JP2014163564A - 冷凍装置 - Google Patents
冷凍装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014163564A JP2014163564A JP2013033691A JP2013033691A JP2014163564A JP 2014163564 A JP2014163564 A JP 2014163564A JP 2013033691 A JP2013033691 A JP 2013033691A JP 2013033691 A JP2013033691 A JP 2013033691A JP 2014163564 A JP2014163564 A JP 2014163564A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- refrigerant
- condenser
- evaporator
- hot gas
- compressor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】ホットガスを利用して蒸発器7を加温している場合に、冷却凝縮した冷媒が蒸発器7に流れ込むこと、および、圧縮機低回転時に冷媒寝込みによる冷媒量が不足することを抑制して、加温能力を確保できる冷凍装置を提供する。
【解決手段】冷凍装置は、圧縮機1により冷媒を圧縮したホットガスを利用して蒸発器7を加温するホットガス加温サイクルを有する。また、冷凍装置は、圧縮機1により圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器3を有する。冷凍装置は、凝縮器3をバイパスして冷媒を流すバイパス回路BPを有する。かつ、冷凍装置は、ホットガスをバイパスさせる場合に、凝縮器3内での冷媒の冷却凝縮の有無を判定する。判定結果が、冷却凝縮が有るとなったことに応じて、凝縮器3からの冷却凝縮した冷媒が蒸発器7に流れ込むのを抑制する冷媒制御弁10を冷凍装置内に備えている。
【選択図】図1
【解決手段】冷凍装置は、圧縮機1により冷媒を圧縮したホットガスを利用して蒸発器7を加温するホットガス加温サイクルを有する。また、冷凍装置は、圧縮機1により圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器3を有する。冷凍装置は、凝縮器3をバイパスして冷媒を流すバイパス回路BPを有する。かつ、冷凍装置は、ホットガスをバイパスさせる場合に、凝縮器3内での冷媒の冷却凝縮の有無を判定する。判定結果が、冷却凝縮が有るとなったことに応じて、凝縮器3からの冷却凝縮した冷媒が蒸発器7に流れ込むのを抑制する冷媒制御弁10を冷凍装置内に備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、冷凍モードとホットガス加温モードとが切替え可能な冷凍装置に関する。特にはアイドル時の加温能力を高める制御を行う冷凍車用の冷凍装置に関するものである。
従来、冷凍装置の中には、冷却機能だけでなく、加温(加熱)機能を備えたものがある。この加温機能を具現化する方法として、圧縮機から吐出される高温高圧のホットガス冷媒を利用する方式には、以下の2つが挙げられる。
その1つは、ホットガス冷媒を直接蒸発器に導入し、蒸発器で放熱させて凝縮させることにより、庫内を加温するホットガス凝縮加温方式である。他の1つは、ホットガス冷媒を減圧弁等により庫内温度飽和圧力以下に減圧した後、蒸発器に導入し、蒸発器で放熱させることにより、庫内を加温するホットガス非凝縮加温方式である。
また、特許文献1に記載の冷凍装置は、ホットガス冷媒を減圧弁等により庫内温度飽和圧力以下に減圧した後、蒸発器に導入し、蒸発器で放熱させるホットガス非凝縮加温サイクルに関するものである。そして、ホットガス非凝縮加温サイクルを実現する圧力調整手段の構成を改善し、その簡素化および低コスト化を図るとともに、安定した加温能力が得られる冷凍装置を提供するものである。
そのために、凝縮器、受液器、および膨張弁に対し並列に接続され、圧縮機から吐出された高温高圧の冷媒ガスを減圧手段により冷却庫の庫内温度飽和圧力以下に減圧して蒸発器に導入する非凝縮ホットガスバイパス回路を備えている。
そして、凝縮器と受液器との間に、非凝縮ホットガスバイパス回路を用いた加温運転時に圧縮機の吐出圧力が第1設定圧力以上のとき、受液器側(非バイパス回路側)への冷媒流れを許容する無通電閉型の凝縮器隣接電磁弁が設けられている。
これにより、加温運転時にそのサイクル中の冷媒量が過剰のため圧縮機の吐出圧力が第1設定圧力以上になると、凝縮器隣接電磁弁に通電されて該電磁弁が開とされ、加温サイクル中の余剰冷媒が凝縮器を経て受液器にチャージされることとなる。
従って、加温サイクル中の冷媒量が調整され、加温運転時の高圧上昇を防止することができる。また、高圧調整用の凝縮器隣接電磁弁が凝縮器の下流側に設けられるため、当該電磁弁閉故障時における保護装置の応答性を十分確保することができる。かつ、それととともに、高圧調整時の当該電磁弁開閉に伴う圧力変動、すなわち負荷変動を小さくして圧縮機およびその駆動系に対する衝撃を緩和し、それらの寿命を延長することができる。
上記従来の冷凍装置では、ホットガス非凝縮加温サイクルにおいて凝縮器隣接電磁弁を設けたものである。しかし、発明者は、ホットガス非凝縮加温サイクルではなく、ホットガス冷媒を直接蒸発器に導入し、蒸発器で放熱させて凝縮させることにより、庫内を加温するホットガス凝縮加温方式の冷凍装置の開発に着手した。この開発時におけるホットガス凝縮加温方式の冷凍装置においては、上記特許文献1のホットガス非凝縮加温方式の考え方はあまり参考にならなかった。
従って、開発過程のホットガス凝縮加温方式の冷凍装置においては、ホットガスをバイパスさせて加熱しているときに冷媒制御弁を成す冷媒電磁弁を閉じて、蒸発器に冷媒が流れないようにして、充分なホットガスをバイパスさせて加熱するようにした。ところが、圧縮機の回転数が低下するエンジンのアイドリング運転時(単に、アイドル時とも言う)のような圧縮機低回転時には、加温能力が低下するという新たな問題が発生した。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目して成されたものであり、その目的は、ホットガスを利用して蒸発器を加温するホットガス加温サイクルにおいて、圧縮機低回転時においても、加温能力の確保が図れる冷凍装置を提供することにある。
従来技術として列挙された特許文献の記載内容は、この明細書に記載された技術的要素の説明として、参照によって導入ないし援用することができる。
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、本発明では、冷媒を圧縮したホットガスを利用して蒸発器(7)を加温するホットガス加温サイクルを有する冷凍装置において、冷媒を圧縮する圧縮機(1)と、圧縮機(1)が圧縮した冷媒を凝縮させる凝縮器(3)と、冷媒が蒸発することにより温度が低下する蒸発器(7)と、凝縮器(3)をバイパスしてホットガスを蒸発器(7)導くバイパス回路(BP)と、ホットガスがバイパス回路(BP)を介して蒸発器(7)に導かれている場合に、凝縮器(3)内での冷媒の冷却凝縮の有無を判定する判定手段(S41、S51、S52、S81、S41)と、判定手段により冷却凝縮が有ると判定されたことに応じて凝縮器(3)からの冷却凝縮した冷媒が蒸発器(7)に流れ込むのを抑制する冷媒流制御手段(10)と、を備えたことを特徴としている。
この発明によれば、バイパス回路(BP)にホットガスをバイパスさせる。このバイパス時に、凝縮器(3)からの冷却凝縮した冷媒が蒸発器(7)に流れ込むのを冷媒流制御手段(10)にて抑制する。そして、冷却凝縮が無いと判定された場合は、凝縮器(3)からの冷媒が蒸発器(7)に流れ込む。従って、圧縮機(1)の低回転時においては、冷媒の寝込みによる冷媒量不足が発生しない。これにより、冷却凝縮した冷媒が蒸発器(7)に流れ込むことによる、ホットガスを利用した加温能力の減少を抑制できると共に、圧縮機低回転時における冷媒量不足による加温能力の低下を抑制できる。
なお、特許請求の範囲および上記各手段に記載の括弧内の符号ないし説明は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を分かり易く示す一例であり、発明の内容を限定するものではない。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。
各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1を用いて詳細に説明する。冷凍装置における冷凍サイクルは、図1に示すように、冷媒の吐出側Dと、吸入側Sとを持つ圧縮機1を有する。圧縮機1は、図示しない車両走行用エンジンでクラッチを介して駆動されている。
以下、本発明の第1実施形態について図1を用いて詳細に説明する。冷凍装置における冷凍サイクルは、図1に示すように、冷媒の吐出側Dと、吸入側Sとを持つ圧縮機1を有する。圧縮機1は、図示しない車両走行用エンジンでクラッチを介して駆動されている。
圧縮機1は、気相冷媒を吸入して高温高圧に圧縮する。なお、この冷凍装置は、ホットガス冷媒を直接蒸発器7に導入し、蒸発器7で放熱させて凝縮させることにより、庫内を加温するホットガス凝縮加温方式である。よって、上記冷凍装置は、圧縮機1により冷媒を圧縮したホットガスを利用して蒸発器7を加温するホットガス加温サイクルを有する冷凍装置を構成している。
圧縮機1の吐出側Dの配管をから吐出された冷媒は油分離器2にて潤滑油が分離され、分離された潤滑油はキャピラリ2aを介して圧縮機1の吸入側Sに戻される。油分離器2を出た冷媒は、放熱用熱交換器を成す凝縮器3に入る。凝縮器3は、圧縮機1から吐出される冷媒を凝縮させるもので、凝縮器用送風機4から送風される冷却風によって内部の冷媒が冷却される。受液器(レシーバー)5は、凝縮器3にて凝縮された冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離するとともに、液相冷媒を貯留しながら且つ導出するものである。
受液器5を出た冷媒は、減圧手段としての膨張弁6を通って、庫内冷却用熱交換器を成す冷凍用蒸発器(単に蒸発器とも言う)7に導かれる。膨張弁6は、受液器5からの液相冷媒を減圧するものである。この膨張弁6は、蒸発器7の出口冷媒温度を検知する図示しない感温部を有する温度作動式膨張弁である。この温度作動式膨張弁は、蒸発器7の出口冷媒の過熱度を所定値に維持するように弁開度(冷媒流量)を調整する。
蒸発器7は、膨張弁6で減圧された冷媒を、蒸発器用送風機8を成す冷凍ファン8で循環される冷凍室内(庫内)の空気と熱交換させて、蒸発させる。蒸発器7は、蒸発時の蒸発潜熱によって循環空気を冷却する熱交換器である。気液分離器(アキュムレータ)9は、蒸発器7を通過した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離する。この分離とともに、気液分離器9は、液相冷媒を貯留しながら気相冷媒を圧縮機1の吸入側Sへ導く。
また、蒸発器7の下方には、蒸発器7より生じる凝縮水を受けて集める図示しないドレンパンが設けられている。このドレンパンに集まった凝縮水は、排水通路を通り、この排水通路に接続されたドレンホースを通って、冷凍室の外に出て図示しない車両床下に排水される。
また、本実施形態における冷凍サイクルには、圧縮機1の吐出側P1と膨張弁6の下流側かつ蒸発器7の上流側P2とを連通して、ホットガス冷媒を導く凝縮ホットガスバイパス回路BP(単にバイパス回路とも言う)が設けられている。このバイパス回路BPは、圧縮機1により圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器3をバイパスする。バイパス回路BPは、冷凍室内(庫内)の温調に使用されると共に除霜にも使用される。
バイパス回路BPを形成する冷媒配管16の一部は、ホットガス除霜時にドレンパンを加熱するドレンパンヒータを兼ねており、ドレンパンの内側表面を這わすようにして設置されている。
凝縮器3の出口側において、凝縮器3と受液器5との間に冷媒制御弁10を成す冷媒電磁弁10が設けられている。この冷媒電磁弁10は、凝縮器3からの冷却凝縮した冷媒が蒸発器7に流れ込むのを抑制する冷媒流制御手段を構成する。また、除霜用バイパス回路BPには、開閉手段である電磁弁から成るホットガスバイパス弁11が設置されている。
制御装置(アンプとも呼ばれる)12は、車両の走行速度(NV)を検出する車速度センサ13からの信号を受信する。また、制御装置12は、車両走行用のエンジンの回転速度(NE)を検出するエンジン回転速度センサ14からの信号を受信する。また、制御装置12は、エンジンで駆動される圧縮機1の回転速度(NC)を検出する圧縮器回転速度センサ15からの信号を受信する。
更に、制御装置12は、凝縮器3の出口側に設けられ冷媒の温度と圧力とを検出する冷媒温度圧力センサ16からの信号を受信する。この冷媒温度圧力センサ16は、凝縮器3を流れた直後の冷媒の温度と圧力から、当該冷媒のサブクール度(SC)を検出する。このサブクール度は、凝縮器3の凝縮量に関わる冷媒状態を測定した値である。
(第1実施形態の作動)
図1に示すように、この実施形態の冷凍装置は、一般的な冷凍サイクルと同様に、圧縮機1→油分離器2→凝縮器3→受液器5→膨張弁6→蒸発器7→気液分離機9→圧縮機1のように冷媒が流れる冷媒回路から構成される。ホットガス加温サイクルは、蒸発器7に着霜した霜を加熱して溶かすデフロスト(除霜)サイクルに利用される。
図1に示すように、この実施形態の冷凍装置は、一般的な冷凍サイクルと同様に、圧縮機1→油分離器2→凝縮器3→受液器5→膨張弁6→蒸発器7→気液分離機9→圧縮機1のように冷媒が流れる冷媒回路から構成される。ホットガス加温サイクルは、蒸発器7に着霜した霜を加熱して溶かすデフロスト(除霜)サイクルに利用される。
車速度センサ13、エンジン回転速度センサ14、圧縮器回転速度センサ15、および冷媒温度圧力センサ16の各センサ信号のうちいずれかの信号、または、これら複数のセンサ信号を組み合わせた複合信号を制御装置12が受信する。この受信した信号により、制御装置12が、凝縮器3での冷却凝縮があると判断したことに応じて、冷媒制御弁10を閉弁して受液器5側への冷媒流入を遮断する。
凝縮器3での冷却凝縮が無いと制御装置12が判断したときは、冷媒電磁弁10を開弁するように制御し、凝縮器3内の冷媒を下流側の蒸発器7に流す。このように、制御装置12が冷媒量を制御することで、ホットガス加熱サイクルの加温能力低下を防止することができる。
つまり、冷媒制御弁10は、冷媒流制御手段を成している。この冷媒制御弁10は、制御装置12により開弁閉弁状態が制御される。そして、制御装置12は、ホットガス加温サイクルにおいて、凝縮器3での冷媒の冷却凝縮の有無を判定する。この判定結果に応じて、冷媒制御弁10が、蒸発器7への冷媒流入を制御することで、ホットガス加温サイクルでの加温能力低下を抑制する。
具体的には、発揮できる加温能力をできるだけ確保するために次の作動1と作動2とを行う。
(作動1)ホットガスによる加温モード時、凝縮器3で発生した冷却凝縮した冷媒が受液器5を経由して蒸発器7側に流れるのを防止する。そのための手段として、凝縮器3の出口側に冷媒制御弁10を設けて閉弁する。
(作動2)走行時とアイドル時とで、冷媒制御弁10の開閉を区別して制御する。そのための手段として、車両の走行速度(NV)、車両走行用のエンジンの回転速度(NE)、圧縮機1の回転速度(NC)、および冷媒温度圧力センサ16からの信号のうちいずれかの信号、または、これらの信号が複合した複合信号を用いる。そして、これらの信号から、凝縮器3内での冷却凝縮があると判定したときだけ、冷媒電磁弁10を閉じる。これにより、アイドル時等のように、凝縮器3内で冷却凝縮が発生しない場合における、冷媒寝込みに伴う冷媒量不足を解消し、ホットガス加温能力の低下を抑制できる。
(作動1)ホットガスによる加温モード時、凝縮器3で発生した冷却凝縮した冷媒が受液器5を経由して蒸発器7側に流れるのを防止する。そのための手段として、凝縮器3の出口側に冷媒制御弁10を設けて閉弁する。
(作動2)走行時とアイドル時とで、冷媒制御弁10の開閉を区別して制御する。そのための手段として、車両の走行速度(NV)、車両走行用のエンジンの回転速度(NE)、圧縮機1の回転速度(NC)、および冷媒温度圧力センサ16からの信号のうちいずれかの信号、または、これらの信号が複合した複合信号を用いる。そして、これらの信号から、凝縮器3内での冷却凝縮があると判定したときだけ、冷媒電磁弁10を閉じる。これにより、アイドル時等のように、凝縮器3内で冷却凝縮が発生しない場合における、冷媒寝込みに伴う冷媒量不足を解消し、ホットガス加温能力の低下を抑制できる。
第1実施形態の冷凍サイクルにおける各機器の作動を図2に示す。この図2の作動表は、通常の冷凍時作動の場合、および、ホットガスによる加温制御作動の場合の各機器の作動状態を示す。また、それと共に、図2からは、加温制御時において、冷媒制御弁10で冷媒の流れを遮断状態にした方が良いのか、あるいは、冷媒が流れるように制御状態にした方が良いのかが理解できる。
図2において、ホットガスによる加温時制御において、冷媒制御弁10を開弁制御して冷媒が流れるようにする方を「制御状態」として示している。また、図2において、ホットガスによる加温制御時において、冷媒制御弁10を閉弁して冷媒の流れを遮断する方を「遮断状態」として示している。
図2の作動表において、機器として、冷凍サイクルを構成する圧縮機1、凝縮器用送風機4、蒸発器用送風機8、冷媒制御弁10、およびホットガスバイパス弁11を例示している。冷凍時とあるのは通常の冷凍車の庫内を冷凍するときの作動である。このときには、圧縮機1のクラッチがONして圧縮機1が車両の走行用エンジンで駆動されて回転し、凝縮器用送風機4および蒸発器用送風機8が回転する。さらに冷媒制御弁10が開弁し、ホットガスバイパス弁11は閉じている。
ホットガス加温サイクルにおける加温制御をおこなう時は、圧縮機1のクラッチがONして圧縮機1が回転し、凝縮器用送風機4が停止し、蒸発器用送風機8が回転する。また、ホットガスバイパス弁11は開いている。
上述したように、制御装置12は、車速度センサ13、エンジン回転速度センサ14、圧縮器回転速度センサ15、および冷媒温度圧力センサ16のセンサ信号を受信する。そして、制御装置12は、以下の4条件の全てを満足するときに、凝縮器3において冷却凝縮が発生していると判定する。
4条件とは、第1に車速が所定車速より大きく、第2にエンジン回転速度が所定エンジン回転速度より大きく、第3に圧縮機回転速度が所定圧縮機回転速度より大きく、第4に冷媒温度圧力センサが所定サブクール度以上を検出しているときである。この4条件がすべて満たされるとき、制御装置12は、凝縮器3において冷却凝縮が発生していると判定している。なお、サブクール度とは、冷媒の飽和温度(沸点)と液冷媒の温度との差(単位は℃)である。
なお、上記4条件の全てが満たされたときに凝縮器3での冷媒の冷却凝縮があると判断するのでなく、4条件の少なくとも一つから、凝縮器3での冷媒の冷却凝縮の有無を判断
してもよい。つまり、制御装置12による凝縮器3での冷媒の冷却凝縮有無の判定は、冷凍装置が搭載された車両の速度、車両のエンジンの回転速度、圧縮機1の回転速度、および凝縮器3の凝縮量に関わる冷媒状態(サブクール度)の少なくともいずれかを用いても良い。
してもよい。つまり、制御装置12による凝縮器3での冷媒の冷却凝縮有無の判定は、冷凍装置が搭載された車両の速度、車両のエンジンの回転速度、圧縮機1の回転速度、および凝縮器3の凝縮量に関わる冷媒状態(サブクール度)の少なくともいずれかを用いても良い。
このような制御装置12における冷却凝縮が発生しているとの判定に応じて、ホットガス加温サイクルにおける加温制御をおこなうときに、冷媒制御弁10を制御状態とした場合と遮断状態とした場合との評価結果を図2の作動表は示している。
冷媒制御弁10を制御状態とした場合とは、制御装置12からの制御信号で、冷媒制御弁10を制御して、冷媒が冷媒制御弁10内を通過して流れる状態にした場合である。一方、冷媒制御弁10を遮断状態とした場合とは、制御装置12からの制御信号で冷媒制御弁10を閉弁して、冷媒が冷媒制御弁10内を流れないよう遮断状態とした場合である。
これらの二つの場合におけるホットガス加温サイクルにおける加温性能の評価結果は、図2の作動表のとおりである。4条件の全てが満たされたときに(あるいは、4条件のいずれかが満たされたときに)、制御装置12からの制御信号で冷媒制御弁10を閉弁して冷媒が冷媒制御弁10内を流れないよう遮断状態とした場合のほうが、加熱性能が優れていることが判明した。
つまり、制御装置12が、センサからの信号により凝縮器3において冷却凝縮が発生していると判定したことに応じて、冷媒制御弁10を閉弁して冷媒が冷媒制御弁10内を流れないよう遮断状態とした方が、ホットガス凝縮化オンサイクルの加熱性能が優れる。これは、凝縮器3内で発生した冷却凝縮された冷媒が蒸発器7に流れこむのを阻止できるからである。
次に、冷凍装置が搭載された車両の走行時とアイドル時に関わる運転状態とホットガス凝縮加温サイクルにおける加温能力、つまり、温度上昇との関係を図示したのが、図3の評価表である。この図3において、「冷媒流量遮断」とは、制御装置12からの制御信号で冷媒制御弁10を閉弁して冷媒が冷媒制御弁10内を流れないよう遮断状態とする場合を言う。一方、「冷媒流量遮断なし」とは、制御装置12からの制御信号で冷媒制御弁10を制御して、冷媒が冷媒制御弁10内を通過して流れる制御状態にする場合を言う。
そして、図3に示すように、車両の運転が走行状態(非アイドル時)においては、「冷媒流量遮断なし」よりも、「冷媒流量遮断」の方が優れることが判明した。一方、車両のエンジンがアイドリングしている圧縮機1の低回転状態(アイドル時)においては、「冷媒流量遮断なし」の方が、「冷媒流量遮断」の方よりも優れることが判明した。
まとめれば、凝縮器3内で冷却凝縮があると判断されたときは、冷媒制御弁10を遮断状態とした方が評価が良好である。また、冷凍装置を搭載した車両がアイドル状態のときは、逆に、冷媒制御弁10を冷媒が流れる状態にする(冷媒流量遮断なし)ほうが加温能力の評価が良い。
これは、車両がアイドル状態のときは、凝縮器3に走行風が当たることがなく、凝縮器3内で冷却凝縮が発生しにくいからである。また、アイドル時は、ホットガス凝縮加温サイクルにおけるバイパス回路内の循環冷媒量が冷媒の寝込みにより減少して、加温能力が低下する傾向にあるから、冷媒流量遮断無しとして冷媒を流して、冷媒の寝込みを抑制した方が良いからである。
以上の事柄を反映させて、この第1実施形態においては、ホットガスをバイパスさせて加温制御するときの冷媒制御弁の制御は、図4のフローチャートのように行う。図4において、冷媒制御弁10の制御が開始されると、制御装置12は、ステップS41において凝縮器3内で冷却凝縮が発生しているか否かを判定する。冷却凝縮が発生している(YES)と判定されると、ステップS42において冷媒制御弁10を閉弁する。
一方、ステップS41において、凝縮器3内で冷却凝縮が発生していない(NO)と判定されると、ステップS43において、ホットガスのバイパス中であるにも係らず、冷媒制御弁10を開弁する。
これにより、車両がアイドル状態のときは、凝縮器に走行風が当たることがなく、凝縮器内で冷却凝縮が発生しにくいため、ステップS41における判定はNOとなり、冷媒制御弁10が開かれる。
なお、図4のステップS41において、凝縮器3内で冷却凝縮が発生していると判定されるのは、上述の4条件が全て成立するときであり、それ以外の場合は、凝縮器内で冷却凝縮が発生していないと判定される。具体的に、4条件とは、以下の条件である。
(4条件)
車速度センサ13が検出した車両速度>所定速度(単位はkm/h)
エンジン回転速度センサ14が検出した回転速度>所定エンジン回転速度(rpm)
圧縮器回転速度センサ15が検出した回転速度>所定圧縮機回転速度(rpm)
冷媒温度圧力センサ16が検出したサブクール度>所定サブクール度(℃)
ここで、サブクール度は、凝縮量に関わる冷媒状態を表し、凝縮器3の凝縮量に関わる冷媒状態を測定した値である。そして、この凝縮量に関わる冷媒状態を測定した値に基づいてステップS41の判定手段が冷却凝縮を把握する。
車速度センサ13が検出した車両速度>所定速度(単位はkm/h)
エンジン回転速度センサ14が検出した回転速度>所定エンジン回転速度(rpm)
圧縮器回転速度センサ15が検出した回転速度>所定圧縮機回転速度(rpm)
冷媒温度圧力センサ16が検出したサブクール度>所定サブクール度(℃)
ここで、サブクール度は、凝縮量に関わる冷媒状態を表し、凝縮器3の凝縮量に関わる冷媒状態を測定した値である。そして、この凝縮量に関わる冷媒状態を測定した値に基づいてステップS41の判定手段が冷却凝縮を把握する。
(第1実施形態の効果)
上記第1実施形態においては、冷媒流制御手段10は、冷媒制御弁10を含む。この冷媒制御弁10は、制御装置12により開弁閉弁状態が制御される。制御装置12内の判定手段である図4のステップS41では、ホットガス加温サイクルにおいて、凝縮器3での冷媒の冷却凝縮の有無を判定する。この判定結果に応じて、冷媒制御弁10による蒸発器7への冷媒流入が制御される。なお、この判定手段は制御装置12内に存在する。
上記第1実施形態においては、冷媒流制御手段10は、冷媒制御弁10を含む。この冷媒制御弁10は、制御装置12により開弁閉弁状態が制御される。制御装置12内の判定手段である図4のステップS41では、ホットガス加温サイクルにおいて、凝縮器3での冷媒の冷却凝縮の有無を判定する。この判定結果に応じて、冷媒制御弁10による蒸発器7への冷媒流入が制御される。なお、この判定手段は制御装置12内に存在する。
これによれば、制御装置12は、ホットガス加温サイクルにおいて、凝縮器3での冷媒の冷却凝縮の有無を判定する。この判定結果に応じて、冷媒制御弁10でホットガスが流れている蒸発器7への冷媒流入を制御する。これにより、ホットガス加温サイクルでの、冷却凝縮した冷媒の蒸発器7への流入、および、凝縮器3内での冷媒の寝込みによる冷媒量不足に基因する加温能力低下を抑制できる。従って、ホットガスを利用して蒸発器7を加温する場合の加温能力を向上させることができる。
また、制御装置12内の判定手段(ステップS41)による凝縮器3での冷媒の冷却凝縮有無の判定は、図2のように行われる。つまり冷凍装置が搭載された車両の速度、車両のエンジンの回転速度、圧縮機1の回転速度、および凝縮器3の凝縮量に関わる冷媒状態の少なくともいずれか、または、全てを用いることにより判定される。
これによれば、車両の速度、エンジンの回転速度、圧縮機1の回転速度、および凝縮器3の凝縮量に関わる冷媒状態を用いて、凝縮器3における冷媒の冷却凝縮の有無を判定することができる。
次に、制御装置12内の判定手段(ステップS41)による凝縮器3での冷却凝縮有無の判定は、凝縮器3の凝縮量に関わる冷媒状態を測定した値に基づいて行う。これによれば、凝縮器3の凝縮量に関わる冷媒状態を測定した値に基づいて、凝縮器3での冷媒の冷却凝縮の判断を的確に行うことができる。具体的には、凝縮器3の凝縮量に関わる冷媒状態を測定した値は、冷媒温度圧力センサ16から測定した凝縮器3のサブクール度SCである。従って、冷媒温度圧力センサ16で測定した冷媒温度と冷媒圧力とを用いて制御装置12内で演算された、凝縮器3のサブクール度SCを使用して、凝縮器3での冷媒の冷却凝縮の判断を的確に行うことができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以降の各実施形態においては、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について説明する。なお、第2実施例以下については、第1実施例と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明が援用される。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以降の各実施形態においては、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について説明する。なお、第2実施例以下については、第1実施例と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明が援用される。
図5において、冷媒制御弁の制御が開始されると、制御装置12は、ステップS51において、図示しない外気温度センサからの信号により、外気温度が所定温度以上か否かを判定する。ステップS51において、外気温度が所定温度以上のとき(YESのとき)は、ステップS54に進みホットガスバイパス中であるにも係らず冷媒制御弁を開弁する。
ステップS51において外気温度が所定温度以上でないとき(NO)は、ステップS52に進み、凝縮器3内で冷却凝縮が発生しているか否かを第1実施形態と同様に判定する。冷却凝縮が発生している(YES)と判定されると、ステップS53において冷媒制御弁10を閉弁する。
一方、ステップS52において、凝縮器3内で冷却凝縮が発生していない(NO)と判定されると、ステップS54において、ホットガスのバイパス中であるにもかかわらず、冷媒制御弁10を開弁する。
これにより、夏場の暑いときは凝縮器3内で冷却凝縮が発生しないため、直ちに冷媒制御弁10を開弁できる。また、車両がアイドル状態のときは、凝縮器3に走行風が当たることがなく、凝縮器3内で冷却凝縮が発生しにくいため、ステップS52における判定はNOとなり、冷媒制御弁10が開かれる。これによりアイドル中での加温能力の低下が抑制できる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。上述した実施形態と異なる部分を説明する。図6は、本発明の第3実施形態を示す冷凍装置の構成を示す。第1実施形態と比較すると、減圧手段としての電子膨張弁60が第1実施形態での冷媒制御弁10を兼ねている。電子膨張弁60は、制御装置12からの信号により弁開度を第1実施形態の冷媒制御弁10と同様に制御可能である。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。上述した実施形態と異なる部分を説明する。図6は、本発明の第3実施形態を示す冷凍装置の構成を示す。第1実施形態と比較すると、減圧手段としての電子膨張弁60が第1実施形態での冷媒制御弁10を兼ねている。電子膨張弁60は、制御装置12からの信号により弁開度を第1実施形態の冷媒制御弁10と同様に制御可能である。
受液器5からの冷媒は、電子膨張弁60を通って、庫内冷却用熱交換器を成す冷凍用蒸発器(単に蒸発器とも言う)7に導かれる。また、電子膨張弁60は、受液器5からの液相冷媒を制御装置12からの信号に応じて減圧するものである。この電子膨張弁6は、蒸発器7の出口冷媒温度を検知する制御装置12によって制御される膨張弁である。電子膨張弁6は、蒸発器7の出口冷媒の過熱度を所定値に維持するように弁開度(冷媒流量)を調整するものである。以上のように、本発明において、単に冷媒制御弁というときは、冷媒制御弁を兼ねる電子膨張弁60を含む場合がある。
(第3実施形態の作動)
図6に示すように、この実施形態の冷凍装置は、一般的な冷凍サイクルと同様に、圧縮機1→油分離器2→凝縮器3→受液器5→電子膨張弁60→蒸発器7→気液分離機9→圧縮機1のように冷媒が流れる冷媒回路から構成される。ホットガス加温サイクルは、冷却運転によって蒸発器7に着霜した霜を加熱して溶かすデフロスト(除霜)サイクルとしても利用される。
図6に示すように、この実施形態の冷凍装置は、一般的な冷凍サイクルと同様に、圧縮機1→油分離器2→凝縮器3→受液器5→電子膨張弁60→蒸発器7→気液分離機9→圧縮機1のように冷媒が流れる冷媒回路から構成される。ホットガス加温サイクルは、冷却運転によって蒸発器7に着霜した霜を加熱して溶かすデフロスト(除霜)サイクルとしても利用される。
車速度センサ13、エンジン回転速度センサ14、圧縮器回転速度センサ15、冷媒温度圧力センサ16のセンサ信号のうちいずれかの信号、または、複数のセンサ信号を組み合わせた複合信号を制御装置12が受信する。この受信信号により、ホットガス凝縮加温サイクル中において、凝縮器3での冷却凝縮が有ると判定されたときは、電子膨張弁60を閉弁(全閉)して冷媒流入を遮断する。凝縮器3での冷却凝縮が無いと判定されたときは、電子膨張弁60を開弁するように制御し、加温サイクル中であるにもかかわらず、凝縮器3内の冷媒を流して冷媒の寝込みを抑制する。このように、冷媒量を制御することで、アイドル時の加温能力低下を防止することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。上述した実施形態と異なる部分を説明する。図7は、本発明の第4実施形態を示す冷凍装置の構成を示す。第1実施形態と比較すると、冷媒制御弁は廃止されている。凝縮器3内の冷却凝縮を防ぐための開閉手段として、凝縮器3前面にダンパー(開閉扉またはシャッターとも言う)40を設けている。閉じられたダンパー40は、凝縮器3に走行風または自然風が当たらないようにする。ダンパー40は、多数の羽根を持つ。この羽根の傾斜角度が、制御装置12によりアクチェータ40aを介して制御されることにより、ダンパー40を通過する空気量が加減される。そしてダンパー40は、凝縮器3からの冷却凝縮した冷媒が蒸発器7に流れ込むのを抑制する冷媒流制御手段を構成しており、かつ凝縮器3に流れ込む風の量を制御する開閉手段をも構成する。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。上述した実施形態と異なる部分を説明する。図7は、本発明の第4実施形態を示す冷凍装置の構成を示す。第1実施形態と比較すると、冷媒制御弁は廃止されている。凝縮器3内の冷却凝縮を防ぐための開閉手段として、凝縮器3前面にダンパー(開閉扉またはシャッターとも言う)40を設けている。閉じられたダンパー40は、凝縮器3に走行風または自然風が当たらないようにする。ダンパー40は、多数の羽根を持つ。この羽根の傾斜角度が、制御装置12によりアクチェータ40aを介して制御されることにより、ダンパー40を通過する空気量が加減される。そしてダンパー40は、凝縮器3からの冷却凝縮した冷媒が蒸発器7に流れ込むのを抑制する冷媒流制御手段を構成しており、かつ凝縮器3に流れ込む風の量を制御する開閉手段をも構成する。
図8は、第4実施形態の制御を示す。前提条件として、ホットガスバイパスによる加熱時には、図7の凝縮器用送風機4は停止(OFF)している。凝縮器3前面のダンパー40は、凝縮器3内で冷却凝縮が発生する(または発生している)とステップS81で判断されたときに、閉じられる。閉じられたダンパー40によって、凝縮器3に流れ込もうとする空気の流れが遮断される。図8のステップS81での判断における冷却凝縮が発生するか否かの判定条件は、第1実施形態と同様に次の4条件である。
(4条件)
車速度センサ13が検出した車両速度>所定速度(単位はkm/h)
エンジン回転速度センサ14が検出した回転速度>所定エンジン回転速度(rpm)
圧縮器回転速度センサ15が検出した回転速度>所定圧縮機回転速度(rpm)
冷媒温度圧力センサ16が検出したサブクール度>所定サブクール度(℃)
ダンパー40を閉じることにより、凝縮器3には、走行風または自然風が実質的に当たらない。よって、凝縮器3の風による冷却が抑制され、凝縮器3内で冷媒の冷却凝縮が発生するのが抑制される。
車速度センサ13が検出した車両速度>所定速度(単位はkm/h)
エンジン回転速度センサ14が検出した回転速度>所定エンジン回転速度(rpm)
圧縮器回転速度センサ15が検出した回転速度>所定圧縮機回転速度(rpm)
冷媒温度圧力センサ16が検出したサブクール度>所定サブクール度(℃)
ダンパー40を閉じることにより、凝縮器3には、走行風または自然風が実質的に当たらない。よって、凝縮器3の風による冷却が抑制され、凝縮器3内で冷媒の冷却凝縮が発生するのが抑制される。
アイドル時においては、ステップS81において、凝縮器3内で冷却凝縮が発生するとは判定されない。よって、ステップS81の判断結果はNOとなる。よって、ダンパー40はステップS83で開かれる。これにより、アイドル時におけるホットガスバイパスによる加熱は、冷媒制御弁(10)がないため冷媒制御弁(10)が開弁している図3の「冷媒流量遮断なし」と同じであり、加温能力が優れる。
また、ステップS81において、凝縮器3内で冷却凝縮が発生すると判断される状況においては、ダンパー40がステップS82において閉じられる。そのため、閉じられたダンパー40によって、凝縮器3の風による冷却が抑制され、凝縮器3内で冷却凝縮が発生するのが抑制される。この結果、凝縮器3内の冷却凝縮した液冷媒が蒸発器7側に流れてホットガス凝縮加温サイクルによる加温作用が阻害されるのを抑制できる。このことは、上記冷媒制御弁(10)を閉じたのと同様の効果をもたらす。
なお、冷媒制御弁(10)が廃止されたが、第1実施形態と同様に、冷媒制御弁(10)を設けて制御しても良い。つまり、冷媒制御弁(10)による制御と、ダンパー40の制御とを併用しても良い。
(第4実施形態の効果)
上記第4実施形態においては、冷媒流制御手段40は、凝縮器3に流れ込む風の量を制御する開閉手段40(つまりダンパー40)から成る。これによれば、凝縮器3に流れ込む風の量を制御する開閉手段40を用いて、凝縮器3内における冷却凝縮及び冷媒の寝込みの発生を制御することができる。それによって、凝縮器3からの冷却凝縮した冷媒が蒸発器7に流れ込むこと、および、圧縮機1の低回転時における冷媒不足を抑制できるから、ホットガスを利用した加温能力の減少を抑制することができる。
上記第4実施形態においては、冷媒流制御手段40は、凝縮器3に流れ込む風の量を制御する開閉手段40(つまりダンパー40)から成る。これによれば、凝縮器3に流れ込む風の量を制御する開閉手段40を用いて、凝縮器3内における冷却凝縮及び冷媒の寝込みの発生を制御することができる。それによって、凝縮器3からの冷却凝縮した冷媒が蒸発器7に流れ込むこと、および、圧縮機1の低回転時における冷媒不足を抑制できるから、ホットガスを利用した加温能力の減少を抑制することができる。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものである。
上述の実施形態では、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものである。
なお、本発明は冷凍車用の冷凍機のみに適用されるものではない。その他車載用冷凍機(装置)、コンテナ冷凍機等の列車で使われる冷凍機である陸上輸送用冷凍機(装置)にも本発明を適用できる。更に、複数蒸発器付冷凍機(装置)、オイルセパレータ付冷凍機(装置)、および、蒸発器ユニット及びコンデンシングユニット一体化冷凍機(装置)にも本発明を適用できる。また、凝縮器は、コンテナ床置き等、設置場所を問わない。
上記第1実施形態においては、車両の走行速度信号、車両走行用のエンジンの回転速度信号、圧縮機回転速度信号、および冷媒温度圧力センサ16の信号の全ての信号を用いて、凝縮器での冷却凝縮があるか否かを判断した。しかし、これらの信号のいずれか一つの信号のみ、または任意の複数の信号の組合せで、凝縮器3での冷却凝縮があるか否かを判定しても良い。
また、それ以外の信号として、凝縮器3の前面に風速センサを設け、この風速センサからの風速検出信号のみで、あるいは風速検出信号を上記各種信号と組み合わせた複合信号により、凝縮器3での冷却凝縮の有無を判断してもよい。この場合、制御装置12による凝縮器3での冷媒の冷却凝縮の判断は、凝縮器3への風が所定量以上あると判断された場合に冷却凝縮があると判定する。図7を援用すれば、風速センサは、破線で示す風速センサ40bのように設けることができる。なお、図7のように風速センサ40bとダンパー40との両方を設けることは必須ではないが、両方設ければ、風速センサ40bとダンパー40とで凝縮器3に向かう風量の調節が可能であり、凝縮器3での過度な放熱を抑制できる。
このように制御装置12内の判定手段による凝縮器3での冷媒の冷却凝縮有無の判定は、凝縮器3への風が所定量以上あると判断された場合に冷却凝縮が有ると判定しても良い。これによれば、凝縮器3への風が所定量以上あるか否かに応じて、凝縮器3における冷媒の冷却凝縮有無を判定することができる。
更に、冷媒制御弁10の設置箇所を図1の破線丸印10fで示した凝縮器入口側としても良い。つまり冷媒制御弁10は、凝縮器隣接冷媒制御弁であれば良い。また冷媒制御弁10として電磁弁以外の各種制御弁(電動弁等)を使用できるのは勿論である。
上記第1実施形態においては、図4のステップS41において凝縮器内で冷却凝縮が発生しているか否かの判定を行ったが、このステップS41を図9のステップS91のように「アイドル中か?」として、アイドル中か否かの判定を行ってもよい。アイドル中か否かは、車両のアイドリング制御装置あるいはエンジン制御装置(エンジンECU)からの信号により判定することができる。アイドル中でない場合(NOの場合)は、ステップS92で冷媒制御弁10を閉弁する(または図7のダンパー40を遮蔽して風が流れないようにする)。一方。アイドル中の場合(YESの場合)は、ステップS93で冷媒制御弁10を開弁する(または図7のダンパー40を開放して風が流れるようにする)。
このように、制御装置12内の判定手段(ステップS91)による凝縮器3での冷媒の冷却凝縮有無の判定は、冷凍装置が搭載された車両のエンジンがアイドル状態のときに、冷媒の冷却凝縮が無いと判定する。具体的には、制御装置12の外部に設けられたエンジン制御装置等から車両のエンジンがアイドル状態であることを示す信号が制御装置12に送信されてきたときに冷却凝縮が無いと判定する。つまり制御装置12がアイドル状態であることを示す信号を受信しているときに、前記冷却凝縮が無いと判定する。制御装置12は、エンジンを制御するエンジン制御装置(エンジンECU)やアイドル制御装置等からの信号を多重通信回路を介して取り込むことができる。これによれば、車両のエンジンがアイドル状態か否かで、凝縮器3での冷媒の冷却凝縮有無を容易に判定することができる。
更に、冷凍装置の加温機能を具現化する方法として、圧縮機から吐出される高温高圧のホットガス冷媒を利用する方式には、ホットガス凝縮加温方式と、ホットガス非凝縮加温方式とがあることを説明した。ホットガス凝縮加温方式は、ホットガス冷媒を直接蒸発器に導入し、蒸発器で放熱させて凝縮させることにより、庫内を加温する。ホットガス非凝縮加温方式は、ホットガス冷媒を減圧弁等により庫内温度飽和圧力以下に減圧した後、蒸発器に導入し、蒸発器で放熱させることにより、庫内を加温する。本発明は、ホットガス凝縮加温方式と、ホットガス非凝縮加温方式との両方式に適用することができる。
1 圧縮機
3 凝縮器
7 蒸発器
10、60 冷媒流制御手段(冷媒制御弁)
12 制御装置
16 冷媒温度圧力センサ
40 冷媒流制御手段(開閉手段)
BP バイパス回路
SC サブクール度
3 凝縮器
7 蒸発器
10、60 冷媒流制御手段(冷媒制御弁)
12 制御装置
16 冷媒温度圧力センサ
40 冷媒流制御手段(開閉手段)
BP バイパス回路
SC サブクール度
Claims (8)
- 冷媒を圧縮したホットガスを利用して蒸発器(7)を加温するホットガス加温サイクルを有する冷凍装置において、
前記冷媒を圧縮する圧縮機(1)と、
前記圧縮機(1)が圧縮した前記冷媒を凝縮させる凝縮器(3)と、
前記冷媒が蒸発することにより温度が低下する蒸発器(7)と、
前記凝縮器(3)をバイパスして前記ホットガスを前記蒸発器(7)導くバイパス回路(BP)と、
前記ホットガスが前記バイパス回路(BP)を介して前記蒸発器(7)に導かれている場合に、前記凝縮器(3)内での冷媒の冷却凝縮の有無を判定する判定手段(S41、S51、S52、S81、S41)と、
前記判定手段により前記冷却凝縮が有ると判定されたことに応じて前記凝縮器(3)からの冷却凝縮した冷媒が前記蒸発器(7)に流れ込むのを抑制する冷媒流制御手段(10)と、を備えたことを特徴とする冷凍装置。 - 前記冷媒流制御手段(10)は、冷媒制御弁(10)を含み、
前記冷媒制御弁(10)は、制御装置(12)により開弁閉弁状態が制御され、
前記判定手段は、前記制御装置(12)内に存在することを特徴とする請求項1に記載の冷凍装置。 - 前記判定手段は、前記冷凍装置が搭載された車両の速度、前記車両のエンジンの回転速度、前記圧縮機(1)の回転速度、および凝縮器(3)の凝縮量に関わる冷媒状態の少なくともいずれかを用いることにより、前記冷却凝縮の有無を判定することを特徴とする請求項1または2に記載の冷凍装置。
- 前記判定手段は、前記冷凍装置が搭載された車両のエンジンがアイドル状態であることを示す信号から、前記冷却凝縮が無いと判定することを特徴とする請求項1または2に記載の冷凍装置。
- 前記判定手段は、前記凝縮器(3)への風が所定量以上あると判断された場合に前記冷却凝縮が有ると判定することを特徴とする請求項1または2に記載の冷凍装置。
- 前記凝縮量に関わる冷媒状態は、前記凝縮器(3)の凝縮量に関わる冷媒状態を測定した値に基づいて前記判定手段が把握することを特徴とする請求項3に記載の冷凍装置。
- 更に、前記凝縮器(3)内の冷媒の温度と該冷媒の圧力を検出する冷媒温度圧力センサ(16)を備え、
前記冷媒状態を測定した値は、前記冷媒温度圧力センサ(16)が測定した値に基づいて演算された前記凝縮器(3)のサブクール度(SC)であることを特徴とする請求項6に記載の冷凍装置。 - 前記冷媒流制御手段(40)は、前記凝縮器(3)に流れ込む風の量を制御する開閉手段(40)を含むことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の冷凍装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013033691A JP2014163564A (ja) | 2013-02-22 | 2013-02-22 | 冷凍装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013033691A JP2014163564A (ja) | 2013-02-22 | 2013-02-22 | 冷凍装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014163564A true JP2014163564A (ja) | 2014-09-08 |
Family
ID=51614343
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013033691A Pending JP2014163564A (ja) | 2013-02-22 | 2013-02-22 | 冷凍装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014163564A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10562376B2 (en) | 2015-12-11 | 2020-02-18 | Denso Corporation | Refrigeration cycle device |
US10759257B2 (en) | 2015-07-14 | 2020-09-01 | Denso Corporation | Refrigeration cycle device |
-
2013
- 2013-02-22 JP JP2013033691A patent/JP2014163564A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10759257B2 (en) | 2015-07-14 | 2020-09-01 | Denso Corporation | Refrigeration cycle device |
US10562376B2 (en) | 2015-12-11 | 2020-02-18 | Denso Corporation | Refrigeration cycle device |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6192435B2 (ja) | 車両用空気調和装置 | |
US9709308B2 (en) | Heat pump device and refrigerant bypass method | |
US9316423B2 (en) | Container refrigeration apparatus | |
CA2962829C (en) | A method for operating a vapour compression system with a receiver | |
US10870332B2 (en) | Vehicle air conditioner | |
AU2004267299A1 (en) | Refrigeration system | |
US9644881B2 (en) | Refrigeration device for container | |
US10926609B2 (en) | Vehicle air conditioning device | |
EP2881685B1 (en) | Container refrigeration device and control method thereof | |
JP2009293899A (ja) | 冷凍装置 | |
WO2017086343A1 (ja) | 車両用空調装置の冷凍サイクル及びこれを搭載した車両 | |
JP2020104591A (ja) | 車両用空調装置 | |
JP2007107860A (ja) | 空気調和装置 | |
JP2014163564A (ja) | 冷凍装置 | |
JP6047388B2 (ja) | 車両用空気調和装置 | |
JP5445577B2 (ja) | 冷凍装置およびその異冷媒充填検出方法 | |
WO2017150735A1 (ja) | 車両用空気調和装置 | |
JP2005041252A (ja) | 車両用空調装置 | |
JP6698312B2 (ja) | 制御装置、制御方法、及び熱源システム | |
JP6823681B2 (ja) | 冷凍装置 | |
JP5364733B2 (ja) | 車両用空調装置 | |
JP2007046860A (ja) | エジェクタ式冷凍サイクル | |
JP2021148348A (ja) | 空気調和装置 | |
JP2004322955A (ja) | 車両用空調装置 | |
JP2009006920A (ja) | 車両用空調装置 |