JP2014169293A - Sparc及びその使用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒト及び他の哺乳動物の腫瘍、並びに他の増殖性、過形成性、再構築性及び炎症性の障害を治療するためのより良い方法の提供。
【解決手段】治療上有効量の酸性でシステインに富んだ分泌タンパク質(SPARC)ポリペプチド及び治療上有効量の微小管阻害剤を含む、哺乳動物の腫瘍を治療するための組成物であって、SPARCポリペプチドが、特定のアミノ酸配列を含むポリペプチド、或いは特定の配列を含むペプチドの組み合わせである、組成物。微小管阻害剤がパクリタキセルであり、アルブミンと結合して、アルブミン結合パクリタキセルがナノ粒子の形態である組成物。
【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本特許出願は、その全体が参照により組み込まれる、2007年4月17日に出願された米国仮特許出願番号60/923,340の利益を主張する。
発明の背景
抗癌剤パクリタキセルはブリストルマイヤーズスクイブ(Bristol Myers Squibb)によりタキソール(Taxol(登録商標))の商標の下で市販されており、現在、卵巣癌、肺癌、
及び乳癌を含む数種の癌の治療に承認されている。パクリタキセルの使用への主要な制限は、その溶解性が低いことである。このため、タキソール製剤は可溶化賦形剤としてクレモフォアEL(Cremophor(登録商標) EL)を含んでいるが、この製剤中にクレモフォアが存在することは、動物(Lorenz et al., Agents Actions 7, 63-67, 1987)及びヒト(Weiss et al., J. Clin. Oncol. 8, 1263-1268, 1990)における深刻な過敏性反応と関連付けられている。したがって、タキソールの投与を受けている患者は、クレモフォアの存在によって起こる過敏症(hypersensitivity)及びアナフィラキシーを軽減するために、コルチコステロイド(デキサメタゾン)及び抗ヒスタミン剤の前投薬が必要である。
一方、アブラキサン(Abraxane(登録商標))(ABI-007としても知られている)はクレ
モフォアを含まない、パクリタキセルのアルブミン−ナノ粒子製剤であり、アブラクシスオンコロジー(Abraxis Oncology)によって市販されている。賦形剤としてアルブミンナノ粒子を使用すると、生理食塩水で再構成されるときにコロイドが形成される。臨床研究に基づき、アブラキサンの使用は、タキソールと比較して過敏性反応が軽減されるという特徴があることが示されている。したがって、アブラキサンの投与を受けている患者には前投薬は不要である。
アルブミン−ナノ粒子製剤の別の長所は、毒性のある乳化剤を除くことによって、タキソールで現在可能であるよりも、高用量のパクリタキセルをより頻繁な間隔で投与することが可能である、ということである。(i)より高い耐用量(300 mg/m2)、(ii)よ
り長い半減期、(iii)持続的な局所腫瘍への有効性、及び/又は(iv)持続したin
vivoでの放出、の結果として、固形腫瘍における効果の増強が見られる見込みがある。
アブラキサンは、薬物の化学療法効果を維持又は改善しながら、過敏性反応を減少させる。
酸性でシステインに富んだ分泌タンパク質(Secreted Protein, Acidic, Rich in Cysteines)(SPARC)(オステオネクチンとしても知られている)は、アブラキサンの
活性を促進するマトリクス細胞糖タンパク質である。SPARCは広範な種々のリガンドに対して親和性を有し、リガンドとしては、陽イオン(例えば、Ca2+、Cu2+、Fe2+)、成長因子(例えば、血小板由来成長因子(PDGF)、及び血管内皮成長因子(VEGF))、細胞外マトリクス(ECM)タンパク質(例えば、コラーゲンI〜V及びコラーゲンIX、ビト
ロネクチン(vitronectin)、及びトロンボスポンジン−1(thrombospondin-1))、内
皮細胞、血小板、ヒドロキシアパタイト及び、本出願にとって最も重要である、アルブミンが挙げられる。SPARCの発現は発生的に制御されており、正常な発生の過程で又は傷害に応答して再構築(remodeling)を受けている組織において主に発現している(例えば、Lane et al., FASEB J., 8, 163-173 (1994)を参照のこと)。高レベルのSPARCタンパク質が、発生中の骨及び歯において発現している。SPARCはまた、数種の悪性の癌においてアップレギュレートされているが、大部分の正常な組織には存在しない(Po
rter et al., J. Histochem. Cytochem., 43, 791(1995)及び以下を参照のこと)。実際
、SPARCの発現は種々の腫瘍において誘導されている(例えば、膀胱、肝臓、卵巣、腎臓、腸、及び乳房)。
ヒト及び他の哺乳動物の腫瘍、並びに他の増殖性、過形成性、再構築性(remodeling)、及び炎症性の障害(disorders)を治療するためのより良い方法が依然として必要とさ
れている。
発明の要旨
本発明は、治療上有効量のSPARCポリペプチド及び治療上有効量の疎水性化学療法剤(例えばタキサンなどの微小管阻害剤など)を、随意に適切な担体と共に含む、哺乳動物の腫瘍を治療するための組成物を提供する。また、本発明は、SPARCポリペプチド及び疎水性化学療法剤(例えばタキサンなどの微小管阻害剤など)を含む治療上有効量の組成物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物の腫瘍の治療方法を提供する。
本発明は、治療上有効量のSPARCポリペプチド、治療上有効量の血管形成阻害剤、及び治療上有効量の微小管阻害剤(例えばタキサンなど)を随意に適切な担体と共に含む、哺乳動物の腫瘍を治療するための組成物をさらに提供する。さらに、本発明は、SPARCポリペプチド、血管形成阻害剤、及び微小管阻害剤(例えばタキサンなど)を含む治療上有効量の組成物を含む、哺乳動物の腫瘍の治療方法を提供する。
本発明は、治療上有効量のSPARCポリペプチド、治療上有効量の血管形成阻害剤、及び治療上有効量の適切な化学療法剤を含む、哺乳動物の腫瘍を治療するための組成物及び方法をさらに提供する。
適切な微小管阻害剤としては、タキサン類(例えば、ドセタキセル及びパクリタキセルのようなタキサン類)が挙げられる。好ましい実施形態では、微小管阻害剤(例えばタキサンなど)は、50%のパクリタキセルがナノ粒子の形態である、アルブミン結合パクリタキセルである。好ましい実施形態では、血管形成阻害剤はアバスチン、スーテント、又はソラフェニブである。
図1は、アルブミンへの競合的なSPARC結合を示す。 図2は、MX1腫瘍異種移植片中のアルブミン及びSPARCの染色を示す。 図3は、内皮細胞単層を横切るパクリタキセルのトランスサイトーシスを示す。 図4は、アブラキサンの存在下又は非存在下で、野生型SPARC(配列番号1)を発現している、又は発現していない癌細胞を比較することで、腫瘍異種移植片の増殖を比較する。 図5Aは、外因性野生型SPARC(配列番号1)の存在下又は非存在下、及び5−フルオロウラシル(5-Flourouracil)の存在下又は非存在下で、腫瘍異種移植片の増殖を比較する。図5Bは、外因性野生型SPARC(配列番号1)の存在下又は非存在下、及び5−フルオロウラシル(5-Flourouracil)の存在下又は非存在下で、マウスの体重変化を比較する。 図6は、血管新生に対するSPARCの濃度依存的効果を示す。 図7は、外因性野生型SPARC(配列番号1)の存在下又は非存在下、血管形成阻害剤アバスチンの存在下又は非存在下、及びアブラキサンの存在下又は非存在下で、乳癌異種移植片の増殖を比較する。 図8は、外因性Q3変異SPARC(配列番号3)の存在下又は非存在下、血管形成阻害剤アバスチンの存在下又は非存在下、及びアブラキサンの存在下又は非存在下で、乳癌異種移植片の増殖を比較する。 図9は、外因性野生型SPARC(配列番号1)の存在下又は非存在下、血管形成阻害剤アバスチンの存在下又は非存在下、及びアブラキサンの存在下又は非存在下で、結腸癌異種移植片の増殖を比較する。 図10は、外因性Q3変異SPARC(配列番号3)の存在下又は非存在下、血管形成阻害剤アバスチンの存在下又は非存在下、及びアブラキサンの存在下又は非存在下で、結腸癌異種移植片の増殖を比較する。 図11は、外因性Q3変異SPARC(配列番号3)の存在下又は非存在下、血管形成阻害剤としてスーテント(Stutan)の存在下又は非存在下、及びアブラキサンの存在下又は非存在下で、結腸癌異種移植片の増殖を比較する。
発明の詳細な説明
I.治療組成物及び方法
いかなる特定の理論によっても制約されることを望まないが、血管形成阻害剤を使用する本発明の態様の有効性は、外因性SPARCの血管形成活性が血管形成促進から血管形成阻害へと濃度依存的な様式で変化し、低濃度では外因性SPARCの血管形成促進活性が他の抗腫瘍活性を隠しうるという、発明者らの予期しなかった驚くべき結果と関連しうる。したがって、血管形成阻害剤はSPARCの他の機構に基づく抗腫瘍活性を明らかにしうる。
成熟SPARCは285アミノ酸の糖タンパク質であるが、一方、ヒトSPARC遺伝子は303アミノ酸のSPARCタンパク質をコードしている。シグナル配列の切断後、32kDの分泌形態が産生され、これはグリコシル化に起因してSDS−PAGE上では43kDに移動する。完全なSPARC成熟タンパク質のアミノ酸配列は配列番号1に開示されており、このようなSPARCタンパク質をコードするRNAの核酸配列は配列番号2(cDNA配列として、すなわちRNAのウリジン(「U」)がチミン(「T」)として提示されている)に開示されている。成熟型のヒトSPARCタンパク質の3番目のグルタミンの欠失に対応する変異を有する、別の形態のSPARC(Q3変異体(配列番号3))が発見されている。配列番号4はQ3変異体ポリペプチドをコードする核酸である。米国特許第7,332,568号を参照のこと。
本明細書中で使用される場合、用語「ポリペプチド」及び「タンパク質」は互換的に使用される。本発明は、SPARCポリペプチド又はタンパク質(例えば、配列番号1又は3のアミノ酸配列を含むポリペプチド又はタンパク質など)の使用、生産、検出、及び定量を提供する。本発明はまた、SPARCポリペプチドの使用、生産、検出、及び定量を提供し、ここでこのポリペプチドは、配列番号1又は3の配列から少なくとも約10個の連続するアミノ酸、好ましくは配列番号1又は3の配列から少なくとも約15個の連続するアミノ酸、より好ましくは配列番号1又は3の配列から少なくとも約20個の連続するアミノ酸、最も好ましくは配列番号1又は3の配列から少なくとも約100個の連続するアミノ酸のアミノ酸配列を含む。さらに、本発明は、配列が、配列番号1又は3の対応する配列と少なくとも約80%同一、好ましくは配列番号1又は3の対応する配列と少なくとも約90%同一、なおより好ましくは配列番号1又は3の対応する配列と少なくとも約95%同一の、なおより好ましくは配列番号1又は3の対応する配列と少なくとも約99%同一のポリペプチドを含むSPARCポリペプチドの検出を提供する。
例えば「配列番号1の対応する配列」とは、配列番号1の配列とアラインする配列を意味し、ここでアラインメントの領域は少なくとも約10アミノ酸長、好ましくは少なくとも約15アミノ酸長、より好ましくは少なくとも約20アミノ酸長、より好ましくは少なくとも約30アミノ酸長、より好ましくは少なくとも約40アミノ酸長、より好ましくは少なくとも約50アミノ酸長、なおより好ましくは少なくとも約100アミノ酸長である。「配列番号2の対応する配列」とは、配列番号3の配列とアラインする配列として定義され、ここでアラインメントの領域は少なくとも約10アミノ酸長、好ましくは少なくとも約15アミノ酸長、より好ましくは少なくとも約20アミノ酸長、より好ましくは少なくとも約30アミノ酸長、より好ましくは少なくとも約40アミノ酸長、より好ましくは少なくとも約50アミノ酸長、なおより好ましくは少なくとも約100アミノ酸長である。配列アラインメントの様々な方法がバイオテクノロジーの分野において公知である(例えば、Rosenberg, BMC Bioinformatics 6:278 (2005); Altschul et al., FEBS J. 272(20): 5101-5109 (2005)を参照のこと)。
本発明に従った使用のための適切なSPARCポリペプチドはまた、配列番号1又は3と有意な配列同一性を有する本明細書に記載されるようなポリペプチド、並びにそのアミノ及び/又はカルボキシル末端の追加の約5、好ましくは追加の約10、より好ましくは追加の約25、なおより好ましくは追加の約50、又は最も好ましくは追加の約100アミノ酸から構成されうる。
本発明は、SPARC RNA(例えば、配列番号2又は4のcDNAに対応する核酸配列を含むRNAなど)の使用、クローニング、発現、検出、及び定量を提供する。本発明はまた、SPARC RNAの検出を提供し、ここでこのRNAは、配列番号2又は4の配列から少なくとも約15個の連続するヌクレオチド、好ましくは配列番号2の配列から少なくとも約20個の連続するヌクレオチド、より好ましくは配列番号2又は4の配列から少なくとも約30個の連続するヌクレオチドの核酸配列(nucleic sequence)を含む。さらに、本発明は、配列が、配列番号2又は4の対応する配列と少なくとも約80%同一、好ましくは配列番号2又は4の対応する配列と少なくとも約90%同一、なおより好ましくは配列番号2又は4の対応する配列と少なくとも約95%同一、なおより好ましくは配列番号2又は4の対応する配列と少なくとも約99%同一である核酸を含むSPARC RNAの検出を提供する。例えば、「配列番号2の対応する配列」とは、配列番号2の配列とアラインする配列を意味し、ここでアラインメントの領域は、少なくとも約15ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも約20ヌクレオチド長、より好ましくは少なくとも約30ヌクレオチド長、より好ましくは少なくとも約60ヌクレオチド長、より好ましくは少なくとも約120ヌクレオチド長、より好ましくは少なくとも約150ヌクレオチド長、なおより好ましくは少なくとも約200ヌクレオチド長である。配列アラインメントの様々な方法がバイオテクノロジーの分野において公知である(例えば、Rosenberg, BMC Bioinformatics 6:278 (2005); Altschul et al., FEBS J. 272(20): 5101-5109 (2005)を参照のこと)。SPARC RNAとは、いかなるSPARC RNAをも意味し、SPARC mRNA、hnRNA、一次転写産物、又はスプライスバリアントを含むが、これらに限定されない。
「治療上有効量」とは、哺乳動物における疾患(disease)又は状態(condition)の1以上の症状を(熟練の医師による判断として、ある程度まで)軽減する組成物の量を意味する。また、組成物の「治療上有効量」とは、疾患又は状態と関連する又はその原因となる生理学的又は生化学的なパラメータを、部分的にであれ完全にであれ正常に戻す量を意味する。当該分野において熟練した臨床医は、組成物が静脈内、皮下、腹腔内、経口、又は吸引などにより投与されるときに、特定の病状(disease condition)又は障害を治療
又は予防するために、組成物の治療上有効量を決定することができる。治療上有効である
ために必要な組成物の正確な量は、非常に多くの要因(多くの患者固有の検討事項に加えて、例えば、活性薬剤の比活性、使用されるデリバリーデバイス、薬剤の物理的特徴、投与の目的など)に依存するだろう。しかし、本明細書中で説明する開示の正確な理解の上で、通常の熟練した臨床医の技術の範囲内である。
本明細書中で使用される場合、「ヒト又は他の哺乳動物の腫瘍の化学療法剤への応答」とは、化学療法剤に起因して、患者が臨床的に改善し又は腫瘍サイズが縮小し若しくは悪性度が低下する、その程度又は量を言う。患者は客観的基準(例えば、一般状態(performance status)、理学的検査(physical examination)、画像診断、又は臨床検査結果(laboratory test results)など)に基づき、臨床的に改善すると言われうる。患者はま
た、患者によって報告される主観的基準(例えば、痛み(pain)、苦痛(distress)、倦怠感、又は精神的な展望(mental outlook)など)に基づき、臨床的に改善すると言われうる。腫瘍サイズのサイズの縮小は、当該分野で公知の任意の適切な方法(例えば、理学的検査、画像診断、又は臨床検査値(laboratory value))によって測定された原発腫瘍量又は全腫瘍量に基づきうる。「腫瘍サイズの縮小」とは、少なくとも約10%の変化を意味する。さらに、少なくとも約20%の変化、好ましくは少なくとも約25%の変化、より好ましくは少なくとも約33%の変化、より好ましくは少なくとも約50%の変化、より好ましくは少なくとも約90%の変化、より好ましくは少なくとも約95%の変化、最も好ましくは少なくとも約99%の変化が存在することが望ましい。「腫瘍悪性度」の低下とは、例えば、組織学的悪性度(histologic grade)、腫瘍中の生存能力のある細胞の割合(%)、腫瘍中の増殖中の細胞の割合(%)、腫瘍の浸潤性、腫瘍の転移能、又は他の当該分野で公知の腫瘍悪性度の測定基準の低下を意味する。「腫瘍の悪性度の低下」とは、医療分野において当業者によって一般的に使用されている、腫瘍悪性度に関する測定可能なパラメータ(例えば、これらに限定されないが、病期(stage)、悪性度(grade)、腫瘍量、転移の広がりの程度、血管増生(vascularity)、DNA含量、及び増殖分
画(proliferative fraction))における、少なくとも約10%の変化を意味する。さらに、医療分野において当業者によって一般的に使用されている、腫瘍の悪性度に関する測定可能なパラメータにおいて、少なくとも約20%の変化、好ましくは少なくとも約25%の変化、より好ましくは少なくとも約33%の変化、より好ましくは少なくとも約50%の変化、より好ましくは少なくとも約90%の変化、より好ましくは少なくとも約95%の変化、最も好ましくは少なくとも約99%の変化が存在することが望ましい。本発明はまた、ヒト又は他の哺乳動物の、腫瘍又は他の増殖性疾患の、化学療法剤又は他の抗癌剤への応答を予測又は決定する方法も提供する。この方法は、(a)ヒト又は他の哺乳動物から生物学的サンプルを単離する工程、(b)生物学的サンプル中のSPARCタンパク質の発現を検出する工程、及び(c)生物学的サンプル中のSPARCタンパク質の量を定量する工程、を含む。腫瘍によって発現されているSPARCの量がいったん決定されれば、化学療法剤の有効性は、例えば、投与される治療剤の投薬量にSPARC発現を関係付けることにより、予測され又は確かめられうる。本発明はまた、SPARCが主要な役割を果たし、また正常組織と比較して過剰発現している疾患のために、治療剤又は造影剤(imaging agent)として、SPARCに対する抗体の使用も提供する。
用語「治療すること(treating)」、「治療(treatment)」、「治療(therapy)」、及び「治療的処置(therapeutic treatment)」は、本明細書中で使用される場合、治癒
的治療、予防的治療(prophylactic therapy)、又は予防的治療(preventative therapy)を言う。「予防的治療(preventative therapy)」の例は、標的疾患(例えば、癌又は他の増殖性疾患)又はそれに関連する状態の予防又はその機会の低減である。治療を必要とする者としては、疾患又は状態を既に有している者、並びに予防すべき疾患又は状態になりやすい者が挙げられる。用語「治療すること」、「治療」、「治療」、及び「治療的処置」はまた、本明細書中で使用される場合、疾患又は関連する状態と闘う目的のための、哺乳動物の管理と世話を言い、その疾患、状態の症状、副作用、又は他の合併症を緩和
するための組成物の投与を含む。癌のための治療的処置としては、手術、化学療法、放射線治療、遺伝子治療、及び免疫治療が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される場合、用語「薬剤(agent)」又は「薬物(drug)」又は「治
療剤(therapeutic agent)」は、治療特性を有すると推測される、化合物、化合物の混
合物、生体高分子、又は生物材料(例えば細菌、植物、真菌、又は動物(特に哺乳動物)の細胞若しくは組織など)から調製された抽出物を言う。薬剤又は薬物は精製されていても、実質的に精製されていても、又は部分的に精製されていてもよい。本発明による「薬剤」は放射線治療剤をも含む。本明細書で使用される場合、用語「化学療法剤」は、癌、腫瘍性疾患、及び/又は増殖性疾患に対する活性を有する薬剤を言う。
本発明は、SPARCポリペプチド、血管形成阻害剤、及び化学療法剤(例えば、タキサン、好ましくはアルブミン結合パクリタキセル、のような微小管阻害剤)のうちいずれか一つ又は全てが、臨床での液体投薬形態への再構成のために凍結乾燥されている組成物を提供する。本発明による投薬形態は、SPARCポリペプチド、血管形成阻害剤及びタキサンのような微小管阻害剤が、単一投薬形態に含まれているものを含む。
本発明により提供される組成物は、例えば、約10 mg/mlから約100 mg/ml、好ましくは
約1 mg/mlから約10 mg/ml、より好ましくは約0.1 mg/mlから約1 mg/mlの濃度のタキサン
のような微小管阻害剤を有する、約0.5 mlから約4 mlの水性又は有機液体を含む。このような組成物は、SPARCポリペプチドを約10 μg/mlから約400 mg/ml、好ましくは約100 μg/mlから約100 mg/ml、より好ましくは約1 mg/mlから約10 mg/mlの濃度で含みうる。血管形成阻害剤は、任意の適切な治療上有効濃度で存在しうる(例えば、約10 mg/mlから約50 mg/mlの濃度のアバスチン)。
好ましい実施形態では、本発明は、治療上有効量のSPARCポリペプチド、治療上有効量のタキサンのような微小管阻害剤、及び、随意に、血管形成阻害剤を含む、哺乳動物の腫瘍を治療するための組成物及び方法を提供し、SPARCポリペプチドは、配列番号1、3、又はそれらの組み合わせのアミノ酸配列を含むポリペプチドである。特に好ましい実施形態では、SPARCポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチドである。
SPARCポリペプチドは、少なくとも約1週間の投与サイクルで、1回あたり約40
μgから約40 mgの用量で投与される。言い換えれば、SPARCの用量は、約40μg/kgから約40 mg/kg、好ましくは約0.1mg/kgから約100 mg/kg、より好ましくは約1 mg/kgから約20 mg/kgである。
本発明に従った使用のための適切な血管形成阻害剤としては、例えば、mTORの阻害剤、オーロラキナーゼ(Aurora kinase)、VEGFRキナーゼの阻害剤、PDGFRキ
ナーゼの阻害剤、ソラフェニブ、スーテント、アキシチニブ、アバスチン、マリマスタット、ベバシズマブ、カルボキシアミドトリアゾール、TNP−470、CM101、IFN−α、IL−12、血小板因子−4、スラミン、SU5416、トロンボスポンジン、VEGFRアンタゴニスト、血管新生抑制ステロイド(angiostatic steroids)、軟骨由来血管形成阻害因子、マトリクスメタロプロテアーゼ(matrix metalloproteinase)阻害剤、アンジオスタチン、エンドスタチン、2−メトキシエストラジオール、テコガラン(tecogalan)、トロンボスポンジン、プロラクチン、αvβ3阻害剤(αvβ3 inhibitors)、テコガラン、BAY 12−9566、AG3340、CGS27023A、COL−3、ビタキシン(vitaxin)、ZD0101、TNP−40、サリドマイド、スクアラミ
ン(squalamine)、IM862、PTK787、フマギリン(fumagillin)、フマギリンのアナログ、BB−94、BB−2516、リノミド(linomid)、血管成長因子に対する
抗体、血管成長因子受容体に対する抗体、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
任意の適切な用量の血管形成阻害剤が使用され得、例えば、アバスチンは、少なくとも1週間の投与サイクルで約5 mg/kgから約15 mg/kgの用量で投与される。
疎水性化学療法剤は、HLB(HLBとは親水親油バランス数である)が1.0以下、好ましくは2.0以下、最も好ましくは5.0以下であり、例えば、エポチロン、ドセタキセル、パクリタキセルなどの薬剤が挙げられる。タキサン類などの微小管阻害剤としては、エポチロン、ドセタキセル、パクリタキセル、及びそれらの組み合わせが挙げられる。「それらの組み合わせ」とは、二以上の薬物(例えば、ドセタキセル及びパクリタキセル)を含む剤形の投与、並びにエポチロン、ドセタキセル、及びパクリタキセルの、連続的であるが時間的に異なる投与(例えば、一つのサイクルでドセタキセルを使用し、次のサイクルでパクリタキセルを使用する)の両方を言う。特に好ましい化学療法剤は、タンパク質結合薬物の粒子を含み、ここでタンパク質結合薬物粒子を構成するタンパク質がアルブミンを含むものを含むがこれに限定されず、ここで50%を超える化学療法剤がナノ粒子の形態であるものを含む。最も好ましくは、化学療法剤はアルブミン結合パクリタキセル(例えばアブラキサンなど)の粒子を含む。
適切なナノ粒子製剤は、少なくとも約50%の活性薬剤をナノ粒子の形態で含むものに限定されない。他の適切なナノ粒子製剤は、少なくとも約60%、好ましくは少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約80%、なおより好ましくは少なくとも約90%の活性薬剤をナノ粒子の形態で含む。さらに、このようなナノ粒子製剤は、最も好ましくは、少なくとも約95%から少なくとも約98%の活性薬剤をナノ粒子の形態で含みうる。
本発明のこの好ましい態様に従った哺乳動物の腫瘍の治療方法としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:パクリタキセルの用量が約1週間に1回の投与サイクルで約30 mg/m2から約1000 mg/m2;好ましくはパクリタキセルの用量が約1週間に1回の投与サイクルで約1 mg/m2から約30 mg/m2;より好ましくはパクリタキセルの用量が約1週
間に1回の投与サイクルで約0.3 mg/m2から約1 mg/m2;最も好ましくはパクリタキセルの用量が約1週間に1回の投与サイクルで約0.01 mg/m2から約0.3 mg/m2。適切なパクリタ
キセルの投与サイクルとしては、約2週間に1回又は約2週間に1回も挙げられる。
本発明に従った哺乳動物の腫瘍の治療方法としては、SPARCポリペプチドが、タキサンなどの微小管阻害剤の前に、同時に、又は後に投与される場合を含むが、これらに限定されない。同様に、血管形成阻害剤は、タキサンなどの微小管阻害剤の前に、同時に、又は後に投与されうる。前又は後とは、少なくとも約2週間、好ましくは少なくとも約1週間、より好ましくは少なくとも約3日、より好ましくは少なくとも約1日、より好ましくは少なくとも約12時間、より好ましくは少なくとも約8時間、なおより好ましくは少なくとも約6時間、最も好ましくは少なくとも約1時間の時間差を意味する。「実質的に同時に」とは、2つの事象が、約3日以内、好ましくは約1日以内、より好ましくは約12時間以内、より好ましくは約8時間以内、なおより好ましくは約6時間以内、最も好ましくは約1時間以内に起こることを意味する。
本発明に従ったレジメンは、約1週間に1回の投与(does)で、以下を含む:
(a)SPARCポリペプチドが、1回あたり約40 μg/kgから約40 mg/kgの用量であり
、血管形成阻害剤が約15 μg/kgから約15 mg/kgの用量のアバスチンであり、タキサンな
どの微小管阻害剤が約30 mg/m2から約1000 mg/m2の用量のアルブミン結合パクリタキセルである。
(b)ここでSPARCポリペプチドが1回あたり約40 μg/kgから約40 mg/kgの用量で
あり、血管形成阻害剤が約15 μg/kgから約15 mg/kgの用量のアバスチンであり、タキサ
ンなどの微小管阻害剤が約1 mg/m2から約30 mg/m2の用量のアルブミン結合パクリタキセ
ルであり、投与サイクルは少なくとも1週間である。
(c)ここでSPARCポリペプチドが1回あたり約40 μg/kgから約40 mg/kgの用量で
あり、血管形成阻害剤が約15 μg/kgから約15 mg/kgの用量のアバスチンであり、タキサ
ンなどの微小管阻害剤が約0.3 mg/m2から約1 mg/m2の用量のアルブミン結合パクリタキセルであり、投与サイクルは少なくとも1週間である。
(d)ここでSPARCポリペプチドが1回あたり約40 μg/kgから約40 mg/kgの用量で
あり、血管形成阻害剤が約15 μg/kgから約15 mg/kgの用量のアバスチンであり、タキサ
ンなどの微小管阻害剤が約0.1 mg/m2から約0.3 mg/m2の用量のアルブミン結合パクリタキセルであり、投与サイクルは少なくとも1週間である。
レジメン(a)〜(d)におけるSPARCポリペプチドは、配列番号1、2、又は任意の他の適切なSPARCを含む配列及びそれらの組み合わせを有しうる。これらの組み合わせは、タキサンなどの微小管阻害剤単独と比較して、腫瘍増殖速度を約50%低下させうる。
SPARCポリペプチド、血管形成阻害剤、及びタキサンなどの微小管阻害剤と共に、又は微小管阻害剤の代わりに、追加の療法が使用され得、以下の適切な化学療法剤を含む:例えば、チロシンキナーゼ阻害剤(ゲニステイン)、生物活性のある薬剤(TNF、又は(of)tTF)、放射性核種(131I、90Y、111In、211At、32P及び他の公知の治療用放射性核種)、アドリアマイシン、アンサマイシン系抗生物質、アスパラギナーゼ、ブレオマイシン、ブスルファン、シスプラチン、カルボプラチン、カルムスチン、カペシタビン、クロラムブシル、シタラビン、シクロホスファミド、カンプトテシン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デクスラゾキサン、ドセタキセル、ドキソルビシン、エトポシド、エポチロン類、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イホスファミド、イリノテカン、ロムスチン、メクロレタミン、メルカプトプリン、メルファラン(meplhalan)、メトトレキサート、ラパマイシン(シロリムス)及び誘導体、マイトマイシン、ミ
トタン、ミトキサントロン、ニトロソウレア(nitrosurea)、パミドロネート、ペントスタチン、プリカマイシン、プロカルバジン、リツキシマブ、ストレプトゾシン、テニポシド、チオグアニン、チオテパ、タキサン類、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、コンブレタスタチン類、ディスコデルモライド類、及びトランス白金(transplatinum)である。したがって、本発明に従った使用のための適切な化学療法剤としては、代
謝拮抗剤(例えば、アスパラギナーゼ)、有糸分裂阻害剤(例えば、ビンカアルカロイド)、DNA傷害剤(例えば、シスプラチン)、アポトーシス促進剤(プログラム細胞死又はアポトーシスを誘導する薬剤)(例えば、エピポドフィロトキシン類(epipodophylotoxins))、分化誘導剤(例えば、レチノイド類)、抗生物質(例えば、ブレオマイシン)、及びホルモン(例えば、タモキシフェン、ジエチルスチルベストロール(diethylstibestrol))が
挙げられるが、これらに限定されない。さらに、本発明に従った使用のための適切な化学療法剤としては、例えば、INF−α、フマギリン、アンジオスタチン、エンドスタチン、サリドマイド、などのような抗血管形成剤(血管形成阻害剤)が挙げられる。「他の抗がん剤」としては、生物活性のあるポリペプチド、抗体、レクチン、及び毒素も挙げられるが、これらに限定されない。本発明に従った使用のための適切な抗体としては、コンジュゲート化された(カップリングされた)又はコンジュゲート化されていない(カップリングされていない)抗体、モノクローナル又はポリクローナル抗体、ヒト化された又はヒト
化されていない抗体、並びにFab’、Fab、又はFab2フラグメント、一本鎖抗体などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明が有用な疾患としては、任意の身体組織(軟組織、結合組織、骨、固形臓器、血管などを含む)における、増殖の異常な状態、組織リモデリング、過形成、過大な創傷治癒が挙げられる。本発明の組成物によって治療できる又は診断される疾患の例としては、癌、糖尿病性の又は他の網膜症、炎症、関節炎、血管若しくは人工血管移植組織又は血管内装置における再狭窄などが挙げられる。
本発明はまた、血管から腫瘍間質へと内皮障壁を横切って治療組成物を輸送する手段も提供する。抗体治療及び化学療法における主要な障害は、腫瘍間質への内皮障壁を横切った移行である。アルブミンは、内皮障壁を横切るためにアルブミン受容体輸送機構を利用する。この輸送機構は、文献で報告された機構(gp60及びアルボンディン(albondin))と同じか、又は他の未知の機構によるものでありうる。アルブミンに背負わせた(piggy backed onto albumin)治療剤が腫瘍の取り込みの増強を示すことは、以前に報告さ
れている(Desai, N. et al. Increased endothelial transcytosis of nanoparticle albumin-bound paclitaxel (ABI-007) by endothelial gp60 receptors: a pathway inhibited by Taxol(登録商標), 27th Annual San Antonio Breast Cancer Symposium (SABCS) (2004), abstract #1071)。さらに、内皮障壁を横切る移行の増強は、生理的なアルブミン輸送機構を使用して達成されうる(Schnitzer, J.E.; Oh, P. J. Biol. Chem. 269, 6072-6082 (1994))。
小分子(例えば、<1,000〜5,000ダルトンなど)については、アルブミンに対する薬物親和性が高められるような改変がなされうる。小分子の製剤については、薬物のアルブミンへの結合を妨げる溶媒は除かれうる。あるいは、小分子は、アルブミン、アルブミンに対する抗体、それらの断片、又は以下に記載されるようなアルブミン受容体のリガンドに結合されうる。
タンパク質、抗体、及びそれらの断片などの生体分子については、生物製剤(biologics)がアルブミンに対して親和性を示すように、アルブミン結合ペプチドで生物製剤を操
作することが可能である。そのようなペプチドは、アルブミン結合配列、アルブミンに対する抗体若しくは抗体フラグメント、アルブミン担体(例えばgp60/アルボンディン/スカベンジャー受容体/又はTGF−β受容体など)に対する抗体若しくは抗体フラグメント、又はアルブミンのトランスポーターである、カベオラ中で見出される任意のタンパク質に対する抗体のいずれかでありうる。
SPARCは、公知の技術を使用して合成及び精製されうる。外因性SPARCを発現する細胞は、強力なプロモーター/翻訳開始点の制御下にSPARC構造遺伝子/cDNAを置き、哺乳動物の細胞においてSPARCの発現を駆動するようにこれらの細胞内へベクターをトランスフェクトすることによって作り出されうる。あるいは、SPARCは、バキュロウイルス(bacculovirus)又はアデノウイルスなどの他のウイルスを使用して発現されうる。これらの細胞によって発現されたSPARCは、従来の精製方法(例えばイオン交換、サイズ排除、又はC18クロマトグラフィーなど)によって精製されうる。精製されたSPARCは、保存剤と共に生理食塩水中で製剤化され得、静脈内、エアロゾル、皮下注射、又は他の方法により投与されうる。
本発明は、例えば、SPARCポリペプチドをコードする核酸配列の発現を制御するプロモーターをさらに含むベクター、をコードする核酸配列を含む組換えベクターをさらに提供する。また、本発明は、請求項3の核酸分子を含む細胞を提供し、ここでこの細胞は原核細胞又は真核細胞である。組織培養の方法は、当業者に周知である(例えば、Sambro
ok & Russell, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York (2001), pp. 16.1-16.54を参照のこと)。したがって、本発明は、請求項1のポリペプチドを作成する方法をさらに提供し、この方法は以下を含む:(a)請求項1のポリペプチドをコードする核酸で細胞を形質転換する工程;(b)形質転換された細胞によるこのポリペプチドの発現を誘導する工程;及び(c)このポリペプチドを精製する工程。
SPARCポリペプチドは、組換え宿主細胞から発現及び精製されうる。組換え宿主細胞は原核又は真核であり得、細菌(E.coliなど)、真菌細胞(酵母など)、昆虫細胞(ショウジョウバエ及びカイコ由来の細胞株を含むが、これらに限定されない)、並びに哺乳動物細胞及び細胞株を含むが、これらに限定されない。in vitro であれ
in vivoであれ、細胞(例えばヒト細胞)内でSPARCポリペプチドを発現させるときには、SPARCをコードするこのようなポリヌクレオチドのために選択されるコドンは、所定の細胞型(すなわち種)について最適化されうる。コドン最適化のための多数の技術が当該分野で公知である(例えば、Jayaraj et al, Nucleic Acids Res. 33(9):3011-6 (2005); Fμglsang et al., Protein Expr. Purif. 31(2):247-9 (2003); Wu et al., “The Synthetic Gene Designer: a Flexible Web Platform to Explore Sequence Space of Synthetic Genes for Heterologous Expression,” csbw, 2005 IEEE Computational Systems Bioinformatics Conference-Workshops (CSBW'05), pp. 258-259 (2005)
を参照のこと)。
本発明は、SPARCポリペプチド又はSPARCポリペプチド中に保存的アミノ酸変化を有する本明細書中に記載のポリペプチドの発現のために、制御因子、及び制御因子(例えば、適切なプロモーター)に作動可能に連結された本明細書中に記載のSPARCポリペプチドの核酸分子を含む、核酸構築物をさらに提供する。タンパク質の発現は、RNA転写のレベルに依存し、それはさらにDNAシグナルにより調節される。同様に、mRNAの翻訳は、最低限でも、ATG開始コドン(メッセージの5’末端の10〜100ヌクレオチド以内に通常位置する)を必要とする。ATG開始コドンに隣接する配列は、真核生物のリボソームによるその認識に影響を与えることが示されており、完全なKozakコンセンサス配列との一致は最適な翻訳をもたらす(例えば、Kozak, J. Molec. Biol.
196: 947-950 (1987)を参照のこと)。また、細胞内での外因性核酸の発現の成功には、得られるタンパク質の翻訳後修飾を必要としうる。したがって、本発明は、ベクターが例えばpCDNA3.1又はその誘導体である、SPARCポリペプチドをコードするプラスミドを提供し、これには本明細書中で開示されるpVT1000Q3プラスミドが含まれるがこれに限定されない。
本明細書中に記載される核酸分子は、適切なプロモーターに作動可能に連結されたコード領域を好ましくは含み、このプロモーターは真核細胞中で機能的であることが好ましい。RSVプロモーター及びアデノウイルス主要後期プロモーターなど(これらに限定されない)のウイルスプロモーターが、本発明において使用されうる。適切な非ウイルスプロモーターとしては、ホスホグリセロキナーゼ(PGK)プロモーター及び伸長因子1αプロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。非ウイルスプロモーターは、望ましくはヒトプロモーターである。さらなる適切な遺伝因子(これらの多くは当該分野で公知である)がまた、本発明の核酸及び構築物にライゲーション、結合、又は挿入され得、さらなる機能、発現レベル又は発現パターンを提供しうる。SPARCファミリー遺伝子の発現のためのネイティブプロモーターもまた使用されうるが、その場合、その染色体を実質的に変化させるプロセスによって改変されない限り、それらを天然にコードする染色体中では使用されないことが好ましい。このような実質的に変化した染色体としては、レトロウイルスベクター又は類似のプロセスによってトランスフェクト及び変更された染色体を含みうる。あるいは、このような実質的に変化した染色体は、HAC、YAC、又はB
ACなどの人工染色体を含みうる。
また、本明細書中に記載される核酸分子は、転写を促進するためにエンハンサーに作動可能に連結されうる。エンハンサーは、隣接遺伝子の転写を刺激する、DNAのシス作用性因子である。多数の種由来の多数の異なる細胞型において、連結された遺伝子に対して高レベルの転写を付与するエンハンサーの例としては、SV40及びRSV−LTR由来のエンハンサーが挙げられるが、これらに限定されない。このようなエンハンサーは、細胞型特異的な効果を有する他のエンハンサーと組み合わせられ得、又は任意のエンハンサーが、単独で使用されうる。
タンパク質産生を最適化するために、本発明の核酸分子は、この核酸分子のコード領域の後にポリアデニル化部位をさらに含みうる。また、好ましくは全ての適切な転写シグナル(及び必要に応じて翻訳シグナル)は、外因性核酸が導入される細胞中で適切に発現するように正確に配置されよう。所望の場合、外因性核酸はまた、インフレームの全長転写物を維持しながらmRNA産生を促進するために、スプライス部位(すなわち、スプライスアクセプター部位及びスプライスドナー部位)を組み込みうる。さらに、本発明の核酸分子は、プロセシング、分泌、細胞内局在などのために適切な配列をさらに含み得る。
核酸分子は、任意の適切なベクターに挿入されうる。適切なベクターとしてはウイルスベクターが挙げられるが、これに限定されない。適切なウイルスベクターとしては、レトロウイルスベクター、アルファウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター、及び鶏痘ウイルスベクターが挙げられるが、これらに限定されない。ベクターは好ましくは、真核細胞(例えば、293細胞)を形質転換するための、ネイティブの又は操作された能力を有する。また、本発明に関して有用なベクターは、プラスミド若しくはエピソームのような「裸の」核酸ベクター(すなわち、ベクターを封入するタンパク質、糖、及び/又は脂質をほとんど又は全く有さないベクター)であり得、又はベクターは、他の分子と複合体化されうる。本発明の核酸と適切に組み合わせられうる他の分子としては、ウイルス被膜、陽イオン性脂質、リポソーム、ポリアミン、金粒子、及び細胞分子を標的化するリガンド、受容体、又は抗体などの標的化部分が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中に記載される核酸分子は、任意の適切な細胞、典型的には真核細胞(例えば、HEK、293、又はBHKなど)内へ形質転換され得、望ましくはSPARCポリペプチド(例えば、本明細書中に記載の配列番号2又はそのバリアントを含むポリペプチドなど)の発現をもたらす。核酸分子の発現、ひいてはSPARCポリペプチド(例えば、本明細書中に記載の配列番号2又はそのバリアントのアミノ酸配列を含むポリペプチドなど)の産生を提供するために、細胞が培養されうる。
したがって、本発明は、本明細書中に記載の本発明の核酸分子で形質転換又はトランスフェクトされた細胞を提供する。外因性DNA分子で細胞を形質転換又はトランスフェクトする手段は、当該分野で周知である。例えば、限定ではなく、DNA分子は、当該分野で周知の標準的な形質転換又はトランスフェクション技術(例えばリン酸カルシウム又はDEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、プロトプラスト(protoblast)融合、エレクトロポレーション、リポソーム及び直接的マイクロインジェクションなど)を使用して細胞中に導入される(例えば、Sambrook & Russell, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, ColdSpring HarborLaboratory Press, New York(2001), pp. 1.1-1.162, 15.1-15.53, 16.1-16.54を参照のこと)。形質転換に広く使用されている方法は、リン酸カルシウム又はDEAE−デキストランのいずれかによって媒介されるトランスフェクションである。細胞型によっては、培養細胞集団の20%までが、いつでもトランスフェクトされうる。
形質転換法の別の例は、プロトプラスト融合法であり、高コピー数の目的のプラスミドを保有する細菌由来のプロトプラストが、培養哺乳動物細胞と直接混合される。細胞膜の融合(通常ポリエチレングリコールを用いる)の後、細菌の内容物が哺乳動物細胞の細胞質中に送達され、プラスミドDNAが核へ移行する。プロトプラスト融合は、一過性発現アッセイに一般に使用される細胞株の多くについてはトランスフェクションほど効率的ではないが、DNAのエンドサイトーシスが非効率的に生じる細胞株については有用である。プロトプラスト融合は、宿主染色体中にランダムに組み込まれた複数コピーのプラスミドDNAを高い頻度で生じさせる。
エレクトロポレーション(種々の哺乳動物細胞及び植物細胞への短時間の高電圧の電気パルスの印加)は、原形質膜にナノメートルサイズの孔を形成させる。DNAは、これらの孔を通過するか、又は孔の閉鎖に伴う膜成分の再分布の結果として、細胞の細胞質中に直接取り込まれる。エレクトロポレーションは極めて効率的であり得、クローン化した遺伝子(clones genes)の一過的な発現のため、及び目的の遺伝子の組み込まれたコピーを保有する細胞株の樹立のため、の両方に使用されうる。
リポソーム形質転換は、リポソーム内へのDNA及びRNAの封入と、その後の細胞膜とのリポソームの融合を含む。また、合成陽イオン性脂質で被覆されたDNAは、融合によって細胞中に導入されうる。あるいは、直鎖及び/又は分枝鎖のポリエチレンイミン(PEI)が、トランスフェクションにおいて使用されうる。
核内へのDNA分子の直接的マイクロインジェクションには、低pHのエンドソームなどの細胞区画へDNA分子をさらさないという利点がある。したがって、マイクロインジェクションは、目的の遺伝子の組み込まれたコピーを保有する細胞の系統を樹立するための方法として主に使用される。
このような技術は、真核細胞の安定かつ一過性の形質転換の両方のために使用されうる。安定に形質転換された細胞の単離には、目的の遺伝子での形質転換と同時に選択マーカーの導入が必要である。このような選択マーカーとしては、ネオマイシンへの耐性を付与する遺伝子、並びにHPRT陰性細胞におけるHPRT遺伝子が挙げられる。選択には、少なくとも約2〜7日間、好ましくは少なくとも約1〜5週間の、選択培地中での長期培養が必要とされうる(例えば、Sambrook & Russell, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York (2001), pp. 16.1-16.54を参照のこと)。
本発明における使用のための核酸配列はまた、市販の自動オリゴヌクレオチド合成機で実施されうる化学合成により(例えば、Beaucage, et al.(Terra. Letts. 22: 1859-1862 (1987))によって記載されたホスホロアミダイト法、又はトリエステル法(Matteucci et al., J. Am. Chem. Soc. 103: 3185 (1981))により)、一部又は全体が産生されうる。二本鎖フラグメントは、相補鎖を合成し、その鎖を適切な条件下で一緒にアニーリングすることにより、又は適切なプライマー配列と共にDNAポリメラーゼを使用して相補鎖を合成することにより、化学合成の一本鎖産物から得られうる。
SPARCポリペプチドは、外因性SPARCを過剰発現するよう操作されたベクターを含む、任意の適切な組換え技術を利用した方法によって作成されうる。任意の適切な細胞(細菌、酵母、昆虫又は哺乳動物細胞を含む)が、SPARCを発現するようトランスフェクトされうる。アフリカミドリザル−293が、外因性SPARCの発現のために好ましい哺乳動物細胞である。任意の適切な培養システムが使用されうるが、中空糸細胞システムがSPARC生産のための培養システムとして好ましい。
SPARCは分泌されるため、以下のように培地から単離されうる:(a)馴化培養液がバイオリアクターから1日に2回回収される(例えば、100ml/大型カートリッジ);
(b)培養液が遠心され、0.22ミクロンフィルターを通してろ過される;アフィニティーカラムへのロードの前に、ろ液のpHは7.8に調整される。驚いたことに、血清は分泌されたSPARCを分解から保護することが見出されており、3%の血清はこの保護を可能にするために十分な濃度である。
任意の適切な精製方法が使用されうる。例えば、Niアフィニティーカラムは、ヒスチジンで標識されたSPARCのために理想的である。最初に、カラムは50mM Na−P、0.5M NaCl、pH7.8で平衡化される。次いで、サンプルがロードされ、ベースラインになるまで同じバッファーでカラムが洗浄される。ベースラインになるまで同じバッファー(ただしpH6.0)でカラムが洗浄される。続いて、ベースラインになるまで同じバッファー(ただしpH5.3)で洗浄される。結合したタンパク質は、以下のようにイミダゾールグラジェントで溶出される:(a)カラムの2倍量のバッファーA(1×PBS、300mM NaCl、pH7.9)でカラムが洗浄される、(b)バッファーB(1×PBS、300mM NaCl、500mMイミダゾール、pH7.9)への10%グラジェントが、カラムの10倍量までアプライされる、(c)100%バッファーBへのグラジェントが、結合した全てのタンパク質を溶出するために使用される。イミダゾールグラジェントのピーク画分は、ウェスタンブロットにより解析された。
さらなる精製のために、Mono−Qイオン交換クロマトグラフィーが、随意に使用される。NiカラムのSPARC含有画分は溜められ、次いでアミコンセントリコン(Amicon centricon)を使用して、濃縮され、20mM MOPS、200mM LiCl2、pH6.5へとバッファー交換される。このサンプルは、同じバッファーであらかじめ平衡化されたMono−Qカラムにロードされる。結合したタンパク質は20mM Mops、200mM LiCl2、pH6.5のリニアグラジェントで溶出される。
各カラムクロマトグラフィーの後、SPARC含有画分は、ウェスタンブロットにより分析される。SPARCを含む溜められた画分は、アミコンセントリコンを使用して、さらに濃縮及びバッファー交換される(すなわちNiカラムの後、バッファーは、Mono−Qカラムのために交換され、Mono−Q精製の後、PBSに交換される)。この精製されたタンパク質は、SDS−PAGEにより分析され、バンドは、純度について精査される。エンドトキシンレベルは、比色法により決定される。
特定の細菌に関する実施形態において、SPARCポリペプチドを発現させ、精製する場合、細菌の封入体(これは不溶性画分である)の形成を防ぐためにタンパク質の溶解性を改善し、その結果大量のポリペプチドが得られる技術が使用される。封入体中に蓄積したSPARCは、その生理学的活性を保持しない不活性型SPARCである。
精製されたSPARCポリペプチドの溶解性は、当該分野で公知の方法によって改善されうる。例えば、溶解性は、全長SPARCポリペプチドではなく、機能的フラグメントを発現させることによっても改善されうる。また、(例えばE.coli中で)発現したタンパク質の溶解性を増大させるために、Georgiou & Valax(Current Opinion Biotechnol. 7: 190-197 (1996))に記載されているように、増殖温度を低下させ、より弱いプロ
モーターを使用し、より低コピー数のプラスミドを使用し、誘導因子濃度を低下させ、増殖培地を変化させることによって、タンパク質合成の速度を低下させることができる。これは、タンパク質合成の速度を低下させ、通常、より溶解性の高いタンパク質が得られる。また適切な折り畳み若しくはタンパク質の安定性に必須な補欠分子族又は補因子を添加するか、増殖の間の培地中のpHの変動を制御するためのバッファーを添加するか、ある
いはラクトース(これは、ほとんどの栄養豊富な培地(例えばLB、2×YTなど)中に存在する)によるlacプロモーターの誘導を抑制するために1%グルコースを添加することもできる。ポリオール(例えば、ソルビトール)及びスクロースの添加に起因する浸透圧の上昇は、細胞における浸透圧保護剤の蓄積を引き起こし、これがネイティブタンパク質の構造を安定化するため、ポリオール(例えば、ソルビトール)及びスクロースも培地に添加されうる。エタノール、低分子量チオール及びジスルフィド、並びにNaClが添加されうる。また、シャペロン及び/又はフォールダーゼ(foldases)が、所望のポリペプチドと共に同時発現されうる。分子シャペロンは、折り畳み中間体と一過的に相互作用することによって、適切な異性化及び細胞内標的化を促進する。E.coliのシャペロン系としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:GroES−GroEL、DnaK−DnaJ−GrpE、CIpB。
フォールダーゼは、折り畳み経路に沿った律速段階を加速する。3つの型のフォールダーゼが、重要な役割を果たす:ペプチジルプロリルシス/トランスイソメラーゼ(PPI’s)、ジスルフィドオキシドレダクターゼ(DsbA)及びジスルフィドイソメラーゼ(DsbC)、タンパク質のシステインの酸化及びジスルフィド結合の異性化の両方を触媒する真核生物のタンパク質であるタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI)。1つ以上のこれらのタンパク質と標的タンパク質との同時発現は、より高いレベルの可溶性標的タンパク質を生じうる。
SPARCポリペプチドは、その溶解性及び産生量を改善するために、融合タンパク質として産生されうる。この融合タンパク質は、インフレームで一緒に融合したSPARCポリペプチド及び第2のポリペプチドを含む。第2のポリペプチドは、それが融合されたポリペプチドの溶解性を改善するための、当該分野で公知の融合パートナーでありうる(例えば、ポリヒスチジンタグ、NusA、バクテリオフェリチン(BFR)、GrpE、チオレドキシン(TRX)及びグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST))。Novagen Inc.(Madison、Wis.)は、NusA−標的融合物の形成を可能にするpET43.1ベクターシリーズを提供している。DsbA及びDsbCも、融合パートナーとして使用されるときには、発現レベルに対して正の効果を示しており、したがってより高い溶解性を達成するためにSPARCポリペプチドと融合するために使用されうる。
一実施形態において、SPARCポリペプチドは、米国特許第6,387,664号(本明細書
でその全体が参照により組み込まれる)に記載されているように、SPARCポリペプチド及び融合パートナーのチオレドキシンを含む融合ポリペプチドとして産生される。チオレドキシン−SPARC融合物は、生理学的活性を失うことなく、大量に、製剤化の容易な可溶性タンパク質として、E.coli中で産生されうる。米国特許第6,387,664号は
、チオレドキシンのC末端にSPARCが融合された融合SPARCタンパク質を提供するが、本発明の目的のためには、SPARCポリペプチドは、その増感機能が保持される限り、第2のポリペプチドのN末端(tenninus)又はC末端のいずれにも融合されうることが理解される。
溶解性を増大させることに加えて、SPARCポリペプチドを含む融合タンパク質は、細胞におけるSPARCポリペプチドの発現の容易な検出のために構築されうる。一実施形態において、SPARCポリペプチドに融合した第2のポリペプチドは、レポーターポリペプチドである。このレポーターポリペプチドは、このような検出目的のために提供されるときには、SPARCポリペプチドと融合される必要はない。レポーターポリペプチドは、SPARCポリペプチドもコードする同じポリヌクレオチド(例えば、ベクター)によってコードされ得、標的細胞において同時導入及び同時発現されうる。
好ましくは、本発明で使用されるレポーターポリペプチドは、自己蛍光タンパク質(例えば、GFP、EGFP)である。自己蛍光タンパク質は、目的のポリヌクレオチド(及びポリペプチド産物)の発現の同定のための即時のアッセイを提供する。レポーターポリペプチドの活性(及び推論によりその発現レベル)は、フローソーターを使用して定量的にモニタリングできるため、多数の独立したトランスフェクタントを、連続的に又はバルク集団としてのいずれかでアッセイし易い。次いで、最高の発現を有する細胞が、その集団についてスクリーニングされ、又はその集団から選択されうる。本発明による増感処理のためのSPARCポリペプチド又はポリヌクレオチドを含む組換え細胞を選択するときに、これは有用である。
本発明は、ポリエチレングリコール(PEG)にコンジュゲート化したSPARCポリペプチド及びタンパク質を含むSPARC分子を提供する。PEGコンジュゲート化は、タンパク質の循環半減期を増大させ得、タンパク質の免疫原性及び抗原性を低下させ得、生物活性を改善しうる。任意の適切なコンジュゲート化の方法が使用され得、例えば、メトキシ−PEGをSPARCタンパク質の利用可能なアミノ基又は他の反応性部位(例えば、ヒスチジン又はシステインなど)と反応させることが挙げられるが、これに限定されない。また、PEG−反応性基を有するアミノ酸を本発明のSPARC分子に付加するために、組換えDNAアプローチが使用され得る。PEGは、本発明のSPARCタンパク質と反応させる前に加工され得、例えば、リンカー基がPEGに付加されうる。さらに、放出可能なハイブリッドPEG化戦略が、本発明に従って使用されうる(例えば、SPARC分子中の特定の部位に付加されたPEG分子が、in vivoで放出されるような、SPARCのPEG化など)。このようなPEGコンジュゲート化の方法は、当該分野で公知である(例えば、Greenwald et al., Adv. Drug Delivery Rev. 55:217-250 (2003)を参照のこと)。
また、本発明は、SPARC融合タンパク質を提供し、例えば、診断上有用なタンパク質ドメイン(例えばハプテン、GFPなど)、免疫学的に活性なタンパク質ドメイン(例えば、TF又はTNF)、あるいは毒素ドメインの、上流又は下流にSPARC配列が融合されたものが挙げられるが、これらに限定されない。
また、本発明は、化学療法剤又は他の抗癌剤での、哺乳動物における腫瘍又は他の増殖性疾患の治療方法を提供し、以下の工程を含む:(a)哺乳動物から生物学的サンプルを単離する工程、(b)この生物学的サンプル中のSPARCタンパク質又はRNAの発現を検出する工程、(c)この生物学的サンプル中のSPARCタンパク質又はRNAの量を定量する工程、(d)SPARCタンパク質又はRNAが、化学療法剤又は他の抗癌剤の使用を示すレベルで存在するか否かを決定する工程、及び(e)SPARCタンパク質又はRNAのレベルに基づき、それが示されれば、治療上有効量の化学療法剤又は他の抗癌剤を投与する工程。
II.診断に関する実施形態
「化学療法剤への、ヒト又は他の哺乳動物の、腫瘍又は他の増殖性疾患の応答を予測する」とは、化学療法剤を投与する前に、臨床経験と併用した試験結果に基づき、応答の可能性に関して判断することを意味する。「化学療法剤への、ヒト又は他の哺乳動物の腫瘍の応答を決定する」とは、化学療法剤を投与した後であるが、臨床的に又は医療分野における当業者に公知の従来の臨床検査若しくは画像診断により、応答が決定されうる前に、臨床経験と併用した試験結果に基づき、応答の可能性に関して判断することを意味する。腫瘍とは、悪性の特徴(例えば、血管形成を誘導する能力、浸潤する能力、接着(contact)、虚血若しくは増殖阻害とならない能力、転移する能力、又はDNA修復障害を有する
能力であるが、これらに限定されない)を有する又は有さない細胞の、クローン性増殖を
意味する。
本明細書中で使用される場合、用語「抵抗性(resistant)」又は「化学療法剤又は他
の抗癌剤への抵抗性」とは、治療への癌サンプル又は哺乳動物の獲得された又は自然の抵抗性、すなわち、治療的処置に非応答性であること、又は治療的処置への応答が低下若しくは限定されていることを言い、例えば、治療的処置への応答が25%以上低下していることを言う。さらに、抵抗性は、例えば、30%、40%、50%、60%、70%、80%の、又はそれを超える応答の低下から、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、15倍、20倍以上の応答の低下によっても示されうる。応答の低下は、抵抗性が獲得される前の同じ癌サンプル若しくは哺乳動物と比較することによって、又はその治療的処置に抵抗性がないことが知られている異なる癌サンプル又は哺乳動物と比較することによって測定される。本明細書中で使用される場合、用語「感受性(sensitive)」又は「化学療法剤又
は他の抗癌剤に感受性」とは、抵抗性がないことを言う。
本発明は、化学療法剤又は他の抗癌剤への、哺乳動物の腫瘍又は他の増殖性疾患の応答を、予測又は決定する方法を提供し、この方法は以下の工程を含む:(a)哺乳動物から生物学的サンプルを単離する工程、(b)その生物学的サンプル中のSPARCタンパク質又はRNAの発現を検出する工程、及び(c)この生物学的サンプル中のSPARCタンパク質の量を定量する工程。この方法は、本発明の更なる及び関連する態様に従って使用され得、ここでSPARCタンパク質又はRNAは、対応する正常組織と比較して、腫瘍中で過剰発現又は過少発現している。「対応する正常組織」とは、腫瘍は存在せずに、原発腫瘍が発生する組織、あるいは腫瘍は存在せずに、腫瘍の新生細胞となるように形質転換され若しくは変異した種類の細胞又は幹細胞を含む組織を意味する。本発明は、腫瘍(又は増殖性疾患に関わる組織)から、又は体液(例えば、脳脊髄液、血液、血漿、血清、又は尿など)から、生物学的サンプルが単離される実施形態を提供する。本発明は、化学療法剤又は他の抗癌剤への、哺乳動物の腫瘍又は他の増殖性疾患の応答を予測又は決定する方法をさらに提供し、ここで哺乳動物はヒトである。
また、本発明は、化学療法剤又は他の抗癌剤での哺乳動物における腫瘍又は他の増殖性疾患の治療方法を提供し、以下を含む:(a)哺乳動物(例えば、ヒトなど)から生物学的サンプルを単離する工程、(b)この生物学的サンプル中のSPARCタンパク質又はRNAの発現を検出する工程、(c)この生物学的サンプル中のSPARCタンパク質又はRNAの量を定量する工程、(d)SPARCタンパク質又はRNAが、化学療法剤又は他の抗癌剤が投与されるべきことを示すレベルで存在するか否かを決定する工程、及び(e)SPARCタンパク質又はRNAのレベルに基づき、それが示されれば、治療上有効量の化学療法剤又は他の抗癌剤を投与する工程。特に、本発明は、SPARCとアルブミン結合パクリタキセルとの併用治療を含む、哺乳動物の腫瘍の治療方法を提供する。
さらに、本発明は、化学療法剤又は他の抗癌剤に対する、哺乳動物の腫瘍(例えば、ヒトの腫瘍など)又は他の増殖性疾患の応答を予測するためのキットであって、腫瘍からのタンパク質の単離手段、SPARCタンパク質の検出及び定量手段、コントロールタンパク質、並びに腫瘍の応答を予測するためのルール、を含むキットを提供する。本発明はまた、化学療法剤又は他の抗癌剤に対する、哺乳動物の腫瘍又は他の増殖性疾患の応答を予測するためのキットであって、腫瘍からのRNAの単離手段、SPARC RNAの検出及び定量手段、対照RNA、並びに腫瘍中のSPARC RNAのレベルに基づき腫瘍の応答を予測するためのルール、を含むキットを提供する。
本発明はまた、化学療法剤への哺乳動物の腫瘍の応答を予測又は決定する方法、並びに化学療法剤での哺乳動物の腫瘍の治療方法も提供し、ここで化学療法剤は、例えば、エポチロン、ドセタキセル、パクリタキセル(例えばアブラキサンなど)、又はそれらの組み
合わせである。本発明は、化学療法剤への哺乳動物の腫瘍の応答の予測が、SPARCレベルと正又は負に相関する実施形態をさらに提供する。
さらに、本発明は、哺乳動物中の腫瘍に化学療法剤を送達するための方法を提供し、ここでこの方法は、治療上有効量の医薬組成物を哺乳動物に投与することを含み、ここでこの医薬組成物は、アルブミンに結合できるSPARCタンパク質にカップリングされた化学療法剤及び医薬上許容される担体を含む。本発明の組成物は、小分子、巨大分子、又はタンパク質を含みうる。
「SPARCタンパク質又はRNAが、化学療法剤の使用を示すレベルで存在するか否かを決定する」とは、腫瘍を有する哺乳動物からの検体中に存在する、SPARCタンパク質又はRNAの定量されたレベルが、SPARCレベルと治療応答の比較ヒストリカル相関データ(comparison historical correlation data)に基づき、腫瘍が化学療法剤に応答すると合理的に期待されうることを示すほどに、十分高いことを意味する。「示す(indicating)」又は「示された(indicated)」とは、SPARCレベルを考慮し、かつ
合理的な医療上の判断に基づき、化学療法剤が使用されるべきことを意味する。例えば、これに限定されないが、抗SPARC抗体での免疫組織学のための腫瘍の生検は、顕微鏡スライド上に生検の薄片を調製することによって、調製されうる。次いで、生検スライドは、使用が検討されている化学療法剤に感受性及び抵抗性の他の腫瘍からの、SPARCレベルが既知の生検の切片を含む対照スライドと同時に、抗SPARC免疫組織学的プロトコール(例えば、Sweetwyne et al., J. Histochem. Cytochem. 52(6):723-33 (2004);
Tai et al., J. Clin. Invest. 115(6):1492-502 (2005)を参照のこと)を使用して染色される。光学顕微鏡を使用して免疫組織学的染色の強度を等級分けすることは、当該分野において一般的に行われている。当業者(例えば、病理学者)は、対照スライドの染色との比較に基づいて、腫瘍生検について染色等級(例えば、0、1+、2+、3+、4+)を決めることができる。化学療法剤での治療は、腫瘍生検の染色が、例えば、3+、又は4+に等級分けされれば、「示され」うる。このような比較及び染色等級の決定は十分に、腫瘍を有する哺乳動物を治療している医療分野における当業者(例えば、医師、病理学者、癌専門医、獣医)の技術の範囲内である。
本発明に従って実施される方法は、任意の適切な手順(切除、生検、吸引、静脈穿刺、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない)により、腫瘍又は増殖性疾患に関わる組織から単離されうる生物学的サンプルを要求する。あるいは、本発明に従って実施される方法は、体液(例えば、脳脊髄液、血液、血漿、血清、及び尿など)からのものでありうる生物学的サンプルを要求する。また、腫瘍及び体液材料を含む対照の又は基準の生物学的サンプルは、同じ哺乳動物の正常組織、腫瘍若しくは増殖性疾患のない他の個体、又はSPARCレベルが既知で、所定の化学療法剤に感受性又は抵抗性であることが知られている他の腫瘍から、得ることができる。また、本発明の方法は、腫瘍又は増殖性疾患を患う哺乳動物がヒトである場合にも実施されうる。
さらに、本発明は、化学療法剤又は他の抗癌剤への、哺乳動物の腫瘍又は他の増殖性疾患の応答を予測するためのキットであって、腫瘍からのタンパク質の単離のための手段、SPARCタンパク質の検出及び定量手段、対照タンパク質、並びに腫瘍の応答を予測するためのルール、を含むキットを提供する。本発明はまた、化学療法剤又は他の抗癌剤への、哺乳動物の腫瘍又は他の増殖性疾患の応答を予測するためのキットであって、腫瘍からのRNAの単離のための手段、SPARC RNAの検出及び定量手段、対照RNA、並びに腫瘍中のSPARC RNAのレベルに基づき腫瘍の応答を予測するためのルール、を含むキットも提供する。例えば、腫瘍生検中のSPARCタンパク質又はRNAは、顕微鏡スライド上に腫瘍生検の薄片を置くことにより「単離」されうる。次いで、存在する任意のSPARCタンパク質又はRNAは、抗SPARC抗体での免疫組織学的染色(
例えば、Sweetwyne et al., J. Histochem. Cytochem. 52(6):723-33 (2004); Tai et al., J. Clin. Invest. 115(6): 1492-502 (2005)を参照のこと)により、又はSPARC
RNAに相補的な核酸プローブを使用したin situハイブリダイゼーション(例えば、Thomas et al., Clin. Can.Res. 6:1140-49 (2000)を参照のこと)により、検出及び定量されうる。同時に、正及び負の対照スライドが、SPARCタンパク質又はRNAについて染色される。当業者は、光学顕微鏡を容易に使用して、腫瘍生検中のSPARCの染色強度を等級分け(例えば、0、1+、2+、3+、4+)することができる。本発明のキットはまた、腫瘍中のSPARCタンパク質又はRNAのレベルに基づき腫瘍の応答を予測するためのルール、例えば、「化学療法剤での治療は、腫瘍生検の染色が、例えば、3+又は4+に等級分けされれば、示される」又は「3+又は4+の染色を有する腫瘍は、高い応答率を有する」など、を含む。本発明のキットの特定の実施形態に関する特定のルールは、遡及的な又は予測的な相関研究(当該分野において慣用的であり、過度の実験を必要としない)を実施することにより、容易に作り出されうる。
本明細書中で使用される場合、「定量(quantification)」とは、存在する量又は濃度を決定することを意味する。本発明は、SPARCタンパク質又はRNAのレベル(その腫瘍の起源の、対応する正常組織において見出されるレベルを含むが、これに限定されない)を定量する方法を提供し、ここでSPARCタンパク質又はRNAは正常組織と比較して腫瘍において過剰発現又は過少発現している。あるいは、本発明は、SPARCタンパク質又はRNAのレベルを定量する方法を提供し、ここでSPARCタンパク質又はRNAは、他の腫瘍(同じ組織又は組織構造の腫瘍を含むが、これに限定されない)と比較して、その腫瘍において過剰発現又は過少発現している。さらに、本発明はSPARCタンパク質又はRNAのレベルを定量する方法を提供し、ここでSPARCタンパク質又はRNAは、他の腫瘍(化学療法剤又は化学療法剤の組み合わせに感受性又は抵抗性の腫瘍を含むが、これに限定されない)と比較して、その腫瘍において過剰発現又は過少発現している。過剰発現又は過少発現とは、SPARCタンパク質又はRNAのレベルが、2つの検体又はサンプルの間に、少なくとも約5%の差異があることを意味する。さらに、2つの検体又はサンプルの間の差異が、少なくとも約10%、より好ましくは少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約100%、より好ましくは少なくとも約3倍、より好ましくは少なくとも約5倍、最も好ましくは少なくとも約10倍であることが望ましい。
本発明は、SPARCタンパク質又はRNAのレベルを定量する方法を提供し、ここでSPARCタンパク質又はRNAは、腫瘍のない患者からの対応する液と比較して、試験体液において過剰発現又は過少発現している。あるいは、本発明は、SPARCタンパク質又はRNAのレベルを定量する方法を提供し、ここでSPARCタンパク質又はRNAは、腫瘍(化学療法剤又は化学療法剤の組み合わせに感受性又は抵抗性の腫瘍を含むが、これに限定されない)を有する別の患者からの対応する液と比較して、試験体液において過剰発現又は過少発現している。過剰発現又は過少発現とは、SPARCタンパク質又はRNAのレベルが、2つの検体において少なくとも約5%の差異があることを意味する。さらに、少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約100%、より好ましくは少なくとも約3倍、より好ましくは少なくとも約5倍、最も好ましくは少なくとも約10倍の差異が存在することが望ましい。
本発明は、化学療法剤又は他の抗癌剤への腫瘍の応答を予測又は決定する方法、腫瘍の治療方法、及び化学療法剤又は他の抗癌剤への哺乳動物の腫瘍の応答を予測するためのキットを提供し、ここで腫瘍は、口腔腫瘍、咽頭腫瘍、消化器系腫瘍、呼吸器系腫瘍、骨腫瘍、軟骨性腫瘍、骨転移、肉腫、皮膚腫瘍、黒色腫、乳房腫瘍、生殖器系腫瘍、尿路腫瘍、眼窩腫瘍、脳及び中枢神経系腫瘍、グリオーマ、内分泌系腫瘍、甲状腺腫瘍、食道腫瘍
、胃腫瘍、小腸腫瘍、結腸腫瘍、直腸腫瘍、肛門腫瘍、肝臓腫瘍、胆嚢腫瘍、膵臓腫瘍、喉頭腫瘍、肺の腫瘍、気管支腫瘍、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、子宮頸腫瘍、子宮体部腫瘍、卵巣腫瘍、外陰部腫瘍、膣腫瘍、前立腺腫瘍、前立腺癌、精巣腫瘍、陰茎の腫瘍、膀胱腫瘍、腎臓の腫瘍、腎盂の腫瘍、尿管の腫瘍、頭頸部腫瘍、副甲状腺癌、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病からなる群より選択される。また、本発明は、化学療法剤への腫瘍の応答を予測又は決定する方法、腫瘍の治療方法、及び化学療法剤への哺乳動物の腫瘍の応答を予測するためのキットを提供し、ここで腫瘍は、肉腫、腺癌、扁平上皮細胞癌、大細胞癌、小細胞癌、基底細胞癌、明細胞癌、オンコサイトーマ(oncytoma)、又はそれらの組み合わせである。さらに、本発明は、化学療法剤への腫瘍の応答を予測又は決定する方法、腫瘍の治療方法、及び化学療法剤への哺乳動物の腫瘍の応答を予測するためのキットを提供し、ここで腫瘍は、良性腫瘍又は悪性腫瘍である。さらに、本発明は、化学療法剤への増殖性疾患の応答を予測若しくは決定し、又は増殖性疾患を治療する方法を提供し、ここで増殖性疾患が、例えば、良性前立腺肥大症、子宮内膜症、子宮内膜増殖症、アテローム性動脈硬化症、乾癬、又は増殖性腎糸球体症である場合が挙げられるが、これらに限定されない。本発明は、腫瘍又は増殖性疾患が哺乳動物におけるものである実施形態を提供し、哺乳動物がヒトであるものを含むがこれに限定されない。
任意の適切な生物学的サンプルが、本発明の方法との関連で哺乳動物から単離され得、ポリペプチド及び/又はRNAの検出及び定量に使用されうる。好ましくは、この生物学的サンプルは、腫瘍生検などにより腫瘍から単離される。この生物学的サンプルは、当該分野において公知の方法を使用して哺乳動物から単離される。あるいは、生物学的サンプルは、哺乳動物の体液(例えば、脳脊髄液、血液、血漿、血清、又は尿が挙げられる)から単離されうる。特に、多数のタンパク質精製技術が、当該分野において公知である(例えば、Harlow & Lane, Antibodies, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor, pp. 421-696 (1988)を参照のこと)。
SPARCタンパク質の検出及び定量のための任意の適切な方法が、本発明に従って使用され得、抗SPARC抗体の使用(例えば、ウェスタンブロット、ELISA)(例えば、Sweetwyne et al., J. Histochem. Cytochem. 52(6):723-33 (2004); Tai et al., J. Clin. Invest. 115(6): 1492-502 (2005)を参照のこと)、SPARC特異的結合タン
パク質の使用(例えば、放射性標識SPARCリガンド、ELISAのようなアッセイ)、二次元電気泳動、質量分析、又はそれらの組み合わせ(例えば、Nedelkov D et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 102(31):10852-7 (2005); Chen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 101 (49): 17039-44(2004)を参照のこと)が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、免疫組織化学が、サンプル中のSPARCタンパク質の単離、検出、及び定量に使用されうる(例えば、Sweetwyne et al., J. Histochem. Cytochem. 52(6):723-33 (2004); Tai et al., J. Clin. Invest. 115(6):1492-502(2005)を参照のこと
)。
本発明は、SPARC RNAが検出及び定量される方法を提供する。Chomczynskiに
より(米国特許第5,945,515号)、又はDiMartinoらにより(Leukemia 20(3):426-32 (2006))記載されたものなど、RNAを単離するための、非常に多くの方法が、当該分野において公知である。あるいは、RNAは、組織切片を包含する顕微鏡スライドの調製により、本発明に従う検出及び定量に適した形態で単離されうる(例えば、Thomas et al., Clin. Can.Res. 6:1140-49 (2000)を参照のこと)。SPARC RNAは、当該分野で公知の任意の適切な方法により検出及び定量され得、in situハイブリダイゼーション(例えば、Thomas et al., Clin. Can.Res. 6: 1140-49 (2000)を参照のこと)、ノーザ
ンブロット(例えば、Wrana et al., Eur. J. Biochem. 197:519-28 (1991)を参照のこと)、リアルタイムRT−PCR(例えば、DiMartino et al., Leukemia 20(3):426-32 (2
006)を参照のこと)、リアルタイムの核酸配列に基づく増幅(Real-time nucleic acid sequence-based amplification)(例えば、Landry et al., J. Clin. Microbiol. 43(7):3136-9 (2005)を参照のこと)、マイクロアレイ解析(例えば、Tai et al., J. Clin. Invest. 115(6): 1492-502 (2005); DiMartino et al., Leukemia 20(3):426-32 (2006)を
参照のこと)、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明はまた、化学療法剤又は他の抗癌剤への、ヒト又は他の哺乳動物の、腫瘍又は他の増殖性疾患の応答を予測又は決定する方法も提供し、ここで化学療法剤への哺乳動物の腫瘍の応答は、SPARCレベルと正又は負に相関する。「SPARCレベルと相関する」とは、例えば、所定の化学療法剤への腫瘍の応答と検出されるSPARCタンパク質又はRNAのレベルとの間の相互(mutual)又は相反(reciprocal)関係を意味する。すなわち、腫瘍の応答の質、程度、大きさ、又はレベルは、検出されるSPARCタンパク質又はRNAのレベルの度合いに伴って変化する。検出されるSPARCタンパク質又はRNAのレベルが増加するにつれて、腫瘍の応答の質、程度、大きさ、又はレベルが増加するとき、「正の相関」が存在する。検出されるSPARCタンパク質又はRNAのレベルが増加するにつれて、腫瘍の応答の質、程度、大きさ、又はレベルが減少するとき、「負の相関」が存在する。腫瘍の応答のレベルと検出されるSPARCタンパク質又はRNAのレベルとの間の関係は、階段関数、一次関数、又は対数関数の形をとり得、又はそれらに近似しうる。「相関させる(correlating)」とは、相関を確立すること又は公知の相
関の影響を考慮することを意味する。
また、本発明は、検出されるSPARCタンパク質又はRNAのレベルを、公知の基準サンプル中に検出されるレベルと比較することによって、化学療法剤又は他の抗癌剤への、ヒト又は他の哺乳動物の、腫瘍又は他の増殖性疾患の応答を予測又は決定する方法も提供する。このような基準サンプルは、例えば、正常組織又は体液からでありうる。あるいは、基準サンプルは、所定の化学療法剤又は他の抗癌剤又はそれらの組み合わせへの、公知のSPARCレベル、応答、感受性、又は抵抗性を有する腫瘍でありうる。
さらに、予測される応答は、所定の化学療法剤が使用されるように、又は代替の化学療法剤が使用されるように、有効である又は有効でないとして特徴付けられうる。このように、予測される応答は、別の化学療法剤の使用に対する、ある化学療法剤の使用から生じる応答の割合(例えば、タキソテールにより引き起こされた応答に対するアブラキサンにより引き起こされた応答の割合)として特徴付けられうる。
したがって、本発明は、化学療法剤又は他の抗癌剤への、哺乳動物の腫瘍又は他の増殖性疾患の応答を予測するためのキットを提供し、このキットは、腫瘍からタンパク質又はRNAを単離する手段、SPARCタンパク質又はRNAの検出及び定量手段、対照タンパク質又はRNA、並びに腫瘍の応答を予測するためのルールを含む。このようなキットは、例えば、アルブミン結合パクリタキセルのナノ粒子を含む化学療法剤への乳癌、卵巣癌、又は頭頸部癌の応答を予測するために使用されうるが、これに限定されない。タンパク質又はRNAを単離するための、並びにSPARCタンパク質又はRNAの検出及び定量のための、適切な手段は、本明細所中に記載されている。適切な対照タンパク質又はRNAは、陽性対照(例えば、腫瘍を有する哺乳動物からの腫瘍材料若しくは体液、又は腫瘍を有する哺乳動物から採取された腫瘍材料若しくは体液から単離されたタンパク質又はRNAなど)を含むべきである。適切な対照タンパク質又はRNAは、陰性対照(例えば、腫瘍のない哺乳動物からの正常組織若しくは体液、又は腫瘍のない哺乳動物から採取された正常組織若しくは体液から単離されたタンパク質又はRNAなど)を含む。キット中の対照はまた、SPARCタンパク質又はRNAの定量のための標準曲線を確立するために使用される材料、あるいは感受性及び抵抗性の腫瘍からの材料をも含みうる。本発明のキットはまた、腫瘍のHer2状態を決定するための手段をも含みうる。
本発明のキットは、腫瘍の応答を予測するためのルールをさらに含む。このようなルールは、化学療法剤への応答を予測又は決定する方法との関連で本明細書中に記載されるように、所定の化学療法剤への応答の予測の基礎を、検出されるSPARCタンパク質又はRNAのレベルに置く。例えば、SPARCタンパク質又はRNAの特定のレベルは、過去の経験に基づき、化学療法剤が使用されるべきであるということを示しうる。所定の化学療法剤への応答を予測するSPARCタンパク質又はRNAのレベルを決定するために、過度の実験をすることなく、(前向き研究、後ろ向き研究、又はそれらの組み合わせにより)適切なデータを出すことは、当業者の技術範囲内である。
SPARCタンパク質は、特定のヒトの腫瘍におけるアルブミンの蓄積に関与する。アルブミンは化学療法薬の主要な担体であるため、SPARCの発現レベルは、腫瘍に浸透して保持される化学療法薬の量の指標となる。したがって、SPARCの発現レベルは、化学療法への腫瘍の応答性を予測する。
任意の適切な生物学的サンプルが、本発明の方法との関連で、目的の哺乳動物から単離されうる。好ましくは、生物学的サンプルは、腫瘍生検などにより腫瘍から単離される。あるいは、生物学的サンプルは、哺乳動物の体液(例えば、脳脊髄液、血液、血漿、血清、又は尿を含む)から単離されうる。生物学的サンプルの単離のための技術及び方法は当業者に公知である。
検出される腫瘍(その腫瘍の化学療法への応答が予測又は決定されようとしており、またその腫瘍は本発明に従って治療されうる)の型は、通常ヒト及び他の哺乳動物中に見出されるものである。腫瘍は、例えば実験動物などにおいて、接種の結果でもありうる。多くの型及び形態の腫瘍が、ヒト及び他の動物の状態において見られ、本明細書の方法の適用を、ある特定の腫瘍型又は種類に限定することは意図していない。腫瘍は、知られているように、制御されない進行性の細胞分裂から生じる組織の異常な塊を含み、典型的には「新生物」としても知られる。本発明の方法は、例えばヒトにおける、腫瘍細胞及び関連の間質細胞、固形腫瘍並びに軟組織に関連する腫瘍(例えば軟組織肉腫など)に有用である。腫瘍又は癌は、口腔及び咽頭、消化器系、呼吸器系、骨及び関節(例えば、骨転移)、軟組織、皮膚(例えば、黒色腫)、乳房、生殖器系、泌尿器系、眼及び眼窩、脳及び中枢神経系(例えば、グリオーマ)、又は内分泌系(例えば、甲状腺)中に位置し得、原発性の腫瘍又は癌に必ずしも限定されない。口腔に関連する組織としては、舌、及び口の組織が挙げられるが、これらに限定されない。癌は、消化器系の組織(例えば、食道、胃、小腸、結腸、直腸、肛門、肝臓、胆嚢、及び膵臓が挙げられる)において生じうる。呼吸器系の癌は、喉頭、肺、及び気管支を侵し得、例えば、非小細胞肺癌が挙げられる。腫瘍は、雄性及び雌性の生殖系を構成する子宮頸部、子宮体部、卵巣、外陰部、膣、前立腺、精巣、及び陰茎、並びに泌尿器系を構成する膀胱、腎臓、腎盂及び尿管において生じうる。腫瘍又は癌は、頭部及び/又は頸部に位置しうる(例えば、喉頭癌及び副甲状腺癌)。腫瘍又は癌は、造血系又はリンパ系にも位置し得、例えば、リンパ腫(例えば、ホジキン病及び非ホジキンリンパ腫)、多発性骨髄腫、又は白血病(例えば、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病など)が挙げられる。好ましくは、腫瘍は、膀胱、肝臓、卵巣、腎臓、腸、脳、又は乳房に位置する。
III.標的化の実施形態
本発明はまた、ヒト又は他の哺乳動物において腫瘍に化学療法剤を送達する方法を提供する。この方法は、治療上有効量の送達剤(例えば、医薬組成物など)をヒト又は他の哺乳動物に投与することを含み、ここでこの送達剤(例えば、医薬組成物)は、SPARCポリペプチドにカップリングされた化学療法剤を含む。医薬組成物は、好ましくは、SP
ARC認識基にカップリングされた化学療法剤及び医薬上許容される担体を含む。本発明の他の実施形態と関連して本明細書中で説明される、化学療法剤、腫瘍、哺乳動物、及びそれらの構成要素の記載もまた、腫瘍に化学療法剤を送達する前記方法の同じ態様に適用可能である。
他の実施形態において、本発明は、SPARC結合部を発現する疾患の部位へ、SPARCポリペプチドによって、医薬上活性な薬剤を送達する方法を提供する。このような疾患としては、身体組織(例えば、軟組織、結合組織、骨、固形臓器、血管など)における、増殖の異常な状態、組織リモデリング、過形成、及び過大な創傷治癒が挙げられる。医薬組成物(SPARCタンパク質に結合することができる化合物若しくはリガンド、又は別のアルブミン結合タンパク質にカップリングされた治療剤を含む)を投与することにより治療できる、又は診断されうる疾患の例としては、癌、糖尿病性の又は他の網膜症、炎症、関節炎、血管若しくは人工血管移植組織又は血管内装置における再狭窄などが挙げられる。本発明の他の実施形態と関連して本明細書中で説明される、医薬上活性な薬剤、腫瘍、哺乳動物、及びそれらの構成要素の記載もまた、医薬上活性な薬剤を送達する前記方法の同じ態様に適用可能である。
本発明はまた、哺乳動物において腫瘍に化学療法剤を送達する方法をも提供する。この方法は、治療上有効量の医薬組成物を哺乳動物に投与することを含み、ここで医薬組成物は、アルブミンに結合することができるSPARCタンパク質にカップリングされた化学療法剤及び医薬上許容される担体を含む。本発明の他の実施形態と関連して本明細書中で説明される、化学療法剤、腫瘍、哺乳動物、及びそれらの構成要素の記載もまた、腫瘍に化学療法剤を送達する前記方法の同じ態様に適用可能である。
適切な治療剤、化学療法剤、放射性核種、ポリペプチドなどを抗体又はそのフラグメントにカップリング又はコンジュゲート化する方法は、当該分野で充分記載されている。例えば、本発明は、例えば、SPARC−放射性核種(SPARC-radioinuclide)、SPAR
C−薬物、SPARC−免疫調節剤又はSPARC−毒素コンジュゲートなどのSPARCポリペプチドを提供する。任意の適切な方法が、SPARCコンジュゲートを形成するために、本発明に従って使用されうる。例えば、これに限定されないが、SPARCタンパク質中の遊離アミノ基(例えばリジンのε−アミノ基など)が、カルボジイミド(carodiimides)又はヘテロ二官能性(heterobiofunctional)剤などの試薬を用いてコンジュ
ゲート化されうる。あるいは、例えば、SPARCのスルフヒドリル(suflhydryl)基がコンジュゲート化に使用されうる。また、SPARC糖タンパク質に結合した糖部分が酸化され、当該分野で公知の多数のカップリング手順において有用なアルデヒド基が形成されうる。本発明に従って形成されたコンジュゲートは、in vivoで安定であり得、あるいは酵素的に分解可能なテトラペプチド結合又は酸に不安定なシス−アコニチル結合若しくはヒドラゾン結合のように、不安定でありうる。
in vivoでの使用のために、SPARCタンパク質に結合することのできる化合物又はリガンドにカップリングされた化学療法剤は、望ましくは、生理学的に許容される担体を含む医薬組成物へと製剤化される。任意の適切な生理学的に許容される担体が、本発明の関連の中で使用され得、このような担体は当該分野で周知である。
担体は、典型的には液体であるが、固体、又は液体及び固体成分の組み合わせでもありうる。担体は、望ましくは、生理学的に許容される(例えば、医薬上又は薬理学的に許容される)担体(例えば、賦形剤又は希釈剤)である。生理学的に許容される担体は周知であり、容易に入手可能である。担体の選択は、少なくとも一部分においては、標的組織及び/又は細胞の位置、並びに組成物を投与するために使用される特定の方法によって、決定されよう。
IV.治療剤を投与する方法及び標的化の実施形態
典型的には、このような組成物は、液体の溶液又は懸濁液のいずれかとして、注射剤として調製されうる;注射前の液体添加で溶液又は懸濁液を調製するために使用するのに適切な固体形態も、調製されうる;調製物は乳化もされうる。注射での使用に適切な医薬製剤としては、無菌の水溶液又は分散物;公知のタンパク質安定剤及び溶解保護剤(lyoprotectants)を含む製剤、ゴマ油、ピーナツ油又は水性プロピレングリコールを含む製剤、並びに無菌の注射可能な溶液又は分散物の即時調製のための無菌粉末、が挙げられる。全ての場合において、製剤は無菌でなければならず、容易な注射可能性(syringability)
が存在する程度まで流動的でなければならない。それは、製造及び保存の条件下で安定でなければならず、細菌及び真菌などの微生物の汚染作用に対して保護されなければならない。遊離塩基又は薬理学的に許容される塩としての活性化合物の溶液は、界面活性剤(例えばヒドロキシセルロースなど)と適切に混合された水の中で調製されうる。分散物はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、及びそれらの混合物中、並びに油中で調製されうる。保存及び使用の通常の条件下で、これらの調製物は、微生物の増殖を防ぐため、保存剤を含む。
SPARCタンパク質にカップリングされた化学療法剤(例えば、SPARC治療)は、中性又は塩の形態で組成物へと製剤化されうる。医薬上許容される塩としては、酸付加塩(タンパク質の遊離アミノ基と形成される)及び無機酸(例えば、塩酸若しくはリン酸)又は有機酸(酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸など)と形成される塩が挙げられる。遊離カルボキシル基と形成される塩はまた、無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、又は水酸化第二鉄など)及び有機塩基(イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、プロカインなど)からも得られる。
この組成物は、特にこの組成物及び/又はその最終用途の安定性を増強するために、任意の他の適切な成分をさらに含みうる。したがって、本発明の組成物の、多種多様の適切な製剤が存在する。以下の製剤及び方法は、単なる例示であり、限定では全くない。
吸入による投与に適切な製剤としては、エアロゾル製剤が挙げられる。エアロゾル製剤は、加圧された許容される噴霧剤(例えばジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素など)の中に入れられうる。それらはまた、ネブライザー又はアトマイザーからの送達のために、非加圧調製物としても製剤化されうる。
非経口投与に適切な製剤としては、水性及び非水性の、等張の無菌注射溶液(酸化防止剤、バッファー、静菌剤、及びこの製剤を、対象とするレシピエントの血液と等張にする溶質を含みうる)、並びに水性及び非水性の無菌懸濁液(懸濁剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤、及び保存剤を含みうる)が挙げられる。これらの製剤は、単回用量又は複数用量の密封容器(例えばアンプル及びバイアルなど)中で提供され得、使用直前に、注射のために無菌液体賦形剤(例えば、水)の添加のみを要する、フリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存されうる。即席の注射溶液及び懸濁液は、これまでに記載された種類の無菌の粉末、顆粒、及び錠剤から調製されうる。
肛門投与に適切な製剤は、活性成分を種々の基剤(例えば乳化基剤又は水溶性基剤)と混合することによって坐剤として調製されうる。膣投与に適切な製剤は、活性成分に加えて、適切であることが当該分野で公知であるような担体を含む、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム、又はスプレー製剤として提供されうる。
また、組成物は、さらなる治療剤又は生物活性のある薬剤を含みうる。例えば、特定の適応症の治療において有用な治療因子が存在しうる。炎症を制御する因子(例えばイブプロフェン又はステロイドなど)は、医薬組成物のin vivo投与に関連する腫脹(swelling)及び炎症、並びに生理学的な苦痛を低減させるために、組成物の一部でありうる。
以下の実施例は、本発明をさらに説明するが、いかなる意味においてもその範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
この実施例は、SPARCへの抗SPARC抗体の特異的結合を実証する。
全細胞抽出液を、超音波処理によりHUVEC細胞から調製した。タンパク質を5〜15%(s5-15%)のSDS−PAGE上で分離し、PVDFメンブレン上に移し、SPARCに対するポリクローナル抗体及びSPARCに対するモノクローナル抗体で可視化した。両抗体は、SPARCの正確な分子量である38kDaで単一バンドに反応した。MX−1腫瘍細胞株を同じ方法で分析した場合、清澄化した細胞溶解物又は膜に富んだ膜画分の両方で、SPARCを検出した。
この実施例は、正常組織においてSPARC発現がないことを実証する。
正常なヒト及びマウスの組織を免疫染色し、腫瘍及び正常組織アレイを使用して、SPARC染色についてスコアリング(0〜4)した。免疫染色は、ポリクローナルウサギ抗SPARC抗体を使用して実施した。SPARCは、食道を除くどの正常組織においても発現していなかった。同様に、SPARCは、雌のマウスの腎臓を除くどの正常マウス組織においても発現していなかった。しかし、この発現は、SPARCと同一であるフォリスタチンによるものであった可能性がある。
この実施例は、MX−1腫瘍細胞におけるSPARCの発現を示す。
MX−1細胞をカバーガラス上で培養し、当該分野で公知の方法を使用してヒトSPARCに対する抗体で染色した。抗体染色を観察したが、このことは、MX−1がSPARCを発現していることを実証する。これらの結果は、MX−1腫瘍細胞において検出されたSPARC発現が、MX−1腫瘍細胞によるSPARC分泌の結果であることを示唆する。染色は、正常初代細胞(例えばHUVEC(ヒト臍帯静脈内皮細胞)、HLMVEC(ヒト肺微小血管内皮細胞)、及びHMEC(ヒト乳腺上皮細胞)など)よりも、MX−1腫瘍細胞についてより強かった。SPARC染色の大部分は内部SPARCであったが、共焦点顕微鏡(miscroscopy)及び透過処理されていない(unpermeabilized)細胞の染色により実証するとおり、有意なレベルの表面SPARCを検出した。
この実施例は、フィルター固定化SPARCへの蛍光標識アルブミンの直接結合を通じて、アルブミンへのSPARC結合を実証する。
精製SPARCをPVDFメンブレン上に固定化し、増加する濃度(increasing concentration)のヒト血清アルブミン/ウシ血清アルブミン(HSA/BSA)(Alexa488
蛍光色素で標識した)と反応させた。IC50が、血漿中のHSA濃度とほぼ同等の5%(w/v)で、結合を実証した(図1)。
具体的には以下のプロトコールを使用する:
1)ミリポア(Millipore)の、滅菌済みマルチスクリーン(HTS)96ウェルろ過シ
ステム(Sterile MultiScreen (HTS) 96-well Filtration system)(カタログ番号:MSIPS4510)を使用して、メンブレンを30%メタノールで5分間インキュベートする;
2)ハンクス平衡塩溶液(Hanks Balance Salt Solution)(HSBS)で2回洗浄する;
3)HSBS中、5 μg/100 μlの精製SPARC溶液 100 μlでインキュベートする;
4)25℃で1時間(1 houtr)の後、HSBSで2回洗い流す;
5)4℃で一晩、5%ミルク(1xTBS中、5%脱脂粉乳(カーネーション(Carnation)))でブロッキングする;
6)HSBSで2回洗浄する;
7)アルブミン(HSA注射液25%(バクスター(BAXTER))1 mlで、BSA-Alexa fluor 488(モレキュラープローブス(Molecular Probes))5 mgを再懸濁する)でインキュ
ベートする;
8)1時間(1 hrour)後、HSBSで3回洗浄する;
9)Alexa fluor 488のための検出波長を使用して蛍光光度計で読み取る;
10)特異的結合は、SPARCのないメンブレンへの結合を全結合から引いたものである;
11)HSA濃度(%)に対して特異的結合をプロットする。
これらの結果は、腫瘍に蓄積したSPARCが、HSAのシンクとして機能を果たしうることも実証する。
この実施例は、MX−1腫瘍異種移植片における、アルブミンとSPARCの同時局在を示す。
パクリタキセルアルブミンナノ粒子(アブラキサン、ABX又はABI−007)は、第III相転移性乳癌試験において、タキソール(TAX)を超える改善された応答率を有することが示されている(33%対19%、p<0.0001)(例えば、O'Shaμghnessy, SABCSを参照のこと)。TAXに対してABXについて、パクリタキセル(P)の
アルブミン媒介性の経内皮輸送及びパクリタキセルの腫瘍内蓄積の増加が、最近実証され
た(例えば、Desai, SABCS 2003を参照のこと)。アルブミンはSPARCに結合する(
例えば、Schnitzer, J. Biol. Chem., 269, 6072-82 (1994)を参照のこと)。
MX−1腫瘍細胞株は、ヒト乳癌由来である。ヒトMX−1腫瘍異種移植片、ヒト原発性乳房腫瘍組織(n=141)、及び正常ヒト乳房組織(n=115)の連続凍結切片を免疫染色し、アルブミン、SPARC(抗SPARC抗体を使用する)、及びカベオリン−1染色についてスコアリングした(0〜4)。培養MX−1細胞もSPARCについて免疫染色した。パクリタキセルアルブミンナノ粒子(アブラキサン、ABX又はABI−007)及びタキソール(TAX)を、放射性パクリタキセル(P)で調製し(20 mg/kg静脈注射(IV))、これらを使用して、無胸腺マウスの正常組織におけるパクリタキセルの生体内分布を決定した。
MX−1腫瘍におけるアルブミン染色は限局的であり、SPARCと同時局在した(図2)。カベオリン−1染色により、アルブミン含有領域の血管密度は、アルブミンを含まない領域と差異がないことを確認した。MX−1培養細胞によるSPARC発現は、抗SPARC抗体での陽性染色により確認した。正常組織(SPARC陰性)におけるパクリタキセル蓄積は、7/10の組織について、TAXと比較してABXについて有意に低かった(p<0.004)。正常組織についての1%と比較して、46%のヒト原発性乳房腫瘍が、強いSPARC染色(スコア>2)を示した(p<0.0001)。50の腫瘍組織のサブセットにおいて、SPARC発現は、病期とも、ER状態とも、PgR状態とも相関しなかった;しかし、p53陰性腫瘍において高いSPARC発現の傾向があった。
アルブミン及びSPARCの同時局在は、SPARCが、そのアルブミン結合活性により、乳房腫瘍におけるアルブミン結合の腫瘍内標的として挙動しうることを示唆する。ABX中のパクリタキセルの輸送は、アルブミンに依存するため(例えば、Desai SABCS, 2003を参照のこと)、このことは、TAXと比較してABXの改善された腫瘍蓄積を説明
しうる。正常組織におけるSPARC発現の欠如と一致して、正常組織におけるABX蓄積はTAXよりも低かった。SPARCについての患者のスクリーニングにより、ABXへの応答性がより高い患者の同定が可能となる。これらの腫瘍におけるSPARCの存在により、抗SPARC抗体を使用した標的化及び治療が可能となる。
この実施例は、パクリタキセルアルブミンナノ粒子(ABI−007)の、内皮受容体(gp60)媒介性カベオラトランスサイトーシスを示す。
パクリタキセル(P)アルブミンナノ粒子(アブラキサン、ABX又はABI−007)は、第III相転移性乳癌試験において、タキソールを超える改善された応答率を実証した(33%対19%、p<0.0001)(SABCS, O'Shaμghnessy et al, 2003)。
タキソール(TAX)中のクレモフォアは、血漿においてミセル中にPを捕捉し、細胞への分配に利用可能なパクリタキセルを減少させる(例えば、Sparreboom et al., Cancer.
Res., 59, 1454 (1999)を参照のこと)。無胸腺マウスにおける研究は、等用量のTAXと比較して、ABXでは腫瘍内パクリタキセル濃度が30〜40%高いことを示した(SABCS, Desai et al, 2003)。アルブミンは、特異的受容体(gp60)媒介性カベオラ輸送により、内皮細胞(EC)を横切って輸送される(例えば、John et al., Am. J. Physiol., 284, Ll87 (2001)を参照のこと)。ABX中のアルブミン結合パクリタキセルは、gp60によって腫瘍微小血管ECを横切って輸送され得、この機構は、TAXと比較してABXに対して特に活発でありうる、との仮説を立てた。
一連の実験を実施し、ABX及びTAXについて、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC
)及びヒト肺微小血管内皮細胞(HLMVEC)によるパクリタキセルの結合及び輸送を評価した。蛍光パクリタキセル(FP)をプローブとして使用し、蛍光ABX及びTAXを、FPで製剤化し、パクリタキセルの結合及びトランスウェル装置上で増殖させたEC単層を横切るパクリタキセルの輸送を調べた。
細胞(HUVEC)へのパクリタキセルの結合は、TAXよりもABXについて10倍高かった。EC単層を横切るABXからのパクリタキセルの輸送は、TAXと比較して、HUVEC及びHMVECについて、それぞれ2〜3倍及び2〜4倍増強された。輸送はアルブミンに依存した。ABXからのパクリタキセルの輸送は、gp60(カベオラアルブミントランスサイトーシスに必要な受容体)に結合することが知られている抗SPARC抗体の存在によって阻害された。カベオラトランスサイトーシスの公知の阻害剤であるNEM及びβ−メチルシクロデキストリン(BMC)もまた、内皮単層を横切るABXからのパクリタキセルの輸送を阻害した(図3)。カベオラ輸送の阻害は、ABXからのPの輸送を、TAX輸送のレベルまで低下させた。
これらの結果は、ABXからのパクリタキセルがgp60媒介性カベオラトランスサイトーシスによってECを横切って能動的に輸送されるのに対し、TAXからのPは、主に傍細胞(非カベオラ)機構によって2〜4分の1の速度で輸送されるようであることを実証する。この経路は、TAXと比較してABXについて見られたパクリタキセルの腫瘍内濃度の増加に部分的に関与しうる。TAX中のクレモフォアは、内皮細胞を横切るパクリタキセルのトランスサイトーシスを阻害する。
この実施例は、標識されたアルブミンのMX−1腫瘍細胞中への内部移行、及びMX−1細胞内での細胞内SPARC発現との同時局在を示す。
MX−1細胞をカバーガラス上で培養し、適切な薬剤で透過処理した。細胞を蛍光アルブミンにさらし、洗浄後にSPARC抗体にさらした。この後、アルブミンとは異なる蛍光標識を有する二次抗体にさらした。驚いたことに、標識されたアルブミンが、細胞内でSPARCの存在と同時局在することを観察したが、このことは、アルブミンが迅速に内部移行し、細胞内SPARCを標的化したことを示す。
この実施例は、タキソールと比較して、パクリタキセル及びアルブミンを含む医薬組成物の、gp60(アルブミン受容体)を介した内皮トランスサイトーシスの増加を実証する。
ヒト肺微小血管内皮細胞(HLMVEC)をトランスウェル上でコンフルエントになるまで増殖させた。パクリタキセル及びアルブミンを含む本発明の医薬組成物、又は20 μg/mLの濃度の蛍光パクリタキセル(Flutax)を含むタキソールを、上部トランスウ
ェルチャンバに添加した。
上部チャンバから下部チャンバへのトランスサイトーシスによるパクリタキセルの輸送は、蛍光光度計を使用して継続的にモニタリングした。Flutaxのみを含みアルブミンを含まない対照も使用した。Flutaxを含む対照は、輸送を示さず、コンフルエントなHLMVEC単層の完全性を確認した。アルブミン−パクリタキセル組成物からのパクリタキセルの輸送は、5%HSA(生理学的濃度)の存在下では、タキソールからのパクリタキセルよりもはるかに速かった。アルブミン−パクリタキセル組成物及びタキソールについての輸送速度定数(K)は、それぞれ1.396h−1及び0.03h−1であった。単層を横切って輸送されたパクリタキセルの総量は、アルブミン−パクリタキセ
ル組成物ではタキソールよりも3倍高かった。したがって、アルブミン又は他の適切な模倣物(gp60受容体又は他の内皮細胞受容体に対する抗体(aantibodies)又はフラグ
メントを含む)の使用は、内皮バリアを横切った腫瘍間質中への所望の治療剤の輸送を補助しうる。
この実施例は、ヒト乳癌細胞におけるSPARCタンパク質の過剰発現を示す。
ヒト乳癌細胞におけるSPARC発現を、Cybrdi,Inc.(Gaithersburg, MD)の腫瘍アレイを使用して決定した。この分析の結果を表1に示す。染色の強度を、「陰性」から4+までスコアリングした(より大きい数字は、より高い過剰発現強度に対応する)。正常組織の1%と比較して、乳癌の49%が、SPARCについて陽性(2+以上)と染色された(p<0.0001)。
この実施例は、ナノ粒子アルブミン結合パクリタキセル(ABI−007)を使用して、高い応答率での、扁平上皮細胞頭頸部癌におけるSPARC過剰発現を実証する。
頭頸部(H&N)及び肛門管の扁平上皮細胞癌(SCC)を有する患者の第I相及び第II相の臨床試験において、動脈内送達されたナノ粒子アルブミン結合パクリタキセル(アブラキサン、ABX又はABI−007)について、それぞれ78%及び64%の応答率が観察された(例えば、Damascelli et al., Cancer, 92(10), 2592-2602 (2001)、及
びDamascelli et al., AJR, 181, 253-260 (2003)を参照のこと)。ABX及びタキソー
ル(TAX)のin vitro細胞傷害性(cytoxicity)の比較において、我々は、扁平上皮頸部(A431)株が、TAX(0.012 μg/ml)に対して、ABX(0.004 μg/ml)について、改善されたIC50を実証することを観察した。TAXに対してABXで、パクリタキセル(P)のアルブミン媒介性経内皮カベオラ輸送及びPの腫瘍内蓄積の増大が、最近実証された(例えば、Desai, SABCS 2003を参照のこと)。
ヒトH&N腫瘍組織(n=119)及び正常ヒトH&N組織(n=15)を免疫染色し、腫瘍及び正常組織アレイを使用して、SPARC染色についてスコアリングした(0〜4+)。免疫染色は、ポリクローナルウサギ抗SPARC抗体を使用して実施した。新たな第I相用量増加試験(ABXを、3週に1回、30分かけて静脈注射で与える)において、頭頸部癌患者のサブセット(n=3)を、ABXへの応答について分析した。
SPARCは、H&N腫瘍の60%(72/119)において過剰発現し(スコア>2+)、それに対して正常組織では0%(0/15)であった(p<0.0001)。第I相試験において、2/3のH&N患者が、135 mg/m2(1人の患者)及び225 mg/m2(1人の患者)の用量レベルでの2サイクルの治療の後、部分奏効(PR)を達成した。3人目の患者(260 mg/m2)では進行した。
SPARCが、扁平上皮細胞H&N腫瘍の60%において過剰発現していることを見出した。このことは、これらの腫瘍において発現しているSPARCへのアルブミン結合パクリタキセルの結合による、扁平上皮細胞H&N癌において以前見られた、ABXの高い単一薬剤活性を説明しうる。扁平上皮細胞H&N腫瘍を有する2/3の患者は、新たな第I相試験においてPRを達成した。ヒトH&N腫瘍組織(n=119)及び正常ヒトH&N組織(n=15)を免疫染色し、腫瘍及び正常組織アレイを使用して、SPARC染色についてスコアリングした(0〜4+)。免疫染色は、ポリクローナルウサギ抗SPARC抗体を使用して実施した。SPARCは、H&N腫瘍の60%(72/119)において過剰発現し(スコア>2+)、それに対して正常組織では0%(0/15)であった(p<0.0001)。このことは、これらの腫瘍において発現しているSPARCへのアルブミン結合パクリタキセルの結合による、扁平上皮H&N癌において以前見られたABXの高い単一薬剤活性を説明しうる。
新たな第I相用量増加試験(ABXを、3週に1回、30分かけて静脈注射で与える)において、頭頸部癌患者のサブセット(n=3)を、ABXへの応答について分析した。第I相試験において、2/3のH&N患者が、135 mg/m2(1人の患者)及び225 mg/m2(1人の患者)の用量レベルでの2サイクルの治療の後、部分奏効(PR)を達成した。3人目の患者(260 mg/m2)では進行した。これらの患者からの腫瘍組織をSPARCにつ
いて染色したところ、1人の応答性患者は、SPARCについて強い過剰発現を示した。
この実施例は、扁平上皮頭頸部癌において、ナノ粒子アルブミン結合パクリタキセル(ABI−007)を使用して、高い応答率とSPARC過剰発現の相関を実証する。
動脈内ABXで治療する、頭頸部の扁平上皮細胞癌を有する54人の患者の、別の第II相臨床試験において、全体的な応答率78%を記録した。この試験における、動脈内ABX投与を受けた16人の患者からの癌生検を、SPARC発現及び臨床応答との相関について評価した。抗SPARCポリクローナル抗体(R&D Systems, Minneapolis, MN, USA)での染色を、0〜4の等級でスコアリングした(0=染色なし、4+=強度の陽性)
。陽性SPARC発現は、>2+の染色として同定し、陰性SPARC発現は、<2+の染色として同定した。ABX応答者は、非応答者(2/5、40%)に対して、より高いSPARC発現の発生率を示した(10/11、91%)(p=0.06)。ABX応答は、SPARC陰性患者(1/4=25%)に対して、SPARC陽性患者(10/12=83%)について、有意に高かった(p=0.06)。また、SPARC陰性患者は、本試験の全体的な応答率よりも有意に低い応答率を示した(ABX又は他の化学療法剤で治療した患者を含む)(1/4、25%対42/54、78%;p<0.05)。
この実施例では、SPARCを発現している腫瘍細胞は、SPARCを発現しない腫瘍細胞よりも、アブラキサンへの感受性が高いことを実証する。
SPARCの発現を駆動するCMVプロモーターを保持する発現ベクターを、PC3細胞にトランスフェクトした。高いSPARC発現を有する安定な組込み体を、G418(培地中、500 μg/ml)により選択した。これらのクローンの一つ、HN104は、RT−
PCR及びウェスタンブロットにより、高いSPARC発現を示した。このクローンを、異種組織片として無胸腺ヌードマウスにおいて増殖させた。HN104の増殖及びアブラキサンへの応答(図4中、「ABX」)を、親細胞株PC3の増殖及びアブラキサンへの応答と比較した。腫瘍が100 mm3に達したときに、アブラキサンを、5日間、1日あたり15 mg/kgの用量レベルで投薬した。
HN104は、親であるPC3の異種組織片に対して、より長い誘導期を示した。HN104を2週間分左にシフトすると、PC3とHN104の腫瘍曲線は同様だった(図4)ことから、増殖は、誘導期の終了時には、同様であった。図4に示すように(図4は腫瘍体積を示すが、HN104の曲線を左に20日シフトすることにより、トランスフェクトされた細胞におけるSPARCにより誘導された誘導期を調整した)、SPARCを過剰発現している細胞株は、親細胞株よりも、アブラキサンへの有意に高い感受性を示した。腫瘍体積100-800 mm3について;処置ありと処置なしにおける、同等のサイズの腫瘍体
積を隔てる平均日数は、PC3については25日、HN104については36日であった。したがって、SPARCは、アブラキサンに対して前立腺癌細胞を増感させる。
SPARCの化学療法増感活性をさらに調査するために、無胸腺マウス腫瘍異種組織片システムを使用して、5−フルオロウラシル(5-flurouracil)(「5−FU」)に対す
るHT29ヒト結腸癌(colocancer)細胞の増感を評価した。
癌細胞を、無胸腺マウスにおいて左右両側に皮下移植した。マウスを、生理食塩水又は25 mg/kgの5−FUで処置した(表4を参照のこと)。SPARCの投与を受けたそれらの動物を、4 mg/kg、6 mg/kg又は8 mg/kgの用量の野生型ポリペプチド(配列番号1)で
処置した(表4を参照のこと)。有効性の指標として生存率及び異種組織片の増殖について、また毒性の指標として体重変化について、動物を観察した。結果を以下の表にまとめる:
[0102] 図5は、野生型SPARC(「BIO1」)で治療した動物及びそれらの対照
の群についての腫瘍体積曲線を示す。野生型SPARCは、使用されたいずれのSPARC濃度においても、5−FUに対して癌細胞を増感させなかった。
[0103] この実施例は、SPARCが普遍的な増感剤ではなく、その増感活性が癌細胞
の生態及び/又は施された治療に依存しうることを実証する。
in vitro血管形成アッセイ(TSC CellWorks Angiokit)を使用して、SPARCの血管形成活性を評価したところ、驚いたことに、SPARCの血管形成活性が濃度依存性であることが示された。
このシステムでは、ヒト臍帯静脈内皮細胞(「HUVEC」)を、コラーゲンマトリクス中で他のヒト細胞(繊維芽細胞)と共培養する。HUVEC細胞は最初に、培養マトリクス内で小島を形成する。HUVECは分化し、増殖し、移行期に入るが、その間、マトリクス中を移動し、糸状の細管構造を形成する(9〜11日)。これらは次第につながり、毛細血管床に似た網状組織を形成する。
三次元マトリクス内で増殖させたHUVEC細胞を、様々な濃度の野生型SPARCポリペプチド(配列番号1)又はQ3変異SPARCポリペプチド(配列番号3)で処置した。培養12日後、毛細血管微細管(Capillary microtubules)を、CD31についての免疫染色を使用して可視化した。図6は、SPARC非存在下(0 μg/ml)、10 μg/ml
の野生型又はQ3SPARC、及び100 μg/mlの野生型又はQ3SPARCにおける、毛細血管微細管密度の特徴的な例を示しながら、血管新生に関するSPARCの濃度依存的効果を示す。
驚いたことに、10 μg/mlのSPARCは血管形成促進性であり、一方100 μg/mlのS
PARCは血管形成を阻害する。
この実施例は、腫瘍異種組織片モデルにおけるSPARC、推定上の血管形成阻害剤、及びアブラキサンを組み合わせることの相乗効果を実証する。
実施例14において提示した驚くべき知見を考慮すると、SPARCの血管形成活性は濃度依存性である。出願人らは、より低濃度では、SPARCの抗癌活性は、その強力な血管形成促進活性によって覆い隠されうるとの仮説を立てた。これを試験するために、SPARC+アブラキサンのレジメンに血管形成阻害剤を添加することの効果を調査した。
実施例12及び13のように、ヒト乳癌(図7及び8)並びに結腸癌細胞(図9及び10)を、異種組織片として無胸腺ヌードマウスにおいて増殖させた。各治療群において5匹のマウスを使用した。腫瘍が200 mm3に達したとき、処置を行った。マウスを、以下の
いずれかで処置した:生理食塩水(陰性対照として);SPARC(150 μg/kg、1週間に2回(2x/week))単独;血管形成阻害剤アバスチン(4mg/kg、1週間に2回)単独;
アブラキサン(4日毎に15 mg/kgで3回処置)単独;SPARC及びアブラキサン、又はSPARC、アバスチン及びアブラキサン。野生型(「BIO1」)及びQ3変異SPARC(「BIO2」)の両方について評価した。有効性の指標として生存率及び異種組織片の増殖について、また毒性の指標として体重変化について、動物を観察した。結果を以下の表にまとめる(アブラキサン単独に起因する分を上回る分の、腫瘍増殖の阻害率を示す):
野生型SPARC及び乳癌細胞については、単一薬剤治療は、生理食塩水の対照治療と同程度だった。図8が示すように、SPARCの又はSPARC及びアバスチンの添加は、本調査の他の治療群と比較して、腫瘍増殖を著しく低下させた。図9は、Q3変異SPARCが、鈍くはあるが、同様の結果を与えたことを示す。
野生型SPARC及び結腸癌細胞については、SPARC又はアバスチンでの単一薬剤治療は、生理食塩水の対照治療と同程度だった。アブラキサンでの単一薬剤治療は、対照を超えて、腫瘍増殖を有意に改善した。図10がまた示すように、SPARCの又はSPARC及びアバスチンの添加は、アブラキサン単独と比較して、腫瘍増殖をさらに減少させた。しかし、図10は、Q3変異SPARCが、アブラキサンで得られる効果を超えて腫瘍増殖を遅らせることはなく、またアバスチン及びQ3SPARCの添加が、腫瘍増殖の制御において、穏やかな改善しかもたらさないことを示す。体重の変化に基づき、いずれのレジメンも、他のレジメンより有意に毒性が高いことはなかった。
別のシステムにおいて、スーテント(別の血管形成阻害剤)は、同じ結果を生じさせた。ここでも、5匹の無胸腺マウスそれぞれにヒト乳癌細胞を皮下注射した。腫瘍が100 mm3まで増殖したとき、治療を開始した。治療は、スーテント、又は野生型SPARC(「
BIO1」)とスーテント、のいずれかからなり、結果を表5(アブラキサン単独に起因する分を下回る分の腫瘍増殖の抑制率を示す)及び図11に示す。
アバスチンと同様に、血管形成阻害剤としてスーテントを使用すると、SPARC及びアブラキサンの組み合わせは相乗効果があるように見える。
本明細書中に引用された全ての参考文献(刊行物、特許出願、及び特許を含む)は、各参考文献が参照により組み込まれることが個々にかつ具体的に示され、またその全体が本明細書中で説明されたのと同程度まで、参照により組み込まれる。
本発明(特に添付の特許請求の範囲に関して)を記載することに関して、用語「a」及び「an」及び「the」並びに同様の指示対象の使用は、本明細書中に別途示されない限り、又は文脈により明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方を含むと解釈されるべきである。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including
)」、及び「含む(containing)」は、別途言及されない限り、制限のない(open-ended)用語(すなわち、「含むが、それに限定されない」を意味する)と解釈されるべきである。本明細書中の値の範囲の列挙は、本明細書中に別途示されない限り、この範囲内に入る各個別の値に個々に言及することの省略方法として機能することを意図するに過ぎず、各個別の値は、それが本明細書中に個々に列挙されたかのように、本明細書中に組み込まれる。本明細書中に記載される全ての方法は、本明細書中に別途示されない限り、又はさもなくば文脈により明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施されうる。本明細書中に提供されるあらゆる全ての例、又は例示的語句(例えば、「など(such as)」)
の使用は、本発明をより明確にすることを意図するに過ぎず、別途主張されない限り、本発明の範囲を限定しない。本明細書中のいかなる語句も、主張されていない任意の要素を本発明の実施に必須なものとして示していると解釈されるべきではない。
本発明の好ましい実施形態が本明細書中に記載されており、本発明を実施するための、本発明者らが知る最良の形態を含む。それらの好ましい実施形態のバリエーションは、前述の記載を読めば、当業者に明らかになりうる。本発明者らは、当業者が必要に応じてこのようなバリエーションを使用することを予期し、また本発明者らは、本明細書中に具体的に記載されたもの以外の方法で、本発明が実施されることを意図する。したがって、本発明は、適用法により許容されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲に列挙された対象の全ての改変物及び均等物を含む。さらに、上記要素の全ての可能なバリエーションの中で、上記要素の任意の組み合わせが、本明細書中に別途示されない限り、又はさもなくば文脈により明らかに矛盾しない限り、本発明により包含される。

Claims (85)

  1. 治療上有効量のSPARCポリペプチド及び治療上有効量の微小管阻害剤を含む、哺乳動物の腫瘍を治療するための組成物。
  2. SPARCポリペプチドが、配列番号1、3、又はそれらの組み合わせのアミノ酸配列を含むポリペプチドである、請求項1に記載の組成物。
  3. SPARCポリペプチドが、約10μg/mlから約100mg/mlの濃度で存在する、請求項2に記載の組成物。
  4. 微小管阻害剤がパクリタキセルである、請求項1に記載の組成物。
  5. パクリタキセルがアルブミンと結合している、請求項4に記載の組成物。
  6. 50%を超えるアルブミン結合パクリタキセルがナノ粒子の形態である、請求項5に記載の組成物。
  7. アルブミン結合パクリタキセルが、約10mg/mlから約100mg/mlの濃度で存在する、請求項5に記載の組成物。
  8. アルブミン結合パクリタキセルが、約1mg/mlから約10mg/mlの濃度で存在する、請求項5に記載の組成物。
  9. アルブミン結合パクリタキセルが、約0.1mg/mlから約1mg/mlの濃度で存在する、請求項5に記載の組成物。
  10. 治療上有効量のSPARCポリペプチド及び治療上有効量の微小管阻害剤を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物の腫瘍の治療方法。
  11. SPARCポリペプチドが、配列番号1、3、又はそれらの組み合わせのアミノ酸配列を含むポリペプチドである、請求項10に記載の方法。
  12. SPARCポリペプチドが、少なくとも1週間の投与サイクルで約40μg/kgから約40mg/kgの用量で投与される、請求項11に記載の方法。
  13. 微小管阻害剤がパクリタキセルである、請求項10に記載の方法。
  14. パクリタキセルがアルブミンと結合している、請求項13に記載の方法。
  15. SPARCポリペプチドが、微小管阻害剤の投与の約12時間以内に投与される、請求項14に記載の方法。
  16. SPARCポリペプチドが、微小管阻害剤の投与から12時間を超えて投与される、請求項14に記載の方法。
  17. SPARCポリペプチド及びアルブミン結合微小管阻害剤が、実質的に同時に投与される、請求項14に記載の方法。
  18. SPARCポリペプチド及びアルブミン結合パクリタキセルが、単一投薬形態に含まれ
    る、請求項14に記載の方法。
  19. SPARCポリペプチド及びアルブミン結合パクリタキセルが、静脈内投与される、請求項14に記載の方法。
  20. 50%を超えるアルブミン結合パクリタキセルが、ナノ粒子の形態である、請求項14に記載の方法。
  21. アルブミン結合パクリタキセルの用量が、少なくとも1週間の投与サイクルで約30mg/mから約1000mg/mである、請求項14に記載の方法。
  22. アルブミン結合パクリタキセルの用量が、少なくとも1週間の投与サイクルで約1mg/mから約30mg/mである、請求項14に記載の方法。
  23. アルブミン結合パクリタキセルの用量が、少なくとも1週間の投与サイクルで約0.3mg/mから約1mg/mである、請求項14に記載の方法。
  24. アルブミン結合パクリタキセルの用量が、少なくとも1週間の投与サイクルで約0.1mg/mから約0.3mg/mである、請求項14に記載の方法。
  25. 組成物が、腫瘍増殖速度を約50%低下させる、請求項14に記載の方法。
  26. 哺乳動物の腫瘍が、口腔腫瘍、咽頭腫瘍、消化器系腫瘍、呼吸器系腫瘍、骨腫瘍、軟骨性腫瘍、骨転移、肉腫、皮膚腫瘍、黒色腫、乳房腫瘍、生殖器系腫瘍、尿路腫瘍、眼窩腫瘍、脳及び中枢神経系腫瘍、グリオーマ、内分泌系腫瘍、甲状腺腫瘍、食道腫瘍、胃腫瘍、小腸腫瘍、結腸腫瘍、直腸腫瘍、肛門腫瘍、肝臓腫瘍、胆嚢腫瘍、膵臓腫瘍、喉頭腫瘍、肺の腫瘍、気管支腫瘍、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、子宮頸腫瘍、子宮体部腫瘍、卵巣腫瘍、外陰部腫瘍、膣腫瘍、前立腺腫瘍、前立腺癌、精巣腫瘍、陰茎の腫瘍、膀胱腫瘍、腎臓の腫瘍、腎盂の腫瘍、尿管の腫瘍、頭頸部腫瘍、副甲状腺癌、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、及び肛門腫瘍からなる群より選択される、請求項10に記載の方法。
  27. 治療上有効量のSPARCポリペプチド、治療上有効量の血管形成阻害剤、及び治療上有効量の微小管阻害剤を含む、哺乳動物の腫瘍を治療するための組成物。
  28. SPARCポリペプチドが、配列番号1、3、又はそれらの組み合わせのアミノ酸配列を含むポリペプチドである、請求項27に記載の組成物。
  29. SPARCポリペプチドが、配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチドである、請求項28に記載の組成物。
  30. SPARCポリペプチドが、約10μg/mlから約100mg/mlの濃度で存在する、請求項28に記載の組成物。
  31. 血管形成阻害剤が、mTORの阻害剤、オーロラキナーゼ、VEGFRキナーゼの阻害剤、PDGFRキナーゼの阻害剤、ソラフェニブ、スーテント、アキシチニブ、アバスチン、マリマスタット、ベバシズマブ、カルボキシアミドトリアゾール、TNP−470、CM101、IFN−α、IL−12、血小板因子−4、スラミン、SU5416、トロンボスポンジン、VEGFRアンタゴニスト、血管新生抑制ステロイド、軟骨由来血管形
    成阻害因子、マトリクスメタロプロテアーゼ阻害剤、アンジオスタチン、エンドスタチン、2−メトキシエストラジオール、テコガラン、トロンボスポンジン、プロラクチン、αvβ3阻害剤、テコガラン、BAY 12−9566、AG3340、CGS27023A、COL−3、ビタキシン、ZD0101、TNP−40、サリドマイド、スクアラミン、IM862、PTK787、フマギリン、フマギリンのアナログ、BB−94、BB−2516、リノミド、血管成長因子に対する抗体、血管成長因子受容体に対する抗体、又はそれらの組み合わせである、請求項27に記載の組成物。
  32. 血管形成阻害剤がアバスチンである、請求項31に記載の組成物。
  33. 血管形成阻害剤が約10mg/mlから約50mg/mlの濃度のアバスチンである、請求項32に記載の組成物。
  34. 微小管阻害剤がパクリタキセルである、請求項27に記載の組成物。
  35. パクリタキセルがアルブミンと結合している、請求項34に記載の組成物。
  36. 50%を超えるアルブミン結合パクリタキセルが、ナノ粒子の形態である、請求項35に記載の組成物。
  37. アルブミン結合パクリタキセルが約10mg/mlから約100mg/mlの濃度で存在する、請求項35に記載の組成物。
  38. アルブミン結合パクリタキセルが、約1mg/mlから約10mg/mlの濃度で存在する、請求項35に記載の組成物。
  39. アルブミン結合パクリタキセルが、約0.1mg/mlから約1mg/mlの濃度で存在する、請求項35に記載の組成物。
  40. 治療上有効量のSPARCポリペプチド、治療上有効量の血管形成阻害剤、及び治療上有効量の微小管阻害剤を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物の腫瘍の治療方法。
  41. SPARCポリペプチドが、配列番号1、3、又はそれらの組み合わせのアミノ酸配列を含むポリペプチドである、請求項40に記載の方法。
  42. SPARCポリペプチドが、配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチドである、請求項41に記載の方法。
  43. SPARCポリペプチドが、少なくとも1週間の投与サイクルで、一回につき約0.1から約100mg/kgの用量で投与される、請求項42に記載の方法。
  44. 血管形成阻害剤が、mTORの阻害剤、オーロラキナーゼ、VEGFRキナーゼの阻害剤、PDGFRキナーゼの阻害剤、ソラフェニブ、スーテント、アキシチニブ、アバスチン、マリマスタット、ベバシズマブ、カルボキシアミドトリアゾール、TNP−470、CM101、IFN−α、IL−12、血小板因子−4、スラミン、SU5416、トロンボスポンジン、VEGFRアンタゴニスト、血管新生抑制ステロイド、軟骨由来血管形成阻害因子、マトリクスメタロプロテアーゼ阻害剤、アンジオスタチン、エンドスタチン、2−メトキシエストラジオール、テコガラン、トロンボスポンジン、プロラクチン、αvβ3阻害剤、テコガラン、BAY 12−9566、AG3340、CGS27023A、COL−3、ビタキシン、ZD0101、TNP−40、サリドマイド、スクアラミ
    ン、IM862、PTK787、フマギリン、フマギリンのアナログ、BB−94、BB−2516、リノミド(linomid)、血管成長因子に対する抗体、血管成長因子受容体に
    対する抗体、又はそれらの組み合わせである、請求項40に記載の方法。
  45. 血管形成阻害剤がスーテント、アバスチン、又はそれらの組み合わせである、請求項44に記載の方法。
  46. 血管形成阻害剤がアバスチンである、請求項45に記載の方法。
  47. 血管形成阻害剤が、少なくとも1週間の投与サイクルで約15μg/kgから約15mg/kgの用量で投与されるアバスチンである、請求項46に記載の方法。
  48. 血管形成阻害剤がスーテントである、請求項44に記載の方法。
  49. スーテントが経口投与される、請求項45に記載の方法。
  50. タキサンなどの微小管阻害剤がパクリタキセルである、請求項40に記載の方法。
  51. パクリタキセルがアルブミンと結合している、請求項50に記載の方法。
  52. 50%を超えるアルブミン結合パクリタキセルが、ナノ粒子の形態である、請求項51に記載の方法。
  53. アルブミン結合パクリタキセルの用量が、少なくとも1週間の投与サイクルで約30mg/mから約1000mg/mである、請求項51に記載の方法。
  54. アルブミン結合パクリタキセルの用量が、少なくとも1週間の投与サイクルで約1 m
    g/m(mg/m2)から約30mg/mである、請求項51に記載の方法。
  55. アルブミン結合パクリタキセルの用量が、少なくとも1週間の投与サイクルで約0.3mg/mから約1mg/mである、請求項51に記載の方法。
  56. アルブミン結合パクリタキセルの用量が、少なくとも1週間の投与サイクルで約0.1mg/mから約0.3mg/mである、請求項51に記載の方法。
  57. SPARCポリペプチドが、微小管阻害剤の投与の約12時間以内に投与される、請求項40に記載の方法。
  58. SPARCポリペプチドが、微小管阻害剤の投与から12時間を超えて投与される、請求項40に記載の方法。
  59. SPARCポリペプチド及びタキサンなどの微小管阻害剤が、実質的に同時に投与される、請求項40に記載の方法。
  60. 血管形成阻害剤が、微小管阻害剤の投与の約12時間以内に投与される、請求項40に記載の方法。
  61. 血管形成阻害剤が、微小管阻害剤の投与から12時間を超えて投与される、請求項40に記載の方法。
  62. 血管形成阻害剤及びタキサンなどの微小管阻害剤が、実質的に同時に投与される、請求項40に記載の方法。
  63. SPARCポリペプチド、血管形成阻害剤、及び微小管阻害剤が、単一投薬形態に含まれる、請求項40に記載の方法。
  64. SPARCポリペプチド、血管形成阻害剤、及び微小管阻害剤が静脈内投与される、請求項40に記載の方法。
  65. 哺乳動物の腫瘍が、口腔腫瘍、咽頭腫瘍、消化器系腫瘍、呼吸器系腫瘍、骨腫瘍、軟骨性腫瘍、骨転移、肉腫、皮膚腫瘍、黒色腫、乳房腫瘍、生殖器系腫瘍、尿路腫瘍、眼窩腫瘍、脳及び中枢神経系腫瘍、グリオーマ、内分泌系腫瘍、甲状腺腫瘍、食道腫瘍、胃腫瘍、小腸腫瘍、結腸腫瘍、直腸腫瘍、肛門腫瘍、肝臓腫瘍、胆嚢腫瘍、膵臓腫瘍、喉頭腫瘍、肺の腫瘍、気管支腫瘍、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、子宮頸腫瘍、子宮体部腫瘍、卵巣腫瘍、外陰部腫瘍、膣腫瘍、前立腺腫瘍、前立腺癌、精巣腫瘍、陰茎の腫瘍、膀胱腫瘍、腎臓の腫瘍、腎盂の腫瘍、尿管の腫瘍、頭頸部腫瘍、副甲状腺癌、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、及び肛門腫瘍からなる群から選択される腫瘍である、請求項40に記載の方法。
  66. その組み合わせが、微小管阻害剤単独療法と比較して、腫瘍増殖速度を少なくとも約50%低下させる、請求項40に記載の方法。
  67. 少なくとも1週間の投与サイクルで、SPARCポリペプチドが1回につき約40μg/kgから約40mg/kgの用量であり、血管形成阻害剤が約15μg/kgから約15mg/kgの用量のアバスチンであり、タキサンなどの微小管阻害剤が約30mg/mから約1000mg/mの用量のアルブミン結合パクリタキセルである、請求項40に記載の方法。
  68. 少なくとも1週間の投与サイクルで、SPARCポリペプチドが1回につき約40μg/kgから約40mg/kgの用量であり、血管形成阻害剤が約15μg/kgから約15mg/kgの用量のアバスチンであり、微小管阻害剤が約1mg/mから約30mg/mの用量のアルブミン結合パクリタキセルである、請求項40に記載の方法。
  69. 少なくとも1週間の投与サイクルで、SPARCポリペプチドが1回につき約40μg/kgから約40mg/kgの用量であり、血管形成阻害剤が約15μg/kgから約15mg/kgの用量のアバスチンであり、微小管阻害剤が約0.3mg/mから約1mg/mの用量のアルブミン結合パクリタキセルである、請求項40に記載の方法。
  70. 少なくとも1週間の投与サイクルで、SPARCポリペプチドが1回につき約40μg/kgから約40mg/kgの用量であり、血管形成阻害剤が約15μg/kgから約15mg/kgの用量のアバスチンであり、微小管阻害剤が約0.1mg/mから約0.3mg/mの用量のアルブミン結合パクリタキセルである、請求項40に記載の方法。
  71. 少なくとも1週間の投与サイクルで、SPARCポリペプチドが配列番号1を含み、1回につき約40μg/kgから約40mg/kgの用量であり、血管形成阻害剤が約15μg/kgから約15mg/kgの用量のアバスチンであり、微小管阻害剤が約30mg/mから約1000mg/mの用量のアルブミン結合パクリタキセルである、請求項40に記載の方法。
  72. 少なくとも1週間の投与サイクルで、SPARCポリペプチドが配列番号1を含み、1回につき約40μg/kgから約40mg/kgの用量であり、血管形成阻害剤が約15μg/kgから約15mg/kgの用量のアバスチンであり、微小管阻害剤が約1mg/mから約30mg/mの用量のアルブミン結合パクリタキセルである、請求項40に記載の方法。
  73. 少なくとも1週間の投与サイクルで、SPARCポリペプチドが配列番号1を含み、1回につき約40μg/kgから約40mg/kgの用量であり、血管形成阻害剤が約15μg/kgから約15mg/kgの用量のアバスチンであり、微小管阻害剤が約0.3mg/mから約1mg/mの用量のアルブミン結合パクリタキセルである、請求項40に記載の方法。
  74. 少なくとも1週間の投与サイクルで、SPARCポリペプチドが配列番号1を含み、1回につき約40μg/kgから約40mg/kgの用量であり、血管形成阻害剤が約15μg/kgから約15mg/kgの用量のアバスチンであり、微小管阻害剤が約0.1mg/mから約0.3mg/mの用量のアルブミン結合パクリタキセルである、請求項40に記載の方法。
  75. 少なくとも1週間の投与サイクルで、SPARCポリペプチドが配列番号3を含み、1回につき約40μg/kgから約40mg/kgの用量であり、血管形成阻害剤が約15μg/kgから約15mg/kgの用量のアバスチンであり、微小管阻害剤が約30mg/mから約1000mg/mの用量のアルブミン結合パクリタキセルである、請求項40に記載の方法。
  76. 少なくとも1週間の投与サイクルで、SPARCポリペプチドが配列番号3を含み、1回につき約40μg/kgから約40mg/kgの用量であり、血管形成阻害剤が約15μg/kgから約15mg/kgの用量のアバスチンであり、微小管阻害剤が約1mg/mから約30mg/mの用量のアルブミン結合パクリタキセルである、請求項40に記載の方法。
  77. 少なくとも1週間の投与サイクルで、SPARCポリペプチドが配列番号3を含み、1回につき約40μg/kgから約40mg/kgの用量であり、血管形成阻害剤が約15μg/kgから約15mg/kgの用量のアバスチンであり、微小管阻害剤が約0.3mg/mから約1mg/mの用量のアルブミン結合パクリタキセルである、請求項40に記載の方法。
  78. 少なくとも1週間の投与サイクルで、SPARCポリペプチドが配列番号3を含み、1回につき約40μg/kgから約40mg/kgの用量であり、血管形成阻害剤が約15μg/kgから約15mg/kgの用量のアバスチンであり、微小管阻害剤が約0.1mg/mから約0.3mg/mの用量のアルブミン結合パクリタキセルである、請求項40に記載の方法。
  79. SPARCポリペプチドが凍結乾燥されている、請求項2に記載の組成物。
  80. アルブミン結合パクリタキセルが凍結乾燥されている、請求項5に記載の組成物。
  81. アバスチンが凍結乾燥されている、請求項32に記載の組成物。
  82. 治療上有効量のSPARCポリペプチド及び治療上有効量の疎水性化学療法剤を含む、哺乳動物の腫瘍を治療するための組成物。
  83. 治療上有効量のSPARCポリペプチド及び治療上有効量の疎水性化学療法剤を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物の腫瘍の治療方法。
  84. 治療上有効量のSPARCポリペプチド、治療上有効量の血管形成阻害剤、及び治療上有効量の化学療法剤を含む、哺乳動物の腫瘍を治療するための組成物。
  85. 治療上有効量のSPARCポリペプチド、治療上有効量の血管形成阻害剤、及び治療上有効量の化学療法剤を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物の腫瘍の治療方法。
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