強度を得ることはできない。
本実施形態の光学素子100では、第1方向と同じ方向の直線偏光光の入射光が入射されるだけでは、高い増強度が得られるとしても、増強度プロファイルは、1つのピークとなるため、ラマン散乱光の帯域全体を増強することは困難である。しかし、本実施形態の光学素子100には、さらに、第2方向と同じ方向の直線偏光光の入射光が入射される。第2方向と同じ方向の直線偏光光の入射光の場合には、増強度は第1方向と同じ方向の直線偏光光の入射光の場合に比較して大きくはないものの、増強度プロファイルは、2つのピークとなるため、一定の増強度を得られる帯域を広くすることができる。
本実施形態の分析装置1000では、第1方向および第2方向とそれぞれ同じ方向の直線偏光光による、2つの増強度プロファイルを重ねあわせることにより、広い帯域で、十分に高い増強度を得ることができる。これら2つの増強度プロファイルは、光学素子100における金属粒子20の配置、材質、金属層10の厚み、材質などにより調節することができる。
同様に、本実施形態の光学素子100では、円偏光した入射光が入射される。円偏光光の入射光は、第1方向に沿う偏光成分と、第2方向に沿う偏光成分を含むため、増強度プロファイルの重ねあわせが生じ、広い帯域で、十分に高い増強度を得ることができる。
したがって、本実施形態に係る光学素子100では、以下のように増強度プロファイルを設計することができる。
例えば、既知の物質の検出に本実施形態の分析装置1000を用いる場合には、光学素子100の、第1方向および第2方向それぞれの直線偏光光による2つの増強度プロファイルの重ねあわせが、当該物質のラマン散乱光の波長または波数の領域で大きくなるように設定する。このようにすれば、高感度で当該物質の検出を行うことができる。
また、例えば、未知の物質の検出、同定に本実施形態の分析装置1000を用いる場合には、光学素子100の、第1方向および第2方向のそれぞれの直線偏光光による2つの増強度プロファイルの重ねあわせが、できるだけ広い帯域で大きくなるように設定する。このようにすれば、高感度で当該物質の検出、同定を行うことができる。
以上説明した分析装置1000によれば、光学素子のプラズモンに基づく光の増強度プロファイルを広く大きくとれるため、広範な微量物質の検出、測定を容易に行うことができる。また、本実施形態の分析装置1000は、筐体、入出力手段等、図示せぬその他の適宜な構成を備えてもよい。
本実施形態の分析装置1000は、以下の特徴を有する。
本実施形態の分析装置1000は、光学素子100に第1方向と同じ方向の直線偏光光および第2方向と同じ方向の直線偏光光、または、円偏光光が照射されるため、広い帯域で光を増強することができる。
また、本実施形態の分析装置1000は、光の増強度が高いため、例えば、医療・健康、環境、食品、公安等の分野において、細菌、ウィルス、タンパク質、核酸、各種抗原・抗体などの生体関連物質や、無機分子、有機分子、高分子を含む各種の化合物を高感度、高精度、迅速かつ簡便に検知することができる。例えば、本実施形態の分析装置1000の光の増強度を利用して、微量物質のラマン散乱光を増強することができる。
2.光学素子の設計方法
本実施形態の光学素子100は、上述した構造を有し、P1<P2(式(1))の関係を有すれば十分に機能することができるが、増強度の大きい光学素子とするための設計方法の一例を以下に具体的に述べる。
まず、光学素子は、分散関係のグラフ(縦軸を角振動数[ω(eV)]、横軸を波数ベクトル[k(eV/c)]としたもの)における、金属層10を構成する金属の分散曲線と、間隔P1で並ぶ金属粒子20(金属粒子列21)に励起される局在型プラズモンのピークを与える光の角振動数[ω(eV)]との交点近傍に、金属粒子列21の回折格子により生じた回折光ライトラインを交差させるように、間隔P2を選ぶこと、を含んで設計される(図10参照)。
本実施形態の光学素子の設計方法は、以下に述べる工程を含む。
金属粒子20(金属粒子列21)における局在型プラズモンの励起波長依存性を調べ、金属粒子20に局在型プラズモンの最大、または極大を発生させる波長(本明細書では、これをピーク励起波長ということがある。)を把握する。既述のように、局在型プラズモンは、金属粒子20の材質、形状、配置、他の構成の有無等により変化するが、ピーク励起波長は、実測または計算により求めることができる。
金属層10を構成する金属の分散曲線を把握する。この曲線は、金属層10の材質により、文献等から得ることができる他、計算によって求めることもできる。また、周辺の屈折率に応じライトラインの傾きやSPP分散関係を求めることもできる。
必要に応じて、求められたピーク励起波長および分散曲線を、分散関係のグラフ(縦軸を角振動数[ω(eV)]、横軸を波数ベクトル[k(eV/c)]としたもの)にプロットする。このとき、局在型プラズモンのピーク励起波長は、グラフ上では横軸に平行な線となる。局在型プラズモンは、速度を有さず移動しないプラズモンであるため、分散関係のグラフにプロットする場合には、傾き(ω/k)はゼロとなる。
入射光の入射角θおよび用いる回折光の次数mを定めて、式(3)から、Qの値を求め、間隔P2を、式(2)または式(9)の条件を満たすように選んで金属粒子列21を配置する。
少なくとも以上の工程を行って、間隔P1、間隔P2を設定すれば、LSPとPSPとの相互作用(ハイブリッド)が強まるため、非常に大きな増強度を有する光学素子とすることができる。
3.分析方法
本実施形態の分析方法は、上述の分析装置1000を用いて行われる。本実施形態の分析方法は、上述の光学素子100に光を照射し、光の照射に応じて光学素子100から放射される光を検出して対象物を分析する分析方法であって、光学素子100は、金属層10と、金属層10上に設けられ且つ光を透光する透光層30と、透光層30上に第1方向に第1の間隔をもって配列されるとともに第1方向に交差する第2方向に第2の間隔をもって配列される複数の金属粒子20と、を含み、光学素子100の金属粒子20は、下記式(1)の関係を満たすように配置され、光学素子100に第1方向と同じ方向の直線偏光光および第2方向と同じ方向の直線偏光光を照射して行われる。
P1<P2 ・・・(1)
[ここで、P1は、前記第1の間隔を表し。P2は、前記第2の間隔を表す。]
4.電子機器
本実施形態の電子機器2000は、上述の分析装置1000と、検出器400からの検出情報に基づいて健康医療情報を演算する演算部2010と、健康医療情報を記憶する記憶部2020と、健康医療情報を表示する表示部2030と、を備える。
図11は、本実施形態の電子機器2000の構成の概略図である。分析装置1000は、「1.分析装置」で上述した分析装置1000であり、詳細な説明を省略する。
演算部2010は、例えば、パーソナルコンピューター、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistance)であり、検出器400から送出される検出情報(信号等)を受取り、これに基づく演算を行う。また、演算部2010は、分析装置1000の制御を行ってもよい。例えば、演算部2010は、分析装置1000の光源300の出力、位置等の制御や、検出器400の位置の制御などを行ってもよい。演算部2010は、検出器400からの検出情報に基づいて健康医療情報を演算することができる。そして、演算部2010によって演算された健康医療情報は、記憶部2020に記憶される。
記憶部2020は、例えば、半導体メモリー、ハードディスクドライブ等であり、演算部2010と一体的に構成されてもよい。記憶部2020に記憶された健康医療情報は、表示部2030に送出される。
表示部2030は、例えば、表示板(液晶モニター等)、プリンター、発光体、スピーカー等により構成される。表示部2030は、演算部2010によって演算された健康医療情報等に基づいて、ユーザーがその内容を認識できるように、表示または発報する。
健康医療情報としては、細菌、ウィルス、タンパク質、核酸、および抗原・抗体からなる群より選択される少なくとも1種の生体関連物質、または無機分子および有機分子から選択される少なくとも1種の化合物の有無若しくは量に関する情報を含むことができる。
5.実験例
以下に実験例を示し、本発明をさらに説明するが、本発明は以下の例によってなんら限定されるものではない。以下の例は、計算機によるシミュレーションである。
5.1.計算モデル
図12は、シミュレーションに用いるモデルの基本構造を示す模式図である。
実験例の計算に用いたモデルは、いずれも、光が透過しない程度に十分厚いAu(金属層)上に透光層(SiO)膜を形成したものである。透光層の厚みは、20nmに固定した。透光層の上に配置される金属粒子はAgとし、透光層の厚さ方向を中心軸とする円柱とし、円柱の大きさ(底面の直径)を72nm、高さを20nmとした。また、入射光の波長は600nmまたは633nmとした。
計算はRsoft社(現サイバネットシステム株式会社)のFDTD soft Fullwaveを用いた。また、用いたメッシュの条件は、1nm最小メッシュとし、計算時間cTは10μmとした。
また、周辺屈折率nは1とした。入射光については、透光層の厚さ方向(Z)からの垂直入射で、第1方向と同じ方向の直線偏光光、および、第2方向と同じ方向の直線偏光光とした場合について、別々に計算したプロット、または、透光層の厚さ方向(Z)からの垂直入射で、円偏光光とした場合を計算したプロットを求めた。
なお、以下の実験例6を除く他の各実験例で示されるグラフには、凡例として例えば「X120Y600」、「X600Y120」などの表記を用いている。計算上いずれもX方向の直線偏光光の入射光を用いており、「X120Y600」と付したものは、間隔P1が120nm、間隔P2が600nmである場合に、「第1方向」の直線偏光光の入射光による結果と等価であり、「X600Y120」と付したものは、間隔P1が120nm、間隔P2が600nmである場合に、「第2方向」の直線偏光光の入射光による結果と等価である。
5.2.実験例1
図13は、反射率特性の波長依存性を示すグラフである。本実験例で用いたモデルは、間隔P1および間隔P2をそれぞれ、300nmおよび600nmとしたものである。そして、第1方向の直線偏光光を照射した場合と、第2方向の直線偏光光を照射した場合とをプロットした。
その結果、第1方向の直線偏光光による反射率のプロファイル(X300Y600)は、620nm近傍に極小を有する形状であり、第2方向の直線偏光光による反射率のプロファイル(X600Y300)は、610nm近傍および670nm近傍に2つの極小を有する形状であった。
このような現象は、間隔P1および間隔P2の長さが互いに異なることにより、金属粒子(Ag粒子)の配置が第1方向および第2方向に対して異方性を有するため、光学的特性(反射率特性)においても異方性を示した結果であると考えられるが、以下のようにより詳細な検討を行った。以下は、実験結果である。
上述の通り、LSPとPSPとが直交する関係にあると、反射率の極小は1ピークとなり、LSPとPSPとが平行の関係にあると、反射率の極小は2ピークとなることを以下に検証した。
発明者らは1ピークと2ピークになる理由を鋭意検討した結果、局在型プラズモンLSPは励起光の偏光方向に励起されるが、伝播型プラズモンPSPは励起光の偏光方向に影響されず、金属層10の表面に全方位に走ることを確認した。全方位にPSPが起きるため、式(3)を満足するピッチで金属粒子20が配置された方向に強いPSPが立つことが分かった。
つまり、X300Y600モデルは、LSPのベクトルをLSP、PSPのベクトルをPSPと表記した時、LSPとPSPとが直交する関係にあることが分かった。図3を用いて説明すると、励起方向は第1方向とし、P1=300nm、P2=600nmとすると、LSPは第1方向、PSPは第2方向に立っていた。つまり、LSPとPSPとが直交関係にある。このことから、X300Y600モデルは、LSPとPSPとが直交関係にあり、図13のように反射率の極小は1ピークとなることが判明した。
一方、X600Y300モデルは、LSPとPSPとが平行の関係にあることが判明した。図3を用いて説明すると、励起方向は第2方向とし、P1=300nm、P2=600nmとすると、LSPは励起光の偏光方向に立つので第2方向となり、PSPは式(3)を満足する第2方向に立っていた。つまり、LSPとPSPとが平行の関係にある。したがって、LSPとPSPとが平行の関係にあり、図13のように反射率極小は2ピークとなることが判明した。
図14は、図13のグラフにおける縦軸(反射率)をECS(Extinction Cross Section)に換算してプロットしたものである。既に述べたが、このECSの値の大きい波長領域において、ラマン散乱光が大きく増幅される。
図14のグラフをみると、第1方向に直線偏光した光のみを用いる場合には、570nm付近から660nm付近でのラマン散乱光の増強が期待できるが、第2方向に直線偏光した光をあわせて用いれば、2つの増強度プロファイルの加算により、550nm付近から700nm付近までラマン散乱光の増強を期待できることが理解される。
5.3.実験例2
図15は、ECSの波長依存性を示すグラフである。本実験例で用いたモデルは、間隔P1および間隔P2を、120nm、600nm、660nmおよび720nmの組合わせとしたものである。そして、第1方向に直線偏光した光を照射した場合と、第2方向に直線偏光した光を照射した場合とをプロットした。また、図中波線で示したプロットは、間隔P1および間隔P2を、いずれも600nmとした異方性のないモデルの結果を示している。
図15をみると、X600Y600のECSに対して、X120Y600およびX600Y120のECSは、ECSのピーク値は小さいものの、ECSを有する帯域が広くなっていることがわかる。すなわち、間隔P1および間隔P2をそれぞれ120nmおよび600nmと設定した場合には、第1方向の直線偏光と、第2方向の直線偏光とに、入射光の偏光方向を90度変えて2回測定することによって、広い帯域で高い増強度を得ることができることがわかる。これに対して間隔P1および間隔P2をいずれも600nmと設定し、異方性を有さない場合には、測定の積算回数を増した(例えば2回以上測定した)としても比較的狭い帯域において高い増強度が得られるに過ぎないことが理解できる。
また、図15のグラフから、Y120に固定した場合に、Xの値が大きくなるほど、長波長側のECSのピークがより長波長側へシフトすることがわかる。すなわち、第2方向に直線偏光した場合に、間隔P1を120nmに固定し、間隔P2を600nm、660nmおよび720nmと増加させることにより、増強度が得られる帯域を、より長波長側にシフトさせることができることが判明した。したがって増強度が必要な帯域が長波長側にある場合には、間隔P2を変化させることにより、その帯域において増強度が得られるように金属粒子の配置を設定できることが判明した。
5.4.実験例3
本実験例では、実験例2と同様にして、X300Y300、X300Y600およびX600Y300についてECSの挙動を調べた。図16は、ECSの波長依存性を示すグラフである。図中波線で示したプロットは、間隔P1および間隔P2を、いずれも300nmとした異方性のないモデルの結果を示している。
図16をみると、X300Y300のECSに対して、X300Y600およびX600Y300のECSは、ECSのピーク値も大きく、ECSを有する帯域も広くなっていることがわかる。すなわち、間隔P1および間隔P2をそれぞれ300nmおよび600nmと設定した場合には、実験例2と同様に、第1方向の直線偏光光と、第2方向の直線偏光光とに、入射光の偏光方向を90度変えて2回測定することによって、広い帯域で高い増強度を得ることができることが判明した。
5.5.実験例4
本実験例では、実験例2と同様にして、X660Y660、X660Y120およびX120Y660についてECSの挙動を調べた。図17は、ECSの波長依存性を示すグラフである。図中波線で示したプロットは、間隔P1および間隔P2を、いずれも660nmとした異方性のないモデルの結果を示している。
図17をみると、X660Y660のECSに対して、X120Y660およびX660Y120のECSは、ECSのピーク値は小さいものの、ECSを有する帯域が広くなっていることがわかる。すなわち、間隔P1および間隔P2をそれぞれ120nmおよび660nmと設定した場合には、実験例2と同様に、第1方向の直線偏光光と、第2方向の直線偏光光とに、入射光の偏光方向を90度変えて2回測定することによって、広い帯域で高い増強度を得ることができることが判明した。
5.6.実験例5
本実験例では、金属粒子列21が2つの列22からなる場合のECSの挙動を調べた。この例では、金属粒子列21は、2つの列22から構成され、同一の列22の隣合う2つの金属粒子20を結ぶ第2方向の線と、隣合う列22に属する金属粒子20で最も近接する金属粒子20を結ぶ線とがなす角は90度とした。また、隣合う列22の間隔P3は、120nmとした。
図18は、ECSの波長依存性を示すグラフである。金属粒子列21が2つの列22からなるものには、図中「2lines」と付した。図18をみると、第1方向および第2方向の直線偏光光の入射光のいずれの場合であっても、金属粒子列21を2つの列22で構成した場合には、増強度の大きい帯域が広がることが判明した。
一方、図18から、金属粒子列21を2つの列22で構成した場合は、金属粒子列21を1つの列とした場合よりも、最大増強度は小さくなることが判明した。図18のグラフでは、単位粒子数あたりの面積で規格化しているためにこのような結果となったと考えられる。しかし、金属粒子の配置の密度は、金属粒子列21を2つの列22で構成した場合は、金属粒子列21を1つの列とした場合の2倍となるため、ごく微量の物質の検出にこのモデルに従った光学素子を用いると、当該物質と金属粒子との出会いの確率が2倍となり、検出の感度をこの点で増大させることができると考えられる。
5.7.実験例6
1つの円偏光光は、互いに直交し振幅が等しく位相がπ/2だけずれている2つの直線偏光光に分解することができる。つまり、入射光を円偏光光とし、ラマン散乱信号を取得するということは、第1方向の直線偏光光のラマン散乱光と第2方向の直線偏光光のラマン散乱光を同時に取得することを含むことになる。
本実験例の計算に用いたモデルは、いずれも、光が透過しない程度に十分厚いAu(金属層)上に透光層(SiO)膜を形成したものである。透光層の厚みは、60nmに固定した。透光層の上に配置される金属粒子はAgとし、透光層の厚さ方向を中心軸とする円柱とし、円柱の大きさ(底面の直径)を32nm、高さを4nmとした。
本実験例で用いたモデルは、間隔P1および間隔P2をそれぞれ、60nmおよび180nmとしたものである。そして、第1方向の直線偏光光を照射した場合(X60Y180)と、第2方向の直線偏光光を照射した場合(X180Y60)と、第1方向から第2方向に向って30度傾く方向と同じ方向の直線偏光光を照射した場合(30deg)と、第1方向から第2方向に向って60度傾く方向と同じ方向の直線偏光光を照射した場合(60deg)とを図19のグラフにプロットした。
図19を見ると、斜め方向に直線偏光した入射光の場合(30deg、60deg)のECSは、第1方向および第2方向の直線偏光光の入射光の場合(X60Y180、X180Y60)のECSの中間に位置することがわかる。
このことから、円偏光光を入射光として入射すると、入射光の直線偏光光の方向を0度〜90度回転した場合の、ECSの波長依存性を一度に使うことができる、ということが理解される。これにより、円偏光光による1回のラマン散乱測定は、第1方向の直線偏光光におけるラマン散乱測定、および第2方向の直線偏光光におけるラマン散乱測定を2度行う場合と、ほぼ同義のデータが得られることが判明した。
5.8.実験例7
本実験例では、アセトンのラマン散乱光の増強について例示する。
ラマン散乱光のシフト量(cm−1)は、励起光の波長をλ、散乱光の波長をλとした場合に、1/λ−1/λで与えられる。アセトンは、787cm−1、1708cm−1、2921cm−1にラマン散乱シフトを起こすことが知られている。
励起波長を600nmとすると、ラマン散乱後の波長は、それぞれ630nm、669nm、728nmとなる。
この値と図15のグラフにおける、X600Y600、X120Y600、X600Y120の各モデルのECSを用いて、ラマン散乱光の増幅度プロファイルを図20に示す。図20には、励起光の波長600nmの補助線と、各ラマン散乱光の波長(630nm、669nm、728nm)の補助線を描いた。
ラマン散乱光の強度は、入射光の波長におけるECSと散乱光の波長におけるECSの積で表される。図20の各モデルのプロットから、波長600nm、630nm、669nm、728nmのそれぞれの位置のECSを読取った結果を以下の表1にまとめた。
表1をみると、X600Y600のモデルでは、669nmのラマン散乱光が大きく増強されるものの、728nmのラマン散乱光は増強されないことがわかる。一方、X120Y600のモデルでは、630nmのラマン散乱光の増強がX600Y600のモデルの2倍近くあり、669nmのラマン散乱光の増強もX600Y600のモデルの1/10程度となった。また、X600Y120のモデルでは、630nmのラマン散乱光の増強がないものの、669nmのラマン散乱光の増強がX600Y600のモデルの2倍近くあり、しかも728nmのラマン散乱光の増強も認められた。
これらのことから、例えば、間隔P1が120nmで間隔P2が600nmである場合のように、金属粒子が異方性を有する配置となっている場合には、励起光の偏光の方向を90度変えてそれぞれラマン散乱光を増強させることにより、幅広い帯域のラマン散乱光を増強できること、および、異方性を有さない配置の場合(例えば間隔P1および間隔P2がともに600nmである場合)に比較して、ラマン散乱光の全体の増強度も大幅に高くすることができることが判明した。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…基板、10…金属層、20…金属粒子、21…金属粒子列、22…列、30…透光層、100,200…光学素子、300…光源、400…検出器、1000…分析装置、2000…電子機器、2010…演算部、2020…記憶部、2030…表示部、P1,P2,P3…間隔

Claims (20)

  1. 金属層と、前記金属層上に設けられ且つ光を透光する透光層と、前記透光層上に第1方向に第1の間隔をもって配列されるとともに前記第1方向に交差する第2方向に第2の間隔をもって配列される複数の金属粒子と、を含む光学素子と、
    前記光学素子に入射する入射光を照射する光源と、
    前記光学素子から放射される光を検出する検出器と、
    を備え、
    前記光学素子の前記金属粒子の配置は、下記式(1)の関係を満たし、
    前記光学素子に、前記第1方向と同じ方向の直線偏光光および前記第2方向と同じ方向の直線偏光光が照射される、分析装置。
    P1<P2 ・・・(1)
    [ここで、P1は、前記第1の間隔を表し、P2は、前記第2の間隔を表す。]
  2. 金属層と、前記金属層上に設けられ且つ光を透光する透光層と、前記透光層上に第1方向に第1の間隔をもって配列されるとともに前記第1方向に交差する第2方向に第2の間隔をもって配列される複数の金属粒子と、を含む光学素子と、
    前記光学素子に入射する入射光を照射する光源と、
    前記光学素子から放射される光を検出する検出器と、
    を備え、
    前記光学素子の前記金属粒子の配置は、下記式(1)の関係を満たし、
    前記光学素子に、円偏光光が照射される、分析装置。
    P1<P2 ・・・(1)
    [ここで、P1は、前記第1の間隔を表し、P2は、前記第2の間隔を表す。]
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記光学素子の前記金属粒子の配置は、下記式(2)の関係を満たす、分析装置。
    P1<P2≦Q+P1 ・・・(2)
    [ここで、Qは、前記金属粒子列に励起される局在型プラズモンの角振動数をω、前記金属層を構成する金属の誘電率をε(ω)、前記金属層の周辺の誘電率をε、真空中の光速をc、前記入射光の照射角であって前記透光層の厚さ方向からの傾斜角をθ、として、下記式(3)で与えられる。]
    (ω/c)・{ε・ε(ω)/(ε+ε(ω))}1/2=(ω/c)・ε1/2・sinθ+2mπ/Q (m=±1,±2,,) ・・・(3)
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかにおいて、
    前記検出器は、前記光学素子によって増強されたラマン散乱光を検出する、分析装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
    前記光源は、前記光学素子に、前記金属粒子の、前記透光層の厚さ方向の大きさ、および、前記金属粒子の前記第2方向の大きさよりも、大きい波長を有する前記入射光を照射する、分析装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、
    前記間隔P1および前記間隔P2は、120nm以上720nm以下である、分析装置。
  7. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、
    前記間隔P1および前記間隔P2は、60nm以上180nm以下である、分析装置。
  8. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、
    前記透光層を二酸化ケイ素としたとき、前記透光層の厚みを20nm以上60nm以下又は200nm以上300nm以下とする、分析装置。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、
    前記光源は、前記間隔P1よりも長い波長の光を照射する、分析装置。
  10. 光学素子に光を照射し、前記光の照射に応じて前記光学素子から放射される光を検出して対象物を分析する分析方法であって、
    前記光学素子は、金属層と、前記金属層上に設けられ且つ光を透光する透光層と、前記透光層上に第1方向に第1の間隔をもって配列されるとともに前記第1方向に交差する第2方向に第2の間隔をもって配列される複数の金属粒子と、を含み、
    前記光学素子の前記金属粒子は、下記式(1)の関係を満たすように配置され、
    前記光学素子に前記第1方向と同じ方向の直線偏光光および前記第2方向と同じ方向の直線偏光光を照射する、分析方法。
    P1<P2 ・・・(1)
    [ここで、P1は、前記第1の間隔を表し。P2は、前記第2の間隔を表す。]
  11. 光学素子に光を照射し、前記光の照射に応じて前記光学素子から放射される光を検出して対象物を分析する分析方法であって、
    前記光学素子は、金属層と、前記金属層上に設けられ且つ光を透光する透光層と、前記透光層上に第1方向に第1の間隔をもって配列されるとともに前記第1方向に交差する第2方向に第2の間隔をもって配列される複数の金属粒子と、を含み、
    前記光学素子の前記金属粒子は、下記式(1)の関係を満たすように配置され、
    前記光学素子に円偏光光を照射する、分析方法。
    P1<P2 ・・・(1)
    [ここで、P1は、前記第1の間隔を表し、P2は、前記第2の間隔を表す。]
  12. 請求項10または請求項11において、
    前記光学素子の前記金属粒子は、下記式(2)の関係を満たすように配置された、分析方法。
    P1<P2≦Q+P1 ・・・(2)
    [ここで、Qは、前記金属粒子列に励起される局在型プラズモンの角振動数をω、前記金属層を構成する金属の誘電率をε(ω)、前記金属層の周辺の誘電率をε、真空中の光速をc、前記入射光の照射角であって前記透光層の厚さ方向からの傾斜角をθ、として、下記式(3)で与えられる。]
    (ω/c)・{ε・ε(ω)/(ε+ε(ω))}1/2=(ω/c)・ε1/2・sinθ+2mπ/Q (m=±1,±2,,) ・・・(3)
  13. 請求項10ないし請求項12のいずれかにおいて、
    前記検出器は、前記光学素子によって増強されたラマン散乱光を検出する、分析方法。
  14. 請求項13において、
    前記光学素子の増強度プロファイルが、前記ラマン散乱光の波長に対応するように、前記間隔P1および前記間隔P2の少なくとも一方を調整する、分析方法。
  15. 金属層と、前記金属層上に設けられ且つ光を透光する透光層と、前記透光層上に第1方向に第1の間隔をもって配列されるとともに前記第1方向に交差する第2方向に第2の間隔をもって配列される複数の金属粒子と、を含み、
    前記光学素子の前記金属粒子は、下記式(1)の関係を満たすように配置され、
    前記第1の直線偏光光および前記第2方向の直線偏光光が照射されてラマン散乱光を増強する、光学素子。
    P1<P2 ・・・(1)
    [ここで、P1は、前記第1の間隔を表し、P2は、前記第2の間隔を表す。]
  16. 金属層と、前記金属層上に設けられ且つ光を透光する透光層と、前記透光層上に第1方向に第1の間隔をもって配列されるとともに前記第1方向に交差する第2方向に第2の間隔をもって配列される複数の金属粒子と、を含み、
    前記光学素子の前記金属粒子は、下記式(1)の関係を満たすように配置され、
    円偏光光が照射されてラマン散乱光を増強する、光学素子。
    P1<P2 ・・・(1)
    [ここで、P1は、前記第1の間隔を表し、P2は、前記第2の間隔を表す。]
  17. 請求項15または請求項16において、
    前記光学素子の前記金属粒子は、下記式(2)の関係を満たすように配置された、光学素子。
    P1<P2≦Q+P1・・・(2)
    [ここで、Qは、前記金属粒子列に励起される局在型プラズモンの角振動数をω、前記金属層を構成する金属の誘電率をε(ω)、前記金属層の周辺の誘電率をε、真空中の光速をc、前記入射光の照射角であって前記透光層の厚さ方向からの傾斜角をθ、として、下記式(3)で与えられる。]
    (ω/c)・{ε・ε(ω)/(ε+ε(ω))}1/2=(ω/c)・ε1/2・sinθ+2mπ/Q (m=±1,±2,,) ・・・(3)
  18. 金属層と、前記金属層上に設けられ且つ光を透光する透光層と、前記透光層上に第1方向に間隔P1をもって配列されるとともに前記第1方向に交差する第2方向に間隔P2をもって配列される複数の金属粒子と、を含む光学素子の設計方法であって、
    前記光学素子の増強度プロファイルが、対象物のラマン散乱光の波長および励起光の波長に対応するように、前記間隔P1および前記間隔P2の少なくとも一方を調節する、設計方法。
  19. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の分析装置と、前記検出器からの検出情報に基づいて健康医療情報を演算する演算部と、前記健康医療情報を記憶する記憶部と、前記健康医療情報を表示する表示部と、を備えた電子機器。
  20. 請求項19において、前記健康医療情報は、細菌、ウィルス、タンパク質、核酸、および抗原・抗体からなる群より選択される少なくとも1種の生体関連物質、または、無機分子および有機分子から選択される少なくとも1種の化合物の、有無若しくは量に関する情報を含む、電子機器。
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