JP2014169652A - 電磁弁駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁弁のコイルに流すコイル電流の制御精度を向上させる。
【解決手段】電磁弁23を駆動する装置21において、電磁弁23のコイル25に開弁用のピーク電流を流すための放電制御回路51は、トランジスタT12をオンさせた後、コイル電流が目標最大値に相当する閾値IthPにまで増加したことを検知すると、トランジスタT12をオフさせる。また、コイル25に一定の電流を流すための定電流制御回路53は、コイル電流が上側閾値IthHにまで増加したことを検知すると、トランジスタT11をオンからオフに切り換え、コイル電流が下側閾値IthLにまで減少したことを検知すると、トランジスタT11をオフからオンに切り換える。この装置21では、マイコン35が、コイル25の電流経路の電気的特性を計測し、その計測結果に対して最適な閾値IthP,IthH,IthLを、閾値マップ85〜87から算出して回路51,53に設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電磁弁駆動装置に関する。
例えば車両に搭載された内燃機関の気筒に燃料を噴射供給する燃料噴射弁(インジェクタ)としては、コイルへの通電により開弁する電磁弁が使用される。そして、このような燃料噴射弁を駆動して燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置は、コイルへの通電(通電開始タイミング及び通電時間)を制御することにより、燃料噴射時期及び燃料噴射量を制御している。
また、この種の燃料噴射制御装置は、燃料噴射弁のコイルに電流を流す電流経路におけるコイルよりも上流側と、コイルに電流を流すための駆動用電圧との間に、コイルに流れる電流(以下、コイル電流ともいう)を制御するための電流制御用トランジスタを備えている。尚、電流制御用トランジスタとしては、車両のバッテリ電圧よりも高い所定電圧に充電されたコンデンサの電圧を駆動用電圧として、コイルに、燃料噴射弁の弁体を速やかに動かすためのピーク電流を流すためのトランジスタがある。また、電流制御用トランジスタとしては、バッテリ電圧を駆動用電圧として、コイルに、上記ピーク電流よりも小さい一定の電流を流すためのトランジスタもある。
そして、この種の燃料噴射制御装置において、電流制御用トランジスタを制御する制御回路は、実際のコイル電流を検出し、そのコイル電流が目標の電流となるように、電流制御用トランジスタのオン/オフを制御する。
具体的に説明すると、コイル電流の極大値を目標値にするのであれば、制御回路は、電流制御用トランジスタをオンさせているときに、コイル電流が目標値に相当する閾値にまで増加したことを検知すると、電流制御用トランジスタをオンからオフへと切り換える。また、コイル電流の極小値を目標値にするのであれば、制御回路は、電流制御用トランジスタをオフさせているときに、コイル電流が目標値に相当する閾値にまで減少したことを検知すると、電流制御用トランジスタをオフからオンへと切り換える(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−22139号公報
燃料噴射制御装置において、上記制御回路を構成する電子部品及び電流制御用トランジスタには動作遅れがあるため、コイル電流が閾値に到達してから電流制御用トランジスタのオン/オフ状態が切り換わるまでには、遅れ時間(以下、回路遅れ時間という)が生じる。
このため、コイル電流が閾値に達してもなお同じ方向に変化して閾値を超える量(以下、閾値超過量という)が生じる。その閾値超過量は、コイル電流の実際の極値と閾値との誤差であると言える。そして、その閾値超過量には、ばらつきが生じる。
例えば、上記電子部品及び電流制御用トランジスタの特性ばらつき(製造ばらつきや周囲温度によるばらつき)によって、回路遅れ時間がばらつき、回路遅れ時間がばらつけば、閾値超過量もばらつくこととなる。また、仮に回路遅れ時間が一定であるとしても、コイルを含む電流経路の電気的特性や駆動用電圧がばらつけば、コイル電流の変化速度がばらつき、コイル電流の変化速度がばらつけば、閾値超過量もばらつくこととなる。
このため、燃料噴射制御装置において、コイル電流の制御に用いる閾値は、閾値超過量の様々な要因によるばらつきを考慮して、コイル電流の閾値到達後の極値が、製品仕様上の規格範囲内に収まるように設定されることとなる。
ここで、燃料噴射弁の制御において、例えば、コイルに流すピーク電流の極値(極大値でありコイル電流の最大値でもある)の制御精度が向上すれば、開弁タイミングの制御精度が向上し、延いては、噴射開始タイミングの制御精度が向上する。また例えば、コイルに流す一定電流の極大値と極小値との制御精度が向上すれば、燃料噴射弁の開弁状態を、より少ない電気エネルギで維持することができる。また例えば、コイルに流す一定電流の極大値と極小値との制御精度が向上すれば、通電期間の終了時におけるコイル電流のばらつき(脈動幅)が小さくなり、通電期間が終了してから燃料噴射弁が閉弁するまでの閉弁遅れ時間のばらつきが小さくなるため、噴射終了タイミングの制御精度が向上する。
このため、燃料噴射弁のコイル電流に関して、従来よりも高い制御精度が要求されつつあり、その結果、コイル電流の極値に対して要求される規格範囲は、狭く設定される傾向にある。
しかし、コイル電流の極値に対して要求される規格範囲が狭くなると、特に、コイルを含む電流経路の電気的特性のばらつき(製造ばらつき及び経時変化によるばらつき)に対して、その規格範囲の条件を満たすことができなくなる。
このため、電流経路の電気的特性がばらついても、コイル電流の制御精度を良好にすることが必要である。
そこで、本発明は、電磁弁駆動装置において、電磁弁のコイルに流すコイル電流の制御精度を向上させ、延いては、電磁弁の制御精度を向上させることを目的としている。
本発明の電磁弁駆動装置は、電磁弁のコイルに電流を流す電流経路における前記コイルよりも上流側と、前記コイルに電流を流すための駆動用電圧との間に、直列に設けられ、前記コイルに流れる電流であるコイル電流を制御するためにオン/オフされる電流制御用スイッチング素子と、電流制御用スイッチング素子を制御する制御手段と、を備える。
制御手段は、電流制御用スイッチング素子を、オンとオフとの一方である第1状態から、オンとオフとの他方である第2状態へと切り換えるための閾値が設定される。そして、制御手段は、電流制御用スイッチング素子を前記第1状態にしているときに、コイル電流が前記閾値に到達したことを検知すると、電流制御用スイッチング素子を前記第1状態から前記第2状態へと切り換えることにより、コイル電流の極値を目標の値に制御するようになっている。
更に、この電磁弁駆動装置は、前記電流経路における前記コイルよりも上流側に、前記電流経路の電気的特性を計測するための計測用電圧を供給する電圧供給手段と、その電圧供給手段を動作させて前記コイルに電流を流すと共に、その電流を観測することにより、前記コイルを含む前記電流経路の電気的特性を計測する計測手段と、計測手段により計測される前記電気的特性をパラメータとして、前記制御手段に設定すべき前記閾値が記録された閾値設定用情報を記憶する記憶手段と、を備える。
そして、この電磁弁駆動装置では、閾値設定手段が、前記閾値設定用情報から、前記計測手段により計測された前記電気的特性に対応する前記閾値を算出し、その算出した閾値を前記制御手段に設定する。
このような電磁弁駆動装置において、制御手段が電流制御用スイッチング素子を制御するのに用いる閾値(換言すれば、コイル電流の制御に用いる閾値)は、コイルを含む電流経路の実際の電気的特性に応じて変更されることとなる。
このため、電流経路の電気的特性が、製造上あるいは経時変化によってばらついても、コイル電流の極値を目標の値にすることができる閾値を、可変で自動的に設定することができる。つまり、閾値を電流経路の実際の電気的特性に応じて自律補正することができる。よって、コイル電流の制御精度を向上させることができ、延いては、電磁弁の制御精度を向上させることができる。
第1実施形態の電子制御装置を示す構成図である。 駆動用ICの動作を説明する説明図である。 閾値を変更する理由を説明する説明図である。 第1実施形態の閾値マップを説明する説明図である。 第1実施形態の閾値設定処理を表すフローチャートである。 閾値設定処理の作用を説明する説明図である。 第2実施形態の電子制御装置を示す構成図である。 第3実施形態の電子制御装置を示す構成図である。 第3実施形態の閾値マップを説明する説明図である。 第3実施形態の閾値設定処理を表すフローチャートである。 第3実施形態の第2設定処理を表すフローチャートである。
実施形態の電磁弁駆動装置としての電子制御装置(以下、ECUという)について、図面を用い説明する。
尚、本実施形態のECUは、車両に搭載された多気筒(この例では4気筒)のガソリンエンジン又はディーゼルエンジンの各気筒#1〜#4に燃料を噴射する4個の電磁ソレノイド式インジェクタ(以下、電磁弁という)を駆動するものであり、その各電磁弁のコイルへの通電開始タイミング及び通電時間を制御することにより、各気筒#1〜#4への燃料噴射タイミング及び燃料噴射量を制御する。つまり、本実施形態のECUは、電磁弁駆動装置であると共に燃料噴射制御装置でもある。
[第1実施形態]
図1に示すように、第1実施形態のECU21は、駆動対象である電磁弁23のコイル25の一端(上流側)が接続される端子CMと、コイル25の他端(下流側)が接続される端子INJと、端子INJに一方の出力端子が接続されたトランジスタT10と、トランジスタT10の他方の出力端子とグランドラインとの間に接続された電流検出用の抵抗R10と、を備える。
電磁弁23は、常閉式の電磁弁である。電磁弁23では、コイル25に通電されると、図示しない弁体(いわゆるノズルニードル)が開弁位置に移動し(換言すれば、リフトし)、燃料噴射が行われる。また、コイル25の通電が遮断されると、弁体が元の閉弁位置に戻り、燃料噴射が停止される。
尚、図1では、4個の電磁弁23のうち、第n気筒#n(nは1〜4の何れか)に対応する1つの電磁弁23だけを示しており、以下では、その第n気筒#nの電磁弁23の駆動に関して説明する。実際には、端子CMは、各気筒の電磁弁23について共通の端子となっており、その端子CMに、各電磁弁23のコイル25がそれぞれ接続されている。また、端子INJ及びトランジスタT10は、各電磁弁23について(換言すれば、各気筒について)それぞれ備えられている。トランジスタT10は、駆動対象の電磁弁23(換言すれば、噴射対象の気筒)を選択するためのスイッチング素子であり、気筒選択スイッチと呼ばれる。また、トランジスタT10は、本実施形態では、Nチャネル型のFET(電界効果トランジスタ)である。
更に、ECU21は、バッテリ電圧(車載バッテリの電圧)VBが供給される電源ラインLpに一方の出力端子が接続されたトランジスタT11と、トランジスタT11の他方の出力端子にアノードが接続され、カソードが上記端子CMに接続された逆流防止用のダイオードD11と、アノードがグランドラインに接続され、カソードが端子CMに接続された電流還流用のダイオードD12と、昇圧電圧源27とを備える。
ダイオードD12は、トランジスタT10がオンしている状態でトランジスタT11がオンからオフした時に、コイル25に電流を還流させる。
昇圧電圧源27は、コンデンサ29と、バッテリ電圧VBを昇圧してコンデンサ29を充電する昇圧回路31とを備える。コンデンサ29は、電磁弁23の弁体を開弁方向へ速やかに動かす(リフトさせる)ためのピーク電流を、コイル25に流すための電気エネルギを蓄積する。昇圧回路31は、コンデンサ29の正極側の電圧(以下、コンデンサ電圧という)VCが予め設定された目標電圧(>VB)となるように、コンデンサ29を充電する。
また更に、ECU21は、コンデンサ29の正極側と端子CMとの間に直列に設けられ、オンすることでコンデンサ電圧VCを端子CMに印加するトランジスタT12と、トランジスタT10,T11,T12を制御することで、電磁弁23のコイル電流(コイル25に流れる電流であり、電磁弁23の駆動電流)を制御する駆動用IC33と、マイコン(マイクロコンピュータ)35と、データの書き換えが可能な不揮発性メモリ(例えば、EEPROMやフラッシュメモリ等)37とを備えている。
マイコン35は、プログラムを実行するCPU41、プログラムや固定のデータ等が記憶されたROM42、CPU41による演算結果等が記憶されるRAM43、A/D変換器(ADC)44等を備えている。
そして、マイコン35は、エンジン回転数、アクセル開度、エンジン水温など、各種センサ(図示省略)にて検出されるエンジンの運転情報に基づいて、気筒毎に噴射指令信号を生成して駆動用IC33に出力する。
噴射指令信号は、その信号のレベルがアクティブレベル(本実施形態では例えばハイ)の間だけ電磁弁23のコイル25に通電する(換言すれば、電磁弁23を開弁させる)、という意味を持っている。このため、マイコン35は、エンジンの運転情報に基づいて、気筒毎に、電磁弁23のコイル25への通電期間(電磁弁23の駆動期間でもある)を設定し、その通電期間だけ、該当する気筒の噴射指令信号をハイにしていると言える。
駆動用IC33は、トランジスタT10を制御する気筒選択制御回路47と、抵抗R10の両端の電位差に比例した電圧を出力する増幅回路49と、トランジスタT12を制御する放電制御回路51と、トランジスタT11を制御する定電流制御回路53と、マイコン35からシリアル通信線55を介して送られてくる閾値のデータを、放電制御回路51と定電流制御回路53とに振り分けて与える通信回路57と、を備える。
気筒選択制御回路47は、図2における3段目及び4段目に示すように、マイコン35から出力される第n気筒#nの噴射指令信号S#nがハイになると、その噴射指令信号S#nがハイになっている間、第n気筒#nの電磁弁23に対応するトランジスタT10をオンさせる。
そして、トランジスタT10がオンすると、トランジスタT10に接続されているコイル25の下流側が抵抗R10を介してグランドラインに接続され、その結果、コイル25の下流側の電流経路が形成される。抵抗R10には、コイル25に流れるのと同じコイル電流が流れるため、増幅回路49の出力電圧Viは、コイル電流に比例した電圧となる。
放電制御回路51は、図2における1段目、3段目及び5段目に示すように、噴射指令信号S#nがハイになると、トランジスタT12をオンさせることにより、コンデンサ29から第n気筒#nの電磁弁23のコイル25に放電させる。この場合、「コンデンサ29→トランジスタT12→コイル25→トランジスタT10→抵抗R10→グランドライン」の経路で電流が流れる。このように、コイル25への通電開始時にトランジスタT12がオンされ、そのトランジスタT12を介してコンデンサ29からコイル25に流れる電流が、前述のピーク電流である。
また、放電制御回路51は、増幅回路49の出力電圧Viに基づいて、コイル電流を検出する。そして、放電制御回路51は、図2における1段目及び5段目に示すように、コイル電流がピーク電流の目標最大値に相当する閾値IthPにまで到達したことを検知すると、トランジスタT12をオフさせて、コンデンサ29からコイル25への放電を終了する。また、本実施形態において、閾値IthPは可変になっている。
このため、放電制御回路51は、図1に示すように、D/A変換器(DAC)61と、比較器63と、駆動回路65とを備えている。
D/A変換器61には、マイコン35からシリアル通信線55を介して駆動用IC33に送られてくるデータのうち、閾値IthPに相当する閾値電圧VthPを表すピーク電流閾値データが、通信回路57を介して入力される。尚、増幅回路49の出力電圧Viが、コイル電流の値をG倍(Gは正の数)した電圧であるとすると、閾値IthPと閾値電圧VthPとの関係は「VthP=IthP×G」である。
そして、D/A変換器61は、マイコン35からの最新のピーク電流閾値データを記憶し、そのピーク電流閾値データが表す閾値電圧VthPを、比較器63に出力する。
比較器63は、D/A変換器61の出力電圧Vo1(=VthP)と、増幅回路49の出力電圧Viとを比較する。そして、比較器63の出力信号は、「Vo1>Vi」ならばハイになり、「Vo1<Vi」ならばローになる。また、比較器63の出力信号は、「Vo1=Vi」の場合には、例えば、「Vo1=Vi」になる前のレベルとは反対のレベルになるが、「Vo1=Vi」になる前のレベルを維持しても良い。
駆動回路65は、マイコン35からの噴射指令信号S#nと、比較器63の出力信号との、論理積をとり、その論理積がハイの場合に、トランジスタT12のゲートに供給する駆動信号Saをアクティブレベルにして、トランジスタT12をオンさせる。尚、本実施形態では、トランジスタT12がPチャネル型のFETであることから、駆動信号Saのアクティブレベルは例えば0Vであり、駆動信号Saの非アクティブレベルは例えばコンデンサ電圧VCである。
このような放電制御回路51では、噴射指令信号S#nがハイになると、最初は、コイル電流が閾値IthPよりも小さいため、比較器63の出力信号がハイになり、駆動回路65からトランジスタT12への駆動信号Saがアクティブレベルになる。すると、トランジスタT12がオンして、コンデンサ29からコイル25へ放電される。そして、その後、コイル電流が閾値IthPまで増加すると、そのことが比較器63により検知されて、比較器63の出力信号がハイからローになり、駆動信号Saが非アクティブレベルになって、トランジスタT12がオフすることとなる。
定電流制御回路53は、図2における1段目〜3段目に示すように、噴射指令信号S#nがハイになっている間、バッテリ電圧VBを電源として電磁弁23のコイル25に一定の電流を流すための定電流制御を行う。その定電流制御は、トランジスタT11のオン/オフを繰り返すスイッチング制御を行うことにより、コイル25に一定の電流が流れるようにする制御である。そして、本実施形態では、「コイル電流が上側閾値IthHまで増加したことを検知するとトランジスタT11をオンからオフさせ、コイル電流が下側閾値IthLまで低下したことを検知するとトランジスタT11をオフからオンさせる」という制御である。
その定電流制御において、トランジスタT11のオン時には、バッテリ電圧VB(電源ラインLp)からコイル25に電流が流れる。また、トランジスタT11のオフ時には、コイル25に、グランドライン側からダイオードD12を介して電流が流れる(還流する)。
尚、上側閾値(以下単に、閾値ともいう)IthHは、閾値IthPよりも小さく、下側閾値(以下単に、閾値ともいう)IthLよりは大きい。そして、本実施形態においては、定電流制御用の閾値IthH,IthLも、可変になっている。
このため、定電流制御回路53は、図1に示すように、D/A変換器(DAC)62と、比較器64と、駆動回路66とを備えている。
D/A変換器62には、マイコン35からシリアル通信線55を介して駆動用IC33に送られてくるデータのうち、上側閾値IthHに相当する閾値電圧VthHを表す上側閾値データと、下側閾値IthLに相当する閾値電圧VthLを表す下側閾値データとが、通信回路57を介して入力される。尚、増幅回路49の出力電圧Viが、コイル電流の値をG倍した電圧であるとすると、上側閾値IthHと閾値電圧VthHとの関係は「VthH=IthH×G」であり、下側閾値IthLと閾値電圧VthLとの関係も「VthL=IthL×G」である。
D/A変換器62は、マイコン35からの最新の上側閾値データ及び下側閾値データを記憶する。そして、D/A変換器62は、比較器64の出力信号がハイの場合には、上側閾値データが表す閾値電圧VthHを比較器64に出力し、比較器64の出力信号がローの場合には、下側閾値データが表す閾値電圧VthLを比較器64に出力する。尚、マイコン35からD/A変換器62に一方の閾値データだけを与えると共に、比較器64にヒステリシスを持たせることで、結果的に他方の閾値データが設定されるように構成してもよい。このように構成すれば、記憶すべき閾値データの量が少なくなり、後述する閾値マップの総データ量を減らすことができる。
比較器64は、D/A変換器62の出力電圧Vo2と、増幅回路49の出力電圧Viとを比較する。そして、比較器64の出力信号は、「Vo2>Vi」ならばハイになり、「Vo2<Vi」ならばローになる。また、比較器64の出力信号は、「Vo2=Vi」の場合には、例えば、「Vo2=Vi」になる前のレベルとは反対のレベルになるが、「Vo2=Vi」になる前のレベルを維持しても良い。
駆動回路66は、マイコン35からの噴射指令信号S#nと、比較器64の出力信号との、論理積をとり、その論理積がハイの場合に、トランジスタT11のゲートに供給する駆動信号Sbをアクティブレベルにして、トランジスタT11をオンさせる。尚、本実施形態では、トランジスタT11がPチャネル型のFETであることから、駆動信号Sbのアクティブレベルは例えば0Vであり、駆動信号Sbの非アクティブレベルは例えばバッテリ電圧VBである。
このような定電流制御回路53では、噴射指令信号S#nがハイになると、最初は、コイル電流が上側閾値IthHと下側閾値IthLとの両方よりも小さいため、比較器64の出力信号がハイになる。すると、駆動回路66からトランジスタT11への駆動信号Sbがアクティブレベルになって、トランジスタT11をオンさせることとなり、また、D/A変換器62の出力電圧Vo2は、上側閾値IthHに相当する閾値電圧VthHになる。
そして、その後、コイル電流が上側閾値IthHまで増加したなら、比較器64の出力信号がハイからローになる。すると、駆動信号Sbが非アクティブレベルになって、トランジスタT11がオフし、また、D/A変換器62の出力電圧Voは、下側閾値IthLに相当する閾値電圧VthLになる。
その後、コイル電流が下側閾値IthLまで減少したなら、比較器64の出力信号がローからハイになる。すると、駆動信号Sbがアクティブレベルになって、トランジスタT11がオンし、また、D/A変換器62の出力電圧Voは、上側閾値IthHに相当する閾値電圧VthHになる。
よって、定電流制御回路53は、トランジスタT11をオンさせているときに、コイル電流が増加して上側閾値IthHに到達したことを比較器64によって検知すると、トランジスタT11をオフへと切り換え、また、トランジスタT11をオフさせているときに、コイル電流が減少して下側閾値IthLに到達したことを比較器64によって検知すると、トランジスタT11をオンへと切り換えることとなる。定電流制御回路53は、このような動作を繰り返すことにより、定電流制御を実施する。
そして、噴射指令信号S#nがローになると、定電流制御回路53では、駆動回路66からの駆動信号Sbが非アクティブレベルのままになる。よって、トランジスタT11はオフしたままになる(図2参照)。
一方更に、図1に示すように、ECU21には、マイコン35からの駆動信号Scに応じてトランジスタT11をオンさせることにより、コイル25への電流経路における該コイル25よりも上流側である端子CMに、バッテリ電圧VBを供給する電圧供給用回路69が備えられている。
その電圧供給用回路69は一例として、電源ラインLp(バッテリ電圧VB)に一端が接続された抵抗71と、抵抗71の他端にコレクタが接続され、エミッタがグランドラインに接続されたNPNトランジスタ(以下単に、トランジスタという)73と、トランジスタ73のコレクタとトランジスタT11のゲートとの間に接続された抵抗75と、トランジスタ73のベースに一端が接続され、他端にマイコン35からの駆動信号Scが供給される抵抗77とを備える。
このような電圧供給用回路69では、マイコン35からの駆動信号Scがアクティブレベルとしてのハイになると、トランジスタ73がオンして、トランジスタT11のゲートを、抵抗75を介して接地することにより、トランジスタT11をオンさせる。
また、ECU21には、バッテリ電圧VBを、マイコン35が入力可能な電圧に分圧する2つの抵抗81,82が備えられている。そして、抵抗81,82同士の接続点に生じる電圧であって、バッテリ電圧VBを分圧した電圧は、マイコン35に入力される。マイコン35は、抵抗81,82同士の接続点の電圧をA/D変換器44によりA/D変換し、そのA/D変換値からバッテリ電圧VBを検出する。
更に、マイコン35には、増幅回路49の出力電圧Viが、駆動用IC33から入力されるようになっている。そして、マイコン35は、その出力電圧ViをA/D変換器44でA/D変換することにより、コイル電流を観測する。また、トランジスタT10は、駆動用IC33とは別に、マイコン35からの駆動信号Sdによって駆動できるようになっている。
このようなECU21では、図2に示すように、マイコン35からの噴射指令信号S#nがローからハイになると、トランジスタT10がオンし、それと同時にトランジスタT12がオンする。
すると、コンデンサ29からコイル25に放電されて、コイル25への通電が開始される。また、コンデンサ29からコイル25への放電電流であるピーク電流により、電磁弁23の開弁応答が早まる。尚、コンデンサ29の放電に際し、高電位となる端子CM側から電源ラインLp側への回り込みは、ダイオードD11によって防止される。
そして、コイル電流が増加して閾値IthPに到達すると、トランジスタT12がオフして、コイル電流が低下していく。コイル電流が下側閾値IthLにまで減少すると、以後は、定電流制御回路53の定電流制御により、コイル電流の平均値が上側閾値IthHと下側閾値IthLとの間の一定電流となるように、トランジスタT11がオン/オフされる。
尚、図2に示すように、噴射指令信号S#nがハイになってからコイル電流が上側閾値IthHに到達するまでの間、トランジスタT11がオンしているのは、定電流制御回路53の定電流制御によるものである。但し、バッテリ電圧VBよりもコンデンサ電圧VCの方が高いため、トランジスタT12がオンしている期間は、トランジスタT11がオンしても、コイル25へはコンデンサ29から電流が流れる。このため、定電流制御は、実質的には、トランジスタT12がオフされてから開始されていることとなる。よって、例えば、定電流制御回路53は、噴射指令信号S#nがハイになってから、トランジスタT12がオフされたときに、定電流制御のための動作を開始するようになっていても良い。
その後、噴射指令信号S#nがハイからローになると、トランジスタT10とトランジスタT11がオフされて、コイル25への通電が停止する。すると、電磁弁23が閉弁し、その電磁弁23による燃料噴射が終了する。
尚、コンデンサ29からコイル25にピーク電流を流すことで、電磁弁23を確実に開弁させることができるのであれば、定電流制御でコイル25に流す一定電流は、電磁弁23の開弁保持に最低限必要な電磁力を発生させる電流(以下、ホールド電流という)であれば良い。
また、定電流制御回路53は、定電流制御でコイル25に流す一定電流を、大小の2段階に切り換えるようになっていても良い。具体的には、例えば、噴射指令信号S#nがハイになってから一定時間が経過するまでの期間を、電磁弁23を確実に開弁させるためのリフト期間とする。そして、定電流制御回路53は、トランジスタT12のオフ時からリフト期間が終了するまでの間の定電流制御では、コイル25にホールド電流より大きいピックアップ電流が流れるようにする。そのピックアップ電流は、電磁弁23の開弁を確実にするための電流である。また、定電流制御回路53は、リフト期間の終了時から噴射指令信号S#nがローになるまでの間の定電流制御では、コイル25にホールド電流が流れるようにする。本実施形態では、説明を簡略化するため、定電流制御による一定電流がホールド電流だけであるものとして説明するが、上記のように、一定電流をピックアップ電流とホールド電流とに切り換える構成であっても良い。
ここで、本実施形態のECU21において、マイコン35は、駆動用IC33へ送信するピーク電流閾値データを変更することにより、放電制御回路51に対して指令する閾値IthPを変更する。同様に、マイコン35は、駆動用IC33へ送信する上側閾値データと下側閾値データを変更することにより、定電流制御回路53に対して指令する上側閾値IthHと下側閾値IthLを変更する。そして、このような閾値IthP,IthH,IthLの変更は、コイル電流を変えるための変更ではなく、むしろ、コイル電流が変わらないようにするための変更である。
そこで次に、閾値IthP,IthH,IthLを変更する理由について説明する。尚、以下では、ピーク電流閾値データ、上側閾値データ及び下側閾値データを区別しない場合には、それらを総称して、閾値データという。また、閾値IthP,IthH,IthLを区別しない場合には、符号を省略して、単に、閾値ともいう。
ECU21において、放電制御回路51を構成する電子部品及びトランジスタT12には動作遅れがあるため、コイル電流が閾値IthPに到達してからトランジスタT12のオン/オフ状態が切り換わるまでには、遅れ時間が生じる。同様に、定電流制御回路53を構成する電子部品及びトランジスタT11にも動作遅れがあるため、コイル電流が上側閾値IthHと下側閾値IthLとの各々に到達してからトランジスタT11のオン/オフ状態が切り換わるまでにも、遅れ時間が生じる。以下、こうした切り換わりの遅れ時間を、回路遅れ時間という。
このため、コイル電流が閾値に達してもなお同じ方向に変化し続けて閾値を超える量(以下、閾値超過量という)が生じる。例えば、図3に例示するように、トランジスタT12がオンしてコイル電流が閾値IthPに到達しても、そのことが検知されてトランジスタT12がオフするまでには遅れがあり、その遅れ時間の間、コイル電流は増加し続けて閾値IthPを超えることとなる。図3の例では、IovPが閾値超過量であり、コイル電流の実際の最大値は、閾値IthPよりも、そのIovPだけ大きい値となる。
そして、閾値超過量には、ばらつきが生じる。例えば、上記電子部品及びトランジスタT11,T12の、動作特性の製造ばらつきや周囲温度によるばらつきによって、回路遅れ時間がばらつき、回路遅れ時間がばらつけば、閾値超過量もばらつくこととなる。また、仮に回路遅れ時間が一定であるとしても、コイル25を含む電流経路(具体的には、例えば端子CMと端子INJとの間の電流経路であり、以下、コイル電流経路ともいう)の電気的特性や、コイル25の上流側に供給する駆動用電圧がばらつけば、コイル電流の変化速度がばらつき、閾値超過量もばらつくこととなる。
このため、ECU21において、コイル電流の制御に用いる閾値は、様々な要因による閾値超過量のばらつきを考慮して、コイル電流の閾値到達後の極値が、製品仕様上の規格範囲(以下、仕様規格範囲という)に収まるように設定されるべきである。
ここで、比較例として、例えば、ECU21の生産工程において、ECU21毎に、下記〈1〉〜〈3〉の手法により、閾値IthP,IthH,IthLを設定することが考えられる。
〈1〉マイコン35の動作モードをテストモードにして、ECU21を所定の標準条件下で動作させると共に、実際のコイル電流を計測機器により計測する。
標準条件は、例えば、「周囲温度=25℃」、「バッテリ電圧VB=14V」、「コイル電流経路の電気的特性=標準値」、といった条件である。
また、マイコン35は、テストモードでは、ECU21外部の情報処理装置から与えられる指令に従って、駆動用IC33に送信する閾値データを変えたり、駆動用IC33に噴射指令信号S#nを出力したりする。
〈2〉情報処理装置からマイコン35への指令により、マイコン35が駆動用IC33に送信する閾値データ(即ち、駆動用IC33に対して指令する閾値)を調整することにより、目標のコイル電流波形が得られる閾値を探し出す。
具体的には、閾値IthPであれば、実際のコイル電流の最大値(コンデンサ29の放電による最大値)を計測対象とし、その計測対象の値が、それの調整規格範囲内となる閾値IthPを探す。同様に、閾値IthH,IthLであれば、実際のコイル電流の定電流制御における極大値と極小値とを計測対象とし、その各計測対象の値が、それらの調整規格範囲内となる閾値IthH,IthLを探す。
そして、この比較例において、計測対象の調整規格範囲は、例えばECU21の周囲温度やバッテリ電圧VBやコイル電流経路の電気的特性が、ECU21の実際の使用条件下で想定される範囲(以下、実使用想定範囲という)で変化しても、計測対象の値が仕様規格範囲に入るように、その仕様規格範囲より狭い範囲に設定される。尚、ECU21の周囲温度は、ECU21を構成する部品の周囲温度(即ち、ECU21の内部温度)と同等であると考えることができる。
〈3〉上記〈2〉の手順で探し出した閾値を不揮発性メモリ37に記憶する。そして、マイコン35は、通常モードにおいては、その不揮発性メモリ37内の閾値に該当する閾値データを、駆動用IC33に送信する。
つまり、〈1〉〜〈3〉の手法では、標準条件下の生産工程において、ECU21毎に、コイル電流における目的の値が、ECU21の実際の使用条件下で仕様規格範囲に入ると予想される閾値を探し出し、その探し出した閾値を、コイル電流の制御に使用される閾値として、不揮発性メモリ37に記憶するようにしている。
しかし、コイル電流に関して、より高い制御精度が要求されつつあり、電流値に関する仕様規格範囲は狭く設定される傾向にある。そして、コイル電流の閾値超過量は、コイル電流経路の電気的特性に応じて変わりやすい。このため、上記〈1〉〜〈3〉の手法では、仕様規格範囲が狭くなると、コイル電流経路の電気的特性のばらつき(製造ばらつきや経時変化によるばらつき)により、仕様規格範囲の条件を満たすことができなくなる。
このため、本実施形態のECU21では、コイル電流経路の実際の電気的特性を計測し、その計測結果に応じて閾値を変更するように構成している。
そこで以下では、閾値の変更手法について説明する。尚、以下では、分かりやすくするために、閾値IthP,IthH,IthLのうち、閾値IthPの変更を例に挙げて説明するが、閾値IthH,IthLの各々についても同様である。
まず、ECU21の開発段階において、下記《1》の手順を行う。
《1》ECU21の代表品(以下、マスタECUという)を用いて、図4の左側に例示するマスタ閾値マップ83を作成する。
マスタ閾値マップ83は、コイル電流経路の電気的特性(本実施形態では、抵抗値であるRと、インダクタンス値であるL)をパラメータとして、放電制御回路51に設定すべき閾値IthPが、ピーク電流閾値データのかたちで記録されたデータマップである。また、放電制御回路51に設定すべき閾値IthPとは、実際のコイル電流の最大値を、それの調整規格範囲内とすることができる閾値IthPである。
この《1》では、マスタECUを所定の周囲温度及びバッテリ電圧VBの条件下で動作させる。そして、コイル電流経路の複数通りの各電気的特性値(本実施形態では、複数通りの抵抗値及びインダクタンス値の各組み合わせ)について、コンデンサ29の放電による実際のコイル電流の最大値を計測機器により計測すると共に、駆動用IC33に指令する閾値IthPを調整する。そして更に、コイル電流の最大値が調整規格範囲内となる閾値IthPを探し、その探し出した閾値IthPと、それに対応する電気的特性値とを、図4の左側に例示するように対応付けて記録することにより、マスタ閾値マップ83を作成する。
尚、マスタ閾値マップ83に記録される閾値IthPの実際の情報形態は、閾値IthPに該当するピーク電流閾値データであるが、分かりやすくするために、記録されるのが閾値IthPである、と表現している。そして、このことは、後述する生産品別の閾値マップ85〜87及び他の実施形態の閾値マップ107〜109についても同様である。
また、この《1》での調整規格範囲は、前述した比較例とは異なり、コイル電流経路の電気的特性以外の変化要素(例えばECU21の周囲温度とバッテリ電圧VB)がECU21の実使用想定範囲で変化しても、計測対象の値(この例では、コイル電流の最大値)が仕様規格範囲に入るように設定される。一方、図4において、Eで始まる2文字は、8ビットの閾値データをヘキサ表示したものである。
そして、ECU21の生産工程においては、生産されるECU21毎に、下記《2》,《3》の手順により、図4の右側に例示する生産品別の閾値マップ85を作成して、その閾値マップ85をECU21の不揮発性メモリ37に書き込む。生産品別の閾値マップ85は、マスタ閾値マップ83と同様のデータマップであるが、生産されるECU21の個々に特化したものである。
《2》ECU21の端子CM,INJ間に、コイル電流経路の電気的特性が所定の代表値となる電磁弁23あるいは疑似負荷を接続する。代表値は、本実施形態では、図4の右側において、「(工場)」と記載している欄の値であり、例えば「R=0.8Ω、L=40mH」である。
そして、マイコン35の動作モードを前述のテストモードにし、マスタ閾値マップ83を作成するためにマスタECUを動作させた周囲温度及びバッテリ電圧VBの条件と同じ条件で、ECU21を動作させると共に、実際のコイル電流を計測機器により計測する。
そして更に、ECU21外部の情報処理装置からマイコン35への指令により、マイコン35が駆動用IC33に送信するピーク電流閾値データ(即ち、駆動用IC33に対して指令する閾値IthP)を調整して、コイル電流の最大値が上記《1》で述べた調整規格範囲内となる閾値IthPを探し出す。
《3》マスタ閾値マップ83において上記代表値の電気的特性に対応する閾値IthP(以下、IthPmと記載する)と、上記《2》で探し出した閾値IthP(以下、IthPsと記載する)との差分Δ(=IthPm−IthPs)を算出する。そして、マスタ閾値マップ83における各閾値IthPを、差分Δによって補正したマップを、生産品であるECU21に特化した閾値マップ85とし、その閾値マップ85をECU21の不揮発性メモリ37に書き込む。
差分Δによる補正の具体的な手法としては、本実施形態では、例えばマスタ閾値マップ83における電気的特性値毎の各閾値IthPから補正値としての差分Δを一律に引く、という補正(以下、一律補正という)である。図4の例では、マスタ閾値マップ83において星印を付した「E4」がIthPmであり、IthPsが「E2」であったとすると、差分Δは、ヘキサ表示で「02」となる。このため、図4の右側に示すように、生産品別の閾値マップ85は、図4の左側のマスタ閾値マップ83における各閾値IthPから「02」を引いたマップとなる。また一律補正では精度にばらつきがあることが開発段階でわかっている場合には、例えば、電気的特性値毎の補正値Δr,lを算出するための計算式F(Δ,r,l)を、適合にて準備しておき、その計算式F(Δ,r,l)を用いてより適切な補正値Δr,lを求めてもよい。尚、補正値Δr,lとは、マスタ閾値マップ83における各閾値IthPのうち、「抵抗値R=rでインダクタンス値L=l」という電気的特性値に対応する閾値IthPを補正するための補正値である。また、計算式F(Δ,r,l)における「Δ」と「r」と「l」との各々には、上記の差分Δと抵抗値Rとインダクタンス値Lとが、それぞれ代入されることなる。一方、一律補正の場合の式は、Δ=F(Δ,r,l)となる。
本実施形態では、このようにして、ECU21毎に、コイル電流経路の電気的特性値に対する最適な閾値IthPを記録した閾値マップ85が、不揮発性メモリ37に記憶される。
次に、マイコン35が閾値を変更するために行う処理について説明する。
車両に搭載された状態のECU21において、マイコン35は、所定の実行タイミングが到来すると、図5の閾値設定処理を行う。尚、マイコン35が行う処理は、CPU41がROM42内のプログラムを実行することで実現される。また、ECU21が搭載される車両では、車両の使用者が車両をイグニッションオン状態にする操作を行うと、ECU21に動作用電圧としてのバッテリ電圧VBを供給するための給電用リレー(いわゆるメインリレー)がオンして、ECU21が動作を開始する。そして、車両の使用者が車両をイグニッションオフ状態にする操作を行ってから、ECU21のマイコン35が上記給電用リレーのオフを許可するまでは、上記給電用リレーがオンし続けるようになっている。また、車両をイグニッションオン状態にする操作は、例えば、イグニッションスイッチをオンする操作であり、車両をイグニッションオフ状態にする操作は、例えば、イグニッションスイッチをオフする操作である。
図5に示すように、マイコン35は、閾値設定処理では、まずS110にて、駆動信号Sdをアクティブレベル(本実施形態ではハイ)にして、トランジスタT10をオンさせる。次にS115にて、電圧供給用回路69を動作させる。つまり、図6の(1)に示すように、駆動信号Scをハイにする。すると、トランジスタ73がオンして、トランジスタT11がオンし、端子CMに、コイル電流経路の電気的特性を計測するための計測用電圧として、バッテリ電圧VBが供給される。このため、コイル25に電流が流れ始める。
次にS120にて、コイル電流の飽和値である飽和電流Isatを計測する。
具体的には、図6における(2)の部分に示すように、駆動用IC33から入力される増幅回路49の出力電圧Viを一定時間毎にサンプリングし、その出力電圧Viが増加変化しなくなった時点での該出力電圧Viの値を、飽和電圧VIsatとして記憶する。そして、その飽和電圧VIsatを前述のGで割ることにより、飽和電流Isat(=VIsat/G)を算出する。
次にS130にて、抵抗81,82同士の接続点の電圧からバッテリ電圧VBを検出し、その検出したバッテリ電圧VBと、上記S120で計測した飽和電流Isatとを用いて、下記の式1により、コイル電流経路の抵抗値Rを算出する。
R=VB/Isat …式1
尚、式1におけるVBとしては、バッテリ電圧VBの検出値をそのまま用いても良いが、例えば、バッテリ電圧VBの検出値から、トランジスタT11とダイオードD11とトランジスタT10とによる電圧降下分を引いた値を用いるとなお良い。また抵抗値Rの算出精度を更に上げる手法として、S120にて電流計測と合わせてバッテリ電圧VBを計測しておくのでもよい。このようにすれば、S120での電流計測時においてバッテリ電圧VBの変化(例えば落ち込み)が大きくなっても、抵抗値Rを精度良く算出することができる。一方、バッテリ電圧VBの検出値に代えて、バッテリ電圧VBの標準値(例えば14V)を用いることもでき、その場合にはバッテリ電圧VBの検出が不要となる。
次にS140にて、下記の式2により、時定数電流Ilrを算出する。
Ilr=(1−1/e)×Isat …式2
尚、式2におけるeは、自然対数の底である。そして、時定数電流Ilrは、コイル25への通電開始から、コイル電流経路と等価と見なしたLR回路の時定数τ(=L/R)が経過した時の、コイル電流である。
次にS150にて、電圧供給用回路69の動作を停止させる。つまり、図6の(3)に示すように、駆動信号Scをローにする。すると、トランジスタ73がオフして、トランジスタT11もオフし、端子CMへのバッテリ電圧VBの供給が停止する。
次にS160にて、コイル電流が0になるまで待つ。具体的には、図6における(4)の部分に示すように、増幅回路49の出力電圧Viを一定時間毎にサンプリングし、その出力電圧Viが0Vになるまで待つ。
次にS170にて、再び電圧供給用回路69を動作させる。つまり、図6の(5)に示すように、駆動信号Scをハイにして、コイル25に電流を流し始める。
次にS180にて、コイル電流が0から時定数電流Ilrになるまでの時間tlrを計測する。具体的には、図6における(6)の部分に示すように、増幅回路49の出力電圧Viを一定時間毎にサンプリングし、その出力電圧Viが0Vから時定数電流Ilrに相当する電圧VIlr(=Ilr×G)になるまでの時間を計測する。
次にS185にて、トランジスタT10をオフさせると共に、電圧供給用回路69の動作を停止させる。
次にS190にて、S130で算出した抵抗値Rと、S180で計測した時間tlrとを用いて、下記の式3により、コイル電流経路のインダクタンス値Lを算出する。
L=tlr×R …式3
次にS200にて、不揮発性メモリ37に記憶されている前述の閾値マップ85から、S130,S190で算出したコイル電流経路の電気的特性値(R,L)に対応する閾値IthPを、補間演算等によって算出する。尚、算出した電気的特性値そのものが閾値マップ85に記録されていた場合には、算出した電気的特性値に対応する閾値IthPを閾値マップ85から読み出すだけで良い。また式3に関してはLR回路の時定数(tlr)からLを算出しているが、S180で計測する時間(ターゲット時間)を「tlr」→「a×tlr」とすれば(尚、aは任意の定数)、S140で用いる式2は下記の式2'となり、S180では、コイル電流が0から式2'で求めたIalrになるまでの時間を「a×tlr」として計測することとなる。そして、S190で用いる式3は下記の式3'となる。
Ialr=(1−exp(−a))×Isat …式2’
L=a×tlr×R …式3’
インダクタンス値Lの算出精度が高くなるターゲット時間が開発段階で適合されていれば、上記式2’,式3’を採用してもよい。
次にS210にて、S200で算出した閾値IthP(実際には、閾値IthPに該当するピーク電流閾値データ)を、シリアル通信線55を介して、駆動用IC33に送信する。そして、その後、当該閾値設定処理を終了する。
また、マイコン35が図5の閾値設定処理を行うタイミング(閾値設定処理の実行タイミング)は、燃料噴射の実施期間(電磁弁23の駆動期間)以外で、且つ、燃料噴射のための電磁弁23の駆動開始時までに図5の処理を完了することが可能なタイミングであれば良い。このため、閾値設定処理の実行タイミングとしては、例えば、ECU21の車両組付け後の検査工程における所定のタイミング(例えば最終段階のタイミング)であったり、車両がイグニッションオフ状態になってからマイコン35が給電用リレーのオフを許可するまでの期間であったり、燃料噴射間隔が所定値以上となるエンジン低回転状態の場合における燃料噴射の非実施期間中が考えられる。ただし電気的特性計測時に電磁弁が開弁する場合は、問題のない閾値設定処理の実行タイミングを開発段階で検討の上、設定する必要がある。
尚、ECU21の生産工程においては、定電流制御用の閾値IthH,IthLについても、閾値IthPに関する閾値マップ85と同様の閾値マップ86,87が作成されて、ECU21の不揮発性メモリ37に記憶される(図1,図4参照)。そして、マイコン35は、図5のS200では、閾値IthHに関する閾値マップ86から、S130,S190で算出した電気的特性値に対応する閾値IthHを算出し、閾値IthLに関する閾値マップ87から、S130,S190で算出した電気的特性値に対応する閾値IthLを算出する。そして更に、マイコン35は、図5のS210では、S200で算出した閾値IthH、IthL(実際には、閾値IthHに該当する上側閾値データと、閾値IthLに該当する下側閾値データ)も、シリアル通信線55を介して駆動用IC33に送信する。
以上のようなECU21では、図5のS110〜S190の処理により、コイル電流経路の電気的特性を計測している。そして、コイル電流の制御に用いる閾値(具体的には、放電制御回路51がトランジスタT12を制御するのに用いる閾値IthPと、定電流制御回路53がトランジスタT11を制御するのに用いる閾値IthH,IthL)を、コイル電流経路の電気的特性の計測結果に応じて変更する。
このため、コイル電流経路の電気的特性が製造上あるいは経時変化によってばらついても、コイル電流の極値(本実施形態では、コンデンサ29からコイル25への放電による最大値と、定電流制御による極大値及び極小値)を目標の値(具体的には、仕様規格範囲内の値)にすることができる閾値を、可変で自動的に設定することができる。尚、コイル電流経路の電気的特性のばらつきとしては、例えば、コイル25のインダクタンス及び抵抗のばらつきが主であるが、端子CM,INJに接続されるワイヤハーネスの抵抗のばらつきや、端子CM,INJでの接触抵抗のばらつき等も含まれる。
つまり、本実施形態のECU21によれば、コイル電流制御用の閾値をコイル電流経路の実際の電気的特性に応じて自律補正することができる。よって、コイル電流の制御精度を向上させることができ、延いては、電磁弁23の制御精度を向上させることができる。よって、燃料噴射の制御精度を向上させることができる。
具体的には、コイル25に流すピーク電流の最大値の制御精度が向上することから、電磁弁23の開弁タイミングの制御精度が向上し、その結果、燃料噴射開始タイミングの制御精度が向上する。また、コイル25に流す一定電流の極大値と極小値との制御精度が向上することから、通電期間の終了時におけるコイル電流のばらつきが小さくなる。よって、通電期間の終了時から電磁弁23が閉弁するまでの遅れ時間のばらつきが小さくなり、燃料噴射終了タイミングの制御精度が向上する。
また、前述した比較例の手法では、仕様規格範囲が狭く設定されると、ECU21を構成する部品として、特性ばらつきの小さい高価な部品を採用しなければならなかったり、上記〈1〉,〈2〉の工程において、計測精度の高い計測機器を使用しなければならなかったりする。更に、生産されるECU21のうち、仕様規格範囲の条件を満たすことができる良品の割合(即ち、歩留まり)が低下してしまう。これに対して、本実施形態のECU21によれば、そのような不具合を回避することができる。
また、本実施形態では、コイル25に一定の電流を流すためのトランジスタT11をオンさせることで、端子CMに、コイル電流経路の電気的特性を計測するための計測用電圧として、バッテリ電圧VBを供給している。このため、コイル電流経路の電気的特性を計測するために追加する部品数を、少なくすることができる。
尚、本実施形態では、コンデンサ電圧VCとバッテリ電圧VBとの各々が、駆動用電圧に相当し、トランジスタT12とトランジスタT11との各々が、電流制御用スイッチング素子に相当している。そして、トランジスタT12については、増幅回路49と放電制御回路51が制御手段に相当し、トランジスタT11については、増幅回路49と定電流制御回路53が制御手段に相当している。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のECUについて説明する。尚、第1実施形態と同様の構成要素や処理等については、第1実施形態と同じ符号を用いるため、説明を省略する。そして、このことは、後述する他の実施形態についても同様である。
図2に示すように、第2実施形態のECU89は、第1実施形態のECU21と比較すると、電圧供給用回路69に代えて、電圧供給用回路90を備えている点が異なる。
電圧供給用回路90は、一方の出力端子が一定の電圧VM(例えば5V)に接続されたトランジスタ(この例ではPチャネル型のFET)91と、トランジスタT11の他方の出力端子にアノードが接続され、カソードが端子CMに接続された逆流防止用のダイオード92と、一端が電圧VMに接続された抵抗93と、抵抗93の他端にコレクタが接続され、エミッタがグランドラインに接続されたNPNトランジスタ(以下単に、トランジスタという)94と、トランジスタ94のコレクタとトランジスタ91のゲートとの間に接続された抵抗95と、トランジスタ94のベースに一端が接続され、他端にマイコン35からの駆動信号Scが供給される抵抗96とを備える。
このような電圧供給用回路90では、マイコン35からの駆動信号Scがアクティブレベルとしてのハイになると、トランジスタ94がオンして、トランジスタ91のゲートを、抵抗95を介して接地することにより、トランジスタ91をオンさせる。そして、トランジスタ91がオンすることで、端子CMに、コイル電流経路の電気的特性を計測するための計測用電圧として、電圧VMが供給される。
つまり、本第2実施形態では、計測用電圧として一定の電圧VMを使用している。そして、トランジスタT11とは別の、計測用スイッチング素子としてのトランジスタ91をオンさせることにより、端子CMに電圧VMを供給するようになっている。
このため、ECU89において、マイコン35は、図5のS130では、バッテリ電圧VBを検出せず、式1に代えて、下記の式4により、コイル電流経路の抵抗値Rを算出する。
R=VM/Isat …式4
尚、式4におけるVMとしては、電圧VMの値(既知の値であり、この例では5V)をそのまま用いても良いが、例えば、電圧VMの値から、トランジスタ91とダイオード92とトランジスタT10とによる電圧降下分を引いた値を用いるとなお良い。
以上のような第2実施形態のECU89によれば、第1実施形態と比較すると、マイコン35は、バッテリ電圧VBを検出しなくても、コイル電流経路の電気的特性(抵抗値R及びインダクタンス値L)を精度良く計測することができる。また、第1実施形態において、マイコン35が図5のS130で抵抗値Rを算出するのにバッテリ電圧VBの標準値を用いるのであれば、その構成よりも精度良くコイル電流経路の電気的特性を計測することができる。そして、電気的特性の計測精度が上がれば、コイル電流の制御精度も向上することとなる。
[第3実施形態]
図8に示すように、第3実施形態のECU99は、第1実施形態のECU21と比較すると、下記〔1〕〜〔6〕の点が異なっている。
〔1〕ECU99には、コンデンサ電圧VCを、マイコン35が入力可能な電圧に分圧する2つの抵抗101,102が備えられている。そして、抵抗101,102同士の接続点に生じる電圧であって、コンデンサ電圧VCを分圧した電圧は、マイコン35に入力される。マイコン35は、抵抗101,102同士の接続点の電圧をA/D変換器44によりA/D変換し、そのA/D変換値からコンデンサ電圧VCを検出する。
〔2〕ECU99には、一端がグランドラインに接続されたサーミスタ103と、サーミスタ103の他端に一端が接続され、他端に一定の電圧Vcc(例えば5V)が印加されたプルアップ用の抵抗104とが備えられている。
サーミスタ103は、温度に応じて抵抗値が変化する抵抗体である。このため、サーミスタ103の抵抗値は、ECU99の内部温度(以下、ECU内部温度という)に応じて変化する。そして、サーミスタ103と抵抗104との接続点に生じる電圧(以下、内部温度モニタ電圧という)は、ECU内部温度に応じて変化することとなり、その内部温度モニタ電圧は、マイコン35に入力される。マイコン35は、内部温度モニタ電圧をA/D変換器44によりA/D変換し、そのA/D変換値からECU内部温度を検出する。尚、サーミスタ103は、ECU99の内部において、温度をより正確に検出したい対象物の近くに実装すれば良い。
〔3〕ECU99の外部において、例えば、電磁弁23に燃料を供給する燃料通路または燃料貯留室には、温度センサとしてのサーミスタ105が設けられている。このため、サーミスタ105の抵抗値は、電磁弁23に供給される燃料の温度(以下、燃料温度という)に応じて変化する。
サーミスタ105の一端は、ECU99の外部において、グランドラインに接続されている。また、サーミスタ105の他端は、ECU99の内部において、プルアップ用の抵抗106を介して一定の電圧Vccに接続されている。そして、サーミスタ105と抵抗106との接続点に生じる電圧(以下、燃料温度モニタ電圧という)は、燃料温度に応じて変化することとなり、その燃料温度モニタ電圧は、マイコン35に入力される。マイコン35は、燃料温度モニタ電圧をA/D変換器44によりA/D変換し、そのA/D変換値から燃料温度を検出する。
〔4〕不揮発性メモリ37には、閾値マップ85〜87の各々に代えて、図9のような閾値マップ107〜109が記憶される。尚、図9においては、閾値マップ107〜109に記録された閾値を、「*」で示している。
図9に示すように、閾値マップ107は、コイル電流経路の電気的特性(R,L)と、駆動用電圧と、ECU内部温度と、燃料温度とをパラメータとして、放電制御回路51に設定すべき閾値IthP(実際には、閾値IthPに該当するピーク電流閾値データ)が記録されたデータマップである。同様に、閾値マップ108は、コイル電流経路の電気的特性(R,L)と、駆動用電圧と、ECU内部温度と、燃料温度とをパラメータとして、定電流制御回路53に設定すべき閾値IthH(実際には、閾値IthHに該当する上側閾値データ)が記録されたデータマップである。そして、閾値マップ109も、コイル電流経路の電気的特性(R,L)と、駆動用電圧と、ECU内部温度と、燃料温度とをパラメータとして、定電流制御回路53に設定すべき閾値IthL(実際には、閾値IthLに該当する下側閾値データ)が記録されたデータマップである。
また、閾値IthPは、トランジスタT12を制御するための閾値であり、トランジスタT12を介してコイル25に供給する駆動用電圧は、コンデンサ電圧VCであるため、閾値マップ107におけるパラメータとしての駆動用電圧は、コンデンサ電圧VCである。一方、閾値IthH,IthLは、トランジスタT11を制御するための閾値であり、トランジスタT11を介してコイル25に供給する駆動用電圧は、バッテリ電圧VBであるため、閾値マップ108,109におけるパラメータとしての駆動用電圧は、バッテリ電圧VBである。
閾値マップ107〜109の各々は、例えば、前述した閾値マップ85〜87の作成手法と同様の手法で作成しても良いし、また、一部又は全部を理論計算によって作成しても良い。
また、閾値マップ107〜109において閾値を特定するためのパラメータのうち、コイル電流経路の電気的特性以外のパラメータである駆動用電圧とECU内部温度と燃料温度との各々も、前述の閾値超過量に相関がある物理量である。駆動用電圧が変われば、コイル電流の変化速度が変わるため、前述の回路遅れ時間が一定であるとしても、閾値超過量が変わる。ECU内部温度が変われば、トランジスタT11,T12を含む電子部品の温度特性により回路遅れ時間が変わるため、閾値超過量が変わる。燃料温度が変われば、電磁弁23のコイル25の温度が変わるため、コイル25の電気的特性が変わり、閾値超過量も変わる。
尚、図9は、閾値マップ107〜109の構成として、駆動用電圧の複数の値(x1,x2,…)と、ECU内部温度の複数の値(y1,y2,…)と、燃料温度の複数の値(z1,z2,…)との、各組み合わせに対して、第1実施形態の閾値マップ85〜87と同様のマップが記録された構成を表している。しかし、閾値マップ107〜109の構成は、各パラメータと閾値との対応関係が特定可能であれば、どのような構成でも良い。
〔5〕マイコン35は、図5の閾値設定処理に代えて、図10の閾値設定処理を行う。
図10の閾値設定処理は、図5の閾値設定処理と比較すると、S195が追加されている点が異なる。そして、マイコン35は、そのS195では、駆動用電圧としてのコンデンサ電圧VC及びバッテリ電圧VBと、ECU内部温度と、燃料温度とを検出する。尚、コンデンサ電圧VCは、抵抗101,102同士の接続点の電圧から検出され、バッテリ電圧VBは、抵抗81,82同士の接続点の電圧から検出される。そして、ECU内部温度は、前述の内部温度モニタ電圧から検出され、燃料温度は、前述の燃料温度モニタ電圧から検出される。また、バッテリ電圧VBについては、このS195にて、改めて検出せずに、S130で検出した値をRAM43等から読み出しても良い。
そして、マイコン35は、S195の次のS200では、不揮発性メモリ37に記憶されている閾値マップ107〜109から、閾値IthP,IthH,IthLを算出する。具体的には、閾値マップ107から、S130,S190で算出したコイル電流経路の電気的特性値(R,L)と、S195で検出した駆動用電圧としてのコンデンサ電圧VC,ECU内部温度及び燃料温度の各々とに対応する閾値IthPを、補間演算等によって算出する。また、閾値マップ108から、S130,S190で算出したコイル電流経路の電気的特性値(R,L)と、S195で検出した駆動用電圧としてのバッテリ電圧VB,ECU内部温度及び燃料温度の各々とに対応する閾値IthHを、補間演算等によって算出する。同様に、閾値マップ109から、S130,S190で算出したコイル電流経路の電気的特性値(R,L)と、S195で検出した駆動用電圧としてのバッテリ電圧VB,ECU内部温度及び燃料温度の各々とに対応する閾値IthLを、補間演算等によって算出する。
そして、マイコン35は、次のS210にて、S200で算出した閾値IthP,IthH,IthLを、シリアル通信線55を介して駆動用IC33に送信する。
〔6〕マイコン35は、図10の閾値設定処理とは別に、図11の第2設定処理も行う。第2設定処理は、例えば、車両がイグニッションオン状態である場合において、第n気筒#nの燃料噴射非実施期間(即ち、噴射指令信号S#nをローにしてから次にハイにするまでの期間)毎に実行される。
図11に示すように、マイコン35は、第2設定処理では、まずS310にて、図10のS195と同じ処理を行う。つまり、駆動用電圧としてのコンデンサ電圧VC及びバッテリ電圧VBと、ECU内部温度と、燃料温度とを検出する。次にS320にて、閾値設定処理(図10)で算出済みの最新の電気的特性値(R,L)をRAM43等から読み込む。
そして、次のS330にて、S310とS320の処理結果を用いて、閾値マップ107〜109から、図10のS200と同様に、閾値IthP,IthH,IthLを算出する。具体的には、閾値マップ107から、S320で読み込んだ電気的特性値(R,L)と、S310で検出したコンデンサ電圧VC,ECU内部温度及び燃料温度の各々とに対応する閾値IthPを、補間演算等によって算出する。また、閾値マップ108,109の各々から、S320で読み込んだ電気的特性値(R,L)と、S310で検出したバッテリ電圧VB,ECU内部温度及び燃料温度の各々とに対応する閾値IthH,IthPを、補間演算等によって算出する。
そして、マイコン35は、次のS340にて、図10のS210と同様に、S330で算出した閾値IthP,IthH,IthLを、シリアル通信線55を介して駆動用IC33に送信し、その後、当該第2設定処理を終了する。
尚、第2設定処理のうち、例えば、S310〜S330の処理を一定時間毎に実行し、S340の処理を、噴射指令信号S#nをローからハイにする前に実行しても良い。
以上のような第3実施形態のECU99によれば、コイル電流経路の電気的特性に加えて、駆動用電圧(VC又はVB)とECU内部温度と燃料温度との各々に応じても、閾値を最適値に変更することができる。
このため、コイル電流の制御精度を一層向上させることができる。よって、電磁弁23の制御精度を更に向上させて、燃料噴射の制御精度を一層向上させることができる。
また、閾値を決定するためのパラメータとして用いている物理量のうち、コイル電流経路の電気的特性以外の物理量(駆動用電圧、ECU内部温度、燃料温度)は、コイル電流経路の電気的特性と比較すると、検出するのに要する時間が短くて済むし、燃料噴射の実施期間中でも検出することができる。よって、コイル電流経路の電気的特性を計測する頻度よりも、電気的特性以外の物理量を検出してその検出結果に応じて閾値を更新する頻度を、高くすることができる。このため、本第3実施形態では、マイコン35が、図10の閾値設定処理とは別に、図11の第2設定処理を行うようにしている。
また特に、コイル電流経路の電気的特性を計測してからの経過時間が長くなって、燃料温度の変化により、コイル電流経路の電気的特性が既に計測した値から変わったとしても、燃料温度に応じて閾値が更新されるため、コイル電流の高い制御精度を維持することができる。
一方、閾値超過量のばらつきをもたらす回路遅れ時間のばらつきの要因は、主にトランジスタT11,T12の動作応答遅れの温度特性であるため、ECU内部温度を検出するためのサーミスタ103は、トランジスタT11,T12の近く(例えば、トランジスタT11,12と隣り合う位置)に配置するのが好ましい。
尚、本第3実施形態の構成は、第2実施形態のECU89に対しても同様に適用することができる。つまり、図8のECU99において、電圧供給用回路69の代わりに、図7の電圧供給用回路90を設けても良い。
また、閾値を決定するためのパラメータとして用いる物理量のうち、コイル電流経路の電気的特性以外の物理量としては、駆動用電圧、ECU内部温度及び燃料温度のうちの1つ又は2つであっても良いし、他の物理量であっても良い。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、トランジスタT10〜T12,91は、FETに限らず、バイポーラトランジスタやIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)等の他種類のトランジスタでも良い。また、トランジスタ73,94も、バイポーラトランジスタに限らず、例えば、FETやIGBT等の他種類のトランジスタでも良い。
また、駆動対象の電磁弁23は、インジェクタに限らず、例えば燃料を圧送する燃料ポンプの電磁弁等でも良い。
また、特許請求の範囲に記載された内容の範囲において、前述した実施形態の構成や処理のうちの、何れかの組み合わせを変える変形や、一部を削除する変形等を行うことも勿論可能である。
例えば、閾値IthP,IthH,IthLの全てを可変にするのではなく、それらのうちの1つ又は2つを可変にする構成でも良い。尚、閾値IthP,IthH,IthLのうち、閾値IthPだけを可変にするのであれば、トランジスタT11,T12のうち、トランジスタT12だけが電流制御用スイッチング素子に相当することとなる。また、閾値IthP,IthH,IthLのうち、閾値IthH、IthLの両方又は一方だけを可変にするのであれば、トランジスタT11,T12のうち、トランジスタT11だけが電流制御用スイッチング素子に相当することとなる。
23…電磁弁、25…コイル、CM…端子、VC…コンデンサ電圧、VB…バッテリ電圧、VM…一定の電圧、T11,T12…トランジスタ、35…マイコン、37…不揮発性メモリ、49…増幅回路、51…放電制御回路、53…定電流制御回路、69,90…電圧供給用回路、85,86,87,107,108,109…閾値マップ

Claims (7)

  1. 電磁弁(23)のコイル(25)に電流を流す電流経路における前記コイルよりも上流側(CM)と、前記コイルに電流を流すための駆動用電圧(VC,VB)との間に、直列に設けられ、前記コイルに流れる電流であるコイル電流を制御するためにオン/オフされる電流制御用スイッチング素子(T12,T11)と、
    前記電流制御用スイッチング素子を制御する制御手段(49,51,53)と、を備え、
    前記制御手段は、前記電流制御用スイッチング素子を、オンとオフとの一方である第1状態から、オンとオフとの他方である第2状態へと切り換えるための閾値が設定され、前記電流制御用スイッチング素子を前記第1状態にしているときに、前記コイル電流が前記閾値に到達したことを検知すると、前記電流制御用スイッチング素子を前記第1状態から前記第2状態へと切り換えることにより、前記コイル電流の極値を目標の値に制御するようになっている、電磁弁駆動装置において、
    前記電流経路における前記コイルよりも上流側に、前記電流経路の電気的特性を計測するための計測用電圧(VB,VM)を供給する電圧供給手段(69,90)と、
    前記電圧供給手段を動作させて前記コイルに電流を流すと共に、その電流を観測することにより、前記コイルを含む前記電流経路の電気的特性を計測する計測手段(35,S110〜S190)と、
    前記計測手段により計測される前記電気的特性をパラメータとして、前記制御手段に設定すべき前記閾値が記録された閾値設定用情報(85,86,87,107,108,109)を記憶する記憶手段(37)と、
    前記閾値設定用情報から、前記計測手段により計測された前記電気的特性に対応する前記閾値を算出し、その算出した閾値を前記制御手段に設定する閾値設定手段(35,S200,S210,S330,S340)と、
    を備えることを特徴とする電磁弁駆動装置。
  2. 請求項1に記載の電磁弁駆動装置において、
    前記電気的特性とは別の物理量であって、前記コイル電流が前記閾値に達してもなお同じ方向に変化して該閾値を超える量に相関がある物理量を検出する検出手段(35,S195,S310)を備え、
    前記閾値設定用情報(107,108,109)は、前記検出手段により検出される前記物理量もパラメータとして、前記制御手段に設定すべき前記閾値が記録されたものであり、
    前記閾値設定手段は、前記閾値設定用情報から、前記計測手段により計測された前記電気的特性と前記検出手段により検出された前記物理量とに対応する前記閾値を算出し、その算出した閾値を前記制御手段に設定すること、
    を特徴とする電磁弁駆動装置。
  3. 請求項2に記載の電磁弁駆動装置において、
    前記物理量は、前記駆動用電圧であること、
    を特徴とする電磁弁駆動装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の電磁弁駆動装置において、
    前記物理量は、当該電磁弁駆動装置の内部温度であること、
    を特徴とする電磁弁駆動装置。
  5. 請求項2ないし請求項4の何れか1項に記載の電磁弁駆動装置において、
    前記電磁弁は、内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射弁であり、
    前記物理量は、前記電磁弁に供給される前記燃料の温度であること、
    を特徴とする電磁弁駆動装置。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の電磁弁駆動装置において、
    前記電流経路における前記コイルよりも上流側と第1の駆動用電圧(VC)との間に直列に設けられ、前記コイルへの通電開始時にオンされることで、前記コイルに前記電磁弁の弁体を動かすためのピーク電流を流す第1スイッチング素子(T12)と、
    前記電流経路における前記コイルよりも上流側と前記第1の駆動用電圧よりも低い第2の駆動用電圧(VB)との間に直列に設けられ、前記コイルに前記ピーク電流を流すことが終了してから前記コイルに前記ピーク電流よりも小さい一定の電流を流すためにオン/オフされる第2スイッチング素子(T11)と、を備え、
    前記電流制御用スイッチング素子は、前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子との一方又は両方であり、
    前記電圧供給手段(69)は、前記第2スイッチング素子をオンさせることにより、前記第2の駆動用電圧を前記計測用電圧として前記上流側に供給すること、
    を特徴とする電磁弁駆動装置。
  7. 請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の電磁弁駆動装置において、
    前記計測用電圧は一定の電圧(VM)であり、
    前記電圧供給手段(90)は、前記電流経路における前記コイルよりも上流側と前記計測用電圧との間に直列に設けられた計測用スイッチング素子(91)を備え、該計測用スイッチング素子をオンさせることにより、前記上流側に前記計測用電圧を供給すること、
    を特徴とする電磁弁駆動装置。
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