JP2014169686A - 火花点火式エンジン及びその運転制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】火花点火式エンジンにおいて、追加の対策を省略又は簡略した状態でも、混合気における組成を調整するだけで、サイクル変動の悪化やノッキングの発生を十分に抑制できる技術を提供する。
【解決手段】燃焼室10における混合気Mのエタンの含有率を調整可能なエタン含有率調整手段Xを備え、エタン含有率調整手段Xを制御して安定運転を維持する安定運転維持制御を実行する制御手段53を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃焼室に吸気される新気に炭化水素系の主燃料を混合して混合気を形成し、当該混合気を燃焼室で圧縮して点火プラグにより火花点火し燃焼させる火花点火式エンジンに関する。
火花点火式エンジンの燃焼室では、ピストンの上昇により圧縮された混合気中で点火プラグにより火花放電が行われることで火炎核が形成され、その火炎核を源とした火炎帯が混合気中を伝播し燃焼が進行する。このような火花点火による火炎伝播型の燃焼形態においては、火炎帯が比較的低温のシリンダ壁面に近づく火炎伝播後期において、当該シリンダ壁面の冷却作用により火炎帯が消炎することがある。更に、膨張行程では、体積増加に伴い燃焼室内の内部エネルギーが低下するために火炎帯の伝播が抑制される傾向にある。そのために、上記火炎伝播後期における火炎帯の消炎が助長される場合がある。そして、このような火炎伝播後期における火炎帯の消炎は、燃焼状態を不安定にしてエンジンのサイクル変動の悪化につながる。
一方で、火炎伝播後期において、火炎帯の伝播方向前方の末端にある未燃混合気が急速に圧縮されて、火炎帯が到達する前に自己着火することによりノッキングが発生することがある。このようなノッキングが発生した際に生じる圧力波は構成部品の損傷の要因となる。
このようなサイクル変動の悪化やノッキングの発生の問題を解決するための従来の火花点火式エンジンとして、天然ガス系の主燃料からアンチノック性が低いとされるプロパンやブタンを分離して、混合気におけるプロパンやブタンの含有率を減少させることでノッキングの発生の抑制を図り、更に、この分離したプロパンやブタンを点火プラグ近傍に集中的に供給する着火促進剤として供給することで燃焼安定性の向上を図るものが知られている(例えば特許文献1を参照)。
特開2009−167411号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の火花点火式エンジンのように、混合気におけるプロパンやブタンの含有率を調整するだけでは、サイクル変動の悪化やノッキングの発生を十分に抑制できない場合があった。
そこで、さらなる改良のために、点火プラグをシリンダ壁面に沿って複数設けて火炎帯を周囲から中央に向けて伝播させる多点点火方式を採用したり、ノッキングが発生している気筒に対して個別に空燃比を燃料リーン側に調整したり、ノッキングが発生している気筒に対して個別に点火時期を遅角化させるなどの対策が取られる場合があるが、かかる対策では、構成の煩雑化や出力低下などの様々な問題が発生する。
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、火花点火式エンジンにおいて、追加の対策を省略又は簡略した状態でも、混合気における組成を調整するだけで、サイクル変動の悪化やノッキングの発生を十分に抑制できる技術を提供する点にある。
この目的を達成するための本発明に係る火花点火式エンジンは、
燃焼室に吸気される新気に炭化水素系の主燃料を混合して混合気を形成し、当該混合気を燃焼室で圧縮して点火プラグにより火花点火し燃焼させる火花点火式エンジンであって、
その第1特徴構成は、
燃焼室における混合気のエタンの含有率を調整可能なエタン含有率調整手段を備え、
前記エタン含有率調整手段を制御して安定運転を維持する安定運転維持制御を実行する制御手段を備えた点にある。
本発明の発明者らは、鋭意研究により、炭化水素のうち、エタンが、プロパンやブタンなどの他の炭化水素と比較して、炭素数が小さく発火点が高いものの、着火に至るまでの着火過程の後期においてOHラジカルの生成速度が高まって温度上昇速度が加速される傾向にあることを発見し、更には、火花点火式エンジンにおけるサイクル変動の悪化やノッキングの発生のメカニズムが、このエタンの含有率が大きく関連していることを発見し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記第1特徴構成によれば、上記安定運転維持制御を実行することにより、燃焼室に供給される混合気におけるエタンの含有率が適切なものに制御されるので、火炎伝播後期における火炎帯の消炎や末端の未燃混合気の自己着火が抑制され、サイクル変動の悪化やノッキングの発生を十分に抑制した安定運転が維持されることになる。
従って、本発明により、追加の対策を省略又は簡略した状態でも、混合気における組成を調整するだけで、サイクル変動の悪化やノッキングの発生を十分に抑制できる火花点火式エンジンを実現することができる。
本発明に係る火花点火式エンジンの第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記エタン含有率調整手段が、燃焼室に対して添加量調整を伴ってエタンを添加可能なエタン添加手段である点にある。
上記第2特徴構成によれば、上記エタン添加手段により、燃焼室に対してエタンを添加すると共にその添加量を調整する形態で、燃焼室における混合気のエタンの含有率を調整することができる。
本発明に係る火花点火式エンジンの第3特徴構成は、上記第1乃至第2特徴構成の何れかに加えて、
ノッキングの発生を検出するノッキング検出手段を備え、
前記制御手段が、前記安定運転維持制御として、前記ノッキング検出手段でノッキングの発生が検出される場合に前記エタンの含有率を減少させる形態で前記エタン含有率調整手段を制御するノッキング抑制制御を実行する点にある。
上記第3特徴構成によれば、上記ノッキング抑制制御を実行することで、ノッキング検出手段でノッキングの発生が検出される場合に、燃焼室における混合気のエタンの含有率が減少される。すると、燃焼室において火炎帯の伝播方向前方の末端にある未燃混合気は、着火過程後期の温度上昇速度が低下してアンチノック性が高くなるので、ノッキングの発生を適切に抑制することができる。
本発明に係る火花点火式エンジンの第4特徴構成は、上記第1乃至第3特徴構成の何れかに加えて、
サイクル変動の悪化を検出するサイクル変動検出手段を備え、
前記制御手段が、前記安定運転維持制御として、前記サイクル変動検出手段でサイクル変動の悪化を検出した場合に前記エタンの含有率を増加させる形態で前記エタン含有率調整手段を制御するサイクル変動抑制制御を実行する点にある。
上記第4特徴構成によれば、上記サイクル変動抑制制御を実行することで、サイクル変動検出手段でサイクル変動の悪化が検出される場合に、燃焼室における混合気のエタンの含有率が増加される。すると、燃焼速度が高いエタンの含有率が増加することで当該混合気の火炎伝播速度が上昇して燃焼安定性が向上するので、サイクル変動の悪化を適切に抑制することができる。
本発明に係る火花点火式エンジンの第5特徴構成は、上記第1乃至第4特徴構成の何れかに加えて、
前記主燃料がメタンを主成分とする天然ガスである点にある。
上記第5特徴構成によれば、エタンはメタンに対して発火点が低い上に燃焼速度が高く、更に着火過程後期における温度上昇速度が大幅に高いことから、燃焼室に供給される主燃料がそのメタンを主成分とする天然ガスの場合には、上記安定運転維持制御において、燃焼室における混合気のエタンの含有率を調整することで、火炎帯の伝播方向前方の末端にある未燃混合気のアンチノック性や燃焼安定性を迅速かつ大幅に調整することができ、サイクル変動の悪化やノッキングの発生を一層確実に抑制することができる。
この目的を達成するための本発明に係る火花点火式エンジンの運転制御方法は、
燃焼室に吸気される新気に炭化水素系の主燃料を混合して混合気を形成し、当該混合気を燃焼室で圧縮して点火プラグにより火花点火し燃焼させる火花点火式エンジンの運転制御方法であって、
その特徴構成は、
燃焼室における混合気のエタンの含有率を調整可能なエタン含有率調整手段を設け、
前記エタン含有率調整手段を制御して安定運転を維持する安定運転維持制御を実行する点にある。
上記火花点火式エンジンの運転制御方法によれば、上述した本発明に係る火花点火式エンジンと同様に、エタン含有率調整手段を設けた上で、安定運転維持制御を実行するので、当該本発明に係る火花点火式エンジンで説明したものと同様の作用効果を奏することができる。
火花点火式エンジンの概略構成図 炭化水素系燃料の着火遅れ期間を示すグラフ図
本発明に係る火花点火式エンジン及びその運転制御方法の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1に示す火花点火式エンジン(以下、単に「エンジン」と略称する。)1は、シリンダ2と、シリンダ2の上部に連結されたシリンダヘッド3とを有し、シリンダ2内には、連結棒5を介しクランク軸6に連結されたピストン4が往復移動自在に収容されている。そして、ピストン4の頂面と、シリンダ2の内面と、シリンダヘッド3の下面とによって燃焼室10が形成されている。そして、燃焼室10には、吸気路21及び排気路31が開口され、燃焼室10の吸気路21側には吸気弁20が、燃焼室10の排気路31側には排気弁30が設けられている。また、シリンダヘッド3には下面の略中央に点火プラグ11が配設されている。
エンジン1の吸気路21には、吸気路21を流通する空気に、外部から供給されたメタンを主成分とする天然ガスである主燃料を、燃料供給弁24による供給量調整を伴って混合して、混合気Mを形成するミキサ23が設けられている。また、吸気路21におけるミキサ23の下流側には、開度調整により燃焼室10への混合気Mの吸気量を調整可能なスロットル弁22が設けられている。
そして、吸気弁20を開動作させた状態でピストン4が上死点から下降することにより、吸気路21から燃焼室10に混合気Mを吸気する吸気行程が行われ、次に、吸気弁20を閉動作させた状態でピストン4が上昇することにより、燃焼室10の混合気Mを圧縮する圧縮行程が行われる。
この圧縮行程の後期では、予め設定された所望の点火時期(例えば、ピストン4が上死点に達する直前)に、点火プラグ11が火花放電を行い燃焼室10の混合気Mが点火され、火炎核が形成される。
この圧縮行程に続いて、火炎核を源とした火炎帯が伝播することで燃焼室10の混合気Mが燃焼されて膨張行程が行われ、次に、排気弁30を開動作させた状態でピストン4が上昇することにより、燃焼室10の排ガスEを排気路31に排出する排気行程が行われる。
このようにして、エンジン1は、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程の順に各行程を行う一連の動作を繰り返し行うように構成されている。
エンジン1には、一般的な火花点火式エンジンと同様に、各種センサとして、シリンダ2の振動状態を検出する加速度センサ9や、燃焼室10の圧力(以下「筒内圧力」と呼ぶ。)を検出する筒内圧力センサ8や、クランク軸6の角度(以下「クランク角」と呼ぶ。)を検出するクランク角センサ7等が設けられている。
エンジン1の各種制御は、ECU(エンジン・コントロール・ユニット)50によって行われ、かかるECU50は、所定のコンピュータープログラムを実行することにより、ノッキングの発生を検出するノッキング検出手段51、サイクル変動の悪化を検出するサイクル変動検出手段52、エンジン1の運転制御を実行する制御手段53等として機能する。
上記ノッキング検出手段51は、加速度センサ9において検出される加速度をノッキング強度として検出し、そのノッキング強度が許容値を超えた状態、又は、その頻度が許容値を超えた状態を、ノッキングの発生として検出する。
上記サイクル変動検出手段52は、クランク角センサ7で検出されるクランク角を参照しながら筒内圧力センサ8で検出された筒内圧力の変化状態を分析して、図示平均有効圧力を算出し、その図示平均有効圧力の標準偏差を同圧力の平均値で除算した値を、所定のサイクル数における変動係数COVとして求め、その変動係数COVが許容範囲を超えて増大した状態を、サイクル変動の悪化として検出する。
制御手段53は、後述する安定運転維持制御を実行すると共に、クランク角センサ7で検出されるクランク角を参照しながら所望のタイミングで点火プラグ11に火花放電をさせる点火制御や、酸素センサ32で検出された排ガスEの酸素濃度に基づいて燃料供給弁24の開度を制御することによって、ミキサ23で生成される混合気Mの空燃比を理論空燃比等の所望の空燃比に維持する空燃比制御や、クランク角センサ7の検出結果から求められるクランク軸6の回転速度が所望の回転速度に維持されるようにスロットル弁22の開度を制御する回転速度維持制御などの各種制御を実行するように構成されている。
以上がエンジン1の基本構成であるが、更に、エンジン1は、サイクル変動の悪化やノッキングの発生を十分に抑制するための構成として、燃焼室10における混合気Mのエタンの含有率を調整可能なエタン含有率調整手段Xを備えると共に、ECU50が機能する制御手段53が、このエタン含有率調整手段Xを制御して安定運転を維持する安定運転維持制御を実行するように構成されている。
以下、その詳細構成について説明を加える。
エタン含有率調整手段Xは、燃焼室10に対して添加量調整を伴ってエタンを添加可能なエタン添加部(エタン添加手段の一例)60で構成されている。
具体的に、天然ガスの蒸留過程などで得られたエタンが可搬式の高圧ガス容器63に加圧状態で蓄えられており、このエタン添加部60は、その高圧ガス容器63に貯留されているエタンを、ミキサ23に供給される主燃料に対して、エタン添加量調整弁61による添加量調整を伴って混合するように構成されている。
次に、今般発明者らが本願を完成するに至った新知見であるエタンの燃焼特性について、図2に基づいて以下に説明を加える。
尚、図2は、天然ガス、並びに、それに含まれるメタン(CH4)、エタン(C26)、プロパン(C38)、イソブタン(iso−C410)、及びノルマルブタン(n−C410)の夫々の燃料について、その燃料と空気との混合気を定容系において自己着火させた場合の着火遅れ期間を示したグラフ図である。尚、初期条件では、混合気の当量比が0.5であり、混合気の圧力が6.08MPaであり、混合気の温度が1200Kである。また、図2において、着火過程前期とは、着火後において各燃料の温度が1200Kから1210Kまで上昇するまでの着火過程における時間幅を示し、着火過程後期とは、各燃焼の温度が1210Kから着火までの着火過程における時間幅を示す。
エタンは、プロパン及びブタン(イソ又はノルマル)と同様に、天然ガスの主成分であるメタンと比較して発火点が低い上に燃焼速度が高い。
しかし、エタンは、同様に発火点が低いプロパンやブタン(イソ又はノルマル)と比較して、図2に示すように、着火遅れ期間における着火過程前期の時間幅が大きいものの、着火過程後期の時間幅が最も小さい。このことから、エタンは、他の炭化水素と比較して、OHラジカルの生成速度が着火過程後期において高まって温度上昇速度が加速される傾向にあることがわかる。
よって、燃焼室10において火炎帯の伝播方向前方の末端にある未燃混合気は、エタンの含有率が低くなるほど、着火過程後期の温度上昇速度が低下してアンチノック性が高くなることから、ノッキングの発生が適切に抑制されることになる。
また、燃焼室10で燃焼する混合気Mは、燃焼速度が高いエタンの含有率が高くなるほど、火炎伝播速度が上昇することから、サイクル変動の悪化が抑制されることになる。
そして、本実施形態のエンジン1においては、ECU50が機能する制御手段53は、上記安定運転維持制御として、下記に説明するノッキング抑制制御及びサイクル変動抑制制御を実行する。
具体的に、ノッキング抑制制御では、上述したノッキング検出手段51でノッキングの発生が検出される場合に、エタン添加量調整弁61の開度を縮小させることでミキサ23に供給される主燃料に対するエタンの添加量を減少させて、燃焼室10における混合気Mのエタンの含有率を減少させる形態で、エタン含有率調整手段Xを制御する。
即ち、燃焼室10における混合気Mのエタンの含有率が、ノッキングの発生を抑制できる適切な調整範囲の上限界を超えて増加することが回避されることになる。
一方、サイクル変動抑制制御では、上述したサイクル変動検出手段52でサイクル変動の悪化が検出される場合に、エタン添加量調整弁61の開度を増加させることでミキサ23に供給される主燃料に対するエタンの添加量を増加させて、燃焼室10における混合気Mのエタンの含有率を増加させる形態で、エタン含有率調整手段Xを制御する。
即ち、燃焼室10における混合気Mのエタンの含有率が、サイクル変動の悪化を抑制できる適切な調整範囲の下限界を下回って減少することが回避されることになる。
更に、上記安定運転維持制御では、サイクル変動の抑制を重視するために、ノッキング検出手段51でノッキングの発生が検出されない限度において、燃焼室10における混合気Mのエタンの含有率をできるだけ大きくする。具体的には、ノッキング検出手段51でノッキングの発生を監視しながら、エタン添加量調整弁61の開度を漸次拡大し、当該開度を、ノッキング検出手段51でノッキングの発生を検出された時点の直前の開度に維持する。
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明のその他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記実施形態では、エタン含有率調整手段Xを、燃焼室10に対して添加量調整を伴ってエタンを添加可能なエタン添加部60として構成したが、例えば、エタン含有率調整手段Xを、燃焼室10に供給される燃料から分離量調整を伴ってエタンを分離することで、燃焼室における混合気のエタンの含有率の調整を行っても構わない。
(2)上記実施形態では、エタン添加部60は、高圧ガス容器63に蓄えられたエタンを添加するように構成したが、主燃料即ち天然ガスの一部を取り出し、その天然ガスから、公知の酸化カップリング法(例えば特開平05−070372号公報参照)や、膜分離法及び加圧凝縮法などの精製法(例えば特開2009−167411号公報参照)などによりエタンを分離して、エタン添加部60に供給するように構成しても構わない。
また、主燃料以外の原料を外部から供給し、その原料を合成してエタンを得るように構成しても構わない。尚、この場合、原料としてのエチレンの水素化反応によりエタンを得ることができ、更に、そのエチレンをエタノールの脱水処理により得ることもできる。
また、エタン添加部60から供給されるエタンは、必ずしもエタン100%でなくてもよく、例えば主燃料よりもエタンの濃度が高く、それを燃焼室10に添加することで当該燃焼室10における混合気のエタンの含有率を上昇せる程度にエタンを含むものであればよい。
(3)上記実施形態では、上記安定運転維持制御においてサイクル変動の抑制を重視するべく燃焼室10における混合気Mのエタンの含有率をできるだけ大きくするようにエタン添加量調整弁61の開度をできるだけ大きい開度に設定したが、逆に、上記安定運転維持制御をノッキングの発生の回避を重視するように実行することもできる。
即ち、ノッキングの発生の回避を重視する安定運転維持制御では、サイクル変動検出手段52でサイクル変動の悪化が検出されない限度において、燃焼室10における混合気Mのエタンの含有率をできるだけ小さくする。具体的には、サイクル変動検出手段52で求められる変動係数COVが許容範囲内となる限度において、エタン添加量調整弁61の開度を漸次縮小し、当該開度を、変動係数COVが許容範囲の上限界値に維持される開度に維持する。
(4)上記実施形態では、エンジン1の主燃料を天然ガスとしたが、天然ガス以外に、ガソリンや軽油などの他の炭化水素系燃料を主燃料としても構わない。
本発明は、燃焼室に吸気される新気に炭化水素系の主燃料を混合して混合気を形成し、当該混合気を燃焼室で圧縮して点火プラグにより火花点火し燃焼させる火花点火式エンジン及びその運転制御方法として好適に利用可能である。
1 :火花点火式エンジン
7 :クランク角センサ
8 :筒内圧力センサ
9 :加速度センサ
10 :燃焼室
11 :点火プラグ
21 :吸気路
23 :ミキサ
24 :燃料供給弁
31 :排気路
51 :ノッキング検出手段
52 :サイクル変動検出手段
53 :制御手段
60 :エタン添加部(エタン添加手段)
61 :エタン添加量調整弁
M :混合気
X :エタン含有率調整手段

Claims (6)

  1. 燃焼室に吸気される新気に炭化水素系の主燃料を混合して混合気を形成し、当該混合気を燃焼室で圧縮して点火プラグにより火花点火し燃焼させる火花点火式エンジンであって、
    燃焼室における混合気のエタンの含有率を調整可能なエタン含有率調整手段を備え、
    前記エタン含有率調整手段を制御して安定運転を維持する安定運転維持制御を実行する制御手段を備えた火花点火式エンジン。
  2. 前記エタン含有率調整手段が、燃焼室に対して添加量調整を伴ってエタンを添加可能なエタン添加手段である請求項1に記載の火花点火式エンジン。
  3. ノッキングの発生を検出するノッキング検出手段を備え、
    前記制御手段が、前記安定運転維持制御として、前記ノッキング検出手段でノッキングの発生が検出される場合に前記エタンの含有率を減少させる形態で前記エタン含有率調整手段を制御するノッキング抑制制御を実行する請求項1又は2に記載の火花点火式エンジン。
  4. サイクル変動の悪化を検出するサイクル変動検出手段を備え、
    前記制御手段が、前記安定運転維持制御として、前記サイクル変動検出手段でサイクル変動の悪化を検出した場合に前記エタンの含有率を増加させる形態で前記エタン含有率調整手段を制御するサイクル変動抑制制御を実行する請求項1〜3の何れか1項に記載の火花点火式エンジン。
  5. 前記主燃料がメタンを主成分とする天然ガスである請求項1〜4の何れか1項に記載の火花点火式エンジン。
  6. 燃焼室に吸気される新気に炭化水素系の主燃料を混合して混合気を形成し、当該混合気を燃焼室で圧縮して点火プラグにより火花点火し燃焼させる火花点火式エンジンの運転制御方法であって、
    燃焼室における混合気のエタンの含有率を調整可能なエタン含有率調整手段を設け、
    前記エタン含有率調整手段を制御して安定運転を維持する安定運転維持制御を実行する火花点火式エンジンの運転制御方法。
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