JP2014165508A - 発振装置、電子機器および移動体 - Google Patents

発振装置、電子機器および移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】様々な環境下においても、長期にわたり優れた発振特性を発揮し得る発振装置、および、この発振装置を備えた電子機器および移動体を提供すること。
【解決手段】本発明の発振装置1は、原子発振器2と、水晶発振器3、4と、環境を検知する環境検知部5と、原子発振器2からの信号を出力する第1状態と、水晶発振器3からの信号を出力する第2状態と、水晶発振器4からの信号を出力する第3状態とを含む複数の状態から1つの状態を選択して切換可能な切換部6と、環境検知部5の検知結果に基づいて切換部6の切換を制御する制御部7と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、発振装置、電子機器および移動体に関するものである。
長期的に高精度な発振特性を有する発振器として、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属の原子のエネルギー遷移に基づいて発振する原子発振器が知られている。
一般に、原子発振器の動作原理は、光およびマイクロ波による二重共鳴現象を利用した方式と、波長の異なる2種類の光による量子干渉効果(CPT:Coherent Population Trapping)を利用した方式とに大別されるが、特に、量子干渉効果を利用した原子発振器は、二重共鳴現象を利用した原子発振器に比し、小型化が容易であることから、様々な機器への搭載が期待されている。
しかし、従来、原子発振器は、使用可能な環境(温度、振動、圧力、磁場等)の範囲による制約が大きいため、設置場所や用途等が限られていた。
特開2001−156635号公報
本発明の目的は、様々な環境下においても、長期にわたり優れた発振特性を発揮し得る発振装置、および、この発振装置を備えた電子機器および移動体を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例の発振装置は、原子発振器を構成する第1発振器と、
前記第1発振器とは異なる種類の第2発振器と、
環境を検知する環境検知部と、
前記第1発振器からの信号を出力する第1状態と、前記第2発振器からの信号を出力する第2状態とを含む複数の状態から1つの状態を選択して切換可能な切換部と、
前記環境検知部の検知結果に基づいて、前記切換部の切換を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
このような発振装置によれば、発振装置が設置される環境に応じて、その環境に適した発振器を選択して出力させることができる。そのため、様々な環境下においても、長期にわたり優れた発振特性を発揮し得る。
[適用例2]
本適用例の発振装置では、前記環境検知部は、温度センサーを含むことが好ましい。
これにより、発振装置が設置される環境の温度に適した発振器を選択することができる。
[適用例3]
本適用例の発振装置では、前記環境検知部は、振動センサー、圧力センサーおよび磁場センサーのうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。
これにより、発振装置が設置される環境の振動に適した発振器を選択することができる。また、発振装置が設置される環境の圧力に適した発振器を選択することができる。また、発振装置が設置される環境の磁場に適した発振器を選択することができる。
[適用例4]
本適用例の発振装置では、前記第2発振器は、水晶発振器であることが好ましい。
水晶発振器は、一般に、原子発振器に比し、振動、圧力および磁場の影響を受けにくい。また、水晶発振器は、使用可能な温度範囲について、様々な種類が存在する。したがって、原子発振器の使用可能な温度範囲外であっても、水晶発振器を用いて高精度な発振が可能となる。
[適用例5]
本適用例の発振装置では、前記水晶発振器からの信号を補正可能な補正部を備えることが好ましい。
水晶発振器は、原子発振器に比し、長期的な周波数安定度が低い。そのため、水晶発振器からの信号を補正することにより、第1状態および第2状態のいずれの状態においても、長期に亘り優れた発振特性を発揮することができる。
[適用例6]
本適用例の発振装置では、前記第1発振器は、量子干渉効果を利用した原子発振器であることが好ましい。
量子干渉効果を利用した原子発振器は、二重共鳴現象を利用した原子発振器よりも小型である。そのため、量子干渉効果を利用した原子発振器を第1発振器として用いることにより、発振装置の小型化を図ることができる。その結果、発振装置を様々な機器に組み込むことが可能となる。
[適用例7]
本適用例の発振装置では、前記第2発振器は、環境耐性が前記第1発振器とは異なる原子発振器であることが好ましい。
これにより、第2状態における発振特性を優れたものとすることができる。
[適用例8]
本適用例の電子機器は、本適用例の発振装置を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性に優れる電子機器を提供することができる。
[適用例9]
本適用例の移動体は、本適用例の発振装置を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性に優れる移動体を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る発振装置の概略構成を示すブロック図である。 図1に示す発振装置の原子発振器に備えられたガスセル内のアルカリ金属のエネルギー状態を説明するための図である。 図1に示す発振装置の原子発振器に備えられた光出射部および光検出部について、光出射部からの2つの光の周波数差と、光検出部の検出強度との関係を示すグラフである。 図1に示す発振装置における切換部の切換制御を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る発振装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る発振装置の概略構成を示すブロック図である。 GPS衛星を利用した測位システムに本発明の発振装置を用いた場合の概略構成を示す図である。 本発明の発振装置を用いたクロック伝送システムの一例を示す概略構成図である。 本発明の移動体の一例を示す図である。
以下、本発明の発振装置、電子機器および移動体を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.発振装置
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る発振装置の概略構成を示すブロック図である。また、図2は、図1に示す発振装置の原子発振器に備えられたガスセル内のアルカリ金属のエネルギー状態を説明するための図である。また、図3は、図1に示す発振装置の原子発振器に備えられた光出射部および光検出部について、光出射部からの2つの光の周波数差と、光検出部の検出強度との関係を示すグラフである。また、図4は、図1に示す発振装置における切換部の切換制御を説明するためのフローチャートである。
図1に示す発振装置1は、原子発振器2(第1発振器)と、水晶発振器3、4(第2、3発振器)と、環境検知部5と、切換部6と、制御部7とを備える。
この発振装置1では、切換部6が、互いに種類が異なる原子発振器2および水晶発振器3、4のうちから1つの発振器を選択し、選択された発振器からの信号を出力するように切換可能に構成されており、環境検知部5が発振装置1の設置環境を検知し、制御部7が環境検知部の検知結果に基づいて切換部6の切換を制御する。
これにより、発振装置1が設置される環境に応じて、その環境に適した発振器を選択して出力させることができる。そのため、様々な環境下においても、長期にわたり優れた発振特性を発揮することができる。
以下、発振装置1の各部の構成を順次詳細に説明する。
[原子発振器(第1発振器)]
原子発振器2は、量子干渉効果を利用して発振するように構成された原子発振器である。量子干渉効果を利用した原子発振器2は、二重共鳴現象を利用した原子発振器よりも小型である。そのため、量子干渉効果を利用した原子発振器2を用いることにより、発振装置1の小型化を図ることができる。その結果、発振装置1を様々な機器に組み込むことが可能となる。
この原子発振器2は、図1に示すように、ガスセル21と、光出射部22と、光検出部23と、発振回路24とを備え、これらは、原子発振器2が備えるパッケージ(図示せず)内に収納されている。
以下、原子発振器2の各部を順次詳細に説明する。
ガスセル21内には、ガス状のルビジウム、セシウム、ナトリウム等のアルカリ金属(金属原子)が封入されている。
アルカリ金属は、図2に示すように、3準位系のエネルギー準位を有しており、エネルギー準位の異なる2つの基底状態(基底状態1、2)と、励起状態との3つの状態をとり得る。ここで、基底状態1は、基底状態2よりも低いエネルギー状態である。
このようなガス状のアルカリ金属に対して周波数の異なる2種の共鳴光1、2を前述したようなガス状のアルカリ金属に照射すると、共鳴光1の周波数ω1と共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)に応じて、共鳴光1、2のアルカリ金属における光吸収率(光透過率)が変化する。
そして、共鳴光1の周波数ω1と共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数に一致したとき、基底状態1、2から励起状態への励起がそれぞれ停止する。このとき、共鳴光1、2は、いずれも、アルカリ金属に吸収されずに透過する。このような現象をCPT現象または電磁誘起透明化現象(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)と呼ぶ。
そして、例えば、共鳴光1の周波数ω1を固定し、共鳴光2の周波数ω2を変化させていくと、共鳴光1の周波数ω1と共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数ω0に一致したとき、ガス状のアルカリ金属を透過した光の強度は、図3に示すように、急峻に上昇する。このような急峻な変化をEIT信号として検出したとき、このEIT信号は、アルカリ金属の種類によって決まった固有値をもっている。したがって、このようなEIT信号を用いることにより、発振器を構成することができる。
このようなガスセル21は、図示しないが、例えば、柱状の貫通孔を有する本体部と、この貫通孔の両開口を封鎖する1対の窓部とを有する。これにより、アルカリ金属が封入される内部空間が形成される。
この本体部を構成する材料は、特に限定されず、金属材料、樹脂材料等であってもよく、窓部と同様にガラス材料、水晶等であってもよい。また、この窓部を構成する材料としては、前述したような励起光に対する透過性を有していれば、特に限定されないが、例えば、ガラス材料、水晶等が挙げられる。
また、ガスセル21は、ガスセル21の温度を検出する温度センサー(図示せず)の検知結果に基づいて通電制御されるヒーター(図示せず)により加熱される。これにより、ガスセル21中のアルカリ金属をガス状に維持することができる。
また、ガスセル21には、必要に応じて、通電によりコイルからの磁場が印加される。これにより、ガスセル21中のアルカリ金属の縮退している異なるエネルギー状態間のギャップを拡げて、分解能を向上させることができる。その結果、原子発振器2の発振周波数の精度を高めることができる。
光出射部22は、ガスセル21中のアルカリ金属原子を励起する励起光を出射する機能を有する。
より具体的には、光出射部22は、ガスセル21に向けて、前述したような周波数の異なる2種の光(共鳴光1および共鳴光2)を出射するものである。
共鳴光1の周波数ω1は、ガスセル21中のアルカリ金属を前述した基底状態1から励起状態に励起し得るものである。
また、共鳴光2の周波数ω2は、ガスセル21中のアルカリ金属を前述した基底状態2から励起状態に励起し得るものである。
このような光出射部22としては、前述したような励起光を出射し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)等の半導体レーザー等を用いることができる。
なお、光出射部22とガスセル21との間には、必要に応じて、レンズ、減光フィルター、λ/4波長板、偏光板等の光学素子が設けられる。これにより、ガスセル21に照射される励起光の強度、スポット径、偏光等を調整することができる。
光検出部23は、ガスセル21の内部空間を透過した励起光(共鳴光1、2)の強度を検出する機能を有する。
具体的には、光検出部23は、前述したようなEIT信号の有無を検出する。
そして、図示しない回路が、光検出部23の検出結果に基づいて、光出射部22の駆動を制御する。これにより、光出射部22が前述したような共鳴光1、2を出射した状態を維持することができる。
この光検出部23としては、上述したような励起光を検出し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、太陽電池、フォトダイオード等の光検出器(受光素子)を用いることができる。
発振回路24は、図示しない水晶振動子(水晶発振器3、4の水晶振動子31、41とは別体)の周波数に基づいて発振するものである。
また、この発振回路24は、発振周波数が可変であり、光検出部23で検出されたEIT信号に基づいて、発振周波数が補正される。すなわち、発振回路24は、上記の図示しない水晶発振器の信号をEIT信号に同期して出力させる。例えば、発振回路24は、上記水晶振動子と組み合わせた状態で、電圧制御型水晶発振器を構成するものである。
このような原子発振器2は、原子発振器2の使用可能な環境の範囲において、水晶発振器3よりも優れた発振特性を発揮することができる。
なお、「使用可能な環境」とは、原子発振器2の周波数確度が所定範囲内となる環境をいう。
[水晶発振器(第2発振器)]
水晶発振器3は、図1に示すように、水晶振動子31と、発振回路32とを備える。
水晶振動子31は、特に限定されず、各種水晶振動子を用いることができるが、例えば、ATカット振動子、STカット振動子等を用いることができる。
発振回路32は、水晶振動子31の周波数に基づいて発振するものである。
このような水晶発振器3は、使用可能な環境(温度、振動、圧力、磁場のうちの少なくとも1つ)の範囲が前述した原子発振器2の使用可能な環境とは異なる。言い換えると、水晶発振器3は、原子発振器2とは異なる耐性を有する。そのため、原子発振器2が使用可能な環境の範囲外となる環境下において、水晶発振器3からの信号を用いることにより、原子発振器2からの信号を用いる場合に比し、発振特性を高めることができる。
ここで、「使用可能な環境の範囲が異なる」とは、使用可能な環境の範囲が互いに重ならないこと、使用可能な環境の範囲の一部同士が互いに重なること、および、使用可能な環境の範囲の一方の全部が他方の一部に包含されることのいずれをも含む。
また、水晶発振器3の使用可能な温度、振動、圧力および磁場のいずれもが原子発振器2の使用可能な環境と異なることが好ましい。これにより、原子発振器2が使用可能な温度、振動、圧力および磁場のうちの少なくとも1つの範囲から外れる環境下において、水晶発振器3からの信号を用いることにより、原子発振器2からの信号を用いる場合に比し、発振特性を高めることができる。
水晶発振器3としては、原子発振器2の使用可能な環境と異なる環境で、原子発振器2よりも優れた発振特性を発揮し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、温度制御型水晶発振器(OCXO:oven−controlled crystal oscillator)、温度補償型水晶発振器(TCXO:temperature−compensated crystal oscillator)、電圧制御水晶発振器(VCXO:voltage−controlled crystal oscillator)等が挙げられ、中でも、温度制御型水晶発振器を用いることが好ましい。
水晶発振器は、一般に、原子発振器に比し、振動、圧力および磁場の影響を受けにくい。したがって、振動、圧力および磁場のそれぞれについて、水晶発振器3の使用可能な範囲を極めて広範囲とし、その範囲内に、原子発振器2の使用可能な範囲を包含させることができる。また、水晶発振器は、使用可能な温度範囲について、様々な種類が存在する。したがって、原子発振器2の使用可能な温度範囲外であっても、水晶発振器3を用いて高精度な発振が可能となる。
特に、温度制御型水晶発振器は、温度変化の影響を受けにくい。したがって、水晶発振器3の使用可能な温度範囲を広範囲なものとし、かかる範囲内に原子発振器2の使用可能な温度範囲を包含させることができる。そのため、水晶発振器3として温度制御型水晶発振器を用いることにより、原子発振器2の使用可能な温度範囲外の広範囲において、水晶発振器3を用いて高精度な発振が可能となる。
[水晶発振器(第3発振器)]
水晶発振器4は、図1に示すように、水晶振動子41と、発振回路42とを備える。
水晶振動子41は、特に限定されず、各種水晶振動子を用いることができるが、例えば、ATカット振動子、STカット振動子等を用いることができる。
発振回路42は、水晶振動子41の周波数に基づいて発振するものである。
このような水晶発振器4は、使用可能な環境(温度、振動、圧力、磁場のうちの少なくとも1つ)の範囲が前述した原子発振器2および水晶発振器3の使用可能な環境とは異なる。言い換えると、水晶発振器4は、原子発振器2とは異なる耐性を有する。そのため、原子発振器2および水晶発振器3が使用可能な環境の範囲外となる環境下において、水晶発振器4からの信号を用いることにより、原子発振器2および水晶発振器3からの信号を用いる場合に比し、発振特性を高めることができる。
水晶発振器4としては、原子発振器2および水晶発振器3の使用可能な環境と異なる環境で、原子発振器2および水晶発振器3よりも優れた発振特性を発揮し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、温度制御型水晶発振器(OCXO:oven−controlled crystal oscillator)、温度補償型水晶発振器(TCXO:temperature−compensated crystal oscillator)、電圧制御水晶発振器(VCXO:voltage−controlled crystal oscillator)等が挙げられ、中でも、温度制御型水晶発振器を用いることが好ましい。
[環境検知部]
環境検知部5は、環境を検知する機能を有する。
本実施形態では、環境検知部5は、発振装置1が設置された環境の温度、振動、圧力および磁場をそれぞれ検知するように構成されている。
具体的には、図1に示すように、環境検知部5は、温度センサー51と、振動センサー52と、圧力センサー53と、磁場センサー54とを含む。
温度センサー51は、発振装置1が設置された環境の温度を検知する。
このような温度センサー51の検知結果に基づいて、発振装置1が設置された環境の温度が原子発振器2および水晶発振器3、4の使用可能な温度範囲内であるか否かを判断することできる。そのため、原子発振器2および水晶発振器3、4の中から、発振装置1が設置される環境の温度に適した発振器を選択することができる。
振動センサー52としては、発振装置1が設置された環境の振動(発振装置1または原子発振器2に加わる振動)を検知し得るセンサーであれば、特に限定されず、例えば、3軸加速度センサー、3軸ジャイロセンサー等の公知の振動センサーを用いることができる。
温度センサー51は、発振装置1が設置された環境の温度を検知する。
このような振動センサー52の検知結果に基づいて、発振装置1が設置された環境の振動が原子発振器2および水晶発振器3、4の使用可能な振動の範囲内であるか否かを判断することができる。そのため、原子発振器2および水晶発振器3、4の中から、発振装置1が設置される環境の振動に適した発振器を選択することができる。
温度センサー51としては、発振装置1が設置された環境の温度を検知し得るセンサーであれば、特に限定されず、例えば、サーミスタ、熱電対等の公知の各種温度センサーを用いることができる。
圧力センサー53としては、発振装置1が設置される環境の圧力を検知する。
このような圧力センサー53の検知結果に基づいて、発振装置1が設置された環境の圧力が原子発振器2および水晶発振器3、4の使用可能な圧力の範囲内であるか否かを判断することができる。そのため、原子発振器2および水晶発振器3、4の中から、発振装置1が設置される環境の圧力に適した発振器を選択することができる。
圧力センサー53としては、発振装置1が設置される環境の圧力を検知し得るセンサーであれば、特に限定されず、例えば、ダイヤフラムの変位に応じた信号を出力する圧力センサー等の公知の圧力センサーを用いることができる。
磁場センサー54としては、発振装置1が設置される環境の磁場を検知する。
このような磁場センサー54の検知結果に基づいて、発振装置1が設置される環境の磁場が原子発振器2および水晶発振器3、4の使用可能な磁場の範囲内であるか否かを判断することができる。そのため、原子発振器2および水晶発振器3、4の中から、発振装置1が設置される環境の磁場に適した発振器を選択することができる。
磁場センサー54としては、発振装置1が設置される環境の磁場を検知し得るセンサーであれば、特に限定されず、例えば、コイル、ホール素子、磁気抵抗効果素子、磁気インピーダンス素子、ウィーガント・ワイヤー、フラックス・ゲートセンサー、ファラデー素子(磁気光学素子)、プロトン磁力計(磁気共鳴型磁気センサー)、電気力学的磁気センサー(荷電粒子線)、超伝導量子干渉素子等が挙げられ、これらのうち1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、磁場センサー54としては、磁場の大きさおよび向きの双方を検知するよう構成されていることが好ましい。これにより、磁場センサー54の検知結果に基づいて、原子発振器2および水晶発振器3、4の中から、発振装置1が設置される環境の磁場に適した発振器をより適切に選択することができる。
[切換部]
切換部6は、前述した原子発振器2および水晶発振器3、4にそれぞれ電気的に接続されている。
そして、切換部6は、原子発振器2からの信号を出力する第1状態(以下、単に「第1状態」ともいう)と、水晶発振器3からの信号を出力する第2状態(以下、単に「第2状態」ともいう)と、水晶発振器4からの信号を出力する第3状態(以下、単に「第3状態」ともいう)を含む複数の状態から1つの状態を選択して切換可能に構成されている。
本実施形態では、切換部6が第1状態、第2状態および第3状態から1つの状態を選択して切換可能であるため、第1状態および第2状態から1つの状態を選択して切り換える構成に比し、発振装置1の使用可能な環境の範囲を拡げることができる。
このような切換部6は、例えば、リレー等の公知のスイッチング素子を用いて構成することができる。
このような切換部6、制御部7からの制御信号に基づいて動作が制御される。
[制御部]
制御部7は、環境検知部5の検知結果に基づいて、切換部6の切換を制御する機能を有する。
具体的には、制御部7は、温度センサー51、振動センサー52、圧力センサー53および磁場センサー54の検知結果に基づいて、切換部6の切換を制御する。
以下、図4に基づいて、制御部7による切換部6の切り換えの一例について説明する。
まず、環境検知部5が発振装置1の設置環境を検知する(ステップS1)。すなわち、温度センサー51、振動センサー52、圧力センサー53および磁場センサー54がそれぞれ温度、振動、圧力および磁場を検知する。
そして、環境検知部5で検知された環境が原子発振器2(第1発振器)の使用可能環境の範囲内か否かを判断する(ステップS2)。
具体的には、温度センサー51、振動センサー52、圧力センサー53および磁場センサー54でそれぞれ検知された温度、振動、圧力および磁場のすべてについて、原子発振器2の使用可能環境の範囲内である場合、原子発振器2の使用可能環境の範囲内であると判断する。一方、温度センサー51、振動センサー52、圧力センサー53および磁場センサー54でそれぞれ検知された温度、振動、圧力および磁場の少なくとも1つについて、原子発振器2の使用可能環境の範囲外である場合、原子発振器2の使用可能環境の範囲内でないと判断する。
原子発振器2の使用可能環境の範囲内であると判断した場合、原子発振器2からの信号を出力する第1状態とする(ステップS3)。
一方、原子発振器2の使用可能環境の範囲内でないと判断した場合、環境検知部5で検知された環境が水晶発振器3(第2発振器)の使用可能環境の範囲内か否かを判断する(ステップS4)。
具体的には、温度センサー51、振動センサー52、圧力センサー53および磁場センサー54でそれぞれ検知された温度、振動、圧力および磁場のすべてについて、水晶発振器3の使用可能環境の範囲内である場合、水晶発振器3の使用可能環境の範囲内であると判断する。一方、温度センサー51、振動センサー52、圧力センサー53および磁場センサー54でそれぞれ検知された温度、振動、圧力および磁場の少なくとも1つについて、水晶発振器3の使用可能環境の範囲外である場合、水晶発振器3の使用可能環境の範囲内でないと判断する。
水晶発振器3の使用可能環境の範囲内であると判断した場合、水晶発振器3からの信号を出力する第2状態とする(ステップS5)。
一方、水晶発振器3の使用可能環境の範囲内でないと判断した場合、環境検知部5で検知された環境が水晶発振器4(第3発振器)の使用可能環境の範囲内か否かを判断する(ステップS6)。
具体的には、温度センサー51、振動センサー52、圧力センサー53および磁場センサー54でそれぞれ検知された温度、振動、圧力および磁場のすべてについて、水晶発振器4の使用可能環境の範囲内である場合、水晶発振器4の使用可能環境の範囲内であると判断する。一方、温度センサー51、振動センサー52、圧力センサー53および磁場センサー54でそれぞれ検知された温度、振動、圧力および磁場の少なくとも1つについて、水晶発振器4の使用可能環境の範囲外である場合、水晶発振器4の使用可能環境の範囲内でないと判断する。
水晶発振器4の使用可能環境の範囲内であると判断した場合、水晶発振器4からの信号を出力する第3状態とする(ステップS7)。
一方、水晶発振器4の使用可能環境の範囲内でないと判断した場合、環境検知部5で検知された環境に最も近い使用可能環境の発振器を原子発振器2および水晶発振器3、4の中から選択し、選択された発振器からの信号を出力する(ステップS8)。
ここで、環境検知部5で検知された環境に最も近い使用可能環境の発振器を選択する際には、例えば、環境検知部5で検知された温度、振動、圧力および磁場と各発振器の使用可能な温度、振動、圧力および磁場との差の平均を算出し、その算出結果が最も小さい発振器を、環境検知部5で検知された環境に最も近い使用可能環境の発振器とすればよい。
なお、ステップS8に代えて、環境検知部5の検知結果に関係なく、第1状態、第2状態および第3状態のうちのいずれかの状態を選択する動作を行ってもよい。この場合、最も環境変化に対する影響が少ないか、または、使用可能な環境範囲が最も広い発振器(例えば水晶発振器3または水晶発振器4)を選択するようにするのが好ましい。
以上のようにして、出力する発振器を選択する。すなわち、第1状態、第2状態および第3状態のいずれか1つの状態を選択して切り換える。また、本例の切り換えでは、環境検知部5で検知された環境が原子発振器2の使用可能な環境の範囲内にある限り、原子発振器2からの信号を出力する。
このような選択後、終了か否かを判断し(ステップS9)、例えば終了指示等が入力されている場合終了し、終了しない場合ステップS1に戻る。
以上説明したようにして、制御部7による切換部6の切り換えを行うことによって、発振装置1が設置される環境に応じて、その環境に適した発振器を選択して出力させることができる。
このような制御部7は、特に限定されないが、例えば、MPUで構成することができる。
以上説明したような発振装置1によれば、発振装置1が設置される環境に応じて、その環境に適した発振器を選択して出力させることができる。そのため、様々な環境下においても、長期にわたり優れた発振特性を発揮し得る。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図5は、本発明の第2実施形態に係る発振装置の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態にかかる発振装置は、補正部を追加した以外は、前述した第1実施形態にかかる発振装置と同様である。
なお、以下の説明では、第2実施形態の発振装置に関し、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図5において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
図5に示す発振装置1Aは、水晶発振器3からの信号を補正可能な補正部8と、水晶発振器4からの信号を補正可能な補正部9とを備える。
水晶発振器3、4は、原子発振器2に比し、長期的な周波数安定度が低い。そのため、水晶発振器3、4からの信号を補正することにより、第1状態、第2状態および第3状態のいずれの状態においても、長期に亘り優れた発振特性を発揮することができる。
本実施形態では、水晶発振器3の発振回路32は、発振周波数が可変であり、補正部8により、発振周波数が補正される。同様に、水晶発振器4の発振回路42は、発振周波数が可変であり、補正部9により、発振周波数が補正される。ここで、水晶発振器3、4としては、それぞれ、例えば、電圧制御型水晶発振器(Voltage Controlled Oscillator)を用いる。
補正部8は、原子発振器2からの信号(発振周波数)に基づいて、水晶発振器3からの信号(発振周波数)を補正する。同様に、補正部9は、原子発振器2からの信号(発振周波数)に基づいて、水晶発振器4からの信号(発振周波数)を補正する。これにより、補正のための発振器を別途設ける場合に比し、構成が簡単となる。また、原子発振器2は、長期周波数安定度に優れていることから、補正のための発振器として好適である。
より具体的に説明すると、補正部8は、図5に示すように、周波数比較器81と、周波数制御回路82とを備える。同様に、補正部9は、周波数比較器91と、周波数制御回路92とを備える。
以下、周波数比較器81および周波数制御回路82について説明する。なお、周波数比較器91および周波数制御回路92については、周波数比較器81および周波数制御回路82と同様であるため、その説明を省略する。
周波数比較器81は、原子発振器2の出力信号(発振周波数)と、水晶発振器3の出力信号(発振周波数)とを比較し、その差分またはその有無に応じた電圧を比較結果として出力する。
周波数制御回路82は、周波数比較器81の比較結果に基づいて、水晶発振器3の出力信号(発振周波数)を制御する。具体的には、周波数制御回路82は、周波数比較器81の比較結果に基づいて、水晶発振器3の発振周波数を原子発振器2の発振周波数に一致させるように制御する。
このような補正は、第1状態における原子発振器2からの信号に基づいて行うことが好ましい。第1状態では、原子発振器2がより高精度な信号を出力することができる。そのため、第1状態における原子発振器2からの信号を補正に用いることにより、補正の精度を高めることができる。
以上説明したような発振装置1Aによっても、発振装置1Aが設置される環境に応じて、その環境に適した発振器を選択して出力させることができる。そのため、様々な環境下においても、長期にわたり優れた発振特性を発揮し得る。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図6は、本発明の第3実施形態に係る発振装置の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態にかかる発振装置は、第2発振器が原子発振器である以外は、前述した第1実施形態にかかる発振装置と同様である。
なお、以下の説明では、第3実施形態の発振装置に関し、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図6において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
図6に示す発振装置1Bは、原子発振器2(第1発振器)と、原子発振器2B(第2発振器)と、水晶発振器4(第3発振器)と、環境検知部5と、切換部6と、制御部7とを備える。
この発振装置1Bでは、切換部6が、原子発振器2からの信号を出力する第1状態と、原子発振器2Bからの信号を出力する第2状態と、水晶発振器4からの信号を出力する第3状態(以下、単に「第3状態」ともいう)を含む複数の状態から1つの状態を選択して切換可能に構成されている。
原子発振器2Bは、使用可能な環境(温度、振動、圧力、磁場のうちの少なくとも1つ)の範囲が原子発振器2の使用可能な環境とは異なる。言い換えると、原子発振器2Bは、原子発振器2とは異なる耐性を有する。そのため、原子発振器2が使用可能な環境の範囲外となる環境下において、原子発振器2Bからの信号を用いることにより、原子発振器2からの信号を用いる場合に比し、発振特性を高めることができる。
例えば、原子発振器2が−40℃以上+25℃以下の範囲の環境下で優れた発振特性(例えば高い周波数精度)を発揮する場合、原子発振器2Bは、+25℃以上+85℃以下の範囲の環境下で、上記発振特性と同等かそれ以上の優れた発振特性を発揮するように構成されている。
より具体的に説明すると、原子発振器2Bは、原子発振器2と同様、量子干渉効果を利用して発振するように構成された原子発振器である。
この原子発振器2Bは、図6に示すように、ガスセル21Bと、光出射部22Bと、光検出部23Bと、発振回路24Bとを備え、これらは、原子発振器2Bが備えるパッケージ(図示せず)内に収納されている。
そして、原子発振器2Bは、ガスセル21B、光出射部22B、光検出部23Bおよび発振回路24Bのうちの少なくとも1つの構成または動作条件が原子発振器2とは異なっており、そのため、原子発振器2Bの使用可能な環境の範囲が原子発振器2の使用可能な環境の範囲と異なっている。
このように、原子発振器2とは環境耐性が異なる原子発振器2Bを第2発振器として用いることにより、第2状態における発振特性を優れたものとすることができる。
以上説明したような発振装置1Bによっても、発振装置1Bが設置される環境に応じて、その環境に適した発振器を選択して出力させることができる。そのため、様々な環境下においても、長期にわたり優れた発振特性を発揮し得る。
2.電子機器
以上説明したような本発明の発振装置は、各種電子機器に組み込むことができる。このような本発明の発振装置を備える電子機器は、設置環境や用途によらず、発振装置が優れた発振特性を発揮することができ、優れた信頼性を有する。
以下、本発明の電子機器の一例について説明する。
図7は、GPS衛星を利用した測位システムに本発明の発振装置を用いた場合の概略構成を示す図である。
図7に示す測位システム100は、GPS衛星200と、基地局装置300と、GPS受信装置400とで構成されている。
GPS衛星200は、測位情報(GPS信号)を送信する。
基地局装置300は、例えば電子基準点(GPS連続観測局)に設置されたアンテナ301を介してGPS衛星200からの測位情報を高精度に受信する受信装置302と、この受信装置302で受信した測位情報をアンテナ303を介して送信する送信装置304とを備える。
ここで、受信装置302は、その基準周波数発振源として前述した本発明の発振装置1を備える電子装置である。このような受信装置302は、優れた信頼性を有する。また、受信装置302で受信された測位情報は、リアルタイムで送信装置304により送信される。
GPS受信装置400は、GPS衛星200からの測位情報をアンテナ401を介して受信する衛星受信部402と、基地局装置300からの測位情報をアンテナ403を介して受信する基地局受信部404とを備える。
図8は、本発明の発振装置を用いたクロック伝送システムの一例を示す概略構成図である。
図8に示すクロック伝送システム500は、時分割多重方式のネットワーク内の各装置のクロックを一致させるものであって、N(Normal)系およびE(Emergency)系の冗長構成を有するシステムである。
このクロック伝送システム500は、A局(上位(N系))のクロック供給装置(CSM:Clock Supply Module)501およびSDH(Synchronous Digital Hierarchy)装置502と、B局(上位(E系))のクロック供給装置503およびSDH装置504と、C局(下位)のクロック供給装置505およびSDH装置506、507とを備える。
クロック供給装置501は、発振装置1を有し、N系のクロック信号を生成する。このクロック供給装置501内の発振装置1は、セシウムを用いた原子発振器を含むマスタークロック508、509からのより高精度なクロック信号と同期して、クロック信号を生成する。
SDH装置502は、クロック供給装置501からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行うとともに、N系のクロック信号を主信号に重畳し、下位のクロック供給装置505に伝送する。
クロック供給装置503は、発振装置1を有し、E系のクロック信号を生成する。このクロック供給装置503内の発振装置1は、セシウムを用いた原子発振器を含むマスタークロック508、509からのより高精度なクロック信号と同期して、クロック信号を生成する。
SDH装置504は、クロック供給装置503からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行うとともに、E系のクロック信号を主信号に重畳し、下位のクロック供給装置505に伝送する。
クロック供給装置505は、クロック供給装置501、503からのクロック信号を受信し、その受信したクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。
ここで、クロック供給装置505は、通常、クロック供給装置501からのN系のクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。そして、N系に異常が発生した場合、クロック供給装置505は、クロック供給装置503からのE系のクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。このようにN系からE系に切り換えることにより、安定したクロック供給を担保し、クロックパス網の信頼性を高めることができる。
SDH装置506は、クロック供給装置505からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行う。同様に、SDH装置507は、クロック供給装置505からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行う。これにより、C局の装置をA局またはB局の装置と同期させることができる。
3.移動体
また、前述したような本発明の発振装置は、各種移動体に組み込むことができる。このような本発明の発振装置を備える移動体は、移動体の移動により発振装置の設置環境が変化しても、優れた発振特性を発揮でき、優れた信頼性を有する。
以下、本発明の移動体の一例について説明する。
図9は、本発明の移動体の一例を示す図である。
図9に示す移動体1500は、車体1501と、4つの車輪1502とを有しており、車体1501に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪1502を回転させるように構成されている。このような移動体1500には、発振装置1が内蔵されている。そして、発振装置1からの発振信号に基づいて、例えば、図示しない制御部が動力源の駆動を制御する。
なお、本発明の電子機器または移動体は、前述したものに限定されず、例えば、携帯電話機、ディジタルスチルカメラ、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、パーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター、ラップトップ型パーソナルコンピューター)、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレーター等に適用することができる。
以上、本発明の発振装置、電子機器および移動体について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
また、本発明の発振装置、電子機器および移動体では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、本発明の発振装置は、前述した各実施形態の任意の構成同士を組み合わせるようにしてもよい。
また、前述した実施形態では、第1発振器を構成する原子発振器として、量子干渉効果を利用した原子発振器を用いた場合を説明したが、本発明は、これに限定されず、二重共鳴現象を利用した原子発振器を用いてもよい。
また、前述した実施形態では、第2発振器および第3発振器として、それぞれ、水晶発振器を用いた場合を例に説明したが、本発明は、第1発振器と異なる種類(使用可能な環境)の発振器であれば、これに限定されず、原子発振器を用いてもよい。
また、前述した実施形態では、環境検知部が温度センサー、振動センサー、圧力センサーおよび磁場センサーを備える場合を例に説明したが、環境検知部は、必要に応じて、これらのセンサーの少なくとも1つを備えていればよい。また、環境検知部が備えるセンサーは、発振装置が設置される環境を検知し得るものであれば、上述したセンサーに限定されない。
また、発振装置が備える発振器(切換部により切り換えられる発振器)の数は、前述した実施形態に限定されない。例えば、前述した実施形態では、発振装置が第3発振器を備える場合を例に説明したが、必要に応じて、第3発振器を省略することもできる。また、発振装置は、第1、2、3発振器とは種類の異なる第4発振器、第5発振器・・・等を備えていてもよい。発振装置が備える発振器の数を増やすことにより、発振装置の使用可能な環境の範囲を拡げることができる。
1‥‥発振装置 1A‥‥発振装置 1B‥‥発振装置 2‥‥原子発振器 2B‥‥原子発振器 3‥‥水晶発振器 4‥‥水晶発振器 5‥‥環境検知部 6‥‥切換部 7‥‥制御部 8‥‥補正部 9‥‥補正部 21‥‥ガスセル 21B‥‥ガスセル 22‥‥光出射部 22B‥‥光出射部 23‥‥光検出部 23B‥‥光検出部 24‥‥発振回路 24B‥‥発振回路 31‥‥水晶振動子 32‥‥発振回路 41‥‥水晶振動子 42‥‥発振回路 51‥‥温度センサー 52‥‥振動センサー 53‥‥圧力センサー 54‥‥磁場センサー 81‥‥周波数比較器 82‥‥周波数制御回路 91‥‥周波数比較器 92‥‥周波数制御回路 100‥‥測位システム 200‥‥衛星 300‥‥基地局装置 301‥‥アンテナ 302‥‥受信装置 303‥‥アンテナ 304‥‥送信装置 400‥‥受信装置 401‥‥アンテナ 402‥‥衛星受信部 403‥‥アンテナ 404‥‥基地局受信部 500‥‥クロック伝送システム 501‥‥クロック供給装置 502‥‥SDH装置 503‥‥クロック供給装置 504‥‥SDH装置 505‥‥クロック供給装置 506‥‥SDH装置 507‥‥SDH装置 508‥‥マスタークロック 509‥‥マスタークロック 1500‥‥移動体 1501‥‥車体 1502‥‥車輪

Claims (9)

  1. 原子発振器を構成する第1発振器と、
    前記第1発振器とは異なる種類の第2発振器と、
    環境を検知する環境検知部と、
    前記第1発振器からの信号を出力する第1状態と、前記第2発振器からの信号を出力する第2状態とを含む複数の状態から1つの状態を選択して切換可能な切換部と、
    前記環境検知部の検知結果に基づいて、前記切換部の切換を制御する制御部と、を備えることを特徴とする発振装置。
  2. 前記環境検知部は、温度センサーを含む請求項1に記載の発振装置。
  3. 前記環境検知部は、振動センサー、圧力センサーおよび磁場センサーのうちの少なくとも1つを含む請求項1または2に記載の発振装置。
  4. 前記第2発振器は、水晶発振器である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発振装置。
  5. 前記水晶発振器からの信号を補正可能な補正部を備える請求項4に記載の発振装置。
  6. 前記第1発振器は、量子干渉効果を利用した原子発振器である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の発振装置。
  7. 前記第2発振器は、環境耐性が前記第1発振器とは異なる原子発振器である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発振装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の発振装置を備えることを特徴とする電子機器。
  9. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の発振装置を備えることを特徴とする移動体。
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