JP2014165105A - 電子放出装置の製造方法、及び、電子放出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】マスクを用いることなく、容易にカソードからゲートへの放出電子を減らして、電力効率の高い電子放出装置の製造方法を提供する。
【解決手段】表面に電子放出材料14が形成されたカソード10と、電子通過孔20Aを有しカソード10の電子放出面と対向配置されるグリッド20と、カソード10とグリッド20間に電圧を印加する電源30とを有る電子放出装置において、グリッド20のカソード10側の面に電子放出材料24を形成し、電源30を実働時と逆に接続することにより電子放出材料24からカソード10に向けて電子を逆に照射し、電子放出材料14のグリッド20との対向部分14Aを局部的に劣化させる。
【選択図】図9
【解決手段】表面に電子放出材料14が形成されたカソード10と、電子通過孔20Aを有しカソード10の電子放出面と対向配置されるグリッド20と、カソード10とグリッド20間に電圧を印加する電源30とを有る電子放出装置において、グリッド20のカソード10側の面に電子放出材料24を形成し、電源30を実働時と逆に接続することにより電子放出材料24からカソード10に向けて電子を逆に照射し、電子放出材料14のグリッド20との対向部分14Aを局部的に劣化させる。
【選択図】図9
Description
本発明は、電子放出装置の製造方法、及び、電子放出装置に係り、特に、電子線照射装置や発光装置に用いるのに好適な電子放出装置の製造方法、及び、この方法により製造された電子放出装置に関する。
例えば電子線照射装置や、電子放出源から電界放出された電子によって蛍光体を励起発光させる発光装置に用いる電子放出装置として、図1に例示する如く、基板12の表面に例えばカーボンナノチューブ(CNT)等の電子放出材料14が形成されたカソード10と、電子通過孔20Aを有し、前記カソード10の電子放出材料14形成面と対向配置されるグリッド20と、前記カソード10とグリッド20間に電圧を印加する電源30と有するものが知られている。
このような電子放出装置において、グリッド20と対向するカソード10表面に電子放出材料14があると、放出電子eが矢印Aに示す如くグリッド20に飛び込んで吸収されてしまい無効電力となるため、電力効率が悪い。
そこで、特許文献1には、図2に示す如く、カソード10のグリッド20側表面に、グリッド20とほぼ同じ形状のマスク16を当て、グリッド20に吸収される電子eを少なくすることが記載されている。
又、特許文献2には、フォトリソグラフィー技術等を用いて、図3に例示する如く、グリッド20の電子通過孔20Aに対向する部分にのみ電子放出材料14を配置することが記載されている。
しかしながら前者の特許文献1に記載の技術は、比較的容易に実施できるが、マスク16とグリッド20は別の部材で、マスク16、絶縁体(図示せず)、グリッド20と積み重ねて組上げていくため、マスク16とグリッド20の位置がずれると電力効率が低下するという問題がある。グリッド20の幅はできるだけ小さい方が良く、通常、数十から数百μm程度であるので、10μmずれると大きなずれとなる。ちなみに、グリッド20を格子状にした際、グリッド20の格子間隔は、グリッド20−カソード10間隔と同程度から数倍の距離となる。すなわち、グリッド20−カソード10間隔が100μmとすると、グリッド20の格子間隔は100〜300μm程度とされる。これは、カソード10表面の電解強度を高め、電子放出量を大きくできるのが、この辺りの寸法だからである。
更に、特許文献1に記載の技術では、マスク16のために、図4(A)に例示する如く、マスク16周辺の電界強度Bが低下し、所定の電子放出量を得るために高い電圧を用いなければならないという問題点もある。マスク16の高さが高い程、その影響範囲は広がる。
一方後者の特許文献2に記載の方法は、設備や生産プロセスに高額の費用が掛かるため、容易には使えない。また、絶縁層18の表面を介してグリッド20−カソード10間で放電が発生し易いという問題点を有する。
本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたもので、マスクを用いることなく、低い電源電圧で所定の放出電流を得ることができる、効率の高い電子放出装置を容易に製造できるようにすることを課題とする。
本発明は、表面に電子放出材料が形成されたカソードと、電子通過孔を有し、前記カソードの電子放出材料形成面と対向配置されるグリッドと、前記カソードとグリッド間に電圧を印加する電源と、を有する電子放出装置の製造に際して、前記グリッドのカソード側面に電子放出材料を形成し、前記電源を使用時と逆に接続することにより、前記グリッドに形成した電子放出材料からカソードに向けて電子を逆に照射し、前記カソードのグリッド対向部分の電子放出材料を局部的に劣化させるようにして、前記課題を解決したものである。
本発明は、また、表面に電子放出材料が形成されたカソードと、電子通過孔を有し、前記カソードの電子放出材料形成面と対向配置されるグリッドと、前記カソードとグリッド間に電圧を印加する電源と、を有する電子放出装置であって、前記グリッドのカソード側面に電子放出材料が形成され、前記電源を使用時と逆に接続することにより、前記グリッドに形成した電子放出材料からカソードに向けて電子を逆に照射して、前記カソードのグリッド対向部分の電子放出材料が局部的に劣化されていることを特徴とする電子放出装置を提供するものである。
本発明によれば、グリッドを設置してから、グリッドに対向した部分の電子放出材料を劣化させるようにしたため、マスクのような位置ずれを生じることなく、効率の高い電子放出装置を得ることができる。
また、マスクを用いないので、装置及び製造工程が簡素化できるほか、カソードとグリッドの間隔を狭くできるので、低い電源電圧でも、所定の放出電流を得ることができる。
更に、マスク16があると、図4(A)に示したように、その近傍の電界強度Bが低下するため、同一電子放出量を得るためには、より高い電圧が必要となるが、本発明によれば、マスクを用いないので、図4(B)に示す如く、高い電界強度Bを維持して、低い電源電圧でも所定の放出電流を得ることができる。
図5に示すように、真空チャンバー40内にカソード10とグリッド20を配置した時の放出電流Ie=5mA時の従来法(マスク有り)と本発明法(マスク無し)の電源電圧Ee(V)と無効電流Ig(mA)の関係の測定例を表1に示す。
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の実施形態における電子放出装置の製造手順を図6に示す。
まず、ステップ100で、図7に示す如く、カソード10の表面だけでなく、グリッド20の基板22のカソード10に対向する側にも、例えばCNTでなる電子放出材料24を塗布するなどして形成する。
次いで、ステップ110に進み、図8に示す如く、使用状態とは逆に電源30を接続して、グリッド20からカソード10へ電子eを逆照射する。これにより、電子eを受けたカソード10側の電子放出材料14の部分(局部劣化領域と称する)14Aは局部的に劣化をおこし、電子放出能力が低下する。
次いで、ステップ120に進み、図9に示す如く、電源30の接続を元に戻せば、ステップ110で電子eの逆照射を受けたカソード10の局部劣化領域14Aからの電子放出がなくなった状態で、グリッド20の電子通過孔20Aに対応する部分のみ電子放出を効率よく得ることができる。
図1に示した従来のマスクが無い電子放出装置と本発明による電子線逆照射処理後の電子放出装置の動作を図10に比較して示す。
図10(A)に示す従来例では、グリッド20の下の部分でも、カソード10表面の電界強度Bが電子放出に必要な電界強度Cよりも高くなっていて、電子eが放出されるのに対して、図10(B)に示す本発明による処理後の電子放出装置においては、カソード10表面の電界強度Bが、グリッド20の下の部分で、電子放出に必要な電界強度Cより低くなっているため、電子eが無駄に放出されることがない。
なお、前記実施形態においては、電子放出材料14、24がCNTとされ、該電子放出材料14、24が塗布によりカソード10やグリード20の表面に形成されていたが、電子放出材料の種類や形成方法は、これに限定されない。
本発明は、電子線照射装置のほか、特許文献1に記載されたような発光装置にも同様に適用できる。
10…カソード
14、24…電子放出材料
14A…局部劣化領域
18…絶縁層
20…グリッド
20A…電子通過孔
30…電源
e…電子
14、24…電子放出材料
14A…局部劣化領域
18…絶縁層
20…グリッド
20A…電子通過孔
30…電源
e…電子
Claims (2)
- 表面に電子放出材料が形成されたカソードと、
電子通過孔を有し、前記カソードの電子放出材料形成面と対向配置されるグリッドと、
前記カソードとグリッド間に電圧を印加する電源と、
を有する電子放出装置の製造に際して、
前記グリッドのカソード側面に電子放出材料を形成し、
前記電源を使用時と逆に接続することにより、前記グリッドに形成した電子放出材料からカソードに向けて電子を逆に照射して、前記カソードのグリッド対向部分の電子放出材料を局部的に劣化させることを特徴とする電子放出装置の製造方法。 - 表面に電子放出材料が形成されたカソードと、
電子通過孔を有し、前記カソードの電子放出材料形成面と対向配置されるグリッドと、
前記カソードとグリッド間に電圧を印加する電源と、
を有する電子放出装置であって、
前記グリッドのカソード側面に電子放出材料が形成され、
前記電源を使用時と逆に接続することにより、前記グリッドに形成した電子放出材料からカソードに向けて電子を逆に照射して、前記カソードのグリッド対向部分の電子放出材料が局部的に劣化されていることを特徴とする電子放出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013036925A JP2014165105A (ja) | 2013-02-27 | 2013-02-27 | 電子放出装置の製造方法、及び、電子放出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013036925A JP2014165105A (ja) | 2013-02-27 | 2013-02-27 | 電子放出装置の製造方法、及び、電子放出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2014165105A true JP2014165105A (ja) | 2014-09-08 |
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ID=51615522
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JP2013036925A Pending JP2014165105A (ja) | 2013-02-27 | 2013-02-27 | 電子放出装置の製造方法、及び、電子放出装置 |
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JP (1) | JP2014165105A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020166155A1 (ja) * | 2019-02-12 | 2020-08-20 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 | 電子源及び電子源ユニット |
-
2013
- 2013-02-27 JP JP2013036925A patent/JP2014165105A/ja active Pending
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WO2020166155A1 (ja) * | 2019-02-12 | 2020-08-20 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 | 電子源及び電子源ユニット |
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US11476075B2 (en) | 2019-02-12 | 2022-10-18 | Japan Aerospace Exploration Agency | Electron source and electron source unit |
EP3926657A4 (en) * | 2019-02-12 | 2022-11-16 | Japan Aerospace Exploration Agency | ELECTRON SOURCE AND ELECTRON SOURCE UNIT |
JP7185281B2 (ja) | 2019-02-12 | 2022-12-07 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 | 電子源 |
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