JP2014171614A - 滅菌装置および滅菌方法。 - Google Patents

滅菌装置および滅菌方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】加熱源として設備が高価なプラズマを使用しなくても比較的短時間に被滅菌物を適正温度まで加温することで被滅菌物に対する滅菌効果を高めること。
【解決手段】滅菌室内の気体を排気する工程と、当該滅菌室内に滅菌ガスを導入する工程とを交互に行うことで被滅菌物を滅菌する滅菌装置が、滅菌室内の環境を、滅菌ガスの滅菌作用に適した温度領域に保温する第1のヒータ部と、滅菌室内に被滅菌物が配置されたあとに当該被滅菌物を加熱する第2のヒータ部と、第2のヒータ部によるパワーレベルを切り替えて、当該被滅菌物を加熱するかいなかを制御する出力制御部と、を備え、滅菌室内に配置されている被滅菌物の温度が温度領域に到達するように、導入する工程が開始されるまでに出力制御部が第2のヒータ部による加熱を始める。

【選択図】 図3

Description

本発明は滅菌装置および滅菌方法の技術に関する。
医療で使用する医療用器具を滅菌する方法としては過酸化水素ガスを用いて滅菌する方法がある。
過酸化水素ガス滅菌の性能を決める要素としては、より低く真空度を高めて後に流入される過酸化水素ガスに対するコンタミガスを減らすことで過酸化水素ガスの濃度を高める方法や、被滅菌物自体を加温することで過酸化水素ガスの反応性を高める方法等がある。
滅菌効果を高める技術としては以下のような先行技術が開示されている。
特許文献1及び特許文献2にはいわゆるプラズマ滅菌法は過酸化水素分子や滅菌ガスをプラズマにより活性化させ菌を死滅せしめるものと説明されているが、別の観点からはプラズマにより発生する紫外線や熱成分が被滅菌物を加温し滅菌ガスを活性化し易くさせて滅菌に作用しているものと類推される。よってプラズマ滅菌法はプラズマ放電による加温滅菌法に置き換えて考えることできる。
特公昭59−39143号公報 特公平2−62261号公報
過酸化水素ガス滅菌法も過酸化水素ガスプラズマ滅菌法も菌を殺滅する主たる要素は滅菌ガスである過酸化水素ガスである。
過酸化水素ガスは被滅菌物に触れるとフェントン反応とよばれる反応を起こしOHとOHに分解される。この分解の結果生じるOHの事をOHラジカルといい、このことを『活性化する』という。
このOHラジカルはラジカル種の中でも最も殺菌能力が高いとされている。すなわち殺菌能力はOHラジカルの発生効率と比例して向上し、さらに発生効率は被滅菌物の温度にも比例して向上する。低温滅菌において適切とされる温度はおおよそ50℃〜60℃の範囲である。
低温滅菌においては被滅菌物を適切な温度まで加温して滅菌ガスに暴露させるが、適切な温度に被滅菌物を加温する方法としては、被滅菌物を収納するチェンバと呼ばれる缶体の温度を低温滅菌において適切とされるおよそ50℃〜60℃に設定することで、チェンバからの放射熱によって被滅菌物を目的の温度までゆっくりと加温させることが一般的である。
先に述べたようにプラズマ滅菌におけるプラズマ放電による加温現象に注目すると、プラズマ発生時の波長は200〜600nm付近の紫外線や赤外線であって、この波長範囲での各波長成分が被滅菌物に到達すると熱エネルギーに変換されるので、熱エネルギーに変換されるだけで各波長成分による熱浸透性を有していると類推する。
図1に示すようにアンテナ1102とよばれるアルミ材から放熱でありプラズマ放電を熱源として発生している。
類推がもし正しければ、プラズマ滅菌法ではチェンバからの加温にこのプラズマ放電からの加熱が関わるのであるがこのプラズマ放電時のプラズマ温度は理論的には100℃〜300℃まで上昇していると考えられる。
つまり、プラズマ滅菌法では滅菌を行うチェンバ自体は滅菌設定範囲である50℃〜60℃に設定されているが滅菌工程開始後直ちに滅菌ガスの有無にかかわらずプラズマ放電を起こす工程があるので、この工程では加温していると類推する。
すなわちこの類推が正しければ、被滅菌物は滅菌工程開始直後に一旦100℃〜300℃の急速加温を受けておよそ50℃〜60℃程度に加温された後にプラズマ放電を停止し50℃〜60℃であるチェンバからの加温および温度環境下にて滅菌工程が進めている。しかしながらプラズマ放電での急速加温は設備が高価となってしまい、急速加温としての効果だけであればプラズマ放電は採用しづらい。
また、もし加温するだけならば例えばチャンバー温度を上昇させ加温後低下させる方法が考えられるが、チェンバ自体が6mm厚以上のステンレス金属剛缶体であるため加温や冷却には長時間がかかり短時間での温度の増減には適さない。被滅菌物は通常25℃程度のいわゆる常温・室温で管理されている。また、さまざまな被滅菌物のタイプにはそれぞれのその目的により適当な素材が利用されているので、各素材がそれぞれ固有の熱伝導率をもっている。樹脂など伝導率の低い素材であって内腔構造を有する被滅菌物はその内部まで加温されるのに時間を要することとなる。
内腔構造まで十分に加温される時間まで待機すれば過酸化水素ガス滅菌法の特徴は短時間であり短時間化を実現することはできない。
本発明は、加熱源として設備が高価なプラズマを使用しなくても比較的短時間に被滅菌物を適正温度まで加温することで被滅菌物に対する滅菌効果を高めることができる仕組みを提供することを目的とする。
本発明は、滅菌室内の気体を排気する工程と、当該滅菌室内に滅菌ガスを導入する工程とを交互に行うことで被滅菌物を滅菌する滅菌装置であって、前記滅菌室内の環境を前記滅菌ガスの滅菌作用に適した温度領域に保温する第1のヒータ部と、前記滅菌室内に前記被滅菌物が配置されたあとに当該被滅菌物を加熱する第2のヒータ部と、前記第2のヒータ部によるパワーレベルを切り替えて当該被滅菌物を加熱するかいなかを制御する出力制御部と、を備え、前記滅菌室内に配置されている被滅菌物の温度が前記温度領域に到達するように前記導入する工程が開始されるまでに前記出力制御部が第2のヒータ部による加熱を始めることを特徴とする。
また、前記導入する工程が終了されるまでに前記始めた加熱を終了することを特徴とする。
また、前記滅菌室内に配置されている被滅菌物の表面温度が前記温度領域に到達または前記温度領域を超過している経過時間内に前記始めた加熱を終了することを特徴とする。
また、前記滅菌室内に配置されている被滅菌物の内腔温度が前記温度領域には到達してない時間内に前記始めた加熱を終了することを特徴とする。
また、前記滅菌装置は、滅菌室内の気体を排気する工程と当該滅菌室内に滅菌ガスを導入する工程とを複数回交互に行い、前記複数回中の初回のみ、前記導入する工程が開始されるまでに前記出力制御部が第2のヒータ部による加熱を始めることを特徴とする。
また、前記温度領域は50度以上60度以下であることを特徴とする。
本発明により、加熱源として設備が高価なプラズマを使用しなくても比較的短時間に被滅菌物を適正温度まで加温することで被滅菌物に対しての滅菌効果を高めることができる仕組みを提供することが可能となる。
従来技術であるプラズマ滅菌法における滅菌チェンバとアンテナの構造を示す図。 本発明の滅菌装置のハードウエア構造を示す図。 本発明の滅菌室内部のハードウエア構造を示す図。 本発明のIRヒータ内部のハードウエア構造を示す図。 本発明の滅菌装置の滅菌室内の圧力変化を示す図。 滅菌室保温だけの場合に、滅菌室内の被滅菌物の温度変化の結果をグラフにした図。 本発明の滅菌室保温及びIRヒータ加熱の場合に、滅菌室内の被滅菌物の温度変化の結果をグラフにした図。 本発明のIRヒータ加熱の制御フローチャートを示す図。
以下図面を用いて本発明の滅菌装置について説明する。
図1を説明する。
図1はプラズマ滅菌法における滅菌室周辺のハードウエア構造を示す図である。
1101は滅菌チェンバ(滅菌室)である。円筒形や直方体の形状をもち被滅菌物を収める外筐であるとともに真空用のチェンバでもあるため高い剛性が要求される。材質は略6mm程度のステンレス又はアルミ材が用いられる。
1102はプラズマ用のアンテナでありチェンバにそって、チェンバから約30mm程度の間隔をあけて内壁に添う形状をしている。
1103は被滅菌物を収納する棚であり通常中下2段である。この棚に被滅菌物1104を載せて滅菌処理を行う。プラズマは1102アンテナと1101筐体のわずか30mm程度の空間で発生し、プラズマすなわち陰極から放射される電子は周囲のチェンバに吸収され被滅菌物である1104には直接到達することはないがアンテナ1102は真空放電により100〜300℃まで加熱する。このアンテナを介して伝播した熱が1104を加温する。またこの加熱はプラズマ放電とほぼ同時に発熱が開始され停止と同時に周囲温に戻る。直ちに加温し遮断後もどる特性をもつ。
図2を説明する。
図2は本発明の滅菌装置のハードウエア構造を示す図である。
<図2の説明>
次に、図2を用いて、本発明に係る滅菌装置100のハードウエアの構成の一例について説明する。
図2は、本発明に係る滅菌装置100のハードウエアの構成の一例を示す図である。
本発明に係る滅菌装置100は、演算処理部(MPU等)201と、表示部102と、印刷部103と、ロック動作制御部202と、抽出針動作制御部203と、滅菌室の扉104と、液センサ204と、カートリッジ205と、RF−IDリーダ/ライタ206と、液送ロータリーポンプ207と、濃縮炉208と、気送加圧ポンプ209と、吸気用HEPAフィルタ210と、弁(V1)211と、弁(V3)212と、弁(V4)213と、計量管214と、弁(V2)215と、気化炉216と、弁(V5)217と、弁(V9)227と、弁(V7)226と、滅菌室(真空チャンバーとも言う)219と、気送真空ポンプ220と、排気用HEPAフィルタ221と、滅菌剤分解装置222とから構成されている。
図2に示すように、液センサ204、カートリッジ205、RF−IDリーダ/ライタ206、液送ロータリーポンプ207、濃縮炉208、気送加圧ポンプ209、吸気用HEPAフィルタ210、弁(V1)211、弁(V3)212、弁(V4)213と、計量管214、弁(V2)215、気化炉216、弁(V5)217、弁(V9)227、弁(V7)226、滅菌室(真空チャンバーとも言う)219、気送真空ポンプ220、排気用HEPAフィルタ221、滅菌剤分解装置222のそれぞれが繋がっている線は、導管を示している。この導管は、酸化し難い素材であるステンレスから構成されている。
演算処理部(MPU等)201は、演算処理を行い、滅菌装置100を構成する各ハードウエアを制御する。
表示部102、印刷部103、滅菌室の扉104は、ここでは説明を省略する。
ロック動作制御部202は、カートリッジ取付用扉101の施錠、開錠の動作を行う部であり、カートリッジ取付用扉101を施錠することにより、カートリッジ取付用扉101を開かないようにし、また、カートリッジ取付用扉101を開錠することにより、カートリッジ取付用扉101を開けることができるようにする。
カートリッジ205は、滅菌剤(過酸化水素、又は過酸化水素溶液の液体)が充填され、密閉された容器である。また、カートリッジ205の下側にはRF−IDの記憶媒体を備えており、その記憶媒体には、該カートリッジを識別する情報としてのシリアル番号と、該カートリッジの製造年月日、該カートリッジが初めて滅菌装置で使用された日時(初回使用日時)、該カートリッジ内に充填されている滅菌剤の残量が記憶されている。
抽出針動作制御部203は、カートリッジ内の滅菌剤を吸引するための抽出針(注射針)をカートリッジの上部から刺すために、当該抽出針を動作する部である。
すなわち、カートリッジ内の滅菌剤を吸引するための抽出針(注射針)をカートリッジの上部から刺す場合は、抽出針(注射針)をカートリッジに向けて、該カートリッジの上部から降ろすように動作することで、抽出針(注射針)をカートリッジの上部から刺すことができる。また、抽出針(注射針)をカートリッジから抜く場合は、該カートリッジの上部に抽出針(注射針)を上げるように動作することで、抽出針(注射針)をカートリッジから抜くことができる。
液センサ204は、カートリッジ205内の液体の滅菌剤が、抽出針(注射針)から液送ロータリーポンプ207に導通している管(導管)を通っているかを検出する装置である。具体的には、該管に赤外線を照射して得られるスペクトルから滅菌剤が該管を通っているかを検出することができる。
RF−IDリーダ/ライタ206は、カートリッジ205の下側に備え付けられているRF−IDから、シリアル番号、製造年月、初回使用日時、滅菌剤の残量を読み取ることができる装置である。また、RF−IDリーダ/ライタ206から、カートリッジ205の下側に備え付けられているRF−IDに、初回使用日時、滅菌剤の残量を書き込むことができる装置である。また、RF−IDリーダ/ライタ206は、カートリッジ取付用扉101の裏にあるカートリッジの取り付け場所の下部に設置されており、カートリッジ205の下側に備え付けられているRF−IDを読み取ること、及び初回使用日時、滅菌剤の残量等のデータをRF−IDに書き込むことが可能である。
液送ロータリーポンプ207は、濃縮炉208と導管により導通しており、また、液センサ204と導管により導通している。液送ロータリーポンプ207は、カートリッジ205内の液体の滅菌剤をポンプにより吸引して、導管を通して滅菌剤を濃縮炉208に送る装置である。また、液送ロータリーポンプ207は、液センサ204と連携して、カートリッジ205から、滅菌剤の所定量を吸引することができる。
濃縮炉208は、液送ロータリーポンプ207と、気送加圧ポンプ209と、計量管214と、排気用HEPAフィルタ221と、それぞれ導管により導通している。濃縮炉208は、液送ロータリーポンプ207から導管を通じて送り込まれた滅菌剤を、ヒータを用いて加熱し、滅菌剤に含まれる水分などを蒸発(気化)させ滅菌剤を濃縮する。また、気化した水は、気送加圧ポンプ209から導管を通して送り込まれる空気により、排気用HEPAフィルタ221に導通している導管に押し出され、濃縮炉208内から排気される。また、計量管214と濃縮炉208との間の導管の間には弁(1)211が設けられている。
気送加圧ポンプ209は、それぞれ、濃縮炉208と、吸気用HEPAフィルタ210と、導管により導通している。気送加圧ポンプ209は、滅菌装置100の外気(空気)を、吸気用HEPAフィルタ210を介して、吸気用HEPAフィルタ210との導管により導通して濃縮炉208に送る装置である。
吸気用HEPAフィルタ210は、それぞれ、気送加圧ポンプ209と、滅菌室219と、気化炉216と、導管により導通している。吸気用HEPAフィルタ210は、滅菌装置100の外の外気(空気)中のちりやほこり、雑菌などを、HEPA(High Efficiency Particulate Air Filter)フィルタでフィルタリングして空気を清浄する。そして、その清浄された空気は、気送加圧ポンプ209により導管を通して濃縮炉208に送られる。また、清浄された空気は、気化炉216との導管により導通して気化炉216に送り込まれたり、滅菌室219との導管により導通して滅菌室219に送り込まれる。すなわち、吸気用HEPAフィルタ210は、滅菌装置100の外の外気(空気)と導通している。そのため、気送加圧ポンプ209と吸気用HEPAフィルタ210との間の導管と、滅菌室219と吸気用HEPAフィルタ210との間の導管と、気化炉216と吸気用HEPAフィルタ210との間の導管は、吸気用HEPAフィルタ210を介して、外気(空気)と導通している。
また、吸気用HEPAフィルタ210と気化炉216との間の導管には、弁(V9)227が設けられている。また、吸気用HEPAフィルタ210と滅菌室219との間の導管には、弁(V7)226が設けられている。
弁(V1)211は、濃縮炉208と計量管214との間の導管に設けられた弁であって、弁を開けることで濃縮炉208と計量管214との間の導管による導通を可能にし、弁を閉めることで濃縮炉208と計量管214との間の導管による導通を不可能にする弁である。
弁(V3)212は、計量管214と滅菌室219との間の導管に設けられた弁であって、弁を開けることで計量管214と滅菌室219との間の導管による導通を可能にし、弁を閉めることで計量管214と滅菌室219との間の導管による導通を不可能にする弁である。また、この弁は、計量管214の近くに設けられており、少なくとも後述する弁(V4)よりも計量管214側の位置に設けられている。
弁(V4)213は、計量管214と滅菌室219との間の導管に設けられた弁であって、弁を開けることで計量管214と滅菌室219との間の導管による導通を可能にし、弁を閉めることで計量管214と滅菌室219との間の導管による導通を不可能にする弁である。また、この弁は、滅菌室219の近くに設けられており、少なくとも後述する弁(V3)よりも滅菌室219側の位置に設けられている。
本実施例では、弁(V4)213、弁(V3)214の開け閉めにより、計量管と滅菌室との間の導管の導通を可能にするか、不可能にするかを行っているが、弁(V4)213、弁(V3)214のどちらか一方の弁の開け閉めにより、計量管と滅菌室との間の導管の導通を可能にするか、不可能にするかを行うようにしてもよい。
計量管214は、濃縮炉208と、気化炉216と、滅菌室219のそれぞれとの間の導管により導通している。
計量管214は、弁(V1)211を開くことにより、濃縮炉208から滅菌剤が流入し、弁(V3)212、及び弁(V4)213を開くことにより、カートリッジ205内から吸入した不要な空気、及び/又は濃縮炉208内から流入した不要な空気を、計量管214により取り除く装置である。
弁(V2)215は、計量管214と、気化炉216との間の導管に設けられた弁であって、弁を開けることで計量管214と気化炉216との間の導管による導通を可能にし、弁を閉めることで計量管214と気化炉216との間の導管による導通を不可能にする弁である。
気化炉216は、計量管214と、吸気用HEPAフィルタ210と、滅菌室219とのそれぞれとの間の導管により導通している。気化炉216は、本発明の気化室の適用例である。気化炉216は、気送真空ポンプ220により減圧されることで、滅菌剤を気化させる装置である。
弁(V5)217は、気化炉216と、滅菌室219との間の導管に設けられた弁であって、弁を開けることで気化炉216と滅菌室219との間の導管による導通を可能にし、弁を閉めることで気化炉216と滅菌室219との間の導管による導通を不可能にする弁である。
弁(V9)227は、気化炉216と吸気用HEPAフィルタ210との間の導管に設けられた弁であって、弁を開けることで気化炉216と吸気用HEPAフィルタ210との間の導管による導通を可能にし、弁を閉めることで気化炉216と吸気用HEPAフィルタ210との間の導管による導通を不可能にする弁である。すなわち、弁(V9)227は、気化炉216と外気(大気)との導通を開閉できる弁である。
弁(V7)226は、滅菌室219と吸気用HEPAフィルタ210との間の導管に設けられた弁であって、弁を開けることで滅菌室219と吸気用HEPAフィルタ210との間の導管による導通を可能にし、弁を閉めることで滅菌室219と吸気用HEPAフィルタ210との間の導管による導通を不可能にする弁である。すなわち、弁(V7)226は、滅菌室219と外気(大気)との導通を開閉できる弁である。
滅菌室(真空チャンバーとも言う)219は、図1でも説明したが、例えば医療用器具などの被滅菌対象物を滅菌する所定の容量の筐体である。滅菌室内の圧力は大気圧から真空圧までの圧力を維持することが可能である。また、滅菌室内の温度は、滅菌処理中において、所定の範囲の温度に維持されている。また、滅菌室219内には、圧力センサが備えられており、圧力センサにより滅菌室219内の圧力(気圧)を測定することができる。滅菌装置100は、この圧力センサにより測定された滅菌室219内の気圧を用いて、滅菌室219内等の圧力(気圧)が所定の気圧になっているかを判定する。
気送真空ポンプ220は、滅菌室219内、気化炉216内、計量管214内、計量管214と気化炉216との間の導管内、気化炉216と滅菌室219との間の導管内、計量管214と滅菌室219との間の導管内の空間の気体を吸引して、それぞれの空間内を減圧し真空状態(大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間内の状態)にする装置である。
気送真空ポンプ220は、滅菌室219との間で導管により導通されており、排気用HEPAフィルタ221との間で導管により導通されている。
排気用HEPAフィルタ221は、気送真空ポンプ220との間で導管により導通されている。また、排気用HEPAフィルタ221は、滅菌剤分解装置222との間で導管により導通されている。また、排気用HEPAフィルタ221は、濃縮炉208との間で導管により導通されている。
排気用HEPAフィルタ221は、気送真空ポンプ220により、滅菌室219内等から吸引された気体を、気送真空ポンプ220との間の導管から送られた気体内のちりやほこり、雑菌などを、HEPA(High Efficiency Particulate Air Filter)フィルタでフィルタリングして、吸引された気体を清浄する。そして、清浄された気体は、滅菌剤分解装置222と排気用HEPAフィルタ221との間の導管を通り、滅菌剤分解装置222に送られ、滅菌剤分解装置222により該気体に含まれる滅菌剤の分子を分解し、分解後の分子を滅菌装置100の外に放出する。
また、排気用HEPAフィルタ221は、濃縮炉208と排気用HEPAフィルタ221との間の導管により濃縮炉208から排気される気体を清浄する。この気体は、濃縮炉208で、滅菌剤が過熱されて、気化された水であるが、微量の滅菌剤を含むため、滅菌剤分解装置222と排気用HEPAフィルタ221との間の導管を通り、滅菌剤分解装置222に送られる。そして、滅菌剤分解装置222により該気体に含まれる滅菌剤の分子を分解し、分解後の分子を滅菌装置100の外に放出する。
滅菌剤分解装置222は、排気用HEPAフィルタ221との間の導管により導通されている。滅菌剤分解装置222は、滅菌剤分解装置222と排気用HEPAフィルタ221との間の導管から送られてくる気体に含まれる滅菌剤の分子を分解して、分解して生成される分子を滅菌装置100の外に放出する。
滅菌剤分解装置222は、例えば、滅菌剤が過酸化水素、又は過酸化水素溶液である場合、気化された過酸化水素を、二酸化マンガンを触媒として用いて、水と酸素に分解することができる装置である。
228は真空チェンバ219外周に巻かれた電熱線による保温部(第1のヒータ部)およびその制御部である。
保温部228は、滅菌室219内の環境を、滅菌ガスである過酸化水素の滅菌作用に適した温度領域に保温している。
真空チェンバである滅菌室219は保温部228により58℃程度に保温され維持されている。これらの保温部および制御部とは別にIR加温部(第2のヒータ部)229がある。
IR加温部229は、滅菌室219内に被滅菌物が配置されたあとにこの被滅菌物を加熱するものである。
図示しない出力制御部は、IR加温部229による加熱のパワーレベルを切り替えることで、滅菌室219内に被滅菌物が配置されたあとに、この被滅菌物を加熱するかいなかを制御している。
229は被滅菌物を直接加熱するIRヒータであり、保温部とは別に滅菌工程開始時に被滅菌物を加温する目的で配置されている。
図3を説明する。
図3は本発明の滅菌室内部のハードウエア構造を示す図である。
一般的に加温用ヒータは遠赤外線を用いたヒータ源が用いられる。遠赤外線の波長は3〜6μmの範囲であり人体や樹脂などがもっとも加温されやすい波長である1〜2μmよりもやや長い波長であるが、そのために反射などを利用し均一な加温が可能である特徴がある。
しかしその遠赤外線を用いたヒータ源の構造はガラス管内にニクロム線の通電発熱を利用するため、通電開始から100%の発熱に至るまでには2〜6分もかかるので、時間がかかりすぎるという欠点がある。
先に述べたようにプラズマ放電による加温は短時間でピーク温度に達するという特性を有すると類推した。
短時間でピーク温度に達するという特性のヒータとして、クォーツヒータがある。クォーツとは熱透過性の高い石英のことで図3に示される様に石英管2101の中にハロゲンガス2103を充填しこのガス内でフィラメント2102に通電し発熱させる構造である。
このクォーツヒータの特徴は100%パワーでの発熱に至るまでの時間が2〜8秒と極めて短時間であることである。さらに最大発熱時の温度は200℃程度である。この瞬間的な発熱特性が短時間で被滅菌物を加温し、遮断後に直ちに周囲温度に戻ることで理想的な短時間加温を可能にする。
本発明による加温方法をここではIR(Infrared:近赤外)加温法と表現する。
図1の場合、チェンバ1101内周に一定の距離を保ち配されたアンテナ1102からの放射熱により被滅菌物1104が加温される構造である。
IR加温法は基本的にIRヒータ229を上下の2面に配置する。4面または6面に配置しても問題は無いが価格的な問題から最小限の必要性を考慮すると2面からの加温でもよい。
被滅菌物3107はチェンバ219内に設置された棚3105の上に配置され、被滅菌物は重力に従い棚の面に対し横に広がって配されるため上下からの2面加温が最も効果的である。
1面あたりのIRヒータの数は多いほど均一になるが価格の問題につながる。IRヒータの数を1面あたり2本にし、熱の均一化を図るためパンチングメタル3104と呼ばれる定間隔にφ1cm弱の穴のあいたアルミニウム製の金属板を被滅菌物との間に配置し一部をチェンバ219内壁との間で透過・反射させ熱エネルギーの均一化を図らせた。
なお均一化とはチェンバ219内に配置された棚3105の中段、下段でほぼ同様の加温特性を得られることを意味する。
219は滅菌チェンバ(滅菌室)である。直方体の形状をもち被滅菌物を収める外筐であるとともに真空装置の真空チェンバでもあるため高い剛性が要求される。材質は略6mm程度のステンレス材で出来ている。
229はIR(近赤外線)ヒータである。上下の面に2本ずつ合計で4本使用されている。周囲4面、或いは6面に配置されてもよい。今回は最小限の上下2面、4本の実施例を説明する。
3105は被滅菌物3107を収納する棚で通常中下2段構成となる。
3104は温度拡散板でありパンチングメタルとよばれる直径8mm程度の穴が一定間隔で開けられたアルミ製の板で出来ている。IR(近赤外クォーツヒータ)から放射された熱成分は周囲に拡散するが温度拡散板の穴部では直接被滅菌物に到達しアルミ部は一旦チェンバ内部に反射して被滅菌物に到達する。また加熱された温度拡散板からの輻射もある。この効果でIRヒータ229から放射された熱成分は満遍なくチャンバー内に行き渡ることになる。
図4を説明する。
図4はクォーツヒータ(IRヒータ)229の内部構造を示す。
2101はヒータ外筐であり石英ガラスでできている。この石英ガラス管の中央に横断的にフィラメントが貫通している。またガラス管内はハロゲンガス2103が充填されており2104電線よりフィラメントが通電されると直ちに発熱・発光する。この発熱は2〜8秒で100%に達し、また遮断後ただちに周囲温度に戻る。この振る舞いがプラズマの特性に近いためにプラズマの特性に似た加温特性が得られる。
図5を説明する。
図5は、本願発明の滅菌装置による、被滅菌物の内腔を滅菌する滅菌方法(滅菌処理のステップ)の実施例である。
大気開放弁を閉じ、真空ポンプを作動することで滅菌室内部を真空圧に維持する(初期減圧工程)。
真空ポンプを停止し、気化弁を開けることで気化室において予め準備した過酸化水素の蒸気が、滅菌室内部に供給され、過酸化水素の蒸気が滅菌室内部に拡散する(過酸化水素拡散工程)。拡散時間は予め設定された所定の時間(60秒から480秒までの間)であり、拡散時間の間、滅菌室内部の圧力は上昇し、所定の時間になると所定の圧力であるP1に達する。また大気開放弁は閉まったままである。302から303までが該当する。
次に大気開放弁を開けることで滅菌室外部からガス(大気)が、滅菌室内部に供給され、過酸化水素の蒸気を被滅菌物の内腔に導入する。導入時間は予め設定された所定の時間(5秒から10秒までの間)であり、導入時間の間、滅菌室内部の圧力は急激に上昇し、所定の時間で所定の圧力であるP2(第2の圧力)に達する。真空ポンプは停止したままである。303から304までが該当する。
ここでは、過酸化水素の蒸気を内腔の深部に導入するととともに、内腔の深部に導入した過酸化水素の蒸気を一旦液体に凝結させることが重要であり、蒸気を液体に凝結させるためには滅菌室の圧力を短時間で、大気圧まで急激に上昇させる
必要がある。
この急激な上昇とは、76リットルの容積で1500パスカルであった滅菌室内部の圧力を5秒から10秒の短時間で、大気圧(P2)に達する所定の圧力上昇の速度にて滅菌室内部に大気を急激に供給することである。
滅菌室内部の圧力を測定する圧力センサにより、所定の圧力である大気圧(P2)に達したかを判断する。大気圧(P2)に達した場合には、大気開放弁を閉じ、真空ポ
ンプを作動して大気圧である滅菌室内部を排気する。
P0の圧力は、大気開放弁と気化弁を閉め、滅菌室内部を真空ポンプで真空引きした後の圧力であり、20パスカルと100パスカルとの間であり真空圧である。
P1の圧力は、過酸化水素の蒸気が滅菌室内部に拡散した後の圧力であり、1000パスカルと4000パスカル(好ましくは1500パスカル)との間である。
P2の圧力は、滅菌室内部にガス(大気)を供給し、過酸化水素の蒸気が内腔で凝結した後の圧力であり、大気圧である。
図5はチェンバ内の圧力変化を示したグラフである。本発明における滅菌方法は図5にあるように50Pa以下まで減圧しチェンバ内を真空状態にして、ここに滅菌ガスを導入する。滅菌ガスが陰圧に従いチェンバ内に拡散にして被滅菌物を滅菌する。図5はこの滅菌ガス導入を全滅菌工程において4回導入するケースを用いて説明されている。
滅菌装置100は、滅菌室219内の気体を排気(減圧)する工程と、この滅菌室219内に滅菌ガスを導入する工程とを交互に行うことで被滅菌物を滅菌している。
図6を説明する。
図6は滅菌室保温だけの場合に、滅菌室内の被滅菌物の温度変化の結果をグラフにした図である。
滅菌において理想的な被滅菌物の温度は滅菌開始時、少なくとも滅菌ガス投入時に被滅菌物が目的温度(58℃)に到達していることである。つまり25℃程度のいわゆる常温状態で管理されている被滅菌物が滅菌用のチェンバに収納され滅菌工程を開始しすくなくとも第1パルスのガスが投入されるまでの真空引きなど準備の間に被滅菌物が目的温度(58℃)までの加温されていることである。
また目的温度には58℃を示すが、50℃から滅菌性能が向上するため50℃〜60℃を滅菌に適切な温度領域といえる。図6はチェンバの保温のみ、すなわちIRヒータによる加温などチェンバ設定温度以外の積極的加温を行わない場合の被滅菌物加温特性グラフである。表面温度が50℃を上回るのは第2パルスであり、目的温度(58℃)に達するのは第3パルスである。内腔内の温度を見るとは第3パルスの滅菌ガス投入時に50℃を上回った。目的温度(58℃)に達するのは第4パルスである。
被滅菌物は滅菌チェンバに収納直後が最も温度差のある状態であり、滅菌工程開始直後に如何に効率的に加温されたかが重要な要素となる。
「チェンバ加熱のみの加温」とは真空チェンバの外側外周に巻かれた電熱線からなるヒータを熱源とする保温部228であって通常は滅菌装置の電源が入っている限りその稼働状態にかかわらず常時設定温度に保たれている。
低温滅菌装置の滅菌設定温度とは50〜60℃である場合が多いが本発明では滅菌設定温度を58℃として説明する。温度は表面温度と内腔温度の2か所を測定した。
さらにそれぞれの配置位置は図3の3106に示される棚の中段と下段の2か所に設置した。
仮想の被滅菌物の表面温度を測るために、熱電対を設置した直径2.5mm長さ10cm程度の金属製の筒の表面温度値を採用した。
仮想の被滅菌物の内腔温度を測るために、直径約2.5cm長さ12cm程度のプラスチック構造の内部に仕込まれた温度計が示した測定値を内腔温度値として採用した。
目的温度とは58℃を示すが50℃〜60℃が適切な温度範囲とする。滅菌開始時には被滅菌物は常温状態にあるため目的温度との温度差が最も大きいと考えられ、滅菌ガスが投入されるまでの数分間で目的温度まで加温されることは困難と考えられる。図6に示される表面・中段または表面・下段のグラフをみても明らかである。
熱電対の測定部(表面温度)は細い金属状の形状のため比較的加温されやすい構造であるがそれでも第1パルスのガス導入時点では50℃に達しておらず第2パルスでようやく50℃以上に達し目的温度(58℃)以上に達するのは第3パルス以降である。
内腔温度に至っては第1,2パルスではいずれも50℃以下であり第3パルスでようやく50℃以上に達し最終である第4パルスの滅菌ガス投入タイミングで目的温度(58℃)に達していることが分かる。
図7を説明する。
図7は滅菌室保温に加えてIRヒータにより被滅菌物を加熱した場合に、滅菌室内の被滅菌物の温度変化の結果をグラフにした図である。
滅菌工程開始直後に1〜2分程度IRヒータを点灯させ表面温度と内部温度の加温特性を観察した図を示す。
ステップS801のように、真空ポンプが作動し減圧工程が始める。
ステップS802のように、減圧工程が始まるとすぐに、滅菌室219内に配置されている被滅菌物3107の温度が温度領域(50℃〜60℃)に短時間で到達するように、滅菌ガスを滅菌室内に導入する工程が開始されるまでに出力制御部がIR加温部229による加熱を始めて(IRヒータON)、遅くとも滅菌ガスを導入する工程が終了されるまでに、加熱を終了(IRヒータOFF)する。
ステップS803のように、滅菌室219内に配置されている被滅菌物の表面温度701が温度領域(滅菌設定範囲)に到達または温度領域(滅菌設定範囲)から5℃程度超過している経過時間(約1分程度)内には、ステップS804のように、IRヒータによる加熱を終了する。
これは被滅菌物の表面温度が被滅菌物の耐久温度の上限(例えば70℃)を急激に超えてしまい、急激な温度上昇により、被滅菌物自体が破損してしまうことを防ぐためである。つまり、滅菌室内に配置されている被滅菌物の内腔温度703は、温度領域(滅菌設定範囲)には到達してない時間内には加熱を終了する。その加熱終了後、表面温度と内腔温度とのお互いの温度差による熱拡散により、表面温度と内腔温度の両方が温度領域(滅菌設定範囲)に到達するように放置する。
よって、滅菌装置100は、滅菌室内の気体を排気する工程と、当該滅菌室内に滅菌ガスを導入する工程とを複数回交互に行うが、複数回中の初回の排気する工程のみ、導入する工程が開始されるまでに出力制御部がIRヒータによる加熱を始めている。この時間を利用して被滅菌物を加熱することで、滅菌ガスが導入される前には、短時間で被滅菌物が温度領域(滅菌設定範囲)まで昇温することが可能となる。
図7に示されているように被滅菌物の表面温度は第1パルスの滅菌ガス投入時から既に58℃の目的温度に達している。被滅菌物の内腔温度も第2パルスの滅菌ガス投入時に50℃を超え第3パルスのガス投入時に目的温度(58℃)に達している。
この様に表面温度に関しては目的温度への到達時間がチェンバのみの保温に比べて約6〜8分の短い時間に改善させることができ、内腔を有する被滅菌物に関しても約8〜15分程度の改善を確認できた。
一般的な過酸化水素ガス滅菌法の場合には、おおよそ1時間程度の全滅菌工程中に過酸化水素ガスが4パルス投入されるので、本発明により表面温度に関しては少なくとも1パルス、内腔温度においては2パルス分期待通りの温度範囲で滅菌ガスを受け入れることが出来る。
IRヒータによる加温とは真空チェンバ内壁からの保温に加えて内壁上下に設置されたそれぞれ2本のIRヒータが滅菌工程の開始後約1分間程度通電され点灯することで被滅菌物を加熱する加温法である。
このIRヒータは滅菌工程開始以外は通電(稼働)させない。
グラフは被滅菌物の温度は表面温度と内腔温度の2か所を測定した結果である。それぞれの測定位置は図3の3106に示される棚の中段と下段とした。表面温度とは直径2.5mm長さ10cm程度(このサイズは熱電対のサイズか?)の温度測定用の熱電対による測定値とし内腔温度とは直径約2.5cm長さ12cm程度のプラスチック構造の温度センサ内に仕込まれた温度計が示す値とする。
滅菌開始時は被滅菌物が常温状態(25°程度)にあるため目的温度(58℃)との温度差が最も大きいと考えられ滅菌ガスが投入されるまでの数分間で目的温度まで加温されることは困難と考えられる。
図7内に示される表面・中段701または表面・下段703のグラフから第1パルス投入時に既に目的温度の58℃に達している。これは滅菌工程開始時にIRヒータが通電・加熱し被滅菌物を加温したためである。
内腔体はその物体のもつ熱伝導率に従い遅れて加温されるが、内腔温度の測定結果から、第2パルスで50℃以上に達し、第3パルスではほぼ目的温度(58℃)に達しているのが分かる。
図8を説明する。
図8はIRヒータ稼働の制御フローチャートである。
IRヒータの稼働は基本的に滅菌工程開始時の1分程度に行われる。また滅菌工程中に被滅菌物の温度が低下する減圧時に補強的通電加熱する。
変形例としてはチェンバ保温なくして、IRヒータのみで加熱する手法も考えられる。
100 滅菌装置
228 保温部
229 IR加温部
3107 被滅菌物

Claims (7)

  1. 滅菌室内の気体を排気する工程と、当該滅菌室内に滅菌ガスを導入する工程とを交互に行うことで被滅菌物を滅菌する滅菌装置であって、
    前記滅菌室内の環境を前記滅菌ガスの滅菌作用に適した温度領域に保温する第1のヒータ部と、
    前記滅菌室内に前記被滅菌物が配置されたあとに当該被滅菌物を加熱する第2のヒータ部と、
    前記第2のヒータ部によるパワーレベルを切り替えて当該被滅菌物を加熱するかいなかを制御する出力制御部と、
    を備え、
    前記滅菌室内に配置されている被滅菌物の温度が前記温度領域に到達するように前記導入する工程が開始されるまでに前記出力制御部が第2のヒータ部による加熱を始めることを特徴とする滅菌装置。
  2. 前記導入する工程が終了されるまでに前記始めた加熱を終了することを特徴とする請求項1に記載の滅菌装置。
  3. 前記滅菌室内に配置されている被滅菌物の表面温度が前記温度領域に到達または前記温度領域を超過している経過時間内に前記始めた加熱を終了することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の滅菌装置。
  4. 前記滅菌室内に配置されている被滅菌物の内腔温度が前記温度領域には到達してない時間内に前記始めた加熱を終了することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の滅菌装置。
  5. 前記滅菌装置は、滅菌室内の気体を排気する工程と当該滅菌室内に滅菌ガスを導入する工程とを複数回交互に行い、
    前記複数回中の初回のみ、前記導入する工程が開始されるまでに前記出力制御部が第2のヒータ部による加熱を始めることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の滅菌装置。
  6. 前記温度領域は50度以上60度以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の滅菌装置。
  7. 滅菌室内の気体を排気する工程と、当該滅菌室内に滅菌ガスを導入する工程とを交互に行うことで被滅菌物を滅菌する、前記滅菌室内の環境を前記滅菌ガスの滅菌作用に適した温度領域に保温する第1のヒータ部と、前記滅菌室内に前記被滅菌物が配置されたあとに当該被滅菌物を加熱する第2のヒータ部と、前記第2のヒータ部によるパワーレベルを切り替えて当該被滅菌物を加熱するかいなかを制御する出力制御部と、を備える滅菌装置による滅菌方法であって、
    前記滅菌室内に配置されている被滅菌物の温度が前記温度領域に到達するように、前記導入する工程が開始されるまでに前記出力制御部が第2のヒータ部による加熱を始めることを特徴とする滅菌方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017104189A (ja) * 2015-12-07 2017-06-15 キヤノンマーケティングジャパン株式会社 滅菌システム、滅菌方法

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