JP2014171699A - ネイルプリント装置及びネイルプリント装置の印刷方法 - Google Patents

ネイルプリント装置及びネイルプリント装置の印刷方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ネイルサロンで施されるのと同様のバリエーション豊富で美しい仕上がりのネイルプリントを、簡易な構成により実現することのできるネイルプリント装置及びネイルプリント装置の印刷方法を提供する。
【解決手段】印刷指U1の爪Tに印刷を施す印刷ヘッド46と、印刷指U1の爪Tに描画を施すペン48と、印刷ヘッド46及びペン48を、等距離に保持しながら駆動させるヘッド駆動部47と、ヘッド駆動部47を制御する印刷制御部815と、を備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、ネイルプリント装置及びネイルプリント装置の印刷方法に関するものである。
従来、インクジェット方式で印刷を行う印刷ヘッドを備え、人の指の爪の表面に色や絵柄等のデザイン画像を印刷するネイルプリント装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
インクジェット方式の印刷ヘッドは、印刷対象に対向する面に設けられたノズルからインクを吐出して記録媒体上に着弾、定着させることにより印刷を行うようになっている。
特表2003−534083号公報
しかしながら、インクジェット方式の印刷ヘッドは、ノズルの穴径が小さいため、色材が沈殿して詰まりやすく、また、粒径の小さな色材を含むインクしか使用できない。このため、例えば、金色、銀色や白色の粒径小さなインク等では、発色が悪く、綺麗な白色やラメ入りのネイルデザインを実現できない等、印刷できるネイルデザインに限界があった。
また、インクジェット方式の場合、本来紙等の白地の上に印刷することが予定されているため、下地として白色を塗らなければ本来のインクの色を十分に発色させることができない。しかしながら、上述のようにインクジェット方式の印刷ヘッドでは、白色のような比較的粒径の大きな色材を含むインクを用いることができないため、下地としての白色は、ユーザが自分の手で塗らなければならない。このため、手間がかかる上に、下地がはみ出したり、塗り残し部分があったり、色むらが生じて印刷後にもむらが残ってしまう等により、美しい仕上がりにならないという問題もあった。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、ネイルサロンで施されるのと同様のバリエーション豊富で美しい仕上がりのネイルプリントを、簡易な構成により実現することのできるネイルプリント装置及びネイルプリント装置の印刷方法を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本発明のネイルプリント装置は、
指の爪に印刷を施す印刷ヘッドと、
前記指の爪に描画を施すペンと、
前記印刷ヘッド及び前記ペンを、等距離に保持しながら駆動させるヘッド駆動部と、
前記ヘッド駆動部を制御する制御部と、
を備えていることを特徴としている。
また、本発明のネイルプリント装置の印刷方法は、
指の爪に印刷を施す印刷ヘッドと前記指の爪に描画を施すペンとを、等距離に保持しながら駆動させ、指の爪にネイルプリントを施すことを特徴としている。
本発明によれば、指の爪に印刷を施す印刷ヘッドと前記指の爪に描画を施すペンとを、等距離に保持しながら駆動させ、指の爪にネイルプリントを施す。
これにより、ネイルサロンで施されるのと同様のバリエーション豊富で美しい仕上がりのネイルプリントを、簡易な構成により実現することができる。
第1の実施形態におけるネイルプリント装置を概念的に示した斜視図で、蓋体を開いた状態を示している。 図1のネイルプリント装置の装置本体を概念的に示した斜視図である。 図1のネイルプリント装置の装置本体の正面図である。 図3におけるIV−IV線に沿う断面図である。 非描画状態におけるペンホルダ及びこれに支持されたペンを拡大した図であり、(a)は、ペンホルダ及びペンの側面図であり、(b)は、(a)のペンホルダ及びペンを矢視b方向から見た上面図であり、(c)は、(a)のホルダ及びペンを矢視c方向から見た正面図である。 描画状態におけるペンホルダ及びこれに支持されたペンを拡大した図であり、(a)は、ペンホルダ及びペンの側面図であり、(b)は、(a)のペンホルダ及びペンを矢視b方向から見た上面図であり、(c)は、(a)のペンホルダ及びペンを矢視c方向から見た正面図である。 (a)は、爪の低い部分に描画している状態のペンの断面図であり、(b)は、爪の高い部分に描画している状態のペンの断面図である。 本実施形態に係るネイルプリント装置の制御構成を示した要部ブロック図である。 (a)から(d2)は、第1の実施形態におけるネイルプリント装置による描画例を示した爪の平面図である。 第2の実施形態におけるネイルプリント装置の装置本体の正面図である。 図10におけるXI−XI線に沿う断面図である。 第2の実施形態におけるペン及びペンホルダを拡大した正面図であり、(a)は、ペン及びペンホルダの正面図であり、(b)は、(a)のペン及びペンホルダを矢視b方向から見た側面図である。 (a)は、第2の実施形態におけるペンの平面図であり、(b)は、(a)のペンの断面図である。 (a)は、非描画状態のペンの断面図であり、(b)は、爪の低い部分に描画している状態のペンの断面図であり、(c)は、爪の高い部分に描画している状態のペンの断面図である。 (a)から(c)は、第2の実施形態におけるネイルプリント装置による印刷例を示した爪の平面図である。
[第1の実施形態]
図1から図9を参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置の第1の実施形態について説明する。なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1は、本実施形態におけるネイルプリント装置の外観を示す斜視図であり、図2は、ネイルプリント装置の内部構成を示す斜視図である。
図1に示すように、このネイルプリント装置1は、ケース本体2及び蓋体4を備えている。蓋体4は、ケース本体2の上面(天板)の後端部に設けたヒンジ3を介して、ケース本体2に回動可能に連結されている。蓋体4は、ヒンジ3を支点として、ケース本体2の天板に重ねられた状態からケース本体2の天板に対して立てられた状態(図1参照)まで回動可能となっている。
上記ケース本体2は上方から平面視した場合にほぼ長円状に形成されている。このケース本体2の前側には開閉板5が起倒可能に設けられている。この開閉板5は、ケース本体2の前面下端部に設けられたヒンジ(図示せず)を介して、ケース本体2に連結されている。この開閉板5は、ケース本体2の前面を開閉するためのものである。
なお、ケース本体2及び蓋体4の形状、構成はここに例示したものに限定されない。
図1及び図2に示すように、ケース本体2の前面のほぼ中央部には、印刷対象である爪Tに対応する指(以下「印刷指U1」という。)が挿入される印刷指挿入口21が形成されている。印刷指挿入口21は後述する指受入部31に通じる挿入口である。また、ケース本体2の前面であってこの印刷指挿入口21の下方には、印刷対象でない爪T(すなわち、印刷待ちの爪Tや印刷済み等の爪T)に対応する指(以下「非印刷指U2」という。)が挿入される非印刷指挿入口22が形成されている。非印刷指挿入口22は後述する指退避部32に通じる挿入口である。
また、ケース本体2の一側面(本実施形態では、図3において左側面)には、後述する印刷部40のペン48を交換するために開閉可能に構成されペン交換用口を閉塞するペン交換用蓋部23が設けられている。ペン交換用蓋部23は、例えばヒンジ等を介して、図3に示すように閉状態から開状態まで回動自在となっている。後述する上部機枠12の一端であってこのペン交換用蓋部23に対応する位置には、ペン交換用孔121が設けられている。なお、ペン交換用口とペン交換用孔121とは、ペン48の上方まで延出する図示しない筒状部により連結されていることが好ましい。このようにすることでペン48を出し入れする際に、ペン48が周囲の装置に当たらず、円滑にペン48の交換を行うことができる。
さらに、ケース本体2の背面であって後述するペン慣書部65に対応する位置には、ペン慣書部65に載置される例えば長尺状且つロール状の被描画媒体66を入れ替え可能な媒体送出口24(図4参照)が形成されている。
ケース本体2の上面(天板)には操作部25が設置されている。
操作部25は、ユーザが各種入力を行う入力部である。
操作部25には、例えば、ネイルプリント装置1の電源をONする電源スイッチ釦、動作を停止させる停止スイッチ釦、爪Tに印刷するデザイン画像を選択するデザイン選択釦、印刷開始を指示する印刷開始釦等、各種の入力を行うための操作釦251が配置されている。
また、ケース本体2の上面(天板)のほぼ中央部には表示部26が設置されている。
表示部26は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイその他のフラットディスプレイ等で構成されている。本実施形態において、この表示部26には、例えば、指U1を撮影した画像(以下「指画像」という。)、この指画像中に含まれる爪画像(爪Tの輪郭線等の画像)、爪Tに印刷すべきデザイン画像を選択するためのデザイン選択画面、デザイン確認用のサムネイル画像、各種の指示を表示させる指示画面等が適宜表示される。
なお、表示部26の表面にタッチパネルが一体的に構成されていてもよい。この場合には、例えば、指先やスタイラスペン又は先の尖った棒状の筆記具等によって表示部26の表面をタッチするタッチ操作によっても各種の入力を行うことができるように構成される。
また、ケース本体2にはネイルプリント装置1の装置本体10が収容されている。
図3は、本実施形態における装置本体の正面図であり、図4は図3に示されたIV−IV線に沿った断面を矢印方向に見て示した断面図である。
図2から図4に示すように、装置本体10は、ほぼ箱状に形成され、ケース本体2の内部下方に設置された下部機枠11と、この下部機枠11の上方で且つケース本体2の内部上方に設置されている上部機枠12とを備えている。そして、これら下部機枠11及び上部機枠12には、指固定部30、印刷部40、撮影部50、印刷保守部60、ペン慣書部65、カートリッジ装着部70及び制御装置80(図8参照)等が設けられている。
まず、下部機枠11について説明する。
図3及び図4に示すように、下部機枠11は、背面板111、底板112、左右一対の側板113,114、カートリッジ収容部115及び隔壁116を有する。
側板113,114の下端部は、底板112の左右両端部にそれぞれ連結され、側板113,114が底板112に対して立てられた状態に設けられている。背面板111は、底板112と側板113,114によって囲われた領域の後ろ側を塞ぐようにして底板112及び側板113,114の後部に連結されている。背面板111の下部は、前方に窪むように形成されており、この窪んだ背面板111の後ろ側に形成される空間がカートリッジ収容部115(図4参照)となっている。カートリッジ収容部115内には、インクカートリッジ71が装着されるカートリッジ装着部70が設けられている。
また、隔壁116は、下部機枠11の内側の空間(背面板111、底板112及び側板113,114によって囲われた空間)を上下に区切るように下部機枠11の内側に設けられている。隔壁116はほぼ水平に設けられ、隔壁116の左右両端部が側板113,114にそれぞれ連結され、隔壁116の後端部が背面板111に連結されている。
この下部機枠11には、指固定部30が一体的に設けられている。
指固定部30は、印刷を施す爪Tに対応する指(以下、これを「印刷指U1」という。)を受け入れる指受入部31と、この印刷指U1以外の指(以下、これを「非印刷指U2」という。)を退避させる指退避部32とから構成されている。
指受入部31は、隔壁116の上側であって下部機枠11の幅方向のほぼ中間に配置されている。また、隔壁116によって下部機枠11の下側に区分けられた空間が指退避部32を構成している。
指受入部31は、下部機枠11の前面側(手前側)及び上側に開口しており、下側が隔壁116の一部を構成する印刷指載置部116aとなっている。
また、隔壁116の上面であって下部機枠11の前面側の両側部には、下部機枠11の前面側を塞ぐ前壁31fが立設されている。また、隔壁116の上面には、この前壁31fの中央部寄りの端部から前記指受入部31に向けて狭窄し、印刷指U1を指受入部31内に案内する一対のガイド壁31gが立設されている。
ユーザは指受入部31に挿入した印刷指U1と指退避部32に挿入した非印刷指U2との間に隔壁116を挟むことができる。そのため、指受入部31内に挿入された印刷指U1が安定して固定される。
なお、本実施形態では、隔壁116の前端部に下方向に張り出した突出部116bが形成されている。突出部116bは、手前側に向かうにつれてその厚さが漸減し、奥側に向かうにつれて漸増するテーパー部となっていてもよいし、突出部116bの厚さが、隔壁116の奥側の窪みに対して全体が厚い構造になっていてもよい。隔壁116の前端部に突出部116bが形成されていることにより、非印刷指U2が指退避部32に挿入された際、印刷済みの指の爪Tと隔壁116との間に空間が確保され、爪Tが隔壁116の下面に接触して装置側にインクが付着したり、爪Tに印刷された絵柄が擦れて損なわれたりするのを防止することができる。
隔壁116の上面であって、指受入部31の一側方(本実施形態では、図3において右側)には、印刷ヘッド46を印刷に適した状態に保つための印刷保守部60が設けられている。
印刷保守部60は、印刷指U1が指受入部31に挿入された際の爪Tの高さとほぼ同じとなる高さに設けられていることが好ましい。また、印刷保守部60は、平面視において、ヘッド駆動部47による印刷ヘッド46及びペン48の移動可能範囲内にある。
この印刷保守部60は、例えば、ヘッドクリーニング・キャップ機構61若しくはインク廃棄部62又はこれらの両方等から構成されている。
ここで、ヘッドクリーニング・キャップ機構61は、印刷ヘッド46のクリーニングを行ったり、例えば印刷ヘッド46の保湿状態を保つために印刷ヘッド46にキャップを被せたりするものである。さらに、本実施形態では、ヘッドクリーニング・キャップ機構61には、非描画時にペン48のペン先482に装着されるペンキャップが設けられている。非描画時にペン先482をペンキャップ内に収容することで、非描画時におけるペン先482の乾燥を防止でき、描画に適した状態を保つことができる。
また、インク廃棄部62は、例えば、印刷ヘッド46のノズルの状態を最適に保つために、印刷ヘッド46から吐出された余分なインクを受けるものである。なお、ここでは、ヘッドクリーニング・キャップ機構61として記載したが、ヘッドクリーニング機構とキャップ機構とは互いに独立していてもよい。
また、隔壁116の上面であって、指受入部31の他の側方(ケース本体2の媒体送出口24に対応する位置であり、本実施形態では、図3において左側)には、ペン48による描画可能範囲内に、後述するペン48の慣らし書きをするためのペン慣書部65が設けられている。なお、ペン慣書部65は、印刷指U1が指受入部31に挿入された際の爪Tの高さとほぼ同じとなる高さに設けられていることが好ましい。
また、ペン慣書部65よりも装置手前側(図4において右側)には、ロール状に巻回された長尺の被描画媒体66が配置されている。被描画媒体66は図示しない媒体送り機構によって例えば1目盛りずつ適宜ペン慣書部65に送り出されるようになっている。なお、媒体送り機構は自動で被描画媒体66を送り出すものでもよいし、手動で被描画媒体66を送り出すものでもよい。
ペン慣書部65は、平板状の部分であり、装置手前側の端部が被描画媒体66に接し、装置奥側の端部が媒体送出口24の近傍に配置されている。ペン慣書部65の上には、媒体送り機構によって送り出された被描画媒体66が載置され、被描画媒体66は、順次端部側が媒体送出口24から装置外に送り出されて廃棄可能となっている。
ペン慣書部65に載置される被描画媒体66は、ペン先482を慣らすことができるものであればよく、例えばロール紙である。
ペン慣書部65は、ペン先482が乾いていたりインクの乗りが悪い等により書き始めがかすれたりするのを防止するために、爪Tに画像データによる描画を開始する前に被描画媒体66の上にペン48を下ろして「○」「∞」等の所定の画像を描画して慣らし書きを行い、ペン先482の状態を良好にするためのものである。慣らし書きを行う際に描画する所定の画像は特に限定されないが、インクを無駄に使いすぎないよう、「○」「∞」等の単純な画像であることが好ましい。「○」「∞」等の慣らし書きは、ペン慣書部65の範囲内で毎回少しづつ位置をずらしながら書くようにすることが好ましい。なお、被描画媒体66のうちペン慣書部65に載置されている部分のほぼ全面に書いてしまったときには、媒体送り機構によって被描画媒体66を1目盛り分程度ずつ媒体送出口24側に送り出し、新しい部分をペン慣書部65の上に載置させることにより再び良好に慣らし書きができる状態となる。手動で被描画媒体66を送り出す方式の場合には、新しい部分をペン慣書部65の上に載置させる必要が生じた場合に、表示部26に「ロール紙を引き出して下さい」等の被描画媒体66の引き出しを促す表示画面を表示させることが好ましい。
なお、図示はしないが、ケース本体2の側面等には被描画媒体66の取替え口が設けられており、ロール状の被描画媒体66を全て使い切った場合には、新たな被描画媒体66を取替え口から装填できるようになっている。この場合には、ロール状の被描画媒体66の先端を少し引き出して、ペン慣書部65の上に載置させるとともに、その端部を1目盛り分程度、媒体送出口24から出した状態としてセットする。
また、印刷部40は、ガイドロッド41、主キャリッジ42、ガイドロッド44、副キャリッジ45、印刷ヘッド46、ヘッド駆動部47及びインクカートリッジ71等を備えて構成されており、主に上部機枠12に設けられている。
すなわち、図3及び図4に示すように、上部機枠12の両側板には、2本のガイドロッド41が平行に架設されている。このガイドロッド41には、主キャリッジ42が摺動自在に設置されている。また、図4に示すように、主キャリッジ42の前壁42aおよび後壁42bには2本のガイドロッド44が平行に架設されている。このガイドロッド44には、副キャリッジ45が摺動自在に設置されている。この副キャリッジ45の下面中央部には、印刷ヘッド46が搭載されている。
本実施形態において、この印刷ヘッド46は、インクを微滴化し、印刷対象の被印刷面に対し直接に吹き付けて印刷を行うインクジェット方式の印刷ヘッドである。なお、印刷ヘッド46の記録方式はインクジェット方式に限定されない。
本実施形態において、印刷部40の印刷ヘッド46は、印刷データに基づいて印刷対象の被印刷面である印刷指U1の爪Tの表面に画像(デザイン画像等)を印刷する。
本実施形態における印刷部40には、例えば、イエロー(Y;YELLOW)、マゼンタ(M;MAGENTA)、シアン(C;CYAN)のインクに対応する印刷ヘッド46が設けられている。各印刷ヘッド46は、それぞれの色のインクを噴射する複数のノズルからなるノズルアレイを備えている。なお、印刷部40に設けられる印刷ヘッド46はこの3色のインクを吐出させるものに限定されない。その他の色のインクを吐出させる印刷ヘッド46をさらに備えていてもよい。
カートリッジ収容部115内に設けられているカートリッジ装着部70には、印刷ヘッド46から吐出されるインクに対応したインクカートリッジ71が装着されており、インクカートリッジ71内のインクがカートリッジ装着部70及び図示しないインク供給管等を介して適宜印刷ヘッド46に供給されるようになっている。なお、印刷ヘッド46自体にインクカートリッジを搭載する構成としてもよい。
本実施形態の印刷ヘッド46は、主走査モータ47a,副走査モータ47b等で構成されるヘッド駆動部47によって、ネイルプリント装置1の幅方向(左右方向)であるX方向及びネイルプリント装置1の奥行き方向(前後方向)であるY方向に移動可能となっている。
すなわち、主キャリッジ42は動力伝達部(図示せず)を介して主走査モータ47aに連結され、主走査モータ47aの正逆回転によって、ガイドロッド41に沿って左右方向に移動するように構成されている。また、副キャリッジ45は動力伝達部(図示せず)を介して副走査モータ47bに連結され、副走査モータ47bの正逆回転によって、ガイドロッド44に沿って前後方向に移動するように構成されている。
本実施形態において、印刷ヘッド46を支持する副キャリッジ45には、印刷指U1の爪Tに描画を施すペン48を装着するペンホルダ49が備えられている。すなわち、図3に示すように、主キャリッジ42の側部にはペンホルダ49が配置されており、副キャリッジ45の下側には、このペンホルダ49の一端が固定されている。
本実施形態では、このようにペンホルダ49が副キャリッジ45に固定されていることから、印刷部40のヘッド駆動部47は、印刷ヘッド46及びペン48を、等距離に保持しながら駆動させるようになっている。
また、副キャリッジ45に支持された印刷ヘッド46が移動すると、副キャリッジ45に固定されたペンホルダ49もともに移動することから、ヘッド駆動部47は、印刷ヘッド46及びペン48を同時に駆動させるようになっている。
なお、ペンホルダ49が取り付けられる位置はここに例示したものに限定れさない。
図5(a)〜図5(c)は、非描画状態におけるペンホルダ49及びこれに支持されたペン48を拡大した図であり、図6(a)〜図6(c)は、描画状態におけるペンホルダ49及びこれに支持されたペン48を拡大した図である。
図5(a)及び図6(a)は、ペンホルダ49及びペン48の側面図であり、図5(b)及び図6(b)は、図5(a)及び図6(a)のペンホルダ49及びペン48を矢視b方向から見た上面図であり、図5(c)及び図6(c)は、図5(a)及び図6(a)のペンホルダ49及びペン48を矢視c方向から見た正面図である。
図5(a)〜図5(c)及び図6(a)〜図6(c)に示すように、ペンホルダ49に保持されるペン48は、ペン軸部481の先端側にペン先482が設けられたものである。ペン軸部481の内部は、各種インクを収容するインク収容部となっている。ペン軸部481の内部に収容されるインクは、粘度や色材の粒径(粒子の大きさ)等は特に限定されず、例えば、金銀のラメ入りのインクや白色のインク、UV硬化型のインクやジェルネイル、アンダーコート用、トップコート用のマニキュア等も用いることができる。
ペン軸部481の他端側には、ペン軸部481よりも外側に張り出した鍔部483が形成された蓋部484が取り付けられている。ペン軸部481及び蓋部484を形成する材料は特に限定されないが、ペン48を軽量化するために樹脂等で形成されていることが好ましい。
本実施形態において、蓋部484の上部には、手やピンセット等でつまみ易いようにつまみ部485が設けられており、さらに、このつまみ部485には磁石に吸着するように小さな鉄片486が埋設、貼着等により設けられている。
ペン48は、例えばペン先482を爪Tの表面に押し当てることでペン軸部481内に収容されているインクが染み出して描画する、ペン先482がボールペンタイプとなったペンである。なお、ペン48は、ボールペンタイプのものに限定されず、例えばフェルト状のペン先にインクを染み込ませて描画するサインペンタイプや、束ねた毛にインクを染み込ませて描画する筆ペンタイプのもの等であってもよい。また、ペン先482の太さも各種のものを用意することができる。
ペン48は後述するようにペンホルダ49のペン保持部497d及び支持筒部491に上方から挿通するだけで保持されているため、ケース本体2に設けられているペン交換用蓋部23を開けて、例えば手やピンセットでつまみ部485を摘む、若しくは、図3に示すような、先端に磁石Smが取り付けられた棒状部材Sをペン交換用口及びこれに繋がるペン交換用孔121の中に挿入することで、磁石Smをつまみ部485の鉄片486に近づけ、鉄片486を磁石Smに吸着させて引き上げる等の手法により、簡易に取り出し、交換が可能である。このため、ユーザは、ペンホルダ49に装着するペン48を、描画したいネイルデザインに応じてペン先482の種類やインクの種類の異なるペン48に適宜入れ替えることで、幅広いネイルデザインを実現することができる。
ペンホルダ49には、ペン48をほぼ垂直に保持する支持筒部491と、ペン48を上下移動させるためのペン上下機構492が設けられている。
支持筒部491は、内部にペン先482及びペン軸部481が挿通され、ペン48を保持する筒状の部分である。
ペン上下機構492は、ばね493によって前方(図4、図5(a)及び図6(a)における右側方向)に付勢されているプランジャ494と、このばね493の付勢力に抗してプランジャ494を後方(図4、図5(a)及び図6(a)における左側方向)に保持するソレノイド495と、プランジャ494の移動端側に取り付けられたレバー支持軸496と、このレバー支持軸496を介してプランジャ494と連結されているペン上下レバー497と、ペン上下レバー497が上昇しすぎるのを抑制するストッパ498とを備えている。
ペン上下レバー497は、図5(a)及び図6(a)に示すように、短アーム497aと長アーム497bとがほぼ直角に交わるL字状の部材であり、短アーム497aの先端側にレバー支持軸496に係止される長孔497cが形成されている。また、長アーム497bの先端側には、ペン48が挿通されるペン保持部497dが設けられている。ペン保持部497dは、ペン48のペン軸部481及びペン先482の径よりも大きく、ペン48の鍔部483の径よりも小さい内径を有するリング状に形成されており、ペン軸部481及びペン先482を挿通させるとともに鍔部483を下側から支持するように係止している。
ペン上下レバー497における短アーム497aと長アーム497bとの交点には、ペンホルダ49側から回転軸499が挿通されている。
本実施形態において、ソレノイド495が駆動されている状態では、図6(a)に示すように、ばね493の付勢力に抗してプランジャ494が後方に引かれた状態となり、プランジャ494のレバー支持軸496に係止されているペン上下レバー497は長アーム497bがほぼ水平となる位置で保持される。この状態において、ペン48のペン先は、ペンホルダ49の支持筒部491よりも下方に下りた状態となり、爪Tの表面や被描画媒体61aと接触可能な描画状態となる。また、ソレノイド495が開放された状態では、図5(a)に示すように、ばね493の付勢力によってプランジャ494が前方に突出する。このとき、プランジャ494のレバー支持軸496に係止されているペン上下レバー497は回転軸499を支点として上方向(反時計方向)に回動し、長アーム497bがストッパ498に当接して止まる。これにより、ペン48の鍔部483が、ペン上下レバー497によって上方向に跳ね上げられる。この状態において、ペン48のペン先は、ペンホルダ49の支持筒部491よりも上方に上がった状態となり、爪Tの表面や被描画媒体61aと接触しない非描画状態となる。
このように、ソレノイド495によるプランジャ494を前後移動させる力は、回転軸499及びこれを支点として回動するペン上下レバー497によってペン48を上下移動させる力に変換される。
なお、ペン48は、ペンホルダ49の支持筒部491に挿通されて保持されているのみであり、ペン上下レバー497等に固定されていないため、自重によって下方に付勢されている。これにより、ペン48は、鍔部483がペン保持部497dの上面に接触する位置まで、支持筒部491に沿って自由に下降できるとともに、爪Tの表面や被描画媒体61aに突き当たると、ペン先482が爪Tの表面や被描画媒体61aに押し当てられるようになっている。
すなわち、爪Tにペン48で描画する場合、ペン先482は、爪Tの表面形状(表面の起伏等)に追従して(爪Tの曲面や高さに合わせて)、印刷指U1が載置されているXY平面に直交するZ方向(すなわち上下方向)に自由に移動可能に構成されている。
例えば、爪Tの高さの低い部分(例えば爪Tの幅方向の両端部等)に描画する場合には、図7(a)に示すように、ペン48は、鍔部483がペン保持部497dの上面近くまで下降し、爪Tの高さの高い部分(例えば、爪Tの幅方向の中央部等)に描画する場合には、図7(b)に示すように、ペン48は、爪Tの高さに追従して上昇し、鍔部483がペン保持部497dの上面から離間する。
ペン48の重量は数十グラムと極めて軽量であるため、ペン先482が爪Tに突き当たってもユーザが痛みを感じることはなく、また自重によりペン48の筆圧は確保されるため爪Tの上等にネイルデザインを描くことができる。
本実施形態では、このペン上下機構492を構成する部材のうち、回転軸496及びストッパ498は、ステンレス等の金属で形成されており、それ以外の部材は、樹脂等の軽量で磁石に反応しない材料で形成されている。なお、ペン上下機構492を構成する部材の材料は、ここに例示したものに限定されない。
また、本実施形態では、ペン48を上下させるためのアクチュエータとしてソレノイド495を用いているが、ペン48を上下させるためのアクチュエータは、ソレノイド495に限定されない。ペン48は軽量であるため、ソレノイドの他、各種小型の駆動装置によりペン48を上下させるためのアクチュエータを構成することができる。
図2から図4に示すように、撮影部50は、上部機枠12に設けられている。
すなわち、上部機枠12には基板13が設置されており、この基板13の中央部下面には、カメラ51が設置されている。カメラ51は、例えば200万画素程度以上の画素を有するものであることが好ましい。
カメラ51は、指受入部31内に挿入されている印刷指U1の爪T(爪Tを含む印刷指U1)を撮影する撮像装置である。
また、基板13には、カメラ51を囲むように白色LED等の照明灯(照明装置)52が設置されている。照明灯52は、カメラ51による撮影の際に、印刷指U1の爪Tを照明するものである。撮影部50は、このカメラ51及び照明灯52を備えて構成されている。
本実施形態では、撮像装置としてのカメラ51によって取得された印刷指U1の爪Tの画像(爪画像を含む指画像)に基づいて、後述する爪情報検出部812(図8参照)が、爪Tの形状、爪Tの位置(爪Tの水平及び高さ方向の位置を含む)、爪Tの曲率等の爪情報を検出するようになっている。
この撮影部50は、後述する制御装置80の撮影制御部811(図8参照)に接続され、該撮影制御部811によって制御されるようになっている。
撮影部50によって撮影された画像の画像データは、後述する記憶部82の爪画像記憶領域821に記憶される。
また、制御装置80は、例えば上部機枠12に配置された基板13等に設置されている。
図8は、本実施形態における制御構成を示す要部ブロック図である。
制御装置80は、図8に示すように、図示しないCPU(Central Processing Unit)により構成される制御部81と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等(いずれも図示せず)で構成される記憶部82とを備えるコンピュータである。
記憶部82には、ネイルプリント装置1を動作させるための各種プログラムや各種データ等が格納されている。
具体的には、記憶部82のROMには、爪画像から爪Tの形状や位置、爪Tの曲率等の爪情報を検出するための爪情報検出プログラム、印刷データを生成するための印刷データ生成プログラム、印刷処理を行うための印刷プログラム等の各種プログラムが格納されており、これらのプログラムが制御装置80によって実行されることによって、ネイルプリント装置1の各部が統括制御されるようになっている。
また、本実施形態において記憶部82には、撮影部50によって取得されたユーザの印刷指U1の爪Tの爪画像を記憶する爪画像記憶領域821、爪情報検出部812によって検出された爪情報が記憶される爪情報記憶領域822、及び爪Tに印刷されるネイルデザインの画像データを記憶するネイルデザイン記憶領域823が設けられている。
制御部81は、機能的に見た場合、撮影制御部811、爪情報検出部812、印刷データ生成部813、表示制御部814、印刷制御部815等を備えている。これら撮影制御部811、爪情報検出部812、印刷データ生成部813、表示制御部814、印刷制御部815等としての機能は、制御部81のCPUと記憶部82のROMに記憶されたプログラムとの共働によって実現される。
撮影制御部811は、撮影部50のカメラ51及び照明灯52を制御してカメラ51により、指受入部31に挿入された印刷指U1の爪Tの画像を撮影させるものである。
本実施形態において、撮影制御部811は、撮影部50のカメラ51及び照明灯52を制御して、印刷指U1の爪Tについて撮影を行い、爪Tの画像を取得する。
爪情報検出部812は、カメラ51によって撮影された指受入部31に挿入された印刷指U1の爪Tの画像に基づいて、印刷指U1の爪Tについての爪情報を検出するものである。
ここで、爪情報とは、爪Tの輪郭(爪形状と水平位置)、爪Tの高さ(爪Tの垂直方向の位置、以下「爪Tの垂直位置」又は単に「爪Tの位置」ともいう。)、爪Tの曲率(爪曲率)であり、爪情報検出部812は、これら爪Tの形状、爪Tの位置、爪Tの曲率のうち、少なくともいずれか1つを爪情報として検出する。本実施形態では、爪情報検出部812は、爪画像に基づいて爪Tの形状、爪Tの位置、爪Tの曲率を全て検出するようになっている。
具体的には、爪情報検出部812は、カメラ51により取得された印刷指U1の爪Tの爪画像を含む指画像から、爪Tの輪郭(形状や大きさ)、位置を検出し、この輪郭をx,y座標等で表される情報として取得する。爪情報検出部812は、例えば、カメラ51により取得された印刷指U1の爪Tの爪画像を含む指画像から爪Tとそれ以外の指部分との色の違い等に基づいて爪Tの輪郭(形状)を検出するものである。なお、爪情報検出部812が爪Tの輪郭(形状)を検出する手法は特に限定されず、ここに挙げたものに限られない。
また、爪情報検出部812は、カメラ51によって撮影された爪Tの画像に基づいて、爪Tについて爪高さを検出する。ここで、爪高さとは、爪Tの垂直方向の位置である。
さらに、爪情報検出部812は、カメラ51によって撮影された爪Tの画像に基づいて、爪Tについて爪曲率を検出する。爪曲率とは、爪Tの幅方向における曲率である。
例えばカメラ51によって2つの異なる角度から爪Tを撮影させることにより、爪情報検出部812は、爪画像に現われる陰影の変化等から爪Tについての爪高さや爪曲率を推定することができる。
なお、爪情報検出部812が爪Tの爪高さや爪曲率を検出する手法は特に限定されず、ここに挙げたものに限られない。
印刷データ生成部813は、爪情報検出部812により検出された爪情報に基づいて、印刷ヘッド46により印刷指U1の爪Tに施される印刷用のデータ生成する。
具体的には、印刷データ生成部813は、爪情報検出部812により検出された爪Tの形状等の爪情報に基づいてネイルデザインの画像データを縮小する等による合せ込み処理を行い、爪Tに印刷を施すためのデータを生成する。
表示制御部814は、表示部26を制御して表示部26に各種の表示画面を表示させるものである。本実施形態では、表示制御部814は、例えばネイルデザインの選択画面やデザイン確認用のサムネイル画像、印刷指U1を撮影した指画像や指画像に含まれる爪画像、各種の指示画面等を表示部26に表示させるようになっている。
印刷制御部815は、印刷データ生成部813によって生成された印刷データを印刷部40に出力し、爪Tに対してこの印刷データにしたがった印刷を施すように、印刷部40のヘッド駆動部47である主走査モータ47a、副走査モータ47b、印刷ヘッド46、ペン48を上下させるソレノイド495の動作を制御する。
次に、本実施形態におけるネイルプリント装置1の動作及び印刷方法について説明する。
このネイルプリント装置1により印刷を行う場合、ユーザはまず、電源スイッチを入れて制御装置80を起動させる。
表示制御部814は、表示部26にデザイン選択画面を表示させる。ユーザは操作部25の操作釦251等を操作して、デザイン選択画面に表示された複数のネイルデザインの中から所望のネイルデザインを選択し、これにより、操作部25から選択指示信号が出力されて爪Tに印刷すべきネイルデザインが選択される。
ネイルデザインが選択されると、制御部81は、当該選択されたネイルデザインを描画するのに必要なペン48をペンホルダ49にセットするよう促す指示画面を表示部26に表示させる。ユーザは表示画面に表示された指示にしたがって、ペンホルダ49に所定の種類のペン48をセットする。なお、ユーザがあえて指示と異なるペン48をセットして、好みの色や質感のネイルデザインを実現するようにしてもよい。
なお、ペンホルダ49にどの種類のペン48がセットされているかをバーコード等により制御部81が読み取ることができるように構成してもよく、この場合には、ペンホルダ49にセットされているペン48によって描画できるネイルデザインを表示部26のデザイン選択画面を表示させ、ユーザにその中からネイルデザインを選択させるようにしてもよい。
次に、ユーザは、印刷指U1を指受入部31に挿入し、非印刷指U2を指退避部32に挿入して、印刷指U1を固定した上で、印刷スイッチを操作する。
印刷スイッチから指示が入力されると、印刷動作を開始する前に、まず撮影制御部811が撮影部50を制御して、照明灯52により印刷指U1を照明しながらカメラ51により印刷指U1を撮影させる。これにより、撮影制御部811は、指受入部31に挿入された印刷指U1の爪Tの画像を取得する。
次に、爪情報検出部812は、爪Tの画像に基づいて爪Tの輪郭(爪形状や大きさ)、爪の位置(爪の垂直位置を含む)、爪曲率を検出(算出)する。
爪情報検出部812により爪Tの形状、爪Tの位置、爪Tの曲率が検出されると、これらの爪情報に基づいて、印刷データ生成部813が、ネイルデザインの画像データの爪Tへの合せ込み処理を行う。また、印刷データ生成部813は、これら爪情報に基づいて、ネイルデザインの画像データにつき曲面補正を行う。これにより印刷データが生成される。
また、印刷制御部815は、爪Tへの印刷開始前に、ペン48をペン慣書部65に移動させて、ペン48を保持するペンホルダ49のソレノイド495を駆動させ、ペン48を描画可能状態とする。そして、被描画媒体66に「○」「∞」等の所定の画像を描く慣らし書きを行う。
印刷データが生成され、慣らし書きも完了すると、印刷制御部815は、印刷データを印刷部40に出力し、印刷ヘッド46とペンホルダ49のソレノイド495とを適宜駆動させて印刷データに基づいたネイルデザインを爪Tに印刷させる。すなわち、インクジェット方式によって印刷を行う部分については、印刷ヘッド46から所定の色のインクを所定量ずつ吐出させる。また、ペン48によって描画を行う部分については、ペンホルダ49のソレノイド495を駆動させてペン48を描画可能状態とするとともに、印刷データに基づいてヘッド駆動部47を動作させ、ペンホルダ49をXY方向に適宜移動させて爪Tに描画を行わせる。このとき、ペン48は自重により爪Tの表面に押し当てられ、爪Tの表面形状に追従して上下動しながら描画を行う。
なお、複数の指の爪Tに印刷を施す場合には、1つの指の爪Tについて印刷処理が終了した後、当該印刷済みの爪Tの指を指受入部31から抜いて次に印刷すべき爪Tの指を印刷指U1として指受入部31に挿入し、当該爪Tの爪画像を取得して、上記の処理を繰り返す。
印刷が完了すると、印刷制御部815は、印刷ヘッド46を印刷保守部60の上に移動させ、印刷ヘッド46及びペン48にキャップをして乾燥を防止する。
なお、ペン48を交換する場合には、印刷制御部815は、ペンホルダ49をペン交換用蓋部23に対応する位置まで移動させる。この状態でユーザがペン交換用蓋部23を開けることにより、ペン48の取り出し、交換が可能となる。
図9(a)から図9(d)は、本実施形態におけるネイルプリント装置1によって爪Tに描画することのできるネイルデザインの例を示したものである。
図9(a)は、爪Tの全体にインクジェット方式の印刷ヘッド46で印刷を施した後、ペン48を使って模様を描画したものである。この場合、まず、ユーザが爪Tの全体に白下地(インク受容層を兼ねる)を塗り、これを乾燥させてからネイルプリント装置1で背景となるデザインを選択し、選択したデザイン(図9(a)では全体に薄いピンク色等が塗られ、爪先だけに赤色等の濃い色が塗られたデザイン)を印刷ヘッド46により印刷する。その後、しばらくインクを乾燥させた後、再びネイルプリント装置1に印刷指U1をセットしてペン48で描画するデザインを選択し、選択したデザイン(図9(a)では金色小球柄のデザイン)に対応するペン48(図9(a)に示す例では金ラメ・銀ラメの入ったインクを有するペン48)をペンホルダ49に装着し、当該ペン48によりデザインを描画する。さらに、透明のトップコートを塗って乾燥させることにより持ちのよいネイルプリントが完成する。なお、本実施形態におけるネイルプリント装置1には、前述のように、各種のペン先482のペン48を適用可能であることから、例えば、白下地(アンダーコート)やトップコートについても、ペン先482の太いボールペンタイプやサインペンタイプ、筆ペンタイプ等のペン48を用いて印刷してもよい。この場合には、ユーザが自分で塗る手間を省くことができるとともに、爪Tの全体に塗り残しや塗りむら等のない美しい仕上がりとすることが可能である。
図9(b)は、インクジェット方式の印刷ヘッド46を用いずにペン48のみを用いて印刷を施した例である。図9(b)では、例えば赤色系等の濃い色のマニュキュアが塗られた爪Tの上に、ペン48を用いて金ラメ等の入ったインクでリボン柄のモチーフを描画したものを示している。インクジェット方式の印刷ヘッド46では一旦白色等の下地を塗らなければ発色させることのできなかった色も、ペン48による描画であれば下地の色をリセットすることなく、粘度の高い発色の良いインク等を塗り重ねることで美しく発色させることができる。
図9(c)は、何も塗っていないクリアな爪Tの爪先部分のみにペン48を用いて色を塗りフレンチネイルを実現している例である。下地を塗っていない爪Tや、濃い色のマニュキュアが塗られた爪Tの上等でも、ペン48を用いることによりフレンチや各種モチーフ柄等の描画を施すことができる。
図9(d1)は、何も塗っていないクリアな爪T又は既にマニュキュアが塗られた爪Tの一部に白色のインクを有するペン48で隠蔽印刷を行ったものであり、図9(d2)は、図9(d1)において白色が塗られた部分に、インクジェット方式の印刷ヘッド46を用いて花柄を描いた例である。この場合には、まず、インクジェット方式の印刷ヘッド46でデザインを描く領域にペン48を用いて白色を塗り、次に印刷指U1について爪認識を行った際に爪Tの認識とともに白く塗られた部分を検出する。そして、その白塗り部分の位置と大きさに合せてインクジェット方式の印刷ヘッド46を用いて色付きの花柄等を印刷する。その後、透明のトップコートを塗って乾燥させることにより持ちのよいネイルプリントが完成する。これにより、透明なままの爪Tや好みのマニュキュアが塗られた爪Tの上にフルカラーのモチーフ柄等を施したデザインが可能となる。
なお、このように、ペン48を用いて白色インクによる隠蔽印刷を行った後にインクジェット方式の印刷ヘッド46を用いて印刷を行う場合、爪T又は下地のマニュキュアの色をカメラ51で撮り込んだ画像から認識し、印刷ヘッド46でモチーフを印刷する際に、モチーフの隙間や周辺部を当該色で埋めたりぼかしたりすることにより隙間や境界部分を目立たなくすることが好ましい。
以上のように、本実施形態のネイルプリント装置1によれば、印刷ヘッド46及びペン48を、等距離に保持しながら駆動させ、印刷ヘッド46とペン48の両方を用いてネイルデザインを印刷することができる。このため、従来のようにインクジェット方式の印刷ヘッドのみを用いて印刷を行う場合と比較して、粘度の高いインクや金銀のラメ入りのインクや白色のインク等のような各種の色材を含むインクを広く用いることができる。これにより、白色等の下地を塗らなくてもインクの色を綺麗に発色させることができ、下地を塗る手間を省くことができるとともに、爪Tの地の色等を生かしたデザインも描画することができるため、描画できるネイルデザインの幅が広がる。
また、アンダーコートやトップコート等を塗る場合や、爪Tの全体に色を塗りたい場合にも、ペン先482の太いペン48や筆ペンタイプのペン48等を用いれば、迅速かつむらなく塗ることができるため、ユーザが自分で下地等を塗る手間を省くことができるとともに、塗り残しや塗りむら等の発生による画質の低下が生じず、ネイルアートを美しく仕上げることができる。
また、ペン48では使用できるインクが限定されないため、印刷ヘッド46とペン48とを併用することにより、ラメ入りのインクを用いた豪華なデザインや、厚み感や光沢感があり、仕上がりに高級感があるデザイン等、ネイルサロンで施されるのと同様のバリエーション豊富で美しい仕上がりのネイルプリントをネイルプリント装置1によって簡易に爪Tに施すことができる。
また、ペン48では、例えばUV硬化型のジェルネイル等の粘度の高いインクもが使用できるため、ネイルサロンで施されるような、持ちがよく仕上がりの美しいネイルアートを実現することができる。
また、ペン48のみでなく、印刷ヘッド46による印刷も併用できるため、フルカラー印刷によるカラフルな絵柄のネイルプリントを簡易に実現することができる。
また、爪情報検出部812により、爪画像に基づいて、爪情報として爪の形状、爪の位置、爪の曲率のうち、少なくともいずれか1つ(本実施形態では、これら全て)を検出するため、ユーザの爪Tに合わせて描画を施すことができ、塗り残しやはみ出しのないきれいなネイルアートを実現することができる。
[第2の実施形態]
次に、図10から図15を参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、ネイルプリント装置のペン及びペンホルダの構成のみが第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
図10は、本実施形態におけるネイルプリント装置の装置本体の正面図であり、図11は、図10におけるXI−XI線に沿った断面を矢印方向に見て示した断面図である。
図10及び図11に示すように、本実施形態のネイルプリント装置は、第1の実施形態とほぼ同様の構成のケース本体2と、下部機枠11及び上部機枠12を備える装置本体10を備えている。
ケース本体2の一側面であって後述するペン91に対応する位置には、ペン91を交換するために開閉可能に構成されたペン交換用蓋部23が設けられている。ペン交換用蓋部23は、例えばヒンジ等を介して、図10に示すように閉状態から開状態まで回動自在となっている。
本実施形態において、印刷ヘッド46を支持する副キャリッジ45には、印刷指U1の爪Tに描画を施すペン91を装着するペンホルダ92が2つ備えられている。すなわち、図10及び図11に示すように、主キャリッジ42の側部には2つのペンホルダ92が並んで配置されており、副キャリッジ45の下側には、この2つのペンホルダ92の一端が固定されている。なお、ペンホルダ92の数は2つに限定されず、さらに多くのペンホルダ92を備えてもよい。
本実施形態では、このようにペンホルダ92が副キャリッジ45に固定されていることから、印刷部40のヘッド駆動部47は、印刷ヘッド46及びペン91を、等距離に保持しながら駆動させるようになっている。
また、副キャリッジ45に支持された印刷ヘッド46が移動すると、副キャリッジ45に固定されたペンホルダ92もともに移動することから、ヘッド駆動部47は、印刷ヘッド46及びペン91を同時に駆動させるようになっている。
なお、ペンホルダ92が取り付けられる位置はここに例示したものに限定れさない。
図12(a)は、ペンホルダ92に装着されたペン91の正面図であり、図12(b)は、ペンホルダ92及びペン91を図12(a)における矢視b方向から見た側面図である。
図12(a)及び図12(b)に示すように、本実施形態のペンホルダ92は、ペン91を両側から挟みこむ係止部921と、ペン91を下面側部から支持する下面支持部922と、ペン91の上部を両側から支持する上部支持部923を備えている。
係止部921は、例えば薄い樹脂の板等で形成されており、バネ性を有している。これにより、ペン91をペンホルダ92から着脱する際には、係止部921がペン91の外周面で押されることで両側に押し拡がり、容易に着脱することが可能となっている。
また、下面支持部922及び上部支持部923によって両側からペン91を支持することで垂直方向にペン91の姿勢を安定させることができるとともに、下面支持部922によって、ペン91が下方に抜け落ちることが防止されている。
ペンホルダ92の上部には、ペンホルダ92に保持されたペン91を上下移動させるためのペン上下機構94が設けられている。
ペン上下機構94は、バネ941により上方向(図12(a)及び図12(b)において上方向)に付勢されたプランジャ942と、バネ941の付勢力に抗してプランジャ942を下方向に押し下げる、コイル部とプランジャを含むソレノイド943を備えている。
本実施形態において、プランジャ942の下端部は、半球状又は錘状等に形成されている。後述のように、ペン91の上部には、軸受け凹部912aが形成されているため、半球状又は錘状等に形成されたプランジャ942の下端部を軸受け凹部912aで受けることにより、ペン91を安定して垂直方向に押し下げることができるようになっている。
図13(a)は、本実施形態において、ペンホルダ92に保持されるペン91の外観を示した側面図であり、図13(b)は、図13(a)に示すペン91の断面図である。
図13(a)及び図13(b)に示すように、ペン91は、外筒911と、外筒911内に収容された内筒912と、内筒912内に収容されたペン本体913とを備えている。
外筒911は、上下に開口し、上部開口911aには、内向きフランジ911cが形成されている。また、下部開口911bには、内向きフランジ911dが形成されている。
内筒912は、上部に外筒911の上部開口911aから露出する部分にプランジャ942の下端部を受ける軸受け凹部912aが形成されている。また、内筒912は、下部に開口部912bを有する。開口部912bには、内向きフランジ912cが形成されている。また、内筒912の内部上方には、内筒912の内側に張り出す内向きフランジ912dが形成されている。さらに、内筒912の外部上方には、内筒912の外側に張り出す外向きフランジ912eが形成されている。
内筒912の外径は、外筒911の下部開口911bの内径よりも小さく、内筒912は、外筒911の下部開口911bから突出可能となっている。
ペン本体913は、ペン軸部913aの先端側(図13(a)等において下側)にペン先913bが設けられたものである。ペン軸部913aの内部は、各種インクを収容するインク収容部となっている。
ペン軸部913aのとペン先913bとの間には、外側に張り出す鍔部913cが設けられている。鍔部913cの外径は、内筒912の開口部912bの内径よりも大きく、内筒912に収容されたペン本体913は、鍔部913cが内筒912の開口部912bに形成された内向きフランジ912cに突き当てられて、下方から抜け落ちないように保持される。
ペン本体913の外周にはコイルバネ914が巻回されている。コイルバネ914の一端側は鍔部913cの上面に当接し、他端側は内筒912の内向きフランジ912dの下面に当接している。ペン本体913は、このコイルバネ914により、ペン先913bを内筒912の開口部912bから突出させる方向(図13(a)及び図13(b)において下方向)に付勢されている。なお、ペン本体913は自重によっても下方向に付勢されるものであるため、コイルバネ914は極僅かな付勢力を付与するもので足りる。
また、内筒912の外周にはコイルバネ915が巻回されている。コイルバネ915の一端側は外筒911の下部開口911bに形成された内向きフランジ911dの上面に当接し、他端側は内筒912の外向きフランジ912eの下面に当接している。内筒912は、このコイルバネ915により、外筒911の上部開口911aに形成された内向きフランジ911cの下面に突き当てられる方向(図13(a)及び図13(b)において上方向)に付勢されている。
図14(a)から図14(c)は、ペン上下機構94の動作とペン91の上下移動との関係を示した図である。
非描画時においては、図14(a)に示すように、ペン上下機構94のプランジャ942がペン91の軸受け凹部912aと接触しないようになっており、ペン91の内筒912が、コイルバネ915の付勢力により、上方向に押し上げられ、ペン先913bが下方に突出しないようになっている。
これに対して、描画時には、ペン上下機構94のソレノイド943が動作することにより、プランジャ942が押し下げられる。これにより、図14(b)及び図14(c)に示すように、プランジャ942の先端部がペン91の軸受け凹部912aに当接し、バネ941の付勢力に抗して内筒912を下方向に押し下げる。この結果、ペン先913bが爪T等の表面に接触する。ペン本体913は、コイルバネ914によって下方向に付勢されており、ペン先913bが爪T等の表面に適度な力で押圧されることで、描画可能な状態となる。
なお、コイルバネ914の付勢力は僅かなものであるため、図14(b)及び図14(c)に示すように、爪T等の表面が高い場合にはペン本体913はコイルバネ914の付勢力に反して爪T等の表面により上側に押し上げられる。このように、ペン本体913は爪T等の表面形状に追従して、XY平面に直交するZ方向(すなわち、図14(c)等に示す上下方向)に移動可能に構成されている。
なお、その他の構成は、第1の実施形態と同様であることから、同一部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
次に、本実施形態におけるネイルプリント装置1の動作及び印刷方法について説明する。
このネイルプリント装置1により描画を行う場合、第1の実施形態と同様に、ユーザは電源スイッチを入れて制御装置80を起動させる。
表示制御部814は、表示部26にデザイン選択画面を表示させる。ユーザは操作部25の操作釦251等を操作して、デザイン選択画面に表示された複数のネイルデザインの中から所望のネイルデザインを選択し、これにより、操作部25から選択指示信号が出力されて爪Tに描画すべきネイルデザインが選択される。
ネイルデザインが選択されると、制御部81は、当該選択されたネイルデザインを描画するのに必要なペン91を所定のペンホルダ92にセットするよう促す(すなわち、どのペン保持部921にどのインクのペン91を装着すべきかを示す)指示画面を表示部26に表示させる。なお、どのペンホルダ92にどの種類のペン91がセットされているかをバーコード等により制御部81が読み取ることができるように構成してもよく、この場合には、ペンホルダ92にセットされているペン91によって描画できるネイルデザインを表示部26のデザイン選択画面を表示させ、ユーザにその中からネイルデザインを選択させるようにしてもよい。
その後、ユーザは、印刷指U1を指受入部31に挿入し、非印刷指U2を指退避部32に挿入して、印刷指U1を固定した上で、印刷スイッチを操作し、印刷動作を開始させる。
なお、ペン91を交換する場合には、印刷制御部815は、ヘッド駆動部47によりペンホルダ92(ペンホルダ92が固定された副キャリッジ45)をペン交換用蓋部23に対応する位置まで移動させる。そして、ペン交換用蓋部23を開けてペン91を手で取り外す。このとき、ペン91を手で手前に引くことにより、ペンホルダ92の係止部921が左右に押し拡がるため、ペン91を容易に取り外すことができる。また、ペン91を取り付ける場合には、ペン91をペンホルダ92の一対の係止部921の間に押し込むことにより、係止部921が左右に押し拡がり、その後係止部921がペン91を左右から挟みこむため、ペン91がペンホルダ92に保持される。
なお、その他の点については、第1の実施形態と同様であることから、その説明を省略する。
図15(a)から図15(c)は、本実施形態におけるネイルプリント装置によって爪Tに描画することのできるネイルデザインの例を示したものである。
図15(a)は、何も塗っていないクリアな爪T又は既にマニュキュアが塗られた爪Tの一部に白色のインクを有するペン91で隠蔽印刷を行ったものであり、図15(b)は、図15(a)において白色が塗られた部分に、インクジェット方式の印刷ヘッド46を用いて星柄を描いた例である。この場合には、まず、インクジェット方式の印刷ヘッド46でデザインを描く領域にペン91を用いて白色を塗り、次に印刷指U1について爪認識を行った際に爪Tの認識とともに白く塗られた部分を検出する。そして、その白塗り部分の位置と大きさに合せてインクジェット方式の印刷ヘッド46を用いて色付きの星等を印刷する。さらに、図15(c)は、その後、印刷ヘッド46によって印刷された星柄の位置を再度カメラ51によって取り込んだ画像等により認識し、当該星柄の周囲に金ラメ入りのインク等を有するペン91により縁取り印刷を施した例である。なお、最後に透明のトップコートを塗って乾燥させることにより持ちのよいネイルプリントが完成する。これにより、透明なままの爪Tや好みのマニュキュアが塗られた爪Tの上にフルカラーのモチーフ柄等を施し、さらにラメ等の縁取りを施した豪華なデザインを印刷することが可能となる。なお、このようにペン91で縁取りを施す場合には、印刷ヘッド46でモチーフを印刷する際に、多少印刷位置がずれてもペン91による縁取りによって隠れてしまうことから、モチーフの隙間や周辺部を下地や爪Tの色で埋めたりぼかしたりして隙間や境界部分を目立たなくする手間が不用となる。
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得られる他、以下の効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、ネイルプリント装置にペンホルダ92を2つ備え、2つのペン91を同時に保持させることが可能となっている。このため、例えば、図15(a)から図15(c)において示した例のように、下地用の白インクを塗るためのペン91と、模様や縁飾りを描画するためのペン91とをペンホルダ92に保持させ、ペン91による下地印刷から印刷ヘッド46によるフルカラー印刷のあとの仕上げ工程までを、印刷途中でペンを取り替えることなく、迅速に行うことができる。また、2種類のラメ入りインク等のペン91をペンホルダ92に保持させて、より豪華で華やかなネイルデザインを印刷することも可能であり、バリエーション豊かなネイルプリントを楽しむことができる。
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記第2の実施形態では、ペン本体913の外周にコイルバネ914が巻回されている場合を例示したが、コイルバネ914を備えない構成としてもよい。ペン本体913は自重によっても下方向に付勢されるものであり、ペン本体913にある程度の重量がある場合には、コイルバネ914を備えなくても自重による付勢力のみによって爪T等の表面に描画可能な程度の適度な押圧力を得ることができる。
また、上記第1の実施形態の構成において、ペン48を下方に付勢するバネを設けて筆圧を高める構成をとってもよい。
また、第2の実施形態では、プランジャ942の下端部が半球状又は錘状等となっており、内筒912にこれを受ける軸受け凹部912aが設けられている場合を例としたが、プランジャ742の先端形状及びこれを受けるペン91側の形状はこれに限定されない。例えば、ペン91側に先端部が半球状又は錘状等に形成された軸部が設けられ、プランジャ742の下端部にこれを受ける凹部が形成されていてもよい。
また、第2の実施形態では、2本のペン91を同時に装着できるものを例示したが、例えば、ペンホルダ92をさらに複数設けて、3本以上のペン91を保持できるようにしてもよい。
また、ペンホルダ92に装着するペン91を自動で交換する機構を実装してもよい。この場合には、例えば複数のペンを待機スペースに保持しておき、ここから自動でペンを選択してペンホルダ92に装着する。このような構成とすれば、更に装置に保持できるペンの本数を増やすことも可能となる。
また、上記実施形態では、ペンホルダが副キャリッジ45に固定されていることで、印刷ヘッド46及びペンが等距離に保持されて駆動されるように構成したが、印刷ヘッド46及びペンを等距離に保持して駆動させる構成はこれに限定されない。例えば、ペンホルダを設けずに、副キャリッジ45等に印刷ヘッド46とともにペンが搭載される構成としてもよい。また、ペンやこれを保持するペンホルダを印刷ヘッド46やそのキャリッジに固定せず、駆動について同期を取ることで印刷ヘッド46及びペンが等距離に保持されて駆動されるように構成してもよい。
また、印刷ヘッド46及びペンがヘッド駆動部47によって同時に駆動されることは必須ではなく、それぞれ異なるタイミングで駆動されてもよい。
さらに、印刷ヘッド46及びペンは等距離に保持されていなくてもよく、印刷するデザイン画像によって適宜使い分けされてそれぞれ適当な位置において駆動されるようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、ペンを上下移動させるペン上下機構としてソレノイドを用いた構成を例示しているが、ペン上下機構の構成はこれに限定されない。例えば、ステップモータ、DCモータ、モータ及びボールネジ等により構成してもよい。
また、本実施形態では、ペンとしてインクにより描画するものを例示したが、ペンホルダに装着されるペンは、インクを描画するものに限定されない。
例えば、無色や有色透明の液状糊を収容したペンをペンホルダに装着し、これを用いて描画した後、糊が乾く前に粉状のラメ等をふり掛けたり、ラインストーン等を貼着することにより、より豪華なネイルデザインを実現することもできる。
また、香料を含んだ液体等を収容したペンをペンホルダに装着し、これを用いて描画を行い、香り付きのネイルプリントを楽しむことができるようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、ペンの慣書用にロール状の紙の被描画媒体66を用いる場合を例示したが、被描画媒体66は紙に限定されない。また、被描画媒体66はロール状のものに限定されず、1枚ずつの紙片を用いてもよい。この場合には、紙片を挿出するための媒体挿出口を設ける。
また、上記各実施形態では、印刷データ生成部813が、ネイルデザインの画像データについて曲面補正を行い、印刷データを生成する場合を例としたが、印刷データ生成部813が印刷データを生成することは本発明の必須の構成要素ではない。例えば、印刷データを別途生成せずに、印刷制御部815において、ネイルデザインの画像データをLUT(Lookup Table)等により適宜変換しつつ印刷ヘッドやペンに出力して爪形状に合った印刷を行うように印刷制御を行ってもよい。
また、上記各実施形態では、爪Tの形状等の爪情報を検出し、これに基づいて印刷データを生成する場合を例としたが、爪情報を検出することは本発明の必須の構成要素ではない。例えば、爪Tの中程にワンポイント柄を印刷する場合のように、印刷を行う上で爪Tの輪郭を抽出することが必須でない場合であれば、正確に爪Tの形状等を認識する必要はなく、爪情報の検出を行うことなく印刷を行うことができる。
また、撮像装置は、静止画を撮影するカメラ51に限定されず、動画を撮影可能なものであってもよい。この場合、カメラによって動画を撮影し、撮影された動画から、爪Tの画像を適宜切り出して、爪情報の検出に用いる。
また、上記各実施形態では、爪画像記憶領域821、爪情報記憶領域822、ネイルデザイン記憶領域823が制御装置80の記憶部82内に設けられている場合を例としたが、爪画像記憶領域821、爪情報記憶領域822、ネイルデザイン記憶領域823は制御装置80の記憶部82に設けられている場合に限定されず、別途記憶部が設けられていてもよい。
また、上記各実施形態では、指を1本ずつ装置に挿入して順次印刷を行うネイルプリント装置1を例としたが、4本の指に対して同時に印刷を行うことのできる装置に本発明を適用することも可能である。
例えば、ペンの稼動範囲を広げて描画可能範囲を大きくすることにより、複数の印刷指U1に同時に描画を施すことも可能となる。
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
指の爪に印刷を施す印刷ヘッドと、
前記指の爪に描画を施すペンと、
前記印刷ヘッド及び前記ペンを、等距離に保持しながら駆動させるヘッド駆動部と、
前記ヘッド駆動部を制御する制御部と、
を備えていることを特徴とするネイルプリント装置。
<請求項2>
前記ペンを装着するホルダを前記印刷ヘッド又は前記印刷ヘッドを支持するキャリッジに備えていることを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
<請求項3>
前記ヘッド駆動部は、前記印刷ヘッド及び前記ペンを同時に駆動させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のネイルプリント装置。
<請求項4>
前記指の爪を撮影して爪画像を得る撮像装置と、
前記撮像装置によって取得された前記爪画像に基づいて、爪の形状、爪の位置、爪の曲率のうち、少なくともいずれか1つを爪情報として検出する爪情報検出部と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記爪情報検出部により検出された前記爪情報に基づいて、前記印刷ヘッド及び前記ペンを駆動させるように前記ヘッド駆動部を制御することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
<請求項5>
前記印刷ヘッドは、インクジェット方式で印刷を行うヘッドであり、
前記ペンで描画を施す際に使用するインクは、前記印刷ヘッドで印刷を施すことができない色のインク、前記印刷ヘッド印刷を施すことができない粒径の大きな色材を含むインク、ラメ入りのインク、UV硬化型のインク、ジェルネイル、アンダーコート用のマニキュア、トップコート用のマニキュア、のいずれかを含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
<請求項6>
指の爪に印刷を施す印刷ヘッドと前記指の爪に描画を施すペンとを、等距離に保持しながら駆動させ、指の爪にネイルプリントを施すことを特徴とするネイルプリント装置の印刷方法。
<請求項7>
前記ペンが前記印刷ヘッド又は前記印刷ヘッドを支持するキャリッジに備えられたホルダに装着されていることを特徴とする請求項6に記載のネイルプリント装置の印刷方法。
<請求項8>
前記印刷ヘッド及び前記ペンが同時に駆動されることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のネイルプリント装置の印刷方法。
<請求項9>
前記指の爪を撮影して爪画像を取得し、
前記爪画像に基づいて、爪の形状、爪の位置、爪の曲率のうち、少なくともいずれか1つを爪情報として検出し、
検出された前記爪情報に基づいて、前記印刷ヘッド及び前記ペンを駆動させることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載のネイルプリント装置の印刷方法。
<請求項10>
前記印刷ヘッドは、インクジェット方式で印刷を行うヘッドであり、
前記ペンで描画を施す際に使用するインクは、前記印刷ヘッドで印刷を施すことができない色のインク、前記印刷ヘッド印刷を施すことができない粒径の大きな色材を含むインク、ラメ入りのインク、UV硬化型のインク、ジェルネイル、アンダーコート用のマニキュア、トップコート用のマニキュア、の何れかを含むことを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか一項に記載のネイルプリント装置の印刷方法。
1 ネイルプリント装置
2 ケース本体
31 指受入部
46 印刷ヘッド
47 ヘッド駆動部
48 ペン
49 ペンホルダ
50 撮影部
51 撮像装置
52 照明灯
80 制御装置
81 制御部
82 記憶部
116 隔壁
811 撮影制御部
812 爪情報検出部
813 印刷データ生成部
814 表示制御部
815 印刷制御部
821 爪画像記憶領域
822 爪情報記憶領域
823 デザイン画像記憶領域
T 爪
U1 印刷指
U2 非印刷指

Claims (10)

  1. 指の爪に印刷を施す印刷ヘッドと、
    前記指の爪に描画を施すペンと、
    前記印刷ヘッド及び前記ペンを、等距離に保持しながら駆動させるヘッド駆動部と、
    前記ヘッド駆動部を制御する制御部と、
    を備えていることを特徴とするネイルプリント装置。
  2. 前記ペンを装着するホルダを前記印刷ヘッド又は前記印刷ヘッドを支持するキャリッジに備えていることを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
  3. 前記ヘッド駆動部は、前記印刷ヘッド及び前記ペンを同時に駆動させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のネイルプリント装置。
  4. 前記指の爪を撮影して爪画像を得る撮像装置と、
    前記撮像装置によって取得された前記爪画像に基づいて、爪の形状、爪の位置、爪の曲率のうち、少なくともいずれか1つを爪情報として検出する爪情報検出部と、
    をさらに備え、
    前記制御部は、前記爪情報検出部により検出された前記爪情報に基づいて、前記印刷ヘッド及び前記ペンを駆動させるように前記ヘッド駆動部を制御することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
  5. 前記印刷ヘッドは、インクジェット方式で印刷を行うヘッドであり、
    前記ペンで描画を施す際に使用するインクは、前記印刷ヘッドで印刷を施すことができない色のインク、前記印刷ヘッド印刷を施すことができない粒径の大きな色材を含むインク、ラメ入りのインク、UV硬化型のインク、ジェルネイル、アンダーコート用のマニキュア、トップコート用のマニキュア、のいずれかを含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
  6. 指の爪に印刷を施す印刷ヘッドと前記指の爪に描画を施すペンとを、等距離に保持しながら駆動させ、指の爪にネイルプリントを施すことを特徴とするネイルプリント装置の印刷方法。
  7. 前記ペンが前記印刷ヘッド又は前記印刷ヘッドを支持するキャリッジに備えられたホルダに装着されていることを特徴とする請求項6に記載のネイルプリント装置の印刷方法。
  8. 前記印刷ヘッド及び前記ペンが同時に駆動されることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のネイルプリント装置の印刷方法。
  9. 前記指の爪を撮影して爪画像を取得し、
    前記爪画像に基づいて、爪の形状、爪の位置、爪の曲率のうち、少なくともいずれか1つを爪情報として検出し、
    検出された前記爪情報に基づいて、前記印刷ヘッド及び前記ペンを駆動させることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載のネイルプリント装置の印刷方法。
  10. 前記印刷ヘッドは、インクジェット方式で印刷を行うヘッドであり、
    前記ペンで描画を施す際に使用するインクは、前記印刷ヘッドで印刷を施すことができない色のインク、前記印刷ヘッド印刷を施すことができない粒径の大きな色材を含むインク、ラメ入りのインク、UV硬化型のインク、ジェルネイル、アンダーコート用のマニキュア、トップコート用のマニキュア、の何れかを含むことを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか一項に記載のネイルプリント装置の印刷方法。
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