JP2014165443A - フレキシブル太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】モジュール製造工程での熱収縮による作業性の低下が改善された、耐候性、耐水性、耐湿性などの長期耐久性にも優れた品質を有するフレキシブル太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】厚さ250μm以下の太陽電池素子(セル)の複数がバスバーで連結されてなる発電体層の表裏に、少なくとも基材フィルム1とシーラント層3からなる積層体を積層することで、前記発電体を封止してなるフレキシブル太陽電池モジュールであって、前記積層体が、厚さ20μm以上のETFE樹脂からなる基材フィルム1と、厚さ250μm以上のアイオノマー樹脂からなるシーラント層3で構成され、前記発電体層の厚みを1.00とした時に、基材フィルム1の厚みが0.11〜0.14で、且つ、シーラント層3の厚みが1.32以上、である。
【選択図】図1

Description

本発明は、軽量で巻き取ることができるフレキシブル太陽電池モジュールに関する。
半導体P−N接合ダイオード等の光起電力効果を利用して、太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池は、深刻化する地球環境問題などを背景として、クリーンなエネルギー源として注目されている。
太陽光のエネルギーを直接電気に換える太陽光発電システムの心臓部を構成する太陽電池の構造は、太陽電池素子(セル)を一枚で使用するのではなく、一般的に数枚〜数十枚の太陽電池素子(セル)を直列あるいは並列に配線し、素子を長期間に亘って保護するための種々のパッケージングが施され、ユニット化されている。
上記のパッケージに組み込まれたユニットを太陽電池モジュールと呼び、一般的に太陽光が当たる前面側をガラスで覆い、熱可塑性樹脂からなる充填材で間隙が埋められている。そして、裏面側は耐熱性、耐湿性、耐水性、耐候性を有するプラスチック材料などのシート(バックシート)で保護された構造になっている。
これらの太陽電池モジュールは、屋外で使用されるため、優れた耐熱性、耐候性、耐水性、耐湿性、耐風圧性、耐光性、耐降雹性、耐薬品性、防湿性、防汚性、光反射性、光拡散性、その他の諸特性が要求される。
太陽電池モジュールは、例えば、結晶シリコン太陽電池素子を使用し、受光面に表面保護のためのガラス層、充填材層、光起電力素子としての太陽電池素子、充填材層及び裏面保護シートを順次積層し、真空吸引して加熱圧着するラミネーション法等を利用して製造されている。
従来、太陽電池モジュールの表面保護材としては、屋外での使用を考慮し、機械的な強度面と耐候性や防湿性の付与といった面からガラス基材が使用されてきた。ガラス基材は光の透過率が高く、効率よく太陽光を利用できる。また、熱膨張率も低いため、太陽電池セルやモジュールの内部配線(インターコネクタ)に与える熱膨張収縮等による疲労が小さいため、太陽電池モジュールの表面を保護することができる。
しかしながら、ガラス基材は重量が大きく軽量が要求される用途には適さず、また、折り曲げることができないのでフレキシブル性が求められる用途には使用することができないという問題がある。
上記の問題に対して、フィルム状や板状の透光性樹脂を表面に設ける提案がなされている(特許文献1)。例えばフレキシブル性があり透光性や耐候性に優れるポリテトラフロロエチレン等のフッ素樹脂などが用いられている。
しかしながら、上記のような透光性樹脂は、ガラス基材に比べて耐熱性が劣り、モジュール製造工程での熱収縮による作業性の低下や品質の確保に問題がある。また、巻き取りタイプのフレキシブル太陽電池モジュールに要求される、巻き出し及び巻き取りの繰り返し使用に対する耐久性や使い勝手において問題がある。またさらに、特に耐候性に優れるポリテトラフロロエチレン等のフッ素樹脂は材料コストそのものが高く、そのために太陽電池モジュールのコストアップが問題となる。
特開2005−11869号公報
本発明は、モジュール製造工程での熱収縮による作業性の低下が改善された、耐候性、耐水性、耐湿性などの長期耐久性にも優れた品質を有するフレキシブル太陽電池モジュールを提供することを目的としている。
本発明の請求項1に係る発明は、厚さ250μm以下の太陽電池素子(セル)の複数がバスバーで連結されてなる発電体層の表裏に、少なくとも基材フィルムとシーラント層からなる積層体を積層することで、前記発電体を封止してなるフレキシブル太陽電池モジュールであって、
前記積層体が、厚さ20μm以上のETFE樹脂(Ethylene Tetrafluor Ethylene)からなる基材フィルムと、厚さ250μm以上のアイオノマー樹脂からなるシーラント層で構成され、
前記発電体層の厚みを1.00とした時に、前記基材フィルムの厚みが0.11〜0.14で、且つ、前記シーラント層の厚みが1.32以上、
であることを特徴とするフレキシブル太陽電池モジュールである。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記基材フィルムと前記シーラント層の間に、接着剤を介して透明なバリア層を設けてなることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル太陽電池モジュールである。
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記透明なバリア層がポリエチレンテレフタレートに酸化ケイ素の蒸着膜を形成してなることを特徴とする請求項2に記載のフレキシブル太陽電池モジュールである。
本発明に係る請求項1によれば、厚さ250μm以下の太陽電池素子(セル)の複数がバスバーで連結されてなる発電体層の表裏に、少なくとも基材フィルムとシーラント層からなる積層体を積層することで、前記発電体を封止してなるフレキシブル太陽電池モジュールであって、前記積層体が厚さ20μm以上のETFE樹脂からなる基材フィルムと、厚さ250μm以上のアイオノマー樹脂からなるシーラント層で構成することによって、モジュール製造の生産性の高い、優れた品質を有するフレキシブル太陽電池モジュールを提供することができる。すなわち、前記発電体層の厚みを1.00とした時に、前記シーラント層の厚みを1.32以上にすることで、モジュール製造工程において表裏のシーラント層が前記発電体層を満遍なく封止することができ、これにより優れたフレキシブル性と耐久性を付与することが出来る。また、前記基材フィルムの厚みを0.11〜0.14にすることで、フレキシブル性を有しながら、且つ、実用上の耐衝撃性や耐磨耗性などの機械的強度を保つことが出来る。
また、本発明に係る請求項2によれば、前記基材フィルムと前記シーラント層の間に、接着剤を介して透明なバリア層を設けることにより、柔軟性にも追随できる接着性に優れたガスバリア性を有するフレキシブル太陽電池モジュールを提供することができる。
また、本発明に係る請求項3によれば、ポリエチレンテレフタレートに酸化ケイ素の蒸
着膜を形成することにより、耐候性やガスバリア性を付与することができ、より信頼性の高いフレキシブル太陽電池モジュールが得られる。
このようにして本発明は、モジュール製造工程での熱収縮による作業性の低下が改善された、耐候性、耐水性、耐湿性などの長期耐久性にも優れた品質を有するフレキシブル太陽電池モジュールを提供することができる。
本発明に係る積層フィルムにより封止されたフレキシブル太陽電池素子(セル)の一実施形態の断面概略図である。 本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの一実施形態の断面概略図である。 本発明に係る発電体層の厚みを示す断面概略図である。
本発明は、透明な基材フィルムとシーラント層からなる積層体を用いて、複数の太陽電池素子(セル)がバスバーで連結された発電体層を、表裏から積層してなるフレキシブル太陽電池モジュールである。
以下、本発明の実施形態の一例について図を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明に係る積層フィルムにより封止されたフレキシブル太陽電池素子(セル)5の一実施形態の断面を示す概略図を示している。図1に示すように、フレキシブル太陽電池素子(セル)単体を例にして説明すると、本発明のフレキシブル太陽電池に係る積層フィルム10は、少なくとも基材フィルム1とシーラント層3とを含む積層体であり、この2枚の積層体フィルム10を用いて、それぞれシーラント層3をフレキシブル太陽電池素子(セル)5側にして、熱圧して封止することでフレキシブル太陽電池素子(セル)を保護している。
図2は本発明のフレキシブル太陽電池モジュール20の一実施形態の断面概略図を示している。フレキシブル太陽電池モジュール20は複数のフレキシブル太陽電池素子(セル)5をバスバー4で連結した状態で、熱圧下で前記積層フィルムにて封止され形成される。
本発明に係る前記積層フィルム10を構成する基材フィルム1としては、厚さ20μm以上のETFE樹脂が必要である。前記ETFE樹脂はフレキシブル太陽電池モジュール20を形成する上で、最外層として不可欠な透明性、耐熱性、強度物性、柔軟性、電気絶縁性などを有していることから好ましい。
また、前記ETFE樹脂の厚さが20μm未満であると、フレキシブル太陽電池モジュール20表面への引掻きや磨耗によるキズ、雹や霰などの落下物による打ちキズなどにより長期信頼性に問題が生じる。
また、従来問題とされていた太陽電池モジュール製造工程、特に積層工程での基材フィルムの熱収縮による品質や生産性の低下を抑制する上で、前記ETFE樹脂には耐熱収縮性が求められる。これを解決するために、具体的には、180℃30分加熱した場合の前記ETFE樹脂フィルムの長手方向の熱収縮率が4.0%未満であることが望ましい。前記ETFE樹脂フィルムの長手方向の熱収縮率が4.0%未満であれば、モジュール製造工程での熱圧積層加工条件において、実用上の品質や生産性の低下を起こすことなく加工することができる。一方、熱収縮率が4.0%を超えると、反りなどが発生して作業性が低下し、また、それが基で品質の低下が生じる。
次に、本発明に係る前記積層フィルム10を構成するシーラント層3について説明する。
一般に太陽電池モジュールの封止材層としては、太陽電池セル5やバスバー4からなる発電体層6の空隙を満遍なく充填するEVA樹脂(エチレン−酢酸ビニル共重合体)が用いられている。そのためにEVA樹脂には、加工時にはモジュールの封止性を向上させるための流動性、さらに封止後は長期耐性を維持するための機械的な強度が要求され、具体的には熱反応性の架橋剤が添加されている。
そのために、従来の封止材層に用いられているEVA樹脂をシーラント層3に用いると、添加されている架橋剤の反応によりシーラント層3自体の硬化により、モジュールの製造前のシーラント層3の長期保存において接着性の低下が生じ、大きな不安定要因となる。
本発明に係るシーラント層3は、上記の問題を解決すべく、長期保存においても初期特性を損なうことなく、基材フィルムとの優れた接着性や金属製のバスバーとの高い接着力、さらには発電体層6の空隙を満遍なく充填する流動性を有したことを特徴とする。具体的には、本発明に係るシーラント層3は、金属に対して優れた接着性と150℃以下の低温溶着性を有するアイオノマー樹脂が好ましい。
また、前記シーラント層3であるアイオノマー樹脂の厚みは250μm以上が必要である。250μm未満であると、モジュール製造時の熱圧による前記ETFE樹脂の熱収縮によって生じるシワに対して、そのシワを埋め尽くして平坦な表面層を形成するだけの流動性が不足し、積層体としてのシワの発生を防止できなくなる。
前記基材フィルム1と前記シーラント層3との積層方法としては、基材フィルム1にシーラント層3を押出し法により直接積層することもできるし、また、シーラント層3を押出し法やインフレーション法により一旦製膜してから、接着剤層2を介してドライラミネート法で積層することもできる。
基材フィルム1とシーラント層3を接着剤層2を介してドライラミネートする場合、通常のドライラミネート用接着剤を用いることも出来るが、太陽電池モジュールは長期間直射日光に晒されるので、紫外線耐性に優れたポリエステル/ポリカーボネート併用接着剤を用いることが有用である。
また、接着剤層2の塗布量は乾燥時で4g/m〜20g/mの範囲であることが望ましい。4g/m未満であると十分なラミネート強度が得られず20g/mを超えるとコスト面で好ましくない。
次に、本発明に係る積層フィルム10を構成する基材フィルム1及びシーラント層3と、発電体層6との厚みの関係について以下に説明する。なお、図3は発電体層6の厚みを示す断面概略図である。
本発明は、太陽電池セル5とバスバー4から構成される発電体層6の厚みを1.00とした時に、前記基材フィルムの厚みが0.11〜0.14で、且つ、前記シーラント層の厚みが1.32以上、であることを特徴とするフレキシブル太陽電池モジュールである。
前記発電体層6の厚みを1.00とした時に、前記基材フィルムの厚みが0.11〜0.14であることにより、フレキシブル太陽電池モジュールを、透明性、フレキイシブル性、軽量化、さらには低価格化を可能にすることができる。厚みが0.11未満であると、モジュールの最外層としての機械的強度、例えば、耐衝撃性などが不足してキズが発生し、長期間の使用に耐えられないという問題が生じる。また、0.14を超えると、フレキシブル性、軽量化、さらにはコスト面で問題となる。
一方、前記シーラント層の厚みが1.32以上であることにより、シーラント層が発電体に満遍なく充填されることで高い信頼性を得ることができる。
また、本発明は前記基材フィルム1と前記シーラント層3との間に、接着剤を介して透明なバリア層を設けることもできる。透明なバリア層を設けることにより、フレキシブル性に加えて優れたバリア性を付与するができる。
透明なバリア層は耐熱性を有する透明な基材フィルムの一方の面に、無機酸化物を用いて透明蒸着膜を形成することで得られる。ここで用いられる基材フィルムとしては特に限定するものではないが、性能、コスト面から延伸PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムが好ましい。
また、前記無機酸化物としては酸化ケイ素が好ましく、接着剤層2を介してシーラント層3を積層することにより、フレキシブル性に加えて優れたバリア性を付与するフレキシブル太陽電池モジュールを提供することがきる。
前記バリア層を接着剤層を介してドライラミネートする場合、通常のドライラミネート用接着剤を用いることも出来るが、太陽電池モジュールは長期間直射日光に晒されるので、紫外線耐性に優れたポリエステル/ポリカーボネート併用接着剤を用いることが有用である。
また、接着剤層2の塗布量は乾燥時で4g/m〜20g/mの範囲であることが望ましい。4g/m未満であると十分なラミネート強度が得られず20g/mを超えるとコスト面で好ましくない。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。
<実施例1>
基材フィルムとして、長手方向の熱収縮率が4.0%未満で、厚みが25μmのETFE樹脂を用いた。また、シーラント層として150℃以下の低温溶着性を有する、膜厚250μmのアイオノマー樹脂を用いた。
次に、接着剤層として乾燥後の塗布量が7.5g/mのポリエステル/ポリカーボネート併用接着剤を介して、上記基材フィルム上記シーラント層を積層して積層フィルムを作製した。
次に、厚みが185μmからなる発電体層に、上記積層フィルムを用いて表裏から加熱ラミネートを行い、フレキシブル太陽電池モジュールを作製した。
<実施例2>
厚みが300μmのアイオノマー樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキシブル太陽電池モジュールを作製した。
<実施例3>
厚み25μmのPETフィルムの片面に、酸化ケイ素の透明蒸着膜を形成したバリア層を、接着剤層として乾燥後の塗布量が7.5g/mのポリエステル/ポリカーボネート併用接着剤を介して、基材フィルムとシーラント層との間に積層した以外は、実施例1と同様にしてフレキシブル太陽電池モジュールを作製した。
<比較例1>
厚みが150μmのアイオノマー樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキシブル太陽電池モジュールを作製した。
<比較例2>
厚みが200μmのアイオノマー樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキシブル太陽電池モジュールを作製した。
<評価>
実施例1〜3と比較例1〜2で作製したフレキシブル太陽電池モジュールに関して、フレキシブル性、作業性、加熱後の熱収縮外観(外観)、太陽電池部品の封止状態の各項目について、実用レベルを○、実用未達レベルを×として評価し、その結果を下記の表1に示した。
Figure 2014165443
<比較結果>
実施例1〜3で得られた本発明品は、フレキシブル性、作業性、加熱後の熱収縮外観(外観)、太陽電池部品の封止状態の各項目において、いずれも良好な結果を示した。一方、比較例1〜2で得られた比較例品は、前記評価項目の少なくとも一つの項目において実用未達レベルが得られた。
本発明は、耐久性や低コストに加えて、フレキシブル性に優れた太陽電池モジュールを提供することができる。
1・・・基材フィルム
2・・・接着剤層
3・・・シーラント層
4・・・バスバー
5・・・太陽電池素子(セル)
6・・・発電体層
7・・・発電体層の厚み
10・・積層フィルム
20・・フレキシブル太陽電池モジュール

Claims (3)

  1. 厚さ250μm以下の太陽電池素子(セル)の複数がバスバーで連結されてなる発電体層の表裏に、少なくとも基材フィルムとシーラント層からなる積層体を積層することで、前記発電体を封止してなるフレキシブル太陽電池モジュールであって、
    前記積層体が、厚さ20μm以上のETFE樹脂(Ethylene Tetrafluor Ethylene)からなる基材フィルムと、厚さ250μm以上のアイオノマー樹脂からなるシーラント層で構成され、
    前記発電体層の厚みを1.00とした時に、前記基材フィルムの厚みが0.11〜0.14で、且つ、前記シーラント層の厚みが1.32以上、
    であることを特徴とするフレキシブル太陽電池モジュール。
  2. 前記基材フィルムと前記シーラント層の間に、接着剤を介して透明なバリア層を設けてなることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル太陽電池モジュール。
  3. 前記透明なバリア層がポリエチレンテレフタレートに酸化ケイ素の蒸着膜を形成してなることを特徴とする請求項2に記載のフレキシブル太陽電池モジュール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023037159A1 (en) * 2021-09-10 2023-03-16 Opes Solutions (Changzhou) Co., Ltd. – Factory Flexible crystalline silicon photovoltaic module and manufacturing method therefor

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