JP2014171694A - 静電容量型トランスデューサ、及び静電容量型トランスデューサの製造方法 - Google Patents
静電容量型トランスデューサ、及び静電容量型トランスデューサの製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】送受信素子から周辺回路までの配線長が長くなると、寄生容量や配線抵抗により、送受信特性の劣化が生じるという課題を解決できる静電容量型トランスデューサなどを提供する。
【解決手段】音響波の送受信を行う静電容量型トランスデューサは、音響波を送信する駆動動作と音響波を受信する検出動作との少なくとも一方を行う送受信素子100を備えた素子基板110と、配線203、204を備えた絶縁性基板200を有する。絶縁性基板が、素子基板の送受信素子が形成された面の側に配置されており、素子基板と絶縁性基板との間に、素子基板の送受信素子と絶縁性基板の配線との間を電気的に接続する接続部300が配置されている。
【選択図】図1
【解決手段】音響波の送受信を行う静電容量型トランスデューサは、音響波を送信する駆動動作と音響波を受信する検出動作との少なくとも一方を行う送受信素子100を備えた素子基板110と、配線203、204を備えた絶縁性基板200を有する。絶縁性基板が、素子基板の送受信素子が形成された面の側に配置されており、素子基板と絶縁性基板との間に、素子基板の送受信素子と絶縁性基板の配線との間を電気的に接続する接続部300が配置されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、超音波などの音響波の送受信(本明細書で送受信と言う場合、送信と受信のうちの少なくとも一方を意味する)を行う静電容量型トランスデューサ、その製造方法などに関する。本明細書において、音響波とは、光音響波、光超音波、音波、超音波と呼ばれる弾性波を含み、光照射により発生する音響波を、特に「光音響波」と呼ぶ。また、音響波のうち、プローブから送信される音響波を「超音波」と呼び、送信された超音波が被検体内で反射したものを特に「反射波」と呼ぶ場合もある。音響波を代表して超音波と記す場合もある。
超音波の送受信を行う目的で、静電容量型超音波トランスデューサであるCMUT(Capacitive-Micromachined-Ultrasonic-Transducer)が提案されている。CMUTは、半導体プロセスを応用したMEMS(Micro-Electro-Mechanical-Systems)プロセスを用いて作製されたものである。図10にCMUTの送受信素子の断面の一例の模式図を示す(非特許文献1参照)。ここで、振動膜101、間隙105を挟んで対向した第1の電極102及び第2の電極103等の要素を1組としてセルと呼ぶ。振動膜101は、基板110上に形成された支持部104により支持されている。第1の電極102は、CMUT内で全て電気的に接続されており、第1の電極102には、第2の電極103との間に所望の電位差が発生するように、所定の直流電圧が一様に印加される。もう一方の第2の電極103は、エレメント(セルの集合体である素子)毎に電気的に分離されている。第2の電極103に交流の駆動電圧を印加することで、第1と第2の電極間に交流の静電引力が発生し、振動膜101を或る周波数で振動させて超音波を送信できる。また、振動膜101が超音波を受けて振動することで、第2の電極103に静電誘導により微小電流が発生し、その電流値を測定することで、エレメント(素子)毎に受信信号を取り出せる。
A.S.Ergun, Y. Huang, X. Zhuang, O. Oralkan, G.G. Yarahoglu, and B.T. Khuri-Yakub,"Capacitive micromachined ultrasonic transducers: fabricationtechnology," Ultrasonics, Ferroelectrics and Frequency Control, IEEETransactions on, vol. 52, no. 12, pp. 2242- 2258, Dec. 2005.
CMUT(送受信素子)の各電極は、電極間を或る所定の電位差に保持するための直流電位発生手段、交流の駆動電圧を印加する駆動電圧印加手段、電流値を測定する電流検出手段などに、配線により接続されている。これらの直流電位発生手段、駆動電圧印加手段、電流検出手段は、CMUTを形成した基板外に形成されている。これらの配線は半導体プロセスを用いて形成されるため、配線の厚さや、配線を多層にした時の配線間の絶縁層の厚さをあまり厚くすることができない。そのため、配線長が長くなると、配線が有する寄生容量や配線抵抗が大きくなってしまうことがある。
特に、2次元にエレメントを配置した場合、限られたスペースから複数の配線を長く取り出す必要がある。そのため、配線の幅はより狭くなり、配線長はより長くなり、寄生容量や配線抵抗がより大きくなりやすい。この配線が有する寄生容量や配線抵抗は、CMUTの送信時や受信時の電気機械変換効率に影響を与え、送受信特性の劣化の原因となる。
上記課題に鑑み、本発明の音響波の送受信を行う静電容量型トランスデューサは、次の特徴を有する。すなわち、音響波を送信する駆動動作と音響波を受信する検出動作との少なくとも一方を行う送受信素子を備えた素子基板と、配線を備えた絶縁性基板を有する。そして、前記絶縁性基板が、前記素子基板の前記送受信素子が形成された面の側に配置されており、前記素子基板と前記絶縁性基板との間に、前記素子基板の送受信素子と前記絶縁性基板の配線との間を電気的に接続する接続部が配置されている。
また、上記課題に鑑み、音響波の送受信を行う静電容量型トランスデューサの本発明の製造方法は、次の工程を有する。すなわち、音響波を送信する駆動動作と音響波を受信する検出動作との少なくとも一方を行う送受信素子を備えた素子基板に対して、前記送受信素子を形成した基板面側に、配線を備えた絶縁性基板を配置する工程。前記素子基板の送受信素子と前記絶縁性基板の配線との間を、接続部により電気的に接続する工程。
本発明によれば、配線部での寄生容量や配線抵抗を小さくすることができるため、配線長が長くても、送受信特性の優れた、高性能な静電容量型トランスデューサを提供することができる。
本発明の特徴は、送受信素子を備えた素子基板の素子形成面側に、配線を備えた絶縁性基板を配置し、配線と送受信素子との間に電気接続部を配置することである。本発明の静電容量型トランスデューサは、音響波を送受信するためのプローブに用いることができる。また、静電容量型トランスデューサと、該静電容量型トランスデューサが出力する電気信号を用いて被検体の情報を取得する処理部と、を有する被検体情報取得装置において、用いることができる。この静電容量型トランスデューサは、被検体からの音響波を受信し、電気信号を出力する。
以下、図面を用いて、本発明による静電容量型トランスデューサ、その製造方法などの実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1(a)は、第1の実施形態の静電容量型トランスデューサ(以下、単にトランスデューサという)の上面図であり、電極や配線の位置関係を説明する図である。そのため、一部部材(絶縁性基板の絶縁性樹脂201など)を除いて記載している。図1(b)、(c)は、図1(a)のX-X’の断面図である。図1において、100は、セルを含む送受信素子(ここでは、CMUTであり、音響波を送信する駆動動作と音響波を受信する検出動作との少なくとも一方を行う素子)である。また、101は振動膜、102は第1の電極(上部電極)、103は第2の電極(下部電極)、104は支持部、105は間隙、106は第1の電極の配線、107は第2の電極の配線である。また、108は第1の電極パッド、109は第2の電極パッド、110は、送受信素子を備える素子基板、111は絶縁膜、200は絶縁性基板であるフレキシブルプリント基板(以下、FP基板という)である。FP基板は、柔軟性のある樹脂基板である。また、201は絶縁性樹脂、202、203は配線、204、205は電極パッド、300は電気接続部、301は絶縁性樹脂である。
(第1の実施形態)
図1(a)は、第1の実施形態の静電容量型トランスデューサ(以下、単にトランスデューサという)の上面図であり、電極や配線の位置関係を説明する図である。そのため、一部部材(絶縁性基板の絶縁性樹脂201など)を除いて記載している。図1(b)、(c)は、図1(a)のX-X’の断面図である。図1において、100は、セルを含む送受信素子(ここでは、CMUTであり、音響波を送信する駆動動作と音響波を受信する検出動作との少なくとも一方を行う素子)である。また、101は振動膜、102は第1の電極(上部電極)、103は第2の電極(下部電極)、104は支持部、105は間隙、106は第1の電極の配線、107は第2の電極の配線である。また、108は第1の電極パッド、109は第2の電極パッド、110は、送受信素子を備える素子基板、111は絶縁膜、200は絶縁性基板であるフレキシブルプリント基板(以下、FP基板という)である。FP基板は、柔軟性のある樹脂基板である。また、201は絶縁性樹脂、202、203は配線、204、205は電極パッド、300は電気接続部、301は絶縁性樹脂である。
振動膜101と間隙105を挟んで対向した第1の電極102と第2の電極103を1組としてセルと呼ぶ。振動膜101は、基板110上に形成された支持部104により支持されている。第1の電極102はCMUT内で全て電気的に接続されており、第1の電極102には、第2の電極103との間で所望の電位差が発生するように、所定の直流電圧が一様に印加されている。これに対して、第2の電極103は、エレメント(1つ以上のセルの集合体である素子)毎に電気的に分離されている。これに交流の駆動電圧を印加することで、第1及び第2の電極間に交流の静電引力が発生し、振動膜101を或る周波数で振動させて超音波を送信できる。また、振動膜101が超音波を受け振動することにより、第2の電極103に静電誘導により微小電流が発生し、その電流値を測定することで、エレメント毎に受信信号を取り出せる。この2つの電極間に印加された所定の電位差により、電極間に静電引力が発生し、振動膜101は基板110側に撓んだ状態となっており、印加電圧差により超音波の送受信の効率が高くなっている。第1の電極102は、基板110上に形成された第1の電極の配線106を介して、第1の電極パッド108に電気的に接続されている。また、第2の電極103は、基板110上に形成された第2の電極の配線107を介して、第2の電極パッド109に接続されている。
本実施形態に用いられる上部電極としては、Al、Cr、Ti、Au、Pt、Cu、Ag、W、Mo、Ta、Niから選択される金属、AlSi、AlCu、AlTi、MoW、AlCrから選択される合金のうちの少なくとも1種を選んで用いられる。また、上部電極は振動膜の上面、裏面、内部のうち少なくとも一ヶ所に設けるか、もしくは振動膜を導電体又は半導体で形成する場合は、振動膜自体が上部電極を兼ねる構造にすることも可能である。本実施形態に用いられる下部電極としては、上部電極と同様の金属を用いることができる。また、基板110は、シリコン基板、ガラス基板などを用いることができる。基板がシリコン等の半導体基板を用いている場合、基板が下部電極を兼ねてもよい。
FP基板200は、基板110の送受信素子100を形成した面側に配置されており、送受信素子100の電極パッド108、109と電極パッド203、204との間が、それぞれ電気接続されている。FP基板200は、柔軟性があり屈曲することができる単層または多層配線を有する基板である。このFP基板200は、ポリイミドなどの絶縁性の樹脂と、銅などの金属を複数層に積層したもので容易に形成できる。FP基板200内の配線は、配線毎に電気的に分離されており、基板200内の異なる配線層を経由して、フレキシブル基板200の外側に引き出されている。引き出された配線は、直流電位発生手段、エレメント毎に用意された駆動電圧印加手段、電流検出手段に接続されている。直流電位発生手段は、電極間を或る所定の電位差に保持するために、直流電位を生成する直流電圧発生回路などから構成される。駆動電圧印加手段は、超音波送信時に印加する交流の駆動電圧を発生するために駆動回路などから、電流検出手段は、超音波受信時に発生する電流値を測定するために検出回路などから構成される。
電極パッド108と電極パッド204間及び電極パッド109と電極パッド205間は、それぞれ電気接続部300により電気的に接続されている。この電気接続部により、第1の電極102と第2の電極103は、FP基板110内の配線202を介して、直流電位発生手段、駆動電圧印加手段、電流検出手段などに必要に応じて接続されている。この電気接続部300は、はんだバンプによる接続部などで構成できる。本実施形態では、素子基板110とFP基板200が、送受信素子を形成した領域で対向して、電気接続部300により、広い領域で基板間が固定されている。そのため、素子基板110へ、FP基板200を高い機械強度で固定でき、信頼性の高い配線部を実現できる。
尚、図1(c)で示すように、素子基板110とFP基板200間において、電気接続部以外の領域の少なくとも一部が、絶縁性樹脂301で固定されていてもよい。これにより、素子基板110へ、FP基板200をより高い機械強度で固定でき、配線部の信頼性を向上させられる。
本実施形態では、FP基板内の配線を用いているため、配線層間の絶縁膜の厚さを厚くでき、配線の寄生容量、配線抵抗の値を小さくすることができる。ここで、絶縁性樹脂の厚さは10μmから50μm程度、金属層の厚さは5μmから50μm程度で構成することができる。これは、半導体プロセスを用いて基板上に配線を形成する場合に比べて、十倍から数十倍以上の厚さとなり、同じ配線長さであれば、寄生容量と配線抵抗をそれぞれその比で低減させることができる。また本実施形態の構成では、送受信素子100付近でFP基板200の配線に接続することで、基板110上での配線を最短化できる。そのため、基板上の配線部で発生する配線容量と配線抵抗を抑えることができる。
このように、本実施形態によると、送受信素子から周辺の回路などに引き出す配線部で発生する寄生容量と配線抵抗を小さな値にできる。そのため、配線部の寄生容量や配線抵抗による送受信特性の劣化が少なく、送受信特性に優れたトランスデューサを提供できる。また、本実施形態ではFP基板を用いているので、電気接続部が広範囲に配置された場合でも、FP基板が変形できるため、基板110との間隔をそれぞれの位置で最適に調節することができる。故に、本実施形態では、電気接続部が広範囲に配置された送受信素子でも、電気接続の特性の安定した電気接続部を形成でき、送受信特性が安定したトランスデューサを提供できる。
また、本実施形態では、基板110上の送受信素子(CMUT)を形成した領域に対向するFP基板200の領域では、表面及びその内層に配線202を形成しないことが望ましい。つまり、送受信素子が配置された素子基板の領域の法線方向の領域とは異なる領域に、配線が配置されていることが望ましい。これにより、送受信される超音波が通過する領域に、金属の配線が配置されなくなるため、送受信素子から送受信される超音波への金属配線による影響を低減できる。その結果、送受信特性に優れたトランスデューサを提供できる。但し、配線金属の膜厚が、送受信する超音波の波長に対して十分薄く、超音波への配線の影響を考慮する必要がない場合は、送受信素子に対向するFP基板200の領域の表面及びその内層に、配線202を配置する構成も取ることができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、トランスデューサの製造方法の一例について、図2を用いて説明する。まず、通常のCMUT形成方法で、基板110上に、配線や電極パッドを有したCMUT100を形成する。他方、CMUTの素子と電極パッドの配置に対応したFP基板200を作製する。次に、FP基板上に、電気接続部の元となるハンダボールを形成する。最後に、基板110に対して、FP基板200を位置合わせし、熱を印加する(リフローする)ことで、電極パッド間に電気接続部300を形成する。この電気接続部の形成はハンダに限定したものではない。半導体のパッケージ実装などに用いられるフリップチップ接続法により、容易に実現することができる。また、基板間の電気接続部300以外の領域に絶縁樹脂301を配置する構成をとる場合は、サイドフィル材を基板端部の隙間から挿入してから硬化させるフリップチップ接続法の後工程での手法を用いることができる。
第2の実施形態では、トランスデューサの製造方法の一例について、図2を用いて説明する。まず、通常のCMUT形成方法で、基板110上に、配線や電極パッドを有したCMUT100を形成する。他方、CMUTの素子と電極パッドの配置に対応したFP基板200を作製する。次に、FP基板上に、電気接続部の元となるハンダボールを形成する。最後に、基板110に対して、FP基板200を位置合わせし、熱を印加する(リフローする)ことで、電極パッド間に電気接続部300を形成する。この電気接続部の形成はハンダに限定したものではない。半導体のパッケージ実装などに用いられるフリップチップ接続法により、容易に実現することができる。また、基板間の電気接続部300以外の領域に絶縁樹脂301を配置する構成をとる場合は、サイドフィル材を基板端部の隙間から挿入してから硬化させるフリップチップ接続法の後工程での手法を用いることができる。
以上のように、本実施形態の製造方法を用いることで、送受信素子の基板の構成に変更を加えることなく、容易に、寄生容量や抵抗が小さく電気特性の安定した配線を行うことができる。それにより、従来の送受信素子の基板に、本実施形態の製造方法を適用するだけで、配線部の寄生容量や配線抵抗による送受信特性の劣化が少なく、特性が安定した、高性能なトランスデューサを実現できる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態を、図3を用いて説明する。第3の実施形態は、送受信素子と対向する領域でのFP基板の構成が他の実施形態と異なる。それ以外は、第1及び第2の実施形態と同じである。
次に、第3の実施形態を、図3を用いて説明する。第3の実施形態は、送受信素子と対向する領域でのFP基板の構成が他の実施形態と異なる。それ以外は、第1及び第2の実施形態と同じである。
図3(a)は、本実施形態のトランスデューサを説明するための図である。図3(a)において、302はFP基板200が有する開口部である。本実施形態では、FP基板200が開口部302を有している。開口部302は、基板110に送受信素子が形成された領域と対向する、FP基板200の領域に形成されている。開口部302が形成された領域には、絶縁性樹脂201及び配線202は配置されず、基板200の厚さ方向に穴が開いている構成となっている。つまり、送受信素子が配置された素子基板の領域の法線方向の領域には、絶縁性基板が延在しないか、或いは、送受信素子が配置された素子基板の領域の法線方向の絶縁性基板の領域は、絶縁性基板の他の領域の厚さより薄くなっている。
本実施形態では、送受信する超音波が通過する領域に、FP基板200の絶縁性樹脂201が配置されない。そのため、送受信素子から送受信される超音波へのFP基板200による影響をなくすことができる。通常、FP基板200は、ポリイミド樹脂を用いて構成されることが多い。ここで、ポリイミド樹脂の持つ音響インピーダンスが、トランスデューサが接する物質の音響インピーダンスと異なると、界面で音響インピーダンスの差により超音波の反射が発生してしまう。したがって、トランスデューサの送受信特性に影響を与えてしまう。本実施形態では、送受信する超音波が通過する領域に、FP基板200が配置されていないため、音響インピーダンスの差が、トランスデューサの送受信特性に影響を与えることがない。これにより、送受信素子から送受信される超音波へのFP基板200による影響をなくすことができ、送受信特性の優れたトランスデューサを提供できる。
尚、基板間の電気接続部300以外の領域に絶縁樹脂301を配置する構成をとる場合は、サイドフィル材を基板端部の隙間から挿入することで、FP基板200の開口部302以外の領域のみに樹脂を充填することができる。
図3(b)は、本実施形態のその他の変形形態のトランスデューサを説明するための図である。図3(b)において、303はFP基板200が有する音響整合材ないし音響整合層である。本変形形態は、FP基板200が、音響整合材303を有している。音響整合材303は、基板110に送受信素子が形成された領域と対向する、FP基板200の領域に配置されている。音響整合材303が配置された領域には、絶縁性樹脂201及び配線202は配置されず、その代わりに音響整合材303がFP基板200内に埋め込まれた構成となっている。この音響整合材303は、トランスデューサが接する物質の音響インピーダンスと等しいか近い音響インピーダンスを有している。トランスデューサでの送受信特性に大きな影響を与えない音響インピーダンスの差となるように、音響整合材303の音響インピーダンスは設定されている。尚、本実施形態の音響整合材303は、FP基板200と予め一体に形成したものでもよいし、開口部を有するFP基板200を実装した後、充填したものでもよい。
本変形形態では、送受信する超音波が通過する領域には、送受信特性に大きな影響を与えない音響整合材303が配置されている。また、送受信素子の表面は露出しておらず、音響整合材303が配置されている。そのため、送受信素子表面を外部からの接触や薬品などから保護することができる。これにより、送受信素子から送受信される超音波へのFP基板200による影響をなくすことができ、送受信特性の優れた、使用環境の影響を受け難いトランスデューサを提供できる。
図3(c)は、本実施形態のその他の変形形態のトランスデューサを説明するための図である。図3(c)において、304はFP基板200が有する絶縁性樹脂である。本変形形態は、FP基板200が有する絶縁性樹脂304の音響インピーダンスが第1の実施形態と異なっている。絶縁性樹脂304は、トランスデューサが接する物質の音響インピーダンスと等しいか近い音響インピーダンスを有していることが特徴である。トランスデューサでの送受信特性に大きな影響を与えない音響インピーダンスの差となるように、絶縁性樹脂304の音響インピーダンスは設定されている。
本変形形態では、送受信する超音波が通過する領域には、送受信特性に大きな影響を与えない絶縁性樹脂304が配置されている。また、送受信素子の表面は露出しておらず、絶縁性樹脂304が配置されているため、送受信素子表面を外部からの接触や薬品などから保護できる。また、FP基板200に開口部302を形成したり、音響整合材303を配置する必要が無く、簡単な構成のFP基板200を用いることができる。これにより、送受信素子から送受信される超音波へのFP基板200による影響をなくすことができ、送受信特性の優れた、使用環境の影響を受け難い、構成の簡単なトランスデューサを提供できる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態を、図4を用いて説明する。第4の実施形態は、FP基板が音響レンズを有している点が他の実施形態と異なる。それ以外は、第1から第3の実施形態と同じである。図4は、本実施形態のトランスデューサを説明するための図である。図4において、305は音響レンズである。本実施形態は、FP基板200上に、音響レンズ305を有している。この音響レンズ305は、各送受信素子に合わせて超音波の経路が最適になるように設定、配置されている。そのために、送受信素子が配置された素子基板の領域の法線方向の領域に、送受信素子毎に音響レンズが配置されている。
次に、第4の実施形態を、図4を用いて説明する。第4の実施形態は、FP基板が音響レンズを有している点が他の実施形態と異なる。それ以外は、第1から第3の実施形態と同じである。図4は、本実施形態のトランスデューサを説明するための図である。図4において、305は音響レンズである。本実施形態は、FP基板200上に、音響レンズ305を有している。この音響レンズ305は、各送受信素子に合わせて超音波の経路が最適になるように設定、配置されている。そのために、送受信素子が配置された素子基板の領域の法線方向の領域に、送受信素子毎に音響レンズが配置されている。
本実施形態では、FP基板200上に音響レンズ305を配置しているため、送受信素子から音響レンズ305までの高さが、FP基板200の厚さと電気接続部300の高さで決まる。このFP基板200の厚さと電気接続部300の高さは、数μmから数十μm程度の精度で設定することが可能であり、送受信素子と音響レンズ305の間隔を高い精度で設定することができる。そのため、送受信する超音波の経路を送受信素子に対してより最適化することができる。これにより、簡単な構成で、音響レンズ305と送受信素子との間隔を高い精度で得ることができ、送受信特性の優れたトランスデューサを提供できる。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態を、図5を用いて説明する。第5の実施形態は、FP基板が光反射膜を有している点が他の実施形態と異なる。それ以外は、第1から第4の実施形態と同じである。図5は、本実施形態のトランスデューサを説明するための図である。図5において、306は光反射膜である。本実施形態は、FP基板200上に、光反射膜306を有している。この光反射膜306は、音響波の送受信される領域にあって、外部からの光を反射する機能を有している。
次に、第5の実施形態を、図5を用いて説明する。第5の実施形態は、FP基板が光反射膜を有している点が他の実施形態と異なる。それ以外は、第1から第4の実施形態と同じである。図5は、本実施形態のトランスデューサを説明するための図である。図5において、306は光反射膜である。本実施形態は、FP基板200上に、光反射膜306を有している。この光反射膜306は、音響波の送受信される領域にあって、外部からの光を反射する機能を有している。
被検体に光を照射して、光音響効果により被検体中の測定対象から音響波(典型的には超音波)を発生させ、発生した音響波をトランスデューサを用いて受信する測定システムがある。本実施形態のトランスデューサを、この光音響を用いた測定システムに用いること場合を考える。光音響を用いた測定システムでは、被検体に照射した光の一部が、トランスデューサにも入射して、トランスデューサの表面で音響波が発生することがある。この発生した音響波は、超音波ノイズとなり、受信時の特性を劣化させる原因となる。本実施形態のトランスデューサは、表面に、光を反射させる反射膜を有しているため、表面に入射した光は殆ど反射され、表面で音響波を殆ど発生させない。
通常、この光反射膜306は金属膜で形成されるため、配線との間隔が狭いと、寄生容量を発生させる。半導体プロセスを用いて素子基板110上に配線層と光反射膜を形成する構成では、絶縁膜の厚さの上限があるため、反射膜と配線間で大きな寄生容量が発生する。本実施形態では、FP基板200の表面上に、光反射膜306を配置するため、配線202と光反射膜306間の厚さは、FP基板200の絶縁層の厚さ上限(数十μmから百μm程度)まで厚くすることができる。そのため、配線202と光反射膜306間の寄生容量を小さくすることができるため、光音響を用いた測定システムに用いた場合でも、送受信特性が優れたトランスデューサを提供できる。
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態を、図6を用いて説明する。第6の実施形態は、電気接続部300の構成が他の実施形態と異なる。それ以外は、第1から第5の実施形態と同じである。図6は、本実施形態のトランスデューサを説明するための図である。図6は、電気接続部300の周辺のみを拡大した図である。図6において、307、308は異方導電性部材である。
次に、第6の実施形態を、図6を用いて説明する。第6の実施形態は、電気接続部300の構成が他の実施形態と異なる。それ以外は、第1から第5の実施形態と同じである。図6は、本実施形態のトランスデューサを説明するための図である。図6は、電気接続部300の周辺のみを拡大した図である。図6において、307、308は異方導電性部材である。
本実施形態は、電気配線部300を異方導電性部材307で構成していることが特徴である。異方導電性部材307、308は、導電性のある微細な金属粒子を含んだ熱硬化性樹脂フィルム(ACF)である。ここで、微細な金属粒子の直径は数μmから十数μm程度、熱硬化性樹脂フィルムの厚さは十μmから数十μmの厚さのものを用いることができる。素子基板110の電極パッド108、109とFP基板200の電極パッド204、205間にある異方導電性部材307の厚さは、金属粒子の大きさ以下まで薄くなっている。そのため、素子基板110の電極パッド108、109とFP基板200の電極パッド204、205は、それぞれ、異方導電性部材307内の導電性のある金属粒子を介して電気的に接続される。一方、電極パッド108、109、204、205のない領域では、異方導電性部材308の厚さは、金属粒子の直径より大きくなっており、金属粒子は熱硬化性樹脂フィルム内で分離されているため、電気的に絶縁されている。
ここで、素子基板110の電極パッド108、109間の間隔h1は、異方導電性フィルム307に含まれる金属粒子の大きさh2より狭くなるように配置されており、金属粒子により電極パッド間の電気的な導通が取られている。
本実施形態の異方導電性部材307、308は、一般的に半導体チップのフリップチップ接続に用いるフィルムを用いることができる。異方導電性フィルム307、308の有する金属粒子は、微小な樹脂ビーズ表面に金属膜を形成したものや、金属ビーズなどを用いることができる。金属材料としては、Ni、Al、Cuなど導電性を有する金属であれば、用いることができる。
本実施形態のトランスデューサは、一般的に半導体チップのフリップチップ接続に用いる方法で、素子基板110に、異方導電性フィルムを配置して、その上からFP基板200を実装することで、簡単に作製することができる。具体的には、FP基板200の実装時には、加熱しながら電極パッドの部分に圧力を印加して、異方導電性フィルムを押しつぶすことで実装できる。その際、異方導電性フィルムは、送受信素子が形成されていない領域のみに配置することが望ましい。これにより、異方導電性フィルムの持つ音響インピーダンスの影響を、送受信される超音波が受けなくなる。また、全面を加圧する必要は無く、電極パッドの部分だけを一括、または順次に加圧して作製することもできる。
本実施形態では、異方導電性フィルムにより電気接続部300を構成するため、基板内での電極パッドの配置間隔(ピッチ)を狭くすることで、電極パッドの近接配置を実現できる。そのため、ハンダバンプで電気接続部300を構成する場合に比べて、電極パッド間のピッチを狭くすることができる。こうして、送受信素子の電極パッドが密集して配置された場合でも、送受信特性が優れたトランスデューサを実現できる。尚、本実施形態では、異方導電性フィルムを用いて説明したが、ペースト状の異方導電性ペーストを用いて構成することもできる。その場合、素子基板110上の任意の場所に異方導電性部材を容易に配置することが可能であるため、作製が容易になる。
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態を、図7を用いて説明する。第7の実施形態は、電気接続部300の構成が他の実施形態と異なる。それ以外は、第1から第5の実施形態と同じである。図7は、本実施形態のトランスデューサを説明するための図である。図7は、電気接続部300の周辺のみを拡大した図である。図7において、309は金バンプである。
次に、第7の実施形態を、図7を用いて説明する。第7の実施形態は、電気接続部300の構成が他の実施形態と異なる。それ以外は、第1から第5の実施形態と同じである。図7は、本実施形態のトランスデューサを説明するための図である。図7は、電気接続部300の周辺のみを拡大した図である。図7において、309は金バンプである。
本実施形態は、電気配線部300を金バンプ309で構成していることが特徴である。金バンプ309の接続は、素子基板110の電極パッド108、109に形成したスタッドバンプ上に、FP基板200の電極パッド204、205を位置合わせして、熱や超音波を印加しながら加圧して、実装する。スタッドパンプの形成や金バンプの実装は、半導体チップのフリップチップ接続に用いる方法で容易に実現することができる。
本実施形態の電気接続部は、金-金接合部などの金属同士が接合されている構成のため、電気接続部の特性が使用環境から受ける影響を少なくできる。そのため、電気接続部の信頼性が高く、送受信特性が優れたトランスデューサを提供することができる。
(第8の実施形態)
次に、第8の実施形態を、図8を用いて説明する。第8の実施形態は、電気接続部300の構成が他の実施形態と異なる。それ以外は、第1から第5の実施形態と同じである。図8は、本実施形態のトランスデューサを説明するための図である。図8(a)は、トランスデューサの上面図である。また、図8(b)は、図8(a)のY-Y’の断面図である。図8において、310はフライングリードである。
次に、第8の実施形態を、図8を用いて説明する。第8の実施形態は、電気接続部300の構成が他の実施形態と異なる。それ以外は、第1から第5の実施形態と同じである。図8は、本実施形態のトランスデューサを説明するための図である。図8(a)は、トランスデューサの上面図である。また、図8(b)は、図8(a)のY-Y’の断面図である。図8において、310はフライングリードである。
本実施形態は、電気配線部300をフライングリード310で構成していることが特徴である。フライングリード310は、FP基板200の配線202、203と一体化されており、フライングリード310の部分には、絶縁性樹脂201が配置されていない。絶縁性樹脂201が無く、配線が露出したフライングリード310の表面は、金によりメッキされている。素子基板110の電極パッド108、109上には、金のスタッドバンプが形成されている。素子基板110の電極パッド108、109上に、FP基板200と一体化したフライングリード310を位置合わせして、熱や超音波を印加しながら加圧して、実装することができる。これにより、フライングリード310を電気接続部300として、素子基板110の電極パッド108、109とFP基板200の電極パッド204、205間が接続される。つまり、FP基板200の配線は、絶縁性層に支持されていない部分を有しており、該部分の配線と送受信素子との間に電気接続部が配置されている。これらの実装は、FP基板のフリップチップ配線接続に用いる方法で容易に実現できる。
本実施形態では、電気接続部が金属同士の接合構成のため、電気接続部の特性が使用環境から受ける影響を少なくできる。また、FP基板200と電気接続部300を一体に作製することが可能で、構成の簡易化、高信頼性化を実現できる。そのため、簡単な構成で且つ電気接続部の信頼性が高く、送受信特性が優れたトランスデューサを提供することができる。
(第9の実施形態)
上記実施形態(特に図5の第5の実施形態)で説明したトランスデューサは、音響波を用いた被検体情報取得装置に適用することができる。被検体からの音響波をトランスデューサで受信し、出力される電気信号を用い、光吸収係数などの被検体の光学特性値を反映した被検体情報や音響インピーダンスの違いを反映した被検体情報を取得することができる。
上記実施形態(特に図5の第5の実施形態)で説明したトランスデューサは、音響波を用いた被検体情報取得装置に適用することができる。被検体からの音響波をトランスデューサで受信し、出力される電気信号を用い、光吸収係数などの被検体の光学特性値を反映した被検体情報や音響インピーダンスの違いを反映した被検体情報を取得することができる。
より詳しくは、本実施形態の被検体情報取得装置の1つは、少なくとも、被検体に光(可視光線や赤外線を含む電磁波)を照射する。このことにより被検体内の複数の位置(部位)で発生した光音響波を受信し、被検体内の複数の位置に夫々対応する特性情報の分布を示す特性分布を取得する。光音響波により取得される特性情報とは、光の吸収に関わる特性情報を示し、光照射によって生じた光音響波の初期音圧、あるいは初期音圧から導かれる光エネルギー吸収密度や、吸収係数、組織を構成する物質の濃度、等を反映した特性情報を含む。物質の濃度とは、例えば、酸素飽和度やトータルヘモグロビン濃度や、オキシヘモグロビンあるいはデオキシヘモグロビン濃度などである。また、被検体情報取得装置は、人や動物の悪性腫瘍や血管疾患などの診断や化学治療の経過観察などを目的とすることもできる。よって、被検体としては生体、具体的には人や動物の乳房、頸部、腹部などの診断対象が想定される。被検体内部にある光吸収体としては、被検体内部で相対的に吸収係数が高い組織を示す。例えば、人体の一部が被検体であれば、オキシヘモグロビンあるいはデオキシヘモグロビンやそれらを多く含む血管、あるいは新生血管を多く含む腫瘍、頸動脈壁のプラークなどがある。さらには、金粒子やグラファイトなどを利用して、悪性腫瘍などと特異的に結合する分子プローブや、薬剤を伝達するカプセルなども光吸収体となる。
また、光音響波の受信だけでなく、トランスデューサを含むプローブから送信される超音波が被検体内で反射した超音波エコーによる反射波を受信することにより、被検体内の音響特性に関する分布を取得することもできる。この音響特性に関する分布は、被検体内部の組織の音響インピーダンスの違いを反映した分布を含む。ただし、超音波の送受信や音響特性に関する分布を取得することは必須ではない。
図9(a)は、光音響効果を利用した被検体情報取得装置を示したものである。光源2010から発生したパルス光は、レンズ、ミラー、光ファイバー等の光学部材2012を介して、被検体2014に照射される。被検体2014の内部にある光吸収体2016は、パルス光のエネルギーを吸収し、音響波である光音響波2018を発生する。プローブ(探触子)2022内の本発明のトランスデューサ2020は、光音響波2018を受信して電気信号に変換し、信号処理部2024に出力する。信号処理部2024は、入力された電気信号に対して、A/D変換や増幅等の信号処理を行い、データ処理部2026へ出力する。データ処理部2026は、入力された信号を用いて被検体情報(光吸収係数などの被検体の光学特性値を反映した特性情報)を画像データとして取得する。ここでは、信号処理部2024とデータ処理部2026を含めて、処理部という。表示部2028は、データ処理部2026から入力された画像データに基づいて、画像を表示する。
図9(b)は、音響波の反射を利用した超音波エコー診断装置等の被検体情報取得装置を示したものである。プローブ(探触子)2122内の本発明のトランスデューサ2120から被検体2114へ送信された音響波は、反射体2116により反射される。トランスデューサ2120は、反射された音響波(反射波)2118を受信して電気信号に変換し、信号処理部2124に出力する。信号処理部2124は、入力された電気信号に対して、A/D変換や増幅等の信号処理を行い、データ処理部2126へ出力する。データ処理部2126は、入力された信号を用いて被検体情報(音響インピーダンスの違いを反映した特性情報)を画像データとして取得する。ここでも、信号処理部2124とデータ処理部2126を含めて、処理部という。表示部2128は、データ処理部2126から入力された画像データに基づいて、画像を表示する。
なお、プローブは、機械的に走査するものであっても、医師や技師等のユーザが被検体に対して移動させるもの(ハンドヘルド型)であってもよい。また、図9(b)のように反射波を用いる装置の場合、音響波を送信するプローブは受信するプローブと別に設けても良い。さらに、図9(a)と(b)の装置の機能をどちらも兼ね備えた装置とし、被検体の光学特性値を反映した被検体情報と、音響インピーダンスの違いを反映した被検体情報と、をどちらも取得するようにしてもよい。この場合、図9(a)のトランスデューサ2020が光音響波の受信だけでなく、音響波の送信と反射波の受信を行うようにしてもよい。
100・・送受信素子(CMUT)、102・・第1の電極(上部電極)、103・・第2の電極(下部電極)、105・・間隙、110・・素子基板、200・・絶縁性基板(フレキシブルプリント基板)、203、204・・絶縁性基板の配線、300・・接続部
Claims (15)
- 音響波の送受信を行う静電容量型トランスデューサであって、
音響波を送信する駆動動作と音響波を受信する検出動作との少なくとも一方を行う送受信素子を備えた素子基板と、配線を備えた絶縁性基板を有し、
前記絶縁性基板が、前記素子基板の前記送受信素子が形成された面の側に配置されており、前記素子基板と前記絶縁性基板との間に、前記素子基板の送受信素子と前記絶縁性基板の配線との間を電気的に接続する接続部が配置されていることを特徴する静電容量型トランスデューサ。 - 前記送受信素子が配置された前記素子基板の領域の法線方向の領域とは異なる領域に、前記配線が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の静電容量型トランスデューサ。
- 前記送受信素子が配置された前記素子基板の領域の法線方向の領域には、前記絶縁性基板が延在しないことを特徴とする請求項1または2に記載の静電容量型トランスデューサ。
- 前記送受信素子が配置された前記素子基板の領域の法線方向の前記絶縁性基板の領域は、前記絶縁性基板の他の領域の厚さより薄いことを特徴とする請求項1または2に記載の静電容量型トランスデューサ。
- 前記送受信素子が配置された前記素子基板の領域の法線方向の領域には、当該静電容量型トランスデューサと接触する物質と音響インピーダンスが等しいか近い音響整合層が配置されていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の静電容量型トランスデューサ。
- 前記送受信素子が配置された前記素子基板の領域の法線方向の領域には、前記送受信素子毎に音響レンズが配置されていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の静電容量型トランスデューサ。
- 音響波の送受信される領域に、光を反射する反射膜を配置していることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の静電容量型トランスデューサ。
- 前記接続部は、異方導電性部材により構成されることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の静電容量型トランスデューサ。
- 前記接続部は、金-金接合部により構成されることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の静電容量型トランスデューサ。
- 前記配線は、絶縁性層に支持されていない部分を有しており、該部分の配線と前記送受信素子との間に前記接続部が配置されていることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の静電容量型トランスデューサ。
- 前記絶縁性基板は、柔軟性のある樹脂基板であることを特徴する請求項1から10の何れか1項に記載の静電容量型トランスデューサ。
- 音響波を送受信するためのプローブであって、
請求項1から11の何れか1項に記載の静電容量型トランスデューサを有することを特徴とするプローブ。 - 請求項1から11の何れか1項に記載の静電容量型トランスデューサと、該静電容量型トランスデューサが出力する電気信号を用いて被検体の情報を取得する処理部と、を有し、
前記静電容量型トランスデューサは、被検体からの音響波を受信し、前記電気信号を出力することを特徴とする被検体情報取得装置。 - 音響波の送受信を行う静電容量型トランスデューサの製造方法であって、
音響波を送信する駆動動作と音響波を受信する検出動作との少なくとも一方を行う送受信素子を備えた素子基板に対して、前記送受信素子を形成した前記素子基板の面の側に、配線を備えた絶縁性基板を配置し、
前記素子基板の送受信素子と前記絶縁性基板の配線との間を、接続部により電気的に接続することを特徴する静電容量型トランスデューサの製造方法。 - 前記素子基板の送受信素子と前記絶縁性基板の配線との間を、フリップチップ接続法により電気的に接続することを特徴する請求項14に記載の静電容量型トランスデューサの製造方法。
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JP2016097033A (ja) * | 2014-11-20 | 2016-05-30 | キヤノン株式会社 | 静電容量型トランスデューサ、及び被検体情報取得装置 |
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-
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- 2013-03-09 JP JP2013047424A patent/JP2014171694A/ja active Pending
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