JP2014168155A - 電気音響変換器及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型で、高音質、且つ音圧レベルを高めた音響再生が可能な圧電型の電気音響変換器を提供する。
【解決手段】電気音響変換器1は、第1圧電素子2を含む。また、該電気音響変換器は、第1圧電素子の主面を拘束するベース部16と、ベース部の一縁部にベース部と一体に形成される変位拡大部13a,13bと、を含む板バネ部材3を含む。また、該電気音響変換器は、変位拡大部に当接し、梃子の支点を形成する支点形成部材18a,18bを含む。また、該電気音響変換器は、梃子の支点を挟んで一縁部と対向し、一縁部と梃子の支点間の第1距離よりも長い第2距離の変位拡大部の位置に、一端が接合された変位拡大棒15a,15bを含む。さらに、該電気音響変換器は、変位拡大棒の他端と接合された振動板5を含む。
【選択図】図1
【解決手段】電気音響変換器1は、第1圧電素子2を含む。また、該電気音響変換器は、第1圧電素子の主面を拘束するベース部16と、ベース部の一縁部にベース部と一体に形成される変位拡大部13a,13bと、を含む板バネ部材3を含む。また、該電気音響変換器は、変位拡大部に当接し、梃子の支点を形成する支点形成部材18a,18bを含む。また、該電気音響変換器は、梃子の支点を挟んで一縁部と対向し、一縁部と梃子の支点間の第1距離よりも長い第2距離の変位拡大部の位置に、一端が接合された変位拡大棒15a,15bを含む。さらに、該電気音響変換器は、変位拡大棒の他端と接合された振動板5を含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、電気音響変換器及び電子機器に関する。
電子機器の音響再生部品として、動電型電気音響変換器が利用されている。この動電型電気音響変換器は、永久磁石とボイスコイルと振動膜から構成されている。その動作原理は、磁石を用いたステータの磁気回路の作用によりボイスコイルに固定された有機フィルム等の振動膜が振動し、音波を発生させるものである。
近年、携帯電話機やスマートフォン等の携帯端末が増加しているため、電気音響変換器の小型化への要求が高まっている。電気音響変換器の音響性能として重要項目である音圧レベルは、振動膜の空気に対する体積排除によって決定される。従って、電気音響変換器を小型化する場合には振動膜の放射面面積が減少するため、音圧レベルが低下してしまうという問題がある。
音圧レベルを向上する手段として、磁気回路の発生力を高め、振動膜の振幅を増加させる方法がある。しかしながら、この手段の場合、磁束密度の増加や駆動電流の増加が必要になり、永久磁石の体積増加やボイスコイルの太線化により、磁気回路の厚みが増加するという問題がある。さらに、電流量増大に伴う消費電力が増加してしまう問題もある。
一方、小型で薄型の電気音響変換器を実現する手段として、圧電セラミックスによる圧電効果を利用した圧電型電気音響変換器がある。この圧電方式は、セラミックス素材の圧電効果を利用して、電気信号の入力による電歪作用により、振動振幅を発生させるものである。圧電型電気音響変換器では、上下層を電極材料で拘束されたセラミックス自体が振動し、これが駆動源として機能するため、磁石やボイスコイルなどの多数の部材から構成される磁気回路を備える動電型電気音響変換器に比べて、部材点数が少なくなり、薄型化に関して優位である。
特許文献1には、略コ字状の変位拡大レバーにより梃子の原理で圧電素子の伸縮量を拡大し音量の増加を図った音響信号発生用圧電装置が開示されている(特許文献1の図4を参照)。
以下の分析は、本発明により与えられる。
圧電型電気音響変換器は、内部損失が低いセラミックス材料を振動源とするため、有機フィルムを通して振幅を発生させる動電型電気音響変換器に比べ、機械品質係数Qが高い傾向にある。例えば、動電型は3〜5程度に対して、圧電型では約50程度となる。機械品質係数Qは共振時に先鋭度を示すため、圧電型電気音響変換器では、基本共振周波数近傍では音圧が高く、それ以外の帯域では音圧が減衰する傾向になる。すなわち、音圧レベルの周波数特性において山谷が発生し、特定周波数の音が強調されたたり、消失されたりして、音楽再生などに十分な音質が得られないという問題がある。また、脆性材料であるセラミックスを用いるため、落下時の衝撃安定性が弱く、携帯電話などの小型電子機器に搭載した場合の信頼性確保に問題がある。
また、特許文献1の音響信号発生用圧電装置では変位拡大レバーがコ字状であり、その一面(変位拡大レバー出力部)に接合したパッドを振動させる構造となっている。そのため、変位拡大レバー出力部の中央部から先では大きな振動を得ることができるが、変位拡大レバーの角部に近い領域では小さな振動しか得ることができないという問題がある。
かくて、小型で、高音質、且つ音圧レベルを高めた音響再生が可能な圧電型電気音響変換器の実現が望まれている。
そこで、本発明は、小型で、高音質、且つ音圧レベルを高めた音響再生の実現に貢献しうる圧電型電気音響変換器を提供することを目的とする。
本発明の第1の視点による電気音響変換器は、以下の構成要素を含む。即ち、該電気音響変換器は第1圧電素子を含む。また、該電気音響変換器は、前記第1圧電素子の主面を拘束するベース部と、前記ベース部の一縁部に前記ベース部と一体に形成される変位拡大部と、を含む板バネ部材を含む。また、該電気音響変換器は、前記変位拡大部に当接し、梃子の支点を形成する支点形成部材を含む。また、該電気音響変換器は、前記梃子の支点を挟んで前記一縁部と対向し、前記一縁部と前記梃子の支点間の第1距離よりも長い第2距離の前記変位拡大部の位置に、一端が接合された変位拡大棒を含む。さらに、該電気音響変換器は、前記変位拡大棒の他端と接合された振動板を含む。
本発明の第2の視点による電子機器は、第1の視点の電気音響変換器をスピーカとして備えている。
本発明によれば、小型で、高音質、且つ音圧レベルを高めた音響再生の実現に貢献しうる圧電型電気音響変換器を提供することが可能になる。
まず、本発明の実施形態の概要について説明する。なお、実施形態の概要の説明において付記した図面参照符号は専ら理解を助けるための例示であり、図示の態様に限定することを意図するものではない。
本発明の一実施形態における電気音響変換器1は、図1に示すように、第1圧電素子2と、第1圧電素子2の主面を拘束するベース部16と、ベース部16の一縁部(19a、19b)にベース部16と一体に形成される変位拡大部(13a、13b)と、を有する板バネ部材3を含む。また、電気音響変換器1は、変位拡大部(13a、13b)に当接し、梃子の支点(14a、14b)を形成する支点形成部材(18a、18b)を含む。また、電気音響変換器1は、梃子の支点(14a、14b)を挟んで一縁部(19a、19b)と対向し、一縁部(19a、19b)と梃子の支点(14a、14b)間の第1距離d1よりも長い第2距離d2の変位拡大部(13a、13b)の位置に、一端が接合された変位拡大棒(15a、15b)を含む。さらに、電気音響変換器1は、変位拡大棒(15a、15b)の他端と接合された振動板5を含む。
上記の構成によれば、第1圧電素子2の振動が板バネ部材のベース部16に伝播すると、ベース部の縁部19a、19bの変位は、梃子の原理により、変位拡大部13aのP1、変位拡大部13bのP2の位置において、それぞれ拡大される。さらに、P1、P2の位置の変位は、それぞれ変位拡大棒15a、15bに伝播し、振動板5を変位させる。振動板5の振動姿勢はピストン状に近くなり、振動の際の体積排除量は拡大する。音圧レベルは、振動の際の空気への体積排除量に依存することから、大きな音圧レベルの出力が可能になる。
上記電気音響変換器1において、板バネ部材のベース部16は矩形形状であり、板バネ部材3は、ベース部16の複数の辺の縁部(19a、19b)にベース部16と一体に形成される複数の変位拡大部(13a、13b)を含み、各々の変位拡大部(13a、13b)に対して、上記支点形成部材(18a、18b)及び上記変位拡大棒(15a、15b)が設けられ、各々の変位拡大棒(15a、15b)の他端と振動板5が接合されるようにしてもよい。
図3に示すように、電気音響変換器11は、上記電気音響変換器1に対してさらに第2圧電素子12を備え、第2圧電素子12の主面は、板バネ部材のベース部16において第1圧電素子2の主面を拘束している面と対向する面に拘束されるようにしてもよい。
図7、図8に示すように、電気音響変換器11の板バネ部材3は2つ又は4つの変位拡大部(2つの場合は、図7(A)(B)の13a、13b;4つの場合は、図8(A)(B)の13c〜f)を有し、板バネ部材3、33の断面は略台形であり、ベース部16が台形の上底、変位拡大部(13a〜b、又は13c〜f)が台形の脚に対応した形状を有するようにしてもよい。
上記電気音響変換器(1、11)において、板バネ部材3の厚みが100μから300μであることが好ましい。
本発明の一実施形態における電子機器101は、図4に示すように、上記電気音響変換器(1、11)をスピーカとして備える。
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照して詳しく説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は第1の実施形態に係る電気音響変換器1の断面図である。図1に示すように、電気音響変換器1は、圧電素子2と、板バネ部材3と、支点形成部材18a、18bと、変位拡大棒15a、15bと、振動板5と、連結部材17a、17bと、フレーム6を含んで構成される。
第1の実施形態の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は第1の実施形態に係る電気音響変換器1の断面図である。図1に示すように、電気音響変換器1は、圧電素子2と、板バネ部材3と、支点形成部材18a、18bと、変位拡大棒15a、15bと、振動板5と、連結部材17a、17bと、フレーム6を含んで構成される。
ここで、板バネ部材3の構造について、図7(A)(B)を参照しながら詳細に説明する。図7(A)は、板バネ部材3の構造を示す平面図、図7(B)はそのA−A断面図である。図7(A)(B)に示すように、板バネ部材3は、矩形形状のベース部16と、ベース部16の対向する2つの辺の縁部19a、19bにそれぞれベース部16と一体に形成された2つの変位拡大部13a、13bとを含んで構成される。板バネ部材3全体は、金属材料で形成される。また、図7(B)に示すように、板バネ部材3の断面は台形形状であり、台形の上底がベース部16に、台形の脚が変位拡大部13a、13bに相当している。
図1に戻り、第1圧電素子2は、圧電セラミックス7と、圧電セラミックス7を拘束する1対の電極8a、8bにより構成される。圧電セラミックス7としては、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などを使用することができる。勿論、各種の多くの圧電セラミックス等の圧電素子を必要に応じ選択して用いることができる。
第1圧電素子2は、板バネ部材3のベース部16の上部に例えばエポキシ系接着材などの接着材により接合される。板バネ部材のベース部16は、第1圧電素子2の主面を拘束し、第1圧電素子2の振動を伝達するシム板として機能する。即ち、第1圧電素子2及び板バネ部材のベース部16はモノモルフ構造の圧電アクチュエータを構成する。
支点形成部材18aは、例えば板バネで形成されており、図1に示すように、フレーム6と接合し、14aの位置で変位拡大部13aに当接するように配置される。14aは、変位拡大部13aにおいて梃子の支点となる点である。また、ベース部の縁部19aと梃子の支点14a間の距離をd1(第1距離)、梃子の支点14aと端部P1間の距離をd2(第2距離)としたとき、d1<d2の関係を満足するようにしておく。また、変位拡大部13bと支点形成部材18bの配置は、上記した変位拡大部13aと支点形成部材18aの配置と同様である。
変位拡大部13aは、端部P1において金属などで形成された変位拡大棒15aの一端と連結される。同様に、変位拡大部13bは、端部P2において金属などで形成された変位拡大棒15bの一端と連結される。そして、変位拡大棒15a、15bの他端は、それぞれP3、P4の位置で振動板5と接合される。
ここで、振動板5としては、内部損失の高い樹脂フィルムなどを使用し、電気音響変換器1全体の機械品質係数を低減させるようにしている。
また、図1に示すように、振動板5は連結部材17a、17bを介してフレーム6と連結される。連結部材17a、17bは低剛性の材料を選択する。それにより、振動板5の端部の剛性を低減することができ、振動板5の端部の可動範囲が拡大し、振動振幅を大きくすることができる。
次に、図2を参照して、電気音響変換器1の動作について説明する。図2は、第1の実施形態に係る電気音響変換器1の動作を説明するための図であり、図2(A)は第1圧電素子2の電極8a、8b間に電圧を印加する前の状態、図2(B)は第1圧電素子の電極8a、8b間に電圧を印加して変位が得られた状態を示している。尚、図2(A)(B)において、変位拡大部13b側の動作について説明することにし、変位拡大部13a側の動作は同様であるため、説明は省略する。
図2(B)のように第1圧電素子2の電極8a、8b間に電圧を印加すると、第1圧電素子2の振動が板バネ部材のベース部16に伝わり、図2(B)に示すように、板バネ部材のベース部16は、第1圧電素子2の法線方向に伸縮運動する。この伸縮運動に伴って、ベース部の縁部19bの位置が変位する。支点形成部材18bは14bにおいて変位拡大部13bと当接し、14bは梃子の支点となる。ここで、前述したようにd1<d2の関係にすることで、ベース部の縁部19bの変位は、梃子の原理によりd1とd2の比に応じて端部P2において拡大された変位となる。
さらに、変位拡大部13aの端部P1及び変位拡大部13bの端部P2が上記したように変位した場合、変位拡大棒15aの他端P3及び変位拡大棒15bの他端P4は、振動板5の法線方向に近い方向に運動する。また、ベース部16を挟んで対称に2つの変位拡大機構(13a側と13b側)を具備しているため、振動板5は、安定した振動を得ることができる。以上のような動作により、振動板5の運動姿勢をピストン状にすると共に安定した振動にすることができる。
尚、本願発明者は、電気音響変換器1で再生する音響を高音質にし、且つ音圧レベルを高めるためには、板バネ部材3の厚みが重要なパラメータであり、100μ〜300μが、好ましいという結果を得た。厚みが上記範囲より小さい場合、板バネ部材3は変位拡大棒15a、15bに対して剛性負荷に負け、振動伝播効率が低下する。一方、厚みが上記範囲より大きい場合、板バネ部材3の剛性が高くなり、第1圧電素子2からの振動伝播効率が低下すると同時に、電気音響変換器1自体の基本共振周波数成分が増加してしまう。
(比較例)
続いて、関連技術である比較例に係る電気音響変換器200について図5を参照しながら説明する。図5は、比較例に係る電気音響変換器200の断面図である。図5に示すように、電気音響変換器200は、第1圧電素子2と、シム板(金属板)25と、シム板25を支持するフレーム6により構成される。図5の電気音響変換器200において、図1の電気音響変換器1との主な違いはシム板25であるため、それ以外の構成要素は同じ参照符号を付している。
続いて、関連技術である比較例に係る電気音響変換器200について図5を参照しながら説明する。図5は、比較例に係る電気音響変換器200の断面図である。図5に示すように、電気音響変換器200は、第1圧電素子2と、シム板(金属板)25と、シム板25を支持するフレーム6により構成される。図5の電気音響変換器200において、図1の電気音響変換器1との主な違いはシム板25であるため、それ以外の構成要素は同じ参照符号を付している。
シム板25は全体が金属で形成され、第1圧電素子2と接合して、第1圧電素子2の主面を拘束する。即ち、第1圧電素子2及びシム板25は、モノモルフ構造の圧電アクチュエータを構成している。
(第1の実施形態と比較例の比較)
以下に、第1の実施形態に係る電気音響変換器1と比較例に係る電気音響変換器200を比較しながら、第1の実施形態に係る電気音響変換器1で得られる効果について説明する。
以下に、第1の実施形態に係る電気音響変換器1と比較例に係る電気音響変換器200を比較しながら、第1の実施形態に係る電気音響変換器1で得られる効果について説明する。
まず、比較例の電気音響変換器200では、シム板25全体を高剛性の金属板で構成している。そのため、基本共振周波数の低減が困難であり、基本共振周波数近傍では高い音圧レベルを確保できるが、それ以外の帯域では音圧レベルが減衰してしまう。即ち、音圧レベルの周波数特性に山谷が存在する。
一方、第1の実施形態の電気音響変換器1では、振動板5に、内部損失の高い樹脂フィルムなどを使用し、電気音響変換器1全体の機械品質係数を低減させている。これにより、音圧レベルの周波数特性を平坦化することができ、高音質の音響再生を実現することができる。
次に、比較例の電気音響変換器200では、シム板25全体が金属板で形成されているため、フレーム6と接合されるシム板25の端部は、固定端として拘束される。そのため、端部の可動範囲が狭くなると同時に、圧電素子及び金属板自体の機械品質係数が高くなり、その振動姿勢は屈曲状となり、小さな振動振幅しか得られないという問題がある。
一方、第1の実施形態の電気音響変換器1では、梃子の原理により、板バネ部材3の変位拡大部13a、13bの端部P1、P2において振動の変位を拡大することができる。さらに、変位拡大棒15a、15bを介して振動板5を振動板5の法線方向に近い方向に振動させることができる。即ち、振動板5の運動姿勢をピストン状にして、音圧レベルを高めることができる。
次に、比較例の電気音響変換器200では、落下時の機械衝撃が圧電セラミックス7に伝わりやすく、圧電セラミックス7は脆性材料であるため、機械破壊を起こす虞があるという問題がある。
一方、第1の実施形態の電気音響変換器1では、第1圧電素子2を板バネ部材のベース部16により拘束しているため、低剛性の板バネにより衝撃時のエネルギーが吸収され、衝撃安定性が向上し、信頼性が高まる。
次に、図6を参照して、第1の実施形態に係る電気音響変換器1と比較例に係る電気音響変換器200を比較する。図6は、第1の実施形態に係る電気音響変換器1と比較例に係る電気音響変換器200のそれぞれの音圧レベルの周波数特性を示すグラフである。ここで、電気音響変換器1の各構成要素は、以下のものを使用した。第1圧電素子2は、PZTを使用した圧電セラミックスで、長さ5mmの正方形で、厚み0.1mmである。板バネ部材3は、リン青銅を使用し、厚み100μである。板バネ部材のベース部16は、長さ5mmの正方形で、変位拡大部13a〜bは、幅5mmである。変位拡大棒15a〜bはSUS304を使用し、長さは0.5mmである。振動板5は、ポリエチレンフィルムを使用し、幅15mm、長さ15mmである。支点形成部材18a〜bは、ポリプロピレンゴムを使用し、第1距離d1と第2距離d2の比を約1:2に設定した。また、比較例の電気音響変換器200の各構成要素は、以下のものを使用した。第1圧電素子2は、PZTを使用した圧電セラミックスで、長さ10mmの正方形、厚み0.1mmである。シム板25の金属はリン青銅を使用し、長さ15mmの正方形で、厚み0.1mmである。
図6を参照すると、比較例では、1000Hzのピークと4500Hzのピークの2つのピークの間に谷間が生じている。一方、第1の実施形態では、その部分の谷間がなくなり周波数特性が平坦化されている。さらに、6000Hz以上の部分を比較すると、第1の実施形態は比較例に対して10dB程度の音圧レベルの向上がみられる。さらに、1000Hz未満の部分を比較すると、第1の実施形態は比較例に対して、5〜10dBの音圧レベルの向上がみられる。
以上説明したように、第1の実施形態に係る電気音響変換器1によれば、小型で、高音質、且つ音圧レベルを高めると共に、落下時に機械破損が生じにくい電気音響変換器を提供することが可能になる。
(第1の実施形態の変形例1)
次に、第1の実施形態の変形例1について、図8を参照しながら説明する。第1の実施形態の変形例1は、板バネ部材33の構造が、第1の実施形態の板バネ部材3の構造と異なっており、以下の説明では、その点を中心に説明する。
次に、第1の実施形態の変形例1について、図8を参照しながら説明する。第1の実施形態の変形例1は、板バネ部材33の構造が、第1の実施形態の板バネ部材3の構造と異なっており、以下の説明では、その点を中心に説明する。
図8(A)は、板バネ部材33の構造を示す平面図、図8(B)はそのB−B断面図である。図8(A)(B)に示すように、板バネ部材33は、矩形形状のベース部16と、ベース部16の4つの縁部19c〜fにそれぞれベース部16と一体に形成された4つの変位拡大部13c〜fとを含んでいる。
また、図8に示すように、互いに隣接する変位拡大部13c〜f間の各々の角部は、ベース部16に近い部分では互いに連なっているが、それ以外は切り欠き部26c〜fになっている。切り欠き部26c〜fの長さは、音圧レベルやその周波数特性が所望の特性に近づくように調整することが望ましい。
板バネ部材33全体は、金属材料で形成される。図8(B)に示すように、板バネ部材33の断面は台形形状であり、台形の上底がベース部16に、台形の脚が変位拡大部13c、13eに相当している。また、図8(A)のB−B方向と直交する方向の板バネ部材33の断面図は図示していないが、図8(B)と同様に台形形状である。
第1の実施形態では、2つの変位拡大部13a〜bに対して、それぞれ変位拡大機構が設けられていたが、第1の実施形態の変形例1では、4つの変位拡大部13c〜fに対して、それぞれ第1の実施形態と同様の変位拡大機構を設けている。各変位拡大機構は、各変位拡大に対して第1の実施形態と同様の図示しない支点形成部材及び変位拡大棒を含んでいる。また、4つの変位拡大棒が振動板5と接合され、各変位拡大機構により拡大された振動を振動板5に伝播させる。
以上説明した第1の実施形態の変形例1によれば、変位拡大機構の数を増やすことで、振動板5の振動が安定すると共に、音圧レベルが向上する効果が得られる。
尚、板バネ部材の形状は、図7、図8で示した形状以外にも、様々な形状とすることが可能である。まず、板バネ部材のベース部16は、矩形に限定されず、任意の多角形、円形、楕円形状としてもよい。また、板バネ部材の変位拡大部の形状は、ベース部16の形状に応じて様々な形状が可能であり、例えば、ベース部16が円形の場合には、リング状、或いは円錐コーン状としてもよい。
また、変位拡大機構の数も2つ、4つに限定されず、任意数が可能である。ここで、振動板5の振動を安定させるためには、各々の変位拡大機構を板バネ部材のベース部16に対して、対称な位置に配置することが望ましい。
(第1の実施形態の変形例2)
次に、第1の実施形態の変形例2について、図9を参照しながら説明する。第1の実施形態の変形例2は、支点形成部材28の構造が、第1の実施形態の支点形成部材18a、18bの構造と異なっており、以下の説明では、その点を中心に説明する。
次に、第1の実施形態の変形例2について、図9を参照しながら説明する。第1の実施形態の変形例2は、支点形成部材28の構造が、第1の実施形態の支点形成部材18a、18bの構造と異なっており、以下の説明では、その点を中心に説明する。
図9(A)は、支点形成部材28の構造を示す平面図、図9(B)はそのA−A断面図である。図9(A)(B)に示すように、2つの変位拡大機構の梃子の支点(線)24a、24bを1つの支点形成部材28で形成する。支点形成部材28は、フレーム6の上面に接合される。尚、第1の実施形態の変形例1のように、4つの変位拡大機構を設ける場合には、2つの支点形成部材28を設けるようにすればよい。
第1の実施形態の変形例2によれば、支点形成部材の部品点数を半分にすることで、低コスト化及び製造工程を短縮に貢献することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について、図3を参照しながら説明する。図3は、第2の実施形態に係る電気音響変換器11の断面図である。図3を図1(第1の実施形態)と比較すると分かるように、電気音響変換器11では、図1の電気音響変換器1に対して新たに第2圧電素子12が追加されている。それ以外については、図1と同様であるため、同じ参照符号を付し、重複する説明を省略する。
次に、第2の実施形態について、図3を参照しながら説明する。図3は、第2の実施形態に係る電気音響変換器11の断面図である。図3を図1(第1の実施形態)と比較すると分かるように、電気音響変換器11では、図1の電気音響変換器1に対して新たに第2圧電素子12が追加されている。それ以外については、図1と同様であるため、同じ参照符号を付し、重複する説明を省略する。
第2圧電素子12は、第1圧電素子2と同様の構成の圧電素子である。電気音響変換器11では、図3に示すように、第1圧電素子2及び第2圧電素子12が板バネ部材のベース部16を挟むように配置され、板バネ部材のベース部16が第1圧電素子2及び第2圧電素子12の主面を拘束する。即ち、第1圧電素子2、板バネ部材のベース部16、及び第2圧電素子12によりバイモルフ構造の圧電アクチュエータを構成している。
第2の実施形態に係る電気音響変換器11では、バイモルフ構造とすることにより、モノモルフ構造の電気音響変換器1(第1の実施形態)に比べて、圧電アクチュエータの駆動力が増加する。これにより、さらに音圧レベルを高めることができる。尚、第2の実施形態において、第1の実施形態の変形例1のように、変位拡大機構の数を増した構成としてもよい。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について、図4を参照しながら説明する。図4は、第3の実施形態に係る携帯端末(電子機器)101の断面図である。第3の実施形態は、図4に示すように、第1の実施形態の電気音響変換器1をスピーカとして携帯端末101に組み込んだ例を示している。
次に、第3の実施形態について、図4を参照しながら説明する。図4は、第3の実施形態に係る携帯端末(電子機器)101の断面図である。第3の実施形態は、図4に示すように、第1の実施形態の電気音響変換器1をスピーカとして携帯端末101に組み込んだ例を示している。
図4に示すように、携帯端末101は、電気音響変換器1と、LCD(Liquid Crystal Display)ユニット105と、基板106と、電池107と、それらを収容する筐体102を含んで構成される。電気音響変換器1は、筐体102内に、LCDユニット105に隣接して配置される。そして、筐体102の前面には、電気音響変換器1の振動板5が出力する音響を外部に通すためのメイン音孔104が、数箇所、設けられている。また、電気音響変換器1の振動板5は、例えば、両面テープ103a〜b等により筐体102の内面に接合される。
電気音響変換器1は、動電型電気音響変換器に比べると、少ない部品点数で構成され、小型、薄型、軽量にすることができるため、携帯端末に限らず、種々の電子機器のスピーカとして好適である。
また、落下時の強度が高いため、小型の電子機器に搭載した場合においても、信頼性を確保することができる。
本発明の電気音響変換器は、音響再生機能を有する電子機器全般に好適に適用され、具体的には、携帯電話機、スマートフォン、ゲーム機、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、PDA(Personal Data Assistants:携帯情報端末)、ディジタルカメラ等に適用される。
なお、本発明の全開示(請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲及び図面を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
1、11、200:電気音響変換器
2:第1圧電素子
3、33:板バネ部材
5:振動板
6:フレーム
7:圧電セラミックス
8a、8b:電極
12:第2圧電素子
13a〜b、13c〜f:変位拡大部
14a、14b:梃子の支点
15a、15b:変位拡大棒
16:ベース部
17a、17b:連結部材
18a、18b、28:支点形成部材
19a〜b、19c〜f:(ベース部の)縁部
24a、24b:梃子の支点(線)
25:シム板(金属板)
26c〜f:切り欠き部
101:携帯端末(電子機器)
102:筐体
103a、103b:両面テープ(接着部)
104:メイン音孔
105:LCDユニット
106:基板
107:電池
d1:第1距離
d2:第2距離
2:第1圧電素子
3、33:板バネ部材
5:振動板
6:フレーム
7:圧電セラミックス
8a、8b:電極
12:第2圧電素子
13a〜b、13c〜f:変位拡大部
14a、14b:梃子の支点
15a、15b:変位拡大棒
16:ベース部
17a、17b:連結部材
18a、18b、28:支点形成部材
19a〜b、19c〜f:(ベース部の)縁部
24a、24b:梃子の支点(線)
25:シム板(金属板)
26c〜f:切り欠き部
101:携帯端末(電子機器)
102:筐体
103a、103b:両面テープ(接着部)
104:メイン音孔
105:LCDユニット
106:基板
107:電池
d1:第1距離
d2:第2距離
Claims (6)
- 第1圧電素子と、
前記第1圧電素子の主面を拘束するベース部と、前記ベース部の一縁部に前記ベース部と一体に形成される変位拡大部と、を含む板バネ部材と、
前記変位拡大部に当接し、梃子の支点を形成する支点形成部材と、
前記梃子の支点を挟んで前記一縁部と対向し、前記一縁部と前記梃子の支点間の第1距離よりも長い第2距離の前記変位拡大部の位置に、一端が接合された変位拡大棒と、
前記変位拡大棒の他端と接合された振動板と、
を備えたことを特徴とする電気音響変換器。 - 前記板バネ部材のベース部は矩形形状であり、前記板バネ部材は、前記ベース部の複数の辺の縁部に前記ベース部と一体に形成される複数の前記変位拡大部を含み、
各々の変位拡大部に対して、
前記支点形成部材及び前記変位拡大棒が設けられ、
各々の前記変位拡大棒の他端と前記振動板が接合される、ことを特徴とする請求項1に記載の電気音響変換器。 - 第2圧電素子をさらに備え、
前記第2圧電素子の主面は、前記板バネ部材の前記ベース部において、前記第1圧電素子の主面を拘束している面と対向する面に拘束される、ことを特徴とする請求項1または2に記載の電気音響変換器。 - 前記板バネ部材は2つ又は4つの前記変位拡大部を有し、
前記板バネ部材の断面は略台形であり、前記ベース部が前記台形の上底、前記変位拡大部が前記台形の脚に対応した形状を有している、ことを特徴とする請求項2または3に記載の電気音響変換器。 - 前記板バネ部材の厚みが100μから300μである、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の電気音響変換器。
- 請求項1乃至4のいずれか一に記載の電気音響変換器をスピーカとして備えたことを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013039255A JP2014168155A (ja) | 2013-02-28 | 2013-02-28 | 電気音響変換器及び電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013039255A JP2014168155A (ja) | 2013-02-28 | 2013-02-28 | 電気音響変換器及び電子機器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014168155A true JP2014168155A (ja) | 2014-09-11 |
Family
ID=51617645
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2013039255A Pending JP2014168155A (ja) | 2013-02-28 | 2013-02-28 | 電気音響変換器及び電子機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014168155A (ja) |
-
2013
- 2013-02-28 JP JP2013039255A patent/JP2014168155A/ja active Pending
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