JP2014169506A - 繊維シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】粒状添加剤を含む繊維トウの開繊物をプレスして繊維シートを製造する方法であって、プレス手段間にスペーサを介在させた状態にて、繊維トウの開繊物をプレスする工程を有しており、
前記プレス工程が、繊維トウの開繊物を繊維トウのガラス転移温度(Tg)以上の温度でスペーサ厚さにプレスする第1工程と、その後、プレスしたままでTg未満まで冷却する第2工程を有している、繊維シートの製造方法。
【選択図】なし
Description
特許文献4には、柔軟で吸収性能に優れ、液の拡散を制御して液漏れを効率よく防止することができる吸収体が製造できることが記載され、特許文献5には、柔軟であり、スポット吸収性に優れ、使用中の加わる外力により破壊やヨレが生じにくい吸収体が製造できることが記載されている。
粒状添加剤を含む繊維トウの開繊物をプレスして繊維シートを製造する方法であって、
プレス手段間にスペーサを介在させた状態にて、繊維トウの開繊物をプレスする工程を有しており、
前記プレス工程が、
繊維トウの開繊物を繊維トウのガラス転移温度(Tg)以上の温度でスペーサ厚さにプレスする第1工程と、
その後、プレスしたままでTg未満まで冷却する第2工程を有している、繊維シートの製造方法を提供する。
本発明で使用する粒状添加剤を含む繊維トウの開繊物は、公知の製造方法で製造することができ、例えば、特許文献1〜3に記載された製造装置を使用して、繊維トウを空気開繊する方法により製造することができる。
具体的には、セルロースエステル系繊維(セルロースモノアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートなどのセルロースアセテート系繊維など)、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、アクリル系繊維、オレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維などを例示できる。繊維は単繊維であってもよく複合繊維であってもよく混紡繊維であってもよい。特に、セルロースアセテート系繊維が好ましい。
粒状添加剤としては、吸水目的のための吸収性樹脂乃至水溶性樹脂(SAPなど)、脱臭目的のための樹脂、活性炭等を用いることができる。粒状添加剤の粒径範囲は、用途に応じて決められるものである。
粒状添加剤の添加量は、繊維トウ100質量部に対して、100〜800質量部が好ましく、より好ましくは200〜600質量部であり、さらに好ましくは250〜450質量部である。
ここでプレス手段とは、
1)一対のプレス板の組み合わせ、
2)一対のロールの組み合わせ、
3)プレス板とロールの組み合わせ、
などを使用することができる。
以下においては、図1に示すような一対のプレス板の組み合わせからなるプレス手段を使用する製造方法を説明する。
このとき、下側プレス板11も可動式にして、上下方向からプレスできるようにしてもよい。
なお、下側プレス板11と上側プレス板12は、加熱媒体および冷却媒体を供給できるようになっており、加熱媒体を供給することで所定温度に加熱することができ、冷却媒体を供給することで所定温度に冷却できるようになっている。
2対のスペーサ15を使用するときは、例えば図2または図3のスペーサ15a〜15dのように配置することができる。
図2は、4本の棒状のスペーサ15a〜15dを組み合わせて配置したものであり、内側にトウ開繊物20を配置する。スペーサ15a〜15dは、図2に示すようにそれぞれが接触した状態でもよいし、それぞれが間隔をおいて配置されていてもよい。
図3は、4個の円板のスペーサ15a〜15dを組み合わせて配置したものであり、内側にトウ開繊物20を配置する。
その他、図2に示す棒状のスペーサと図3に示す円板のスペーサを組み合わせて使用することができるし、棒状のスペーサや円板のスペーサと同様に機能できるものであれば、スペーサの形状や大きさは特に制限されるものではない。
スペーサ15の厚みtは、目的とする圧縮後の繊維シート30の厚み(図1(b)参照)であり、繊維シートの用途に応じて適宜調整することができるものであり、例えば0.5〜10mmの範囲にすることができる。
このとき、繊維トウの開繊物20の厚さ方向両面21、22は、保護部材(合成樹脂フィルム、クレープ紙などの紙)などで被覆されていてもよい。
このとき、予め下側プレス板11と上側プレス板12は、いずれも繊維トウのガラス転移温度(Tg)以上になるように調整しておく。
プレス圧は5〜15MPaが好ましく、加熱プレス時間は0.5〜3分が好ましい。
加熱温度は、Tg+0〜40℃の範囲が好ましく、Tg+15〜25℃の範囲がより好ましい。
第1工程は、プレス後の開繊物20の温度が前記温度範囲になるまでプレスを継続する。プレス後の開繊物20の温度は、スペーサ15の厚さが10mm以下の場合には表面温度で計測する。10mmを大きく超えるようなスペーサを使用するような場合には、厚さ方向の中間部分の温度で計測する。なお、表面温度と中間部分温度の誤差を考慮しても、上記温度範囲内であれば、どちらで計測してもよい。
冷却温度は、Tg−10〜80℃の範囲が好ましく、Tg−60〜70℃の範囲がより好ましい。
プレス圧は5〜15MPaが好ましく、冷却プレス時間は2〜12分が好ましい。
第2工程は、プレスした状態の開繊物20の温度が前記温度範囲になるまでプレスを継続する(前記温度範囲になった時点でプレスを終了する)。プレスした状態の開繊物20の温度は、スペーサ15の厚さが10mm以下の場合には表面温度で計測する。10mmを大きく超えるようなスペーサを使用するような場合には、厚さ方向の中間部分の温度で計測する。なお、表面温度と中間部分温度の誤差を考慮しても、上記温度範囲内であれば、どちらで計測してもよい。
本発明の製造方法で得られた繊維シートは、使い捨ておむつ、生理用品などの衛生材料用吸収体の製造用として適している。
特開2011−241487号公報の実施例1と同様にして、粒状添加剤を含むセルロースアセテートトウ(Tg=約80℃)の開繊物を製造した。なお、粒状添加剤はSAP((株)サンダイヤ製)を使用した。
この開繊物の厚さ方向の両側からラップ紙(幅155mm,ニットク(株)製,クレープ紙)を被せ、幅方向の両端から10mmずつの範囲をホットメルト接着剤で封止した。
その後、挟みで切断して、幅100mm、長さ300mm、厚さ7mm、質量12.0g(但し、アセテートトウ2.3g、SAP8.0g)の開繊物を得た。
この厚さ方向の両側面がラップ紙で覆われた開繊物を使用して、図1(a)、(b)に示す工程(表1に示す条件)にて、繊維シート(吸収体)を製造した。
スペーサは、図3に示すように、下側プレス板11上に表1に示す厚さ(但し、直径はいずれも50mm)の円板スペーサ(スペーサ15a〜15e)4個を配置し、内側に開繊物を配置した。
吸収体の厚さは、マイクロゲージ((株)尾崎製作所製,PEACOCK)で計測した。
一方、比較例1、2では、使用したスペーサの厚さよりも大きな厚さの繊維シートしか得ることができなかった。
12 上側プレス板
15(15a〜15d) スペーサ
20 繊維トウの開繊物
30 繊維シート
Claims (4)
- 粒状添加剤を含む繊維トウの開繊物をプレスして繊維シートを製造する方法であって、
プレス手段間にスペーサを介在させた状態にて、繊維トウの開繊物をプレスする工程を有しており、
前記プレス工程が、
繊維トウの開繊物を繊維トウのガラス転移温度(Tg)以上の温度でスペーサ厚さにプレスする第1工程と、
その後、プレスしたままでTg未満まで冷却する第2工程を有している、繊維シートの製造方法。 - プレス工程の第1工程が、プレス圧が5〜15MPaで、加熱プレス時間が0.5〜3分であり、
プレス工程の第2工程が、プレス圧が5〜15MPaで、冷却プレス時間が2〜12分である、請求項1記載の繊維シートの製造方法。 - 前記繊維トウが、セルロースエステル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、アクリル系繊維、オレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維から選ばれる繊維トウである、請求項1または2記載の繊維シートの製造方法。
- 粒状添加剤が吸水剤であり、繊維シートが吸収体である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維シートの製造方法。
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