WO2016125614A1 - 検出方法、検出装置およびチップ - Google Patents

検出方法、検出装置およびチップ Download PDF

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  • FIG. 4 is a flowchart illustrating an example of an operation procedure of the SPFS apparatus 100.
  • the first primary antibody as the first capturing body and the second primary antibody as the second capturing body are immobilized in the same region on the metal film 14.
  • the 1st secondary antibody labeled with the 1st fluorescent substance and the 2nd secondary antibody labeled with the 2nd fluorescent substance are used as a capturing body used for a fluorescent label.
  • the first detected substance in the specimen is reacted with the first primary antibody, and the second detected substance and the second primary antibody are reacted (primary reaction, step S140).
  • a specimen is provided on the metal film 14, and the specimen is brought into contact with the first primary antibody and the second primary antibody.
  • the first substance to be detected is present in the sample, at least a part of the first substance to be detected binds to the first primary antibody.
  • the second substance to be detected is present in the sample, at least a part of the second substance to be detected binds to the second primary antibody.
  • the metal film 14 is washed with a buffer solution or the like to remove substances that have not bound to the first primary antibody or the second primary antibody.

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Abstract

 検出方法は、複数の凸部が、第1の方向に第1のピッチで配列され、第1の方向に交差する第2の方向に第2のピッチで配列された回折格子を形成された金属膜と、回折格子の同一領域に固定された複数種類の捕捉体とを有するチップの回折格子に検体を提供して、複数の被検出物質を捕捉体に結合させる。次いで、複数の被検出物質を複数の蛍光物質でそれぞれ標識させる。次いで、平面視したときに第1の方向となるように、回折格子に第1波長の励起光を照射し、被検出物質を標識した蛍光物質から放出された蛍光を検出することで被検出物質を検出する。次いで、平面視したときに第2の方向となるように、回折格子に第2波長の励起光を照射し、他の被検出物質を標識した他の蛍光物質から放出された蛍光を検出することで他の被検出物質を検出する。

Description

検出方法、検出装置およびチップ
 本発明は、表面プラズモン共鳴を利用して検体に含まれる2種類の被検出物質を検出する検出方法および検出装置、ならびに前記検出方法および検出装置において使用されうるチップに関する。
 臨床検査などにおいて、タンパク質やDNAなどの微量の被検出物質を高感度かつ定量的に検出することができれば、患者の状態を迅速に把握して治療を行うことが可能となる。このため、微量の被検出物質を高感度かつ定量的に検出できる方法が求められている。被検出物質を高感度に検出できる方法として、表面プラズモン共鳴(Surface plasmon resonance:以下「SPR」ともいう)を利用する検出方法が知られている(例えば、特許文献1~3参照)。
 特許文献1に記載の検出方法では、基板と、基板上に配置された金属膜と、金属膜上の複数の領域にそれぞれ形成された複数の回折格子とを有するチップを使用する。複数の回折格子は、それぞれピッチの異なる複数のスリットを有している。各回折格子には、複数種類の被検出物質を捕捉するための複数種類の捕捉体がそれぞれ配置されている。そして、特許文献1に記載の検出方法では、複数種類の被検出物質をチップに固定された対応する複数種類の捕捉体にそれぞれ結合させる。次いで、各被検出物質を励起波長の異なる対応する蛍光物質で蛍光標識させる。次いで、表面プラズモン共鳴が生じるように、波長の異なる励起光を、チップを移動させてそれぞれの領域に照射する。そして、各領域で生じた蛍光を検出部で検出することで、複数種類の被検出物質を検出している。
 また、特許文献2に記載の検出方法では、基板と、基板上に配置された金属膜と、金属膜上に形成され、ピッチが異なる複数の回折格子が周方向に形成された平面視形状が円形のチップを使用する。そして、特許文献2に記載の検出方法では、複数種類の被検出物質を各回折格子にそれぞれ固定させる。次いで、表面プラズモン共鳴が生じるように複数種類の励起光を、チップを移動させてそれぞれの回折格子に照射する。そして、各回折格子で生じたラマン散乱光を検出部で検出することで、複数種類の被検出物質を検出している。
 さらに、特許文献3に記載の検出方法では、基体と、基体上に配置された金属膜と、金属膜上の複数の領域にそれぞれ形成された複数の回折格子とを有するチップを使用する。複数の回折格子は、それぞれピッチの異なる複数の溝を有している。各回折格子には、複数種類の被検出物質を捕捉するための複数種類の捕捉体がスポット状にそれぞれ配置されている。そして、特許文献3に記載の検出方法では、表面プラズモン共鳴が生じるように単一の光源から全スポットに対して単一の波長の入射光を照射する。そして、入射光の反射光を検出部で検出することで、数種類の被検出物質を同時に検出している。
特表2007-501391号公報 国際公開第2009/119391号 特開2003-121350号公報
 特許文献1、2に記載の検出方法では、チップまたは検出部を金属膜の面方向に高精度に移動させる必要がある。また、被検出物質の検出条件によっては、チップまたは検出部を平面方向に垂直な方向に高精度で移動する必要がある。
 また、特許文献1~3に記載の検出方法で使用されるチップは、複数の回折格子を金属膜上にそれぞれ形成しているため大きい。
 このように、特許文献1、2に記載の検出方法では、チップまたは検出部を平面方向および平面方向に垂直な方向に高精度で移動する必要があるため、検出装置が大型化してしまうという問題があった。一方、高精度にチップまたは検出部を移動できない場合には、被検出物質の検出精度が低下してしまう問題があった。また、金属膜に複数の回折格子を形成しているため大型化するとともに、大量の検体が必要であった。
 本発明の目的は、装置を小型化しつつ、少量の検体で複数の被検出物質を検出することができる検出方法および検出装置を提供することである。また、本発明の別の目的は、当該検出方法および当該検出装置にも使用することができるチップを提供することである。
 上記課題を解決するため、本発明の一実施の形態に係る検出方法は、第1被検出物質を標識する第1蛍光物質と第2被検出物質を標識する第2蛍光物質とが、表面プラズモン共鳴に基づく局在場光により励起されてそれぞれ放出した蛍光を検出して、検体に含まれる前記第1被検出物質および前記第2被検出物質を検出する検出方法であって、複数の凸部が、第1の方向について第1のピッチで配列され、前記第1の方向に交差する第2の方向について第1のピッチと異なる第2のピッチで配列された回折格子を形成された金属膜と、前記回折格子に固定され、前記第1被検出物質を捕捉するための第1捕捉体と、前記回折格子の前記第1捕捉体が固定されている領域に固定され、前記第2被検出物質を捕捉するための第2捕捉体とを有するチップの前記回折格子に前記検体を提供して、前記第1捕捉体と前記第1被検出物質とを結合させ、かつ前記第2捕捉体と前記第2被検出物質とを結合させる工程と、前記回折格子の前記第1捕捉体および前記第2捕捉体が固定されている領域に前記第1蛍光物質を提供して、前記第1被検出物質を前記第1蛍光物質で標識させる工程と、前記回折格子の前記第1捕捉体および前記第2捕捉体が固定されている領域に前記第2蛍光物質を提供して、前記第2被検出物質を前記第2蛍光物質で標識させる工程と、平面視したときにその光軸が前記第1の方向に沿うように、前記回折格子の前記第1捕捉体および前記第2捕捉体が固定されている領域に第1波長の励起光を照射し、前記第1被検出物質を標識した前記第1蛍光物質から放出された蛍光を検出することで前記第1被検出物質を検出する工程と、平面視したときにその光軸が前記第2の方向に沿うように、前記回折格子の前記第1捕捉体および前記第2捕捉体が固定されている領域に前記第1波長と異なる第2波長の励起光を照射し、前記第2被検出物質を標識した前記第2蛍光物質から放出された蛍光を検出することで前記第2被検出物質を検出する工程とを有する。
 また、上記課題を解決するため、本発明の一実施の形態に係る検出装置は、第1被検出物質を標識する第1蛍光物質と第2被検出物質を標識する第2蛍光物質とが、表面プラズモン共鳴に基づく局在場光により励起されてそれぞれ放出した蛍光を検出して、検体に含まれる前記第1被検出物質および前記第2被検出物質を検出する検出装置であって、前記第1被検出物質を捕捉するための第1捕捉体と前記第2被検出物質を捕捉するための第2捕捉体とを有するチップを保持するチップホルダーと、前記チップの同じ位置に対して、第1波長の励起光および前記第1波長と異なる第2波長の励起光を照射する光照射部と、前記第1波長の励起光によって前記第1被検出物質を標識した前記第1蛍光物質から放出された蛍光と、前記第2波長の励起光によって前記第2被検出物質を標識した前記第2蛍光物質から放出された蛍光とをそれぞれ検出する光検出部と、を有し、前記光検出部は、前記光照射部が、平面視したときにその光軸が前記チップの表面における第1の方向に沿うように、前記チップに前記第1波長の励起光を照射したときに、前記第1蛍光物質から放出された蛍光を検出し、前記光照射部が、平面視したときにその光軸が前記第1の方向に交差する前記チップの表面における第2の方向に沿うように、前記チップに前記第2波長の励起光を照射したときに、前記第2蛍光物質から放出された蛍光を検出する。
 さらに、上記課題を解決するため、本発明の一実施の形態に係るチップは、被検出物質を標識する蛍光物質が表面プラズモン共鳴に基づく局在場光により励起されて放出した蛍光を検出して、検体に含まれる被検出物質を検出するためのチップであって、複数の凸部が、第1の方向について第1のピッチで配列され、前記第1の方向に交差する第2の方向について第1のピッチと異なる第2のピッチで配列された回折格子を形成された金属膜を有し、前記第1のピッチは、平面視したときにその光軸が前記第1の方向に沿うように第1波長の励起光を前記回折格子に照射したときに、以下の式(1)を満たし、前記第2のピッチは、平面視したときにその光軸が前記第2の方向に沿うように前記第1波長と異なる第2波長の励起光を前記回折格子に照射したときに、以下の式(2)を満たす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000003
 [上記式(1)において、ω1は、第1波長の励起光の角周波数であり、cは、光の速度であり、ε1は、前記金属膜に面する媒質の誘電率であり、ε2は、前記金属膜の誘電率であり、k01は、第1波長の励起光の波数であり、θ1は、第1波長の励起光の前記金属膜に対する入射角であり、mは、任意の整数であり、λ1は、前記第1のピッチである。]
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000004
 [上記式(2)において、ω2は、第2波長の励起光の角周波数であり、cは、光の速度であり、ε1は、前記金属膜に面する媒質の誘電率であり、ε2は、前記金属膜の誘電率であり、k02は、第2波長の励起光の波数であり、θ2は、第2波長の励起光の前記金属膜に対する入射角であり、mは、任意の整数であり、λ2は、前記第2のピッチである。]
 本発明によれば、装置を大型化することなく、同一の場所に励起光を照射して複数の被検出物質を高感度に検出することができる。
図1は、実施の形態1に係るSPFS装置の構成を示す模式図である。 図2は、チップの回折格子の部分拡大斜視図である。 図3A、Bは、チップの断面図である。 図4は、実施の形態1に係るSPFS装置の動作を示すフローチャートである。 図5は、実施の形態2に係るSPFS装置の構成を示す模式図である。 図6は、実施の形態2に係るSPFS装置の動作を示すフローチャートである。 図7は、回折格子の他の形態を示す斜視図である。 図8は、回折格子の他の形態を示す平面図である。
 以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
 [実施の形態1]
 図1は、本発明の実施の形態1に係る表面プラズモン励起増強蛍光分析装置(SPFS装置)100の構成を示す模式図(平面図)である。なお、図1では、回折格子16の構成を明確にするため、凸部18を拡大して示している。
 図1に示されるように、SPFS装置(検出装置)100は、チップホルダー110、光照射部120、光検出部130および制御部140を有する。SPFS装置100は、チップホルダー110に回折格子16を有するチップ10を装着した状態で使用される。そこで、チップ10について先に説明し、その後にSPFS装置100の各構成要素について説明する。
 (チップの構成)
 図2は、チップ10の回折格子16の部分拡大斜視図である。図3Aは、チップ10の断面図であり、図3Bは、チップ10の他の形態であるチップ20の断面図である。なお、図2では、基板12および金属膜14の断面を示すハッチングを省略している。
 図2に示されるように、チップ10は、基板12および金属膜14を有する。金属膜14には、回折格子16が形成されている。回折格子16の同じ領域には第1捕捉体(例えば第1の1次抗体)および第2捕捉体(例えば第2の1次抗体)が固定化されており、この領域は、第1捕捉体と第1被検出物質とが結合するとともに、第2捕捉体と第2被検出物質とが結合するための反応場としても機能する。なお、図2では、第1捕捉体、第2捕捉体、第1被検出物質および第2被検出物質を省略している。通常、チップ10は、検出ごとに交換される。
 基板12は、金属膜14の支持部材である。基板12の材料は、金属膜14を支持できる機械的強度を有するものであれば特に限定されない。基板12の材料の例には、ガラスや石英、シリコンなどの無機材料、ポリメタクリル酸メチルやポリカーボネート、ポリスチレン、ポリオレフィンなどの樹脂が含まれる。
 金属膜14は、基板12上に配置されている。前述のとおり、金属膜14には、回折格子16が形成されている。金属膜14に光を照射すると、金属膜14中に生じる表面プラズモンと、回折格子16により生じるエバネッセント波とが結合して、表面プラズモン共鳴が生じる。
 金属膜14の材料は、表面プラズモン共鳴を生じさせうる金属であれば特に限定されない。金属膜14の材料の例には、金、銀、銅、アルミ、これらの合金が含まれる。本実施の形態では、金属膜14は、金薄膜である。金属膜14の形成方法は、特に限定されない。金属膜14の形成方法の例には、スパッタリング、蒸着、メッキが含まれる。金属膜14の厚みは、特に限定されないが、30~70nmの範囲内が好ましい。
 金属膜14(反応場)には、第1被検出物質を捕捉するための第1捕捉体と、第2被検出物質を捕捉するための第2捕捉体とが固定されている。第1捕捉体は、第1被検出物質に特異的に結合する。また、第2捕捉体は、第2被検出物質に特異的に結合する。本実施の形態では、金属膜14の同じ領域に、第1捕捉体および第2捕捉体が略均一に固定化されている。第1捕捉体および第2捕捉体の種類は、被検出物質を捕捉することができれば特に限定されない。たとえば、第1捕捉体および第2捕捉体は、第1被検出物質および第2被検出物質にそれぞれ特異的な抗体(第1の1次抗体および第2の1次抗体)またはその断片、第1被検出物質および第2被検出物質にそれぞれ特異的に結合可能な酵素などである。
 第1捕捉体および第2捕捉体の固定化方法は、特に限定されない。たとえば、金属膜14の上に、第1捕捉体および第2捕捉体を結合させた自己組織化単分子膜(以下「SAM」という)または高分子膜を形成すればよい。SAMの例には、HOOC-(CH211-SHなどの置換脂肪族チオールで形成された膜が含まれる。高分子膜を構成する材料の例には、ポリエチレングリコールおよびMPCポリマーが含まれる。また、第1捕捉体および第2捕捉体に結合可能な反応性基(または反応性基に変換可能な官能基)を有する高分子を金属膜14に固定化し、この高分子に第1捕捉体および第2捕捉体を結合させてもよい。
 図2に示されるように、回折格子16は、複数の凸部18を有する。回折格子16は、金属膜14に光を照射された時に、エバネッセント波を生じさせる。複数の凸部18は、第1の方向について第1のピッチλ1で配列されている。また、複数の凸部18は、第1の方向に交差する第2の方向について、第1のピッチλ1と異なる第2のピッチλ2で配列されている。ここで、「第1のピッチλ1」とは、第1の方向における回折格子16の繰り返し単位の長さをいう。また、「第2のピッチλ2」とは、第2の方向における回折格子16の繰り返し単位の長さをいう。第1のピッチλ1と、第2のピッチλ2とは、それぞれ100~2000nmの範囲内であることが好ましい。
 凸部18の平面視形状は、特に限定されない。本実施の形態では、凸部18の平面視形状は、長方形である。また、本実施の形態では、平面視したときの各凸部18の大きさは、すべて同じである。
 第1の方向(図2のx方向)と、第2の方向(図2のy方向)とは、平面視したときに、第1の方向に沿う第1仮想直線L1と、第2の方向に沿う第2仮想直線L2とが交差するように設定される。また、第1仮想直線L1と、第2仮想直線L2とのなす角度は、特に限定されない。本実施の形態では、第1仮想直線L1と、第2仮想直線L2とのなす角度θは、90°である。
 また、第1の方向における凸部18間の凹部に対する凸部18の第1高さh1は、全て同じ高さである。また、第2の方向における凸部18間の凹部に対する凸部18の第2高さh2は、全て同じ高さである。さらに、第1高さh1と、第2高さh2とは、同じ高さであってもよいし、異なる高さであってもよい。本実施の形態では、第1高さh1と、第2高さh2とは、同じ高さである。また、第1高さh1と、第2高さh2とは、10~1000nmの範囲であることが好ましい。
 回折格子16の形成方法は、特に限定されない。たとえば、平板状の基板12の上に金属膜14を形成した後、金属膜14に凹凸形状を付与してもよい。また、予め凹凸形状を付与された基板12の上に、金属膜14を形成してもよい。いずれの方法であっても、回折格子16を含む金属膜14を形成することができる。
 回折格子16は、使用時には、反応や洗浄などの操作のために緩衝液などの液体に接触する。したがって、通常は、回折格子16は、液体を収容可能な空間に配置される。たとえば、回折格子16は、図3Aに示されるように、液体を収容するウェルの内表面(例えば底面)に配置されてもよいし、図3Bに示されるように、液体を連続して供給されうる流路(フローセル)の内表面(例えば底面)に配置されてもよい。
 ここで、回折格子16に光(励起光)を照射したときにプラズモン共鳴が起こるための条件について説明する。
 2種類の媒質の界面において、励起される表面プラズモンの波数kspは、以下の式(1)で表すことができる。なお、以下の式(1)において、ωは、励起光の角周波数であり、cは、光の速度であり、ε1は、媒質1(本実施の形態では水)の誘電率であり、ε2は、媒質2(本実施の形態では金属膜)の誘電率である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000005
 そして、励起される表面プラズモンの波数kspが回折格子16に対して、以下の式(2)を満たすときに表面プラズモン共鳴が起こる。なお、以下の式(2)において、k0は、励起光の波数であり、θは、励起光の入射角であり、λは、回折格子16の繰り返し単位の長さ(ピッチ)であり、mは、任意の整数である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000006
 よって、本実施の形態に係る回折格子16では、第1の方向において前述の式(1)および式(2)から導き出される以下の式(3)を満たすように第1のピッチλ1が設定され、第2の方向において前述の式(1)および式(2)から導き出される以下の式(4)を満たすように第2のピッチλ2が設定される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000007
 [上記式(3)において、ω1は、第1波長の第1励起光α1の角周波数であり、cは、光の速度であり、ε1は、金属膜14に面する媒質の誘電率であり、ε2は、金属膜14の誘電率であり、k01は、第1波長の第1励起光α1の波数であり、θ1は、第1波長の第1励起光α1の金属膜14に対する入射角であり、mは、任意の整数であり、λ1は、第1のピッチである。]
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000008
 [上記式(4)において、ω2は、第2波長の第2励起光α2の角周波数であり、cは、光の速度であり、ε1は、金属膜14に面する媒質の誘電率であり、ε2は、金属膜14の誘電率であり、k02は、第2波長の第2励起光α2の波数であり、θ2は、第2波長の第2励起光α2の金属膜14に対する入射角であり、mは、任意の整数であり、λ2は、第2のピッチである。]
 第1励起光α1は、平面視したときにその光軸が第1の方向に沿うように、金属膜14に全反射角度(表面プラズモン共鳴が生じる角度)で入射する。また、第2励起光α2は、平面視したときにその光軸が第2の方向に沿うように、金属膜14に全反射角度(表面プラズモン共鳴が生じる角度)で入射する。このとき、第1励起光α1および第2励起光α2は、同じ領域に入射する。このように金属膜14に対して第1励起光α1または第2励起光α2を表面プラズモン共鳴が生じる角度でそれぞれ照射することで、金属膜14上に局在場光(一般に「エバネッセント光」または「近接場光」とも呼ばれる)を発生させることができる。この局在場光により、金属膜14上に存在する第1被検出物質を標識する第1蛍光物質および第2被検出物質を標識する第2蛍光物質が励起され、第1蛍光γ1および第2蛍光γ2がそれぞれ放出される。SPFS装置100は、第1蛍光物質から放出された第1蛍光γ1および第2蛍光物質から放出された第2蛍光γ2の光量をそれぞれ検出することで、第1被検出物質および第2被検出物質の存在または量を検出する。
 (SPFS装置の構成)
 次に、SPFS装置100の各構成要素について説明する。前述のとおり、SPFS装置100は、チップホルダー110、光照射部120、光検出部130および制御部140を有する。
 チップホルダー110は、チップ10を保持する。チップホルダー110の形状は、チップ10を保持することができ、かつ第1励起光α1、第2励起光α2、第1蛍光γ1および第2蛍光γ2の光路を妨げなければ特に限定されない。本実施の形態では、チップホルダー110は、上面が開放された箱状に形成されている。チップ10は、チップホルダー110の内部に収容される。
 光照射部120は、チップホルダー110に保持されたチップ10(金属膜14の回折格子16)に第1励起光α1および第2励起光α2を出射する。第1蛍光γ1および第2蛍光γ2の測定時には、光照射部120は、金属膜14に対する入射角が表面プラズモン共鳴を生じさせる角度となるように、第1励起光α1および第2励起光α2を回折格子16の同じ領域に向けて出射する。ここで「第1励起光」とは、第1蛍光物質を直接または間接的に励起させる光である。たとえば、第1励起光α1は、回折格子16(金属膜14)に表面プラズモン共鳴が生じる角度で照射されたときに、後述の第1蛍光物質を励起させる局在場光を金属膜14の表面上に生じさせる光である。また、「第2励起光」とは、第2蛍光物質を直接または間接的に励起させる光である。たとえば、第2励起光α2は、回折格子16(金属膜14)に表面プラズモン共鳴が生じる角度で照射されたときに、後述の第2蛍光物質を励起させる局在場光を金属膜14の表面上に生じさせる光である。
 光照射部120は、第1光出射ユニット(第1光照射部)121および第2光出射ユニット(第2光照射部)122を有する。第1光出射ユニット121は、第1光源ユニット123、第1角度調整機構124および第1光源制御部125を含む。また、第2光出射ユニット122は、第2光源ユニット126、第2角度調整機構127および第2光源制御部128を含む。
 第1光源ユニット123は、コリメートされ、かつ波長および光量が一定の第1励起光α1を、金属膜14(回折格子16)における照射スポットの形状が略円形となるように出射する。第1光源ユニット123は、平面視したときに出射される光の光軸が第1の方向(図2のx方向)に沿うように配置されている。また、第2光源ユニット126は、コリメートされ、かつ波長および光量が一定の第2励起光α2を、金属膜14(回折格子16)における照射スポットの形状が略円形となるように出射する。第2光源ユニット126は、平面視したときに出射される光の光軸が第2の方向(図2のy方向)に沿うように配置されている。第1光源ユニット123は、例えば、第1励起光α1の光源、ビーム整形光学系、APC機構および温度調整機構(いずれも不図示)をそれぞれ含む。また、第2光源ユニット126は、例えば、第2励起光α2の光源、ビーム整形光学系、APC機構および温度調整機構(いずれも不図示)をそれぞれ含む。第1光源ユニット123から出射される第1励起光α1の第1波長と、第2光源ユニット126から出射される第2励起光α2の第2波長は、互いに異なるが、いずれも400~1000nmの範囲内であることが好ましい。
 光源の種類は、特に限定されず、例えばレーザーダイオード(LD)である。光源の他の例には、発光ダイオード、水銀灯、その他のレーザー光源が含まれる。光源から出射される光がビームでない場合は、光源から出射される光は、レンズや鏡、スリットなどによりビームに変換される。また、光源から出射される光が単色光でない場合は、光源から出射される光は、回折格子16などにより単色光に変換される。さらに、光源から出射される光が直線偏光でない場合は、光源から出射される光は、偏光子などにより直線偏光の光に変換される。
 ビーム整形光学系は、例えば、コリメーターやバンドパスフィルター、直線偏光フィルター、半波長板、スリット、ズーム手段などを含んでいてもよい。コリメーターは、光源から出射された第1励起光α1または第2励起光α2をコリメートする。バンドパスフィルターは、光源から出射された第1励起光α1または第2励起光α2を中心波長のみの狭帯域光にする。光源からの第1励起光α1および第2励起光α2は、若干の波長分布幅を有しているためである。直線偏光フィルターは、光源から出射された第1励起光α1または第2励起光α2を完全な直線偏光の光にする。半波長板は、金属膜14にP波成分が入射するように第1励起光α1または第2励起光α2の偏光方向を調整する。スリットおよびズーム手段は、金属膜14の裏面における照射スポットの形状が所定サイズの円形となるように、第1励起光α1または第2励起光α2のビーム径や輪郭形状などを調整する。APC機構は、光源の出力が一定となるように光源を制御する。より具体的には、APC機構は、第1励起光α1または第2励起光α2から分岐させた光の光量を不図示のフォトダイオードなどで検出する。そして、APC機構は、回帰回路で投入エネルギーを制御することで、光源の出力を一定に制御する。温度調整機構は、例えば、ヒーターやペルチェ素子などである。光源から出射される光の波長およびエネルギーは、温度によって変動することがある。このため、温度調整機構で光源の温度を一定に保つことにより、光源から出射される光の波長およびエネルギーを一定に制御する。
 第1角度調整機構124は、金属膜14の表面への第1励起光α1の入射角を調整する。第1角度調整機構124は、金属膜14表面の所定の位置に向けて所定の入射角で第1励起光α1を照射するために、第1励起光α1の光軸とチップ10(金属膜14)とを相対的に回転させる。本実施の形態では、第1角度調整機構124は、第1励起光α1の光軸と金属膜14の交点を通り、第1励起光α1の光軸に直交する金属膜14上の軸を回転軸として第1光源ユニット123を回動させる。また、第2角度調整機構127は、金属膜14の表面への第2励起光α2の入射角を調整する。第2角度調整機構127は、金属膜14表面の所定の位置に向けて所定の入射角で第2励起光α2を照射するために、第2励起光α2の光軸とチップ10(金属膜14)とを相対的に回転させる。本実施の形態では、第2角度調整機構127は、第2励起光α2の光軸と金属膜14の交点を通り、第2励起光α2の光軸に直交する金属膜14上の軸を回転軸として第2光源ユニット126を回動させる。
 金属膜14の表面に対する第1励起光α1の入射角のうち、第1プラズモン散乱光δ1の最大光量を得られる角度が第1増強角である。第1励起光α1の入射角を第1増強角に設定することで、高強度の第1蛍光γ1を測定することが可能となる。金属膜14の表面に対する第2励起光α2の入射角のうち、第2プラズモン散乱光δ2の最大光量を得られる角度が第2増強角である。第2励起光α2の入射角を第2増強角に設定することで、高強度の第2蛍光γ2を測定することが可能となる。なお、金属膜14の膜厚、流路内の液体の屈折率などにより、第1励起光α1または第2励起光α2の基本的な入射条件が決まるが、流路内の蛍光物質の種類および量などにより、最適な入射条件はわずかに変動する。
 第1光源制御部125は、第1光源ユニット123に含まれる各種機器を制御して、第1光源ユニット123の出射光(第1励起光α1)の出射を制御する。第2光源制御部128は、第2光源ユニット126に含まれる各種機器を制御して、第2光源ユニット126の出射光(第2励起光α2)の出射を制御する。第1光源制御部125および第2光源制御部128は、例えば、演算装置、制御装置、記憶装置、入力装置および出力装置を含む公知のコンピュータやマイコンなどによってそれぞれ構成される。
 光検出部130は、第1光検出ユニット131(第1光検出部)および第2光検出ユニット132(第2光検出部)を有する。第1光検出ユニット131は、第1被検出物質の検出時において金属膜14の表面への第1励起光α1の照射によって生じた第1蛍光γ1と、第1増強角の測定時において金属膜14の面への第1励起光α1の照射によって生じた第1プラズモン散乱光δ1とを検出する。第1光検出ユニット131は、第1光源ユニット123に対して、第1励起光α1の光軸と金属膜14との交点を通り、かつ金属膜14の表面に対する法線を挟むように配置されている。第2光検出ユニット132は、第2被検出物質の検出時において金属膜14の表面への第2励起光α2の照射によって生じた第2蛍光γ2と、第2増強角の測定時において金属膜14の面への第2励起光α2の照射によって生じた第2プラズモン散乱光δ2とを検出する。第2光検出ユニット132は、第2光源ユニット126に対して、第2励起光α2の光軸と金属膜14との交点を通り、かつ金属膜14の表面に対する法線を挟むように配置されている。第1光検出ユニット131は、第1受光センサー133、第3角度調整機構134および第1受光センサー制御部135を含む。また、第2光検出ユニット132は、第2受光センサー136、第4角度調整機構137および第2受光センサー制御部138を含む。
 第1受光センサー133は、第1光源ユニット123が第1励起光α1を照射することにより生じる第1蛍光γ1または第1プラズモン散乱光δ1を検出する。また、第2受光センサー136は、第2光源ユニット126が第2励起光α2を照射することにより生じる第2蛍光γ2または第2プラズモン散乱光δ2を検出する。第1受光センサー133は、微小量の第1被検出物質からの微弱な第1蛍光γ1または第1プラズモン散乱光δ1を検出することが可能な高い感度を有する。第2受光センサー136は、微小量の第2被検出物質からの微弱な第2蛍光γ2または第2プラズモン散乱光δ2を検出することが可能な高い感度を有する。第1受光センサー133および第2受光センサー136は、例えば、それぞれ光電子増倍管(PMT)やアバランシェフォトダイオード(APD)などである。
 第3角度調整機構134は、第1受光センサー133が第1蛍光γ1を検出できるように、第1受光センサー133の光軸を調整する。本実施の形態では、第3角度調整機構134は、第1蛍光γ1の光軸と金属膜14の交点を通り、第1蛍光γ1の光軸に直交する金属膜14上の軸を回転軸として第1受光センサー133を回動させる。第4角度調整機構137は、第2受光センサー136が第2蛍光γ2を検出できるように、第2受光センサー136の光軸を調整する。本実施の形態では、第4角度調整機構137は、第2蛍光γ2の光軸と金属膜14の交点を通り、第2蛍光γ2の光軸に直交する金属膜14上の軸を回転軸として第2受光センサー136を回動させる。
 第1受光センサー制御部135は、第1受光センサー133の出力値の検出や、検出した出力値による第1受光センサー133の感度の管理、適切な出力値を得るための第1受光センサー133の感度の変更などを制御する。第2受光センサー制御部138は、第2受光センサー136の出力値の検出や、検出した出力値による第2受光センサー136の感度の管理、適切な出力値を得るための第2受光センサー136の感度の変更などを制御する。第1受光センサー制御部135および第2受光センサー制御部138は、例えば、演算装置、制御装置、記憶装置、入力装置および出力装置を含む公知のコンピュータやマイコンなどによってそれぞれ構成される。
 制御部140は、例えば、記憶部、処理部、演算装置、制御装置、入力装置および出力装置を含む公知のコンピュータやマイコンなどによって構成されており、第1角度調整機構124、第1光源制御部125、第2角度調整機構127、第2光源制御部128、第3角度調整機構134、第1受光センサー制御部135、第4角度調整機構137および第2受光センサー制御部138を制御する。
 (検出装置の検出動作)
 次に、SPFS装置100の検出動作(実施の形態1に係る検出方法)について説明する。図4は、SPFS装置100の動作手順の一例を示すフローチャートである。この例では、第1捕捉体として第1の1次抗体と、第2捕捉体として第2の1次抗体とが金属膜14上の同じ領域に固定化されている。また、蛍光標識に使用する捕捉体として、第1蛍光物質で標識された第1の2次抗体と、第2蛍光物質で標識された第2の2次抗体とを使用している。
 まず、測定の準備をする(工程S110)。具体的には、チップ10を準備して、チップホルダー110にチップ10を設置する。また、チップ10の金属膜14上に保湿剤が存在する場合は、第1の1次抗体および第2の1次抗体が適切に第1被検出物質および第2被検出物質をそれぞれ捕捉できるように、金属膜14上を洗浄して保湿剤を除去する。
 次いで、第1励起光α1の入射角を決定する(工程S120)。具体的には、制御部140は、第1角度調整機構124を駆動して第1励起光α1の入射角を走査しながら、第3角度調整機構134を駆動して第1受光センサー133により第1プラズモン散乱光δ1を検出する。そして、第1プラズモン散乱光δ1の光量が最大となる角度を第1蛍光γ1測定時の第1励起光α1の入射角(第1増強角)とする。
 次いで、第2励起光α2の入射角を決定する(工程S130)。具体的には、制御部140は、第2角度調整機構127を駆動して第2励起光α2の入射角を走査しながら、第4角度調整機構137を駆動して第2受光センサー136により第2プラズモン散乱光δ2を検出する。そして、第2プラズモン散乱光δ2の光量が最大となる角度を第2蛍光γ2測定時の第2励起光α2の入射角(第2増強角)とする。
 なお、第1励起光α1の入射角の決定(工程S120)と第2励起光α2の入射角の決定(工程S130)との順番は、これに限定されない。たとえば、第2励起光α2の入射角を決定した後に、第1励起光α1の入射角を決定してもよい。
 次いで、検体中の第1被検出物質と第1の1次抗体とを反応させるとともに、第2被検出物質と第2の1次抗体とを反応させる(1次反応、工程S140)。具体的には、金属膜14上に検体を提供して、検体と第1の1次抗体および第2の1次抗体とを接触させる。検体中に第1被検出物質が存在する場合は、第1被検出物質の少なくとも一部は第1の1次抗体に結合する。また、検体中に第2被検出物質が存在する場合は、第2被検出物質の少なくとも一部は第2の1次抗体に結合する。この後、金属膜14上を緩衝液などで洗浄して、第1の1次抗体または第2の1次抗体に結合しなかった物質を除去する。検体および被検出物質の種類は、特に限定されない。検体の例には、血液や血清、血漿、尿、鼻孔液、唾液、精液などの体液およびその希釈液が含まれる。また、被検出物質の例には、核酸(DNAやRNAなど)、タンパク質(ポリペプチドやオリゴペプチドなど)、アミノ酸、糖質、脂質およびこれらの修飾分子が含まれる。
 次いで、第1の1次抗体に結合した第1被検出物質を第1蛍光物質で標識するとともに、第2の1次抗体に結合した第2被検出物質を第2蛍光物質で標識する(2次反応、工程S150)。具体的には、第1蛍光物質で標識された第1の2次抗体および第2蛍光物質で標識された第2の2次抗体を含む蛍光標識液を金属膜14上に提供して、第1の1次抗体に結合した第1被検出物質と蛍光標識液とを接触させるとともに、第2の1次抗体に結合した第2被検出物質と蛍光標識液とを接触させる。蛍光標識液は、例えば、第1蛍光物質で標識された第1の2次抗体と、第2蛍光物質で標識された第2の2次抗体とを含む緩衝液である。第1被検出物質が第1の1次抗体に結合している場合は、第1被検出物質の少なくとも一部は、第1蛍光物質で標識される。また、第2被検出物質が第2の1次抗体に結合している場合は、第2被検出物質の少なくとも一部は、第2蛍光物質で標識される。第1蛍光物質または第2蛍光物質で標識した後は、金属膜14上を緩衝液などで洗浄し、遊離の第1の2次抗体および第2の2抗体などを除去することが好ましい。
 なお、1次反応(工程S140)と2次反応(工程S150)との順番は、これに限定されない。たとえば、第1被検出物質を第1の2次抗体に結合させるとともに、第2被検出物質を第2の2次抗体に結合させた後に、これらの複合体を含む液体を金属膜14上に提供してもよい。また、金属膜14上に検体と蛍光標識液を同時に提供してもよい。
 次いで、第1被検出物質を検出する(工程S160)。具体的には、制御部140は、第1光源制御部125を駆動して第1励起光α1を工程S120で決定した入射角(第1増強角)で金属膜14の所定の位置に照射させながら、第1受光センサー制御部135を駆動して金属膜14(金属膜14表面およびその近傍)上から放出される第1蛍光γ1の強度を検出するように第1受光センサー133を制御する。
 次いで、第2被検出物質を検出する(工程S170)。具体的には、制御部140は、第2光源制御部128を駆動して第2励起光α2を工程S130で決定した入射角で金属膜14の所定の位置に照射させながら、第2受光センサー制御部138を駆動して金属膜14(金属膜14表面およびその近傍)上から放出される第2蛍光γ2の強度を検出するように第2受光センサー136を制御する。
 なお、制御部140は、2次反応(工程S150)の前にブランク値を測定してもよい。この場合、第1増強角で第1励起光α1を金属膜14に照射し、第1受光センサー133の検出値を第1ブランク値とする。また、第2増強角で第2励起光α2を金属膜14に照射し、第2受光センサー136の検出値を第2ブランク値とする。そして、第1被検出物質を検出する工程(工程S160)では、第1蛍光γ1の検出値から第1ブランク値を引くことで、検体中の被検出物質の量を示す第1蛍光γ1の量を算出する。また、第2被検出物質を検出する工程(工程S170)では、第2蛍光γ2の検出値から第2ブランク値を引くことで、検体中の被検出物質の量を示す第2蛍光γ2の量を算出する。
 なお、第1の1次抗体に結合した第1被検出物質と第1蛍光物質を含む蛍光標識液とを接触させて第1被検出物質を検出した後に、第2の1次抗体に結合した第2被検出物質と第2蛍光物質を含む蛍光標識液とを接触させて第2被検出物質を検出してもよい。
 (効果)
 以上のように、本実施の形態に係るSPFS装置100は、チップ10上の1つの反応場(第1捕捉体および第2捕捉体が固定されている回折格子16上の領域)において第1被検出物質および第2被検出物質を検出するため、装置およびチップ10を大型化することなく少量の検体で、第1被検出物質および第2被検出物質を高感度に検出することができる。
 [実施の形態2]
 実施の形態2に係るSPFS装置200は、1つの光源ユニット223が波長の異なる第1励起光α1および第2励起光α2の両方を照射できる点において、実施の形態1に係るSPFS装置100と異なる。そこで、実施の形態1に係るSPFS装置100と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
 図5は、実施の形態2に係るSPFS装置200の構成を示す模式図(平面図)である。なお、図5では、回折格子16を明確にするため、凸部18を拡大して示している。
 図5に示されるように、SPFS装置200は、チップホルダー210と、光照射部220、光検出部230、および制御部140とを有する。SPFS装置200は、チップホルダー210に回折格子16を有するチップ10を装着した状態で使用される。
 チップホルダー210は、チップ10の表面に対する法線を回転軸として、チップ10を回転可能に保持する。チップホルダー210の構成は、平面視したときにおける回折格子16に対する励起光αの光軸の方向を変化させることができれば特に限定されない。たとえば、チップホルダー210には、モーターが接続されている。モーターは、前記法線を中心軸としてチップホルダー210を回転させることによりチップ10が所定の角度だけ回転する。
 光照射部220は、波長および光量が一定の第1励起光α1と、波長および光量が一定の第2励起光α2とを、チップ10の金属膜14(回折格子16)に照射する。このとき、光照射部220は、金属膜14中の表面プラズモンと結合できる回折光が回折格子16で生じるように、第1励起光α1および第2励起光α2を金属膜14(回折格子16)に照射する。なお、第1励起光α1の波長および第2励起光α2の波長は、互いに異なる。
 光照射部220は、第3光源ユニット223、第1角度調整機構124および第3光源制御部225を含む。
 第3光源ユニット223は、第1励起光α1と、第1励起光α1と異なる波長の第2励起光α2とを金属膜14(回折格子16)に向かって出射する。第3光源ユニット223の構成は、波長の異なる2種類の励起光を出射することができれば、特に限定されない。本実施の形態では、第3光源ユニット223には、2種類の波長の励起光が照射できるように2種類の光源が配置されている。また、第3光源ユニット223は、広い波長帯の光を出射する光源(例えば、白色光源など)と、複数のバンドパスフィルターとを備え、蛍光物質の励起波長に合わせてバンドパスフィルターを切り替えるように構成されていてもよい。
 光検出部230は、例えば、第1受光センサー133、第3角度調整機構134および第3受光センサー制御部235を含む。光検出部230は、さらに集光レンズ群や開口絞り、蛍光フィルターなどを有していてもよい。光検出部230は、光照射部220に対して、第1励起光α1(第2励起光α2)の光軸と金属膜14との交点を通り、かつ金属膜14の表面に対する法線を挟むように配置されている。第1受光センサー133は、第1プラズモン散乱光δ1、第2プラズモン散乱光δ2、第1蛍光γ1または第2蛍光γ2をそれぞれ検出する。
 第3角度調整機構134は、第1受光センサー133が第1プラズモン散乱光δ1、第2プラズモン散乱光δ2、第1蛍光γ1または第2蛍光γ2を検出できるように、第1受光センサー133の光軸を調整する。第3角度調整機構134は、第1蛍光γ1の検出時には、第1蛍光γの光軸と金属膜14の交点を通り、かつ第1蛍光γの光軸に直交する金属膜14上の軸を回転軸として第1受光センサー133を回動させる。また、第3角度調整機構134は、第2蛍光γ2の検出時には、第2蛍光γの光軸と金属膜14の交点を通り、かつ第2蛍光γの光軸に直交する金属膜14上の軸を回転軸として第1受光センサー133を回動させる。
 第1受光センサー133は、第1蛍光γ1または第2蛍光γ2を検出して、金属膜14上の蛍光像を検出する。また、第1受光センサー133は、第1プラズモン散乱光δ1または第2プラズモン散乱光δ2を検出する。
 集光レンズ群(図示省略)は、チップ10と第1受光センサー133との間に配置され、迷光の影響を受けにくい共役光学系を構成する。集光レンズ群は、金属膜14上の蛍光像を受光センサー127の受光面上に結像させる。
 蛍光フィルター(図示省略)は、チップ10と第1受光センサー133との間に配置される。蛍光フィルターは、例えば、カットフィルターおよび減光(ND)フィルターを含み、第1受光センサー133に到達する光から蛍光γ以外のノイズ成分(例えば、励起光αや外光など)を除去したり、第1受光センサー133に到達する光の光量を調整したりする。本実施の形態では、蛍光フィルターとして、第1蛍光γ1または第2蛍光γ2をそれぞれ検出可能な蛍光フィルターが配置されている。
 (検出装置の検出動作)
 次に、実施の形態2に係るSPFS装置200の検出動作(検出方法)について説明する。なお、実施の形態1に係るSPFS装置100の検出動作と同じ工程は、同じ符号を付してその説明を省略する。
 図6は、SPFS装置200の動作手順の一例を示すフローチャートである。
 まず、測定の準備をする(工程S110)。
 次いで、第1励起光αの入射角を決定する(工程S220)。具体的には、制御部140は、第3光源制御部225により第1励起光α1のみを照射しつつ、第1角度調整機構124を駆動して第1励起光α1の入射角を走査しながら、第3角度調整機構134を駆動して第1受光センサー133により第1プラズモン散乱光δ1のみを検出する。そして、制御部140は、第1プラズモン散乱光δ1が最大となる角度を第1励起光α1の入射角(第1増強角)とする。
 次いで、チップ10を回転させる(工程S230)。具体的には、制御部140は、モーターを駆動して、第2励起光α2の光軸が第2の方向に沿うように、チップ10(チップホルダー210)を回転させる。
 次いで、第2励起光α2の入射角を決定する(工程S240)。具体的には、制御部140は、第3光源制御部225により第2励起光α2のみを照射しつつ、第1角度調整機構124を駆動して第2励起光α2の入射角を走査しながら、第3角度調整機構134を駆動して第1受光センサー133により第2プラズモン散乱光δ2のみを検出する。そして、制御部140は、第2プラズモン散乱光δ2が最大となる角度を第2励起光α2の入射角(第2増強角)とする。
 次いで、検体中の第1被検出物質と第1の1次抗体とを反応させるとともに、第2被検出物質と第2の1次抗体とを反応させる(1次反応、工程S140)。
 次いで、第1の1次抗体に結合した第1被検出物質を第1蛍光物質で標識するとともに、第2の1次抗体に結合した第2被検出物質を第2蛍光物質で標識する(2次反応、工程S150)。
 次いで、制御部140は、モーターを駆動して、第1励起光α1の光軸が第1の方向に沿うように、チップ10(チップホルダー210)を回転させる。
 次いで、第1被検出物質を検出する(工程S260)。具体的には、制御部140は、第3光源制御部225を駆動して第1励起光α1を工程S220で決定した入射角(第1増強角)で金属膜14の所定の位置に照射させながら、第1受光センサー制御部135を駆動して金属膜14(金属膜14表面およびその近傍)上から放出される第1蛍光γ1の強度を検出するように第1受光センサー133を制御する。
 次いで、チップを回転させる(工程S270)。具体的には、制御部140は、モーターを駆動して、第2励起光α2の光軸が第2の方向に沿うように、チップ10(チップホルダー210)を回転させる。
 次いで、第2被検出物質を検出する(工程S280)。具体的には、制御部140は、第3光源制御部225を駆動して第2励起光α2を工程S240で決定した入射角(第2増強角)で金属膜14の所定の位置に照射させながら、第2受光センサー制御部138を駆動して金属膜14(金属膜14表面およびその近傍)上から放出される第2蛍光γ2の強度を検出するように第1受光センサー133を制御する。
 なお、光照射部220は、第1励起光α1および第2励起光α2を同時に照射してもよい。この場合、制御部140は、第1励起光α1の入射角および第1プラズモン散乱光δ1の光量のデータと、第2励起光α2の入射角および第2プラズモン散乱光δ2の光量のデータとから、第1プラズモン散乱光δ1および第2プラズモン散乱光δ2のいずれもが増大する角度を第1励起光α1および第2励起光α2の入射角とする。そして、第1蛍光γ1を検出するときは、第1蛍光γ1の光路上には、第1蛍光γ1を検出できるように蛍光フィルターが配置される。第2蛍光γ2を検出するときは、第2蛍光γ2の光路上には、第2蛍光γ2を検出できるように蛍光フィルターが配置される。また、第1蛍光γ1を検出する時と第2蛍光γ2を検出する時とで入射角が同じである必要はなく、第1励起光α1に最適な入射角で第1励起光α1および第2励起光α2を照射して第1蛍光γ1を検出した後、第2励起光α2に最適な入射角で第1励起光α1および第2励起光α2を照射して第2蛍光γ2を検出してもよい。
 (効果)
 以上のように、本実施の形態に係るSPFS装置200は、実施の形態1に係るSPFS装置100と同様の効果を有する。また、本実施の形態に係るSPFS装置200は、装置をさらに小型化することができる。
 なお、図7に示されるように、第1の方向における凸部18間の凹部に対する凸部18の第1高さh1と、第2の方向における凸部18間の凹部に対する凸部18の第2高さh2とは、異なる高さであってもよい。さらに、図8(平面図)に示されるように、第1仮想直線L1と、第2仮想直線L2とのなす角度θは、垂直でなくてもよい。また、実施の形態1、2では、複数の凸部18が第1の方向と第2の方向とに所定のピッチで配列されていたが、第1の方向と第2の方向とに加え、第1の方向と第2の方向に交差する第3の方向に所定のピッチで配列されていてもよい。この場合、第1被検出物質および第2被検出物質に加え、第3被検出物質も検出できる。
 本出願は、2015年2月2日出願の特願2015-018348に基づく優先権を主張する。当該出願明細書および図面に記載された内容は、すべて本願明細書に援用される。
 本発明に係る検出方法および検出装置は、被検出物質を高い信頼性で測定することができる。よって、非常に簡易な定量免疫測定システムの開発、普及および発展に寄与することも期待される。
 10、20 チップ
 12 基板
 14 金属膜
 16 回折格子
 18 凸部
 100、200 SPFS装置(検出装置)
 110 210 チップホルダー
 120、220 光照射部
 121 第1光照射ユニット
 122 第2光照射ユニット
 123 第1光源ユニット
 124 第1角度調整機構
 125 第1光源制御部
 126 第2光源ユニット
 127 第2角度調整機構
 128 第2光源制御部
 130、230 光検出部
 131 第1光検出ユニット
 132 第2光検出ユニット
 133 第1受光センサー
 134 第3角度調整機構
 135 第1受光センサー制御部
 136 第2受光センサー
 137 第4角度調整機構
 138 第2受光センサー制御部
 140 制御部
 223 第3光源ユニット
 225 第3光源制御部
 235 第1受光センサー制御部
 α1 第1励起光
 α2 第2励起光
 γ1 第1蛍光
 γ2 第2蛍光
 δ1 第1プラズモン散乱光
 δ2 第2プラズモン散乱光
 L1 第1仮想直線
 L2 第2仮想直線
 θ 第1仮想直線と第2仮想直線とのなす角度
                                                                                

Claims (9)

  1.  第1被検出物質を標識する第1蛍光物質と第2被検出物質を標識する第2蛍光物質とが、表面プラズモン共鳴に基づく局在場光により励起されてそれぞれ放出した蛍光を検出して、検体に含まれる前記第1被検出物質および前記第2被検出物質を検出する検出方法であって、
     複数の凸部が、第1の方向について第1のピッチで配列され、前記第1の方向に交差する第2の方向について第1のピッチと異なる第2のピッチで配列された回折格子を形成された金属膜と、前記回折格子に固定され、前記第1被検出物質を捕捉するための第1捕捉体と、前記回折格子の前記第1捕捉体が固定されている領域に固定され、前記第2被検出物質を捕捉するための第2捕捉体とを有するチップの前記回折格子に前記検体を提供して、前記第1捕捉体と前記第1被検出物質とを結合させ、かつ前記第2捕捉体と前記第2被検出物質とを結合させる工程と、
     前記回折格子の前記第1捕捉体および前記第2捕捉体が固定されている領域に前記第1蛍光物質を提供して、前記第1被検出物質を前記第1蛍光物質で標識させる工程と、
     前記回折格子の前記第1捕捉体および前記第2捕捉体が固定されている領域に前記第2蛍光物質を提供して、前記第2被検出物質を前記第2蛍光物質で標識させる工程と、
     平面視したときにその光軸が前記第1の方向に沿うように、前記回折格子の前記第1捕捉体および前記第2捕捉体が固定されている領域に第1波長の励起光を照射し、前記第1被検出物質を標識した前記第1蛍光物質から放出された蛍光を検出することで前記第1被検出物質を検出する工程と、
     平面視したときにその光軸が前記第2の方向に沿うように、前記回折格子の前記第1捕捉体および前記第2捕捉体が固定されている領域に前記第1波長と異なる第2波長の励起光を照射し、前記第2被検出物質を標識した前記第2蛍光物質から放出された蛍光を検出することで前記第2被検出物質を検出する工程とを有する、
     検出方法。
  2.  前記第1波長および前記第2波長は、それぞれ400~1000nmの範囲内である、請求項1に記載の検出方法。
  3.  前記第1のピッチおよび前記第2のピッチは、それぞれ100~2000nmの範囲内である、請求項1または請求項2に記載の検出方法。
  4.  前記凸部の高さは、10~1000nmの範囲内である、請求項1~3のいずれか一項に記載の検出方法。
  5.  第1被検出物質を標識する第1蛍光物質と第2被検出物質を標識する第2蛍光物質とが、表面プラズモン共鳴に基づく局在場光により励起されてそれぞれ放出した蛍光を検出して、検体に含まれる前記第1被検出物質および前記第2被検出物質を検出する検出装置であって、
     前記第1被検出物質を捕捉するための第1捕捉体と前記第2被検出物質を捕捉するための第2捕捉体とを有するチップを保持するチップホルダーと、
     前記チップの同じ位置に対して、第1波長の励起光および前記第1波長と異なる第2波長の励起光を照射する光照射部と、
     前記第1波長の励起光によって前記第1被検出物質を標識した前記第1蛍光物質から放出された蛍光と、前記第2波長の励起光によって前記第2被検出物質を標識した前記第2蛍光物質から放出された蛍光とをそれぞれ検出する光検出部と、を有し、
     前記光検出部は、
     前記光照射部が、平面視したときにその光軸が前記チップの表面における第1の方向に沿うように、前記チップに前記第1波長の励起光を照射したときに、前記第1蛍光物質から放出された蛍光を検出し、
     前記光照射部が、平面視したときにその光軸が前記第1の方向に交差する前記チップの表面における第2の方向に沿うように、前記チップに前記第2波長の励起光を照射したときに、前記第2蛍光物質から放出された蛍光を検出する、
     検出装置。
  6.  前記チップホルダーは、前記チップの表面に対する法線を回転軸として、前記チップを回転可能に保持し、
     前記光照射部は、前記第1波長の励起光および前記第2波長の励起光を同じ位置から前記チップに向かって照射する、
     請求項5に記載の検出装置。
  7.  前記光照射部は、
     前記第1波長の励起光を照射するための第1光照射部と、
     前記第1光照射部と異なる位置に配置され、前記第2波長の励起光を照射するための第2光照射部と、
     を有する、
     請求項5に記載の検出装置。
  8.  前記第1波長および前記第2波長は、それぞれ400~1000nmの範囲内である、請求項5~7のいずれか一項に記載の検出装置。
  9.  被検出物質を標識する蛍光物質が表面プラズモン共鳴に基づく局在場光により励起されて放出した蛍光を検出して、検体に含まれる被検出物質を検出するためのチップであって、
     複数の凸部が、第1の方向について第1のピッチで配列され、前記第1の方向に交差する第2の方向について第1のピッチと異なる第2のピッチで配列された回折格子を形成された金属膜を有し、
     前記第1のピッチは、平面視したときにその光軸が前記第1の方向に沿うように第1波長の励起光を前記回折格子に照射したときに、以下の式(1)を満たし、
     前記第2のピッチは、平面視したときにその光軸が前記第2の方向に沿うように前記第1波長と異なる第2波長の励起光を前記回折格子に照射したときに、以下の式(2)を満たす、
     チップ。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
     [上記式(1)において、ω1は、第1波長の励起光の角周波数であり、cは、光の速度であり、ε1は、前記金属膜に面する媒質の誘電率であり、ε2は、前記金属膜の誘電率であり、k01は、第1波長の励起光の波数であり、θ1は、第1波長の励起光の前記金属膜に対する入射角であり、mは、任意の整数であり、λ1は、前記第1のピッチである。]
    Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
     [上記式(2)において、ω2は、第2波長の励起光の角周波数であり、cは、光の速度であり、ε1は、前記金属膜に面する媒質の誘電率であり、ε2は、前記金属膜の誘電率であり、k02は、第2波長の励起光の波数であり、θ2は、第2波長の励起光の前記金属膜に対する入射角であり、mは、任意の整数であり、λ2は、前記第2のピッチである。]
                                                                                    
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