JP2014171400A - 米飯の保存方法 - Google Patents

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Fumihiro Ito
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Abstract

【課題】米飯の酸化による劣化を防止して、風味や色調を良好に保持したまま、米飯を長期にわたって保存する方法を提供する。
【解決手段】米飯を、酸素吸収性組成物を含有する酸素吸収層と、熱可塑性樹脂を含有する熱可塑性樹脂層と、を有する酸素吸収性多層体を全部または一部に使用した酸素吸収性容器内に保存する、米飯の保存方法であって、酸素吸収性組成物が、特定の構造を有するテトラリン環を有する化合物を少なくとも1種、遷移金属触媒、及び熱可塑性樹脂を含有する、米飯の保存方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、米飯の酸化による劣化を防止して、風味や色調を良好に保持したまま、米飯を長期にわたって保存する方法に関するものである。
収納物を容器に収容後、該容器を密封する際、空気中でこれを行えば収納の際に容器内に空気が取り込まれ、封入される。当然これに伴って一定量の酸素が取り込まれることになる。これにより収納物は混在する酸素により何らかの影響を受ける。収納物の化学的性質によりその影響の程度に差はあるものの、密封後に徐々に風味や色調が損なわれる。密封後の保管期間又は流通期間が長ければ長いほど酸素による影響を受けて風味や色調が損なわれ商品価値が下がる。したがって、微量の酸素であってもその存在は無視できない。
一方で、市販加工米飯の保存方法としてはレトルト米飯が主流であった。しかし、この製法では通常の炊飯条件と異なる条件で加熱殺菌を行うため、味が悪いという問題があった。そこで、無菌環境において通常の炊飯方法で米飯を加工する無菌米飯の商品化がなされている。近年、この無菌米飯を酸素吸収機能を有する多層体で包装する技術が開示されている(特許文献1参照)。さらに、米と水を脱酸素性多層容器内に充填し、容器内の酸素を置換後密封、加熱炊飯する炊飯米の製造法が開示されている(特許文献2参照)。
しかしながら、鉄粉等の酸素吸収剤を用いるものは、食品等の異物検知に使用される金属探知機に検知される、蓋材に利用した場合開封時フランジ部に鉄粉が付着する、加工性が悪い、透明性に劣る為、内容物視認性が無いといった課題を有していた。
上記のような事情から、有機系の物質を反応主剤とする酸素吸収剤が望まれている。有機系の物質を反応主剤とする酸素吸収剤としては、アスコルビン酸を主剤とする酸素吸収剤が知られている(特許文献3参照)。
一方、樹脂と遷移金属触媒からなる酸素吸収性樹脂組成物が知られている。例えば、酸化可能有機成分としてポリアミド、特にキシリレン基含有ポリアミドと遷移金属触媒からなる樹脂組成物が知られている(特許文献4及び5参照)。さらに、この特許文献3及び4には、樹脂組成物を成形して得られる包装材料等も例示されている。
また、酸素吸収に水分を必要としない酸素吸収性樹脂組成物として、炭素−炭素不飽和結合を有する樹脂と遷移金属触媒からなる酸素吸収性樹脂組成物が知られている(特許文献6参照)。
さらに、酸素を捕集する組成物として、置換されたシクロヘキセン官能基を含むポリマー又は該シクロヘキセン官能基が結合した低分子量物質と遷移金属とからなる組成物が知られている(特許文献7参照)。
特開平8−133345号公報 特開平7−39329号公報 特開昭51−136845号公報 特開2001−252560号公報 特開2009−108153号公報 特開平05−115776号公報 特表2003−521552号公報
しかしながら、特許文献3に記載の酸素吸収剤は、そもそも酸素吸収性能が低く、また、被保存物が高水分系のものしか効果を発現しない、比較的高価である、といった課題を有している。
また、特許文献4の樹脂組成物は、遷移金属触媒を含有させキシリレン基含有ポリアミド樹脂を酸化させることで酸素吸収機能を発現させるものであるため、酸素吸収後に樹脂の酸化劣化による高分子鎖の切断が発生し、包装容器そのものの強度が低下するといった問題を有している。さらに、この樹脂組成物は、未だ酸素吸収性能が不十分であり、被保存物が高水分系のものしか効果を発現しない、といった課題を有している。また、特許文献4では層間剥離の改善方法が記載されているが、効果は限定的である。さらに、この樹脂組成物は、未だ酸素吸収性能が不十分であり、被保存物が高水分系のものしか効果を発現しない、といった課題を有している。
さらに、特許文献6の酸素吸収性樹脂組成物は、上記と同様に樹脂の酸化にともなう高分子鎖の切断により臭気成分となる低分子量の有機化合物が生成し、酸素吸収後に臭気が発生するという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その目的は、米飯の風味を損なわず、色調を保持したまま米飯を長期間保存できる方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を進めた結果、所定のテトラリン環を有する化合物を少なくとも1種、遷移金属触媒、及び熱可塑性樹脂を含有する酸素吸収性組成物を含有する酸素吸収層と、熱可塑性樹脂を含有する熱可塑性樹脂層と、を含む酸素吸収性多層体を含む容器を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
米飯を、酸素吸収性組成物を含有する酸素吸収層と、熱可塑性樹脂を含有する熱可塑性樹脂層と、を有する酸素吸収性多層体を全部または一部に使用した酸素吸収性容器内に保存する、米飯の保存方法であって、
前記酸素吸収性組成物が、下記一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物を少なくとも1種、遷移金属触媒、及び熱可塑性樹脂を含む、
(式中、R〜R12は、それぞれ独立して、水素原子又は一価の置換基を示し、前記一価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、イミド基、下記一般式(1a)で表される置換基、及び下記一般式(1b)で表される置換基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、これらはさらに置換基を有していてもよく、R〜R12のうち2つの置換基が結合して環を形成していてもよい。テトラリン環のベンジル位には少なくとも1つ以上の水素原子が結合している。)
(一般式(1a)及び一般式(1b)中、Rは、それぞれ独立して、一価の置換基を示し、前記一価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、及びイミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、これらはさらに置換基を有していてもよく、Rのうち2つの置換基が結合して環を形成していてもよい。Wは、結合手又は二価の有機基であり、前記二価の有機基は、芳香族炭化水素基、飽和もしくは不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基及び複素環基、−C(=O)−、−OC(=O)−、−N(H)C(=O)−、及びこれらの任意の組み合わせからなる群より選ばれる少なくとも1種である。mは0〜4の整数を示し、nは0〜7の整数を示し、pは0〜8の整数を示し、qは0〜3の整数を示す。)
米飯の保存方法。
〔2〕
前記一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物が、2つ以上のカルボニル基を有する、〔1〕に記載の米飯の保存方法。
〔3〕
前記一般式(1)において、R〜R12のうち、少なくとも2つ以上が、下記一般式(2)で表される一価の置換基である、

−C(=O)−X (2)

(式中、Xは、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、モノアルキルアミノ基、及びジアルキルアミノ基からなる群より選ばれる1つであり、複数のXは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。)
〔2〕に記載の米飯の保存方法。
〔4〕
前記一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物が、テトラリン環を2つ以上有する、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の米飯の保存方法。
〔5〕
前記酸素吸収性組成物中の、前記一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物と、前記熱可塑性樹脂との総量に対する、前記一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物の割合が、1〜30質量%である、〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の米飯の保存方法。
〔6〕
前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、及び塩素系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である、〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の米飯の保存方法。
〔7〕
前記遷移金属触媒は、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、及び銅からなる群より選ばれる少なくとも1種の遷移金属を含む、〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の米飯の保存方法。
〔8〕
前記酸素吸収性組成物中、前記遷移金属触媒が、前記一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物と前記熱可塑性樹脂との総量100質量部に対して、遷移金属量として、0.001〜10質量部含まれる、〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の米飯の保存方法。
本発明によれば、米飯の風味を損なわず、色調を保持したまま、臭気の発生のない、米飯を長期間保存できる方法を提供できる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
[米飯]
本発明における米飯としては、例えば、無菌環境下に炊飯された無菌米飯、あるいは酸素吸収性容器内に米と水を充填密封し加圧加熱釜で加熱炊飯された無菌米飯等があげられる。風味を保持するため、110℃以下の加熱温度で炊飯された米飯を本発明の酸素吸収性容器に充填し密閉するが、充填時に窒素ガス、炭酸ガス等の不活性ガスで容器内を置換し酸素濃度を低下させてもよい。
[酸素吸収性多層体]
本実施形態の酸素吸収性多層体は、酸素吸収性組成物を含有する酸素吸収層(層A)と、熱可塑性樹脂を含有する熱可塑性樹脂層(層B)と、を有する酸素吸収性多層体であって、前記酸素吸収性組成物が、下記一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物を少なくとも1種、遷移金属触媒、及び熱可塑性樹脂を含む、
(式中、R〜R12は、それぞれ独立して、水素原子又は一価の置換基を示し、前記一価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、イミド基、下記一般式(1a)で表される置換基、及び下記一般式(1b)で表される置換基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、これらはさらに置換基を有していてもよく、R〜R12のうち2つの置換基が結合して環を形成していてもよい。テトラリン環のベンジル位には少なくとも1つ以上の水素原子が結合している。)
(一般式(1a)及び一般式(1b)中、Rは、それぞれ独立して、一価の置換基を示し、前記一価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、及びイミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、これらはさらに置換基を有していてもよく、Rのうち2つの置換基が結合して環を形成していてもよい。Wは、結合手又は二価の有機基であり、前記二価の有機基は、芳香族炭化水素基、飽和もしくは不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基及び複素環基、−C(=O)−、−OC(=O)−、−N(H)C(=O)−、及びこれらの任意の組み合わせからなる群より選ばれる少なくとも1種である。mは0〜4の整数を示し、nは0〜7の整数を示し、pは0〜8の整数を示し、qは0〜3の整数を示す。)
酸素吸収性多層体である。
本実施形態の酸素吸収性多層体における層構成は特に限定されず、酸素吸収層(層A)及び熱可塑性樹脂層(層B)の数や種類は特に限定されない。例えば、1層の層A及び1層の層BからなるA/B構成であってもよく、1層の層A及び2層の層BからなるB/A/Bの3層構成であってもよい。また、1層の層A並びに層B1及び層B2の2種4層の層BからなるB1/B2/A/B2/B1の5層構成であってもよく、1層の層A並びに層B1及び層B2の2種2層からなるB1/A/B2の3層構成であってもよい。さらに、本実施形態の多層体は、必要に応じて接着層(層AD)等の任意の層を含んでもよく、例えば、B1/AD/B2/A/B2/AD/B1の7層構成であってもよい。
[酸素吸収層(層A)]
本実施形態の酸素吸収性多層体の酸素吸収層(層A)は、上記一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物(以下、単に「テトラリン化合物」ともいう。)を少なくとも1種、遷移金属触媒、及び熱可塑性樹脂を含有する酸素吸収性組成物を含む層である。
<テトラリン化合物>
上記一般式(1)において、R〜R12で示す一価の置換基としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数が1〜15、より好ましくは炭素数が1〜6の直鎖状、分岐状又は環状アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数が2〜10、より好ましくは炭素数が2〜6の直鎖状、分岐状又は環状アルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基)、アルキニル基(好ましくは炭素数が2〜10、より好ましくは炭素数が2〜6のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基)、アリール基(好ましくは炭素数が6〜16、より好ましくは炭素数が6〜10のアリール基、例えば、フェニル基、ナフチル基)、複素環基(好ましくは炭素数が1〜12、より好ましくは炭素数が2〜6の5員環或いは6員環の芳香族又は非芳香族の複素環化合物から1個の水素原子を取り除くことによって得られる一価の基、例えば、1−ピラゾリル基、1−イミダゾリル基、2−フリル基)、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数が1〜10、より好ましくは炭素数が1〜6の直鎖状、分岐状又は環状アルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数が6〜12、より好ましくは炭素数が6〜8のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基)、アシル基(ホルミル基を含む。好ましくは炭素数が2〜10、より好ましくは炭素数が2〜6のアルキルカルボニル基、好ましくは炭素数が7〜12、より好ましくは炭素数が7〜9のアリールカルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基)、アミノ基(好ましくは炭素数が1〜10、より好ましくは炭素数が1〜6のアルキルアミノ基、好ましくは炭素数が6〜12、より好ましくは炭素数が6〜8のアニリノ基、好ましくは炭素数が1〜12、より好ましくは炭素数が2〜6の複素環アミノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、アニリノ基)、チオール基、アルキルチオ基(好ましくは炭素数が1〜10、より好ましくは炭素数が1〜6のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数が6〜12、より好ましくは炭素数が6〜8のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基)、複素環チオ基(好ましくは炭素数が2〜10、より好ましくは炭素数が1〜6の複素環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基)、イミド基(好ましくは炭素数が2〜10、より好ましくは炭素数が4〜8のイミド基、例えば、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)等が例示されるが、これらに特に限定されない。
上記一般式(1)で表される化合物は、テトラリン環のベンジル位には少なくとも1つ以上の水素原子が結合されているものである。後述するが、テトラリン環のベンジル位に結合された水素原子と、後述する遷移金属触媒とが作用することによって、優れた酸素吸収能等を発現することができる。テトラリン環のベンジル位には少なくとも1つ以上の水素原子が結合されている化合物としては、例えば、一般式(1)のR、R、R、及びR12のいずれか1つが水素原子である化合物等が挙げられる。
なお、上記の一価の置換基R〜R12が水素原子を有する場合、その水素原子が置換基T(ここで、置換基Tは、上記の一価の置換基Rで説明したものと同義である。)でさらに置換されていてもよい。その具体例としては、ヒドロキシ基で置換されたアルキル基(例えば、ヒドロキシエチル基)、アルコキシ基で置換されたアルキル基(例えば、メトキシエチル基)、アリール基で置換されたアルキル基(例えば、ベンジル基)、第1級或いは第2級アミノ基で置換されたアルキル基(例えば、アミノエチル基)、アルキル基で置換されたアリール基(例えば、p−トリル基)、アルキル基で置換されたアリールオキシ基(例えば、2−メチルフェノキシ基)等が挙げられるが、これらに特に限定されない。なお、上記の一価の置換基Rが一価の置換基Tを有する場合、上述した炭素数には、置換基Tの炭素数は含まれないものとする。例えば、ベンジル基は、フェニル基で置換された炭素数1のアルキル基と看做し、フェニル基で置換された炭素数7のアルキル基とは看做さない。また、上記の一価の置換基Rが置換基Tを有する場合、その置換基Tは複数あってもよい。
また、一価の置換基R〜R12のうちの2つが結合して環を形成していてもよい。その具体例としては、例えば、R〜R12のうちの2つが縮合し、5〜8員環を形成した化合物が挙げられる。なお、ここでいう環とは、公知の環構造のいずれであっても構わず、特に限定されないが、好ましくは炭素数が4〜7の芳香族環又は脂肪族環或いはヘテロ環(より好ましくは、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、酸無水物環(例えば、コハク酸無水物環、グルタル酸無水物環、アジピン酸無水物環等)、ベンゼン環、ビシクロ環等)である。)である。
使用中の揮発による損失を抑制するとともに化合物単位質量当たりの酸素吸収量を大きくする観点から、上記の一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物は、R〜R12のうち少なくとも1つが、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、置換又は無置換のエステル基、アルコキシ基、アシル基、置換もしくは無置換のアミド基及び置換もしくは無置換のイミド基からなる群(以下、単に「置換基群S」ともいう。)より選択される1種であるもの;2以上のRが縮合して5〜6員環を形成したものが好ましい。これら置換基群Sの中でも、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アルコキシ基、置換又は無置換のエステル基、及び置換又は無置換のアミド基がより好ましい。
上記の一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物の好ましい第一の態様としては、以下に示す構造のものが挙げられる。
(一般式(1c)中、R〜Rは、それぞれ独立して、一価の置換基を示し、一価の置換基は上記において説明したR〜R12と同義であり、但し、R〜Rが2つ以上結合して環を形成していない。)
上記の第一の態様においては、R〜Rのうち少なくとも2以上が上述した置換基群Sより選択される1種であり、且つ、それ以外のR〜Rは水素原子であることが好ましく、R〜Rのうち2つが置換基群Sより選択される1種であり、且つ、R〜Rのうち6が水素原子であることがより好ましい。
上記の第一の態様においては、種々の異性体が含まれ、例えば、下記一般式(1−1)で表されるテトラリンに2つの置換基を導入した場合、構造異性体としては下記一般式(1−2)〜(1−15)で表されるテトラリン誘導体が生じ得るが、置換基の導入位置(置換位置)は特に限定されない。
以下、この第一の態様に含まれる例を列挙するが、これらに特に限定されない。
(各式中、nは、0〜3の整数であり、Rは、それぞれ独立して、水素原子又は一価の置換基を示し、一価の置換基は、芳香族炭化水素基、飽和或いは不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状或いは分岐状の飽和或いは不飽和の脂肪族炭化水素基、及びアシル基からなる群より選択される少なくとも1種である。)
ここで、芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、ビフェニル基、フルオレニル基等が挙げられるが、これらに特に限定されない。脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等のシクロアルキル基や、シクロアルケニル基が挙げられるが、これらに特に限定されない。脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、ラウリル基、ステアリル基、パルミチル基等の直鎖状、分枝鎖状アルキル基や、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、オクテニル基、ノナデセニル基、ペンタコセニル基等のアルケニル基等が挙げられるが、これらに特に限定されない。アシル基としては、例えば、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらは、さらに置換基を有していてもよく、その具体例としては、例えば、ハロゲン、アルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、カルボアルコキシ基、アミノ基、アシル基、チオ基(例えば、アルキルチオ基、フェニルチオ基、トリルチオ基、ピリジルチオ基等)、アミノ基(例えば、非置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、フェニルアミノ基等)、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
また、上記の一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物の好ましい第二の態様としては、下記一般式(2−1)〜(2−5)で表される構造のものが挙げられる。
(各式中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子又は一価の置換基を示し、一価の置換基R〜Rは上記一般式(1)において説明したR〜R12と同義であり、円弧Aは、置換又は無置換の炭素数が4〜7の芳香環、ヘテロ環又は酸無水物環である。)
上記の第二の態様においては、円弧Aは、炭素数が4〜7の芳香族環又は脂肪族環或いはヘテロ環であることが好ましい。その具体例としては、例えば、ベンゼン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、酸無水物環(コハク酸無水物環、グルタル酸無水物環、アジピン酸無水物環)等が挙げられる。
さらに、上記の一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物の好ましい第三の態様としては、2つ以上のカルボニル基を有するものが挙げられる。
上記の2以上のカルボニル基を有する第三の態様の例としては、一般式(1)のR〜R12のうち、2つ以上が下記一般式(2)で表される一価の置換基であることが好ましい。
(式(1)中、R〜R12は、それぞれ独立して、水素原子又は一価の置換基を示し、一価の置換基R〜R12は上記において説明したものと同義であり、但し、R〜R12が2以上結合して環を形成していない。)

−C(=O)X (2)

(式(2)中、Xは、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、モノアルキルアミノ基、及びジアルキルアミノ基からなる群より選ばれる1つであり、複数のXは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。)
さらに、上記の第三の態様においては、R〜R12が以下の要件(A)〜(C);
(A)テトラリン環の芳香族環に上記一般式(2)で表される一価の置換基が1以上結合されており、テトラリン環の脂肪族環に上記一般式(2)で表される一価の置換基が1以上結合されている。
(B)テトラリン環の芳香族環に上記一般式(2)で表される一価の置換基が2以上結合されている。
(C)テトラリン環の脂肪族環に上記一般式(2)で表される一価の置換基が2以上結合されている。
の何れかを満たすものがより好ましい。
上記の一般式(2)で表される一価の置換基において、Xは、−O−Z基で表されるアルコキシ基、又はNH−Z基で表わされるモノアルキルアミノ基であることが好ましく、その−Zは、炭素数が1〜10の芳香族炭化水素基、飽和或いは不飽和の脂環式炭化水素基、又は、直鎖状或いは分岐状の飽和或いは不飽和の脂肪族炭化水素基であることがより好ましい。なお、これらの具体例は、上述した置換基Rにて説明したものと重複するため、ここでの説明は省略する。
以下、上記の要件(A)〜(C)を満たす第三の態様の例を列挙するが、これらに特に限定されない。
(各式中、Zは、上記一般式(2)において説明したものと同義である。)
上記の第三の態様のなかでも、下記一般式(3−10)〜(3−20)で表される化合物がより好ましい。
以下、上記の一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物の具体例を示すが、これらに特に限定されない。

(式中、nは、0〜3の整数である。)

さらに、上記の一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物の好ましい第四の態様としては、テトラリン環を2以上有するものが挙げられる。テトラリン環の上限は12以下であることが好ましく、入手容易性等の観点から、3以下であることが好ましい。特に、酸素吸収性能と耐熱性の効果及び入手容易性のバランスの観点から、テトラリン環の数は2であることがより好ましい。
上記のテトラリン環を2以上有する第四の態様の例としては、下記一般式(4−1)〜(4−6)からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物が好ましい。
(式中、Rは、それぞれ独立して、一価の置換基を示し、一価の置換基Rは上記において説明したR〜R12と同義である。mは0〜7、nは0〜3、pは0〜4、qは0〜6の整数を表し、テトラリン環のベンジル位には1つ以上の水素原子が結合している。また、Xは芳香族炭化水素基、飽和もしくは不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基及び複素環基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基を含有する2価の基を表し、Yはエステル基又はアミド基を表し、tは0〜6の整数を表す。)
上記一般式(4−1)〜(4−6)においてRで表される置換基としては、上記においてR〜R12として例示したものが例示される。それらの中でも、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アルコキシ基、アシル基、アミド基、イミド基が好ましく、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、アルコキシ基、エステル基、アシル基がより好ましく、水素原子、無置換のアルキル基、アルコキシ基、エステル基が特に好ましい。
一般式(4−1)〜(4−6)で表される化合物の分子量は、276〜1000が好ましく、300〜800がより好ましく、350〜600が特に好ましい。分子量が276以上の場合、分子量が276未満の場合に比べ、使用中の揮発による損失を抑制できるため好ましい。また、分子量が1000以下の場合、分子量が1000を超過する場合に比べ、化合物におけるテトラリン環部分の占める割合が高くなり、化合物の単位質量当たりの酸素吸収量が大きくなる為好ましい。
また、一般式(4−1)〜(4−6)で表される化合物は、沸点が高く、使用時の温度における蒸気圧が低いものが、使用時の揮発による損失を抑制できるため好ましい。また、前記化合物を後述する酸素吸収性組成物とする場合、熱可塑性樹脂との混練温度における蒸気圧が低く、3%重量減少温度が高いほど、酸素吸収性組成物製造時の揮発による損失を抑制できるため好ましい。3%重量減少温度としては、150℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましく、250℃以上が特に好ましい。
上記の官能基の中で水素原子を有するものは更に上記の基で置換されていてもよく、例えば、ヒドロキシ基で置換されたアルキル基(例えば、ヒドロキシエチル基)、アルコキシ基で置換されたアルキル基(例えば、メトキシエチル基)、アリール基で置換されたアルキル基(例えば、ベンジル基)、アルキルで置換されたアリール基(例えば、p−トリル基)、アルキル基で置換されたアリールオキシ基(例えば、2−メチルフェノキシ基)等を挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、官能基が更に置換されている場合、上述した炭素数には、更なる置換基の炭素数は含まれないものとする。例えば、ベンジル基は、フェニル基で置換された炭素数1のアルキル基と見なし、フェニル基で置換された炭素数7のアルキル基とは見なさない。置換基を有したテトラリンの置換基は、複数の置換基を有していても良い。また、必ずしも単一物質である必要がなく、二種以上を混合して使用しても構わない。
一般式(4−1)〜(4−6)で表される化合物としては、下記一般式(4−7)〜(4−16)で表される化合物がより好ましく、下記一般式(4−7)、(4−10)、(4−13)又は(4−16)が特に好ましい。
(式中、Xは芳香族炭化水素基、飽和又は不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基を示す。)
上記一般式(4−7)の好ましい具体例を以下に示すが、本実施形態はこれらに限定されない。
上記一般式(4−10)の好ましい具体例を以下に示すが、本実施形態はこれらに限定されない。
上記一般式(4−13)の好ましい具体例を以下に示すが、本実施形態はこれらに限定されない。
上記一般式(4−16)の好ましい具体例を以下に示すが、本実施形態はこれらに限定されない。
一分子中にテトラリン環を2つ有している化合物として、上記一般式(4−1)〜(4−16)、及び、式(4−17)〜(4−33)を示したが、本実施形態においては3つ以上のテトラリン環を有する化合物も好ましく用いられる。
一般式(4−1)〜(4−6)で表される化合物の製造方法は何ら限定されず、公知の方法で製造することが出来る。例えば、2以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸のエステル体と、ヒドロキシ基及びテトラリン環を有する化合物とのエステル交換反応、2以上のヒドロキシ基を有するポリオールと、カルボキシル基及びテトラリン環を有する化合物との反応、アルデヒドとテトラリン環を有する化合物との反応、が好ましく例示される。
また、上記のテトラリン環を2以上有する第四の態様における、別の好適な例としては、テトラリン環を2つ以上有し、テトラリン環の少なくとも1つは、そのベンジル位に水素原子が結合されており、かつイミド結合を2つ以上有する化合物が挙げられる。
テトラリン環を2つ以上有することで酸素との反応点を多く含むことができ、さらに、イミド結合を2つ以上有することにより、耐熱性を一層向上させることができる。このような化合物としては、例えば、下記一般式(4−34)〜(4−37)からなる群より選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
(一般式(4−34)〜(4−37)中、Rは、それぞれ独立して、一価の置換基を示し、一価の置換基Rは上記において説明したR〜R12と同義である。mは0〜6の整数、nは0〜3の整数、pは0〜7の整数、qは0〜2の整数、rは0〜4の整数、sは0〜5の整数を表し、少なくとも1つのテトラリン環において、そのベンジル位には1つ以上の水素原子が結合している。また、Xは、二価の置換基を表し、前記二価の置換基は、芳香族炭化水素基、飽和又は不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基、及び複素環基からなる群より選ばれる少なくとも1種である。)
一般式(4−34)〜(4−37)で表される化合物の分子量は、特に限定されないが、414〜1000が好ましく、430〜800がより好ましく、450〜600がさらに好ましい。分子量が414以上であることにより、使用中の揮発による損失を一層抑制できる。分子量が1000以下であることにより、酸素吸収能が一層向上する。
一般式(4−34)〜(4−37)で表される化合物としては、沸点が高く、使用時の温度における蒸気圧が低いものが、使用時の揮発による損失を一層抑制できるため好ましい。また、これらの化合物としては、熱可塑性樹脂との混練温度における蒸気圧が低いことが好ましい。また、これらの化合物としては、3%重量減少温度が高いほど、好ましい。3%重量減少温度としては、特に限定されないが、150℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましく、250℃以上がさらに好ましく、270℃以上がよりさらに好ましい。
一般式(4−34)〜(4−37)で表される化合物の製造方法としては、特に限定されず、例えば公知の方法によって製造することができる。例えば、ジアミン化合物と酸無水物化合物とを反応させることによって得ることができる。
上述した一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物は、いずれも、テトラリン環のベンジル位に水素を有するものであり、後述する遷移金属触媒と併用することでベンジル位の水素が引き抜かれ、これにより優れた酸素吸収能を発現する。
また、本実施形態の酸素吸収性組成物は、酸素吸収後の臭気強度の増大が抑制されたものである。その理由は明らかではないが、例えば以下の酸化反応機構が推測される。すなわち、上記の一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物においては、まずテトラリン環のベンジル位にある水素が引き抜かれてラジカルが生成し、その後、ラジカルと酸素との反応によりベンジル位の炭素が酸化され、ヒドロキシ基又はケトン基が生成すると考えられる。そのため、酸素吸収性組成物としては、従来技術のような酸化反応による酸素吸収主剤の分子鎖の切断がなく、酸素吸収主剤(化合物)の構造が維持されるため、臭気の原因となる低分子量の有機化合物が酸素吸収後に生成し難く、その結果、酸素吸収後の臭気強度の増大が抑制されているものと推測される。この観点からも、テトラリン環を有する化合物においては、テトラリン環の数が多いほど好ましい。これによって酸素との反応点が多くなり、一層優れた酸素吸収能となる。さらに、上記したテトラリン環のベンジル位にある水素は、少なくとも1つのテトラリン環上に存在していればよいが、例えば、置換基として一般式(1a)や一般式(1b)を有する場合、上記した観点から、一般式(1a)や一般式(1b)のテトラリン環にも上記したベンジル位に結合した水素が存在することが好ましい。
上述した一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物の分子量は、所望する特性や導入する置換基R〜Rに応じて適宜調整でき、特に限定されない。使用中の揮発による損失を抑制するとともに化合物単位質量当たりの酸素吸収量を大きくする観点から、その分子量は190〜1500の範囲であることが好ましく、より好ましくは210〜1200、さらに好ましくは250〜1000である。なお、上述した一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物は、1種を単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物の中でも、使用時の揮発による損失を抑制する観点では、沸点が高い、すなわち使用時の温度における蒸気圧が低いものが好ましく用いられる。例えば、前記化合物としては、熱可塑性樹脂との混練温度における蒸気圧が低いものほど、酸素吸収性組成物の製造時の揮発による損失を抑制できるため好ましい。かかる揮発による損失の指標としては、例えば、3%重量減少温度を採用することができる。すなわち、前記化合物は、3%重量減少温度が100℃以上であることが好ましく、より好ましくは150℃以上、さらに好ましくは200℃以上である。なお、かかる3%重量減少温度の上限値は特に限定されない。
酸素吸収性組成物中の、一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物と後述する熱可塑性樹脂との総量に対する、一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物の割合は、1〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは1.5〜25質量%であり、さらに好ましくは2〜20質量%である。一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物の割合を、上記下限値以上とすることで、酸素吸収性能をより高めることができ、上記上限値以下とすることで、成形性をより高めることができる。
<遷移金属触媒>
本実施形態の酸素吸収性組成物において使用される遷移金属触媒としては、上記のテトラリン環を有する化合物の酸化反応の触媒として機能し得るものであれば、公知のものから適宜選択して用いることができ、特に限定されない。
かかる遷移金属触媒の具体例としては、例えば、遷移金属の有機酸塩、ハロゲン化物、燐酸塩、亜燐酸塩、次亜燐酸塩、硝酸塩、硫酸塩、酸化物、水酸化物等が挙げられる。ここで、遷移金属触媒に含まれる遷移金属としては、例えば、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルテニウム、ロジウム等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの中でも、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅が好ましい。また、有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、オクタノイック酸、ラウリン酸、ステアリン酸、アセチルアセトン、ジメチルジチオカルバミン酸、パルミチン酸、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、リノール酸、トール酸、オレイン酸、カプリン酸、ナフテン酸が挙げられるが、これらに限定されない。遷移金属触媒は、これらの遷移金属と有機酸とを組み合わせたものが好ましく、遷移金属がマンガン、鉄、コバルト、ニッケル又は銅であり、有機酸が酢酸、ステアリン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸又はナフテン酸である組み合わせがより好ましい。なお、遷移金属触媒は、1種を単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
遷移金属触媒の配合量は、使用する前記テトラリン環を有する化合物や熱可塑性樹脂や遷移金属触媒の種類及び所望の性能に応じて適宜設定でき、特に限定されない。酸素吸収性組成物の酸素吸収量の観点から、遷移金属触媒の配合量は、前記一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物と熱可塑性樹脂との合計量100質量部に対し、遷移金属量として0.001〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.005〜2質量部、さらに好ましくは0.01〜1質量部である。
また、例えば、前記化合物及び遷移金属触媒の混合物を、公知の造粒方法或いは成形方法等を適用して、粉体状、顆粒状、ペレット状又はその他の小片状に加工し、これを上述した熱可塑性樹脂に配合して、層Aとすることもできる。
ここで、本実施形態で用いる酸素吸収性組成物は、必要に応じて、さらに担体物質を含有していてもよい。このとき、担体物質を含有する酸素吸収性組成物は、前記化合物と熱可塑性樹脂と遷移金属触媒と担体物質との混合物として、そのまま酸素吸収剤として用いることができる。また、上述した一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物を必要に応じて遷移金属触媒とともに担体物質に担持或いは含浸させることで、前記化合物が担体物質に担持或いは含浸された担持体(以下、「酸素吸収剤担持体」ともいう。)とすることができ、この担持体を酸素吸収剤として用いることもできる。このように前記化合物を担体物質に担持或いは含浸させることにより、酸素との接触面積を大きくし、酸素吸収速度又は酸素吸収量を増加させることができ、また、取り扱いを簡便にすることができる。
上記の担体物質としては、当業界で公知のものの中から適宜選択して用いることができる。その具体例としては、例えば、合成ケイ酸カルシウム、消石灰、活性炭、ゼオライト、パーライト、珪藻土、活性白土、シリカ、カオリン、タルク、ベントナイト、活性アルミナ、石膏、シリカアルミナ、ケイ酸カルシウム、酸化マグネシウム、黒鉛、カーボンブラック、水酸化アルミニウム、酸化鉄等の粉末が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらの中でも、合成ケイ酸カルシウム、珪藻土、シリカ、活性炭が好ましく用いられる。なお、担体物質は、1種を単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
担体物質の配合量は、使用する前記化合物や熱可塑性樹脂や遷移金属触媒の種類及び所望の性能に応じて適宜設定でき、特に限定されないが、一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物100質量部に対し、10〜1000質量部であることが好ましく、より好ましくは20〜800質量部である。
なお、前記化合物の担体物質への担持は、常法にしたがって行うことができ、特に限定されない。例えば、上述した一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物を含有する混合液、又はこの化合物と遷移金属触媒とを含有する混合液を調製し、担体物質にこの混合液を塗布し、或いは、この混合液中に担体物質を浸漬させる等して、前記化合物(及び必要に応じて遷移金属触媒)が担体物質に担持(含浸)された酸素吸収剤担持体を得ることができる。なお、前記混合液の調製時には、さらに溶媒を含有させることができる。前記化合物や遷移金属触媒が固体である場合、溶媒を用いることでこれらを担体物質に効率的に担持させることができる。ここで使用する溶媒は、前記化合物や遷移金属触媒の溶解性等を考慮して公知のものの中から適宜選択して用いることができ、特に限定されないが、例えば、メタノール、2−プロパノール、エチレングリコール、トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、クロロホルム等の有機溶媒が好ましく、メタノール、2−プロパノール、酢酸エチル、メチルエチルケトンがより好ましい。なお、溶媒は、1種を単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
<熱可塑性樹脂>
本実施形態の酸素吸収性組成物は、熱可塑性樹脂を含有する。このとき、酸素吸収性組成物中における前記テトラリン環を有する化合物と遷移金属触媒の含有形態は、特に限定されない。例えば、前記テトラリン環を有する化合物及び遷移金属触媒が熱可塑性樹脂中にそのまま含有されていても、前記テトラリン環を有する化合物及び遷移金属触媒が上述した担体物質に担持された状態で熱可塑性樹脂中に含有されていてもよい。
上記の酸素吸収性組成物の調製方法は、常法にしたがって行うことができ、特に限定されない。例えば、前記テトラリン環を有する化合物と遷移金属触媒と必要に応じて配合される担体物質とを、熱可塑性樹脂に混合又は混練することで、酸素吸収性組成物を得ることができる。
上記の熱可塑性樹脂としては、公知のものを適宜用いることができ、特に限定されないが、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、あるいはエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同士のランダム又はブロック共重合体等のポリオレフィン;無水マレイン酸グラフトポリエチレンや無水マレイン酸グラフトポリプロピレン等の酸変性ポリオレフィン;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体やそのイオン架橋物(アイオノマー)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン−ビニル化合物共重合体;ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、α−メチルスチレン−スチレン共重合体等のスチレン系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のポリビニル化合物;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等のポリアミド;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG)、ポリエチレンサクシネート(PES)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリエチレンオキサイド等のポリエーテル等あるいはこれらの混合物等が挙げられる。なお、熱可塑性樹脂は、1種を単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、植物由来樹脂及び塩素系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。さらに、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、及び塩素系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。以下、これらの好ましい熱可塑性樹脂について詳述する。
<ポリオレフィン>
本実施形態の酸素吸収性組成物に用いられるポリオレフィンとしては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1等のオレフィン単独重合体;エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレン−ポリブテン−1共重合体、エチレン−環状オレフィン共重合体等のエチレンとα−オレフィンとの共重合体;エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等のエチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体等のエチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のその他のエチレン共重合体;環状オレフィン類開環重合体及びその水素添加物;環状オレフィン類−エチレン共重合体;とこれらのポリオレフィンを無水マレイン酸等の酸無水物等でグラフト変性したグラフト変性ポリオレフィン等を挙げることができる。
<ポリエステル>
本実施形態の酸素吸収性組成物に用いられるポリエステルとしては、例えば、ジカルボン酸を含む多価カルボン酸及びこれらのエステル形成性誘導体から選ばれる1種又は2種以上とグリコールを含む多価アルコールから選ばれる1種又は2種以上とからなるもの、又はヒドロキシカルボン酸及びこれらのエステル形成性誘導体からなるもの、又は環状エステルからなるもの等が挙げられる。エチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルは、エステル反復単位の大部分、一般に70モル%以上をエチレンテレフタレート単位が占めるものであり、ガラス転移点(Tg)が50〜90℃、融点(Tm)が200〜275℃の範囲にあるものが好適である。エチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルとしてポリエチレンテレフタレートが耐圧性、耐熱性、耐熱圧性等の点で特に優れているが、エチレンテレフタレート単位以外にイソフタル酸やナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸とプロピレングリコール等のジオールからなるエステル単位の少量を含む共重合ポリエステルも使用できる。
ジカルボン酸の具体例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、3−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルナンジカルボン酸、ダイマー酸等に例示される飽和脂肪族ジカルボン酸又はこれらのエステル形成性誘導体、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸等に例示される不飽和脂肪族ジカルボン酸又はこれらのエステル形成性誘導体、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸類、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸等に例示される芳香族ジカルボン酸又はこれらのエステル形成性誘導体、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、5−リチウムスルホイソフタル酸、2−リチウムスルホテレフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、2−カリウムスルホテレフタル酸等に例示される金属スルホネート基含有芳香族ジカルボン酸又はそれらの低級アルキルエステル誘導体等が挙げられる。
上記のジカルボン酸のなかでも、得られるポリエステルの物理特性等の観点から、特に、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸類の使用が好ましい。なお、必要に応じて他のジカルボン酸を共重合してもよい。
これらジカルボン酸以外の多価カルボン酸の具体例としては、エタントリカルボン酸、プロパントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、及びこれらのエステル形成性誘導体等が挙げられる。
グリコールの具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジエタノール、1,10−デカメチレングリコール、1,12−ドデカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等に例示される脂肪族グリコール、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビスフェノ−ル、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビスフェノールA、ビスフェノールC、2,5−ナフタレンジオール、これらのグリコールにエチレンオキシドが付加されたグリコール等に例示される芳香族グリコールが挙げられる。
上記のグリコールのなかでも、特に、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールを主成分として使用することが好適である。
これらグリコール以外の多価アルコールの具体例としては、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセロ−ル、ヘキサントリオール等が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸の具体例としては、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、ヒドロキシ酢酸、3−ヒドロキシ酪酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、又はこれらのエステル形成性誘導体等が挙げられる。
環状エステルの具体例としては、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、β−メチル−β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、グリコリド、ラクチド等が挙げられる。
多価カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体の具体例としては、これらのアルキルエステル、酸クロライド、酸無水物等が挙げられる。
上述したものの中でも、主たる酸成分がテレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体もしくはナフタレンジカルボン酸類又はそのエステル形成性誘導体であり、主たるグリコール成分がアルキレングリコールであるポリエステルが好ましい。
なお、主たる酸成分がテレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体であるポリエステルは、全酸成分に対してテレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体を合計して70モル%以上含有するポリエステルであることが好ましく、より好ましくは80モル%以上含有するポリエステルであり、さらに好ましくは90モル%以上含有するポリエステルである。同様に、主たる酸成分がナフタレンジカルボン酸類又はそのエステル形成性誘導体であるポリエステルは、ナフタレンジカルボン酸類又はそのエステル形成性誘導体を合計して70モル%以上含有するポリエステルであることが好ましく、より好ましくは80モル%以上含有するポリエステルであり、さらに好ましくは90モル%以上含有するポリエステルである。
上述したナフタレンジカルボン酸類又はそのエステル形成性誘導体の中でも、ジカルボン酸類において例示した1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、又はこれらのエステル形成性誘導体が好ましい。
また、上述した主たるグリコール成分がアルキレングリコールであるポリエステルは、全グリコール成分に対してアルキレングリコールを合計して70モル%以上含有するポリエステルであることが好ましく、より好ましくは80モル%以上含有するポリエステルであり、さらに好ましくは90モル%以上含有するポリエステルである。なお、ここでいうアルキレングリコールは、分子鎖中に置換基や脂環構造を含んでいてもよい。
上記テレフタル酸/エチレングリコール以外の共重合成分は、透明性と成形性とを両立する観点から、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール及び2−メチル−1,3−プロパンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることが好ましく、イソフタル酸、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることがより好ましい。
本実施形態の酸素吸収性組成物に用いられるポリエステルの好ましい一例は、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートから構成されるポリエステルである。より好ましくはエチレンテレフタレート単位を70モル%以上含む線状ポリエステルであり、さらに好ましくはエチレンテレフタレート単位を80モル%以上含む線状ポリエステルであり、特に好ましいのはエチレンテレフタレート単位を90モル%以上含む線状ポリエステルである。
また本実施形態の酸素吸収性組成物に用いられるポリエステルの好ましい他の一例は、主たる繰り返し単位がエチレン−2,6−ナフタレートから構成されるポリエステルである。より好ましくはエチレン−2,6−ナフタレート単位を70モル%以上含む線状ポリエステルであり、さらに好ましくはエチレン−2,6−ナフタレート単位を80モル%以上含む線状ポリエステルであり、特に好ましいのは、エチレン−2,6−ナフタレート単位を90モル%以上含む線状ポリエステルである。
また、本実施形態の酸素吸収性組成物に用いられるポリエステルの好ましいその他の例としては、プロピレンテレフタレート単位を70モル%以上含む線状ポリエステル、プロピレンナフタレート単位を70モル%以上含む線状ポリエステル、1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート単位を70モル%以上含む線状ポリエステル、ブチレンナフタレート単位を70モル%以上含む線状ポリエステル、又はブチレンテレフタレート単位を70モル%以上含む線状ポリエステルである。
透明性と成形性との両立の観点から、特に好適なポリエステルとしては、ポリエステル全体の組み合わせとして、テレフタル酸/イソフタル酸/エチレングリコールの組み合わせ、テレフタル酸/エチレングリコール/1,4−シクロヘキサンジメタノールの組み合わせ、テレフタル酸/エチレングリコール/ネオペンチルグリコールの組み合わせである。なお、当然ではあるが、上記のポリエステルは、エステル化(エステル交換)反応や重縮合反応中のエチレングリコールの二量化により生じるジエチレングリコールを少量(5モル%以下)含んでいてもよいことはいうまでもない。
また本実施形態の酸素吸収性組成物に用いられるポリエステルの好ましいその他の例としては、グリコール酸やグリコール酸メチルの重縮合もしくは、グリコリドの開環重縮合にて得られるポリグリコール酸が挙げられる。なお、このポリグリコール酸は、ラクチド等の他成分が共重合されているものであってもよい。
<ポリアミド>
本実施形態の酸素吸収性組成物に用いられるポリアミドとしては、例えば、ラクタムもしくはアミノカルボン酸から誘導される単位を主構成単位とするポリアミドや、脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸とから誘導される単位を主構成単位とする脂肪族ポリアミド、脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸とから誘導される単位を主構成単位とする部分芳香族ポリアミド、芳香族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸とから誘導される単位を主構成単位とする部分芳香族ポリアミド等が挙げられる。なお、ここでいうポリアミドは、必要に応じて、主構成単位以外のモノマー単位が共重合されたものであってもよい。
ラクタムもしくはアミノカルボン酸の具体例としては、ε−カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、アミノウンデカン酸等のアミノカルボン酸類、パラ−アミノメチル安息香酸のような芳香族アミノカルボン酸等が挙げられる。
脂肪族ジアミンの具体例としては、炭素数2〜12の脂肪族ジアミン或いはその機能的誘導体、脂環族のジアミン等が挙げられる。なお、脂肪族ジアミンは、直鎖状の脂肪族ジアミンであっても分岐を有する鎖状の脂肪族ジアミンであってもよい。このような直鎖状の脂肪族ジアミンの具体例としては、エチレンジアミン、1−メチルエチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン等が挙げられる。また、脂環族ジアミンの具体例としては、シクロヘキサンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
また、脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、直鎖状の脂肪族ジカルボン酸や脂環族ジカルボン酸等が挙げられる。とりわけ、炭素数4〜12のアルキレン基を有する直鎖状脂肪族ジカルボン酸が好ましい。直鎖状脂肪族ジカルボン酸としては、アジピン酸、セバシン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ウンデカン酸、ウンデカジオン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸及びこれらの機能的誘導体等が挙げられる。また、脂環族ジカルボン酸としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等が挙げられる。
また、芳香族ジアミンの具体例としては、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、パラ−ビス(2−アミノエチル)ベンゼン等が挙げられる。
また、芳香族ジカルボン酸の具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸及びその機能的誘導体等が挙げられる。
具体的なポリアミドとしては、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド10、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド4,6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,10、ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミド6IT、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、イソフタル酸共重合ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6I)、ポリメタキシリレンセバカミド(ポリアミドMXD10)、ポリメタキシリレンドデカナミド(ポリアミドMXD12)、ポリ1,3−ビスアミノシクロヘキサンアジパミド(ポリアミドBAC6)、ポリパラキシリレンセバカミド(ポリアミドPXD10)等がある。より好ましいポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミドMXD6、ポリアミドMXD6Iが挙げられる。
また、前記ポリアミドに共重合されていてもよい共重合成分としては、少なくとも一つの末端アミノ基、もしくは末端カルボキシル基を有する数平均分子量が2000〜20000のポリエーテル、又は前記末端アミノ基を有するポリエーテルの有機カルボン酸塩、又は前記末端カルボキシル基を有するポリエーテルのアミノ塩を用いることもできる。その具体例としては、ビス(アミノプロピル)ポリ(エチレンオキシド)(数平均分子量が2000〜20000のポリエチレングリコール)が挙げられる。
また、前記部分芳香族ポリアミドは、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3塩基以上の多価カルボン酸から誘導される構成単位を実質的に線状である範囲内で含有していてもよい。
<エチレン−ビニルアルコール共重合体>
本実施形態の酸素吸収性組成物に用いられるエチレンビニルアルコール共重合体としては、エチレン含量が15〜60モル%であり、且つ、酢酸ビニル成分のケン化度が90モル%以上のものが好適である。エチレン含量は、好ましくは20〜55モル%であり、より好ましくは29〜44モル%である。また、酢酸ビニル成分のケン化度は、好ましくは95モル%以上である。なお、エチレンビニルアルコール共重合体は、プロピレン、イソブテン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のα−オレフィン、不飽和カルボン酸又はその塩、部分アルキルエステル、完全アルキルエステル、ニトリル、アミド、無水物、不飽和スルホン酸又はその塩等の少量のコモノマーをさらに含んでいてもよい。
<植物由来樹脂>
本実施形態の酸素吸収性組成物に用いられる植物由来樹脂としては、原料として植物由来物質を含む樹脂であればよく、その原料となる植物は特に限定されない。植物由来樹脂の具体例としては、脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂が挙げられる。また、脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂としては、例えば、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)等のポリ(α−ヒドロキシ酸);ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリエチレンサクシネート(PES)等のポリアルキレンアルカノエート等が挙げられる。
<塩素系樹脂>
本実施形態の酸素吸収性組成物に用いられる塩素系樹脂としては、構成単位に塩素を含む樹脂であればよく、公知の樹脂を用いることができる。塩素系樹脂の具体例としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、及び、これらと酢酸ビニル、マレイン酸誘導体、高級アルキルビニルエーテル等との共重合体等が挙げられる。
上記の例示した熱可塑性樹脂の中でも、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ナイロン6(PA6)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)が、食品用包装材料として好ましく用いられる。
なお、本実施形態の酸素吸収性組成物は、酸素吸収反応を促進させるために、必要に応じて、さらにラジカル発生剤や光開始剤を含有していてもよい。ラジカル発生剤の具体例としては、各種のN−ヒドロキシイミド化合物が挙げられ、例えば、N−ヒドロキシコハクイミド、N−ヒドロキシマレイミド、N,N’−ジヒドロキシシクロヘキサンテトラカルボン酸ジイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシテトラクロロフタルイミド、N−ヒドロキシテトラブロモフタルイミド、N−ヒドロキシヘキサヒドロフタルイミド、3−スルホニル−N−ヒドロキシフタルイミド、3−メトキシカルボニル−N−ヒドロキシフタルイミド、3−メチル−N−ヒドロキシフタルイミド、3−ヒドロキシ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−ニトロ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−クロロ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−メトキシ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−ジメチルアミノ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−カルボキシ−N−ヒドロキシヘキサヒドロフタルイミド、4−メチル−N−ヒドロキシヘキサヒドロフタルイミド、N−ヒドロキシヘット酸イミド、N−ヒドロキシハイミック酸イミド、N−ヒドロキシトリメリット酸イミド、N,N−ジヒドロキシピロメリット酸ジイミド等が挙げられるが、これらに特に限定されない。また、光開始剤の具体例としては、ベンゾフェノンとその誘導体、チアジン染料、金属ポルフィリン誘導体、アントラキノン誘導体等が挙げられるが、これらに特に限定されない。なお、これらのラジカル発生剤及び光開始剤は、1種を単独で或いは2種以
上を組み合わせて用いることができる。
また、上記の酸素吸収性組成物は、本実施形態の効果を損なわない範囲で、当業界で公知の各種添加剤を含有していてもよい。かかる任意成分としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、シリカ等の充填剤、乾燥剤、顔料、染料、酸化防止剤、スリップ剤、帯電防止剤、安定剤、可塑剤、消臭剤等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
[熱可塑性樹脂層(層B)]
本実施形態の酸素吸収性多層体の熱可塑性樹脂層(層B)は、熱可塑性樹脂を含有する層である。層B中の熱可塑性樹脂の含有割合は、適宜設定でき、特に限定されないが、層Bの総量に対して、70〜100質量%が好ましく、より好ましくは80〜100質量%であり、さらに好ましくは90〜100質量%である。
本実施形態の酸素吸収性多層体は、層Bを複数有していてもよく、複数の層Bの構成は互いに同一であっても異なっていてもよい。また、本実施形態の酸素吸収性多層体において、層Bの厚みは、用途や所望する性能に応じて適宜決定することができ、特に限定されないが、多層体に要求される落下耐性等の強度や柔軟性等の諸物性を確保するという観点から、5〜1000μmが好ましく、より好ましくは10〜800μm、さらに好ましくは20〜500μmである。
本実施形態の酸素吸収性多層体の層Bの熱可塑性樹脂としては、任意の熱可塑性樹脂を使用することができ、特に限定されない。例えば、上述した層Aで使用する熱可塑性樹脂と同一であってもよいし、異なっていてもよい。本実施形態の層Bは、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、植物由来樹脂及び塩素系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。また、本実施形態の層Bに用いる熱可塑性樹脂は、層Bの総量に対して50〜100質量%含むものが好ましく、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%である。
層Bに用いることができる熱可塑性樹脂として挙げたポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、植物由来樹脂、塩素系樹脂については、層Aに用いることができる熱可塑性樹脂として例示したものをそれぞれ使用できる。
また、本実施形態の酸素吸収性多層体の層Bは、上記の熱可塑性樹脂以外に、当業界で公知の各種添加剤を含有していてもよい。かかる任意成分としては、例えば、乾燥剤、酸化チタン等の着色顔料、染料、酸化防止剤、スリップ剤、帯電防止剤、可塑剤、安定剤、滑剤等の添加剤、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、シリカ等の充填剤、消臭剤等が挙げられるが、これらに特に限定されない。特に、製造中に発生した端材をリサイクルして再加工する観点から、層Bに酸化防止剤を配合することが好ましい。
[他の層]
本実施形態の酸素吸収性多層体は、所望する性能等に応じて、上述した酸素吸収層(層A)及び樹脂層(層B)の他に、任意の層をさらに含んでいてもよい。そのような任意の層としては、例えば、接着層、金属箔、金属蒸着層及び有機−無機膜等が挙げられる。
例えば、隣接する2つの層の間の層間接着強度をより高める観点から、当該2つの層の間に接着層(層AD)を設けることが好ましい。接着層は、接着性を有する熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。接着性を有する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂;ポリエステル系ブロック共重合体を主成分としたポリエステル系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。また、上述した樹脂層(層B)との接着性を高める観点からは、層Bに用いられている熱可塑性樹脂と同種の樹脂を変性したものが好ましい。なお、接着層の厚みは、特に限定されないが、実用的な接着強度を発揮しつつ成形加工性を確保するという観点から、2〜100μmであることが好ましく、より好ましくは5〜90μm、さらに好ましくは10〜80μmである。
また、ガスバリア性及び遮光性をより高める観点からは、上述した層A又は層Bの一方の面に金属箔、金属蒸着層又は有機−無機膜等を設けることが好ましい。ここで、金属箔としては、特に限定されないが、アルミニウム箔が好ましい。また、金属箔の厚みは、ガスバリア性、遮光性及び耐屈曲性等の観点から、3〜50μmが好ましく、より好ましくは3〜30μm、さらに好ましくは5〜15μmである。一方、金属蒸着層としては、特に限定されないが、アルミニウムやアルミナ等の金属又は金属酸化物の膜が蒸着された樹脂フィルム等が好ましい。なお、蒸着膜の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法や、PECVD等の化学蒸着法等が挙げられるが、これらに特に限定されず、公知の方法を適用可能である。また、蒸着膜の厚みは、ガスバリア性、遮光性及び耐屈曲性等の観点から、5〜500nmが好ましく、より好ましくは5〜200nmである。他方、有機−無機膜層としては、特に限定されないが、ゾルゲル法などから作成されるシリカ−ポリビニルアルコールハイブリッド膜等がコーティングされた樹脂フィルム等が好ましい。また、コーティング膜の厚みは、ガスバリア性、遮光性及び耐屈曲性等の観点から、100nm〜50μmが好ましく、より好ましくは1〜15μmである。
さらに、本実施形態の酸素吸収性多層体を後述する容器等として用いる場合、酸素吸収性容器の開封を容易にするために、易剥離層や易引裂層を含んでいてもよい。易剥離層としては、例えば、2種類以上の異なるポリオレフィンをブレンドして、シール強度と剥離強度を制御したフィルムが一般的に知られている。また、易引裂層としては、例えば、ナイロン6にナイロンMXD6をブレンドした易引裂性フィルムが一般的に知られている。
本実施形態の酸素吸収性多層体は、各種材料の性状、加工目的、加工工程等に応じて、共押出法、各種ラミネート法、各種コーティング法などの公知の方法を利用して製造することができ、その製造方法は特に限定されない。例えば、フィルムやシートの成形については、Tダイ、サーキュラーダイ等が付属した押出機から溶融した樹脂組成物を押し出して製造する方法や、別途製膜した酸素吸収性フィルムもしくはシートに接着剤を塗布し、他のフィルムやシートと貼り合わせることで製造する方法がある。さらに必要に応じて、例えば、コロナ処理、オゾン処理等の前処理をフィルム等に施すことができ、また、例えば、イソシアネート系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、有機チタン系等のアンカーコーティング剤、或いはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系、その他等の、ラミネート用接着剤等の公知のアンカーコート剤、接着剤等を使用することもできる。
[酸素吸収性容器]
本実施形態の酸素吸収性容器は、上述した酸素吸収性多層体を包装容器の全体又は一部に含むものである。本実施形態の酸素吸収性容器は、容器内の酸素を吸収して、容器外から容器壁面を透過する或いは侵入する酸素がわずかでもある場合にはこの透過或いは侵入する酸素をも吸収して、保存する内容物品(被保存物)の酸素による変質等を防止することができる。
本実施形態の酸素吸収性容器の形状は特に限定されず、収納、保存する物品に応じて適宜設定することができる。このような容器としては、パウチ、カップ、トレイ、ボトル等として好適に用いることができる。
さらに、例えば、上記のフィルム状或いはシート状の酸素吸収性多層体を製袋することで、三方シール平袋、スタンディングパウチ、ガセット包装袋、ピロー包装袋、主室と副室とからなり主室と副室との間に易剥離壁を設けた多室パウチ、シュリンクフィルム包装等とすることができる。また、熱成形を施すことで、任意の形状の容器にすることもできる。
より具体的には、上記のフィルム状或いはシート状の酸素吸収性多層体を、真空成形、圧空成形、プラグアシスト成形等の方法で成形することにより、トレイ、カップ、ボトル、チューブ、PTP(プレス・スルー・パック)等の所定の形状の酸素吸収性容器を作製することができる。また、射出機を用い、溶融した樹脂を、多層多重ダイスを通して射出金型中に共射出又は逐次射出することによって所定の形状の多層容器に一挙に成形することもできる。
なお、フランジ部を有する熱成形容器を作製する場合には、そのフランジ部に易剥離機能を付与する特殊加工を施してもよい。また、上記の酸素吸収性多層体を容器の蓋材、トップシール等の部材として用いることで、これらの容器に酸素吸収機能を付与することができる。
本実施形態の酸素吸収性多層体を使用するにあたり、エネルギー線を照射して、酸素吸収反応の開始を促進したり、酸素吸収速度を高めたりすることができる。エネルギー線としては、例えば、可視光線、紫外線、X線、電子線、γ線等を利用可能である。照射エネルギー量は、用いるエネルギー線の種類に応じて、適宜選択することができる。
なお、これらの被保存物の充填(包装)前後に、被保存物に適した形で、容器や被保存物の殺菌処理を施すことができる。殺菌方法としては、例えば、100℃以下での熱水処理、100℃以上の加圧熱水処理、130℃以上の超高温加熱処理等の加熱殺菌、紫外線、マイクロ波、ガンマ線等の電磁波殺菌、エチレンオキサイド等のガス処理、過酸化水素や次亜塩素酸等の薬剤殺菌等が挙げられる。
以下の実施例及び比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。なお、特に記載が無い限り、NMR測定は室温で行った。
(合成例1)テトラリン環を有するジエステル化合物A
温度計、分縮器、全縮器、撹拌装置を備えた反応器に、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメチル248g(1.0mol)、n−ヘキシルアルコール409g(4.0mol)、テトラブチルチタネート0.34gを仕込み、窒素雰囲気下で150℃まで昇温し、生成するメタノールを系外へ除きながら反応を行った。メタノールの生成が止まった後、室温まで冷却し、未反応のn−ヘキシルアルコールを減圧除去することにより、ジエステル化合物Aを得た。示差熱・熱重量同時測定装置(株式会社島津製作所製、商品名「DTG―60」)を用いて、得られた化合物の3%重量減少温度を測定した。得られた化合物の構造式及び分子量、3%重量減少温度を表1に示す。なお、NMRの分析結果は下記の通りである。H‐NMR(400MHz CDCl)δ7.73−7.79(2H m)、7.16(1H d)、4.29(2H t)、4.10(2H t)、3.01−3.08(2H m)、2.82−2.97(2H m)、2.70−2.78(1H m)、2.18−2.24(1H m)、1.84−1.94(1H m)、1.71−1.79(2H m)、1.58−1.68(2H m)、1.25−1.48(12H m)、0.90(6H t)。
(合成例2)テトラリン環を有するジエステル化合物B
n−ヘキシルアルコールに代えてn−オクチルアルコールを用い、その配合量を521g(4.0mol)とし、反応温度を190℃とすること以外は、合成例1と同様の操作を行い、ジエステル化合物Bを得た。得られた化合物の構造式を表1に示す。なお、NMRの分析結果は下記の通りである。H‐NMR(400MHz CDCl)δ7.68−7.74(2H m)、7.10(1H d)、4.23(2H t)、4.04(2H t)、2.92−3.00(2H m)、2.72−2.89(2H m)、2.63−2.70(1H m)、2.10−2.18(1H m)、1.76−1.85(1H m)、1.63−1.72(2H m)、1.50−1.59(2H m)、1.09−1.40(20H m)、0.90(6H t)。
(合成例3)テトラリン環を有するジエステル化合物C
1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメチルに代えて1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,8−ジカルボン酸ジメチルを用いた以外は、合成2と同様の操作を行い、ジエステル化合物Cを得た。得られた化合物の構造式を表1に示す。なお、NMRの分析結果は下記の通りである。H‐NMR(400MHz CDCl)δ7.78(1H d)、7.17−7.29(2H m)、4.50(1H t)、4.22(2H t)、3.98−4.12(2H m)、2.76−2.93(2H m)、2.21−2.30(1H m)、1.89−1.99(1H m)、1.67−1.83(4H m)、1.50−1.63(3H m)、1.18−1.44(19H m)、0.89(6H t)。
(合成例4)テトラリン環を有するジエステル化合物D
温度計、分縮器、全縮器、撹拌装置を備えた反応器に、アジピン酸ジメチル108g(0.62mmol)、6−ヒドロキシメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン300g(1.85mmol)を仕込み、130℃まで昇温した。チタンテトラブトキシド0.58gを添加した後に、200℃まで昇温し、生成するメタノールを系外へ除きながら反応を行った。メタノールの生成が止まった後、室温まで冷却し、未反応の6−ヒドロキシメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンを減圧除去した後に、再結晶により、ジエステル化合物Dを得た。得られた化合物の構造式を表1に示す。なお、NMRの分析結果は下記の通りである。H‐NMR(400MHz CDCl)δ7.00(6H m)、5.02(4H s)、2.70−2.79(8H m)、2.34(4H t)、1.74−1.83(8H m)、1.64−1.70(4H m)。
(合成例5)テトラリン環を有するジアミド化合物E
温度計、撹拌装置を備えた2000mLオートクレーブに1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメチル248g(1.0mol)、n−ヘキシルアミン607g(6.0mol)を仕込み、窒素置換した後、220℃まで昇温し5時間加熱撹拌した。室温まで冷却後、ろ過し、再結晶によりジアミド化合物Eを得た。得られた化合物の構造式を表1に示す。なお、NMRの分析結果は下記の通りである。H‐NMR(400MHz CDCl)δ7.42(1H s)、7.37(1H d)、7.04(1H d)、5.99(1H m)、5.53(1H m)、3.32−3.41(2H m)、3.15−3.24(2H m)、2.68−3.03(4H m)、2.35−2.43(1H m)、1.97−2.05(1H m)、1.76−1.87(1H m)、1.17−1.58(12H m)、0.83(6H t)。
(実施例1)
直径37mmのスクリューを2本有する2軸押出機を用いて、エチレン−ビニルアルコール共重合体(製品名;株式会社クラレ製「エバールSP521B」、以下、「EVOH」とも略する。)95質量部に対し、ジエステル化合物A5質量部、及び、コバルト量が0.05質量部となるようステアリン酸コバルト(II)を220℃で溶融混練し、押出機ヘッドからストランドを押し出し、冷却後、ペレタイジングすることで酸素吸収性組成物を得た。
次に、第1〜第3押出機、フィードブロック、Tダイ、冷却ロールおよびシート引取機を備えた3種5層多層シート成形装置を用い、第1押出機からポリプロピレン(製品名;日本ポリプロ株式会社製「ノバテックPP FY6C」、以下、「PP1」とも略する。)、第2押出機から前記酸素吸収性組成物、第3押出機から接着性ポリプロピレン(製品名;三菱化学株式会社製「モディック P604V」、以下、「接着性PP」とも略する。)をそれぞれ押し出し、フィードブロックを介して、酸素吸収性多層シートを得た。該多層シートの層構成は、内層よりPP1(400μm)/接着性PP(15μm)/酸素吸収層(100μm)/接着性PP(15μm)/PP1(400μm)であった。尚、括弧内のμm単位の数字は厚さを示す。以下の実施例でも特別な断りがない限り、同様に表記する。
次いで、プラグアシストを備えた真空圧空成形機を使用して、酸素吸収性多層シートの熱成形加工を行い、内容積400cc、表面積200cmのトレイ状酸素吸収性多層容器を得た。
得られた酸素吸収性多層容器に、洗米110gと殺菌水90gを入れ、容器内酸素を窒素ガスにて置換して酸素濃度を0.2vol%とした。次いで、蓋材としてガスバリアフィルム(製品名;株式会社クラレ製「エバールEFCR−15」)を使用し、前記容器をヒートシールにて密封した。この容器を加圧加熱釜に入れて105℃・40分加熱炊飯し、冷却後容器内酸素濃度を測定し、23℃・50%RHの条件下にて保存した。保存開始から3ヶ月後に容器内酸素濃度を再度測定し、開封して炊飯米の風味を確認した。これらの結果を表2に示した。
(実施例2)
ジエステル化合物Aに代えてジエステル化合物Bを用いた以外は、実施例1と同様にして酸素吸収性多層容器を作製し、実施例1と同様の保存試験を実施した。評価結果を表2に示す。
(実施例3)
ジエステル化合物Aに代えてジエステル化合物Cを用いた以外は、実施例1と同様にして酸素吸収性多層容器を作製し、実施例1と同様の保存試験を実施した。評価結果を表2に示す。
(実施例4)
ジエステル化合物Aに代えてジエステル化合物Dを用いた以外は、実施例1と同様にして酸素吸収性多層容器を作製し、実施例1と同様の保存試験を実施した。評価結果を表2に示す。
(実施例5)
ジエステル化合物Aに代えてジアミド化合物Eを用いた以外は、実施例1と同様にして酸素吸収性多層容器を作製し、実施例1と同様の保存試験を実施した。評価結果を表2に示す。
(比較例1)
ジエステル化合物Aを用いなかった以外は、実施例1と同様にして多層シート及び多層容器を作製して、実施例1と同様の保存試験を実施した。これらの結果を表2に示す。
実施例1〜5から明らかなように、本発明の酸素吸収性多層容器では、酸素吸収性能に優れ、米飯の風味が良好に保持され、米飯の保存に好適であった。

Claims (8)

  1. 米飯を、酸素吸収性組成物を含有する酸素吸収層と、熱可塑性樹脂を含有する熱可塑性樹脂層と、を有する酸素吸収性多層体を全部または一部に使用した酸素吸収性容器内に保存する、米飯の保存方法であって、
    前記酸素吸収性組成物が、下記一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物を少なくとも1種、遷移金属触媒、及び熱可塑性樹脂を含む、
    (式中、R〜R12は、それぞれ独立して、水素原子又は一価の置換基を示し、前記一価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、イミド基、下記一般式(1a)で表される置換基、及び下記一般式(1b)で表される置換基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、これらはさらに置換基を有していてもよく、R〜R12のうち2つの置換基が結合して環を形成していてもよい。テトラリン環のベンジル位には少なくとも1つ以上の水素原子が結合している。)
    (一般式(1a)及び一般式(1b)中、Rは、それぞれ独立して、一価の置換基を示し、前記一価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、及びイミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、これらはさらに置換基を有していてもよく、Rのうち2つの置換基が結合して環を形成していてもよい。Wは、結合手又は二価の有機基であり、前記二価の有機基は、芳香族炭化水素基、飽和もしくは不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基及び複素環基、−C(=O)−、−OC(=O)−、−N(H)C(=O)−、及びこれらの任意の組み合わせからなる群より選ばれる少なくとも1種である。mは0〜4の整数を示し、nは0〜7の整数を示し、pは0〜8の整数を示し、qは0〜3の整数を示す。)
    米飯の保存方法。
  2. 前記一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物が、2つ以上のカルボニル基を有する、請求項1に記載の米飯の保存方法。
  3. 前記一般式(1)において、R〜R12のうち、少なくとも2つ以上が、下記一般式(2)で表される一価の置換基である、

    −C(=O)−X (2)

    (式中、Xは、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、モノアルキルアミノ基、及びジアルキルアミノ基からなる群より選ばれる1つであり、複数のXは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。)
    請求項2に記載の米飯の保存方法。
  4. 前記一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物が、テトラリン環を2つ以上有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の米飯の保存方法。
  5. 前記酸素吸収性組成物中の、前記一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物と前記熱可塑性樹脂との総量に対する、前記一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物の割合が、1〜30質量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の米飯の保存方法。
  6. 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、及び塩素系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の米飯の保存方法。
  7. 前記遷移金属触媒は、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、及び銅からなる群より選ばれる少なくとも1種の遷移金属を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の米飯の保存方法。
  8. 前記酸素吸収性組成物中、前記遷移金属触媒が、前記一般式(1)で表されるテトラリン環を有する化合物と前記熱可塑性樹脂との総量100質量部に対して、遷移金属量として、0.001〜10質量部含まれる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の米飯の保存方法。
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