JP2014167865A - 高輝度放電ランプ - Google Patents

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【課題】少なくとも2本の発光管を備えたマルチタイプの高輝度放電ランプにおいて、再始動時間を更に短くする技術を提供する。
【解決手段】外管と、該外管内に設けられた少なくとも2本の内管と、該内管内の各々に設けられた発光管と、を有する高輝度放電ランプにおいて、前記発光管は、発光部と該発光部の両側のキャピラリ部とを有し、前記セキャピラリ部の外端より、電極リードが、それぞれ突出しており、前記発光管の外側に近接導体が設けられ、該近接導体の両端は、前記キャピラリ部の各々の外面に装着され、前記近接導体は、前記電極リードに対して絶縁されている。
【選択図】図4D

Description

本発明は、高輝度放電ランプ(HIDランプ)に関し、特に、複数の発光管を備えた高輝度放電ランプに関する。
近年、2本の発光管を備えた、所謂、ツインタイプのメタルハライドランプが開発されている。ツインタイプのメタルハライドランプでは、2本の発光管のうち、点灯し易い一方の発光管のみが点灯する。従って、ツインタイプのメタルハライドランプの平均寿命は、理論上、通常のシングルタイプのメタルハライドランプの平均寿命の2倍となる。例えば、シングルタイプのメタルハライドランプの平均寿命は2万4,000時間程度である。ツインタイプのメタルハライドランプの平均寿命は、理論上、4万8,000時間程度となり、LED(Light Emitting Diode)ランプの公称平均寿命の4万時間を超えることが可能となる。
ツインタイプのメタルハライドランプは、シングルタイプのメタルハライドランプと比較して、再始動特性が良い。再始動特性とは、ランプを消灯してから短時間後に再度点灯するときの点灯し易さ、点灯安定性を言う。一般に、シングルタイプのメタルハライドランプの再始動時間は、15分以上である。消灯直後では高温状態のため、始動に適した温度に冷却されるまで、15分以上必要だからである。従って、消灯から十分に時間が経過した常温状態では、6〜7分程度で点灯する。
ツインタイプのメタルハライドランプの再始動時間は、7〜8分程度である。ツインタイプのメタルハライドランプでは、消灯直後であっても、他方の発光管は消灯から十分に時間が経過しているため、十分冷却された状態となっている。そのため、再始動時間が比較的短い。近年、ツインタイプのメタルハライドランプの再始動時間の更なる短縮化の要請が強くなっている。
一般に、メタルハライドランプを含むHIDランプは再始動時間が比較的長いといわれている。上述のように、ツインタイプのメタルハライドランプの再始動時間は、シングルタイプのメタルハライドランプの再始動時間と比較すると短いが、白熱ランプ、蛍光ランプ、LEDなどの他種照明光源の再始動時間よりは長い。他種照明光源には瞬時再点灯が可能なものもある。
従って、ツインタイプのメタルハライドランプでも、数秒〜1分以内に再始動できれば、他種照明光源と比較して再始動時間が長いという短所が解消されるため、メタルハライドランプの長所を利用することにより、産業上の利用価値が更に高くなる。
またHIDランプでは、製品完成時にエージング処理を行うことにより、ランプの点灯特性の安定化を図っている。エージング処理は、例えば、ランプに定格電圧(例えば、200V)を30分程度印加して継続的に点灯する処理である。ツインタイプのランプでは2本の発光管をエージング処理する必要があり、エージング処理を効率的に行うためにも、再始動時間を短くする必要がある。
実開昭60-38463号公報 特開2003-92082号公報 特開2004-193061号公報 特開2011-77035号公報 特開平10-294085号公報(特許第3208087号)
特許文献1〜5には、高輝度放電ランプの再始動特性を向上させるために、トリガー線、又は、近接導体を用いる例が記載されている。近接導体を発光管の外側に配置することによって、再始動性が向上することが知られている。しかしながら、これらの特許文献には、ツインタイプのメタルハライドランプにおいて、トリガー線、又は、近接導体を用いる例は記載されていない。
本発明は、少なくとも2本の発光管を備えたマルチタイプの高輝度放電ランプにおいて、再始動時間を更に短くする技術を提供することにある。
本願の発明者は、ツインタイプのメタルハライドランプの再始動時間を短縮化するために、近接導体を用いることを着想した。
上述のように、ツインタイプのメタルハライドランプの再始動時間は、一本の発光管を備えた通常のメタルハライドランプの再始動時間より短い。その理由は、ツインタイプのメタルハライドランプでは、2本の発光管のうち始動し易い方の発光管が点灯する。従って、再始動により点灯するのは、点灯していなかった他方の発光管である。点灯していなかった他方の発光管の温度は、消灯直後の発光管の温度より低いが、高温の発光管に隣接しているため、常温よりは相当に高い。従って、ツインタイプのメタルハライドランプの再始動特性の向上には、シングルタイプのメタルハライドランプの始動特性について得られた知見を利用することができない。
そこで、本願の発明者は、ツインタイプのメタルハライドランプにおいて、発光管に様々な形態の近接導体を用いて、再始動時間を測定した。その結果、近接導体を電極リードの電圧に対して浮遊状態とすることによって、再始動時間が短縮されることを見出した。
本発明によると、外管と、該外管内に設けられた少なくとも2本の内管と、該内管内の各々に設けられた発光管と、を有する高輝度放電ランプにおいて、
前記発光管は、発光部と該発光部の両側のキャピラリ部とを有し、前記セキャピラリ部の外端より、電極リードが、それぞれ突出しており、
前記発光管の外側に近接導体が設けられ、該近接導体の両端は、前記キャピラリ部の各々の外面に装着され、前記近接導体は、前記電極リードに対して絶縁されている。
本実施形態によると前記高輝度放電ランプにおいて、
前記近接導体の両端は前記キャピラリ部の各々の根元に巻き付けられて固定され、前記近接導体の中間部は、前記発光管の発光部の外側にて、且つ、該発光部に接触して、又は、接触しないで近接して延びてよい。
本実施形態によると前記高輝度放電ランプにおいて、
前記発光管の周囲を囲むように螺旋状のワイヤが設けられてよい。
本実施形態によると前記高輝度放電ランプにおいて、
前記電極リードの外端は、それぞれ、U字ワイヤを介して、給電用リード線に、それぞれ接続され、該給電用リード線は前記内管の孔を貫通して前記内管の外側に延びてよい。
本発明によれば、少なくとも2本の発光管を備えたマルチタイプの高輝度放電ランプにおいて、再始動時間を更に短くする技術を提供することができる。
図1Aは、本実施形態によるツインタイプのセラミックメタルハライドランプの例の正面構成を示す図である。 図1Bは、本実施形態によるツインタイプのセラミックメタルハライドランプの例の側面構成を示す図である。 図2Aは、本実施形態によるツインタイプのセラミックメタルハライドランプの他の例の正面構成を示す図である。 図2Bは、本実施形態によるツインタイプのセラミックメタルハライドランプの他の例の正面構成を示す図である。 図2Cは、本実施形態によるツインタイプのセラミックメタルハライドランプの他の例の正面構成を示す図である。 図3Aは、本実施形態によるツインタイプのセラミックメタルハライドランプの内管の例の構成を示す図である。 図3Bは、本実施形態によるツインタイプのセラミックメタルハライドランプの内管の他の例の構成を示す図である。 図3Cは、本実施形態によるツインタイプのセラミックメタルハライドランプの内管の他の例の構成を示す図である。 図3Dは、本実施形態によるツインタイプのセラミックメタルハライドランプの内管の他の例の構成を示す図である。 図3Eは、本実施形態によるツインタイプのセラミックメタルハライドランプの内管の他の例の構成を示す図である。 図4Aは、本願の発明者が実施した実験に用いたツインタイプのセラミックメタルハライドランプの内管の比較例1の構成を示す図である。 図4Bは、本願の発明者が実施した実験に用いたツインタイプのセラミックメタルハライドランプの内管の比較例2の構成を示す図である。 図4Cは、本願の発明者が実施した実験に用いたツインタイプのセラミックメタルハライドランプの内管の比較例3の構成を示す図である。 図4Dは、本願の発明者が実施した実験に用いたツインタイプのセラミックメタルハライドランプの内管の実施例の構成を示す図である。 図5Aは、本願の発明者が実施した通常条件下の再始動実験の結果を示す図である。 図5Bは、本願の発明者が実施した通常条件下で定格電圧の10%減の電圧を印加した場合の再始動実験の結果を示す図である。 図6Aは、本願の発明者が実施した過酷条件下の再始動実験の結果を示す図である。 図6Bは、本願の発明者が実施した過酷条件下の再始動実験の結果を示す図である。 図6Cは、本願の発明者が実施した過酷条件下の再始動実験の結果を示す図である。 図7は、本実施形態によるツインタイプのセラミックメタルハライドランプの給電回路の例の構成を示す図である。
以下、本発明に係る高輝度放電ランプの実施形態に関して、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中、同じ要素に対しては同じ参照符号を付して、重複した説明を省略する。
本発明の実施形態による高輝度放電ランプは、複数の発光管を備えるマルチタイプであるが、以下に、2本の発光管を備えたツインタイプの高輝度放電ランプ、特に、ツインタイプのセラミックメタルハライドランプを例として説明する。
図1Aは本実施形態のツインタイプのセラミックメタルハライドランプの正面図、図1Bはその側面図である。本実施形態のツインタイプのセラミックメタルハライドランプ10は、外管11と、その端部に設けられた口金12と、口金12の内側に設けられたステム13と、を有する。ステム13に気密封止された1対の導入線に、棒状のマウント6と矩形のマウント7Aが、それぞれ接続されている。棒状のマウント6の先端には他の矩形のマウント7Bが接続されている。矩形のマウント7A、7Bには、それぞれ、支持部材8A、8Bと給電用リード線9A、9Bが接続されている。
支持部材8A、8Bによって2つの内管14が支持されている。2つの内管14の構造は同一であり、以下に、一方の内管14について説明する。内管14の内部には、発光管1が設けられている。発光管1の両側から1対の給電用リード線5A、5Bが突出している。給電用リード線5A、5Bは、内管14の両端の孔より突出し、支持部材8A、8B及び給電用リード線9A、9Bにそれぞれ接続されている。本実施形態では、発光管1の外側に、発光管1に近接して近接導体20が配置されている。近接導体20については後に詳細に説明する。
マウント6、7A、7Bは、内管14を支持する支持部材として機能すると同時に、発光管1に電力を供給する給電線として機能する。マウント6、7A、7Bは、モリブデン(Mo)、ステンレス(SUS)、ニッケルメッキ鉄線等の線材によって形成されている。
内管14は、発光管1が破裂した場合に外管11が損傷又は破壊することを防止するための防禦部材である。内管14は透明石英ガラス管によって形成されている。内管14には、外部空間に接続された開放型と、外部空間に対して密閉された密閉型がある。図示の内管14は開放型内管である。内管14の構造の例は、以下に、図3A〜図3Dを参照して説明する。
発光管1は、透光性セラミックス製の容器である。発光管1の内部には、発光及び放電媒体として、所定量の水銀と、金属ハロゲン化物と、希ガスとして所定圧力のアルゴン(Ar)ガスが封入されている。希ガスとして、アルゴン(Ar)ガス以外に、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)等の他の希ガスや、それらの混合ガスが用いられてもよい。金属ハロゲン化物として、よう素(I)、臭素(Br)、塩素(Cl)等のハロゲン化物と、ナトリウム(Na)、ツリウム(Tm)、セシウム(Cs)、ディスプロシウム(Dy)等の少なくとも一種の発光金属ハロゲン化物が封入され、発光効率、演色性や色温度等の特性の向上が図られている。
外管11は、ホウケイ酸ガラス等の透光性の硬質ガラスからなり、透明型と拡散型(不透明)がある。本例の外管11は、BT形であり、最大口径の中央部と、口金側のネック部と、反対側の閉塞されたトップ部を有する。ネック部には、ステム13の封止部が設けられる。ステム13に設けられた排気管(図示せず。)を介して、外管11内は真空排気され、又は、アルゴン(Ar)、窒素(N2)等の不活性ガスが封入される。ステム13の封止部を覆うように、ねじ込み形の口金12が装着される。
本実施形態のセラミックメタルハライドランプは、口金12をソケット(図示せず。)に装着して、電源から所定の点灯回路装置を介して通電され、主電極間の放電により安定した点灯が持続される。2本の発光管は、始動・駆動回路(図示なし)に対して電気的に並列に接続されている。
図2A、図2B及び図2Cを参照して、本実施形態のツインタイプのセラミックメタルハライドランプの他の例の構造を説明する。本実施形態では、発光管1の外側に、発光管1に近接して近接導体20が配置されている。近接導体20については後に詳細に説明する。
これらのセラミックメタルハライドランプでは、発光管1の周囲を囲むように螺旋状に巻かれたワイヤ15を備えている。ワイヤ15は、発光管1が破裂した場合に外管11が損傷又は破壊することを防止するための防禦部材であり、内管14と同様な機能を有する。即ち、内管14とワイヤ15の両者を設けることにより、発光管1が破裂した場合に外管11を充分に保護することができる。
ワイヤ15は、発光管1の周囲を囲むように設けられ、内管14の外側に設けてもよく、内管14の内側に設けてもよい。ワイヤ15は、内管14の各々に個別に設けてもよく、2つの内管の全体を囲むように設けてもよい。
ワイヤ15は金属製ワイヤ又はファイバ製ワイヤによって形成してよい。金属製ワイヤは、モリブデン(Mo)製、又は、ニッケル(Ni)製であってよい。ファイバ製ワイヤは、石英ファイバ製であってよい。
図2Aの例では、2本の内管14の全体を取り巻くように1本のワイヤ15が螺旋状に内管14の外側に配置されている。図2Bの例では、2本の内管14の各々に1本のワイヤ15が螺旋状に内管14の外側に配置されている。図2Cの例では、2本の内管14の各々に1本のワイヤ15が螺旋状に内管14の内側に配置されている。
図3A、図3B、図3C、及び、図3Dを参照して、本実施形態のツインタイプのセラミックメタルハライドランプに用いる内管の例を説明する。これらの例において、内管14の内部には発光管1が設けられている。発光管1の外側に、且つ、発光管1に近接して近接導体20が装着されている。近接導体20の詳細は後に説明する。ここでは、内管14と発光管1の構造を説明する。ここでは、説明の都合上、内管14に設けられた螺旋状のワイヤ15の図示は省略する。
図3Aに示す内管は、図1Aに示したツインタイプのセラミックメタルハライドランプに用いられる開放型の内管である。本例の内管14は、試験管形状の2つの半体14A、14Bからなり、各部材の底に孔14a、14bが形成されている。一方の半体14Aの径は他方の半体14Bの径より大きい。一方の半体14Aに他方の半体14Bを挿入することにより、本例の内管14が形成される。内管14の両端に孔14a、14bが形成されている。内管14の内部に発光管1が配置されている。
発光管1は、中央の発光部1Cとその両側のキャピラリ部1A、1Bを有し、セラミック製である。発光部1Cは、回転楕円球、又は、卵形の形状を有し、中心部にて最大径を有する。キャピラリ部1A、1Bの径は発光部1Cの径より小さい。キャピラリ部1A、1Bの外端より、電極リード1a、1bが、それぞれ突出している。電極リード1a、1bの外端は、それぞれ、U字ワイヤ3A、3Bを介して、給電用リード線5A、5Bに、それぞれ接続されている。給電用リード線5A、5Bは、内管14の孔14a、14bを貫通している。内管14の孔14a、14bの径は、給電用リード線5A、5Bの外径より大きく、両者の間には隙間が形成されている。
図3Bに示す内管は開放型である。本例の内管では、一端に封止部(ピンチシール部)14sが形成され、他端に孔14bが形成されている。内管14の内部に発光管1が配置されている。一方の給電用リード線5Aは、封止部14sにてシールされている。他方の給電用リード線5Bは、内管14の孔14bを貫通している。内管14の孔14bの径は給電用リード線5Bの外径より大きく、両者の間には隙間が形成されている。
図3Cに示す内管は開放型である。本例の内管では、一端に封止部(ピンチシール部)14sが形成され、他端に開口端14cが形成されている。内管14の内部に発光管1が配置されている。一方の給電用リード線5Aは、封止部14sにてシールされている。他方の給電用リード線5Bは、開口端14cを貫通している。内管14の開口端14cの径は給電用リード線5Bの外径より十分に大きく、両者の間には隙間が形成されている。
図3Dに示す内管は密閉型である。本例の内管では、一端に封止部(ピンチシール部)14sが形成され、他端は閉鎖されている。2本の給電用リード線5A、5Bは、封止部14sにてシールされている。
図3Eに示す内管は密閉型である。本例の内管では、両端に封止部(ピンチシール部)14sが形成され、閉鎖されている。2本の給電用リード線5A、5Bは、両側の封止部14sにて、それぞれシールされている。
本願の発明者は、ツインタイプのメタルハライドランプの再始動時間を短縮化するために、近接導体を用いることを着想した。
ツインタイプのセラミックメタルハライドランプでは、2本の発光管のうち始動し易い方の発光管が点灯する。即ち、2本の発光管のうち温度が低い方の発光管が点灯する。従って、点灯するのは、消灯した直後の発光管ではなく、点灯していなかった他方の発光管である。
点灯していなかった他方の発光管の温度は、消灯直後の発光管の温度より低いが、高温の発光管に隣接しているため、常温よりは相当に高い。従って、ツインタイプのメタルハライドランプの再始動特性は、シングルタイプのメタルハライドランプの始動特性について得られた知見を利用することができない。
そこで、本願の発明者は、ツインタイプのメタルハライドランプにおいて、発光管に様々な形態の近接導体を用いて、再始動時間を測定した。その結果、近接導体を電極リードの電圧に対して浮遊状態とすることによって、再始動時間が確実に短縮されることを見出した。
図4A、図4B、図4C及び図4Dを参照して本願の発明者が実施した再始動時間の測定実験について説明する。これらの図は、本願の発明者が実施した実験に用いたツインタイプのセラミックメタルハライドランプの2本の内管のうちの1本の内管のみを模式的に描いたものである。
ここで、図4Aの例を比較例1、図4Bの例を比較例2、図4Cの例を比較例3、図4Dの例を本発明の実施例と称する。比較例1〜3と実施例において、内管と発光管の構造は同一であるが、近接導体20のみが異なる。比較例1〜3と実施例において、近接導体20の材料は同一であるが、装着形態のみが異なる。近接導体20は、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、又は、これらの合金製であってよい。近接導体20の断面形状及び断面寸法は特に限定されない、即ち、外径が数mmのワイヤによって構成してよく、薄い帯状部材によって構成してもよく、コイル状であってもよい。
先ず、図4Aを参照して、内管14の構造を説明する。内管14は、図1Aに示したツインタイプのメタルハライドランプに用いられる開放型の内管と同様な構造を有し、図3Aを参照して説明した。内管14は、底に孔が設けられた2つの試験管状の半体を組み合わせることによって形成される。従って、内管14の両端に孔14a、14bが形成されている。
内管14の内部に配置された発光管1は、発光部1Cと両側のキャピラリ部1A、1Bを有する。キャピラリ部1A、1Bには、それぞれ電極アセンブリ2A、2Bが装着されている。電極アセンブリ2A、2Bの内端は、発光部1Cに配置され、それぞれタングステン(W)製の主電極に接続されている。
電極アセンブリ2A、2Bの外端より、電極リード1a、1bが、それぞれ突出している。電極リード1a、1bの外端は、それぞれ、U字ワイヤ3A、3Bを介して、給電用リード線5A、5Bに、それぞれ接続されている。給電用リード線5A、5Bは、内管14の孔14a、14bを貫通している。
図4Aの比較例1では、近接導体が設けられていない。図4A〜図4Cの比較例2、3及び実施例では、近接導体20が設けられている。
図4Bの比較例2では、近接導体20の第1の端部は、第1のU字ワイヤ3Aに接続され、近接導体20の第2の端部は、第2のキャピラリ部1Bの根元に巻き付けられて固定されている。更に、近接導体20の中間部は、第1のキャピラリ部1Aの根元に巻き付けられて固定されている。近接導体20は、第1のU字ワイヤ3A、及び第1及び第2のキャピラリ部1A、1Bの根元に接触しているが、それ以外の部分は、発光管より浮いており、接触していない。比較例2では、近接導体20の電位は、第1の電極リード1aの電位に等しい。
図4Cの比較例3では、近接導体20の第1の端部は、第1のU字ワイヤ3Aに接続され、近接導体20の第2の端部は、第2のキャピラリ部1Bの根元に巻き付けられて固定されている。比較例2と比較すると、比較例3では、近接導体20の中間部は、第1のキャピラリ部1Aの根元に巻き付けられていない。近接導体20は、第1のU字ワイヤ3Aと第2のキャピラリ部1Bの根元に接触しているが、それ以外の部分は、発光管より浮いており、接触していない。比較例3では、近接導体20の電位は、第1の電極リード1aの電位に等しい。
図4Dの実施例では、近接導体20の第1の端部は、第1のキャピラリ部1Aの根元に巻き付けられて固定され、近接導体20の第2の端部は、第2のキャピラリ部1Bの根元に巻き付けられて固定されている。近接導体20は、第1及び第2のキャピラリ部1A、1Bの根元に接触しているが、それ以外の部分は、発光管に接触しているか、又は、接触しないで近接している。本実施例では、近接導体20は、U字ワイヤ3A、3Bに接続されていない。本実施例では、近接導体20は、電極リード1a、1bに対して絶縁されており、浮遊電位状態となっている。
本願の発明者は、これらの比較例1〜3と実施例について、再始動時間を測定する実験を行った。尚、実験ではツインタイプのメタルハライドランプに給電回路を接続した。給電回路の例は、図7を参照して説明する。
図5A及び図5Bは、本願の発明者が実施した通常条件下の再始動実験の結果を示す。この実験では、30分点灯し、消灯直後に再始動を行った。図5Aは、比較例1〜3及び実施例について、給電回路から定格電圧(AC200ボルト)をランプに印加した場合の再始動時間を示し、図5Bは、比較例1〜3及び実施例について、給電回路から定格電圧の10%減の電圧をランプに印加した場合の再始動時間を示す。再始動時間の単位は分である。
図5Aに示すように、定格電圧の場合、近接導体を用いない比較例1では、再始動時間は、0〜6分とバラツキがあったが平均は3分程度であった。比較例2では、再始動時間は、極めて短く、殆ど瞬時に点灯した。比較例3では、再始動時間は、0〜4分とバラツキがあったが、平均は1分30秒程度であった。実施例では、再始動時間は、0〜50秒とバラツキがあったが、平均すると、殆ど瞬時に点灯した。
図5Bに示すように、定格電圧の10%減の場合、近接導体を用いない比較例1では、再始動時間は、6〜7分程度であった。比較例2では、再始動時間は、0〜6分20秒とバラツキがあったが、平均は1分40秒程度であった。比較例3では、再始動時間は、4分50秒程度であった。実施例では、殆ど瞬時に点灯した。
以上の結果から、次の知見が得られる。近接導体を用いない比較例1と、近接導体を用いる比較例2、3及び実施例を比較すると、比較例2、3及び実施例では、再始動時間が短くなる。従って、ツインタイプのセラミックメタルハライドにおいて、再始動時間を短くするには、近接導体を用いたほうがよい。
近接導体を用いる比較例2と比較例3を比較すると、有意な差異は見いだせなかった。従って、近接導体の電位を電極リードの電位に等しくする場合、近接導体を発光管のキャピラリ部で支持するか否かは重要ではない。近接導体の中間部を、発光管に接触させてもよいし、発光管の表面に接触させない状態で近接させてもよい。
近接導体を用いる比較例2、3と実施例を比較すると、実施例では、再始動時間が確実に短くなる。実施例では、再始動時間が極めて短く、殆ど瞬時で点灯した。従って、ツインタイプのセラミックメタルハライドにおいて、再始動時間を確実に短くするには、近接導体を電極リードに対して絶縁状態、即ち、浮遊電位状態とすればよい。尚、この場合、近接導体の中間部を、発光管に接触させてもよいし、発光管の表面に接触させない状態で近接させてもよい。
本願の発明者は、上述の始動実験において、再始動時間の測定と同時に、発光管におけるグロー放電の状態を観察した。その結果は次のとおりである。近接導体を用いない比較例1では、発光管の内部の略全体で、グロー放電が発生することが観察された。しかしながら、点灯するまでの時間、即ち、再始動時間は比較的長かった。一方、近接導体を用いた比較例2、3では、発光管の内部のうち、近接導体に近い領域でグロー放電が開始されることが観察された。即ち、近接導体を用いることによって、グロー放電が起き易くなるが、グロー放電が近接導体に近い局所的な領域で起きる。そのため、グロー放電が、発光管の内部の全体に広がらない。一方、実施例の場合、最初からグロー放電が、発光管の内部の広い領域で発生する。そのため、瞬時に、グロー放電が発光管の内部全体に広がり、点灯が起きる。
上述の通常条件下の再始動実験では、比較例1の再始動時間が最も長く、実施例の再始動時間が最も短かった。また、比較例2と比較例3では、再始動時間の差異は明確に認められなかった。そこで、本願の発明者は、サンプル数を増加し、過酷条件下の再始動実験を行った。
図6A、図6B及び図6Cは、本願の発明者が実施した過酷条件下の再始動実験の結果を示す。この実験では、通常条件下の再始動実験と同様に、30分点灯し、消灯直後に再始動を行った。電源電圧は定格電圧(AC200ボルト)である。但し、この実験では、ランプの雰囲気温度を50℃とした。尚、ランプの通常の使用温度範囲は−5℃〜35℃である。
図6Aは、比較例1の再始動時間の測定結果を示すグラフである。比較例1は、図4Aに示す近接導体を使用しないランプである。図6Bは、比較例2及び3の再始動時間の測定結果を示すグラフである。比較例2及び3は、図4B及び図4Cに示す近接導体を使用し近接導体の電位が電極の電位と同一のランプである。図6Cは実施例の再始動時間の測定結果を示すグラフである。実施例は、図4Dに示す浮遊電位状態の近接導体を使用するランプである。これらのグラフの縦軸は頻度、横軸は時間であり、サンプル数は各100である。
図6Aに示すように、比較例1のランプでは、再始動時間が1〜6分とバラツキがあったが、4〜5分が最も多かった。図6Bに示すように、比較例2及び3のランプでは、再始動時間が1〜4分とバラツキがあったが、1分以下が最も多かった。図6Cに示すように、実施例のランプでは、2分以内に点灯した2本を除いて全て再始動時間が1分未満であり、大部分は瞬時又は数秒後に点灯した。以上より、雰囲気温度50℃の過酷条件下でも、通常条件下と同様な結果が得られた。
過酷条件下の再始動実験の結果からも、比較例2と比較例3の間で再始動時間の差異を見いだせなかった。即ち、近接導体の電位を電極リードの電位に等しくする場合、近接導体の中間部を発光管に接触させた方が良いか接触させないほうが良いかを判定することができない。
実施例のサンプルには、近接導体の中間部が発光管の表面に接触しているものも接触していないものも含まれる。しかしながら、過酷条件下の再始動実験の結果から、再始動時間を短くするには、近接導体の中間部を発光管の表面に接触させた方が良いか、又は、接触させない状態で近接させた方が良いかを判定することはできなかった。一方、近接導体の中間部を発光管に接触させたランプでは、接触させないランプと比較してわずかに絶縁破壊するまでの時間が短くなるが、グロー放電からアーク放電に移行するまでの時間は長くなる傾向が見られた。
図7を参照して、本願の発明者が実施した再始動時間の測定試験に用いた給電回路を説明する。尚、この給電回路は、通常のツインタイプのセラミックメタルハライドランプに用いられる給電回路と同様な構成である。商用交流電源(100/200 V, 50/60Hz)24に接続された安定器26から始動用電圧パルスがセラミックメタルハライドランプ10に印加される。安定器26は、チョークコイル27及びイグナイター(始動回路)28を有している。ランプ内の2つの発光管1は、電源側に対して電気的に並列に接続されており、点灯し易い状態の一方の発光管のみが点灯する。
図に示すように、セラミックメタルハライドランプでは、ランプ自体に始動回路は無く、安定器26からのパルスが発光管に印加される。従って、従来のセラミックメタルハライドランプの回路のソケットに対して、本実施形態のセラミックメタルハライドランプを取り付けることが出来る。従って、本実施形態のセラミックメタルハライドランプは、器具、安定器の組合せによっては既存設備を変更することなく、使用することが出来る。
以上、本実施形態に係る高輝度放電ランプについて説明したが、これらは例示であって、本発明の範囲を制限するものではない。当業者が、本実施形態に対して容易になしえる追加・削除・変更・改良等は、本発明の範囲内である。本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲の記載によって定められる。
1…発光管、1A、1B…キャピラリ部、1C…発光部、1a、1b…電極リード、2A、2B…電極アセンブリ、3A、3B…U字ワイヤ、5A、5B…給電用リード線、6、7A、7B…マウント、8A、8B…支持部材、9A、9B…給電用リード線、10…セラミックメタルハライドランプ、11…外管、12…口金、13…ステム、14…内管、14A、14B…半体、14a、14b…孔、14c…開口端、14s…封止部(ピンチシール部)、15…ワイヤ、20…近接導体、24…商用交流電源、26…安定器、27…チョークコイル、28…イグナイター(始動回路)

Claims (4)

  1. 外管と、該外管内に設けられた少なくとも2本の内管と、該内管内の各々に設けられた発光管と、を有する高輝度放電ランプにおいて、
    前記発光管は、発光部と該発光部の両側のキャピラリ部とを有し、前記セキャピラリ部の外端より、電極リードが、それぞれ突出しており、
    前記発光管の外側に近接導体が設けられ、該近接導体の両端は、前記キャピラリ部の各々の外面に装着され、前記近接導体は、前記電極リードに対して絶縁されていることを特徴とする高輝度放電ランプ。
  2. 請求項1記載の高輝度放電ランプにおいて、
    前記近接導体の両端は前記キャピラリ部の各々の根元に巻き付けられて固定され、前記近接導体の中間部は、前記発光管の発光部の外側にて、且つ、該発光部に接触して、又は、接触しないで近接して延びていることを特徴とする高輝度放電ランプ。
  3. 請求項1又は2記載の高輝度放電ランプにおいて、
    前記発光管の周囲を囲むように螺旋状のワイヤが設けられていることを特徴とする高輝度放電ランプ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の高輝度放電ランプにおいて、
    前記電極リードの外端は、それぞれ、U字ワイヤを介して、給電用リード線に、それぞれ接続され、該給電用リード線は前記内管の孔を貫通して前記内管の外側に延びていることを特徴とする高輝度放電ランプ。
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