以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。
<パチンコ機の構成>
まず、図1を参照して、本実施形態に係るパチンコ機の構成を説明する。遊技場(以下、ホールとも言う)内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、遊技機の一例の封入循環式パチンコ機(以下、遊技機、パチンコ機またはP台と略称することもある)2が併設されている。なお、P台2の所定側の側方位置には、該P台2に対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3が1対1に対応して設置されている。
P台2は、内部に遊技媒体の一例のパチンコ玉を封入しており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより、発射モータ18(図2参照)を駆動させて封入玉を一発ずつ遊技盤26前面の遊技領域27に打込んで遊技ができるように構成されている。具体的には、打球操作ハンドル25の周囲にタッチセンサが設けられており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作している状態でその遊技者の手がタッチセンサに触れ、その遊技者の手の接触をタッチセンサで検知して発射モータ18が駆動される。この状態で、遊技者による打球操作ハンドル25の回動操作量に応じて打球発射勢いが調整されて玉が遊技領域27内に発射される。
打球操作ハンドル25の上方には鍵穴10が設けられており、遊技場の係員が所持する鍵を挿入して前枠5(図2参照)の解錠操作(たとえば時計回り回転)をすることにより前枠5が開放され、ガラス扉(前面部材)6の解錠操作(たとえば反時計回り回転)をすることによりガラス扉6が開放される。
図1に示すP台2は、いわゆる第1種のパチンコ機であって、遊技領域27の中央に可変表示装置(以下、特別図柄とも言う)278が設けられている。また、遊技領域27には、打込まれたパチンコ玉が入賞可能な複数種類の入賞口が設けられている。図1に示す遊技領域27には、1つの大入賞口(可変入賞球装置)271と、3つの普通入賞口272,273,274と、3つの始動入賞口275,276,277とが示されている。特に、始動入賞口276は、遊技者にとって有利な第1の状態(たとえば開成状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(たとえば閉成状態)とに変化可能な電動チューリップで構成されている。
可変表示装置278は、各始動入賞口275,276,277に入賞した始動入賞玉の検出信号に基づいて変動表示する。可変表示装置の表示結果が特定の識別情報の組合せ(たとえばぞろ目)になると、大当り状態となり、大入賞口271が開放する。
また、可変表示装置の表示結果が大当り図柄の組合せ(ぞろ目)のうちの予め定められた特別の識別情報の組合せ(たとえば777等の確変図柄の組合せ)となることにより、確変大当り状態が発生し、それに伴う大当り状態の終了後大当りの発生確率が向上した確率変動状態(確変状態)が発生する。
遊技領域27内に打込まれたパチンコ玉はいずれかの入賞口に入賞するかあるいは入賞することなくアウト口(図示略)に回収される。入賞口に入賞したパチンコ玉およびアウト口に回収されたパチンコ玉は再度P台2内の回収経路(図示略)を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより再びその打球発射位置のパチンコ玉が遊技領域27内に打込まれる。
P台2における遊技領域27の下方位置には、表示器54が設けられている。表示器54は、液晶表示装置で構成されている。なお、表示器54は、図1に示すようにCU3から独立してP台2に取付けられる構成でも、CU3と一体に形成され、P台2の前面に嵌合させる構成でもよい。CU3の表示器54を、P台2の前面に嵌合させる構成であれば、CU3とP台2とをより強く連結することができるので、さらに不正を防止することができる。この場合、表示器54との連結係止を、ガラス扉6または打球操作ハンドル25が設けられた下扉を開かないと解除することができないようにすることで、さらに不正を防止することができる。
また、この表示器54の下方部分に7セグ表示器50が設けられている。7セグ表示器50は7セグメントLEDディスプレイで構成されており、後述の払出制御部171によって制御される。この7セグ表示器50により、後述する遊技玉数や発生したエラーのエラー番号等が表示される。
さらに、P台2における打球操作ハンドル25の左方位置には、遊技玉から持玉への計数処理をするための計数ボタン28が設けられている。詳しくは後述するが、計数ボタン28は、1度押下すると、たとえば100玉だけ遊技玉から持玉への計数が行なわれ、長い期間押下(長押し)すると、現在有している遊技玉を考慮して押下している時間に対応した玉数だけ計数速度が向上して遊技玉から持玉への計数が行なわれる。また、計数速度は、カード返却操作を行なう場合にさらに向上し、スムーズなカード返却処理を実現している。
このように、計数ボタン28をP台側に設けているため、計数ボタン28をCU側に設ける場合に比較して、P台に正対して座っている遊技者の操作性を向上できる。また、P台2は、遊技領域27の右上位置および左上位置に、可変表示装置278で表示される演出にあわせて再生する音楽データを出力するためのスピーカ270が設けてある。なお、スピーカの位置および個数は、図1に示す構成に限定されず、必要に応じて位置および個数を変更してもよい。
<カードユニットの構成>
次に、引き続き図1を参照して、本実施形態に係るCU3の構成を説明する。このCU3は、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(以下、一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付ける。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
それらのカードを受付けたCU3は、カードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばカード残高、持玉数、あるいは貯玉数等)を「遊技玉のデータ」に変換する機能を有する。P台2では、遊技玉のデータによって特定される玉数相当の弾球遊技が可能とされる。つまり、「遊技玉のデータ」とは、発射可能な発射残数を示すデータである。以下の説明では、「遊技玉のデータ」を貯玉や持玉と同様に、単に「遊技玉」と称する。
CU3の前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、装置前面より装置前方方向に突出形成された突出部305、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309などが設けられている。このカード挿入/排出口309に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ(図示略)に受付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。なお、会員カードやビジターカードからの情報の読取りは、接触式のカードリーダライタを用いて行なう場合に限定させず、非接触式のカードリーダライタを用いて行なってもよい。
前述の突出部305において、遊技者と対向する面には、表示器312と、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID(以下単に、カードIDとも言う)ならびに会員カードIDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319と、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号をIR(Infrared)感光ユニット320で受信して電子信号に変換して出力するIR受光ユニットが設けられている。
表示器312は、挿入された遊技用記録媒体(カード)に記録されているプリペイド残高(以下、カード残高または単に残高とも言う)を表示するものであるが、遊技玉数やその他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されており、表示器312の表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
再プレイボタン319を操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持玉数が記録されているときにはその持玉数の一部を引落して遊技玉に変換し、変換した遊技玉に基づいてP台2による遊技を行なうことが可能となる。一方、挿入されたカードが会員カードであり持玉数が記録されておらずかつ貯玉がホール用管理コンピュータ等に記録されている場合には、その貯玉の一部が引落されて遊技玉に変換され、P台2による遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯玉と持点との双方が記憶されている場合には、持玉が優先的に引落される。なお、再プレイボタン319とは別に、持玉を引落すための専用の持玉払出ボタンを設け、再プレイボタン319は貯玉引落し専用のボタンとしてもよい。
ここで、「貯玉」とは、遊技場に預入れられた遊技媒体であり、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
「持玉数」とは、遊技者が遊技機により遊技を行なった結果遊技者の所有となった遊技玉数をカードに記録したものであって、未だに遊技場に預入れられていない玉数のことである。一般的には、遊技場において当日遊技者が獲得した玉数を「持玉」と言い、前日以前に遊技者が獲得した玉数であって遊技場に預入れられた玉数を「貯玉」と言う。
「遊技玉」とは、遊技機で発射可能な玉数のデータである。このデータは、既に説明したとおり、プリペイドカードの残高、持玉、あるいは貯玉を引落すことと引き換えにして生成される。
なお、持玉数を遊技場に設定された持玉数管理用の管理装置で管理してもよい。要するに、「貯玉」と「持玉」との違いは、遊技場に預入れるための貯玉操作が行なわれて遊技場に預入れられた玉数であるか、あるいは、未だに遊技場に預入れられていない段階の玉数であるかの点である。
本実施形態では、貯玉データは会員カードに直接記録させずホール用管理コンピュータ等の遊技場に設置されたユニット管理コンピュータ801(図3参照)に会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯玉を検索できるように構成されている。一方、持玉は、カードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、両者ともにユニット管理コンピュータ801にカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持玉は、ビジターカードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、持玉をユニット管理コンピュータ801にカード番号と対応させて記憶させてもよい。このユニット管理コンピュータ801にカード番号と対応させて記憶させる際に、ユニット管理コンピュータ801に記憶させた時刻を特定できるデータをカード(会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残高についてはカード(会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
なお、持玉を、カード(会員カード、ビジターカード)、またはユニット管理コンピュータ801に記憶させるタイミングは、たとえば、計数ボタン28が操作されて計数処理が行なわれる度にリアルタイムに記憶させる、一定周期ごとに記憶させる、またはカードを返却するときに一括して記憶させるなど、少なくとも1つのタイミングであればよい。
紙幣挿入口302に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
CU3の前面側には、さらに、玉貸ボタン(以下、貸出ボタンとも言う)321とカード返却ボタン322とが設けられている。玉貸ボタン321は、挿入されたカードに記録されている残高を引落してP台2による遊技に用いるための操作(遊技玉への変換操作)を行なうボタンである。カード返却ボタン322は、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した遊技玉数(カード挿入時の持玉数−遊技玉への変換数+計数操作によって計数された持玉数)を記憶させて排出するための操作ボタンである。
<カードユニットとパチンコ機との構成>
図2は、CU3とP台2との構成を示すブロック図である。図2を参照して、CU3とP台2との制御回路の概略を説明する。
CU3には、マイクロコンピュータ等から構成されたCU制御部323が設けられている。このCU制御部323には、図示していないが制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
CU制御部323には、ホール用管理コンピュータやセキュリティ上の管理を行なうユニット管理コンピュータ801(図3参照)と通信を行なうための外部通信部(図示略)が設けられているとともに、P台2の払出制御基板17とセキュリティを確保しながら通信を行なうためのセキュリティ基板325が設けられている。CU3にはP台2側への接続部(図示略)が設けられるとともに、P台2にはCU3側への接続部(図示略)が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタ等で構成されている。
CU側のセキュリティ基板325とP台側の払出制御基板17とは、このコネクタと接続配線とを介して通信可能に接続される。セキュリティ基板325には、セキュリティ基板325と払出制御基板17との通信を制御するための通信制御IC325aと、P台2のセキュリティを監視するためのセキュリティチップ(SC)325bが設けられている。セキュリティチップ(SC)325bには、図示していないが制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。さらに、SC325bは、不正検知部1325を備え、不正検知部1325がCU制御部323からP台2に通知される遊技玉の加算要求情報を監視することにより不正検知を行ない、不正検知時に鍵管理サーバ800(図3参照)に通知する。また、不正検知用の設定値(定数)は鍵管理サーバ800から基板制御情報として通知される。通信制御IC325aには、図示していないが制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
CU制御部323、セキュリティチップ(SC)325b、および通信制御IC325aの各RAMは、電源断時にもその記憶データが消去されないバックアップRAMで構成されている。なお、このバックアップRAMの代わりに、EEPROMで構成してもよい。
前述した貨幣識別器により紙幣の真贋および種類が識別されてその識別結果信号がCU制御部323に入力される。遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320が受光すれば、その受光信号がCU制御部323に入力される。挿入されたカードの記録情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報がCU制御部323に入力されるとともに、CU制御部323からカードリーダライタに対し、挿入されているカードに書込むデータが伝送されたときに、カードリーダライタはそのデータを挿入されているカードに書込む。
CU制御部323は、遊技者が遊技している際、遊技者の持玉を管理・記憶する。CU制御部323から残高あるいは遊技玉数等のデータが表示制御部350に出力され、表示制御部350で表示用データに変換される。表示器312に対し、表示制御部350で変換した表示用データが出力され、その出力された表示用データを表示器312が表示する。また、表示器312の表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が表示制御部350を介してCU制御部323に入力される。遊技者が玉貸ボタン321を操作することにより、その操作信号がCU制御部323に入力される。なお、玉貸ボタン321は、CU3に設ける構成に限定されるものではなく、P台2に設けて操作信号をCU制御部323に入力する構成であっても良い。遊技者が再プレイボタン319を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。遊技者がカード返却ボタン322を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。
P台2には、P台2の遊技の進行制御を行なう主制御基板16、遊技玉を管理・記憶する払出制御基板17、払出制御基板17の指令に基づいて発射モータ18を駆動制御する発射制御基板31、可変表示装置278(図1参照)などが備えられている。なお、図2では、主制御基板16の指令に基づいて可変表示装置を表示制御する表示制御基板(演出制御基板ともいう)の図示を省略している。
主制御基板16は、遊技盤26に設けてある。主制御基板16には主制御部161である遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。遊技機制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。主制御部161は、遊技盤26に設けられている入賞センサ162、および電波センサ163と接続してある。たとえば、主制御部161の遊技機制御用マイクロコンピュータには、FPGA(field-programmable gate array)基板を用いる。なお、遊技盤26には、さらに可変表示装置278等を制御する表示制御基板(演出制御基板)が設けられている。
払出制御基板17は、前枠5(遊技枠)に設けてある。払出制御基板17には、払出制御部171である払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。たとえば、払出制御部171の払出制御用マイクロコンピュータには、FPGA基板を用いる。
また、払出制御基板17に対し、発射玉検出スイッチ(図示略)、アウト玉検出スイッチ701、ファール玉検出スイッチ330、計数ボタン28、電波センサ173、ガラス扉開放検出スイッチ12、前枠開放検出スイッチ13が電気的に接続された状態で設けられている。この電波センサ173は、電波を不正に発信して主に玉上げスイッチ(上)41aを常時オン状態にする不正行為を検知するためのものである。この電波センサ173の検出信号が払出制御基板17の入力ポート(図示略)を介して払出制御部171へ入力される。玉上げスイッチ(上)41aは、前述したように、オンからオフに変化したことにより遊技玉の発射を検出し、その検知に基づいて、払出制御部171が、遊技玉数を「1」減算する。従って、不正電波によりこの玉上げスイッチ(上)41aが常時オン状態になると、いくら玉を発射しても遊技玉数が減算されない状態となる。このような電波による不正を電波センサ173により検知する。なお、玉上げスイッチ(上)41aばかりでなく、発射玉検出スイッチも電波による不正の対象となる虞がある。つまり、玉上げスイッチ(上)41aだけ不正電波により常時オン状態にした場合には、玉の発射が検出されなくなる一方、実際に発射された玉が回収されて発射玉検出スイッチで検出された場合には、発射玉と回収玉(アウト玉)との個数に齟齬が生じ、異常が検知されて「発射/OUT不整合玉数」の不正検知情報がP台2からCU3へ送信されることになる。しかし、この発射玉検出スイッチにも不正電波を発信して検出不能状態にすることにより、上記「発射/OUT不整合玉数」の不正検知情報がP台2からCU3へ送信されなくなる不都合が生じる。本実施形態では、このような発射玉検出スイッチに対して発信される不正電波も、電波センサ173で検出するため、前述の不都合を防止し得る。
ガラス扉開放検出スイッチ12および前枠開放検出スイッチ13の開放回数は、図示していない計数カウンタにより計数される。計数カウンタは、CPU,ROM,RAM等が搭載され、P台2の電源供給が途切れたときでもバックアップ電源により動作可能で、夜間等の電源OFF時でもガラス扉6や前枠5の開放検出回数を計数してその計数値を払出制御部171へ送信することができる。ここで、バックアップ電源は、たとえば、P台2内に設けられたキャパシタや蓄電池である。
また、7セグ表示器50が払出制御部171に接続されており、払出制御部171からの表示制御信号に従って7セグ表示器50がガラス扉6や前枠5の開放回数等を表示する。
主制御基板16から払出制御基板17に対し、メインチップID(主制御用セキュリティチップID)、入賞口情報、ラウンド情報、接続確認信号、入賞検出信号、始動入賞口入賞情報、エラー情報、図柄確定回数、大当り情報、メーカ固有大当りの情報などが送信される。
メインチップIDは、P台2の主制御基板16に記録されているチップIDのことであり、P台2の電源投入時に払出制御基板17に対して送信される情報である。入賞口情報は、入賞口の種類(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)と、賞球数(入賞口に遊技玉が入ったときの払出玉数)とを含む情報であり、P台2の電源投入時に払出制御基板17に対して送信される。たとえば、入賞口情報には、入賞口の種類が大入賞口271(図1参照)に3球入り、賞球数として払出制御基板17に対して300球払出しを要求する情報や、始動入賞口275および始動入賞口277(図1参照)のそれぞれに1球入り、賞球数として払出制御基板17に対して20球払出しを要求する情報が含まれる。なお、普通入賞口272などの入賞口に球が入り、賞球の払出しを要求する入賞口情報が払出制御基板17に対して送信された後に電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた場合であれば、払出制御基板17が入賞口情報を既に受信しており、当該入賞口情報に基づく賞球の払出しが可能となる。しかし、電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた後に、遊技領域27の釘等の間に引っ掛かって落下していない浮遊玉が普通入賞口272などの入賞口に入った場合、払出制御基板17が入賞口情報を受信することができず賞球の払出しができない。そのため、電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた後に、浮遊玉が普通入賞口272などの入賞口に入った場合でも賞球の払出しができるように、継続して入賞口情報を払出制御基板17が受信(情報記憶部に書き込み)可能な有効期間を設定する。これにより、電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた後に、浮遊玉が普通入賞口272などの入賞口に入った場合でも有効期間内であれば払出制御基板17が入賞口情報を受信することができ浮遊玉に基づく賞球の払出しが可能となる。ラウンド情報は、大当りしたときのラウンド数の情報であり、P台2の電源投入時に払出制御基板17に対して送信される。
接続確認信号は、主制御基板16と払出制御基板17とが接続されていることを確認するための信号であり、主制御基板16から払出制御基板17へ所定の電圧の信号が常時供給されており、払出制御基板17がその所定電圧信号を受信していることを条件として払出制御基板17が動作制御するように構成されている。入賞検出信号は、始動入賞口以外の入賞口に入賞したパチンコ玉の検出信号である。この検出信号を受けた払出制御基板17は、その入賞玉1個に対して付与すべき玉数を、遊技玉数と加算玉数とに加算する制御を行なう。
始動入賞口入賞情報とは、始動入賞口1または始動入賞口2のいずれかにパチンコ玉が入賞したことを示す情報である。エラー情報とは、主制御基板16が遊技制御を行なっている最中にエラーが発生した場合にその旨を払出制御基板17へ通知するための情報である。
図柄確定回数とは、各始動入賞口への入賞に対する可変表示装置の表示結果として確定した図柄の情報である。
大当り情報とは、大当りが発生したことを示す情報であり、その内訳は、各メーカ共通の大当りを示す共通大当り情報とメーカ固有の大当りを示すメーカ固有大当り情報とがある。共通大当り情報は、たとえば15ラウンド大当り等のように、各遊技機メーカが共通に採用している大当りであり、その大当りに伴って確変が発生する場合には確変情報を含み、その大当りに伴って時短状態(可変表示装置の可変表示時間を短縮する制御状態)が発生する場合にはその時短情報を含んでいる。メーカ固有大当りとは、たとえば突然確変(突確)のような、或る遊技機メーカのみが採用している大当り状態のことである。
払出制御基板17から主制御基板16へ、ヘルスチェックコマンドと賞球個数受付コマンドとが送信される。ヘルスチェックコマンドとは、主制御基板16が正常に動作しているか否かをチェックするためのコマンドである。賞球個数受付コマンドとは、加算玉数を受付けた旨を示すコマンドである。
アウト玉検出スイッチ701から払出制御基板17へアウト玉検出信号が入力される。このアウト玉検出信号が入力された払出制御基板17は、後述するように遊技中玉数(遊技領域27に浮遊している浮遊玉の玉数)を減算更新する。ファール玉検出スイッチ330からファール玉検出信号が入力された払出制御基板17では、後述するように、加算玉数と遊技玉数とを加算更新するとともに、遊技中玉数を減算更新する。発射玉検出スイッチから払出制御基板17へ発射玉検出信号が入力される。この発射玉検出信号が入力された払出制御基板17は、遊技中玉数を減算更新する。
CU3のセキュリティ基板325とP台2の払出制御基板17とが電気的に接続されており、セキュリティ基板325から払出制御基板17へ、後述するように、リカバリ要求、リカバリ詳細要求、通信開始要求、通信終了要求、状態情報要求、カード挿入通知、カード返却通知、通信テスト要求の各種コマンドが送信される。
リカバリ要求は、P台2に対してリカバリ情報の通知を要求するコマンドである。払出制御基板17は、リカバリ要求を受けてP台2のリカバリ情報をCU3に通知する。リカバリ詳細要求は、P台2に対してリカバリ詳細情報の通知を要求するコマンドである。払出制御基板17は、リカバリ詳細要求を受けてP台2のリカバリ詳細情報をCU3に通知する。通信開始要求は、P台2に対して通信開始を要求するコマンドである。払出制御基板17は、通信開始要求を受けてCU3に対して通信開始を応答する。通信終了要求は、P台2に対して通信終了を要求するコマンドである。払出制御基板17は、通信終了要求を受けてCU3に対して通信終了を応答する。
状態情報要求は、P台2に対して状態情報の通知を要求するコマンドである。払出制御基板17は、状態情報要求を受けてP台2の状態情報をCU3に通知する。カード挿入通知は、P台2に対してカード挿入されたことを通知するコマンドである。払出制御基板17は、カード挿入通知を受けてCU3に対してカード挿入されたことの応答をする。カード返却通知は、P台2に対してカード返却されたことを通知するコマンドである。払出制御基板17は、カード返却通知を受けてCU3に対してカード返却されたことの応答をする。通信テスト要求は、P台2に対してテストデータを通知するコマンドである。払出制御基板17は、通信テスト要求を受けてCU3に対してテストデータを応答する。
払出制御基板17からセキュリティ基板325へ、リカバリ応答、リカバリ詳細応答、通信開始応答、通信終了応答、状態情報応答、カード挿入応答、カード返却応答、通信テスト応答の各種レスポンスが送信される。
前枠5(遊技枠)には、発射制御基板31、発射モータ18が設けられている。発射制御基板31は、遊技者が打球操作ハンドル25に触れていることを検出するタッチリング(以下、タッチセンサとも言う)の入力信号が入力されているときに発射モータ18へ励磁出力を発し、発射モータ18を駆動させる。
払出制御基板17から発射制御基板31へ、発射制御信号と発射許可信号とが出力される。それを受けた発射制御基板31は、発射モータ18を励磁するための信号を出力する。これにより、パチンコ玉が遊技領域27へ弾発発射される状態となる。
前枠5(遊技枠)には、表示器54が設けられている。表示器54は、CU3の表示制御部350からの表示データを受信し、表示画面を表示させる。なお、このように、本実施形態では、P台側の表示器54がCU側で制御されるように構成されているが、これに代えて、P台側に表示器54を表示制御するための表示制御用基板を設けてもよい。この場合、表示制御用基板は、払出制御部171の指令に基づいて表示器54を表示制御する。
<遊技用システムの構成>
図3は、パチンコ機を設置するホール内外の遊技用システムの構成を説明するためのブロック図である。図3に示すP台2は、CU3、ユニット管理コンピュータ801、鍵管理サーバ800、機歴管理センタ800A、およびコンテンツ管理センタ800Bと接続されている。ここで、鍵管理サーバ800は、CU3内部のセキュリティチップ325bのシリアルID(以下、SIDとも言う)毎に対応付けて、セキュリティチップ325bのSIDと認証鍵とを記憶している鍵の管理サーバである。また、鍵管理サーバ800は、CU3を介して、P台2の主制御基板16とも互いに通信可能なサーバである。
機歴管理センタ800Aは、前枠5に接続した払出制御基板17に設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて前枠5の情報、および遊技盤26に接続した主制御基板16に設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて遊技盤26の情報を記憶して、前枠5および遊技盤26の履歴を管理する履歴管理システムを含んでいる。なお、機歴管理センタ800Aは、主制御基板16および払出制御基板17に設けた半導体チップのセキュリティチップIDの少なくともいずれか一方を記憶して、P台2の履歴を管理する履歴管理システムを含んでいる。
コンテンツ管理センタ800Bは、複数のホールに設置してあるユニット管理コンピュータ801に通信可能接続され、各ホールに設置されているP台2での売上額や出玉状況などを管理している。さらに、コンテンツ管理センタ800Bは、後述するように各ホールに設置されているP台2で音楽データや画像データなどがどの程度再生されたのかを示す再生実績を集計して、音楽データや画像データなどのコンテンツ(管理対象データ)を管理している。
ユニット管理コンピュータ801は、前述したように貯玉データなどの遊技データを会員カード番号と対応付けて記憶させて、当該遊技データを管理している。さらに、ユニット管理コンピュータ801は、ホール内に複数設置されたP台2およびCU3のそれぞれからの信号やデータを、ホール外に設置された鍵管理サーバ800、機歴管理センタ800A、およびコンテンツ管理センタ800Bに送信したり、ホール外に設置された鍵管理サーバ800、機歴管理センタ800A、およびコンテンツ管理センタ800Bからの信号やデータを、ホール内に複数設置されたP台2およびCU3に受信したりする中継装置でもある。また、ユニット管理コンピュータ801は、後述するように、ホール内に複数設置されたP台2およびCU3で音楽データや画像データなどがどの程度再生されたのかを収集してもよい。
<カードユニット側とパチンコ機側との送受信態様>
次に、図4は、CU3側とP台2側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を示す模式図である。図4を参照して、CU3側(CU側)とP台2側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を説明する。
本実施形態においては、P台2側において遊技玉数の変動を算出して現在の最新の遊技玉数を記憶・管理している。CU3側においても現在の遊技玉数の算出・記憶を行なっているが、その遊技玉数はP台2側から送信されてきた情報に基づいたものである。一方、持玉(カード持玉数)や貯玉数、カード残高(残高)は、CU3側において管理・記憶している。
図4では、CU3側のCU制御部323に設けられているRAMの記憶データと、P台2側の払出制御基板17に搭載されているRAMの記憶データとを示している。まず、P台2とCU3とが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときに、P台2側の払出制御基板17は、主制御基板16からメインチップID(主制御用セキュリティチップID)を送信してもらい、そのメインチップIDをCU3側に送信するとともに、払出制御基板17自体が記憶している払出チップID(払出制御用セキュリティチップID)をCU3側へ送信する。
CU3側では、それら送信されてきたメインチップIDと払出チップIDとを記憶する。次に、接続時刻すなわちCU3側とP台2側とが接続されて通信が開始された時刻のデータがCU3側からP台2側へ送信され、P台2側ではその送信されてきた接続時刻を記憶する。
この状態で、メインチップID、払出チップIDおよびCU3側で識別された接続時刻の3つの情報がCU3側とP台2側とに記憶されることとなる。それ以降の電源投入時においては、P台2側からCU3側へそれら3つの情報、すなわち、メインチップIDと払出チップIDと前回の接続時刻データとが送信される。
CU3側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じP台2が接続されているか否かを判別する。なお、接続時刻のデータは、電源が立上げられる度にCU3側とP台2側との通信が開始された新たな接続時刻データがCU3側からP台2側へ送信されてその新たな接続時刻データをP台2側において記憶することとなる。
また、CU3側とP台2側とにおいてコマンドおよびレスポンスの送信が行なわれる毎に通番が「1」ずつ加算更新され、その通番がCU3側とP台2側とにおいて記憶される。この通番とは、CU3とP台2との間でのデータの送受信が行なわれる毎に番号が更新されて通信が適正に行なわれているか否かを確認するための通信番号のことであり、CU3(一次局)が送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信し、P台2(二次局)は受信した通番をそのまま送信する。なお、CU3は、再送時、通番をカウントアップせず、通番の連続性が成立しない場合、無応答とする。前回最終送信通番は、前回の送受信時に更新された通信番号であり、バックアップされる番号のことである。
本実施形態におけるCU3とP台2とにおける通番のバックアップの具体的態様を説明する。CU3は、通番をカウントアップ(+1)してコマンドをP台2に送信する。P台2は、受信したコマンドの通番を前回最終送信通番としてバックアップ記憶する。そして、P台2は、受信したコマンドに対するレスポンスを、受信したコマンドの通番のままでCU3に送信する。CU3は、受信したレスポンスの通番を前回最終送信通番としてバックアップ記憶する。CU3およびP台2では、P台2からのレスポンスをCU3に送信するごとに、このような処理を繰返している。
たとえば、CU3側からP台2側に対して、あるコマンドを送信するとともにそのときの通番nを送信する。そして、レスポンスをP台2側からCU3側へ返信するときに、P台2側では、その送信されてきた通番nを前回最終送信通番として記憶するとともに、通番nのままでレスポンスを送信する。CU3側では返信されてきた通番nを前回最終送信通番として記憶する。次に、CU3側からP台2側に対して、あるコマンドを送信するときに通番をカウントアップ(+1)して通番n+1を送信する。そして、レスポンスをP台2側からCU3側へ返信するときに、P台2側では、その送信されてきた通番n+1を前回最終送信通番として記憶するとともに、通番n+1のままでレスポンスを送信する。P台2側では送信されてきた通番n+1が既に記憶していた前回最終送信通番の通番nより1加算されているためにデータの交信が正常に行なわれたと判断し、レスポンスをP台2側からCU3側へ返信する。CU3側では返信されてきた通番n+1が既に記憶していた前回最終送信通番の通番nより1加算されているためにデータの交信が正常に行なわれたと判断し、次にコマンドを送るときには通番をカウントアップ(+1)して通番n+2のコマンドをP台2側へ送信する。
P台2側からCU3側へは、最新遊技台情報(カウント中の遊技台情報)が送信される。この最新遊技台情報は、P台2側の払出制御部171(図2参照)にあるRAMの最新遊技台情報記憶領域に記憶されている。具体的には、加算玉数カウンタの情報と、減算玉数カウンタの情報と、計数玉数カウンタの情報とが含まれる。なお、遊技玉数は、最新遊技台情報に含まれず、後述するように遊技玉数カウンタのカウント値としてP台2側からCU3側へ送信している。
これらのカウンタの情報が、まとめてレスポンスとしてCU側へ送信される。加算玉数カウンタは、加算玉数をカウントするカウンタである。加算玉は、「賞球玉数×入賞個数」と「バック玉数」との和である。なお、バック玉とはファール玉のことである。つまり、加算玉とは、加算玉カウンタが遊技玉に加算すべき数を示す。減算玉数カウンタは、減算玉数をカウントするカウンタである。減算玉は、「発射玉数」である。つまり、玉上げスイッチ(上)41aのオンからオフへの出力変化により検出された玉数である。なお、「減算玉数」には、「計数玉数」は含まれない。計数玉数カウンタは、計数玉数をカウントするカウンタである。計数玉は、「計数操作によって遊技玉から持玉に変換された玉数」である。
なお、バック玉が発生した場合に、そのバック玉を打球発射位置に還元して打球発射位置への玉送りを停止させた状態で打球発射動作を行なってバック玉をすべて遊技領域に発射させるようにし、バック玉が発生してもそのバック玉を加算玉としてカウントしないように制御してもよい。この場合は、「加算玉=賞球玉数×入賞個数」となる。
たとえば、遊技領域27に打込まれたパチンコ玉が入賞して主制御基板16から入賞情報が払出制御基板17へ送信されてきたときに、その入賞情報に基づいて遊技玉を加算すべき加算玉数を加算玉数カウンタがカウントし、その加算玉数カウンタの値(加算玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。また、パチンコ玉が遊技領域27内に発射されていることによる玉上げスイッチ(上)41aのオンからオフへの出力変化に基づいて減算玉数カウンタが発射玉数を減算玉数としてカウントし、その減算玉数カウンタの値(減算玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。
あるいは、払出制御部171は、計数ボタン28の押下により、遊技玉数を計数玉数としてカウントし、その計数玉数カウンタの値(計数玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。
P台2側においては、加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値をCU3側へ送信する毎に、それらカウント値を前回遊技台情報記憶領域(払出制御部171のRAM等)にバックアップデータとして記憶(書換え)した後、最新遊技台情報としての加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値を0クリアする(遊技玉数カウンタを除く)。なお、本実施形態において「クリア」とは「初期化」と同じ意味である。
その結果、前回遊技台情報(直前に送信した遊技台情報)の記憶エリアに、直前にCU3側に送信した遊技台情報である、加算玉数、減算玉数、および計数玉数のデータがバックアップデータとして記憶される。このバックアップデータは、P台2側からCU3側へ最新遊技台情報が送信されなかった場合に、次の送信に際して今回の各カウンタの値ばかりでなくその送信されなかった前回の各カウンタの値をも送信できるようにするためのものである。
また、払出制御基板17は、入賞の発生、玉の発射、バック玉の発生、および計数玉の発生(遊技玉から持玉への変換)に応じて、遊技玉数カウンタの値を更新し、その更新後の遊技玉数カウンタの値を遊技玉数としてCU3側に送信する。
CU3側においては、RAM内の累計データ記憶領域に、遊技玉数、カード持玉数(以下単に、持玉数とも言う)、貯玉数、残高、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)、およびカード挿入時持玉数を記憶している。なお、カード持玉数は、カード挿入時持玉数から持玉払出数(カード持玉数から遊技玉数に変換した玉数)を減算し、計数玉数を加算した玉数である。つまり、カード持玉数は、現時点で遊技者が所有している持玉数である。
P台2側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)に基づいて総加算玉数を加算して玉数を更新する。また、P台2側から送信されてきた減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて総減算玉数を減算して玉数を更新する。さらに、P台2から送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいてカード持玉数を加算して更新する。このように、CU3は、P台2より逐一送信されてくる最新遊技台情報によって総加算玉数、総減算玉数、カード持玉数を更新することで最新のそれらの情報を管理することが可能となる。
CU3は、図示のとおり、遊技玉を記憶する領域を備えているとともに、P台2側から遊技玉数カウンタのカウント値(以下、遊技玉数または遊技玉トータル個数情報とも言う)も受信している。CU3は、遊技玉を記憶する領域を以下の手順で更新する。すなわち、CU3は、P台側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)、減算玉数カウンタの値(減算玉数)、および計数玉数カウンタの値に基づいて、記憶している遊技玉数を更新するとともに、同じタイミングでP台側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値と、更新後の遊技玉数とが一致しているか否かを判定する。一致していれば、遊技の続行を許容するが、一致していなければ、エラー状態に移行する制御を行なう。
その結果、たとえば、異常報知ランプや表示器312によりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやユニット管理コンピュータ801にエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信されたりする(この場合、ホール用管理コンピュータやユニット管理コンピュータ801によるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行なわれる。
なお、エラー状態に移行して遊技を停止させることに代えて、CU3側で記憶している遊技玉数をP台2側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値に置換えるようにしてもよい。または、それに代えて、CU3側で管理している遊技玉数と、P台2側で記憶している遊技玉数との平均値に補正してもよい。
このように、本実施形態では、CU3側にも遊技玉数を記憶させているが、その遊技玉数がP台2側で管理記憶している遊技玉数と整合するか否かの判定を行なえるようにしている(CU3側機能)。そのため、仮に不正行為その他の事情で、P台2側で記憶している遊技玉数がCU3側で記憶している遊技玉数と一致しない状況が発生しても、その旨をチェックできる。なお、ここでは、CU3側にその判定機能を設けたが、たとえば、CU3と接続されるユニット管理コンピュータ801またはホール用管理コンピュータによって、CU3側で記憶している遊技玉数とP台2側で記憶している遊技玉数とを受信し、両者が整合しているか否かの判定を行なうものとしてもよい。
図2に示すように、CU3は、カード持玉数、貯玉数を記憶する記憶領域と、受付けた(挿入された)カードのカード残高を記憶する記憶領域と、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)およびカード挿入時持玉を記憶する記憶領域をさらに有する。CU制御部323(図2参照)は、貯玉の使用を要求する入力(たとえば、CU3に設けられた再プレイボタン319の押圧入力(ただし、持玉無しのとき))に応じて貯玉を記憶する記憶領域から所定数の貯玉を減算する。
CU制御部323(図2参照)は、持玉の使用を要求する入力(たとえば、持玉有のときのCU3に設けられた再プレイボタン319の押圧入力(ただし、持玉有のとき))に応じて持玉を記憶する記憶領域から所定数の持玉を減算する。さらに、CU制御部323(図2参照)は、カード残高の使用を要求する入力(たとえば、玉貸ボタン321の押圧入力)に応じてカード残高を記憶する記憶領域から所定値を減算する。
遊技者所有の遊技用価値(たとえばプリペイド残高、持玉数、あるいは貯玉数)から価値を引落して遊技に使用する操作を遊技者が行なった場合に、その引落とし分の玉数を遊技玉数カウンタに加算するための加算玉数がCU3側からP台2側へ送信される。P台2側では、それを受けて、遊技玉数カウンタを加算更新する。
本実施形態に係る遊技システムでは、一方、遊技者所有の遊技用価値を引落してドリンク等に交換するといういわゆるワゴンサービスのオーダ等を受付けることが可能である。ただし、遊技玉でワゴンサービスを受けることが制限されており、持玉でしかワゴンサービスを受けることができない。これは、各台計数機が配備された従来のパチンコ機において、皿に残っている計数前の玉を手で掴み出してワゴンサービスに用いることを禁止するようなイメージである。
このため、本実施形態では、ワゴンサービスを行なう操作が実行されたときに、持玉数がワゴンサービスの希望メニューに対応する玉数に満たない場合、遊技者に計数操作を促すように構成されている。その際に遊技者が計数操作を実行すると、その操作に基づく計数玉数がP台2側からCU3側へ送信される。CU3側では、それを受けて、遊技玉数を減算し、カード持玉数を加算して更新する。
次に、ホールに設置されたP台2は、様々な音楽データや画像データを再生することが可能であり、再生された音楽は図1に示すスピーカ270から出力され、再生された画像は図1に示す可変表示装置278等に表示される。典型的には、P台2は、特定の音楽や画像を再生することで、特定の遊技状況が発生することをその発生前に予告的に遊技者に報知したり、大当たり状態において、遊技者に有利な状態であることを視覚を通じて演出したりする。
ここで、特定の遊技状況とは、たとえば、「大当り」あるいは大当り終了後に大当り確率が高くなる「確変大当り」、「リーチ」あるいはリーチのうちでも大当りとなる期待度の高い「特別リーチ」などである。P台2では、始動入賞口275,276,277に入賞が発生したときに乱数抽選を行ない、大当りの有無、リーチの成否およびリーチの種類を決定するための複数の抽選値を保留記憶情報として格納する。その後、P台2では、特別図柄の変動を開始するときに、先に格納した保留記憶情報を読み出して大当り判定、リーチ判定、およびリーチ種類の選択を実行し、それらの判定および選択に基づいて特別図柄の変動を開始させ、表示結果を導出表示させる。
たとえば、P台2は、先の大当り判定で大当りの結果が得られた場合には、大当り予告に対応する音楽データや画像データを読出して、読出したデータに基づいた演出(音楽や画像の再生)を特別図柄の変動の途中で実行する。
あるいは、P台2は、大当りが発生したときには、大当りの発生に対応する音楽データや画像データを読出して、読出したデータに基づいた演出(音楽や画像の再生)を大当り制御中に実行する。
なお、このような音楽や画像は、大当り等の予告演出や大当り演出に用いてもよいし、遊技状態に関わらずに用いてもよい。たとえば、ホールで定めた時間になれば、各遊技機の機種ごとに定めた音楽や画像が一斉に各遊技機で再生されるようにしても、遊技者の操作により好みの音楽や画像を、好きな時間に再生するようにしてもよい。
P台2で再生されるデータ(音楽データや画像データ)について、当該データの使用回数などに基づいて著作権等の使用料が発生する場合に、そのデータの再生実績(再生回数、あるいは再生時間など)を管理しておくことが必要になる。そこで、以下にこのような管理対象となるデータの管理方式について説明する。
<管理対象データの管理>
図5は、本実施形態に係る管理対象データの管理方式を説明するための概略図である。図5に示すコンテンツ管理センタ800Bのサーバ(以下「コンテンツ管理センタ800B」という)は、P台2で再生された管理対象データの再生実績を集計して管理する。ここで、管理対象データとは、管理する必要のある音楽データ、画像データなどの著作データ(著作物)や、管理する必要のある肖像権データ(たとえば、人物の姿、形などの画像データ)などを含む。コンテンツ管理センタ800Bには、図示していないが制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、HDDなどの大容量記憶装置、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。以下、図5に示す(1)〜(9)の符号に従い、管理対象データの管理方式を具体的に説明する。なお、以下の説明では、説明の容易化のため、管理対象データは、保護を要する曲データであるとし、当該曲データを「管理対象曲」という。
(1)まず、P台2は、管理対象曲を再生する。図5の例では、P台2a(機種ID:機種A)では管理対象曲Aを再生中であり、P台2b(機種ID:機種A)では管理対象曲Bを再生中であり、P台2c(機種ID:機種B)では管理対象曲Cを再生中であることを示している。各々のP台2は、管理対象曲が再生されたことを示す再生情報(たとえば、再生時「1」、非再生時「0」とする情報)、再生された管理対象曲の識別情報(たとえば、再生されている曲コード)、およびその管理対象曲を再生した当該P台2の特定情報(たとえば、機種ID)を、接続されたCU3に送信する。ここで、P台2は、再生情報、管理対象曲の識別情報およびP台2の特定情報を再生信号として、CU3へ送信しても、再生情報および管理対象曲の識別情報を再生信号として、CU3へ送信してもよい。なお、P台2は、再生信号を管理対象曲が再生される度にCU3へ送信する場合に限定されず、再生情報および管理対象曲の識別情報を含む再生信号のみ管理対象曲が再生される度にCU3へ送信し、P台2の特定情報を、P台2の電源投入時、またはP台2をCU3に設置した際などに1回だけ送信してもよい。
管理対象曲の識別情報は、たとえば、曲名、曲コードである。また、P台2を特定するための特定情報は、たとえば、P台2の機種ID(機種名、機種コード)、メーカID(メーカ名、メーカコード)、主制御用セキュリティチップID、および払出制御用セキュリティチップIDの少なくともいずれかを含む。以下では、説明の容易化のため、管理対象曲の識別情報が曲コード、P台2の特定情報が機種IDであるものとする。
(2)各々のCU3は、対応するP台2から再生情報、曲コード、および機種IDを含む再生信号を受信するとともに、当該再生信号を収集して、管理対象曲ごとに再生実績を記憶部Aに記憶する。CU3は、再生実績を記憶部Aに一旦記憶するので、CU3とユニット管理コンピュータ801との間またはユニット管理コンピュータ801とコンテンツ管理センタ800Bとの間で通信断が生じた場合でも、P台2で再生された管理対象曲の再生実績を記憶し続けることができ、通信復帰後にリカバリ処理を行なうことができる。つまり、CU3の記憶部Aは、再生実績をユニット管理コンピュータ801やコンテンツ管理センタ800Bへ送信するためのデータバッファとして機能させることができる。
具体的に、CU3は、再生信号に含まれる再生情報に基づいて、P台2において何らかの管理対象曲が再生されたことを検出し、再生信号に含まれる曲コードに基づいて、その再生された管理対象曲であることを識別する。これにより、CU3は、再生された管理対象曲の再生実績を収集する。つまり、CU3は、再生情報および曲コードを含む再生信号を受信した回数に基づいて再生された管理対象曲の再生回数をカウントすることで当該再生実績を収集する。さらに詳細には、CU3は、どの管理対象曲が、何回再生されたかという情報を含む再生実績を収集する。なお、CU3が収集する再生実績には、管理対象曲を再生した時刻などの情報を一緒に収集してもよい。再生実績に管理対象曲を再生した時刻の情報を収集することで、本来再生されるはずのない時刻(たとえば、営業時間外の時刻)に再生された再生実績を異常データとして再生実績から除外することができる。
さらに、CU3は、収集した管理対象曲の再生実績に、その管理対象曲を再生した当該P台2の機種IDを関連付ける。CU3は、管理対象曲ごとに当該再生実績を内部RAMやハードディスクなどで構成される記憶部Aに記憶する。この場合には、記憶部Aに記憶される再生実績は、どの管理対象曲が、どの機種において、何回再生されたかという情報を含む。なお、記憶部Aには、再生実績以外の遊技に関する情報を記憶してもよい。遊技に関する情報とは、P台2、CU3や、隣接するP台2の間に取付けられたカメラによって撮像された遊技者情報などを含む。記憶部Aは、CU3に設けられる場合に限定されるものではなく、P台2およびCU3の少なくともいずれか一方に設けられていればよい。遊技機に記憶部Aを設ける場合、遊技盤26の主制御基板16の内部RAMや、遊技枠5の払出制御基板17の内部RAMに記憶部Bを設けてもよい。
なお、CU3が、再生実績を収集する際に、再生情報に基づいて再生回数をカウントする場合について説明したが、これに限られない。たとえば、CU3は、管理対象曲が再生されたことを示す再生情報を受信してから、当該再生の終了を示す終了信号を受信するまでの時間に基づいて再生時間を算出して、当該再生時間を再生実績として収集してもよい。
また、CU3は、管理対象曲の再生時におけるP台2の遊技情報を、記憶部Aに記憶された当該管理対象曲の再生実績に関連付けてもよい。遊技情報は、たとえば、P台2に適用されている貸出レート情報(1円、4円)、P台2の大当り遊技状態や確変状態などの遊技状態を含む。さらに、CU3は、再生時における管理対象曲に関する再生状態情報を、記憶部Aに記憶された当該管理対象曲の再生実績に関連付けてもよい。再生状態情報は、たとえば、再生時のボリューム、電力モード(通常状態、省電力状態)、遊技者の存在の有無などを含む。CU3は、遊技者の存在の有無をカード返却を検出することで判断する。具体的には、CU3は、カード返却がされた場合には遊技者が存在しないと判断し、カードが挿入されている場合には遊技者が存在すると判断する。
(3)CU3は、記憶部Aに記憶された再生実績をユニット管理コンピュータに送信する。具体的には、CU3は、定期的に(たとえば、1日に1回予め定められた時刻)、または再生実績の送信要求を外部(たとえば、ユニット管理コンピュータ801、コンテンツ管理センタ800B)から受付けたときに、あるいはCU3がオフライン状態からオンライン状態に復帰したときに再生実績をユニット管理コンピュータ801に送信する。
(4)ユニット管理コンピュータ801は、各々のCU3から送信された再生実績を受信する。ユニット管理コンピュータ801は、受信した再生実績にP台2が設置された店舗情報を関連付ける。店舗情報は、たとえば、店舗の規模を示す情報(ホールの床面積、P台2の台数)を含む。
(5)各店舗のユニット管理コンピュータ801は、CU3から受信した再生実績に店舗情報を関連付けた再生実績をコンテンツ管理センタ800Bに送信する。具体的には、ユニット管理コンピュータ801は、定期的に(たとえば、1日に1回予め定められた時刻)、または再生実績の送信要求を外部(たとえば、コンテンツ管理センタ800B)から受付けたときに、あるいはユニット管理コンピュータ801がオフライン状態からオンライン状態に復帰したときに当該再生実績をコンテンツ管理センタ800Bに送信する。
(6)コンテンツ管理センタ800Bは、所定の条件で、各々のホールに設置されているユニット管理コンピュータ801から再生実績を受信してホールごとに集計する。具体的には、コンテンツ管理センタ800Bは、定期的に(たとえば、1日に1回予め定められた時刻)、または再生実績の送信要求をユニット管理コンピュータ801に行なうことで、あるいはコンテンツ管理センタ800Bがオフライン状態からオンライン状態に復帰したときに当該再生実績をユニット管理コンピュータ801から受信する。そして、コンテンツ管理センタ800Bは、ホールごとに集計した再生実績を再生実績テーブルとして記憶部Bに記憶する。換言すると、コンテンツ管理センタ800Bは、各ホールのユニット管理コンピュータ801から送信された再生実績を受信してホールごとの再生実績を集計し、記憶部Bに記憶された再生実績テーブルに蓄積して、再生実績を管理している。なお、コンテンツ管理センタ800Bは、再生実績をホールごとに集計するという所定の条件で再生実績を集計しているが、これに限定されるものではなく、たとえば再生実績を遊技機メーカごとに集計することや、再生実績を機種ごとに集計することを所定の条件としてもよい。
図6は、本実施形態に係る再生実績テーブルの概略図である。図6に示す再生実績テーブルには、ホールごとに、当該ホールに設置されているP台2で再生された管理対象曲の再生実績が記憶されている。再生実績テーブルは、管理対象曲ごとに、機種、再生回数、再生時間、貸出レート、および電力モードを示す情報を含む。ここで、具体例として、店舗Aの再生実績について説明する。店舗Aでは、管理対象曲Aは、貸出レートが1円である機種Aにおいて、再生時の電力モードが通常状態のときに、5回再生され、その再生時間が25分間であったことを示している。また、管理対象曲Aは、機種Aにおいて、再生時の電力モードが省電力状態のときに、7回再生され、その再生時間が35分間であったことを示している。また、管理対象曲Aは、機種Bおよび機種Cでは再生されていないことを示している。管理対象曲Bは、機種Aにおいて、再生時の電力モードが通常状態のときに、3回再生され、その再生時間が15分間であったことを示している。管理対象曲Cは、貸出レートが1円である機種Bにおいて、再生時の電力モードが通常状態のときに、6回再生され、その再生時間が30分間であったことを示している。管理対象曲Dは、貸出レートが4円である機種Cにおいて、再生時の電力モードが通常状態のときに、4回再生され、再生時間が20分間であったことを示している。
コンテンツ管理センタ800Bは、このような様々な情報を含む再生実績テーブルを有しているため、管理対象データの著作権使用料の様々な算定方式に対して、適切な情報を提供することができる。図6の例では、コンテンツ管理センタ800Bは、再生回数、再生時間、遊技媒体の貸出レート、遊技店の規模に応じて著作権使用料が算定される方式に対して、適切な情報を提供することができる。
(7)再び、図5を参照して、コンテンツ管理センタ800Bは、管理対象曲と、当該管理対象曲の再生が許可されているP台2の機種IDとの対応関係を示す対応関係情報テーブルを記憶する記憶部Cをさらに含む。
図7は、本実施形態に係る対応関係情報テーブルの概略図である。図7の例では、管理対象曲Aおよび管理対象曲Bは、機種Aでのみ再生が許可されており、管理対象曲Cは、機種Bでのみ再生が許可されており、管理対象曲Dは、機種Cでのみ再生が許可されていることを示している。
再び、図5を参照して、コンテンツ管理センタ800Bは、典型的には、遊技機メーカから入力された情報に基づいて、図7に示したような対応関係情報テーブルを記憶部Cに記憶する。遊技機メーカは、コンテンツ管理センタ800Bからの要求に応じて、出荷済みのP台2の機種IDと、当該P台2で再生が許可されている管理対象曲との対応関係情報テーブルをコンテンツ管理センタ800Bに送信する。あるいは、遊技機メーカは、P台2を出荷する際に、P台2の出荷履歴を管理している機歴管理センタ800A(図3参照)に出荷情報を入力するときに、当該出荷されたP台2の機種IDと当該P台2で再生が許可されている管理対象曲との対応関係情報テーブルをコンテンツ管理センタ800Bに送信する。コンテンツ管理センタ800Bは、受信した対応関係情報テーブルを記憶部Cに記憶する。このように、コンテンツ管理センタ800Bは、対応関係情報テーブルを遊技機メーカから容易に取得することができる。また、コンテンツ管理センタ800Bは、遊技機メーカがP台2を出荷する際に対応関係情報テーブルが入力されるため、当該対応関係情報テーブルを確実に取得することができる。なお、コンテンツ管理センタ800Bは、遊技機メーカから対応関係情報テーブルを直接取得する場合だけでなく、機歴管理センタ800Aを経由して対応関係情報テーブルを取得してもよい。
(8)コンテンツ管理センタ800Bは、記憶部Bに記憶された再生実績テーブルと、記憶部Cに記憶された対応関係情報テーブルとに基づいて、P台2で許可されていない管理対象曲が再生されたか否かを判定する。具体的には、コンテンツ管理センタ800Bは、ある機種のP台2で本来再生される可能性のない管理対象曲についての再生実績が存在するか否かを判定する。図6および図7の例では、管理対象曲A,B,C,Dは、すべて、再生が許可されている機種で再生されているため、コンテンツ管理センタ800Bは、管理対象曲の管理に異常はないと判定する。これに対して、たとえば、管理対象曲Aが機種Bで再生されていることを示す再生実績が存在する場合には、コンテンツ管理センタ800Bは、機種Bにおいて許可されていない管理対象曲が再生されていると判定して、異常を報知する。具体的には、コンテンツ管理センタ800Bは、管理者に異常な再生実績が存在することを連絡したり、異常な再生実績が存在する店舗に連絡したりすることで異常を報知する。なお、異常な再生実績と判定する条件は、前述の条件に限定されるものではなく、たとえば、再生実績としてあり得ない再生時間(1回の再生が1時間など)や、再生実績としてあり得ない再生回数(1時間に1000回)などの条件でもよい。また、異常な再生実績と判定する条件として、登録されていない店舗から送信されてきた再生実績などがある。
(9)コンテンツ管理センタ800Bは、記憶部Bに記憶された再生実績のうち異常がない再生実績について、必要がある場合に外部に出力する。具体的には、コンテンツ管理センタ800Bは、再生実績の送信を許可している外部の管理団体に対して、再生実績の送信要求に応じて、その要求先に再生実績を送信する。また、コンテンツ管理センタ800Bは、再生実績の送信要求に応じて、その要求先に再生実績を送信するのではなく、当該送信先に定期的に再生実績を送信してもよい。再生実績の送信先としては、たとえば、再生実績に基づいて管理対象曲の使用料を徴収する会社などが想定される。また、コンテンツ管理センタ800Bは、図3に示すように鍵管理サーバ800を介して機歴管理センタ800Aに接続されているので、外部に再生実績を出力する場合、機歴管理センタ800Aを経由して再生実績を外部に出力してもよい。
<コンテンツ管理センタ800Bの異常判定>
コンテンツ管理センタ800Bは、前述したように対応関係情報と再生実績とを照合した結果、異常があれば、当該異常を報知する。ここでは、コンテンツ管理センタ800Bが、当該異常であるか否かを判定する処理について、フローチャートを用いてより詳細に説明する。
図8は、コンテンツ管理センタにおける再生実績の異常判定処理を説明するためのフローチャートである。図8を参照して、まず、コンテンツ管理センタ800Bは、再生実績の入力を受付けて当該再生実績を記憶部Bに記憶する(S211)。具体的には、コンテンツ管理センタ800Bは、各店舗に設置されたユニット管理コンピュータ801から送信される再生実績を受信して、図6に示すような再生実績テーブルとして記憶部Bに記憶する。
次に、コンテンツ管理センタ800Bは、対応関係情報の入力を受付けて当該再生実績を記憶部Cに記憶する(S212)。具体的には、コンテンツ管理センタ800Bは、遊技機メーカから送信される対応関係情報を受信して、図7に示すような対応関係情報テーブルとして記憶部Cに記憶する。
次に、コンテンツ管理センタ800Bは、記憶部Bに記憶された再生実績テーブルと記憶部Cに記憶された対応関係情報テーブルとに基づいて、管理の異常があるか否かを判定する(S213)。具体的には、コンテンツ管理センタ800Bは、再生実績テーブルに含まれる、機種および再生された管理対象曲の対応関係と、対応関係情報テーブルに含まれる、機種および再生可能な管理対象曲の対応関係とが一致するか否かを判断する。コンテンツ管理センタ800Bは、対応関係が一致する場合には、P台2で許可された管理対象曲が再生されている(異常なし)と判断し、対応関係が一致しない場合には、P台2で許可されていない管理対象曲が再生されている(異常あり)と判断する。
次に、コンテンツ管理センタ800Bは、当該異常があり、機種と再生した管理対象曲との対応関係とが一致しないと判断した場合には(S213:N)、異常を報知する(S214)。S214で、異常を報知する手段は、コンテンツ管理センタ800Bの表示装置に異常を表示する、音声出力装置から警報音を出力するなど、いずれの手段であってもよい。
これに対して、コンテンツ管理センタ800Bは、当該異常がなく、機種と再生した管理対象曲との対応関係とが一致すると判断した場合には(S213:Y)、処理を終了する。
以上のように、本実施形態に係るコンテンツ管理センタ800Bは、P台2で再生された管理対象曲の再生実績情報を機種IDに関連付けて記憶する再生実績情報テーブルを記憶部Bに含み、管理対象曲と当該管理対象曲の再生が許可されているP台2の機種IDとの対応関係情報(対応関係情報テーブル)を記憶部Cに含み、CPUが記憶部Bおよび記憶部Cに記憶された情報に基づいて、管理対象曲の管理状態の異常を判定する。そのため、本実施形態に係る管理対象サーバは、本来再生されるはずのない機種で管理対象曲が再生された場合に、管理の異常を管理者に報知して、管理者に対して当該異常に対する対策を促すことができる。
<管理対象曲の再生主体>
上記では、P台2で管理対象曲が再生される場合について説明したが、これに限られない。たとえば、CU3で管理対象曲が再生される場合、あるいはP台2およびCU3で管理対象曲が再生される場合であってもよい。すなわち、管理対象曲は、P台2およびCU3の少なくともいずれか一方で再生される場合であればよい。
図9は、本実施形態に係るCU3で管理対象曲が再生される形態を説明するための概略図である。図9を参照して、(1)’CU3は、管理対象データを再生する。各々のCU3は、管理対象曲が再生されたことを示す再生情報に基づいて、再生実績を収集して、当該収集された再生実績に自身の機種IDを関連付けて、記憶部Aに記憶する。この場合、記憶部Aに記憶される再生実績は、どの機種において、どの管理対象曲が、何回再生されたか(あるいは、どれくらいの時間再生されたか)という情報を含む。(2)’CU3は、記憶部Aに記憶された再生実績をユニット管理コンピュータ801に送信する。なお、CU3は、再生する管理対象曲のデータをコンテンツ管理センタ800Bなどの上位サーバからダウンロードして、記憶部Aに記憶させておいてもよい。CU3の記憶部Aに記憶させておけば、P台2に比べてCU3の寿命が長いので、P台2の交換の度に管理対象曲のデータをダウンロードする必要がなくなる。もちろん、P台2が、再生する管理対象曲のデータを上位サーバからダウンロードして、記憶しておいてもよい。また、コンテンツ管理センタ800Bは、P台2やCU3で再生する管理対象曲のデータを予め記憶部Cに記憶させておくとともに、データのバージョン管理を行ないP台2やCU3に対してバージョンアップしたデータを配信してもよい。
<管理対象データの管理方式の変形例>
図5に示す管理対象データの管理方式は、P台2で管理対象曲を再生した実績をCU3で収集して再生実績として記憶部Aに記憶し、当該CU3内で再生実績とP台2の機種IDとを関連付けて、コンテンツ管理センタ800Bで再生実績を集計して、外部に出力する構成である。しかし、管理対象データの管理方式には様々な変形例が考えられる。以下に、管理対象データの管理方式の代表的な変形例について図面に基づいて説明する。なお、管理対象データの管理方式は、以下で説明する構成に限定されるものではない。
<変形例1>
図10は、変形例1に係る管理対象データの管理方式を説明するための概略図である。図10に示す管理対象データの管理方式は、P台2で管理対象曲を再生した実績をコンテンツ管理センタ800Bで収集して再生実績として記憶部Bに記憶し、当該コンテンツ管理センタ800B内で再生実績とP台2の機種IDとを関連付けて、コンテンツ管理センタ800Bで再生実績を集計して、外部に出力する構成である。以下、図10に示す(1A)〜(6A)の符号に従い、変形例1に係る管理対象データの管理方式を具体的に説明する。なお、図10に示す概略図は、図5に示す概略図と同じ構成について同じ符号を付して詳細な説明は繰返さない。
(1A)まず、P台2は、管理対象曲を再生する。P台2a(機種ID:機種A)では管理対象曲Aを再生中であり、P台2b(機種ID:機種A)では管理対象曲Bを再生中であり、P台2c(機種ID:機種B)では管理対象曲Cを再生中であることを示している。各々のP台2は、管理対象曲が再生される度にコンテンツ管理センタ800Bへ再生信号を送信する。コンテンツ管理センタ800Bは、各々のP台2の再生信号をCU3およびユニット管理コンピュータ801を介して受信する。なお、コンテンツ管理センタ800Bは、各々のP台2が管理対象曲を再生する度に再生信号を受信するのではなく、たとえば中継装置であるユニット管理コンピュータ801に各店舗の1日分の再生信号を蓄積しておき、営業時間外のあるタイミングでユニット管理コンピュータ801から各店舗の1日分の再生信号を受信する構成でもよい。当該構成とすることで、コンテンツ管理センタ800Bと各々のP台2との間での通信が頻繁に行なわれることを防止して、当該通信処理の負担を軽減することができる。
(2A)コンテンツ管理センタ800Bは、各々のP台2から再生信号を受信する。コンテンツ管理センタ800Bは、受信した再生信号に基づいて、P台2において管理対象曲が再生されたことを検出して再生実績を収集し、記憶部Bに記憶する。具体的には、コンテンツ管理センタ800Bは、再生情報および曲コードを含む再生信号を受信した回数に基づいて再生された管理対象曲の再生回数をカウントすることで当該再生実績を収集する。さらに詳細には、コンテンツ管理センタ800Bは、どの管理対象曲が、何回再生されたかという情報を含む再生実績を収集する。
(3A)コンテンツ管理センタ800Bは、収集された管理対象曲の再生実績に、再生信号を送信してきたP台2の機種IDを関連付ける。なお、コンテンツ管理センタ800Bは、再生信号に含まれるP台2の機種IDの情報に基づいて、再生実績にP台2の機種IDを関連付ける場合に限定されるものではなく、たとえば、記憶部Cに記憶してある対応関係情報テーブルに基づいて、再生実績にP台2の機種IDを関連付けてもよい。対応関係情報テーブルを用いる場合、再生信号に含まれるP台2の機種IDの情報を用いる場合に比べ、再生信号の情報量を低減することができる。そして、コンテンツ管理センタ800Bは、所定の条件で、各々のホールに設置されているユニット管理コンピュータ801から再生実績を受信してホールごとに集計して、図6に示すような再生実績テーブルとして記憶部Bに記憶する。
なお、コンテンツ管理センタ800Bは、再生実績を収集する際に、再生情報に基づいて再生回数をカウントする場合について説明したが、これに限られない。たとえば、コンテンツ管理センタ800Bは、管理対象曲が再生されたことを示す再生情報を受信してから、当該再生の終了を示す終了信号を受信するまでの時間に基づいて再生時間を算出して、当該再生時間を再生実績として収集してもよい。
また、コンテンツ管理センタ800Bは、管理対象曲の再生時におけるP台2の遊技情報を、記憶部Bに記憶された当該管理対象曲の再生実績に関連付けてもよい。さらに、コンテンツ管理センタ800Bは、再生時における管理対象曲に関する再生状態情報を、記憶部Bに記憶された当該管理対象曲の再生実績に関連付けてもよい。さらに、ユニット管理コンピュータ801は、コンテンツ管理センタ800Bと各々のP台2との間での通信が行なわれる際に、通信される再生実績にP台2が設置された店舗情報を関連付けてもよい。
(4A)コンテンツ管理センタ800Bは、管理対象曲と、当該管理対象曲の再生が許可されているP台2の機種IDとの対応関係を示す対応関係情報テーブル(図7参照)を記憶する記憶部Cをさらに含む。コンテンツ管理センタ800Bは、典型的には、遊技機メーカから入力された情報に基づいて、図7に示したような対応関係情報テーブルを記憶部Cに記憶する。
(5A)コンテンツ管理センタ800Bは、記憶部Bに記憶された再生実績テーブルと、記憶部Cに記憶された対応関係情報テーブルとに基づいて、P台2で許可されていない管理対象曲が再生されたか否かを判定する。なお、コンテンツ管理センタ800Bは、前述したように対応関係情報テーブルとに基づいて、再生実績にP台2の機種IDを関連付けた場合、P台2で許可されていない管理対象曲が再生されたか否かの判定は行なわない。
(6A)コンテンツ管理センタ800Bは、記憶部Bに記憶された再生実績のうち異常がない再生実績について、必要がある場合に外部に出力する。具体的には、コンテンツ管理センタ800Bは、再生実績の送信を許可している外部の管理団体に対して、再生実績の送信要求に応じて、その要求先に再生実績を送信する。
<変形例2>
図11は、変形例2に係る管理対象データの管理方式を説明するための概略図である。図11に示す管理対象データの管理方式は、P台2で管理対象曲を再生した実績をユニット管理コンピュータ801で収集して再生実績として記憶部Dに記憶し、ユニット管理コンピュータ801で再生実績とP台2の機種IDとを関連付けて、コンテンツ管理センタ800Bで再生実績を集計して、外部に出力する構成である。以下、図11に示す(1B)〜(7B)の符号に従い、変形例2に係る管理対象データの管理方式を具体的に説明する。なお、図11に示す概略図は、図5に示す概略図と同じ構成について同じ符号を付して詳細な説明は繰返さない。
(1B)まず、P台2は、管理対象曲を再生する。P台2a(機種ID:機種A)では管理対象曲Aを再生中であり、P台2b(機種ID:機種A)では管理対象曲Bを再生中であり、P台2c(機種ID:機種B)では管理対象曲Cを再生中であることを示している。各々のP台2は、管理対象曲が再生される度にユニット管理コンピュータ801へ再生信号を送信する。ユニット管理コンピュータ801は、各々のP台2の再生信号をCU3を介して受信する。なお、ユニット管理コンピュータ801は、各々のP台2が管理対象曲を再生する度に再生信号を受信するのではなく、たとえばCU3に所定時間分の再生信号を蓄積しておき、あるタイミングでCU3から所定時間分の再生信号を受信する構成でもよい。当該構成とすることで、ユニット管理コンピュータ801と各々のP台2との間での通信が頻繁に行なわれることを防止して、当該通信処理の負担を軽減することができる。
(2B)ユニット管理コンピュータ801は、各々のP台2から再生情報、曲コード、および機種IDを含む再生信号を受信するとともに、当該再生信号を収集して、管理対象曲ごとに再生実績を記憶部Dに記憶する。ユニット管理コンピュータ801は、再生実績を記憶部Dに一旦記憶するので、ユニット管理コンピュータ801とコンテンツ管理センタ800Bとの間で通信断が生じた場合でも、P台2で再生された管理対象曲の再生実績を記憶し続けることができ、通信復帰後にリカバリ処理を行なうことができる。つまり、ユニット管理コンピュータ801の記憶部Dは、再生実績をコンテンツ管理センタ800Bへ送信するためのデータバッファとして機能させることができる。具体的に、ユニット管理コンピュータ801は、受信した再生信号に基づいて、P台2において管理対象曲が再生されたことを検出して再生実績を収集し、記憶部Dに記憶する。つまり、ユニット管理コンピュータ801は、再生情報および曲コードを含む再生信号を受信した回数に基づいて再生された管理対象曲の再生回数をカウントすることで当該再生実績を収集する。さらに詳細には、ユニット管理コンピュータ801は、どの管理対象曲が、何回再生されたかという情報を含む再生実績を収集する。
(3B)ユニット管理コンピュータ801は、収集された管理対象曲の再生実績に、再生信号を送信してきたP台2の機種IDを関連付けてコンテンツ管理センタ800Bに再生実績を送信する。
(4B)コンテンツ管理センタ800Bは、所定の条件で、各々のホールに設置されているユニット管理コンピュータ801から再生実績を受信してホールごとに集計して、図6に示すような再生実績テーブルとして記憶部Bに記憶する。
なお、ユニット管理コンピュータ801は、再生実績を収集する際に、再生情報に基づいて再生回数をカウントする場合について説明したが、これに限られない。たとえば、ユニット管理コンピュータ801は、管理対象曲が再生されたことを示す再生情報を受信してから、当該再生の終了を示す終了信号を受信するまでの時間に基づいて再生時間を算出して、当該再生時間を再生実績として収集してもよい。
また、コンテンツ管理センタ800Bは、管理対象曲の再生時におけるP台2の遊技情報を、記憶部Bに記憶された当該管理対象曲の再生実績に関連付けてもよい。さらに、コンテンツ管理センタ800Bは、再生時における管理対象曲に関する再生状態情報を、記憶部Bに記憶された当該管理対象曲の再生実績に関連付けてもよい。さらに、ユニット管理コンピュータ801は、コンテンツ管理センタ800Bとユニット管理コンピュータ801との間での通信が行なわれる際に、通信される再生実績にP台2が設置された店舗情報を関連付けてもよい。
(5B)コンテンツ管理センタ800Bは、管理対象曲と、当該管理対象曲の再生が許可されているP台2の機種IDとの対応関係を示す対応関係情報テーブル(図7参照)を記憶する記憶部Cをさらに含む。コンテンツ管理センタ800Bは、典型的には、遊技機メーカから入力された情報に基づいて、図7に示したような対応関係情報テーブルを記憶部Cに記憶する。
(6B)コンテンツ管理センタ800Bは、記憶部Bに記憶された再生実績テーブルと、記憶部Cに記憶された対応関係情報テーブルとに基づいて、P台2で許可されていない管理対象曲が再生されたか否かを判定する。
(7B)コンテンツ管理センタ800Bは、記憶部Bに記憶された再生実績のうち異常がない再生実績について、必要がある場合に外部に出力する。具体的には、コンテンツ管理センタ800Bは、再生実績の送信を許可している外部の管理団体に対して、再生実績の送信要求に応じて、その要求先に再生実績を送信する。
<変形例3>
図12は、変形例3に係る管理対象データの管理方式を説明するための概略図である。図12に示す管理対象データの管理方式は、P台2で管理対象曲を再生した実績をP台2で収集して再生実績として記憶部Eに記憶し、CU3で再生実績とP台2の機種IDとを関連付けて、コンテンツ管理センタ800Bで再生実績を集計して、外部に出力する構成である。以下、図12に示す(1C)〜(8C)の符号に従い、変形例3に係る管理対象データの管理方式を具体的に説明する。なお、図12に示す概略図は、図5に示す概略図と同じ構成について同じ符号を付して詳細な説明は繰返さない。
(1C)まず、P台2は、管理対象曲を再生する。P台2a(機種ID:機種A)では管理対象曲Aを再生中であり、P台2b(機種ID:機種A)では管理対象曲Bを再生中であり、P台2c(機種ID:機種B)では管理対象曲Cを再生中であることを示している。各々のP台2は、管理対象曲が再生される度にP台2内で再生信号を生成する。
P台2は、再生情報および曲コードを含む再生信号を生成し、当該再生信号を収集して、管理対象曲ごとに再生実績を記憶部Eに記憶する。P台2は、再生実績を記憶部Eに一旦記憶するので、CU3とユニット管理コンピュータ801との間、またはユニット管理コンピュータ801とコンテンツ管理センタ800Bとの間で通信断が生じた場合でも、P台2で再生された管理対象曲の再生実績を記憶し続けることができ、通信復帰後にリカバリ処理を行なうことができる。つまり、P台2の記憶部Eは、再生実績をユニット管理コンピュータ801やコンテンツ管理センタ800Bへ送信するためのデータバッファとして機能させることができる。具体的に、P台2は、再生情報および曲コードを含む再生信号を受信した回数に基づいて再生された管理対象曲の再生回数をカウントすることで当該再生実績を収集する。さらに詳細には、P台2は、どの管理対象曲が、何回再生されたかという情報を含む再生実績を収集する。
(2C)P台2は、収集された管理対象曲の再生実績をCU3に送信する。
(3C)CU3は、受信した再生実績に、再生実績を送信してきたP台2の機種IDを関連付ける。
(4C)CU3は、P台2の機種IDを関連付けた再生実績をコンテンツ管理センタ800Bに送信する。コンテンツ管理センタ800Bは、P台2の機種IDを関連付けた再生実績をユニット管理コンピュータ801を介して受信する。
(5C)コンテンツ管理センタ800Bは、所定の条件で、各々のホールに設置されているユニット管理コンピュータ801を介してCU3から再生実績を受信してホールごとに集計して、図6に示すような再生実績テーブルとして記憶部Bに記憶する。
なお、P台2は、再生実績を収集する際に、再生情報に基づいて再生回数をカウントする場合について説明したが、これに限られない。たとえば、P台2は、管理対象曲が再生されたことを示す再生情報を受信してから、当該再生の終了を示す終了信号を受信するまでの時間に基づいて再生時間を算出して、当該再生時間を再生実績として収集してもよい。
また、コンテンツ管理センタ800Bは、管理対象曲の再生時におけるP台2の遊技情報を、記憶部Bに記憶された当該管理対象曲の再生実績に関連付けてもよい。さらに、コンテンツ管理センタ800Bは、再生時における管理対象曲に関する再生状態情報を、記憶部Bに記憶された当該管理対象曲の再生実績に関連付けてもよい。さらに、ユニット管理コンピュータ801は、コンテンツ管理センタ800Bとユニット管理コンピュータ801との間での通信が行なわれる際に、通信される再生実績にP台2が設置された店舗情報を関連付けてもよい。
(6C)コンテンツ管理センタ800Bは、管理対象曲と、当該管理対象曲の再生が許可されているP台2の機種IDとの対応関係を示す対応関係情報テーブル(図7参照)を記憶する記憶部Cをさらに含む。コンテンツ管理センタ800Bは、典型的には、遊技機メーカから入力された情報に基づいて、図7に示したような対応関係情報テーブルを記憶部Cに記憶する。
(7C)コンテンツ管理センタ800Bは、記憶部Bに記憶された再生実績テーブルと、記憶部Cに記憶された対応関係情報テーブルとに基づいて、P台2で許可されていない管理対象曲が再生されたか否かを判定する。
(8C)コンテンツ管理センタ800Bは、記憶部Bに記憶された再生実績のうち異常がない再生実績について、必要がある場合に外部に出力する。具体的には、コンテンツ管理センタ800Bは、再生実績の送信を許可している外部の管理団体に対して、再生実績の送信要求に応じて、その要求先に再生実績を送信する。
以上のように、本実施の形態に係る管理対象データの管理方式、および変形例1〜3に係る管理対象データの管理方式のいずれであっても、音楽データや画像データなどの管理対象データがどの程度再生されたのかの再生実績を把握することが容易に行なうことができる。また、変形例1〜3で示した記憶部を組合せて管理対象データの管理を行なってもよい。たとえば、P台2は、記憶部E(図12参照)に、管理対象曲が再生される度に再生実績を収集しておき、収集した再生実績を1時間毎にCU3に設けた記憶部A(図5参照)にまとめて転送する。さらに、CU3は、記憶部Aで台単位にまとめた再生実績を、半日毎にユニット管理コンピュータ801に設けた記憶部D(図11参照)に転送する。ユニット管理コンピュータ801は、店舗の営業が終了後、記憶部Dで店舗単位にまとめた1日分の再生実績を、コンテンツ管理センタ800Bに設けた記憶部B(図10参照)に転送する。
<スロットマシン>
次に、遊技機の他の例としてスロットマシンを説明する。図13は、スロットマシンの前面扉を開放した状態を示す斜視図である。なお、図13に示すスロットマシンは、従来のスロットマシンと異なり、メダルを投入してゲームを行なったり、入賞してメダルを払出したりする必要がないメダル不要のスロットマシンである。
上記の遊技用システムは、遊技玉および持玉を用いた上記の遊技用システムは、S台にも同様に適用される。ただし、S台では、玉を使わずにゲームが行なわれる関係上、以下では、遊技玉を遊技点、持玉を持点と称する。
図13を参照して、スロットマシン(以下、遊技機、またはS台と略称することもある)2Sは、本体枠2aSに対して前面扉2bSがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。図13では図示を省略しているが、S台2Sの図面左隣には、P台と同様にCUが接続される。
S台2Sでは、遊技点を用いることによって賭数が設定され、入賞に応じてその遊技点が加算更新される。このため、S台2Sにおいて遊技をする際には、メダルの投入操作は不要である。ゆえに、S台2Sには、メダル投入口およびメダル払出口が設けられていない。
S台2Sの筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールとも言う)が水平方向に並設されており、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉2bSに設けられた透視窓から見えるように配置されている。リール2L、2C、2Rの外周部には、複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。
前面扉2bSの各リール2L、2C、2Rを取り囲む部分には、タッチパネル式の表示器510が設けられている。この表示器510は、P台の表示器54に相当する表示器であり、表示器54と同種の各種情報(遊技点や持点など)が表示される他、ゲームにおいて設定された賭数などが表示される。表示器510は、図2の表示器54と同様にCUの表示制御部350に接続されており、CU側で表示制御される。なお、この表示器510は、各リール2L、2C、2Rを取り囲む部分に設けるのではなく、P台と同様にさらに下方のパネル部分(図13に示されるスタートスイッチ7Sよりも下方の位置の、従来のS台のメダル払出口が設けられたパネル部分)に設けてもよい。
S台2Sの上部の左右には、効果音を出力するためのスピーカ270Sが設けられている。また、表示器510の下方部分に7セグ表示器50Sが設けられている。この7セグ表示器50Sは、P台の7セグ表示器50に相当する表示器であり、7セグ表示器50と同種の各種情報(前面扉2bSの開放回数など)が表示される。
また、前面扉2bSには、メダル1枚分に相当する「遊技点=1」を用いて賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5S、遊技状態に応じて定められた最大の賭数(たとえば、BB発生前の通常遊技状態およびリプレイの当選確率が高確率となるRT(Replay Time)においては「遊技点=3」、ボーナスにおいては「遊技点=2」)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6S、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7S、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rがそれぞれ設けられている。
S台2Sにおいてゲームを行なう場合には、まず、P台と同様に、隣接されたCUを利用して遊技点を確保の上で、その遊技点を使用して賭数を設定する。遊技点は、CUに挿入されたプリペイドカードの残高、持点、あるいは遊技場に預入れている貯メダル(P台の貯玉に相当)を引落すことによって得られる。遊技点を使用するには1枚BETスイッチ5S、またはMAXBETスイッチ6Sを操作すればよい。本実施形態では、たとえば、賭数を1設定することによって遊技点が1減点され、表示器510の遊技点の表示も減算更新される。賭数が設定されると、賭数および遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7Sの操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7Sを操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓に表示結果が導出表示される。
そしてすべてのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた遊技点が遊技者に対して付与され、表示器510の遊技点の表示も加算更新される。
S台の場合にも、P台と同様に遊技点を計数することが可能である。図13に示すとおり、S台2Sには、遊技点を計数して持点に変換するための計数ボタン28Sが設けられている。なお、玉貸ボタン、返却ボタン、および再プレイボタンは、CU側に設けられている(図2参照)。遊技者は任意のタイミング、あるいは、P台と同様に計数操作を促す表示が表示器510に行なわれたことに基づいて、計数操作を実行する。すると、遊技点が計数されて遊技点が減少する一方で持点が増加する様子が表示器510に表示される。なお、玉貸ボタンは、CU側ではなくP台側やS台側に設けてもよい。その場合に、玉貸ボタンの操作信号が直接CU3へ入力されるようにしてもよく、あるいは、P台2やS台(スロットマシン)2Sを経由して状態情報応答としてCU3へ送信されるようにしてもよい。
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役(リプレイ)とがある。
複数種類の入賞役のうちのいずれを当選させるか、あるいはいずれの入賞役も当選しない外れとするかは、たとえば、スタート操作が検出されたときに、S台2Sを制御する主制御部(S台の主制御部161に相当)によって決定される。S台2Sの主制御部は、P台2に搭載された主制御基板16に対応するメイン制御基板に搭載されている。主制御部は、たとえば、所定の乱数発生器から発生され、あるいはソフトウエア上で生成される乱数を抽選することによって当選役の有無を決定する。
その後、主制御部は、遊技者によるリールの停止操作を待ち、停止操作時を基準にして、所定のコマ数範囲に当選役に対応する図柄があればそれを引き込み、なければ、他の図柄を引込む制御を行ない、3つの図柄を停止させ、入賞の有無を判定する。主制御基部は、入賞と判定した場合には、入賞の種類に応じた信号を払出制御部(図2の払出制御部171に相当)へ送信する。払出制御部は、その信号に応じた数の遊技点を遊技者に付与する(遊技点を加算する)。
S台2Sの払出制御部は払出制御基板(図示省略)に搭載されている。この払出制御基板は、枠メーカによって本体枠2aSに取付けられた状態で枠メーカからホールに納品される。
一方、S台2Sのメイン制御基板(図示省略)は、配線を接続するための基板取付盤に取り付けられた状態で、本体枠2aSとは別にスロットマシンメーカからホールに納品される。
S台により、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、前記可変表示装置に表示結果が導出される前に、複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、前記事前決定手段の決定結果に応じて、前記可変表示装置に表示結果を導出させる制御を行なう導出制御手段と、前記入賞が発生した場合に遊技価値を付与する付与手段とを含むスロットマシンが構成されている。
S台2Sもまた、P台2と同様に、様々な音楽データや画像データを再生することが可能である。再生された音楽は図13に示すスピーカ270Sから出力され、再生された画像は図13に示す表示器510に表示される。典型的には、S台2Sは、特定の音楽や画像を再生することで、特定の遊技状況が発生することをその発生前に予告的に遊技者に報知したり、ボーナス状態において、遊技者に有利な状態であることを視覚を通じて演出したりする。
ここで、特定の遊技状況とは、たとえば、ボーナスなどの特定役の当選などである。S台2Sは、スタート操作が検出されたときに乱数を抽選し、ボーナス当選したとき、あるいは、ボーナス当選したゲームでボーナスが発生せず、次回のゲームにボーナス当選が持ち越されたときには、ボーナス当選に対応する音楽データや画像データを読出して、読出したデータに基づいた演出(音楽や画像の再生)をゲーム中に実行する。
なお、このような音楽や画像は、ボーナス当選等の遊技状態に関わらずに用いてもよい。たとえば、P台2の場合と同様に、ホールで定めた時間になれば、各S台2Sの機種ごとに定めた音楽や画像が一斉に各S台2Sで再生されるようにしてもよい。
図14は、カードユニットおよびスロットマシンのそれぞれにおいて記憶している各種データおよびその送受信態様を説明するための説明図である。この図14に示す送受信態様は、P台の構成として説明した図4の用語をS台用に置換えたものであり、その態様は、図4を用いて説明したものと同様であるので、ここでは、これ以上の説明を省略する。
<変形例や特徴点など>
次に、以上、説明した本実施形態の変形例や特徴点などを列挙する。
(1) 上記遊技用システムに遊技機の一例となるスロットマシン(S台)を適用した場合、たとえば、リールおよびリールに付属する各種センサ部分とリールを制御する主制御基板とがP台の遊技盤に対応し、それ以外の構成がP台の遊技枠に対応する。ただし、S台には、図2に示した遊技枠の各種検出スイッチ41a、701、33、発射制御基板31、および発射モータ18は、不要である。
従来のS台にはクレジット機能が設けられており、これが有効になっているときには、賭数を設定するとクレジットが減算され、入賞が発生するとクレジットが加算される。ただし、クレジットには上限が定められており、クレジット数が上限値に達している状態で入賞が発生すると、ホッパーからメダルが払い出される。
一方、本実施形態に係るS台では、賭数を設定すると遊技点が減算され、入賞が発生すると遊技点が加算される。また、遊技点が所定数に達すると、計数操作を促す表示がなされ、計数操作をすることによって、遊技点が持点に変換される。このため、従来のS台のようにクレジットが上限に達してメダルを払い出す必要がない。その結果、本実施形態に係るS台にはホッパーを設ける必要がない。
その結果、遊技場は、大量のメダルを確保する必要がなく、経済的負担が軽減される。また、遊技場は、メダルの補充・回収といった業務やメダル詰まりなどに対応するためのメンテナンス業務からも解放される。遊技客は、クレジットが満タンになった後で賭け操作毎にメダルを投入する煩わしさから解放され、遊技に集中しやすくなる。
他方、S台がメダルレスになった場合には、大量のメダルを獲得した遊技者が席の脇にメダルが入った箱を積み上げて自身の腕を誇示するような行為をすることができなくなるという不都合が生じる。しかしながら、本実施形態では、ドル箱表示する機能が設けられることで、このような不都合が生じることも防止できる。なお、S台の場合のドル箱表示は、多数の玉に代えて多数のメダルが積載されているようにするのが望ましい。
遊技機としてS台を適用した場合、「持点」および「遊技点」の2種類と、「クレジット」および「クレジット超過点」の2種類のデータとを用いて、以下のように各データが変換されるような遊技用システムを構成することも可能である。なお、S台の表示器510には、これら4種類のデータを表示する。
まず、プリペイドカードの残高、貯メダル、または持点からの変換操作(貸出操作、貯メダル払出し操作、持点払出し操作)が検出された場合には、夫々が引落されて、遊技点に変換される。
遊技点は、従来のスロットマシンにおけるメダルに対応するデータである。このため、たとえば、表示器510には遊技点の点数を表示するとともに、遊技点相当の数のメダル画像を表示することが望ましい。たとえば、このメダル画像に遊技者が触れてスロットマシンに投入するような擬似投入メダル操作(たとえば、メダルを押し込むような操作)が検出されると、メダル画像が消え、遊技点が減算されて、代わりに賭数が1つ設定される。このような擬似メダル投入操作が3度行なわれることによって、賭数が最大値の3に設定される。
その後、さらに擬似メダル投入操作が検出されると、その検出に応じて、クレジットが加算される。クレジットには上限値(たとえば、50)が設定されており、クレジットが上限値を超えたときには、クレジット超過点が加算される。
賭数設定は、遊技点を用いて上記のように行なうことが可能である他、クレジットを用いて行なうことも可能である。すなわち、1枚BETスイッチ5Sの操作があれば、賭数設定値が1加算され、クレジットが1減算される。また、MAXBETスイッチ6Sの操作があれば、賭数が3に設定され、クレジットが賭数設定に応じて減算される。
ゲームの結果、入賞が発生すると、入賞に応じた数の得点がクレジットに加算される。なお、クレジットの上限値をオーバーする入賞が発生したときには、そのオーバー分の点数がクレジット超過点として記憶される。このクレジット超過点は、従来のスロットマシンにおける、クレジットの上限を超えて入賞が発生したときに払い出されるメダルに相当する。このため、たとえば、表示器510にはクレジット超過点を表示するとともに、クレジット超過点相当の数のメダル画像を表示することが望ましい。また、このメダル画像は、遊技点に対応するメダル画像と区別できるように色を変えるなどすることが望ましい。
また、クレジット超過点は、遊技者の操作によって遊技点に変換されるようにすることが望ましい。たとえば、クレジット超過点に対応するメダル画像に遊技者が触れて遊技点に変換するような擬似メダル変換操作(たとえば、メダルを押し込むような操作)が検出されると、メダル画像が消え、クレジット超過点が減算されて遊技点が加算されるものとする。
あるいは、クレジットが上限値未満になれば、自動的にクレジット超過点がクレジットに変換されるようにしてもよい。
遊技者が計数操作を実行すると、遊技点、クレジット、およびクレジット超過点の各々が計数されて持点に変換される。その結果、遊技者の持点は、「カード持玉数+遊技点+クレジット+クレジット超過点」と掲載される。なお、「カード持玉数」とは、遊技点に変換していない変換前の持点(現時点で遊技者が所有している持玉数)である。
以上の説明において、持点、遊技点、クレジット、およびクレジット超過点の4種類のデータは、CUとS台とでデータのやりとりをすることによって双方で記憶してもよく、あるいは、持点はCU側のみで、それ以外はS台側のみで記憶してもよい。また、クレジット超過点をドル箱表示の対象としてもよい。
また、以上の説明では、クレジット超過点を用いる例を説明したが、クレジット超過点を用いなくてもよい。この場合、クレジットの上限を超えるような場合には、遊技点に加算するようにしてもよい。
(2) 音楽データや画像データなどの管理対象データは、P台2およびCU3に直接設けられたスピーカやディスプレイで再生するだけでなく、P台2およびCU3を介してスマートフォンなどの携帯端末に転送され、当該携帯端末に設けられたスピーカやディスプレイで再生してもよい。この場合、CU3に携帯端末と通信するための通信部を設けて、携帯端末を通信部にかざすことによって、携帯端末内に記憶されているIDをCU3が認識し、CU3から携帯端末へ再生する音楽データや画像データなどの管理対象データが送信される。
(3) 図4を参照して、P台は、計数された計数玉(持玉)を一時記憶する計数玉数カウンタを備えているものの、計数玉の累積値を記憶するカウンタを備えていない。しかしながら、P台側に、計数玉の累積値を記憶する計数玉累積記憶カウンタを備えてもよい。また、CU側には、カード持玉(計数玉)を記憶する領域が備えられているが、この領域には、挿入されたカード自体に持玉が記録されていた場合には、そのカード持玉も含めて現在の遊技者の持玉数が記憶される。このため、この領域のみでは、今回の遊技で遊技者が計数した計数玉の数を特定できない。そこで、今回の遊技で遊技者が計数した計数玉の数を記憶する領域をCU側にさらに設けてもよい。CUは、この場合、遊技が開始してからP台から送られてくる計数玉数の情報に基づいて当該領域に持玉を加算し、持玉が遊技玉に変換されると、当該領域から持玉を減算する。
(4) 本実施形態では、CUと遊技機との間の通信において、CUを一次局、遊技機を二次局とするコマンド−レスポンス方式が採用されているが、一次局と二次局との関係を逆にしてもよい。あるいは、このような主従の関係がある通信方式を採用するのではなく、通信すべき要求が生じたときに双方が相手にデータを送信するような方式を採用してもよい。
(5) 図4あるいは図14において、遊技機側およびCU側の双方で遊技玉(遊技点)を記憶するようにしているが、遊技玉(遊技点)は遊技機側のみで記憶し、CU側では記憶しないようにしてもよい。一方、カード持玉(持点)は、CU側でのみ記憶しているが、遊技機側でも記憶するようにしてもよい。特に、遊技玉(遊技点)は遊技機側のみで記憶し、一方、カード持玉(持点)は、CU側でのみ記憶するようにして、データの記憶管理の役割分担を明確にしてもよい。
(6) 表示器54で行なう計数表示や各種の報知は、同様に表示器312で行なうようにしてもよい。
(7) 玉貸ボタン、返却ボタン、再プレイボタン、および計数ボタンのうちの少なくとも1つ、あるいはすべては、遊技機側に設けてもよく、あるいはCU側に設けてもよい。また、そのボタンは、タッチパネル式の表示器として説明した遊技機側あるいはCU側の表示器に表示することが考えられる。
(8) 本実施形態では、カードIDにより遊技者の同一性の判別を行なっているが、それに代えてまたはそれに加えて、遊技者の指紋や網膜等のバイオマスにより遊技者の同一性の判別を行なってもよい。
(9) 本実施形態においては、いわゆる封入循環式遊技機(P台2およびS台2S)を示したが、それに限定されるものではなく、島の上部から遊技媒体(パチンコ玉等)が遊技機に供給されて入賞によりさらに遊技媒体が払出される従来の遊技機であってもよい。具体的には、玉貯留皿に貯留された玉を遊技領域に打込んで遊技が行なわれ、入賞することによって玉が玉貯留皿に払い出され、遊技終了時にその玉貯留皿に払い出され玉を計数する従来のパチンコ機でもよい。また、メダル受け皿に貯留されているメダルをメダル投入口に投入して賭数を入力設定し、スタートレバーを操作することによりリールが回転して停止することにより1ゲームが終了し、リールの停止時に表示された表示結果入賞が発生している場合には、メダルがメダル受け皿に払い出され、遊技終了時にそのメダル受け皿に払い出されメダルを計数する従来のスロットマシンでもよい。つまり、遊技媒体(パチンコ玉、メダル)を使用して遊技が可能であり、遊技の結果に応じて遊技者に遊技媒体が払い出される遊技機であってもよい。
(10) 本実施形態では、各種認証鍵を用いて認証を行なっていたが、この各種認証鍵の代わりに、たとえば認証用のID等を用いて認証を行なうようにしてもよい。
(11) 本実施形態では、P台2およびCU3の少なくともいずれか一方で音楽データや画像データなどの管理対象データを再生していたが、P台2およびCU3の少なくともいずれか一方と連動して、ホールに設置した大型スピーカや大型ディスプレイなどで管理対象データを再生してもよい。
(12) 本実施形態では、管理対象データとして音楽データや画像データなどの著作データが含まれるだけでなく、人物の写真などの肖像権データやキャラクタなど、様々なデータを含めてもよい。
(13) 本実施形態では、P台2の機種やメーカにより再生することができる音楽データや画像データなどを予め定められている場合に限定されず、ホール内のユニット管理コンピュータ801やホール外のコンテンツ管理センタ800Bなどから再生することができる音楽データや画像データなどを追加、変更することができる構成であってもよい。さらに、P台2やCU3には、音楽データや画像データなどが全く記憶されておらず、ホール内のユニット管理コンピュータ801やホール外のコンテンツ管理センタ800Bなどから再生することができる音楽データや画像データなどを配信する構成でもよい。
(14) 本実施形態では、CU3で管理対象データの再生実績を収集する場合について説明したが、これに限られない。たとえば、遊技機(P台2またはS台2S)で管理対象データが再生された場合には、遊技機がその再生実績を収集する場合であってもよい。また、ユニット管理コンピュータ801が、遊技用装置(CU3または呼出しランプ装置)を介して管理対象データの再生信号を受信して、当該再生信号に基づいて再生実績を収集する場合であってもよい。また、コンテンツ管理センタ800Bが、ユニット管理コンピュータ801および遊技用装置を介して管理対象データの再生信号を受信して、当該再生信号に基づいて再生実績を収集する場合であってもよい。また、遊技島ごとの管理コンピュータが、遊技用装置を介して管理対象データの再生信号を受信して、当該再生信号に基づいて再生実績を収集する場合であってもよい。再生実績を収集する装置は、記憶部に当該再生実績を記憶する。当該収集処理を遊技機および遊技用装置よりも上流(コンテンツ管理センタ800B側)の装置で行なう場合には、遊技機および遊技用装置の処理負担の軽減でき、また記憶容量を低減することができる。一方、当該収集処理を遊技機または遊技用装置で行なう場合には、上流側への通信状態に異常が発生して、オフライン状態になった場合でも、収集した再生実績が失われる可能性を低減することができる。
(15) 本実施形態では、CU3が、管理対象データの再生実績に、その管理対象データを再生した遊技機の特定情報(機種ID)を関連付ける場合について説明したが、これに限られない。たとえば、遊技機が、再生実績に特定情報を関連付ける場合であってもよい。また、ユニット管理コンピュータ801、コンテンツ管理センタ800B、あるいは遊技島ごとの管理コンピュータが、それぞれが収集した再生実績(または入力を受け付けた再生実績)に、管理対象データを再生した遊技機(または遊技用装置)の特定情報を関連付ける場合であってもよい。特定情報の関連付けを行なう装置は、再生実績を収集する装置よりも上流の装置、もしくは収集する装置と同じ装置であることが好ましい。当該関連付け処理を遊技機および遊技用装置よりも上流の装置で行なう場合には、遊技機および遊技用装置の処理負担の軽減することができる。さらに、本実施形態では、CU3が、管理対象データの再生実績に、その管理対象データを再生した遊技機の特定情報(機種ID)を関連付ける場合について説明したが、遊技機の特定情報(機種ID)に代えて、または遊技機の特定情報(機種ID)にさらに加えてCU3の特定情報を関連付けてもよい。
(16) 本実施形態では、CU3が、管理対象データの再生実績に、管理対象データの再生時における遊技機の遊技情報を関連付けてもよい場合について説明したが、これに限られない。たとえば、遊技機、ユニット管理コンピュータ801、コンテンツ管理センタ800B、あるいは遊技島ごとの管理コンピュータが、再生実績に遊技情報を関連付ける場合であってもよい。遊技情報の関連付けを行なう装置は、再生実績を収集する装置よりも上流の装置、もしくは収集する装置と同じ装置であることが好ましい。
(17) 本実施形態では、CU3が、管理対象データの再生実績に、再生時における管理対象データに関する再生状態情報を関連付けてもよい場合について説明したが、これに限られない。たとえば、遊技機、ユニット管理コンピュータ801、コンテンツ管理センタ800B、あるいは遊技島ごとの管理コンピュータが、再生実績に再生状態情報を関連付ける場合であってもよい。再生状態情報の関連付けを行なう装置は、再生実績を収集する装置よりも上流の装置、もしくは収集する装置と同じ装置であることが好ましい。
(18) 本実施形態では、ユニット管理コンピュータ801が、管理対象データの再生実績に、遊技機が設置された店舗情報を関連付ける場合について説明したが、これに限られない。たとえば、遊技機、ユニット管理コンピュータ801、コンテンツ管理センタ800B、あるいは遊技島ごとの管理コンピュータが、再生実績に店舗情報を関連付ける場合であってもよい。店舗情報の関連付けを行なう装置は、再生実績を収集する装置よりも上流の装置、もしくは収集する装置と同じ装置であることが好ましい。
(19) 本実施形態では、コンテンツ管理センタ800Bが対応関係情報を記憶する場合について説明したが、これに限られない。たとえば、遊技機、遊技用装置、ユニット管理コンピュータ801、あるいは遊技島ごとの管理コンピュータが、対応関係情報を記憶する場合であってもよい。
(20) コンテンツ管理センタ800Bが対応関係情報と再生実績とに基づいて許可されていない管理対象データが再生されたか否かを判定する場合について説明したが、これに限られない。たとえば、遊技機、遊技用装置、ユニット管理コンピュータ801、あるいは遊技島ごとの管理コンピュータが、当該判定を行なってもよい。ただし、当該判定を行なう装置は、再生実績を収集する装置よりも上流の装置または同じ装置、かつ、対応関係情報を記憶する装置よりも上流の装置または同じ装置である。判定処理をコンテンツ管理センタ800Bよりも下流側の装置で行なう場合には、異常のある管理対象データについての再生実績部分については送信しないなどの対応をとることができる。
(21) 遊技機および遊技用装置は、遊技台に座った客層(たとえば、年代別や性別などで客層をわける)に応じて流す管理対象データを変更してもよい。たとえば、遊技機および遊技用装置は、別途取り付けられたカメラで遊技台に座った客を識別して、客層を判断したり、CU3に挿入されたカードのユーザ情報から客層を判断したりする。
(22) 本実施形態では、収集された再生実績に、管理対象データを再生した装置から送信された当該再生した装置を特定するための特定情報を関連付ける場合について説明したが、これに限られない。たとえば、特定情報の関連付けを行なう装置は、対応関係情報を参照することで、管理対象データに対応する特定情報を、収集された再生実績に関連付けてもよい。
(23) 本実施形態では、コンテンツ管理センタ800Bは、管理対象データの管理に異常があった場合には、管理者に当該異常を連絡する場合について説明したが、これに限られない。たとえば、コンテンツ管理センタ800Bは、異常があった管理対象データを再生した遊技機や遊技用装置が設置されている店舗に当該異常を連絡してもよい。
(24) 遊技機および遊技用装置は、管理対象データの再生の開始、中止、停止などを操作するための操作手段を有していてもよい。ここで、当該操作手段は、表示装置54に表示される再生の開始、中止、停止などのタッチボタンや、遊技枠5に取付けられた操作ボタンなどがある。さらに、コンテンツ管理センタ800Bは、操作手段での操作履歴(再生を開始した時刻、再生を中止した時刻や、再生を停止した時刻など)を、再生実績と関連付けて記憶してもよい。コンテンツ管理センタ800Bは、操作履歴と再生実績とを関連付けて記憶しておくことで、たとえば管理対象データを再生した遊技者が途中で中止させたような場合であっても、単に再生回数1回と記憶するのではなく、再生が途中で中止された状況も記憶して、よりきめ細かい管理対象データの再生実績を管理することができる。
(25) 本実施形態では、遊技用装置あるいはユニット管理コンピュータ801が、所定の条件で、再生実績をコンテンツ管理センタ800Bに送信する場合について説明した。このとき、送信される再生実績には、当該所定の条件が成立した場合ごとに送信される情報(たとえば、管理対象データの再生回数および再生時間など)と、その他のタイミングで送信される情報(機種ID、メーカIDなど)とを含んでいてもよい。この場合、毎回記憶する必要のない情報を送信する必要がないため送信側の処理負担を軽減できるとともに、受信側の記憶容量を低減することができる。
(26) 本実施形態では、コンテンツ管理センタ800Bで集計した再生実績を外部に出力する構成であったが、コンテンツ管理センタ800Bに代えて各ホールに設けたユニット管理コンピュータ801で集計した再生実績を外部に出力する構成であってもよい。
(27) 本実施形態では、遊技機あるいは遊技用装置の記憶部Aが記憶する再生実績に、再生信号を収集する度に記憶する情報(たとえば、管理対象データの再生回数および再生時間など)と、その他のタイミングで記憶する情報(機種ID、メーカIDなど)とを含んでいてもよい。この場合、再生信号を収集する度に毎回記憶する必要のない情報と、その他のタイミングで記憶する情報とに分けることで、記憶部Aの容量を低減することができる。
(28) 本実施形態に示す遊技機と遊技用装置との構成は、図1に示すように封入循環式のP台2とCU3とを組合わせる構成について説明したが、本発明はこれに限られず、遊技島設備が必要な従来のパチンコ機と、各パチンコ機の上側に設けられる呼出しランプ装置とを組合わせた構成でもよい。なお、呼び出しランプ装置は、単にパチンコ機の大当りや異常を報知するだけでなく、パチンコ機での入賞回数などの遊技情報を収集したり、CU3と同じように管理対象データの再生実績を記憶したりすることができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。